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特開2024-110881工場診断システム、データ収集送出装置、工場診断装置、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110881
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】工場診断システム、データ収集送出装置、工場診断装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240808BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015747
(22)【出願日】2023-02-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523041104
【氏名又は名称】株式会社エヌブリッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100087778
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 明夫
(72)【発明者】
【氏名】上田 晋作
(72)【発明者】
【氏名】野村 健二
(72)【発明者】
【氏名】奥田 聡彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】各機械の稼働状況や各作業者の作業状況を具体的に把握することにより工場全体の利益向上を図る。
【解決手段】機械及び設備が配置された工場を診断するシステム。作業者と機械又は設備との距離を検出して最寄りの機械又は設備を特定する直近特定手段11、機械が稼働か否かを検出する状態検出手段12、機械に対して担当作業者が関与可能な位置か否かを直近特定手段11の特定結果に基づいて判定する関与判定手段13、状態検出手段12の検出結果と関与判定手段13の判定結果に基づいて機械停止・担当作業者不在の第1状態、機械停止・担当作業者関与可の第2状態、機械稼働・担当作業者関与可の第3状態、機械稼働・担当作業者不在の第4状態、の何れであるかを識別する状態識別手段14、計時手段19、及び、状態識別手段14の識別結果と計時手段19の計時結果に基づいて工場の診断に寄与する評価値を算出する評価処理手段15、を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータを備えた工場診断システムであって、
作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段と、
機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段と、
機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段と、
前記状態検出手段の検出結果と前記関与判定手段の判定結果に基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段と、
前記第1~第4の各状態を機械毎に計時し、及び、各作業者の最寄りの機械又は設備を計時する計時手段と、
前記状態識別手段の識別結果と前記計時手段の計時結果に基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項3】
請求項2に於いて、さらに、
表示装置と、
前記評価処理手段が評価値として算出した前記第1~第4の各状態の前記所定期間内の各累積時間を、当該の各累積時間に基づく面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項4】
請求項2に於いて、
前記コンピュータは、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額と、当該の評価処理手段が算出した前記第1~第4の各状態の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項5】
請求項4に於いて、さらに、
表示装置と、
前記評価処理手段が評価値として算出した前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を、当該の各総価値金額に基づく面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項6】
請求項1に於いて、
前記状態識別手段は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、
前記評価処理手段は、前記第0、第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項7】
請求項6に於いて、さらに、
表示装置と、
少なくとも前記評価処理手段が評価値として算出した前記第0、第1~第4の各状態の前記所定期間内の各累積時間を、当該の各累積時間に基づく面積比で前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項8】
請求項1に於いて、
前記状態識別手段は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、及び、前記第4状態を、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間内に於いて関与不能な第4a状態と、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間外に於いて関与不能な第4b状態と、の何れかに持続的に識別し、
前記コンピュータは、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について算出するとともに、前記各状態の単位時間当たりの機械毎の価値金額と、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の機械毎の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項9】
請求項8に於いて、さらに、
表示装置と、
前記評価処理手段が評価値として算出した前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の前記所定期間内の価値金額を、当該の各価値金額に基づく面積比で前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項10】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、単位の各時刻に於ける機械毎の前記第1~第4の何れかの状態と、前記単位の各時刻に於ける各作業者の最寄りの機械又は設備とを、前記計時手段の計時を参照して前記状態識別手段から取得し、入力で指定された機械についての前記第1~第4の何れかの状態と当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備とを前記単位の時刻間の周期毎に対応付ける、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項11】
請求項10に於いて、さらに、
表示装置と、
前記指定機械についての前記第1~第4の状態と、当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備と、両者の対応関係とを、前記評価処理手段から取得して、時間軸に沿って並列したタイムチャートとして前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項12】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、入力で指定された機械所定の作業者の各最寄りの機械及び各最寄りの設備の所定期間内に於ける累積時間を各々算出し、
さらに、
表示装置と、
当該工場の各機械及び各設備の配置図を前記表示装置に表示し、該配置図上の各機械及び各設備の位置に、前記評価処理手段が算出した当該の機械及び設備の前記累積時間をヒートマップで表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項13】
請求項12に於いて、
前記評価処理手段は、前記各最寄りの機械及び各最寄りの設備の各累積時間を、前記指定された機械の状態別に各々算出し、
前記表示制御手段は、前記第1~第4の状態の何れかの中から指定された状態での前記累積時間をヒートマップで表示する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項14】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、前記状態識別手段の識別結果と前記計時手段の計時結果に基づいて各機械について所定期間内に於ける前記第1~第4の各状態の累積時間を各々求め、さらに、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和に基づいて定義され、当該累積時間の総和の割合が高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項15】
請求項14に於いて、
前記コンピュータは、前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の各々について、良否レベルを決定するための閾値を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、各機械について算出した前記人材充足度の値、段取り効率の値、人材効率の値、無人化度の値、及び、操業度の値を、各々の閾値と比較して良否レベルを各々決定し、
さらに、
表示装置と、
入力で指定された機械の前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の良否レベルを、前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項16】
作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段と、
機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段と、
機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段と、
前記機械の稼働と停止の各状態を機械毎に計時し、及び、各作業者の最寄りの機械又は設備を計時する計時手段と、
前記直近特定手段による特定結果、前記状態検出手段による検出結果、前記関与判定手段による判定結果、及び、前記計時手段による計時結果を収集して、所定のサーバ装置へ宛てて出力するデータ送出手段と、
を有することを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項17】
請求項16に於いて、
前記直近特定手段は、各作業者携帯用の発信機と、各機械及び各設備に設置されて前記発信機からの信号を受信する受信機と、前記データ収集送出装置が有するコンピュータの機能としての直近決定手段とを有し、
前記各発信機は、各々当該発信機を携帯する作業者の識別に利用可能な発信元識別情報を所定の送信電力で持続的に発信し、
前記各受信機は、受信した発信元識別情報及びその電界強度を示す電界強度情報に当該受信機が設置される機械又は設備の識別に利用可能な受信元識別情報を対応付けて前記直近決定手段へ送信し、
前記直近決定手段は、前記各受信機から入力される前記発信元識別情報と電界強度情報と受信元識別情報とに基づいて、各作業者の最寄りの機械又は設備を所定時間間隔で持続的に決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項18】
請求項17に於いて、
前記直近決定手段は、前記所定時間間隔で区切って成る各期間内で前記電界強度が最大の発信元識別情報に対応付けられる受信元識別情報が指示する機械又は設備を、当該発信元識別情報が指す作業者の最寄りの機械又は設備として決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項19】
