(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110803
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】電力需給管理装置、電力需給管理装置システム及び電力需給管理方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240808BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H02J13/00 311T
H02J3/00 130
H02J3/00 170
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015624
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】520448991
【氏名又は名称】株式会社イーネットワークシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100109715
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 英明
(72)【発明者】
【氏名】及川 浩
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】猪股 洸斗
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC05
5G064BA02
5G064BA05
5G064CB21
5G064DA03
5G066AA02
5G066AE03
5G066AE09
5G066KA01
5G066KA12
5G066KB01
5G066KB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】低圧一括受電契約下の集合住宅での電力使用量を契約電力量未満に抑える電力需給管理装置、システム及び方法を提供する。
【解決手段】電力需給管理装置と、複数の住戸(需要家サイト)からなる集合住宅とが、通信ネットワークに接続されている電力需給管理システムにおいて、電力需給管理装置は、各需要家サイトの過去の電力使用量の履歴に関する電力使用情報を管理するデータベースと、各需要家サイトに対するDRを実行するDR管理部と、を備える。DR管理部は、データベースを参照し、各需要家サイトの電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯毎に、集合住宅における総予測電力使用量を算出する電力使用量予測部と、総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるDR実施計画を作成するDR実施計画部と、デマンドレスポンス実施計画に従って、各需要家サイトに対してDRを実行するDR実行部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧一括受電契約に従って電力網から受電する集合住宅における複数の需要家サイトに対してデマンドレスポンスを実施する電力需給管理装置であって、
前記複数の需要家サイトの各々の過去の電力使用量の履歴に関する電力使用情報を管理するデータベースと、
各前記需要家サイトに対するデマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス管理部と、を備え、
前記デマンドレスポンス管理部は、
前記データベースを参照し、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記集合住宅における総予測電力使用量を算出する電力使用量予測部と、
算出された前記総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるデマンドレスポンス実施計画を作成するデマンドレスポンス実施計画部と、
作成された前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに対して前記デマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス実行部と、を備える、
電力需給管理装置。
【請求項2】
前記電力使用量予測部は、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記各需要家サイトの予測電力使用量を算出し、算出された各前記予測電力使用量を集計することにより前記総予測電力使用量を算出する、
請求項1に記載の電力需給管理装置。
【請求項3】
前記電力使用量予測部は、前記将来の特定の時間帯に対して過去の一定期間の同じ時間帯での前記電力使用量に基づいて、前記各需要家サイトの前記予測電力使用量を算出する、
請求項2に記載の電力需給管理装置。
【請求項4】
前記デマンドレスポンス実行部は、前記デマンドレスポンス実施計画に示される実施開始時刻に基づいて、前記各需要家サイトに設定された電流量上限値を削減要請電力量に従って変更するように、前記各需要家サイトを遠隔的に制御する、
請求項1に記載の電力需給管理装置。
【請求項5】
前記デマンドレスポンス実行部は、前記デマンドレスポンス実施計画に示される終了開始時刻に基づいて、前記各需要家サイトの変更された前記電流上限値を元の前記電流上限値に戻す、
請求項4に記載の電力需給管理装置。
【請求項6】
前記デマンドレスポンス管理部は、前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに関連付けられた情報通信端末装置にデマンドレスポンス要請通知を送信するデマンドレスポンス要請部を更に備える、
請求項4に記載の電力需給管理装置。
【請求項7】
前記デマンドレスポンス要請部は、前記デマンドレスポンスの実施による前記電流上限値に基づく前記各需要家サイトにおいて利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンが前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示されるように制御する、
請求項6に記載の電力需給管理装置。
【請求項8】
前記デマンドレスポンス要請部は、前記利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンに基づく合計電力量が前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示されるように制御する、
請求項7に記載の電力需給管理装置。
【請求項9】
前記デマンドレスポンス管理部は、前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示された前記利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンの変更に応じて前記合計電力量を再算出し、再算出された前記合計電力量が前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示されるように制御する、
請求項8に記載の電力需給管理装置。
【請求項10】
前記デマンドレスポンス実施計画部は、
前記所定の時間帯ごとに、前記総予測電力使用量が前記低圧一括受電契約によって定められた上限電力使用量を超えるか否かを判断し、
前記総予測電力使用量が前記上限電力使用量を超えると判断される前記特定の時間帯について、前記デマンドレスポンス実施計画を作成する、
請求項1に記載の電力需給管理装置。
【請求項11】
低圧一括受電契約に従って電力網から受電する集合住宅における複数の需要家サイトに対してデマンドレスポンスを実施する電力需給管理装置を含む電力需給管理システムであって、
前記電力需給管理装置は、
