(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110967
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】2つの電動機を用いるギヤなし電力変換システム
(51)【国際特許分類】
B62M 6/40 20100101AFI20240808BHJP
B62J 45/412 20200101ALI20240808BHJP
B62J 45/411 20200101ALI20240808BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20240808BHJP
B62M 1/10 20100101ALI20240808BHJP
【FI】
B62M6/40
B62J45/412
B62J45/411
B62M6/90
B62M1/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024080272
(22)【出願日】2024-05-16
(62)【分割の表示】P 2021529239の分割
【原出願日】2019-07-31
(31)【優先権主張番号】62/712,668
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521045324
【氏名又は名称】プラネット ライダー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カリー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】パーセル,スティーブ
(57)【要約】
【課題】ギヤなしの、軽く、有効な、経済的デバイスを提供する。
【解決手段】人力変換システムは、エネルギー変換を通して車両の電力供給を支援するために、複数の電動機を組み込む。第1電動機は人力入力と結合され、人力入力が電力を生成するために十分でない時に発電機として作用し、電力は第2電動機に提供され、第2電動機は車両を進める。車両は自転車であってもよく、第1電動機はクランクに結合されてもよい。共通のロータ又はステータを備えた第1及び第2電動機を含む2つが結合した電動機が用いられ、クランク及び/又は駆動車輪に結合されてもよい。第1電動機によって生成された電力は、第2電動機に直接提供されてもよく、又は電池内に保存され、車両を進めるため若しくは他の電気部品に電力供給するために使用されてもよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換システムであって、
第1電動機と、
第2電動機と、を備え、
前記第1電動機と第2電動機との間に構成されたプラネタリギヤ装置がない、ギヤなし電動機アセンブリと、
制御装置と、を備え、
前記電力変換システムは、入力と出力との間に変動比率を提供するように構成され、
前記第1電動機へのトルク入力は前記出力に機械的に通り、
比率変化に必要な電力のあらゆる差は、前記第1電動機と第2電動機との間で電気的に交換される、電力変換システム。
【請求項2】
前記第1電動機又は第2電動機のいずれかの上にプラネタリギヤ装置がない、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記電力変換システムからエネルギーを保存する電池を更に備える、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記第2電動機はステータ及びロータを有し、前記第2電動機は電力を吸収し、前記電力は前記電池に伝送される、請求項3に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記電池は外部源から充電を受ける、請求項3に記載の電力変換システム。
【請求項6】
ワンウェイクラッチは、前記第1電動機の前記入力と出力との間に構成される、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記電力変換システムは、駆動車輪及び非駆動車輪を有する車両に結合され、前記電力変換システムは、前記非駆動車輪上に構成される速度センサを更に備え、前記制御装置は、前記駆動車輪の前記速度を前記非駆動車輪の前記速度に実質的に同期させる、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項8】
前記電力変換システムは、第1駆動車輪及び第2駆動車輪を有する車両に結合され、前記制御装置は、前記第1駆動車輪の前記速度を前記第2駆動車輪の前記速度に実質的に同期させる、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項9】
前記第1電動機は、前記第1電動機へのトルク入力、電力及び前記第1電動機の速度を測定する、一体型センサを備える、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項10】
前記第2電動機は、前記第2電動機の電力、速度及び前記第2電動機のトルクを測定する、一体型センサを備える、請求項9に記載の電力変換システム。
【請求項11】
前記第1電動機はステータ及びロータを有し、それによって前記ステータ又はロータの一方は前記他方に対してスリップして電力を発生し、前記電力は前記第2電動機に伝送されて出力トルクを生成する、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項12】
前記第2電動機はステータ及びロータを有し、前記第2電動機は電力を吸収し、前記電力は前記第1電動機に伝送されて前記第1電動機にRPMを追加する、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項13】
前記トルク入力は人力入力である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項14】
自転車を更に備え、前記電力変換システムは前記自転車と結合され、前記電力変換システムは、前記自転車を進めるために前記出力を生成する、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項15】
前記自転車は底部ブラケットを備え、前記第1及び第2電動機は少なくとも一部が前記底部ブラケット内に構成される、請求項14に記載の電力変換システム。
【請求項16】
前記自転車は、底部ブラケット及び駆動車輪を備え、前記第1電動機は前記底部ブラケット内に構成され、前記第2電動機は前記駆動車輪に結合される、請求項14に記載の電力変換システム。
【請求項17】
前記自転車は駆動車輪を備え、前記第1及び第2電動機は前記駆動車輪に結合される、請求項14に記載の電力変換システム。
【請求項18】
前記自転車は第1駆動車輪及び第2駆動車輪を備え、前記第1電動機は前記第1駆動車輪に結合され、前記第2電動機は前記第2駆動車輪に結合される、請求項14に記載の電力変換システム。
【請求項19】
前記自転車は第1駆動車輪及び第2駆動車輪を備え、前記第1電動機は前記第1駆動車輪に結合され、前記第2電動機は前記第1駆動車輪に結合され、前記第2駆動車輪に結合される第3電動機を更に含む、請求項14に記載の電力変換システム。
【請求項20】
前記第1及び第2電動機は横方向磁束電動機である、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項21】
前記第1及び第2電動機は2つが結合した電動機である、請求項20に記載の電力変換システム。
【請求項22】
前記第1電動機への前記トルク入力は、より好ましいトルクと速度の範囲に移行するためにギヤ装置を含む、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項23】
前記トルク入力と前記第1電動機との間の前記ギヤ装置は、プラネタリギヤ装置を含む、請求項22に記載の電力変換システム。
【請求項24】
電力変換システムを含む電動自転車であって、
第1機械と、
第2電動機と、を備え、
前記第1電動機と第2電動機との間に構成されたプラネタリギヤ装置がない、ギヤなし電動機アセンブリと、
制御装置と、を備え、
前記電力変換システムは、入力と出力との間に変動比率を提供するように構成され、
前記第1電動機へのトルク入力は前記出力に機械的に通り、比率変化に必要な電力のあらゆる差は、前記第1電動機と第2電動機との間で電気的に交換され、
前記電力変換システムは前記自転車と結合され、前記電力変換システムは、前記自転車を進めるために前記出力を生成し、
前記第1電動機はステータ及びロータを有し、それによって前記ステータ又はロータの一方は前記他方に対してスリップして電力を発生し、前記電力は前記第2電動機に伝送されて出力トルクを生成し、前記出力トルクは前記自転車を進める、電動自転車。