請求項18に於いて、
前記直近決定手段は、前記電界強度が所定の閾値を越えていることを条件として最寄りの機械又は設備を決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項20】
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータを備えた工場診断装置であって、
請求項16のデータ収集送出装置から送出されるデータを入力するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した前記状態検出手段の検出結果と前記関与判定手段の判定結果とに基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段と、
前記データ取得手段が取得した前記計時手段の計時結果と、前記状態識別手段の識別結果とに基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段と、
前記サーバ評価処理手段による処理結果を、当該処理結果が基づくデータの送出元へ返信可能とし、当該処理結果に応じた処理を当該データ送出元にて実行可能とする処理結果返信手段と、
を有することを特徴とする工場診断装置。
【請求項21】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項22】
請求項20に於いて、
前記コンピュータは、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額と、当該の評価処理手段が算出した前記第1~第4の各状態の累積時間とに基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項23】
請求項20に於いて、
前記状態識別手段は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、及び、前記第4状態を、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間内に於いて関与不能な第4a状態と、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間外に於いて関与不能な第4b状態と、の何れかに持続的に識別し、
前記コンピュータは、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について算出するとともに、前記各状態の単位時間当たりの機械毎の価値金額と、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の機械毎の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項24】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、単位の各時刻に於ける機械毎の前記第1~第4の何れかの状態と、前記単位の各時刻に於ける各作業者の最寄りの機械又は設備とを、前記計時手段の計時を参照して前記状態識別手段から取得し、入力で指定された機械についての前記第1~第4の何れかの状態と当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備とを前記単位の時刻間の周期毎に対応付ける、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項25】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、入力で指定された機械所定の作業者の各最寄りの機械及び各最寄りの設備の所定期間内に於ける累積時間を、前記指定された機械の状態別に各々算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項26】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、前記状態識別手段140の識別結果と前記計時手段19の計時結果に基づいて各機械について所定期間内に於ける前記第1~第4の各状態の累積時間を各々求め、さらに、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和に基づいて定義され、当該累積時間の総和の割合が高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項27】
請求項26に於いて、
前記コンピュータは、前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の各々について、良否レベルを決定するための閾値を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、各機械について算出した前記人材充足度の値、段取り効率の値、人材効率の値、無人化度の値、及び、操業度の値を、各々の閾値と比較して良否レベルを各々決定する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項28】
コンピュータを、請求項1~15の何れかの工場診断システムの構成要素として機能させるためのプログラム。
【請求項29】
コンピュータを、請求項16~19の何れかのデータ収集送出装置の構成要素として機能させるためのプログラム。
【請求項30】
コンピュータを、請求項20~27の何れかの工場診断装置として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の関与を必要とする機械や作業者の行為に関連する設備が配置された工場を診断する工場診断システムと、工場の診断に必要なデータを収集してサーバ装置へ送るデータ収集送出装置と、データ収集装置から送られて来るデータを取得して工場の診断処理を行い、その診断結果をデータ送出元へ返す工場診断装置と、診断処理を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
作業者の関与を必要とする機械としては、例えば、旋盤やフライス等の金属加工機械のように、作業者による段取りや設定が必要な機械を挙げることができる。また、作業者の行為に関連する設備としては、例えば、資材/工具置き場、資材や製品等の検査室、休憩所や自販機等を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
作業者の関与が必要な複数の機械を配置した工場について、機械の稼働状況や作業者の作業状況等を管理するための技術としては、
*「人が介在する生産方式において、稼働状況を的確に把握する」ことを謳う、特開2022-039158号公報(特許文献1)の技術,
*「機械の稼働状態を示す所定の値を計測する、例えば、作業者の動作を計測した作業者計測情報や機械の稼働状態を示す機械計測情報を取得する」ことを謳う、特開2021-117538号公報(特許文献2)の技術,
*「作業員携帯のGNSS端末装置、作業現場で稼働する機械に搭載される作業員検知システム、機械に搭載の周辺監視センサで検知する作業員の位置」についての言及がある、特開2019-169778号公報(特許文献3)の技術,
*「作業者が機械に関する作業を行う作業エリア内に作業者が位置することを検出するエリアセンサ、作業者によって入力される作業開始情報・終了情報・中断情報・再開情報、機械の稼働状況、作業者による作業時間の計測」についての言及がある、特開2018-180588号公報(特許文献4)の技術,
を、挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-039158号公報
【特許文献2】特開2021-117538号公報
【特許文献3】特開2019-169778号公報
【特許文献4】特開2018-180588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業者の関与を必要とする複数の機械や作業者の行為に関連する複数の設備が配置された工場に関し、前記特許文献1~4の技術では、各機械の稼働状況や各機械の担当作業者の作業状況等を的確に診断するには未だ不十分である。
例えば、
担当作業者が不在で機械が非稼働の状況(当該機械担当の作業者が就いていないために非稼働と推定される状況)を表わす指数は十分小さいほど良い,
担当作業者は就いているが機械は非稼働の状況(例えば当該機械の「段取り中」と推定される状況)を表わす指数は小さいほど良い,
担当作業者が就いており機械が稼働している状況(機械から離れることができず就きっきりと推定される状況)を表わす指数は若干小さい方が良い,
担当作業者が不在で機械が稼働している状況(機械を自動で稼働させている状況)を表わす指数は大きい方が良い,
当該機械担当の作業者が就業している時間の全時間(当該機械担当者が必要に応じて速やかに関与することが不可能な時間を含む)に対する割合は大きいほど良い,
等の諸事情があるが、特許文献1~4の技術では、これらの状況を的確に判断することは非常に難しく、このため、診断結果を工場全体の利益向上に繋げることも困難である。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みたものであり、各機械の稼働状況や各作業者の作業状況を具体的に、或いは、直感的に把握可能にすることにより、工場全体の利益向上を図り得るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記[1]~[28]のように記述され得る。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
【0007】
[1]発明1
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータ100/70・1000を備えた工場診断システムであって、
作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段11と、
機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段12と、
機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段11の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段13と、
前記状態検出手段12の検出結果と前記関与判定手段13の判定結果に基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段14と、
前記第1~第4の各状態を機械毎に計時し、及び、各作業者の最寄りの機械又は設備を計時する計時手段19と、
前記状態識別手段14の識別結果と前記計時手段19の計時結果に基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段15/150と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
上記「作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量」を検出する手法としては、例えば、後述の「作業者所持の発信機50が発信する信号の電界強度を調べる手法の他、GNSS衛星から受信する信号に基づいて検出する手法、複数のカメラを工場内に設置しておき動画を調べる手法を挙げることができる。
