(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011081
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20240118BHJP
B60K 20/06 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B60K20/02 A
B60K20/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112779
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕作
(72)【発明者】
【氏名】水野 弘規
(72)【発明者】
【氏名】山村 敬博
【テーマコード(参考)】
3D040
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA10
3D040AA25
3D040AA33
3D040AB01
3D040AC02
3D040AC36
3D040AD04
3D040AD05
3D040AD15
(57)【要約】
【課題】操作部の配置自由度を大きくする。
【解決手段】シフト装置10では、Pプッシャ24が操作されることで、Pスライダ30がスライドされて、変速機のシフトレンジが変更される。ここで、Pプッシャ24のスライド方向がPスライダ30のスライド方向に対し交差されている。このため、Pプッシャ24のスライド方向をPスライダ30のスライド方向に対し平行にする必要がなく、Pプッシャ24の配置自由度を大きくできる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作されて移動される操作部と、
前記操作部が移動されることで移動されて変速機のシフトレンジが変更されると共に、移動方向に対し前記操作部の移動方向が交差される移動部と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記操作部が前記移動部と別体にされる請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記操作部が回転可能にされる請求項1記載のシフト装置。
【請求項4】
前記操作部に設けられる接続部と、
前記移動部に設けられ、前記接続部が接続される被接続部と、
を備え、前記接続部及び前記被接続部の一方の周面が球面状にされると共に、前記接続部及び前記被接続部の他方に前記接続部及び前記被接続部の一方が収容される請求項1記載のシフト装置。
【請求項5】
前記操作部を付勢し、付勢力に抗して前記操作部が移動される付勢体を備える請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部が操作されて移動部が移動されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のロータリシフタでは、Sボタンが、操作されて、移動されることで、Sギヤ位置ライトパイプが移動される。これにより、変速機のギヤ位置がSギヤ位置に変更されると解される。
【0003】
ここで、このロータリシフタでは、Sボタンの移動方向がSギヤ位置ライトパイプの移動方向に対し平行にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0049002号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、操作部の配置自由度を大きくできるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、操作されて移動される操作部と、前記操作部が移動されることで移動されて変速機のシフトレンジが変更されると共に、移動方向に対し前記操作部の移動方向が交差される移動部と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記操作部が前記移動部と別体にされる。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記操作部が回転可能にされる。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記操作部に設けられる接続部と、前記移動部に設けられ、前記接続部が接続される被接続部と、を備え、前記接続部及び前記被接続部の一方の周面が球面状にされると共に、前記接続部及び前記被接続部の他方に前記接続部及び前記被接続部の一方が収容される。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記操作部を付勢し、付勢力に抗して前記操作部が移動される付勢体を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1態様のシフト装置では、操作部が、操作されて、移動されることで、移動部が移動されて、変速機のシフトレンジが変更される。
