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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110934
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】熱管理統合モジュール
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/06 20060101AFI20240808BHJP
   F25B 41/40 20210101ALI20240808BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240808BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240808BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20240808BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240808BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F04B39/06 E
F25B41/40 A
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6568
H01M10/6556
F25B1/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006998
(22)【出願日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】202310129262.7
(32)【優先日】2023-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517149748
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Sanhua Intelligent Controls CO., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】徐 云根
(72)【発明者】
【氏名】翁 涛
(72)【発明者】
【氏名】張 云芳
(72)【発明者】
【氏名】譚 永翔
【テーマコード(参考)】
3H003
5H031
【Fターム(参考)】
3H003AB06
3H003BE02
3H003CD01
3H003CD06
3H003CE01
5H031HH06
5H031KK08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】体積が比較的小さい熱管理統合モジュールを提供する。
【解決手段】熱管理統合モジュールであって、圧縮機2、第1流路板17及び圧縮機ブラケット4を備え、第1流路板17は本体部1及び接続部5を含み、本体部1内に少なくとも1つの流路が設けられ、本体部1と接続部5とが一体部材であり、圧縮機ブラケット4は第1取付面及び第2取付面を含み、第1取付面及び第2取付面の向きが異なり、圧縮機2が第1取付面に接続され、接続部5が第2取付面に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱管理統合モジュールであって、
圧縮機、第1流路板及び圧縮機ブラケットを備え、前記第1流路板は本体部及び接続部を含み、前記本体部内に少なくとも1つの流路が設けられ、前記本体部と接続部とが一体部材であり、
前記圧縮機ブラケットは第1取付面及び第2取付面を含み、第1取付面及び第2取付面の向きが異なり、前記圧縮機が第1取付面に接続され、前記接続部が第2取付面に接続されることを特徴とする熱管理統合モジュール。
【請求項2】
前記接続部は本体部の長さ方向に沿って延在する横部を含み、前記本体部は圧縮機ブラケットに面する第1側壁を含み、前記横部と第1側壁とが折れ角取付領域を形成し、前記圧縮機ブラケットが少なくとも部分的に前記折れ角取付領域に位置し、
