(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110806
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240808BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20240808BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240808BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B41J29/38 303
B41J5/30 Z
G03G21/00 388
H04N1/00 567M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015630
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 典之
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ03
2C061HK19
2C061HV01
2C061HV22
2C061HV47
2C187AC06
2C187AC08
2C187AD14
2C187AG01
2C187BF49
2C187BG05
2C187BH05
2C187CC08
2C187HA01
2C187HA14
2C187HA24
2H270LA70
2H270LC06
2H270NC07
2H270NC08
2H270NC14
2H270PA09
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB41
5C062AB53
5C062AC04
5C062AC15
5C062AF10
(57)【要約】
【課題】本開示は、用紙に形成すべき画像に関する画像処理が規定の時間までに終了しなかった場合でも、画像形成不良を防ぐことができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、用紙に形成するための画像を生成する画像処理が、予め定められた時間が経過するまでに終了しない場合、画像形成部へ搬送する用紙を、第1トレイから、前記第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する第2トレイからの搬送に切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
用紙に形成するための画像を生成する画像処理が、予め定められた時間が経過するまでに終了しない場合、画像形成部へ搬送する用紙を、第1トレイから、前記第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する第2トレイからの搬送に切り替える
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記予め定められた時間が経過するまでに前記画像処理が終了した場合、前記第1トレイから用紙を搬送する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予め定められた時間は、前記画像処理が予め定めた時間に対して遅延せずに終了するタイミングから、前記第1トレイから前記用紙を搬送するタイミングより前までの期間で定められる時間である
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記予め定められた時間が経過した後、前記第1トレイから用紙の搬送が開始される前に、前記第2トレイからの用紙搬送に切り替える
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1トレイに収容される用紙と同サイズの用紙を収容する前記第2トレイが存在しない場合、前記第1トレイから用紙を搬送する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記画像処理が終了した後に、前記画像形成部による処理を開始する
請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は、前記第1トレイから前記画像形成部への搬送経路よりも長い
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも前記用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合は、画像処理の終了を待たずに画像形成部による処理を開始させることが可能な第1モードで制御し、
前記他のトレイが存在しない場合は、前記画像処理の終了を待って前記画像形成部による処理を開始させることが可能な第2モードで制御する
情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
更に、前記他のトレイのうち、前記画像処理に遅延が生じた場合に前記画像処理に要する最大の時間より後に前記用紙の搬送を開始し、かつ、画像形成処理に間に合うタイミングに、前記用紙を前記画像形成部へ搬送することができる第2トレイが存在する場合、前記第1モードで制御する
請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は最短であり、
前記第2トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は、前記第1トレイからの搬送経路よりも長い
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
用紙に形成するための画像を生成する画像処理が、予め定められた時間が経過するまでに終了しない場合、画像形成部へ搬送する用紙を、第1トレイから、前記第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する第2トレイからの搬送に切り替えさせる
ことを含む処理を実行させる情報処理プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも前記用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合は、画像処理の終了を待たずに画像形成部による処理を開始させることが可能な第1モードで制御させ、
