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  • 特開-車両用内装品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110827
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】車両用内装品
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/04 20060101AFI20240808BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B60N3/04 B
B62D25/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015666
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 隆介
(72)【発明者】
【氏名】原田 展志
(72)【発明者】
【氏名】岡部 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小南 幹太
【テーマコード(参考)】
3B088
3D203
【Fターム(参考)】
3B088GA01
3D203BB06
3D203BB27
(57)【要約】
【課題】台座前面部及び左右一方の台座側面部が下方側へ向けて台座内側へ傾くシート台座部に対してその形状に沿わせることが可能な車両用内装品を得る。
【解決手段】車両用内装品30は、上カバー部32と、上カバー部32の前端部に上端部が縫合された前カバー部34と、上カバー部32の左右一方の端部に上端部が縫合されると共に前カバー部34の左右一方の端部に前端部が縫合された左右一方のサイドカバー部36と、を備え、これらは、いずれもカーペット材で構成されている。サイドカバー部36は、上端縁36Xと前側縦端縁36Yとが成す角が鋭角状となっている。サイドカバー部36の下端部36Uには、当該下端部36Uがその下端縁36Zの長手方向に縮むように当該下端縁36Zの長手方向に沿って糸40が縫い付けられることによって縮み部36Sが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションのシート下方側で車体フロアパネルに形成されたシート台座部に上側から被せられると共に、前記シート台座部に貫通形成されたサービスホールの蓋としての機能を有する車両用内装品であって、
カーペット材で構成された上カバー部と、
前記上カバー部の前端部に上端部が縫合され、カーペット材で構成された前カバー部と、
前記上カバー部の左右一方の端部に上端部が縫合されると共に前記前カバー部の左右一方の端部に前端部が縫合され、カーペット材で構成された左右一方のサイドカバー部と、
を備え、
前記前カバー部及び前記サイドカバー部のうちの少なくとも一方は、上端縁と、縦端縁のうち縫合される側の端縁と、が成す角が鋭角状とされ、
前記前カバー部及び前記サイドカバー部のうちの少なくとも一方の下端部には、当該下端部がその下端縁の長手方向に縮むように当該下端縁の長手方向に沿って糸が縫い付けられることによって縮み部が形成されている、車両用内装品。
【請求項2】
台座天面部と左右一方の台座側面部との境界が凸湾曲状の稜線とされた前記シート台座部に上側から被せられる請求項1に記載の車両用内装品であって、
前記上カバー部の左右一方の端縁は、前記シート台座部の前記凸湾曲状の稜線に対応するように凸湾曲状に形成され、
前記上カバー部の前記凸湾曲状の端縁側に前記サイドカバー部の上端部が縫合され、
前記サイドカバー部の下端部に前記縮み部が形成されている、車両用内装品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装品に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、キャブオーバータイプ車両のフロア及びその上に搭載される車両用シートに関する技術が開示されている。このようなキャブオーバータイプ車両のフロアにはシートクッションのシート下方側にシート台座部が形成されると共にシート台座部にサービスホールが貫通形成されている場合があり、更に、シート台座部の台座前面部及び左右一方の台座側面部が下方側へ向けて台座内側へ傾いている場合がある。
