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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024110997
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092294
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2023101717の分割
【原出願日】2019-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 祐一
(72)【発明者】
【氏名】中澤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】蒲 裕充
(72)【発明者】
【氏名】森岡 利仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】菊本 憲幸
(57)【要約】
【課題】基板を適切に搬送できる基板処理装置および基板搬送方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本願は、基板処理装置1および基板搬送方法に関する。ハンド61はベース部65と吸引部68と第1受け部82と第2受け部83と受け部駆動部86を備える。吸引部68は、ベース部65に取り付けられる。吸引部68は、基板Wの上面16に沿って気体を流し、基板Wと接触することなく基板Wを上方に吸引する。第1受け部82および第2受け部83は、ベース部65に支持される。第1受け部82および第2受け部83は、吸引部68に吸引される基板Wの下方に配置され、基板Wの下面を受けることができる。受け部駆動部86は、第2受け部83をベース部65に対して移動させることによって、第1受け部82に第2受け部83を接近させ、かつ、第1受け部82から第2受け部83を離反させる。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
第1位置と第2位置の間で基板を搬送する第1搬送機構と、
前記第1搬送機構を制御する制御部と、
を備え、
前記第1搬送機構は、
ハンドと、
前記ハンドを移動するハンド駆動部と、
を備え、
前記ハンドは、
ベース部と、
前記ベース部に取り付けられ、基板の第1面に沿って気体を流し、基板と接触することなく基板の第1面を吸引する吸引部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1搬送機構が基板を搬送しているときには前記ハンドを第1速度で移動させ、前記第1搬送機構が基板を搬送していないときには前記ハンドを第1速度よりも大きな第2速度で移動させる
基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第1速度は、前記第2速度の50%以下である
基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、前記第1搬送機構が基板を搬送しているときには前記ハンドを第1加速度で移動させ、前記第1搬送機構が基板を搬送していないときには前記ハンドを前記第1加速度よりも大きな第2加速度で移動させる
基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
基板を載置する載置部と、をさらに備え、
前記第1搬送機構が前記載置部との間で基板を搬送する場合、前記制御部は、基板の周縁部の内側に位置する基板の主部の厚みに応じて、前記ハンドを前記載置部に挿入するときの前記ハンドの高さ位置を決定する
基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記載置部は、
上下方向に隣り合う棚と、
を備え、
前記制御部は、前記隣り合う棚の間に前記ハンドを挿入するときの前記ハンドの高さ位置を決定する
基板処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の基板処理装置において、
前記第1搬送機構が前記載置部との間で基板を搬送する場合、前記制御部は、基板の径の大きさに応じて、前記載置部に前記ハンドを挿入するときの前記ハンドの挿入量を決定する
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板に処理を行う基板処理装置に関する。基板は、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板処理装置を開示する。以下では、特許文献1に記載される符号を、括弧書きで表記する。基板処理装置(1)は、ロードポート(16)と検査装置を備える。ロードポート(16)はカセット(C)を収納する。カセット(C)は、複数のウエハ(W)を収納する。検査装置は、基板(W)を載置するメインチャック(13)と、メインチャック(13)の上方に設けられたブローブカード(14)を備える。
【0003】
基板処理装置(1)は、基板搬送装置(18)を備える。基板搬送装置(18)は、ベルヌーイの原理に基づいて、基板(W)を保持する。基板搬送装置(18)は、ロードポート(16)に収納されるカセット(C)と、メインチャック(13)の間で、基板(W)を搬送する。
【0004】
基板搬送装置(18)は、ピンセット(17)と吸着手段(171)を備える。吸着手段(171)は、ピンセット(17)の下面に設置される。吸着手段(171)は、高圧空気源と連通している。高圧空気源は、吸着手段(171)に高圧空気を供給する。吸着手段(171)が基板(W)の上方に位置するとき、高圧空気は、吸着手段(171)から、吸着手段(171)と基板(W)の上面との隙間を通じて、流出する。これにより、吸着手段(171)は、基板(W)の上面を保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-270626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、基板は、薄膜化および大口径化している。基板の厚みが薄く、かつ、基板の径が大きくなると、基板の撓み量が著しく大きくなる。このため、従来の基板搬送装置では、基板を適切に搬送し難いことがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板を適切に搬送できる基板処理装置および基板搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明は、基板処理装置であって、
基板を搬送する第1搬送機構を備え、
前記第1搬送機構は、
ハンドと、
前記ハンドを移動するハンド駆動部と、
を備え、
前記ハンドは、
前記ベース部と、
前記ベース部に取り付けられ、基板の上面に沿って気体を流し、基板と接触することなく基板を上方に吸引する吸引部と、
前記ベース部に支持され、前記吸引部に吸引される基板の下方に配置され、基板の下面および基板の端縁の少なくともいずれかを受けることができる第1受け部と、
前記ベース部に支持され、前記吸引部に吸引される基板の下方に配置され、基板の下面および基板の端縁の少なくともいずれかを受けることができる第2受け部と、
前記第2受け部を前記ベース部に対して移動させることによって、前記第1受け部に前記第2受け部を接近させ、かつ、前記第1受け部から前記第2受け部を離反させる受け部駆動部と、
を備えている
基板処理装置である。
【0009】
ハンドは、ベース部と吸引部を備える。吸引部は、ベース部に取り付けられる。吸引部は、基板の上面に沿って気体を流す。吸引部は、基板と接触することなく、基板を上方に吸引する。よって、ハンドは、基板を好適に支持できる。
【0010】
第1搬送機構は、ハンドを移動するハンド駆動部を備える。よって、第1搬送機構は、ハンドによって支持した基板を好適に搬送できる。
【0011】
ハンドは、さらに、第1受け部と第2受け部を備える。第1受け部および第2受け部は、ベース部に支持される。第1受け部および第2受け部は、吸引部に吸引される基板の下方に配置される。第1受け部および第2受け部は、基板の下面および基板の端縁の少なくともいずれかを受けることができる。このため、仮に基板が吸引部から下方に落ちても、第1受け部と第2受け部は、基板を受けることができる。すなわち、第1搬送機構が基板を落とすおそれがない。
【0012】
ハンドは、受け部駆動部を備える。受け部駆動部は、第2受け部をベース部に対して移動させる。受け部駆動部は、第1受け部に第2受け部を接近させ、かつ、第1受け部から第2受け部を離反させる。このため、第1受け部と第2受け部が基板と干渉することなく、ハンドは、基板を取ることができ、および、基板を置くことができる。
【0013】
以上のとおり、本基板処理装置は、基板を適切に搬送できる。
【0014】
上述した基板処理装置において、
前記第1搬送機構が基板を搬送するとき、前記第1受け部の少なくとも一部および前記第2受け部の少なくとも一部は、平面視において、前記吸引部に吸引される基板と重なる位置に配置されることが好ましい。
第1搬送機構が基板を搬送するとき、基板がハンドから脱落することを、第1受け部と第2受け部は確実に防止できる。
【0015】
上述した基板処理装置において、
基板を載置する載置部と、
を備え、
前記第1搬送機構は、前記吸引部による基板の吸引を停止することによって前記第1受け部および前記第2受け部に基板を載せてから、前記載置部に基板を載置することが好ましい。
第1搬送機構が載置部に基板を載置するときに、ハンドが基板を損傷するおそれがない。したがって、第1搬送機構は載置部に適切に基板を載置できる。
【0016】
上述した基板処理装置において、
基板を処理する処理ユニットと、
を備え、
前記処理ユニットは、
基板を保持する基板保持部と、
を備え、
前記第1搬送機構は、前記吸引部による基板の吸引を停止することによって前記第1受け部および前記第2受け部に基板を載せてから、前記基板保持部に基板を載置することが好ましい。
第1搬送機構は基板保持部に適切に基板を載置できる。
【0017】
上述した基板処理装置において、
前記第2受け部が前記ベース部に対して移動することによって、前記第2受け部は脱落防止位置と退避位置に移動可能であり、
前記第2受け部が前記脱落防止位置にあるとき、前記第2受け部の少なくとも一部は、平面視において、前記吸引部に吸引される基板と重なり、
前記第2受け部が退避位置にあるとき、基板は、水平姿勢で、前記第1受け部と前記第2受け部の間を上下方向に通過可能であることが好ましい。
第2受け部が脱落防止位置にあるとき、基板がハンドから脱落することを、第2受け部は確実に防止できる。第2受け部が退避位置にあるとき、基板は、水平姿勢で、第1受け部と第2受け部の間を上下方向に通過可能である。よって、第1受け部と第2受け部が基板と干渉することなく、ハンドは、基板を取ることができ、基板を置くことができる。
【0018】
上述した基板処理装置において、
前記受け部駆動部は、
前記第2受け部を脱落防止位置および退避位置に移動させるアクチュエータと、
前記第2受け部を前記退避位置から前記脱落防止位置に向かって付勢する弾性部材と、
を備えることが好ましい。
受け部駆動部はアクチュエータを備えるので、第2受け部は、脱落防止位置および退避位置に好適に移動できる。受け部駆動部は弾性部材を備えるので、アクチュエータがアクチュエータの動力源から遮断されたとき、弾性部材の弾性力のみが第2受け部に作用する。その結果、第2受け部は、弾性部材の弾性力によって脱落防止位置に移動する。よって、アクチュエータが動力源から遮断されたときであっても、基板がハンドから脱落することを、第2受け部は好適に防止できる。
【0019】
上述した基板処理装置において、
前記受け部駆動部は、
前記第2受け部を前記ベース部に対して移動させる電動モータと、
を備えることが好ましい。
受け部駆動部が電動モータを備えるので、第2受け部の移動速度を容易に制御できる。これにより、仮に第2受け部の移動中に第2受け部が基板と接触する場合であっても、第2受け部が基板に与える衝撃を抑制でき、第2受け部が基板を損傷することを回避できる。
【0020】
上述した基板処理装置において、
前記第1受け部は、前記ベース部に固定されていることが好ましい。
ベース部が第1受け部を支持する構造を簡素化できる。
【0021】
上述した基板処理装置において、
前記ハンドは、
前記ベース部に固定され、前記吸引部に吸引される基板の上面および基板の端縁の少なくともいずれかと接触する第1接触部と、
前記第1接触部に接続され、前記第1接触部から、前記吸引部に吸引される基板の側方を通り、下方に延びる第1壁部と、
を備え、
前記第1受け部は、前記第1壁部に接続されることが好ましい。
第1接触部は、吸引部に吸引される基板を、所定の位置に保つことができる。
【0022】
本発明は、基板搬送方法であって、
ベース部に取り付けられた吸引部が基板の上面に沿って気体を流し、基板と接触することなく基板を上方に吸引し、かつ、ハンド駆動部が前記ベース部を移動させることによって、基板を搬送するステップと、
前記吸引部が基板の吸引を停止することによって、前記ベース部に支持され、かつ、前記吸引部の下方に配置される受け部に基板を載せるステップと、
前記受け部から載置部に基板を渡すステップと、
を備える基板搬送方法である。
【0023】
本基板搬送方法によれば、載置部に基板を載置するときに、基板を損傷するおそれがない。したがって、載置部に基板を適切に載置できる。このように、本基板搬送方法は、基板を適切に搬送できる。
【0024】
本発明は、基板搬送方法であって、
ベース部に取り付けられた吸引部が基板の上面に沿って気体を流し、基板と接触することなく基板を上方に吸引し、かつ、ハンド駆動部が前記ベース部を移動させることによって、基板を搬送するステップと、
前記吸引部が基板の吸引を停止することによって、前記ベース部に支持され、かつ、前記吸引部の下方に配置される受け部に基板を載せるステップと、
前記受け部から処理ユニットの基板保持部に基板を渡すステップと、
を備える基板搬送方法である。
【0025】
本基板搬送方法によれば、基板保持部に基板を載置するときに、基板を損傷するおそれがない。したがって、基板保持部に基板を適切に載置できる。このように、本基板搬送方法は、基板を適切に搬送できる。
【0026】
本発明は、基板処理装置であって、
基板を搬送する第1搬送機構と、
基板を搬送する第2搬送機構と、
前記第1搬送機構と前記第2搬送機構の間で搬送される基板を載置する載置部と、
を備え、
前記第1搬送機構は、
ハンドと、
を備え、
前記ハンドは、
基板の上面および下面のいずれかに沿って気体を流し、基板と接触することなく基板を吸引する吸引部と、
を備える
基板処理装置である。
【0027】
第1搬送機構は、ハンドを備える。ハンドは、吸引部を備える。吸引部は、基板の上面に沿って気体を流し、基板と接触することなく基板を吸引する。よって、ハンドは、基板を好適に支持できる。したがって、第1搬送機構は、基板を適切に搬送できる。このように、本基板処理装置は、基板を適切に搬送できる。
【0028】
上述した基板処理装置において、
前記載置部は、
基板の第1側部と接する第1傾斜面と、
前記第1傾斜面と水平方向に向かう合う位置に配置され、基板の第2側部と接する第2傾斜面と、
を備え、
水平方向における前記第1傾斜面の上端と前記第2傾斜面の上端の間隔は、基板の直径よりも大きく、
水平方向における前記第1傾斜面の下端と前記第2傾斜面の下端の間隔は、水平方向における前記第1傾斜面の前記上端と前記第2傾斜面の前記上端の前記間隔よりも狭いことが好ましい。
水平方向における第1傾斜面の上端と第2傾斜面の上端Tの間隔は、基板の直径よりも大きい。よって、第1搬送機構および第2搬送機構が載置部に置く基板の位置がばらついても、載置部は基板を適切に受けることができる。水平方向における第1傾斜面の下端と第2傾斜面の下端の間隔は、水平方向における第1傾斜面の上端と第2傾斜面の上端の間隔よりも狭い。よって、第1傾斜面と第2傾斜面は、基板を所定の位置に好適に案内できる。
【0029】
上述した基板処理装置において、
基板を処理する第1処理ユニットと、
を備え、
前記第1搬送機構は、前記第1処理ユニットに基板を搬送し、
前記第1処理ユニットは、
第1基板保持部と、
を備え、
前記第1基板保持部は、
第1プレートと、
前記第1プレートの上面から上方に突出し、基板の下面および基板の端縁の少なくともいずれかと接触し、前記第1プレートの上面よりも高い位置で基板を載置する支持部と、
前記第1プレートの上面に形成され、前記第1プレートの上面と、前記支持部に支持される基板の下面との間に気体を吹き出し、基板を下方に吸引する気体吹出口と、
を備えることが好ましい。
第1基板保持部は支持部と気体吹出口を備えるので、第1基板保持部は基板を好適に保持できる。
【0030】
上述した基板処理装置において、
複数枚の基板を収容するキャリアを載置するキャリア載置部と、
を備え、
前記第2搬送機構は、前記キャリア載置部に載置される前記キャリアに基板を搬送する
ことが好ましい。
第2搬送機構は、キャリアから第1搬送機構に基板を好適に搬送できる。第2搬送機構は、第1搬送機構からキャリアに基板を好適に搬送できる。
【0031】
本発明は、基板処理装置であって、
基板を処理する第1処理ユニットと、
前記第1処理ユニットに基板を搬送する第1搬送機構と、
前記第1処理ユニットと前記第1搬送機構を制御する制御部と、
を備え、
前記第1処理ユニットは、
第1プレートと、
前記第1プレートの上面から上方に突出し、基板の下面および基板の端縁の少なくともいずれかと接触し、前記第1プレートの上面よりも高い位置で基板を支持する支持部と、
前記第1プレートの上面に形成され、前記第1プレートの上面と、前記支持部に支持される基板の下面との間に気体を吹き出し、基板を下方に吸引する気体吹出口と、
を備え、
前記第1搬送機構は、
基板の上面および下面のいずれかに沿って気体を流し、基板と接触することなく基板を吸引する吸引部と、
前記吸引部に供給する気体の流量を調整する吸引調整部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1搬送機構によって搬送される基板の形状に応じて、前記吸引部に供給される気体の流量を変える
基板処理装置である。
【0032】
基板処理装置は、第1処理ユニットを備える。第1処理ユニットは、第1プレートと支持部と気体吹出口を備える。よって、第1処理ユニットは基板を好適に保持できる。
【0033】
基板処理装置は、第1処理ユニットに基板を搬送する第1搬送機構を備える。第1搬送機構は、吸引部と吸引調整部を備える。吸引調整部が吸引部に供給する気体の流量を調整することによって、吸引調整部は吸引部の吸引力を調整できる。
【0034】
基板処理装置は、第1処理ユニットと第1搬送機構を制御する制御部を備える。制御部は、第1搬送機構によって搬送される基板の形状に応じて、吸引部に供給される気体の流量を変える。よって、吸引部は、基板の形状に関わらず、適切な吸引力で、基板を吸引できる。したがって、第1搬送機構は、基板を適切に搬送できる。
【0035】
以上のとおり、本基板処理装置によれば、基板を適切に搬送できる。
【0036】
上述した基板処理装置において、
前記制御部は、基板の周縁部の内側に位置する基板の主部の厚みに応じて、前記吸引部に供給される気体の流量を変えることが好ましい。
吸引部は、基板の主部の厚みに関わらず、適切な吸引力で、基板を吸引できる。したがって、第1搬送機構は、基板の主部の厚みに関わらず、基板を好適に搬送できる。
【0037】
上述した基板処理装置において、
基板は、
基板の周縁部の内側に位置する基板の主部が基板の周縁部よりも凹むことによって形成される凹部を有し、かつ、ガラス製の保護プレートを有しない第1基板と、
前記凹部を有しない第2基板と、
を含み、
第1搬送機構が前記第1基板を搬送するとき、前記制御部は前記吸引部に供給される気体の流量を、第1流量に調整し、
第1搬送機構が前記第2基板を搬送するとき、前記制御部は前記吸引部に供給される気体の流量を、前記第1流量よりも大きな第2流量に調整することが好ましい。
吸引部は、第1基板および第2基板をそれぞれ、適切な吸引力で吸引できる。したがって、第1搬送機構が搬送する基板が第1基板および第2基板のいずれであっても、第1搬送機構は基板を適切に搬送できる。
【0038】
上述した基板処理装置において、
基板は、
基板の周縁部の内側に位置する基板の主部が基板の周縁部よりも凹むことによって形成される凹部を有し、かつ、ガラス製の保護プレートを有しない第1基板と、
前記凹部を有し、かつ、ガラス製の保護プレートを有する第3基板と、
を含み、
前記第1搬送機構が前記第1基板を搬送するとき、前記制御部は前記吸引部に供給される気体の流量を、第1流量に調整し、
前記第1搬送機構が前記第3基板を搬送するとき、前記制御部は前記吸引部に供給される気体の流量を、第1流量よりも大きな第3流量に調整することが好ましい。
