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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111016
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/10 20060101AFI20240808BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20240808BHJP
   B62D 25/12 20060101ALN20240808BHJP
【FI】
B62D25/10 K
B62D25/08 A
B62D25/12 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024094260
(22)【出願日】2024-06-11
(62)【分割の表示】P 2023001257の分割
【原出願日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今泉 大介
(72)【発明者】
【氏名】三浦 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】朝田 雅貴
(72)【発明者】
【氏名】西風 聖也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 学
(72)【発明者】
【氏名】鳥津 龍之
(57)【要約】
【課題】 従来の田植え機のような作業車両については、便利な機能を利用するときの使い勝手が必ずしもよくないことに本発明者は気付いた。
【解決手段】 車体の前側部へ設けられたエンジン(210)と、前記エンジン(210)を覆うエンジンフードと、前記車体へ立設された複数のアンテナステー部材(800)と、を備えており、前記エンジンフードは、回動構造を利用することにより、開閉可能であり、前記回動構造は、前開き回動構造であり、前記前開き回動構造を利用することにより、前記エンジンフードを上方へ向かって開けられ、前記エンジンフードは、前記車体正面視において前記複数のアンテナステー部材(800)の間に配置されており、前記エンジンフードを上方へ向かって開けられるとき、前記複数のアンテナステー部材(800)に前記エンジンフードが当接することを特徴とする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(100)の前側部へ設けられたエンジン(210)と、
前記エンジン(210)を覆うエンジンフードと、
前記車体(100)へ立設された複数のアンテナステー部材(800)と、
を備えており、
前記エンジンフードは、回動構造を利用することにより、開閉可能であり、
前記回動構造は、前開き回動構造であり、
前記前開き回動構造を利用することにより、前記エンジンフードを上方へ向かって開けられ、
前記エンジンフードは、前記車体正面視において前記複数のアンテナステー部材(800)の間に配置されており、
前記エンジンフードを上方へ向かって開けられるとき、前記複数のアンテナステー部材(800)に前記エンジンフードが当接することを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記エンジンフードは、上側フード部(310)、前側フード部(320)、左側フード部(330)および右側フード部(340)を有し、
前記上側フード部(310)は、上側フード部前部(311)および上側フード部後部(312)を有し、
前記上側フード部前部(311)は、回動構造を利用することにより、前記上側フード部後部(312)に対して開閉可能であり、
前記上側フード部前部(311)の前記回動構造は、前開き回動構造であり、
前記上側フード部前部(311)は、前記前開き回動構造を利用することにより、前記上側フード部後部(312)に対して上方へ向かって開けられることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
エアクリーナー吸気ホース(610)を有する、前記エンジンフードにより覆われたエアクリーナー装置(600)を備えており、
遮熱板(910)が、前記エンジン(210)と運転操作パネル(920)との間に設けられており、
前記エアクリーナー吸気ホース(610)のエアクリーナー吸気口は、前記運転操作パネル(920)に設けられた主変速レバーガイド溝(921)の近傍に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
ラジエーター本体(510)、ラジエーターファン(520)およびラジエーターファンシュラウド(530)を有する、前記エンジン(210)の左側または右側へ立設されたラジエーター装置(500)を備えており、
前記ラジエーターファン(520)の前端側および上端側は、前記ラジエーター本体(510)と車体側面視において重ならないように飛出しており、
前記ラジエーターファンシュラウド(530)の壁部は、前記ラジエーターファン(520)の前記前端側および前記上端側と前記車体側面視において重ならないように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植え機のような作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
