IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東電工株式会社の特許一覧 ▶ 藤倉ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-部品及びアセンブリ 図1
  • 特開-部品及びアセンブリ 図2
  • 特開-部品及びアセンブリ 図3A
  • 特開-部品及びアセンブリ 図3B
  • 特開-部品及びアセンブリ 図4
  • 特開-部品及びアセンブリ 図5
  • 特開-部品及びアセンブリ 図6
  • 特開-部品及びアセンブリ 図7
  • 特開-部品及びアセンブリ 図8
  • 特開-部品及びアセンブリ 図9
  • 特開-部品及びアセンブリ 図10
  • 特開-部品及びアセンブリ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110957
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】部品及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/317 20210101AFI20240808BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20240808BHJP
   F16K 15/14 20060101ALN20240808BHJP
【FI】
H01M50/317 201
H01M50/35 201
F16K15/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024015186
(22)【出願日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2023015340
(32)【優先日】2023-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005175
【氏名又は名称】藤倉コンポジット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植村 高
(72)【発明者】
【氏名】藤田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】土屋 幸司
(72)【発明者】
【氏名】井澤 憲司
【テーマコード(参考)】
3H058
5H012
【Fターム(参考)】
3H058AA14
5H012BB08
5H012DD01
5H012DD02
5H012EE09
5H012JJ10
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で筐体の開口を覆うように筐体に取り付け可能であり、かつ、筐体に固定された部材を保護する観点から有利な部品を提供する。
【解決手段】部品1aは、固定部材10と、カバー20とを備えている。固定部材10は、筐体2の開口2aを覆うように筐体2に単独で固定される。カバー20は、固定部材10を覆っている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の開口を覆うように前記筐体に取り付けられる部品であって、
前記開口を覆うように前記筐体に単独で固定される又は前記筐体に接合される固定部材と、
前記固定部材を覆うカバーと、を備えた、
部品。
【請求項2】
前記カバーは、外壁及び内壁を有する周縁部を含み、
前記外壁は、前記カバーの内部と前記カバーの外部との間に形成された第一開口を有し、
前記内壁は、前記カバーの内部において前記外壁に沿って前記第一開口を覆っている、
請求項1に記載の部品。
【請求項3】
前記カバーは、二重壁構造を有する周縁部を含み、
前記二重壁構造は、前記カバーの内部と前記カバーの外部との間を連通させる連通路をなしている、
請求項1に記載の部品。
【請求項4】
前記二重壁構造は、複数の第一壁と、複数の第二壁と、複数の第三壁とを含み、
前記複数の第一壁は、前記カバーの平面視において、前記周縁部の最外周に沿って互いに離れて配置されており、
前記複数の第二壁は、前記カバーの平面視において、前記周縁部の最内周に沿って互いに離れて配置されており、
前記複数の第三壁は、前記カバーの平面視において、前記最外周の直径より小さくかつ前記最内周の直径より大きい円周上に互いに離れて配置されており、
前記周縁部において前記最外周に沿って隣り合う一対の前記第一壁の間の空間に接する部分において、前記第二壁と前記第三壁とが向かい合っており、
前記周縁部において前記最内周に沿って隣り合う一対の前記第二壁の間の空間に接する部分において、前記第一壁と前記第三壁とが向かい合っている、
請求項3に記載の部品。
【請求項5】
前記部品は、遮蔽構造をさらに備え、
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部を含み、
前記平坦部は、貫通孔を有し、
前記遮蔽構造は、前記平坦部の厚さ方向において、前記貫通孔と前記固定部材との間に配置されている、
請求項1に記載の部品。
【請求項6】
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部と、前記平坦部から突出して前記カバーの周縁をなす側部とを含み、
前記側部は、前記平坦部に接する湾曲部を有する、
請求項1に記載の部品。
【請求項7】
前記部品は、遮蔽構造をさらに備え、
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部と、前記平坦部から突出して前記カバーの周縁をなす側部とを含み、
前記平坦部は、貫通孔を有し、