吸引部は、第1基板および第3基板をそれぞれ、適切な吸引力で吸引できる。したがって、第1搬送機構が搬送する基板が第1基板および第3基板のいずれであっても、第1搬送機構は基板を適切に搬送できる。
【0039】
本発明は、
基板処理装置であって、
第1位置と第2位置の間で基板を搬送する第1搬送機構と、
前記第1搬送機構を制御する制御部と、
を備え、
前記第1搬送機構は、
ハンドと、
前記ハンドを移動するハンド駆動部と、
を備え、
前記ハンドは、
ベース部と、
前記ベース部に取り付けられ、基板の第1面に沿って気体を流し、基板と接触することなく基板の第1面を吸引する吸引部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1搬送機構が基板を搬送しているときには前記ハンドを第1速度で移動させ、前記第1搬送機構が基板を搬送していないときには前記ハンドを第1速度よりも大きな第2速度で移動させる基板処理装置である。
【0040】
基板処理装置は、第1搬送機構を備える。第1搬送機構は、ハンドとハンド駆動部を備える。ハンドは、ベース部と吸引部を備える。よって、ハンドは、基板を好適に支持できる。
【0041】
基板処理装置は、第1搬送機構を制御する制御部を備える。制御部はハンドの移動速度を制御する。
【0042】
第1搬送機構が基板を搬送しているときには、ハンドの移動速度は比較的に小さい。よって、第1搬送機構が基板を搬送しているとき、吸引部は基板を適切に吸引できる。よって、第1搬送機構は、基板を適切に搬送できる。
【0043】
第1搬送機構が基板を搬送していないときには、ハンドの移動速度は比較的に大きい。よって、第1搬送機構が基板を搬送していないときには、ハンドの移動時間を短縮できる。
【0044】
以上のとおり、基板処理装置は、基板を適切に搬送できる。
【0045】
上述した基板処理装置において、
前記第1速度は、前記第2速度の50%以下であることが好ましい。
第1搬送機構が基板を搬送しているときには、吸引部は基板を一層適切に吸引できる。第1搬送機構が基板を搬送していないときには、ハンドの移動時間を一層短縮できる。
【0046】
上述した基板処理装置において、
前記制御部は、前記第1搬送機構が基板を搬送しているときには前記ハンドを第1加速度で移動させ、前記第1搬送機構が基板を搬送していないときには前記ハンドを前記第1加速度よりも大きな第2加速度で移動させることが好ましい。
制御部は、ハンドの加速度を制御する。第1搬送機構が基板を搬送しているときには、ハンドの加速度は比較的に小さい。よって、第1搬送機構が基板を搬送しているときには、吸引部は基板を一層適切に吸引できる。第1搬送機構が基板を搬送していないときには、ハンドの加速度は比較的に大きい。よって、第1搬送機構が基板を搬送していないときには、ハンドの移動時間を一層短縮できる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、基板を適切に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】実施形態の基板処理装置の平面図である。
図2】基板処理装置の制御ブロック図である。
図3】基板の平面図である。
図4図4(a)は第1基板の断面図であり、図4(b)は第2基板の断面図であり、図4(c)は第3基板の断面図である。
図5図5(a)は通常径基板の平面図であり、図5(b)は、大径基板の平面図である。
図6】キャリアの正面図である。
図7】キャリアの棚の平面図である。
図8】幅方向における基板処理装置の中央部の構成を示す左側面図である。
図9】ハンドの平面図である。
図10】ハンドの側面図である。
図11】基板処理装置の左部の構成を示す左側面図である。
図12】載置部の正面図である。
図13】載置部の棚の平面図である。
図14】載置部の棚に詳細図である。
図15】ハンドの底面図である。
図16図16(a)、16(b)は、ハンドの側面図である。
図17】吸引部と、吸引部に吸引される基板と、受け部との平面図である。
図18】受け部の平面図である。
図19】第1処理ユニットの構成を模式的に示す図である。
図20】第1プレートの平面図である。
図21図21(a)、21(b)は、位置調整ピンの平面詳細図である。
図22図22(a)、22(b)は、位置調整ピンの側面図である。
図23図23(a)、23(b)は、リフトピンの側面図である。
図24】第2処理ユニットの構成を模式的に示す図である。
図25】第2プレートの平面図である。
図26図26(a)、26(b)は、端縁接触ピンの平面詳細図である。
図27図27(a)、27(b)は、端縁接触ピンの側面図である。
図28】制御部が基板の形状を取得する動作の手順を示すフローチャートである。
図29】制御部の制御および搬送機構の動作の手順を示すフローチャートである。
図30図30(a)-30(d)は、搬送機構がキャリアの棚から基板を取る動作例を模式的に示す図である。
図31図31(a)、31(b)は、棚に載置される基板とハンドの挿入高さの関係を示す図である。
図32図32(a)-32(d)は、搬送機構が載置部の棚から基板を取る動作例を模式的に示す図である。
図33】制御部の制御および搬送機構の動作の手順を示すフローチャートである。
図34図34(a)-34(d)は、搬送機構が載置部の棚から基板を取る動作例を模式的に示す図である。
図35図35(a)-35(d)は、搬送機構が載置部の棚から基板を取る動作例を模式的に示す図である。
図36図36(a)-36(f)は、搬送機構が処理ユニットの基板保持部に基板を渡す動作例を模式的に示す図である。
図37図37(a)-37(f)は、搬送機構が処理ユニットの基板保持部から基板を取る動作例を模式的に示す図である。
図38図38(a)-38(d)は、搬送機構が載置部の棚に基板を置く動作例を模式的に示す図である。
図39図39(a)-39(d)は、搬送機構が載置部の棚に基板を置く動作例を模式的に示す図である。
図40】第1処理ユニットの動作例の手順を示すフローチャートである。
図41】第1処理ユニットの動作例を示すタイミングチャートである。
図42】変形実施形態における第1処理ユニットの構成を模式的に示す図である。
図43】変形実施形態における第1処理ユニットの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、図面を参照して本発明の基板処理装置を説明する。
【0050】
<基板処理装置の概要>
図1は、実施形態の基板処理装置の平面図である。基板処理装置1は、基板(例えば、半導体ウエハ)Wに処理を行う。
【0051】
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。
【0052】
基板処理装置1は、インデクサ部2を備える。インデクサ部2は、複数(例えば、4つ)のキャリア載置部3と搬送機構4を備える。各キャリア載置部3はそれぞれ、1つのキャリアCを載置する。キャリアCは、複数枚の基板Wを収容する。キャリアCは、例えば、FOUP(front opening unified pod)である。搬送機構4は、全てのキャリア載置部3に載置されるキャリアCにアクセス可能である。
【0053】
基板処理装置1は、処理ブロック5を備える。処理ブロック5はインデクサ部2に接続される。
【0054】
処理ブロック5は、載置部6と複数の処理ユニット7と搬送機構8を備える。載置部6は、複数枚の基板Wを載置する。各処理ユニット7はそれぞれ、1枚の基板Wを処理する。搬送機構8は、載置部6と全ての処理ユニット7にアクセス可能である。搬送機構8は、載置部6と処理ユニット7に基板Wを搬送する。
【0055】
載置部6は、搬送機構4と搬送機構8の間に配置される。搬送機構4は載置部6にもアクセス可能である。搬送機構4は載置部6に基板Wを搬送する。載置部6は、搬送機構4と搬送機構8の間で搬送される基板Wを載置する。
【0056】
基板処理装置1は、制御部9を備える。制御部9は、搬送機構4、8と処理ユニット7を制御する。
【0057】
図2は、基板処理装置1の制御ブロック図である。制御部9は、搬送機構4、8と処理ユニット7と通信可能に接続される。
【0058】
制御部9は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)、固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。記憶媒体は、各種の情報を予め格納している。記憶媒体は、例えば、搬送機構4、8および処理ユニット7の動作条件に関する情報を記憶する。処理ユニット7の動作条件に関する情報は、例えば、基板Wを処理するための処理レシピ(処理プログラム)である。記憶媒体は、例えば、各基板Wを識別するための情報を記憶する。
【0059】
基板処理装置1の動作例を説明する。搬送機構4は、キャリア載置部3上のキャリアCから載置部6に基板Wを搬送する。搬送機構8は、載置部6から1つの処理ユニット7に基板Wを搬送する。処理ユニット7は、基板Wを処理する。搬送機構8は、処理ユニット7から載置部6に基板Wを搬送する。搬送機構4は、載置部6からキャリア載置部3上のキャリアCに基板Wを搬送する。
【0060】
搬送機構4は、本発明における第2搬送機構の例である。搬送機構8は、本発明における第1搬送機構の例である。キャリアC、載置部6および処理ユニットは、本発明における第1位置と第2位置の例である。
【0061】
本明細書では、便宜上、インデクサ部2と処理ブロック5が並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、処理ブロック5からインデクサ部2に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平な方向を、「幅方向Y」または「側方」と呼ぶ。「幅方向Y」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。垂直な方向を「上下方向Z」と呼ぶ。上下方向Zは、前後方向Xと直交し、かつ、幅方向Yと直交する。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0062】
<基板Wの形状>
図3は、基板Wの平面図である。基板Wの基本的な形状を説明する。基板Wは、薄い平板形状を有する。基板Wは、平面視で略円形状を有する。基板Wは、周縁部12と主部13を有する。主部13は、周縁部12の内側に位置する基板Wの部分である。半導体デバイスは、主部13に形成される。図3は、便宜上、周縁部12と主部13の境界を破線で示す。
【0063】
本明細書では、形状によって、基板Wを複数の種類に分類する。第1に、基板Wの主部13の厚みによって、基板Wを、第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3に分類する。
【0064】
図4(a)は、第1基板W1の断面図である。図4(b)は、第2基板W2の断面図である。図4(c)は、第3基板W3の断面図である。第1基板W1は、主部13が周縁部12よりも凹むことによって形成される凹部14を含み、かつ、ガラス製の保護プレート15を含まない基板Wである。凹部14は、例えば、研削処理(グラインド処理)によって形成される。第2基板W2は、凹部14を含まない基板Wである。第3基板W3は、凹部14を含み、かつ、ガラス製の保護プレート15を含む基板Wである。第1基板W1は、基板本体11のみから構成されてもよい。あるいは、第1基板W1は、基板本体11に加えて、樹脂被膜、樹脂テープ、樹脂シートおよび樹脂フィルムの少なくともいずれかを含んでもよい。第2基板W2は、基板本体11のみから構成されてもよい。あるいは、第2基板W2は、基板本体11に加えて、樹脂被膜、樹脂テープ、樹脂シート、樹脂フィルムおよび保護プレート15の少なくともいずれかを含んでもよい。第3基板W3は、基板本体11と保護プレート15を含む。保護プレート15は、例えば、基板本体11に貼り付けられる。第3基板W3は、さらに、樹脂被膜、樹脂テープ、樹脂シートおよび樹脂フィルムの少なくともいずれかを含んでもよい。
【0065】
第1基板W1の主部13は、第2基板W2の主部13よりも薄い。第1基板W1の主部13は、第3基板W3の主部13よりも薄い。第1基板W1は、第2基板W2および第3基板W3よりも剛性が低い。第1基板W1は、第2基板W2および第3基板W3よりも撓みやすい。
【0066】
具体的には、第1基板W1の主部13は、厚みT1を有する。第2基板W2の主部13は、厚みT2を有する。第3基板W3の主部13は、厚みT3を有する。厚みT1は、厚みT2よりも小さい。厚みT1は、厚みT3よりも小さい。厚みT1は、例えば、10[μm]以上200[μm]以下である。厚みT2は、例えば、600[μm]以上1000[μm]以下である。厚みT3は、例えば、800[μm]以上1200[μm]以下である。
【0067】
第1基板W1の周縁部12は、厚みT4を有する。第2基板W2の周縁部12は、厚みT5を有する。第3基板W3の周縁部12は、厚みT6を有する。厚みT4は、例えば、厚みT5と同じである。厚みT4は、厚みT6よりも小さい。厚みT4は、例えば、600[μm]以上1000[μm]以下である。厚みT5は、例えば、600[μm]以上1000[μm]以下である。厚みT6は、例えば、1400[μm]以上2200[μm]以下である。
【0068】
第2に、基板Wの直径Dによって、基板Wを、通常径基板WNと大径基板WLに分類する。
【0069】
図5(a)は、通常径基板WNの平面図である。図5(b)は、大径基板WLの平面図である。通常径基板WNは、直径D1を有する。大径WLは、直径D2を有する。直径D2は、直径D1より大きい。
【0070】
直径D1は、例えば、300[mm]である。直径D2は、例えば、301[mm]である。
【0071】
例えば、第1基板W1および第2基板W2は、通常径基板WNに属する。例えば、第3基板W3は、大径基板WLに属する。
【0072】
基板処理装置1は、第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3を処理する。基板処理装置1は、通常径基板WNおよび大径基板WLを処理する。
【0073】
<キャリアC>
図6は、キャリアCの正面図である。キャリアCは、容器21と複数の棚22を備える。棚22は、容器21の内部に設置される。棚22は、上下方向Zに並ぶように配置される。上下方向Zに隣り合う2つの棚22は、互いに近接している。上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間隔は、例えば、10[mm]である。
【0074】
各棚22はそれぞれ、1枚の基板Wを水平姿勢で載置する。棚22は、基板Wの下面16と接する。例えば、棚22は、基板Wの周縁部12における下面16と接する。棚22は、基板Wの上面17と接しない。これにより、棚22は基板Wを支持する。棚22が基板Wを支持するとき、棚22は、基板Wが棚22に対して上方に移動することを許容する。
【0075】
各棚22はそれぞれ、第1棚23と第2棚24を備える。第1棚23と第2棚24は、互いに離れている。第1棚23と第2棚24は、水平方向に対向する。水平方向に並ぶ第1棚23と第2棚24の間隔E1は、基板Wの直径Dよりも小さい。
【0076】
図7は、キャリアCの棚22の平面図である。第1棚23は、基板Wの第1側部18を支持する。第2棚24は、基板Wの第2側部19を支持する。第2側部19は、基板Wの中心Jに対して、第1側部18とは反対側に位置する。第1側部18および第2側部19はそれぞれ、基板Wの周縁部12の一部を含む。第1側部18および第2側部19はそれぞれ、さらに、基板Wの主部13の一部を含んでもよい。
【0077】
キャリアCは、バーコード(不図示)を有する。バーコードは、キャリアCを識別するため、または、キャリアC内の基板Wを識別するための識別子である。バーコードは、例えば、容器21に付される。
【0078】
以下、基板処理装置1の各部の構成を説明する。
【0079】
<インデクサ部2>
図1を参照する。キャリア載置部3は、幅方向Yに一列に並ぶ。インデクサ部2は、バーコードリーダ31を備える。バーコードリーダ31は、キャリア載置部3に載置されたキャリアCに付されるバーコードを読み取る。バーコードリーダ31は、例えば、キャリア載置部3に取り付けられる。
【0080】
インデクサ部2は、搬送スペース32を備える。搬送スペース32は、キャリア載置部3の後方に配置される。搬送スペース32は、幅方向Yに延びる。搬送機構4は、搬送スペース32に設置される。搬送機構4は、キャリア載置部3の後方に配置される。
【0081】
搬送機構4はハンド33とハンド駆動部34を備える。ハンド33は、1枚の基板Wを水平姿勢で支持する。ハンド33は、基板Wの下面16と接触することによって、基板Wを支持する。ハンド駆動部34は、ハンド33に連結される。ハンド駆動部34は、ハンド33を移動する。
【0082】
図1、8を参照する。図8は、幅方向Yにおける基板処理装置1の中央部の構成を示す左側面図である。ハンド駆動部34は、レール34aと水平移動部34bと垂直移動部34cと回転部34dと進退移動部34eを備える。レール34aは、固定的に設置される。レール34aは、搬送スペース32の底部に配置される。レール34aは、幅方向Yに延びる。水平移動部34bは、レール34aに支持される。水平移動部34bは、レール34aに対して幅方向Yに移動する。垂直移動部34cは、水平移動部34bに支持される。垂直移動部34cは、水平移動部34bに対して上下方向Zに移動する。回転部34dは、垂直移動部34cに支持される。回転部34dは、垂直移動部34cに対して回転する。回転部34dは、回転軸線A1回りに回転する。回転軸線A1は、上下方向Zと平行である。進退移動部34eは、回転部34dの向きによって決まる水平な一方向に往復移動する。
【0083】
ハンド33は進退移動部34eに固定される。ハンド33は、水平方向および上下方向Zに平行移動可能である。ハンド33は、回転軸線A1回りに回転可能である。
【0084】
図9は、ハンド33の平面図である。図10は、ハンド33の側面図である。ハンド33の構造を説明する。ハンド33は、連結部35を備える。連結部35は、進退移動部34eに接続される。
【0085】
ハンド33は、2本のロッド36を備える。各ロッド36は、連結部35に支持される。2本のロッド36は、互いに離れている。2本のロッド36はそれぞれ、直線的に延びる。2本のロッド36はそれぞれ、連結部35から同じ方向に延びる。2本のロッド36は、互いに平行である。各ロッド36が延びる方向を、第1方向F1という。第1方向F1は、水平である。第1方向F1は、進退移動部34eが回転部34dに対して往復移動する方向と同じである。第1方向F1と直交する水平な方向を第2方向F2という。2本のロッド36は、第2方向F2に並ぶ。
【0086】
第2方向F2における2本のロッド36の全体の長さL1は、間隔E1よりも小さい。このため、2本のロッド36は、互いに水平方向に向かい合う第1棚23と第2棚24の間を、上下方向Zに通過可能である。
【0087】
各ロッド36は、基板Wの直径Dと略同等の長さを有する。すなわち、第1方向F1におけるロッド36の長さL2は、基板Wの直径と略等しい。
【0088】
各ロッド36はそれぞれ、細い。すなわち、第2方向F2における1本のロッド36の長さL3は、小さい。第2方向F2におけるロッド36の長さは、例えば、10[mm]である。長さL3は、第1方向F1にわたって、略一定である。すなわち、長さL3は、ロッド36の基端部からロッド36の先端部にわたって、略一定である。各ロッド36は、第1方向F1にわたって、略一定な断面形状を有する。すなわち、ロッド36の断面形状は、ロッド36の基端部からロッド36の先端部にわたって、略一定である。
【0089】
ハンド33は、複数(例えば4つ)の接触部37を備える。接触部37は、各ロッド36に取り付けられる。各接触部37は、各ロッド36から上方に突出する。各接触部37は、基板Wの下面16と接触する。より詳しくは、各接触部37は、基板Wの周縁部12における下面16と接する。これにより、ハンド33は1枚の基板Wを水平姿勢で支持する。各接触部37は、基板Wの上面17と接しない。ハンド33は、基板Wがハンド33に対して上方に移動することを許容する。ハンド33が基板Wを支持するとき、接触部37とロッド36は、平面視で基板Wと重なる。
【0090】
ハンド33は、基板検出部38を備える。基板検出部38は、ハンド33に支持される基板Wを検出する。基板検出部38は、ロッド36に取り付けられる。
【0091】
図2を参照する。バーコードリーダ31は、制御部9と通信可能に接続される。搬送機構4のハンド駆動部34および基板検出部38は、制御部9と通信可能に接続される。制御部9は、バーコードリーダ31および基板検出部38の検出結果を受ける。制御部9は、ハンド駆動部34を制御する。
【0092】
<処理ブロック5>
図1を参照する。処理ブロック5の各要素の配置を説明する。処理ブロック5は、搬送スペース41を備える。搬送スペース41は、幅方向Yにおける処理ブロック5の中央に配置される。搬送スペース41は、前後方向Xに延びる。搬送スペース41は、インデクサ部2の搬送スペース32と接している。