前記複数の需要家サイトの各々の過去の電力使用量の履歴に関する電力使用情報を管理するデータベースと、
各前記需要家サイトに対するデマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス管理部と、を備え、
前記デマンドレスポンス管理部は、
前記データベースを参照し、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記集合住宅における総予測電力使用量を算出する電力使用量予測部と、
算出された前記総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるデマンドレスポンス実施計画を作成するデマンドレスポンス実施計画部と、
前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに関連付けられた情報通信端末装置にデマンドレスポンス要請通知を送信するデマンドレスポンス要請部と、
作成された前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに対して前記デマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス実行部と、を備え、
前記複数の需要家サイトの各々は、ユーザによってインタラクティブに操作可能なユーザインターフェースを備える情報通信端末装置を含み、
前記情報通信端末装置は、前記デマンドレスポンス要請部により送信される前記デマンドレスポンス要請通知に基づいて、前記デマンドレスポンスの実施による前記電流上限値に基づく前記各需要家サイトにおいて利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンを前記ユーザインターフェースに表示する、
電力需給管理システム。
【請求項12】
低圧一括受電契約に従って電力網から受電する集合住宅における複数の需要家サイトに対してデマンドレスポンスを実施する電力需給管理装置による電力需給管理方法であって、
前記複数の需要家サイトの各々の過去の電力使用量の履歴に関する電力使用情報をデータベースに蓄積することと、
各前記需要家サイトに対するデマンドレスポンスの実行を管理することと、を含み、
前記デマンドレスポンスの実行を管理することは、
前記データベースを参照し、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記集合住宅における総予測電力使用量を算出することと、
算出された前記総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるデマンドレスポンス実施計画を作成することと、
作成された前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに対して前記デマンドレスポンスを実行すること、を含む、
電力需給管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力需給管理装置、電力需給管理装置システム及び電力需給管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般には、マンション等の集合住宅や共同住宅では、電力会社は、各戸の住人と個別に低圧型の契約を結ぶことが多い。一方で、例えば、大規模なマンション等の場合、管理組合やオーナーが1棟分の電気(電力)を高圧型の契約を一括で結び、各戸に低圧に変換して電力を供給する高圧一括受電と呼ばれる契約形態がある。管理組合やオーナーにとっては、高圧一括受電契約は、電気料金の低減を図ることができるというメリットがある。
【0003】
このような高圧一括受電契約では、管理組合やオーナーは、いわゆるキュービクルと呼ばれる高圧受変電設備の設置が要請され、その設置コストが嵩んでしまうという問題がある。かかる事情から、小規模なマンション等では、電力使用量のピークを低く抑えた低圧一括受電契約もまた利用されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1は、一括受電によるメリットを増大させ得る技術を開示している。具体的には、特許文献1には、電力網から一括受電契約で受電する複数の住戸負荷42の消費電力量を取得するプロセッサを備え、プロセッサが、住戸負荷の消費電力量を取得し、住戸負荷の消費電力量が第1電力量以下である場合に住戸負荷を備える住戸の居住者に対して付与するインセンティブの大きさと、住戸負荷の消費電力量が第2電力量を超える場合に住戸負荷を備える住戸の居住者に対して課すペナルティの大きさとのうち少なくとも一方の大きさを算出する電力管理装置が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2は、一括受電によるメリットを増大させうる電力管理システム及び集合住宅を開示している。具体的には、特許文献2には、電力網と、電力網から低圧一括受電契約で受電する複数の住戸負荷との間に接続される取引メータと、取引メータと各住戸負荷との間に接続され、所定の電流容量を超えて各住戸負荷に流れる電流を遮断するブレーカと、取引メータとブレーカとの間に接続され、ブレーカを介して各住戸負荷に電力を供給する分散型電源と、分散型電源とブレーカとに接続され、所定の電流容量を制御する制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-140268号公報
【特許文献2】特開2020-068555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、住戸負荷が第2電力量を超える住戸の居住者に対して単にペナルティの課すものであることから、一括受電する集合住宅全体において電力使用量が一時的であっても契約電力量が超えてしまう事態が発生する恐れがあった。とりわけ、低圧一括受電契約下の集合住宅全体で電力使用量が低圧供給における契約電力量を超えてしまう事態が度々発生すると、電力会社からキュービクルの設置を要請され、低圧一括受電契約による電気料金低減のメリットが薄れてしまうという問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2に開示された技術は、分散型電源からの電力を各住戸負荷にできるだけ供給して自家消費するように、ブレーカに流れる所定の電流量容量を制御するものであって、各住戸における電力使用量の変動に伴って電流量容量を制御するものではなかった。つまり、特許文献2に開示された技術は、各住戸における電力使用量のピークが所定の電流容量を超えることが予測される場合に、各住戸の住人の利便性を損なわずに電流容量を制御することはできなかった。
【0009】
そこで、本発明は、集合住宅における各住戸の住人の利便性を損なうことなく、該集合住宅全体での電力使用量のピークが所定の契約電力量未満になるように住戸の各々に対する個別の電力使用量を制御し得る電力需給管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項又は技術的特徴を含んで構成される。
【0011】
ある観点に従う本発明は、低圧一括受電契約に従って電力網から受電する集合住宅における複数の需要家サイトに対してデマンドレスポンスを実施する電力需給管理装置である。前記電力需給管理装置は、前記複数の需要家サイトの各々の過去の電力使用量の履歴に関する電力使用情報を管理するデータベースと、各前記需要家サイトに対するデマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス管理部と、を備える。前記デマンドレスポンス管理部は、前記データベースを参照し、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記集合住宅における総予測電力使用量を算出する電力使用量予測部と、算出された前記総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるデマンドレスポンス実施計画を作成するデマンドレスポンス実施計画部と、作成された前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに対して前記デマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス実行部と、を備える。
