(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110888
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】オープン両開きファスナーの下止め装置及びその組立て構造
(51)【国際特許分類】
A44B 19/38 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A44B19/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039567
(22)【出願日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】112104014
(32)【優先日】2023-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】112201018
(32)【優先日】2023-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523093479
【氏名又は名称】墾青(浙江)拉錬有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍾 俊彦
【テーマコード(参考)】
3B098
【Fターム(参考)】
3B098EA03
3B098GB08
(57)【要約】
【課題】オープン両開きファスナーの下止め装置及びその組立て構造を提供する。
【解決手段】オープン両開きファスナーの下止め装置は、オープン両開きの噛み込み防止ファスナー及びオープン両開きの隠しファスナーに用いることができ、一対のファスナーストリンガーの下端に射出成形により成形された係止ピンユニットと、可動ピンユニットとを備える。これにより、一対のスライダーを係止ピンユニットにまで摺動させることが可能となり、そして可動ピンユニットの可動差しピンを、一対のスライダーに挿入することで、係止ピンユニットと嵌合することができ、また、可動ピンユニットを逆方向に一対のスライダーから抜き取って開離させることで、一対のファスナーストリンガー同士を互いに分離させることができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープン両開きファスナーの一対のファスナーストリンガーの下端をそれぞれ結合するように、前記オープン両開きファスナーのスライダーの摺動終止部として用いられるオープン両開きファスナーの下止め装置であって、
可動ピンユニットと、前記可動ピンユニットの内側辺と相互に寄せ揃えられて一緒にロックし合うことが可能な係止ピンユニットとを備え、
前記係止ピンユニットは、一対の前記ファスナーストリンガーのうちの1つのファスナーストリンガーの第1ファスナーテープの下端箇所に射出成形により成形され、係止ピンと、第1背板と、第1ファスナーテープ溝と、止め体と、第1挟持体とを含んで一体成形され、前記係止ピンは、前記第1背板の前面の内側辺に形成された第1長尺部材であり、前記係止ピンは、前記第1背板の頂辺から前記第1背板の内側辺に沿って前記第1背板の底辺まで延在し、前記係止ピンの上端は、前記第1ファスナーテープの内側辺の務歯の下端と互いに位置合わせされるために用いられ、前記第1背板は、前記係止ピンの後方に連結されると共に、前記係止ピンの外側辺に向かって延伸してなるプレート体であり、前記第1ファスナーテープ溝は、前記係止ピンと前記第1背板との間に形成され、それは前記係止ピンの上端と前記係止ピンの外側辺とに向ける第1開口を有し、前記止め体は、前記第1背板の底辺の前面に形成されると共に、前記第1背板の前面から前向きに突出しており、前記係止ピンの下端が前記止め体の内側端に連結され、前記第1挟持体は、前記第1背板の前面の外側辺に形成され、前記第1挟持体と前記第1背板との間に第1挟持スリットが形成され、
前記可動ピンユニットは、一対の前記ファスナーストリンガーのうちのもう1つのファスナーストリンガーの第2ファスナーテープの下端箇所に射出成形により成形され、可動差しピンと、第2背板と、第2ファスナーテープ溝と、第2挟持体とを含んで一体成形され、前記可動差しピンは、前記第2背板の前面の内側辺に形成された第2長尺部材であり、前記可動差しピンは、前記第2背板の頂辺から前記第2背板の内側辺に沿って前記第2背板の底辺まで延在するか、あるいは前記第2背板の底辺から突出しており、前記可動差しピンの上端は、前記第2ファスナーテープの内側辺の務歯の下端と互いに位置合わせされるために用いられ、前記第2背板は、前記可動差しピンの後方に連結されると共に、前記可動差しピンの外側辺に向かって延伸してなるプレート体であり、前記第2ファスナーテープ溝は、前記可動差しピンと前記第2背板との間に形成され、それは前記可動差しピンの上端と前記可動差しピンの外側辺とに向ける第2開口を有し、前記第2挟持体は、前記第2背板の前面の外側辺に形成され、前記第2挟持体と前記第2背板との間に第2挟持スリットが形成されることを特徴とする、オープン両開きファスナーの下止め装置。
【請求項2】
前記係止ピンの第1条形体は、前記第1ファスナーテープの内側辺と互いに平行な第1上段部と、第1下段部とを有し、前記第1下段部の前記第1上段部に向かう外側辺は、前記止め体の内側端に連結されるまで斜め下方に向けて延在し、前記可動差しピンの第2条形体は、前記第2ファスナーテープの内側辺と互いに平行な第2上段部と、第2下段部とを有し、前記第2下段部の前記第2上段部に向かう外側辺は、前記第2背板の底辺に達するまで斜め下方に向けて延在することを特徴とする、請求項1に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置。