【0093】
載置部6と搬送機構8は、搬送スペース41に設置される。載置部6は、搬送機構8の前方に配置される。載置部6は、搬送機構4の後方に配置される。載置部6は、搬送機構4と搬送機構8の間に配置される。
【0094】
処理ユニット7は、搬送スペース41の両側に配置される。処理ユニット7は、搬送機構8の側方を囲むように配置される。具体的には、処理ブロック5は、第1処理セクション42と第2処理セクション43を備える。第1処理セクション42と搬送スペース41と第2処理セクション43は、幅方向Yにこの順番で並ぶ。第1処理セクション42は、搬送スペース41の右方に配置される。第2処理セクション43は、搬送スペース41の左方に配置される。
【0095】
図11は、基板処理装置1の左部の構成を示す左側面図である。第2処理セクション43には、複数の処理ユニット7が、前後方向Xおよび上下方向Zに行列状に配置される。例えば、第2処理セクション43には、6個の処理ユニット7が、前後方向Xに2列、上下方向Zに3段で、並ぶ。
【0096】
図示を省略するが、第1処理セクション42には、複数の処理ユニット7が、前後方向Xおよび上下方向Zに行列状に配置される。例えば、第1処理セクション42には、6個の処理ユニット7が、前後方向Xに2列、上下方向Zに3段で、並ぶ。
【0097】
図12は、載置部6の正面図である。載置部6の構造を説明する。載置部6は、複数枚の基板Wを載置可能である。載置部6は、複数の棚45と支持壁48を備える。支持壁48は各棚45を支持する。棚45は、上下方向Zに並ぶように配置される。上下方向Zに隣り合う2つの棚45は、互いに近接している。
【0098】
各棚45はそれぞれ、1枚の基板Wを水平姿勢で載置する。棚45は、基板Wの下面16と接する。例えば、棚45は、基板Wの周縁部12における下面16と接する。棚45は、基板Wの上面17と接しない。これにより、棚45は、基板Wを支持する。棚45が基板Wを支持するとき、棚45は、基板Wが棚45に対して上方に移動することを許容する。
【0099】
各棚45はそれぞれ、第1棚46と第2棚47を備える。第1棚46と第2棚47は、互いに離れている。第1棚46と第2棚47は、水平方向(具体的には幅方向Y)に対向する。水平方向に並ぶ第1棚46と第2棚47の間隔E2は、基板Wの直径Dよりも小さい。間隔E2は、長さL1よりも大きい。
【0100】
図13は、載置部6の棚45の平面図である。第1棚46は、基板Wの第1側部18を支持する。第2棚47は、基板Wの第2側部19を支持する。
【0101】
図14は、載置部6の棚45に詳細図である。第1棚46は、第1傾斜面51を有する。第2棚47は、第2傾斜面55を備える。第1傾斜面51と第2傾斜面55は、互いに離れている。第2傾斜面55は、第1傾斜面51と水平方向(具体的には幅方向Y)に対向する。第1傾斜面51と第2傾斜面55は、正面視において、左右対称である。第1傾斜面51と第2傾斜面55は、前後方向Xから見て、左右対称である。第1傾斜面51は、基板Wの第1側部18と接する。第2傾斜面55は、基板Wの第2側部19と接する。
【0102】
間隔E2は、水平方向における第1傾斜面51と第2傾斜面55の間隔に相当する。間隔E2は、下方に向かって減少する。
【0103】
第1傾斜面51は、上端51Tを有する。第2傾斜面55は、上端55Tを有する。水平方向における上端51Tと上端55Tの間隔ETは、基板Wの直径Dよりも大きい。例えば、間隔ETは、306[mm]である。例えば、間隔ETと基板Wの直径Dとの差は、基板Wの直径の1[%]以上である。例えば、間隔ETと基板Wの直径Dの差は、2[mm]以上である。
【0104】
第1傾斜面51は、下端51Bを有する。第2傾斜面55は、下端55Bを有する。水平方向における下端51Bと下端55Bの間隔EBは、間隔ETよりも狭い。間隔EBは、基板Wの直径Dよりも小さい。
【0105】
第1傾斜面51の角度は、第1傾斜面51の全体にわたって、一定ではない。第1傾斜面51は、上傾斜面52と下傾斜面53を有する。下傾斜面53は、上傾斜面52の下方に配置される。下傾斜面53は、上傾斜面52の下端に接する。上傾斜面52は、水平面に対して第1角度θ1で傾斜する。下傾斜面53は、水平面に対して第2角度θ2で傾斜する。第2角度θ2は、第1角度θ1よりも小さい。下傾斜面53は、上傾斜面52よりも水平に近い。
【0106】
同様に、第2傾斜面55は、上傾斜面56と下傾斜面57を有する。第2傾斜面55、上傾斜面56および下傾斜面57は、左右対称である点を除き、第1傾斜面51、上傾斜面52および下傾斜面53と同じ形状を有する。
【0107】
第1傾斜面51は、中間点51Mを有する。中間点51Mは、上傾斜面52と下傾斜面53との接続位置である。第2傾斜面55は、中間点55Mを有する。中間点55Mは、上傾斜面56と下傾斜面57との接続位置である。水平方向における中間点51Mと中間点55Mの間隔EMは、基板Wの直径Dと略等しい。
【0108】
図1、7を参照する。搬送機構8の構造を説明する。
【0109】
搬送機構8はハンド61とハンド駆動部62を備える。ハンド61は、1枚の基板Wを水平姿勢で支持する。ハンド駆動部62は、ハンド61に連結される。ハンド駆動部62は、ハンド61を移動する。
【0110】
ハンド駆動部62は、支柱62aと垂直移動部62bと回転部62cと進退移動部62dを備える。支柱62aは、固定的に設置される。支柱62aは、上下方向Zに延びる。垂直移動部62bは、支柱62aに支持される。垂直移動部62bは、支柱62aに対して上下方向Zに移動する。回転部62cは、垂直移動部62bに支持される。回転部62cは、垂直移動部62bに対して回転する。回転部62cは、回転軸線A2回りに回転する。回転軸線A2は、上下方向Zと平行である。進退移動部62dは、回転部62cの向きによって決まる水平な一方向に往復移動する。
【0111】
図15は、ハンド61の底面図である。図16(a)、16(b)は、ハンド61の側面図である。ハンド61は、進退移動部62dに固定される。ハンド61は、水平方向および上下方向Zに平行移動可能である。ハンド61は、回転軸線A2回りに回転可能である。
【0112】
ハンド61の構造を説明する。ハンド61は、連結部64を備える。連結部64は、進退移動部62dに接続される。
【0113】
ハンド61は、ベース部65を備える。ベース部65は、連結部64に支持される。ベース部65は、連結部64から水平方向に延びる。
【0114】
ベース部65は、2つの枝部66を含む。各枝部66は、互いに離れている。各枝部66は、連結部64から同じ方向に延びる。各枝部66が延びる方向を、第3方向F3という。第3方向F3は、水平である。第3方向F3は、進退移動部62dが回転部62cに対して往復移動する方向と同じである。第3方向F3と直交する水平な方向を第4方向F4という。2つの枝部66は、第4方向F4に並ぶ。2つの枝部66は、平面視において、2つの枝部66の間を通り、第3方向F3と平行な仮想線に対して線対称である。各枝部66は、湾曲している。各枝部66は、互いに離反するように湾曲する部分を有する。言い換えれば、各枝部66は、第4方向F4の外方に膨らむように湾曲した部分を有する。
【0115】
ハンド61は、吸引部68を備える。吸引部68は、ベース部65に取り付けられる。吸引部68は、気体を吹き出す。吸引部68は、気体を下方に吹き出す。吸引部68は、基板Wの上方の位置から、気体を基板Wに吹き出す。ここで、「基板Wの上方の位置」とは、基板Wよりも高い位置であって、平面視で基板Wと重なる位置である。図15は、吸引部68に吸引される基板Wを破線で示す。吸引部68は、基板Wの上面17に気体を吹き出す。吸引部68は、基板Wの上面17に沿って気体を流す。これにより、吸引部68は、基板Wと接触することなく、基板Wを吸引する。具体的には、気体が基板Wの上面17に沿って流れることによって、負圧が形成される。すなわち、基板Wの上面17が受ける気圧は、基板Wの下面16が受ける気圧よりも、小さい。ベルヌーイの原理により、基板Wに上向きの力が働く。すなわち、基板Wが上方に吸引される。基板Wは吸引部68に向かって吸引される。ただし、吸引部68は、吸引部68が吸引する基板Wと接触しない。ベース部65も、吸引部68に吸引される基板Wと接触しない。
【0116】
吸引部68は、複数(6つ)の吸引パッド69を含む。各吸引パッド69は、ベース部65の下面に設置される。吸引パッド69は、ベース部65に埋設される。各吸引パッド69は、互いに離れている。各吸引パッド69は、平面視で、吸引部68に吸引された基板Wの中心J回りの円周上に配列される。
【0117】
各吸引パッド69は、平面視において、円形である。各吸引パッド69は、上下方向Zと平行な中心軸心を有する円筒形状を有する。各吸引パッド69は、下方に開放された下部を有する。吸引パッド69は、吸引パッド69の下部から気体を吹き出す。吸引パッド69が気体を吹き出す前に、吸引パッド69は、旋回流を形成してもよい。例えば、吸引パッド69は、吸引パッド69の内部において吸引パッド69の中心軸線回りに旋回する気流を形成し、その後、吸引パッド69は旋回流を吸引パッド69の外部に放出してもよい。
【0118】
搬送機構8は、気体供給路71を備える。気体供給路71は、吸引部68に気体を供給する。気体供給路71は、第1端と第2端を有する。気体供給路71の第1端は、気体供給源72に接続される。気体供給路71の第2端は、吸引部68に接続される。気体供給路71の第2端は、各吸引パッド69に接続される。吸引部68に供給される気体は、例えば、窒素ガスや空気である。吸引部68に供給される気体は、例えば、高圧ガスまたは圧縮ガスである。
【0119】
搬送機構8は、吸引調整部73を備える。吸引調整部73は、気体供給路71に設けられる。吸引調整部73は、吸引部68に供給する気体の流量を調整する。すなわち、吸引調整部73は、吸引部68が吹き出す気体の流量を調整する。吸引調整部73は、吸引部68に供給される気体の流量を無段階で調整してもよい。吸引調整部73は、吸引部68に供給される気体の流量を段階的に調整してもよい。吸引部68に供給する気体の流量が大きくなるにしたがって、基板Wに作用する吸引力は大きくなる。吸引調整部73は、例えば、流量調整弁を含む。吸引調整部73は、さらに、開閉弁を含んでもよい。
【0120】
ハンド61は、接触部74を備える。接触部74は、ベース部65の下面に取り付けられる。接触部74は、ベース部65から下方に突出する。接触部74は、吸引部68よりも低い位置まで突出する。接触部74は、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重なる位置に配置される。接触部74は、吸引部68に吸引される基板Wの上面17と接触する。より詳しくは、接触部74は、基板Wの周縁部12における上面17と接触する。接触部74は、吸引部68に吸引される基板Wの下面16と接触しない。接触部74自体は、基板Wが接触部74に対して下方に移動することを許容する。
【0121】
吸引部68が基板Wを上方に吸引し、かつ、接触部74が基板Wの上面17と接触することによって、基板Wは支持され、かつ、所定の位置に保たれる。すなわち、ハンド61は、基板Wを保持する。
【0122】
接触部74は、吸引部68よりも、吸引部68に吸引される基板Wの中心Jから遠い位置に配置される。接触部74は、吸引部68よりも、吸引部68に吸引される基板Wの径方向外方に配置される。
【0123】
接触部74は、複数(例えば2つ)の第1接触部75と複数(例えば2つ)の第2接触部76とを含む。第1接触部75の位置は、底面視において、後述する第1受け部82の位置と略同じである。第1接触部75と第2接触部76は、互いに離れている。第1接触部75は、ベース部65の先端部に取り付けられる。第1接触部75は、吸引部68よりも、連結部64から遠い位置に配置される。第2接触部76は、ベース部65の基端部に取り付けられる。第2接触部76は、吸引部68よりも、連結部64に近い位置に配置される。
【0124】
ハンド61は、壁部77を備える。壁部77は、ベース部65の下面に取り付けられる。壁部77は、ベース部65から下方に延びる。壁部77は、接触部74よりも低い位置まで延びる。壁部77は、吸引部68に吸引される基板Wよりも低い位置まで延びる。壁部77は、平面視において、吸引部68に吸引された基板Wと重ならない位置に配置される。壁部77は、吸引部68に吸引された基板Wの側方に配置される。壁部77は、吸引部68に吸引された基板Wと接触しない。ただし、基板Wが水平方向に所定値以上、ずれたとき、壁部77は基板Wと接触する。これにより、壁部77は、基板Wが水平方向に所定値以上、ずれることを、規制する。所定値は、例えば、3[mm]である。
【0125】
壁部77は、接触部74よりも、吸引部68に吸引された基板Wの中心Jから遠い位置に配置される。壁部77は、接触部74よりも、吸引部68に吸引された基板Wの径方向外方に配置される。
【0126】
壁部77は、複数(例えば2つ)の第1壁部78と複数(例えば2つ)の第2壁部79とを含む。第1壁部78と第2壁部79は、ベース部65に固定される。第1壁部78と第2壁部79は、互いに離れている。第1壁部78は、ベース部65の先端部に取り付けられる。第1壁部78は、吸引部68よりも、連結部64から遠い位置に配置される。第2壁部79は、ベース部65の基端部に取り付けられる。第2壁部79は、吸引部68よりも、連結部64に近い位置に配置される。
【0127】
第1壁部78は、第1接触部75と接続される。第1壁部78は、第1接触部75から下方に延びる。第2壁部79は、第2接触部76と接続される。第2壁部79は、第2接触部76から下方に延びる。
【0128】
ハンド61は、受け部81を備える。受け部81は、ベース部に支持される。受け部81は、吸引部68に吸引される基板Wの下方に配置される。受け部81は、吸引部68に吸引される基板Wと接触しない。受け部81は、基板Wの下面16を受けることができる。すなわち、受け部81は、基板Wの下面16と接触可能である。受け部81は、基板Wを支持できる。受け部81は、基板Wの上面17を接触しない。受け部81は、基板Wが受け部81に対して上方に移動することを許容する。
【0129】
受け部81は、複数(例えば2つ)の第1受け部82を備える。第1受け部82は、ベース部65に支持される。第1受け部82は、ベース部65に固定される。第1受け部82は、ベース部65に対して移動不能である。第1受け部82は、吸引部68に吸引される基板Wの下方に配置される。第1受け部82は、基板Wの下面16を受けることができる。すなわち、第1受け部82は、基板Wの下面16と接触可能である。
【0130】
第1受け部82は、吸引部68よりも、吸引部68に吸引される基板Wの中心Jから遠い位置に配置される。第1受け部82は、吸引部68よりも、吸引部68に吸引される基板Wの径方向外方に配置される。第1受け部82は、ベース部65の先端部に配置される。第1受け部82は、吸引部68よりも、連結部64から遠い位置に配置される。
【0131】
第1受け部82は、第1接触部75の下方に配置される。第1受け部82は、平面視において、第1接触部75と重なる。
【0132】
第1受け部82は、第1壁部78に接続される。第1受け部82は、第1壁部78から水平方向に延びる。第1受け部82は、平面視において、第1壁部78から、吸引部68に吸引される基板Wの中心Jに向かって延びる。
【0133】
上述した第1接触部75と第1壁部78と第1受け部82は、一体に成形された部材である。第1接触部75と第1壁部78と第1受け部82は、互いに分離不能である。第2接触部76と第2壁部79は、一体に成形された部材である。第2接触部76と第2壁部79は、互いに分離不能である。
【0134】
搬送機構8は、第2受け部83を備える。第2受け部83は、ベース部65に支持される。第2受け部83は、吸引部68に吸引される基板Wの下方に配置される。第2受け部83は、基板Wの下面16を受けることができる。すなわち、第2受け部83は、基板Wの下面16と接触可能である。
【0135】
第2受け部83は、吸引部68よりも、吸引部68に吸引された基板Wの中心Jから遠い位置に配置される。第2受け部83は、吸引部68よりも、吸引部68に吸引された基板Wの径方向外方に配置される。第2受け部83は、ベース部65の基端部に配置される。第2受け部83は、吸引部68よりも、連結部64に近い位置に配置される。第2受け部83は、2つの枝部66の間に配置される。第2受け部83は、2つの第2接触部76の間に配置される。
【0136】
第2受け部83は、ベース部65に対して移動可能である。第2受け部83は、ベース部65に対して水平方向に移動可能である。具体的には、第2受け部83は、脱落防止位置と退避位置に移動可能である。図15は、脱落防止位置にある第2受け部83を破線で示す。図15は、退避位置にある第2受け部83を実線で示す。第2受け部83が退避位置から脱落防止位置に移動するとき、第2受け部83は第1受け部82に接近する。第2受け部83が脱落防止位置から退避位置に移動するとき、第2受け部83は第1受け部82から遠ざかる。第2受け部83が退避位置にあるとき、第2受け部83は、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重ならない。
【0137】
図17は、吸引部68と、吸引部68に吸引される基板Wと、受け部81との平面図である。図17では、第2受け部が脱落防止部にある。第1受け部82の少なくとも一部は、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重なる。第2受け部83が脱落防止位置にあるとき、第2受け部83の少なくとも一部は、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重なる。第2受け部83は、吸引部68に吸引された基板Wの中心Jに対して、第1受け部82とは反対側に配置される。
【0138】
図18は、受け部81の平面図である。図18では、第2受け部83が退避位置にある。第2受け部83が退避位置にあるとき、第1受け部82と第2受け部83の間のスペースは、基板Wよりも大きい。第2受け部83が退避位置にあるとき、基板Wは、水平姿勢で、第1受け部82と第2受け部83の間を上下方向Zに通過可能である。図18では、便宜上、基板Wを示す。なお、図18に示される基板Wの位置は、吸引部68に吸引される基板Wの位置とは異なる。
【0139】
図15、16(a)、16(b)を参照する。壁部77は、さらに、第3壁部80を含む。第3壁部80は、第2受け部83に接続される。第3壁部80は、第2受け部83から上方に延びる。第2受け部83は、第3壁部80から水平方向に延びる。第2受け部83は、平面視において、第3壁部80から、吸引部68に吸引される基板Wの中心Jに向かって延びる。
【0140】
第2受け部83と第3壁部80は、一体に成形された部材である。第2受け部83と第3壁部80は、互いに分離不能である。第2受け部83と第3壁部80は、一体に移動する。第3壁部80も、ベース部65に対して移動可能である。
【0141】
ハンド61は、受け部駆動部86を備える。受け部駆動部86は、例えば、ベース部65に支持される。受け部駆動部86は、第2受け部83と連結する。例えば、受け部駆動部86は、第3壁部80を介して、第2受け部83と連結する。受け部駆動部86は、第2受け部83をベース部65に対して移動させる。受け部駆動部86は、第2受け部83を水平方向に移動させる。受け部駆動部86は、第2受け部83を第3方向F3に往復移動させる。受け部駆動部86は、第2受け部83を第1受け部82に接近させ、かつ、第2受け部83を第1受け部82から離反させる。受け部駆動部86は、脱落防止位置と退避位置に、第2受け部83を移動させる。
【0142】
受け部駆動部86は、アクチュエータ87を備える。アクチュエータ87は、アクチュエータ87に入力された動力源によって、第2受け部83を移動ささる。アクチュエータ87は、退避位置から脱落防止位置に第2受け部83を移動させ、かつ、脱落防止位置から退避位置に第2受け部83を移動させる。アクチュエータ87は、例えば、エアシリンダである。エアシリンダの動力源は、空気圧である。アクチュエータ87は、例えば、電動モータである。電動モータの動力源は、電力である。
【0143】
受け部駆動部86は、さらに、弾性部材88を備える。弾性部材88は、第2受け部83を、退避位置から脱落防止位置に向かって付勢する。弾性部材88は、例えば、バネである。弾性部材88は、アクチュエータ87の外部に配置されてもよい。あるいは、弾性部材88は、アクチュエータ87の内部に配置されてもよい。
【0144】
アクチュエータ87の動力源が停止したとき、第2受け部83は、弾性部材88によって、退避位置に保たれる。
【0145】
ハンド61は、基板検出部89を備える。基板検出部89は、ハンド61に支持される基板Wを検出する。基板検出部89は、ベース部65に取り付けられる。