或いは、(イ)広帯域無線(8.5~9.5GHz程度)を使用し、30m程度の間隔で設置したセンサのうち、少なくとも2台のセンサから発信されたUWB信号の到達時差と入射角度を利用して屋内測位を行うUWB手法、(ロ)作業者又は工場内複数の所定位置にRFIDタグを携帯せしめ又は設置し、且つ、工場内複数の所定位置又は作業者にリーダーを設置又は携帯せしめ電波強度により測位するRFIDタグ手法、(ハ)作業者携帯の発信器から超音波を発信し、検知物からの反射超音波を受信して測位する超音波手法、(ニ)工場内に複数のアクセスポイントを設置し、作業者携帯の電波送信端末から受信したときの信号強度から減衰量を測定して距離を推定し、複数のアクセスポイントからの距離に基づいて位置を推定するWiFi手法、(ホ)作業者携帯のBluetooth Low Energy(BLE)端末の信号強度、工場内に設置した複数受信機から3点測位で位置を検知するBLE3点測位手法、(ヘ)専用タグまたはスマホからBluetooth無線技術通信を利用して基地局に送った電波の入射角から測位するQuuppa手法、等も例示できる。
前記「当該機械所定の作業者」とは、当該機械の担当者として記憶装置20が保持している1人又は2人以上の作業者である。以下の発明でも同様とする。
前記「第1~第4の各状態を機械毎に計時」とは、各機械に関し、第1/第2/第3/第4の各状態の各持続時間を計測・保持することを言う。また、状態が遷移した時刻(例:第1状態から第2状態へ遷移した時刻)も各々保持する。以下の発明でも同様とする。
前記「各作業者の最寄りの機械又は設備を計時」とは、各作業者に関し、機械又は設備が最寄り状態の各持続時間を各々計測・保持することを言う。最寄りとなった時刻や最寄りから外れた時刻も各々保持する。なお、計時手段19は、当然ながら、機械担当の作業者が関与可能/不能である時間及び切り換わった時刻や、機械の稼働/停止の時間及び切り換わった時刻も計時して保持する。以下の発明でも同様とする。
前記「作業者の行為に関連する設備」とは、例えば、資材/工具等の置き場、検査室、自動販売機、喫煙室、製品の梱包・出荷場等、工場内の作業者が就業時間内の行為に起因して立ち寄り得る場所等である。以下の発明でも同様とする。
【0008】
[2]発明2(評価値←各状態の累積時間)
発明1に於いて、
前記評価処理手段15/150は、前記第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
上記「入力で指定された」とは、入力装置40/400からの操作入力による指定、ネット等を介する外部入力による指定、所定の記憶装置20から読み出されて実行されるルーティン(処理)の中での指定、等である。以下の発明でも同様とする。
上記「1又は2以上の機械」は、当然ながら、工場内の全機械の場合を含む。以下の発明でも同様とする。
上記「所定期間」は、工場の診断を行うべく予め決められた区切り時期で決まる期間であり、例えば、1日、及び/又は、1週間、及び/又は、1月、及び/又は、半年、及び/又は、1年、等である。以下の発明でも同様とする。
なお、上記「第1~第4」とは、当然であるが、「第1、第2、第3、第4」の意味である。以下の発明でも同様とする。
[3]発明3(直交座標軸の各象限←各累積時間の面積)
発明2に於いて、さらに、
表示装置30と、
前記評価処理手段15/150が評価値として算出した前記第1~第4の各状態の前記所定期間内の各累積時間を、当該の各累積時間に基づく面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて前記表示装置30に表示する表示制御手段103と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
上記表示装置30に代えて印刷装置、上記表示制御手段103に代えて印刷制御手段とした構成も含む。以下の発明でも同様とする。
上記「各象限に割り当てて」としては、例えば、第1象限に第3状態、第2象限に第4状態、第3象限に第1状態、第4象限に第2状態を割り当てる場合を挙げることができる。以下の発明でも同様とする。
上記「各累積時間に基づく面積比」は、各累積時間と各面積が正確に比例していてもよいが、見易さ等を考慮して、正確に比例していなくとも各累積時間の大小関係を各面積の大小関係に反映させた場合をも含む。以下の発明でも同様とする。
【0009】
[4]発明4(評価値←各状態の価値金額)
発明2に於いて、
前記コンピュータ100/70・1000は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段15/150は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額と、当該の評価処理手段15/150が算出した前記第1~第4の各状態の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
上記「単位時間当たりの価値金額」は、プラスの場合(生産価値金額)と、マイナスの場合(損失価値金額)がある。以下の発明でも同様とする。
[5]発明5(直交座標軸の各象限←各価値金額の面積)
発明4に於いて、さらに、
表示装置30と、
前記評価処理手段15が評価値として算出した前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を、当該の各総価値金額に基づく面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて前記表示装置30に表示する表示制御手段103と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
上記「各総価値金額に基づく面積比」は、各総価値金額と各面積が正確に比例していてもよいが、見易さ等を考慮して、正確に比例していなくとも各総価値金額の大小関係を各面積の大小関係に反映させた場合をも含む。以下の発明でも同様とする。
【0010】
[6]発明6(評価値←第0状態を含む各状態の累積時間)
発明1に於いて、
前記状態識別手段14は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、
前記評価処理手段15/150は、前記第0、第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
[7]発明7(面積比表示←第0状態を含む各累積時間の面積)
発明6に於いて、さらに、
表示装置30と、
少なくとも前記評価処理手段15/150が評価値として算出した前記第0、第1~第4の各状態の前記所定期間内の各累積時間を、当該の各累積時間に基づく面積比で前記表示装置30に表示する表示制御手段103と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【0011】
[8]発明8(評価値←第0、第4a、第4b状態を含む各状態の価値金額)
発明1に於いて、
前記状態識別手段14は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、及び、前記第4状態を、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間内に於いて関与不能な第4a状態と、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間外に於いて関与不能な第4b状態と、の何れかに持続的に識別し、
前記コンピュータ100/70・1000は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段15/150は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について算出するとともに、前記各状態の単位時間当たりの機械毎の価値金額と、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の機械毎の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
[9]発明9(面積比表示←第0、第4a、第4b状態を含む各状態の価値金額の表示)
発明8に於いて、さらに、
表示装置30と、
前記評価処理手段15/150が評価値として算出した前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の前記所定期間内の価値金額を、当該の各価値金額に基づく面積比で前記表示装置30に表示する表示制御手段103と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【0012】
[10]発明10(タイムチャート用データの生成)
発明1に於いて、
前記評価処理手段15/150は、単位の各時刻に於ける機械毎の前記第1~第4の何れかの状態と、前記単位の各時刻に於ける各作業者の最寄りの機械又は設備とを、前記計時手段19の計時を参照して前記状態識別手段14から取得し、入力で指定された機械についての前記第1~第4の何れかの状態と当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備とを前記単位の時刻間の周期毎に対応付ける、
ことを特徴とする工場診断システム。
上記「単位の各時刻」とは、例えば、単位を「分」とすると1分毎の各時刻である。単位は、分単位でもよく、5分単位でもよく、10分単位でもよい。対応関係を知るのに適した適宜の単位を採用してよい。以下の発明でも同様とする。
上記「単位の時刻間の周期毎」とは、例えば、単位が「分単位」であれば、「1分毎」となる。以下の発明でも同様とする。
上記「当該指定機械所定の作業者」が複数人の場合は、各人について上記「対応付け」を行う。以下の発明でも同様とする。
なお、上記「当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備」が、或る単位の時刻に於いて存在しない場合も当然にあり得る。以下の発明でも同様とする。
[11]発明11(タイムチャートの表示)
発明10に於いて、さらに、
表示装置30と、
前記指定機械についての前記第1~第4の状態と、当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備と、両者の対応関係とを、前記評価処理手段15から取得して、時間軸に沿って並列したタイムチャートとして前記表示装置30に表示する表示制御手段30と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
例えば、最下段に時間軸、その直上位置に「指定機械の前記第1~第4の状態」、その直上位置に「当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備」、のように並列させる。さらに、当該の機械の稼働/非稼働状態を並列に描いてもよい。例えば、時間軸と第1~第4の状態間の位置に、機械の稼働/非稼働のタイムチャートを位置させてもよい。
上記「当該指定機械所定の作業者」が複数人の場合は、入力で指定された1人又は2人以上を、それぞれ並列させてよい。
【0013】
[12]発明12(ヒートマップ用データの生成・表示)
発明1に於いて、
前記評価処理手段15/150は、入力で指定された機械所定の作業者の各最寄りの機械及び各最寄りの設備の所定期間内に於ける累積時間を各々算出し、
さらに、
表示装置30と、
当該工場の各機械及び各設備の配置図を前記表示装置30に表示し、該配置図上の各機械及び各設備の位置に、前記評価処理手段15が算出した当該の機械及び設備の前記累積時間をヒートマップで表示する表示制御手段103と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
ここで、「ヒートマップで表示する」とは、上記各累積時間(当該の機械又は設備に滞在していた時間)を、色相/明度/彩度の少なくとも1つを用いて識別可能に表示することをいう。つまり、累積時間が長ければ長時間を表わす色相/明度/彩度で、短ければ短時間を表わす色相/明度/彩度で、長短に応じて当該の機械又は設備の位置に表示を行う。色相/明度/彩度に代えて、又は、色相/明度/彩度とともに、サイズ(面積)で長短を表示する場合も、ヒートマップでの表示に含むこととする。以下の発明でも同様とする。
[13]発明13(指定された状態でのヒートマップ表示)
発明12に於いて、
前記評価処理手段15/150は、前記各最寄りの機械及び各最寄りの設備の各累積時間を、前記指定された機械の状態別に各々算出し、
前記表示制御手段103は、前記第1~第4の状態の何れかの中から指定された状態での前記累積時間をヒートマップで表示する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【0014】