前記他のトレイが存在しない場合は、前記画像処理の終了を待って前記画像形成部による処理を開始させることが可能な第2モードで制御させる
ことを含む処理を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像データの入力をおこなう画像入力手段と、前記入力手段により入力される画像に対する各種の画像形成条件を設定可能にする操作手段と、前記入力された画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段に対して前記画像形成条件に従って設定を行う画像処理パラメータ設定手段と、前記画像処理手段により画像処理された画像について画像形成する画像形成手段と、前記操作手段によって設定される画像形成条件を保持する、画像形成条件保持手段と、前記画像形成条件がFCOT(FastCopyTime)動作条件となっているかを判定するFCOT判定手段と、前記FCOT判定手段によりFCOT動作条件と判断された場合に、前記画像形成手段または前記画像入力手段への準備起動に先行して、前記画像処理パラメータ設定手段を起動する起動手段、とを具備することを特徴とする画像形成システム、が開示されている。
【0003】
特許文献2には、複数の媒体載置トレイと、媒体に画像形成を行う画像形成部と、いずれかの媒体載置トレイから媒体を繰り出して前記画像形成部に搬送する媒体供給機構と、前記媒体供給機構を制御して、前記画像形成部への媒体の供給元となる媒体載置トレイを切り替える制御処理を行うものであって、所定の媒体サイズに対応する第1の媒体載置トレイから前記画像形成部に媒体供給中に前記第1の媒体載置トレイの媒体が無くなった場合、媒体の供給元を前記所定の媒体サイズに対応する第2の媒体載置トレイに切り替える制御処理を行い、前記所定の媒体サイズに対応する全ての媒体載置トレイから媒体が無くなった後、複数の媒体載置トレイに前記所定の媒体サイズの媒体が補充された場合、前記所定の媒体サイズの媒体が補充された媒体載置トレイのそれぞれから1以上の媒体が前記画像形成部へ供給されるように媒体の供給元を切り替える媒体補充後制御処理を行う制御部とを有すること特徴とする画像形成装置、が開示されている。
【0004】
特許文献3には、圧縮データを蓄積する第1のメモリと、読み込んだ原稿画像データを所定のブロックに分割してブロック単位で圧縮し、第1のメモリに格納する圧縮手段と、画像出力データを蓄積する第2のメモリと、第1のメモリからブロック単位でデータを読出して伸長し、第2のメモリに格納する伸長手段と、第2のメモリから画像データを読出して画像出力を行うプリント手段と、圧縮手段による未圧縮データの圧縮時間と伸長手段による伸長時間とを推定して、全ブロックの伸長が完了する前にプリント手段による画像出力の開始時間を設定する設定手段とを備えることを特徴とする画像形成装置、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-103635
【特許文献2】特開2017-132594
【特許文献3】特開平10-164333
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スキャナーによる原稿読取処理と、画像処理部による用紙に形成すべき画像を生成する画像処理と、生成された画像に基づき用紙に画像を形成する画像形成処理と、を含む印刷処理を行う情報処理装置において、印刷処理は、当該印刷処理に含まれる各処理が一連の流れで動作するよう制御されることで行われる。また、印刷処理に含まれる各処理は、それぞれ予め定められた規定の時間で終了することを見越して、各処理の終了のタイミングを待たずに、各処理を開始するように制御(みなし制御)される。みなし制御によれば、印刷処理に含まれる各処理の一連の動作中に、動作を停止等させないことで、ファーストコピータイムを向上させることができる。なお、ファーストコピータイムとは、印刷処理において、印刷開始の指示がなされてから用紙が排出されるまでの時間を示す。
【0007】
ここで、情報処理装置に備わるCPU、バス、及びメモリ等の使用率等の状態によっては、印刷処理に含まれる画像処理が完了するまでに、規定の時間よりも長い時間を要することがある。言い換えると、画像処理に遅延が生じることがある。画像処理に遅延が生じた場合において、規定の時間に基づいて用紙の供給を開始すると、用紙の画像形成部への到着時には形成すべき画像の生成が完成していない状態等となり、用紙が白紙で排出されたり、用紙に不完全な画像が形成されて排出されたりと画像形成不良が発生する。
【0008】
本開示は、用紙に形成すべき画像を生成する画像処理が予め定められた時間までに終了しなかった場合でも、画像形成不良を防ぐことができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、用紙に形成するための画像を生成する画像処理が、予め定められた時間が経過するまでに終了しない場合、画像形成部へ搬送する用紙を、第1トレイから、前記第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する第2トレイからの搬送に切り替える。
【0010】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた時間が経過するまでに前記画像処理が終了した場合、前記第1トレイから用紙を搬送する。
【0011】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記予め定められた時間は、前記画像処理が予め定めた時間に対して遅延せずに終了するタイミングから、前記第1トレイから前記用紙を搬送するタイミングより前までの期間で定められる時間である。
【0012】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた時間が経過した後、前記第1トレイから用紙の搬送が開始される前に、前記第2トレイからの用紙搬送に切り替える。
【0013】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1トレイに収容される用紙と同サイズの用紙を収容する前記第2トレイが存在しない場合、前記第1トレイから用紙を搬送する。
【0014】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記画像処理が終了した後に、前記画像形成部による処理を開始する。