【0003】
このような先行技術におけるシート台座部に合成樹脂製の成形品が被せられたものが知られている。簡単に説明すると、前記合成樹脂製の成形品は、上カバー部、前カバー部及びサイドカバー部の三つの向きが異なるカバー部で構成され、シート台座部の天板部、前壁部及び左右一方の側壁部に沿った形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-6915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コスト低減の観点から前記合成樹脂製の成形品をカーペット材から成る製品に変更することが考えられる。
【0006】
しかしながら、カーペット材を曲げることによって、上記のような三つのカバー部で構成された製品を製作する場合、カーペット材の復元力によって前カバー部及びサイドカバー部の各下端側は外向きに変位しようとするため、上記形状のシート台座部の形状に沿わせるのは難しい。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、台座前面部及び左右一方の台座側面部が下方側へ向けて台座内側へ傾くシート台座部に対してその形状に沿わせることが可能な車両用内装品を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載する本発明の車両用内装品は、シートクッションのシート下方側で車体フロアパネルに形成されたシート台座部に上側から被せられると共に、前記シート台座部に貫通形成されたサービスホールの蓋としての機能を有する車両用内装品であって、カーペット材で構成された上カバー部と、前記上カバー部の前端部に上端部が縫合され、カーペット材で構成された前カバー部と、前記上カバー部の左右一方の端部に上端部が縫合されると共に前記前カバー部の左右一方の端部に前端部が縫合され、カーペット材で構成された左右一方のサイドカバー部と、を備え、前記前カバー部及び前記サイドカバー部のうちの少なくとも一方は、上端縁と、縦端縁のうち縫合される側の端縁と、が成す角が鋭角状とされ、前記前カバー部及び前記サイドカバー部のうちの少なくとも一方の下端部には、当該下端部がその下端縁の長手方向に縮むように当該下端縁の長手方向に沿って糸が縫い付けられることによって縮み部が形成されている。
【0009】
上記構成によれば、前カバー部及びサイドカバー部のうちの少なくとも一方は、上端縁と、縦端縁のうち縫合される側の端縁と、が成す角が鋭角状となっている。このため、上カバー部の内面(下面)と前カバー部の内面との成す角及び上カバー部の内面(下面)と左右一方のサイドカバー部の内面との成す角をいずれも90°未満とすることが可能となる。さらに、前カバー部及びサイドカバー部のうちの少なくとも一方の下端部には、当該下端部がその下端縁の長手方向に縮むように当該下端縁の長手方向に沿って糸が縫い付けられることによって縮み部が形成されているので、当該少なくとも一方の下端部は、窄まる方向の力を受け、外向きへの変位が抑えられる。
【0010】
請求項2に記載する本発明の車両用内装品は、台座天面部と左右一方の台座側面部との境界が凸湾曲状の稜線とされた前記シート台座部に上側から被せられる請求項1に記載の車両用内装品であって、前記上カバー部の左右一方の端縁は、前記シート台座部の前記凸湾曲状の稜線に対応するように凸湾曲状に形成され、前記上カバー部の前記凸湾曲状の端縁側に前記サイドカバー部の上端部が縫合され、前記サイドカバー部の下端部に前記縮み部が形成されている。
【0011】
上記構成によれば、車両用内装品は、台座天面部と左右一方の台座側面部との境界が凸湾曲状の稜線とされたシート台座部に上側から被せられる。上カバー部の左右一方の端縁は、シート台座部の前記凸湾曲状の稜線に対応するように凸湾曲状に形成され、上カバー部の凸湾曲状の端縁側にはサイドカバー部の上端部が縫合されるので、サイドカバー部は、平面視で凸湾曲状に曲げられた状態で配置される。サイドカバー部の下端部には、糸が縫い付けられて縮み部が形成されているので、サイドカバー部の下端部は、窄まる方向の力を受け、湾曲形状を直線状に近付けるような外向きへの変形が抑えられる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の車両用内装品によれば、台座前面部及び左右一方の台座側面部が下方側へ向けて台座内側へ傾くシート台座部に対してその形状に沿わせることが可能になるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用内装品の配置状態を示す斜視図である。