前記圧縮機ブラケットは折れ角部を含み、前記折れ角部の横辺は横部に接続され、前記折れ角部の縦辺は少なくとも部分的に前記第1側壁に接続又は嵌着され、又は逃げ隙間があることを特徴とする請求項1に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項3】
前記熱管理統合モジュールは更に第2流路板を含み、前記第2流路板が圧縮機に向かう第1壁面を含み、前記圧縮機の長さ方向が第1壁面に平行することを特徴とする請求項1に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項4】
前記圧縮機ブラケットは透かし彫り部を含み、
前記第1取付面と前記第2取付面とが接続され、前記第1取付面と前記第2取付面とが互いに垂直であり、前記第1取付面は少なくとも部分的に圧縮機に接触する接触面を含み、前記接触面が平面又は内凹面を呈し、前記平面が圧縮機のケーシングに相接し、前記内凹面が圧縮機のケーシングの弧度に符合することを特徴とする請求項1に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項5】
前記圧縮機は少なくとも1本のリブを含み、前記圧縮機ブラケットはリブに対応する少なくとも1つの凹溝を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項6】
前記熱管理統合モジュールは更に振動減衰アセンブリを含み、前記圧縮機が前記振動減衰アセンブリに固定接続され、前記振動減衰アセンブリが圧縮機ブラケットに固定接続されることを特徴とする請求項1に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項7】
前記圧縮機ブラケットは若干の貫通孔を有し、前記貫通孔が振動減衰アセンブリに適合し、前記振動減衰アセンブリが少なくとも部分的に貫通孔内に嵌着されることを特徴とする請求項6に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項8】
前記振動減衰アセンブリは外ワッシャ、振動減衰ベース及び内ワッシャを含み、前記外ワッシャの直径が前記内ワッシャの直径よりも大きく、振動減衰ベースが少なくとも部分的に可撓性材質であり、前記外ワッシャ及び前記内ワッシャの材質が少なくとも部分的に剛性材質であり、前記外ワッシャが振動減衰ベースの外輪に固定してこれを覆うように設けられ、前記内ワッシャが振動減衰ベースの内輪に固定して穿設され、前記外ワッシャの外壁面が貫通孔の内孔壁に接し、
前記圧縮機は貫通孔に対応するバンプを含み、前記バンプが突合せ孔を有し、前記圧縮機ブラケットは複数のボルトを含み、前記ボルトが内ワッシャを貫通して少なくとも部分的に突合せ孔に位置することを特徴とする請求項7に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項9】
前記第1流路板が冷媒流路板であり、前記第2流路板が冷却液流路板であり、前記第1流路板と第2流路板とが重ねて配置され且つそれらが接続固定され、前記第1流路板及び第2流路板の材質が異なり、前記第1流路板が少なくとも部分的に金属材質であり、第2流路板が少なくとも部分的にプラスチック材質であり、
前記接続部は圧縮機ブラケットから離れる第1表面を含み、前記第1表面が第1流路板の頂部の表面と同一平面にあり、
前記第1流路板及び接続部にそれぞれ若干のボスが設けられ、前記ボスがボルトに係合する取付孔を有することを特徴とする請求項3に記載の熱管理統合モジュール。
【請求項10】
前記熱管理統合モジュールは更に電池冷却ポンプ、多方弁、モータ冷却ポンプ、統合コントローラ及び電池冷却器を含み、
