(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110799
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機および洗濯乾燥方法
(51)【国際特許分類】
D06F 33/69 20200101AFI20240808BHJP
D06F 33/63 20200101ALI20240808BHJP
D06F 105/24 20200101ALN20240808BHJP
【FI】
D06F33/69
D06F33/63
D06F105:24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015617
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 英新
(72)【発明者】
【氏名】澤田 崇行
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA24
3B167AB23
3B167AB24
3B167AB29
3B167AB42
3B167AC21
3B167AE05
3B167AE12
3B167BA10
3B167BA24
3B167BA38
3B167BA78
3B167BA91
3B167BA92
3B167HA16
3B167HA31
3B167HA54
3B167JA03
3B167JA11
3B167JA31
3B167JA43
3B167JA68
3B167JC22
3B167KA18
3B167KA32
3B167KA43
3B167LC02
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC14
3B167LC20
3B167LE06
3B167LF22
3B167LG08
3B167MA03
3B167MA13
(57)【要約】
【課題】ダニなどを除去する工程を含めた洗濯乾燥の全工程で安定した制御を行うことが可能な洗濯乾燥機を提供すること。
【解決手段】洗濯乾燥機10は、外装を構成する筐体20と、筐体内に支持され内部に洗濯液を溜める外胴30と、外胴内に回転可能に支持され洗濯物等を収容する洗濯槽40と、洗濯槽を駆動させる駆動部200と、外胴の下部に設けられた排液部100と、洗濯槽内に供給される空気を加熱して温風にする加熱部140と、洗濯槽内に温風を供給する送風部120,130と、洗濯工程、濯ぎ工程、脱液工程、および乾燥工程、を制御する制御部300と、を備え、制御部は、加熱部および送風部を用いて、洗濯工程の前に洗濯槽内の洗濯物等を温風で加熱する乾熱工程を実行させ、乾熱工程時および乾燥工程時の洗濯槽内の風量を一定の値に制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装を構成する筐体と、
前記筐体内に支持され内部に洗濯液を溜める外胴と、
前記外胴内に回転可能に支持され洗濯物等を収容する洗濯槽と、
前記洗濯槽を駆動させる駆動部と、
前記外胴の下部に設けられた排液部と、
前記洗濯槽内に供給される空気を加熱して温風にする加熱部と、
前記洗濯槽内に温風を供給する送風部と、
洗濯工程、濯ぎ工程、脱液工程、および乾燥工程を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記加熱部および前記送風部を用いて、洗濯工程の前に前記洗濯槽内の前記洗濯物等を温風で加熱する乾熱工程を実行させ、前記乾熱工程時および前記乾燥工程時の前記洗濯槽内の風量を一定の値に制御する、洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記制御部は、前記乾熱工程、前記脱液工程、および前記乾燥工程の前記洗濯槽内の風量を一定の値に制御する、請求項1に記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記制御部は、前記乾熱工程時に、前記温風で加熱された前記洗濯物等を前記送風部により冷却する冷却時間を設定する、請求項1に記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記制御部は、前記風量を、8.6m3/minから22.3m3/minの範囲で設定する、請求項1に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記制御部は、前記温風の温度を、10℃から75℃の範囲で設定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
乾いた状態の洗濯物等を温風で加熱する乾熱工程と、
前記温風で加熱された前記洗濯物等を洗濯する洗濯工程と、
洗濯された前記洗濯物等を液体で洗い流す濯ぎ工程と、
前記液体で濯いだ前記洗濯物等から洗濯槽の回転動作により脱液する脱液工程と、
脱液した前記洗濯物等を温風で加熱しつつ、前記洗濯槽を回転させて乾燥させる乾燥工程と、
を含み、