【請求項25】
前記電力変換システムからエネルギーを保存する電池を更に備える、請求項24に記載の電動自転車。
【請求項26】
全ての車輪は、加速及び又は制動及び又はステアリング制御のための効率及び又は牽引を最大にするために、双方向のトルクで駆動される、請求項24に記載の電動自転車。
【請求項27】
前記第1電動機及び第2電動機は、横方向磁束電動機である、請求項24に記載の電動自転車。
【請求項28】
前記第1電動機及び第2電動機は、2つが結合した電動機である、請求項27に記載の電動自転車。
【請求項29】
前記第1電動機及び第2電動機は、どちらも乗り手が入力する駆動車輪に結合される、請求項28に記載の電動自転車。
【請求項30】
前記トルク入力を提供するためにクランクを更に備え、前記第1電動機又は第2電動機の少なくとも一方は、クランクと結合される、請求項29に記載の電動自転車。
【請求項31】
前記クランクから前記第1電動機への前記トルク入力は、トルクと速度の範囲に移行するためにギヤ装置を備え、請求項30に記載の電動自転車。
【請求項32】
前記クランクから前記第1電動機への前記トルク入力の間の前記ギヤ装置は、プラネタリギヤ装置を備え、請求項31に記載の電動自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2019年7月31日に出願し、2つの電動機を用いるギヤなし電力変換システムという名称の米国仮特許出願第62/712,668号の利益を主張し、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、複数の電動機を用いるギヤなし電動自転車システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] プラネタリギヤ装置と一緒に結合された2つの電動機は、原動機及び電池又は他のエネルギー貯蔵装置などの2つの入力をハイブリッド化する連続した変動比率を提供するために一緒に使用することができることが、当技術分野で公知である。ハイブリッド車の駆動装置は周知であり、システム全体の効率が増加し、それによって燃料消費が低減し、排気量が下がり、及び/又は他の方法で性能を増加させるために、これらの2つの電動機及びプラネタリギヤ装置を電池及び内燃機関と組み合わせることで商業的に成功している。同じ理解でプラネタリギヤ装置を含む同様のシステムが、自転車の駆動装置のために提案されて特許を取られているが、システムは、重量、効率により敏感であり、恐らく価格にもより敏感であることに起因して、商業的に成功していない。
【0004】
[0004] プラネタリギヤ又はギヤ装置は、本明細書ではエピサイクリックギヤ又はギヤ装置とも呼ばれ、一方のギヤの中心が他方の中心の周りを回転するように装着された2つのギヤを含む。キャリアは、2つのギヤの中心を連結し、プラネットギヤと呼ばれる一方のギヤをサンギヤと呼ばれる他方の周りを旋回させる。プラネットギヤ及びサンギヤは、それらのピッチ円がスリップすることなく回転するように?み合ってもよい。プラネットギヤのピッチ円上の点は、エピサイクロイド曲線を追跡する。これを単純化した場合、サンギヤは固定され、プラネタリギヤはサンギヤの周りを回転する。
【0005】
[0005] プラネタリギヤ装置を含む全てのギヤ装置は、実質的に寄生的でトルクが誘発した損失を有し、概してノイズも出す。商業的に成功した電動自転車では、チェーン及びスプロケットの標準セットは、典型的には自転車を駆動するために人力入力を連動させるために使用される。電気駆動装置が追加される場合、電気駆動装置は、既存の歯車列を交換するより、むしろ追加システムを生成する。ギヤ装置がトルクを増加させるために電気モータ用に使用される場合、電気モータとそのギヤは、ギヤ装置からの寄生損失、ノイズ、及びペダルを漕ぐ抗力を作成するモータ内のコアロスを回避するように、電力を出力しない時は係脱される。これは、概して制動エネルギーの再生が行われないことを意味する。
【0006】
[0006] 別法として、ダイレクトドライブモータが使用される。これらのシステムは、概して制動エネルギーを再生させる。ダイレクトドライブの選択肢は、概してより重く、より高額であり、しかもモータ内の著しいコアロスに起因して、ペダルを漕ぐ作業に大きな抗力をもたらす。
【0007】
[0007] 確認のため、利用可能な電動自転車には、標準自転車の既存の重量、費用、複雑性、及び維持管理に、モータ、駆動装置並びに電池の電気的及び機械的複雑性、重量、費用、及び維持管理が加わる。加えて電力及び人力を組み合わせると、典型的には自転車として及びアシスト自転車の両方として自転車の作動に複雑性が若干加わる。これらの欠点があっても、電動自転車は世界的に非常に人気のある選択肢になっている。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 本発明は、乗り手による所望の比率及び入力レベルを提供するために、並んで作用する第1及び第2電動機を含むギヤなし電動自転車システムを対象とする。本発明のギヤなし自転車/電動自転車システムは、機械的及び電気的の両方の複雑性を排除する。加えてギヤなし電動自転車システムは、運転中に標準自転車のギヤ装置の費用、重量及び維持管理を低減する一方で、継続的に電気的変動比率を提供し、再生し、必要な時に電池から電力を上昇させる。搭載の電気必需品のための内在的発生及び人力入力の正確な測定などの他の望ましい特徴は、追加費用なしに提供される。本発明は、これらの特徴にギヤなしの、軽く、有効な、経済的デバイスを提供する。
【0009】
[0009] まずプラネタリギヤ、又はギヤはそもそも、電動機などの原動力と内燃機関若しくはペダルの力を組み合わせるために、複数の電動機を使用するためのものではないことが示されている。本発明は、いかなるギヤも用いる必要がない。自転車の用途では、チェーン又はベルトは、ペダル又はクランクから後輪などの駆動車輪に電力を伝達するために使用されてもよい。駆動車輪は、更に一部のリカンベント自転車のように前輪であってもよいことに留意されたい。
【0010】
[0010] 次に本発明は、ギヤ装置を削減する必要がなく、それによってギヤ装置の損失、重量、ノイズ及び費用を排除する必要がないように、必要なトルクで十分なトルク密度及び有効性を備えるモータを開示する。本発明のギヤなし電動自転車システムは、高い会話効率を提供すること、且つ制動エネルギーを回復できることの両方により、標準の純機械的自転車の駆動の効率より高い可能性があるシステム効率を提供する。述べたように、この同じシステムは、より典型的には自転車ハブ又はリム発電機によって提供されたような電力を提供し、乗り手の出力についての完全な情報を提供し、追加の費用又は重量のどちらもなしに高額のトルク測定デバイスに取って代わる。
【0011】
[0011] 本発明は、ギヤなし自転車及び又は電動自転車の駆動装置を対象とする。本発明は、有効な無段比率調整を提供するために並んで作用する、第1及び第2又はそれ以上の電動機を含む。
【0012】
[0012] 本発明の第1例として、自転車の駆動装置の第1構成が
図2に記載されている。後輪ハブ内に配置された第1電動機は、典型的にはチェーン又はベルトによりペダルクランクに結合されたステータを備えて構成される。ロータは後輪に結合される。第2電動機も後ハブに結合され、ロータが後輪と共に回転し、ステータが自転車フレームと共に静止するように、自転車フレームと後輪との間に構成される。乗り手のトルク及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、ロータ及びステータが単一部品であるかのように基本的に一緒に回転し、第2電動機は自由に回転する。
【0013】
[0013] 丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータとステータとの間でスリップさせることができる。このスリップにより電力が発生し、電力は第2電動機に供給され、第2電動機は必要な追加のトルクを加える。
【0014】
[0014] 丘を下るなど、クランク又はペダルを漕ぐケイデンスの乗り手の入力の毎分回転数(RPM)が不十分である場合、電力は第2電動機から吸収され、第1電動機に供給される。これによりRPMが乗り手のRPMに追加されるので、乗り手は同じ所望のケイデンスを維持し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比が維持される。制動時に、第2電動機はエネルギーを吸収し、エネルギーを電池に保存し、自転車を進める支援をするため、及び/又は所望の時に照明などの他の使用のためにエネルギーを提供して戻してもよい。