【請求項3】
前記止め体には、前記止め体の頂面と底面との間に連通し、前記スライダーの部品の貫挿を許容するための通孔が設けられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置。
【請求項4】
前記第1挟持体の下端は前記止め体の外側端に連結され、かつ前記第1挟持体と前記止め体との間に凹弧面を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置。
【請求項5】
前記第1背板の内側辺の前面には、前記係止ピンの後面に連結される第1連結部を有し、前記第1連結部が前記第1ファスナーテープ溝に隣接して設けられ、前記第2背板の内側辺の前面には、前記可動差しピンの後面に連結される第2連結部を有し、前記第2連結部が前記第2ファスナーテープ溝に隣接して設けられることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置。
【請求項6】
前記第1背板と前記第1挟持体との間は第1連結ピンを介して互いに繋がれており、前記第2背板と前記第2挟持体との間は第2連結ピンを介して互いに繋がれていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置。
【請求項7】
前記係止ピンの内側辺には第1掛止突起が突出形成され、前記可動差しピンの内側辺には第2掛止突起が突出形成され、前記第2掛止突起は掛止凹部を有し、前記可動ピンユニットと前記係止ピンユニットとが互いに寄せ揃えられるとき、前記第1掛止突起を前記掛止凹部に嵌め込ませることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置。
【請求項8】
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置の組立て構造であって、
前記オープン両開きファスナーと、前記第1ファスナーテープの下端に一体的に射出形成された前記係止ピンユニットと、前記第2ファスナーテープの下端に一体的に射出形成された前記可動ピンユニットとを備え、
前記オープン両開きファスナーは、一対の前記ファスナーストリンガーと、一対の前記ファスナーストリンガー同士を互いに噛み合わせるか、あるいは分離するように連動する一対のスライダーとを含み、一対の前記ファスナーストリンガーは、前記第1ファスナーテープと、前記第2ファスナーテープと、前記第1ファスナーテープと前記第2ファスナーテープとにそれぞれ結合される2列の務歯とを有し、前記第1ファスナーテープと前記第2ファスナーテープとの内側辺をそれぞれその正面から外側辺に向けて折り返しすることで、それぞれ折り返しの務歯テープが形成され、前記第1ファスナーテープと前記第2ファスナーテープは、それぞれその前記務歯テープとの間に摺動空間が形成され、前記摺動空間の開口側をその前記第1ファスナーテープと前記第2ファスナーテープの外側辺に向けて配置し、2列の前記務歯は、2つの前記務歯テープ上に結合され、前記務歯をそれぞれ前記第1ファスナーテープと前記第2ファスナーテープとの正面に位置させ、そして前記第1ファスナーテープと前記第2ファスナーテープとの裏面にてそれぞれ前記務歯を遮蔽し、
前記第1ファスナーテープの下端付近及びその折り返しの内側辺が前記第1ファスナーテープ溝内に延入して固定され、前記第1ファスナーテープの前記摺動空間の下端が前記第1ファスナーテープ溝の上端に位置合わせされ、前記係止ピンの上端が前記第1ファスナーテープの前記務歯テープの端部に接合され、前記第1ファスナーテープの下端付近の背面を、前記第1背板の前面に貼合すると共に、前記第1挟持スリットに横方向に延伸して通過させ、前記第1ファスナーテープを前記第1背板の外側辺に延伸突出させ、前記第1背板の前面が前記第1ファスナーテープの背面に密接して配置され、前記止め体は、前記第1背板の前面から前記第1ファスナーテープの前面の下端に前向きに突出しており、前記スライダーが下向きに摺動するとき、前記スライダーを阻止するためのものであり、前記第1挟持体を前記第1ファスナーテープの前面に貼合し、前記第1ファスナーテープを前記第1挟持体と前記第1ファスナーテープの背面に位置する前記第1背板とで共に挟持し、
前記第2ファスナーテープの下端付近及びその折り返しの内側辺が前記第2ファスナーテープ溝内に延入して固定され、前記第2ファスナーテープの前記摺動空間の下端が前記第2ファスナーテープ溝の上端に位置合わせされ、前記可動差しピンの上端が前記第2ファスナーテープの前記務歯テープの端部に接合され、前記第2ファスナーテープの下端付近の背面を、前記第2背板の前面に貼合すると共に、前記第2挟持スリットに横方向に延伸して通過させ、前記第2ファスナーテープを前記第2背板の外側辺に延伸突出させ、前記第2背板の前面が前記第2ファスナーテープの背面に密接して配置され、前記第2挟持体を前記第2ファスナーテープの前面に貼合し、前記第2ファスナーテープを前記第2挟持体と前記第2ファスナーテープの背面に位置する前記第2背板とで共に挟持することを特徴とする、オープン両開きファスナーの下止め装置の組立て構造。
【請求項9】
前記第1背板と前記第1挟持体との間は第1連結ピンを介して互いに繋がれており、前記第1連結ピンが前記第1ファスナーテープを貫通することを特徴とする、請求項8に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置の組立て構造。
