(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110849
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】バイオマス燃料水分量モニタリング装置、バイオマス燃料水分量モニタリングシステム、バイオマス燃料水分量モニタリング方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240808BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015699
(22)【出願日】2023-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000211064
【氏名又は名称】中外テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(74)【代理人】
【識別番号】100229529
【弁理士】
【氏名又は名称】奥木 英行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 靖
(72)【発明者】
【氏名】工藤 彰人
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 茂樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】 本発明は、計測結果に基づきバイオマス燃料の水分量を監視するモニタリング装置、モニタリングシステム及びバイオマス発電システムの提供を目的とする。
【解決手段】 本発明のバイオマス燃料水分量モニタリング装置は、情報取得部11、表示情報生成部12、及び情報出力部13を含み、前記情報取得部11は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、前記表示情報生成部12は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、前記情報出力部13は、前記表示情報を出力する、
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得部、表示情報生成部、及び情報出力部を含み、
前記情報取得部は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成部は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力部は、前記表示情報を出力する、
バイオマス燃料水分量モニタリング装置。
【請求項2】
前記表示情報生成部は、所定時間に対応する平均水分量を算出し、前記平均水分量に関する情報を含む前記表示情報を生成する、
請求項1記載のバイオマス燃料水分量モニタリング装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、有効範囲情報及び燃料種類情報の少なくとも一方を含む算出条件情報を取得し、
前記算出条件情報は、前記バイオマス燃料の水分量の監視に適した水分量算出の条件に関する情報であり、
前記有効範囲情報は、前記水分量算出のために使用可能な前記計測情報の有効範囲を指定する情報であり、
前記燃料種類情報は、前記バイオマス燃料の種類に関する情報であり、
前記表示情報生成部は、前記算出条件情報を適用して前記バイオマス燃料の水分量算出を行い、前記水分量算出に基づく表示情報を生成する、
請求項2に記載のバイオマス燃料水分量モニタリング装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、表示設定情報を取得し、
前記表示設定情報は、前記情報出力部が出力する前記表示情報の表示方法を設定する情報であり、
前記表示情報生成部は、前記表示設定情報に基づく表示情報を生成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のバイオマス燃料水分量モニタリング装置。
【請求項5】
請求項4記載のバイオマス燃料水分量モニタリング装置及び水分量計測装置を含み、
前記水分量計測装置は、前記バイオマス燃料の水分量の計測を行い、
前記情報取得部は、電気通信回線網を介して、前記水分量計測装置が計測した情報を前記計測情報として取得する、
バイオマス燃料水分量モニタリングシステム。
【請求項6】
情報取得工程、表示情報生成工程、及び情報出力工程を含み、
前記情報取得工程は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成工程は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力工程は、前記表示情報を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
バイオマス燃料水分量モニタリング方法。
【請求項7】
前記表示情報生成工程は、所定時間に対応する平均水分量を算出し、前記平均水分量に関する情報を含む前記表示情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項6記載のバイオマス燃料水分量モニタリング方法。
