(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110801
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240808BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240808BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 378
G06Q30/0207 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015622
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】ラベルデータの印刷を管理するシステムにおいて、ラベルデータを印刷した利用者に適切なポイントを付与できる技術を提供すること。
【解決手段】端末12Aと、端末12Bとにインターネット回線21を介してラベル管理サーバ22が接続するラベルデータ共有システム100において、ラベル管理サーバ22は、ラベルプリンタ11Bにラベルを印刷させた端末12Bが出力した印刷ログを取得する。ラベル管理サーバ22は、印刷ログに含まれる印刷されたラベルのラベル長さに基づいて獲得ポイントを決定する。獲得ポイントは、ラベル長さが長いほど、獲得しやすくなるように決定される。ラベル管理サーバ22は、ユーザDB25にアクセスし、印刷者のユーザIDに関連付けられた保有ポイントに、決定した獲得ポイントを加算する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、
前記サーバのコンピュータに、
印刷ログを取得する取得処理を実行させ、前記印刷ログは、情報処理装置がラベルプリンタに印刷を行わせた場合に、前記情報処理装置から出力されるものであり、前記印刷ログには、前記情報処理装置に設定されたユーザIDと、印刷されたラベルの長さと、が含まれており、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
前記取得処理にて取得された前記印刷ログに含まれる前記ラベルの長さに基づいて、前記ラベルの長さが長いほどポイントを獲得し易くなるように、前記ラベルプリンタでの印刷によって付与されるポイントである獲得ポイントを決定する決定処理と、
前記ポイントデータベースにアクセスし、前記決定処理にて決定された前記獲得ポイントを、読み出された前記印刷ログに含まれる前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、
を実行させることが可能である、
ように構成されるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記印刷ログには、印刷されたテープの種類が含まれ、
前記決定処理では、
前記取得処理にて取得された前記印刷ログに含まれる前記ラベルの長さに基づいて、前記ラベルの長さが長いほどポイントを獲得し易くなるように、前記獲得ポイントを決定し、さらに読み出された前記印刷ログに含まれるテープの種類に基づいて、ポイントの獲得し易さが異なる、
ように構成されるプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバは、印刷ログデータベースにアクセス可能であり、前記印刷ログデータベースには、前記情報処理装置によって出力された前記印刷ログが登録され、
前記取得処理では、
前記印刷ログデータベースにアクセスし、登録された前記印刷ログを読み出すことで、前記印刷ログを取得する、
ように構成されるプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
設定された任意のタイミングで、前記取得処理、前記決定処理、および前記加算処理、を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
前記情報処理装置から前記印刷ログが出力される度に、前記取得処理、前記決定処理、および前記加算処理、を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
前記加算処理にて前記保有ポイントが加算された場合に、前記取得処理にて取得された前記印刷ログを出力した前記情報処理装置に対して、前記保有ポイントの更新を通知する第1通知処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバは、累積印刷量データベースにアクセス可能であり、前記累積印刷量データベースは、ユーザIDごとに、累積の印刷量を示す累積評価値が記憶されており、
前記サーバの前記コンピュータに、
前記取得処理にて取得された前記印刷ログに含まれる前記ラベルの長さに基づく評価値を計算する計算処理と
前記累積印刷量データベースにアクセスし、前記計算処理にて計算された前記評価値を、取得された前記印刷ログに含まれる前記ユーザIDに対応する前記累積評価値に加算する評価値加算処理を実行させ、
前記決定処理では、前記評価値加算処理にて加算された前記累積評価値が閾値を超えた場合に、前記獲得ポイントを第1値とし、前記評価値加算処理にて加算された前記累積評価値が前記閾値を超えていなければ前記獲得ポイントを0とする、
ように構成されるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
前記決定処理の実行後、前記印刷ログを登録した前記情報処理装置に対して、前記累積評価値が前記閾値を超えるまでの残りの印刷量を示す目安情報を通知する第2通知処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
前記決定処理の実行後、前記加算処理にて前記保有ポイントが加算されなかった場合に、前記第2通知処理を実行させ、前記加算処理にて前記保有ポイントが加算された場合に、前記第2通知処理を実行させない、
ように構成されるプログラム。
【請求項10】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
第1の情報処理装置からユーザIDとラベルデータのアップロード指示とを受け付けるアップロード受付処理を実行させることが可能であり、前記ラベルデータは、前記ラベルプリンタで印刷可能なデータであり、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
前記アップロード受付処理にて前記ラベルデータの前記アップロード指示を受け付けた場合に、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記ラベルデータである投稿ラベルデータを受信する受信処理と、
前記受信処理にて受信した前記投稿ラベルデータを、前記アップロード受付処理にて受け付けられた前記ユーザIDと関連付けて記憶する記憶処理と、
を実行させ、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
第2の情報処理装置から前記投稿ラベルデータのダウンロード指示を受け付けるダウンロード受付処理を実行させることが可能であり、
前記ダウンロード受付処理にて前記第2の情報処理装置からの前記投稿ラベルデータの前記ダウンロード指示を受け付けた場合に、
前記投稿ラベルデータを前記第2の情報処理装置に送信する送信処理を実行させ、
さらに前記サーバは、投稿印刷量データベースにアクセス可能であり、前記投稿印刷量データベースは、前記投稿ラベルデータごとに、累積の印刷量を示す累積投稿ラベル評価値が記憶されており、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
前記第2の情報処理装置が前記ラベルプリンタに前記投稿ラベルデータの印刷を行わせたことによって前記印刷ログが出力され、前記取得処理にて、前記投稿ラベルデータの印刷による前記印刷ログが取得された場合に、
前記取得処理にて取得された前記印刷ログに含まれる前記ラベルの長さに基づく投稿評価値を計算する投稿計算処理と
前記投稿印刷量データベースにアクセスし、前記投稿計算処理にて計算された前記投稿評価値を、印刷された前記投稿ラベルデータに対応する前記累積投稿ラベル評価値に加算する投稿評価値加算処理と、