前記第1流路板は冷媒絞り弁を取り付けるための複数の第1弁口と、冷媒切替弁を取り付けるための複数の第2弁口とを有し、前記第1弁口と第2弁口とが本体部の長さ方向に沿って配置され、前記統合コントローラが前記第1流路板に設置され、前記電池冷却ポンプが前記第1流路板に取り付けられ、前記電池冷却ポンプ、モータ冷却ポンプ及び多方弁がいずれも第2流路板に取り付けられ、前記電池冷却ポンプ、モータ冷却ポンプ、多方弁、冷媒絞り弁、冷媒切替弁及び電池冷却器がいずれも統合コントローラに電気的に接続されることを特徴とする請求項9に記載の熱管理統合モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は熱管理統合モジュールに関し、特に体積が比較的小さい熱管理統合モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術における熱管理統合モジュールは接続部材、ブラケット、圧縮機及び流路板を備え、流路板が接続部材の一端にボルト接続で位置決めされ、圧縮機がブラケットに横方向に配置され、前記ブラケットが接続部材の他端に接続固定され、前記圧縮機及び接続部材がいずれもブラケットの同一取付面に取り付けられ、このため、熱管理統合モジュール全体の体積が比較的大きくて、コンパクトではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の目的は、体積が比較的小さい熱管理統合モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願に係る熱管理統合モジュールであって、圧縮機、第1流路板及び圧縮機ブラケットを備え、前記第1流路板は本体部及び接続部を含み、前記本体部内に少なくとも1つの流路が設けられ、前記本体部と接続部とが一体部材であり、前記圧縮機ブラケットは第1取付面及び第2取付面を含み、第1取付面及び第2取付面の向きが異なり、前記圧縮機が第1取付面に接続され、前記接続部が第2取付面に接続される。
【発明の効果】
【0005】
本願の第1取付面及び第2取付面の向きが異なり、圧縮機が第1取付面に接続され、接続部が第2取付面に接続され、即ち圧縮機と第1流路板とがそれぞれずらして向きの異なる第1取付面及び第2取付面に取り付けられ、熱管理統合モジュールの空間を十分に利用することができ、それにより熱管理統合モジュールの体積が比較的小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本願の熱管理統合モジュールの斜視図である。
図2図1に示される冷媒流路板の斜視図である。
図3図2に示される冷媒流路板の正面図である。
図4図3に示される冷媒流路板の側面図である。
図5図1に示される熱管理統合モジュールの分解図である。
図6図1に示される圧縮機及び圧縮機ブラケットの斜視図である。
図7図6に示される圧縮機及び圧縮機ブラケットの上面図である。
図8図7に示される圧縮機及び圧縮機ブラケットのA-A方向に沿った断面図である。
図9図6に示される圧縮機ブラケットの斜視図である。
図10】圧縮機ブラケットの別の実施例の斜視図である。
図11図5に示される振動減衰アセンブリの斜視図である。
図12図11に示される振動減衰アセンブリの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明は当業者が本発明を実現できるために本発明を開示するためのものである。以下の説明における好適な実施例は単に例示的なものであり、当業者であれば他の明らかな変形に想到し得る。以下の説明において定義される本発明の基本原理は他の実施案、変形案、改良案、等価案、並びに本発明の主旨及び範囲を逸脱しない他の技術案に適用され得る。本願の主旨及び範囲を逸脱しない全ての技術案及びその改良は、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【0008】
当業者であれば理解すべきことは、本発明の開示において、用語「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などで示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係であり、本発明を説明しやすくし及び説明を簡素化するためのものに過ぎず、指す装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを指示又は暗示するのではなく、従って、上記用語は本発明を制限するものと理解されるべきではない。