[14]発明14(各評価項目値の算出)
発明1に於いて、
前記評価処理手段15/150は、前記状態識別手段14の識別結果と前記計時手段19の計時結果に基づいて各機械について所定期間内に於ける前記第1~第4の各状態の累積時間を各々求め、さらに、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和に基づいて定義され、当該累積時間の総和の割合が高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
例えば、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間を、当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間を、当該の機械の前記第2~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間を、当該の機械の前記第3~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間を、当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和を、前記所定期間の時間で除算した値に基づいて定義され、高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
ことを特徴とする工場診断システム、
である。
[15]発明15(各評価項目の良否の表示)
発明14に於いて、
前記コンピュータ100/1000は、前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の各々について、良否レベルを決定するための閾値を記憶装置20に保持しており、
前記評価処理手段15/150は、各機械について算出した前記人材充足度の値、段取り効率の値、人材効率の値、無人化度の値、及び、操業度の値を、各々の閾値と比較して良否レベルを各々決定し、
さらに、
表示装置30と、
入力で指定された機械の前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の良否レベルを、前記表示装置30に表示する表示制御手段103と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【0015】
[16]発明16(以下、クライアント側装置)
作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段11と、
機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段12と、
機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段11の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段13と、
前記機械の稼働と停止の各状態を機械毎に計時し、及び、各作業者の最寄りの機械又は設備を計時する計時手段19と、
前記直近特定手段11による特定結果、前記状態検出手段12による検出結果、前記関与判定手段13による判定結果、及び、前記計時手段19による計時結果を収集して、所定のサーバ装置1000へ宛てて出力するデータ送出手段70と、
を有することを特徴とするデータ収集送出装置。
発明1の工場診断システムを、「クライアント/サーバ」システムとして構成し、直近特定手段11、状態検出手段12、関与判定手段13、及び、計時手段19をクライアント側に置くとともに、状態検出手段14、評価処理手段15をサーバ側に置いた場合に於けるクライアント側の装置である。以下、発明17~発明19も、略同様である。
【0016】
[17]発明17
発明16に於いて、
前記直近特定手段11は、各作業者携帯用の発信機50と、各機械及び各設備に設置されて前記発信機50からの信号を受信する受信機60と、前記データ収集送出装置が有するコンピュータの機能としての直近決定手段110とを有し、
前記各発信機50は、各々当該発信機50を携帯する作業者の識別に利用可能な発信元識別情報を所定の送信電力で持続的に発信し、
前記各受信機60は、受信した発信元識別情報及びその電界強度を示す電界強度情報に当該受信機60が設置される機械又は設備の識別に利用可能な受信元識別情報を対応付けて前記直近決定手段110へ送信し、
前記直近決定手段110は、前記各受信機60から入力される前記発信元識別情報と電界強度情報と受信元識別情報とに基づいて、各作業者の最寄りの機械又は設備を所定時間間隔で持続的に決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
上記「発信元識別情報」としては、例えば、発信機内蔵の記憶装置に当該の発信機を携帯する作業者の識別情報(作業者識別情報)を予め設定しておき、その作業者識別情報を用いる場合、或いは、発信機識別情報と作業者を対応付ける情報を予め記憶装置20(図2図1の場合はデータ送出器70が有する記憶装置(不図示)))で保持しておき、前記データ収集送出装置が有するコンピュータが読み出して参照する場合、を例示することができる。
[18]発明18
発明17に於いて、
前記直近決定手段110は、前記所定時間間隔で区切って成る各期間内で前記電界強度が最大の発信元識別情報に対応付けられる受信元識別情報が指示する機械又は設備を、当該発信元識別情報が指す作業者の最寄りの機械又は設備として決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
[19]発明19
発明18に於いて、
前記直近決定手段110は、前記電界強度が所定の閾値を越えていることを条件として最寄りの機械又は設備を決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
【0017】
[20]発明20(以下、サーバ側装置)
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータ1000を備えた工場診断装置であって、
発明16のデータ収集送出装置から送出されるデータを入力するデータ取得手段75と、
前記データ取得手段75が取得した前記状態検出手段12の検出結果と前記関与判定手段13の判定結果とに基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段140と、
前記データ取得手段75が取得した前記計時手段19の計時結果と、前記状態識別手段140の識別結果とに基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段150と、
前記サーバ評価処理手段150による処理結果を、当該処理結果が基づくデータの送出元へ返信可能とし、当該処理結果に応じた処理を当該データ送出元にて実行可能とする処理結果返信手段76と、
を有することを特徴とする工場診断装置。
発明1の工場診断システムを「クライアント/サーバ」システムとして構成し、直近特定手段11、状態検出手段12、関与判定手段13、及び、計時手段19をクライアント側に置くとともに、状態識別手段14及び評価処理手段15をサーバ側に置いた場合に於けるサーバ側の装置である。以下、発明21~発明27も、略同様である。
[21]発明21(評価値←各状態の累積時間)
発明20に於いて、
前記評価処理手段150は、前記第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
[22]発明22(評価値←各状態の価値金額)
発明20に於いて、
前記コンピュータ1000は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段150は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額と、当該の評価処理手段150が算出した前記第1~第4の各状態の累積時間とに基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
[23]発明23(評価値←第0、第4a、第4b状態を含む各状態の価値金額)
発明20に於いて、
前記状態識別手段140は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、及び、前記第4状態を、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間内に於いて関与不能な第4a状態と、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間外に於いて関与不能な第4b状態と、の何れかに持続的に識別し、
前記コンピュータ1000は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段150は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について算出するとともに、前記各状態の単位時間当たりの機械毎の価値金額と、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の機械毎の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【0018】
[24]発明24(タイムチャート用データの生成)
発明20に於いて、
前記評価処理手段150は、単位の各時刻に於ける機械毎の前記第1~第4の何れかの状態と、前記単位の各時刻に於ける各作業者の最寄りの機械又は設備とを、前記計時手段19の計時を参照して前記状態識別手段140から取得し、入力で指定された機械についての前記第1~第4の何れかの状態と当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備とを前記単位の時刻間の周期毎に対応付ける、
ことを特徴とする工場診断装置。
[25]発明25(ヒートマップ用データの生成)
発明20に於いて、
前記評価処理手段150は、入力で指定された機械所定の作業者の各最寄りの機械及び各最寄りの設備の所定期間内に於ける累積時間を、前記指定された機械の状態別に各々算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
[26]発明26(各評価項目値の算出)
発明20に於いて、
前記評価処理手段150は、前記状態識別手段140の識別結果と前記計時手段19の計時結果に基づいて各機械について所定期間内に於ける前記第1~第4の各状態の累積時間を各々求め、さらに、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和に基づいて定義され、当該累積時間の総和の割合が高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
[27]発明27(各評価項目の良否)
発明26に於いて、
前記コンピュータ1000は、前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の各々について、良否レベルを決定するための閾値を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段150は、各機械について算出した前記人材充足度の値、段取り効率の値、人材効率の値、無人化度の値、及び、操業度の値を、各々の閾値と比較して良否レベルを各々決定する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【0019】
[28]発明28
コンピュータを、発明1~15の何れかの工場診断システムの構成要素として機能させるためのプログラム。
[29]発明29
コンピュータを、発明16~19の何れかのデータ収集送出装置の構成要素として機能させるためのプログラム。
[30]発明30
コンピュータを、発明20~27の何れかの工場診断装置として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0020】