前記投稿評価値加算処理にて加算された前記累積投稿ラベル評価値が投稿用の閾値を超えた場合に、前記投稿ラベルデータの印刷によって付与される投稿者ポイントを第2値とし、前記投稿評価値加算処理にて加算された前記累積投稿ラベル評価値が前記投稿用の閾値を超えていなければ、前記投稿者ポイントを0とする投稿決定処理と、
前記ポイントデータベースにアクセスし、前記投稿決定処理にて決定された前記投稿者ポイントを、印刷された前記投稿ラベルデータに関連付けられた前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する投稿加算処理と、
を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項11】
情報処理装置とネットワークを介して接続可能なサーバであって、
前記サーバは、
ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、
さらに前記サーバは、
印刷ログを取得する取得処理を実行し、前記印刷ログは、前記情報処理装置がラベルプリンタに印刷を行わせた場合に、前記情報処理装置から出力されるものであり、前記印刷ログには、前記情報処理装置に設定されたユーザIDと、印刷されたラベルの長さと、が含まれており、
さらに前記サーバは、
前記取得処理にて取得された前記印刷ログに含まれる前記ラベルの長さに基づいて、前記ラベルの長さが長いほどポイントを獲得し易くなるように、前記ラベルプリンタでの印刷によって付与されるポイントである獲得ポイントを決定する決定処理と、
前記ポイントデータベースにアクセスし、前記決定処理にて決定された前記獲得ポイントを、読み出された前記印刷ログに含まれる前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、
を実行することが可能である、
ように構成されるサーバ。
【請求項12】
第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置と、サーバと、を備え、前記第1の情報処理装置および前記第2の情報処理装置がネットワークを介して前記サーバに接続可能なラベルデータ共有システムにおいて、
前記サーバは、
ラベルデータをユーザIDと関連付けて記憶可能であり、前記ラベルデータは、ラベルプリンタで印刷可能なデータであり、
前記第1の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置が有するラベルデータである投稿ラベルデータを、前記第1の情報処理装置に入力された前記ユーザIDと関連付けて、前記サーバにアップロードすることが可能であり、
前記サーバは、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータを、アップロードされた前記投稿ラベルデータに関連付けられた前記ユーザIDと関連付けて記憶し、
前記第2の情報処理装置は、
前記サーバに記憶されている前記投稿ラベルデータを、前記サーバからダウンロードすることが可能であり、
さらに前記第2の情報処理装置は、
ラベルプリンタに前記投稿ラベルデータの印刷を行わせた場合に、前記印刷に対応する印刷ログを出力し、出力される前記印刷ログには、前記第2の情報処理装置に設定された前記ユーザIDと、印刷されたラベルの長さと、が含まれ、
さらに前記サーバは、
ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、
さらに前記サーバは、
前記印刷ログを取得する取得処理と、
前記取得処理にて取得された前記印刷ログに含まれる前記ラベルの長さに基づいて、前記ラベルの長さが長いほどポイントを獲得し易くなるように、前記ラベルプリンタでの印刷によって付与されるポイントである獲得ポイントを決定する決定処理と、
前記ポイントデータベースにアクセスし、前記決定処理にて決定された前記獲得ポイントを、前記第2の情報処理装置に設定された前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、
を実行可能である、
ように構成されるラベルデータ共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ラベルデータの印刷管理に用いられるプログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツデータの共有を図るシステムとして、コンテンツデータを保存するサーバをインターネット上に用意し、ユーザのデバイスからコンテンツデータが投稿、すなわちそのサーバにアップロードされ、そのコンテンツデータが別のユーザのデバイスにダウンロードされるシステムが知られている。このようなシステムでは、コンテンツデータの投稿を促進するため、コンテンツデータを投稿したユーザに、そのシステムで利用可能なポイントを付与する場合がある。
【0003】
上述したようなシステムを開示した文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1に開示されるポイント管理システムでは、ユーザAのPCから写真データがWWWサーバにアップロードされ、ユーザBのPCによってその写真データが購入されてWWWサーバからダウンロードされると、購入者であるユーザBに購入額に応じたポイントが加算され、さらに投稿者であるユーザAにも、写真データのアップロード時あるいは写真データのダウンロード時に、写真データのデータサイズに応じたポイントが加算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るシステムが検討されている。このようなシステムでは、ラベルデータを投稿したユーザの他、ラベルデータを印刷したユーザにもポイントを付与することで、ラベルの印刷に関する消耗品の利用も促進できる。しかしながら、ラベルデータの印刷に対してポイントを付与する仕組みがない。
【0006】
特許文献1に開示されている技術のようにデータサイズが大きいほどより多くのポイントが付与される構成も考えられるが、データサイズは必ずしも消耗品の消費量を示すものではない。そのため、ラベルデータの印刷に対して付与するポイントを決定するための別の仕組みが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、前記サーバのコンピュータに、印刷ログを取得する取得処理を実行させ、前記印刷ログは、情報処理装置がラベルプリンタに印刷を行わせた場合に、前記情報処理装置から出力されるものであり、前記印刷ログには、前記情報処理装置に設定されたユーザIDと、印刷されたラベルの長さと、が含まれており、さらに前記サーバの前記コンピュータに、前記取得処理にて取得された前記印刷ログに含まれる前記ラベルの長さに基づいて、前記ラベルの長さが長いほどポイントを獲得し易くなるように、前記ラベルプリンタでの印刷によって付与されるポイントである獲得ポイントを決定する決定処理と、前記ポイントデータベースにアクセスし、前記決定処理にて決定された前記獲得ポイントを、読み出された前記印刷ログに含まれる前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、を実行させることが可能である、ように構成される。
【0008】
上記構成のプログラムを組み込まれたサーバは、ラベルプリンタでの印刷に関する印刷ログを取得し、取得した印刷ログに含まれる印刷されたラベルのラベル長さに基づいて獲得ポイントを決定する。獲得ポイントは、ラベルの長さが長いほどポイントを獲得し易くなるように決定される。サーバは、その決定された獲得ポイントをその印刷を指示したユーザの保有ポイントに加算する。これにより、サーバは、ラベルの印刷に使用した消耗品の消費量に応じた適切なポイントを利用者に付与することができる。
【0009】
上記装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0010】
