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特開2024-110941細長い支持体に固定するためのデバイスを装備された、NOなどのガスを供給するための医療用装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110941
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】細長い支持体に固定するためのデバイスを装備された、NOなどのガスを供給するための医療用装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/12 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61M16/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024011047
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】2301039
(32)【優先日】2023-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】523084536
【氏名又は名称】イノシステムズ
【氏名又は名称原語表記】INOSYSTEMS
【住所又は居所原語表記】7 rue Georges Besse, 92160 Antony, France
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ティリリー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・カハレ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガス状NOなどのガスを供給するための医療用装置を提供する。
【解決手段】本装置は、シェルと、細長い支持体にデバイス10を固定するための、シェル上に配置されたデバイスとを備える。固定デバイスは、クランプ本体12と、互いに対して枢動することによって可動であるクランプ要素13とを備え、それらは、クランプを形成する第1の顎部15及び第2の顎部16として構成される。回転作動させることができる回転操作部材11が、顎部が互いに向かって又は互いから離れるように動かされることを可能にする。それは、ユーザによって手で掴まれることを意図された頭部11.1と、互いに向かって又は互いから離れるように顎部を動かすために、内部にねじ山を付けられた作動部と協働するねじ山を付けられた部分11.4を有する作動ロッド11.2とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを供給するための医療用装置(1)であって、外壁(3)を有するシェル(2)と、細長い支持体(S)に固定デバイス(10)を固定するための、前記シェル(2)の前記外壁(3)上に配置された固定デバイス(10)とを備え、前記固定デバイス(10)は、
-クランプ本体(12)、及び互いに対して枢動(XX)することによって可動であるクランプ要素(13)と、
-第1の顎部(15)として構成された前記クランプ本体(12)の少なくとも一部、及び第2の顎部(16)として構成された可動である前記クランプ要素(13)の少なくとも一部と、ここで、前記第1及び第2の顎部(15,16)は、クランプを形成するために向かい合って配置され、
-ユーザが回転作動させることができ、前記クランプ本体(12)に対して前記クランプ要素(13)を動かし、前記第2の顎部(16)に向かって又は前記第2の顎部(16)から離れるように前記第1の顎部(15)を動かすために、作動されたときに前記クランプ要素(13)と協働する回転操作部材(11)と
を備え、
-前記回転操作部材(11)は、前記ユーザによって手で掴まれることを意図された頭部(11.1)と、ねじ山を付けられた部分(11.4)を備える作動ロッド(11.2)とを備え、
-内部にねじ山を付けられた作動部が、前記作動ロッド(11.2)の前記ねじ山を付けられた部分(11.4)、及び前記クランプ要素(13)と協働して、互いに向かって又は互いから離れるように前記第1及び第2の顎部(15,16)を動かすように前記クランプ本体(12)に対する前記クランプ要素(13)の前記枢動(XX)をもたらす、装置において、
前記回転操作部材(11)は、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置されたトルク制限システム(20)を更に備え、前記トルク制限システム(20)は、圧力座金(24)と協働するばね座金(21)のスタックを備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記クランプ本体(12)及び前記クランプ要素(13)は、支持板(14)によって支えられ、前記支持板(14)は、前記シェル(2)の前記外壁(3)に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)の前記ねじ山を付けられた部分(11.4)は、前記ユーザが前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に時計回り又は反時計回りのねじ込む動きを加えると、前記内部にねじ山を付けられた作動部のねじ山内で動くように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記内部にねじ山を付けられた作動部は、前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)が前記内部にねじ山を付けられた作動部に作用するとき、並進運動されるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記内部にねじ山を付けられた作動部は、前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)が前記内部にねじ山を付けられた作動部に作用するときに、前記クランプ本体(12)に対する前記クランプ要素(13)の角運動(XX)と、前記ユーザによる前記作動ロッド(11.2)の作動方向に応じて、前記第1の顎部(15)に向かう又は前記第1の顎部(15)から離れる前記第2の顎部(16)の運動とを生成するように構成されていることを特徴とする、請求項1、3、又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の顎部(15)の第1の挟持ゾーン(15.1)が、半円形の輪郭を有し、前記第2の顎部(16)の第2の挟持ゾーン(16.1)が、線形の輪郭を有するか、又はその逆であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記トルク制限システム(20)は、12個未満のばね座金、好ましくは2~8つのばね座金のスタックを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ばね座金(21)のスタックは、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置された前記圧力座金(24)を押圧することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記作動ロッド(11.2)と一体の基部要素(22)と前記圧力座金(24)との間に配置された内部環状肩部(26)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記内部環状肩部(26)は、少なくとも1つのピンハウジング(30)内を並進運動可能な可動部(31)を備える前記ピンハウジング(30)によって横断され、好ましくは、いくつかのピンハウジング(30)は各々、可動部(31)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基部要素(22)は、前記内部環状肩部(26)に面して据えられた前記基部要素(22)の上部環状面(33)上に形成された少なくとも1つのブラインドハウジング(32)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記可動部(31)は、前記トルク制限システム(20)が少なくとも1つの係合位置にあるときに、前記基部要素(22)の少なくとも1つの前記ブラインドハウジング(32)中に部分的に挿入され、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記内部環状肩部(26)を介して前記基部要素(22)に結合され、そのため、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に前記ユーザによって加えられる回転運動が、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)及び前記基部要素(22)の回転を同時に駆動することを特徴とする、請求項10に従属する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記可動部(31)は、前記トルク制限システム(20)が少なくとも1つの係合解除位置にあるときに、前記基部要素(22)の少なくとも1つの前記ブラインドハウジング(32)の外側に位置付けられ、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記基部要素(22)から結合解除され、そのため、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に前記ユーザによって加えられる回転運動が、前記基部要素(22)を駆動しないことを特徴とする、請求項10に従属する請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記係合解除位置では、少なくとも1つの前記可動部(31)は、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)の前記内部環状肩部(26)から離れるように前記圧力座金(24)を移動させるように、前記ばね座金(21)のスタックに向かって前記圧力座金(24)を押すことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
保持手段(23)が、前記作動ロッド(11.2)に前記ばね座金(21)のスタックを固定することを可能にし、前記ばね座金(21)のスタックは、好ましくは、前記保持手段(23)の頭部(23.1)と、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置された前記圧力座金(24)との間に保持されることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にロッド又はバータイプの細長い支持体に装置を固定、即ち、取り付けて保持することを可能にする固定デバイスを装備された、NO、典型的にはNO/N2ガス混合物などのガスを供給するための医療用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用装置の中には、それらの使用中に、様々な構造を有する支持体、典型的には、正方形、矩形、又は円筒形の断面を有するロッド又はバータイプの支持体上に固定、即ち、適切な位置に取り付けられて保持されなければならないものがある。
【0003】
このことから、NO、即ち、典型的にはNO/N2混合物を供給するための医療用装置など、ガスを供給するための医療用装置の中には、救急車、飛行機、等などの緊急車両中で輸送されることが可能でなければならないものがある。輸送中、医療用装置は、落下することを防止するために、車両中に配置された支持体(例えば、矩形又は正方形ロッド)、又はガス、例えばNOがこれらの装置によって投与される患者を運ぶストレッチャー上に配置された支持体(例えば、円筒形バー)にしっかりと固定されなければならない。NO送達装置の例は、EP-A-3906955に説明されている。
【0004】
この目的のために、専用固定デバイス、例えばクランプデバイスを、当該医療用装置の外部ケーシングの後壁上、即ち、その周囲シェル上に装着することができる。このことから、EP-A-3639975は、様々なサイズ及び形状の支持体に装置、特に病院環境中の医療用装置を固定することを可能にする挟持デバイスを教示している。そのデバイスは、第1の挟持ハンドルを形成する後方延長部及び凹状の下顎部を備える底部と、第2のハンドルとしての役割を果たす後方部分及び凹状の上顎部を備える上部とで形成される。これらの部分は、2つの部分が枢動することを可能にする複数の枢動ピンを支える。2つのピンはまた、顎部の間隔を調整にする役割を果たすロックアーム用のアンカーポイントとしての役割を果たす。ロックアームの周りに配置された回転調整車輪が、その長さ、故に顎部の間隔を調整することを可能にする。しかしながら、そのようなクランプ構造は複雑で、操作があまり簡単ではなく、特に、回転調整車輪の存在は、そのアーキテクチャを複雑にする。
【0005】
課題は、従って、ロッド又はバータイプの細長い支持体に医療用装置を固定することを可能にする固定デバイスを装備された、ガス、特にNOを供給するための医療用装置を提案することであり、支持体が水平であるか、垂直であるか、又は斜めであるかにかかわらず、上述した問題、リスク、及び/又は欠点のうちの全て又は一部を回避又は限定することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の解決策は、外壁を有するシェルと、細長い支持体に固定デバイスを固定するための、シェルの外壁上に配置された固定デバイスとを備える、ガス、特にガス状NOを供給するための医療用装置、例えば、NO/N2ガス混合物を供給するための装置に関し、固定デバイスは、
-クランプ本体、及び互いに対して枢動することによって可動であるクランプ要素と、
-第1の顎部として構成されたクランプ本体の少なくとも一部、及び第2の顎部として構成された可動であるクランプ要素の少なくとも一部と、ここで、第1及び第2の顎部は、クランプを形成するために向かい合って配置され、
-ユーザが回転作動させることができ、クランプ本体に対してクランプ要素を動かし、第2の顎部に向かって又は第2の顎部から離れるように第1の顎部を動かすために、作動されたときにクランプ要素と協働する回転操作部材と
備える。
【0007】
加えて、