【0146】
図2を参照する。搬送機構8のハンド駆動部62、吸引調整部73、受け部駆動部86(アクチュエータ87)および基板検出部89は、制御部9と通信可能に接続される。制御部9は、基板検出部89の検出結果を受ける。制御部9は、ハンド駆動部62、吸引調整部73および受け部駆動部86(アクチュエータ87)を制御する。
【0147】
図1を参照する。処理ユニット7の基本的な構造を説明する。各処理ユニット7は、基板保持部91と回転駆動部92とガード93を備える。基板保持部91は、1枚の基板Wを保持する。基板保持部91は、基板Wを水平姿勢で保持する。回転駆動部92は、基板保持部91に連結される。回転駆動部92は、基板保持部91を回転する。ガード93は、基板保持部91の側方を囲むように配置される。ガード93は、処理液を受ける。
【0148】
処理ユニット7は、基板保持部91の構造によって、第1処理ユニット7Aと第2処理ユニット7Bに分類される。第1処理ユニット7Aの基板保持部91は、ベルヌーイチャック、または、ベルヌーイグリッパーと呼ばれる。ベルヌーイチャックは、比較的に薄い基板Wを保持するのに適している。第2処理ユニット7Bの基板保持部91は、メカニカルチャック、または、メカニカルグリッパーと呼ばれる。メカニカルチャックは、比較的に厚い基板Wを保持するのに適している。
【0149】
例えば、第1処理セクション42に配置される6個の処理ユニット7はそれぞれ、第1処理ユニット7Aである。例えば、第2処理セクション43に配置される6個の処理ユニット7はそれぞれ、第2処理ユニット7Bである。
【0150】
以下では、第1処理ユニット7Aの基板保持部91を、適宜に「第1基板保持部91A」と表記する。第1処理ユニット7Aの回転駆動部92を、適宜に「第1回転駆動部92A」と表記する。第2処理ユニット7Bの基板保持部91を、適宜に「第2基板保持部91B」と表記する。第2処理ユニット7Bの回転駆動部92を、適宜に「第2回転駆動部92B」と表記する。
【0151】
図19は、第1処理ユニット7Aの構成を模式的に示す図である。図19は、ガード93の図示を省略する。第1処理ユニット7Aの構造について説明する。
【0152】
第1基板保持部91Aは、第1プレート101を備える。第1プレート101は、略円盤形状を有する。第1プレート101は、上面102を有する。上面102は、略水平である。上面102は、略平坦である。
【0153】
第1回転駆動部92Aは、第1プレート101の下部に連結される。第1回転駆動部92Aは、第1プレート101を回転する。第1回転駆動部92Aによって、第1プレート101は、回転軸線A3回りに回転する。回転軸線A3は、上下方向Zと平行である。
回転軸線A3は、第1プレート101の中心を通る。
【0154】
図20は、第1プレート101の平面図である。第1プレート101の上面102は、平面視において、円形である。第1プレート101の上面102は、平面視において、基板Wよりも大きい。
【0155】
第1基板保持部91Aは、複数(例えば30個)の固定ピン103を備える。固定ピン103は、基板Wを支持する。各固定ピン103は、第1プレート101に固定される。各固定ピン103は、第1プレート101に対して移動不能である。各固定ピン103は、第1プレート101に対して回転不能である。各固定ピン103は、第1プレート101に対して移動可能な可動部を有しない。
【0156】
固定ピン103は、第1プレート101の上面102の周縁部に配置される。固定ピン103は、平面視で、回転軸線A3回りの円周上に配列される。各固定ピン103は、互いに離れている。
【0157】
図19、20を参照する。固定ピン103は、第1プレート101の上面102から上方に突出する。固定ピン103は、基板Wの下面16と接触する。より詳しくは、固定ピン103は、基板Wの周縁部12における下面16と接触する。これにより、固定ピン103は、第1プレート101の上面102よりも高い位置で基板Wを支持する。図20は、固定ピン103に支持される基板Wを破線で示す。
【0158】
固定ピン103は、基板Wの上面17と接触しない。固定ピン103は、基板Wが固定ピン103に対して上方に移動することを許容する。固定ピン103は、基板Wの端縁20と接触しない。固定ピン103自体は、基板Wが固定ピン103に対して滑ることを許容する。このように、固定ピン103自体は、基板Wを保持しない。
【0159】
第1基板保持部91Aは、気体吹出口104を備える。気体吹出口104は、第1プレート101の上面102に形成される。気体吹出口104は、平面視において、固定ピン103に支持される基板Wと重なる位置に配置される。気体吹出口104は、上方に気体を吹き出す。気体吹出口104は、第1プレート101の上面102と固定ピン103に支持される基板Wの下面16との間に、気体を吹き出す。気体吹出口104は、固定ピン103に支持される基板Wの下方の位置から、基板Wに気体を吹き出す。気体は、第1プレート101の上面102と固定ピン103に支持される基板Wの下面16の間に供給される。気体は、固定ピン103に支持される基板Wの下面16に沿って流れる。これにより、気体吹出口104は、基板Wを吸引する。具体的には、気体が基板Wの下面16に沿って流れることによって、負圧が形成される。すなわち、基板Wの下面16が受ける気圧は、基板Wの上面17が受ける気圧よりも、小さい。ベルヌーイの原理により、基板Wに下向きの力が働く。すなわち、基板Wが下方に吸引される。基板Wは気体吹出口104および第1プレート101に向かって吸引される。ただし、気体吹出口104は、基板Wと接触しない。第1プレート101も、基板Wと接触しない。
【0160】
気体吹出口104が基板Wを下方に吸引し、かつ、固定ピン103が基板Wの下面16と接触することによって、基板Wは支持され、かつ、所定の位置に保たれる。基板Wに働く吸引力によって、基板Wは固定ピン103に対して水平方向に滑らない。すなわち、第1基板保持部91Aは、基板Wを保持する。
【0161】
気体吹出口104は、1つの第1吹出口105と複数の第2吹出口106を備える。第1吹出口105は、第1プレート101の上面102の中央部に配置される。第1吹出口105は、第1プレート101の回転軸線A3上に配置される。第2吹出口106は、第1吹出口105よりも、第1プレート101の回転軸線A3の径方向外方に配置される。第2吹出口106は、固定ピン103よりも、第1プレート101の回転軸線A3の径方向内方に配置される。第2吹出口106は、平面視で、回転軸線A3回りの円周上に配列される。
【0162】
第1処理ユニット7Aは、第1気体供給路107と第2気体供給路108を備える。第1気体供給路107は、第1吹出口105に気体を供給する。第2気体供給路108は、第2吹出口106に気体を供給する。第1気体供給路107の一部および第2気体供給路108の一部は、第1プレート101の内部に形成されている。第1気体供給路107は、第1端と第2端を有する。第1気体供給路107の第1端は、気体供給源109に接続される。第1気体供給路107の第2端は、第1吹出口105に接続される。第2気体供給路108は、第1端と第2端を有する。第2気体供給路108の第1端は、気体供給源109に接続される。第2気体供給路108の第2端は、第2吹出口106に接続される。第1吹出口105および第2吹出口106に供給される気体は、例えば、窒素ガスや空気である。第1吹出口105および第2吹出口106に供給される気体は、例えば、高圧ガスまたは圧縮ガスである。
【0163】
第1処理ユニット7Aは、第1吹出調整部111と第2吹出調整部112を備える。第1吹出調整部111は、第1気体供給路107に設けられる。第2吹出調整部112は、第2気体供給路108に設けられる。第1吹出調整部111は、第1吹出口105が吹き出す気体の流量を調整する。すなわち、第1吹出調整部111は、第1吹出口105に供給される気体の流量を調整する。第2吹出調整部112は、第2吹出口106が吹き出す気体の流量を調整する。すなわち、第2吹出調整部112は、第2吹出口106に供給される気体の流量を調整する。第1吹出口105が吹き出す気体の流量が大きくなるにしたがって、基板Wに作用する吸引力は大きくなる。第2吹出口106が吹き出す気体の流量が大きくなるにしたがって、基板Wに作用する吸引力は大きくなる。
【0164】
第1吹出調整部111は、第2吹出口106が吹き出す気体の流量を調整不能である。第2吹出調整部112は、第1吹出口105が吹き出す気体の流量を調整不能である。第1吹出調整部111と第2吹出調整部112は、互いに独立して、作動可能である。よって、第1吹出口105が吹き出す気体の流量と、第2吹出口106が吹き出す気体の流量を、互いに独立して、調整可能である。第1吹出調整部111と第2吹出調整部112はそれぞれ、例えば、流量調整弁を含む。第1吹出調整部111と第2吹出調整部112はそれぞれ、さらに、開閉弁を含んでもよい。
【0165】
処理ユニット7は、複数(例えば6個)の位置調整ピン113を備える。位置調整ピン113は、第1プレート101に支持される。位置調整ピン113は、第1プレート101に対して水平方向に移動可能である。位置調整ピン113が第1プレート101に対して移動することによって、位置調整ピン113は、固定ピン103に支持される基板Wと接触することができ、かつ、固定ピン103に支持された基板Wから離れることができる。より詳しくは、位置調整ピン113は、固定ピン103に支持される基板Wの端縁20と接触可能である。位置調整ピン113は、固定ピン103に支持された基板Wの位置を調整する。位置調整ピン113は、水平方向における基板Wの位置を調整する。位置調整ピン113は、固定ピン103に支持される基板Wの中心Jを、第1プレート101の回転軸線A3上に位置させる。
【0166】
本明細書では、基板Wと接触している位置調整ピン113の位置を、「調整位置」という。基板Wから離れている位置調整ピン113の位置を、「退避位置」という。位置調整ピン113は、調整位置と退避位置に移動可能である。
【0167】
位置調整ピン113は、第1プレート101の上面102の周縁部に配置される。位置調整ピン113は、平面視で、回転軸線A3回りの円周上に配列される。位置調整ピン113は、固定ピン103に支持された基板Wと略同じ高さ位置に配置される。
【0168】
図21(a)、21(b)は、位置調整ピンの平面詳細図である。図22(a)、22(b)は、位置調整ピンの側面図である。図21(a)、22(a)は、退避位置にある位置調整ピン113を示す。図21(b)、22(b)は、調整位置にある位置調整ピン113を示す。各位置調整ピン113はそれぞれ、軸部114に固定される。軸部114は、位置調整ピン113から下方に延びる。軸部114は、第1プレート101に支持される。位置調整ピン113は、軸部114を介して、第1プレート101に支持される。軸部114は、第1プレート101に対して回転可能である。軸部114は、回転軸線A4回りに回転可能である。回転軸線A4は、上下方向Zと平行である。回転軸線A4は、軸部114の中心を通る。位置調整ピン113は、軸部114の回転軸線A4から偏心した位置に配置される。軸部114が第1プレート101に対して回転することにより、位置調整ピン113は第1プレート101に対して水平方向に移動する。具体的には、位置調整ピン113は、回転軸線A4回りに旋回移動する。これにより、位置調整ピン113は、第1プレート101の回転軸線A3に近づき、かつ、第1プレート101の回転軸線A3から遠ざかる。位置調整ピン113が第1プレート101の回転軸線A3に近づくことによって、位置調整ピン113は調整位置に移動する。すなわち、位置調整ピン113は、固定ピン103に支持された基板Wの端縁20に接触する。さらに、位置調整ピン113は、位置調整ピン113と接触する基板Wの端縁20を回転軸線A4に向かって押す。異なる位置に設けられる複数の位置調整ピン113が基板Wの端縁20を押すことによって、基板Wは所定の位置に調整される。位置調整ピン113が第1プレート101の回転軸線A3から遠ざかることによって、位置調整ピン113は退避位置に移動する。位置調整ピン113は、固定ピン103に支持された基板Wの端縁20から離れる。
【0169】
図20を参照する。処理ユニット7は、複数(例えば6個)のリフトピン116を備える。リフトピン116は、第1プレート101の上面102の周縁部に配置される。位置調整ピン113は、平面視で、回転軸線A3回りの円周上に配列される。
【0170】
図23(a)、23(b)は、リフトピン116の側面図である。リフトピン116は、第1プレート101に支持される。リフトピン116は、第1プレート101に対して上下方向Zに移動可能に支持される。リフトピン116は、基板Wを支持する。リフトピン116は、リフトピン116が支持する基板Wを、上下方向Zに移動させる。
【0171】
図23(a)は、上位置にあるリフトピン116を示す。リフトピン116は、上位置で基板Wを支持可能である。基板Wが上位置にあるとき、基板Wは固定ピン103よりも高い位置にある。
【0172】
図23(b)を参照する。リフトピン116は、基板Wを上位置から下降させることによって、固定ピン103に基板Wを渡す。リフトピン116が固定ピン103に基板Wを渡した後、リフトピン115はさらに第1プレート101に対して下方に移動し、固定ピン103に支持される基板Wから離れる。
【0173】
本明細書では、固定ピン103に支持される基板Wと接触しないリフトピン116の位置を、下位置という。図23(b)は、下位置にあるリフトピン116を示す。
【0174】
リフトピン116が下位置から上方に移動することにより、固定ピン103から基板Wを取る。
【0175】
このように、リフトピン116が上位置と下位置の間で移動する。これにより、リフトピン116は固定ピン103に基板Wを渡し、かつ、固定ピン103から基板Wを取る。
【0176】
図19を参照する。第1処理ユニット7Aは、処理液供給部121を備える。処理液供給部121は、基板Wに処理液を供給する。
【0177】
処理液供給部121は、ノズル122を備える。ノズル122は、処理液を基板Wに吐出する。ノズル122は、処理位置と退避位置に移動可能に設けられる。図19は、処理位置にあるノズル122を破線で示す。図19は、退避位置にあるノズル122を実線で示す。処理位置は、第1基板保持部91Aに保持された基板Wの上方の位置である。ノズル122が処理位置にあるとき、ノズル122は、平面視において、第1基板保持部91Aに保持された基板Wと重なる。ノズル122が退避位置にあるとき、ノズル122は、平面視において、第1基板保持部91Aに保持された基板Wと重ならない。
【0178】
処理液供給部121は、配管123を備える。配管123は、ノズル122に処理液を供給する。配管123は、第1端と第2端を有する。配管123の第1端は、処理液供給源124に接続される。配管123の第2端は、ノズル122に接続される。
【0179】
第1処理ユニット7Aは、流量調整部125を備える。流量調整部125は、配管123に設けられる。流量調整部125は、処理液供給部121が基板Wに供給する処理液の流量を調整する。すなわち、流量調整部125は、ノズル122が吐出する処理液の流量を調整する。
【0180】
第1処理ユニット7Aは、基板検出部127を備える。基板検出部127は、固定ピン103に支持される基板Wを検出する。さらに、基板検出部127は、固定ピン103に支持される基板Wの位置を検出する。基板検出部127は、例えば、固定ピン103に支持される基板Wの端縁20を撮像する。基板検出部127は、例えば、第1基板保持部91Aの上方に配置される。基板検出部127は、例えば、画像センサである。
【0181】
図2を参照する。第1処理ユニット7Aの第1回転駆動部92A、位置調整ピン113、リフトピン116、第1吹出調整部111、第2吹出調整部112、流量調整部125および基板検出部127は、制御部9と通信可能に接続される。制御部9は、基板検出部127の検出結果を受ける。制御部9は、第1回転駆動部92A、位置調整ピン113、リフトピン116、第1吹出調整部111、第2吹出調整部112および流量調整部125を制御する。
【0182】
固定ピン103は、本発明における支持部の例である。位置調整ピン113は、本発明における位置調整部の例である。リフトピン116は、本発明における昇降部の例である。
【0183】
図24は、第2処理ユニット7Bの構成を模式的に示す図である。図24は、ガード93の図示を省略する。第2処理ユニット7Bの構造について詳しく説明する。なお、第1処理ユニット7Aと同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0184】
第2基板保持部91Bは、第2プレート131を備える。第2プレート131は、略円盤形状を有する。第2プレート131は、上面132を有する。上面132は、略水平である。上面132は、略平坦である。
【0185】
第2回転駆動部92Bは、第2プレート131の下部に連結される。第2回転駆動部92Bは、第2プレート131を回転する。第2回転駆動部92Bによって、第2プレート131は、回転軸線A5回りに回転する。回転軸線A5は、上下方向Zと平行である。回転軸線A5は、第2プレート131の中心を通る。
【0186】
図25は、第2プレート131の平面図である。第2プレート131の上面132は、平面視において、円形である。第2プレート131の上面132は、平面視において、基板Wよりも大きい。
【0187】
第2基板保持部91Bは、複数(例えば6個)の端縁接触ピン133を備える。端縁接触ピン133は、第2プレート131に取り付けられる。端縁接触ピン133は、第2プレート131に支持される。端縁接触ピン133は、第2プレート131に対して移動可能である。第2回転駆動部92Bが第2基板保持部91Bを回転するとき、端縁接触ピン133は基板Wの端縁20と接触する。第2回転駆動部92Bが第2基板保持部91Bを回転するとき、端縁接触ピン133は、端縁接触ピン133に対して基板Wが滑らないように、基板Wの端縁20を保持する。図25は、端縁接触ピン133に保持される基板Wを破線で示す。
【0188】
端縁接触ピン133は、第2プレート131の周縁部に配置される。端縁接触ピン133は、平面視で、回転軸線A5回りの円周上に配列される。
【0189】
図26(a)、26(b)は、端縁接触ピン133の平面詳細図である。図27(a)、27(b)は、端縁接触ピン133の側面図である。端縁接触ピン133および端縁接触ピン133に関連する構成を例示する。
【0190】
各端縁接触ピン133はそれぞれ、小片部134に固定される。小片部134は、第2プレート131よりも十分小さい。小片部134は、平面視で、くさび形状を有する。
小片部134は、水平方向に延びる。
【0191】
小片部134は、さらに、下面接触ピン135を支持する。下面接触ピン135も、小片部134に固定される。端縁接触ピン133および下面接触ピン135は、それぞれ、小片部134から上方に突出する。下面接触ピン135は、基板Wの下面16と接触する。より詳しくは、下面接触ピン135は、基板Wの周縁部12における下面16と接触する。これにより、下面接触ピン135は、基板Wを支持する。下面接触ピン135は、基板Wの上面17と接触しない。下面接触ピン135は、基板Wが下面接触ピン135に対して上方に移動することを許容する。
【0192】
小片部134は、軸部136に固定される。軸部136は、小片部134から下方に延びる。軸部136は、第2プレート131に支持される。端縁接触ピン133および下面接触ピン135は、軸部136を介して、第2プレート131に支持される。軸部136は、第2プレート131に対して回転可能である。軸部136は、回転軸線A6回りに回転可能である。回転軸線A6は、上下方向Zと平行である。回転軸線A6は、軸部136の中心を通る。
【0193】
下面接触ピン135は、軸部136の回転軸線A6上に配置される。回転軸線A6は、下面接触ピン135の中心を通る。軸部136が第2プレート131に対して回転するとき、下面接触ピン135も第2プレート131に対して回転する。ただし、第2プレート131に対する下面接触ピン135の位置は、実質的に変わらない。下面接触ピン135と回転軸線A5との距離は、変わらない。
【0194】
端縁接触ピン133は、軸部136の回転軸線A6から偏心した位置に配置される。
軸部136が第2プレート131に対して回転することにより、端縁接触ピン133は第2プレート131に対して水平方向に移動する。具体的には、端縁接触ピン133は、第2プレート131の回転軸線A5に近づき、かつ、第2プレート131の回転軸線A5から遠ざかる。
【0195】
図26(a)、図27(a)を参照する。端縁接触ピン133が第2プレート131の回転軸線A5に近づくことによって、端縁接触ピン133は、下面接触ピン135に支持された基板Wの端縁20に接触する。さらに、端縁接触ピン133は、端縁接触ピン133と接触する基板Wの端縁20を回転軸線A5に向かって押してもよい。