【0015】
[0015] 第2例では、
図3に示されるように、第1及び第2電動機の両方が底部ブラケット内に配置される。第1電動機は、直接結合されたロータを備えて構成され、又はペダルクランク・アセンブリに接続される。ステータは、典型的にはチェーン又はベルトにより後輪に結合される。第2電動機は、どちらの電動機のステータも一緒に回転し、後輪を駆動させるチェーン又はベルトに結合されるように、自転車フレームと第1電動機のステータとの間に構成される。乗り手のトルク入力及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、ロータ及びステータが単一部品であるかのように基本的に一緒に回転し、第2電動機は自由に回転する。丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータとステータとの間でスリップさせることができる。このスリップにより電力が発生し、電力は第2電動機に供給され、第2電動機は必要な追加のトルクを加える。丘を下るなど、乗り手の入力のRPM又はペダルを漕ぐケイデンスが不十分である場合、電力は第2電動機から吸収され、第1電動機に供給される。これによりRPMが乗り手のRPMケイデンスに追加されるので、乗り手は同じ所望のケイデンスを維持し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比は維持される。制動時に、第2電動機はエネルギーを吸収し、エネルギーを電池に保存し、自転車を進める支援をするため、又は所望の時に照明などの他の使用のためにエネルギーを提供して戻してもよい。
【0016】
[0016] 第3例では、
図4に示されるように、第1電動機は底部ブラケットに結合され、第2電動機は後輪ハブ内に配置される。第1電動機は、ペダルクランク・アセンブリに直接結合されたロータを備えて構成される。ステータは、典型的にはチェーン又はベルトにより後輪に結合される。第2電動機は、後ハブ内に少なくとも一部が構成されるように後ハブに結合され、ロータが後輪と共に回転し、ステータが自転車フレームと共に静止するように、自転車フレームと後輪との間に構成される。ベルト又はチェーンは、第1電動機のステータを後ハブ内の第2電動機のロータに結合させる。乗り手のトルク及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、チェーン又はベルトの比に応じて一緒に回転し、第2電動機は自由に回転する。丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータとステータとの間でスリップさせることができる。このスリップにより電力が発生し、電力は第2電動機に供給され、第2電動機は必要な追加のトルクを加える。丘を下るなど、乗り手の入力のRPM又はペダルを漕ぐケイデンスが不十分である場合、電力は第2電動機から吸収され、第1電動機に供給される。これによりRPMが乗り手のRPM(ケイデンス)に追加されるので、乗り手は同じ所望のケイデンスを維持し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比は維持される。制動時に、第2電動機はエネルギーを吸収して消散し、又はエネルギーは電池に保存され、支援をするため、又は所望の時に照明などの他の使用のためにエネルギーを提供して戻してもよい。
【0017】
[0017] 第4例として、
図5に示されるように、第1電動機は底部ブラケットと結合される。第1電動機はペダルクランクに結合されたロータを備えて構成され、ステータは典型的にはチェーン又はベルトにより後輪に結合される。第2電動機は前輪、又はフロントフォークと前輪との間などの乗り手の入力でない車輪と結合される。第2電動機のステータはフォークに結合され、ロータは前輪に結合される。乗り手のトルク及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、ロータ及びステータが単一部品であるかのように基本的に一緒に回転し、第2電動機は自由に回転する。丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータとステータとの間でスリップさせることができる。このスリップにより電力が発生し、電力は電力線を通して第2電動機に供給され、第2電動機は必要な追加のトルクを加える。丘を下るなど、乗り手の入力のRPM又はペダルを漕ぐケイデンスが不十分である場合、電力は第2電動機から吸収され、第1電動機に供給される。これによりRPMが乗り手のペダルを漕ぐケイデンスに追加されるので、乗り手は同じ所望のケイデンスを維持し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比は維持される。制動時に、第2電動機はエネルギーを吸収し、エネルギーを電池に保存し、支援をするため、又は所望の時に照明などの他の使用のためにエネルギーを提供して戻してもよい。
【0018】
[0018] 第5例では、
図6に示されるように、第1電動機は後輪又は駆動車輪に結合される。第1電動機は、典型的にはチェーン又はベルトによりペダルクランクに結合されたロータを備えて構成される。ステータは後輪に直接結合される。第2電動機は、フロントフォークと前輪との間に構成されるように、前輪に結合される。第2電動機のステータはフォークに結合され、ロータは前輪に結合される。乗り手のトルク及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、ロータ及びステータが単一部品であるかのように基本的に一緒に回転し、第2電動機は自由に回転する。丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータとステータとの間でスリップさせることができる。このスリップにより電力が発生し、電力は第2電動機に供給され、第2電動機は必要な追加のトルクを加える。丘を下るなど、乗り手の入力のRPM又はペダルを漕ぐケイデンスが不十分である場合、電力は第2電動機から吸収され、第1電動機に供給される。これによりRPMが乗り手のRPMケイデンスに追加されるので、乗り手は同じ所望のケイデンスを維持し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比は維持される。制動時に、第2電動機はエネルギーを吸収し、エネルギーを電池に保存し、支援をするため、又は所望の時に照明などの他の使用のためにエネルギーを提供して戻してもよい。
【0019】
[0019] 第6例では、
図7に示されるように、第1電動機は底部ブラケット内に配置され、ペダルクランクに直接結合されたロータを備えて構成される。第1電動機のステータは、典型的にはチェーン又はベルトにより後輪に結合される。第2電動機は、後ハブに結合され、ロータが後輪と共に回転し、ステータが自転車フレームと共に静止するように、自転車フレームと後輪との間に構成される。ベルト又はチェーンは、第1電動機のステータを後ハブ内の第2電動機のロータに結合させる。第3電動機は、フロントフォークと前輪との間で前輪に結合される。第3電動機のステータはフォークに結合され、ロータは前輪に結合される。乗り手のトルク及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、ロータ及びステータが単一部品であるかのように基本的に一緒に回転し、第2及び第3電動機は自由に回転する。丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータとステータとの間でスリップさせることができる。このスリップにより電力が発生し、電力は第2及び/又は第3電動機に供給され、第2及び/又は第3電動機は必要な追加のトルクを加える。第2及び第3電動機は、最良の牽引を提供するように電力を共有してもよい。丘を下るなど、乗り手の入力のRPM又はペダルを漕ぐケイデンスが不十分である場合、電力は第2及び/又は第3電動機から吸収され、第1電動機に供給される。やはり電力は最良の牽引のためにも吸収されてもよい。これによりRPMが乗り手のRPM/ケイデンスに追加されるので、乗り手は同じ所望のケイデンスを維持し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比は維持される。制動時に、第2及び第3電動機は、どちらも牽引及び又は安全性に基づいてエネルギーを吸収してもよい。電力はエネルギーを電池に保存し、支援をするため、又は所望の時に照明などの他の使用のためにエネルギーを戻して提供する。
【0020】