本明細書に開示される技術によれば、ラベルデータの印刷を管理するシステムにおいて、ラベルデータを印刷した利用者に適切なポイントを付与できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態のラベルデータ共有システムを概略的に示す説明図である。
【
図3】ユーザデータベースの一例を示す説明図である。
【
図4】投稿ラベルデータベースの一例を示す説明図である。
【
図5】印刷ログデータベースの一例を示す説明図である。
【
図6】投稿処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】ダウンロード処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】印刷処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】獲得ポイント処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】投稿者ポイント処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】通知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態のラベル共有システムにて実行される印刷処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ラベルデータ共有システムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、サーバと複数の情報処理装置とをネットワークを介して接続し、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るラベルデータ共有システムを開示するものである。
【0013】
図1に示すように、本形態のラベルデータ共有システム100(以下「システム100」と略記する)は、例えば、ラベルプリンタのベンダによってユーザに提供されるシステムである。システム100は、端末12Aと、端末12Bと、ラベル管理サーバ22と、を備え、それらがインターネット回線21を介して接続されている。端末12A,12Bは、ラベルプリンタの所有者や利用者(以下「ユーザ」とする)が所有する端末である。端末12A,12Bは、インターネット回線21を介して印刷ログサーバ23に接続できる。端末12A,12Bは、それぞれ、ラベルプリンタ11A,11Bに接続できる。ラベル管理サーバ22は、印刷ログサーバ23に接続できる。
【0014】
端末12A,12Bは、通信機能と、表示機能と、操作機能と、を備える情報処理装置である。本形態の端末12A,12Bは、スマートフォンによって構成されるが、その他に、タブレットやパーソナルコンピュータによって構成されてもよい。端末12A,12Bには、それぞれ、クライアントアプリケーションプログラム(以下「クライアントアプリ」とする)13A,13Bが記憶されている。なお、ラベル管理サーバ22に接続する端末の数は本形態に限定されない。また、端末12A,12Bは、特に区別する必要がない場合、「端末12」と総称することがある。また、クライアントアプリ13A,13Bは、特に区別する必要がない場合、「クライアントアプリ13」と総称することがある。また、ラベルプリンタ11A,11Bは、特に区別する必要がない場合、「ラベルプリンタ11」と総称することがある。
【0015】
クライアントアプリ13は、ラベルプリンタ11のベンダによって提供されるアプリケーションプログラムである。クライアントアプリ13は、端末12上において、ラベルデータの作成や編集を行うための機能を備える。クライアントアプリ13は、作成したラベルデータをラベル管理サーバ22に対して投稿する、すなわちアップロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、ラベル管理サーバ22からラベルデータをダウンロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、端末12上において作成したラベルデータやダウンロードしたラベルデータを、ラベルプリンタ11を用いて印刷するための機能を備える。クライアントアプリ13は、ラベルプリンタ11にラベルを印刷させた場合に、その印刷ログを出力する機能を有する。
【0016】
なお、ラベル管理サーバ22にラベルデータを投稿する投稿者の端末12Aは、「第1の情報処理装置」の一例である。ラベルプリンタ11Bを用いてラベルデータを印刷する印刷者の端末12Bは、「第2の情報処理装置」の一例である。ラベル管理サーバ22は「サーバ」の一例である。インターネット回線21は「ネットワーク」の一例である。
【0017】
ラベルプリンタ11は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたテープを巻き出しつつ印刷を行う印刷装置である。ラベルプリンタ11は、例えば、端末12から受信した印刷ジョブに基づいて、収容されているテープへの画像の印刷とテープの搬送とを行い、印刷済みの部分を機外へ突出させる。機外に突出されたテープによって、所定のラベル長さとラベル幅とを有するラベルが作成される。「ラベル幅」は、ラベルがラベルプリンタ11から機外へ搬出される方向に直交する方向、すなわち、幅方向の寸法である。「ラベル長さ」は、ラベルがラベルプリンタ11から搬出される方向の長さ、すなわち、長さ方向のサイズである。
【0018】
ラベルプリンタ11は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANの通信や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、端末12に接続される。また、USBの通信規格を用いて有線でラベルプリンタ11と端末12とを接続するものであっても良い。
【0019】
ラベルプリンタ11で利用可能なテープには、複数の種類がある。テープの種類は、例えば、テープの幅によって区別してもよいし、テープやインクの色によって区別してもよいし、テープの素材や特殊加工の有無によって区別してもよい。テープは、その種類によって、対応可能なラベルプリンタのモデルが予め決められている。ユーザは、印刷を行わせるラベルプリンタのモデルに対応する複数種類のテープのうち、目的や用途などに適した種類のテープをラベルプリンタに付け替えることができる。
【0020】
ラベル管理サーバ22は、少なくとも、記憶機能と、通信機能と、を有する装置である。ラベル管理サーバ22は、CPU221と、メモリ222と、を有する制御部220を備えている。ラベル管理サーバ22は、ネットワークインタフェース(以下「ネットワークIF」とする)225と、操作表示部226と、インタフェース227と、を備え、これらが制御部220に接続している。CPU221は「コンピュータ」の一例である。制御部220が「コンピュータ」の一例であってもよい。
【0021】
CPU221は、メモリ222から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ222は、サーバ用プログラム228などの各種のプログラムや、テープ指標情報229などの各種のデータが記憶される記憶領域である。メモリ222は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。
【0022】
サーバ用プログラム228は、ラベルプリンタによるラベルの印刷を管理するためのプログラムである。サーバ用プログラム228は、ラベルデータの投稿を受け付けたり、投稿されたラベルデータを端末に対して送信したりする機能を有する。サーバ用プログラム228は、印刷者の端末12Bから出力された印刷ログを取得して、印刷されたラベルのラベル長さに基づいてポイントを付与する機能を有する。サーバ用プログラム228は「プログラム」の一例である。サーバ用プログラム228の機能については後述する。
【0023】
例えば
図2に示すように、テープ指標情報229は、テープ型番2291にテープ係数2292を関連付けて記憶している。テープ型番2291は、テープの種類を識別するための情報である。テープ型番2291は、例えば、商品ごとに付与されている。
【0024】