【0012】
ここで、操作部の移動方向が移動部の移動方向に対し交差される。このため、操作部の移動方向を移動部の移動方向に対し平行にする必要がなく、操作部の配置自由度を大きくできる。
【0013】
本発明の第2態様のシフト装置では、操作部が移動部と別体にされる。このため、操作部の移動方向の移動部の移動方向に対する角度を変更できる。
【0014】
本発明の第3態様のシフト装置では、操作部が回転可能にされる。このため、操作部を回転させることができる。
【0015】
本発明の第4態様のシフト装置では、操作部の接続部が移動部の被接続部に接続される。さらに、接続部及び被接続部の一方の周面が球面状にされると共に、接続部及び被接続部の他方に接続部及び被接続部の一方が収容される。このため、操作部が回転される場合でも、接続部と被接続部とが干渉することを抑制できる。
【0016】
本発明の第5態様のシフト装置では、付勢体が操作部を付勢しており、操作部が付勢体の付勢力に抗して移動される。このため、操作部が付勢体の付勢力により移動できて、移動部が付勢体の付勢力により移動でき、移動部を操作部とは別に付勢する必要性を低くできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置を示す左斜め前方から見た斜視図であり、(A)は、全体を示し、(B)は、前プレートを外した状態を示している。
【
図2】本発明の実施形態に係るシフト装置のベースカバー及びノブカバーを外した状態を示す左斜め前方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るシフト装置におけるプレート内を示す前方から見た前面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るシフト装置の主要部を示す下方から見た側面図である。
【
図5】(A)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるPプッシャとPスライダとの接続状況を示す前側から見た斜視図であり、(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置における回転シャフトの左端部及びPスライダの左端部を示す左斜め前方から見た斜視図である。
【
図6】(A)は、本発明の実施形態に係るシフト装置における回転シャフト、Pスライダ及び操作検出機構を示す左斜め前方から見た斜視図であり、(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置におけるPスライダ及び操作検出機構を示す左斜め前方から見た斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るシフト装置における回転シャフト、回転検出機構及び操作検出機構を示す後側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1(A)には、本発明の実施形態に係るシフト装置10の全体が左斜め前方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の左方を矢印LHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0019】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)の車体側としてのステアリングコラム(図示省略)に取付けられており、シフト装置10の前方、左方及び上方は、それぞれ車両の後側、左側及び上側に向けられている。
【0020】
図1(A)に示す如く、シフト装置10には、設置体としての樹脂製で略直方体形箱状のプレート12が設けられており、プレート12がステアリングコラムに取付けられて、シフト装置10が車両に設置されている。プレート12の前側部分には、略直方体形箱状の前プレート12Aが設けられており、前プレート12A内は、後側に開放されている。プレート12の後側部分には、略直方体形箱状の後プレート12Bが設けられており、後プレート12B内は、前側に開放されている。プレート12は、前プレート12Aと後プレート12Bとが前後方向において組付けられて、構成されている。
【0021】
後プレート12Bの左面には、略矩形板状の固定板12C(
図2、
図3、
図5の(A)及び(B)参照)が一体に設けられており、固定板12Cは、左方に延出されると共に、前後方向に垂直に配置されている。固定板12Cの上下方向中央部は、後側への凹部56にされており、凹部56内は、左側及び前側に開放されると共に、後端部より前側部分が前方へ向かうに従い上下方向に拡大されている。凹部56内の上面及び下面の後端部は、それぞれ平面状の上平面56A及び下平面56Bにされており、上平面56A及び下平面56Bは、上下方向に垂直に配置されている。