【請求項10】
前記第2背板と前記第2挟持体との間は第2連結ピンを介して互いに繋がれており、前記第2連結ピンが前記第2ファスナーテープを貫通することを特徴とする、請求項8に記載のオープン両開きファスナーの下止め装置の組立て構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープン両開きファスナーの下止め装置及びその組立て構造に係り、オープン両開きの噛み込み防止ファスナー及びオープン両開きの隠しファスナーの下端に応用可能であり、オープン両開きファスナーの一対のファスナーストリンガーを互いに一緒に噛み合わせたり、完全分離させたりして、特にジャケットやコート上に適宜に応用できるものである。
【背景技術】
【0002】
現今の服装には、ファスナーの使用が普及しており、しかしながら、内張りを施した服装ならば、スライダーが移動するとき、内張りの生地が巻き込まれる可能性があるため、スライダーがスムーズに移動し難くなってしまう。例えば、裏生地の巻き込みがひどい場合には、さらにスライダー全体が動かなくなり、上下動が完全にできなくなることさえあり得る。従来技術において、噛み込み防止ファスナーとしては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6及び特許文献7に開示されているが、上述の従来技術では、理想的とは言えない。本願出願人により提案した別の噛み込み防止ファスナーの設計は、その主要な特徴として、ファスナーテープの内側辺を折り返してなる務歯テープが形成され、次に、務歯を務歯テープの前面に結合し、それから特殊構造のスライダーを用いて2列の務歯テープを互いに噛み合わせたり離したりするように連動し、スライダーが摺動するとき、その背面の両翼板を務歯テープの下方の摺動空間中に移動自在に配設し、ファスナーテープの離隔作用を利用するので、両翼板は、衣類の裏地に接触することがないから、噛み込み防止機能を達成することができるものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/033926(A1)号パンフレット
【特許文献2】米国特許第06701584(B2)号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第3289908(A1)号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第107567291(A)号明細書
【特許文献5】中国特許出願公開第106333432(A)号明細書
【特許文献6】中国特許出願公開第104106888(A)号明細書
【特許文献7】中国実用新案第211298642(U)号明細書
【特許文献8】米国特許第05586370(A)号明細書
【特許文献9】台湾実用新案第M624460(U)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の本願出願人により提案した噛み込み防止ファスナー構造は、ファスナーテープの内側辺の折り返しの構造特徴を有する形態をしており、一般のオープン両開きファスナーのファスナーテープの内側辺の折り返しなしの特徴とは完全に異なるため、従来のオープンファスナーの下止め装置は、オープン両開きの噛み込み防止ファスナーへの使用に適さないことになる。そのほか、従来のオープン両開きの隠しファスナー構造においても、ファスナーテープの内側辺を折り返してなる務歯テープが形成され、次に、務歯を務歯テープ上に結合する構造が設計されている(例えば、特許文献8を参照)。本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、如何にしてオープン両開きの噛み込み防止ファスナー及びオープン両開きの隠しファスナーに適用されるオープン両開きファスナーの下止め装置及びその組立て構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オープン両開きファスナーの下止め装置は、係止ピンユニットと、可動ピンユニットとを備え、係止ピンユニット及び可動ピンユニットをオープン両開きの噛み込み防止ファスナー、オープン両開きの隠しファスナー、またはその他のオープン両開きファスナーの一対のファスナーテープの下端に取り付けて応用することができ、ファスナーテープの内側辺の折り返しの務歯テープに対して固定を実施し、スライダーが下向きにファスナーから離脱することを阻止すると共に、一対のファスナーストリンガーを互いに噛み合わせたり、完全分離させることができる。
オープン両開きファスナーの下止め装置は、オープン両開きファスナーの一対のファスナーストリンガーの下端をそれぞれ結合するように、前記オープン両開きファスナーのスライダーの摺動終止部として用いられる。オープン両開きファスナーの下止め装置は、可動ピンユニットと、前記可動ピンユニットの内側辺と相互に寄せ揃えられて一緒にロックし合うことが可能な係止ピンユニットとを備える。
前記係止ピンユニットは、一対の前記ファスナーストリンガーのうちの1つのファスナーストリンガーの第1ファスナーテープの下端箇所に射出成形により成形され、係止ピンと、第1背板と、第1ファスナーテープ溝と、止め体と、第1挟持体とを含んで一体成形され、前記係止ピンは、前記第1背板の前面の内側辺に形成された第1長尺部材(第1条形体)であり、前記係止ピンは、前記第1背板の頂辺から前記第1背板の内側辺に沿って前記第1背板の底辺まで延在し、前記係止ピンの上端は、前記第1ファスナーテープの内側辺の務歯の下端と互いに位置合わせされるために用いられ、前記第1背板は、前記係止ピンの後方に連結されると共に、前記係止ピンの外側辺に向かって延伸してなるプレート体であり、前記第1ファスナーテープ溝は、前記係止ピンと前記第1背板との間に形成され、それは前記係止ピンの上端と前記係止ピンの外側辺とに向ける第1開口を有し、前記止め体は、前記第1背板の底辺の前面に形成されると共に、前記第1背板の前面から前向きに突出しており、前記係止ピンの下端が前記止め体の内側端に連結され、前記第1挟持体は、前記第1背板の前面の外側辺に形成され、前記第1挟持体と前記第1背板との間に第1挟持スリットが形成される。