発明1は、作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータ100を備えた工場診断システムであって、作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段11と、機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段12と、機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段11の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段13と、前記状態検出手段12の検出結果と前記関与判定手段13の判定結果に基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段14と、前記第1~第4の各状態を機械毎に計時し、及び、各作業者の最寄りの機械又は設備を計時する計時手段19と、前記状態識別手段14の識別結果と前記計時手段19の計時結果に基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段15と、を有する工場診断システムであるため、各機械の稼働状況や各作業者の作業状況を具体的に把握することができる。このため、工場全体の利益向上に資する。
発明2によると、入力で指定された機械について、第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を得ることができる。
発明3によると、発明2の結果を、視覚的に把握することが容易となる。
発明4によると、発明2の結果に基づき、1又は2以上の指定機械について第1~第4の各状態の価値金額(生産価値金額,損失価値金額)を得ることができる。
発明5によると、発明4で得た価値金額を、視覚的に把握することが容易となる。
発明6によると、入力で指定された機械について、第0、第1~第4a、4bの各状態の所定期間内の各累積時間を得ることができる。
発明7によると、発明6の結果を、視覚的に把握することが容易となる。
発明8によると、1又は2以上の指定機械について第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額(生産価値金額,損失価値金額)を得ることができる。
発明9によると、発明8で得た価値金額を、視覚的に把握することが容易となる。
発明10によると、各時刻に於ける各機械の稼働状況や各作業者の作業状況を時系列で詳細に把握することができる。このため、工場全体の利益向上にさらに資する。
発明11によると、発明10で得た結果を、時系列で具体的且つ詳細に、視覚的に把握することが容易となる。
発明12によると、入力で指定された機械の担当者の各所在位置の累積時間を、視覚的に容易に把握することができる。このため、例えば、当該の作業者が担当する機械に不在のとき、長時間、何処にいたか等も容易に把握することができる。
発明13によると、入力で指定された機械の担当者の各所在位置の累積時間を、前記第1~第4の状態毎に視覚的に容易に把握することができる。このため、例えば、当該の作業者が担当する機械に不在のとき、長時間、何処にいたか等も、前記第1~第4の状態毎に容易に把握することができる。
発明14によると、担当作業者が不在で機械が非稼働の状況(当該機械担当の作業者が就いていないために非稼働と推定される状況)、担当作業者は就いているが機械は非稼働の状況(例えば当該機械の「段取り中」と推定される状況)、担当作業者が就いており機械が稼働している状況(機械から離れることができず就きっきりと推定される状況)、担当作業者が不在で機械が稼働している状況(機械を自動で稼働させている状況)、当該機械担当の作業者が就業している時間の全時間(当該機械担当者が必要に応じて速やかに関与することが不可能な時間を含む)に対する割合を、具体的に把握することができる。
発明15によると、発明14の結果から良否レベルを得るため、良否を感覚的に把握することができる。
【0021】
発明16によると、発明1の工場診断システムを、「クライアント/サーバ」システムとして構成し、直近特定手段11~関与判定手段13、計時手段19をクライアント側に置くとともに、状態識別手段14、評価処理手段15をサーバ側に置いた場合に於ける、クライアント側の装置を得ることができる。
発明17~発明19についても、略同様である。
発明20によると、発明1の工場診断システムを、「クライアント/サーバ」システムとして構成し、直近特定手段11~関与判定手段13、計時手段19をクライアント側に置くとともに、状態識別手段14、評価処理手段15をサーバ側に置いた場合に於ける、サーバ側の装置を得ることができる。
発明21~発明27についても、略同様である。
発明28~発明30によると、コンピュータを、発明28~30の各々が引用する発明の構成要素として機能させるためのプログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施の形態の工場診断システムをクライアント/サーバ構成とする場合の概要を示す説明図。
図2】実施の形態の工場診断システムの構成の概要と機能を示すブロック図。
図3】(a)は第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて表示する様子を示す説明図、(b)は第0、第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を面積比で表示する様子を示す説明図。
図4】(a)は第1~第4の各状態の所定期間内の価値金額を面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて表示する様子を示す説明図、(b)は第0、第1~第4の各状態の所定期間内の価値金額を面積比で表示する様子を示す説明図。
図5】第1~第4a、第4bの状態と、作業者の最寄りの機械又は設備と、両者の対応関係と、機械の稼働状態を、時間軸に沿って示すタイムチャート。
図6】機械及び各設備の配置図上の各機械及び各設備の位置に作業者が滞在する時間をヒートマップで表示する様子を示す説明図。
図7】機械の人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の良否レベルを直感的に表示する様子を示す説明図。
図8】発信機の電界強度に基づいて最寄りの機械又は設備を特定する原理を説明するグラフ。
図9】第1~第4状態間の状態遷移に基づいて作業日報を作成する手順を説明するためのタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、実施の形態の工場診断システムを示す。図2のシステムに於いて、評価処理部15の機能をサーバ側に置くとともに、残余の機能をクライアント側に置き、両者をインターネットを介して接続した例が、図1の構成である。図1ではインターネットを介して両者を接続しており、クライアント側にデータ送出器70を設け、当該の工場M1内で収集したデータに、必要な処理を施して適時のタイミングでサーバ1000へ送っている。
【0024】
図2に於いて、入力装置40は、各種の操作入力を行うための機器であり、例えば、キーボードやマウス等で構成され得る。操作入力は、表示装置30との協働でも行われ得る。記憶装置20は、ハードディスク、SSD、RAM等で構成され得る。制御装置100はCPU等で構成され、入力装置40、表示装置30、記憶装置20を制御するとともに、図示の各機能(直近特定手段11、状態検出手段12、関与判定手段13、状態識別手段14、評価処理手段15、計時手段19)をも奏する。
【0025】
制御装置100へは、複数の受信機60(60a,60b,60c,,,)の各々から、当該受信機60が受信した各発信機50(50a,50b,50c,,,)の識別情報及び各発信機50の電界強度を示す電界強度情報が、当該受信機60の識別情報に対応付けて、持続的に入力される。例えば、10秒間隔で入力される。
【0026】
各受信機60(60a,60b,60c,,)は、当該工場M(M1/M2/M3//)内の機械(作業者の関与を必要とする機械)又は設備(作業者の行為に関連する設備)に設置されている。機械又は設備と、当該機械又は設備に設置された受信機60とを対応付けるデータは、記憶装置20に保持されている。
各受信機60と制御装置100との間は、無線又は有線で接続されている。
【0027】
各発信機50(50a,50b,50c,,,)は、当該工場Mに勤務する各作業者が携帯するカード状の機器であり、当該発信機50の発信機識別情報を、常時、所定の送信電力で発信している。発信機50と、当該発信機50を携帯する作業者を対応付けるデータは、記憶装置20に保持されている。なお、発信機50の形状はカード状に限定されない。作業者の行動の妨げになり難い、携行容易な適宜の形状でよい。
各受信機60は、発信機50から受信される信号の電界強度が所定の閾値を越えていることを条件として、当該受信信号の電界強度情報を生成し、該電界強度情報に、当該受信信号が有する発信機識別情報及び当該受信機の受信機識別情報を対応付けて、前述のように、制御装置100へ送る。
【0028】
制御装置100は、受信機60から持続的に(例:10秒間隔)受信される受信機識別情報と発信機識別情報と電界強度情報に基づいて、及び、受信機識別情報と機械又は設備の対応関係、発信機識別情報と作業者の対応関係を参照して、各作業者の最寄りの機械又は設備を所定時間間隔(例:60秒間隔)で持続的に決定する。
【0029】
上記では、記憶装置20が、受信機60と機械又は設備を対応付けるデータ、及び、発信機50と作業者を対応付けるデータを保持しているが、この構成に代えて、受信機20に当該受信機が設置された機械又は設備の識別情報を保持させ、同様に、発信機50に当該発信機を携帯する作業者の識別情報を保持させておき、それらの識別情報(機械等識別情報、作業者識別情報)を制御装置100へ送る構成としてもよい。
また、上記では、制御装置100と記憶装置20という図2の構成例に即して説明しているが、図1では、コンピュータ機能を備えたデータ送出器70及び該データ送出器70が内蔵する記憶装置(不図示)とが、それらに相当する。
【0030】
次に、図8を参照して、直近特定部11(制御装置100の機能,図1ではコンピュータ機能を備えたデータ送出器70の直近決定部110の機能が相当する)が、各作業者の最寄りの機械又は設備を決定する処理を説明する。
前述のように、各発信機50は、当該発信機の発信機識別情報(又は作業者識別情報)を所定の送信電力で発信しており、各受信機60は、各発信機50から受信される信号の電界強度を検出して電界強度情報を生成し、制御装置100(図1ではデータ送出器70が相当する)へ送っている。なお、発信機識別情報又は作業者識別情報が、発明17の「発信元識別情報」に相当する。また、前記受信機識別情報又は機械等識別情報が、発明17の「受信元識別情報」に相当する。
各発信機50は、常時、所定の送信電力(=同一の送信電力)で発信しているため、物理法則によると、最も近い発信機から受信される信号の電界強度が最大となる。
【0031】
このことを利用して、本実施の形態では、各受信器60の最寄りの発信機50を、図8の如く1分毎に特定している。即ち、10秒間隔で近在の各発信機50から入力される受信信号を1分毎に区切り、各1分の中で最大の電界強度を有した発信機を、当該1分での最寄りとして決定している。なお、何れの作業者も機械に関与できない位置に居る場合に、その中で最寄りの作業者を検出してしまわないように、電界強度の検出には所定の閾値(発信機送信電力や,作業者が機械に関与可能な距離等で定まる閾値)を設けている。
このように10秒間隔の受信信号を1分区切りで処理することにより、人(作業者)の動く速度等を考慮に入れることができ、チャタリング等の不具合を防止できる。
なお、他に、例えば、10秒間隔の入力値の過去1分の平均値(1分間移動平均)を順に求め、その各平均値を順に採用する等の手法で特定することもできる。
【0032】
上記では、作業者が携帯する発信機の電界強度に基づいて最寄りの作業者を特定しているが、これに代えて、他の公知の距離特定手法を採用してもよい。