【0196】
図26(b)、図27(b)を参照する。端縁接触ピン133が第2プレート131の回転軸線A4から遠ざかることによって、端縁接触ピン133は、下面接触ピン135に支持された基板Wの端縁20から離れる。
【0197】
第2回転駆動部92Bが第2基板保持部91Bを回転するとき、端縁接触ピン133は基板Wから離れない。端縁接触ピン133が基板Wの端縁20と接触した状態で、第2回転駆動部92Bは第2基板保持部91Bを回転する。これにより、第2基板保持部91Bが回転するとき、基板Wは端縁接触ピン133に対して滑らない。すなわち、端縁接触ピン133は、基板Wの端縁20を保持する。
【0198】
第2基板保持部91Bでは、リフトピン116は、下面接触ピン135よりも高い位置で基板Wを支持可能である。リフトピン116は、下面接触ピン135に基板Wを渡すことができ、かつ、下面接触ピン135から基板Wを取ることができる。
【0199】
なお、第2基板保持部91Bは、端縁接触ピン133に保持された基板Wを吸引しない。第2基板保持部91Bは、第2プレート131の上面132と端縁接触ピン133に保持された基板Wの下面16との間に気体を吹き出さない。第2プレート131は、気体吹出口を有しない。
【0200】
図2を参照する。第2処理ユニット7Bの第2回転駆動部92B、リフトピン116、流量調整部125および端縁接触ピン133は、制御部9と通信可能に接続される。制御部9は、第2回転駆動部92B、リフトピン116、流量調整部125および端縁接触ピン133を制御する。
【0201】
端縁接触ピン133は、本発明における端縁接触部の例である。
【0202】
<基板処理装置1の動作例>
以下の動作例を順に説明する。
・制御部9が基板Wの形状を取得する動作例
・搬送機構4の動作例
・搬送機構8の動作例
・第1処理ユニット7Aの動作例
・第2処理ユニット7Bの動作例
【0203】
<制御部9が基板Wの形状を取得する動作例>
図28は、制御部9が基板Wの形状を取得する動作例の手順を示すフローチャートである。
【0204】
ステップS1
バーコードリーダ31がキャリアCに付されるバーコードを読み取る。バーコードリーダ31は、バーコードリーダ31の検出結果を制御部9に出力する。
【0205】
ステップS2
制御部9は、バーコードリーダ31の検出結果に基づいて、基板Wの形状を判定する。具体的には、制御部9は、キャリアC内の基板Wが、第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3のいずれに属するかを特定する。制御部9は、キャリアC内の基板Wが、通常径基板WNおよび大径基板WLのいずれに属するかを特定する。
【0206】
なお、制御部9は、キャリアCから基板Wが搬出された後においても、基板Wの位置と基板Wの形状と関連付けて、管理する。具体的には、制御部9は、搬送機構4、8が各時刻において搬送する基板Wの形状、各時刻において載置部6に載置される基板Wの形状、処理ユニット7が各時刻において処理する基板Wの形状を、管理する。制御部9が基板Wの位置および基板Wの形状を管理するとき、制御部9は基板検出部38、89、127の検出結果を適宜に参照してもよい。
【0207】
<搬送機構4の動作例>
図29は、制御部9の制御および搬送機構4の動作の手順を示すフローチャートである。
【0208】
ステップS11
制御部9は、搬送機構4のハンド33をキャリアCに挿入するときのハンド33の高さ位置を決定する。具体的には、制御部9は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に搬送機構4のハンド33を挿入するときのハンド33の高さ位置を決定する。以下では、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に搬送機構4のハンド33を挿入するときのハンド33の高さ位置を、「高さ位置HA」と略記する。制御部9は、搬送機構4が棚22から取る基板Wまたは搬送機構4が棚22に置く基板Wの形状に応じて、高さ位置HAを変える。
【0209】
具体的には、搬送機構4が棚22から取る基板Wまたは搬送機構4が棚22に置く基板Wが第1基板W1であるとき、制御部9は、高さ位置HAを第1高さ位置HA1に決定する。搬送機構4が棚22から取る基板Wまたは搬送機構4が棚22に置く基板Wが第2基板W2であるとき、制御部9は、高さ位置HAを第2高さ位置HA2に決定する。搬送機構4が棚22から取る基板Wまたは搬送機構4が棚22に置く基板Wが第3基板W3であるとき、制御部9は、高さ位置HAを第3高さ位置HA3に決定する。第2高さ位置HA2は、第1高さ位置HA1よりも高い。第3高さ位置HA3は、第1高さ位置HA1よりも高い。第3高さ位置HA3は、第2高さ位置HA2と同じである。
【0210】
同様に、制御部9は、搬送機構4のハンド33を載置部6に挿入するときのハンド33の高さ位置を決定する。具体的には、制御部9は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に搬送機構4のハンド33を挿入するときのハンド33の高さ位置を決定する。以下では、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に搬送機構4のハンド33を挿入するときのハンド33の高さ位置を、「高さ位置HB」と略記する。制御部9は、搬送機構4が棚45から取る基板Wまたは搬送機構4が棚45に置く基板Wの形状に応じて、高さ位置HBを変える。
【0211】
具体的には、搬送機構4が棚45から取る基板Wまたは搬送機構4が棚45に置く基板Wが第1基板W1であるとき、制御部9は、高さ位置HBを第1高さ位置HB1に決定する。搬送機構4が棚45から取る基板Wまたは搬送機構4が棚45に置く基板Wが第2基板W2であるとき、制御部9は、高さ位置HBを第2高さ位置HB2に決定する。搬送機構4が棚45から取る基板Wまたは搬送機構4が棚45に置く基板Wが第3基板W3であるとき、制御部9は、高さ位置HBを第3高さ位置HB3に決定する。第2高さ位置HB2は、第1高さ位置HB1よりも高い。第3高さ位置HB3は、第1高さ位置HB1よりも高い。第3高さ位置HB3は、第2高さ位置HB2と同じである。
【0212】
ステップS12
制御部9は、搬送機構4のハンド33を上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に挿入するときのハンド33の挿入量を決定する。上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に挿入されるハンド33の挿入量は、搬送機構4のハンド33を上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に挿入するときの前後方向Xにおけるハンド33の移動量に相当する。以下では、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に挿入されるハンド33の挿入量を、「挿入量KA」と略記する。制御部9は、搬送機構4が棚22から取る基板Wまたは搬送機構4が棚22に置く基板Wの形状に応じて、挿入量KAを変える。
【0213】
搬送機構4が棚22から取る基板Wまたは搬送機構4が棚22に置く基板Wが通常径基板WNであるとき、制御部9は、挿入量KAを第1挿入量KA1に決定する。搬送機構4が棚22から取る基板Wまたは搬送機構4が棚22に置く基板Wが大径基板WLであるとき、制御部9は、挿入量KAを第2挿入量KA2に決定する。第2挿入量KA2は、第1挿入量KA1よりも大きい。
【0214】
同様に、制御部9は、搬送機構4のハンド33を上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に挿入するときのハンド33の挿入量を決定する。以下では、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に挿入されるハンド33の挿入量を、「挿入量KB」と略記する。制御部9は、搬送機構4が棚45から取る基板Wまたは搬送機構4が棚45に置く基板Wの形状に応じて、挿入量KBを変える。
【0215】
搬送機構4が棚45から取る基板Wまたは搬送機構4が棚45に置く基板Wが通常径基板WNであるとき、制御部9は、挿入量KBを第1挿入量KB1に決定する。搬送機構4が棚45から取る基板Wまたは搬送機構4が棚45に置く基板Wが大径基板WLであるとき、制御部9は、挿入量KBを第2挿入量KB2に決定する。第2挿入量KB2は、第1挿入量KB1よりも大きい。
【0216】
ステップS13
制御部9は、搬送機構4のハンド33の移動速度と加速度を決定する。以下では、搬送機構4のハンド33の移動速度を、「移動速度VA」と略記する。以下では、搬送機構4のハンド33の加速度を、「加速度AA」と略記する。制御部9は、搬送機構4が基板Wを支持しているか否かによって、移動速度VAを変える。制御部9は、搬送機構4が基板Wを支持しているか否かによって、加速度AAを変える。
【0217】
制御部9が移動速度VAと加速度AAを決定するとき、制御部9は基板検出部38の検出結果を適宜に参照してもよい。
【0218】
搬送機構4が基板Wを支持しているとき、制御部9は移動速度VAを第1速度VA1に決定する。搬送機構4が基板Wを支持していないとき、制御部9は移動速度VAを第2速度VA2に決定する。第2速度VA2は、第1速度VA1よりも大きい。例えば、第1速度VA1は、第2速度VA2の50%以下である。
【0219】
搬送機構4が基板Wを支持しているとき、制御部9は加速度AAを第1加速度AA1に決定する。搬送機構4が基板Wを支持していないとき、制御部9は加速度AAを第2加速度AA2に決定する。第2加速度AA2は、第1加速度AA1よりも大きい。例えば、第1加速度AA1は、第2加速度AA2の70%以下である。
【0220】
ステップS14
制御部9は、決定された高さ位置HA、HB、挿入量KA、KB、移動速度VA、および、加速度AAによって、搬送機構4(具体的にはハンド駆動部34)を制御する。
【0221】
ステップS15
制御部9による制御にしたがって、搬送機構4のハンド駆動部34は、ハンド33を移動させる。これにより、搬送機構4は基板Wを搬送する。
【0222】
下記の動作例を具体的に説明する。
・搬送機構4がキャリアCの棚22から基板Wを取る動作例
・搬送機構4がキャリアCから載置部6に基板Wを搬送する動作例
・搬送機構4が載置部6の棚45に基板Wを置く動作例
【0223】
<<搬送機構4がキャリアCの棚22から基板Wを取る動作例>>
図30(a)-30(d)は、搬送機構4がキャリアCの棚22から基板Wを取る動作例を模式的に示す図である。
【0224】
図30(a)を参照する。ハンド33は、基板Wを支持していない。ハンド33は、キャリアCと向かい合う位置に移動する。ハンド33は、制御部9によって決定された高さ位置HAに調整される。
【0225】
図30(b)を参照する。ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、制御部9によって決定された高さ位置HAで進入する。このとき、ハンド33は、水平方向に移動する。具体的には、ハンド33は前後方向Xに移動する。ロッド36が延びる第1方向F1はハンド33の移動方向と一致する。言い換えれば、第1方向F1がハンド33の移動方向に保たれた状態で、ハンド33は上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に進入する。
【0226】
ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、制御部9によって決定された挿入量KAだけ進み、その後、停止する。
【0227】
ここまでの手順では、ハンド33は、第2速度VA2および第2加速度AA2で、移動する。
【0228】
図30(c)を参照する。ハンド33が上方に移動し、1つの棚22に含まれる第1棚23と第2棚24の間を通過する。これにより、ハンド33は、1つの棚22から1枚の基板Wを取る。
【0229】
図30(d)を参照する。ハンド33が基板Wを支持した状態で、ハンド33は退き、キャリアCの外部に出る。この手順から、ハンド33は、第1速度VA1および第1加速度AA1で、移動する。
【0230】
上述した動作例において、棚22に載置される基板Wが第1基板W1に属する場合、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、第1高さ位置HA1で進入する。棚22に載置される基板Wが第2基板W2に属する場合、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、第2高さ位置HA2で進入する。棚22に載置される基板Wが第3基板W3に属する場合、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、第3高さ位置HA3で進入する。棚22に載置される基板Wが通常径基板WNであるとき、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、第1挿入量KA1だけ、進み、その後、停止する。棚22に載置される基板Wが大径基板WLであるとき、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、第2挿入量KA2だけ、進み、その後、停止する。
【0231】
図31(a)、31(b)は、棚22に載置される基板Wとハンド33の挿入高さHAの関係を示す図である。図31(a)では、棚22に第1基板W1が載置される。図31(b)では、棚22に第2基板W2または第3基板W3が載置される。
【0232】
第1基板W1は、第2基板W2および第3基板W3よりも、撓む。具体的には、第1基板W1は、下方に凸に湾曲する。上述のとおり、第1高さ位置HA1は、第2高さ位置HA2および第3高さ位置HA3よりも低い。このため、ハンド33が第1基板W1と干渉することなく、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、進入できる。
【0233】
第2基板W2または第3基板W3の撓み量は、第1基板W1よりも小さい。上述のとおり、第2高さ位置HA2および第3高さ位置HA3はいずれも、第1高さ位置HA1よりも高い。このため、ハンド33が第2基板W2または第3基板W3と干渉することなく、上下方向Zに隣り合う2つの棚22の間に、進入できる。
【0234】
<<搬送機構4がキャリアCから載置部6に基板Wを搬送する動作例>>
ハンド33が基板Wを支持した状態で、ハンド33はキャリアCから載置部6に移動する。これにより、搬送機構4は、キャリアCから載置部6に基板Wを搬送する。搬送機構4がキャリアCから載置部6に基板Wを搬送するとき、ハンド33は、第1速度VA1および第1加速度AA1で、移動する。
【0235】
<<搬送機構4が載置部6の棚45に基板Wを置く動作例>>
図32(a)-32(d)は、搬送機構4が載置部6の棚45から基板Wを取る動作例を模式的に示す図である。
【0236】
図32(a)を参照する。ハンド33は、基板Wを支持する。ハンド33は、載置部6と向かい合う位置に移動する。ハンド33は、制御部9によって決定された高さ位置HBに調整される。
【0237】
図32(b)を参照する。ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、制御部9によって決定された高さ位置HBで進入する。ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、制御部9で決定された挿入量KBだけ進み、その後、停止する。
【0238】
ここまでの手順では、ハンド33は、第1速度VA1および第1加速度AA1で、移動する。
【0239】
図32(c)を参照する。ハンド33が下方に移動し、1つの棚45に含まれる第1棚46と第2棚47の間を通過する。これにより、ハンド33は、1つの棚45に1枚の基板Wを置く。ハンド33は、棚45上の基板Wから離れる。
【0240】
基板Wは、棚45の第1傾斜面51および第2傾斜面55によって案内される。これにより、基板Wが棚45に載置されるとき、基板Wは、所定の位置に位置決めされる。仮にハンド33が棚45に基板Wを置く位置がばらついても、棚45は、基板Wの位置のばらつきが小さくなるように。基板Wの位置を調整する。
【0241】
図32(d)を参照する。ハンド33が基板Wを支持していない状態で、ハンド33は退き、載置部6の外部に出る。この手順から、ハンド33は、第2速度VA2および第2加速度AA2で、移動する。
【0242】
上述した動作例において、ハンド33に支持される基板Wが第1基板W1に属する場合、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第1高さ位置HB1で進入する。ハンド33に支持される基板Wが第2基板W2に属する場合、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第2高さ位置HA2で進入する。ハンド33に支持される基板Wが第3基板W3に属する場合、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第3高さ位置HA3で進入する。ハンド33に支持される基板Wが通常径基板WNに属する場合、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第1挿入量KB1だけ進み、その後、停止する。ハンド33に支持される基板Wが大径基板WLであるとき、ハンド33は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第2挿入量KB2だけ、進む。
【0243】
搬送機構4が載置部6の棚45から基板Wを取る動作は、搬送機構4がキャリアCの棚22から基板Wを取る動作と略同じである。搬送機構4がキャリアCの棚22に基板Wを置く動作は、搬送機構4が載置部6の棚45に基板Wを置く動作と略同じである。
【0244】
<搬送機構8の動作例>
図33は、制御部9の制御および搬送機構8の動作の手順を示すフローチャートである。
【0245】
ステップS21
制御部9は、搬送機構8のハンド61を載置部6に挿入するときのハンド33の高さ位置を決定する。具体的には、制御部9は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に搬送機構8のハンド61を挿入するときのハンド61の高さ位置を決定する。以下では、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に搬送機構8のハンド61を挿入するときのハンド61の高さ位置を、「高さ位置HC」と略記する。制御部9は、搬送機構8が棚45から取る基板Wまたは搬送機構8が棚45に置く基板Wの形状に応じて、高さ位置HCを変える。
【0246】
具体的には、搬送機構8が棚45から取る基板Wまたは搬送機構8が棚45に置く基板Wが第1基板W1であるとき、制御部9は、高さ位置HCを第1高さ位置HC1に決定する。搬送機構8が棚45から取る基板Wまたは搬送機構8が棚45に置く基板Wが第2基板W2であるとき、制御部9は、高さ位置HCを第2高さ位置HC2に決定する。搬送機構8が棚45から取る基板Wまたは搬送機構8が棚45に置く基板Wが第3基板W3であるとき、制御部9は、高さ位置HCを第3高さ位置HC3に決定する。第2高さ位置HC2は、第1高さ位置HC1よりも高い。第3高さ位置HC3は、第1高さ位置HC1よりも高い。第3高さ位置HC3は、第2高さ位置HC2と同じである。
【0247】
ステップS22
制御部9は、搬送機構8のハンド61を上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に挿入するときのハンド61の挿入量を決定する。上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に挿入されるハンド61の挿入量は、搬送機構8のハンド61を上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に挿入するときの前後方向Xにおけるハンド61の移動量に相当する。以下では、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に挿入されるハンド61の挿入量を、「挿入量KC」と略記する。制御部9は、搬送機構8が棚45から取る基板Wまたは搬送機構8が棚45に置く基板Wの形状に応じて、挿入量KCを変える。
【0248】
搬送機構8が棚45から取る基板Wまたは搬送機構8が棚45に置く基板Wが通常径基板WNであるとき、制御部9は、挿入量KCを第1挿入量KC1に決定する。搬送機構8が棚45から取る基板Wまたは搬送機構8が棚45に置く基板Wが大径基板WLであるとき、制御部9は、挿入量KCを第2挿入量KC2に決定する。第2挿入量KC2は、第1挿入量KC1よりも大きい。