田植え機のような作業車両が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-079040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本発明者は、作業車両ユーザーのさまざまなニーズを考慮し、便利な機能がかくの如き作業車両へつぎつぎと実装される趨勢はますます加速すると考えている。
【0005】
しかしながら、上述された従来の田植え機のような作業車両については、便利な機能を利用するときの使い勝手が必ずしもよくないことに本発明者は気付いた。
【0006】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、使い勝手を向上することができる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、車体(100)の前側部へ設けられたエンジン(210)と、
前記エンジン(210)を覆うエンジンフードと、
前記車体(100)へ立設された複数のアンテナステー部材(800)と、
を備えており、
前記エンジンフードは、回動構造を利用することにより、開閉可能であり、
前記回動構造は、前開き回動構造であり、
前記前開き回動構造を利用することにより、前記エンジンフードを上方へ向かって開けられ、
前記エンジンフードは、前記車体正面視において前記複数のアンテナステー部材(800)の間に配置されており、
前記エンジンフードを上方へ向かって開けられるとき、前記複数のアンテナステー部材(800)に前記エンジンフードが当接することを特徴とする作業車両である。
【0008】
第2の本発明は、前記エンジンフードは、上側フード部(310)、前側フード部(320)、左側フード部(330)および右側フード部(340)を有し、
前記上側フード部(310)は、上側フード部前部(311)および上側フード部後部(312)を有し、
前記上側フード部前部(311)は、回動構造を利用することにより、前記上側フード部後部(312)に対して開閉可能であり、
前記上側フード部前部(311)の前記回動構造は、前開き回動構造であり、
前記上側フード部前部(311)は、前記前開き回動構造を利用することにより、前記上側フード部後部(312)に対して上方へ向かって開けられることを特徴とする請求項1に記載の作業車両である。
【0009】
第3の本発明は、エアクリーナー吸気ホース(610)を有する、前記エンジンフードにより覆われたエアクリーナー装置(600)を備えており、
遮熱板(910)が、前記エンジン(210)と運転操作パネル(920)との間に設けられており、
前記エアクリーナー吸気ホース(610)のエアクリーナー吸気口は、前記運転操作パネル(920)に設けられた主変速レバーガイド溝(921)の近傍に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の作業車両である。
【0010】
第4の本発明は、ラジエーター本体(510)、ラジエーターファン(520)およびラジエーターファンシュラウド(530)を有する、前記エンジン(210)の左側または右側へ立設されたラジエーター装置(500)を備えており、
前記ラジエーターファン(520)の前端側および上端側は、前記ラジエーター本体(510)と車体側面視において重ならないように飛出しており、
前記ラジエーターファンシュラウド(530)の壁部は、前記ラジエーターファン(520)の前記前端側および前記上端側と前記車体側面視において重ならないように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の作業車両である。
【発明の効果】
【0011】
第1の本発明により、使い勝手を向上することが可能である。
【0012】
第2の本発明により、第1の本発明の効果に加えて、使い勝手をさらに向上することが可能である。
【0013】
第3の本発明により、第2の本発明の効果に加えて、利便性を向上することが可能である。
【0014】
第4の本発明により、第3の本発明の効果に加えて、構成を簡素化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明における実施の形態の田植え機の左側面図
図2】(a)本発明における実施の形態の田植え機のフロントエンジンボンネット開閉構成の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のフロントエンジンボンネット開閉構成の説明図(その二)
図3】(a)本発明における実施の形態の田植え機のフロントエンジンフード左右部分取付構成の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のフロントエンジンフード左右部分取付構成の説明図(その二)、(c)本発明における実施の形態の田植え機のフロントエンジンフード左右部分取付構成の説明図(その三)
図4】本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その一)