前記遮蔽構造は、前記平坦部の厚さ方向において、前記貫通孔と前記固定部材との間に配置されており、
前記側部は、前記平坦部に接する湾曲部を有する、
請求項2に記載の部品。
【請求項8】
前記固定部材は、前記部品が前記筐体に取り付けられたときに前記筐体の外面に接触する接触部を有し、
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部と、前記平坦部から突出して前記カバーの周縁をなす側部とを含み、
前記側部の先端は、第一平面と第二平面との間に配置されており、
前記第一平面は、前記平坦部の厚さ方向において前記接触部から前記平坦部に向かって0.4mm離れている、前記平坦部に平行な平面であり、
前記第二平面は、前記平坦部の厚さ方向において前記平坦部から遠ざかって前記接触部から0.3mm離れている、前記平坦部に平行な平面である、
請求項1に記載の部品。
【請求項9】
前記固定部材は、弁である、
請求項1に記載の部品。
【請求項10】
前記弁は、アンブレラバルブである、
請求項9に記載の部品。
【請求項11】
前記アンブレラバルブは、前記部品が前記筐体に取り付けられるときに前記筐体の前記開口において前記筐体と気密に接触している軸部と、前記軸部から延びており、かつ、前記部品が前記筐体に取り付けられるときに前記筐体の外面との間に環状のシール部を形成する外周部を有する弁体とを含み、
前記弁体は、前記弁体と前記軸部との境界と前記外周部との間で、ストレートに延びている、又は、内向きに凹んで延びている、
請求項10に記載の部品。
【請求項12】
前記部品は、前記部品が前記筐体に取り付けられたときに前記筐体の内部又は外部に導かれる気体を通過させる通気膜をさらに備えている、
請求項1に記載の部品。
【請求項13】
前記部品は、前記部品が前記筐体に取り付けられたときに前記筐体の内部又は外部に導かれる気体を通過させる通気膜をさらに備えており、
前記開口がなす開口面に平行な平面に前記弁を投影したときの前記弁の投影面積に対する前記通気膜の有効通気面積の比は、0.1以上である、
請求項9に記載の部品。
【請求項14】
前記筐体は、リチウムイオン二次電池を収容するための筐体である、
請求項1に記載の部品。
【請求項15】
開口を有する筐体と、
前記筐体の前記開口を覆うように前記筐体に取り付けられた部品と、を備え、
前記部品は、前記開口を覆うように前記筐体に単独で固定された又は前記筐体に接合された固定部材と、
前記固定部材を覆うカバーと、を備えている、
アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品及びアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体の開口を覆うように筐体に取り付けられる部品が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ハウジング用の圧力補償装置が記載されている。この圧力補償装置は格子形状のケージを備えている。このケージは、内側半部及び外側半部からなっている。ケージの内部において内側半部と外側半部との間には、ガス透過性のダイヤフラム及び傘形弁が配置されている。圧力補償装置の内側と外側の圧力差が、ダイヤフラム及び傘形弁に作用にする。この圧力差が限界値を超過すると、傘形弁は、内側と外側との間の直接的な経路を、内側の緊急時ガス抜きのために開放する。この圧力補償装置は、Oリングを介してハウジングに取り付けられるものと理解される。
【0004】
特許文献2には、アセンブリが記載されており、このアセンブリは、通常の圧力条件下でガスがケーシングと環境との間でベントを通って通過することを可能にするように構成されている。ケーシングの内部で高圧事象が発生すると、アセンブリは、ガスがベントを迂回することによりケーシングから逃げることを可能にするように構成されている。アセンブリは、ベントハウジング、結合構造、取付面、ベント、及びリリーフ弁を有する。結合構造は、ケーシングによって画定された開口部の周りでアセンブリをケーシングに結合するように構成されている。アセンブリとケーシングとの間のシールのためにエラストマー材料のシールが用いられている。シールは結合構造に当接する。
【0005】
特許文献3には、電池パックのパックケースに形成された開口部に取り付けられる電池パック用圧力解放弁が記載されている。この電池パック用圧力解放弁は、ケースと、カバーとを備えており、ケースは、開口部に連通する排出孔、及び、その排出孔を開閉可能な弁機構を有している。カバーは、ケースに取り付けられた状態でケースとの間に排出孔から排出された気体を排出する通路を形成する。弁機構は、排出孔を閉塞可能な弁部材と、その排出孔を閉塞する閉位置に弁部材を付勢する付勢部とを備えている。付勢部は、例えば、ダブルトーションばねである。ケースはパックケースの開口部に挿入される連結部を有し、この連結部の外周面には第1シール部材及び第2シール部材が設けられている。第1シール部材は、パックケースの開口部の内周面とケースとの間に介在している。第2シール部材は、圧力解放弁がパックケースに取り付けられた場合に、パックケースの表面に当接する。
【0006】
特許文献4には、通気ユニットが記載されており、この通気ユニットは、第1通気体と、第2通気体とを備えている。第1通気体は、筐体内の圧力である内圧が筐体外の圧力である外圧よりも所定圧力以上高くなったときに筐体内から筐体外へ気体が通過するのを許容し、筐体内から筐体外へ気体が通過するのを阻止するように復帰可能である。第2通気体は、内圧と外圧との圧力差が所定圧力未満である場合も筐体内と筐体外との間で気体が流通するのを許容する。通気ユニットは、筐体に装着される保持部材と、シール部材とを備えている。シール部材は、保持部材と筐体との間に配置されて保持部材と筐体との間をシールする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-181329号公報