テープ係数2292は、テープの価値を示す情報である。テープの価値はその種類によって異なる。例えば、テープ幅の広いテープは、テープ幅の狭いテープより価値が高い。例えば、テープまたはインクが金色など、テープやインクの色が特殊なテープは、テープとインクの色が白黒のテープより価値が高い。また例えば、布やリボンなど、素材が特殊なテープは、汎用的な素材のテープより価値が高い。価値の高いテープを使用する印刷は、印刷コストが高くなる。テープ係数2292は、テープの価値が高いほど、高い値が設定されている。テープ係数2292は、例えば、ラベル長さに基づいてポイントを付与する場合に使用される。
【0025】
図1に示すメモリ222の一例は、装置に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU221が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。CPU221が読み取り可能なストレージ媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。
【0026】
操作表示部226は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。なお、操作表示部226は、表示機能と操作受け付け機能とを共に備えるタッチパネルであっても良いし、表示機能を備えるディスプレイと操作受け付け機能を備えるキーボード、マウス、トラックボール等との組であっても良い。
【0027】
ネットワークIF225は、端末12や印刷ログサーバ23等の外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。ネットワークIF225の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などである。ネットワークIF225の通信の態様は、有線でも無線でもよい。本形態のネットワークIF225は、インターネット回線21に接続されている。ネットワークIF225は、有線または無線により、印刷ログサーバ23に接続されている。印刷ログサーバ23は、印刷ログデータベース(以下「印刷ログDB」とする)と接続し、印刷ログの登録を行う。印刷ログDB30については後述する。
【0028】
インタフェース227は、ユーザデータベース(以下「ユーザDB」とする)25と、投稿ラベルデータベース(以下「投稿ラベルDB」とする)26と、が接続されている。本形態では、インタフェース227は、有線LAN24を介してユーザDB25および投稿ラベルDB26に接続されている。ユーザDB25および投稿ラベルDB26は、ラベル管理サーバ22が有してもよいし、ラベル管理サーバ22と別のサーバが有してもよい。また、ユーザDB25および投稿ラベルDB26は、別々のサーバが有していてもよい。また、ラベル管理サーバ22が印刷ログDB30を有していてもよい。
【0029】
図3に示すように、ユーザDB25は、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントを記憶することができる。ユーザDB25は、ユーザID251と、ユーザ名252と、累積評価値253と、ポイント情報254と、パスワード255と、ポイント更新日時256と、を関連付けたレコードによって構成されている。ユーザDB25は「ポイントデータベース」および「累積印刷量データベース」の一例である。
【0030】
ユーザID251は、システム100を利用可能なユーザを識別するための識別情報であり、端末12を使用するユーザを特定する。また、ユーザ名252は、ユーザの個人または団体(法人)の名称やニックネーム、住所、連絡先、メールアドレス等である。なお、ユーザID251は、システム100が提供するサービスを初めて利用する際に新規に設定される。例えば、システム100が提供するサービスを初めて利用する際に、端末12上においてユーザが入力したユーザ名は、新規のユーザID251と対応するように、ユーザDB25のユーザ名252に追加記憶される。
【0031】
累積評価値253は、累積の印刷量あるいはラベル長さを示す情報である。累積評価値253には、ラベルプリンタを用いて印刷したラベルの長さに基づいて計算した評価値を累積した値が記憶される。累積評価値253には、ラベル管理サーバ22に投稿されたラベルデータ(以下「投稿ラベルデータ」とする)を用いて印刷されたラベルのラベル長さに基づく評価値と、ラベル管理サーバ22に投稿されていないラベルデータ(以下「オリジナルラベルデータ」とする)を用いて印刷されたラベルのラベル長さに基づく評価値と、が含まれる。
【0032】
ポイント情報254は、ユーザの保有ポイントを示す情報である。保有ポイントは、例えば、システム100を利用して有償のコンテンツあるいは機能や、テープ等の消耗品を購入する場合に、現金の代わりとして使用することができる。保有ポイントは、例えば、印刷されたラベルのラベル長さに基づいて付与される。印刷されたラベルは、投稿ラベルデータに基づくラベルでも、オリジナルラベルデータに基づくラベルでもよい。例えば、保有ポイントは、累積評価値が閾値を超える場合にポイントが加算される。
【0033】
パスワード255は、ユーザ名252に記憶された各ユーザがそれぞれ設定したパスワードである。ポイント更新日時256は、ポイント情報254すなわち保有ポイントが更新された年/月/時刻が記憶される。ポイント更新日時256は、ポイント情報253が更新されず、累積評価値253が更新された場合には、累積評価値253が更新された年/月/時刻が記憶される。
【0034】
図4に示すように、投稿ラベルDB26は、投稿ラベルデータをユーザIDに関連付けて記憶できる。投稿ラベルDB26は、ラベルID261と、ユーザID262と、投稿ラベルデータ263と、テープ型番264と、投稿日265と、累積投稿ラベル評価値266と、累積投稿ラベル評価値更新日時267と、を関連付けたレコードによって構成されている。
【0035】
ラベルID261は、本形態のシステム100において投稿ラベルDB26に登録されるラベルデータ毎に順次付されたシリアル番号である。ユーザID(制作者)262は、システム100を使用して投稿したユーザのユーザID251である。
【0036】
投稿ラベルデータ263は、ラベル管理サーバ22に投稿されたラベルデータである。投稿ラベルデータ263は、例えば、テキスト、シンボルマーク、枠、画像、コード情報などの各種オブジェクトに関する情報を含む。投稿ラベルデータ263は、例えば、ラベル色、ラベル長さ、印刷方法などの各種属性に関する情報を含む。
【0037】
テープ型番264は、テープの種類を識別するための情報である。例えば、テープ型番264には、ユーザがラベルデータを投稿する際に選択したテープの型番が記憶される。投稿日265は、ラベルデータが投稿された年月日を示す情報である。
【0038】
累積投稿ラベル評価値266には、投稿ラベルデータに基づいて印刷されたラベルのラベル長さに基づいて計算された投稿評価値を累積した値が記憶される。累積投稿ラベル評価値266は、投稿ラベルデータに基づいて印刷されたラベルの長さに基づく値であるため、投稿者でないユーザの印刷によっても投稿評価値が加算される。累積投稿ラベル評価値更新日時267は、累積投稿ラベル評価値266を最後に更新した年/月/日/時刻を示す情報である。
【0039】
図5に示すように、印刷ログDB30は、端末12によって出力された印刷ログを記憶することができる。印刷ログDB30は、印刷ログID301と、ユーザID(印刷者)302と、テープ型番303と、ラベルID304と、サイズ情報305と、印刷日時306と、を関連付けたレコードによって構成されている。
【0040】
印刷ログID301は、印刷ログDB30に登録された印刷ログごとに順番に付与されるシリアル番号である。ユーザID(印刷者)302は、ラベルプリンタ11によってラベルを印刷したユーザのユーザID251である。テープ型番303は、ラベルの印刷に使用したテープの型番である。テープ型番303に記憶される情報は、クライアントアプリ13を用いてラベルデータを編集した際に設定される情報でも、端末12がラベルプリンタ11から取得した情報でもよい。
【0041】