【0009】
理解されるように、用語「一」は「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」であると理解されるべきであり、即ち一実施例において1つの素子の数が1つであってもよいが、別の実施例において該素子の数が複数であってもよく、用語「一」は数を制限するものと理解されるべきではない。
【0010】
熱管理統合モジュールは一般的に完成車の熱管理システムに使用され、即ち完成車の熱管理システムにおけるそれぞれ分散して取り付けられる部材の一部を統合して、統合化モジュールを形成し、熱管理統合モジュールにて冷量及び熱量を統括することで、完成車の範囲内の冷量及び熱量のニーズ例えばモータの冷却ニーズ、動力電池の冷却ニーズ、冷媒流量の条件制御などを満たす。
【0011】
以下に図1図12における全部又は一部を参照しながら本発明を詳述し、本願の方向は図1に準じ、即ち本体部1の長さ方向をX方向、本体部1の高さ方向をY方向、本体部1の厚さ方向をZ方向とする。
【0012】
主に図1図5を参照し、本願に係る熱管理統合モジュールであって、圧縮機2、圧縮機ブラケット4、第1流路板17及び第2流路板16を備え、第1流路板17は本体部1及び接続部5を含み、本体部1内に少なくとも1つの流路35が設けられ、本体部1と接続部5とが一体部材であり、圧縮機ブラケット4は第1取付面33及び第2取付面34を含み、第1取付面33及び第2取付面34の向きが異なり、圧縮機2が第1取付面33に接続され、接続部5が第2取付面34に接続されており、図示の実施例では、圧縮機2は遠心式圧縮機(即ちスクロール圧縮機)であり、選択可能な実施例では、圧縮機2は軸流式圧縮機などであってもよく、本願の図示の実施例では、熱管理統合モジュールは新エネルギー自動車システムに適用されるが、新エネルギー自動車システムに限らず、熱管理統合モジュールは自動車のサスペンションに接続固定され、熱管理統合モジュールの優位性が明らかであり、即ち統合度が高くて、取り付けやすく、また、本願自体の場合、圧縮機2及び接続部5をそれぞれ向きの異なる第1取付面33及び第2取付面34に取り付けることにより、製品の配置をコンパクトにして、体積を小さくすることができ、更に車体の空間が解放されており、本願では、第1取付面33と第2取付面34とが隣接接続関係にあり、且つ互いに垂直であり、圧縮機ブラケット4と接続部5とが剛性接続されてもよく、例えばボルトで接続固定され、又はリベットで固定され、又はバックル方式で接続固定され、フローティング接続方式を採用してもよく、例えばクッションパッド、振動減衰パッドなどを採用してもよく、同様に、圧縮機2と圧縮機ブラケット4とが剛性接続されてもよく、フローティング接続されてもよく、本願の圧縮機ブラケット4と接続部5とがボルトで接続固定され、圧縮機2と圧縮機ブラケット4とがフローティング接続で固定されており、また、本願では、圧縮機ブラケット4と本体部1との接続方式は直接接続又は間接接続を含み、本体部1と接続部5とが一体部材であり、一体部材は接続部5自体が本体部の一部であると理解されてもよく、そうすると、圧縮機ブラケット4が本体部1に直接接続されることは接続部5自体が本体部1の一部に属せず、接続部5が本体部1の長さ方向に沿って延在してなり、射出やプレスにより本体部1と接続部5とを一体形成し、又は本体部1と接続部5とを溶接方式で一体に形成するものであると理解されてもよく、そうすると、圧縮機ブラケット4が本体部1に間接的に接続される。
【0013】