【特許文献2】特表2020-515783号公報
【特許文献3】特開2020-194719号公報
【特許文献4】国際公開第2018/199238号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1~4に記載の部品は、Oリング等のシール部材及びシール部材に接する別の部材との協働により筐体へ固定されていると理解される。このため、これら部品を筐体に取り付け可能とするためには多くの部材が必要である。
【0009】
そこで、本発明は、簡素な構成で筐体の開口を覆うように筐体に取り付け可能であり、かつ、筐体に固定された部材を保護する観点から有利な部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
筐体の開口を覆うように前記筐体に取り付けられる部品であって、
前記開口を覆うように前記筐体に単独で固定される又は前記筐体に接合される固定部材と、
前記固定部材を覆うカバーと、を備えた、
部品を提供する。
【発明の効果】
【0011】
上記の部品は、簡素な構成で筐体の開口を覆うように筐体に取り付け可能であり、かつ、筐体に固定された部材を保護する観点から有利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明に係るアセンブリの一例を示す側面図である。
図2図2は、図1に示すアセンブリの分解斜視図である。
図3A図3Aは、図1に示すA-A線を切断線とするアセンブリの断面図である。
図3B図3Bは、図1に示す平面Bを切断面とするアセンブリの断面図である。
図4図4は、筐体に取り付けられていない状態の部品の断面図である。
図5図5は、カバーの周縁部を示す斜視図である。
図6図6は、外圧が作用するときのアセンブリの断面図である。
図7図7は、部品の別の一例を示す断面図である。
図8図8は、カバーの別の一例を示す平面図である。
図9図9は、本発明に係るアセンブリの別の一例を示す断面図である。
図10図10は、本発明に係るアセンブリのさらに別の一例を示す断面図である。
図11図11は、本発明に係るアセンブリのさらに別の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。
【0014】
図1図2図3A、及び図3Bに示す通り、部品1aは、筐体2の開口2aを覆うように筐体2に取り付けられる。部品1aは、固定部材10と、カバー20とを備えている。固定部材10は、筐体2の開口2aを覆うように筐体2に単独で固定される。換言すると、固定部材10は、Oリング等の他の部材との協働を必要とすることなく、筐体2に固定されうる。カバー20は、固定部材10を覆っている。
【0015】
筐体2の開口2aを覆うように固定部材10が筐体2に単独で固定されるので、部品1aは、Oリング等のシール部材を用いない簡素な構成で、筐体2への取り付けが可能である。加えて、カバー20によって固定部材10が覆われるので、水流等の外部負荷から固定部材10が保護されやすい。
【0016】
固定部材10を単独で筐体2に固定する方法は、特定の方法に限定されない。その方法は、例えば、圧入である。固定部材10は、例えば、開口2aに挿入される部位を含み、その部位は、開口2aの直径よりもわずかに大きい直径を有する。固定部材10が加圧されながら開口2aに挿入されると、開口2aに挿入された部位が開口2aの内部で筐体2に気密に接触するように変形する。これにより、固定部材10が単独で筐体2に固定される。
【0017】
固定部材10をなす材料は、特定の材料に限定されない。固定部材10をなす材料は、例えば、エラストマー(弾性樹脂)である。エラストマーは、ゴムであってもよい。エラストマーは、例えば、ニトリルゴム(NBR)、エチレン-プロピレンゴム(EPDM)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、水素化ゴム、又は各種の熱可塑性エラストマーである。
【0018】
筐体2は、例えば、固定部材10よりも圧縮変形に対して高い剛性を示す材料である。筐体2をなす材料は、金属であってもよいし、樹脂であってもよい。
【0019】
図2に示す通り、部品1aは、例えば、軸線Ax周りに回転対称な構造を有している。例えば、軸線Axに沿って部品1aを見たときに、カバー20は、固定部材10の全体を覆っている。このため、水流等の外部負荷から固定部材10がより保護されやすい。
【0020】
カバー20の形状は、固定部材10を覆うことができる限り、特定の形状に限定されない。図3Aに示す通り、カバー20は、例えば、平坦部21と、側部22とを備えている。平坦部21は、カバー20の中央部をなしている。側部22は、平坦部21から突出してカバー20の周縁をなしている。このような構成によれば、様々な方向からの外部負荷に対して固定部材10が保護されやすい。
【0021】
カバー20の材料は、特定の材料に限定されない。カバー20をなす材料は、例えば樹脂である。
【0022】
図3Bに示す通り、カバー20において、側部22は湾曲部22rを有する。湾曲部22rは平坦部21に接している。固定部材が筐体に単独で固定される場合、固定部材がOリング等のシール部材との協働により固定される場合に比べて、固定部材の筐体の開口への挿入がしにくいことがある。一方、このような構成によれば、例えば、固定部材10を開口2aに挿入して部品1aを筐体2に取り付けるときにカバー20と筐体2の外面とが接触しても、カバー20が適度に変形しうるので、固定部材10を開口2aに挿入しやすい。このため、部品1aを筐体2に取り付けやすい。
【0023】