[0020] あらゆるこれらの記載された例は、乗り手を支援するために充電された電池から保存されたエネルギーを利用してもよい。追加として、システムが人力入力のエネルギーのみで使用される場合に電池は必要ない。別法として、乗り手が入力するエネルギーのみが使用されるように小型電池のみが構成されてもよいが、エネルギーは制動から保存されてもよい。小型電池は、これに限定されないが、照明、スピーカ、デバイス用の充電ポート、センサ、又は自転車乗車に関する測量を測定して表示する計測器を含む、補助電気部品用の典型的な自転車の電力需要に十分であり得る。
【0021】
[0021] 上記のあらゆる構成において、多極電動機は1つのみが記載されているところに使用されてもよい。これは、例えば第1電動機について記載されているが、複数の乗り手が存在し、各乗り手が「第1」電動機を有するところでもよい。同様に、3つ以上の車輪、例えば3つ又は4つの車輪の車両が存在してもよい。各電動機は、製造、効率、又は包装/構成などの他の利点のために複数の電動機から構成されてもよい。
【0022】
[0022] 本明細書に記載されたようなある型の車両の自転車は、位置合わせした2つの車輪を有する2輪自転車であってもよいが、タンデム自転車及び又は3つ以上の車輪を有する自転車、或いは3つ若しくは4つの車輪を有することがあるリカンベント自転車、又は複数の車輪を有し、人力入力における複数の人の自転車などのあらゆる人力自転車であってもよい。自転車は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの車輪を有し、自転車の乗り手がペダルを漕ぐクランクなどの人力入力により少なくとも一部が駆動される。
【0023】
[0023] このギヤなしの複数の電動機システムは、内燃機関及び/又は電池駆動、並びにハイブリッド車両若しくはあらゆる他の電気入力に適合するような同種のものを有する車両に適合して共に使用されてもよい。
【0024】
[0024] 本明細書に記載されたように、2つが結合した電動機は、第1電動機及び第2電動機を含む電動機であり、第1電動機及び第2電動機は電気的及び機械的にも一緒に結合され、第1及び第2電動機は、ロータ又はステータなどの電機子を共有し、それらの間にギヤ装置なしに少なくとも一部の作動の間に電力を共有する。例示的なギヤなし電動自転車システムは、少なくとも2つの電動機を含み、少なくとも2つの電動機はモータ又は発電機であることが可能であり、少なくとも一方は他方の電動機に直接又は電池などを通して間接的に電力を提供する発電機であることが可能である。例示的実施形態では、第1及び第2電動機は、2つが結合した電動機として共通のアセンブリ・ハウジング内に構成される。例示的な2つが結合した電動機の第1及び第2電動機は、ロータ又はステータなどの共通の電機子により一緒に結合される。例えば共通のロータは、第1及び第2電動機の両方の外部であってもよく、第1及び第2電動機の両方にわたって延在する単一のロータであってもよい。本明細書に記載されたように、2つが結合した電動機は、自転車の後輪などの車輪内に配置されても、又は底部ブラケット内部若しくは非駆動車輪内部の中で若しくは少なくとも部分的にクランクと結合されてもよい。
【0025】
[0025] 例示的実施形態では、第1電動機アセンブリ・ハウジングは後輪に結合され、第1電動機は、クランクと共にチェーンを通して第1電動機の内部に結合される。第1及び第2電動機が後輪に結合される時、電動機の外部は、これにより後輪への取付がより容易になるので、好ましくはロータである。しかしロータは電動機の外部又は内部であってもよい。単一の固定したギヤ比は、チェーンリング及び入力部をチェーン又はベルトを通して第1電動機にリンクさせる。この単一の固定したギヤ比は、用途及び使用者の好みに基づいて選択されてもよい。クランクとクランク結合器との間の固定したギヤ比は、典型的にはフィクシすなわち固定したギヤの自転車の乗り手が選択するはずである比であるはずである。例えばロードサイクリングの乗り手は、トルクをあまり必要としないので、クランクからクランク結合器までのギヤ比を約3:1以上から選択することがある。別の例では、マウンテンバイクの乗り手は、後輪のトルクが必要であるため、クランクと後輪との間が2:1以下のより高いギヤ比を選択することがある。
【0026】
[0026] 例示的実施形態では、自転車は、後輪に結合される2つが結合した電動機を含む。2つが結合した電動機は、単一のアセンブリ・ハウジングを有してもよく、第1及び第2電動機は、共通のアセンブリ・ハウジング内にあり、又は共通のアセンブリ・ハウジングを共有する。第1及び第2電動機の外部、又は一部の実施形態ではステータは、一緒に回転し、後輪に結合されてもよい。第1電動機のロータは、チェーンによりペダルクランクに結合されてもよい。第1電動機のロータは、乗り手の入力が所望のペダルのRPMケイデンスを維持するのに十分でない時にスリップしてもよい。ロータは後輪又はステータに対してスリップして電力を発生し、電力は第2電動機に送達されて、自転車の速度を増すために後輪上にトルクを生成する。
【0027】
[0027] 例示的実施形態では、2つが結合した電動機は、底部ブラケット内に構成され、又は直接クランクに結合され、それによって乗り手がペダルでクランクを漕ぐ時に、これは第1電動機のロータをその間にチェーンが構成されることなく回転させる。この実施形態では、第1及び/又は第2電動機の外部又はステータは、後輪などの自転車の少なくとも1つの車輪を駆動するためにチェーンに結合されてもよい。やはり第1電動機のロータも、乗り手の入力が所望のペダルのRPMケイデンスを維持するために十分過ぎるほどある時にスリップしてもよい。ロータはステータに対してスリップして電力を発生し、電力は第2電動機に送達されて、自転車の速度を増すために後輪などの車輪上にトルクを生成するようにチェーン上にトルクを生成する。
【0028】
[0028] 例示的なギヤなし電動自転車システムは、1つ又は複数の電動機に電力を提供するために電池を含んでもよい。電池は充電可能な電池であってもよく、1つ又は複数の電動機によって発生された電力から充電されてもよい。充電可能な電池は、第1及び/又は第2電動機に電力を保存及び/又は提供してもよい。丘を下る時、又は制動する時に、電動機は電気エネルギーを発生することがあり、電気エネルギーは充電可能な電池に保存され、この保存された電気エネルギーは、乗り手の入力が乗り手の所望の電力レベルより低い時に使用されてもよい。自転車の制動制御装置は制御システムに結合されてもよく、乗り手が制動装置を作動する時に、1つ又は複数の電動機は、車輪の回転速度を遅くするために車輪の1つの回転への抵抗を増加させてもよい。電動機は、車輪に制動力を加えるために発電機として作用するはずであり、電力を発生するはずであり、電力は後で使用するために電池に保存することができる。別法として、モータは、電池が完全に又はほぼ完全に充電されているので、電池が追加の電力を受容できない時に制動のために電力を消散するための抵抗器として使用してもよい。又はモータ/発電機が、電力が必要な時に受容できない場合、抵抗器は、必要な電力を消散するために用いてもよい。これらの電力消散の概念及び制御方法は、David Calleyらによる米国特許第6,703,718号、及びDavid Calleyによる国際特許出願PCT/US2008/0101916号に記載されており、どちらもその全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【0029】
[0029] 例示的なギヤなし電動自転車システムの例示的な電池は、照明などの補助構成要素又はデバイス、これに限定されないが、航法システム、ユーザインタフェース、ユーザ出力表示装置、速度及び距離表示装置、音響システム、コンピュータ、タブレット・コンピュータ、及び携帯電話、並びに同種のものなどのコンピューティング装置を含む、コンピューティング並びに表示システムに電力供給するために使用されてもよい。
【0030】
[0030] 本発明の電動機は、ロータ及びステータを含み、電気モータ又は発電機のいずれかとして作用する。ロータは、電動機の外部であり、ステータの周りを回転してもよい。電動機の外部は、半径方向外側に、又は内部から離れて構成される。別の実施形態では、外部はステータであり、ロータはステータから半径方向内方に構成され、ステータ内で回転する。例示的実施形態では、電動機は、David Calleyらによる米国特許第6,924,579号、米国特許第6,666,704号、第7,800,275号、米国特許第7,863,797号、第7,868,511号、米国特許第7,876,019号、米国特許第7,973,446号、米国特許第7,988,084号、米国特許第7,851,965号、米国特許第7,868,508号、米国特許第7,923,886号、米国特許第7,994,678号、米国特許第8,008,821号、米国特許第8,030,819号、米国特許第8,193,679号、米国特許第8,242,658号、米国特許第8,222,786号、米国特許第8,760,023号、米国特許第8,053,944号、米国特許第8,415,848号、米国特許第8,405,275号、米国特許第8,749,108号、米国特許第8,836,196号、米国特許第8,854,171号、及び米国特許第8,952,590号に記載されたように、横方向磁束電動機であり、それぞれはその全体が本明細書に参照として組み込まれる。例示的実施形態では、電動機は、David Calleyによる米国特許第9,680,339号に記載されたように、横方向磁束であり、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【0031】
