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特開2024-110802プログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110802
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240808BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240808BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 378
G06F3/12 341
G06Q30/0207 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015623
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】ラベルデータの共有を図るシステムにおいて、ラベルデータの投稿者に好適なポイントを付与すること。
【解決手段】サーバ用プログラム228が組み込まれたサーバ22は、端末12AからユーザIDとアップロード指示を受け付けた場合、投稿されたラベルデータを、アップロード指示とともに受け付けたユーザIDと関連付けて記憶する。サーバ22は、アップロードされた投稿ラベルデータの内容に基づいて獲得ポイントを計算する。サーバ22は、ユーザDB25にアクセスし、端末12Aからアップロードされた投稿ラベルデータに関連付けられたユーザIDに対応する保有ポイントに、計算した獲得ポイントを加算する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、
前記サーバのコンピュータに、
第1の情報処理装置からユーザIDとラベルデータのアップロード指示とを受け付けるアップロード受付処理を実行させることが可能であり、前記ラベルデータは、ラベルプリンタで印刷可能なデータであり、前記ラベルデータには、複数のオブジェクトデータとラベルの属性データとを含めることが可能であり、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
前記アップロード受付処理にて前記ラベルデータの前記アップロード指示を受け付けた場合に、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記ラベルデータである投稿ラベルデータを受信する受信処理と、
前記受信処理にて受信した前記投稿ラベルデータを、前記アップロード受付処理にて受け付けられた前記ユーザIDと関連付けて記憶する記憶処理と、
を実行させ、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータの内容に基づいて、前記投稿ラベルデータのアップロードによって付与されるポイントである獲得ポイントを計算する計算処理と、
前記ポイントデータベースにアクセスし、前記計算処理にて計算された前記獲得ポイントを、前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータに関連付けられた前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、
を実行させることが可能である、
ように構成されるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記計算処理では、
前記投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトデータごとにポイントを付与することで、前記獲得ポイントを加算する、
ように構成されるプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記計算処理では、
前記投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトデータごとに、前記獲得ポイントとして、オブジェクトの種類によって異なるポイントを加算する、
ように構成されるプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記計算処理では、
テキストオブジェクト以外のオブジェクトの場合、テキストオブジェクトよりも高いポイントを加算する、
ように構成されるプログラム。
【請求項5】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記計算処理では、
前記投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトデータごとに、前記オブジェクトデータに設定されるパラメータが初期値から変更されている場合に、オブジェクトデータごとに付与される前記ポイントを増やす、
ように構成されるプログラム。
【請求項6】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記計算処理では、
前記投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトデータごとに、前記オブジェクトデータの配置が初期位置から変更されている場合に、オブジェクトデータごとに付与される前記ポイントを増やす、
ように構成されるプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記ラベルの属性データには、テープの種類が含まれ、
前記計算処理では、
前記投稿ラベルデータに含まれる前記属性データに示されるテープの種類に基づいて、前記獲得ポイントを増やし、テープの種類によって前記獲得ポイントの加算量あるいは積算量が異なる、
ように構成されるプログラム。
【請求項8】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記ラベルの属性データには、前記ラベルデータを複数回に分けて印刷する分割印刷の実行可否を示すデータが含まれ、
前記計算処理では、
前記投稿ラベルデータに前記分割印刷を実行することを示す前記属性データが含まれる場合、前記獲得ポイントを増やす、
ように構成されるプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記ラベルの属性データには、ラベルの長さが含まれ、
前記計算処理では、
前記投稿ラベルデータに前記ラベルの長さを示す前記属性データが含まれる場合、前記獲得ポイントを増やす、
ように構成されるプログラム。
【請求項10】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
前記アップロード受付処理にて前記第1の情報処理装置からの前記投稿ラベルデータの前記アップロード指示を受け付けた場合に、
前記記憶処理と、前記計算処理と、前記加算処理と、を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項11】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
第2の情報処理装置から前記投稿ラベルデータのダウンロード指示を受け付けるダウンロード受付処理を実行させることが可能であり、
前記ダウンロード受付処理にて前記第2の情報処理装置からの前記投稿ラベルデータの前記ダウンロード指示を受け付けた場合に、前記投稿ラベルデータを前記第2の情報処理装置に送信する送信処理を実行し、
さらに、前記送信処理にて前記第2の情報処理装置に送信された前記投稿ラベルデータの投稿者に対して、ポイントを付与するダウンロードポイント付与処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項12】
第1の情報処理装置とネットワークを介して接続可能なサーバであって、
前記サーバは、
ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、
さらに前記サーバは、
前記第1の情報処理装置からユーザIDとラベルデータのアップロード指示とを受け付けるアップロード受付処理を実行することが可能であり、前記ラベルデータは、ラベルプリンタで印刷可能なデータであり、前記ラベルデータには、複数のオブジェクトデータとラベルの属性データとを含めることが可能であり、
さらに前記サーバは、
前記アップロード受付処理にて前記ラベルデータの前記アップロード指示を受け付けた場合に、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記ラベルデータである投稿ラベルデータを受信する受信処理と、
前記受信処理にて受信した前記投稿ラベルデータを、前記アップロード受付処理にて受け付けられた前記ユーザIDと関連付けて記憶する記憶処理と、
を実行し、
さらに前記サーバは、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータの内容に基づいて、前記投稿ラベルデータのアップロードによって付与されるポイントである獲得ポイントを計算する計算処理と、