図5】(a)本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その二)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その三)、(c)本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その四)
図6】(a)本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その五)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その六)、(c)本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その七)
図7】本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気構成の説明図
図8】(a)本発明における実施の形態の田植え機の直進アンテナステーによるフード開き側ストッパーの説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の直進アンテナステーによるフード開き側ストッパーの説明図(その二)
図9】(a)本発明における実施の形態の田植え機のフード開閉部の合わせの説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のフード開閉部の合わせの説明図(その二)、(c)本発明における実施の形態の田植え機のフード開閉部の合わせの説明図(その三)
図10】(a)本発明における実施の形態の田植え機の斜め配置エアクリーナーによる風の分散の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の斜め配置エアクリーナーによる風の分散の説明図(その二)
図11】(a)本発明における実施の形態の田植え機の風の妨げにならないリザーブタンク配置の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の風の妨げにならないリザーブタンク配置の説明図(その二)
図12】(a)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その二)、(c)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その三)
図13】(a)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その四)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その五)、(c)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その六)
図14】(a)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第二のエアクリーナー構成の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第二のエアクリーナー構成の説明図(その二)
図15】本発明における実施の形態の田植え機のオイルパンガード取付構成及びカバー付加効果の説明図(その一)
図16】(a)本発明における実施の形態の田植え機のオイルパンガード取付構成及びカバー付加効果の説明図(その二)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のオイルパンガード取付構成及びカバー付加効果の説明図(その三)、(c)本発明における実施の形態の田植え機のオイルパンガード取付構成及びカバー付加効果の説明図(その四)
図17】(a)本発明における実施の形態の田植え機のロボット田植機フロントエンジンの伝動構成の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のロボット田植機フロントエンジンの伝動構成の説明図(その二)
図18】(a)本発明における実施の形態の田植え機のロボット田植機フロントエンジンの排熱利用の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機のロボット田植機フロントエンジンの排熱利用の説明図(その二)
図19】本発明における実施の形態の田植え機の10条ローターの折りたたみジョイント部構成の説明図(その一)
図20】本発明における実施の形態の田植え機の10条ローターの折りたたみジョイント部構成の説明図(その二)
図21】本発明における実施の形態の田植え機の10条植付フレームの折りたたみ安全装置スイッチ配置の説明図
図22】(a)本発明における実施の形態の田植え機の施肥ダクト吸入ホース配置の説明図(その一)、(b)本発明における実施の形態の田植え機の施肥ダクト吸入ホース配置の説明図(その二)、(c)本発明における実施の形態の田植え機の施肥ダクト吸入ホース配置の説明図(その三)
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあり、透視的にまたは省略的に示されていることもある。
【0018】
(1)はじめに、図1を主として参照しながら、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作について具体的に説明する。
【0019】