ラベルID304は、ラベルプリンタ11によって印刷されたラベルデータに付されたラベルIDが記憶される。印刷されたラベルが投稿ラベルデータに基づくラベルである場合、その投稿ラベルデータのラベルID261がラベルID304に記憶される。印刷されたラベルがオリジナルラベルデータに基づくラベルである場合、ラベルID304にはラベルIDが記憶されない。
【0042】
サイズ情報305は、印刷されたラベルのサイズを示す情報である。サイズ情報305は、印刷されたラベルのラベル長さと、ラベル幅とを含む。印刷日時306は、ラベルプリンタ11によってラベルが印刷された年/月/日/時刻を示す情報である。
【0043】
続いて、システム100の動作を説明する。システム100では、ラベルデータをラベル管理サーバ22に投稿したり、投稿ラベルデータをラベル管理サーバ22から端末12に送信したりすることによって、投稿ラベルデータの共有を図っている。システム100は、ラベルプリンタによってラベルデータを印刷した場合、印刷されたラベルのラベル長さに応じたポイントを決定して保有ポイントに加算することができる。印刷されるラベルデータは、投稿ラベルデータでも、オリジナルラベルデータでもよい。以下では、投稿処理とダウンロード処理について説明した後、印刷処理について説明する。
【0044】
なお、本形態における各処理ステップは、基本的に、主にサーバ用プログラム228などのプログラムに記述された命令に従ったCPU221の処理を示す。CPU221による処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの詳細な記載を省略して各プログラムの動作を説明する。
【0045】
(投稿処理)
図6のシーケンス図に示すように、投稿処理では、ラベルデータの投稿を実行しようとするユーザ(以下「投稿者」と称す)が、端末12Aのクライアントアプリ13Aを起動し、端末12A上でラベルデータを作成する(A01)。例えば、端末12Aは、投稿用のラベルデータを作成する指示を受け付けると、ラベルデータを作成するための投稿画面(図示せず)を表示する。端末12Aは、ラベルデータを作成する操作を投稿画面を介して受け付け、ラベルデータを作成する。
【0046】
投稿画面は、例えば、「新規投稿」ボタン(図示せず)を含む。「新規投稿」ボタンは、アップロード指示を受け付けるための操作子である。「新規投稿」ボタンには、ラベル管理サーバ22のアドレスが関連付けられている。アップロード指示は、投稿者が作成したラベルデータをユーザIDに関連付けてラベル管理サーバ22に登録する指示である。
【0047】
投稿者が、端末12A上に表示された「新規投稿」ボタンをタッチすると、端末12Aのクライアントアプリ13Aは、アップロード指示と、投稿者のユーザIDと、をラベル管理サーバ22に送信する(A02)。
【0048】
ラベルデータをラベル管理サーバ22に送信する処理の一例を具体的に説明する。例えば、ラベル管理サーバ22がウェブサーバ機能を有する場合、端末12Aは、ラベル管理サーバ22のサーバ用プログラム228から提供された投稿用のウェブページを、クライアントアプリ13Aのブラウザ機能によって表示する。投稿者は、そのウェブページを介してラベル管理サーバ22にログインする際にユーザIDを入力する。端末12Aは、入力されたユーザIDに基づく認証に成功すると、サーバ用プログラム228が提供する投稿画面をクライアントアプリ13Aのブラウザ機能によって表示し、ラベルデータを受け付ける。投稿画面では、テープ型番を受け付けてもよい。ラベルデータを作成した投稿者は、「新規投稿」ボタンをタップすることにより、アップロード指示をそのウェブページを介して入力する。これにより、ラベルデータがラベル管理サーバ22にアップロードされる。
【0049】
また例えば、端末12Aのクライアントアプリ13Aは、投稿画面を表示する機能を有する場合、その投稿画面にてユーザIDと、ラベルデータと、の入力を受け付けてもよい。この場合、端末12Aは、ラベル管理サーバ22に送信するアップロード指示に、入力を受け付けたユーザIDと、ラベルデータと、を付す。投稿画面にてテープ型番を受け付けた場合、端末12Aは、さらにテープ型番をアップロード指示に付してもよい。
【0050】
ラベル管理サーバ22は、インタフェース227を用いて投稿ラベルDB26にアクセスし、端末12Aを介して受け付けた投稿ラベルデータを記憶する(A03)。
【0051】
具体的には、ラベル管理サーバ22は、新たなラベルIDを作成して新たなラベルID261とし、新たなラベルIDを含むレコードを投稿ラベルDB26に設ける。その後、ラベル管理サーバ22は、新たなラベルID261を含むレコードに対して、受信した投稿者のユーザID251をユーザID(製作者)262として、また、受信した投稿ラベルデータを投稿ラベルデータ263として、また、投稿日時の年月日を投稿日265としてそれぞれ記憶する。A02の処理は「アップロード受付処理」、「受信処理」の一例である。A03の処理は「記憶処理」の一例である。
【0052】
ラベル管理サーバ22は、投稿ラベルデータの記憶が完了すると、「登録完了」を端末12Aに通知する(A04)。「登録完了」の通知を受信した端末12Aは、例えば、投稿ラベルの登録が完了した旨を表示する(A05)。これにより投稿者は、投稿したラベルデータがシステム100に登録されたことを知ることができる。
【0053】
(ダウンロード処理)
図7のシーケンス図に示すように、ダウンロード処理では、まず、投稿ラベルデータのダウンロードを実行しようとするユーザ(以下「印刷者」と称す)が、端末12Bのクライアントアプリ13Bを起動した後に、端末12B上において表示された「ラベルダウンロード」ボタン(図示せず)をタッチする(B01)。すると、端末12Bは、ダウンロード可能な投稿ラベルデータのリストの送信をラベル管理サーバ22に要求する(B11)。
【0054】
例えばサーバ用プログラム228がログイン用のウェブページを端末12Bに提供し、そのウェブページをクライアントアプリ13Bのブラウザ機能によって端末12Bが表示する。そのウェブページを介してユーザIDを入力することで、ユーザIDが端末12Bからラベル管理サーバ22に送信される。ログインが承認されると、ラベル管理サーバ22は、リスト送信要求を受け付ける。
【0055】
ラベル管理サーバ22は、リスト送信要求を受け付けると、投稿ラベルDB26にアクセスし、ラベルプリンタで対応可能な投稿ラベルデータ263に基づいてリストを作成する(B12)。この際に、ラベル管理サーバ22は、ラベルプリンタ11Bで対応可能な投稿ラベルデータ263が複数個ある場合には、複数個の投稿ラベルデータ263およびラベルID261に基づいてリストを作成することができる。また、この際に用いられる投稿ラベルデータ263は、ラベルのサムネイル画像データであっても差し支えない。その後、ラベル管理サーバ22は、作成したリストを端末12Bに送信する(B13)。リストには、少なくとも、投稿ラベルデータの画像と、ラベルIDとが含まれている。
【0056】
端末12Bは、リストを受信すると、受信したリストに基づいてダウンロード可能な投稿ラベルデータを一覧表示する。例えばサーバ用プログラム228が投稿ラベルデータの選択用のウェブページを提供し、そのウェブページをクライアントアプリ13Bのブラウザ機能によって端末12Bが表示する(B14)。そのウェブページを介して、投稿ラベルデータが一覧表示される。
【0057】
当該画面には、例えば、投稿ラベルデータを選択するための選択ボタン(図示せず)と、ダウンロードを実行するための「実行」ボタン(図示せず)と、が含まれている。印刷者が、端末12B上に表示された複数の投稿ラベルデータの内、1つを選択した後に「実行」ボタンをタッチすると、端末12Bは、ダウンロードする投稿ラベルデータの選択を受け付ける(B21)。そして、端末12Bは、ダウンロード指示をラベル管理サーバ22に送信する(B22)。ダウンロード指示は、選択された投稿ラベルデータをダウンロードするための指示である。ダウンロード指示には、選択された投稿ラベルデータのラベルIDが付されている。
【0058】