前記ポイントデータベースにアクセスし、前記計算処理にて計算された前記獲得ポイントを、前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータに関連付けられた前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、
を実行することが可能である、
ように構成されるサーバ。
【請求項13】
第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置と、サーバと、を備え、前記第1の情報処理装置および前記第2の情報処理装置がネットワークを介して前記サーバに接続可能なラベルデータ共有システムにおいて、
前記サーバは、
ラベルデータをユーザIDと関連付けて記憶可能であり、前記ラベルデータは、ラベルプリンタで印刷可能なデータであり、前記ラベルデータには、複数のオブジェクトデータとラベルの属性データとを含めることが可能であり、
前記第1の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置が有するラベルデータである投稿ラベルデータを、前記第1の情報処理装置に入力された前記ユーザIDと関連付けて、前記サーバにアップロードすることが可能であり、
前記サーバは、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータを、アップロードされた前記投稿ラベルデータに関連付けられた前記ユーザIDと関連付けて記憶し、
前記第2の情報処理装置は、
前記サーバに記憶されている前記投稿ラベルデータを、前記サーバからダウンロードすることが可能であり、
さらに前記サーバは、
ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、
さらに前記サーバは、
前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータの内容に基づいて、前記投稿ラベルデータのアップロードによって付与されるポイントである獲得ポイントを計算する計算処理と、
前記ポイントデータベースにアクセスし、前記計算処理にて計算された前記獲得ポイントを、前記投稿ラベルデータに関連付けられた前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、
を実行可能である、
ように構成されるラベルデータ共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ラベルデータの共有を図るシステムに用いられるプログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツデータの共有を図るシステムとして、コンテンツデータを保存するサーバをインターネット上に用意し、ユーザのデバイスからコンテンツデータが投稿、すなわちそのサーバにアップロードされ、そのコンテンツデータが別のユーザのデバイスにダウンロードされるシステムが知られている。このようなシステムでは、コンテンツデータの投稿を促進するため、コンテンツデータを投稿したユーザに、そのシステムで利用可能なポイントを付与する場合がある。
【0003】
上述したようなシステムを開示した文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1に開示されるポイント管理システムでは、ユーザAのPCから写真データがWWWサーバにアップロードされ、ユーザBのPCによってその写真データが購入されてWWWサーバからダウンロードされると、購入者であるユーザBに購入額に応じたポイントが加算され、さらに投稿者であるユーザAにも、写真データのアップロード時あるいは写真データのダウンロード時に、写真データのデータサイズに応じたポイントが加算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-99746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るシステムが検討されている。ラベルデータは様々なオブジェクトを組み合わせて構成することが可能であり、一般的には手の込んだ構成の方が付加価値が高い傾向にあるが、ラベルデータをアップロードした投稿者に対して一律に同じポイントを付与してしまうと、より複雑なラベルを投稿しようとする意欲が投稿者に生じ難い。その結果として、シンプルな構成のラベルばかりアップロードされてしまい、システムの利用価値が高まり難い問題がある。
【0006】
特許文献1に開示されている技術ではアップロードする写真データのデータサイズが大きいほどより多くのポイントが投稿者に付与されるが、データサイズはラベルの複雑さを必ずしも示すものではない。そのため、投稿者に付与するポイントを決定するための別の仕組みが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ポイントデータベースにアクセス可能であり、前記ポイントデータベースには、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントが記憶されており、前記サーバのコンピュータに、第1の情報処理装置からユーザIDとラベルデータのアップロード指示とを受け付けるアップロード受付処理を実行させることが可能であり、前記ラベルデータは、ラベルプリンタで印刷可能なデータであり、前記ラベルデータには、複数のオブジェクトデータとラベルの属性データとを含めることが可能であり、さらに前記サーバの前記コンピュータに、前記アップロード受付処理にて前記ラベルデータの前記アップロード指示を受け付けた場合に、前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記ラベルデータである投稿ラベルデータを受信する受信処理と、前記受信処理にて受信した前記投稿ラベルデータを、前記アップロード受付処理にて受け付けられた前記ユーザIDと関連付けて記憶する記憶処理と、を実行させ、さらに前記サーバの前記コンピュータに、前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータの内容に基づいて、前記投稿ラベルデータのアップロードによって付与されるポイントである獲得ポイントを計算する計算処理と、前記ポイントデータベースにアクセスし、前記計算処理にて計算された前記獲得ポイントを、前記第1の情報処理装置からアップロードされた前記投稿ラベルデータに関連付けられた前記ユーザIDに対応する前記保有ポイントに加算する加算処理と、を実行させることが可能である、ように構成される。
【0008】
上記構成を有するプログラムが組み込まれたサーバは、投稿されたラベルデータの内容、例えば投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトの種類やオブジェクトの配置やラベルデータの属性データに基づいて、投稿ラベルデータに示されるラベルの複雑さを解析する。サーバは、その解析結果に基づいて獲得ポイントを計算し、その計算された獲得ポイントを投稿者の保有ポイントに加算する。これにより、サーバは、ラベルの複雑さに応じたポイントを投稿者に付与することができる。
【0009】
上記装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0010】
本明細書に開示される技術によれば、ラベルデータの共有を図るシステムにおいて、ラベルデータの投稿者に好適なポイントを付与できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ラベルデータ共有システムを概略的に示す説明図である。
図2】オブジェクト指標情報の一例を示す説明図である。
図3】属性指標情報の一例を示す説明図である。
図4】ユーザデータベースの一例を示す説明図である。
図5】投稿ラベルデータベースの一例を示す説明図である。
図6】投稿処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
図7】メニュー画面の一例を示す図である。
図8】編集画面の一例を示す図である。
図9】配置変更の一例を説明する図である。
図10】計算処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11】投稿するラベルデータの一例を示す図である。
図12】投稿するラベルデータの一例を示す図である。
図13】ダウンロード印刷処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ラベルデータ共有システムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、サーバと複数の情報処理装置とをネットワークを介して接続し、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るラベルデータ共有システムを開示するものである。
【0013】
図1に示すように、本形態のラベルデータ共有システム100(以下「システム100」と略記する)は、例えば、ラベルプリンタのベンダによってユーザに提供されるシステムである。システム100は、端末12Aと、端末12Bと、サーバ22と、を備え、それらがインターネット回線21を介して接続されている。端末12A,12Bは、ラベルプリンタの所有者や利用者(以下「ユーザ」とする)が所有する端末である。端末12A,12Bは、それぞれ、ラベルプリンタ11A,11Bに接続できる。