【請求項8】
前記情報取得工程は、有効範囲情報及び燃料種類情報の少なくとも一方を含む算出条件情報を取得し、
前記算出条件情報は、前記バイオマス燃料の水分量の監視に適した水分量算出の条件に関する情報であり、
前記有効範囲情報は、前記水分量算出のために使用可能な前記計測情報の有効範囲を指定する情報であり、
前記燃料種類情報は、前記バイオマス燃料の種類に関する情報であり、
前記表示情報生成工程は、前記算出条件情報を適用して前記バイオマス燃料の水分量算出を行い、前記水分量算出に基づく表示情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項7に記載のバイオマス燃料水分量モニタリング方法。
【請求項9】
前記情報取得工程は、表示設定情報を取得し、
前記表示設定情報は、前記情報出力部が出力する前記表示情報の表示方法を設定する情報であり、
前記表示情報生成工程は、前記表示設定情報に基づく表示情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項6から8のいずれか一項に記載のバイオマス燃料水分量モニタリング方法。
【請求項10】
さらに、水分量計測工程を含み、
前記水分量計測工程は、水分量計測装置を用いて、バイオマス燃料の水分量を計測し、
前記情報取得工程は、電気通信回線網を介して、前記水分量計測装置が計測した情報を前記計測情報として取得し、コンピュータにより実行される、
請求項9記載のバイオマス燃料水分量モニタリング方法。
【請求項11】
情報取得手順、表示情報生成手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成手順は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記表示情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記表示情報生成手順は、所定時間に対応する平均水分量を算出し、前記平均水分量に関する情報を含む前記表示情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記情報取得手順は、有効範囲情報及び燃料種類情報の少なくとも一方を含む算出条件情報を取得し、
前記算出条件情報は、前記バイオマス燃料の水分量の監視に適した水分量算出の条件に関する情報であり、
前記有効範囲情報は、前記水分量算出のために使用可能な前記計測情報の有効範囲を指定する情報であり、
前記燃料種類情報は、前記バイオマス燃料の種類に関する情報であり、
前記表示情報生成手順は、前記算出条件情報を適用して前記バイオマス燃料の水分量算出を行い、前記水分量算出に基づく表示情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
前記情報取得手順は、表示設定情報を取得し、
前記表示設定情報は、前記情報出力部が出力する前記表示情報の表示方法を設定する情報であり、
前記表示情報生成手順は、前記表示設定情報に基づく表示情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための請求項11から13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
情報取得手順、表示情報生成手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成手順は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記表示情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
前記表示情報生成手順は、所定時間に対応する平均水分量を算出し、前記平均水分量に関する情報を含む前記表示情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な請求項15記載の記録媒体。
【請求項17】
前記情報取得手順は、有効範囲情報及び燃料種類情報の少なくとも一方を含む算出条件情報を取得し、
前記算出条件情報は、前記バイオマス燃料の水分量の監視に適した水分量算出の条件に関する情報であり、
前記有効範囲情報は、前記水分量算出のために使用可能な前記計測情報の有効範囲を指定する情報であり、
前記燃料種類情報は、前記バイオマス燃料の種類に関する情報であり、
前記表示情報生成手順は、前記算出条件情報を適用して前記バイオマス燃料の水分量算出を行い、前記水分量算出に基づく表示情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な請求項16記載の記録媒体。
【請求項18】
前記情報取得手順は、表示設定情報を取得し、
前記表示設定情報は、前記情報出力部が出力する前記表示情報の表示方法を設定する情報であり、