平坦部21の厚さ方向に沿った湾曲部22rの断面においてカバー20の外面がなす輪郭の曲率半径Rは、特定の値に限定されない。曲率半径Rは、例えば1.0mm以上である。この場合、部品1aを筐体2に取り付けやすい。曲率半径Rは、1.5mm以上であってもよい。曲率半径Rは、例えば6.0mm以下である。
【0024】
図4に示す通り、軸線Axに平行であり側部22と交差する直線と側部22の外面とがなす角θ23は特定の値に限定されない。角θ23は、例えば2°以上である。このような構成によれば、固定部材10を開口2aに挿入して部品1aを筐体2に取り付けるときにカバー20と筐体2の外面とが接触しても、平坦部21が外面に近づくようにカバー20が変形しやすい。このため、固定部材10を開口2aに挿入しやすく、部品1aを筐体2に取り付けやすい。角θ23は、2.5°以上又は3°以上であってもよい。
【0025】
平坦部21の厚さt21は特定の値に限定されない。厚さt21は、例えば0.8mm以上2.3mm以下である。厚さt21が0.8mm以上であることにより、カバー20が所望の強度を有しやすく、固定部材10を開口2aに挿入して部品1aを筐体2に取り付けるときにカバー20が損傷しにくい。厚さt21が2.3mm以下であることにより、固定部材10を開口2aに挿入して部品1aを筐体2に取り付けるときにカバー20と筐体2の外面とが接触してもカバー20が適度に変形しやすく、固定部材10を開口2aに挿入しやすい。厚さt21は、0.9mm以上又は1.0mm以上であってもよく、2.2mm以下、2.1mm以下、又は2.0mm以下であってもよい。
【0026】
平坦部21の直径d21は特定の値に限定されない。直径d21は、例えば25mm以上である。この場合、固定部材10を開口2aに挿入して部品1aを筐体2に取り付けるときにカバー20と筐体2の外面とが接触してもカバー20が適度に変形しやすく、固定部材10を開口2aに挿入しやすい。特に、厚さt21が0.8mm以上2.3mm以下であり、かつ、直径d21が25mm以上であると、固定部材10を開口2aに挿入しやすい。直径d21は、例えば100mm以下である。直径d21は、30mm以上、35mm以上、40mm以上、45mm以上、又は50mm以上であってもよく、90mm以下、80mm以下、又は70mm以下であってもよい。
【0027】
図3A図3B、及び図5に示す通り、カバー20は、例えば、周縁部23を含んでいる。図5に示す通り、周縁部23は、例えば、外壁23e及び内壁23iを有する。外壁23eは、第一開口23hを有する。第一開口23hは、カバー20の内部20iとカバー20の外部20eとの間に形成されている。内壁23iは、カバー20の内部20iにおいて外壁23eに沿って第一開口23hを覆っている。このような構成によれば、カバー20の外部20eにおいて第一開口23hに向かって水流が生じても、内壁23iによって水流が固定部材10に直撃しにくい。加えて、仮に、カバー20の内部20iに水が流入しても、内壁23i、外壁23e、及び第一開口23hをなす外壁23eの部位によって囲まれた空間を通ってカバー20の外部に水が排出されやすい。
【0028】
第一開口23hは、例えば、側部22の先端部分に形成された凹部として形成されている。この凹部は、軸線Axに垂直な方向における両端で開口しており、かつ、軸線Axに平行な方向における一方の端で開口している。外壁23eは、例えば、複数の第一開口23hを有している。第一開口23hの数は、例えば、2以上16以下である。複数の第一開口23hは、軸線Ax周りに等間隔で形成されている。
【0029】
図3A及び図3Bに示す通り、部品1aは、例えば遮蔽構造15aをさらに備えている。カバー20の平坦部21は、例えば、貫通孔26を有する。遮蔽構造15aは、平坦部21の厚さ方向において、貫通孔26と固定部材10との間に配置されている。このような構成によれば、例えば、カバー20の外部において貫通孔26に向かって水流が生じてカバー20の内部に水が入っても、水流が遮蔽構造15aによって跳ね返され、水流が固定部材10に直撃しにくい。
【0030】
例えば、カバー20の内部において、貫通孔26は、遮蔽構造15aによって覆われている。換言すると、軸線Axに垂直な方向における遮蔽構造15aの最外端15eは、軸線Axに垂直な方向における貫通孔26の最外端よりも外側に離れた位置に存在している。このような構成によれば、貫通孔26に向かって水流が生じても水流が固定部材10により直撃しにくい。
【0031】
軸線Axに垂直な方向における遮蔽構造15aの最外端15eと貫通孔26の最外端との間の距離D1は特定の値に限定されない。距離D1は、例えば、(d1-d2)/2以上である。d1は、固定部材10の筐体2の外面との接触部10pの外径である。d2は、軸線Axに垂直な方向における貫通孔26の最外径である。距離D1は、例えば1.0mm以上である。この場合、貫通孔26に向かって水流が生じても水流が固定部材10により直撃しにくい。距離D1は、例えば3.5mm以下である。
【0032】
遮蔽構造15aの最外端15eとカバー20の内面との最短距離は、特定の値に限定されない。その最短距離は、例えば、0.5mm以上である。
【0033】
遮蔽構造15aは、例えば、斜面15sを有する。斜面15sは、貫通孔26の真下に形成されており、軸線Axに垂直な方向における外側に向かって平坦部21から遠ざかるように延びている。このような構成によれば、貫通孔26に向かって水流が生じても遮蔽構造15aによって軸線Axに垂直な方向における外側に向かって跳ね返され、カバー20の外部に水が排出されやすい。
【0034】
