(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110877
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】配管などの洗浄方法及び洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 9/045 20060101AFI20240808BHJP
B08B 5/02 20060101ALI20240808BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240808BHJP
E21B 37/08 20060101ALI20240808BHJP
F16L 55/24 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B08B9/045
B08B5/02 Z
B08B3/02 F
E21B37/08
F16L55/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015738
(22)【出願日】2023-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】500231207
【氏名又は名称】VEEma株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 民枝
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA12
3B116AA38
3B116AB53
3B116BB23
3B116BB43
3B116BB54
3B116BB62
3B116BB88
3B201AA12
3B201AA38
3B201AB53
3B201BB23
3B201BB43
3B201BB54
3B201BB62
3B201BB88
3B201BB92
(57)【要約】
【課題】 所々に屈曲部又は湾曲部を有す配管の内周面に付着した汚れを洗浄する洗浄装置の提供。
【解決手段】 細長い高圧ホース3の先端には配管内を導くために屈曲又は湾曲することが出来るスズランノズル2を連結し、該スズランノズル2の後方に位置する高圧ホース3の途中には無数の微細なバブルを生成することが出来るバブル生成器9を連結し、上記高圧ホース3には高圧水を供給して高圧ホース3の先端に設けた逆噴射ノズル7から高圧水を噴射する為のポンプを備え、上記微細なバブルと共に逆噴射ノズル7から噴射して付着した汚れを剥がして除去するように機能する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所々に屈曲部又は湾曲部を有す配管の内周面に付着した汚れを洗浄する方法において、細長い高圧ホースの先端には配管内を導くために屈曲又は湾曲することが出来るガイドを連結し、該ガイドの後方に位置する高圧ホースの途中には無数の微細なバブルを生成することが出来るバブル生成器を連結し、上記高圧ホースには高圧水を供給して高圧ホースの先端に設けたノズルから高圧水及び微細なバブルを噴射し、微細なバルブは噴射と共に膨張して付着した汚れを剥がして除去するように機能することを特徴とする配管の洗浄方法。
【請求項2】
上記ガイドとして、複数のスズランをピンを介して屈曲可能に連結した請求項1記載の配管の清浄方法。
【請求項3】
ホース先端に設けて高圧水を噴射するノズルとして、後方外方向へ噴射する逆噴射ノズルを高圧ホースの先端に連結した請求項1、又は請求項2記載の配管の洗浄方法。
【請求項4】
深井戸管の内周面に付着した汚れ、また深井戸管のストレーナに形成される穴や隙間に詰まった汚れを除去する方法において、地上には高圧水を発生する高圧洗浄車を配置し、該高圧洗浄車から高圧水ホースを延ばして深井戸内に挿入し、高圧水ホースの先端には洗浄装置を連結すると共に、該洗浄装置に設けた噴射ノズルから高圧水を回転しながら噴射し、同時に上記高圧水ホースにバルブ発生器を接続し、噴射ノズルから高圧水と共に微細なバルブを噴射し、微細なバルブは噴射と共に膨張して付着した汚れを剥がして除去するように機能することを特徴とする深井戸管の洗浄方法。
【請求項5】
所々に屈曲部又は湾曲部を有す配管の内周面に付着した汚れを洗浄する洗浄装置において、細長い高圧ホースの先端には配管内を導くために屈曲又は湾曲することが出来るガイドを連結し、該ガイドの後方に位置する高圧ホースの途中には無数の微細なバブルを生成することが出来るバブル生成器を連結し、上記高圧ホースには高圧水を供給して高圧ホースの先端に設けたノズルから高圧水を噴射する為のポンプを備え、上記微細なバブルと共にノズルから噴射して付着した汚れを剥がして除去するように機能することを特徴とする配管の洗浄装置。