ここに、図1は、本発明における実施の形態の田植え機の左側面図である。
【0020】
本実施の形態の田植え機の動作について説明しながら、コントローラーなどにより実現される、本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法についても説明する。
【0021】
本実施の形態の田植え機は、操舵装置230における手動操縦操作または自動操縦操作に基づいたコントローラーの制御に応じて、左右一対の前輪221および後輪222を有する走行装置220で車体100を走行させながら、ローター261およびフロート262を有する整地装置260により圃場の整地を行って苗植付け具241を有する苗植付け装置240により圃場への苗植付けを行うとともに施肥装置250により圃場への施肥を行うための田植え機である。
【0022】
走行装置220ならびに苗植付け装置240、施肥装置250および整地装置260は、HSTを利用する主変速装置および副変速装置を有する変速機構を介して伝達されるエンジン210の動力などにより駆動される。
【0023】
本実施の形態の田植え機は、本発明における作業車両の具体的な例である。
【0024】
(2)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてより具体的に説明する。
【0025】
本発明における実施の形態の田植え機のフロントエンジンボンネット開閉構成の説明図(その一および二)である図2(a)および2(b)において示されているように、キャップを有するラジエーター装置500、エアクリーナー装置600、ヒューズボックス1001、キャップを有するエンジン冷却水リザーブタンク540、エンジンオイルタンク1002、および上方から手を挿入することにより操作されるオイルレベルゲージ1003が配置されている。
【0026】
車体100の前側部へ設けられたエンジン210を覆うエンジンフード300は、上側フード部310、前側フード部320、左側フード部330および右側フード部340を有する。上側フード部310は、上側フード部前部311および上側フード部後部312を有する。上側フード部前部311は、回動構造を利用することにより、上側フード部後部312に対して開閉可能である。
【0027】
上側フード部前部311の回動構造は、前開き回動構造である。上側フード部前部311は、前開き回動構造を利用することにより、上側フード部後部312に対して上方へ向かって開けられる。
【0028】
フロントエンジン仕様ボンネットであるエンジンフード300において、上面前方半分部分のみ、その部分の後端近傍を支点に45度程度回動開閉可能に構成する。この部分を開いた際には、エンジン関連部である、エアクリーナー装置600、ヒューズボックス1001、ラジエーター装置500のキャップ、エンジン冷却水リザーブタンク540のキャップ、エンジンオイルタンク1002、オイルレベルゲージ1003が確認可能な配置にする。この部分を開くのみでエンジン関連の日常点検が全て可能となり、工具レスで簡単に作業出来る構成となる。直進アンテナステーであるアンテナステー部材800をボンネット範囲内に配置していても、その間の狭い範囲での構成が可能である。
【0029】
このように、車体100の前側部へ設けられたエンジン210、エンジン210を覆うエンジンフード300を利用し、上側フード部310、前側フード部320、左側フード部330および右側フード部340の一部は車体100から取り外し可能であり、上側フード部310の前方の上面一部は開閉可能である態様が考えられる。この部分を開くのみでエンジン関連の日常点検が全て可能となり、工具レスで簡単に作業出来る構成となる。直進アンテナステーであるアンテナステー部材800をボンネットとも呼ばれるエンジンフード300の範囲内に配置していても、その間の狭い範囲での構成が可能である。
【0030】
本発明における実施の形態の田植え機のフロントエンジンフード左右部分取付構成の説明図(その一から三)である図3(a)から3(c)において示されているように、ノブボルト1004による1カ所固定が行われるとともに、左側フード部330および右側フード部340のコラム1005の一部分への引っ掛けによる固定が行われる。左側フード部330および右側フード部340を前方にスライドさせて取り外すことができるように、2カ所の下部凸形状としてフロントステップ凸部1006が配置されており、フロントステップ側にも対応して設けられた凸部にフロントステップ凸部1006を挟むことにより、外方向への望ましくないフード部広がりを抑制するための押さえ込みが行われる。
【0031】
より具体的には、エンジンフード左右部分である左側フード部330および右側フード部340の本機固定は、つぎのように行われる。すなわち、左側フード部330および右側フード部340の後方上部に設けられた長孔形状の溝をコラム1005に前方から差し込んで引っ掛けるように固定する。左側フード部330および右側フード部340の前方上部は、ノブボルト1004にてフード内側から固定する。左側フード部330および右側フード部340の下方前後には凸形状を設け、フロントステップに設けた凸部により外側に広がらないようにする。フード上面前方部の上側フード部前部311を開いた後、フックで固定しているフード前面の前側フード部320を外し、左側フード部330および右側フード部340をその後に内側からノブボルト1004を1カ所外すのみで前方にスライドさせて外す。これにより、エンジンフード左右部分の左側フード部330および右側フード部340を工具レスで簡単に取り外し可能に構成出来るようになるので、車体左側についてはフライホイール巻上げに起因する泥の汚れ除去などを容易に行うことが出来るようになり、車体右側についてはラジエータフィン部清掃を実作業時に容易に行うことが出来るようになる。また、本機側フード左右部分の取付位置がバラついても、位置決めの箇所はノブボルト1004によるノブボルト部1カ所のみであり、部材を容易に合わせて組み付けることが可能になる。