【0014】
端末12A,12Bは、通信機能と、表示機能と、操作機能と、を備える情報処理装置である。端末12A,12Bは、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末でもよいし、パーソナルコンピュータでもよい。端末12A,12Bには、それぞれ、クライアントアプリケーションプログラム(以下「クライアントアプリ」とする)13A,13Bが記憶されている。なお、サーバ22に接続する端末の数は本形態に限定されない。また、端末12A,12Bは、特に区別する必要がない場合、「端末12」と総称することがある。また、クライアントアプリ13A,13Bは、特に区別する必要がない場合、「クライアントアプリ13」と総称することがある。また、ラベルプリンタ11A,11Bは、特に区別する必要がない場合、「ラベルプリンタ11」と総称することがある。
【0015】
クライアントアプリ13は、ラベルプリンタ11のベンダによって提供されるアプリケーションプログラムである。クライアントアプリ13は、端末12上において、ラベルデータの作成や編集を行うための機能を備える。クライアントアプリ13は、作成したラベルデータをサーバ22に対して投稿する、すなわちアップロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、サーバ22からラベルデータをダウンロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、端末12上において作成したラベルデータやダウンロードしたラベルデータを、ラベルプリンタ11を用いて印刷するための機能を備える。
【0016】
なお、サーバ22にラベルデータを投稿する投稿者の端末12Aは、「第1の情報処理装置」の一例である。サーバ22からラベルデータをダウンロードする印刷者の端末12Bは、「第2の情報処理装置」の一例である。インターネット回線21は「ネットワーク」の一例である。
【0017】
ラベルプリンタ11は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたテープを巻き出しつつ印刷を行う印刷装置である。ラベルプリンタ11は、例えば、端末12から受信した印刷ジョブに基づいて、収容されているテープへの画像の印刷とテープの搬送とを行い、印刷済みの部分を機外へ突出させる。機外に突出されたテープによって、所定のラベル長さとラベル幅とを有するラベルが作成される。「ラベル幅」は、ラベルがラベルプリンタ11から機外へ搬出される方向に直交する方向、すなわち、幅方向の寸法である。「ラベル長さ」は、ラベルがラベルプリンタ11から搬出される方向の長さ、すなわち、長さ方向のサイズである。
【0018】
ラベルプリンタ11は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANの通信や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、端末12に接続される。また、USBの通信規格を用いて有線でラベルプリンタ11と端末12とを接続するものであっても良い。
【0019】
ラベルプリンタ11で利用可能なテープには、複数の種類がある。テープの種類は、例えば、テープの幅によって区別してもよいし、テープやインクの色によって区別してもよいし、テープの素材や特殊加工の有無によって区別してもよい。テープは、その種類によって、対応可能なラベルプリンタのモデルが予め決められている。ユーザは、印刷を行わせるラベルプリンタのモデルに対応する複数種類のテープのうち、目的や用途などに適した種類のテープをラベルプリンタに付け替えることができる。
【0020】
サーバ22は、少なくとも、記憶機能と、通信機能と、を有する装置である。サーバ22は、CPU221と、メモリ222と、を有する制御部220を備えている。サーバ22は、ネットワークインタフェース(以下「ネットワークIF」とする)225と、操作表示部226と、インタフェース227と、を備え、これらが制御部220に接続している。CPU221は「コンピュータ」の一例である。制御部220が「コンピュータ」の一例であってもよい。
【0021】
CPU221は、メモリ222から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ222は、サーバ用プログラム228などの各種のプログラムや、オブジェクト指標情報229、属性指標情報230などの各種のデータが記憶される記憶領域である。メモリ222は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。
【0022】
サーバ用プログラム228は、ラベルプリンタによるラベルの印刷を管理するためのプログラムである。サーバ用プログラム228は、ラベルデータの投稿を受け付けたり、投稿されたラベルデータを端末に対して送信したりする機能を有する。サーバ用プログラム228は、投稿されたラベルデータ(以下「投稿ラベルデータ」とする)の内容に基づいて投稿ラベルデータのアップロードによって付与されるポイントである獲得ポイントを算出し、投稿者に付与する機能を有する。サーバ用プログラム228は「プログラム」の一例である。サーバ用プログラム228の機能については後述する。
【0023】
本形態のサーバ用プログラム228は、投稿オブジェクト評価値と投稿属性評価値とに基づいてラベル複雑さ評価値を算出し、そのラベル複雑さ評価値に基づいて獲得ポイントを決定する。
【0024】
投稿オブジェクト評価値は、投稿ラベルデータに含まれる全オブジェクトデータがラベルの複雑さに与える影響を示す評価値である。オブジェクトデータは、ラベルデータに含めることが可能なオブジェクトに関する情報である。オブジェクトデータは、例えば、そのオブジェクトについて設定されたパラメータや、オブジェクトの配置を示す配置情報などを含む。
【0025】
投稿オブジェクト評価値は、オブジェクトデータごとに算出されるオブジェクト評価値を加算した値である。オブジェクト評価値は、個別のオブジェクトデータがラベルの複雑さに与える影響を示す評価値である。オブジェクト評価値は、オブジェクトデータに含まれる内容ごとに算出される内容評価値を加算した値である。内容評価値は、オブジェクトデータに含まれる内容がラベルの複雑さに与える影響を示す情報である。オブジェクト評価値は、オブジェクトデータごとに付与される「ポイント」の一例である。
【0026】
投稿属性評価値は、投稿ラベルデータに含まれる属性データがラベルの複雑さに与える影響を示す評価値である。属性データは、ラベル全体の特徴を示す情報である。投稿属性評価値は、属性データの種類ごとに算出される属性評価値を加算した値である。属性評価値は、個別の属性データがラベルの複雑さに与える影響を示す評価値である。ラベル複雑さ評価値、投稿オブジェクト評価値、オブジェクト評価値、内容評価値、投稿属性評価値、および、属性評価値については後述する。
【0027】
例えば図2に示すように、オブジェクト指標情報229は、オブジェクト評価値を算出する際に利用される情報である。オブジェクト指標情報229は、オブジェクト種類2291ごとにオブジェクト基本値2292と、オブジェクト内容情報2294と、オブジェクト係数2295と、を関連付けて記憶している。オブジェクト種類2291は、オブジェクトデータの種類を示す。オブジェクト種類2291には、例えば、テキスト、シンボルマーク、クリップアート、図形、フレーム、画像、二次元コード、表がある。
【0028】
オブジェクト基本値2292は、オブジェクト評価値を算出する際に基本となる値である。オブジェクトの種類によってラベルの複雑さに与える影響が異なる。オブジェクト基本値2292は、ラベルの複雑さを増すオブジェクトほど高い値が設定されている。本形態では、ラベルデータに一般的に使用されるテキストを基準として、各オブジェクトのオブジェクト基本値が設定されている。例えば、シンボルマーク、クリップアート、図形は、テキストよりもオブジェクト基本値が高く設定されている。さらに、フレーム、画像、二次元コード、表は、シンボルマーク、クリップアート、図形よりもオブジェクト基本値が高く設定されている。
【0029】
オブジェクト内容情報2294は、オブジェクト評価値を増やす対象となるオブジェクトデータの内容を示す。オブジェクト内容情報2294には、例えば、オブジェクトデータに設定されるパラメータが初期値から変更される内容や、オブジェクトデータの配置が初期位置から変更される内容が含まれる。オブジェクトデータに設定されるパラメータとしては、例えばテキストオブジェクトであれば、フォント、書体、文字飾り、サイズ、がある。図形オブジェクトであれば、線種、塗りつぶし、がある。画像オブジェクトであれば、カラーバランス(明度、コントラスト等)がある。
【0030】