更に、図1図5に示すように、第1流路板17は冷媒流路板であり、第2流路板16は冷却液流路板であり、冷媒流路板は冷媒の流通に使用されて冷媒システムにおける異なる部材を接続し、冷媒流路板内に複数の冷媒流通回路が形成され、冷房すべき異なる部材同士(これらの部材を以下に詳述する)が連通関係を有する場合、冷媒流路板の対応位置で形成された冷媒流通回路によりそれらの連通を実現することができるのであり、冷却液流路板は冷却液の流通に使用されて冷却液回路における異なる部材を接続し、同様に、冷却液流路板内に複数の冷却液流通回路が形成され、冷却液を必要な異なる部材同士が連通関係を有する場合、冷却液流路板の対応位置で形成された冷却液流通回路により連通を実現することができるのであり、理解されるように、冷媒流路板及び冷却液流路板の内部の回路、熱管理部材の種類及び個数、異なる部材がそれぞれ冷媒流路板及び冷却液流路板に取り付けられる取付位置は実際のニーズに応じて対応の調整を行うことができ、実際の完成車範囲における熱管理が実現される。
【0014】
第1流路板17と第2流路板16とが重ねて配置され且つそれらが接続固定され、即ち冷媒流路板は冷却液流路板に向かう第3取付面を含み、冷却液流路板は冷媒流路板に向かう第4取付面を含み、第3取付面と第4取付面とがボルトで接続固定され、冷媒流路板の第3取付面と冷却液流路板の第4取付面との間に一定の隙間を残してもよく、互いに密着してもよい。本願の実施例では、第1流路板17及び第2流路板16の材質が異なり、第1流路板17(冷媒流路板)が少なくとも部分的に金属材質であり、本願は全体的な金属材質例えばアルミニウム、アルミニウム合金材質などを採用し、該材質の選択は冷媒の漏れを回避して、その重量を軽減することができるとともに、冷媒流路の強度を確保することもでき、それにより第1流路板17が熱管理統合モジュールにおける一方の本体とされる構造安定性及び耐久性を向上させるのであり、第2流路板16(冷却液流路板)が少なくとも部分的にプラスチック材質であり、本願は全体的なプラスチック材質例えばPPなどの断熱材質で製造され、該材質を採用する理由は、冷却液流路板の断熱性能が確保できるとともに、冷却液流路板の強度も確保され得ることであり、それにより冷却液流路板が熱管理統合部材の他方の本体とされる構造安定強度を向上させている。選択可能な実施例では、冷却液流路板は金属材質として実施されてもよいが、コスト、重量及び実際効用を考慮して、冷却液流路板は一般的に金属材質を採用することがない。次に、選択可能な実施例では、接続部5が本体部1の底部の一側に設置されてもよいが、圧縮機ブラケット4の取付、圧縮機2の取付及び熱管理統合モジュールを完成車内に取り付ける実際の状況を考慮して、本願は前者の方がより優れたと考えられている。図2及び図3に示すように、図示の実施例では、接続部5は圧縮機ブラケット4から離れる第1表面30を含み、第1表面30が冷媒流路板の頂部40の表面と同一平面にあり、実際の生産過程において、接続部5の第1表面30と冷媒流路板の頂部40の表面とが必ず完全に同一平面にあるとは限らず、一定の誤差が許容されてもよい。選択可能な実施例では、接続部5の第1表面30と冷媒流路板の頂面とが高さの異なる階段構造を呈し、冷媒流路板の頂部及び第1表面30にそれぞれ若干のボス22が設けられ、ボス22が取付孔27を有し、それゆえ、接続部5の表面が冷媒流路板の頂面と同一平面にある優位性は、各ボス22の高さが設計時に一致するように維持させる。更に熱管理統合モジュールと完成車のサスペンションとの接続固定を容易にし、これにより、熱管理統合モジュールの取付時の高さが異なる状況を防止し、熱管理統合モジュールと完成車のサスペンションとの接続安定性を強化することにある。但し、実際の取付に応じて、高さの異なるボス22及び取付孔27として実施してもよい。また、本願では、ボス22と冷媒流路板及び接続部5とが一体部材であり、操作者は熱管理統合モジュールをボルトでサスペンションの貫通孔9からボス22の取付孔27内に取り付けることができる。
【0015】