前記可動ピンユニットは、一対の前記ファスナーストリンガーのうちのもう1つのファスナーストリンガーの第2ファスナーテープの下端箇所に射出成形により成形され、可動差しピンと、第2背板と、第2ファスナーテープ溝と、第2挟持体とを含んで一体成形され、前記可動差しピンは、前記第2背板の前面の内側辺に形成された第2長尺部材(第2条形体)であり、前記可動差しピンは、前記第2背板の頂辺から前記第2背板の内側辺に沿って前記第2背板の底辺まで延在するか、あるいは前記第2背板の底辺から突出しており、前記可動差しピンの上端は、前記第2ファスナーテープの内側辺の務歯の下端と互いに位置合わせされるために用いられ、前記第2背板は、前記可動差しピンの後方に連結されると共に、前記可動差しピンの外側辺に向かって延伸してなるプレート体であり、前記第2ファスナーテープ溝は、前記可動差しピンと前記第2背板との間に形成され、それは前記可動差しピンの上端と前記可動差しピンの外側辺とに向ける第2開口を有し、前記第2挟持体は、前記第2背板の前面の外側辺に形成され、前記第2挟持体と前記第2背板との間に第2挟持スリットが形成される。
【発明の効果】
【0006】
(一)本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置によると、係止ピンユニット及び可動ピンユニットを一対のファスナーテープの下端に射出成形することにより、オープン両開きの噛み込み防止ファスナー及びオープン両開きの隠しファスナーの一対のファスナーテープの内側辺の折り返し状の務歯テープの形状を強固に保つことが可能になる。
(二)本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置は、係止ピンユニット及び可動ピンユニットの構造をファスナーテープに固定することにより、さらに横方向の引張力に抗する好適な効果を生み出す。
(三)本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置は、一対のスライダーを下向きに係止ピンユニットにまで摺動させると、係止ピンユニットに係合すると同時に、可動ピンユニットをより容易に貫通嵌挿する効果を有する。
(四)本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置は、係止ピンユニットのうちの1つの止め体構造を指の力を加える部位として利用することで、可動ピンユニットの挿入と逆方向への取り出しを手軽に操作できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置をオープン両開きの噛み込み防止ファスナーに応用する状態を示す正面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置をオープン両開きの噛み込み防止ファスナーに応用する状態を示す背面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置の可動差しピンをオープン両開きの噛み込み防止ファスナーの一対のスライダーに挿入するか、あるいは逆方向に引き出す状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置の可動差しピンをオープン両開きの噛み込み防止ファスナーの一対のスライダーに挿入した状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置のオープン両開きの噛み込み防止ファスナーの上スライダーを引き上げることにより、一対のファスナーストリンガーを互いに噛み合わせた状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置をオープン両開きの噛み込み防止ファスナーに応用する状態を示す構造の拡大正面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置のオープン両開きの噛み込み防止ファスナーの下スライダーを引き上げることにより、一対のファスナーストリンガーを分離させた状態を示す正面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置を示す正面から見た斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置を示す正面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置の第1視角から見た分離状態を示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置の第2視角から見た分離状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置及びスライダーを示す背面から見た斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置にスライダーが係止された状態を示す断面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置にオープン両開きの噛み込み防止ファスナーのスライダーが係止された状態を示す背面から見た斜視図である。