[0031] 例示的なギヤなし電動自転車システムはクラッチを含み、クラッチは、1方向のみに回転できるワンウェイクラッチであってもよい。
【0032】
[0032] 例示的なギヤなし電動自転車システムは制御システムを含み、制御システムはユーザインタフェースを含む。乗り手は、ユーザインタフェースを通して入力レベルを制御システムに入力してもよい。制御システムは、毎分回転数、ケイデンス、トルク、電力及び同種のものなどの電動機の状態を監視してもよい。これらの測定基準は、ユーザに表示画面上に提供されてもよい。例えば乗り手は、所望の毎分回転数(RPM)60を入力してもよく、表示装置は、クランクの実際の毎分回転数、又はユーザがクランクに提供しているトルク入力若しくは電力入力を提供してもよい。例示的実施形態では、少なくとも1つの電動機は、底部ブラケットを備えて構成される、又はクランクとクランク結合器との間にチェーンを備えて車輪上に構成されるようにクランクと結合され、従ってユーザ入力についてのフィードバック測定基準を提供する。例示的なギヤなし電動自転車システムは、トルク、速度、及び電力などの乗り手の出力についての完全な情報を提供し、これらは運動に対する有益な情報であることがある。
【0033】
[0033] 例示的なギヤなし電動自転車システムは、自転車などの車両を駆動するために独自の方法を提供する。本発明の一次タスクは、自転車用の有効な無段変速機であることである。例示的なギヤなし電動自転車システムの二次タスクは、保存装置を除いて何も追加することなく保存したエネルギーを追加することである。正味のシステム効率は、標準のチェーン、ディレイラ、及びスプロケット・トランスミッションとほぼ等しくあるべきであり、ペダルの力を後輪などの駆動車輪に結合する手段を除いた全てのギヤ装置は排除される。本発明の例示的なギヤなし電動自転車システムは、ギヤなどの部品をほとんど持たない。
【0034】
[0034] ギヤ装置の排除により、いくつかの利点が可能になる。まず初めに、システム効率は、破壊エネルギーが有効に回復できるので、標準の自転車チェーン及びスプロケット駆動装置の一部の効率に一致し、又は超えることがある。システムは、あまり複雑ではなく、ギヤ装置の複合した損失がないと共に、ギヤ装置によって発生するノイズもなく、ギヤ装置の維持管理も不要である。
【0035】
[0035] 本発明の例示的電力変換システムは、駆動車輪及び非駆動車輪を有する車両上に構成されてもよい。システムは、1つ又は複数の非駆動車輪上に速度センサを更に含んでもよく、測定した速度は、例示的なギヤなし電気モータシステムにより駆動した車輪の速度を制御するために使用されてもよい。駆動車輪は、破壊中、加速中、又は駆動車輪をスリップさせることがある緩んだ地形上の時などに、スリップを回避するために非駆動車輪と実質的に同じ速度で駆動されてもよい。舗装道路上では、駆動車輪及び非駆動車輪の速度は、互いに約3%~約8%内に実質的に同期し、未舗装道路などの緩んだ地形上、及び土又は砂利上では、駆動車輪及び非駆動車輪の速度は、制御システムにより、及び一体型センサ及び/又は非駆動車輪上の速度センサからの入力で、約12~18%内に実質的に同期してもよい。実質的に同期する速度は、互いに20%以内である駆動及び非駆動車輪の速度を含み、速度は、駆動及び非駆動車輪が異なる直径を有することがあるので、接線速度とも呼ばれる接触表面又は地面に対する速度である。加えて、フィールド指向制御アルゴリズムを含むアルゴリズムなどの一体型センサ又は速度センサは、電動機と結合されてもよく、電動機のパラメータを測定又は検出してもよい。一体型センサは、トルク、速度、d及びqベクトルを決定するために、モータ内の電流及びフィールドの関係を追跡し続けるように、電流lベクトル及び電流qベクトルを利用してもよい。これらのパラメータは、電力変換システム11の1つの電動機を制御するために使用されてもよい。
【0036】
[0036] 例示的実施形態では、電力変換システムは、第1電動機と第2電動機との間に構成されたプラネタリギヤ装置を持つのではなく、電動自転車上のクランクに対する毎分回転数などのトルク入力の必要な速度を変えるために、クランクをペダルで漕ぐなどのトルク入力と第1電動機との間にギヤ装置を有する。例示的実施形態では、プラネタリギヤ装置は、底部ブラケットと、又は駆動車輪の車軸と結合されるなど、クランクと第1電動機との間に提供され、車輪は、本明細書に記載されたようにチェーン又はベルトなどにより、トルク入力によって駆動される。
【0037】
[0037] 本発明の概要は、本発明の一部の実施形態への概略紹介として提供され、限定を意図するものではない。本発明の変形及び代替構成を含む追加の例示的実施形態は、本明細書に提供される。
【0038】
[0038] 添付図面は、本発明の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部に組み込まれて一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、記載と共に本発明の原理を説明する役目を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】2つの電動機を含む、例示的電動自転車システムの断面図を示す。
【
図2】後輪に結合された2つの電動機及び電気エネルギーを保存するための充電可能な電池を含む、例示的電動自転車システムを示す。
【
図3】クランクに結合された2つの電動機及び電気エネルギーを保存するための充電可能な電池を含む、例示的電動自転車システムを示す。
【
図4】後輪に結合された第2電動機及びクランクに結合された第1電動機を備えた2つの電動機を含む、例示的電動自転車システムを示す。
【
図5】クランクに結合された第1電動機及び前輪に結合された第2電動機を備えた2つの電動機を含む、例示的電動自転車システムを示す。
【
図6】後輪に結合された第1電動機及び前輪に結合された第2電動機を備えた2つの電動機を含む、例示的電動自転車システムを示す。
【
図7】底部ブラケットに結合された第1電動機、後輪に結合された第2電動機、及び前輪に結合された第3電動機を備えた3つの電動機を含む、例示的電動自転車システムを示す。
【
図8】第1機械とトルク入力部、クランクとの間にプラネタリギヤ装置を有する、例示的第1機械の斜視図を示す。
【
図9】第1機械とトルク入力部、クランクとの間にプラネタリギヤ装置を有する、例示的第1機械の斜視断面図を示す。
【0040】
[0048] 対応する参照文字は、図面のいくつかの表示全体を通して対応する部分を示す。図面は本発明の一部の実施形態の例示を表し、いかなる方法でも本発明の範囲を限定すると解釈するべきではない。更に図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、一部の特徴は特定の構成要素の詳細を示すために誇張されていることがある。従って本明細書に開示された特定の構造及び機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本発明を様々に利用するために当業者に教示するための代表的根拠に過ぎないと解釈するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[0049] 本明細書で使用する場合、用語「comprises(含む)」、「comprising(含む)」、「includes(含む)」、「including(含む)」、「has(有する)」、「having(有する)」又はそれらのあらゆる他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図する。例えば要素の一覧を含む工程、方法、製品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるのではなく、明確に一覧にされていない、又はこのようなプロセス、方法、製品、若しくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。「a」又は「an」の使用も、本明細書に記載された要素及び構成要素を記載するために用いられる。これは、便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行うに過ぎない。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むと読むべきであり、単数は、そうではないことを意味することが明らかでない限り複数も含む。