【0012】
前記電力使用量予測部は、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記各需要家サイトの予測電力使用量を算出し、算出された各前記予測電力使用量を集計することにより前記総予測電力使用量を算出し得る。
【0013】
また、前記電力使用量予測部は、前記将来の特定の時間帯に対して過去の一定期間の同じ時間帯での前記電力使用量に基づいて、前記各需要家サイトの前記予測電力使用量を算出し得る。
【0014】
また、前記デマンドレスポンス実行部は、前記デマンドレスポンス実施計画に示される実施開始時刻に基づいて、前記各需要家サイトに設定された電流量上限値を削減要請電力量に従って変更するように、前記各需要家サイトを遠隔的に制御し得る。
【0015】
また、前記デマンドレスポンス実行部は、前記デマンドレスポンス実施計画に示される終了開始時刻に基づいて、前記各需要家サイトの変更された前記電流上限値を元の前記電流上限値に戻し得る。
【0016】
また、前記デマンドレスポンス管理部は、前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに関連付けられた情報通信端末装置にデマンドレスポンス要請通知を送信するデマンドレスポンス要請部を更に備え得る。
【0017】
前記デマンドレスポンス要請部は、前記デマンドレスポンスの実施による前記電流上限値に基づく前記各需要家サイトにおいて利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンが前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示されるように制御し得る。
【0018】
前記デマンドレスポンス要請部は、前記利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンに基づく合計電力量が前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示されるように制御し得る。
【0019】
前記デマンドレスポンス管理部は、前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示された前記利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンの変更に応じて前記合計電力量を再算出し、再算出された前記合計電力量が前記情報通信端末のユーザインターフェース上に表示されるように制御し得る。
【0020】
前記デマンドレスポンス実施計画部は、前記所定の時間帯ごとに、前記総予測電力使用量が前記低圧一括受電契約によって定められた上限電力使用量を超えるか否かを判断する。そして、前記デマンドレスポンス実施計画部は、前記総予測電力使用量が前記上限電力使用量を超えると判断される前記特定の時間帯について、前記デマンドレスポンス実施計画を作成し得る。
【0021】
低圧一括受電契約に従って電力網から受電する集合住宅における複数の需要家サイトに対してデマンドレスポンスを実施する電力需給管理装置を含む電力需給管理システムである。前記電力需給管理装置は、前記複数の需要家サイトの各々の過去の電力使用量の履歴に関する電力使用情報を管理するデータベースと、各前記需要家サイトに対するデマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス管理部と、を備える。前記デマンドレスポンス管理部は、前記データベースを参照し、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記集合住宅における総予測電力使用量を算出する電力使用量予測部と、算出された前記総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるデマンドレスポンス実施計画を作成するデマンドレスポンス実施計画部と、前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに関連付けられた情報通信端末装置にデマンドレスポンス要請通知を送信するデマンドレスポンス要請部と、作成された前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに対して前記デマンドレスポンスを実行するデマンドレスポンス実行部と、を備える。また、前記複数の需要家サイトの各々は、ユーザによってインタラクティブに操作可能なユーザインターフェースを備える情報通信端末装置を含む。前記情報通信端末装置は、前記デマンドレスポンス要請部により送信される前記デマンドレスポンス要請通知に基づいて、前記デマンドレスポンスの実施による前記電流上限値に基づく前記各需要家サイトにおいて利用可能な少なくとも1以上の電気機器の組み合わせパターンを前記ユーザインターフェースに表示する。
【0022】
また、別の観点に従う本発明は、低圧一括受電契約に従って電力網から受電する集合住宅における複数の需要家サイトに対してデマンドレスポンスを実施する電力需給管理装置による電力需給管理方法である。前記方法は、前記複数の需要家サイトの各々の過去の電力使用量の履歴に関する電力使用情報をデータベースに蓄積することと、各前記需要家サイトに対するデマンドレスポンスの実行を管理することと、を含む。前記デマンドレスポンスの実行を管理することは、前記データベースを参照し、前記各需要家サイトの前記電力使用情報に基づいて、将来の所定の時間帯ごとに、前記集合住宅における総予測電力使用量を算出することと、算出された前記総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるデマンドレスポンス実施計画を作成することと、作成された前記デマンドレスポンス実施計画に従って、前記各需要家サイトに対して前記デマンドレスポンスを実行すること、を含む。
【0023】
なお、本開示において、「手段」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されても良い。
【0024】
また、本開示において、「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物を含み、各装置や機能モジュールが物理的に単一の物として構成されるか又は別体の物として構成されるかは問わない。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、集合住宅における各住戸の住人の利便性を損なうことなく、該集合住宅全体での電力使用量のピークを所定の契約電力量未満に抑えることができる。とりわけ、集合住宅に対して低圧一括受電契約が締結される場合、電気料金を低廉に抑えることができるとともに、キュービクルの設置が不要となるため、コストを低く抑えることができる。