【
図15】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置の係止ピンユニットの好適な実施例と第1ファスナーテープとの結合状態を示す断面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置の可動ピンユニットの好適な実施例と第2ファスナーテープとの結合状態を示す断面図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置をオープン両開きの隠しファスナーに応用する状態を示す背面図である。
【
図18】本発明の実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置をオープン両開きの隠しファスナーに応用する状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態によるオープン両開きファスナーの下止め装置及びその組立て構造を図面に基づいて説明する。
図1~
図7に示すように、本発明の一実施形態に係るオープン両開きファスナーの下止め装置は、その好適な具体的実施例においては、オープン両開きファスナー30(例えば、一対のスライダーを有するオープン両開きの噛み込み防止ファスナー、または
図17及び
図18に示したオープン両開きの隠しファスナー)の一対のファスナーストリンガー31,31´の下端を結合するために用いられる係止ピンユニット10と、可動ピンユニット20とを備え、係止ピンユニット10及び可動ピンユニット20の構造を通じて、オープン両開きファスナー30の上下一対のスライダー40,40´を本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置にまで摺動させ、それから使用者が可動ピンユニット20及びそのファスナーテープ311´を上下一対のスライダー40,40´に挿入することができることで(
図3及び
図4を参照)、係止ピンユニット10と、可動ピンユニット20とを互いに寄せ揃えるようにさせ、次に、上スライダー40を引くと、一対のファスナーストリンガー31,31´を互いに噛み合わせることになる(
図5及び
図6を参照)。反対に、可動ピンユニット20の可動差しピン21を上下一対のスライダー40,40´から抜き取ることで(
図3及び
図4を参照)、オープン両開きファスナー30の一対のファスナーストリンガー31,31´を完全分離させることもできるので、本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置は、ジャケットやコートの前立てに使用するオープン両開きファスナー30に特に適用できるものである。なおかつ、一対のファスナーストリンガー31,31´を互いに噛み合わせるとき、下スライダー40´を引くと、係止ピンユニット10と、可動ピンユニット20とを分離させて下から開き状態となってもよい(
図7を参照)。
【0009】
図6及び
図7に示すように、本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置の係止ピンユニット10は、上述の一対のファスナーストリンガー31,31´のうちの1つのファスナーストリンガー31の第1ファスナーテープ311の下端箇所に射出成形により成形される。なお、
図8から
図16に示すように、その好適な実施例においては、係止ピン11と、第1背板12と、第1ファスナーテープ溝13と、止め体14と、第1挟持体15とを含んで一体成形される。
【0010】
その内、係止ピン11は、第1背板12の前面の内側辺に形成され、かつ断面が方形を呈する第1長尺部材であり、係止ピン11の第1長尺部材は、第1背板12の頂辺から第1背板12の内側辺に沿って第1背板12の底辺まで延在する。係止ピン11の上端は、第1ファスナーテープ311の内側辺の務歯32の下端と互いに位置合わせされるために用いられ(
図6及び
図7を参照)、係止ピン11は、また、下スライダー40´が係止ピンユニット10に滑るとき(
図6を参照)、係止ピン11を下スライダー40´の第1側のガイド溝41´中に挿入させるために用いられる(
図13を参照)。特に、上述の係止ピン11の第1長尺部材は、第1上段部111と、第1下段部112とを有し、第1上段部111と第1ファスナーテープ311の内側辺とは互いに平行であり、第1下段部112の第1上段部111に向かう外側辺は、止め体14の内側端に連結されるまで斜め下方に向けて延在する。
【0011】
係止ピンユニット10の第1背板12は、係止ピン11の後方に連結されると共に、係止ピン11の外側辺に向かって延伸してなるプレート体であり、第1背板12は、第1ファスナーテープ311の背面に成形され、第1ファスナーテープ311の下端付近の構造を堅固にするために用いられるものである。第1ファスナーテープ溝13は、係止ピン11と第1背板12との間に形成され、それは係止ピン11の上端と係止ピン11の外側辺とに向ける第1開口131を有し、第1ファスナーテープ溝13には、第1ファスナーテープ311の折り返し状の務歯テープ312を収納させて固定させることができる(
図15を参照)。止め体14は、第1背板12の底辺の前面に形成されると共に、第1背板12の前面から前向きに突出しており、止め体14は、下スライダー40´を阻止するためのものである(