前記表示情報生成手順は、前記表示設定情報に基づく表示情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な請求項15から17のいずれか一項に記載の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス燃料水分量モニタリング装置、バイオマス燃料水分量モニタリングシステム、バイオマス燃料水分量モニタリング方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止に向けた温暖化ガスの削減や持続可能な社会の実現に向けたエネルギーの確保のため、バイオマス発電を含めた再生可能エネルギーが期待されている。バイオマス発電を効率的に行うためには、材料となるバイオマス燃料の水分量の管理が重要である。そこで、特許文献1のように、バイオマス燃料である木質チップの使用水分率を算出する管理装置等の技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の管理装置等においては、木質チップの使用重量と発電電力量とを用いて、木質チップの使用水分率を算出する。しかし、バイオマス燃料の水分量を計測して、計測結果に基づき水分量を監視するものではない。
【0005】
そこで、本発明は、計測結果に基づきバイオマス燃料の水分量を監視するモニタリング装置、及び、モニタリングシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のバイオマス燃料水分量モニタリング装置は、
情報取得部、表示情報生成部、及び情報出力部を含み、
前記情報取得部は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成部は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力部は、前記表示情報を出力する。
【0007】
本発明のバイオマス燃料水分量モニタリングシステムは、
本発明のバイオマス燃料水分量モニタリング装置及び水分量計測装置を含み、
前記水分量計測装置は、前記バイオマス燃料の水分量の計測を行い、
前記情報取得部は、電気通信回線網を介して、前記水分量計測装置が計測した情報を前記計測情報として取得する。
【0008】
本発明のバイオマス燃料水分量モニタリング方法は、
情報取得工程、表示情報生成工程、及び情報出力工程を含み、
前記情報取得工程は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成工程は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力工程は、前記表示情報を出力し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される。
【0009】
本発明のプログラムは、
情報取得手順、表示情報生成手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成手順は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記表示情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本発明の記録媒体は、
情報取得手順、表示情報生成手順、及び情報出力手順を含み、
前記情報取得手順は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成手順は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記表示情報を出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、計測結果に基づいて、バイオマス燃料の水分量を適切に管理して、効率的なバイオマス発電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1のバイオマス燃料水分量モニタリング装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のバイオマス燃料水分量モニタリング装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1のバイオマス燃料水分量モニタリング装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1のバイオマス燃料水分量モニタリング装置による出力画面の一例を示す参考図である。
【
図5】
図5は、実施形態1のバイオマス燃料水分量モニタリング装置に係る設定変更画面の一例を示す参考図である。
【
図6】
図6は、実施形態1のバイオマス燃料水分量モニタリング装置に係る別の設定変更画面の一例を示す参考図である。
【
図7】
図7は、実施形態2のバイオマス燃料水分量モニタリングシステムの一例の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態3のバイオマス発電システムの一例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0014】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のバイオマス燃料水分量モニタリング装置10(以下「本装置」ともいう。)の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、情報取得部11、表示情報生成部12及び情報出力部13を含む。また、本装置10は、図示していないが、例えば、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部を含んでもよい。