【0026】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果又は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置の機能的モデルの一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置におけるデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置における削減要請電力量決定テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置によるDR要請通知の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置により予測された各需要家サイトの電力使用量の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置により算出された集合住宅の総予測電力使用量の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置によるDR実施計画に従ったDRの実行により予想される集合住宅の総予測電力使用量の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける需要家サイトの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける情報通信端末装置の構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける情報通信端末装置のユーザインターフェース上の画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける情報通信端末装置のユーザインターフェース上の画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける情報通信端末装置のユーザインターフェース上の画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける全体処理の流れの一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【
図15A】
図15Aは、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置のDR実行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15B】
図15Bは、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置のDR実行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態に係るシステムにおけるコンピューティングデバイスのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムの一例を示す図である。同図に示すように、電力需給管理システム1は、概略的には、電力需給管理装置10と、複数の住戸からなる集合住宅20とを含み構成され、これらは、通信ネットワークNに通信可能に接続されている。また、発電所(図示せず)において発電された電力(電気)は、変電所S、並びに送電線及び/又は配電線(以下、単に「送電線」という。)ELを介して、所定の電圧まで降圧されて集合住宅20に供給される。本開示では、集合住宅20を構成する各住戸は、需要家サイト21として示される。電力需給管理システム1は、以下で詳述されるように、電力需給管理装置10が集合住宅20における各需要家サイト21に対するデマンドレスポンス(以下「DR」という。)により、集合住宅20全体に対する最大電力使用量の抑制を図る。なお、電力需給管理システム1は、電力系統における電力の需給バランスの予測に従って、削減すべき電力量を示すDRに関する指令を行う給電指令装置を含んでいても良い。
【0030】
電力需給管理装置10は、集合住宅20における各需要家サイト21の分電盤213を遠隔的・統合的に制御して、集合住宅20に対する最大電力使用量(上限電力使用量)の抑制を図る。電力需給管理装置10は、例えばアグリゲーターによって運用・管理されるが、これに限られない。アグリゲーターは、例えば、電力会社、送配電事業者及び/又は小売電気事業者であり得る。
【0031】
電力需給管理装置10は、各需要家サイト21の電力使用に関する各種の情報(以下「電力使用情報」という。)を管理するためのデータベース120を備える。電力使用情報は、例えば、需要家サイト21の過去の電力使用量の履歴を含む。電力需給管理装置10は、物理的に1つの又は論理的に1つのコンピューティングデバイス上に構築されても良いし、或いは、幾つかのコンピューティングデバイス上に分散されて構築されても良い。このようなコンピューティングデバイスのハードウェア構成は、
図16に例示されるが、これに限られず、また、既知であるため、その詳細な説明は省略する。電力需給管理装置10は、例えば、通信ネットワークNを介して、SSL/TSL等のセキュア通信技術を利用することによって、需要家サイト21とのセキュアな通信セッションを構築し得る。
【0032】
例えば、電力需給管理装置10は、定期又は不定期にデータベース120を参照して、各需要家サイト21の過去の所定期間の電力使用量の履歴から将来のある時間帯の電力使用量を予測して、集合住宅20全体での総予測電力使用量を算出する。そして、電力需給管理装置10は、総予測電力使用量のピークが所定の上限電力使用量のピークを上回ると判断する場合、需要家サイト21に対する上限電力使用量(すなわち、上限電流値)の調整及び/又は制御を遠隔的に行う。この意味において、上限電力使用量の調整及び/又は制御は、いわゆる下げDRである。
【0033】
集合住宅20は、複数の住戸からなる建物又は棟である。集合住宅20のオーナー又は大家といった管理者(貸主)は、例えば賃貸契約を締結した住人(借主)に住戸を提供する。本開示では、例えば賃貸契約に際して、アグリゲーターと住人との間でDR実行の受諾に係る契約(以下「DR受諾契約」という。)が付随的に締結されるが、これに限られるものではない。他の例として、集合住宅20は分譲住宅であってもよく、この場合、管理組合と住人との間でDR受諾契約が締結され得る。DR受諾契約により、住人は、原則として、アグリゲーターからのDRの要請に対して受諾しているものとみなされている。各住戸は、送電線ELを介して供給される電力を使用する住人の需要家サイト21の一例である。同図では、6戸の住戸(需要家サイト21)が示されている。
【0034】
また、集合住宅20の管理者は、電力会社との間で低圧電力契約を締結している。低圧電力契約は、典型的には、契約電力が原則として50kW未満の契約であり、電力網から集合住宅20に標準電圧100V又は200V(例えば単相3線式又は三相3線式)で電力が供給される。契約電力は、いわゆる契約アンペアとも称される。一般的には、集合住宅20全体からみた低圧電力契約(これを「低圧一括受電契約」というものとする。)により、電気料金が低廉に抑えられ、また、集合住宅20は電力会社からキュービクルの設置を要請されないため、設備費用が低く抑えられる。
【0035】
需要家サイト21は、例えば、制御装置211、計測部212、分電盤213、及び電力系統から供給される電力を商用使用するために必要な各種の電気機器(いわゆる負荷装置L)等を含み構成される(
図9参照)。電気機器は、例えば、ローカルエリアネットワークを介して制御装置211と接続され得る。本開示では、需要家サイト21は、電流量調整装置2132を更に含み構成される。電流量調整装置2132は、電力需給管理装置10による遠隔制御の下、動作し得る。例えば、電流量調整装置2132は、電力需給管理装置10から受信した最大使用可能電力量の設定指示に従って、需要家サイト21に対する契約アンペアの範囲において使用可能電力量の上限値を動的に変更し得る。
【0036】
本開示では、需要家サイト21は、DRの要請(実施予告)を受ける側のサイトとして説明されるが、VPPにおけるエネルギーリソーサー(すなわち、分散型小規模発電所)として機能するように、発電設備を含み構成されても良い。発電設備は、例えば、太陽光発電設備、風力発電設備、及びガス発電等のコージェネレーション設備等又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0037】