ラベル管理サーバ22は、ダウンロード指示を受信すると(B22)、インタフェース227を用いて投稿ラベルDB26にアクセスし、ダウンロード指示に付されたラベルIDに対応する投稿ラベルデータ263を抽出する(B23)。ラベル管理サーバ22は、抽出した投稿ラベルデータ263を端末12Bに送信する(B24)。B22の処理は「ダウンロード受付処理」の一例である。B24の処理は「送信処理」の一例である。
【0059】
端末12Bは、ダウンロードの完了を知らせるメッセージを表示する(B25)。これによりクライアントアプリ13Bは、ダウンロードした投稿ラベルデータの編集や印刷を行うことが可能になる。
【0060】
(印刷処理)
図8のシーケンス図に示すように、印刷処理では、例えば、端末12Bのクライアントアプリ13Bは、ラベルデータの編集し(C01)、印刷指示を受け付ける(C02)。
【0061】
ラベルデータの編集と印刷指示の入力の一例を説明する。例えば、クライアントアプリ13Bは、ラベルデータを編集するための編集画面を表示する。編集画面は、例えば、印刷対象となるラベルの画像データを表示する編集領域と、ラベルデータについて各種の設定項目の設定を行う設定領域(図示せず)と、印刷指示を受け付けるための「印刷」ボタン(図示せず)と、を含む。
【0062】
例えば、端末12Bのクライアントアプリ13Bは、編集画面の編集領域に投稿ラベルデータを表示させた状態で、設定領域にて各種の設定を受け付けると、受け付けた設定を投稿ラベルデータに反映させる。クライアントアプリ13Bは、「印刷」ボタンがタップされると、印刷指示を受け付ける(C02)。
【0063】
印刷指示を受け付けたクライアントアプリ13Bは、編集画面にて編集された投稿ラベルデータに基づいて印刷データを生成し、ラベルプリンタ11Bに送信する(C03)。ラベルプリンタ11Bは、受信した印刷データに基づいてラベルを印刷する(C04)。ラベルプリンタ11Bは、ラベルの印刷を終了すると、印刷結果を端末12Bに送信する(C05)。
【0064】
端末12Bは、ラベルプリンタ11Bから印刷結果を受信すると、その印刷結果に基づいて印刷が正常に終了したか否かを判断する(D01)。端末12Bは、印刷が正常に終了しないと判断した場合には(D01:NO)、印刷に失敗したことを知らせるエラー通知を行い(D05)、処理を終了する。
【0065】
一方、端末12Bは、印刷が正常に終了したと判断した場合には(D01:YES)、当該ラベルの印刷に基づく印刷ログを出力する(D02)。端末12Bから出力された印刷ログは、印刷ログサーバ23に受信されて印刷ログDB30に登録される(D03)。
【0066】
具体的には、印刷ログサーバ23は、新たな印刷ログIDを生成し、その新たな印刷ログIDを、新たなレコードの印刷ログID301に記憶する。印刷ログサーバ23は、受信した印刷ログに含まれるユーザIDと、印刷に使用したテープのテープ型番と、印刷された投稿ラベルデータのラベルIDと、印刷したラベルのラベル長さおよびラベル幅を含むサイズ情報と、ラベルを印刷した印刷日時とを、新たなレコードのユーザID302とテープ型番303とラベルID304とサイズ情報305と印刷日時306とにそれぞれ記憶する。
【0067】
印刷ログの登録を完了した印刷ログサーバ23は、その印刷ログを送信した端末12Bに登録完了を通知する(D04)。この登録完了通知には、登録された印刷ログに付与された印刷ログIDが付されている。
【0068】
印刷ログサーバ23から登録完了の通知を受信した端末12Bは、印刷ログ登録通知をラベル管理サーバ22に送信する(E01)。印刷ログ登録通知には、登録完了通知に付された印刷ログIDが付されている。印刷ログ登録通知を受信したラベル管理サーバ22は、ネットワークIF225を用いて印刷ログサーバ23にアクセスし、登録完了通知に付された印刷ログIDを含む印刷ログを印刷ログDB30から読み出して取得する(E02)。E02の処理は「取得処理」の一例である。
【0069】
印刷ログを取得したラベル管理サーバ22は、獲得ポイント処理を実行する(F01)。獲得ポイント処理は、ラベルの長さに基づくポイントを、ラベルを印刷した印刷者に付与する処理である。
【0070】
図9のフローチャートに基づいて獲得ポイント処理を説明すると、ラベル管理サーバ22のCPU221は、取得した印刷ログからラベル長さを抽出し、評価値を計算する(S11)。S11は「計算処理」の一例である。
【0071】
例えば、CPU221は、印刷ログID「xxx03」が付された印刷ログ登録通知を端末12Bから受信した場合、その印刷ログIDを印刷ログサーバ23に渡す。印刷ログサーバ23は、
図5に示す印刷ログDB30から印刷ログID「xxx03」を含む印刷ログを読み出し、ラベル管理サーバ22に渡す。ラベル管理サーバ22のCPU221は、ネットワークIF225を介して印刷ログを受け取ると、
図2に示すテープ指標情報229から、当該印刷ログに含まれるテープ型番「ccc1」に対応するテープ係数「1.1」を読み出す。CPU221は、印刷ログサーバ23から取得した印刷ログのサイズ情報に含まれるラベル長さ「9cm」に基づいて仮の評価値を算出し、仮の評価値にテープ係数「1.1」を乗じて、評価値を計算する。
【0072】
CPU221は、S11にて計算した評価値を、印刷者が保有する累積評価値に加算する(S12)。S12は「評価値加算処理」の一例である。
【0073】
例えば、CPU221は、
図3に示すユーザDB25にアクセスする。ユーザDB25は、本印刷処理前の状態を示す。CPU221は、印刷ログDB30から取得した印刷ログID「xxx03」の印刷ログからユーザID「aaa2」を抽出し、ユーザID「aaa2」に関連付けられた累積評価値「900」に、S11にて計算した評価値を加算し、累積評価値を更新する。
【0074】
CPU221は、S12にて評価値を加算した後の累積評価値が閾値より大きいか否かを判断する(S13)。ここでは、閾値を「1000」とし、累積評価値「1000」ごとにポイント「1」を獲得できるものとする。
【0075】
CPU221は、例えば加算後の累積評価値が「1010」であって、閾値「1000」を超える場合には(S13:YES)、獲得ポイント「1」を算出する(S14)。つまり、印刷者は「1」ポイントを獲得できる。獲得ポイント「1」は「第1値」の一例である。この場合、CPU221は、加算後の累積評価値「1010」から、ポイント「1」の獲得に必要な累積評価値「1000」を減算し、累積評価値を「10」に更新する。これにより、獲得ポイントが印刷者に対して二重に付与されることを回避できる。なお、CPU221は、例えば、S12にて「2」ポイント獲得した場合には、S12にて加算した後の累積評価値から「2000」を減算する。ポイントを獲得した場合、累積評価値はリセットされてもよい。
【0076】
これに対して、CPU221は、例えば加算後の累積評価値が「990」であって、閾値「1000」を超えない場合には(S13:NO)、獲得ポイントを「0」に決定する(S18)。つまり、印刷者はポイントを獲得できない。この場合、CPU221は、加算後の累積評価値を維持して更新しない。なお、閾値、獲得ポイントを付与する基準は、本形態と異なってもよい。S13、S14、S18の処理は、「決定処理」の一例である。
【0077】
CPU221は、獲得したポイントを印刷者の保有ポイントに加算する(S15)。S15は「加算処理」の一例である。
【0078】
例えば、S12にて累積評価値が閾値を超え、ポイントを獲得できた場合(S14)、CPU221は、
図3に示すユーザDB25にアクセスし、印刷ログに含まれるユーザID「aaa2」に対応するポイント情報「hhh2」に、S14にて獲得したポイントを加算し、保有ポイントを更新する。CPU221は、保有ポイントを更新した日時に基づいて、ユーザDB25のユーザID「aaa2」に関連付けられたポイント更新日時を更新する。
【0079】
一方、S12にて累積評価値が閾値を超えず、ポイントを獲得できなかった場合(S18)、CPU11は、保有ポイントにポイントを加算できず、保有ポイントを更新しない。この場合、CPU221は、累積評価値を更新した日時に基づいて、ユーザDB25のユーザID「aaa2」に関連付けられたポイント更新日時を更新する。
【0080】