【0015】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第1態様から第6態様に係る情報処理装置において、前記第2トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は、前記第1トレイから前記画像形成部への搬送経路よりも長い。
【0016】
また、第8態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも前記用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合は、画像処理の終了を待たずに画像形成部による処理を開始させることが可能な第1モードで制御し、前記他のトレイが存在しない場合は、前記画像処理の終了を待って前記画像形成部による処理を開始させることが可能な第2モードで制御する。
【0017】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、更に、前記他のトレイのうち、前記画像処理に遅延が生じた場合に前記画像処理に要する最大の時間より後に前記用紙の搬送を開始し、かつ、画像形成処理に間に合うタイミングに、前記用紙を前記画像形成部へ搬送することができる第2トレイが存在する場合、前記第1モードで制御する。
【0018】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第9態様に係る情報処理装置において、前記第1トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は最短であり、前記第2トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は、前記第1トレイからの搬送経路よりも長い。
【0019】
また、第11態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、用紙に形成するための画像を生成する画像処理が、予め定められた時間が経過するまでに終了しない場合、画像形成部へ搬送する用紙を、第1トレイから、前記第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する第2トレイからの搬送に切り替えさせる。
【0020】
また、第12態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも前記用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合は、画像処理の終了を待たずに画像形成部による処理を開始させることが可能な第1モードで制御させ、前記他のトレイが存在しない場合は、前記画像処理の終了を待って前記画像形成部による処理を開始させることが可能な第2モードで制御させる。
【発明の効果】
【0021】
第1態様及び第11態様によれば、用紙に形成すべき画像を生成する画像処理が予め定められた時間までに終了しなかった場合でも、画像形成不良を防ぐことができる。
【0022】
第2態様によれば、予め定められた時間が経過するまでに前記画像処理が終了した場合に、第2トレイから用紙を搬送する場合と比較して、ファーストコピータイムを向上させることができる。
【0023】
第3態様によれば、画像処理に遅延が生じた場合にも、画像形成不良を防ぐことができる。
【0024】
第4態様によれば、用紙が第1トレイから搬送される前に、第2トレイからの用紙の搬送に切り替えない場合と比較して、画像形成不良を防ぐことができる。
【0025】
第5態様によれば、第1トレイに収容される用紙と同サイズの用紙を収容するトレイが存在しない場合でも、用紙に画像を形成することができる。
【0026】
第6態様によれば、第1トレイに収容される用紙と同サイズの用紙を収容するトレイが存在しない場合において画像処理に遅延が生じた場合でも、画像形成不良を防ぐことができる。
【0027】
第7態様によれば、第2トレイの用紙の搬送経路の距離が、第1トレイの用紙の搬送経路の距離よりも短い場合と比較して、第2トレイからの用紙の搬送の時間を長くすることができる。
【0028】
第8態様及び第12態様によれば、第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合、及び他のトレイが存在しない場合において、用紙に形成すべき画像を生成する画像処理が予め定められた時間までに終了しなかった場合でも、画像形成不良を防ぐことができる。
【0029】
第9態様によれば、画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合に第1モードで制御する場合と比較して、画像形成処理が可能なタイミングで用紙を画像形成部に到達させることができるトレイから用紙を搬送することができる場合に、第1モードで制御することができる。
【0030】
第10態様によれば、第2トレイの用紙の搬送経路の距離が、第1トレイの用紙の搬送経路の距離よりも短い場合と比較して、第2トレイからの用紙の搬送の時間を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】情報処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】見切り発車制御による印刷処理の、情報処理プログラムによる処理の流れを示すフローチャート。
【
図5】見切り発車制御による印刷処理において、画像処理に遅延が生じない際の情報処理装置の各構成部の動きを示す図である。
【
図6】、見切り発車制御による印刷処理において、画像処理に遅延が生じた際の情報処理装置の各構成部の動きを示す図。
【
図7】待ち合わせ制御による印刷処理の、情報処理プログラムによる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】待ち合わせ制御による印刷処理における情報処理装置の各構成部の動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本開示の実施形態の一例を説明する。
【0033】
初めに
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
【0034】