また、需要家サイト21は、需要家サイト21を管理するユーザ(又は電力を使用する消費者たる住人)がインタラクティブに操作可能な情報通信端末装置22を含み構成される。情報通信端末装置22は、例えば、電力需給管理装置10からDRの要請通知を受信し、DRの内容をユーザインターフェース上に表示させる。情報通信端末装置22は、アグリゲーターによって需要家サイト21の一部として認識されるように、例えば、利用登録時の連携設定により、共通の識別コードによって需要家サイト21と関連付けられる。
【0038】
情報通信端末装置22は、典型的には、通信機能を有し、住人がインタラクティブに操作可能なコンピューティングデバイスであり、例えば、デスクトップコンピュータや、ノートコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、フィーチャフォン及びその他のインテリジェントデバイスが挙げられるが、これらに限られない。本開示では、情報通信端末装置22は、タッチ操作が可能なスマートフォンであるものとする。
【0039】
すなわち、情報通信端末装置22は、CPU(プロセッサ)やチップセット及びメモリ、通信モジュール、ユーザインターフェース等のハードウェア資源及びオペレーティングシステム(例えばカーネル、各種のデバイスドライバ、標準ライブラリ等を含み構成され得る。以下「OS」という。)のソフトウェア資源から構成される。情報通信端末装置22は、プロセッサの制御の下、OS上で各種のアプリケーションプログラムを実行し、所望の機能を実現する。本開示において、情報通信端末装置22は、例えば、アプリケーションプログラムの一つとして、情報通信端末装置22をDRの要請に応答するためのユーザインターフェースとして機能させるための命令群ないしはモジュールを含むDRクライアントプログラムを実装し得る。或いは、情報通信端末装置22は、アプリケーションプログラムの一つとしてブラウザプログラムを実装し、該ブラウザプログラムにより実現されるブラウザのアドオンプログラムにより、上記機能が実現されるように構成されても良い。
【0040】
通信ネットワークNは、例えば、移動通信システム規格に準拠した移動通信ネットワークであり得る。通信ネットワークNは、移動通信ネットワークに代えて又はこれに加えて、IPベースのコンピュータネットワークであっても良い。或いは、通信ネットワークNは、送電線ELを用いて、つまり送電線ELに通信データを重畳する通信方式により構築されても良い。通信ネットワークNは、ノードとしての、電力需給管理装置10と需要家サイト21及び/又は情報通信端末装置22との間で通信を可能とするあらゆるプロトコルのネットワークが適用可能である。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置の機能的モデルの一例を説明するための図である。同図では、電力需給管理装置10の各種のコンポーネント(構成要素)のうち、本開示にとりわけ関連するコンポーネントが示され、他のコンポーネントについては、複雑化を回避するため、適宜に省略されている。同図に示す例では、電力需給管理装置10は、通信部110と、データベース120と、DR管理部130とを含み構成されている。これらのコンポーネントは、ハードウェアコンポーネントそのものであり、或いは、電力需給管理装置10のプロセッサが、OS上でDR管理プログラムを実行することにより、各種のハードウェアコンポーネントと協働して実現される。
【0042】
通信部110は、通信ネットワークNを介して、外部の装置、とりわけ、各需要家サイト21と各種の情報をやりとりするための通信インターフェースである。一例として、通信部110は、各需要家サイト21から電力使用量を定期的又は不定期に受信し、これをデータベース120に蓄積するためにDR管理部130に引き渡す。他の例として、通信部110は、DR管理部130の制御の下、各需要家サイト21(情報通信端末装置22)に特定の時間帯におけるDRの要請に関する通知(以下「DR要請通知」という。)を送信し、特定の時間帯にDRの実行に関する指令(以下「DR実行指令」という。)を各需要家サイト21に送信する。
【0043】
データベース120は、上述したように、各需要家サイト21の電力使用に関する各種の情報を管理する。例えば、データベース120は、需要家サイト21ごとの電力使用情報を蓄積し管理する。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置におけるデータベースのデータ構造の一例を示す図である。同図に示すように、例えば、データベース120の各レコードは、需要家サイトID、メールアドレス、契約アンペア、インセンティブ、DR実績、電力使用情報、及び電気機器情報等のフィールドを含み得るが、これに限られない。図示されていないが、各レコードは、需要家サイト21の名義や住所、電話番号、及びパスコードといった需要家サイト21の属性情報や支払情報等に関するフィールドを更に含み得る。
【0045】
同図を参照して、需要家サイトIDは、各需要家サイト21を識別するためのIDである。メールアドレスは、電力需給管理装置10がDR要請通知を送信するための需要家サイト21の住人の電子メールアドレスを示す。電子メールアドレスは、需要家サイト21(すなわち、住人)のユーザIDとして用いられ得る。契約アンペアは、需要家サイト21が電力会社等との電力契約に基づく契約電力量を示す。インセンティブは、DR実績に応じて需要家サイト21に与えられる報酬等を示す。DR実績は、DRの要請に応じた実績の状況を示す。電力使用情報は、各需要家サイト21における過去の所定の時間間隔ごとの電力使用量を示す履歴データである。電力使用量は、例えば需要家サイト21に設置された計測部212から取得され得るが、これに限られず、電力会社や送配電事業者等から提供されても良い。電力使用情報は、例えば30分や1時間ごとの電力使用量の平均値であるが、これに限られない。例えば、電力使用情報は、例えば30分や1時間ごとの電力使用量のピーク値であっても良い。電気機器情報は、需要家サイト21に設置された各電気機器に対して許容される最大消費電力(以下「電気機器最大消費電力」という。)のリストを含む。電気機器最大消費電力は、例えば、需要家サイト21の上限電流値に対して利用可能な電気機器の組み合わせパターンを作成するために用いられる。電気機器に関する情報は、例えば、需要家サイト21の制御装置211を介して各電気機器から需給管理装置10によって収集され、データベース120に登録される。或いは、電気機器に関する情報は、ユーザが情報通信端末装置22を介して入力することにより収集され、データベース120に登録される。
【0046】
図2に戻り、DR管理部130は、所定のDR実行条件に従って、管轄する集合住宅20における特定の需要家サイト21に対するDRの実行を管理する。本開示では、DR管理部130は、例えば、電力使用量予測部131と、DR実施計画部132と、DR要請部133と、DR実行部134とを含み構成される。
【0047】
電力使用量予測部131は、将来の所定の時間帯ごとに、集合住宅20における各需要家サイト21の電力使用量を予測し、それらを集計することにより集合住宅20全体での総予測電力使用量を予測・算出する。例えば、電力使用量予測部131は、データベース120を参照し、各需要家サイト21の過去の一定期間(例えば1週間や1ヶ月等)における同じ時間帯の電力使用量を取得し、それらを集計する。或いは、電力使用量予測部131は、データベース120を参照し、各需要家サイト21の過去一定期間(例えば1ヶ月間や2ヶ月間等)における同じ曜日の同じ時間帯の電力使用量を取得し、それらを集計しても良い。つまり、将来の所定の時間帯で予測される電力使用量は、過去の一定期間における同じ時間帯での電力使用量や、過去の一定期間における同じ曜日の同じ時間帯に基づいて算出される。また、電力使用量予測部131は、気象予報データに基づいて、電力使用量を補正しても良い。