ここで、ポイントは、累積評価値に基づいて加算される。累積評価値は、ラベルの長さに基づく値である。そのため、長いラベルを印刷するほど、保有ポイントが加算される。よって、印刷者は、テープの消費量に適したポイントを獲得できる。
【0081】
また、累積評価値は、ラベル長さを累積した値である。そのため、テープを付け替えつつ、ラベルを印刷する場合でも、保有ポイントが加算される。よって、印刷者は、テープの種類に関係なく、テープの消費量に適したポイントを獲得できる。
【0082】
また、ポイントは、テープ係数を用いて決定されている。テープ係数は、例えば、テープ幅が広い、色が特殊、特殊加工がテープに施されているなど、価値の高いテープほど高く設定されている。そのため、印刷するラベルの長さが同じでも、価値の高いテープを使うことによって、高いポイントが保有ポイントに加算される。よって、印刷者は、テープの価値、すなわち印刷コストに適したポイントを獲得できる。その結果、価値の高いテープを使用するモチベーションが高くなることが期待できる。
【0083】
ラベル管理サーバ22は、S15の処理を行って
図9に示す獲得ポイント処理を終了したら、
図8のG01の投稿者ポイント処理へ進む。投稿者ポイント処理は、投稿ラベルデータに基づくラベルが印刷された場合に、そのラベルのラベル長さに基づくポイントを、投稿ラベルデータを投稿した投稿者に付与する処理である。
【0084】
図10のフローチャートに基づいて投稿者ポイント処理を説明する。ラベル管理サーバ22のCPU221は、印刷されたラベルのラベルデータが投稿ラベルデータであるか否かを判断する(S30)。例えば、取得した印刷ログがラベルIDを含まない場合、CPU221は、印刷されたラベルのラベルデータがオリジナルラベルデータである、すなわち投稿ラベルデータでないと判断し(S30:NO)、投稿者ポイント処理を終了する。
【0085】
これに対して、例えば、印刷ログがラベルIDを含む場合、CPU221は、印刷されたラベルのラベルデータが投稿ラベルデータであると判断し(S30:YES)、投稿評価値を計算する(S31)S31は「投稿計算処理」の一例である。
【0086】
例えば、ラベル管理サーバ22が取得した印刷ログID「xxx03」を含む印刷ログは、サイズ情報にラベル長さ「9cm」が含まれている。CPU221は、そのラベル長さ「9cm」に基づいて投稿評価値を計算する。
【0087】
CPU221は、S31にて計算した投稿評価値を、投稿者が保有する累積投稿ラベル評価値に加算する(S32)。S32は「投稿評価値加算処理」の一例である。
【0088】
例えば、CPU221は、
図4に示す投稿ラベルDB26にアクセスする。
図4は、本印刷処理前の状態を示す。例えば、CPU221は、取得した印刷ログID「xxx03」に対応する印刷ログに含まれるラベルID「ddd1」に関連付けられた累積投稿ラベル評価値「9970」に対して、S31にて計算した投稿評価値を加算する。これにより、印刷された投稿ラベルデータの累積投稿ラベル評価値が更新される。
【0089】
CPU221は、S32にて算出した累積投稿ラベル評価値が投稿用閾値より大きいか否かを判断する(S33)。ここでは、投稿用閾値を「10000」とし、累積投稿ラベル評価値「10000」ごとに投稿者ポイント「1」を獲得できるものとする。
【0090】
CPU221は、例えば加算後の累積投稿ラベル評価値が「10007」であって、閾値「10000」を超える場合には(S33:YES)、投稿者ポイント「1」を算出する(S34)。つまり、投稿者は投稿者ポイント「1」を獲得できる。ポイント「1」は「第2値」の一例である。この場合、CPU221は、加算後の累積投稿ラベル評価値「10007」から、投稿者ポイント「1」の獲得に必要な累積評価値「10000」を減算し、累積投稿ラベル評価値を「7」に更新する。これにより、投稿者ポイントが投稿者に二重に付与されることを回避できる。なお、CPU221は、例えば、投稿者ポイント「2」を獲得した場合には、加算後の累積投稿ラベル評価値から「20000」を減算する。投稿者ポイントを獲得した場合、累積投稿ラベル評価値はリセットされてもよい。
【0091】
これに対して、CPU221は、例えば加算後の累積投稿ラベル評価値が「9999」であって、閾値「10000」を超えない場合には(S13:NO)、投稿者ポイントを「0」に決定する(S38)。つまり、投稿者は投稿者ポイントを獲得できない。この場合、CPU221は、加算後の累積投稿ラベル評価値を維持して更新しない。なお、投稿用閾値、投稿者ポイントを付与する基準は、本形態と異なってもよい。S33、S34、S38の処理は、「投稿決定処理」の一例である。
【0092】
CPU221は、決定した投稿者ポイントを投稿者の保有ポイントに加算する(S35)。S35は「投稿加算処理」の一例である。
【0093】
例えば、CPU221は、
図4に示す投稿ラベルDB26にアクセスし、取得した印刷ログに含まれるラベルID「ddd1」に対応するユーザID(制作者)「aaa1」を読み出す。CPU221は、
図3に示すユーザDB25にアクセスし、ユーザID(制作者)「aaa1」に関連付けられたポイント情報「hhh1」に、S34にて算出した投稿者ポイントを加算し、投稿者の保有ポイントを更新する。また、CPU221は、保有ポイントの更新日時に基づいて、ユーザID(制作者)「aaa1」に関連付けられたポイント更新日時を更新する。
【0094】
一方、加算後の累積投稿ラベル評価値が投稿用閾値以下である場合、S36にて算出した投稿者ポイント「0」をポイント情報「hhh1」に加算する。この場合、保有ポイントは、変更されず、更新されない。また、CPU221は、ユーザID(制作者)「aaa1」に関連付けられたポイント更新日時を更新しない。
【0095】
ここで、投稿者ポイントは、累積投稿ラベル評価値に基づいて加算される。累積投稿ラベル評価値は、投稿ラベルデータを印刷したラベルのラベル長さに基づいて計算される。そのため、投稿ラベルデータに基づいて印刷されるラベルのラベル長さが長いほど、投稿者はポイントを加算される。よって、投稿者は、自分が投稿したラベルデータの印刷によって消費されたテープの消費量に適したポイントを獲得できる。また、投稿者は他人の印刷によってポイントを獲得できるので、有意な投稿ラベルデータがラベル管理サーバ22に収集されることが期待できる。
【0096】
なお、投稿者ポイントを決定する場合、テープ係数が用いられてもよい。例えば、投稿評価値は、テープ長さに基づく仮の投稿評価値に、テープ係数を乗じて計算してもよい。この場合、投稿ラベルデータの印刷に価値の高いテープが使用されるほど、投稿者は高いポイントが加算される。よって、投稿者は、テープの種類に適したポイントを獲得できる。
【0097】
ラベル管理サーバ22は、S35の処理を行って
図10に示す投稿ポイント処理を終了したら、
図8のH01の通知処理へ進む。通知処理は、保有ポイントの更新、又は、ポイントの獲得に必要な印刷量の目安を、ユーザに通知する処理である。
【0098】
図11のフローチャートを参照して通知処理について説明する。ラベル管理サーバ22のCPU221は、保有ポイントが加算されたか否かを判断する(S51)。例えば、CPU221は、
図9のS15にて、保有ポイントが加算された場合(S51:YES)、保有ポイントを更新したことを示す更新情報を生成する(S52)。CPU221は、生成した更新情報を含む通知を、端末12Bを宛先として出力し(S53)、通知処理を終了する。S52,S53は「第1通知処理」の一例である。
【0099】
一方、CPU221は、
図9のS14にて算出した獲得ポイントが「0」であって、S15にて保有ポイントが加算されなかった場合(S51:NO)、目安情報を生成する(S54)。目安情報は、例えば、累積評価値が閾値を超えるまでの残りの印刷量あるいはラベル長さを示す情報である。目安情報は、今回の印刷で用いたテープを再度利用した場合の残りの印刷量であってもよいし、テープの種類ごとの残りの印刷量の一覧であってもよい。また、テープに関係なく、ポイントの獲得に必要なテープの長さであってもよい。CPU221は、生成した目安情報を含む通知を、印刷ログを出力した端末12Bを宛先として出力し(S53)、通知処理を終了する。S54,S53は「第2通知処理」の一例である。
【0100】