図2図1の車両用内装品の単体を示す斜視図である。
図3図1の車両用内装品の3ピースを縫製前の状態で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る車両用内装品について図1図3を用いて説明する。
【0015】
(実施形態の構成)
図1には、本実施形態に係る車両用内装品の配置状態が斜視図で示されている。図1において、矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印Wは車両幅方向(車両左右方向)を示している。
【0016】
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用内装品30は、車両用シートのシートクッション10のシート下方側で車体フロアパネル12に形成されたシート台座部20に上側から被せられると共に、シート台座部20に貫通形成されたサービスホール22Hの蓋としての機能を有する。なお、図1では、図を見易くするために、シートクッション10については、図1の方向視でのシートクッション10の外形のみを簡略化して二点鎖線で示しており、シートクッション10を透視した状態で車両用内装品30及びシート台座部20の各一部を図示している。
【0017】
図1に示される車両用内装品30が配置される車両は、軽トラック(広義にはキャブオーバータイプ車両)とされる。シートクッション10は、着座乗員の臀部及び大腿部を支持する構成部とされる。シートクッション10の後端部側には、着座乗員の背部を支持するシートバック(図示省略)が配置される。また、本実施形態のシートクッション10は、その前端部をシート後方斜め上方側に跳ね上げて起立した姿勢にすることが可能とされている。
【0018】
シート台座部20は、車体フロアパネル12の一部として形成され、車体フロアパネル12のフロア一般部14に対して車両上方側に凸とされている。シート台座部20は、その頂部を構成する天板部22と、天板部22の前端から車両下方側に延出される前壁部24と、天板部22の左右一方(本実施形態では車両左方側)の端部から車両下方側に延出される側壁部26と、を備えている。天板部22の内面(下面)と前壁部24の内面(後面)との成す角及び天板部22の内面(下面)と左右一方の側壁部26の内面(内側側面)との成す角は、いずれも90°未満とされている。すなわち、前壁部24の前面(外面)である台座前面部24A及び左右一方の側壁部26の外側側面である台座側面部26Aは、下方側へ向けて台座内側へ傾いている。なお、側壁部26の上下方向寸法は、一例として、前壁部24の上下方向寸法よりも小さく設定されている。側壁部26の下端からは車両左側へ張り出す棚状部分28が形成されている。
【0019】
天板部22の前端のうち車両右側の端を除く部分及び前壁部24は、車両左側へ向けて車両後方側に傾斜しながら僅かに湾曲され、天板部22の車両左側の端及び側壁部26は、車両左側へ膨らむように湾曲されている。すなわち、天板部22の台座天面部22Aと前壁部24の台座前面部24Aとの境界は、緩やかな凸湾曲状の稜線L1とされ、天板部22の台座天面部22Aと左右一方の側壁部26の台座側面部26Aとの境界は、凸湾曲状の稜線L2とされている。稜線L2の後端位置は、稜線L2の前端位置よりもの若干車両左側に位置している。
【0020】
また、天板部22には、サービスホール22Hが貫通形成されている。天板部22の車両下方側には、バッテリ(図示省略)等が搭載されている。つまり、シートクッション10を跳ね上げて車両用内装品30を外すとサービスホール22Hから前記バッテリ等にアクセスすることが可能となっている。
【0021】
図2には、車両用内装品30の単体が斜視図で示されている。なお、車両用内装品30の前後方向は、車両前後方向と同じ方向であり、車両用内装品30の上下方向は、車両上下方向と同じ方向であり、車両用内装品30の左右方向は、車両幅方向(車両左右方向)と同じ方向であるため、便宜上、図2の図中には矢印FR、矢印UP及び矢印Wを示す。
【0022】
車両用内装品30は、上カバー部32と、上カバー部32の前端部に上端部が縫合された前カバー部34と、上カバー部32の左右一方の端部に上端部が縫合されると共に前カバー部34の左右一方の端部に前端部が縫合された左右一方のサイドカバー部36と、を備える。上カバー部32、前カバー部34及びサイドカバー部36は、いずれもカーペット材で構成されている。
【0023】
図1に示されるように、車両用内装品30の上カバー部32は、シート台座部20の天板部22に対応した形状に形成され、上カバー部32の左右一方(サイドカバー部36の上端部が縫合される側)の端縁32Sは、シート台座部20の凸湾曲状の稜線L2に対応するように凸湾曲状に形成されている。上カバー部32は、天板部22上に配置され、サービスホール22Hを塞ぐ。車両用内装品30の前カバー部34は、シート台座部20の前壁部24に対応した形状に形成され、前壁部24に沿って配置される。車両用内装品30のサイドカバー部36は、シート台座部20の側壁部26に対応した形状に形成され、側壁部26に沿って配置される。
【0024】
図3には、縫製前の状態の上カバー部32、前カバー部34及びサイドカバー部36の3ピースが平面図で示されている。上カバー部32において前端(図中の下側の端)に沿って示される破線32Aは、前カバー部34と縫合される縫製位置を示し、上カバー部32の左右一方の端(図中の右側の端)に沿って示される破線32Bは、サイドカバー部36と縫合される縫製位置を示す。また、前カバー部34の上端に沿って示される破線34Aは、上カバー部32と縫合される縫製位置を示し、前カバー部34の左右一方端(図中の右側の端)の上部に沿って示される破線34Bは、サイドカバー部36と縫合される縫製位置を示す。さらに、サイドカバー部36の上端(図中の左側の端)に沿って示される破線36Aは、上カバー部32と縫合される縫製位置を示し、サイドカバー部36の前端(図中の下側の端)に沿って示される破線36Bは、前カバー部34と縫合される縫製位置を示す。サイドカバー部36の上端(図中の左側の端)のラインと前端(図中の下側の端)のラインとの成す角は鋭角状とされている。なお、図3において、縫製位置32A、32B、34A、34B、36A、36Bは、図を見易くするために、便宜上、破線(断続的な線)で示しているが、連続的に縫製がなされることは言うまでもない。
【0025】
上カバー部32の前端部(図中の下側の端部)の縫い代と前カバー部34の上端部の縫い代とは、中表状に重ねられて縫製位置32A、34Aで縫合される。上カバー部32の左右一方の端部(図中の右側の端部)の縫い代とサイドカバー部36の上端部(図中の左側の端部)の縫い代とは、中表状に重ねられて縫製位置32B、36Aで縫合される。前カバー部34の左右一方の端部(図中の右側の端部)の縫い代とサイドカバー部36の前端部(図中の下側の端部)の縫い代とは、中表状に重ねられて縫製位置34B、36Bで縫合される。なお、各縫い代には、縫い代幅方向内側へV字状に小さく切り込まれたノッチが適宜形成されている。
【0026】
図2に示されるように、サイドカバー部36は、上端縁36Xと前側縦端縁36Y(縦端縁のうち縫合される側の端縁)とが成す角が鋭角状とされている。サイドカバー部36の下端部36Uには、当該下端部36Uがその下端縁36Zの長手方向に縮むように当該下端縁36Zの長手方向に沿って糸40(図中に破線で示される部分)が縫い付けられることによって縮み部36Sが形成されている。縮み部36Sのトータルの縮み量は、サイドカバー部36の材質、上端縁36Xと前側縦端縁36Yとが成す角の角度、及び図1に示されるシート台座部20の台座側面部26Aの傾き等を踏まえて適宜設定される。なお、図1及び図2では、縮み部36Sを分かり易く示すために、縮み部36Sを簡略化してタックのように示している。
【0027】
図3では、サイドカバー部36の下端部36Uにおいて糸40(図2参照)が縫い付けられる位置に破線36Cを示す。なお、図3では、糸40(図2参照)の縫い付け位置を、便宜上、破線(断続的な線)で示しているが、糸40(図2参照)を用いた縫製が連続的になされることは言うまでもない。図3の状態では、糸40(図2参照)は縫い付けられていないため、縮み部36S(図2参照)は形成されていない。
【0028】
(実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0029】
本実施形態では、図2に示されるように、サイドカバー部36は、上端縁36Xと前側縦端縁36Yとが成す角が鋭角状となっている。このため、上カバー部32の内面(下面)と前カバー部34の内面との成す角及び上カバー部32の内面(下面)と左右一方のサイドカバー部36の内面との成す角をいずれも90°未満とすることが可能となる。さらに、図1に示されるサイドカバー部36の下端部36Uには、当該下端部36Uがその下端縁36Zの長手方向に縮むように当該下端縁36Zの長手方向に沿って糸40が縫い付けられることによって縮み部36Sが形成されている。このため、サイドカバー部36の下端部36Uは、窄まる方向の力を受け、外向きへの変位が抑えられる。
【0030】
補足説明すると、縮み部36Sが形成されている状態では、サイドカバー部36の下端部36Uは、その下端縁36Zの長手方向に縮められることになるので、それによって上端縁36Xと前側縦端縁36Yとの成す角の角度を小さくしようとするような方向の力が作用する。これにより、縮み部36Sは、内向きに変位しようとし、サイドカバー部36は下端部36U側が内向きにカールしようとする。このため、サイドカバー部36の下端部36Uの外向きへの変位が抑えられる。
【0031】
さらに説明すると、図1に示される本実施形態の車両用内装品30は、台座天面部22Aと左右一方の台座側面部26Aとの境界が凸湾曲状の稜線L2とされたシート台座部20に、上側から被せられる。上カバー部32の左右一方の端縁32Sは、シート台座部20の凸湾曲状の稜線L2に対応するように凸湾曲状に形成され、上カバー部32の凸湾曲状の端縁32S側にはサイドカバー部36の上端部が縫合されるので、サイドカバー部36は、平面視で凸湾曲状に曲げられた状態で配置される。そして、サイドカバー部36の下端部36Uには、前述したように、糸40が縫い付けられて縮み部36Sが形成されているので、サイドカバー部36の下端部36Uは、窄まる方向の力を受け、湾曲形状を直線状に近付けるような外向きへの変形が抑えられる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の車両用内装品30によれば、台座前面部24A及び左右一方の台座側面部26Aが下方側へ向けて台座内側へ傾くシート台座部20に対してその形状に沿わせることが可能になる。
【0033】
(実施形態の補足説明)
なお、上記実施形態の変形例として、前カバー部(34)は、上端縁と、縦端縁のうちサイドカバー部(36)と縫合される側の端縁と、が成す角が鋭角状とされる、という構成も採り得る。そのような構成を採った場合に、サイドカバー部(36)の上端縁(36X)と前側縦端縁(36Y(縦端縁のうち縫合される側の端縁))とが成す角が鋭角状とされる構成及び直角とされる構成のいずれも採り得る。
【0034】
また、上記実施形態の変形例として、前カバー部(34)の下端部に、当該下端部がその下端縁の長手方向に縮むように当該下端縁の長手方向に沿って糸が縫い付けられることによって縮み部が形成されている、という構成も採り得る。そのような構成を採った場合、サイドカバー部(36)の下端部(36U)にも縮み部(36S)が形成された構成も採り得るし、サイドカバー部(36)の下端部(36U)には縮み部(36S)は形成されない構成も採り得る。
【0035】
また、上記実施形態の変形例として、例えば、シート台座部は、台座天面部と左右一方の台座側面部との境界が直線状の稜線とされ、そのようなシート台座部に上側から被せられる車両用内装品に本発明が適用されてもよい。また、他の変形例として、例えば、シート台座部は、台座天面部と台座前面部との境界が直線状の稜線とされ、そのようなシート台座部に上側から被せられる車両用内装品に本発明が適用されてもよい。
【0036】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0037】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
10 シートクッション
12 車体フロアパネル
20 シート台座部
22A 台座天面部
22H サービスホール
26A 台座側面部
30 車両用内装品
32 上カバー部
32S 上カバー部の左右一方の端縁
34 前カバー部
36 サイドカバー部
36U サイドカバー部の下端部
36S 縮み部
36X 上端縁
36Y 前側縦端縁(縦端縁のうち縫合される側の端縁)
36Z 下端縁
40 糸
L2 稜線
図1
図2
図3