【0022】
後プレート12Bの左側には、支持体としてのブロック状のベース14(継手部材、
図2参照)が設けられており、ベース14は、右側部分において、後プレート12Bの固定板12Cの前側に固定されている。ベース14の右側部分は、前面視U字状にされており、ベース14の右側部分内は、右側、前側及び後側に開放されると共に、固定板12Cの凹部56内に連通されている。ベース14の左側部分は、略円筒状にされており、ベース14の左側部分は、内部がベース14の右側部分内に連通されると共に、軸方向が左方へ向かうに従い前方へ向かう方向に傾斜されている。ベース14は、略四角錐台形筒状のベースカバー16によって被覆されており、ベースカバー16は、後プレート12Bの左側に固定されている。
【0023】
ベース14の左側部分内には、シフト体としての柱状のノブ18が支持されており、ノブ18には、シフト本体としての柱状のノブ本体20(
図2及び
図4参照)が設けられている。ノブ本体20の左側部分は、略楕円柱状にされると共に、ノブ本体20の右側部分は、略円柱状にされており、ノブ本体20の左側部分と右側部分とは、同軸上に配置されている。ノブ本体20の右側部分は、ベース14の左側部分内に同軸上に嵌合されており、これにより、ノブ18が所定範囲で回転可能に支持されて、ノブ18の回転軸方向が左方へ向かうに従い前方へ向かう方向に傾斜されている。ノブ本体20の左側部分は、略楕円筒状のノブカバー22によって被覆されており、ノブカバー22は、ノブ本体20の左側部分に固定されている。
【0024】
ノブ18は、車両の乗員(特に運転者)によって、ノブカバー22を把持されて回転可能にされている。ノブ18は、シフト位置としてのH位置(ホーム位置)に配置されており、ノブ18がH位置から一方向A(
図1(A)等参照)に回転されて、ノブ18がシフト位置としてのR位置(リバース位置)に配置されると共に、ノブ18がH位置から他方向B(
図1(A)等参照)に回転されて、ノブ18がシフト位置としてのD位置(ドライブ位置)に配置される。ノブ18は、H位置側に付勢されており、ノブ18がH位置以外の位置に回転された際に、ノブ18への回転力の作用が解除された場合には、ノブ18が付勢力によりH位置に回転(復帰)される。
【0025】
ノブ本体20の右端部の前側には、略矩形柱状の回転接続片20Aが一体に設けられており、回転接続片20Aは、ノブ本体20の軸方向と平行に配置されている。回転接続片20Aは、ノブ本体20から右側に延出されて、ベース14の右側部分内に挿入されており、回転接続片20Aの先端部(右端部)には、球状の回転接続部20Bが形成されている。また、ノブ本体20には、円柱状の支持孔20Cが同軸上に貫通形成されている。
【0026】
ノブ本体20の支持孔20Cには、操作部としての略柱状のPプッシャ24(
図2及び
図4参照)が支持されている。Pプッシャ24の左端部及び右端部以外の部分は、円柱状にされて、支持孔20Cに同軸上に嵌合されており、Pプッシャ24の軸方向は、左方へ向かうに従い前方へ向かう方向に傾斜されている。Pプッシャ24は、ノブ本体20に対し軸方向に特定範囲でスライド(移動)可能にされており、Pプッシャ24は、左側端の位置に配置されている。
【0027】
Pプッシャ24の左端部には、略楕円板状の操作板24Aが同軸上に一体に設けられており、操作板24Aは、ノブ18のノブカバー22内にスライド可能に嵌合されている。操作板24Aは、ノブカバー22から左側に露出されており、Pプッシャ24は、操作板24Aにおいて乗員によって右側に操作(押圧)されて、右側にスライド可能にされている。また、ノブ18が回転された際には、Pプッシャ24がノブ18と一体に回転される。
【0028】
ノブ本体20の左端面の上部及び下部には、付勢体50が設けられており、付勢体50は、ゴム製にされて、弾性を有している。付勢体50の基端部(右端部)は、略矩形板状にされており、付勢体50の基端部は、ノブ本体20の左端面に固定されると共に、Pプッシャ24の軸方向に垂直に配置されている。付勢体50の中間部(左右方向中間部)は、円錐台状にされており、付勢体50の中間部は、軸方向がPプッシャ24の軸方向に平行にされると共に、左側へ向かうに従い縮径されている。付勢体50の先端部(左端部)は、円筒状にされており、付勢体50の先端部は、付勢体50の中間部と同軸上に配置されている。付勢体50の先端部は、Pプッシャ24の操作板24Aに当接されており、Pプッシャ24は、付勢体50(特に先端部及び中間部)の付勢力によって左側に付勢されて、左側へのスライドが係止されている。
【0029】
Pプッシャ24の右端部には、略円柱状の操作接続片24B(