熱管理統合モジュールは更に電池冷却ポンプ18、多方弁、モータ冷却ポンプ20、冷媒絞り弁、冷媒切替弁、統合コントローラ3及び電池冷却器21を含み、統合コントローラ3が冷媒流路板の頂部40に設置され、冷媒流路板の頂部には冷媒絞り弁を取り付けるための複数の第1弁口26及び冷媒切替弁を取り付けるための複数の第2弁口25を有し、第1弁口26と第2弁口25とが一字形に配列される。電池冷却器21、冷媒絞り弁及び冷媒切替弁がいずれも冷媒流路板に取り付けられ、電池冷却ポンプ18、モータ冷却ポンプ20及び多方弁19がいずれも冷却液流路板に取り付けられ、電池冷却ポンプ18、モータ冷却ポンプ20、多方弁19、冷媒絞り弁、冷媒切替弁及び電池冷却器21がいずれも統合コントローラ3に電気的に接続されており、また、上記言及した電池冷却ポンプ18、モータ冷却ポンプ20、冷媒絞り弁及び冷媒切替弁などがいずれも実行素子であり、その駆動素子がいずれも統合コントローラ3内に統合され、統合コントローラ3により統括的に駆動制御され、即ち熱管理統合モジュールは圧縮機2の駆動制御、冷媒弁部材の駆動制御、水ポンプの駆動制御、水弁の駆動制御を制御することができ、更にヒータの駆動制御、及び圧力・温度センサ、水温センサの信号収集機能を制御することができる。
【0016】
最も重要なことは、図1図2図3及び図5に示すように、図示の実施例では、接続部5は横部36を含み、その横部36の設置方向が本体部1の長さ方向(即ち、X方向)に沿って延在し、本体部1は横部36に面する第1側壁29(即ち、Y方向の側壁)を含み、横部36と第1側壁29とが折れ角取付領域23を形成し、圧縮機ブラケット4が少なくとも部分的に折れ角取付領域23内に位置し、本解決手段の優位性は、折れ角取付領域23が圧縮機ブラケット4を本体部1により安定して接続させることができ、実際に使用するとき、圧縮機2に一定強度の振動が発生するが、圧縮機2が圧縮機ブラケット4に接続されるため、圧縮機2の振動が不可避的に圧縮機ブラケット4の揺動を引き起こし、圧縮機ブラケット4の揺動が接続部5と圧縮機ブラケット4との接続箇所及び接続部5と本体部1との接続箇所に影響してしまい、折れ角取付領域23の配置により圧縮機ブラケット4と第1流路板17との接続安定性が強化され得ることにある。選択可能な実施例では、第1側壁29にその高さ方向(Y方向)に沿って縦部が延在し、縦部の役割が横部36の役割と同じであるが、取付方向が異なり、圧縮機ブラケット4の側面が縦部に接続されており、しかしながら、この解決手段は折れ角取付領域23の場合に選択可能な解決手段の優位性が、コストが低くて、設計しやすいことにあるが、圧縮機ブラケット4と縦部との接続安定性が前者の方よりも高くない。
【0017】
更に、図2図5及び図9に示すように、本願では、圧縮機ブラケット4は折れ角取付領域23に対応する折れ角部12を含み、折れ角部12の横辺37が横フレームに接続され、具体的な接続方式はろう付け、接着、締め付け、係合、インタロック、取付、成形を採用してもよく、本願はボルト接続による固定方式を採用し、即ち横部36に複数の雌ねじ孔32が設けられ、折れ角部12の横辺37に雌ねじ孔32に1対1で対応する貫通孔11が設けられ、操作者はボルトを貫通孔11から貫入して雌ねじ孔32内に捩じ込むことができ、圧縮機ブラケット4と接続部5との固定取付が実現され、横辺37の接続部5に対向する表面が第2取付面34である。折れ角部12の縦辺38は少なくとも部分的に第1側壁29に接続又は嵌着され、又は一定の逃げ隙間があり、以上から分かるように、折れ角部12の縦辺38及び第1側壁29は複数の設置方式があり、1つの可能な実施形態では、折れ角部12の縦辺38が第1側壁29に接続固定され、該解決手段の優位性は、圧縮機ブラケット4が完全に第1流路板17に接続固定され、圧縮機ブラケット4と第1流路板17との接続強度が最も高いことにあり、別の可能な実施形態では、第1側壁29にその長さに沿って1つの凹み溝が設けられ、折れ角部12の縦辺38に凹み溝の方向へ凹み溝に対応する1つの制限リブが延在するのであり、圧縮機ブラケット4が接続部5に突合せられる場合、まず制限リブを凹み溝内に嵌め込み、次に圧縮機ブラケット4を凹み溝の縦方向に沿って押し上げ、更に圧縮機ブラケット4と接続部5とを接続固定してもよく、この解決手段の優位性は、まず圧縮機ブラケット4の位置を限定し、後続の接続固定を容易にし、また、上記解決手段の効果もあることにあり、更に別の可能な実施形態では、折れ角部12の縦辺38が少なくとも部分的に流路部の側壁との直接接