【0015】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等が挙げられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムのサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0016】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0017】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、情報取得部11、表示情報生成部12、及び情報出力部13として機能する。本装置10が、前記出力部を含む場合、中央処理装置101は、前記出力部として機能してもよい。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0018】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、水分計、ユーザの端末、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等が挙げられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0019】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0020】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置104は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、後述する計測情報、表示情報、算出条件情報、有効範囲情報、燃料種類情報及び表示設定情報等を記憶できる。
【0021】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、前記計測情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0022】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等が挙げられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレー、液晶ディスプレー等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等が挙げられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレーのように、一体として構成されてもよい。
【0023】
つぎに、本実施形態のバイオマス燃料水分量モニタリング方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態のバイオマス燃料水分量モニタリング方法は、例えば、
図1又は
図2の本装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のバイオマス燃料水分量モニタリング方法は、
図1又は
図2の本装置10の使用には限定されない。
【0024】
まず、情報取得部11は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得する(S1、情報取得工程)。前記バイオマス燃料は、化石燃料に代わる再生可能な生物由来の資源を原料とした燃料であり、バイオマス燃料の種類としては、例えば、間伐材、パーム椰子殻(PKS)、一般材、建築廃材等である。前記水分計は、例えば、接触式マイクロ波水分計である。水分計には、赤外線式、電気抵抗式、マイクロ波式等の種類があり、非接触型のものや接触型のものがある。バイオマス燃料の水分量の常時監視には、接触式マイクロ波水分計が好ましいが、前記水分計は、これに限定されない。前記水分計による計測方法は、例えば、継続的に計測するものでもよく、10秒毎に断続的に計測するものでもよく、水分量監視の実態に合わせて、適宜設定してよい。前記計測情報は、例えば、前記水分計と本装置10とが電気回線網を介して接続されて、前記情報取得部11によって取得される。前記計測情報の取得は、例えば、クラウドコンピューティングを利用した遠隔モニタリングシステム等を利用してもよい。なお、前記取得の方法は、これに限定されず、例えば、有線で接続する等によってもよく、水分量監視に必要な情報を取得できる方法であれば、その方法は限定されない。
【0025】