オブジェクト係数2295は、内容評価値を算出する際にオブジェクト基本値に掛ける積算量を示す情報である。内容評価値は、オブジェクトデータに含まれる内容がラベルの複雑さに与える影響を示すラベルの複雑さはオブジェクトの設定内容によって異なる。そのため、オブジェクト係数2295は、オブジェクトの複雑さを増すオブジェクトデータの内容ほど、高い積算量が設定され、オブジェクト評価値が増すようにしている。例えば、テープ色とインク色を反転させる文字装飾は、テキストのフォント変更より目立ち、ラベルの複雑さを増す傾向がある。そのため、「文字修飾」は「フォント変更」より高い積算量がオブジェクト係数2295に記憶されている。なお、オブジェクト係数2295は、オブジェクト評価値に加算される加算量を示す情報であってもよい。
【0031】
例えば図3に示すように、属性指標情報230は、投稿属性評価値を算出する際に利用される情報である。属性指標情報230は、属性種類2301ごとに属性内容情報2302と属性係数2303とを関連付けて記憶している。属性指標情報230は、属性基本値2304を含む。属性基本値2304は、属性評価値を算出する際に基本となる値である。本形態の属性基本値2304は、全ての属性種類に共通しているが、属性種類によって異なってもよい。
【0032】
属性種類2301は、属性データの種類を示す情報である。属性種類2301には、例えば、テープの種類や、ラベルの設定や、特殊印刷設定が含まれる。属性内容情報2302は、属性評価値を算出する対象となる属性データの内容を示す。属性内容情報2302としては、例えば、テープ種類であれば、ラベルの色、特殊加工がある。ラベルの設定であれば、ラベル幅やラベル長さがある。特殊印刷設定であれば、分割印刷を実行する設定がある。分割印刷は、ラベルデータの印刷を複数回に分けて行う印刷方法である。
【0033】
属性係数2303は、属性評価値を算出する際に属性基本値に掛ける積算量を示す情報である。ラベルの複雑さは属性データの内容によって異なる。そのため、属性係数2303は、ラベルの複雑さを増す内容ほど、高い積算量が設定され、投稿属性評価値が増すようにしている。例えば、分割印刷は、特殊なデザインや用途に適用される場合が多く、ラベル色を白黒以外とする場合より、ラベルの複雑さが増す傾向がある。そのため、「分割印刷ON」は「白黒でない」より高い積算量が属性係数2303に記憶されている。また例えば、ラミネートなどの特殊加工を施されたテープは、ラベル色が白黒以外のテープより価値が高い場合がある。そのため、「特殊加工」は「白黒でない」より高い積算量が属性係数2303に記憶されている。なお、属性係数2303は、投稿属性評価値に加算される加算量を示す情報であってもよい。
【0034】
図1に示すメモリ222の一例は、装置に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU221が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。CPU221が読み取り可能なストレージ媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。
【0035】
操作表示部226は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。なお、操作表示部226は、表示機能と操作受け付け機能とを共に備えるタッチパネルであっても良いし、表示機能を備えるディスプレイと操作受け付け機能を備えるキーボード、マウス、トラックボール等との組であっても良い。
【0036】
ネットワークIF225は、端末12等の外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。ネットワークIF225の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などである。ネットワークIF225の通信の態様は、有線でも無線でもよい。本形態のネットワークIF225は、インターネット回線21に接続されている。
【0037】
インタフェース227は、ユーザデータベース(以下「ユーザDB」とする)25と、投稿ラベルデータベース(以下「投稿ラベルDB」とする)26と、が接続されている。本形態では、インタフェース227は、有線LAN24を介してユーザDB25および投稿ラベルDB26に接続されている。ユーザDB25および投稿ラベルDB26は、サーバ22が有してもよいし、サーバ22と別のサーバが有してもよい。また例えば、ユーザDB25はポイントを管理する別のサーバが有し、投稿ラベルDB26はサーバ22が有するなど、ユーザDB25および投稿ラベルDB26は、別々のサーバが有していてもよい。
【0038】
図4に示すように、ユーザDB25は、ユーザIDごとに、ユーザが保有するポイントである保有ポイントを記憶することができる。ユーザDB25は、ユーザID251と、ユーザ名252と、ポイント情報253と、パスワード254と、ポイント更新日時255と、を関連付けたレコードによって構成されている。ユーザDB25は「ポイントデータベース」の一例である。
【0039】
ユーザID251は、システム100を利用可能なユーザを識別するための識別情報であり、端末12を使用するユーザを特定する。また、ユーザ名252は、ユーザの個人または団体(法人)の名称やニックネーム、住所、連絡先、メールアドレス等である。なお、ユーザID251は、システム100が提供するサービスを初めて利用する際に新規に設定される。例えば、システム100が提供するサービスを初めて利用する際に、端末12上においてユーザが入力したユーザ名は、新規のユーザID251と対応するように、ユーザDB25のユーザ名252に追加記憶される。
【0040】
ポイント情報253は、ユーザの保有ポイントを示す情報である。保有ポイントは、例えば、システム100を利用して有償のコンテンツあるいは機能や、テープ等の消耗品を購入する場合に、現金の代わりとして使用することができる。保有ポイントには、例えば、サーバ22に投稿された投稿ラベルデータの内容に基づいて計算されたポイントが加算される。
【0041】
パスワード254は、ユーザ名252に記憶された各ユーザがそれぞれ設定したパスワードである。ポイント更新日時255は、ポイント情報253すなわち保有ポイントが更新された年/月/時刻を記憶している。
【0042】
図5に示すように、投稿ラベルDB26は、投稿ラベルデータをユーザIDに関連付けて記憶できる。投稿ラベルDB26は、ラベルID261と、ユーザID262と、投稿ラベルデータ263と、投稿日265と、獲得ポイント266と、を関連付けたレコードによって構成されている。
【0043】
ラベルID261は、本形態のシステム100において投稿ラベルDB26に登録されるラベルデータ毎に順次付されたシリアル番号である。ユーザID(制作者)262は、システム100を使用して投稿したユーザのユーザID251である。投稿ラベルデータ263は、サーバ22に投稿されたラベルデータである。投稿ラベルデータ263は、例えば、オブジェクトデータと、属性データと、を含む。投稿日265は、ラベルデータが投稿された年月日を示す情報である。獲得ポイント266は、投稿ラベルデータに付与された獲得ポイントを示す情報である。
【0044】
続いて、システム100の動作を説明する。システム100では、ラベルデータをサーバ22に投稿したり、投稿ラベルデータをサーバ22から端末12に送信したりすることによって、投稿ラベルデータの共有を図っている。端末12にダウンロードされた投稿ラベルデータは、例えば、ラベルプリンタ11によって印刷できる。システム100は、投稿ラベルデータの内容に基づいて投稿ラベルデータに付与する獲得ポイントを計算し、計算した獲得ポイントを投稿ラベルデータに関連付けられたユーザIDに対応する保有ポイントに加算することができる。以下では、まず、ラベルデータを編集してサーバにアップロードし、アップロードされたラベルデータに基づいて投稿者にポイントを付与する投稿処理について説明する。その後、投稿ラベルデータをダウンロードして印刷するダウンロード印刷処理について説明する。
【0045】
なお、投稿ラベルデータの印刷は、投稿ラベルデータをダウンロードするタイミングと異なってもよい。例えば、端末12は、サーバ22からダウンロードした投稿ラベルデータを不揮発性記憶領域に記憶しておき、任意のタイミングでその投稿ラベルデータをラベルプリンタ11に印刷させてもよい。
【0046】
本形態における各処理ステップは、基本的に、主にサーバ用プログラム228などのプログラムに記述された命令に従ったCPU221の処理を示す。CPU221による処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの詳細な記載を省略して各プログラムの動作を説明する。
【0047】
(投稿処理)
図6のシーケンス図に示すように、投稿処理では、ラベルデータの投稿を実行しようとするユーザ(以下「投稿者」と称す)が、端末12Aのクライアントアプリ13Aを起動し、例えば図7に示すメニュー画面600を端末12Aに表示させる。メニュー画面600は、ラベルデータを作成するためのラベルデータ作成ボタン601と、ラベルデータを投稿するための投稿ボタン602と、サーバ22から投稿ラベルデータをダウンロードするためのダウンロードボタン603と、を含む。投稿者は、投稿するラベルデータを作成する場合、ラベルデータ作成ボタン601を操作する。すると、クライアントアプリ13Aは、図8に示す編集画面300を端末12Aに表示させ、ラベルデータの作成を受け付ける(A01)。