図1は、情報処理装置10の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置10は、例えばユーザから印刷ジョブを受付けることで、印刷物を生成する印刷処理を実行する。印刷処理は、ユーザによりセットされた原稿を読取る原稿読取処理と、読取った原稿から記録媒体へ形成する画像を生成する画像処理と、記録媒体へ画像を形成する、言い換えると、画像を記録媒体へ印字する印字処理を含む画像形成処理等とを含む。情報処理装置10が印刷処理を実行することで、印刷物が生成される。なお、記録媒体の一例は用紙である。
【0035】
図1に示す情報処理装置10は、制御部12、原稿読取部14、画像処理部16、画像形成部18、表示部20、操作部22、記憶部24、給紙部26、排出部28、通信部30等の構成部を含む。
【0036】
制御部12は、当該制御部12に接続される各構成部を制御する。制御部12は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)12A、ROM(Read Only Memory;読み出し専用メモリ)12B、RAM(Random Access Memory;ランダムアクセスメモリ)12C、不揮発性メモリ12D、及び入出力インターフェース(I/O)部12Eを含む。
【0037】
CPU12Aは、中央演算処理ユニットであり、情報処理プログラム24A、及びその他の各種プログラムを例えばROM12B、不揮発性メモリ12D、及び記憶部24の少なくとも1つから読み出す。なお、情報処理プログラム24Aの詳細は後述する(
図3参照)。CPU12Aは、RAM12Cを作業領域として、読み出したプログラムを実行することで情報処理装置10等を制御する。なお、CPU12Aは、プロセッサの一例である。
【0038】
CPU12A、ROM12B、RAM12C、及び不揮発性メモリ12Dは、バスを介してI/O部12Eと相互に通信可能に接続される。
【0039】
原稿読取部14は、例えば原稿読取処理を実行するためのCCD(Charge-Coupled Device;電荷結合素子)イメージセンサ等を備える。原稿読取部14は、例えばイメージスキャナーによって実現される。
【0040】
画像処理部16は、原稿読取部14が読み取った原稿から画像処理を実行する。
【0041】
画像形成部18は、例えば電子写真方式、又はインクジェット記録方式等を用いて、生成された画像を用紙上に印字する印字処理を含む画像形成処理を実行する。なお、印字処理は、画像形成部18に設けられた印字ポイントで行われる。
【0042】
表示部20は、例えばタッチパネルと、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等とを組み合わせて構成される。表示部20には、ユーザーのタッチ操作、及び情報処理装置10の処理等に応じた情報等が表示される。
【0043】
操作部22は、情報処理装置10に備わる操作キー、操作ボタン、及び電源ボタン等である。ユーザーは、表示部20に対するタッチ操作、又は操作部22への操作ボタンの押下等により、情報処理装置10に対してジョブを指定したり、ジョブの開始を指示したりすることができる。
【0044】
記憶部24は、例えばSSD(Solid State Drive)、またはHDD(Hard Disk Drive)により構成される。記憶部24は、例えば情報処理プログラム24A、及び各種プログラムを記憶する。
【0045】
給紙部26は、用紙を収容するトレイを備える。
図1に示す給紙部26には、トレイ26-1、トレイ26-2、及びトレイ26-3が設けられている。各トレイには、同じサイズの用紙が収容されていてもよいし、各トレイ毎に異なるサイズの用紙が収容されていてもよい。また、複数のトレイのうち、少なくとも2つのトレイに同サイズの用紙が収容されていてもよい。
【0046】
また、
図1に示す給紙部26のトレイ26-1、トレイ26-2、及びトレイ26-3の配置について、例えばトレイ26-1は、画像形成部18の印字ポイントまで用紙を搬送する経路を示す搬送経路の距離が3つのトレイのうち最短となるよう配置される。また、トレイ26-1に次いで、搬送経路の距離が短くなるようトレイ26-2が配置され、次に搬送経路の距離が短くなるようトレイ26-3が配置される。
【0047】
排出部28には、例えば印刷処理により生成された印刷物が蓄積される。
【0048】
通信部30は、例えば情報処理装置10の外部に備わるサーバーと情報処理装置10とを通信可能に接続するためのインターフェースである。通信部30には、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LAN(Local Area Network)等の通信規格が用いられる。
【0049】
本実施形態において、CPU12Aは、印刷処理を実行する際、原稿読取部14による原稿読取処理と、画像処理部16による画像処理と、画像形成部18による印字処理を含む画像形成処理とが一連の流れで動作するよう制御する。そして、印刷処理に含まれる各処理が、それぞれ予め定められる規定の時間等で行われることで、CPU12Aは、各処理の終了のタイミングを待たずに、各処理を実行するよう制御(みなし制御)する。
【0050】
本実施形態において各処理に予め定められる規定の時間について、以下説明する。
【0051】
原稿読取部14は、予め定められる規定の時間を示す時間T1で原稿読取処理を実行する。また、画像処理部16は、時間T1で画像処理を実行するとする。
【0052】
ここで、CPU12A及び情報処理装置10における各構成部の状態によっては、予め定められる規定の時間T1よりも、画像処理に時間を要する場合がある。言い換えると、画像処理に遅延が発生する場合がある。そこで、画像処理に遅延が発生した場合においては、更に、予め定められる規定の時間を示す時間T2内で画像処理を実行する。時間T2は、画像処理に遅延が生じた場合の当該画像処理に要する最大の時間である。つまり、遅延が発生した場合でも、時間T2が経過するまでに画像処理は終了する。
【0053】
また、画像形成部18は、予め定められる規定の時間を示す時間T3で、当該画像形成部18の起動等を行う。また、画像形成部18は、予め定められる規定の時間を示す時間T4の間中、印刷処理を実行することができる。なお、時間T3は、印字処理が可能な時間T4が開始されるまでの時間であり、画像形成部18は、時間T4が開始されるまでの当該時間T3で、印字処理の前までに必要な処理を行う。
【0054】
ここで、時間T1は、例えば読取る原稿のサイズによって定められる。時間T2及び時間T3は、例えば画像処理部16、及び画像形成部18等のデバイス毎に定められる。また、時間T1、T2、T3、T4を示す値等の情報は、例えば記憶部24に格納されている。