【請求項6】
深井戸管の内周面に付着した汚れ、また深井戸管のストレーナに形成される穴や隙間に詰まった汚れを除去する洗浄装置において、地上には高圧水を発生する高圧洗浄車を配置し、高圧洗浄車から高圧水ホースを延ばして深井戸内に挿入し、高圧水ホースの先端には洗浄装置を連結すると共に、該洗浄装置に設けた噴射ノズルから高圧水を回転しながら噴射するように構成し、同時に上記高圧水ホースにバルブ生成器を連結し、噴射ノズルから高圧水と共に微細なバルブを噴射し、微細なバルブは噴射と共に膨張して付着した汚れを剥がして除去するように機能することを特徴とする深井戸管の洗浄装置。
【請求項7】
上記バブル生成器に地上まで延びる細長いエアーチューブを連結し、該エアーチューブを介して大気中のエアーを取り込むようにした請求項6記載の深井戸管の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細なバブルを含んだ高圧水を噴射することで深井戸管及び一般の配管に付着した汚れを除去する洗浄方法及び洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本国内には推計で100万本以上(厚生労働省水道課調べ)の深井戸が設けられているが、この深井戸管のストレーナは目が細かくて泥や砂、サビ、水藻等の異物が付着して目詰まりを発生する。その結果、水が上がり難く、深井戸としての機能を失ってしまう。 目詰まりは毎日使用されている深井戸は比較的少ないが、例えば消雪用としての深井戸の場合であれば1年のうち冬期だけ使用する為に、水を使用しない期間に深井戸管内に泥やその他の異物が付着するといった現象が発生する。
【0003】
付着した泥等の異物は固まり、使用する時には目詰まりを起こして水が上がりにくくなる。それを繰り返して長年経過した後で、水圧が弱くなったところでストレーナの洗浄が行なわれて来ている。
しかし、従来の深井戸管内のストレーナの洗浄方法として、ワイヤーブラシを上下に動かして洗浄したり、或は深井戸管内に差し水を行なってポンプで上下に移動し、水圧により洗浄を行うことが出来る。
【0004】
ワイヤーブラシでストレーナ面を擦ったり又は差し水を上下方向に移動するだけでは、該ストレーナの奥深くまで入り込んでいる泥やその他の異物を取除くことが出来ない。その為に、近年では高圧水を噴射させながら回転することが出来る噴射ノズルを備えた洗浄装置を用いている。
特開2002-192094号に係る「深井戸管内の洗浄方法及び洗浄装置」は、深井戸の内面に付着した泥やその他の異物を、簡単にしかも効率よく取除くことが出来る洗浄方法であり、超高圧水ホースの先端に洗浄装置を連結し、該ホースと共に洗浄装置を深井戸に降ろし、洗浄装置に備えている噴射ノズルから超高圧水を回転しながら噴射することで付着している汚れを除去することが出来る。
【0005】
ところで、従来の一般的な井戸管は一部に網目状をしたストレーナが設けられ、このストレーナ部分から集水することが出来、該ストレーナに付着した泥や異物は噴射ノズルから噴射する高圧水を当てることでほぼ除去することは出来る。
しかし、深井戸管内に洗浄装置を下ろして高圧水を噴射ノズルから噴射しても、ストレーナに付着した汚れを完全に除去することが出来ない場合がある。
一方、水を汲み上げる為の井戸管の他に、水道管や下水管、及びガス管などの一般的な配管も、長期間の内に内面に汚れが付着し、この汚れを洗浄することが必要になる。
【特許文献1】特開2002-192094号 に係る「深井戸管内の洗浄方法及び洗浄装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、深井戸管内に付着した汚れを除去する洗浄方法及び洗浄装置には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、付着した汚れをほぼ完全に除去することが出来る洗浄方法及び洗浄装置を提供する。そして、本発明が対象とする被洗浄物は深井戸管の他に水道管や下水管、及びガス管などの一般的な配管の内面に付着している汚れの洗浄も含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る洗浄方法は、深井戸管、水道管、下水管、又はガス管などに洗浄装置を挿入し、洗浄装置から噴射する高圧水によって内面に付着及び固着している汚れを除去することが出来るように構成している。洗浄装置は高圧ホース先端に取付けられ、該高圧ホースは高圧水を発生するポンプや高圧洗浄車から延び、高圧ホースを流れて洗浄装置に高圧水が送られる。