例えば、工場内に複数のカメラを設置しておき、各作業者と各機械又は各設備との距離を常時監視して、最寄りの作業者を特定する構成としてもよい。
或いは、GNSS機能を利用可能な場合は、各作業者にGNSS機能を備えた機器を携帯させることで、定位置設置の機械又は設備との距離を求める構成としてもよい。
或いは、発明1の説明で述べた(イ)~(ヘ)を、適切な精度を得られる場合は、作業者と機械又は設備との距離を求めるための構成としてもよい。
【0033】
次に、状態検出部12、関与判定部13、状態識別部14、計時部19を説明する。
状態検出部12:
状態検出部12は、機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する。この検出用のデータは、例えば、先述の各受信機60が制御装置100へ送るデータ(受信元識別情報、発信元識別情報、電界強度情報)に重畳して送ることができる。或いは、工場の各機械に既設置の稼働/非稼働検出器(例:パイロットランプの点灯/消灯の検出器)が工場の既存の管理コンピュータへ送っているデータを流用できる場合は、稼働状態/停止状態の検出に用いてもよい。その他、現に工場で用いており、稼働状態/停止状態の検出に流用可能なデータが存在する場合には、用いてもよい。
【0034】
関与判定部13:
関与判定部13は、機械所定の作業者が当該機械に対して関与可能な位置か否かを、直近特定部11の特定結果に基づいて、機械毎に持続的に判定する。
機械所定の作業者か否か、換言すれば、当該機械の担当者か否かは、例えば、記憶装置20(図1ではサーバ1000の不図示の記憶装置)が保持するデータ(機械と作業者とを対応付けるデータ,1の機械に2以上の作業者が対応つけられている場合もある)を参照することで判定できる。
関与可能な位置か否かは、電界強度情報から「機械-作業者間の距離」を求め、その距離が、当該機械に関与可能な距離以下(以内)であるか否かで、判定できる。作業者が関与可能な距離は、各機械一律に設定してもよく、工場の環境に応じた取り扱い時の作業者の姿勢や位置等を考慮して機械の種類毎に設定してもよい。
【0035】
状態識別部14/140:
状態識別部14/140は、状態検出部12の検出結果(稼働/非稼働)と、関与判定部13の判定結果(当該機械を取り扱える位置に居るか否か)に基づいて、
第1状態:機械非稼働・担当作業者不在,
第2状態:機械非稼働・担当作業者在所,
第3状態:機械稼働・担当作業者在所,
第4状態:機械稼働・担当作業者不在,
の何れであるかを識別する。
また、識別結果の用途に応じて、担当作業者の勤務記録を参照して、第4状態を、
第4a状態:機械稼働・担当作業者が就業時間内で不在,
第4b状態:機械稼働・担当作業者が就業時間外で不在,
の何れであるか識別する。担当作業者の勤務記録は、図2の例では記憶装置20に保持されており、図1の例ではサーバ1000の記憶装置(不図示)に保持されている。第4a状態と第4b状態との識別を要する場合としては、各状態での詳細な価値金額を得たい場合(発明8)や、その詳細な価値金額を把握容易となるように表示/印刷で視覚化したい場合(発明9)を挙げることができる。
さらに、識別結果の用途に応じて、担当作業者の勤務記録を参照して、
第0状態:機械非稼働・担当作業者が就業時間外で不在,
を、識別する。第0状態の識別が必要となる場合としては、工場の休日等を含めて各機械の状態の詳細を把握したい場合(発明6)や、その詳細な状態を把握容易となるように表示/印刷で視覚化したい場合(発明7)を挙げることができる。また、詳細な価値金額を把握したい場合(発明8、発明9)も同様である。
勤務記録は、例えば、発信元情報が当日の最初に検出された時刻を当該作業者の就業開始時刻、最後に検出された時刻を就業終了時刻として扱うことで作成できる。
【0036】
計時部19:
計時部19は、稼働状態/停止状態の各状態の各持続時間を機械毎に計時して保持するとともに当該状態の遷移時刻を遷移方向(稼働→停止、停止→稼働)別に保持する。また、機械担当者の最寄りの機械又は設備の最寄り持続時間を作業者毎且つ機械又は設備毎に計時して保持するとともに最寄りになった時刻及び最寄りで無くなった時刻を保持する。これらの各持続時間や遷移時刻は、状態識別部14/140や、評価処理部15/150での処理で用いられる。
例えば、各状態(第0、第1~第4a、第4b状態)の所定期間(評価対象の期間,例:1日、1週間、1月、3月、半年、1年等)内に於ける機械別・設備別の累積時間の算出と表示(発明2、発明3、発明6、発明7)や、所定期間内の総価値金額の算出と表示(発明4、発明5、発明8、発明9)に、用いられる。
発明3によると、図3(a)に例示する表示を行うことができる。
発明7によると、図3(b)に例示する表示を行うことができる。
発明5によると、図4(a)に例示する表示を行うことができる。
発明9によると、図4(b)に例示する表示を行うことができる。
上記図3(b)では第0、第1~第4状態の累積時間を表示し、図4(b)では第0、第1~第4状態の総価値金額を表示しているが、第0、第1~第4a、第4b状態の累積時間を表示するように構成してもよく、また、発明9の如く第0、第1~第4a、第4b状態の総価値金額を表示するように構成してもよい。
【0037】
また、各作業者が最寄り先である(現在、居る)と判定されている機械又は設備の当該各最寄りの各持続時間を、機械又は設備毎に計時して保持するとともに、最寄り先となった時刻や最寄り先でなくなった時刻を当該の機械又は設備に対応付けて保持する。
これらの持続時間や時刻は、機械の担当者が、当該担当機械の場所に居る時間の所定期間内の累積値や、他の場所(機械又は設備)に居る時間の当該他の場所毎の所定期間内の累積値の算出や表示に用いられ得る。所定期間とは、上記と同様、評価対象の期間である。
【0038】
これにより、図6に例示するヒートマップ表示(発明12、発明13)を行うことができる。即ち、所定期間内に於いて上記各場所(担当機械、担当でない機械、設備)に居た時間の累積値を、その累積値に応じて、色相/明度/彩度の少なくとも1つを用いて、及び/又は、サイズ(面積の大小)を用いて、識別可能に表示することができる。言い換えれば、累積時間が長ければ長時間を表わす色相/明度/彩度やサイズで、短ければ短時間を表わす色相/明度/彩度やサイズで、当該の機械又は設備の位置に長短に応じた表示を行うことができる。
図6のヒートマップ表示は、第1~第4の状態に係わりなく行うこともできるが、状態を指定して状態別に行うこともできる。例えば、或る機械が第1状態及び/又は第4状態のとき当該機械の担当作業者が何処にいたかをヒートマップ表示することができる。担当作業者が複数の場合は、特定の1人(又は2人以上)を指定して表示することもできる。
また、図6では、場所-場所間の移動回数も、その回数の多少に応じて、ヒートマップ表示している。場所-場所間の移動回数は、機械別・設備別の最寄り先となった時刻や最寄り先でなくなった時刻を用いて算出することができる。
【0039】
計時部19では、機械の稼働状態の持続時間や停止状態の持続時間、及び、稼働から停止への遷移時刻や停止から稼働への遷移時刻を計時して保存している。また、機械の担当作業者が関与可能な位置に居る持続時間や関与不能な位置に居る持続時間を計時して保存するとともに関与可能から不能となった遷移時刻や関与不能から可能となった遷移時刻を保存している。このため、当然ながら、機械が第0、第1、第2、第3、第4a、第4bの各状態にある各持続時間や状態間の遷移時刻を得ることもできる。
したがって、単位の各時刻に於ける機械毎の第1~第4の何れかの状態と、単位の各時刻に於ける各作業者の最寄りの機械又は設備とを状態識別部14から取得し、指定された機械についての第1~第4の何れかの状態と当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備とを単位の時刻間の周期毎に対応付ける処理(発明10)や、その処理結果を用いて図5に例示するタイムチャートを表示/印刷する処理(発明11)を実現することができる。
【0040】
機械・工場の評価:
前述のように、発明14では、各機械、及び、各機械の総合である工場全体について、所定期間内での各種の評価項目(人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、操業度)を算出し、発明15では、それらの評価結果を視覚的に表示する。
即ち、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和に基づいて定義され、当該累積時間の総和の割合が高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
具体的には、例えば、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間を、当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間を、当該の機械の前記第2~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間を、当該の機械の前記第3~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間を、当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和で除算した値に基づいて算出され、高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和を、前記所定期間の時間で除算した値に基づいて定義され、高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
さらに、上記の人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、操業度を、一般人にとって把握し易くなるように、各々に適切な係数を乗算するとともに、それらの結果を適切な閾値で区切って「良」、「やや良」、「普通」、「やや不良」、「不良」と評価する。
図7に、その表示例を示す。
なお、適切な係数としては、例えば、人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、操業度を1~100の間の数値で表現できるように設定した係数を挙げることができる。
【0041】
上述の各表示は、工場側コンピュータ(不図示)の表示装置(不図示)の画面表示、工場内設置の大型パネル(不図示)の画面表示、サーバ側コンピュータの表示装置(不図示)の画面表示の何れでもよい。
また、表示とは、人が視覚的に把握できることをいい、画面表示の他、紙面への表示、言い換えれば、プリントアウトであってもよい。
【0042】
前掲の状態識別部14の識別結果を利用し、及び、状態の変化時刻(状態遷移時刻)を利用すると、いわゆる作業日報を作成することができる。
図9を追加的に参照して説明する。
例えば、
[1]構成例A
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場の診断結果を作成する診断結果作成システムであって、
作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段11と、
機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段12と、
機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段11の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段13と、
前記状態検出手段12の検出結果と前記関与判定手段13の判定結果に基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段14/140と、
前記第1~第4の各状態の持続時間を機械毎に計時して保持するとともに各状態間の遷移時刻を保持する計時手段19と、