【0042】
[0050] 本発明のある特定の例示的実施形態が本明細書に記載されており、添付図面に例示されている。記載された実施形態は、本発明を例示するために過ぎず、本発明の範囲を限定すると解釈するべきではない。本発明の他の実施形態、並びに記載された実施形態のある特定の修正、組合せ、及び改善が当業者に明らかになり、全てのこのような代替実施形態、組合せ、修正、改善は本発明の範囲内である。
【0043】
[0051] 定義
[0052] 自転車は、本明細書で使用する場合、一輪車若しくは二輪車などの1つ又は複数の車輪、回転するクランク若しくは往復運動する機構に取り付けたペダルなどの人力入力を有するあらゆる人力車両を指し、少なくとも1つの車輪は、人力入力によって、典型的にはベルト又はチェーンによって駆動される。自転車は、本明細書に記載の場合、位置合わせした2つの車輪を有する二輪自転車であってもよいが、3つ以上の車輪を有するタンデム自転車、又は3つ若しくは4つの車輪を有してもよいリカンベント自転車などのあらゆる人力自転車、又は複数の車輪を有し人力入力による複数の人の自転車であってもよい。自転車は、本明細書で使用する場合、自転車の乗り手がペダルを漕ぐクランクなどの人力入力によって駆動される、少なくとも1つの車輪を有する。
【0044】
[0053] チェーンは、本明細書で使用する場合、クランク結合器を回転させ、第1、場合によっては第2電動機のロータを回転させるペダルとクランクとの間の結合器を指し、結合されたチェーンリンク、ベルト又は他の適切な結合器を有する伝統的なチェーンであってもよい。
【0045】
[0054] クランク結合器は、本明細書で使用する場合、クランクと駆動車輪との間の結合構成要素であり、駆動車輪に結合されたチェーン、ベルト及び/又はギヤを含んでもよい。
【0046】
[0055] 2つが結合した電動機は、本明細書で定義されたように、電気的及び機械的にも一緒に結合される第1電動機及び第2電動機を含む電動機であり、第1及び第2電動機は、ロータ又はステータなどの電機子を共有し、それらの間にギヤ装置なしに作動中の少なくとも一部で電力を共有する。
【0047】
[0056] ギヤなし電動機アセンブリは、2つ以上の電動機のアセンブリであり、電動機又はどちらかの電動機の出力の間にプラネタリギヤ装置なしに、電動機の間に電力が伝達される。2つの電動機は、一緒に機械的に結合された2つが結合した電動機であってもよく、又は電気的に接続されるが、1つは底部ブラケット上に配置され、1つは駆動車輪上に配置されるなど、同じ場所に配置されなくてもよい。
【0048】
[0057] ギヤなし電動自転車は、本明細書で使用する場合、2つの電動機の間にギヤ装置なしに1つ又は複数の電動機によって駆動される自転車である。
【0049】
[0058] 人力入力は、本明細書で使用する場合、車両を進めるために人力入力を受けるように構成されたあらゆる機械デバイスを指し、回転するが、往復運動するペダル又は手で電力供給するように構成されたペダルも含む、クランクに取り付けられたペダルを含む。人力入力は、車椅子の場合など、車輪に直接力を加えてもよい。
【0050】
[0059] 乗り手の入力ではない車輪は、本明細書で使用する場合、車輪又はクランクに結合されたチェーンと結合されたペダルなどを通して、乗り手から直接いかなる機械的電気入力も受けない車輪である。従来の自転車では、乗り手はペダルを漕ぎ、これは後輪と機械的に結合されたチェーンを回転させ、後輪にトルクを提供する。従来の自転車の前輪は、乗り手の入力ではない車輪及びフリーホイールだが、制動装置を有することがある。
【0051】
[0060] 車輪又はクランクに結合された電動機を記載するための用語「結合された」は、本明細書で使用する場合、電動機が車輪又はクランクに物理的に結合されることを意味し、電動機の一部は車輪又はクランクと共に回転する。電動機が車輪に結合されている時に、電動機の一部は車輪のハブ内に構成されてもよく、電動機がクランクに結合されている時に、電動機の一部は底部ブラケット内に構成されてもよい。
【0052】
[0061] 自転車の補助電気部品は、照明、スピーカ、制御システム、表示装置、センサ、携帯電話用の充電ポート、又は他のデバイス及び同種のものを含む。補助電気部品は、200ワット以下、又はサイクリング用途で100ワット以下の電力需要を有してもよい。
【0053】
[0062] 車両は、本明細書で使用する場合、自動車、トラック、カート、自転車、及び同種のものなどの、特に陸上で人々及び/又は品物を輸送するために使用する移動体であり、有人であっても無人であってもよい。
【0054】
[0063]
図1に示されるように、例示的電動自転車システム10は、2つが結合した電動機18の例である、共通の外部51により物理的に一緒に結合された2つの電動機を含む。共通の外部51は、第1電動機40用のロータ42及び第2電動機60用のロータ62であり、共通のロータ52は第1及び第2電動機にわたって延在する。第1電動機40は、ギヤ歯を有するギヤ31などのクランク結合器30によりクランクと結合される。第1電動機は、クランクに直接結合されてもよく、又はクランク(図示せず)から車輪34上のクランク結合器30に延在する、チェーン38によりクランク結合器に結合されてもよい。第2電動機60は、ハブ32により自転車に結合される。乗り手のトルク及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、ロータ及びステータが単一部品であるかのように基本的に一緒に回転し、第2電動機は自由に回転する。丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータとステータとの間でスリップさせることができ、電力は第2電動機を通って車輪に供給される。丘を下るなど、乗り手の入力のRPM又はペダルを漕ぐケイデンスが不十分である場合、電力は第2電動機から吸収され、第1電動機に供給される。これによりRPMが乗り手のRPMケイデンスに追加されるので、乗り手は同じ所望のケイデンスを維持し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比は維持される。制動時に、第2電動機はエネルギーを吸収し、エネルギーを電池に保存し、自転車を進める支援をするため、又は補助電気部品などの他の使用のためにエネルギーを提供して戻してもよい。第1電動機40は、示されるようにロータ42などの外部41、及び示されるようにステータ44などの内部43を有する。第1コイル49は、第1ステータと第1ロータとの間に構成される。第2電動機60は、示されるようにロータ62などの外部61、及び示されるようにステータ64などの内部電機子部63を有する。第2コイル69は、第2ステータと第2ロータとの間に構成される。第1アセンブリ・ハウジング45及び第2アセンブリ・ハウジング65は共通のハウジング55であり、両方の第1及び第2内部及び外部だけでなく電機子も、単一の共通のハウジング内にある。この例示的実施形態では、第1及び第2電動機は、共通の外部51を共有し、又は共通のロータ52を有するが、第1及び第2電動機は、共通の内部53を共有してもよく、内部及び外部は自転車上の電動機の用途及び場所に依存して、共通のステータ又は共通のロータであってもよいことを理解されたい。共通の外部ロータを備えた、
図1に示される2つが結合した電動機18は、好ましくは本明細書に記載されたように、車輪を備えた、又はクランクへの結合器を備えたクランクを備えて構成される。
図1に示される電動機は、プラネタリギヤ装置を含まない電力変換システム11を形成する。2つが結合した電動機18は、本明細書に記載されたように、速度、トルク及び他の特性を決定するために、電流などの電動機のパラメータを検出する一体型センサ88を含む。
【0055】
[0064]