図4に示す通り、側部22の先端22pは、例えば、平面P10.4と平面P2との間に配置されている。固定部材10は、部品1aが筐体2に取り付けられたときに筐体2の外面に接触する接触部10pを有する。平面P10.4及び平面P2は、それぞれ、平坦部21に平行な平面である。平面P10.4は、平坦部21の厚さ方向において接触部10pから平坦部21に向かって0.4mm離れている平面である。平面P2は、平坦部21の厚さ方向において平坦部21から遠ざかって接触部10pから0.3mm離れている平面である。このような構成によれば、部品1aが筐体2に取り付けられたときに筐体2の外面と先端22pとの間に隙間が生じにくい。もしくは、筐体2の外面と先端22pとの間の隙間が小さくなりやすい。このため、カバー20の外部において側部22の先端22pに向かって水流が生じても、水流が固定部材10に直撃しにくい。側部22の先端22pは、平面P10.3と平面P2との間に配置されていてもよく、平面P10.2と平面P2との間に配置されていてもよく、平面P10.1と平面P2との間に配置されていてもよい。平面P10.3は、平坦部21の厚さ方向において接触部10pから平坦部21に向かって0.3mm離れている平面である。平面P10.2は、平坦部21の厚さ方向において接触部10pから平坦部21に向かって0.2mm離れている平面である。平面P10.1は、平坦部21の厚さ方向において接触部10pから平坦部21に向かって0.1mm離れている平面である。
【0035】
固定部材10は、特定の部材に限定されない。固定部材10は、例えば弁である。この場合、例えば、部品1aを筐体2に取り付けることによって、筐体2の外部への気体の排出及び筐体2の内部への気体の供給を調整できる。
【0036】
固定部材10が弁である場合、弁は特定の弁に限定されない。図2に示す通り、固定部材10である弁は、例えば、アンブレラバルブである。図3Aに示す通り、アンブレラバルブである固定部材10は、例えば、軸部10aと、弁体10bとを含んでいる。軸部10aは円筒状の部位である。部品1aが筐体2に取り付けられたときに軸部10aが開口2aにおいて筐体2と気密に接触している。軸線Axに平行な方向における軸部10aの一端から離れた軸部10aの外面には環状の突出部10dが形成されており、部品1aが筐体2に取り付けられたときに、筐体2の内部2iにおいて開口2aに接する筐体2の部位に突出部10dが接触している。これにより、筐体2に取り付けられた部品1aが意図せずに筐体2から外れることが防止されやすい。軸部10aの内部には、筐体2の内部2iと筐体の外部2eとを連通させるための通気路11の一端が形成されている。
【0037】
図3Aに示す通り、弁体10bは、例えば軸部10aから延びている。弁体10bは、例えば、軸線Axに平行な方向における軸部10aの他端から、軸線Ax及び軸線Axに垂直な平面に対して傾斜して延びている環状の部位である。部品1aが筐体2に取り付けられたときに、弁体10bは、筐体2の外面と気密に接触して環状のシール10sを形成する外周部10qを有する。図2及び図3Aに示す通り、筐体2は、筐体2の開口2aの周囲に通気孔2bを有する。これにより、弁体10bの内側に筐体2の内部の圧力が作用する。何らかの理由により、筐体2の内部の圧力が急激に高まり、筐体2の内外の圧力差が所定値以上となった場合、弁体10bが反るように変形し、弁体10bの環状のシール10sをなす外周部10qが筐体2の外面から離れる。これにより、筐体2の内外の圧力差が縮小し、弁体10bの外周部10qは、再び環状のシール10sを形成する。
【0038】
図4に示す通り、弁体10bは、例えば、弁体10bと軸部10aとの境界と外周部10qとの間でストレートに延びている。このような構成によれば、例えば、図6に示す通り、部品1aが筐体2に取り付けられた状態で水圧等の外圧Pが部品1aのアンブレラバルブに作用するときに、外周部10qと筐体2の外面との接触面積が大きくなるように弁体10bが変形しやすい。外圧Pは、例えば、部品1a及び筐体2を備えたアセンブリが水没したときに生じうる。このため、例えば、弁体10bが外周部10qに向かってストレートに延びていることにより、アセンブリの防水性が高くなりやすい。図7に示す通り、弁体10bは、例えば、弁体10bと軸部10aとの境界と外周部10qとの間で内向きに凹んで延びていてもよい。このような場合にも、部品1aが筐体2に取り付けられた状態で水圧等の外圧Pが部品1aのアンブレラバルブに作用するときに、外周部10qと筐体2の外面との接触面積が大きくなるように弁体10bが変形しやすく、アセンブリの防水性が高くなりやすい。弁体10bは、例えば、弁体10bと軸部10aとの境界と外周部10qとの間で外側に膨らむことなく延びている。
【0039】
アンブレラバルブとしては、弁体が外側に膨らんだドーム状を有するドーム型のアンブレラバルブが知られている。固定部材10は、このようなアンブレラバルブであってもよい。一方、このようなアンブレラバルブは、シールをなすために筐体と接触する面積が大きくなりにくく、水没等によりアンブレラバルブに外圧が作用するときにシールされた状態が解消され、防水状態が保たれにくい可能性がある。
【0040】
図3Aに示す通り、部品1aは、通気膜30をさらに備えている。通気膜30は、部品1aが筐体2に取り付けられたときに筐体2の内部2i又は外部2eに導かれる気体を通過させる。このような構成によれば、例えば、筐体2の内部2iの圧力が調整されやすい。加えて、筐体20の内部2iの内部に異物が入りにくい。
【0041】