図5(A)参照)が同軸上に設けられており、操作接続片24Bは、ベース14の右側部分内に挿入されている。操作接続片24Bの先端部(右端部)には、接続部としての球状の操作接続部24Cが形成されており、Pプッシャ24の中心軸線は、操作接続部24Cの中心を通過している。
【0030】
後プレート12B内には、回転部としての略円筒状の回転シャフト26(
図3及び
図4参照)が回転可能に支持されており、回転シャフト26の軸方向は、左右方向にされている。回転シャフト26は、後プレート12Bの左壁を回転可能に貫通しており、回転シャフト26の左端部は、後プレート12Bの左側に配置されている。
【0031】
回転シャフト26の左端部の前側には、回転被接続部としてのU字形枠状の回転接続枠26A(
図2、
図5の(A)及び(B)参照)が一体に設けられており、回転接続枠26Aは、回転シャフト26から左側に延出されて、ベース14の右側部分内に挿入されている。回転接続枠26A内は、左方、前方及び後方に開放されており、回転接続枠26A内の上面及び下面は、上下方向に垂直に配置されている。回転接続枠26A内には、ノブ18(ノブ本体20)の回転接続片20Aが挿入されており、回転接続片20Aの回転接続部20Bは、回転接続枠26A内の上面と下面との間に嵌合されている。ノブ18が回転されて、回転接続部20Bが回転された際には、回転接続部20Bと一体に回転接続枠26Aが回転されて、回転シャフト26が回転される。
【0032】
回転シャフト26の右部には、前側かつ下側の部分において、制限部としての開放孔26Bが形成されており、開放孔26Bは、回転シャフト26内を下側に開放している。回転シャフト26の右部の前側には、略矩形板状の接続板28が固定されており、接続板28は、回転シャフト26の周方向に沿って湾曲されると共に、回転シャフト26の前端部(開放孔26Bの前端部を含む)を被覆している。接続板28の右端部には、略円柱状の回転片28Aが一体に設けられており、回転片28Aは、前方に延出されると共に、先端部(前端部)の周面が球面状にされている。
【0033】
回転シャフト26内には、移動部としての略円柱状のPスライダ30(
図4、
図5の(A)及び(B)、
図6の(A)及び(B)参照)が同軸上に嵌合されており、Pスライダ30は、回転シャフト26内を軸方向(左右方向)にスライド(移動)可能にされている。Pスライダ30は、回転シャフト26から左方に延出されており、Pスライダ30の左端部は、略直方体状にされて、上面及び下面が上下方向に垂直な平面にされている。Pスライダ30の左端部の上面及び下面は、それぞれ後プレート12B(固定板12C)の凹部56内の上平面56A及び下平面56Bに嵌合されており、Pスライダ30は、左端部において、回転を凹部56によって規制されると共に、軸方向へのスライドを凹部56によって案内される。Pスライダ30の左端部には、被接続部としての前面視十字状の操作接続孔30Aが形成されており、操作接続孔30Aは、軸方向が前後方向にされると共に、前方及び左方に開放されている。操作接続孔30Aには、Pプッシャ24の操作接続片24Bが挿入されており、操作接続片24Bの操作接続部24Cは、上下方向及び左右方向において操作接続孔30Aに嵌合されている。Pプッシャ24が操作されて、操作接続部24Cが右側(右方かつ後方)にスライドされた際には、操作接続部24Cが操作接続孔30Aに対し後方に移動されつつ、操作接続孔30Aが操作接続部24Cと一体に右方にスライドされて、Pスライダ30が右方にスライドされる。Pスライダ30の右端部には、下側部分において、半円柱状の操作孔30Bが形成されており、操作孔30Bは、下側、前側及び後側に開放されている。
【0034】
後プレート12B内には、回転シャフト26の右側において、回転検出機構32(
図3及び
図7参照)が設けられている。
【0035】
後プレート12Bの底壁(後壁)には、回転中間部としての回転体34が回転可能に支持されており、回転体34の回転軸方向は、前後方向にされている。回転体34には、矩形板状の回転板34Aが一体に設けられており、回転板34Aは、左側に延出されると共に、矩形状の回転孔34Bが貫通形成されている。回転孔34Bには、回転シャフト26(接続板28)の回転片28A先端部が挿入されており、回転孔34Bには、回転片28Aの先端部が上下方向において嵌合されている。回転シャフト26が回転されて、回転片28Aが回転された際には、回転片28Aの先端部と一体に回転板34Aが回転されて、回転体34が回転される。回転体34には、扇形板状の回転ギヤ板34Cが一体に設けられており、回転ギヤ板34Cは、右側に延出されている。回転体34は、回転付勢部材としての回転スプリング52(捩りコイルスプリング)によって初期回転位置へ向かう方向に付勢されており、回転体34への回転スプリング52の付勢力による回転シャフト26の回転力は、ノブ18への付勢力による回転シャフト26の回転力に比し小さくされている。