-回転操作部材は、ユーザによって手で掴まれることを意図された頭部と、ねじ山を付けられた部分を備える作動ロッドとを備え、
-内部にねじ山を付けられた作動部が、作動ロッドのねじ山を付けられた部分、及びクランプ要素と協働して、互いに向かって又は互いから離れるように第1及び第2の顎部を動かすようにクランプ本体に対するクランプ要素の枢動(XX)をもたらす。
【0008】
本発明によると、回転操s作部材は、回転操作部材の頭部中に配置されたトルク制限システムを更に備え、トルク制限システムは、圧力座金と協働するばね座金のスタックを備える。
【0009】
考慮される実施形態に応じて、本発明の医療用装置は、以下の特徴のうちの1つ以上を備えることができる:
-クランプ本体は、固定される。
-クランプ本体は、支持板に固定される。
-クランプ本体及びクランプ要素は、支持板によって支えられる。
-支持板は、シェルの外壁に固定され、好ましくは、ねじで留めることによって固定される。
-支持板は、多孔板を備える。
-支持板は、装置のシェルの後面に固定される。
-作動ロッドのねじ山を付けられた部分は、回転操作部材の作動ロッドの自由端に配置される。
-作動ロッドのねじ山を付けられた部分は、周囲ねじ山、即ち、作動ロッドの周囲面の一部によって担持されたねじ山を備える。
-作動ロッドは、円筒形状を有する。
-作動ロッドは、ステンレス鋼などの金属で作られる。
-回転操作部材の作動ロッドのねじ山を付けられた部分は、ユーザが回転操作部材の頭部に時計回り又は反時計回りのねじ込む動きを加えると、内部にねじ山を付けられた作動部のねじ山内で動くように構成される。
-内部にねじ山を付けられた作動部は、ボア、即ち連続する又はブラインドオリフィス、等を備える部品本体を備え、その内壁は、先細であり、即ちねじ山を担持する。
-ねじ山を付けられた作動部は、回転操作部材の作動ロッドのねじ山を付けられた部分のねじ山に対して相補的な内部ねじ山を備える。
-内部にねじ山を付けられた作動部は、回転操作部材の作動ロッドが内部にねじ山を付けられた作動部に作用するとき、並進運動されるように構成される。
-内部にねじ山を付けられた作動部は、回転操作部材の作動ロッドが内部にねじ山を付けられた作動部に作用するときに、クランプ本体に対するクランプ要素の角運動、即ち枢動と、ユーザによる作動ロッドの作動方向に応じて、第1の顎部に向かう又は第1の顎部から離れる第2の顎部の運動と、を生成するように構成される。
-内部にねじ山を付けられた作動部は、金属、例えばステンレス鋼で作られる。
-内部にねじ山を付けられた作動部は、操作部材の作動ロッドと枢動するクランプ要素との間との間に連結部を形成する中間部を構成する。
-内部にねじ山を付けられた作動部は、ユーザによって操作部材及び作動ロッドに加えられる回転運動を並進運動に変換することができる中間部(即ち、連結部)を構成し、そのため、作動部は、枢動するクランプ要素と協働して、そのクランプ要素を軸XXを中心として枢動させることができる。
-枢動は、枢動軸(XX)を中心として行われる。
-第1の顎部の第1の挟持ゾーンは、半円形の輪郭を有し、即ち、それは、半円筒形又は同様の形状を有し、第2の顎部の第2の挟持ゾーンは、線形の輪郭を有し、即ち、それは、平坦又は平面であるか、又はその逆である。
-第1の顎部及び第2の顎部は、多角形又は円形の断面の支持体、特に、正方形若しくは矩形の断面のロッド又は円形の断面のバー、の万力のような把持を可能にし、その堅固な、即ち頑丈な保持を確実にするように成形される。
-回転操作部材の頭部は、中空であり、それは、内部チャンバを備える。
-操作部材の頭部は、ポリマー又は金属、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で作られる。
-トルク制限システムは、操作部材の頭部のチャンバ又は内部容積部中に配置される。
-トルク制限システムは、12個未満のばね座金、好ましくは2~8つのばね座金を備えるいくつかのばね座金のスタックを備える。
-ねじ、等などの保持手段は、作動ロッドにばね座金のスタックを固定することを可能にする。
-ばね座金のスタックは、ねじ頭、等などの保持手段の頭部と、ロック座金とも呼ばれる圧力座金との間で保持される。
-ばね座金のスタックは、回転操作部材の頭部中に配置された圧力座金を押圧し、好ましくは、そこに軸推力(FdP)(軸AA)を加える。
-ばね座金は、弾性である。
-回転操作部材の頭部は、作動ロッドと一体の基部要素と圧力座金との間に配置された、即ち挟まれた内部環状肩部を備える。
-環状肩部は、少なくとも1つのピンハウジング内で並進運動可能な可動部を備えるピンハウジングによって横断される。
-可動部は、ピン、等である。
-環状肩部は、可動部を各々備えるいくつかのピンハウジング、例えば2つ又は3つのピンハウジング又はそれよりも多くのピンハウジングによって横断される。
-ピンハウジングは、環状肩部上に配置及び/又は角度を付けて分散される。
-ピンハウジング(複数可)は、環状肩部を貫通する、好ましくは軸AAの穿孔穴である、
-環状肩部は、リング形状を有する。
-基部要素は、内部環状肩部に面して据えられた基部要素の上部環状面上に設けられた少なくとも1つのブラインドハウジングを備える。
-基部要素は、基部要素の上部環状面上に配置されたいくつかのブラインドハウジングを備える。
-トルク制限システムは、トルク制限システムの最大挟持トルクに応じて、即ち、最大挟持トルクが達成されたか否かに応じて、少なくとも1つの係合された位置及び1つの係合解除された位置を取ることができる。
-可動部は、トルク制限システムが少なくとも1つの係合位置中にあるときに、基部要素の少なくとも1つのブラインドハウジング中に部分的に挿入される。
-係合位置では、回転操作部材の頭部は、環状肩部を介して基部要素に結合され、そのため、回転操作部材の頭部にユーザによって加えられる回転運動、即ち、時計回り又は反時計回りは、回転操作部材の頭部及び基部要素が互いに一体である/結合されるので、それらの回転を同時に駆動する。
-可動部は、トルク制限システムが係合解除位置中にあるときに、基部要素の少なくとも1つのブラインドハウジングの外側に位置付けられる。
-係合解除位置では、回転操作部材の頭部は、基部要素から結合解除され、そのため、回転操作部材の頭部にユーザによって加えられる回転運動(即ち、時計回り又は反時計回り)が、基部要素を駆動せず/もはや駆動せず、即ち、回転操作部材の頭部は、基部要素と協働することなく自由に回転する。
-係合解除位置では、少なくとも1つの可動部は、回転操作部材の頭部の内部環状肩部から離れるように圧力座金を移動させるように、ばね座金のスタックに向かって圧力座金を押す。
-医療用装置は、呼吸ガス、特にN2/O2ガス混合物又は空気を供給する医療用人工呼吸器の患者回路に接続されることを意図された、NOガス、特にNO/N2ガス混合物を供給するための装置である。
-医療用装置は、シェル中に配置された、ガスを伝達するための内部ガス回路と、内部ガス回路によって伝達されるガスの流量を制御するための手段と、流量制御手段を制御するための制御手段とを更に備える。
-内部ガス回路は、1つ以上のガス通路を備える。
-流量制御手段は、1つ以上の制御弁、特に1つ以上の電磁弁を備える。
-操作手段は、少なくとも1つのマイクロプロセッサを備える。
-マイクロプロセッサ(複数可)は、少なくとも1つの電子カード上に配置される。