前記乾熱工程時および前記乾燥工程時の前記洗濯槽内の風量が、一定の値に制御される、洗濯乾燥方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯乾燥機および洗濯乾燥方法に関し、より詳細には、洗濯物等を加熱して、ダニなどを除去する洗濯乾燥機および洗濯乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、洗濯乾燥機において、所定の温度に洗濯物を昇温させ、ダニなどを除去するプレ乾燥工程を行ってから、洗濯工程を行うことで、洗濯物からダニの死骸を効率よく除去することが知られている。この時、乾いた洗濯物を昇温させる場合と、湿った洗濯物を昇温させる場合とでは、最適な乾燥制御が異なるため、ダニなどを除去するプレ乾燥工程を最適に実施する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、洗濯水を溜める水槽と、前記水槽内に回転可能に配設された回転槽と、前記回転槽を駆動するモータと、前記水槽の下部に設けられた排水口と、洗濯物を乾燥させるための乾燥手段と、温風を前記回転槽内に送風する送風手段と、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の工程の洗濯乾燥動作を制御する制御手段と、を備え、 前記制御手段は、洗い工程に先立ち前記乾燥手段により前記回転槽内の洗濯物に温風を送風するプレ乾燥工程を有し、前記プレ乾燥工程時の前記送風手段の回転数を、洗濯から乾燥まで連続的に行う場合の乾燥工程の前記送風手段の回転数よりも低く設定することを特徴とする洗濯乾燥機、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、プレ乾燥および洗濯から乾燥までの一連の工程において、最適化を実施するため、工程によって、異なる制御を行う必要があり、全工程を通して安定した制御を行うことができない可能性があるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の実施形態では、ダニなどを除去する工程を含めた洗濯乾燥の各工程で安定した制御を行うことが可能な洗濯乾燥機を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態では、外装を構成する筐体と、前記筐体内に支持され内部に洗濯液を溜める外胴と、前記外胴内に回転可能に支持され洗濯物等を収容する洗濯槽と、前記洗濯槽を駆動させる駆動部と、前記外胴の下部に設けられた排液部と、前記洗濯槽内に供給される空気を加熱して温風にする加熱部と、前記洗濯槽内に温風を供給する送風部と、洗濯工程、濯ぎ工程、脱液工程、および乾燥工程を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加熱部および前記送風部を用いて、洗濯工程の前に前記洗濯槽内の前記洗濯物等を温風で加熱する乾熱工程を実行させ、前記乾熱工程時および前記乾燥工程時の前記洗濯槽内の風量を一定の値に制御する、洗濯乾燥機を提供する。
【0008】
また、本発明の実施形態では、乾いた状態の洗濯物等を温風で加熱する乾熱工程と、前記温風で加熱された前記洗濯物等を洗濯する洗濯工程と、洗濯された前記洗濯物等を液体で洗い流す濯ぎ工程と、前記液体で濯いだ前記洗濯物等から洗濯槽の回転動作により脱液する脱液工程と、脱液した前記洗濯物等を温風で加熱しつつ、前記洗濯槽を回転させて乾燥させる乾燥工程と、を含み、前記乾熱工程時および前記乾燥工程時の前記洗濯槽内の風量が、一定の値に制御される、洗濯乾燥方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機の全体構成例を示す正面図および斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機の給排水系統の構成例を示す模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る風量センサがONの状態の構成例を示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る風量センサがOFFの状態の構成例を示す模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機の制御系統を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機の動作を示すタイムチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機のファンを回転させるモータを駆動する電力の周波数とファン回転数の関係を示す一覧表である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るファンを回転させるモータを駆動する電力の周波数に対する風量の値を例示する表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る洗濯乾燥機および洗濯乾燥方法について、図面を参照して説明する。本実施形態では、一例として、コインランドリー店舗内に設置され、利用料金の支払に応じて、衣類やシーツ等の洗濯物等に対して洗濯や乾燥等の処理を行うコインランドリー装置であるドラム式の洗濯乾燥機を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0011】