図2に示されるように、例示的電動自転車システム10は、車両15上に構成され、自転車12は、自転車フレーム13、前輪14、後輪16及びクランク20と結合されたペダル22を有する。例示的電動自転車システム10は、後輪16と結合された第1電動機40及び第2電動機60を含む、電力変換システム11を含む。第1及び第2電動機は、2つが結合した電動機18として構成されてもよい。第1電動機は、クランク結合器30と結合されてもよく、それによって、乗り手がクランク20を回転させるためにペダル22を漕ぐと、チェーン38はクランク結合器及び第1電動機の外部又は内部のどちらかを回転させる。ロータ若しくはステータなどの第1電動機の内部又は外部は、乗り手が所望の入力レベルを維持するのに十分な電力を提供しない時に、所望のケイデンスを維持するようにスリップしてもよく、第1電動機は発電機として作用してもよい。別法として、丘を下るなど、乗り手のケイデンスが必要な自転車速度に十分でない時に、第2電動機は電力を吸収し、追加された電力を第1電動機に提供してもよく、車輪のRPMに一致するためにRPMを追加し、クランク結合器30から車輪にトルクを通す。このようにして、乗り手の所望のケイデンスは維持される。本明細書に記載されたように、第1電動機は発電機として作用し、第2電動機に電力を提供してもよく、第2電動機は後輪を進めるためにモータとして作用してもよい。第2電動機は、ハブ32と結合されてもよい。使用者は、ペダルを漕ぐケイデンスなどの所望の入力レベルをユーザ入力機構82及び制御システム80に入力してもよい。制御システムは、設定入力レベルを維持する命令を第1及び第2電動機に提供する、マイクロプロセッサ又は他の制御装置を含んでもよい。自転車の速度、電力入力レベル、距離及び同種のものなどの実際の入力レベル並びに他の測定基準は、表示装置84上に表示されてもよい。充電可能な電池70は、電力線72により第1及び/又は第2電動機と結合される。充電可能な電池は、1つ若しくは複数の第1又は第2電動機から電力を保存し、追加のトルクが自転車を進めるために必要な時に、2つが結合した電動機にこの電力を提供して戻してもよい。電池は、制御システム並びに照明及び同種のものなどの電力が必要な他のシステムにも電力を提供してもよい。例示的なギヤなし電動自転車システムはクラッチ19を含み、このクラッチは1方向のみに回転できるワンウェイクラッチであってもよい。速度センサ86は非駆動車輪の速度を測定してもよく、車輪上に構成されてもよい。非駆動車輪の速度は、駆動車輪、又はこの例では後輪16の速度を制御するために制御システム80によって使用されてもよい。駆動車輪の速度は、加速中又は制動中などにスリップ条件を回避するために、本明細書に記載されたように非駆動車輪の速度と実質的に同期されてもよい。
【0056】
[0065]
図3に示されるように、例示的電動自転車システム10は、自転車フレーム13、前輪14、後輪16及びクランク20と結合されたペダル22を有する、自転車12上に構成される。例示的電動自転車システム10は、クランク20と結合された第1電動機40及び第2電動機60を含む。第1及び第2電動機は、2つが結合した電動機18として構成されてもよい。第1電動機はクランク20と結合されてもよく、それによって乗り手がクランク20を回転させるためにペダル22を漕ぐと、第1電動機の外部又は内部のいずれかが回転する。ロータ若しくはステータなどの第1電動機の内部又は外部は、乗り手が所望の入力レベルを維持するために十分な電力を提供しない時に、所望のケイデンスを維持するようにスリップしてもよく、第1電動機は発電機として作用してもよい。本明細書に記載されたように、第1電動機は、発電機として作用してもよく、第2電動機に電力を提供し、第2電動機は、チェーン38にトルクを追加するためにモータとして作用してもよい。別法として丘を下るなど、乗り手のケイデンスが必要な自転車の速度に十分でない時に、第2電動機は、電力を吸収し、追加された電力を第1電動機に提供してもよく、乗り手の所望のケイデンスを維持するようにRPMを追加する。使用者は、ペダルを漕ぐケイデンス又はRPMなどの所望の入力レベルをユーザ入力機構82及び制御システム80に入力してもよい。制御システムは、設定入力レベルを維持する命令を第1及び第2電動機に提供する、マイクロプロセッサ又は他の制御装置を含んでもよい。自転車の速度、電力入力レベル、距離、及び同種のものなどの実際の入力レベル並びに他の測定基準は、表示装置84上に表示されてもよい。充電可能な電池70は、電力線72により第1及び/又は第2電動機と結合される。充電可能な電池は、1つ又は複数の2つが結合した電動機から電力を保存し、追加のトルクが自転車を進めるために必要な時に、2つが結合した電動機にこの電力を提供して戻してもよい。電池は、制御システム並びに照明及び同種のものなどの電力が必要な他のシステムにも電力を提供してもよい。速度センサ86は非駆動車輪の速度を測定してもよく、車輪上に構成されてもよい。非駆動車輪の速度は、駆動車輪、又はこの例では後輪16の速度を制御するために制御システム80によって使用されてもよい。駆動車輪の速度は、加速中又は制動中などにスリップ条件を回避するために、本明細書に記載されたように非駆動車輪の速度と実質的に同期されてもよい。
【0057】
[0066]
図4に示されるように、例示的電動自転車システム10は、自転車フレーム13、前輪14、後輪16及びクランク20と結合されたペダル22を有する、自転車12上に構成される。例示的電動自転車システム10は、クランクに結合された第1電動機40及び後輪に結合された第2電動機60を備えた、2つの電動機を含む。第2電動機60は後輪16に結合され、第1電動機40はクランク20と結合され、一部が底部ブラケット内に構成されてもよい。第1電動機は、ペダルクランクに直接結合されたロータ42、及び典型的にチェーン又はベルトにより後輪に結合されたステータ44を備えて構成されてもよい。チェーン38はクランク20から後輪16に延在し、クランク結合器30により第2電動機60と結合される。第2電動機は別個のステータ64及びロータ62を有する。ロータ若しくはステータなどの第1電動機の内部又は外部は、乗り手が所望のケイデンスを維持するために十分なトルクを提供しない時に、所望のケイデンスを維持するようにスリップしてもよく、第1電動機は発電機として作用してもよい。第1電動機からの電力は、必要なトルクを追加するために第2電動機に通ってもよい。別法として丘を下るなど、乗り手のケイデンスが必要な自転車速度に十分でない時に、第2電動機は電力を吸収し、追加された電力を第1電動機に提供し、乗り手の所望のケイデンスが維持されるようにRPMを追加してもよい。乗り手は、ペダルを漕ぐケイデンス又はRPMなどの所望の入力レベルをユーザ入力機構82及び制御システム80に入力してもよい。制御システムは、設定入力レベルを維持する命令を第1及び第2電動機に提供する、マイクロプロセッサ又は他の制御装置を含んでもよい。自転車の速度、電力入力レベル、距離、及び同種のものなどの実際の入力レベル並びに他の測定基準は、表示装置84上に表示されてもよい。充電可能な電池70は、電力線72、72’のそれぞれにより第1及び第2電動機と結合される。充電可能な電池は、1つ又は複数の電動機から電力を保存し、追加の電力が自転車を進めるために必要な時に、電動機にこの電力を提供して戻してもよい。電池は、制御システム並びに照明及び同種のものなどの電力が必要な他のシステムにも電力を提供してもよい。第1及び/又は第2電動機は、本明細書に記載されたように、2つが結合した電動機であってもよいことに留意されたい。
【0058】
[0067]
図5に示されるように、例示的電動自転車システム10は、自転車フレーム13、前輪14、後輪16及びクランク20と結合されたペダル22を有する、自転車12上に構成される。例示的電動自転車システム10は、2つの電動機40及び60を含む。第1電動機40はクランク20に結合され、第2電動機60は前輪14と結合される。ロータ42若しくはステータ44などの第1電動機40の内部又は外部は、乗り手が所望の入力レベルを維持するために十分なトルクを提供しない時に、所望のケイデンスを維持するようにスリップしてもよく、第1電動機は発電機として作用してもよい。発電機によって発生された電力は、次いで第2電動機に伝送されて第2電動機に電力供給してもよく、第2電動機は前輪にトルクを提供するためにモータとして作用する。別法として丘を下るなど、乗り手のケイデンスが必要な自転車速度に十分でない時に、第2電動機は電力を吸収し、追加された電力を第1電動機に提供し、乗り手の所望のケイデンスが維持されるようにRPMを追加してもよい。使用者は、ペダルを漕ぐケイデンス又はRPMなどの所望の入力レベルをユーザ入力機構82及び制御システム80に入力してもよい。制御システムは、設定入力レベルを維持する命令を第1及び第2電動機に提供する、マイクロプロセッサ又は他の制御装置を含んでもよい。自転車の速度、電力入力レベル、距離及び同種のものなどの実際の入力レベル並びに他の測定基準は、表示装置84上に表示されてもよい。充電可能な電池70は、電力線72、72’のそれぞれにより第1及び第2電動機と結合される。充電可能な電池は、1つ又は複数の電動機から電力を保存し、追加のトルクが自転車を進めるために必要な時に、電動機にこの電力を提供して戻してもよい。電池は、制御システム並びに照明及び同種のものなどの電力が必要な他のシステムにも電力を提供してもよい。第1及び第2電動機は、本明細書に記載されたように2つが結合した電動機であってもよい。