図13を参照)。そして、第1挟持体15は、第1背板12の前面の外側辺に形成され、第1背板12の頂辺から第1背板12の外側辺に沿って第1背板12の底辺まで延在し、かつ第1挟持体15と第1背板12との間に第1挟持スリット16が形成され、第1挟持スリット16は、第1ファスナーテープ311を収納するために用いられる(
図15を参照)。その内、係止ピン11の第1下段部112と止め体14の内側端とをL形体になるように繋げられ、係止ピン11は、より十分な構造強度を有しており、係止ピン11が前向きに反転変形することを防止する。
【0012】
次に、
図10及び
図11に示すように、上述の第1背板12の内側辺の前面には、係止ピン11の後面に一体的に連結される第1連結部17を有し、第1連結部17が第1ファスナーテープ溝13に隣接して設けられる。次に、
図6及び
図15に示すように、上述の第1背板12と第1挟持体15との間は、2つの第1連結ピン18を介して互いに繋がれており、第1連結ピン18が第1ファスナーテープ311を貫通するために用いられ、係止ピンユニット10全体を第1ファスナーテープ311の下端に射出成形させて固定させる。
【0013】
次に、
図6及び
図7に示すように、本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置の可動ピンユニット20は、一対のファスナーストリンガー31,31´のうちのもう1つのファスナーストリンガー31´の第2ファスナーテープ311´の下端箇所に射出成形により成形される。なお、
図8から
図16に示すように、可動ピンユニット20の好適な実施例においては、可動差しピン21と、第2背板22と、第2ファスナーテープ溝23と、第2挟持体24とを含んで一体成形される。
【0014】
その内、可動差しピン21は、第2背板22の前面の内側辺に形成され、かつ断面が方形を呈する第2長尺部材であり、可動差しピン21の第2長尺部材は、第2背板22の頂辺から第2背板22の内側辺に沿って第2背板22の底辺まで延在するか、あるいは第2背板22の底辺から突出している。可動差しピン21の上端は、第2ファスナーテープ311´の内側辺の務歯32の下端と互いに位置合わせされるために用いられると共に(
図5を参照)、上下一対のスライダー40,40´が係止ピンユニット10に滑るとき、可動差しピン21を、上下一対のスライダー40,40´中に挿入することで、上述の係止ピン11と互いに寄せ揃えるようにさせるか、あるいは逆方向に上下一対のスライダー40,40´から抜き取って開離させるために用いられる(
図3及び
図4を参照)。その内、可動差しピン21の第2長尺部材は、第2上段部211と、第2下段部212とを有することが好ましく、第2上段部211と第2ファスナーテープ311´の内側辺とは互いに平行であり、第2下段部212の第2上段部211に向かう外側辺は、第2背板22の底辺に達するまで斜め下方に向けて延在するか、あるいは第2背板22の底辺から突出している。
【0015】
第2背板22は、可動差しピン21の後方に連結されると共に、可動差しピン21の外側辺に向かって延伸してなるプレート体であり、第2背板22は、第2ファスナーテープ311´の背面に成形され、第2ファスナーテープ311´の下端付近の構造を堅固にするために用いられるものである。第2ファスナーテープ溝23は、可動差しピン21と第2背板22との間に形成され、可動差しピン21の上端と可動差しピン21の外側辺とに向ける第2開口231を有し、第2ファスナーテープ溝23には、第2ファスナーテープ311´の折り返し状の務歯テープ312´を収納させるために用いられる(
図10及び
図16を参照)。そして、第2挟持体24は、第2背板22の前面の外側辺に形成され、第2背板22の頂辺から第2背板22の外側辺に沿って第2背板22の底辺まで延在し、かつ第2挟持体24と第2背板22との間に第2挟持スリット25が形成され、第2挟持スリット25は、第2ファスナーテープ311´を収納するために用いられる(
図16を参照)。
【0016】
次に、
図10及び
図11に示すように、上述の第2背板22の内側辺の前面には、可動差しピン21の後面に連結される第2連結部26を有し、第2連結部26が第2ファスナーテープ溝23に隣接して設けられる。さらに、上述の第2背板22と第2挟持体24との間は、2つの第2連結ピン27を介して互いに繋がれており(
図7及び
図16を参照)、第2連結ピン27が第2ファスナーテープ311´を貫通するために用いられ、可動ピンユニット20全体を第2ファスナーテープ311´の下端に射出成形させて固定させる。
【0017】
図9から
図11に示すように、上述の係止ピンユニット10の係止ピン11の内側辺には第1掛止突起19が突出形成され、第1掛止突起19が三角形突部であり、上述の可動ピンユニット20の可動差しピン21の内側辺には第2掛止突起28が突出形成され、第2掛止突起28は第1掛止突起19に合致する掛止凹部29を有し、掛止凹部29は、可動差しピン21の前面から背面へ窪み込んだ凹部であり、可動ピンユニット20の可動差しピン21を上下一対のスライダー40,40´に挿入するとき、第1掛止突起19を掛止凹部29に掛止させ、その後に可動ピンユニット20と係止ピンユニット10とを互いに合体させて一緒に位置合わせする(
図8及び
図13を参照)。
【0018】
図13及び