<洗濯乾燥機の構成例>
まず、
図1から
図4を参照して、本発明の一実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機の構成例について説明する。
図1(a)は、本実施形態に係るドラム式の洗濯乾燥機10の全体構成例を示す正面図である。
図1(b)は、洗濯乾燥機10の全体構成例を示す斜視図である。
図2は、洗濯乾燥機10の給排水系統の構成を示す模式図である。
図3は、本実施形態に係る風量センサ240がONの状態の構成例を示す模式図である。
図4は、風量センサ240がOFFの状態の構成例を示す模式図である。なお、各図において、同じ構成については同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0012】
図1(a)および
図1(b)に示すように、洗濯乾燥機10は、直方体形の外装を構成する筐体20と、筐体20内に支持され内部に洗濯水を溜める水槽としての役割を有する外胴(シェル)30(
図2を参照)および洗濯槽としての役割を有するドラム40を備える。外胴30は、横向きの有底円筒体であり、筐体20の内部に配置される。ドラム40も横向きの有底円筒体であり、外胴30の内側に配置され、外胴30内に回転可能に支持されて濯物等を収容する。
【0013】
筐体20は、フロントパネル20aのほぼ中央に、円形状のパネル開口20bを有する。外胴30は、衣類やシーツなどの洗濯物を出し入れする投入口60を有し、この投入口60がパネル開口20bに露出するように固定される。フロントパネル20aには、投入口60を開閉する開閉扉70がヒンジ機構を介して設けられる。開閉扉70は、投入口60を閉塞できる円板形を有し、中央部分には内部の洗濯物の覗き窓が設けられる。開閉扉70と投入口60の縁部との間には、気密性を高めるためのシール部材(不図示)が配置される。
【0014】
開閉扉70の中央縁部には、ハンドル式の扉ロック80が設けられる。洗濯乾燥機10の利用者は、扉ロック80のハンドルを用いて開閉扉70を開閉したり、開閉扉70をラッチ(空締まり)したり、ラッチを外したりできる。また、扉ロック80は、後述する制御部300により開閉扉70の施錠と解錠が制御される。すなわち、制御部300は、開閉扉70を閉じてラッチした状態でハンドルを固定することができる。
【0015】
図1(b)に示すように、利用者は開閉扉70を開けて、内部に横向きに配置した円筒形のドラム40内に洗濯物を投入し、洗濯・乾燥終了後に開閉扉70を開けて洗濯物を取り出す。洗濯乾燥機10のドラム40の側周面には、洗濯用水や乾燥用空気(温風)が通過する多数の開口孔40aが形成されている。さらに、ドラム40の内周面には、洗濯物を撹拌してほぐす羽根部材40bを周方向に例えば等間隔に間隔を開けて設けている。羽根部材40bは、ドラム40の奥行方向に沿って延びる断面山形の部材である。羽根部材40bは、一例として、周方向に90度間隔で4つ設けている。
【0016】
フロントパネル20aの上部には、操作パネル20cが配置される。操作パネル20cの各スイッチ(一例としてコース選択ボタン24)、および表示手段(一例として表示ランプ23、表示部27)等は、
図5に示すように制御部300に接続されており、利用者が洗濯物処理運転を設定する時に操作が行われる。操作パネル20cはタッチ式表示部で構成してもよい。一例として示した表示部27は、洗濯物処理運転に関する情報等を表示する。洗濯物処理運転に関する情報として、例えば洗濯乾燥機の利用時間、利用料金(超過料金、加重超過料金を含む)が表示される。
【0017】
次に、
図2を参照して、洗濯乾燥機10の内部構造について説明する。
図2に示すように、外胴30は、上側に洗濯物の洗濯及び濯ぎに用いる水又は温水又は混合のぬるま湯の給水管90と、下部に洗濯排水を排出する排水部(排液部)である排水管100が設けられている。外胴30は、給水管90から供給された水又は温水又は混合のぬるま湯を貯留し、そして貯留した水又は温水又は混合のぬるま湯を、排水管100を経由して外部に排出する。給水管90には、洗剤ポンプA,B,Cも接続されており、種類に応じた洗剤を外胴30内に供給することができる。外胴30には、水位を検出する水位センサ310が設けられる。水位センサ310は、その検出データを制御部300に出力する。
【0018】
また、
図2に示すように、外胴30には、ドラム40と開閉扉70の間に設けられるインポートに乾燥用の温風を供給する温風供給路120が接続され、外胴30の上面の斜め後方に設けられる排気孔190に温風排出路130が接続されている。本実施形態では、一例として、温風供給路120、温風排出路130、ファン160、およびファンモータ230で送風部を構成している。
【0019】
温風供給路120には、ガスバーナーで構成される加熱部である加熱ユニット140および風量センサ240を備えるバーナーケース110や、入力温度センサ320、不図示の過熱防止装置や安全装置等が設けられる。風量センサ240は、その検出データを制御部300に出力する。
【0020】