高圧水は洗浄装置の噴射ノズルから噴射するが、洗浄装置の具体的な構造、及び噴射ノズルの具体的な構造に関しても限定しない。
【0008】
すなわち、洗浄する配管の種類によって洗浄方法は異なり、例えば深井戸管の場合であれば、高圧ホースの先端に取付けられる洗浄装置は噴射ノズルから高圧水を噴射すると共に、噴射の反力によって回転することが出来るように構成している。
一方、一般的な配管は所々に屈曲部及び湾曲部を有し、高圧ホースの先端には屈曲部や湾曲部を進むことが出来るように先端には屈曲・湾曲可能なガイドを有している。
そして、本発明では噴射する高圧水の中に微細なバブル(マイクロバルブ)が混在するように、バブル生成器を高圧ホースに接続している。
【0009】
微細バブル(マイクロバブル)を生成する方法は色々あり、本発明では微細バブルの具体的な方法は限定しないが、高圧水の中に混在する微細バブルは圧縮されてさらに微細化する。
そして、より微細化したマイクロバルブは噴射ノズルから噴射すると、大気中に放出されて微細バルブは膨張する。配管の内面に固着した汚れは、噴射する高圧水が当たることで除去され、同時に固着した汚れの隙間に侵入した微細バルブが膨張する作用によって、該汚れは剥がれ落ちる。
【0010】
今日では色々なバブル生成器が市販されているが、本発明は該バブル生成器の具体的な構造は限定しない。
バブル生成法としては、例えば加圧溶解法、キャビテーション法、せん断力利用法、ベンチュリー法、さらにスタティックミキサー法など、色々知られている。
これら、バブル生成法を具現化したバブル生成器を高圧水が流れる高圧ホースの途中に接続して設けられ、生成される微細バブルは高圧水の中に混在して噴射のノズルから噴射する。
【0011】
バブルといってもその大きさは色々であり、比較的大きなバブルはすぐに消えてしまうが、非常に小さな微細バブルは長く存続する。
高圧水に混在する微細な無数のバブルは高い水圧の作用で圧縮され、噴射ノズルから高圧水と共に噴射するならば、バブルは放出されることで膨張して大きくなり、本発明はバブルの膨張作用を利用して固着した汚れを剥がし落す。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る洗浄装置は高圧ホースの先端に噴射ノズルを有し、噴射ノズルから高圧水を噴射することで深井戸管などの配管内面に固着している汚れを除去することが出来る。 すなわち、高圧水は噴射ノズルから勢いよく噴射して配管の内面に当たり、固着している汚れを除去することが出来る。
そして、噴射する高圧水には無数の微細バブルが含まれて小さく圧縮され、この高圧水が噴射ノズルから噴射することで大気中に放出される。その結果、圧縮されている微細バルブは大きく膨張し、この膨張に伴って固着している汚れは剥がれ落ちる。
【0013】
バブル生成器は高圧ホースの途中に接続され、ポンプ又は高圧洗浄車から送られて高圧ホースを流れる高圧水に混入し、微細バブルを含有した高圧水が噴射ノズルから噴射される。すなわち、高圧洗浄車などから送られる高圧水に無数の微細バルブを簡単に含有することが出来、勢いよく噴射する高圧水の配管内周面への衝突と微細バルブの膨張作用で、内面に固着している汚れを残すことなく効率よく除去することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】屈曲又は湾曲する配管に挿入して付着した汚れを落としている洗浄する洗浄装置の具体例。
【
図4】深井戸管に下ろして洗浄する洗浄装置の具体例。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明に係る配管洗浄装置1を示す実施例である。同図の2はスズランノズル、3はホースを表し、上記スズランノズル2は湾曲可能なホース3の先端に取付けられ、水道管や下水管、又はガス管などで屈曲して延びる細い配管に進入することが出来る。その為に、先端に取付けられるスズランノズル2は、ピン4,4・・・を介して屈曲する複数のスズラン5,5・・・が連結し、ホース3を先端方向に押すならば屈曲する配管内を前進することが出来る。
すなわち、スズランノズル2は各スズラン5,5・・・が屈曲して向きを変えてガイドし、屈曲する配管を前進する。
【0016】
上記スズランノズル2の先端に連結されるスズラン5の頭部は滑らかな曲面6を成し、屈曲する配管をスムーズに前進することが出来る。そして、スズランノズル2の後方端、すなわち、ホース3の先端には逆噴射ノズル7が取付けられ、該逆噴射ノズル7のノズルからは、ホース3を流れる高圧水が噴射する。
図2は
図1のA-A断面拡大図であり、周囲の4か所には小さい穴を形成したノズル8,8・・・を設けている。