【0048】
DR実施計画部132は、算出された総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるDRの実施を計画する。すなわち、DR実施計画部132は、特定の時間帯について算出された総予測電力使用量と集合住宅20に関連付けられた上限電力使用量とを比較して、総予測電力使用量が上限電力使用量を上回るか否かを判断する。そして、DR実施計画部132は、総予測電力使用量が上限電力使用量を上回ると判断する場合、該時間帯における各需要家サイト21に対するDRの実施の計画を示すDR実施計画を作成する。DR実施計画は、需要家サイト21ごとの削減要請電力量を含む。DR実施計画部132は、例えば、
図4に示されるような削減要請電力量テーブル1321を保持する。DR実施計画部132は、DR実施計画において、同図に示される削減要請電力量テーブル1321に従って需要家サイト21ごとの削減要請電力量を決定する。
【0049】
再び
図2に戻り、DR要請部133は、DR実施計画部132により作成されたDR実施計画に基づいて、需要家サイト21ごとのDR要請通知を作成し、需要家サイト21に送信する。
図5は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置によるDR要請通知の一例を示す図である。DR要請通知は、例えば、DR実施日、開始時間、終了時間、削減要請電力量、及びインセンティブ等を含む。また、DR要請通知は、削減要請電力量に基づく需要家サイト21の上限電流値に対して利用可能な電気機器の組み合わせパターンの例示を含む。利用可能な電気機器の組み合わせパターンは、電気機器最大消費電力に基づいて作成される。
【0050】
DR実行部134は、DR実施計画に従って、需要家サイト21に対してDRを実行する。すなわち、DR実行部134は、需要家サイト21に対して、DR実施計画に示された削減要請電力量に基づくDR電流量上限値の設定又は変更を遠隔的に制御する。例えば、DR実行部134は、DR実施計画の下、DRの開始日時になると、DR電流量上限値を指定した電流量上限値変更コマンドを各需要家サイト21の電流量調整装置2132に送信する。これを受けて、需要家サイト21の電流量調整装置2132は、現在の電流量上限値を電流量上限値変更コマンドで指定されるDR電流量上限値に変更する。
【0051】
図6は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置により予測された各需要家サイトの電力使用量の一例を説明するための図である。すなわち、同図は、電力使用量予測部131により予測されたある日における各需要家サイト21の24時間の予測電力使用量の推移を示している。本例では、各需要家サイト21の契約アンペアは40A(すなわち上限電力使用量は4kW)であるとしている。
【0052】
また、
図7は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置により算出された集合住宅の総予測電力使用量の一例を説明するための図である。すなわち、同図は、
図6に示した各需要家サイト21の予測電力使用量を集計した集合住宅20全体での総予測電力使用量の時間的推移を示している。なお、本例では、集合住宅20全体での契約アンペアは500A(すなわち上限電力使用量は50kW)であるとしている。
【0053】
同図に示すように、集合住宅20では、19時頃~21時30分頃の時間帯において、総予測電力使用量が上限電力使用量(例えば500A)を超過することが予測されている。したがって、DR実施計画部132は、少なくとも該時間帯を含む時間帯(例えば18時半~22時)にDRを実施するためのDR実施計画を作成する。
【0054】
図8は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置によるDR実施計画に従ったDRの実行により予想される集合住宅の総予測電力使用量の一例を説明するための図である。すなわち、同図は、
図7に示した集合住宅20の総予測電力使用量の時間的推移(図中、破線で示されている。)に対して、DRの実行により予想される集合住宅の総予測電力使用量の時間的推移(図中、実線で示されている。)を示している。
【0055】
DR要請を受けた各需要家サイト21の住人は、例えば、DR実施中、特定の電気機器の使用を控えるといった対策をとるため、同図に示すように、集合住宅20における総予測電力使用量は、上限電力使用量を下回ることが予想される。したがって、集合住宅20は、低圧電力契約により定められた上限電力使用量を上回る事態を回避することができる。なお、各住人には、例えば、情報通信端末装置22のユーザインターフェースを介して、DR実施中の利用可能な電気機器の組み合わせパターン及び利用可能な電気機器を同時に使用した場合の合計電力量(合計電流量)が示される。
【0056】
なお、本開示では、集合住宅20を構成する全需要家サイト21に対してDR実施計画を作成、DRを実施する態様が説明されるが、これに限られず、例えば、所定の基準に従って、幾つかの特定の需要家サイト21を抽出し、抽出された特定の需要家サイト21に対してDR実施計画を作成、DRを実施する態様であっても良い。
【0057】
図9は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける需要家サイトの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図では、需要家サイト21の各種のコンポーネント(構成要素)のうち、本開示に係る技術に関連するコンポーネントが示されている。すなわち、同図に示す例では、需要家サイト21は、制御装置211と、計測部212と、分電盤2131とを含み構成されている。本例では、分電盤213は、遮断器2131と、電流量調整装置2132と含み構成されている。また、需要家サイト21は、上述したように、需要家サイト21の住人がインタラクティブに操作するための情報通信端末装置22を含む。
【0058】
制御装置211は、需要家サイト21で使用される電力を統括的に制御する。本開示では、制御装置211は、電流量調整装置2132を制御可能に構成されている。また、制御装置211は、電気機器(負荷装置)を制御し得る。このような制御装置211は、HEMS(Home Energy Management System)と称されることもある。
【0059】
制御装置211と計測部212及び分電盤2132等とは例えばデータ通信回線を介して接続され得る。データ通信回線は、有線であっても良いし、無線であっても良い。計測部212や電流量調整装置2132と接続する無線データ通信回線の一例として、例えばいわゆるBルートであり得るが、これに限られない。
【0060】
また、制御装置211は、通信ネットワークN(例えば4G又は5G移動通信システム)を介して電力需給管理装置10と通信可能に接続される。本開示では、制御装置211は、電力需給管理装置10からの電流量上限値変更コマンドを受信可能に構成される。また、制御装置211は、情報通信端末装置22と関連付けられ、通信可能に接続され得る。制御装置211は、情報通信端末装置22とは例えばWiFi(登録商標)規格により通信可能に接続されるが、これに限られない。
【0061】
制御装置211は、電力需給管理装置10から電流量上限値変更コマンドを受信すると、現在の電流量上限値を電流量上限値変更コマンドが指定するDR電流量上限値に変更するように、電流量調整装置2132を制御する。また、制御装置211は、電流量上限値変更コマンドに従って、DRの終了日時にDR電流量上限値を元の契約アンペアである電流量上限値に戻すように、電流量調整装置を制御する。或いは、DRの終了日時になると、電力需給管理装置10は、変更された電流量上限値を契約アンペアに戻すための電流量上限値変更コマンドを需要家サイト21に送信し、これを受けて、需要家サイト21は、現在の電流量上限値を元の電流量上限値に戻すようにしても良い。