続関係を有せず、それらの間に一定距離の逃げ隙間があり、又は折れ角部12の縦辺38が流路部の側壁に密着して当接されており、この解決手段は上記2つの解決手段の接続強度を有しないが、この解決手段の優位性は振動を部分的に減衰する効果を効果的に果たすことができ、圧縮機2の振動が不可避的に圧縮機ブラケット4の揺動を引き起こし、圧縮機ブラケット4の揺動が接続部5により第1流路板17の揺動に間接的に影響してしまうことにあるが、上記2つの解決手段を採用すれば、圧縮機ブラケット4と第1流路板17との接触面39が増加するにつれて、第1流路板17の揺動程度も激しくなる。
【0018】
図1に示すように、図示の実施例では、圧縮機ブラケット4及び圧縮機2がいずれも第1流路板17の同一側に位置し、第2流路板16は圧縮機2に向かう第1壁面28を含み、圧縮機2の長さ方向が第1壁面28に平行するのであり、圧縮機2を冷媒流路板の側部に設置すれば、圧縮機2は冷媒流路板の異なる部材の継ぎ目位置での設置/個数設置に影響することがなく、且つ作業者は冷媒流路板の形状、流路配置、冷媒回路などを柔軟に設計することができ、圧縮機2が縦方向(Y方向)に配置され、圧縮機2が圧縮機ブラケット4に対して平行に取り付けられることにより、熱管理統合モジュール全体の体積を効果的に減少させて、その構造をよりコンパクトにすることができる。
【0019】
図9に示すように、図示の実施例では、圧縮機ブラケット4は透かし彫り部31を含み、選択可能な実施例では、圧縮機ブラケット4は1枚のパネルであってもよいが、好適な解決手段として透かし彫り構造であり、圧縮機2自体が一定の重量を持つが、圧縮機ブラケット4が依然としてパネル全体を採用すれば、重量が重すぎてしまい、それゆえ、透かし彫り設計は熱管理統合モジュール全体の重量を効果的に軽減することができ、また、圧縮機ブラケット4が透かし彫り処理されると、縦横に斜めに交差する複数の強化ブロック13が形成され、強化ブロック13の設置によって圧縮機ブラケット4が透かし彫り処理されると依然として比較的高い支持強度を維持するようにすることができるのである。図9~10に示すように、圧縮機ブラケット4は2種類の構造即ち矩形構造又は不規則形状構造があり、第1取付面33と第2取付面34とが接続され且つ垂直であり、第1取付面33が少なくとも部分的に圧縮機2に接触する接触面39を含み、接触面39が平面又は内凹面を呈し、平面を採用すれば、平面が圧縮機2のケーシングに相接し、内凹面を採用すれば、内凹面が圧縮機2のケーシングの弧度に符合し、内凹面と圧縮機2のケーシングとの接触面39がより大きく、取付の密着性が平面よりも高く、圧縮機2及び圧縮機ブラケット4の安定性もより高く、強度がより大きい。
【0020】
図6及び図9に示すように、本願の実施例では、圧縮機2のケーシングは少なくとも1本のリブ24を含み、圧縮機ブラケット4はリブ24に対応する少なくとも1つの凹溝10を含み、圧縮機2が圧縮機ブラケット4に突合せられる場合、リブ24が凹溝10内に嵌め込んで制限固定され、該構造によって圧縮機2と圧縮機ブラケット4とをより密着させて、取付をより緊密にすることができる。
【0021】
圧縮機2と圧縮機ブラケット4とが剛性接続されるだけである場合、圧縮機2の振動が直接に熱管理統合モジュールに伝達して、熱管理統合モジュールの信頼性を低下させて、疲労破断するリスクがあり、この状況を考慮して、図5図7及び図8に示すように、図示の実施例では、熱管理統合モジュールは振動減衰アセンブリ15を備え、圧縮機2が振動減衰アセンブリ15に固定接続され、振動減衰アセンブリ15が圧縮機ブラケット4に固定接続され、振動減衰アセンブリ15の役割は圧縮機2の振動の第1流路板17への伝達を効果的に低減して、熱管理統合モジュールの耐用年数を延ばすことであり、振動減衰アセンブリ15は複数の実施形態例えば振動減衰ゴムリング、シリカゲルクッションパッドなどがあってもよく、いくつかの可撓性材質のものを圧縮機ブラケット4と圧縮機2との間に敷けばよいが、効果が最適ではない恐れがあり、本願では、圧縮機ブラケット4は若干の貫通孔9を有し、貫通孔9の孔径が振動