【0055】
本実施形態におけるみなし制御では、以上の通り、各処理に要する時間が予め定められている。印刷処理において、CPU12Aは予め定められた時間又は各処理の予め定められる規定の時間に基づき、各構成部の動作を、処理の途中で、又は処理が移行する毎に停止等させることなく、一連の処理となるよう制御することができる。なお、予め定められた時間の一例は、以下で説明する時間T5である。また、予め定められる規定の時間の一例は、上述の時間T1、時間T2、時間T3、及び時間T4である。
【0056】
図2は、制御部12の機能構成の一例を示す図である。
【0057】
モード制御部122は、画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できるトレイを示す第1トレイよりも、用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合は、画像処理部16による画像処理の終了を待たずに画像形成部18による処理を開始させることが可能な見切り発車制御により印刷処理を実行するよう制御する。なお、画像を形成すべきサイズの用紙は、読取られた原稿のサイズ、又はユーザより指定されるサイズ等によって定まる。見切り発車制御は、第1モードの一例である。
【0058】
また、モード制御部122は、他のトレイが存在しない場合は、画像処理の終了を待って画像形成部18による処理を開始させることが可能な待ち合わせ制御により印刷処理を実行するよう制御する。なお、待ち合わせ制御は第2モードの一例である。
【0059】
モード制御部122の詳細を説明する。
【0060】
例えば
図1において、トレイ26-1及びトレイ26-2に画像を形成すべきサイズの用紙が収容されているとする。また、トレイ26-3には、トレイ26-1、及びトレイ26-2に収容されたサイズの用紙とは異なるサイズの用紙が収容されているとする。この場合、トレイ26-1及びトレイ26-2のうち、用紙の搬送が開始されてから、画像形成部18の印字ポイントに当該用紙が到達するまでの時間が最も短いトレイ、例えばトレイ26-1が第1トレイとなる。また、トレイ26-2が他のトレイとなる。なお、印字ポイントに用紙が到達するまでの時間は、例えばトレイから印字ポイントまでの用紙の搬送経路の距離に依存する。
図1に示す例においては、トレイ26-1からの搬送経路の方が、トレイ26-2からの搬送経路より距離が短いので、印字ポイントへ用紙が到達するまでに要する時間は、トレイ26-1からの開始が最短となる。
【0061】
また、上記の場合においては、他のトレイが存在するので、見切り発車制御により印刷処理が実行される。
【0062】
また、例えば
図1のトレイ26-1、トレイ26-2、及びトレイ26-3のそれぞれには異なるサイズの用紙が収容されており、トレイ26-1に画像を形成すべきサイズの用紙が収容されているとする。この場合、トレイ26-1が第1トレイとなり、他のトレイは存在しないので、待ち合わせ制御により印刷処理が実行される。
【0063】
図2の見切り発車制御部124は、印刷処理において、各構成部を見切り発車制御する。見切り発車制御による印刷処理の詳細は後述する(
図4-
図6参照)。
【0064】
トレイ切り替え部126は、見切り発車制御部124による見切り発車制御において機能する。トレイ切り替え部126は、画像処理が予め定められた時間T5が経過するまでに終了しない場合、用紙の画像形成部18への搬送を、第1トレイから、第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要するトレイを示す第2トレイからの搬送に切り替える。
【0065】
他のトレイが存在する場合、第2トレイは他のトレイの中から決定される。
【0066】
なお、時間T5は、第1トレイから画像形成部18の印字ポイントに用紙を搬送する時間を示す時間T6が開始するタイミングより前の予め定められた時間である。時間T5は、例えば情報処理装置10毎に、時間T1が終了するタイミングから、時間T6が開始されるタイミングより前のタイミングまで、で定められる。時間T5を示す値等の情報は、例えば予め記憶部24に格納されている。
【0067】
なお、上述の通り、一例としてトレイから印字ポイントまでの用紙の搬送に要する時間は、例えばトレイから印字ポイントまでの用紙の搬送経路の距離で定まる。給紙部26が複数のトレイを備える場合において、第1トレイは、印字ポイントまでの搬送経路の距離が最短のトレイであり、第2トレイは、印字ポイントまでの搬送経路の距離が第1トレイよりも長いトレイである。
【0068】
図2の待ち合わせ制御部128は、印刷処理において各構成部を待ち合わせ制御する。
【0069】
次に
図3-
図8を参照して、印刷処理における情報処理装置10の動作を説明する。
【0070】
図3は、情報処理プログラム24Aの処理の流れを示すフローチャートである。情報処理プログラム24Aは、CPU12Aによって実行される。情報処理プログラム24Aは、例えばユーザにより印刷ジョブが指定されると実行される。
【0071】
ステップS100において、CPU12Aは、ユーザーから、印刷ジョブを開始する指定を受け付ける。
【0072】
ステップS102において、CPU12Aは、例えばユーザより情報処理装置10にセットされた原稿から原稿のサイズを取得することで、印刷処理に用いる用紙のサイズを決定する。なお、用紙のサイズはユーザより指定されることで決定されてもよい。
【0073】
ステップS104において、CPU12Aは、ステップS102で決定されたサイズの用紙を収容するトレイ、言い換えると、画像を形成すべきサイズの用紙を収容するトレイのうち、用紙を搬送するトレイとして第1トレイを決定する。具体的には、例えば
図1に示すトレイ26-1、トレイ26-2、及びトレイ26-3のいずれもが、画像を形成すべきサイズの用紙を収容する場合、トレイ26-1が第1トレイとして決定される。
【0074】
ステップS106において、CPU12Aは、情報処理装置10に設けられたトレイにおいて、決定された第1トレイ以外で、当該第1トレイに収容された用紙と同じサイズの用紙を収容するトレイがあるか否かを判定する。言い換えると、CPU12Aは、他のトレイがあるか否かを判定する。他のトレイがある場合、CPU12Aは、ステップS108の処理を実行する。他のトレイがない場合、CPU12Aは、ステップS118の処理を実行する。
【0075】
ステップS108において、CPU12Aは、例えば記憶部24から時間T5を取得する。
【0076】