【0032】
このように、エンジンフード300の後端近傍の支点で上面一部の上側フード部前部311は上側フード部後部312に対して開閉し、一部が車体100から取り外し可能な少なくとも左右のフード部分である、左側フード部330および右側フード部340は、コラム1005のようなステアリングコラム側に固定できる固定部を備え、前方にスライドさせて外す態様が考えられる。
【0033】
本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その一)である図4において示されているように、つぎの説明に関する当該箇所は点線の楕円で囲まれている。
【0034】
ラジエーター装置500は、ラジエーター本体510、ラジエーターファン520およびラジエーターファンシュラウド530を有する、エンジン210の左側または右側へ立設された装置である。ラジエーターファン520の前端側および上端側は、ラジエーター本体510と車体側面視において重ならないように飛出している。ラジエーターファンシュラウド530の壁部は、ラジエーターファン520の前端側および上端側と車体側面視において重ならないように構成されている。
【0035】
ラジエーター装置500の配置に対し、冷却ファンであるラジエーターファン520をラジエーター本体510の前方及び上方にはみ出すように配置し、ラジエーターファン520がはみ出しているラジエーターファンシュラウド530のシュラウド部には壁を設けずに、そこからも空気を吸い込むようにする。ラジエーター本体510の前方及び上方においては、ラジエーターファンシュラウド530と外装との間には隙間があるものとする。ラジエーターファンシュラウド530と外装との間に隙間があると、何の工夫もなければ、エンジン側の熱気がこの隙間からラジエーター装置500の吸気側に回り込んでしまうことが懸念されるが、ラジエーターファン520をオフセットさせて、ラジエーター装置500の外側にも外気からエンジン210への空気の流れを作ることで、この回り込もうとする熱気をその流れによって再度エンジン側に戻すことが出来、周りに隙間があってもラジエーター装置500の吸気側に熱気を回り込ませない構成にすることが出来る。ラジエーターファンシュラウド530と外装の隙間を埋める高価で難しい構成を設けなくても、効率のよい冷却構成が可能となり、安価で容易な構成となる。
【0036】
本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その二から四)である図5(a)から5(c)において示されているように、エンジシ側の熱気がラジエーターファンシュラウド530と外装との隙間を通りラジエーター吸気側へ回り込むのを、シュラウド上方開口部を通る空気の流れにまき込み、再度エンジン側に戻す空気の流れである風W1、外気がラジエーター装置500のラジエータフィン部を通過せずに、シュラウド上方開口部を通過しエンジン上方へ流れる空気の流れである風W2、および外気がラジエータフィン部を通過し、エンジン210に当たり、エンジン前後上下に流れる空気の流れである風W3が存在する。部屋を分けない効率の良いエンジン冷却構成においては、ラジエーター配置に対し、冷却ファンであるラジエーターファン520の配置を前方及び上方にはみ出すように配置し、そしてさらに、ラジエーターファン520のはみ出しているラジエーターファンシュラウド530のシュラウド部には壁を設けずに、そこからも空気を吸い込むようにする。ラジエーターファンシュラウド530と外装との隙間は埋める必要は無い。ラジエーター後方にはラジエーターファンシュラウド530のシュラウド部には壁を設けずに、そこからも空気を吸い込むようにする。ラジエーターファンシュラウド530からつながる壁を設ける。そして、ラジエーターファンシュラウド530と外装との隙間はトラクターや田植機ではしばしば密封され、エンジン側とラジエーター吸気側の部屋を分け、エンジン側の熱気がラジエーター吸気側に回り込まないようにしているが、この隙間の部分は密封しない。
【0037】
ラジエーターファンシュラウド530のシュラウドフラット部530fとラジエーター装置500の筐体外壁との間には空隙が設けられており、両者は密着していないことが望ましい。つまり、このような空隙を通過して白い矢印で示された向きに吸込まれる空気の流れは存在しており、ラジエーターファンシュラウド530がはみ出すことなく覆っているラジエーター本体510のコーナー部分における排熱も問題なく促される。
【0038】