減衰アセンブリ15に対応し、振動減衰アセンブリ15が少なくとも部分的に貫通孔9内に嵌着され、貫通孔9の数が実際の必要に応じて具体的に設定され、上記言及した貫通孔9の孔径が振動減衰アセンブリ15に対応することは締りばめ、隙間ばめ、止りばめなどを含み、図9図10では、貫通孔9は4つ設置されてもよく、3つ設置されてもよく、4つの貫通孔9の解決手段として実施される場合、圧縮機ブラケット4の4つの端部に平均的に配置され、3つの貫通孔9の解決手段として実施される場合、3つの貫通孔9の点を結んで三角関係を形成し、三角点を呈する貫通孔9が圧縮機2に接続されることにより圧縮機2と圧縮機ブラケット4との接続強度及び安定性を強化することができる。
【0022】
図11及び図8に示すように、本願の実施例では、振動減衰アセンブリ15は外ワッシャ8、振動減衰ベース7及び内ワッシャ6を含み、外ワッシャ8の直径が内ワッシャ6の直径よりも大きく、振動減衰ベース7が少なくとも部分的に可撓性材質例えばゴムなどであり、外ワッシャ8及び内ワッシャ6が少なくとも部分的にいずれも剛性材質例えば金属材質におけるアルミニウム合金、プラスチック材質におけるPPなどであり、外ワッシャ8が振動減衰ベース7の外輪に固定してこれを覆うように設けられ、内ワッシャ6が振動減衰ベース7の内輪に固定して穿設され、外ワッシャ8の外壁面が貫通孔9の内孔壁に固定され、圧縮機2は貫通孔9に対応するバンプ14を含み、バンプ14が突合せ孔41を有し、圧縮機ブラケット4が複数のボルトを含み、ボルトが内ワッシャ6を貫通し且つ少なくとも部分的に突合せ孔41内に位置するのであり、振動減衰アセンブリ15の構造を以上のように選択する優位性は、ゴム部分の振動減衰ベース7が外ワッシャ8と内ワッシャ6との間に挟まれており、一定の制限効果を有し、即ちゴム部分の振動減衰ベース7が限られた領域内で変形し、ゴム部分の変形が過大になることを防止することにあり、また、内ワッシャ6はボルトの貫通に使用され、剛性材質はボルトが押し出されることを防止するとともに、ボルト及び圧縮機2のゆるみを防止することができ、内ワッシャ6がゴム材質を採用すれば、圧縮機2は振動過程において内ワッシャ6が振動変形するように駆動し、内ワッシャ6が変形するとボルトと圧縮機2との接続効果に影響してしまうが、圧縮機ブラケット4との接続を考慮して外ワッシャ8も剛性材質を採用し、外ワッシャ8、振動減衰ベース7及び内ワッシャ6の製造はゴム射出加硫プロセスにより実現されてもよく、まず外ワッシャ8及び内ワッシャ6を金型の指定位置に置き、次に射出加硫装置により外ワッシャ8と内ワッシャ6との間にゴムを充填し、且つ実際に応じて振動減衰ベース7の必要な形状を形成することができる。
【0023】
当業者であれば理解すべきことは、上記説明及び図面に示される本発明の実施例は単に例示的なものであって、本発明を制限するものではない。
【0024】
本発明の目的は既に完全且つ効果的に実現されている。本発明の機能及び構造原理は既に実施例において表示及び説明されており、前記原理を逸脱せずに、本発明の実施形態に対して任意の変形又は修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0025】
1 本体部
2 圧縮機
3 統合コントローラ
4 圧縮機ブラケット
5 接続部
6 内ワッシャ
7 振動減衰ベース
8 外ワッシャ
9 貫通孔
10 凹溝
11 貫通孔
12 折れ角部
13 強化ブロック
14 バンプ
15 振動減衰アセンブリ
16 第2流路板
17 第1流路板
18 電池冷却ポンプ
19 多方弁
20 モータ冷却ポンプ
21 電池冷却器
22 ボス
23 折れ角取付領域
24 リブ
25 第2弁口
26 第1弁口
27 取付孔
28 第1壁面
29 第1側壁
30 第1表面
31 透かし彫り部
32 雌ねじ孔
33 第1取付面
34 第2取付面
35 流路
36 横部
37 横辺
38 縦辺
39 接触面
40 頂部
41 突合せ孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12