-マイクロプロセッサ(複数可)は、少なくとも1つのアルゴリズムを実装する。
-医療用装置は、即ち、NO/N2混合物及び/又は酸素を収容する、ガスシリンダなどの1つ以上のガス源への第1の接続手段を備える。
-医療用装置は、医療用人工呼吸器の患者回路への第2の接続手段を備える。
-医療用装置は、医療用人工呼吸器の患者回路上又は中に配置された流量センサへの第3の接続手段を備える。
-医療用装置は、好ましくは、装置のシェルの前面によって支えられた表示画面を備える。
-医療用装置は、1つ以上の主電源接続ケーブル(110/220V)及び/又は電気ソケットなどの電力供給手段を備える。
-代替として、装置は、空気又は空気/酸素混合物を供給する医療用人工呼吸器である。
【0010】
本発明はここで、添付された図を参照して、限定を伴わない例示として与えられる以下の詳細な説明からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による医療用装置、特にNO供給装置用の固定デバイスの実施形態を概略的に示す。
図2図1の固定デバイスの顎部の形状を概略的に示す(側面図)。
図3】本発明による挟持デバイスを装備された、NOを供給するための医療用装置の実施形態を概略的に示す(正面図)。
図4図1の固定デバイスを示す、図3の装置の側面図である。
図5図1の本発明による挟持デバイスのトルクリミッタを組み込む回転部材の実施形態を概略的に示す(断面図)。
図6A図5の挟持デバイスのトルクリミッタを組み込む回転部材の一部の拡大図である。
図6B図6Aの平面B-Bに沿った断面図である。
図7図5及び図6Aの挟持デバイスのトルクリミッタの動作を概略的に示す。
図8図5及び図6Aの挟持デバイスのトルクリミッタの動作を概略的に示す。
図9図5及び図6Aの挟持デバイスのトルクリミッタの動作を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明による医療用装置1、特にNO供給装置用の固定デバイス10の実施形態を概略的に示す。
【0013】
図1の本発明による固定デバイス10は、図3及び図4に概略的に示すように、医療用装置1、特に、例えば、EP-A-3906955によって説明されたタイプの、又は、SoKinox(登録商標)の商品名でAir Liquide Healthcare(登録商標)によって市販されている、NO、即ちNO/窒素混合物を供給するための装置を装備することを意図されている。
【0014】
それは、図3に例示するように、医療用装置1が、矩形又は正方形の外部断面(即ち、外周)のTロッド、又は円筒形状の、即ち円形の外部断面(即ち、外周)のバー、特に水平ロッド又は水平若しくは垂直バーなどの細長い支持体Sに取り付けられて固定されることを可能にするように設計される。
【0015】
図3及び図4は、本発明による固定デバイス10を装備された、NOを供給するための医療用装置1の実施形態の前面4及び後面3の概略図を示し、その医療用装置1は、図3では細長い支持体Sに取り付けられて示されている。
【0016】
固定デバイス10は、図4に概略的に示すような医療用装置1の外部ケーシング2、即ち剛性の周囲シェル、例えば剛性のポリマーケーシング2の後面3によって支えられる。
【0017】
NOを供給するための医療用装置1の前面4は、情報、データ、グラフ、測定値、又はユーザ、典型的には医師などの医療提供者にとって有用な任意の他のデータを表示するための、好ましくはカラーディスプレイを有する、情報表示画面5、有利にはタッチ感応パネル画面を備える。タッチパネルを有する情報表示画面5はまた、ユーザが、画面5上に表示された1つ以上のタッチキー及び/又は選択メニュー、等を介して、選択(choices)、調整、選択(selections)、検証、等を行うことを可能にする。
【0018】
NOを供給するための医療用装置1はまた、例えば装置1の側面のうちの1つ上に配置された1つ以上の調整ノブ6、等と、また、NO/N2混合物、酸素、又はそれらの混合物などのガスを運ぶ可撓性パイプを接続するための1つ以上のコネクタ又は取り付け具7とを備える。
【0019】
好ましくは、それはまた、水トラップタイプのデバイスを有するガスサンプリングライン8の入口、流量測定入口9.2、及びNO/N2混合物を供給するための注入出口9.1を備える。
【0020】
医療用装置1のケーシング2の後面3上に配置された固定デバイス10は、回転操作部材11、固定クランプ本体12、及び可動クランプ要素13を備え、それらは支持板14によって支えられる。それらの動作は、以下で詳細に記載する。
【0021】
図1の実施形態では、支持板14は、例えば金属の基部を形成する1つ以上の板14.1を備え、1つ以上の板14.1は、医療用装置1、特にNOを供給するための装置のケーシング2の後面3に支持板14をねじ留めする役割を果たす、ねじ、等を通すためのいくつかの穴14.2を開けられている。
【0022】
この場合、クランプ本体12の一部は、第1のクランプ顎部15を形成するように構成され、可動クランプ要素13の一部は、第2のクランプ顎部16を形成するように構成される。
【0023】
第1及び第2の顎部15、16は、様々な形状の細長い支持体S、即ち、区別なく、多角形の断面、例えば正方形若しくは矩形の支持体、又は円形断面の支持体、典型的には車両又は建物の壁によって支えられるTロッド、又はストレッチャー、病院のベッド、等の円筒形バーを受け入れることを可能にするクランプを形成するために、互いに面して据えられ、即ち向かい合って配置される。第1及び第2の顎部15、16が一緒にされる挟持作用によって、細長い支持体Sを、多角形の断面であるか円形の断面であるかにかかわらず、前記顎部15、16間に挟むか又は万力で保持することによって、前記顎部15、16間に効果的に保持することができる。
【0024】
第1及び第2の顎部15、16は、それらの間の細長い支持体Sの把持及びその堅固な保持を改善するために、特定の形状の挟持ゾーン15.1、16.1を有するように成形される。
【0025】
このことから、図1に提案する実施形態では、第1の顎部15の第1の挟持ゾーン15.1は、半円形の輪郭又は断面を有し、即ち、半円筒形又は同様の形状を有し、それに対して、第2の顎部16の第2の挟持ゾーン16.1は、直線の輪郭を有し、即ち、真っ直ぐであり(湾曲していない)、即ち、平坦な又は平面の表面を有する。これらの輪郭は、図2においてより良く見える。
【0026】
一実施形態によると、第2の挟持ゾーン16.1、即ち図2に見える平面の表面は、好ましくは、多角形Tロッド又は円筒形バーなどの細長い支持体Sの摺動によるいかなる間の悪い抜け落ちも回避又は制限することを可能にするリム16.2によって終端される。
【0027】
あまり好ましくはないが、別の実施形態によると、第1及び第2の挟持ゾーン15.1、16.1の輪郭は、逆にすることができる。
【0028】
全ての場合において、これらの第1及び第2の挟持ゾーン15.1、16.1のこれらの特定の輪郭は、その形状がどのようなものであれ、即ち、図2に概略的に示すような、多角形の断面、例えば正方形又は矩形のTロッドだけでなく、即ち円形、オーバル又は楕円体の断面の円筒形バーまで、細長い支持体Sの効果的な挟持を実行することを可能にする。実際、第1の顎部15の第1の挟持ゾーン15.1の半円形の輪郭は、円筒形バータイプの支持体Sに良く適合され、それに対して、第2の顎部16の第2の挟持ゾーン16.1の線形の輪郭(即ち、平面)は、多角形断面のTロッド、等などの支持体Sに良く適合される。従って、それらの組み合わせは、「相乗的」効果を生じ、2つのタイプの支持体Sをしっかりと維持することを可能にする。