ステップS110において、CPU12Aは、例えば記憶部24から、時間T2を取得する。
【0077】
ステップS112において、CPU12Aは、他のトレイの中から、時間T2が経過した後に用紙の搬送を開始し、かつ、時間T4が終了するまでに、当該用紙を画像形成部18の印字ポイントへ搬送することができるトレイが存在するか否かを判定する。
【0078】
他のトレイの中に、ステップS112の判定におけるトレイが存在する場合、CPU12AはステップS114の処理を実行する。他のトレイの中に、ステップS112の判定におけるトレイが存在しない場合、CPU12AはステップS118の処理を実行する。
【0079】
例えば、他のトレイのうち、いずれのトレイも用紙を時間T4内に到達させることができない場合、ステップS112の判定は否定される。
【0080】
ステップS114において、CPU12Aは、ステップS112の判定におけるトレイを、第2トレイとして決定する。ステップS112の判定におけるトレイが複数ある場合、CPU12Aは、いずれか1のトレイを第2トレイとして決定する。具体的に、例えば
図1に示すトレイ26-1、トレイ26-2、及びトレイ26-3のいずれもが、画像を形成すべきサイズの用紙を収容する場合であって、トレイ26-1が第1トレイとして決定された場合を考える。この場合、例えばトレイ26-2がステップS112における判定を満たす場合、トレイ26-2を第2トレイとして決定する。
【0081】
ステップS116において、CPU12Aは、見切り発車制御による印刷処理を実行する。見切り発車制御による印刷処理の詳細は後述する(
図4-
図6)。
【0082】
ステップS118において、CPU12Aは、待ち合わせ制御による印刷処理を実行する。待ち合わせ制御による印刷処理の詳細は後述する(
図7-
図8)。
【0083】
ステップS120において、CPU12Aは、見切り発車制御、又は待ち合わせ制御による印刷処理によって生成された印刷物を排出する。
【0084】
次に、
図4-
図6を参照して、見切り発車制御による印刷処理の詳細を説明する。
【0085】
図4は、上記
図3のステップS116において実行される見切り発車制御による印刷処理の、情報処理プログラム24Aによる処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
ステップS200において、CPU12Aは、原稿読取部14による原稿読取処理、及び画像処理部16による画像処理を開始する。
【0087】
ステップS202において、CPU12Aは、画像形成部開始通知50を画像形成部18へ出力する。画像形成部開始通知50により画像形成部18は起動する。なお、ステップS200及びステップS202は同時に実行されてよい。
【0088】
ステップS204において、CPU12Aは、原稿読取処理が終了したか否かを判定する。セットされた原稿の読取が終了した場合、CPU12Aは、ステップS206の処理を実行する。セットされた原稿の読取が終了していない場合は、原稿の読取が終了するまで、ステップS204の処理を繰り返す。
【0089】
ステップS206において、CPU12Aは、時間T1が経過してから、時間T5が経過するまでに、画像処理終了通知60を受け付けた否かを判定する。
【0090】
時間T1が経過してから時間T5が経過するまでに画像処理終了通知60を受付けた場合、CPU12Aは、ステップS208の処理を実行する。時間T1が経過してから時間T5が経過するまでに画像処理終了通知60を受付けない場合、CPU12Aは、ステップS210の処理を実行する。
【0091】
ステップS208において、CPU12Aは、第1トレイから用紙を搬送する。
【0092】
ステップS210において、CPU12Aは、用紙を搬送するトレイを、第1トレイから、上記
図3のステップS114で決定された第2トレイに変更する。
【0093】
ステップS212において、CPU12Aは、第2トレイから用紙を搬送する。
【0094】
ステップS214において、CPU12Aは、印字ポイントに到達した用紙に対し画像形成処理、詳細には、印字処理を行う。ステップS214の処理が終了すると、CPU12Aは、ステップS120の処理を実行する。
【0095】
図5及び
図6は、見切り発車制御による印刷処理をより詳細に説明する図である。
【0096】
図5は、見切り発車制御による印刷処理において、画像処理に遅延が生じない際の情報処理装置10の各構成部の動きを示している。
【0097】
原稿読取部14及び画像処理部16は、例えばステップS116における見切り発車制御による印刷処理が開始する時刻t0で起動する。ステップS200に示す通り原稿読取部14及び画像処理部16のそれぞれが処理を開始し、ステップS202に示す通り画像形成部開始通知50より、画像形成部18が起動する。画像形成部18は、時間T4が開始するまで、印刷処理以外の画像形成処理を実行する。
【0098】
また、上述の通り、原稿読取部14及び画像処理部16は、時間T1で原稿読取処理及び画像処理を実行する。
【0099】
図5に示す例において、画像処理終了通知60は、時間T1が経過後、時間T5が経過する前のタイミングである時刻t2に通知されている。この場合、画像処理に遅延は生じておらず、上記
図4のステップS206の判定は肯定され、CPU12Aは、時間T6で、第1トレイから画像形成部18の印字ポイントへ用紙を搬送する。
【0100】
図5に示す例によれば、例えば時間T3が経過後、時間T4が開始するタイミングを示す時刻t5で、画像形成部18は、到達した用紙に対して印字処理を実行することができる。
【0101】
図6は、見切り発車制御による印刷処理において、画像処理に遅延が生じた際の情報処理装置10の各構成部の動きを示している。
【0102】
図5に示す例と同様に、原稿読取部14及び画像処理部16は、例えばステップS116における見切り発車制御による印刷処理が開始すると起動する。ステップS200に示す通り原稿読取部14及び画像処理部16のそれぞれが処理を開始し、ステップS202に示す通り画像形成部開始通知50より、画像形成部18が起動する。画像形成部18は、時間T4が開始するまで、印刷処理以外の画像形成処理を実行する。また、上述の通り、原稿読取部14及び画像処理部16は、時間T1で原稿読取処理及び画像処理を実行する。
【0103】
ここで、
図6に示す例においては、画像処理に遅延が生じ、画像処理終了通知60が、時間T1が経過後、時間T5が経過する前のタイミングまでに通知されない。