通気膜30は、通気路11に接して配置されている。通気膜30は、所望の通気性を有する限り特定の通気膜に限定されない。通気膜30は、単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。通気膜30が多層膜である場合、各層は、多孔質膜、不織布、クロス、及びメッシュからなる群より選ばれる1つでありうる。通気膜30は、多孔質膜及び不織布を含んでいてよく、クロス及びメッシュの少なくとも1つと多孔質膜とを含んでいてもよく、複数の不織布を含んでいてもよい。通気膜30は、典型的には、有機高分子材料(樹脂)によって構成されている。多孔質膜の材料は、例えば、フッ素樹脂である。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、又はテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体を使用できる。多孔質膜の材料は、エチレン、プロピレン、及び4-メチルペンテン-1,1ブテン等のモノマーの単体の重合体又は共重合体等のポリオレフィンであってもよい。多孔質膜は、ポリアクリロニトリル、ナイロン、又はポリ乳酸等のナノファイバーの多孔膜であってもよい。多孔質膜は、公知の延伸法又は抽出法によって製造できる。不織布、クロス、及びメッシュの材料は、例えば、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、アラミド、又はエチレン酢酸ビニル共重合体である。
【0042】
通気膜30は、望ましくは、PTFE多孔質膜を含む。PTFE多孔質膜は、小面積でも通気性を確保でき、異物の侵入を効果的に阻止できる。PTFE多孔質膜は、不織布などの通気性支持材に積層されていてもよい。
【0043】
通気膜30の厚みは、特定の厚みに限定されない。通気膜30の厚みは、例えば1μm以上5mm以下である。通気膜30の通気度は、例えば、日本産業規格JIS L1096に定められた通気性測定B法(ガーレー形法)に準拠して測定した場合、0.1~300秒/100mLである。
【0044】
通気膜30は、必要に応じて撥液処理されていてもよい。撥液処理は、例えば、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系表面修飾剤を含む撥液性の被膜を通気膜30に形成することによってなされる。撥液性の被膜の形成は、特定の方法に限定されない。撥液性の被膜の形成は、例えば、エアスプレイ法、静電スプレイ法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、カーテンフローコーティング法、又は含浸法等の方法により、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系表面修飾剤の溶液又はディスパージョンで樹脂多孔質膜をコーティングすることによりなされる。また、電着塗装法又はプラズマ重合法によって、撥液性の被膜を形成してもよい。
【0045】
図2及び図3Aに示す通り、部品1aは、例えば支持部材15をさらに備えている。支持部材15は、通気膜30を支持している。支持部材15は、例えば、環状かつ板状の支持部15cと、筒状の軸部15dとを備えている。軸部15dは、固定部材10の軸部10aに嵌合している。これにより、軸部15dの内部及び軸部10aの内部が連なって通気路11の一部が形成されている。
【0046】
支持部15cは、軸線Axに垂直な平面に沿って延びている。例えば、支持部15cの周縁部によって、遮蔽構造15aが形成されている。
【0047】
通気膜30は、軸部15dの内部を覆うように支持部15cに固定されている。通気膜30と、カバー20の平坦部21との間には、通気路11の別の一部をなす空間が形成されている。この空間は、貫通孔26と連通している。これにより、貫通孔26に接するカバー20の外部の空間と筐体2の内部2iとの間で通気が可能である。
【0048】
図3Aに示す通り、カバー20は、平坦部21の周縁部においてカバー20の内部に突出しているフック27を備えている。フック27は、支持部15cに対してスナップフィットにより固定される。支持部15cは、その周縁部にフック27を係合させるための穴15bを有する。カバー20は、支持材15に対して熱カシメ等によって固定されていてもよい。
【0049】
上記の通り、部品1aにおいて固定部材10は弁であり、部品1aは通気膜30を備えていてもよい。この場合、開口2aがなす開口面に平行な平面に固定部材10である弁を投影して得られる投影面積SPに対する通気膜30の有効通気面積S30の比S30/SPは特定の値に限定されない。比S30/SPは、例えば、0.1以上である。この場合、例えば、アセンブリの通常の使用環境において、通気路11の通気量が大きくなりやすく、固定部材10である弁の筐体2の外面とシール部10sをなす外周部10qに高い負荷がかかりにくい。このため、部品1aが所望の耐久性を有しやすい。開口2aがなす開口面に平行な平面は、例えば、軸線Axに垂直な平面である。有効通気面積S30は、例えば、通気膜30を平面視したときに、通気膜30と支持材15との接合部によって囲まれた部分の面積に相当する。なお、通気膜30におけるこの接合部によって囲まれた部分と支持材15と間の隙間は通気路11に含まれうる。
【0050】
比S30/SPは、望ましくは0.2以上であり、より望ましくは0.3以上である。比S30/SPは、例えば、1以下である。
【0051】
図8は、カバー20の別の一例を示す平面図である。図8において、カバー20の内部が平面視されている。図8に示す通り、カバー20は、二重壁構造を有する周縁部23を含んでいてもよい。この二重壁構造は、カバー20の内部20iとカバー20の外部20eとを連通される連通路23rをなしている。このような構成によれば、カバー20の外部20eにおいて周縁部23に向かって水流が生じても、二重壁構造によって水流が固定部材10に直撃しにくい。加えて、このような水流が筐体2の外面で跳ね返ってカバー20が浮き上がりにくい。仮に、カバー20の内部20iに水が流入しても、連通路23rを通ってカバー20の外部に水が排出されやすい。
【0052】
周縁部23における上記の二重壁構造は、例えば、複数の第一壁23aと、複数の第二壁23bと、複数の第三壁23cとを備えている。複数の第一壁23aは、カバー20の平面視において、周縁部23の最外周に沿って互いに離れて配置されている。複数の第二壁23bは、カバー20の平面視において、周縁部23の最内周に沿って互いに離れて配置されている。複数の第三壁23cは、周縁部23の最外周の直径より小さくかつ周縁部23の最内周の直径より大きい円周上に互いに離れて配置されている。周縁部23の最外周に沿って隣り合う一対の第一壁23aの間の空間24aに接する周縁部23の部分において、第二壁23bと第三壁23cとが向かい合っている。換言すると、一対の第一壁23aの間の空間24aに接する周縁部23の部分において、向かい合っている第二壁23b及び第三壁23cが二重壁構造をなしている。周縁部23の最内周に沿って隣り合う一対の第二壁23bの間の空間24bに接する周縁部23の部分において、第一壁23aと第三壁23cとが向かい合っている。換言すると、一対の第二壁23bの間の空間24bに接する周縁部23の部分において、向かい合っている第一壁23a及び第三壁23cが二重壁構造をなしている。このような構成によれば、周縁部23の全周が二重壁構造を有しやすい。加えて、連通路23rは、複数の箇所でカバー20の内部20iに接しやすく、かつ、複数の箇所でカバー20の外部20eに接しやすい。このため、連通路23rを通ってカバー20の外部に水がより排出されやすい。
【0053】
図4に示す通り、周縁部23の全周において、第一壁23a及び第三壁23cが最外部をなしている。このような構成によれば、カバー20の外部20eにおいて周縁部23に向かって生じた水流が筐体2の外面で跳ね返ってカバー20が浮き上がることがより起こりにくい。例えば、周縁部23の最外周に沿って隣り合う一対の第一壁23aの間の空間24aは、軸線Axに平行な方向及び軸線Axに垂直な方向においてカバー20の外部20eに向かって開口している。このような構成によれば、周縁部23に向かって生じた水流が筐体2の外面で跳ね返ってカバー20が浮き上がることがより起こりにくい。
【0054】
図1に示す通り、部品1aが筐体2に取り付けられることによってアセンブリ3が提供される。
【0055】
アセンブリ3において、筐体2に収容される物品は特定の物品に限定されない。筐体2は、例えば、リチウムイオン二次電池を収容するための筐体である。筐体2は、リチウムイオン二次電池以外の電池、電子機器、電気器具、電気機械、精密機械、又は光学機器を収容するための筐体であってもよい。
【0056】
部品1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、部品1aにおいて、固定部材10は筐体2に接合されるように構成されていてもよい。固定部材10は、例えば、所定の接着剤によって筐体2に接合されてもよいし、超音波溶着又は熱溶着によって筐体2に接合されてもよい。
【0057】
部品1aは、例えば、図9に示す部品1b、図10に示す部品1c、又は図11に示す部品1dのように変更されてもよい。部品1b、1c、及び1dのそれぞれは、特に説明する部分を除き、部品1aと同様に構成されている。部品1aの構成要素と同一又は対応する部品1b、1c、及び1dの構成要素には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。部品1aについての説明は、技術的に矛盾しない限り、部品1b、1c、及び1dにも当てはまる。
【0058】
図9に示す通り、部品1bにおいて、固定部材10は、通気膜30を支持する部材として構成されている。固定部材10は、圧入により筐体2に固定されうる。固定部材10は、凹部10kを有する。カバー20のフック27が凹部10kに挿入された状態で、フック27が固定部材10に対してスナップフィットされる。このように、部品1bでは、カバー20が固定部材10に直接取り付けられている。固定部材10は、筒状の部材であり、その内部は通気路11の一部をなしている。
【0059】
図10に示す通り、部品1cにおいて、固定部材10は栓である。固定部材10は、圧入により筐体2に固定されうる。部品1cにおいて、部品1bと同様に、カバー20が固定部材10に直接取り付けられている。
【0060】
図11に示す通り、部品1dにおいて、固定部材10は、通気膜30と、粘着シート10jとを備えている。粘着シート10jは、例えば平面視で環状であり、中央に筐体2の開口2aに対応する穴10hを有する。通気膜30は、穴10hを覆うように粘着シート10jの一方の主面に固定されている。穴10hと開口2aとが位置決めされた状態で粘着シート10jの他方の主面が筐体2の外面の開口2aに接する部位に押し当てられて固定部材10が筐体2に固定される。
【0061】
部品1dは、接続部材16を備えている。接続部材16は、通気膜30の周囲に配置された環状の部材であり、粘着シート10jの一方の主面に固定されている。接続部材16は、凹部16kを有する。カバー20のフック27が凹部16kに挿入された状態で、フック27が接続部材16に対してスナップフィットされる。
【0062】
本発明の第1側面は、
筐体の開口を覆うように前記筐体に取り付けられる部品であって、
前記開口を覆うように前記筐体に単独で固定される又は前記筐体に接合される固定部材と、
前記固定部材を覆うカバーと、を備えた、
部品を提供する。
【0063】
本発明の第2側面は、第1側面において、
前記カバーは、外壁及び内壁を有する周縁部を含み、
前記外壁は、前記カバーの内部と前記カバーの外部との間に形成された第一開口を有し、
前記内壁は、前記カバーの内部において前記外壁に沿って前記第一開口を覆っている、
部品を提供する。
【0064】
本発明の第3側面は、第1側面において、
前記カバーは、二重壁構造を有する周縁部を含み、
前記二重壁構造は、前記カバーの内部と前記カバーの外部との間を連通させる連通路をなしている、
部品を提供する。
【0065】
本発明の第4側面は、第3側面において、
前記二重壁構造は、複数の第一壁と、複数の第二壁と、複数の第三壁とを含み、
前記複数の第一壁は、前記カバーの平面視において、前記周縁部の最外周に沿って互いに離れて配置されており、
前記複数の第二壁は、前記カバーの平面視において、前記周縁部の最内周に沿って互いに離れて配置されており、
前記複数の第三壁は、前記カバーの平面視において、前記最外周の直径より小さくかつ前記最内周の直径より大きい円周上に互いに離れて配置されており、
前記周縁部において前記最外周に沿って隣り合う一対の前記第一壁の間の空間に接する部分において、前記第二壁と前記第三壁とが向かい合っており、
前記周縁部において前記最内周に沿って隣り合う一対の前記第二壁の間の空間に接する部分において、前記第一壁と前記第三壁とが向かい合っている、
部品を提供する。
【0066】
本発明の第5側面は、第1側面から第4側面のいずれか1つにおいて、
前記部品は、遮蔽構造をさらに備え、
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部を含み、
前記平坦部は、貫通孔を有し、
前記遮蔽構造は、前記平坦部の厚さ方向において、前記貫通孔と前記固定部材との間に配置されている、
部品を提供する。
【0067】
本発明の第6側面は、第1側面から第5側面のいずれか1つにおいて、
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部と、前記平坦部から突出して前記カバーの周縁をなす側部とを含み、
前記側部は、前記平坦部に接する湾曲部を有する、
部品を提供する。
【0068】
本発明の第7側面は、第2側面において、
前記部品は、遮蔽構造をさらに備え、
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部と、前記平坦部から突出して前記カバーの周縁をなす側部とを含み、
前記平坦部は、貫通孔を有し、
前記遮蔽構造は、前記平坦部の厚さ方向において、前記貫通孔と前記固定部材との間に配置されており、
前記側部は、前記平坦部に接する湾曲部を有する、
部品を提供する。
【0069】
本発明の第8側面は、第1側面から第7側面のいずれか1つにおいて、
前記固定部材は、前記部品が前記筐体に取り付けられたときに前記筐体の外面に接触する接触部を有し、
前記カバーは、前記カバーの中央部をなす平坦部と、前記平坦部から突出して前記カバーの周縁をなす側部とを含み、
前記側部の先端は、第一平面と第二平面との間に配置されており、
前記第一平面は、前記平坦部の厚さ方向において前記接触部から前記平坦部に向かって0.4mm離れている、前記平坦部に平行な平面であり、
前記第二平面は、前記平坦部の厚さ方向において前記平坦部から遠ざかって前記接触部から0.3mm離れている、前記平坦部に平行な平面である、
部品を提供する。
【0070】
本発明の第9側面は、第1側面から第8側面のいずれか1つにおいて、
前記固定部材は、弁である、
部品を提供する。
【0071】
本発明の第10側面は、第9側面において、
前記弁は、アンブレラバルブである、
部品を提供する。
【0072】
本発明の第11側面は、第10側面において、
前記アンブレラバルブは、前記部品が前記筐体に取り付けられるときに前記筐体の前記開口において前記筐体と気密に接触している軸部と、前記軸部から延びており、かつ、前記部品が前記筐体に取り付けられるときに前記筐体の外面との間に環状のシール部を形成する外周部を有する弁体とを含み、
前記弁体は、前記弁体と前記軸部との境界と前記外周部との間で、ストレートに延びている、又は、内向きに凹んで延びている、
部品を提供する。
【0073】
本発明の第12側面は、第1側面から第11側面のいずれか1つにおいて、
前記部品は、前記部品が前記筐体に取り付けられたときに前記筐体の内部又は外部に導かれる気体を通過させる通気膜をさらに備えている、
部品を提供する。
【0074】
本発明の第13側面は、第9側面から第11側面において、
前記部品は、前記部品が前記筐体に取り付けられたときに前記筐体の内部又は外部に導かれる気体を通過させる通気膜をさらに備えており、
前記開口がなす開口面に平行な平面に前記弁を投影したときの前記弁の投影面積に対する前記通気膜の有効通気面積の比は、0.1以上である、
部品を提供する。
【0075】
本発明の第14側面は、第1側面から第13側面のいずれか1つにおいて、
前記筐体は、リチウムイオン二次電池を収容するための筐体である、
部品を提供する。
【0076】
本発明の第15側面は、
開口を有する筐体と、
前記筐体の前記開口を覆うように前記筐体に取り付けられた部品と、を備え、
前記部品は、前記開口を覆うように前記筐体に単独で固定された又は前記筐体に接合された固定部材と、
前記固定部材を覆うカバーと、を備えている、
アセンブリを提供する。
【符号の説明】
【0077】
1a、1b、1c、1d 通気部品
2 筐体
2a 開口
3 アセンブリ
10 固定部材
10p 接触部
10q 外周部
10s シール部
15 遮蔽構造
20 カバー
21 平坦部
22 側部
22r 湾曲部
23 周縁部
23a 第一壁
23b 第二壁
23c 第三壁
23e 外壁
23h 第一開口
23i 内壁
23r 連通路
24a 空間
24b 空間
26 貫通孔
30 通気膜
P1 第一平面
P2 第二平面
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11