【0036】
後プレート12Bの底壁には、回転体34の右側において、検出回転部としての略円柱状の回転マグネット体36が回転可能に支持されており、回転マグネット体36の回転軸方向は、前後方向にされている。回転マグネット体36の後側部分には、回転ギヤ36Aが同軸上に設けられており、回転ギヤ36Aには、回転体34の回転ギヤ板34Cの外周が噛合されている。回転体34が回転されて、回転ギヤ板34Cが回転された際には、回転ギヤ36Aが回転されて、回転マグネット体36が回転される。また、回転ギヤ36Aの回転半径は、回転ギヤ板34C外周の回転半径に比し小さくされている。回転マグネット体36の前側部分には、円柱状の回転マグネット36Bが同軸上に固定されており、回転マグネット36Bは、回転マグネット体36と一体回転される。
【0037】
後プレート12B内には、回転シャフト26の下側において、操作検出機構38(
図3、
図6の(A)及び(B)、
図7参照)が設けられている。
【0038】
後プレート12Bの底壁には、操作中間部としての操作体40が回転可能に支持されており、操作体40の回転軸方向は、前後方向にされている。操作体40には、略円錐台状の操作片40Aが一体に設けられており、操作片40Aは、上方に延出されると共に、先端部が球状にされている。操作片40Aは、回転シャフト26の開放孔26Bに貫通されて、先端部がPスライダ30の操作孔30Bに挿入されており、操作片40Aの先端部は、操作孔30Bに左右方向において嵌合されている。Pスライダ30が右方にスライドされた際には、操作孔30Bと一体に操作片40Aの先端部が右方にスライドされて、操作体40が回転される。操作体40には、扇形板状の操作ギヤ板40Bが一体に設けられており、操作ギヤ板40Bは、右側に延出されている。操作体40は、操作付勢部材としての操作スプリング54(捩りコイルスプリング)によって初期回転位置へ向かう方向に付勢されており、操作体40への操作スプリング54の付勢力によるPスライダ30のスライド力は、Pプッシャ24への付勢体50の付勢力によるPスライダ30のスライド力に比し小さくされている。
【0039】
後プレート12Bの底壁には、操作体40の右側において、検出移動部としての略円柱状の操作マグネット体42が回転可能に支持されており、操作マグネット体42の回転軸方向は、前後方向にされている。操作マグネット体42の後側部分には、操作ギヤ42Aが同軸上に設けられており、操作ギヤ42Aには、操作体40の操作ギヤ板40Bの外周が噛合されている。操作体40が回転されて、操作ギヤ板40Bが回転された際には、操作ギヤ42Aが回転されて、操作マグネット体42が回転される。また、操作ギヤ42Aの回転半径は、操作ギヤ板40B外周の回転半径に比し小さくされている。操作マグネット体42の前側部分には、操作被検出部としての円柱状の操作マグネット42Bが同軸上に固定されており、操作マグネット42Bは、操作マグネット体42と一体回転される。
【0040】
後プレート12B内の前端部には、検出体としての略矩形板状の回路基板44(
図1(B)及び
図4参照)が固定されており、回路基板44は、前後方向に垂直に配置されて、回転シャフト26の軸方向(回転軸方向)及びPスライダ30の軸方向(スライド方向)に沿って配置されている。回路基板44には、回転検出機構32(回転マグネット体36)の回転マグネット36Bとの対向部分において、回転検出部としての回転センサ(図示省略)が設けられており、回転センサは、回転マグネット36Bが発生する磁界の方向を検出して、回転マグネット体36(回転マグネット36B)の回転位置を検出する。回路基板44には、操作検出機構38(操作マグネット体42)の操作マグネット42Bとの対向部分において、操作検出部としての操作センサ(図示省略)が設けられており、操作センサは、操作マグネット42Bが発生する磁界の方向を検出して、操作マグネット体42(操作マグネット42B)の回転位置を検出する。
【0041】
回路基板44(回転センサ及び操作センサ)は、車両の制御装置46に電気的に接続されており、制御装置46には、車両の変速機48(自動変速機)が電気的に接続されている。
【0042】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0043】
以上の構成のシフト装置10では、ノブ18がH位置から一方向Aに回転されて、ノブ18がR位置に配置されると共に、ノブ18がH位置から他方向Bに回転されて、ノブ18がD位置に配置される。
【0044】