【0048】
編集画面300は、例えば、機能選択領域310と、ラベルデータ表示領域320と、属性設定領域330と、オブジェクト設定領域340と、を含む。
【0049】
機能選択領域310は、機能を選択するための領域である。機能選択領域310には、例えば、ラベルデータに含めるオブジェクトを選択するためのオブジェクト選択ボタン群311と、ラベルの印刷を指示する印刷ボタン312と、ラベルデータの保存を指示する保存ボタン313と、が表示されている。
【0050】
ラベルデータ表示領域320には、ラベルデータ400が表示されている。ラベルデータ400は、ラベルの外形を示すラベル領域401と、印刷範囲を示す印刷領域402と、を含む。ラベルデータ400には、ユーザ操作に応じて、オブジェクトデータが表示される。
【0051】
属性設定領域330は、属性データに含まれる各種設定項目についてパラメータを設定する領域である。属性設定領域330は、例えば、プリンタを選択するためのプリンタ選択欄331と、ラベル幅設定欄332と、ラベル長さ設定欄333と、ラベル色選択欄334と、を含む。各設定欄332,333,334には、プリンタ選択欄331にて選択されたラベルプリンタ11Aから能力情報を取得してパラメータを自動入力してもよいし、投稿者がパラメータを手入力してもよい。また、属性設定領域330は、ラベル長さを固定する指示を受け付けるチェックボックス335を備えている。
【0052】
オブジェクト設定領域340は、オブジェクト選択ボタン群311を用いて選択されたオブジェクトの各種設定項目にパラメータを設定する領域である。オブジェクト設定領域340の表示は、選択されたオブジェクトの種類に基づいて切り替えられる。例えば、オブジェクト選択ボタン群311によってテキストオブジェクトが選択された場合、テキストオブジェクトに対応する設定画面がオブジェクト設定領域340に表示される。例えば、オブジェクト設定領域340には、フォントの種類を選択するフォント選択欄341と、太字や斜体や下線や取消線などの飾りを設定する飾り設定欄342と、文字修飾の設定を受け付ける文字修飾設定欄343と、が表示される。
【0053】
例えば、投稿者は、オブジェクト選択ボタン群311から、ラベルデータに含めたいオブジェクトを選択する。ラベルデータ表示領域320には、選択されたオブジェクトが初期位置に表示される。例えば図8に示すように、オブジェクト選択ボタン群311にてテキストが選択された場合、テキストオブジェクト501が初期位置に表示される。投稿者は、ラベルデータ表示領域320にて、テキストオブジェクト501の配置を初期位置に維持してもよいし、初期位置からずらしてもよい。
【0054】
オブジェクトの配置変更について説明する。ここでは、テキストオブジェクト501を例にして説明するが、テキスト以外のオブジェクトも同様に処理することができる。図8に示すように、テキストオブジェクト501の初期位置は、ラベル幅方向の座標501a,501b,501c,501dによって決められている。
【0055】
例えば、図9(a)に示すように、テキストオブジェクト501そのものを移動したり、図9(b)および図9(c)に示すように、テキストオブジェクト501を拡大あるいは縮小した場合、座標501a~501dの何れかが初期位置からずれる。よって、本形態では、座標501a~501dに基づいて、テキストオブジェクト501の配置が初期位置から変更されているか否かを判定することができる。
【0056】
なお、初期位置は、クライアントアプリ13とサーバ22との何れが記憶していてもよい。クライアントアプリ13が初期位置を記憶している場合、クライアントアプリ13が配置の変更を判定してその結果をオブジェクトデータに含めてもよい。サーバ22が初期位置を記憶している場合、クライアントアプリ13がオブジェクトの座標を含む配置情報をオブジェクトデータに含め、サーバ22は、オブジェクトデータに含まれる座標と自身が記憶する初期位置とを比較して配置変更の有無を判定してもよい。
【0057】
投稿者は、図8に示すオブジェクト設定領域340にて、オブジェクトの各設定項目にパラメータを設定し、オブジェクトの印刷内容をデザインすることができる。各設定項目に設定されるパラメータは、初期値でもよいし、初期値から変更されたパラメータでもよい。パラメータの変更は、たとえば、テキストオブジェクト501であれば、フォント種類、文字大きさ、文字飾り、文字修飾などの変更が含まれる。文字飾りは、例えば、下線、取り消し線、太字などである。文字修飾は、例えば、テキストを中抜きで印刷する「中抜き」や、テープ色とインク色とを反転させる「反転」が含まれる。投稿者は、複数のオブジェクトを順次選択してパラメータや配置を設定することで、デザインされた各種のオブジェクトデータをラベルデータに含めることができる。
【0058】
投稿者は、属性設定領域330にて、属性データの各設定項目にパラメータや機能の実行可否を設定し、ラベル全体をデザインする。各設定項目に設定されるパラメータは、初期値でもよいし、初期値から変更されたパラメータでもよい。パラメータの変更は、例えば、テープの種類であれば、ラベルの色とインク色を一般的な白黒から変更する色変更がある。ラベルの設定であれば、例えば、ラベル幅やラベル長さを初期値から変更するサイズ変更や、ラベル長さを固定する設定がある。機能の実行可否の設定は、例えば、分割印刷を実行する設定である。投稿者は、テープ色や、インク色や、テープ幅、などの各設定項目にパラメータを設定することで、デザインされた属性データをラベルデータに含めることができる。
【0059】
投稿者がラベルデータを作成して保存ボタン313を操作すると、クライアントアプリ13Aが、ラベルデータ表示領域320に表示されているラベルデータを端末12Aに設けられたクライアントアプリ13A用の記憶領域に保存する。これにより、ラベルデータの作成が終了する。
【0060】
投稿者は、作成したラベルデータを投稿する場合、図7に示すメニュー画面600を端末12Aに表示させ、投稿ボタン602を操作する。すると、図6に示すように、クライアントアプリ13Aは、アップロード指示を受け付ける(A02)。投稿ボタン602には、投稿先となるサーバ22のアドレスが関連付けて記憶されている。クライアントアプリ13Aは、サーバ22に対してアップロード指示とユーザIDを送信する(A03)。
【0061】
サーバ22は、アップロード指示とユーザIDとを受け付けると(A04)、端末12Aからアップロードされたラベルデータを受信する(A05)。A04の処理は「アップロード受付処理」の一例である。A05の処理は「受信処理」の一例である。なお、サーバ22は、アップロード指示を受け付けた場合に、受け付けたユーザIDに対応する保有ポイントをユーザDB25から読み出して端末12Aに送信して表示させてもよい。これにより、投稿ラベルデータを投稿するモチベーションや、ラベルを複雑にしてポイントを獲得するモチベーションが高くなることを期待できる。
【0062】
投稿ラベルデータの投稿手順の一例を説明する。例えば、サーバ22は、ウェブサーバ機能を有する場合、端末12Aから送信されたアップロード指示を受信すると、認証画面を端末12Aに提供して表示させる。投稿者が認証画面にユーザIDを入力して認証を実行すると、サーバ22は、端末12AからユーザIDを受信して権限認証を行う。サーバ22は、権限認証に成功すると、ラベルデータを投稿するための投稿画面を端末12Aに提供して表示させる。
【0063】
投稿画面では、投稿するラベルデータの選択と、選択したラベルデータの投稿を実行するための投稿実行指示と、を受け付けることができる。例えば、投稿者が、編集画面300で作成して端末12Aに記憶させたラベルデータを投稿画面で選択し、投稿実行指示を入力すると、端末12Aは、選択されたラベルデータをサーバ22にアップロードする。サーバ22は、端末12Aからアップロードされた投稿ラベルデータをネットワークIF225を用いて受信する。
【0064】
なお、編集画面300にユーザID入力欄と新規投稿ボタンを設け、編集画面300にてアップロード指示とユーザIDとラベルデータの入力とを受け付けてサーバ22に送信し、サーバ22がそれらを受信して受け付けてもよい。この手順は、「アップロード受付処理」、「受信処理」の一例である。
【0065】
サーバ22は、受信した投稿ラベルデータに付与する獲得ポイントを計算する計算処理を行う(A06)。計算処理の制御手順を図10のフローチャートに従って説明する。ここでは、サーバ22が図11に示す投稿ラベルデータ400xを受信した場合を例にして説明する。
【0066】
サーバ22のCPU221は、まず、投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトデータを抽出する(S11)。例えば、CPU221は、図11に示す投稿ラベルデータ400xからテキストオブジェクト501xのオブジェクトデータと、フレームオブジェクト502のオブジェクトデータと、クリップアートオブジェクト504のオブジェクトデータと、表オブジェクト507のオブジェクトデータと、二次元コードオブジェクト508のオブジェクトデータと、を抽出する。