図6に示す例において画像処理終了通知60は、時間T5が経過した後、時間T6が開始されるタイミングを示す時刻t3で通知されたとする。
【0104】
この場合、
図6に示す例においては、上記
図4のステップS206の判定は否定される。また、
図6に示す例において、CPU12Aは、時間T5が経過後、時刻t3の前までに、用紙を搬送するトレイを第1トレイから第2トレイに切り替え、時間T7で、第2トレイから画像形成部18の印字ポイントへ用紙を搬送する。
【0105】
図6に示す例によれば、画像処理に遅延が生じた場合でも、情報処理装置10は時間T4が経過するまでに印字ポイントに用紙を到達させることができ、画像形成部18は、印刷不良を発生させることなく、到達した用紙に印字処理を実行することができる。
【0106】
次に、
図7及び
図8を参照して、待ち合わせ制御による印刷処理の詳細を説明する。
【0107】
図7は、上記
図3のステップS118において実行される待ち合わせ制御による印刷処理の、情報処理プログラム24Aによる処理の流れを示すフローチャートである。
【0108】
なお、ステップS300、及びステップS302の処理は、それぞれ上記ステップS200、及びステップS204の処理と同様であるため説明を省略する。
【0109】
ステップS304において、CPU12Aは、画像処理終了通知60を画像処理部16より受け付けたか否かを判定する。画像処理終了通知60を受け付けた場合、CPU12Aは、ステップS306の処理を実行する。画像処理終了通知60を受け付けない場合、CPU12Aは、当該画像処理終了通知60を受け付けるまでステップS304の処理を実行する。
【0110】
ステップS306において、CPU12Aは、画像形成部開始通知50’を画像形成部18へ出力する。画像形成部開始通知50’により画像形成部18は起動する。
【0111】
ステップS308において、CPU12Aは、第1トレイから用紙を搬送する。
【0112】
ステップS310において、CPU12Aは、到達した用紙に対し印字処理を行う。
【0113】
ステップS310の処理が終了すると、CPU12Aは、ステップS120の処理を実行する。
【0114】
図8は、待ち合わせ制御による印刷処理における情報処理装置10の各構成部の動きを示している。
【0115】
原稿読取部14及び画像処理部16は、例えば印刷ジョブが開始すると起動する。ステップS300の通り原稿読取部14及び画像処理部16のそれぞれが処理を開始する。
【0116】
また、上述の通り、原稿読取部14及び画像処理部16は、時間T1で原稿読取処理及び画像処理を実行する。
【0117】
図8に示す例において、CPU12Aは、画像処理終了通知60が出力された後に、画像形成部開始通知50’を出力する。
図8に示す例によれば、時間T2内の時刻t6で画像処理終了通知60が画像処理部16より出力されている。従って、上記
図7のステップS306において、CPU12Aは、時刻t6以後、画像形成部18へ画像形成部開始通知50’を出力する。なお、画像形成部開始通知50’には、用紙を搬送するトレイとして第1トレイを指定する指示が含まれる。画像形成部開始通知50’を受け付けると、画像形成部18は起動する。
【0118】
画像形成部18が起動した後、CPU12Aは、時間T6で第1トレイから用紙を搬送し、時間T4において、印字ポイントに到達した用紙に対し印字処理を実行する。
【0119】
図8に示す例によれば、画像処理に遅延が生じた場合でも、画像処理に遅延が生じない場合でも、画像処理終了通知60が出力された後に画像形成部18を起動することで、情報処理装置10は印刷不良を発生させることなく、到達した用紙に印字処理を実行することができる。
【0120】
以上、実施の形態を説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0121】
また、上記実施の形態は、請求項に係る開示を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0122】
また、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated
【0123】
Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0124】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0125】
本実施形態では、情報処理プログラム24Aが記憶部24にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る情報処理プログラム24Aを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本実施形態に係る情報処理プログラム24Aを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る情報処理プログラム24Aを、通信部30を介して外部の装置から取得するようにしてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、情報処理装置10における処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0127】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置10の構成は一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0128】
また、上記実施の形態で説明した情報処理プログラム24Aの処理の流れ(
図3、
図4、及び
図7参照)も一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0129】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0130】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
用紙に形成するための画像を生成する画像処理が、予め定められた時間が経過するまでに終了しない場合、画像形成部へ搬送する用紙を、第1トレイから、前記第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する第2トレイからの搬送に切り替える