前記状態識別手段14の持続的な識別結果に基づいて、前記第1状態又は第4状態と前記第2状態又は第3状態との間の状態遷移である作業者の移動を伴う移動遷移とその遷移方向を検出して作業者及び機械に対応付けて保持するとともに、前記第2状態と第3状態の間の状態遷移である作業者の移動を伴わない不動遷移とその遷移方向を検出して作業者及び機械に対応付けて保持する状態遷移検出手段と、
前記状態遷移検出手段の検出結果に基づいて、前記各状態の作業者毎且つ機械毎の持続時間を、前停止時間、中停止時間、後停止時間に分類する状態分類手段と、
前記状態分類手段による分類結果である、前記前停止時間、中停止時間、後停止時間を、作業者及び機械に対応付けて所定の出力装置へ出力する出力制御手段と、
を有することを特徴とする診断結果作成システム。
所定の出力装置としては、例えば、プリンタ、クライアント側へのデータ送出装置、等を挙げることができる。
[2]構成例B
構成例Aに於いて、
前記状態分類手段は、就業時間内最初の作業者且つ最初の機械の第2状態の持続時間を当該作業者且つ当該機械の前停止時間に分類し、就業時間内最後の作業者且つ最後の機械の第2状態の持続時間を当該作業者且つ当該機械の後停止時間に分類し、前記第3状態から第2状態へ遷移する不動遷移後の第2状態の持続時間については当該の持続時間が所定時間内の場合は中停止時間、所定時間を越えた場合は所定時間以前を後停止時間、所定時間以後を前停止時間に分類する、
ことを特徴とする診断結果作成システム。
の如く記述可能な構成により、作業日報を作成することができる。
なお、前停止、中停止、後停止の分類手法は、例えば、機械担当の作業者の出勤から当該機械の最初の稼働までを前停止に含める、担当作業者の出勤中の機械の稼働は関与していなくとも出力対象とする、最後の稼働から担当作業者の退勤時間までを後停止とする、担当作業者の就業前に担当機械が稼働している場合は前停止無しとする、等であってもよい。
また、第4状態を、第4a状態、第4b状態として、それに基づく要素を取り入れて作業日報を作成する、第0状態に関しても同様に作成する等の変更もあってよい。
【符号の説明】
【0043】
100 制御装置(コンピュータ)
1000 サーバ(コンピュータ)
103 表示制御部
11 直近特定部
110 直近決定部
12 状態検出部
13 関与判定部
14 状態識別部
140 状態識別部(サーバ1000側に置いた場合)
15 評価処理部
150 評価処理部(サーバ1000側に置いた場合)
19 計時部
20 記憶装置
30 表示装置
40 入力装置
400 入力装置(サーバの入力装置)
50(50a,50b,,,) 発信機
60(60a,60b,,,) 受信機
70 データ送出器(データ収集送出装置)
75 データ取得部
76 処理結果返信部
M1,M2,M3,M4 工場
A,B,C,D,E,F,G,H 機械又は設備の地点(図6
cm 作業者の担当機械の地点(図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータを備えた工場診断システムであって、
作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段と、
機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段と、
機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段と、
前記状態検出手段の検出結果と前記関与判定手段の判定結果に基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段と、
前記第1~第4の各状態を機械毎に計時し、及び、各作業者の最寄りの機械又は設備を計時する計時手段と、
前記状態識別手段の識別結果と前記計時手段の計時結果に基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項3】
請求項2に於いて、さらに、
表示装置と、
前記評価処理手段が評価値として算出した前記第1~第4の各状態の前記所定期間内の各累積時間を、当該の各累積時間に基づく面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項4】
請求項2に於いて、
前記コンピュータは、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額と、当該の評価処理手段が算出した前記第1~第4の各状態の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項5】
請求項4に於いて、さらに、
表示装置と、
前記評価処理手段が評価値として算出した前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を、当該の各総価値金額に基づく面積比で直交座標軸の各象限に割り当てて前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項6】
請求項1に於いて、
前記状態識別手段は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、
前記評価処理手段は、前記第0、第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項7】
請求項6に於いて、さらに、
表示装置と、
少なくとも前記評価処理手段が評価値として算出した前記第0、第1~第4の各状態の前記所定期間内の各累積時間を、当該の各累積時間に基づく面積比で前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項8】
請求項1に於いて、
前記状態識別手段は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、及び、前記第4状態を、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間内に於いて関与不能な第4a状態と、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間外に於いて関与不能な第4b状態と、の何れかに持続的に識別し、
前記コンピュータは、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について算出するとともに、前記各状態の単位時間当たりの機械毎の価値金額と、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の機械毎の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項9】
請求項8に於いて、さらに、
表示装置と、
前記評価処理手段が評価値として算出した前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の前記所定期間内の価値金額を、当該の各価値金額に基づく面積比で前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項10】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、単位の各時刻に於ける機械毎の前記第1~第4の何れかの状態と、前記単位の各時刻に於ける各作業者の最寄りの機械又は設備とを、前記計時手段の計時を参照して前記状態識別手段から取得し、入力で指定された機械についての前記第1~第4の何れかの状態と当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備とを前記単位の時刻間の周期毎に対応付ける、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項11】
請求項10に於いて、さらに、
表示装置と、
前記指定機械についての前記第1~第4の状態と、当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備と、両者の対応関係とを、前記評価処理手段から取得して、時間軸に沿って並列したタイムチャートとして前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項12】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、入力で指定された機械所定の作業者の各最寄りの機械及び各最寄りの設備の所定期間内に於ける累積時間を各々算出し、
さらに、
表示装置と、
当該工場の各機械及び各設備の配置図を前記表示装置に表示し、該配置図上の各機械及び各設備の位置に、前記評価処理手段が算出した当該の機械及び設備の前記累積時間をヒートマップで表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項13】
請求項12に於いて、
前記評価処理手段は、前記各最寄りの機械及び各最寄りの設備の各累積時間を、前記指定された機械の状態別に各々算出し、
前記表示制御手段は、前記第1~第4の状態の何れかの中から指定された状態での前記累積時間をヒートマップで表示する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項14】
請求項1に於いて、
前記評価処理手段は、前記状態識別手段の識別結果と前記計時手段の計時結果に基づいて各機械について所定期間内に於ける前記第1~第4の各状態の累積時間を各々求め、さらに、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和に基づいて定義され、当該累積時間の総和の割合が高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
ことを特徴とする工場診断システム。
【請求項15】
請求項14に於いて、
前記コンピュータは、前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の各々について、良否レベルを決定するための閾値を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、各機械について算出した前記人材充足度の値、段取り効率の値、人材効率の値、無人化度の値、及び、操業度の値を、各々の閾値と比較して良否レベルを各々決定し、
さらに、
表示装置と、
入力で指定された機械の前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の良否レベルを、前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする工場診断システム。
【請求項16】
作業者と機械又は設備との距離に関連する物理量を作業者毎に且つ機械又は設備別に持続的に検出して各作業者の最寄りの機械又は設備を持続的に特定する直近特定手段と、
機械が稼働状態か停止状態かを機械毎に持続的に検出する状態検出手段と、
機械に対して当該機械所定の作業者が関与可能な位置か否かを前記直近特定手段の特定結果に基づいて機械毎に持続的に判定する関与判定手段と、
前記機械の稼働と停止の各状態を機械毎に計時し、及び、各作業者の最寄りの機械又は設備を計時する計時手段と、
前記直近特定手段による特定結果、前記状態検出手段による検出結果、前記関与判定手段による判定結果、及び、前記計時手段による計時結果を収集して、所定のサーバ装置へ宛てて出力するデータ送出手段と、
を有することを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項17】
請求項16に於いて、
前記直近特定手段は、各作業者携帯用の発信機と、各機械及び各設備に設置されて前記発信機からの信号を受信する受信機と、前記データ収集送出装置が有するコンピュータの機能としての直近決定手段とを有し、
前記各発信機は、各々当該発信機を携帯する作業者の識別に利用可能な発信元識別情報を所定の送信電力で持続的に発信し、
前記各受信機は、受信した発信元識別情報及びその電界強度を示す電界強度情報に当該受信機が設置される機械又は設備の識別に利用可能な受信元識別情報を対応付けて前記直近決定手段へ送信し、
前記直近決定手段は、前記各受信機から入力される前記発信元識別情報と電界強度情報と受信元識別情報とに基づいて、各作業者の最寄りの機械又は設備を所定時間間隔で持続的に決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項18】