【0029】
更に、本発明によると、可動クランプ要素13と協働する回転操作部材11は、頭部11.1と、その自由端11.3にねじ山11.4を付けられた作動ロッド11.2とを備える。
【0030】
回転操作部材11の頭部11.1は、例えば、第2の顎部16を固定された第1の顎部15の方向に枢動させることの結果として、第1及び第2の挟持ゾーン15.1、16.1を互いにより近づけることによって挟持をもたらすために、ユーザによって手で掴まれ、時計回り方向に作動されるか、又は逆に、反時計回り方向に挟持解除することを意図される。
【0031】
言い換えれば、回転操作部材11の頭部11.1の作動は、第1の顎部15に向かって又は第1の顎部15から離れるように第2の顎部16を動かすことを可能にする。
【0032】
これを行うために、作動ロッド11.2は、好ましくは自由端11.3に位置するねじ山を付けられた部分11.4(即ち、周囲ねじ山を有する)を備え、ねじ山を付けられた部分11.4は、ユーザによって操作されると、可動の、即ち枢動するクランプ要素13と一体であり、クランプ要素13に作用してクランプ要素13を枢動させる内部にねじ山を付けられた作動部(見えない)と協働するであろう。
【0033】
ねじ込み又はねじ戻し中に、作動ロッド11.2のねじ山を付けられた部分11.4は、内部にねじ山を付けられた作動部の内部ねじ山と協働するが、それは、それらのねじ山が、互いに相補的であるように、即ち同じねじ山であるように構成されているからである。
【0034】
作動部の内部ねじ山は、作動部を貫通して形成されたボア、即ちオリフィス、等であり、その周壁に内部ねじ山が形成される。内部にねじ山を付けられた作動部は、従って、そのボア中に内部ねじ山を有するように、例えば穿孔されてねじ山を付けられた機械加工された中間部である。
【0035】
内部にねじ山を付けられた作動部の好ましくは並進の運動は、クランプ本体12に対するクランプ要素13の角運動、即ち(軸XXを中心とする)枢動を生じさせ、このことから、作動ロッド11.2がその頭部11.1を介してユーザによって作動される方向、即ち回転操作部材11の頭部11.1をねじ込むか又はねじ戻す方向に応じて、固定された第1の顎部15に向かう又は固定された第1の顎部15から離れる第2の顎部16の動きを生じさせる。
【0036】
有利には、図5図6A、及び図6Bに概略的に示すように、回転部材11、特に(少なくとも部分的に)中空である頭部11.1は、「ベルビル」座金、等などのばね座金21のスタックを介して摩擦によって動作するトルク制限システム20を組み込む。
【0037】
典型的には、2~8つのばね座金21のスタックである。これらのばね座金21は、作動ロッド11.2の上端を覆う、即ち、その上に配置される基部要素22上に位置付けられる。ロック座金とも呼ばれる圧力座金24は、ばね座金21のスタックと基部要素22との間に挟まれる。基部要素22は、作動ロッド11.2に結合され、基部要素22及び作動ロッド11.2から成るアセンブリは、以下で説明し、図5及び図6Aに例示するように、特に、ユーザによる回転操作部材11の頭部11.1のねじ込み又はねじ戻し中に、軸AAを中心として回転駆動させることができる。
【0038】
回転操作部材11の頭部11.1は、図5及び図6Aに例示するように、頭部11.1中に半径方向に(即ち、軸AAに向かって方向付けられて)突出する内部環状肩部26、即ち、好ましくは環状の形状の内壁を備える。この内部肩部26は、圧力座金24と基部要素22との間に挟まれている。
【0039】
好ましくは、この内部肩部26は、リング形状を有する。内部肩部26は、少なくとも1つのピンハウジング30、好ましくは肩部26にわたって分散されたいくつかのピンハウジング30によって、好ましくは軸方向(軸AA)に横断され、そのピンハウジング(複数可)中に、可動部31、特にピン、等が収容され、即ち、図5及び図6Aに例示するように、可動部31が、各ピンハウジング30中に配置される。
【0040】
図6AのB-Bに沿った断面図である図6Bは、いくつかのピンハウジング30がある実施形態を示し、ピンハウジング30は各々、可動部31を備え、環状肩部26上に配置され、即ちリングの形状で角度を付けて分散される。
【0041】
1つ以上のピンハウジング30は、リング形状の内部肩部26を軸方向に貫通するボアである。可動部(複数可)31は、前記ピンハウジング30内で軸方向に、即ち並進で運動するように構成される。
【0042】
基部22は、肩部26に面して据えられた上部環状面33上に形成された少なくとも1つのブラインドハウジング32、好ましくはいくつかのブラインドハウジング32を更に備え、そのため、トルク制限システム20が係合位置にあり、肩部26を備える回転操作部材11の頭部11.1と同時に基部要素22を回転駆動することが可能であるときに、可動部(複数可)31を、少なくとも1つのブラインドハウジング32中に収容することができる。言い換えれば、1つ以上の可動部31が1つ以上のブラインドハウジング32中に部分的に挿入されると、回転操作部材11の頭部11.1と基部要素22とは、互いに固定され、例えば、ユーザが第1及び第2の顎部15、16を互いにより近づけるように回転操作部材11の時計回りの挟持運動を加えると、軸AAを中心として「一体として」回転運動可能である。
【0043】
圧力座金24は、最大トルクを超えて挟持する場合には、以下で説明するように、トルク制限システム20が「トリガ」しない限り、可動部31を基部要素22に向かって押すように可動部31を押圧する。
【0044】
ばね座金21、圧力座金24、及び基部22を備えるアセンブリは、作動ロッド11.2と協働し、作動ロッド11.2の上端に固定された、例えば作動ロッド11.2の上端中に設けられたハウジング25中にねじ込むことによって固定された、ねじ、等などの保持手段23によって作動ロッド11.2に固定される。
【0045】
図5及び図6Aから分かるように、ばね座金21は、ねじなどの保持手段23の頭部23.1と圧力座金24との間に保持される。より正確には、ねじ、等などの保持手段23は、ばね座金21、圧力座金24、及び基部22を貫通する。
【0046】
トルク制限システム20が、中空である頭部11.1、即ち、内部チャンバ又は容積部29を備える頭部11.1中に据え付けられるように、頭部11.1上に設けられた開口部28を閉じる取り外し可能なカバー27が設けられ、その開口部28は、回転部材11の頭部11.1の内部容積部29へのアクセスを与える。
【0047】
バー上での挟持を実行するためには、回転部材11の頭部11.1は、例えば時計回りに回されなければならない。
【0048】
図5図6A、及び図7に概略的に示すように、挟持方向(SdS)での挟持中に、回転部材11の頭部11.1は、基部22を、及び従って作動ロッド11.2も、挟持方向(SdS)、典型的には時計回り方向に回転駆動する。ばね座金21、即ち、調整された弾性座金は、推力(FdP)を加え、即ち、基部要素22に向かって方向付けられた力を加え、次いで、圧力座金24を基部要素に向かって押し戻し、それは同時に、基部要素22の上部環状面33によって支えられたブラインドハウジング32中のピン、等などの可動部(複数可)31を押し戻す。