ノブ18が回転された際には、ノブ18の回転接続部20Bが回転されて、回転接続部20Bと一体に回転シャフト26の回転接続枠26Aが回転されることで、回転シャフト26が回転される。そして、回転シャフト26が回転された際には、回転検出機構32において、回転体34が回転されて、回転マグネット体36が回転される。さらに、回路基板44の回転センサが回転マグネット体36の回転位置を検出することで、回転体34の回転位置、回転シャフト26の回転位置及びノブ18の回転位置が検出されて、ノブ18のシフト位置が検出される。
【0045】
ノブ18のシフト位置がR位置又はD位置に変更されたことが検出された際には、それぞれ、制御装置46の制御により、変速機48のシフトレンジがRレンジ(リバースレンジ)又はDレンジ(ドライブレンジ)に変更される。
【0046】
また、Pプッシャ24が操作された際には、Pプッシャ24の操作接続部24Cが右側にスライドされて、操作接続部24Cと一体にPスライダ30の操作接続孔30Aが右方にスライドされることで、Pスライダ30が右方にスライドされる。そして、Pスライダ30が右方にスライドされた際には、操作検出機構38において、操作体40が回転されて、操作マグネット体42が回転される。さらに、回路基板44の操作センサが操作マグネット体42の回転位置を検出することで、操作体40の回転位置、Pスライダ30のスライド位置及びPプッシャ24のスライド位置が検出されて、Pプッシャ24の操作が検出される。
【0047】
Pプッシャ24の操作が検出された際には、制御装置46の制御により、変速機48のシフトレンジがPレンジ(パークレンジ)に変更される。
【0048】
ここで、Pプッシャ24のスライド方向(軸方向)がPスライダ30のスライド方向(軸方向)に対し交差されている。このため、Pプッシャ24のスライド方向をPスライダ30のスライド方向に対し平行にする必要がなく、Pプッシャ24の配置自由度を大きくできる。
【0049】
さらに、Pプッシャ24がPスライダ30と別体にされている。このため、ベース14を変更して、ベース14の左側部分(軸方向)の右側部分に対する傾斜角度を変更することで、Pプッシャ24のスライド方向(軸方向)のPスライダ30のスライド方向(軸方向)に対する傾斜角度を変更できる。
【0050】
また、Pプッシャ24が回転可能にされている。このため、Pプッシャ24をノブ18と一体に回転させることができる。
【0051】
さらに、Pプッシャ24の操作接続部24Cの周面が球面状にされると共に、Pスライダ30の操作接続孔30Aに操作接続部24Cが収容(嵌合)されている。このため、Pプッシャ24が回転される場合でも、操作接続部24Cと操作接続孔30Aとが干渉することを抑制できる。
【0052】
また、付勢体50がPプッシャ24を付勢しており、Pプッシャ24が付勢体50の付勢力に抗して右側にスライドされて、Pスライダ30が右方にスライドされる。このため、Pプッシャ24が付勢体50の付勢力により左側にスライドできて、Pスライダ30が付勢体50の付勢力により左方にスライドでき、Pスライダ30をPプッシャ24とは別に付勢する必要性を低くできる。
【0053】
さらに、ノブ18がH位置側に付勢されており、ノブ18がH位置から付勢力に抗して回転されて、回転シャフト26が回転される。このため、ノブ18が付勢力によりH位置に回転できて、回転シャフト26が当該付勢力により回転でき、回転シャフト26をノブ18とは別に付勢する必要性を低くできる。
【0054】
なお、本実施形態では、操作体40を操作スプリング54が付勢する。しかしながら、操作体40を付勢しなくてもよい。
【0055】
さらに、本実施形態では、回転体34を回転スプリング52が付勢する。しかしながら、回転体34を付勢しなくてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、Pプッシャ24の操作接続部24C(接続部)の周面が球面状にされると共に、Pスライダ30の操作接続孔30A(被接続部)に操作接続部24Cが収容(嵌合)される。しかしながら、Pスライダ30の被接続部の周面が球面状にされると共に、Pプッシャ24の接続部に被接続部が収容(嵌合)されてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、Pプッシャ24(操作部)が操作されて、変速機48のシフトレンジがPレンジに変更される。しかしながら、操作部が操作されて、変速機48のシフトレンジが他のシフトレンジ(例えばMレンジ(マニュアルレンジ))に変更されてもよい。
【0058】
さらに、本実施形態では、シフト装置10が車両のステアリングコラムに設置される。しかしながら、シフト装置10が車両の他の部分(インストルメントパネル又はコンソール等)に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10・・・シフト装置、24・・・Pプッシャ(操作部)、24C・・・操作接続部(接続部)、30・・・Pスライダ(移動部)、30A・・・操作接続孔(被接続部)、48・・・変速機、50・・・付勢体