請求項17に於いて、
前記直近決定手段は、前記所定時間間隔で区切って成る各期間内で前記電界強度が最大の発信元識別情報に対応付けられる受信元識別情報が指示する機械又は設備を、当該発信元識別情報が指す作業者の最寄りの機械又は設備として決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項19】
請求項18に於いて、
前記直近決定手段は、前記電界強度が所定の閾値を越えていることを条件として最寄りの機械又は設備を決定する、
ことを特徴とするデータ収集送出装置。
【請求項20】
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータを備えた工場診断装置であって、
請求項16のデータ収集送出装置から送出されるデータを入力するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した前記状態検出手段の検出結果と前記関与判定手段の判定結果とに基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段と、
前記データ取得手段が取得した前記計時手段の計時結果と、前記状態識別手段の識別結果とに基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段と、
記評価処理手段による処理結果を、当該処理結果が基づくデータの送出元へ返信可能とし、当該処理結果に応じた処理を当該データ送出元にて実行可能とする処理結果返信手段と、
を有することを特徴とする工場診断装置。
【請求項21】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項22】
請求項2に於いて、
前記コンピュータは、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額と、当該の評価処理手段が算出した前記第1~第4の各状態の累積時間とに基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項23】
請求項20に於いて、
前記状態識別手段は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、及び、前記第4状態を、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間内に於いて関与不能な第4a状態と、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間外に於いて関与不能な第4b状態と、の何れかに持続的に識別し、
前記コンピュータは、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について算出するとともに、前記各状態の単位時間当たりの機械毎の価値金額と、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の機械毎の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項24】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、単位の各時刻に於ける機械毎の前記第1~第4の何れかの状態と、前記単位の各時刻に於ける各作業者の最寄りの機械又は設備とを、前記計時手段の計時を参照して前記状態識別手段から取得し、入力で指定された機械についての前記第1~第4の何れかの状態と当該指定機械所定の作業者の最寄りの機械又は設備とを前記単位の時刻間の周期毎に対応付ける、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項25】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、入力で指定された機械所定の作業者の各最寄りの機械及び各最寄りの設備の所定期間内に於ける累積時間を、前記指定された機械の状態別に各々算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項26】
請求項20に於いて、
前記評価処理手段は、前記状態識別手段の識別結果と前記計時手段の計時結果に基づいて各機械について所定期間内に於ける前記第1~第4の各状態の累積時間を各々求め、さらに、各機械について、
当該の機械の前記第1状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材充足度、
当該の機械の前記第2状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い段取り効率、
当該の機械の前記第3状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が低いほど良い人材効率、
当該の機械の前記第4状態の累積時間に基づいて定義され、当該累積時間の割合が高いほど良い無人化度、及び、
当該の機械の前記第1~第4状態の累積時間の総和に基づいて定義され、当該累積時間の総和の割合が高いほど良い操業度、
を、各々算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項27】
請求項26に於いて、
前記コンピュータは、前記人材充足度、段取り効率、人材効率、無人化度、及び、操業度の各々について、良否レベルを決定するための閾値を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段は、各機械について算出した前記人材充足度の値、段取り効率の値、人材効率の値、無人化度の値、及び、操業度の値を、各々の閾値と比較して良否レベルを各々決定する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【請求項28】
コンピュータを、請求項1~15の何れかの工場診断システムの構成要素である状態識別手段、計時手段、及び、評価処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項29】
コンピュータを、請求項20~27の何れかの工場診断装置として機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
[20]発明20(以下、サーバ側装置)
作業者の関与を必要とする機械及び作業者の行為に関連する設備を配置して成る工場を診断するためのコンピュータ1000を備えた工場診断装置であって、
発明16のデータ収集送出装置から送出されるデータを入力するデータ取得手段75と、
前記データ取得手段75が取得した前記状態検出手段12の検出結果と前記関与判定手段13の判定結果とに基づいて、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第1状態、機械が停止状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第2状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与可能な第3状態、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者が関与不能な第4状態、の何れの状態であるかを機械毎に持続的に識別する状態識別手段140と、
前記データ取得手段75が取得した前記計時手段19の計時結果と、前記状態識別手段140の識別結果とに基づいて、工場の診断に寄与する評価項目の評価値を算出する評価処理手段150と、
記評価処理手段150による処理結果を、当該処理結果が基づくデータの送出元へ返信可能とし、当該処理結果に応じた処理を当該データ送出元にて実行可能とする処理結果返信手段76と、
を有することを特徴とする工場診断装置。
発明1の工場診断システムを「クライアント/サーバ」システムとして構成し、直近特定手段11、状態検出手段12、関与判定手段13、及び、計時手段19をクライアント側に置くとともに、状態識別手段14及び評価処理手段15をサーバ側に置いた場合に於けるサーバ側の装置である。以下、発明21~発明27も、略同様である。
[21]発明21(評価値←各状態の累積時間)
発明20に於いて、
前記評価処理手段150は、前記第1~第4の各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
[22]発明22(評価値←各状態の価値金額)
発明2に於いて、
前記コンピュータ1000は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段150は、前記第1~第4の各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額と、当該の評価処理手段150が算出した前記第1~第4の各状態の累積時間とに基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第1~第4の各状態の総価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
[23]発明23(評価値←第0、第4a、第4b状態を含む各状態の価値金額)
発明20に於いて、
前記状態識別手段140は、さらに、機械が停止状態で且つ当該機械所定の作業者が就業時間外で何れの機械に対しても関与不能な第0状態を機械毎に持続的に識別し、及び、前記第4状態を、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間内に於いて関与不能な第4a状態と、機械が稼働状態で当該機械所定の作業者がその就業時間外に於いて関与不能な第4b状態と、の何れかに持続的に識別し、
前記コンピュータ1000は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の単位時間当たりの機械別の価値金額を記憶装置に保持しており、
前記評価処理手段150は、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の所定期間内の各累積時間を、入力で指定された1又は2以上の機械について算出するとともに、前記各状態の単位時間当たりの機械毎の価値金額と、前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の機械毎の累積時間に基づいて、前記所定期間内に於ける前記1又は2以上の指定機械についての前記第0、第1~第4a、第4bの各状態の価値金額を評価値として算出する、
ことを特徴とする工場診断装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
[28]発明28
コンピュータを、発明1~15の何れかの工場診断システムの構成要素である状態識別手段、計時手段、及び、評価処理手段として機能させるためのプログラム。
[29]発明29
コンピュータを、発明20~27の何れかの工場診断装置として機能させるためのプログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
発明16によると、発明1の工場診断システムを、「クライアント/サーバ」システムとして構成し、直近特定手段11~関与判定手段13、計時手段19をクライアント側に置くとともに、状態識別手段14、評価処理手段15をサーバ側に置いた場合に於ける、クライアント側の装置を得ることができる。
発明17~発明19についても、略同様である。
発明20によると、発明1の工場診断システムを、「クライアント/サーバ」システムとして構成し、直近特定手段11~関与判定手段13、計時手段19をクライアント側に置くとともに、状態識別手段14、評価処理手段15をサーバ側に置いた場合に於ける、サーバ側の装置を得ることができる。
発明21~発明27についても、略同様である。
発明28~発明29によると、コンピュータを、発明28~29の各々が引用する発明又はその一部の構成要素として機能させるためのプログラムを得ることができる。