情報処理装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記予め定められた時間が経過するまでに前記画像処理が終了した場合、前記第1トレイから用紙を搬送する
(((1)))記載の情報処理装置。
(((3)))
前記予め定められた時間は、前記画像処理が予め定めた時間に対して遅延せずに終了するタイミングから、前記第1トレイから前記用紙を搬送するタイミングより前までの期間で定められる時間である
(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記予め定められた時間が経過した後、前記第1トレイから用紙の搬送が開始される前に、前記第2トレイからの用紙搬送に切り替える
(((1)))から(((3)))の何れか1項に記載の情報処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記第1トレイに収容される用紙と同サイズの用紙を収容する前記第2トレイが存在しない場合、前記第1トレイから用紙を搬送する
(((1)))から(((4)))の何れか1項に記載の情報処理装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記画像処理が終了した後に、前記画像形成部による処理を開始する
(((5)))に記載の情報処理装置。
(((7)))
前記第2トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は、前記第1トレイから前記画像形成部への搬送経路よりも長い
(((1)))から(((6)))のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(((8)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも前記用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合は、画像処理の終了を待たずに画像形成部による処理を開始させることが可能な第1モードで制御し、
前記他のトレイが存在しない場合は、前記画像処理の終了を待って前記画像形成部による処理を開始させることが可能な第2モードで制御する
情報処理装置。
(((9)))
前記プロセッサは、
更に、前記他のトレイのうち、前記画像処理に遅延が生じた場合に前記画像処理に要する最大の時間より後に前記用紙の搬送を開始し、かつ、画像形成処理に間に合うタイミングに、前記用紙を前記画像形成部へ搬送することができる第2トレイが存在する場合、前記第1モードで制御する
(((8)))記載の情報処理装置。
(((10)))
前記第1トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は最短であり、
前記第2トレイから前記画像形成部への用紙の搬送経路は、前記第1トレイからの搬送経路よりも長い
(((9)))に記載の情報処理装置。
(((11)))
コンピュータに、
用紙に形成するための画像を生成する画像処理が、予め定められた時間が経過するまでに終了しない場合、画像形成部へ搬送する用紙を、第1トレイから、前記第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する第2トレイからの搬送に切り替えさせる
ことを含む処理を実行させる情報処理プログラム。
(((12)))
コンピュータに、
画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも前記用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合は、画像処理の終了を待たずに画像形成部による処理を開始させることが可能な第1モードで制御させ、
前記他のトレイが存在しない場合は、前記画像処理の終了を待って前記画像形成部による処理を開始させることが可能な第2モードで制御させる
ことを含む処理を実行させる情報処理プログラム。
【0131】
(((1)))及び(((11)))によれば、用紙に形成すべき画像を生成する画像処理が予め定められた時間までに終了しなかった場合でも、画像形成不良を防ぐことができる。
(((2)))によれば、予め定められた時間が経過するまでに前記画像処理が終了した際に用紙が搬送されるトレイが切り替わる場合と比較して、印字処理の時間が開始するタイミングで用紙を画像形成部へ到達させることができる。
(((3)))によれば、画像処理に遅延が生じた場合、第1トレイから用紙が搬送される前に、用紙を搬送するトレイを第2トレイに切り替えることができる。
(((4)))によれば、用紙が第1トレイから搬送される前に、第2トレイからの用紙の搬送に切り替えない場合と比較して、画像形成不良を防ぐことができる。
(((5)))によれば、第1トレイに収容される用紙と同サイズの用紙を収容するトレイが存在しない場合でも、用紙に画像を形成することができる。
(((6)))によれば、第1トレイに収容される用紙と同サイズの用紙を収容するトレイが存在しない際に画像処理に遅延が生じた場合でも、画像形成不良を防ぐことができる。
(((7)))によれば、第2トレイの用紙の搬送経路の距離が、第1トレイの用紙の搬送経路の距離よりも短い場合と比較して、第2トレイからの用紙の搬送の時間を長くすることができる。
(((8)))及び(((12)))によれば、第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合、及び他のトレイが存在しない場合において、用紙に形成すべき画像を生成する画像処理が予め定められた時間までに終了しなかった場合でも、画像形成不良を防ぐことができる。
(((9)))によれば、画像を形成すべきサイズの用紙が収容されたトレイのうち、最短の時間で用紙を搬送できる第1トレイよりも用紙の搬送に時間を要する他のトレイが存在する場合のみ、第1モードで制御する場合と比較して、画像形成処理が可能なタイミングで用紙を画像形成部に到達させることができるトレイから用紙を搬送することができる場合に、第1モードで制御することができる。
(((10)))によれば、第2トレイの用紙の搬送経路の距離が、第1トレイの用紙の搬送経路の距離よりも短い場合と比較して、第2トレイからの用紙の搬送の時間を長くすることができる。
【符号の説明】
【0132】
10…情報処理装置、12…制御部、12A…CPU、14…原稿読取部、16…画像処理部、18…画像形成部、24…記憶部、24A…情報処理プログラム、26…給紙部、50…画像形成部開始通知、60…画像処理終了通知。