【0067】
CPU221は、S11にて抽出したオブジェクトデータのうち、i番目のオブジェクトデータについてオブジェクト評価値を算出する(S12)。CPU221は、例えば、1個目のオブジェクトデータとしてテキストオブジェクト501xのオブジェクトデータを抽出し、オブジェクト評価値を算出する。
【0068】
図11に示すテキストオブジェクト501xは、例えば、テキスト「コーヒー」が入力され、フォントの種類のパラメータが初期値「フォント1」から「フォント2」に変更されている。図2のオブジェクト指標情報229では、「フォント変更」にオブジェクト係数「×2」が関連付けられている。そこで、CPU221は、オブジェクト基本値「1」に「2」を乗じて「フォント変更」の内容評価値「2」を算出する。
【0069】
また例えば、図11に示すテキストオブジェクト501xは、初期位置からずれている。図2のオブジェクト指標情報229では、「配置変更」にオブジェクト係数「×2」が関連付けられている。そこで、CPU221は、オブジェクト基本値「1」に「2」を乗じて「配置変更」の内容評価値「2」を算出する。
【0070】
また例えば、図11に示すテキストオブジェクト501xでは、文字修飾のパラメータが「なし」から「反転」に変更され、テープ色とインク色とが反転している。図2のオブジェクト指標情報229では、「文字修飾」にオブジェクト係数「×3」が関連付けられている。そこで、CPU221は、オブジェクト基本値「1」に「3」を乗じて「文字修飾」の内容評価値「3」を算出する。「文字装飾」のオブジェクト係数は、「フォント変更」や「配置変更」のオブジェクト係数より高く設定されている。そのため、内容評価値は、オブジェクトの内容がラベルの複雑さに与える影響を反映した値にすることができる。
【0071】
CPU221は、例えば、上記のように算出した「フォント変更」の内容評価値「2」と、「配置変更」の内容評価値「2」と、「文字修飾」の内容評価値「3」とを加算することによって、テキストオブジェクト501xのオブジェクト評価値「7」を算出する。オブジェクト評価値は、テキストオブジェクト501xについて設定されたパラメータや配置に基づいて算出される。そのため、パラメータや配置の変更が多く行われたオブジェクトほど、オブジェクト評価値が高くなる。また、変更内容に応じてオブジェクト係数が異なるので、オブジェクト評価値はオブジェクトの内容に適した値となる。
【0072】
図10に示すように、CPU221は、投稿ラベルデータから抽出したオブジェクトデータ全てについて、オブジェクト評価値を算出したか否かを判断する(S13)。例えば、投稿ラベルデータ400xは、テキストオブジェクト501x以外のオブジェクト502,504,507,508についてオブジェクト評価値を算出していない(S13:NO)。この場合、CPU221は、iに1を加算して(S17)、S12の処理に戻り、次のオブジェクトデータのオブジェクト評価値を算出する。
【0073】
例えば、CPU221は、2番目のオブジェクトデータとして、表オブジェクト507のオブジェクトデータを抽出し、オブジェクト評価値を算出する。図2のオブジェクト指標情報229では、表オブジェクトのオブジェクト基本値が「2」に設定され、表オブジェクトの配置変更には、オブジェクト係数「×2」が関連付けられている。そこで、CPU221は、オブジェクト基本値「3」に「2」を乗じて「配置変更」の内容評価値「6」を算出する。
【0074】
表オブジェクトは、テキストのオブジェクト基本値より、オブジェクト基本値が高く設定されている。そのため、表オブジェクト507は、「配置変更」について、テキストオブジェクト501xとオブジェクト係数が同じでも、テキストオブジェクト501xより高い内容評価値を獲得できる。よって、内容評価値は、オブジェクトの種類によって異なる値とすることができる。
【0075】
例えば、表オブジェクト507は、罫線が初期パラメータから変更されている。CPU221は、上記と同様にして、「罫線変更」の内容評価値「6」を算出する。CPU221は、「配置変更」の内容評価値「6」と、「罫線変更」の内容評価値「6」と、を加算することによって、表オブジェクト507のオブジェクト評価値「12」を算出する。
【0076】
表オブジェクト507とテキストオブジェクト501xとは、オブジェクト基本値や、内容評価値の算出対象となるパラメータの設定内容や、オブジェクト係数が異なる。よって、オブジェクト評価値は、オブジェクトの種類や、オブジェクトデータの内容など、各オブジェクトの特徴を反映した値にすることができる。
【0077】
CPU221は、表オブジェクト507のオブジェクト評価値を算出したら、上記と同様にして次のオブジェクトについてオブジェクト評価値を算出する。つまり、CPU221は、投稿ラベルデータ400xに含まれるオブジェクトごとにオブジェクト評価値を算出する。本形態のフレームオブジェクト502と、クリップアートオブジェクト504と、二次元コードオブジェクト508とは、パラメータを変更されていないが、配置を変更されているとする。この場合、CPU221は、上記と同様に、図2のオブジェクト指標情報229に基づいてフレームオブジェクト502のオブジェクト評価値「6」と、クリップアートオブジェクト504のオブジェクト評価値「4」と、二次元コードオブジェクト508のオブジェクト評価値「6」と、を算出する。
【0078】
CPU221は、投稿ラベルデータから抽出したオブジェクトデータ全てについて、オブジェクト評価値を算出したら(S13:YES)、投稿ラベルデータ400xに含まれるオブジェクトの種類ごとに算出したオブジェクト評価値を加算することによって、投稿オブジェクト評価値を算出する(S14)。本形態では、テキストオブジェクト501xのオブジェクト評価値「7」と、表オブジェクト507のオブジェクト評価値「12」と、フレームオブジェクト502のオブジェクト評価値「6」と、クリップアートオブジェクト504のオブジェクト評価値「4」と、二次元コードオブジェクト508のオブジェクト評価値「6」と、を加算して、投稿オブジェクト評価値「35」を算出する。よって、投稿ラベルデータ400xは、投稿ラベルデータ400xに含まれるオブジェクトの数や種類に応じて、投稿オブジェクト評価値が増え、ひいては後述するように投稿オブジェクト評価値を用いて算出されるポイントが増える。
【0079】
CPU221は、投稿ラベルデータ400xに含まれる属性データを抽出し、抽出した属性データに基づいて投稿属性評価値を算出する。
【0080】
例えば、投稿ラベルデータ400xは、ラベル長さを固定する属性データを含むとする。図3に示す属性指標情報230では、「ラベル長さ固定」に属性基本値「1」と属性係数「×1.5」とが関連付けて記憶されている。そこで、CPU221は、属性基本値「1」に「1.5」を乗じることによって、「ラベル長さ固定」に対応する属性評価値「1.5」を算出する。属性データの内容に応じて属性係数が異なるので、属性評価値は属性データの内容に適した値となる。本形態では、CPU221は、「ラベル長さ固定」に対応する属性評価値「1.5」を投稿属性評価値とする。
【0081】
図10に示すように、CPU221は、S14にて算出した投稿オブジェクト評価値と、S15にて算出した投稿属性評価値とに基づいて、獲得ポイントを算出する(S16)。例えば、CPU221は、投稿オブジェクト評価値「35」に投稿属性評価値「1.5」を乗じて、投稿ラベルデータの複雑さを示すラベル複雑さ評価値「52.5」を算出する。獲得ポイントは、ラベル複雑さ評価値そのものであってもよいし、ラベル複雑さ評価値に演算処理を施した値であってもよい。なお、獲得ポイントは、投稿オブジェクト評価値に投稿属性評価値を加算することによって算出してもよい。
【0082】
なお、例えば、図11に示す投稿ラベルデータ400xの内容に加え、テープ色とインク色を黒白以外に設定した投稿ラベルデータがサーバ22に投稿されたとする。この場合、CPU221は、図3に示す属性指標情報230から、「テープ種類」の「黒白でない」に対応する属性基本値「1」と属性係数「×1.5」とを読み出して乗じ、「黒白でない」に対応する属性評価値「1.5」を算出する。この場合、CPU221は、「ラベル長さ固定」に対応する属性評価値「1.5」と「黒白でない」に対応する属性評価値「1.5」を加算して投稿属性評価値「3」を算出する。この場合、当該投稿ラベルデータが獲得するラベル複雑さ評価値は、投稿オブジェクト評価値「35」に投稿属性評価値「3」を乗じた値「105」なる。 よって、ラベル複雑さ評価値、および、ラベル複雑さ評価値に基づいて算出されるポイントは、属性データの数や種類が増えるほど多くなり、ラベルの複雑さに適した値となる。
【0083】
一方、例えば、図11に示す投稿ラベルデータ400xの内容に加え、さらに分割印刷を可能にする設定を含む投稿ラベルデータ400y(図12参照)がサーバ22に投稿されたとする。本形態では、分割印刷の設定において分割数が「3」に設定され、投稿ラベルデータ400yのラベル領域401yには、長さを固定された3枚のテープの画像405a,405b,405cが含まれ、各オブジェクトが配置されている。
【0084】