温風排出路130には、糸などのごみを捕獲するリントフィルタ150、ファン160、逆流防止のチャッキダンパ170、不図示の過熱防止装置等が設けられる。そして、外胴30の上面の斜め後方に設けられる排気孔190と温風排出路130と間を接続する排気ダクト180が設けられる。排気ダクト180は、内蔵するドラム40の回転動作の振動が外胴30にも伝達されることから、その振動に対応できるジャバラホース構造となっている。
【0021】
乾燥運転において、温風排出路130に設けられるファン160を回転させると、加熱ユニット140により加熱された空気(温風)が温風供給路120に導かれ、外胴30の内部のドラム40内に供給される。これにより、外胴30内で回転するドラム40に投入された洗濯物が乾燥する。この時、湿気を含んだ空気が外胴30の排気孔190から排気ダクト180を経由して温風排出路130に導かれ、外部に排出される。
【0022】
温風排出路130には、出口温度センサ330が配置される。出口温度センサ330は、外胴30から排気ダクト180を経由して温風排出路130に導かれる空気の温度を測定する。そして、出口温度センサ330は、測定データを制御部300に出力する。
【0023】
また、ドラム40は、外胴30に対して所定の隙間を隔てつつ、その開口が外胴30の投入口60に一致するように配置される。ドラム40は、後方に向けて延びる回転軸(不図示)を有し、この回転軸が外胴30により支持される。回転軸の後端には、駆動モータ200等を備える回転駆動部が接続される。回転駆動部は、駆動モータ200の回転をプーリとベルトを介して回転軸に伝達して、ドラム40を回転駆動させる。駆動モータ200は、洗濯乾燥の各工程で、インバータ又は減速機により調整された回転速度でドラム40を回転させる。
【0024】
その他、
図2に示すように、外胴30には、ドラム内部のエアー抜きと、給水のオーバーフローを行う風管210、ドラム内に「ナノイー(登録商標)」を放出するナノイーユニット220等も接続されている。
【0025】
利用者は、ドラム40内に洗濯物を入れて、コース選択ボタン24から希望する洗濯コースを選択後、料金受付部25へ選択したコースに応じた料金を入れる(支払い方法は現金、カード、スマートフォン決済等のいずれでも可)ことで運転が開始される。
【0026】
上述した洗濯乾燥機10は、
図2に示すように、開閉扉70から見て、ドラム40の後方で右斜め上方に排気孔190が設けられる特徴を有している。このような構造的特徴から、洗濯乾燥機10の脱水工程時のドラム40の回転方向は、時計方向(
図2の矢印Aの右回転)に固定設定されている。即ち、脱水工程時のドラム40の回転方向を反時計方向(左回転)に設定すると、洗濯工程又は濯ぎ工程を終えた洗濯物を上方に持ち上げる途中に排気孔190が位置することになる。このため、洗濯物や水分に紛れている綿ごみ等が排気孔190、および又は排気ダクト180、および又は温風排出路130にリントとして付着・蓄積する虞がある。また、洗濯工程又は濯ぎ工程で使用した水がドラム内の排気孔190等に付着して、洗濯後の洗濯物を汚す恐れがある。更に、排気孔190や排気ダクト180等の排気路に水が入って、そこで溜まりやすい状態となる。水が溜まると、排気路にゴミが着きやすい環境となる。
【0027】
これに対し、洗濯乾燥機10では、脱水工程時のドラム40の回転方向を時計方向(右回転)に固定している。従って、脱水工程時には洗濯物が下る途中に排気孔190が位置することになる。これにより、洗濯物や水分に紛れている綿ごみ等が排気孔190、および又は排気ダクト180、および又は温風排出路130に付着・蓄積するのを抑制できる構成を提供する。また、ドラム内の水が排気孔190や排気ダクト180等の排気路に付着するのを抑止できるので、洗濯後の洗濯物を汚すこともない。
【0028】
次に、
図3および
図4を参照して、バーナーケース110の外壁側面に備えられた本実施形態に係る風量センサ240の構成例について説明する。
図3(a)は、風量センサ240がONの状態の構成例を示す斜視図である。
図3(b)は、風量センサ240がONの状態の構成例を示す側面図である。
図4(a)は、風量センサ240がOFFの状態の構成例を示す斜視図である。
図4(b)は、風量センサ240がOFFの状態の構成例を示す側面図である。
【0029】
図3および
図4に示すように、風量センサ240は、バーナーケース110の外壁側面に備えられ、リミットスイッチ241と、回転軸242と、アルミ板243と、を有する。リミットスイッチ241は、バーナーケース110の外壁側面に設置され、その下方に位置する回転軸242を介してアルミ板243と連結されている。
【0030】
アルミ板243は、回転軸242を中心として、リミットスイッチ241がONの時(アルミ板243が閉じている時)にバーナーケース110の外壁側面に吸い付き、リミットスイッチ241がOFFの時(アルミ板243が開いている時)にバーナーケース110の外壁側面から離れる。バーナーケース110の外壁側面には、アルミ板243と接触する位置に風の通り道である角穴250が設けられている。
【0031】