【0062】
計測部212は、電力系統から供給される電力(商用電力)の使用量を計測し得る。計測部212は、計測された電力使用量を、無線データ通信回線を介して、例えば所定の時間間隔で、制御装置211に送信し、これにより、制御装置211は、通信ネットワーク40を介して、電力使用量を電力需給管理装置10に送信する。なお、計測部212は、電力需給管理装置10と直接的に通信する機能を備えても良い。電力使用量をデジタル的に計測し、通信機能を備えたスマートメーターは、計測部212の一態様である。
【0063】
分電盤213は、需要家サイト21内のいくつかの場所に配線を分配するための機器である。本開示では、分電盤213は、例えば、遮断器2131と、電流量調整装置2132とを含み構成される。遮断器2131は、過電流や漏洩電流が流れた場合に電流を遮断する機器である。遮断器2131は、電流量調整装置2132の一部として構成されても良い。また、分電盤213は、制御装置211及び/又は計測部212をその一部に含み構成されても良い。
【0064】
電流量調整装置2132は、需要家サイト21の分電盤213を流れる電流の上限値(電流上限値)を調整する。電流量調整装置2132は、需要家サイト21における負荷装置による電力使用量に基づく電流値が電流上限値を超えると判断する場合、遮断器2131を制御して、電力系統からの電流を遮断する。電流上限値は、通常時は、契約アンペアに等しいが、DR実施時には、DR電流上限値として設定される。
【0065】
例えば、電流量調整装置2132は、制御装置211の制御の下、現在の電流上限値を電流量上限値変更コマンドによって示されたDR電流上限値に変更する。例えば、契約アンペアが50Aである需要家サイト21は、DR電流上限値40AのDR要請に対して許諾した場合、DRの実施に伴い、電流量調整装置2132は、電流上限値を現在の50Aから40Aに変更する。電流量調整装置2132は、負荷装置による現在の電力使用量に基づく電流値が現在の電流上限値40Aを超えると判断する場合、遮断器2131を制御して、電流を遮断する。また、電流量調整装置2132は、DRの終了日時になると、制御装置211の制御の下、現在の電流上限値(DR電流上限値)を元の契約アンペアが示す電流上限値に変更する。
【0066】
図10は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける情報通信端末装置の構成の一例を示すブロックダイアグラムである。情報通信端末装置22は、需要家サイト21の住人がインタラクティブに操作するため端末装置として機能する。同図では、情報通信端末装置22の各種のコンポーネント(構成要素)のうち、本開示にとりわけ関連するコンポーネントが示され、他のコンポーネントについては、複雑化を回避するため、適宜に省略される。同図に示す例では、情報通信端末装置22は、制御部221と、記憶部222と、ユーザインターフェース部223と、通信部224とを含み構成されている。かかるコンポーネントは、ハードウェアコンポーネントそのもの、或いは、例えば、情報通信端末装置のプロセッサが、OS上でDRクライアントプログラムを実行することにより、各種のハードウェア資源と協働して、実現され得る。
【0067】
制御部221は、情報通信端末装置22を統括的に制御するためのコンポーネントであり、典型的には、情報通信端末装置22のプロセッサ並びにOS(例えば各種のデバイスドライバを含む。)及びDRクライアントプログラム等を含み構成される。言い換えれば、情報通信端末装置は、プロセッサがOS上でDRクライアントプログラムを実行することにより、情報通信端末装置22をDRクライアントアプリケーションとして機能させる。
【0068】
記憶部222は、各種のプログラム及びデータセットを記憶するコンポーネントであり、典型的には、情報通信端末装置22のプロセッサの利用に供されるメモリデバイスを含み構成される。一例として、記憶部222は、オペレーティングシステム、DRクライアントプログラム、及び需要家サイトプロファイルを記憶する。DRクライアントプログラムは、電力需給管理装置10が送信するDR要請通知に基づいて、住人にDR実施計画の内容を提示するためのサブプログラムないしはモジュールを含み構成され得る。需要家サイトプロファイルは、需要家サイト21に関するデータないしは情報であり、例えば、需要家サイトIDや需要家サイトの属性情報、DRの実績状況、現在の電流量上限値、及びその他のデータを含み得る。
【0069】
ユーザインターフェース部223は、住人が、情報通信端末装置22をインタラクティブに操作することを可能にするコンポーネントであり、例えば、ディスプレイ及び位置入力機構が一体となったタッチパネルやスピーカーの入出力デバイスを含み構成され得る。一例として、住人によるユーザインターフェース部223に対する所定の操作に応じて、ユーザインターフェース部223は、電力需給管理装置10からDR要請通知に対する許諾の可否を入力するための画面を表示する。他の例として、ユーザインターフェース部223は、需要家サイト21自身の現在の電力使用量を画面に表示し、これにより、住人は、自身の家の現在の電力使用量や使用率(電力量上限値に対する電力使用量)を知ることができる。
【0070】
通信部224は、通信ネットワーク40を介して、電力需給管理装置10や他の外部の装置との間で各種のデータを送受信するコンポーネントであり、典型的には、通信インターフェース回路ないしはチップセットを含み構成される。送信部及び/又は受信部は、通信部224の一態様である。
【0071】
上述のように構成される情報通信端末装置22は、DR要請通知を受信すると、ユーザインターフェース部223上に例えば
図11に示すようなDR要請通知画面1100を表示して、住人にDRの要請(実施予告)が届いている旨を知らせる。これに対して、住人は、ユーザインターフェース部223を操作して、例えば
図12にDR要請確認画面1200を表示させることができる。DR要請確認画面1200には、例えば、DR実施日、開始時間、終了時間、削減電力量(削減要請電力量)、及びインセンティブ等が示される。
【0072】
住人は、DR要請画面1200において、例えば「詳細」ボタン1201を選択する。これにより、情報通信端末装置22は、ユーザインターフェース上に例えば
図13に示すようなDR実施中の利用可能電気機器の一覧画面1300を表示する。同図に示すように、利用可能電気機器の一覧画面1300は、需要家サイト21に設置された電気機器のうち、DR実施中に利用可能な電気機器の組み合わせパターンと、利用可能な電気機器の組み合わせを同時に使用した場合の合計電力量(合計電流量)とを含む。住人は、例えば、利用可能電気機器の一覧画面1300に対して、スワイプ操作により表示内容をスクロールさせたり、チェックボックスをタップして利用可能な電気機器の組み合わせパターンを変更したりすることができる。例えば、情報通信端末装置22は、ユーザによりチェックボックスがチェックされると、電力需給管理装置10と通信することにより、DR管理部130(例えばDR実施計画部132)によって利用可能な電気機器の組み合わせパターンの変更に伴って再算出された合計電力量を取得し、利用可能電気機器の一覧画面1300の表示に反映させる。この場合、チェックボックスにチェックされなかった電気機器は、例えば制御装置211の制御の下、強制的に利用が停止されても良い。また、住人は、「戻る」を選択することにより、前の画面(DR要請画面1200)に戻ることができる。
【0073】
上述したように、賃貸借契約に付随するDR受諾契約により、住人は、アグリゲーターからのDRの要請を基本的に受諾する必要がある。したがって、住人は、