【0017】
上記各ノズル8,8・・・から高圧水が噴射するが、噴射方向は先端方向ではなく後方のホース側であり、しかも外方向へ傾斜して噴射する。すなわち、後方外方向に向いて高圧水が噴射し、その結果、噴射する高圧水は配管の内面に当り、付着及び固着している汚れを洗い落とすことが出来る。
高圧水の噴射によって固着している汚れは殆ど除去されるが、時には高圧水の噴射だけでは除去出来ない汚れもあり、その為に本発明では高圧水に無数の微細バブルを含有し、高圧水と共に微細バブルを噴射することが出来る。
【0018】
そこで、本発明の洗浄装置はバブル生成器をホース3に備えている。
バブルを生成する方法は色々と知られており、本発明では具体的なバブル生成方法に関しては限定しない。例えば加圧溶解法、キャビテーション法、せん断力利用法、ベンチュリー法、さらに、スタティックミキサー法などが実用化されている。
【0019】
マイクロバブルの生成に関しては数多くの文献があり、例えば日本マリンエンジニアリング学会誌 第46巻 第6号の「マイクロ/ナノバルブの基礎」に掲載されている。
(1)加圧溶解法
ポンプ上流側に設置されたエジェクターにより自吸された気体が数気圧程度の吐出圧を有するポンプにより加圧容器内で高濃度溶解し、下流域に設置されたノズルで急減圧されることによって溶解気体をマイクロバルブ(MB)/ナノバブル(NB)として析出させることが出来る。この方法は高濃度のMBを大量に発生できる利点がある。
【0020】
(2)キャビテーション法
流路を急激に拡大させたり、障害物に当てたりすると、その背後で境界層が剥離し負圧領域が形成される。この負圧がある限界値を超えると、流体の分子間力に打ち勝って空洞が発生する。これがキャビテーションであり、この空洞からMB/NBが生成される。
【0021】
(3)流れのせん断力を利用する方法
ノズル内部の狭隘部を通過した流体が拡大部で渦流れを発生させ、強い剪断場を形成する。これを利用して、自吸した気体を微細化しMB/NBを生成させる。この方法は一般にはコンパクト型であり,高濃度のMB/NBを大量に必要としない場合に適している。
【0022】
(4)流れのせん断力を利用する方法
円筒容器の底部より円筒の接線方向に沿って流体を導入すると、容器内に旋回流が発生する。この旋回流の中心は安定した負圧領域となっており、気体は円筒容器頂部から自吸され、旋回流の中心線に沿って気柱を形成する。円筒底部に同心状に設けられた出口孔を出た流体は、出口付近で大きな循環を伴う二次流れ(せん断場)を形成する。気柱はこの剪断流れにより微細化されMBを生成する。
【0023】
(5)スタティック・ミキサー方式
内部に強い旋回流を発生させるガイドベーンあるいはスクリューと内壁にキノコ状突起列(カレントカッター)を有する特殊構造のノズルに流入した気液混合流体(または気体が高濃度に加圧溶解した流体)は強い剪断場と大きな負圧によるキャビテーションと衝撃波等により,MBを生成する.このように作成されたMB水を,さらに装置内部に組み込まれた装置を用いて高速旋回させることで,MBをせん断処理しNBを発生させることができる。
【0024】
(6)ベンチュリー方式
ベルヌーイの法則により,流れが高速となるベンチュリー喉元部で負圧が発生する。この負圧を利用して気体を自吸させ、ディフューザ部で発生する剪断力によりMBを発生させる。二相ベンチュリー方式では、ベンチュリー喉元で気液混合流体を臨界速度(音速)近くまで高め、圧力が回復するディフューザ部で発生する衝撃波を利用して気泡を粉砕し、MB化する。
【0025】
図1において、9はバブル生成器であり、ホース3の途中に接続され、該ホース3を流れる高圧水にバブル生成器9にて生成されたバブルが混ざり合い、高圧水と共に流れて逆噴射ノズル7のノズル8,8・・・から噴射することが出来る。
ホース3を流れる高圧水に大気中の空気が引き込まれて微細なバブルとなり、上記逆噴射ノズル7のノズル8,8・・・から噴射される。
【0026】
図3は深井戸管10に洗浄装置11を降ろして深井戸管内面に付着した汚れを落としている洗浄作業を示している。地上に停車している高圧洗浄車のドラムに巻付いている高圧水ホース12を巻き戻し、深井戸の真上から深井戸管内に真っ直ぐに降ろされる。
ここで、超高圧洗浄車に搭載しているポンプの性能は特に限定しないが、例えば、次のような性能を備えたポンプを用いることが出来る。
最高圧力:41.5MPa(423kg/cm
2)
常用圧力:35.5MPa(362kg/cm
2)
排出水量:115.0リットル/分
【0027】