CPU221は、図3に示す属性指標情報230から、「分割印刷ON」に対応する属性基本値「1」と属性係数「×2」とを読み出して乗じ、「分割印刷ON」に対応する属性評価値「2」を算出する。CPU221は、「ラベル長さ固定」に対応する属性評価値「1.5」と「分割印刷ON」に対応する属性評価値「2」を加算して投稿属性評価値「3.5」を算出する。この場合、投稿ラベルデータ400yが獲得するラベル複雑さ評価値は、投稿オブジェクト評価値「35」に投稿属性評価値「3.5」を乗じた値「122.5」となる。よって、ラベル複雑さ評価値、および、ラベル複雑さ評価値に基づいて算出されるポイントは、属性データの内容によって高低があり、ラベル全体の複雑さに適した値となる。
【0085】
図6に示すように、サーバ22は、S16の処理を行ってA06の計算処理を終了すると、図4に示すユーザDB25にアクセスし、A04にて受け付けたユーザIDに対応する保有ポイントに、A06にて計算した獲得ポイントを加算する加算処理を行う(A07)。
【0086】
サーバ22は、A07の加算処理が終了すると、インタフェース227を介して投稿ラベルDB26にアクセスし、A05にて受信した投稿ラベルデータを、A04にて受け付けたユーザIDと関連付けて投稿ラベルDB26に記憶する(A08)。A08の処理は「記憶処理」の一例である。
【0087】
例えば、サーバ22は、新たなラベルIDを作成して新たなラベルID261とし、新たなラベルIDを含むレコードを投稿ラベルDB26に設ける。その後、サーバ22は、新たなラベルID261を含むレコードに対して、A03にて受け付けた投稿者のユーザID251をユーザID(製作者)262として、また、A04にて受信した投稿ラベルデータを投稿ラベルデータ263として、また、投稿日時の年月日を投稿日265として、A06にて計算した獲得ポイントを獲得ポイント266として、それぞれ記憶する。
【0088】
投稿ラベルデータを記憶したサーバ22は、投稿ラベルデータの登録が完了したことを端末12Aに通知する(A09)。端末12Aは、投稿ラベルデータの登録完了を表示する(A10)。これにより、投稿者は、投稿ラベルデータが正常にアップロードされたことを知ることができる。なお、A09の通知には、投稿者の保有ポイントが加算された情報が含まれてもよい。また例えば、A09の通知には、A07にて更新された後の投稿者の保有ポイントを付し、投稿者に投稿によって増えた保有ポイントを直ぐに知らせてもよい。これにより、ラベルデータの投稿に対するモチベーションが高くなることが期待できる。
【0089】
(ダウンロード印刷処理)
図13のシーケンス図に示すように、ダウンロード印刷処理では、まず、投稿ラベルデータのダウンロードを実行しようとするユーザ(以下「印刷者」と称す)が、端末12Bのクライアントアプリ13Bを起動した後に、図7に示すダウンロードボタン603を操作すると(B01)、端末12Bのクライアントアプリ13Bは、ダウンロード可能な投稿ラベルデータのリストの送信をサーバ22に要求する(B11)。
【0090】
例えばサーバ用プログラム228がログイン用のウェブページを端末12Bに提供し、そのウェブページをクライアントアプリ13Bのブラウザ機能によって端末12Bが表示する。そのウェブページを介してユーザIDを入力することで、ユーザIDが端末12Bからサーバ22に送信される。ログインが承認されると、サーバ22は、リスト送信要求を受け付ける。
【0091】
サーバ22は、リスト送信要求を受け付けると、投稿ラベルDB26にアクセスし、ラベルプリンタ11Bで対応可能な投稿ラベルデータ263に基づいてリストを作成する(B12)。この際に、サーバ22は、ラベルプリンタ11Bで対応可能な投稿ラベルデータ263が複数個ある場合には、複数個の投稿ラベルデータ263およびラベルID261に基づいてリストを作成することができる。また、この際に用いられる投稿ラベルデータ263は、ラベルのサムネイル画像データであっても差し支えない。その後、サーバ22は、作成したリストを端末12Bに送信する(B13)。リストには、少なくとも、投稿ラベルデータの画像と、ラベルIDとが含まれている。リストは、獲得ポイント266が高い投稿ラベルデータほど、サーバ22にてダウンロードを受け付ける際の表示が優位になる情報を含んでもよい。
【0092】
端末12Bは、リストを受信すると、受信したリストに基づいてダウンロード可能な投稿ラベルデータを一覧表示する。例えばサーバ用プログラム228が投稿ラベルデータの選択用のウェブページを提供し、そのウェブページをクライアントアプリ13Bのブラウザ機能によって端末12Bが表示する(B14)。そのウェブページを介して、投稿ラベルデータが一覧表示される。一覧表示では、例えば、獲得ポイントが最も高い投稿ラベルデータが先頭に表示されるなど優位に表示されてもよい。
【0093】
当該画面には、例えば、投稿ラベルデータを選択するための選択ボタンと、ダウンロードを実行するための「実行」ボタン(図示せず)と、が含まれている。例えば、印刷者が、端末12B上に表示された複数の投稿ラベルデータのうちの1つである投稿ラベルデータ400xを選択した後に「実行」ボタンを操作すると、端末12Bは、ダウンロードする投稿ラベルデータの選択を受け付ける(B21)。そして、端末12Bは、ダウンロード指示をサーバ22に送信する(B22)。ダウンロード指示は、選択された投稿ラベルデータをダウンロードするための指示である。ダウンロード指示には、選択された投稿ラベルデータ400xのラベルIDが付されている。
【0094】
サーバ22は、ダウンロード指示を受信すると(B22)、インタフェース227を用いて投稿ラベルDB26にアクセスし、ダウンロード指示に付されたラベルIDを含むレコードを抽出する(B23)。B22の処理は「ダウンロード受付処理」の一例である。
【0095】
レコードを抽出したサーバ22は、端末12Bにダウンロードされる投稿ラベルデータ400xを投稿した投稿者にポイントを付与するダウンロードポイント付与処理を行う(B24)。
【0096】
投稿者に付与するポイントは、B23にて抽出したレコードに含まれる獲得ポイント266、つまりアップロードの際に投稿ラベルデータ400xの内容に基づいて計算した獲得ポイントをそのまま付与してもよいし、その一部(例えば1%)を付与してもよい。また、ポイントは、B23にて抽出したレコードの投稿ラベルデータ263に記憶されている投稿ラベルデータ400xに上述した計算処理(A06)を実行して決定してもよい。また、ポイントは、投稿ラベルデータ400xの内容によらず、ダウンロード回数に応じて決定されてもよい。例えば、ダウンロード100回ごとに1ポイントを投稿者に付与してもよい。サーバ22は、ユーザDB25にアクセスし、B23にて抽出したレコードに含まれるユーザIDに対応するポイント情報に記憶されている保有ポイントに、決定したポイントを加算し、保有ポイントを更新する。これにより、投稿ラベルデータ400xのダウンロードに基づくポイントが、その投稿ラベルデータ400xを投稿した投稿者に付与される。
【0097】
サーバ22は、ダウンロードに基づくポイントを投稿者に付与した場合、ポイントを付与した事実と、付与したポイントと、ポイント加算後の投稿者の保有ポイントとの少なくとも一つを、ダウンロードされる投稿ラベルデータ400xを投稿した投稿者の端末12Aに通知してもよい。投稿者は他人の行為で自分のポイントが増えたことを知ることができる。これにより、ラベルデータを投稿するモチベーションが増すことが期待できる。また、ダウンロード回数が増えるほど投稿者の保有ポイントが増えるので、複雑なラベルデータがサーバ22に集まり、サービスの利用が活性化することが期待できる。
【0098】
サーバ22は、B23にて抽出したレコードに含まれる投稿ラベルデータ263を端末12Bに送信する(B25)。B25は「送信処理」の一例である。端末12Bは、ダウンロードの完了を知らせるメッセージを表示する(B26)。
【0099】
例えば、印刷者は、端末12Bにメニュー画面600を表示させてラベルデータ作成ボタン601を操作する。クライアントアプリ13Bは、編集画面300を表示し、ユーザ操作に応じてダウンロードした投稿ラベルデータ400xの選択を受け付ける。クライアントアプリ13Bは、投稿ラベルデータ400xを表示した状態で印刷ボタン312を介して印刷指示を受け付けると(C01)、投稿ラベルデータ400xに基づく印刷データをラベルプリンタ11Bに送信する(C02)。ラベルプリンタ11Bは、受信した印刷データに基づく印刷を実行する(C03)。これにより、投稿ラベルデータ400xに基づくラベルが印刷される。
【0100】
なお、印刷者が図12に示す投稿ラベルデータ400yをダウンロードして印刷する場合、ラベルプリンタ11Bは、固定されたラベル長さでラベルを3回印刷する。各ラベルには、投稿ラベルデータ400xを3分割した画像データがそれぞれ印刷されている。印刷者は、3枚のラベルを張り合わせることで、ラベルプリンタ11Bにセットされているテープのテープ幅より幅広のラベルを作成できる。
【0101】