つぎに、表示情報生成部12は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成する(S2、水分量情報生成工程)。前記計測情報は、例えば、水分計の一時的な不具合、瞬間的な異常な数値の混入等、水分量の監視に適さない情報が含まれる場合がある。具体的には、例えば、特定の材料において、想定される水分量の範囲が限られる場合があり、前記範囲から外れた数値は、何らかの事情で検出された特異な数値であり、前記材料の本来の水分量を反映したものではない場合がある。そこで、前記表示情報は、例えば、有効な数値の上限値及び下限値を設定して、条件を満たさない情報を除去して、表示情報を生成される。水分量の算出に適さない数値の除去方法は、有効範囲の設定に限定されず、実態に応じた設定をすることができる。また、水分量の監視のためには、観測時現在の瞬間的な水分量の把握のみでは不十分な場合があり、水分量の変化の推移も重要となる。そこで、前記表示情報は、例えば、不必要な情報を除去し、観測時刻と水分量とを整理した情報である。ただし、前記表示情報は、これに限定されず、例えば、計測された計測情報そのもの、グラフとしての表示等、水分量監視に利用できる情報を含むものであってもよい。なお、水分量の監視は、経過の確認を含めて、継続的に行われるものであるため、前記表示方法生成部12における前記表示情報の生成は、例えば、順次継続的に行われ、生成された表示情報は、例えば、本装置10の記憶装置に順次記憶され、後述の情報出力部13により出力される。
【0026】
つぎに、情報出力部13は、前記水分量情報を出力する(S3、情報出力工程)。前記水分量情報の出力先は、例えば、水分量監視を行うユーザの端末等である。ただし、前記端末は、例えば、携帯端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等、その形態は限定されず、本装置10と一体の表示画面であってもよく、水分量監視に利用できるものであれば、その形態は限定されない。また、出力先との接続方法は、例えば、遠隔モニタリングシステム等が利用可能であるが、これに限定されないことは、前述の情報取得部11での説明のとおりである。
【0027】
本装置10の表示情報生成部12は、所定時間に対応する平均水分量を算出し、前記平均水分量に係る情報を含む表示情報を生成するようにしてもよい。水分量の変化が激しい場合には、瞬時の数値よりも一定時間に対応する平均水分量で観測した方が、適切な管理ができる場合がある。そこで、水分量の監視は、例えば、30秒間、1分間、5分間、10分間、15分間等、一定時間の平均値に基づいて行ってもよい。また、前記監視は、計測時における実際の計測結果と対比して観察することによってもよい。なお、特定の平均値の観測に限定されず、前記監視は、複数の条件の各平均値を対比することによるものでもよい。そのため、本装置10の表示情報は、例えば、水分計による計測値並びに30秒間、1分間、5分間、10分間及び15分間の各平均水分量に関する情報としてもよく、実情に応じて、これらの一部としてもよく、時間の設定を任意に設定してもよい。なお、前記平均水分量の算出は、例えば、前述のとおり、水分計による計測情報から異常な情報等の不要データを除去した上で行われる。
【0028】
情報取得部11は、有効範囲情報及び材料情報の少なくとも一方を含む算出条件情報を取得し、表示情報生成部12は、前記算出条件情報を適用して前記バイオマス燃料の水分量算出を行い、前記水分量算出に基づく表示情報を生成するようにしてもよい。前記算出条件情報は、前記バイオマス燃料の水分量の監視に適した水分量算出の条件に関する情報であり、前記条件情報を適用した水分量の算出は、例えば、ユーザの指定によって、水分計による計測情報の有効範囲を指定して、前記有効範囲から外れた情報を水分量の計算に使用しないというものである。
【0029】
前記有効範囲情報は、水分量算出のために使用可能な前記計測情報の有効範囲を指定する情報である。前記計測情報には、水分量算出に適さない数値が含まれることがあることは前述のとおりである。本装置10は、前記適さない数値を除去して、水分量の算出を行うものとすることができるが、水分量監視の実情から、上限値及び下限値等の有効範囲を任意に設定することも可能である。この場合、表示情報生成部12は、情報取得部11が取得した有効範囲情報に係る算出条件情報に基づき、指定された上限値及び下限値を適用して、水分量を算出して表示情報を生成する。また、前記有効範囲情報の取得は、例えば、ユーザの入力によって行われるが、これに限定されず、例えば、バイオマス燃料の材料の選定に伴い、情報取得部11は、選定された材料に応じた前記有効範囲情報を取得するようにしてもよく、ユーザの入力と併用してもよい。
【0030】
前記燃料種類情報は、前記バイオマス燃料の種類に関する情報である。前述のとおり、バイオマス燃料には、様々な種類があり、それぞれ水分量や性状が異なる。そこで、前記バイオマス燃料の種類に関する情報とともに、水分量に関する情報を監視することは、バイオマス燃料の水分量の管理に有用である。また、本装置10は、例えば、種類に応じた表示方法や計測情報の有効範囲の設定を行ってもよい。前記表示方法は、具体的には、例えば、表示画面に種類名を表示し、材料名の表示部分と経過情報を示すグラフの背景色を同じ色で表示するようにし、表示情報生成部12は、前記内容の表示情報を生成する。前記有効範囲の設定は、前述のとおりである。なお、前記燃料種類情報の取得は、例えば、ユーザの入力によって行われるが、これに限定されず、例えば、発電装置の燃料搬送部での燃料切替操作等に基づき、切替装置から情報取得部12に前記材料情報が送信される方法によるものでもよい。
【0031】