図14に示すように、本発明は、係止ピン11の第1下段部112の第1上段部111に向かう外側辺が止め体14の内側端に連結されるまで斜め下方に向けて延在する構造、及び可動差しピン21の第2下段部212の第2上段部211に向かう外側辺が第2背板22の底辺に達するまで斜め下方に向けて延在するか、あるいは第2背板22の底辺から突出している構造により、下スライダー40´が本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置まで摺動するとき、図中に示した逆V形状に配置された第1下段部112と第2下段部212とに下スライダー40´を止めることができる。かつ、係止ピンユニット10の止め体14には、下スライダー40´の第1側辺を係着することができ、このようにして下スライダー40´が本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置から脱することを防止できる。加えて、止め体14には通孔141が設けられており、通孔141は、止め体14の頂面と底面との間に連通し、下スライダー40´の第1側の部品を通孔141に貫挿することを許容可能に構成される。
【0019】
図8に示すように、本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置の組立て構造の係止ピンユニット10の止め体14は、第1背板12の底辺の前面に突出しており、下スライダー40´を係止できる摺動終止点として用いられる。同時に、止め体14の内側端は係止ピン11に連結され、止め体14の外側端は第1挟持体15の下端に連結され、これにより強固な構造が形成され、係止ピン11が前へと反転変形することを予防することができる。加えて、第1挟持体15と止め体14との間に凹弧面142を有し、使用者が可動ピンユニット20の可動差しピン21を片手で持ったまま上下一対のスライダー40,40´に挿入するか、あるいは逆方向に引き出すとき、止め体14は、また、係止ピンユニット10を別の手で把持する力の作用点として用いられる。
【0020】
次に、
図1から
図7及び
図14に示すように、本発明は、上述のオープン両開きファスナーの下止め装置の構造技術を通じて、さらにオープン両開きファスナーの下止め装置の組立て構造を提案し、オープン両開きの噛み込み防止ファスナー(図示のような一対のスライダーを有するオープン両開きの噛み込み防止ファスナー)に応用することが可能であり、その好適な実施例においては、オープン両開きファスナー30と、係止ピンユニット10と、可動ピンユニット20とを備える。
【0021】
オープン両開きファスナー30は、本発明の先行提案の特許文献9に示すように、互いに噛み合わせたり分離したりするための一対のファスナーストリンガー31,31´と、一対のファスナーストリンガー31,31´同士を互いに噛み合わせるか、あるいは分離するように連動する上下一対のスライダー40,40´とを含む。一対のファスナーストリンガー31,31´は、それぞれ各自に第1ファスナーテープ311及び第1ファスナーテープ311に結合される務歯32と、第2ファスナーテープ311´及び第2ファスナーテープ311´に結合される務歯32とを有する。第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´との内側辺をそれぞれその正面から外側辺に向けて折り返しすることで、それぞれ折り返しの務歯テープ312,312´が形成され、第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´は、それぞれその務歯テープ312,312´との間に摺動空間313,313´が形成され、摺動空間313,313´の開口側をその第1,第2ファスナーテープ311,311´の外側辺に向けて配置する。2列の務歯32は、それぞれ務歯テープ312,312´上に結合され、務歯32をそれぞれ第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´との正面(前面、
図1を参照)に位置させ、そして第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´との裏面にてそれぞれ務歯32を遮蔽する(
図2を参照)。一対のスライダー40,40´が摺動するとき、各スライダー40,40´の両側のガイド板43,43´を摺動空間313,313´中に移動させるので、ガイド板43,43´がオープン両開きファスナー30の背面に現われないようになっているため(
図2を参照)、オープン両開きファスナー30では、衣類の裏地が巻き込まれることを防止できる機能を達成させている。
【0022】
上述の係止ピンユニット10は、第1ファスナーテープ311の下端に一体的に射出形成され、第1ファスナーテープ311の下端付近及びその折り返しの内側辺が第1ファスナーテープ溝13内に延入して固定されるようにさせ(
図15を参照)、第1ファスナーテープ311の摺動空間313の下端が第1ファスナーテープ溝13の上端に繋がり、係止ピン11を第1ファスナーテープ311の務歯テープ312の前面に接合させる。
図15に示すように、第1ファスナーテープ311の下端付近の背面を、第1背板12の前面に貼合すると共に、第1挟持スリット16に横方向に延伸して通過させ、第1ファスナーテープ311を第1背板12の外側辺に延伸突出させるので、第1背板12の前面が第1ファスナーテープ311の背面に密接して配置されることで、第1ファスナーテープ311の構成形態を維持する。上述の止め体14は、第1背板12の前面から第1ファスナーテープ311の前面の下端に前向きに突出しており、一対のスライダー40,40´を阻止するために用いられる。上述の第1挟持体15を第1ファスナーテープ311の前面に射出成形することで(
図1及び
図6を参照)、第1ファスナーテープ311を第1挟持体15と第1背板12とで挟持し、これにて横方向の引張力に抵抗する好適な挟持固定構造を生み出す。