風量センサ240は、バーナーケース110内で風量が確保できた場合、角穴250から空気が吸われることによりバーナーケース110の外壁側面にアルミ板243が吸い付き、上部のリミットスイッチ241をONにする。一方、リントフィルタ150のつまり等によりバーナーケース110内で風量が確保できない場合、風量センサ240は、角穴250から空気が吸われる力が弱くアルミ板243が吸い付かず、上部のリミットスイッチ241がOFFになる。
【0032】
<洗濯乾燥方法の例>
次に、
図5から
図7を参照して、本実施形態に係る洗濯乾燥機10の動作と、その洗濯乾燥方法について説明する。
図5は、洗濯乾燥機10の制御系統を示すブロック図である。
図6(a)は、洗濯工程~冷却工程の運転が選択された場合の洗濯乾燥機10の動作を示す図である。
図6(b)は、乾熱工程~冷却工程の運転が選択された場合の洗濯乾燥機10の動作を示す図である。
図7は、洗濯乾燥機10により制御される周波数と風量との関係を示す一覧表である。
【0033】
図5に示すように、筐体20の内部には、洗濯乾燥機10を統括的に制御する制御部300が設けられる。制御部300は、例えばCPU,ROM,タイマー,内部メモリ(RAM)300aを内蔵するマイクロコンピュータである。RAM300aには、後述する設定時刻、設定時間を含む各種データが記憶される。制御部300には、ドラム40の回転制御およびバーナーケース110内の風量制御を実行するプログラムが実装されている。
【0034】
制御部300は、ドラム40に投入された洗濯物に対する、洗濯工程、濯ぎ工程、脱水工程、乾燥工程、および冷却工程を制御する洗濯物処理運転を実行する。そして、制御部300には、上述した操作パネル20c、風量センサ240等の各種センサや各種ユニットと接続され、各種センサからのデータ、各種ユニットからの信号が入力されている。
【0035】
図6(a)に示すように、洗濯工程~冷却工程の運転(第1運転コース)が選択された場合、洗濯乾燥機10では、洗濯工程、濯ぎ工程、脱水工程、乾燥工程、および冷却工程、の基本工程が実施される。まずは、この基本工程の主な制御を説明する。
【0036】
まず、洗濯工程では、外胴30内に水と洗剤を注入し、駆動モータ200によりドラム40を回転させることによって洗濯物の洗濯を行う。洗濯工程のドラム回転数は、例えば、5段階(44rpm、46rpm、48rpm、50rpm、52rpm)設けられている。利用者は、洗濯物の素材や繊維状態に応じて、自由に希望する回転数を選択することが出来る。利用者による選択指示が無ければ、デフォルトで定めている回転数(例えば、46rpm)で洗濯工程が実施される。
【0037】
濯ぎ工程では、水槽および洗濯槽(30,40)内に水を注入し、ドラム40を回転させることによって洗濯物の濯ぎを行う。濯ぎ工程のドラム回転数は、例えば5段階(44rpm、46rpm、48rpm、50rpm、52rpm)設けられている。利用者は、洗濯物の素材や繊維状態に応じて、自由に希望する回転数を選択することが出来る。利用者による選択指示が無ければ、デフォルトで定めている回転数(例えば、46rpm)で濯ぎ工程が実施される。本実施形態では、簡略化のため1回の濯ぎ工程だけ示しているが、例えば2回以上の複数回の濯ぎ工程を実施する制御でも良い。
【0038】
脱水工程では、すすぎ水を外胴30から排出した後、ドラム40を高速回転させて遠心力によって脱水を行う。脱水工程のドラム回転数は、例えば5段階(550rpm、700rpm、750rpm、800rpm、850rpm)設けられている。利用者は、洗濯物の素材や繊維状態に応じて、自由に希望する回転数を選択することが出来る。利用者による選択指示が無ければ、デフォルトで定めている回転数(例えば、850rpm)で脱水工程が実施される。なお、脱水工程では、洗濯物を荒絞りして予備乾燥を行う予備脱水を行ってから、本脱水を行うことができる。本脱水の工程だけを行うと、洗濯物がドラム40に張り付いて固まりはがれ難くなるところ、予備乾燥を行うことにより、洗濯物をドラム40からはがれやすくすることができる。予備脱水工程のドラム回転数は、例えば200rpmである。
【0039】
乾燥工程では、加熱ユニット140からの温風を外胴30-ドラム40内に導きながらドラム40を回転させることによって乾燥を行う。乾燥工程のドラム回転数は、例えば5段階(53rpm、55rpm、57rpm、59rpm、61rpm)設けられている。利用者は、洗濯物の素材や繊維状態に応じて、自由に希望する回転数を選択することが出来る。利用者による選択指示が無ければ、デフォルトで定めている回転数(例えば、57rpm)で乾燥工程が実施される。
【0040】
冷却工程は、加熱ユニット140を停止させて、駆動モータ200によりドラム40を往復回転させながら、ファン160のみを駆動して、例えば1分間冷却を行う。
【0041】
最初に利用者は、洗濯乾燥機10の開閉扉70を開いて、投入口60から洗濯物をドラム40に投入する。そして、利用者は、開閉扉70を閉じて、扉ロック80により開閉扉70をラッチする。さらに、利用者は、複数のコース選択ボタン24の中から希望する洗濯コースを選択する。次いで、利用者は、利用料金を料金受付部25に投入する。
【0042】