【0249】
ステップS23
制御部9は、吸引部68に供給される気体の流量を決定する。以下では、吸引部68に供給される気体の流量を、「流量M」と略記する。制御部9は、搬送機構8に搬送される基板Wの形状に応じて、流量Mを変える。
【0250】
具体的には、搬送機構8が第1基板W1を搬送するとき、制御部9は、流量Mを第1流量M1に調整する。搬送機構8が第2基板W2を搬送するとき、制御部9は、流量Mを第2流量M2に調整する。搬送機構8が第3基板W3を搬送するとき、制御部9は、流量Mを第3流量M3に調整する。第2流量M2は、第1流量M1よりも大きい。第3流量M3は、第1流量M1よりも大きい。
【0251】
ステップS24
制御部9は、基板Wを処理する処理ユニット7を決定する。より詳しくは、制御部9は、基板Wの形状に応じて、基板Wを処理する処理ユニット7を、第1処理ユニット7Aおよび第2処理ユニット7Bのいずれか1つに決定する。
【0252】
具体的には、基板Wが第1基板W1であるとき、制御部9は、その基板Wを第1処理ユニット7Aにおいて処理することを決定する。基板Wが第2基板W2であるとき、制御部9は、その基板Wを第2処理ユニット7Bにおいて処理することを決定する。基板Wが第3基板W3であるとき、制御部9は、その基板Wを第2処理ユニット7Bにおいて処理することを決定する。
【0253】
ステップS25
制御部9は、搬送機構8のハンド61の移動速度と加速度を決定する。以下では、搬送機構8のハンド61の移動速度を、「移動速度VB」と略記する。以下では、搬送機構8のハンド61の加速度を、「加速度AB」と略記する。制御部9は、搬送機構8が基板Wを支持しているか否かによって、移動速度VBを変える。制御部9は、搬送機構8が基板Wを支持しているか否かによって、加速度ABを変える。
【0254】
制御部9が移動速度VBと加速度ABを決定するとき、制御部9は基板検出部89の検出結果を適宜に参照してもよい。
【0255】
具体的には、搬送機構8が基板Wを支持しているとき、制御部9は移動速度VBを第1速度VB1に決定する。搬送機構8が基板Wを支持していないとき、制御部9は移動速度VBを第2速度VB2に決定する。第2速度VB2は、第1速度VB1よりも大きい。例えば、第1速度VB1は、第2速度VB2の50%以下である。
【0256】
搬送機構8が基板Wを支持しているとき、制御部9は加速度ABを第1加速度AB1に決定する。搬送機構8が基板Wを支持していないとき、制御部9は加速度ABを第2加速度AB2に決定する。第2加速度AB2は、第1加速度AB1よりも大きい。例えば、第1加速度AB1は、第2加速度AB2の70%以下である。
【0257】
ステップS26
制御部9は、決定された高さ位置HC、挿入量KC、流量M、処理ユニット7、移動速度VB、および、加速度ABによって、搬送機構8(具体的にはハンド駆動部62)を制御する。決定された処理ユニット7は、具体的には、第1処理ユニット7Aおよび第2処理ユニット7Bのうちで決定された1つである。
【0258】
ステップS27
制御部9による制御にしたがって、搬送機構8のハンド駆動部62は、ハンド61を移動させる。これにより、搬送機構8は基板Wを搬送する。
【0259】
下記の動作例を具体的に説明する。
・搬送機構8が載置部6の棚45から基板Wを取る動作例
・搬送機構8が載置部6から処理ユニット7に基板Wを搬送する動作例
・搬送機構8が処理ユニットの基板保持部91に基板Wを渡す動作例
・搬送機構8が処理ユニット7の基板保持部91から基板Wを取る動作例
・搬送機構8が載置部6の棚45に基板Wを渡す動作例
【0260】
<<搬送機構8が載置部6の棚45から基板Wを取る動作例>>
図34(a)-34(d)、および、図35(a)-35(d)は、搬送機構8が載置部6の棚45から基板Wを取る動作例を模式的に示す図である。
【0261】
図34(a)を参照する。ハンド61は、基板Wを保持していない。吸引調整部73は、吸引部68に気体を供給していない。吸引部68は、気体を吹き出していない。吸引部68は、基板Wを吸引していない。第2受け部83は、退避位置に位置している。ハンド61は、載置部6と向かい合う位置に移動する。ハンド61は、制御部9によって決定された高さ位置HCに調整される。
【0262】
図34(b)を参照する。ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、制御部9によって決定された高さ位置HCで進入する。ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、制御部9で決定された挿入量KCだけ進み、その後、停止する。ハンド61が停止したとき、第1受け部82および第2受け部83は、平面視において、棚45に載置される基板Wと重ならない。
【0263】
図34(c)を参照する。ハンド61が下方に移動する。第1受け部82と第2受け部83は、1つの棚45に載置される基板Wの側方を通過し、棚45に載置される基板Wよりも低い位置まで移動する。吸引部68は、基板Wの上面17に近づく。
【0264】
図34(d)を参照する。ハンド61は、水平方向に僅かに移動する。これにより、第1受け部82は、平面視において、棚45に載置される基板Wと重なる位置に移動する。第2受け部83は、平面視において、棚45に載置される基板Wと重ならないままである。
【0265】
ここまでの手順では、ハンド61は、第2速度VB2および第2加速度AB2で、移動する。
【0266】
図35(a)を参照する。吸引調整部73は、制御部9によって決定された流量Mで、吸引部68に気体を供給する。吸引部68は、基板Wの上面17に沿って気体を流す。これにより、吸引部68は基板Wを上方に吸引する。基板Wは、上方に浮く。基板Wは、棚45から離れる。基板Wの上面17は、接触部74に接触する。このようにして、ハンド61は、棚45から1枚の基板Wを取る。ハンド61は、基板Wを保持する。
【0267】
図35(b)を参照する。ハンド61が上方に移動する。この手順から、ハンド61は、第1速度VB1および第1加速度AB1で、移動する。
【0268】
図35(c)を参照する。受け部駆動部86が退避位置から脱落防止位置に第2受け部83を移動させる。これにより、第1受け部82および第2受け部83の両方が、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重なる。
【0269】
このため、仮に、基板Wが接触部74から離れて下方に落下しても、受け部81は基板Wを受け止める。すなわち、ハンド61は、基板Wを落とすおそれがない。
【0270】
図35(d)を参照する。ハンド61が基板Wを保持した状態で、ハンド61は退き、載置部6の外部に出る。
【0271】
上述した動作例において、棚45に載置される基板Wが第1基板W1に属する場合、ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第1高さ位置HC1で進入する。さらに、吸引調整部73は第1流量M1で吸引部68に気体を供給する。棚45に載置される基板Wが第2基板W2に属する場合、ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第2高さ位置HC2で進入する。さらに、吸引調整部73は第2流量M2で吸引部68に気体を供給する。棚45に載置される基板Wが第3基板W3に属する場合、ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第3高さ位置HC3で進入する。さらに、吸引調整部73は第3流量M3で吸引部68に気体を供給する。棚45に載置される基板Wが第3基板W3に属する場合、ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第3高さ位置HC3で進入する。さらに、吸引調整部73は吸引部68に第3流量M3で気体を供給する。棚45に載置される基板Wが通常径基板WNであるとき、ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第1挿入量KC1だけ、進み、その後、停止する。棚45に載置される基板Wが大径基板WLであるとき、ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、第2挿入量KC2だけ、進み、その後、停止する。
【0272】
<<搬送機構8が載置部6から処理ユニット7に基板Wを搬送する動作例>>
ハンド61は基板Wを保持している。具体的には、吸引調整部73は、制御部9によって決定された流量Mで、吸引部68に気体を供給する。ハンド61が保持する基板Wが第1基板W1である場合、吸引調整部73は、第1流量M1で吸引部68に気体を供給する。ハンド61が保持する基板Wが第2基板W2または第3基板W3である場合、吸引調整部73は、第2流量M2で吸引部68に気体を供給する。吸引部68は、基板Wの上面16に沿って気体を流している。吸引部68は、基板Wを吸引している。
【0273】
第2受け部83は、脱落防止位置に位置する。第1受け部82と第2受け部83の両方は、平面視で、吸引部68に吸引される基板Wと重なる。
【0274】
ハンド61は、載置部6から、制御部9によって決定された処理ユニット7に移動する。これにより、搬送機構8は、制御部9によって決定された処理ユニット7に、基板Wを搬送する。ハンド61が保持する基板Wが第1基板W1である場合、搬送機構8は、第1処理ユニット7Aに基板Wを搬送する。ハンド61が保持する基板Wが第2基板W2または第3基板W3である場合、搬送機構8は、第2処理ユニット7Bに基板Wを搬送する。
【0275】
搬送機構8が載置部6から処理ユニット7に基板Wを搬送するとき、ハンド61は、第1速度VB1および第1加速度AA1で、移動する。
【0276】
<<搬送機構8が処理ユニット7の基板保持部91に基板Wを渡す動作例>>
図36(a)-36(f)は、搬送機構8が処理ユニット7の基板保持部91に基板Wを渡す動作例を模式的に示す図である。なお、基板保持部91が第1基板保持部91Aであっても第2基板保持部91Bであっても、搬送機構8が基板保持部91に基板Wを渡す動作は同じである。
【0277】
図36(a)を参照する。ハンド61が基板Wを保持している。具体的には、吸引調整部73は、制御部9によって決定された流量Mで、吸引部68に気体を供給する。吸引部68は、基板Wの上面16に沿って気体を流している。吸引部68は、基板Wを吸引している。
【0278】
第2受け部83は、脱落防止位置に位置している。ハンド61は処理ユニット7の内部に進入している。ハンド61は、基板保持部91の上方に位置している。リフトピン116は、上位置に位置している。
【0279】
図36(b)を参照する。吸引調整部73は、吸引部68への気体の供給を停止する。吸引部68は、基板Wの吸引を停止する。基板Wは、下方に落ちる。受け部81は、基板Wを受ける。より詳しくは、第1受け部82と第2受け部83は、基板Wの下面16を受ける。このように、吸引部68が基板Wの吸引を停止することによって、基板Wを第1受け部82および第2受け部83に載せる。
【0280】
図36(c)を参照する。ハンド61は、僅かに下方に移動する。これにより、第1受け部82および第2受け部83はリフトピン116に基板Wを渡す。リフトピン116は、受け部81から基板Wを受ける。リフトピン116は、基板Wを上位置で支持する。第1受け部82および第2受け部83は、リフトピン116に支持される基板Wよりも低い位置まで移動する。第1受け部82および第2受け部83は、リフトピン116に支持される基板Wから離れる。
【0281】
ここまでの手順では、ハンド61は、第1速度VB1および第1加速度AB1で、移動する。
【0282】
図36(d)を参照する。受け部駆動部86が脱落防止位置から退避位置に第2受け部83を移動させる。これにより、第2受け部83は、平面視で、リフトピン116に支持される基板Wと重ならない位置に移動する。第1受け部82は、平面視において、リフトピン116に支持される基板Wと重なったままである。
【0283】
図36(e)を参照する。ハンド61は、水平方向に僅かに移動する。これにより、第1受け部82および第2受け部83の両方が、平面視で、リフトピン116に支持された基板Wと重ならない位置に移動する。この手順から、ハンド61は、第2速度VB2および第2加速度AB2で、移動する。
【0284】
図36(f)を参照する。ハンド61は、上方に移動する。第1受け部82と第2受け部83は、リフトピン116に支持される基板Wの側方を通過し、リフトピン116に支持される基板Wよりも高い位置まで移動する。
【0285】
その後、図示を省略するが、ハンド61が基板Wを保持していない状態で、ハンド61は退き、処理ユニット7の外部に出る。
【0286】
<<搬送機構8が処理ユニット7の基板保持部91から基板Wを取る動作例>>
図37(a)-37(f)は、搬送機構8が処理ユニット7の基板保持部91から基板Wを取る動作例を模式的に示す図である。なお、基板保持部91が第1基板保持部91Aであっても第2基板保持部91Bであっても、搬送機構8が基板保持部91から基板Wを取る動作は同じである。
【0287】
図37(a)を参照する。ハンド61が基板Wを保持していない。吸引調整部73は、吸引部68に気体を供給していない。吸引部68は、基板Wの上面16に沿って気体を流していない。吸引部68は、基板Wを吸引していない。第2受け部83は、退避位置に位置している。ハンド61は処理ユニット7の内部に進入している。ハンド61は、基板保持部91の上方に位置している。リフトピン116は、基板Wを上位置で支持している。第1受け部82および第2受け部83は、平面視において、リフトピン116に支持される基板Wと重ならない。
【0288】
図37(b)を参照する。ハンド61が僅かに下方に移動する。第1受け部82と第2受け部83は、リフトピン116に支持される基板Wの側方を通過し、リフトピン116に支持される基板Wよりも低い位置まで移動する。吸引部68は、基板Wの上面17に近づく。
【0289】
図37(c)を参照する。ハンド61が僅かに水平方向に移動する。これにより、第1受け部82は、平面視において、リフトピン116に支持される基板Wと重なる位置に移動する。第2受け部83は、平面視において、リフトピン116に支持される基板Wと重ならないままである。
【0290】
図37(d)を参照する。受け部駆動部86が退避位置から脱落防止位置に第2受け部83を移動させる。これにより、第2受け部83および第1受け部82の両方が、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重なる。
【0291】
ここまでの手順では、ハンド61は、第2速度VB2および第2加速度AB2で、移動する。
【0292】
図37(e)を参照する。吸引調整部73は、制御部9によって決定された流量Mで、吸引部68に気体を供給する。吸引部68は、基板Wの上面17に沿って気体を流す。これにより、吸引部68は基板Wを上方に吸引する。基板Wは、上方に浮く。基板Wは、リフトピン116から離れる。基板Wの上面17は、接触部74に接触する。このようにして、ハンド61は、リフトピン116から1枚の基板Wを取る。ハンド61は、基板Wを保持する。
【0293】
図37(f)を参照する。ハンド61が基板Wを保持した状態で、ハンド61は上方に移動する。
【0294】
この手順から、ハンド61は、第1速度VB1および第1加速度AB1で、移動する。
【0295】
その後、図示を省略するが、ハンド61が基板Wを保持した状態で、ハンド61は退き、処理ユニット7の外部に出る。
【0296】
<<搬送機構8が載置部6の棚45に基板Wを渡す動作例>>
図38(a)-38(d)、および、図39(a)-39(d)は、搬送機構8が載置部6の棚45に基板Wを置く動作例を模式的に示す図である。
【0297】
図38(a)を参照する。ハンド61が基板Wを保持している。吸引調整部73は、制御部9によって決定された流量Mで、吸引部68に気体を供給する。吸引部68は、基板Wの上面16に沿って気体を流している。吸引部68は、基板Wを吸引している。第2受け部83は、脱落防止位置に位置している。ハンド61は、載置部6と向かい合う位置に移動する。ハンド61は、制御部9によって決定された高さ位置HCに調整される。
【0298】
図38(b)を参照する。ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、制御部9によって決定された高さ位置HCで進入する。ハンド61は、上下方向Zに隣り合う2つの棚45の間に、制御部9で決定された挿入量KCだけ進み、その後、停止する。
【0299】
図38(c)を参照する。吸引調整部73は、吸引部68への気体の供給を停止する。吸引部68は、基板Wの吸引を停止する。基板Wは、下方に落ちる。受け部81は、基板Wを受ける。より詳しくは、第1受け部82と第2受け部83は、基板Wの下面16を受ける。このように、吸引部68が基板Wの吸引を停止することによって、基板Wを第1受け部82および第2受け部83に載せる。
【0300】
図38(d)を参照する。ハンド61は、僅かに下方に移動する。これにより、第1受け部82および第2受け部83は棚45に基板Wを渡す。棚45は、受け部81から基板Wを受ける。棚45は、基板Wを支持する。第1受け部82および第2受け部83は、棚45に支持される基板Wよりも低い位置まで移動する。第1受け部82および第2受け部83は、棚45に支持される基板Wから離れる。
【0301】
ここまでの手順では、ハンド61は、第1速度VB1および第1加速度AB1で、移動する。
【0302】
図39(a)を参照する。受け部駆動部86が脱落防止位置から退避位置に第2受け部83を移動させる。これにより、第2受け部83は、平面視で、棚45に支持される基板Wと重ならない位置に移動する。第1受け部82は、平面視において、棚45に支持される基板Wと重なったままである。
【0303】
図39(b)を参照する。ハンド61は、水平方向に僅かに移動する。これにより、第1受け部82および第2受け部83の両方が、平面視で、棚45に支持された基板Wと重ならない位置に移動する。この手順から、ハンド61は、第2速度VB2および第2加速度AB2で、移動する。
【0304】
図39(c)を参照する。ハンド61は、上方に移動する。第1受け部82と第2受け部83は、棚45に支持される基板Wの側方を通過し、棚45に支持される基板Wよりも高い位置まで移動する。
【0305】
図39(d)を参照する。ハンド61が基板Wを保持していない状態で、ハンド61は退き、載置部6の外部に出る。
【0306】
<第1処理ユニット7Aの動作例>
図40は、第1処理ユニット7Aの動作例の手順を示すフローチャートである。図41は、第1処理ユニット7Aの動作例を示すタイミングチャートである。図41に示すt31-t35、t37-t39、t41-t44はそれぞれ、図40に示すステップS31-S35、S37-S39、S41-S44が実行される時刻に相当する。以下に説明する各要素の動作は、制御部9によって制御される。以下に説明する動作例の一部は、上述した搬送機構8の動作例の説明と重複する。
【0307】
ステップS31(時刻t31):リフトピン116が上昇する
リフトピン116が上位置に移動する。
【0308】
ステップS32(時刻t32):リフトピン116が搬送機構8から基板Wを受ける
搬送機構8が、リフトピン116に1枚の基板W(具体的には第1基板W1)を渡す。より詳しくは、搬送機構8は、リフトピン116に基板Wを渡す。リフトピン116は、搬送機構8から基板Wを受ける。
リフトピン116は、上位置で基板Wを支持する。
【0309】
ステップS33(時刻t33):第1吹出口105が気体の吹き出しを開始する
第1吹出調整部111が第1吹出口105に対する気体の供給を開始する。第1吹出口105は、気体の吹き出しを開始する。第1吹出口105は、上方に気体を吹き出す。第2吹出調整部112は、まだ、第2吹出口106に対する気体の供給を開始しない。第2吹出口106は、気体を吹き出さない。
【0310】
ステップS34(時刻t34):リフトピン116が固定ピン103に基板Wを渡す
リフトピン116が、上位置から下位置に移動する。これにより、リフトピン116は、基板Wを上位置から下降させ、固定ピン103に基板Wを渡す。固定ピン103は、リフトピン116から基板Wを受ける。固定ピン103は、基板Wを支持する。リフトピン116は、固定ピン103に支持される基板Wから離れる。
【0311】
ステップS35(時刻t35):位置調整ピン113が基板Wの位置を調整する
位置調整ピン113が退避位置から調整位置に移動する。これにより、位置調整ピン113は、固定ピン103に支持される基板Wと接触し、水平方向における基板Wの位置を調整する。
【0312】
ステップS36:基板Wの位置をチェックする。