【0049】
挟持トルクが最大値を下回る限り、可動部31は、ブラインドハウジング32中に部分的に挿入されているか、又は挿入されたままであり、回転操作部材11の頭部11.1及び基部要素22は、互いに固定され、軸AAを中心として「一体として」回転運動可能であり、即ち、それらは、図7及び図8に例示するように、係合位置にある。実際に、公称挟持トルクは、ばね座金21が挟持されるとき、即ち、ばね座金21が保持手段23、即ちねじ、等の頭部23.1と圧力座金24との間で漸進的に押しつぶされるときに、ばね座金21の弾性変形によって生じる摩擦力によって規定される。
【0050】
図8に例示するように、挟持が継続するにつれて、ばね座金21によって加えられる圧力(FdP)は、ばね座金21の漸進的な変形に起因して減少する傾向があり、それは、ハウジング30中の可動部31の軸方向運動を生じさせ(図8の上向きに方向付けられた矢印Fを参照)、基部要素22から離れるように移動し、このことから、可動部31が部分的に挿入されているブラインドハウジング(複数可)32から可動部31を漸進的に出させることが分かる。実際には、ばね座金21によって加えられる圧力は、次いで、圧力座金24を押し戻し続けるのに不十分となり、圧力座金24は、次いで、肩部26の上面から離れるように移動する傾向がある。
【0051】
図9に示すように、最大挟持トルクに達すると、頭部11.1のトルク制限システム20は「過剰係合」を引き起こし、即ち、ある特定の応力を超えると、弾性ばね座金21の、従って部品24に対する圧力(FdP)は、システム全体を回転駆動する係合機能、即ち係合位置を維持するのにもはや十分ではなくなる。駆動部としての役割を果たす圧力座金24は、次いで、可動部(複数可)31、即ちピン(複数可)、等が基部要素22の上部環状面33によって支えられるブラインドハウジング(複数可)32中にもはや挿入されていないため、空回りし、それは、次いで、基部22から回転部材11の頭部11.1を結合解除し、次いで、回転部材11の頭部11.1が基部要素22を駆動することなく軸AAを中心として自由に回転することを可能にする。
【0052】
言い換えれば、最大トルクに達すると、回転部材11の頭部11.1は空回りするので、挟持中に、ユーザは、最大トルクを上回ることができない。その場合、最大トルクを超えて挟持をもたらすことは不可能になる。圧力座金24と回転部材11の頭部11.1の肩部26とは、次いで、互いから係合解除され、即ち、結合解除される。
【0053】
そのような配置は、このことから、最適なねじ込みを確実にすることを可能にする。
【0054】
好ましくは、「カチッという音」など、ユーザに聞こえ、且つシステムの係合解除によって生成される音が、最大トルクに達したことをユーザに確認する。これを行うために、切り込み、等を、圧力座金24の下面24.1上に設けることができ、その場合、切り込み、等は、可動部31(又は各可動部31)の頭部31.1に対して擦れて、可聴音を発生させるであろう。
【0055】
逆に、回転部材11の頭部11.1を反対方向、例えば反時計回り方向に回すことによって、挟持解除をもたらすことができる。ばね座金21は、次いで、漸進的により圧縮されなくなり、圧力座金24を基部要素22に向かって漸進的に押すであろう。ピン、等などの可動部(複数可)31は、次いで、基部要素22の上部環状面33によって支えられたブラインドハウジング(複数可)32中に再び挿入されることを可能にされて、基部22と回転部材11の頭部11.1とを肩部26を介して再び結合し、このことから、回転操作部材11をねじ戻し、このことから、互いから離れるように第1及び第2の顎部15、16を動かす、即ち、挟持解除を実行するために、それらが同時に回転駆動されることを可能にする。
【0056】
一般に、本発明によると、トルク制限システム20は、従って、最大挟持トルクに達したか否かに応じて、係合位置及び係合解除位置を備える少なくとも2つの異なる位置を取ることができる。
【0057】
このトルク制限システム20によって、「係合解除」機能が起動されるまでしか挟持が実施されないので、どのユーザが挟持を操作しているかにかかわらず、有効で再現可能な、即ち同一の挟持を保証することが可能であり、その「係合解除」機能は、最大又は「最適」挟持閾値に達するとすぐに自動的に生じ、即ち、締め付けすぎもなく、緩みもないか、又は不十分な締め付けもない。挟持閾値は、好ましくは、例えば工場で予め設定され、過度に強い又は不十分な挟持をもたらし得るユーザによる誤った設定のリスクを制限するために、ユーザが修正することができない。
【0058】
一般に、本発明による固定デバイス10は、ガス状NO、特にNO/N2ガス混合物、又は別のガスであるかにかかわらず、任意のガス供給装置、例えば空気、酸素、若しくは空気/O2混合物、又は更に別の医療用ガスを供給する医療用人工呼吸器での使用に特に良く適している。装置がNO供給装置であるとき、それは、NO、O2、及びN2、又は更に他の化合物に基づく1つ以上の治療用ガス混合物を得るために、呼吸ガス、特にN2/O2混合物又は空気を供給する医療用人工呼吸器の患者回路に接続されることを意図され得る。
【0059】
本発明による固定デバイス10は、治療ガスの吸入による患者の治療の前、間、及び後に、例えば病院の建物内又は救急車、飛行機、ヘリコプター、等などの輸送車両中でのある場所から別の場所への患者の移動中を含めて、特に輸送車両、等中で、ベッドバー、ストレッチャーバー、等などの細長い支持体S又はTロッドにしっかりと取り付けられた、NO又は別のガスなどのガスの供給用の装置を保持することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを供給するための医療用装置(1)であって、外壁(3)を有するシェル(2)と、細長い支持体(S)に固定デバイス(10)を固定するための、前記シェル(2)の前記外壁(3)上に配置された固定デバイス(10)とを備え、前記固定デバイス(10)は、
-クランプ本体(12)、及び互いに対して枢動(XX)することによって可動であるクランプ要素(13)と、
-第1の顎部(15)として構成された前記クランプ本体(12)の少なくとも一部、及び第2の顎部(16)として構成された可動である前記クランプ要素(13)の少なくとも一部と、ここで、前記第1及び第2の顎部(15,16)は、クランプを形成するために向かい合って配置され、
-ユーザが回転作動させることができ、前記クランプ本体(12)に対して前記クランプ要素(13)を動かし、前記第2の顎部(16)に向かって又は前記第2の顎部(16)から離れるように前記第1の顎部(15)を動かすために、作動されたときに前記クランプ要素(13)と協働する回転操作部材(11)と
を備え、
-前記回転操作部材(11)は、前記ユーザによって手で掴まれることを意図された頭部(11.1)と、ねじ山を付けられた部分(11.4)を備える作動ロッド(11.2)とを備え、
-内部にねじ山を付けられた作動部が、前記作動ロッド(11.2)の前記ねじ山を付けられた部分(11.4)、及び前記クランプ要素(13)と協働して、互いに向かって又は互いから離れるように前記第1及び第2の顎部(15,16)を動かすように前記クランプ本体(12)に対する前記クランプ要素(13)の前記枢動(XX)をもたらす、装置において、
前記回転操作部材(11)は、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置されたトルク制限システム(20)を更に備え、前記トルク制限システム(20)は、圧力座金(24)と協働するばね座金(21)のスタックを備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記クランプ本体(12)及び前記クランプ要素(13)は、支持板(14)によって支えられ、前記支持板(14)は、前記シェル(2)の前記外壁(3)に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)の前記ねじ山を付けられた部分(11.4)は、前記ユーザが前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に時計回り又は反時計回りのねじ込む動きを加えると、前記内部にねじ山を付けられた作動部のねじ山内で動くように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記内部にねじ山を付けられた作動部は、前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)が前記内部にねじ山を付けられた作動部に作用するとき、並進運動されるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記内部にねじ山を付けられた作動部は、前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)が前記内部にねじ山を付けられた作動部に作用するときに、前記クランプ本体(12)に対する前記クランプ要素(13)の角運動(XX)と、前記ユーザによる前記作動ロッド(11.2)の作動方向に応じて、前記第1の顎部(15)に向かう又は前記第1の顎部(15)から離れる前記第2の顎部(16)の運動とを生成するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の顎部(15)の第1の挟持ゾーン(15.1)が、半円形の輪郭を有し、前記第2の顎部(16)の第2の挟持ゾーン(16.1)が、線形の輪郭を有するか、又はその逆であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記トルク制限システム(20)は、12個未満のばね座金、好ましくは2~8つのばね座金のスタックを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ばね座金(21)のスタックは、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置された前記圧力座金(24)を押圧することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記作動ロッド(11.2)と一体の基部要素(22)と前記圧力座金(24)との間に配置された内部環状肩部(26)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記内部環状肩部(26)は、少なくとも1つのピンハウジング(30)内を並進運動可能な可動部(31)を備える前記ピンハウジング(30)によって横断され、好ましくは、いくつかのピンハウジング(30)は各々、可動部(31)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基部要素(22)は、前記内部環状肩部(26)に面して据えられた前記基部要素(22)の上部環状面(33)上に形成された少なくとも1つのブラインドハウジング(32)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記可動部(31)は、前記トルク制限システム(20)が少なくとも1つの係合位置にあるときに、前記基部要素(22)の少なくとも1つの前記ブラインドハウジング(32)中に部分的に挿入され、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記内部環状肩部(26)を介して前記基部要素(22)に結合され、そのため、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に前記ユーザによって加えられる回転運動が、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)及び前記基部要素(22)の回転を同時に駆動することを特徴とする、請求項10に従属する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記可動部(31)は、前記トルク制限システム(20)が少なくとも1つの係合解除位置にあるときに、前記基部要素(22)の少なくとも1つの前記ブラインドハウジング(32)の外側に位置付けられ、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記基部要素(22)から結合解除され、そのため、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に前記ユーザによって加えられる回転運動が、前記基部要素(22)を駆動しないことを特徴とする、請求項10に従属する請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記係合解除位置では、少なくとも1つの前記可動部(31)は、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)の前記内部環状肩部(26)から離れるように前記圧力座金(24)を移動させるように、前記ばね座金(21)のスタックに向かって前記圧力座金(24)を押すことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
保持手段(23)が、前記作動ロッド(11.2)に前記ばね座金(21)のスタックを固定することを可能にし、前記ばね座金(21)のスタックは、好ましくは、前記保持手段(23)の頭部(23.1)と、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置された前記圧力座金(24)との間に保持されることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
本発明による固定デバイス10は、治療ガスの吸入による患者の治療の前、間、及び後に、例えば病院の建物内又は救急車、飛行機、ヘリコプター、等などの輸送車両中でのある場所から別の場所への患者の移動中を含めて、特に輸送車両、等中で、ベッドバー、ストレッチャーバー、等などの細長い支持体S又はTロッドにしっかりと取り付けられた、NO又は別のガスなどのガスの供給用の装置を保持することを可能にする。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[書類名]特許請求の範囲
[C1]
ガスを供給するための医療用装置(1)であって、外壁(3)を有するシェル(2)と、細長い支持体(S)に固定デバイス(10)を固定するための、前記シェル(2)の前記外壁(3)上に配置された固定デバイス(10)とを備え、前記固定デバイス(10)は、
-クランプ本体(12)、及び互いに対して枢動(XX)することによって可動であるクランプ要素(13)と、
-第1の顎部(15)として構成された前記クランプ本体(12)の少なくとも一部、及び第2の顎部(16)として構成された可動である前記クランプ要素(13)の少なくとも一部と、ここで、前記第1及び第2の顎部(15,16)は、クランプを形成するために向かい合って配置され、
-ユーザが回転作動させることができ、前記クランプ本体(12)に対して前記クランプ要素(13)を動かし、前記第2の顎部(16)に向かって又は前記第2の顎部(16)から離れるように前記第1の顎部(15)を動かすために、作動されたときに前記クランプ要素(13)と協働する回転操作部材(11)と
を備え、
-前記回転操作部材(11)は、前記ユーザによって手で掴まれることを意図された頭部(11.1)と、ねじ山を付けられた部分(11.4)を備える作動ロッド(11.2)とを備え、
-内部にねじ山を付けられた作動部が、前記作動ロッド(11.2)の前記ねじ山を付けられた部分(11.4)、及び前記クランプ要素(13)と協働して、互いに向かって又は互いから離れるように前記第1及び第2の顎部(15,16)を動かすように前記クランプ本体(12)に対する前記クランプ要素(13)の前記枢動(XX)をもたらす、装置において、
前記回転操作部材(11)は、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置されたトルク制限システム(20)を更に備え、前記トルク制限システム(20)は、圧力座金(24)と協働するばね座金(21)のスタックを備えることを特徴とする、装置。
[C2]
前記クランプ本体(12)及び前記クランプ要素(13)は、支持板(14)によって支えられ、前記支持板(14)は、前記シェル(2)の前記外壁(3)に固定されていることを特徴とする、C1に記載の装置。
[C3]
前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)の前記ねじ山を付けられた部分(11.4)は、前記ユーザが前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に時計回り又は反時計回りのねじ込む動きを加えると、前記内部にねじ山を付けられた作動部のねじ山内で動くように構成されていることを特徴とする、C1に記載の装置。
[C4]
前記内部にねじ山を付けられた作動部は、前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)が前記内部にねじ山を付けられた作動部に作用するとき、並進運動されるように構成されていることを特徴とする、C1又は3に記載の装置。
[C5]
前記内部にねじ山を付けられた作動部は、前記回転操作部材(11)の前記作動ロッド(11.2)が前記内部にねじ山を付けられた作動部に作用するときに、前記クランプ本体(12)に対する前記クランプ要素(13)の角運動(XX)と、前記ユーザによる前記作動ロッド(11.2)の作動方向に応じて、前記第1の顎部(15)に向かう又は前記第1の顎部(15)から離れる前記第2の顎部(16)の運動とを生成するように構成されていることを特徴とする、C1、3、又は4に記載の装置。
[C6]
前記第1の顎部(15)の第1の挟持ゾーン(15.1)が、半円形の輪郭を有し、前記第2の顎部(16)の第2の挟持ゾーン(16.1)が、線形の輪郭を有するか、又はその逆であることを特徴とする、C1に記載の装置。
[C7]
前記トルク制限システム(20)は、12個未満のばね座金、好ましくは2~8つのばね座金のスタックを備えることを特徴とする、C1に記載の装置。
[C8]
前記ばね座金(21)のスタックは、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置された前記圧力座金(24)を押圧することを特徴とする、C1に記載の装置。
[C9]
前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記作動ロッド(11.2)と一体の基部要素(22)と前記圧力座金(24)との間に配置された内部環状肩部(26)を備えることを特徴とする、C8に記載の装置。
[C10]
前記内部環状肩部(26)は、少なくとも1つのピンハウジング(30)内を並進運動可能な可動部(31)を備える前記ピンハウジング(30)によって横断され、好ましくは、いくつかのピンハウジング(30)は各々、可動部(31)を備えることを特徴とする、C9に記載の装置。
[C11]
前記基部要素(22)は、前記内部環状肩部(26)に面して据えられた前記基部要素(22)の上部環状面(33)上に形成された少なくとも1つのブラインドハウジング(32)を備えることを特徴とする、C9に記載の装置。
[C12]
前記可動部(31)は、前記トルク制限システム(20)が少なくとも1つの係合位置にあるときに、前記基部要素(22)の少なくとも1つの前記ブラインドハウジング(32)中に部分的に挿入され、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記内部環状肩部(26)を介して前記基部要素(22)に結合され、そのため、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に前記ユーザによって加えられる回転運動が、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)及び前記基部要素(22)の回転を同時に駆動することを特徴とする、C10に従属するC11に記載の装置。
[C13]
前記可動部(31)は、前記トルク制限システム(20)が少なくとも1つの係合解除位置にあるときに、前記基部要素(22)の少なくとも1つの前記ブラインドハウジング(32)の外側に位置付けられ、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)は、前記基部要素(22)から結合解除され、そのため、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)に前記ユーザによって加えられる回転運動が、前記基部要素(22)を駆動しないことを特徴とする、C10に従属するC11に記載の装置。
[C14]
前記係合解除位置では、少なくとも1つの前記可動部(31)は、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)の前記内部環状肩部(26)から離れるように前記圧力座金(24)を移動させるように、前記ばね座金(21)のスタックに向かって前記圧力座金(24)を押すことを特徴とする、C13に記載の装置。
[C15]
保持手段(23)が、前記作動ロッド(11.2)に前記ばね座金(21)のスタックを固定することを可能にし、前記ばね座金(21)のスタックは、好ましくは、前記保持手段(23)の頭部(23.1)と、前記回転操作部材(11)の前記頭部(11.1)中に配置された前記圧力座金(24)との間に保持されることを特徴とする、C13に記載の装置。
【外国語明細書】