図12に示したようなDR要請許諾可否画面1200に対してDRの要請を確認し受諾する場合、「はい」を選択する。これにより、情報通信端末装置22は、電力需給管理装置10に受諾を示す確認通知を送信する。一方で、住人は、諸事情により、DRの要請を受諾できない場合もあるため、今回のDRの要請に協力できない場合には、「いいえ」を選択することができるようにしても良い。この場合、例えば、住人にはペナルティ(違約金)が課されるようにして、住人との利害のバランスが図られ得る。
【0074】
図14は、本発明の一実施形態に係る電力需給管理システムにおける全体処理の流れの一例を説明するためのシーケンスチャートである。同図では、集合住宅20における代表する1つの需要家サイト21が示されている。
【0075】
同図を参照して、電力需給管理装置10が提供するDRによる電力需給計画への参加を可能にするために、需要家サイト21(住人)は、電力需給管理装置10(アグリゲーター)とDR受諾契約を締結する(S1401)。かかる締結は、書面を介して行われても良いし、例えば、電子的閲覧システムにより行われても良い。例えば、住人は、情報通信端末装置22のユーザインターフェース部223を操作して、DRクライアントプログラムをダウンロードし、これを実行することにより、電力需給管理装置10にアクセスし、契約書面の電子閲覧により、DR受諾契約を締結し得る。これにより、電力需給管理装置10は、需要家サイト21をDR要請対象者として、データベース220に登録する。
【0076】
電力需給管理装置10は、将来の特定の時間帯について、集合住宅20における各需要家サイト21の電力使用量を予測し(S1402)、それらを集計することにより集合住宅20全体での総予測電力使用量を算出する(S1403)。次に、電力需給管理装置10は、算出した総予測電力使用量に基づいて、集合住宅20における需要家サイト21ごとの削減要請電力量を算出し、DR実施計画を作成し、続いて、電力需給管理装置10は、集合住宅20に対するDRの要請のため、各需要家サイト21にDR要請通知を送信する(S1404)。DR要請通知の送信は、登録されたメールアドレスを用いた情報通信端末装置22のメーラーへのプッシュ型送信でも良いし、或いは、DRクライアントアプリケーションに対するプッシュ型送信であっても良い。
【0077】
需要家サイト21(すなわち、情報通信端末装置22)は、DR要請通知を受信すると、DR要請通知詳細画面1100を表示させ、住人は、該要請に対する受諾確認の入力により応答し、これにより、情報通信端末装置22は、DR受諾確認通知を電力需給管理装置10に送信する(S1405)。
【0078】
電力需給管理装置10は、DR実施計画に従い、DRの実施開始時刻になると、DRを実施するために、需要家サイト21に対して電流量上限値変更コマンドを送信する(S1406)。
【0079】
需要家サイト21は、電流量上限値変更コマンドを受信すると、受信した電流量上限値変更コマンドに基づいて、現在の電流量上限値をDR電流量上限値に変更し、DRを実現する(S1407)。また、需要家サイト21は、DRの終了時刻になると、現在の電流量上限値を元の電流量上限値(すなわち、契約アンペア)に戻す。或いは、DRの終了時刻になると、電力需給管理装置10は、変更された電流量上限値を契約アンペアに戻すための電流量上限値変更コマンドを需要家サイト21に送信し、これを受けて、需要家サイト21は、現在の電流量上限値を元の電流量上限値に戻すようにしても良い。
【0080】
図15A及び15Bは、本発明の一実施形態に係る電力需給管理装置のDR実行処理の一例を示すフローチャートである。同図に示す処理は、電力需給管理装置20のプロセッサが、DR管理プログラムを実行することにより、各種のハードウェアコンポーネントと協働して実現される。
【0081】
同
図Aに示すように、電力需給管理装置10は、所定のチェックタイミングになるまで待機している(S1501)。電力需給管理装置10は、所定のチェックタイミングになったと判断すると(S1501のYes)、データベース120を参照して、各需要家サイト21の過去の電力使用量から履歴から将来のある時間帯の電力使用量を予測して(S1502)、更に、それらを集計することにより、集合住宅20での総予測電力使用量を算出する(S1503)。将来の時間帯は、例えば、1日後、2日後、又は1週間後の日の1時間単位の時間帯である。
【0082】
続いて、電力需給管理装置10は、算出された総予測電力使用量が集合住宅20の上限電力使用量を超えているか否かを判断する(S1504)。電力需給管理装置10は、算出された総予測電力使用量が集合住宅20の上限電力使用量を超えていないと判断する場合(S1504のNo)、次のチェックタイミングまで待機する(S1501)。
【0083】
電力需給管理装置10は、算出された総予測電力使用量が集合住宅20の上限電力使用量を超えていると判断する場合(S1504のYes)、算出された総予測電力使用量に基づいて、将来の特定の時間帯におけるDRの実施を示すDR実施計画を作成する(S1505)。続いて、電力需給管理装置10は、作成したDR実施計画を各需要家サイト21に送信する(S1506)。
【0084】
次に、電力需給管理装置10は、作成されたDR実施計画が示すDR開始日時になったか否かを判断する(S1507)。電力需給管理装置10は、DR開始日時になったと判断する場合(S1507のYes)、需要家サイト21に対して電流量上限値変更コマンドを送信して、需要家サイト21に対するDRを実行する(同
図BのS1508)。これにより、需要家サイト21は、現在の電流量上限値を電流量上限値変更コマンドで指定されるDR電流量上限値に変更する。
【0085】
DRの実行後、電力需給管理装置10は、作成されたDR実施計画が示すDR終了日時になったか否かを判断する(S1508)。電力需給管理装置10は、作成されたDR実施計画が示すDR終了日時になったと判断する場合(S1508のYes)、現在の電流上限値(DR電流上限値)を元の契約アンペアが示す電流上限値に変更するために、電流量上限値変更コマンドを需要家サイト21に送信し、需要家サイト21に対するDRの実行を終了させる(S1509)。これにより、需要家サイト21は、現在の電流量上限値を元のDR電流量上限値に変更する。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、集合住宅における各住戸の住人の利便性を損なうことなく、該集合住宅全体での電力使用量のピークを所定の契約電力量未満に抑えることができる。とりわけ、集合住宅に対して低圧一括受電契約が締結される場合、電気料金を低廉に抑えることができるとともに、キュービクルの設置が不要となるため、コストを低く抑えることができる。
【0087】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0088】
例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちのいくつかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしてもよく、また、他のステップ、動作又は機能を追加しても良い。
【0089】
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ(技術的事項)を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1…電力需給管理システム
10…電力需給管理装置
110…通信部
120…データベース
130…DR管理部
131…電力使用量予測部
132…DR実施計画部
133…DR要請部
134…DR実行部
20…集合住宅
21…需要家サイト
211…制御装置
212…計測部
213…分電盤
2131…遮断器
2132…電流量調整装置
22…情報通信端末装置
221…制御部
222…記憶部
223…ユーザインターフェース部
224…通信部
N…通信ネットワーク
S…変電所