【0023】
上述の可動ピンユニット20は、第2ファスナーテープ311´の下端に一体的に射出形成され、第2ファスナーテープ311´の下端付近及びその折り返しの内側辺が第2ファスナーテープ溝23内に延入して固定されるようにさせるので(
図16を参照)、第2ファスナーテープ311´の摺動空間313´の下端が第2ファスナーテープ溝23の上端に繋げられると共に、これにより可動差しピン21を第2ファスナーテープ311´の務歯テープ312´の前面に射出成形させて接合させる。次に、
図16に示すように、第2ファスナーテープ311´の下端付近の背面を、第2背板22の前面に貼合すると共に、第2挟持スリット25に横方向に延伸して通過させ、第2ファスナーテープ311´を第2背板22の外側辺に延伸突出させるので、第2背板22の前面が第2ファスナーテープ311´の背面に密接して配置されることで、第2ファスナーテープ311´の構成形態を維持する。そして、上述の第2挟持体24を第2ファスナーテープ311´の前面に射出成形して貼合することで、第2ファスナーテープ311´を第2挟持体24と第2背板22とで挟持し、これにて横方向の引張力に抵抗する好適な挟持固定構造を生み出す。
【0024】
図6、
図15及び
図16に示すように、上述の係止ピンユニット10と可動ピンユニット20とをそれぞれ第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´とに射出成形するとき、上述の第1背板12と第1挟持体15との間の第1連結ピン18が第1ファスナーテープ311を貫通し、そして上述の第2背板22と第2挟持体24との間の第2連結ピン27が第2ファスナーテープ311´を貫通する。これにより、係止ピンユニット10と可動ピンユニット20とを第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´とにより一層強固に結合させると共に、横方向の引張力に抵抗する好適な作用効果を奏する。なおかつ、本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置の係止ピンユニット10と可動ピンユニット20とを第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´とに成形し、その第1背板12と第2背板22とを使用者の掴み部位として用いることにより、使用者が便利に可動ピンユニット20を上下一対のスライダー40,40´に貫挿することができ、可動ピンユニット20と係止ピンユニット10とを互いに合体させてもよいし、反対に、便利に可動ピンユニット20を上下一対のスライダー40,40´から抜き取って開離させることも可能である。
【0025】
上述の
図1から
図16に示すのは、本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置をオープン両開きの噛み込み防止ファスナーに応用する実施例であり、ただ、本発明のオープン両開きファスナーの下止め装置は、ファスナーテープの内側辺に折り返しの務歯テープを有するオープン両開きの隠しファスナーに取り付けることもでき、
図17及び
図18に示すように、オープン両開きファスナー30の上下一対のスライダー40,40´を第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´との間の背面に組立て、上下一対のスライダー40,40´と背面の務歯32とを同一平面にさせ、そして上下一対のスライダー40,40´の前面の引手は、第1ファスナーテープ311と第2ファスナーテープ311´との間を通り抜けてオープン両開きの隠しファスナーの正面に位置する。
図1に示すようなオープン両開きの噛み込み防止ファスナーの正面において、その上下一対のスライダー40,40´及び引手と務歯32は、いずれも一対のファスナーストリンガー31,31´の正面に存在するので、
図2に示した背面からはスライダーが見えないようになっており、このようにして噛み込み防止機能が得られる。そして、
図17に示すようなオープン両開きの隠しファスナーの背面において、上下一対のスライダー40,40´及び務歯32は、一対のファスナーストリンガー31,31´の背面に隠蔽され、一対のファスナーストリンガー31,31´の正面に引手のみが見え(
図18を参照)、その他の構造は、上述のオープン両開きの噛み込み防止ファスナーと同様であるので、繰り返し説明を別途行わない。
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0026】
10:係止ピンユニット
11:係止ピン
111:第1上段部
112:第1下段部
12:第1背板
13:第1ファスナーテープ溝
131:第1開口
14:止め体
141:通孔
142:凹弧面
15:第1挟持体
16:第1挟持スリット
17:第1連結部
18:第1連結ピン
19:第1掛止突起
20:可動ピンユニット
21:可動差しピン
211:第2上段部
212:第2下段部
22:第2背板
23:第2ファスナーテープ溝
231:第2開口
24:第2挟持体
25:第2挟持スリット
26:第2連結部
27:第2連結ピン
28:第2掛止突起
29:掛止凹部
30:オープン両開きファスナー
31,31´:ファスナーストリンガー
311:第1ファスナーテープ
311´:第2ファスナーテープ
312,312´:務歯テープ
313,313´:摺動空間
32:務歯
40:上スライダー
40´:下スライダー
41´:ガイド溝
43,43´:ガイド板