前記情報取得部11は、表示設定情報を取得し、前記表示情報生成部12は、前記表示設定情報に基づく表示情報を生成するようにしてもよい。前記表示設定情報は、前記情報出力部が出力する前記表示情報の表示方法を設定する情報である。前記表示方法の設定内容は、例えば、表示する平均水分量の選択、特定の時刻における水分量の表示、表示画面に表示される一部の情報の非表示、表示する時間帯の設定等である。本装置10の情報出力部13による表示情報に基づく表示画面には、例えば、測定情報の推移のグラフ、30秒間、1分間、5分間、10分間、15分間の各平均水分量の推移のグラフが重ねて表示され、それとは別に、測定情報の推移のグラフと前記各平均水分量のうち選択された代表的な平均水分量(例えば、10分間の平均水分量)の推移のグラフとが重なったものが表示される。そこで、例えば、ユーザの指定により、代表的な平均水分量の選択を変更することができる。例えば、前記グラフの任意の位置にマウスポインタを合わせることで、合わせた時刻の水分量が表示される。例えば、すべての平均水分量が重ねて表示されたグラフを非表示にすることができる。例えば、過去24時間分のグラフが表示されていた状態から、最後の5分間のみの表示に切り替えることができる。前記表示方法の設定内容は、これに限定されず、例えば、表示される色の設定、字体の変更、線の太さの変更等、任意の設定を加えてもよい。なお、前記表示設定情報は、例えば、マウスポインタの移動、表示画面上でのクリック、入力画面への入力等、ユーザによる専用画面の操作等によって行われるが、これに限定されない。
【0032】
以下、本実施形態の本装置10を使用したバイオマス燃料水分量モニタリング方法の具体的な流れを、
図4から
図6を使用して説明する。なお、以下の説明は、処理の流れを説明する一例であり、本発明のバイオマス燃料水分量モニタリング装置及びバイオマス燃料水分量モニタリング方法は、これに限定されない。
【0033】
本装置10とバイオマス燃料に接触させた水分計及びユーザが使用する専用端末とは、例えば、電気通信回線網を介して接続される。まず、本装置10の情報取得部11は、前記水分計から、随時、測定したバイオマス燃料の水分量の測定結果である測定情報を取得する。つぎに、表示情報生成部12は、前記測定情報に基づき、随時、水分量の情報を観測するための表示情報を作成する。そして、情報出力部13は、電気通信回線網を介して、前記表示情報を前記専用端末に出力する。ユーザは、前記専用端末に表示された専用画面を用いて、バイオマス燃料の水分量に関する情報を観測し、必要な操作を行う。そこで、以下、前記専用画面における表示及び操作について説明する。
【0034】
図4は、本実施形態の本装置10に係る前記専用画面の一例を示す参考図である。なお、説明のために各欄には、(A)から(O)までの符号を付している。(A)は、現在の水分計による計測情報である。(B)は、現在の選択された平均水分量である。(C)は、選択された平均水分量設定の表示である。(D)は、選択されたバイオマス燃料の種類の表示である。(E)は、前記種類の区分の表示である。(F)は、バイオマス燃料の種類の選択変更及び平均水分量の選択変更のボタンである。(G)は、前記計測情報及び選択された平均水分量の推移を示すグラフである。(H)から(L)は、本装置10における各平均水分量の表示である。(M)は、設定された計測情報の有効範囲の表示である。(N)は、前記有効範囲の設定変更のボタンである。(O)は、図では線が不足しているが、計測情報及びすべての平均水分量の推移を示したグラフである。水分計は、継続的にバイオマス燃料の水分量の計測を行い、前述のとおり、電気通信回線を介して、本装置10に随時計測情報を送信し、本装置10による前記計測情報の取得の都度、前記専用画面の表示は更新され、
図4のように表示される。前記専用画面において、(N)のボタンをクリックすると、前記有効範囲の設定変更の画面が表示され、(F)のボタンをクリックすると、バイオマス燃料の種類の選択変更及び平均水分量の選択変更の画面が表示される。
【0035】
図5は、計測情報の有効範囲の設定変更の画面である。この画面は、
図4の(N)のボタンをクリックすると表示される。左側が操作前のもので、右側が操作後のものである。左側上部に、上限値及び下限値の数値を入力し、真ん中のボタンをクリックすると、右側下部のように、上限値及び下限値の設定が反映され、
図4の(M)の部分に反映される。前記設定がされると、平均水分量の計算において、設定した範囲外の計測情報は、特異な情報として除去して、水分量の計算が行われる。したがって、
図4の専用画面において、前記設定が行われた時刻以降の水分量の数値及びグラフは、前記有効範囲を反映した数値に基づくものが表示される。
【0036】
図6は、バイオマス燃料の種類の選択変更及び平均水分量の選択変更の画面である。この画面は、
図4の(F)のボタンをクリックすると表示される。左側は、操作前の画面である。0から4までの数字が表示されたボタンは、バイオマス燃料の種類の選択変更のボタンである。前記ボタンのいずれかをクリックすると、
図4の(D)欄は、対応するバイオマス燃料の種類の表示に変更される。また、水分量のデータは、対応するバイオマス燃料の種類毎の水分量データとして保存される。また、前記(D)欄の背景色は、対応する材料毎に定めてもよく、変更された時刻以降の