次いで、利用者は、操作入力部26を操作して、任意の数字やアルファベットを入力する。制御部300は、扉ロック80を解錠するためのパスワードとして設定する。そして、利用者は、操作入力部26の運転開始ボタンを押下する。
【0043】
操作入力部26の運転開始ボタンが押下されると、制御部300は、開閉扉70の開閉センサ340からの入力信号に基づいて開閉扉70のラッチを確認し、扉ロック80により開閉扉7を施錠する。そして、制御部300は、外胴30の水位センサ310や各温度センサ320,330,350からの入力信号を受信しつつ、給水管90や排水管100の制御弁、駆動モータ200、ファン160、加熱ユニット140等を制御して、洗濯物処理運転を行う。なお、開閉扉70のロックが確認され、料金受付部25に利用料金が投入されれば、自動的に洗濯・乾燥動作を開始するようにしても良い。
【0044】
図6(b)に示すように、乾熱工程~冷却工程の運転(第2運転コース)が選択された場合、洗濯乾燥機10では、洗濯工程から冷却工程までの基本工程の前に、ダニ等を除去する乾熱工程が実施される。第2運転コースを実施することにより、洗濯工程より前に乾熱工程を行い、ダニ等を死滅および除去させて、洗濯時に死骸を洗い流すことができる。
【0045】
所定の乾熱時間が経過すると、基本工程を開始する。基本工程は、
図6(a)の説明と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
洗濯乾燥機10では、制御部300が、加熱部および送風部を用いて、洗濯工程の前に洗濯槽内の洗濯物等を温風で加熱する乾熱工程を実行させ、乾熱工程時および乾燥工程時の洗濯槽内の風量を一定の値に制御している。また、制御部300は、乾熱工程、脱水工程、乾燥工程、および冷却工程の全工程時の洗濯槽内の風量を一定の値に制御することもできる。
【0047】
乾熱工程は、乾燥工程と、送風部の回転数を変化させずに同一の制御を行う。洗濯乾燥機10では、乾熱工程の有効または無効を設定することができ、一例として、初期値を無効に設定し、無効の場合は乾熱工程を行わないようにすることができる。第2運転コースでは、乾熱工程を有効に設定して乾熱工程を行うようにしている。
【0048】
乾熱工程を実行する時間は、所定の時間を設定することができ、一例として、初期値を0分0秒とすることができる。 乾熱工程を実行する時間は、全工程時間に足される。
【0049】
乾熱工程の出口温度は、加熱ユニット140を制御することにより、所定の温度に設定することができる。洗濯乾燥機10では、一例として、乾熱工程の出口温度の初期値を75℃に設定し、乾熱工程時に出口温度がこの設定温度以上に到達すると加熱ユニット140のガスバーナーを消火し、この設定温度から-5℃以下の温度になったら再着火する。また、制御部300は、乾熱工程の出口温度を設定するために、送風部からの温風の温度を、一例として、10℃から75℃の範囲で設定することができる。なお、低温、中温、または高温の温度切り替えは、この設定温度に影響されない。
【0050】
制御部300は、乾熱工程時に、温風で加熱された洗濯物等を送風部により冷却する冷却時間を設定することができる。乾熱工程の次の洗濯工程で洗濯槽に冷水が入るため、冷却時間を設けることにより、衣類の縮みおよびドアガラスの破損を防止することができる。乾熱工程の冷却時間は、乾熱工程の残り何分前から冷却を行うかの時間を設定変更でき、一例として、乾熱工程の冷却時間は、60秒と設定することができ、0秒から300秒の範囲で設定することができる。もしも、乾熱工程の時間よりも冷却時間が長い場合、乾熱工程の時間はすべて冷却時間となる。なお、冷却時間は、乾熱工程時間を超える範囲の時間では行わない。
【0051】
図7および
図8を用いて、送風部のファン制御について説明する。
【0052】
送風部は、回転羽根(ファン160)と、ファン160を回転させるファンモータ230(AC(交流)モータ)を備えている。ファン160を回転させて、バーナーケース110、温風供給路120、ドラム40、排気ダクト180、および温風排出路130を経由して、加熱された温風または加熱されていない空気をドラム40へ吸い込み、ドラム40から洗濯乾燥機10外へ排出させている。
【0053】
ファンモータ230に供給する電力の周波数を変化させて、ファンモータ230の回転数を制御している。所謂、ファン160回転用のファンモータ230はインバータ制御されている。ファンモータ230に供給する電力の周波数に比例してファンモータ230の回転数は増減する。ファンモータ230の回転数に応じて、バーナーケース110から温風排出路130を経由して洗濯乾燥機10外へ排出される風量が変化する。
【0054】
本実施形態のファン制御は、リントフィルタ150の目詰まり量によって風量が低下するので、風量が低下した時にファン160の回転数を上げて必要な風量を得るようにしている。風量センサ240がバーナーケース110から温風排出路130を流れる所定の風量を検出した場合、制御部300は加熱ユニット140のガスバーナーに着火させるように制御している。
【0055】