そして、高圧水ホース12の下端には洗浄装置11が取付けられ、該洗浄装置11には回転する噴射ノズルが備わっていて、深井戸管内面に高圧水を噴射することで付着している汚れを洗い落とすことが出来る。一般に洗浄作業は上記洗浄装置11を深井戸管10の底に降ろした状態で、底から上方に吊上げながら行う。これは深井戸管10の一部が損傷している場合に、底から上方へ吊上げながら洗浄作業を行なう方がトラブルは少なくて済む。
【0028】
深井戸管10の適当な位置にはストレーナ13が設けられ、該ストレーナ13を通して地下水が深井戸管内に流れ込んで溜まる。ストレーナ13は周面に多数の穴14,14・・・を有す筒と、該筒の外周には上下方向に延びている複数本の枕線を等間隔で設け、さらに、枕線の外周には巻き線が間に僅かな隙間を残して捲き付けされている。
【0029】
地下水は該ストレーナ13に形成している穴14,14・・・や僅かな隙間を通過して深井戸管内に流れ込むことが出来る。深井戸管10の内周面及びこの一部に設けているストレーナ13には特に汚れが付着し、巻き線の僅かな隙間及び小さな穴14,14・・・には泥や砂が詰まってしまい、地下水がストレーナを通過して深井戸内に流れ込むことが出来ないようになる。そこで、本発明の洗浄装置11は深井戸管10の内周面に付着した汚れは勿論、ストレーナ13の穴14,14・・・及び巻き線の隙間に詰まった泥や砂を除去することが出来る。
【0030】
図4は本発明の洗浄装置11を示している実施例である。洗浄装置11は高圧水ホース12の下端に連結されている。
同図に示す洗浄装置11には外方向へ延びる4本の噴射ノズル15,15・・・が取付けられている。噴射ノズル15,15・・・は高圧水ホース12の下端に設けている回転体16に取付けられて外方向へ延びている。回転体16の内部には高圧水が流れる流通穴が設けられ、これら流通穴の先端に噴射ノズル15,15・・・が連結して高圧水を噴射することが出来る。
【0031】
ここで、噴射ノズル15,15・・・は回転体16の中心を通過して同一線上に位置しているが、途中で屈曲して回転体16の中心から位置ズレしている。
その為に、噴射ノズル15,15・・・から噴射する高圧水の反力により回転体16には回転トルクが発生する。従って4本の噴射ノズル15,15・・・は回転しながら高圧水を噴射して深井戸管内面に万遍なく吹き付けることが出来る。
【0032】
ところで、洗浄装置11は前記
図3に示すように深井戸管10の奥深くヘ降ろされ、高圧水を噴射ノズル15,15・・・から噴射しながら回転することで管内面及びストレーナ13の穴14,14・・・に詰まっている汚れを除去することが出来る。また、図示していないが洗浄装置11にガイド板を取付けて位置決めされ、さらに、噴射する高圧水がガイド板に当たって上方及び上方へは上がらないようにすることも出来る。
【0033】
ここで、本発明の洗浄装置11を構成する具体的な構造は前記
図4に示す場合に限定するものではない。そして噴射ノズル15の形態及び取付け方法も自由である。
このように、回転する噴射ノズル15,15・・・から高圧水を噴射することで、深井戸管の内面に付着した汚れはほぼ除去され、ストレーナ13の穴14,14・・・に詰まった汚れもほぼ除去される。
【0034】
本発明は、上記噴射ノズルから高圧水を噴射するだけでなく高圧水中には無数の微細なバブルが混在していて、高圧水と共にバブルが噴出する。その為に、高圧水ホース12の途中にバブル生成器17を連結している。噴出に際して微細なバブルは、大きな水圧から解放されることで膨張する。ストレーナ13の隙間に入ったバブルが膨張することで、固着している汚れは剥離して除去される。
すなわち、41.5MPa(423kg/cm2)~35.5MPa(362kg/cm2)の高圧水が噴射することで、微細なバルブは瞬時に膨張する。
【0035】
ここで、バブル生成器17は前記
図1に示したバルブ生成器9と同じように構成している。勿論、深井戸管10の内径は水道管やガス管に比べて大きく、その為にバルブ生成器17は比較的大きくすることが出来る。
高圧ホース12を流れる高圧水がバブル生成器17を通過することで。大気中の空気を引き込んで微細なバブルとなり、噴射ノズル15,15・・・から高圧水と共に噴射される。そして、バルブ生成器17が深井戸管10に満たされる水中に沈む場合には、大気中の空気を取り込む為に、細長いエアーチューブを連結し、該エアーチューブを介して大気中のエアーをバブル生成器17に取り込む。
【符号の説明】
【0036】
1 配管洗浄装置
2 スズランノズル
3 ホース
4 ピン
5 スズラン
6 曲面
7 逆噴射ノズル
8 ノズル
9 バブル生成器
10 深井戸管
11 洗浄装置
12 高圧ホース
13 ストイレーナ
14 穴
15 噴射ノズル
16 回転体
17 バルブ生成器