基板Wの位置が所定の位置にあるか否かをチェックする。具体的には、基板検出部127が、基板Wを検出する。基板検出部127は、基板検出部127の検出結果を制御部9に出力する。制御部9は、基板Wが所定の位置にあるか、を判定する。基板Wが所定の位置にあると制御部9が判定した場合には、ステップS37に進む。仮に、基板Wが所定の位置にないと制御部9が判定した場合には、ステップS37に進まずに、異常処理を実行する。異常処理は、例えば、ステップS35を戻ることを含む。異常処理は、例えば、ユーザーに異常が発生したことを通知することを含む。
【0313】
ステップS37(時刻t36):第2吹出口106が気体の吹き出しを開始する
第2吹出調整部112が第2吹出口106に対する気体の供給を開始する。第2吹出口106は、気体の吹き出しを開始する。第2吹出口106は、気体を上方に吹き出す。第2吹出口106が吹き出す気体の流量は、第1吹出口105が吹き出す気体の流量よりも大きい。
【0314】
ステップS38(時刻t38):位置調整ピン113が基板Wから離れる
位置調整ピン113が調整位置から退避位置に移動する。これにより、位置調整ピン113が基板Wから離れる。
【0315】
ステップS39(時刻t39):基板Wを処理する(基板Wに処理液を供給する)
第1回転駆動部92Aは、第1基板保持部91Aおよび基板Wを回転させる。処理液供給部121は、固定ピン103に支持される基板Wに処理液を供給する。処理液供給部121が基板Wに処理液を供給するときにおいても、第1吹出口105は気体を吹き出し、第2吹出口106は、第1吹出口105よりも大きな流量で気体を吹き出す。
【0316】
所定の時間が経過すると、基板の処理を終了する。そして、ステップS40に進む。
【0317】
ステップS40:基板Wの位置をチェックする
基板Wの位置が所定の位置にあるか否かを、再びチェックする。本ステップS40は、ステップS36と略同じである。
【0318】
ステップS41(時刻t41):第2吹出口106が気体の吹き出しを停止する
第2吹出調整部112が第2吹出口106に対する気体の供給を停止する。第2吹出口106は、気体の吹き出しを停止する。
【0319】
ステップS42(時刻t42):リフトピン116が固定ピン103から基板Wを取る
リフトピン116が下位置から上位置に移動する。これにより、リフトピン116は、固定ピン103から基板Wを取る。さらに、リフトピン116は、基板Wを上位置に上昇させる。
【0320】
ステップS43(時刻t43):第1吹出口105が気体の吹き出しを停止する
第1吹出調整部が第1吹出口105に対する気体の供給を停止する。第1吹出口105は、気体の吹き出しを停止する。
【0321】
ステップS44(時刻t44):リフトピン116が搬送機構8に基板Wを渡す。
搬送機構8がリフトピン116から基板Wを取る。その後、搬送機構8は、第1処理ユニット7Aの外部に基板Wを搬出する。
【0322】
<第2処理ユニット7Bの動作例>
第2処理ユニット7Bの動作例は、第1処理ユニット7Aの動作例から、ステップS33、S35-S38、S40-S41を省略したものと類似する。第2処理ユニット7Bの動作例を、簡単に説明する。
【0323】
リフトピン116は上位置に移動する。リフトピン116は搬送機構8から1枚の基板W(具体的には、第2基板W2または第3基板W3)を受ける。リフトピン116は、下面接触ピン135に基板Wを渡す。下面接触ピン135は基板Wを支持する。端縁接触ピン133は、下面接触ピン135に支持される基板Wの端縁20と接触する。これにより、端縁接触ピン133は、基板Wを保持する。
【0324】
基板Wが端縁接触ピン133に保持された状態で、基板Wを処理する。具体的には、第2回転駆動部92Bは、第2基板保持部91Bおよび基板Wを回転させる。第2回転駆動部92Bが第2基板保持部91Bを回転するとき、端縁接触ピン133は、端縁接触ピン133に対して基板Wが滑らないように、基板Wの端縁20を保持する。
処理液供給部121は、端縁接触ピン133に保持される基板Wに処理液を供給する。
【0325】
基板Wに対する処理が終了すると、端縁接触ピン133は基板Wから離れる。リフトピン116が下面接触ピン135から基板Wを取る。搬送機構8がリフトピン116から基板Wを取る。
【0326】
<実施形態の効果>
基板処理装置1は、基板Wを搬送する搬送機構8を備える。搬送機構8は、ハンド61を備える。ハンド61は、ベース部65と吸引部68を備える。吸引部68は、ベース部65に取り付けられる。吸引部68は、基板Wの上面17に沿って気体を流す。吸引部68は、基板Wと接触することなく、基板Wを上方に吸引する。よって、ハンド61は、基板Wを好適に支持できる。
【0327】
搬送機構8は、ハンド61を移動するハンド駆動部62を備える。よって、搬送機構8は、ハンド61によって支持した基板Wを好適に搬送できる。
【0328】
ハンド61は、さらに、第1受け部82と第2受け部83を備える。第1受け部82および第2受け部83は、ベース部65に支持される。第1受け部82および第2受け部83は、吸引部68に吸引される基板Wの下方に配置される。第1受け部82および第2受け部83は、基板Wの下面16を受けることができる。このため、仮に基板Wが吸引部68から下方に落ちても、第1受け部82と第2受け部83は、基板Wを受けることができる。すなわち、搬送機構8が基板Wを落とすおそれがない。
【0329】
ハンド61は、受け部駆動部86を備える。受け部駆動部86は、第2受け部83をベース部65に対して移動させる。受け部駆動部86は、第1受け部82に第2受け部83を接近させ、かつ、第1受け部82から第2受け部83を離反させる。このため、第1受け部82と第2受け部83が基板Wと干渉することなく、ハンド61は、基板Wを取ることができ、および、基板Wを置くことができる。
【0330】
以上のとおり、基板処理装置1によれば、基板Wを適切に搬送できる。
【0331】
搬送機構8が基板Wを搬送するとき、第1受け部82の少なくとも一部および第2受け部83の少なくとも一部は、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重なる位置に配置される。このため、搬送機構8が基板Wを搬送するとき、基板Wがハンド61から脱落することを、第1受け部82と第2受け部83は確実に防止できる。
【0332】
基板処理装置1は、基板Wを載置する載置部6を備える。
搬送機構8は、吸引部68による基板Wの吸引を停止することによって第1受け部82および第2受け部83に基板Wを載せてから、載置部6に基板を載置する。よって、搬送機構8が載置部6に基板Wを載置するときに、ハンド61が基板Wを損傷するおそれがない。例えば、搬送機構8が載置部6に基板Wを載置するときに、ハンド61が基板Wを載置部6に押し付けるおそれがない。したがって、搬送機構8は載置部6に適切に基板Wを載置できる。
【0333】
基板処理装置1は、基板Wを処理する処理ユニット7を備える。処理ユニット7は、基板Wを保持する基板保持部91を備える。搬送機構8は、吸引部68による基板Wの吸引を停止することによって第1受け部82および第2受け部83に基板Wを載せてから、基板保持部91に基板Wを載置する。よって、搬送機構8が基板保持部91に基板Wを載置するときに、ハンド61が基板Wを損傷するおそれがない。したがって、搬送機構8は基板保持部91に適切に基板Wを載置できる。
【0334】
第2受け部83がベース部65に対して移動することによって、第2受け部83は脱落防止位置と退避位置に移動可能である。第2受け部83が脱落防止位置にあるとき、第2受け部83の少なくとも一部は、平面視において、吸引部68に吸引される基板Wと重なる。よって、第2受け部83が脱落防止位置にあるとき、基板Wがハンド61から脱落することを、第2受け部83は確実に防止できる。第2受け部83が退避位置にあるとき、基板Wは、水平姿勢で、第1受け部82と第2受け部83の間を上下方向Zに通過可能である。よって、第1受け部82と第2受け部83が基板Wと干渉することなく、ハンド61は、基板Wを取ることができ、基板Wを置くことができる。
【0335】
受け部駆動部86は、第2受け部83を脱落防止位置および退避位置に移動させるアクチュエータ87を備える。このため、第2受け部83は、脱落防止位置および退避位置に好適に移動できる。受け部駆動部86は、第2受け部83を退避位置から脱落防止位置に向かって付勢する弾性部材88を備える。アクチュエータ87がアクチュエータ87の動力源から遮断されたとき、弾性部材88の弾性力のみが第2受け部83に作用する。その結果、第2受け部83は、弾性部材88の弾性力によって脱落防止位置に移動する。よって、アクチュエータ87が動力源から遮断されたときであっても、基板Wがハンド61から脱落することを、第2受け部83は好適に防止できる。
【0336】
受け部駆動部86が、アクチュエータ87として電動モータを備える場合、制御部9は、第2受け部83の移動速度を容易に制御できる。これにより、仮に第2受け部83の移動中に第2受け部83が基板Wと接触する場合であっても、第2受け部83が基板Wを損傷することを回避できる。例えば、第2受け部83が退避位置から脱落防止位置に移動するとき、電動モータは、第2受け部83が脱落防止位置に到達する直前に、第2受け部83の移動速度を減速させることができる。これにより、仮に第2受け部83が脱落防止位置に到達するときに第2受け部83が基板Wと接触する場合であっても、第2受け部83が基板Wに与える衝撃を抑制できる。
【0337】
第1受け部82は、ベース部65に固定されている。このため、ベース部65が第1受け部82を支持する構造を簡素化できる。
【0338】
ハンド61は、第1接触部75を備える。第1接触部75は、ベース部65に固定される。第1接触部75は、吸引部68に吸引される基板Wの上面17と接触する。よって、第1接触部75は、吸引部68に吸引される基板Wを、所定の位置に保つことができる。
【0339】
ハンド61は、第1壁部78を備える。第1壁部78は、第1接触部75に接続される。第1壁部78は、第1接触部75から、吸引部68に吸引される基板Wの側方を通り、下方に延びる。第1受け部82は、第1壁部78に接続される。このため、第1接触部75と第1壁部78と第1受け部82の構造を簡素化できる。
【0340】
搬送機構8の基板搬送方法は、基板Wを搬送するステップと、受け部81に基板Wを載せるステップと、載置部6に基板Wを渡すステップと、を備える。基板Wを搬送するステップは、ベース部65に取り付けられた吸引部68が基板Wの上面17に沿って気体を流し、基板Wと接触することなく基板Wを上方に吸引する。さらに、基板Wを搬送するステップは、ハンド駆動部62がベース部65を移動させることによって、基板Wを搬送する。受け部81に基板Wを載せるステップは、吸引部68が基板Wの吸引を停止することによって、受け部81に基板Wを載せる。受け部81は、ベース部65に支持され、かつ、吸引部68の下方に配置される。載置部6に基板を渡すステップは、受け部81から載置部6に基板Wを渡す。よって、搬送機構8が載置部6に基板Wを載置するときに、搬送機構8が基板Wを損傷するおそれがない。したがって、搬送機構8は載置部6に基板Wを適切に載置できる。
【0341】
以上のとおり、基板搬送方法によれば、基板Wを適切に搬送できる。
【0342】
搬送機構8の基板搬送方法は、基板Wを搬送するステップと、受け部81に基板Wを載せるステップと、処理ユニット7の基板保持部91に基板Wを渡すステップと、を備える。基板保持部91に基板Wを渡すステップは、受け部81から基板保持部91に基板Wを渡す。よって、搬送機構8が基板保持部91に基板Wを載置するときに、搬送機構8が基板Wを損傷するおそれがない。したがって、搬送機構8は基板保持部91に基板Wを適切に載置できる。
【0343】
以上のとおり、基板搬送方法によれば、基板Wを適切に搬送できる。
【0344】
基板処理装置1は、基板を搬送する搬送機構4と、基板を搬送する搬送機構8と、搬送機構4と搬送機構8の間で搬送される基板Wを載置する載置部6と、を備える。よって、搬送機構4は、載置部6を介して搬送機構8に基板Wを好適に搬送できる。搬送機構8も、載置部6を介して搬送機構4に基板Wを好適に搬送できる。
【0345】
搬送機構8は、ハンド61を備える。ハンド61は、吸引部68を備える。よって、ハンド61は、基板Wを好適に支持できる。したがって、搬送機構8は、基板Wを適切に搬送できる。
【0346】
載置部6は、第1傾斜面51と第2傾斜面55を備える。第1傾斜面51は、基板Wの第1側部18と接する。第2傾斜面55は、第1傾斜面51と水平方向に向かう合う位置に配置される。第2傾斜面55は、基板Wの第2側部19と接する。水平方向における第1傾斜面51の上端51Tと第2傾斜面55の上端55Tの間隔ETは、基板Wの直径Dよりも大きい。よって、搬送機構4、8が載置部6に置く基板Wの位置がばらついても、載置部6は基板Wを適切に受けることができる。
【0347】
水平方向における第1傾斜面51の下端51Bと第2傾斜面55の下端55Bの間隔EBは、間隔ETよりも狭い。よって、第1傾斜面51と第2傾斜面55は、基板Wを所定の位置に好適に案内できる。
【0348】
水平方向における第1傾斜面51と第2傾斜面55の間隔E2は、下方に向かって減少する。よって、第1傾斜面51と第2傾斜面55は、基板Wを所定の位置に好適に案内できる。
【0349】
第1傾斜面51は上傾斜面52を備える。上傾斜面52の第1角度θ1は、比較的に大きい。よって、上傾斜面52は、基板Wを好適に案内できる。
【0350】
第1傾斜面51は下傾斜面53を備える。下傾斜面53の第2角度θ2は、比較的に小さい。よって、下傾斜面53は、基板Wを好適に支持できる。
【0351】
基板処理装置1は、基板を処理する第1処理ユニット7Aを備える。搬送機構8は、第1処理ユニット7Aに基板Wを搬送する。第1処理ユニット7Aは、第1基板保持部91Aを備える。第1基板保持部91Aは、第1プレート101と固定ピン103と気体吹出口104を備える。固定ピン103は、第1プレート101の上面102から上方に突出する。固定ピン103は、基板Wの下面16と接触する。固定ピン103は、第1プレート101の上面102よりも高い位置で基板Wを載置する。気体吹出口104は、第1プレート101の上面102に形成される。気体吹出口104は、第1プレート101の上面102と、固定ピン103に支持される基板Wの下面16との間に気体を吹き出する。気体吹出口104は、基板Wを下方に吸引する。よって、第1基板保持部91Aは基板Wを好適に保持できる。
【0352】
基板処理装置1は、キャリアCを載置するキャリア載置部3を備える。キャリアCは、複数枚の基板Wを収容する。搬送機構4は、キャリア載置部3に載置されるキャリアCに基板を搬送する。よって、搬送機構4は、キャリアCから搬送機構8に基板Wを好適に搬送できる。搬送機構4は、搬送機構8からキャリアCに基板Wを好適に搬送できる。
【0353】
基板処理装置1は、基板Wを処理する第1処理ユニット7Aを備える。第1処理ユニット7Aは、第1プレート101と固定ピン103と気体吹出口104を備える。よって、第1処理ユニット7Aは基板Wを好適に保持できる。
【0354】
吸引調整部73は、吸引部68に供給する気体の流量を調整する。よって、吸引調整部73は、吸引部68の吸引力を調整できる。
【0355】
基板処理装置1は、制御部9を備える。制御部9は、第1処理ユニット7Aと搬送機構8を制御する。制御部9は、具体的には、吸引調整部73を制御する。制御部9は、搬送機構8によって搬送される基板Wの形状に応じて、吸引部58に供給される気体の流量を変える。よって、吸引部68は、基板Wの形状に関わらず、適切な吸引力で、基板Wを吸引できる。したがって、搬送機構8は、基板Wを適切に搬送できる。
【0356】
制御部9は、基板Wの主部13の厚みに応じて、吸引部68に供給される気体の流量を変える。よって、吸引部68は、基板Wの主部13の厚みに関わらず、適切な吸引力で、基板Wを吸引できる。したがって、搬送機構8は、基板Wの主部13の厚みに関わらず、基板Wを好適に搬送できる。
【0357】
基板Wは、第1基板W1と第2基板W2を含む。搬送機構8が第1基板W1を搬送するとき、制御部9は流量Mを第1流量M1に調整する。搬送機構8が第2基板W2を搬送するとき、制御部9は流量Mを第1流量M1よりも大きな第2流量M2に調整する。よって、吸引部68は、第1基板W1および第2基板W2をそれぞれ、適切な吸引力で吸引できる。したがって、搬送機構8が搬送する基板Wが第1基板W1および第2基板W2のいずれであっても、搬送機構8は基板Wを適切に搬送できる。
【0358】
基板Wは、第1基板W1と第3基板W3を含む。搬送機構8が第3基板W3を搬送するとき、制御部9は流量Mを第1流量M1よりも大きな第3流量M3に調整する。よって、吸引部68は、第1基板W1および第3基板W3をそれぞれ、適切な吸引力で吸引できる。したがって、搬送機構8が搬送する基板Wが第1基板W1および第3基板W3のいずれであっても、搬送機構8は基板Wを適切に搬送できる。
【0359】
搬送機構8は、載置部6と処理ユニット7の間で基板Wを搬送する。搬送機構8は、ハンド61とハンド駆動部62を備える。ハンド61は、ベース部65と吸引部68を備える。制御部9は、ハンド駆動部62を制御する。これにより、搬送機構8が基板Wを搬送しているときには、制御部9は、ハンド61を第1速度VB1で移動させる。搬送機構8が基板Wを搬送していないときには、制御部9は、ハンド61を第1速度VB1よりも大きな第2速度VB2で移動させる。搬送機構8が基板Wを搬送しているときには、ハンド61の移動速度VBは比較的に小さい。よって、搬送機構8が基板Wを搬送しているときには、吸引部68は基板Wを適切に吸引できる。例えば、搬送機構8が基板Wを搬送しているときに、ハンド61が基板Wを落とすおそれがない。よって、搬送機構8は、基板Wを適切に搬送できる。搬送機構8が基板Wを搬送していないときには、ハンド61の移動速度VBは比較的に大きい。よって、搬送機構8が基板Wを搬送していないときには、ハンド61の移動時間を短縮できる。
【0360】
第1速度VB1は、第2速度の50%以下である。このため、搬送機構8が基板Wを搬送しているときには、吸引部68は基板Wを一層適切に吸引できる。搬送機構8が基板Wを搬送していないときには、ハンド61の移動時間を一層短縮できる。
【0361】
制御部9は、搬送機構8が基板Wを搬送しているときにはハンド61を第1加速度AB1で移動させる。制御部9は、搬送機構8が基板Wを搬送していないときにはハンド61を第1加速度AB1よりも大きな第2加速度AB2で移動させる。搬送機構8が基板Wを搬送しているときには、ハンド61の加速度ABは比較的に小さい。よって、搬送機構8が基板Wを搬送しているときには、吸引部68は基板Wを一層適切に吸引できる。搬送機構8が基板Wを搬送していないときには、ハンド61の加速度ABは比較的に大きい。よって、搬送機構8が基板Wを搬送していないときには、ハンド61の移動時間を一層短縮できる。
【0362】
本発明は、実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0363】
上述した実施形態では、棚22は基板Wの下面16と接触する。但し、これに限られない。例えば、棚22は、基板Wの下面16および基板Wの端縁20の少なくともいずれかと接触してもよい。例えば、棚22は、基板Wの端縁20に、斜め下方から接触してもよい。
【0364】
上述した実施形態では、ハンド33は基板Wの下面16と接触する。但し、これに限られない。例えば、ハンド33は、基板Wの下面16および基板Wの端縁20の少なくともいずれかと接触してもよい。例えば、ハンド33は、基板Wの端縁20に、斜め下方から接触してもよい。
【0365】
上述した実施形態では、棚45は基板Wの下面16と接触する。但し、これに限られない。例えば、棚45は、基板Wの下面16および基板Wの端縁20の少なくともいずれかと接触してもよい。例えば、棚45は、基板Wの端縁20に、斜め下方から接触してもよい。
【0366】
上述した実施形態では、接触部74は基板Wの上面17と接触する。但し、これに限られない。例えば、接触部74は、基板Wの上面17および基板Wの端縁20の少なくともいずれかと接触してもよい。例えば、接触部74は、基板Wの端縁20に、斜め上方から接触してもよい。
【0367】
上述した実施形態では、第1受け部82は基板Wの下面16を受けることができる。但し、これに限られない。例えば、第1受け部82は、基板Wの下面16および基板Wの端縁20の少なくともいずれかを受けてもよい。例えば、第1受け部82は、基板Wの端縁20を、斜め下方から受けてもよい。
【0368】
上述した実施形態では、第2受け部83は基板Wの下面16を受けることができる。但し、これに限られない。例えば、第2受け部83は、基板Wの下面16および基板Wの端縁20の少なくともいずれかを受けてもよい。例えば、第2受け部83は、基板Wの端縁20を、斜め下方から受けてもよい。
【0369】