以上説明したように、本形態のサーバ用プログラム228が組み込まれたサーバ22は、投稿されたラベルデータの内容、例えば投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトの種類やオブジェクトの配置やラベルデータの属性データに基づいて、投稿ラベルデータに示されるラベルの複雑さを解析する。サーバ22は、その解析結果に基づいて獲得ポイントを計算し、その計算された獲得ポイントを投稿者の保有ポイントに加算する。これにより、サーバ22は、ラベルの複雑さに応じたポイントを投稿者に付与することができる。
【0102】
なお、本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。端末12に接続されるラベルプリンタ11の数は、図示の例に限らず、2台以上でも良い。
【0103】
上記形態では、図6に示すA06の処理では、オブジェクトデータ以外の投稿ラベルデータの内容に基づいて、獲得ポイントを決定してもよい。ただし、ラベルデータに含まれるオブジェクトの数が多いほどラベルデータの複雑さが増す傾向にある。そこで、投稿ラベルデータに含まれる各オブジェクトデータに対してポイントを付与することで、オブジェクトの数が多いほど獲得ポイントが高くなり、多くのオブジェクトが含まれるラベルデータの投稿が期待できる。
【0104】
例えば、図10のS12、S13、S17の処理を省略し、オブジェクトの種類と別の方法で、オブジェクトデータごとにポイントを付与してもよい。例えば、投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトデータの数に基づいて投稿ラベルデータに付与するポイントを計算してもよい。この場合、オブジェクトデータの種類や内容による重みづけはしてもしなくてもよい。ただし、オブジェクトの種類によってラベルの複雑さに与える影響が異なる。例えばテキストであればシンプルであるが、画像であればテキストよりもラベルの複雑さが増す傾向にある。そこで、オブジェクトの種類に応じて加算されるポイントが異なるようにすることで、よりラベルの複雑さが増すオブジェクトが含まれるラベルデータの投稿が期待できる。
【0105】
また、図10のS12、S13、S17の処理を省略し、オブジェクトの内容と別の方法で、オブジェクトの種類によって投稿者に付与するポイントを異ならせてもよい。例えば、投稿ラベルデータに含まれるオブジェクトデータの数が同じ5個でも、5種類のオブジェクトデータを含む投稿ラベルデータは、1種類のオブジェクトデータを5個含む投稿ラベルデータより、高いポイントが付与されるようにしてもよい。バラエティに富んだオブジェクトを含むラベルデータは、ラベルデータの複雑さが増す場合があるからである。
【0106】
例えば、テキストオブジェクト以外のオブジェクトが、テキストオブジェクトよりも高いポイントを加算されないようにしてもよい。例えば、テキスト以外のオブジェクトのオブジェクト基本値が、テキストのオブジェクト基本値より小さくてもよい。ただし、テキストオブジェクトは基本のオブジェクトであって複雑さは他のオブジェクトよりも低い。そのため、例えば、テキストオブジェクト以外のオブジェクトについてはテキストオブジェクトよりもオブジェクト基本値を高くして、高ポイントを加算することで、テキストオブジェクト以外のオブジェクトが含まれるラベルデータの投稿が期待できる。
【0107】
例えば、図10のS12では、フォントの種類や文字装飾の変更など、オブジェクトデータに設定されるパラメータが初期値から変更されている場合に、内容評価値を算出せず、投稿ラベルデータに付与するポイントが増えにくくしてもよい。ただし、オブジェクトデータのパラメータが変更されている場合、ラベルの複雑さが高まる傾向にある。そこで、オブジェクトデータのパラメータが変更されている場合には、そのオブジェクトデータに対して付与されるポイントを多くすることで、パラメータが初期値から変更されたオブジェクトが含まれるラベルデータの投稿が期待できる。
【0108】
例えば、図10のS12の処理では、オブジェクトデータの配置が初期値から変更されている場合に、内容評価値を算出せず、投稿ラベルデータに付与するポイントが増えにくくしてもよい。ただし、オブジェクトデータの配置が初期位置から変更されている場合、ラベルの複雑さが高まる傾向にある。そこで、オブジェクトデータの配置が初期位置から変更されている場合には、そのオブジェクトデータに基づいて増やされるポイントを多くすることで、オブジェクトの配置が初期値から変更されたオブジェクトが含まれるラベルデータの投稿が期待できる。
【0109】
図10のS15,S16の処理を省略し、投稿ラベルデータに含まれる属性データに基づいて、獲得ポイントが増えないようにしてもよい。
【0110】
例えば、投稿ラベルデータに含まれるテープ種類に基づいて、投稿ラベルデータに付与するポイントが増えなくてもよい。また例えば、図3に示す「テープ種類」の内容の一例である「白黒でない」、「特殊加工」の属性係数には、同じ加算量や積算量が記憶されてもよい。これによれば、どのテープ種類が設定されても、ポイントの加算量や積算量を一定にすることができる。ただし、ラベルの価値あるいは印刷コストは、テープの種類によって異なる場合がある。例えば幅が広いテープや特殊加工が施されたテープや白黒以外の色のテープは高価な傾向にある。そこで、ラベルの色やラベル幅や特殊加工や素材など、投稿ラベルデータに含まれるテープの種類あるいはテープ種類の内容によって異なる属性係数2303が設定され、テープの種類あるいは内容に基づくポイントを投稿ラベルデータに付与し、高価なテープを使用するほど投稿ラベルデータに付与するポイントが高くなるようにすることで、より高価なテープを使用するラベルデータの投稿が期待できる。
【0111】
また例えば、ラベル長さを固定する属性データに基づいて、投稿ラベルデータに付与するポイントが増えなくてもよい。ただし、投稿ラベルデータがラベルの長さを設定する属性データを含む場合、ラベルのデザインにこだわりがあって複雑さが増す傾向にある。そこで、ラベルの長さを設定する属性データがある場合には、獲得ポイントを増やすことで、ラベルの複雑さが増すラベルデータの投稿が期待できる。
【0112】
また例えば、分割印刷を実行する属性データに基づいて、投稿ラベルデータに付与するポイントが増えなくてもよい。ただし、投稿ラベルデータが分割印刷を実行することを示す属性データを含む場合、ラベルの複雑さが増す傾向にある。そこで、分割印刷を実行する属性データがある場合には、獲得ポイントを増やすことで、ラベルの複雑さが増すラベルデータの投稿が期待できる。
【0113】
図6のA06,A07の処理を行うタイミング、すなわち、投稿ラベルデータのアップロードがあった場合にポイントが加算されるタイミングは、管理者によってサーバに設定された任意のタイミング(例えば月初めや月終わり)であってもよい。この場合、サーバ22は、所定の期間中にアップロードされた投稿ラベルデータに対してA06,A07の処理を纏めて行ってもよい。また、ユーザが端末12からタイミングを設定でき、ユーザごとにタイミングが設定されてもよい。ただし、投稿ラベルデータのアップロードの際に、投稿者に直ぐにポイントが加算されることで、投稿者に対して投稿のモチベーションを高めることができる。
【0114】
図13のB24の処理はなくてもよい。ただし、投稿ラベルデータのダウンロードの際に、投稿者にポイントが加算されることで、投稿ラベルデータが利用されることに対して投稿者にポイントが付与されることになり、より価値が高いラベルデータが投稿される可能性が高まる。
【0115】
上記形態では、B24の処理は、B23にてダウンロード指示を受け付ける度に実行されるが、ダウンロード指示の受け付けと異なるタイミングで行ってもよい。例えば、サーバ22は、投稿ラベルデータのダウンロード履歴を管理するデータベースあるいはサーバと接続でき、サーバ22の管理者が、月初めや月終わりなど、ダウンロードに基づいて投稿者にポイントを付与するタイミングをサーバ22に任意に設定してもよい。この場合、サーバ22は、設定されたタイミングになったらB24の処理を纏めて行う。なお、ユーザが、B24の処理を行うタイミングを設定でき、ユーザごとにB24の処理を行うタイミングが異なってもよい。
【0116】
サーバ22は、ウェブサーバ機能を有するフロントエンドサーバと、ウェブサーバ機能と別の機能を有するバックエンドサーバとで構成されてもよい。例えば、フロントエンドサーバは、端末12からのアクセスを受け付け、投稿ラベルデータをユーザIDと関連付けて投稿ラベルDB26に記憶する。例えば、バックエンドサーバは、各種のデータベースにアクセスして評価値やポイントを扱う処理を行う。端末12とのポイントのやり取りは、バックエンドサーバとフロントサーバとが協働して行ってもよい。
【0117】
実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0118】
実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0119】
11A,11B ラベルプリンタ
12A,12B 端末
21 インターネット回線
22 サーバ
25 ユーザDB
100 ラベルデータ共有システム
221 CPU
228 サーバ用プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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