図8に示すように、端末12Bは、ラベル管理サーバ22から受信した更新情報、または、目安情報を表示する(H02,H03)。この表示には、印刷が成功したことを知らせるメッセージが含まれてもよい。
【0101】
なお、ラベル管理サーバ22は、ユーザDB25に登録されたユーザID251に対応する通知先をプッシュサーバに登録しておき、更新情報と目安情報とをプッシュサーバを介して端末12Bにプッシュ通知してもよい。
【0102】
以上説明したように、本形態のシステム100では、サーバ用プログラム228が組み込まれたラベル管理サーバ22が、ラベルプリンタ11Bでの印刷に関する印刷ログを取得する。ラベル管理サーバ22は、取得した印刷ログに含まれる印刷されたラベルのラベル長さに基づいて獲得ポイントを決定する。獲得ポイントは、ラベルの長さが長いほどポイントを獲得し易くなるように決定される。ラベル管理サーバ22は、その決定された獲得ポイントをその印刷を指示したユーザの保有ポイントに加算する。これにより、ラベル管理サーバ22は、テープの消費量に応じた適切なポイントを利用者に付与することができる。
【0103】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態のデータ共有システムについて説明する。第2実施形態は、設定された任意のタイミングで、印刷ログを取得する処理、獲得ポイント処理、投稿者ポイント処理、通知処理を実行する。この点が、端末12Bが印刷ログを出力する都度、これらの処理を行う第1実施形態と相違し、その他の点は、第1実施形態と共通している。以下では、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態の共通する構成や処理には、第1実施形態と同じ符号を用いて適宜説明を省略する。
【0104】
例えば、ラベル管理サーバ22の管理者は、操作表示部226を用いて、印刷ログを取得して獲得ポイントを決定して加算するタイミングを、月初めや月終わりなど任意に設定できる。タイミングは、ユーザごとの設定できてもよく、ユーザが端末12からラベル管理サーバ22に設定してもよい。
【0105】
図12のシーケンス図に示すように、ラベル管理サーバ22は、設定したタイミングであるか否かを判断する(J01)。
図12では、印刷ログの登録後にJ01の処理を記載しているが、J01の処理は、午前0時など、印刷と関係なく任意のタイミングで行ってもよい。
【0106】
設定したタイミングである場合(J01:YES)、ラベル管理サーバ22は、ユーザ印刷ログサーバ23の印刷ログDB30にアクセスし、前回のタイミングから今回のタイミングまでの期間に該当する印刷ログを纏めて取得する(J02)。例えば、月終わりにタイミングが設定されている場合、ラベル管理サーバ22は、その月の1日午前0時からその月の末日23時59分までの印刷ログを纏めて取得する。そして、ラベル管理サーバ22は、取得した印刷ログごとにF01の獲得ポイント処理を行い、印刷者の保有ポイントを更新する(F01)。また、ラベル管理サーバ22は、印刷ログごとにG01の投稿者ポイント処理を実行し、投稿者の保有ポイントを更新する(G01)。そして、ラベル管理サーバ22は、印刷者の保有ポイントの更新状況に応じて更新処理または目安情報の通知をそれぞれ行う(H01~H03)一方、設定したタイミングでない場合(J01:NO)、ラベル管理サーバ22は、J02以降の処理を行わない。
【0107】
よって、第2実施形態では、任意のタイミングで印刷ログを纏めて読み出して獲得ポイントを決定するので、印刷の度に獲得ポイントを決定する第1実施形態と比較して、ラベル管理サーバ22の処理負荷が少ない。
【0108】
なお、本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。端末12に接続されるラベルプリンタ11の数は、図示の例に限らず、2台以上でも良い。
【0109】
図9のS11の評価値の計算には、テープ係数を用いなくてもよい。ただし、テープ係数を用いて評価値を計算することで、印刷に含まれるテープの種類に基づいて、ポイントの獲得しやすさが異なる。これによれば、印刷者が評価値を獲得しやすい高価なテープをラベルプリンタに装着してラベルを印刷することが期待できる。
【0110】
図8のD01~D04、E01~E02の処理を省略し、ラベル管理サーバ22が、端末12Bから印刷ログを直接取得してもよい。ただし、印刷ログが一旦印刷ログDB30に登録され、ラベル管理サーバ22がその印刷ログDB30から印刷ログを読み出すことで、獲得ポイントの決定を任意のタイミングで行うことができる。また、印刷ログを収集する既存のシステムが存在する場合に、そのシステムを利用できる。
【0111】
図9のS12、S13の処理を省略し、1回分の評価値のみで獲得ポイントを決定してもよい。ただし、ラベル長さに基づいて計算した評価値を累積評価値に加算し、累積評価値が閾値を超えた場合にポイントを付与することで、例えば短いラベルを連続して印刷する場合であっても累積の印刷量によってポイントがその印刷を行った印刷者に付与される。よって、ユーザは、消耗品の消費量に応じた適切なポイントを獲得できる。
【0112】
図8のH01~H03の処理を省略し、更新情報が端末12Bに通知されなくてもよい。ただし、ラベル管理サーバ22が端末12Bに更新情報を通知することで、ユーザは保有ポイントが加算されたことを直ぐに理解できる。これにより、そのユーザに対して次のラベルを印刷するモチベーションを高めることが期待できる。ラベル管理サーバ22は、端末12Bから印刷ログの登録通知があった場合には、その登録通知に対する応答として更新情報を通知してもよい。
【0113】
図8のH01~H03の処理を省略し、目安情報が端末12Bに通知されなくてもよい。ただし、ラベル管理サーバ22が端末12Bに目安情報を通知することによって、ユーザに対して次のラベルを印刷するモチベーションを高めることが期待できる。
【0114】
目安情報は、保有ポイントが加算された場合にも通知されてもよい。ただし、ポイントが加算された場合も目安情報が通知されると、ユーザによっては煩わしさを感じることもある。よって、ポイントが加算されなかった場合に目安情報を通知し、ポイントが加算された場合には目安情報を通知しないことで、目安情報の通知頻度を抑えることができる。
【0115】
図8のG01の投稿者ポイント処理は省略してもよい。ただし、投稿ラベルデータに基づくラベルがラベルプリンタ11Bにて印刷された場合に、その投稿ラベルデータの投稿者に印刷されたラベルのラベル長さに基づいて投稿ポイントを付与することによって、投稿者にも消耗品の消費量に応じた適切なポイントを付与することができる。
【0116】
投稿者に付与する投稿者ポイントは、印刷者に付与するポイントと同じでもよいし、印刷者に付与するポイントの数%でもよい。
【0117】
投稿ラベルデータの印刷では、投稿ラベルデータでないオリジナルラベルデータの印刷より投稿者ポイントを高く設定したり、投稿評価値を高く設定したりすることにより、投稿者がポイントを獲得しやすくしてもよい。
【0118】
図10のS35にて、投稿者ポイントが保有ポイントに加算された場合、保有ポイントが更新されたことを投稿者に通知してもよい。
【0119】
ラベル管理サーバ22は、ウェブサーバ機能を有するフロントエンドサーバと、ウェブサーバ機能と別の機能を有するバックエンドサーバとで構成されてもよい。例えば、フロントエンドサーバは、端末12からのアクセスを受け付け、投稿ラベルデータをユーザIDと関連付けて投稿ラベルDB26に記憶する。例えば、バックエンドサーバは、各種のデータベースにアクセスして評価値やポイントを扱う処理を行う。端末12とのポイントのやり取りは、バックエンドサーバとフロントサーバとが協働して行ってもよい。
【0120】
実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0121】
実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0122】
111,12B プリンタ
12A,12B 端末
21 インターネット回線
22 サーバ
25 ユーザDB
100 ラベルデータ共有システム
221 CPU
228 サーバ用プログラム