【0059】
[0068]
図6に示されるように、例示的電動自転車システム10は、自転車フレーム13、前輪14、後輪16及びクランク20と結合されたペダル22を有する、自転車12上に構成される。例示的電動自転車システム10は、2つの電動機40及び60を含む。第1電動機40は、クランク結合器30とハブ32との間で後輪16に結合され、第2電動機60は、フレーム13のフォークとハブ32’との間で前輪14と結合される。ロータ42若しくはステータ44などの第1電動機40の内部又は外部は、チェーン38及びクランク結合器30によりクランク20と結合されてもよく、乗り手が所望の入力レベルを維持するために十分な電力を提供しない時に、所望のケイデンスを維持するようにスリップしてもよく、第1電動機は発電機として作用してもよい。第1電動機の発電機によって発生された電力は、次いで電力線72及び72’により第2電動機に伝送されてもよく、第2電動機は前輪にトルクを提供するためにモータとして作用する。第1電動機40は2つが結合した電動機18であってもよく、2つが結合した電動機の二次電動機60’、及び/又は前輪上の第2電動機60に電力を提供してもよいことに留意されたい。発電機として作用する時に第1電動機によって発生された電力は、1つ又は複数の第2電動機60及び/又は60’に送達されてもよい。別法として丘を下るなど、乗り手のケイデンスが必要な自転車速度に十分でない時に、第2電動機60及び又は60’は電力を吸収し、追加された電力を第1電動機に提供してもよく、乗り手の所望のケイデンスが維持されるようにRPMを追加する。使用者は、ペダルを漕ぐケイデンス又はRPMなどの所望の入力レベルをユーザ入力機構82及び制御システム80に入力してもよい。制御システムは、設定入力レベルを維持する命令を第1及び第2電動機に提供する、マイクロプロセッサ又は他の制御装置を含んでもよい。自転車の速度、電力入力レベル、距離及び同種のものなどの実際の入力レベル並びに他の測定基準は、表示装置84上に表示されてもよい。充電可能な電池70は、電力線72、72’のそれぞれにより第1電動機40及び第2電動機60と結合される。充電可能な電池は、1つ又は複数の電動機から電力を保存し、追加のトルクが自転車を進めるために必要な時に、電動機にこの電力を提供して戻してもよい。電池は、制御システム並びに照明及び同種のものなどの電力が必要な他のシステムにも電力を提供してもよい。第1及び第2電動機は、第1電動機40及び第2電動機60を含む。1対の充電可能な電池70、70’は、電力線72、72’のそれぞれにより第1及び第2電動機と結合される。充電可能な電池は、1つ又は複数の電動機から電力を保存し、追加のトルクが自転車を進めるために必要な時に、その他の電動機の1つにこの電力を提供して戻してもよい。電池は、制御システム並びに照明及び同種のものなどの電力が必要な他のシステムにも電力を提供してもよい。第1機械40及び/又は第2機械60は、本明細書に記載されたように2つが結合した電動機であってもよいことに留意されたい。
【0060】
[0069]
図7に示されるように、例示的電動自転車システム10は、自転車フレーム13、前輪14、後輪16及びクランク20と結合されたペダル22を有する、自転車12上に構成される。例示的電動自転車システム10は、クランク又は底部ブラケットに結合された第1電動機40、後輪に結合された第2電動機60、及び前輪に結合された第3電動機90を含む。第1電動機40はクランクと結合され、底部ブラケット内に少なくとも一部が構成され、ペダルクランク及びステータに直接結合されたロータを備えて構成されてもよく、ステータは典型的にはチェーン又はベルトにより後輪16に結合される。第2電動機60は後輪ハブ32と結合され、ロータ62が後輪16と共に回転し、ステータ64が自転車フレーム13と共に静止するように、自転車フレームと後輪との間に構成される。ベルト又はチェーン38は、第1電動機40のステータ44を後ハブ内の第2電動機のロータ62に結合させる。第3電動機90は前輪に結合され、フロントフォーク26と前輪14との間に構成されてもよい。第3電動機のステータ94はフォークに結合され、ロータ92は前輪に結合される。乗り手のトルク及びケイデンスが十分である場合、第1電動機のロータ及びステータは、ロータ及びステータが単一部品であるかのように基本的に一緒に回転し、第2及び第3電動機は自由に回転する。丘を登るなど、より多くのトルクが必要な場合、制御装置は、乗り手の所望のケイデンス及びトルクを維持するために、第1電動機をそのロータ42とステータ44との間でスリップさせることができる。このスリップにより電力が発生し、電力は第2及び第3電動機に供給され、第2及び第3電動機は必要な追加のトルクを加える。第2及び第3電動機は、最良の牽引を提供するように電力を共有してもよい。丘を下るなど、乗り手のRPM(ケイデンス)が不十分である場合、電力は第2及び又は第3電動機から吸収され、第1電動機に供給される。やはり電力は最良のトルクのためにも吸収されてもよい。第1電動機に供給された電力は、乗り手が同じ所望のケイデンスを維持するように乗り手のRPM(ケイデンス)にRPMを追加し、所望の自転車の速度は維持される。このようにして、一定範囲又は連続した無段変速比は維持される。制動時に、第2及び第3電動機は、どちらも牽引及び又は安全性に基づいてエネルギーを吸収してもよい。電力はエネルギーを電池に保存し、支援をするため、又は所望の時に照明などの他の使用のためにエネルギーを提供して戻す。クランク若しくは底部ブラケットに結合された電動機、及び/又は後輪に結合された電動機は、第1及び第2電動機を有する2つが結合した電動機18であってもよい。使用者は、ペダルを漕ぐケイデンス又はRPMなどの所望の入力レベルをユーザ入力機構82及び制御システム80に入力してもよい。制御システムは、設定入力レベルを維持する命令を第1及び第22つが結合した電動機に提供する、マイクロプロセッサ又は他の制御装置を含んでもよい。自転車の速度、電力入力レベル、距離及び同種のものなどの実際の入力レベル並びに他の測定基準は、表示装置84上に表示されてもよい。1対の充電可能な電池70、70’は、電力線72、72’のそれぞれにより第1電動機40、60及び第3電動機90と電気的に結合される。充電可能な電池は、1つ又は複数の電動機から電力を保存し、追加のトルクが自転車を進めるために必要な時に、電動機にこの電力を提供して戻してもよい。電池は、制御システム並びに照明及び同種のものなどの電力が必要な他のシステムにも電力を提供してもよい。第1、第2及び/又は第3電動機は、本明細書に記載されたように2つが結合した電動機であってもよいことに留意されたい。
【0061】
[0070] 次に
図8及び9を参照すると、例示的なギヤなし電動自転車システム10は、トルク入力部、すなわちペダルで漕ぐクランク20と第1電動機40との間にプラネタリギヤ装置を含む。
図8に示されるように、4つのプラネタリギヤ104は、プラネタリギヤ装置100アセンブリ内のサンギヤ102の周囲に構成される。
図9は、トルク入力部、すなわちクランク20と第1電動機40との間にギヤ装置を提供するための例示的プラネタリギヤ装置100アセンブリの内部構成を示す。第2電動機60はプラネタリギヤ装置を含まず、第1電動機と第2電動機との間にプラネタリギヤ装置がないことに留意されたい。
【0062】
[0071] 様々な修正、組合せ及び変形が、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく本発明に行うことができることが当業者には明らかになろう。本明細書に記載された特定の実施形態、特徴及び要素は、あらゆる適切な手法で修正、及び/又は組み合わされてもよい。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれる限り、本発明の修正、組合せ及び変形を網羅することを意図する。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換システムであって、
第1電動機と、
第2電動機と、を備え、
前記第1電動機と第2電動機との間に構成されたプラネタリギヤ装置がない、ギヤなし電動機アセンブリと、
制御装置と、を備え、
前記電力変換システムは、入力と出力との間に変動比率を提供するように構成され、
前記第1電動機へのトルク入力は前記出力に機械的に通り、
比率変化に必要な電力のあらゆる差は、前記第1電動機と第2電動機との間で電気的に交換される、電力変換システム。
【外国語明細書】