図4の(G)欄及び(O)欄の背景色もこれと同じ色にするものとしてもよい。左側の下部のボタンは、平均水分量の選択ボタンである。前記選択ボタンをクリックすると、右側下部のように平均水分量に係る時間の候補を示すサブメニューが表示され、クリックした時間の平均水分量が選択した平均水分量に変更される。これによって、
図4の(B)欄及び(C)欄が、選択された平均水分量に対応する表示に変更され、
図4の(G)欄のグラフが、計測データ及び新たに選択された平均水分量の推移のグラフに変更される。なお、
図4の(H)欄から(L)欄の数字の色を個別に定めて、対応するグラフもそれぞれ同じ色として、
図4の(B)欄及び(G)欄も同様に、対応する前記(H)欄から(L)欄の対応する色に合わせることで、選択された平均水分量を把握しやすくしてもよい。なお、
図6において、「投入資材」は、バイオマス燃料を意味する。
【0037】
本実施形態のバイオマス燃料水分量モニタリング装置は、水分計が計測した計測情報に基づき、バイオマス燃料の水分量を適切に表示することができ、さらに、必要な設定を行い、実態に合致した水分量の監視が可能である。このため、例えば、バイオマス燃料の水分量の繊細な管理が要求されるバイオマス発電に有用である。
【0038】
[実施形態2]
実施形態2は、水分量計測装置を含むバイオマス燃料水分量モニタリングシステムに関するものである。
【0039】
本実施形態のバイオマス燃料水分量モニタリングシステム(以下「本システム」ともいう。)について、
図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態の本システムの一例の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態の本システムは、実施形態1の本装置10に、電気通信回線網を介して、水分量測定装置20を接続したものである。したがって、実施形態1の本装置10において、外部装置である水分計を組み込んだシステムであること以外の構成は、実施形態1の本装置10と同様であり、その説明を援用できる。
【0040】
前記水分量計測装置20は、例えば、接触式マイクロ波水分計である。水分量計測装置20となる水分計には、赤外線式、電気抵抗式、マイクロ波式等の種類があり、非接触型のものや接触型のものがある。バイオマス燃料の水分量の常時監視には、接触式マイクロ波水分計が好ましいが、前記水分量計測装置20は、これに限定されないことは、実施形態1の本装置10における水分計と同様である。
【0041】
つぎに、本実施形態の本システムを用いたバイオマス燃料水分量モニタリング方法は、バイオマス燃料の水分量の計測を、本システムを構成する前記水分量計測装置20が行うこと以外は、実施形態1の本装置10を用いたバイオマス燃料水分量モニタリング方法と同様である。つまり、まず、前記水分量計測装置20は、バイオマス燃料の水分量を計測する(水分量計測工程)。つぎに、本装置10の情報取得部11は、電気通信回線網を介して、前記水分量計測装置が計測した情報を計測情報として取得する(S1、情報取得工程)。つぎに、表示情報生成部12は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成する(S2、水分量情報生成工程)。そして、情報出力部13は、前記水分量情報を出力する(S3、情報出力工程)。本装置10に関するその他の説明は、実施形態1における説明と同様であるので、その説明を援用できる。
【0042】
本実施形態の本システムによる効果は、実施形態1の本装置10の場合と同様である。
【0043】
[実施形態3]
実施形態3は、実施形態2のバイオマス燃料水分量モニタリングシステムを含むバイオマス発電システムに関するものである。
【0044】
本実施形態のバイオマス発電システムについて、
図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態のバイオマス発電システムの構成を示すブロック図である。
図8に示すように、本実施形態のバイオマス発電システムは、実施形態2のバイオマス燃料水分量モニタリングシステムの構成(本装置10、水分量計測装置20)に加えて、発電装置30を含む。前記発電装置の構成は、例えば、燃料搬送部31及び発電部32を含む。実施形態1の本装置10は、電気通信回線網を介して前記水分量計測装置と接続され、前記水分量計測装置20は、前記発電装置30の前記燃料搬送部31に設置されている。
【0045】
前記発電装置30は、例えば、燃料搬送部31においてバイオマス燃料を搬送し、発電部32にバイオマス燃料が投入され、発電部32においてバイオマス燃料を燃焼し、発生した熱を利用して、発電機のタービンを回して発電を行う。なお、実施形態2のバイオマス燃料水分量モニタリングシステムを利用できるものであればよく、発電装置の構成等は限定されない。バイオマス燃料の水分量測定は、前記バイオマス燃料が前記発電部32に投入される前に行う必要があるため、前記燃料搬送部31での搬送中に実施されることが好ましい。そこで、前記水分量計測装置20は、前記燃料は総部31に設置される。これによって、バイオマス燃料の前記発電部32への投入前の水分量の状態を監視しながら、発電を行うことができる。本実施形態のバイオマス発電システムにおける本装置10は、実施形態1のものと同様であり、水分量測定装置20は、実施形態2のものと同様であるので、これらの構成は、前述の説明を援用できる。