上述した実施形態では、固定ピン103は基板Wの下面16と接触する。但し、これに限られない。例えば、固定ピン103は、基板Wの下面16および基板Wの端縁20の少なくともいずれかと接触してもよい。例えば、固定ピン103は、基板Wの端縁20に、斜め下方から接触してもよい。
【0370】
上述した実施形態では、第1受け部82はベース部65に固定される。但し、これに限られない。すなわち、第1受け部82はベース部65に対して移動可能であってもよい。本変形実施形態では、ハンド61は、さらに、第1受け部82をベース部65に対して移動させる駆動部(第2受け部駆動部)を備えてもよい。
【0371】
上述した実施形態では、吸引部68は基板Wの上面17に沿って気体を流す。吸引部68は、基板Wを上方に吸引する。但し、これに限られない。吸引部68は基板Wの下面16に沿って気体を流してもよい。吸引部68は基板Wを下方に吸引してもよい。
【0372】
上述した実施形態では、ハンド33は吸引部を備えない。但し、これに限られない。ハンド33は、基板Wの第1面に沿って、気体を流す吸引部を備えてもよい。ここで、第1面は、基板Wの上面および下面のいずれか1つである。搬送機構4のハンド33は、基板Wを吸引する吸引部を備えてもよい。さらに、搬送機構4は、基板Wがハンド33から脱落することを防止するための受け部を備えてもよい。
【0373】
上述した実施形態では、制御部9は、基板Wが第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3のいずれであるかによって、高さ位置HA、HB、HCを変える。但し、これに限られない。例えば、制御部9は、基板Wの主部13の厚みに応じて、高さ位置HA、HB、HCを変えてもよい。例えば、制御部9は、基板Wの主部13の厚みが大きくなるにしたがって、高さ位置HA、HB、HCを高くしてもよい。
【0374】
上述した実施形態では、制御部9は、基板Wが第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3のいずれであるかによって、基板Wを処理する処理ユニット7を、第1処理ユニットおよび第2処理ユニットのいずれか1つに決定する。但し、これに限られない。例えば、制御部9は、基板Wの主部13の厚みに応じて、基板Wを処理する処理ユニット7を、第1処理ユニットおよび第2処理ユニットのいずれか1つに決定してもよい。例えば、制御部9は、基板Wの主部13が第1厚みを有する基板Wを第1処理ユニット7Aに搬送させ、基板Wの主部13が第1厚みよりも大きな第2厚みを有する基板Wを第2処理ユニット7Bに搬送させてもよい。例えば、制御部9は、基板Wの主部13が第1厚みを有する基板Wを第1処理ユニット7Aにおいて処理させ、基板Wの主部13が第1厚みよりも大きな第2厚みを有する基板Wを第2処理ユニット7Bにおいて処理させてもよい。
【0375】
上述した実施形態では、制御部9は、基板Wが第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3のいずれであるかによって、流量Mを変える。但し、これに限られない。例えば、制御部9は、基板Wの主部13の厚みに応じて、流量Mを変えてもよい。例えば、制御部9は、基板Wの主部13の厚みが大きくなるにしたがって、流量Mを大きくしてもよい。
【0376】
上述した実施形態において、移動速度VAを、さらに細分化してもよい。例えば、移動速度VAを、水平移動速度VAHと鉛直移動速度VAZと回転速度VARに分けてもよい。ここで、水平移動速度VAHは、水平方向におけるハンド33の移動速度である。鉛直移動速度VAZは、上方方向Zにおけるハンド33の移動速度である。回転速度VARは、回転軸線A1回りのハンド33の移動速度である。制御部9は、ステップS25において、水平移動速度VAHと鉛直移動速度VAZと回転速度VARを個別に決定してもよい。
【0377】
上述した実施形態において、加速度AAを、さらに細分化してもよい。例えば、加速度AAを、水平加速度AAHと鉛直加速度AAZと回転加速度AARに分けてもよい。ここで、水平加速度AAHは、水平方向におけるハンド33の加速度である。鉛直加速度AAZは、上方方向Zにおけるハンド33の加速度である。回転加速度AARは、回転軸線A1回りのハンド33の加速度である。制御部9は、ステップS25において、水平加速度AAHと鉛直加速度AAZと回転加速度AARを個別に決定してもよい。
【0378】
上述した実施形態において、移動速度VBを、さらに細分化してもよい。例えば、移動速度VBを、水平移動速度VBHと鉛直移動速度VBZと回転速度VBRに分けてもよい。ここで、水平移動速度VBHは、水平方向におけるハンド61の移動速度である。鉛直移動速度VBZは、上方方向Zにおけるハンド61の移動速度である。回転速度VBRは、回転軸線A2回りのハンド61の移動速度である。制御部9は、ステップS25において、水平移動速度VBHと鉛直移動速度VBZと回転速度VBRを個別に決定してもよい。
【0379】
上述した実施形態において、加速度ABを、さらに細分化してもよい。例えば、加速度ABを、水平加速度ABHと鉛直加速度ABZと回転加速度ABRに分けてもよい。ここで、水平加速度ABHは、水平方向におけるハンド61の加速度である。鉛直加速度ABZは、上方方向Zにおけるハンド61の加速度である。回転加速度ABRは、回転軸線A2回りのハンド61の加速度である。制御部9は、ステップS25において、水平加速度ABHと鉛直加速度ABZと回転加速度ABRを個別に決定してもよい。
【0380】
上述した実施形態では、第1プレート101に形成される第1吹出口105の数は、1つである。但し、これに限られない。第1プレート101に形成される第1吹出口105の数は、複数であってもよい。
【0381】
上述した実施形態では、リフトピン116が搬送機構8から基板Wを受け(ステップS32)、その後、第1吹出口105が気体の吹き出しを開始する(ステップS33)。但し、これに限られない。例えば、リフトピン116が搬送機構8から基板Wを受ける前に、第1吹出口105が気体の吹き出しを開始してもよい。本変形実施形態によれば、第1吹出口105が気体を吹き出している状態で、リフトピン116は搬送機構8から基板Wを受けることができる。
【0382】
上述した実施形態では、第1吹出口105が気体の吹き出しを停止し(ステップS43)、その後、リフトピン116が搬送機構8に基板Wを渡す(ステップS44)。但し、これに限られない。例えば、リフトピン116が搬送機構8に基板Wを渡した後に、第1吹出口105が気体の吹き出しを停止してもよい。本変形実施形態によれば、第1吹出口105が気体を吹き出している状態で、リフトピン116は搬送機構8に基板Wを渡すことができる。
【0383】
本変形実施形態では、第1吹出口105が吹き出す気体の流量は、搬送機構8の吸引部68に供給される気体の流量よりも小さいことが好ましい。
これによれば、搬送機構8がリフトピン116から基板Wを取るとき、吸引部68は基板Wを容易に吸引できる。言い換えれば、搬送機構8がリフトピン116から基板Wを取るとき、ハンド61は基板Wを容易に保持である。
【0384】
上述した実施形態では、リフトピン116が搬送機構8から基板Wを受ける。但し、これに限られない。固定ピン103が搬送機構8から基板Wを受けてもよい。言い換えれば、搬送機構8は、リフトピン116を介さずに、固定ピン103に基板Wを直接的に渡してもよい。
【0385】
上述した実施形態では、リフトピン116が搬送機構8に基板Wを渡す。但し、これに限られない。固定ピン103が搬送機構8に基板Wを渡してもよい。言い換えれば、搬送機構8は、リフトピン116を介さずに、固定ピン103から直接的に基板Wを取ってもよい。
【0386】
上述した実施形態において、第1処理ユニット7Aの第1吹出口105は、気体に加えて、純水を吐出してもよい。
【0387】
図42は、変形実施形態における第1処理ユニット141の構成を模式的に示す図である。なお、実施形態の第1処理ユニット7Aと同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0388】
変形実施形態における第1処理ユニット141は、純水供給部142を備える。純水供給部142は、第1吹出口105を通じて基板Wに純水を吐出する。
【0389】
純水供給部142は、配管143を備える。配管143は、第1吹出口105に純水を供給する。配管143は、第1端と第2端を有する。配管143の第1端は、純水供給源144に接続される。配管143の第2端は、第1吹出口105に接続される。
【0390】
第1処理ユニット141は、流量調整部145を備える。流量調整部145は、配管143に設けられる。流量調整部145は、純水供給部142が基板Wに供給する純水の流量を調整する。すなわち、流量調整部145は、第1吹出口105が吐出する純水の流量を調整する。流量調整部145は、制御部9によって制御される。
【0391】
第1吹出口105は、気体と純水を同時に出してもよい。あるいは、第1吹出口105は、気体を吹き出すことなく、純水を吐出してもよい。これによれば、第1吹出口105から吐出された純水が、基板Wの中央部における下面16に当たり、基板Wの中央部における下面16が下方に湾曲することを一層好適に防止できる。よって、基板Wが第1プレート101の上面102に接触することを一層好適に防止できる。
【0392】
基板Wに処理液を供給するとき(ステップS39)、第1吹出口105は、気体と純水を同時に出してもよい。あるいは、基板Wに処理液を供給するとき(ステップS39)、第1吹出口105は、気体を吹き出すことなく、純水を吐出してもよい。これによれば、処理液供給部121が処理液を基板Wに供給するとき、基板Wが第1プレート101の上面102に接触することを一層好適に防止できる。
【0393】
本変形実施形態では、第1プレート101の上面102と固定ピン103に支持される基板Wの下面16の間の空間を純水で満たさない(液密にしない)ことが好ましい。第1プレート101の上面102と固定ピン103に支持される基板Wの下面16の間の空間に気体を流し、固定ピン103に支持される基板Wに適切な吸引力を作用させるためである。
【0394】
上述した実施形態において、第1吹出口105は、気体に加えて、処理液を吐出してもよい。
【0395】
図43は、変形実施形態における第1処理ユニット151の構成を模式的に示す図である。なお、実施形態の第1処理ユニット7Aと同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0396】
処理液供給部121は、配管153を備える。配管153は、第1吹出口105に処理液を供給する。配管153は、第1端と第2端を有する。配管153の第1端は、処理液供給源154に接続される。配管153の第2端は、第1吹出口105に接続される。
【0397】
第1処理ユニット141は、流量調整部155を備える。流量調整部155は、配管153に設けられる。流量調整部155は、処理液供給部121が基板Wに供給する処理液の流量を調整する。すなわち、流量調整部155は、第1吹出口105が吐出する処理液の流量を調整する。流量調整部155は、制御部9によって制御される。
【0398】
基板Wに処理液を供給するとき(ステップS39)、第1吹出口105は、気体と純水を同時に出してもよい。これによれば、基板Wの下面16に処理液を供給できる。よって、基板Wの下面16を好適に処理できる。
【0399】
本変形実施形態では、第1プレート101の上面102と固定ピン103に支持される基板Wの下面16の間の空間を処理水で満たさない(液密にしない)ことが好ましい。固定ピン103に支持される基板Wに適切な吸引力を作用させるためである。
【0400】
上述した実施形態では、制御部9は、バーコードリーダ31の検出結果に基づいて、基板Wの形状を判定する。但し、これに限られない。4つの変形実施形態を以下に例示する。
【0401】
基板処理装置1は、基板Wに付される基板情報を読み取る基板情報検出部を備え、制御部9は、基板情報検出部の検出結果に基づいて、基板Wの形状を判定してもよい。ここで、基板Wに付される基板情報は、例えば、基板Wに印字される識別コードである。基板情報検出部は、例えば、リーダである。
【0402】
基板処理装置1は、基板Wを撮像する撮像部を備え、制御部9は、撮像部の検出結果に基づいて、基板Wの形状を判定してもよい。撮像部は、例えば、一次元イメージセンサや二次元イメージセンサである。
【0403】
制御部9は、基板処理装置1の外部機器から、基板Wの形状に関する情報を取得してもよい。基板処理装置1の外部機器は、例えば、ホストコンピュータである。制御部9が外部機器から情報を取得する前に、制御部9は、例えば、バーコードリーダ31の検出結果を外部機器に送信してもよい。制御部9が外部機器から情報を取得する前に、制御部9は、例えば、基板検出部38、89、127の検出結果を外部機器に送信してもよい。
【0404】
ここで、基板Wの形状に関する情報は、基板Wの形状を直接的に示す情報であってもよい。基板Wの形状を直接的に示す情報は、例えば、基板Wが第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3のいずれに属するかを直接的に示す情報である。制御部9が基板Wの形状を直接的に示す情報を取得した場合、制御部9は、基板Wの形状を判定するステップS2を行わない。基板Wが第1基板W1、第2基板W2および第3基板W3のいずれに属するかを直接的に示す情報であってもよい。基板Wの形状に関する情報は、基板Wの形状を間接的に示す情報であってもよい。制御部9が基板Wの形状を間接的に示す情報を取得した場合、制御部9は、基板Wの形状を間接的に示す情報に基づいて、基板Wの形状を判定するステップS2を行う。
【0405】
基板処理装置1は、基板の形状を関する情報を入力可能な入力部を備え、制御部9は、入力部に入力された情報を取得してもよい。入力部に入力される基板の形状を関する情報は、基板Wの形状を直接的に示す情報であってもよいし、基板Wの形状を間接的に示す情報であってもよい。
【0406】
上述した実施形態では、制御部9は、高さ位置HA、HBを決定するステップS11、挿入量KA、KBを決定するステップS12、および、移動速度VAおよび加速度AAを決定するステップS13を実行する。但し、これに限られない。例えば、ステップS11、S12、S13の少なくともいずれかを省略してもよい。例えば、制御部9は、ステップS11、S12、S13の少なくともいずれかを実行しなくてもよい。
【0407】
上述した実施形態では、制御部9は、高さ位置HCを決定するステップS21、挿入量KCを決定するステップS22、流量Mを決定するステップS23、処理ユニット7を決定するステップS24、および、移動速度VBおよび加速度ABを決定するステップS25を実行する。但し、これに限られない。例えば、ステップS21、S22、S23、S24、S25の少なくともいずれかを省略してもよい。例えば、制御部9は、ステップS21、S22、S23、S24、S25の少なくともいずれかを実行しなくてもよい。
【0408】
上述した実施形態では、搬送機構4、8の構造を例示した。但し、これに限られない。例えば、搬送機構4は、回転部34dおよび進退移動部34eに代えて、垂直移動部34cに支持され、かつ、ハンド33を支持する多関節アームを備えてもよい。例えば、搬送機構4は、レール34aおよび水平移動部34bを省略し、固定的に設置され、垂直移動部34cを支持する台または支柱を備えてもよい。例えば、搬送機構8は、回転部62cおよび進退移動部62dに代えて、垂直移動部62bに支持され、ハンド61を支持する多関節アームを備えてもよい。
【0409】
上述した実施形態では、処理ブロック5に設けられる搬送機構の数は1つである。ただし、これに限られない。処理ブロック5は、2つ以上の搬送機構を備えてもよい。例えば、複数の搬送機構を処理ブロック5の搬送スペース41に設置してもよい。例えば、複数の搬送機構は前後方向Xに並ぶように配置されてもよい。処理ブロック5における搬送機構の数に応じて、処理ユニット7の個数を増やしてもよい。前後方向Xに並ぶ処理ユニット7の数を、適宜に変更してもよい。
【0410】
上述した実施形態および各変形実施形態については、さらに各構成を他の変形実施形態の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0411】
1 … 基板処理装置
2 … インデクサ部
3 … キャリア載置部
4 … 搬送機構(第2搬送機構)
5 … 処理ブロック
6 … 載置部(第1位置、第2位置)
7 … 処理ユニット(第1位置、第2位置)
7A … 第1処理ユニット
7B … 第2処理ユニット
8 … 搬送機構(第1搬送機構)
9 … 制御部
11 … 基板本体
12 … 基板の周縁部
13 … 基板の主部
14 … 基板の凹部
15 … 保護プレート
16 … 基板の下面
17 … 基板の上面
18 … 基板の第1側部
19 … 基板の第2側部
20 … 基板の端縁
22 … 棚
23 … 第1棚
24 … 第2棚
31 … バーコードリーダ
33 … ハンド
34 … ハンド駆動部
35 … 連結部
36 … ロッド
37 … 接触部
38 … 基板検出部
45 … 棚
46 … 第1棚
47 … 第2棚
51 … 第1傾斜面
51T … 第1傾斜面の上端
51B … 第1傾斜面の下端
51M … 第1傾斜面の中間点
52 … 上傾斜面
53 … 下傾斜面
55 … 第2傾斜面
56 … 上傾斜面
57 … 下傾斜面
61 … ハンド
62 … ハンド駆動部
64 … 連結部
65 … ベース部
66 … 枝部
68 … 吸引部
69 … 吸引パッド
71 … 気体供給路
72 … 気体供給源
73 … 吸引調整部
74 … 接触部
75 … 第1接触部
76 … 第2接触部
77 … 壁部
78 … 第1壁部
79 … 第2壁部
80 … 第3壁部
81 … 受け部
82 … 第1受け部
83 … 第2受け部
86 … 受け部駆動部
87 … アクチュエータ
88 … 弾性部材
89 … 基板検出部
91 … 基板保持部
91A … 第1基板保持部
91B … 第2基板保持部
92 … 回転駆動部
92A … 第1回転駆動部
92B … 第2回転駆動部
93 … ガード
101 …第1プレート
102 … 上面
103 … 固定ピン(支持部)
104 … 気体吹出口
105 … 第1吹出口
106 … 第2吹出口
107 … 第1気体供給路
108 … 第2気体供給路
109 … 気体供給源
111 … 第1吹出調整部
112 … 第2吹出調整部
113 … 位置調整ピン(位置調整部)
114 … 軸部
116 … リフトピン(昇降部)
121 … 処理液供給部
122 … ノズル
123 … 配管
124 … 処理液供給源
125 … 流量調整部
127 … 基板検出部
131 … 第2プレート
132 … 上面
133 … 端縁接触ピン(端縁接触部)
134 … 小片部
135 … 下面接触ピン
136 … 軸部
141 … 第1処理ユニット
142 … 純水供給部
143 … 配管
144 … 純水供給源
145 … 流量調整部
151 … 第1処理ユニット
153 … 配管
154 … 処理液供給源
155 … 流量調整部
A1、A2、A3、A4、A5、A6 … 回転軸線
C … キャリア(第1位置、第2位置)
D … 基板の直径
D1 … 通常径基板の直径
D2 … 大径基板
E1 … 水平方向に並ぶ第1棚23と第2棚24の間隔
E2 … 水平方向に並ぶ第1棚46と第2棚47の間隔(水平方向における第1傾斜面と第2傾斜面の間隔)
ET … 水平方向における第1傾斜面の上端と第2傾斜面の上端の間隔
EB … 水平方向における第1傾斜面の下端と第2傾斜面の下端の間隔
EM … 水平方向における第1傾斜面の中間点と第2傾斜面の中間点の間隔
F1 … 第1方向
F2 … 第2方向
F3 … 第3方向
F4 … 第4方向
HA、HB、HC … 高さ位置
HA1、HB1、HC1 … 第1高さ位置
HA2、HB2、HC2 … 第2高さ位置
HA3、HB3、HC3 … 第3高さ位置
J … 基板の中心
KA、KB … 挿入量
KA1、KB1 … 第1挿入量
KA2、KB2 … 第2挿入量
L1 … 第2方向における2本のロッドの全体の長さ
L2 … 第1方向におけるロッドの長さ
L3 … 第2方向における1本のロッドの長さ
T1、T2、T3… 基板の主部の厚み
T4、T5、T6… 基板の周縁部の厚み
VA、VB … 移動速度
VA1、VB1 … 第1移動速度
VA2、VB2 … 第2移動速度
AA、AB … 加速度
AA1、AB1 … 第1加速度
AA2、AB2 … 第2加速度
M … 流量
M1 … 第1流量
M2 … 第2流量
M3 … 第3流量
W … 基板
W1 … 第1基板
W2 … 第2基板
W3 … 第3基板
WN … 通常径基板
WD … 大径基板
X … 前後方向
Y … 幅方向
Z … 上下方向
θ1 … 上傾斜面の角度
θ2 … 下傾斜面の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43