図7は、ファンモータ230を駆動する周波数と、ファン160の回転数の関係を示している。洗濯乾燥機10は、Level LOW、Level1~Level5、Level MAXの7段階で、ファン回転数を制御している。洗濯容量別に3種類の洗濯乾燥機を例示している。小型洗濯乾燥機の場合は、洗濯容量15kg、乾燥容量11kgである。中型洗濯乾燥機の場合は、洗濯容量27kg、乾燥容量18kgである。大型洗濯乾燥機の場合は、洗濯容量35kg、乾燥容量26kgである。
【0056】
図8は、3種類の洗濯乾燥機における、ファンモータ230の駆動周波数と洗濯乾燥機10内を通過する風量を例示している。
【0057】
ファン160の回転制御について説明する。
【0058】
ファンモータ230に対し、所定の電力を与えると、ファン160の回転が開始され、ファン160による風量が増大していく。洗濯物がドラム40に投入されている場合、洗濯物の量、重さ等により、ドラム40内を通過する風量は変化する。本実施例では、この風量を、洗濯物の如何に関わらず、一定になるように制御する点に、特徴がある。
【0059】
特に、ファン160の回転開始時点では、風量も小さく、直ぐには、所定の風量とはならない。また、洗濯物もドラム内で、回転することにより、ファン160により発生する空気流(風)に対し、抵抗値が変化する可能性もある。本実施例では、風量センサ240により、ドラム40内を通過する風量が一定値に到達することを検出している。
【0060】
本実施例のファンモータ230は、印加周波数の増加に比例して、回転数が増大する構成となっている。本実施例でのファンモータ230に印加する周波数/ファン160の回転数は、Level LOW、Level1~Level5、Level MAXの7段階に設定されている。一方、本実施例では、ドラム40に洗濯物を入れない状態で、定格風量を実現する周波数を測定した。この結果を、
図7に示す。この定格風量に対応した周波数/回転数を、Level1とした。
【0061】
更に、本実施例では、Level1の下に、Level LOWを設け、初期値としてLevel LOWの周波数をファンモータ230に与え、回転を開始させる。通常は、Level LOWからファン160の回転を開始しても、定格風量は実現できず、風量センタ240は、「オン」しない。そこで、一定時間(例えば、5秒)経過後、周波数をLevel1に上げる。
【0062】
洗濯乾燥機10は、乾熱工程、洗濯工程、濯ぎ工程、脱水工程、冷却工程などの各工程を繰り返し動作していると、洗濯物や水分に紛れている綿ごみや繊維片等(リント)が温風排出路130に配置されたリントフィルタ150に徐々に付着し蓄積する。リントフィルタ150に蓄積したリントによって、リントフィルタ150の開口部は目詰まりし、風量がリントフィルタ150に詰まるリント量に応じて減少する。
【0063】
リント量に応じて風量が減少した場合でも、リントフィルタ150を通過する風量を風量センサ240で検出しながら、風量センサ240が「オン」になるまで、制御部300は周波数のLevelを順次上げる制御を行う。一旦、風量センサ240が「オン」した後は、そのままファンモータ230の回転数を維持する。その後も、制御部300はリント量に応じた風量変化に合わせてファンモータ230の駆動Levelを変化させている。
【0064】
リントフィルタ150が清掃され、リントフィルタ150に詰まったリントが除去されると、リントフィルタ150を通過する風量は初期の値へ戻る。風量が戻った後、制御部300はLevel LOWまたはLevel1から風量を制御する。
【0065】
また、洗濯物がドラム40の回転により、その配置等が大きく変わった場合、ドラム40を通過する空気流も、変化する可能性も否定できない。その場合には、風量センサ240が「オフ」になり、制御部300はファンモータ230の周波数Levelを上げることになる。
【0066】
このように、本実施形態では、ファンモータ230の回転数を、風量が目標の一定値になるように、アダプティブに制御している。
【0067】
風量が一定値以下であれば、加熱ユニット140による熱がドラム40内に行きわたらず、熱が偏在する可能性がある。熱が偏在すると洗濯物が均等に加熱されず、乾熱工程ではダニを局部的にしか死滅させることができない可能性があり、また乾燥工程では部分的に過剰乾燥し衣類の収縮を起こす可能性がある。風量が一定値以上であれば、加熱ユニット140による熱が、ドラム40内に行きわたり、乾熱工程および乾燥工程が良好に行われる。
【0068】
ファンモータ230の駆動周波数は、一例として、乾熱工程をLevel1から開始し、乾燥工程を乾熱工程よりも高いLevel2以上から開始することができる。また、乾熱工程と乾燥工程を同じ段階のLevel1などから開始することもできる。また、乾熱工程をLevel2以上から開始し、乾燥工程を乾熱工程よりも低いLevel1から開始することもできる。ただし、いずれのパターンで開始したとしても、最終的には、一定の値まで周波数を上昇させて、その後は乾熱工程および乾燥工程の風量を一定に制御している。なお、制御部300は、脱水工程の予備乾燥でも、上記制御と同様の制御を行うことができる。
【0069】
図8に示すように、業務用の洗濯乾燥機10の制御部300で風量を制御する場合、一例として、定格風量は、小型洗濯乾燥機の場合は周波数37.5[Hz]で9.4[m
3/min]、中型洗濯乾燥機の場合は周波数50[Hz]で15.8[m
3/min]、大型洗濯乾燥機の場合は周波数45[Hz]で16.7[m
3/min]、となっている。制御部300は、風量を、8.6[m
3/min]から22.3[m
3/min]の範囲で設定することができる。乾熱工程におけるその他の制御に使用される定数は、乾燥工程と同じである。なお、家庭用の洗濯乾燥機の場合、定格風量は、例えば2.6[m
3/min]であり、業務用に比べて低い風量となっている。
【0070】
また、洗濯乾燥機10は、乾燥工程中にドアロックを解除して運転を行うことができるドアロック解除の機能を設けているが、このドアロック解除の機能は、乾熱工程では適応しない。これにより、乾熱工程時にドアを開けられないようにして、ドラム40内の温度が下がらないようにすることができる。
【0071】
洗濯乾燥機10の制御部300は、クラウドや、スマホアプリで管理することができる。このとき、Web管理システム上の管理画面等は、一例として、乾熱工程を予備洗濯工程として表示することができる。
【0072】
上記の制御により、洗濯乾燥機10による洗濯乾燥方法は、第1ステップで、乾いた状態の洗濯物等を温風で加熱する乾熱工程を行う。第2ステップで、温風で加熱された洗濯物等を洗濯する洗濯工程を行う。第3ステップで、洗濯された洗濯物等を水で洗い流す濯ぎ工程を行う。第4ステップで、水で濯いだ洗濯物等から洗濯槽の回転動作により脱水する脱水工程を行う。第5ステップで、脱水した洗濯物等を温風で加熱しつつ、洗濯槽を回転させて乾燥させる乾燥工程を行う。第6ステップで、乾燥させた洗濯物等を送風により冷却する冷却工程を行い、工程を終了する。
【0073】
本実施形態に係る洗濯乾燥機10およびその洗濯乾燥方法によれば、ダニなどを除去する工程を含めた洗濯乾燥の全工程で安定した制御を行うことが可能となる。また、全工程で風量を一定にすることで、乾熱工程の回転数を下げて風量が小さくなると、特に大型のコインランドリー装置等ではダニの死滅ができなくなる可能性があるのを回避することができる。さらに、風量が低いことにより、高い温度で衣類に温風が当たり、ちぢみや変色になって洗濯物が傷んでしまうことを防止することができる。
【0074】
なお、洗濯乾燥機10は、乾熱工程の風量を乾燥工程の風量よりも大きく設定することもできる。
【0075】
本実施形態では、洗濯工程から冷却工程までの基本工程を実行可能なコインランドリー装置を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗濯物に対して洗濯処理のみを実行する洗濯機に本発明を適用してもよいし、あるいは、洗濯物に対して乾燥処理のみを実行する乾燥機に本発明を適用してもよい。
【0076】
本実施形態では、水を使用して洗濯を行う水洗タイプの機器を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、石油系溶剤等の有機溶剤を使用して洗濯を行うドライクリーニングタイプの洗濯機(洗濯乾燥機)に、バーナー加熱方式を、蒸気ヒーター、又はヒートポンプ等の過熱方式に変えて本発明を適用してもよい。なお、洗濯物を水で洗濯後、遠心力によって洗濯物から水を除く工程(脱水工程)と、有機溶剤で洗濯後、遠心力によって有機溶剤を洗濯物から除く工程を含めて脱液工程としている。また、本発明は、水と洗剤による洗濯工程に換えて、アルカリ水による洗濯工程としてもよい。ここで、洗濯液とは、水、有機溶媒、または、有機溶媒に洗剤や少量の水を加えたもの等をいう。さらに、濯ぎ工程では、水だけでなく、有機溶媒等を用いて洗濯物の濯ぎを行うことができる。
【0077】
本実施形態では、操作入力部26や料金受付部25が筐体20に配置される場合について説明したが、これに限らない。操作入力部26や料金受付部25が筐体20とは別に配置される場合であってもよい。すなわち、1つのコインランドリー装置が料金受付部等を備える分離型に限らず、いわゆる集中精算機方式により複数のコインランドリー装置の操作や支払を受け付ける場合であってもよい。
【0078】
本実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10…洗濯乾燥機
20…筐体
20a…フロントパネル
20b…パネル開口
20c…操作パネル
23…表示ランプ
24…コース選択ボタン
25…料金受付部
26…操作入力部
30…外胴
40…ドラム
40a…開口孔
40b…羽根部材
60…投入口
70…開閉扉
80…扉ロック
90…給水管
100…排水管
110…バーナーケース
120…温風供給路
130…温風排出路
140…加熱ユニット
150…リントフィルタ
160…ファン
170…チャッキダンパ
180…排気ダクト
190…排気孔
200…駆動モータ
210…風管
220…ナノイーユニット
230…ファンモータ
240…風量センサ
241…リミットスイッチ
242…回転軸
243…アルミ板
250…角穴
300…制御部
300a…内部メモリ(RAM)
310…水位センサ
320…入力温度センサ
330…出口温度センサ
350…洗濯温度センサ