【0046】
つぎに、本実施形態のバイオマス発電方法の一例を説明する。本実施形態のバイオマス発電方法は、実施形態2のバイオマス燃料水分量モニタリング方法の各工程に、発電装置による発電工程を加えたものである。つまり、まず、前記水分量計測装置20は、燃料搬送部31に設置され、バイオマス燃料の水分量を計測する(水分量計測工程)。つぎに、本装置10の情報取得部11は、電気通信回線網を介して、前記水分量計測装置が計測した情報を計測情報として取得する(S1、情報取得工程)。つぎに、表示情報生成部12は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成する(S2、水分量情報生成工程)。つぎに、情報出力部13は、前記水分量情報を出力する(S3、情報出力工程)。以上の各工程のその他の説明は、実施形態1及び実施形態2における各工程と同様であるので、その説明を援用できる。そして、以上の各工程によって、バイオマス燃料の水分量を監視しながら、発電装置30による発電が行われる。前記発電装置30の燃料搬送部31において、前記水分量計測装置20が水分量の計測を行ったバイオマス燃料を、発電部32に投入し、前記発電部32において、前記バイオマス燃料を用いて、発電を行う(発電工程)。
【0047】
以下、本実施形態のバイオマス発電システムを使用したバイオマス発電方法の具体的な流れを説明する。なお、以下の説明は、処理の流れを説明する一例であり、バイオマス発電システム及びバイオマス発電方法は、これに限定されない。まず、前提として、発電装置30の燃料搬送部31において発電部32に投入される前のバイオマス燃料が搬送され、前記燃料搬送部31によって、前記バイオマス燃料は、前記発電部32に投入される。前記発電部32は、例えば、投入された前記バイオマス燃料を燃焼し、その熱を利用して、発電機のタービンを回して発電する。そこで、バイオマス燃料の水分量計測を行う水分量計測装置20は、前記燃料搬送部31に設置される。本装置10と前記水分量計測装置20及びユーザが使用する専用端末とは、例えば、電気通信回線網を介して接続されている。前記水分量計測装置20が計測した計測情報は、順次、電気通信回線網を介して本装置10に送信される。その後の表示情報の生成及び出力並びにユーザが使用する専用端末での表示及び操作については、実施形態1での説明と同様である。以上の方法により、バイオマス燃料の水分量の管理をしながら、前記燃料搬送部31は、前記水分量計測装置20によって水分量の測定がされた前記バイオマス燃料を前記発電部32に投入する。前記発電部32は、例えば、投入された前記バイオマス燃料を燃焼し、その熱を利用して、発電機のタービンを回して発電する。
【0048】
本形態のバイオマス発電システムによれば、前述のとおり、バイオマス燃料の水分量を適切に管理しながら、発電を行うことが可能である。
【0049】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前述のバイオマス燃料水分量モニタリング方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、例えば、情報取得手順、表示情報生成手順、及び情報出力手順を実行させるためのプログラムである。
【0050】
前記情報取得手順は、水分計によるバイオマス燃料の水分量の計測情報を取得し、
前記表示情報生成手順は、前記計測情報に基づき、表示情報を生成し、
前記情報出力手順は、前記表示情報を出力する。
【0051】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、例えば、情報取得手順、表示情報生成手順、及び情報出力手順として機能させるプログラムということもできる。
【0052】
本実施形態のプログラムは、前記本発明のバイオマス燃料水分量モニタリング装置及びバイオマス燃料水分量モニタリング方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリ(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリ、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0053】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、バイオマス燃料の水分量を適切に表示することができ、さらに、必要な設定を行い、実態に合致した水分量の監視が可能である。また、本発明の利用によって、バイオマス燃料の水分量を適切に管理しながら、発電を行うことが可能である。このため、本発明は、例えば、バイオマス燃料の水分量の繊細な管理が要求されるバイオマス発電に有用である。
【符号の説明】
【0055】
10 バイオマス燃料モニタリング装置
11 情報取得部
12 表示情報生成部
13 情報表示部
20 水分量測定装置
30 発電装置
31 燃料搬送部
32 発電部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス