(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110952
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】クイックリリース機構を備える患者支援モジュール
(51)【国際特許分類】
A61G 13/00 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61G13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024015023
(22)【出願日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】23154948.6
(32)【優先日】2023-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】524047637
【氏名又は名称】スティッレ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タム ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ゴルドジェイ ニヴォミール
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341MM02
4C341MM04
4C341MN11
4C341MN20
4C341MS14
4C341MS24
(57)【要約】
【課題】迅速かつ安全な接続および解除を可能にする、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールを得る。
【解決手段】医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールは、医療処置用テーブルトップへのモジュールの迅速かつ安全な接続および切断を可能にする連結部を備える。本開示は、さらに、そのようなモジュールを備える医療処置用テーブルトップに関する。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置用テーブルトップ(100)に接続可能なモジュール(1)であって、前記モジュール(1)は、患者に面する側(2)と、患者に面する側(2)と反対の下側(3)とを有し、
前記モジュール(1)は、医療処置用テーブルトップ(100)の方を向く第1端部と、反対側を向く第2端部、および前記第1端部と前記第2端部の間に延びる長手方向軸(L)と、を有し、
連結部(4)が第1端部に向かって配置されており、前記連結部(4)は、医療処置用テーブルトップ(100)の対応する連結部(40)と係合するように構成されており、前記モジュール(1)を医療処置用テーブルトップ(100)に接続し、
前記連結部(4)は、
実質的に前記長手方向軸(L)に沿ってスライドする延長部を有するスライド式ラッチ(5)と、
前記スライド式ラッチ(5)に連結されたラッチ起動部(6)であって、前記ラッチ起動部(6)は前記スライド式ラッチ(5)を実質的に前記長手方向軸(L)に沿ってスライドさせるように構成されており、
前記モジュール(1)が医療処置用テーブルトップ(100)の対応する連結部(40)と係合するとき、前記ラッチ起動部(6)は前記長手方向軸(L)に沿って実質的に第2端部の方へスライドし、前記連結部(4)を医療処置用テーブルトップ(100)の対応する連結部(40)から分離させるように構成されている、モジュール(1)。
【請求項2】
前記ラッチ起動部(6)は、前記下側(3)に実質的に向かう延長部を有する、請求項1記載のモジュール(1)。
【請求項3】
前記ラッチ起動部(6)が、前記下側(3)を貫通して突出する、請求項1又は請求項2に記載のモジュール(1)。
【請求項4】
前記連結部(4)が、前記スライド式ラッチ(5)に作用する力を前記第1端部に向けて提供するように構成された弾性部材(7)を備え、好ましくは、前記弾性部材(7)は、バネ、モータ、空気圧システムまたは液体油圧システムから選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項5】
前記連結部(4)は、実質的にフック形状である、請求項1~4のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項6】
実質的にフック形状の前記連結部(4)は、医療処置用テーブルトップ(100)の対応する、実質的にフック形状の連結部(40)と係合したとき、フックのスカーフ継ぎを形成するように構成される、請求項5記載のモジュール(1)。
【請求項7】
前記連結部(4)は、前記下側(3)を向く第1セクション(8)と、実質的に前記患者に面する側を向き、第1セクション(8)と接続する第2セクション(9)とを備え、
前記第1セクション(8)は、医療処置用テーブルトップ(100)の対応する連結部(40)の対応する第1セクション(80)と係合し、前記モジュール(1)の、患者に面する側(2)に作用する負荷を、実質的に下側(3)へ、対応する第1セクション(80)に向かう方向に分配するように構成され、
前記第2セクション(9)は、医療処置用テーブルトップ(100)の対応する連結部(40)の対応する第2セクション(90)と係合し、前記モジュール(1)の、患者に面する側(2)に作用する負荷を、実質的に患者に面する側(2)へ、対応する第2セクション(90)に向かう方向に分配するように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項8】
前記第1セクション(8)が、5~25mmの長さを有し、前記第2セクション(9)が、10~40mmの長さを有する、請求項7に記載のモジュール(1)。
【請求項9】
前記第1セクション(8)の長さと前記第2セクション(9)の長さの比が、0.5~0.75である、請求項8に記載のモジュール(1)。
【請求項10】
前記モジュール(1)が、医療処置用テーブルトップ(100)に接続されたとき、300kgの安全作業負荷を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項11】
前記モジュール(1)は、 X線処置に適している、請求項1~10のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項12】
前記モジュール(1)は、X線減衰当量が100 kVで0.6mm Al未満、好ましくはX線減衰当量が100 kVで0.4mm Al以下である、請求項11に記載のモジュール(1)。
【請求項13】
前記モジュール(1)は 炭素繊維で強化される、請求項1~12のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項14】
前記モジュール(1)の 厚さは40mm未満である、請求項1~13のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項15】
前記連結部(4)は、医療処置用テーブルトップ(100)の対応する連結部(40)と係合するために、医療処置用テーブルトップ(100)の対応する連結部(40)に対して10~30度の間で傾斜されるように構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載のモジュール(1)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のモジュール(1)を備える、医療処置用テーブルトップ(100)。
【請求項17】
前記モジュール(1)の連結部(4)と係合するように構成された対応する連結部(40)を備える、請求項16に記載の医療処置用テーブルトップ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療処置用テーブルトップへのモジュールの迅速かつ安全な接続および解除を可能にする連結部を備える、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールに関する。さらに、本開示は、そのようなモジュールを備える医療処置用テーブルトップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医療処置用テーブルトップは、所望の機能性又は複数の機能性に応じて、異なる患者支持モジュールが接続され得る中央部分を備える。
【0003】
このような中央部分に接続可能なモジュールは、当該技術分野で知られている。これらのモジュールは、頭部または脚部といった患者の特定の部分を支持するような異なる目的を果たすことができる。さらに、モジュールは、X線処置、診断処置又は外科処置のような特定の医療作業に適しているように構成することができ、又は特定の患者の位置決めを提供するように構成することができる。
【0004】
医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールがテーブルトップに接続しやすく、接続がしっかりしていること、すなわち、テーブルトップからの自発的な分離(すなわち、外れ)の危険性が低いことが不可欠である。さらに、時間が重要な処置の時間を節約するために、効果的な方法で接続が行われることも好ましい。
【0005】
上記の要件に対する異なる解決策が、例えば、WO13069952、及びUS8997281において提案されている。
【0006】
WO13069952は分離型ベッドを開示しており、そこでは2つの部品がベッドの側部に位置するオス-メス型の機構によって着脱自在に連結されている。
【0007】
US8997281は、接続可能なモジュールを備えた手術台を開示し、モジュールは、アクチュエータを下方向に押すことによって解除されるスプリングフック部材によって中央テーブル部分に接続される。
【0008】
従来技術で従来知られている解決策のいずれも、医療処置用テーブルトップに接続可能で、自発的な分離のリスクを低減する接続機構を有するモジュールを提供していない。例えば、医療用テーブルトップの使用中に、通常、人員と設備の両方の大量の移動が起こる。したがって、テーブルトップに取り付けられたモジュールの接続機構が、別の物体と接触しやすい位置に配置される場合、自発的なモジュールの分離をトリガする可能性がある。また、モジュールを外すのに必要な動きは、例えば、医療用テーブルトップに近づいたり、患者を治療するような、医療用テーブルトップの周りで動作するときに、医療オペレータが誤って行うかもしれない動きではないことが重要である。
【0009】
上記の問題を解決する、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールが依然として必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示の目的は、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールを提供することであり、モジュールは、モジュールを医療処置用テーブルトップに容易かつ確実に接続することを可能にする接続機構を備える。
【0011】
本開示の別の目的は、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールを提供することであり、この場合、接続機構は、医療処置用テーブルトップからモジュールが自発的に外れる危険性を低減する。
【0012】
本開示の別の目的は、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールを提供することであり、このモジュールは、X線処置に適するように構成される。
【0013】
本開示の別の目的は、300kgの安全な作業負荷を供給する医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様では、本開示は、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールを対象とし、モジュールは、患者に面する側と、患者に面する側と反対の下側とを有する。モジュールは、医療処置用テーブルトップの方を向く第1端部と、反対側を向く第2端部、およびそれらの間に画定された長手方向軸を有する。連結部が第1端部に向かって配置されている。連結部は、医療処置用テーブルトップの対応する連結部と係合するように構成され、モジュールを医療処置用テーブルトップに接続する。連結部は、長手方向軸に実質的に沿ってスライドする延長部を有するスライド式ラッチと、前記スライド式ラッチに連結されるラッチ起動部とを備え、前記ラッチ起動部は、前記スライド式ラッチを前記長手方向軸に実質的に沿ってスライドさせるように構成される。ラッチ起動部は、モジュールが医療処置用テーブルトップの対応する連結部と係合したときに、長手方向軸線に沿って第二端部の方へ実質的にスライドし、モジュールの連結部を対応する連結部から分離させるように構成されている。
【0015】
本開示の文脈では、用語「医療処置用テーブルトップ」は、医療用テーブルの上面、すなわち、医療処置が実行可能なテーブルとして解釈されるべきである。処置は、検査または診断のような非侵襲的な処置であってもよいし、外科手術、手術または治療のような侵襲的な処置であってもよい。「医療処置用テーブルトップ」は、手術台、検査台、病院ベッドなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0016】
本開示の文脈において、モジュールが医療処置用テーブルトップの対応する連結部と係合すると、モジュールが医療処置用テーブルトップに接続されることが理解されるべきである。
【0017】
したがって、医療処置用テーブルトップは、本開示によるモジュールを取り付けることができる中心部分を形成する。
【0018】
スライド式ラッチは、モジュールが、医療処置用テーブルトップの対応する連結部に係合、すなわち接続されたときに、ロック位置に保持されるロック機構として機能する。モジュールを医療処置用テーブルトップから外す、すなわち切り離すためには、スライド式ラッチをテーブルトップの第2端部に向かって、すなわち医療処置用テーブルトップから離す必要がある。これにより、医療処置用テーブルトップに向かって進行する物体の相互作用、医療用テーブルトップの下降、あるいは患者をテーブルトップ上で治療する医療オペレータによるモジュールの意図しない分離のリスクが低減される。
【0019】
ラッチ起動部は、スライド式ラッチと結合されてもよく、またはスライド式ラッチの一体部分であってもよい。ラッチ起動部は、ユーザが、モジュールによって形成された長手軸線に実質的に沿った方向にラッチを滑らせて、モジュールを対応する連結部と係合させ、および/またはモジュールを対応する連結部から切り離すための手段として機能する。
【0020】
モジュールは、患者支持、ヘッドレスト、または患者の仰向け姿勢、うつ伏せ姿勢、側方デチューブ位置、手術姿勢、心血管手術姿勢、婦人科治療姿勢および/または泌尿器治療姿勢を可能にする患者位置決めモジュールなどの、医療処置用テーブルトップに接続可能な任意の適切なモジュールであってもよいが、これらに限定されない。
【0021】
一実施形態では、スライド式ラッチは、長手方向軸線に沿ってスライドする延長部を有し、ラッチ起動部は、長手方向軸線に沿ってスライド式ラッチをスライドするように構成され、ラッチ起動部は長手方向軸線に沿って第2端部の方へスライドし、連結部が対応する連結部から分離するように構成される。
【0022】
一実施形態では、ラッチ起動部は実質的に下側に向かう延長部を有する。
【0023】
実質的に下側に向かうことは、単に高い精度が要求されないことを意味しているに過ぎない。当業者によって理解されるように、少量の位置合わせのずれを許容することができる。下側に向かって十分な位置合わせを維持することでラッチ起動部が下側に向かって伸びることを保証することが重要なポイントである。一実施形態では、ラッチ起動部は下側に向かう延長部を有する。
【0024】
このような例示的なモジュールによって、モジュールの自発的な分離はさらに減少する。モジュールの下側に向かうラッチ起動部の延長は、よりコンパクトなソリューションを生成し、モジュールの側面から外向きに延びる部品が少ない。
【0025】
一実施形態では、ラッチ起動部は、下側を通して突出している。
【0026】
このような例示的なモジュールによって、ラッチ起動部が患者に面する側の下に配置されるので、モジュールの自発的な分離はさらに減少する。医療処置用テーブルトップの操作者は、医療処置用テーブルトップの対応する連結部からモジュールを外すために、患者に面する側の下に手を届かせなければならない。これは、医療処置用テーブルトップから離れる方向へのラッチ起動部の移動によって達成されるモジュールの分離と相まって、モジュールの自発的な分離のリスクをさらに減少させる。
【0027】
一実施形態において、連結部は、第1端部に向かってスライド式ラッチに作用する力を提供するように構成された弾性部材を備える。好ましくは、弾性部材は、ばね、モータ、空気圧システムまたは液体油圧システムから選択される。
【0028】
このような例示的なモジュールによって、モジュールは自己ラッチ、すなわちセルフロッキングである。一旦、モジュールが医療処置用テーブルトップの対応する連結部との正しい係合位置になると、弾性部材によって提供される第1端部に向かってスライド式ラッチに作用する力は、ラッチがモジュールを所定の位置にロックすることを確実にする。
【0029】
自己ラッチモジュールは、モジュールと医療処置用テーブルトップとの迅速かつ容易な接続、すなわち係合を提供するために望ましい。
【0030】
一実施形態では、連結部は、実質的にフック形状である。
【0031】
実質的にフック形状とは、単に高い精度が要求されないという意味である。重要な点は、フックの一般的な幾何学形状を維持することであり、したがって、シャンク、湾曲部および点を含む。一実施形態では、連結部はフック形状である。
【0032】
好ましくは、実質的にフック形状の連結部は、患者に面する側から下側に向かって延びるシャンク部と、フックの先端を形成するフックポイントと、シャンク部とフックポイントとの間の曲がり部とを備える。
【0033】
本開示の文脈において、用語「フックポイント」は、フックの先端として解釈されるべきである。
【0034】
本開示の文脈において、用語「gape」は、患者に面する側に平行な方向で測定される、フックポイントとシャンクとの間の距離と解釈されるべきである。
【0035】
一実施形態では、実質的にフック形状の連結部は、医療処置用テーブルトップの対応する実質的にフック形状の連結部と係合したときに、フックのスカーフ継ぎを形成するように構成される。
【0036】
このような代表的なモジュールによって、スカーフ継ぎが形成され、良好な耐荷重力を提供する。
【0037】
一実施形態において、連結部は、下側に向いている第1セクションと、実質的に患者に面する側を向き、第1セクションと関連している第2セクションとを備え、前記第1セクションは、医療処置用テーブルトップの対応する連結部の対応する第1セクションと係合し、モジュールの患者に面する側に作用する負荷を実質的に下側へ、対応する第1セクションに向かう方向に分配するように構成される。前記第2セクションは、医療処置用テーブルトップの対応する連結部の対応する第2セクションと係合するように構成され、モジュールの患者に面する側に作用する負荷を、実質的に患者に面する側へ、対応する第2のセクションに向かう方向に分配する。
【0038】
「実質的に患者に面する側に向かって」ということは、単に高い精度が要求されないことを意味しているに過ぎない。当業者によって理解されるように、少量の位置合わせのずれを許容することができる。重要な点は、患者に面する側に向かって十分な位置合わせを維持することである。「実質的に」という用語は、患者に面する側に向かう方向を規定する場合には省略されてもよいことを理解されたい。
【0039】
「実質的に下側に向かって」とは、単に高い精度が要求されないことを意味する。当業者によって理解されるように、少量の位置合わせのずれを許容することができる。重要な点は、下側に向かって十分な位置合わせを維持することである。「下側に向かう」方向を規定する場合、「実質的に」という用語は省略してもよいことを理解されたい。
【0040】
本開示の文脈では、「負荷を分散させる」とは、負荷が1つの表面またはセクションから第2の表面またはセクションに広がることと解釈されるべきである。
【0041】
このような例示的なモジュールによって、医療処置用テーブルトップへのモジュールの連結およびモジュールの負荷支持がさらに改善される。モジュールの患者に面する側に負荷が加わると、連結部はモジュールを所定の位置に保持し、モジュールの倒れを抑制する。
【0042】
このような例示的モジュールが医療処置用テーブルトップに接続され、モジュールの患者に向かう側に負荷が加えられると、第1セクションおよび第2セクションは、2つの異なる負荷分配機構を提供する。第1セクションは、実質的に、患者に面する側に作用する負荷を下側に分配し、医療手順テーブルトップの対応する連結部の対応する第1セクションに効果的に載置し、したがって、対応する第1セクションに負荷に移行するように構成される。そうすることによって、第1セクションは、モジュールの落下を防止する。
【0043】
これに対応して、このような例示的なモジュールが医療処置用テーブルトップに接続され、そのモジュールの患者に面する側に負荷が加えられると、第2セクション(実質的に患者に面する側に面している)は、患者に面する側に負荷を受け、実質的に患者に面する側に向かう方向に押される。第2セクションから医療処置用テーブルトップの連結部の対応する第2セクションへの負荷配分は、医療処置用テーブルトップとモジュールのより固定された係合をもたらし、患者に面する側に負荷が加わったときに、モジュールが下方向に移動することを防止する。
【0044】
第1セクションは、好ましくは、下側に向いている。対応する第1セクションは、患者に面する側を向いていることが好ましい。第2セクションは、患者に面する側を向いていることが好ましい。対応する第2セクションは、好ましくは、下側に向いている。
【0045】
一実施形態では、第1セクションおよび第2セクションは、モジュールが医療処置用テーブルトップに接続される際に、医療処置用テーブルトップの対応する第1セクションおよび対応する第2セクションそれぞれと接触係合する状態である。
【0046】
一実施形態において、第1セクションは、5~25mmの長さを有し、第2セクションは、10~40mmの長さを有する。
【0047】
一実施形態において、第1のセクションの長さと第2のセクションの長さとの間の比は、0.5~0.75である。
【0048】
モジュールの取り扱いを妨げない一方で、十分な負荷分散を可能にするために、第1セクションおよび第2セクションの長さが選択されることが重要である。長さが小さすぎると、耐荷力が損なわれる。長さが大きすぎると、モジュールの医療処置用テーブルトップへの接続が面倒になることがある。本開示による第1セクションおよび第2セクションの長さは、良好な負荷支持能力を提供する一方で、モジュールの医療処置用テーブルトップへの容易な接続、すなわち係合を依然として提供することが発見された。
【0049】
一実施形態では、モジュールは、医療処置用テーブルトップに接続されたとき、300kgの安全作業負荷を有する。
【0050】
本開示の文脈では、「安全作業負荷」は、医療処置用テーブルトップ及びモジュールに負荷が連続的に分配される場合、医療処置用テーブルトップ及びモジュールが、破損することなく、持ち上げ、移動、吊り下げ、及び地面に降下することができる最大安全負荷と解釈されるべきである。
【0051】
一実施形態では、モジュールは、X線処置に適している。
【0052】
このような例示的なモジュールによって、X線の吸収が低減され、利用されるX線源の耐用年数が長くなるモジュールが実現される。X線操作に適した材料は、例えば、WO 2014168532 A1から知られている。
【0053】
一実施形態において、モジュールは、100 kVで0.6mm Al未満、好ましくは100 kVで0.4mm Al以下のX線減衰当量を有する。
【0054】
X線減衰当量は、スウェーデン、モルダルにあるMEDIEL ABの施設において、IEC 6061-1-3: 1994に準拠したRTI Barracuda w.R100B検出器を使用して試験した。
【0055】
一実施形態では、モジュールは、炭素繊維強化である。
【0056】
このような代表的なモジュールによって、改良された機械的強度及び好ましい低X線吸収を有するモジュールが達成される。
【0057】
一実施形態では、モジュールは、40mm未満の厚さを有する。
【0058】
例えば、X線操作においては、より少ない材料がX線に干渉するので、小さな厚さが望ましい。
【0059】
一実施形態では、連結部は、医療処置用テーブルトップの対応する連結部と係合するために、医療処置用テーブルトップの対応する連結部に対して10~30度の間で傾斜されるように構成される。
【0060】
このようなモジュールによって、オペレータがモジュールを高角度に過度に傾ける必要がないので、医療処置用テーブルトップに対するモジュールの容易な接続および解放を達成することができる。
【0061】
「医療処置用テーブルトップの対応する連結部に対して10~30度の間で傾斜」とは、モジュールの長手方向の延長線と医療処置用テーブルトップの長手方向の延長線との間に形成される角度を意味する。
【0062】
第2の態様において、本開示は、第1の態様のいずれか1つによるモジュールを含む医療処置用テーブルトップに関する。
【0063】
一実施形態では、医療処置用テーブルトップは、モジュールの連結部と係合するように構成された対応する連結部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0064】
以下に、添付図面を参照して本発明を例として説明する。
【
図1】本開示の1つの実施形態による、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの側面図を図示する。
【
図2a】医療処置用テーブルトップとの係合の開始段階中の、本開示の一実施形態による医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの側面図を図示する。
【
図2b】医療処置用テーブルトップとの係合の最終段階の間の、本開示の一実施形態による医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの側面図を図示する。
【
図2c】医療処置用テーブルトップと係合した本開示の一実施形態による、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの側面図を図示する。
【
図3a】医療処置用テーブルトップとの係合の開始段階中の、本開示の一実施形態に従う医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの上方からの斜視図を図示する。
【
図3b】医療処置用テーブルトップとの係合の最終段階の間の、本開示の一実施形態による医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの上方からの斜視図を図示する。
【
図3c】医療処置用テーブルトップと係合した本開示の一実施形態による、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの上方からの斜視図を図示する。
【
図4】医療処置用テーブルトップと係合した本開示の一実施形態による、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールの下方からの斜視図を図示する。
【
図5】本開示の一実施形態による、接続されたモジュールを備える医療処置用テーブルトップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
開示される実施形態を参照した詳細な説明は、上述した特定の特徴を組み合わせた例としてみなされるべきである。追加の例は、開示される実施形態におけるよりも他の、および/またはより少ない/より多い特徴を組み合わせることによって達成されてもよいことを理解されたい。したがって、図は、例示的な実施形態を開示し、排他的な組み合わせではない。この文脈においては、他に何も説明されない限り、単純化のために、全ての図が概略的に開示されていることにも留意されたい。
【0066】
開示される実施形態を参照した詳細な説明は、上述した特定の特徴を組み合わせた例としてみなされるべきである。追加の例は、開示される実施形態におけるよりも他の、および/またはより少ない/より多い特徴を組み合わせることによって達成されてもよいことを理解されたい。したがって、図は、例示的な実施形態を開示し、排他的な組み合わせではない。この文脈においては、他に何も説明されない限り、単純化のために、全ての図が概略的に開示されていることにも留意されたい。
【0067】
本開示は、医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュールに関し、モジュールは、医療処置用テーブルトップとのモジュールの迅速かつ確実な接続、ならびに医療処置用テーブルトップからのモジュールの自発的な分離の可能性の低減を可能にする連結部を備える。
【0068】
図1は、本開示の一実施形態によるモジュール1の側面図を示す。
図1に見られるように、図示されたモジュール1は、患者を支持するための患者対向面2と、モジュール1の反対側に位置する下側3とを備える。
図1は、モジュール1の第1の端部を示すモジュール1を示す。モジュール1は、
図1には図示されていない反対の第2の端部を備えており、縦軸Lは、第1の端部と第2の端部との間に定められている。
【0069】
モジュール1は、モジュール1の第1の端部に向かって配置されたほぼフック形状の連結部4を備える。連結部4は、モジュール1が接続されることが意図されている医療処置用テーブルトップ(
図1には図示せず)の対応する、すなわち嵌合する連結部と係合するように構成される。
【0070】
連結部4は、その構造の内部に、連結部4を貫通して突出するスライド式ラッチ5を備えている。スライド式ラッチ5は、実質的に縦軸Lに沿ったスライド延長部を有している。さらに、連結部4は、スライド式ラッチ5に結合されたラッチ起動部6を備えている。ラッチ起動部6は、実質的に縦軸Lに沿ってスライド式ラッチ5をスライドさせるように構成される。
【0071】
図1に見られるように、ラッチ起動部6は、下側3に向かって伸長しており、下側3を通って突出しており、モジュール1の下に達したときに医療オペレータが接触できるようになっている。
【0072】
図1に示す連結部4は、バネ形状の弾性部材7を更に備えている。弾性部材7は、第1の端部に向かってスライド式ラッチ5に作用する力を提供するように構成されている。
【0073】
図1に示す連結部4は、さらに、下側3に向く第1セクション8と、患者に面する側2を向く第2セクション9とを有し、第2セクション9は第1セクション8と接続している。
【0074】
ここで
図2aを参照すると、医療処置用テーブルトップ100との係合の開始段階中に、本開示の一実施形態による医療処置用テーブルトップに接続可能なモジュール1の側面図が示されている。
【0075】
モジュール1を医療処置用テーブルトップ100に接続するとき、モジュールは、
図2aから
図2cに例示されるように、スライドラッチ5及び第2セクション9を含む連結部4の一部が医療処置用テーブルトップ100の下に位置するように、医療処置用テーブルトップ100に対して上方に傾けられる。
【0076】
医療処置用テーブルトップ100は、モジュール1の連結部4と係合するように構成された対応する連結部40を備える。対応する連結部40は、モジュール1の第1セクション8と係合するように構成された対応する第1セクション80を備え、モジュール1の第2セクション9と係合するように構成された対応する第2セクション90をさらに備える。
【0077】
図2a~
図2cに図示されるように、モジュール1の第1セクション8が医療処置用テーブルトップ100の対応する第1セクション80と接触すると、モジュール1は下方に傾けられ、その結果、モジュール1の第2セクション9は、医療処置用テーブルトップ100の対応する第2セクション90に向かって上方に動かされる。
【0078】
ここで
図2bを参照すると、医療処置用テーブルトップ100に接続可能なモジュール1の側面図が示されている本開示
図2bでは、モジュール1は、医療処置用テーブルトップ100との係合の最終段階で図示されている。
【0079】
モジュール1の傾斜運動が継続されると、スライド式ラッチ5は、医療処置用テーブルトップ100の対応する連結部40上に配置されたロック部50と接触することになる。スライド式ラッチ5は、モジュール1の傾斜運動の結果としてロック部50がスライド式ラッチ5をモジュールの第2の端部の方へ押すことになるように構成される。結果として、ラッチ起動部6も、第2の端部に向かって動かされる。
【0080】
ここで
図2cを参照すると、本開示の一実施の形態による医療処置用テーブルトップ100に接続可能なモジュール1の側面図が示されている。
図2cにおいて、モジュール1は、医療処置用テーブルトップ100と係合(すなわち接続される)して図示されている。
【0081】
図からわかるように、ここでは、連結部4の第1セクション8は、医療処置用テーブルトップ100の対応する第1セクション80と係合(すなわち接触)しており、その結果、第1セクション8は、対応する第1セクション80の上に載る。さらに、連結部4の第2セクション9は、医療処置用テーブルトップ100の対応する第2セクション90と係合する(すなわち接触する)。
【0082】
モジュール1が医療処置用テーブルトップ100と係合すると、スライド式ラッチ5は、ロック部50と係合し、モジュール1を医療処置用テーブルトップ100の所定の位置にロックする。
【0083】
ユーザがモジュール1を医療処置用テーブルトップ100との係合から分離させたい場合、ラッチ起動部6を第2の端部の方へ動かすことにより、スライド式ラッチ5は第2の端部の方へ動かされる。スライド式ラッチ5は、ロック部50との係合から解放され、これにより、モジュール1を医療処置用テーブルトップ100に係合する場合と比較して、逆の方法でモジュール1を傾斜させることができる。
【0084】
前述したように、モジュール1を医療処置用テーブルトップ100から外すのに必要な、第2の端部に向かうラッチ起動部6のスライド運動は、医療処置用テーブルトップ100からモジュール1が自発的に外れる危険性を低減する。 これは、誤ってラッチ起動器6に接触することが、医療処置用テーブルトップ100によって抑制されることと、ラッチ起動器6が患者に面する側の下に配置されることと、の両方による。
【0085】
ここで、
図2a-2cに例示されているような医療処置医療処置用テーブルトップ100へのモジュール1の係合手順を図示する
図3a-3cは上方からの斜視図である。
【0086】
ここで
図4は、本開示の一実施の形態によるモジュール1を医療処置用テーブルトップ100と係合した状態を図示する、下他らの斜視図である。
【0087】
ここで
図5は、本開示の一実施の形態によるモジュール1が医療処置用テーブルトップ100と係合している、側面からの斜視図である。
【外国語明細書】