本発明における実施の形態の田植え機のラジエーター冷却シュラウド構成の説明図(その五から七)である図6(a)から6(c)において示されているように、ラジエーターファンシュラウド530は、汎用の構成と類似した構成のユニットであるが、ラジエータフィン部を覆うように設けられている。ラジエーターファンシュラウド530が設けられない構成も考えられるが、ラジエーター本体510の後方部および下方部を覆うことにより得られる、上述された如き効果が期待される。
【0039】
このように、ラジエーター装置500のラジエーター配置に対し、冷却ファンであるラジエーターファン520をラジエーター本体510の前方及び上方にはみ出すように配置し、ラジエーターファン520がはみ出しているラジエーターファンシュラウド530のシュラウド部には壁を設けないで、空気を吸い込むようにし、ラジエーター本体510の前方及び上方においては、ラジエーターファンシュラウド530と外装との間には隙間がある態様が考えられる。
【0040】
本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気構成の説明図である図7において示されているように、エアクリーナー吸気ホース610の吸気口、主変速レバーガイド孔とも呼ばれる主変速レバーガイド溝921、および遮熱板910が配置されている。
【0041】
エアクリーナー装置600は、エアクリーナー吸気ホース610を有する、エンジンフード300により覆われた装置である。遮熱板910が、エンジン210と運転操作パネル920との間に設けられている。エアクリーナー吸気ホース610のエアクリーナー吸気口は、運転操作パネル920に設けられた主変速レバーガイド溝921の近傍に配置されている。
【0042】
エンジン210の上部に配置されたエアクリーナー装置600のエアクリーナーより伸びるエアクリーナー吸気ホース610をエンジン後方側に設けた遮熱板910をまたいで配索し、運転操作パネル920の下方に設けられたエアクリーナー吸気ホース610の先端の吸気口を運転操作パネル920の主変速レバーガイド溝921近傍に配置する。エアクリーナー吸気ホース610の先端を遮熱板910の後方に設けることで、ボンネット内でも温度の高いエンジン側ではなく、たとえば、少し温度の低いコラム1005の側から吸気することが出来、エンジン性能に影響する吸気温を下げることが出来る。また、エアクリーナー吸気ホース610の吸気口を運転操作パネル920の開口部である主変速レバーガイド溝921近傍に設けることで、そこから外気を吸い込みやすくなり、さらに吸気温を下げることが出来る構成となる。エアクリーナー吸気ホース610の吸気口を主変速レバーガイド溝921近傍に配置することで、主変速レバーガイド溝921の溝部では外から中への空気の流れを生み出すことが出来、中の熱気が外の主変速レバーを握るオペレーターの手の周辺に出なくなり、作業中の熱気による不快感を防ぐことが出来る。
【0043】
このように、エンジン210の上部に配置されたエアクリーナー装置600のエアクリーナーより伸びるエアクリーナー吸気ホース610をエンジン後方側に設けた遮熱板910をまたいで配索し、運転操作パネル920の下方に設けられたエアクリーナー吸気ホース610の先端の吸気口を運転操作パネル920の主変速レバーガイド溝921近傍に配置する態様が考えられる。
【0044】
本発明における実施の形態の田植え機の直進アンテナステーによるフード開き側ストッパーの説明図(その一および二)である図8(a)および8(b)において示されているように、回動開閉する上側フード部前部311の溝、およびハの字に構成された直進アンテナステーであるアンテナステー部材800が配置されている。
【0045】
二本のアンテナステー部材800は、車体正面視においてハの字形状に並んで車体100へ立設された部材である。上側フード部前部311は、車体正面視において二本のアンテナステー部材800の間に配置されており、上側フード部後部312に対して上方へ向かって開けられるとき、二本のアンテナステー部材800に対して当接して止まる。
【0046】
フロントエンジンであるエンジン210の上部に配置されたフード上面前方部である上側フード部前部311が回動開閉する構成において、上側フード部前部311は2本の上に伸びるアンテナステー部材800の間で動く。2本のアンテナステー部材800は上に行くほど間隔が狭まるようにハの字に構成し、回動する上側フード部前部311にはアンテナステー部材800のような直進アンテナステー部を避ける溝を設ける。上側フード部前部311を開いていった際に、ある程度の角度で最初に上側フード部前部311を避けるために設けた溝部内側側面がハの字に狭まっていくアンテナステー部材800の間に挟まり、それ以上開かずに止まるように構成する。ハの字のアンテナステー部材800をフード開き側の限度となるストッパーにすることで、フード開きすぎに起因する他の箇所の破損を防止する。そして、フード内側側面に厚めの柔らかいゴムやスポンジなどを設けておけば、上側フード部前部311が開いて挟まった際にその部分が押しつぶされるので、これらの摩擦力や反発力により上側フード部前部311を開いた位置で保持し固定することが出来る構成も考えられる。
【0047】
このように、フロントエンジンであるエンジン210の上部に配置されたフード上面前方部である上側フード部前部311が回動開閉する構成において、上側フード部前部311は2本の上に伸びるアンテナステー部材800の間で動き、2本のアンテナステー部材800は上に行くほど間隔が狭まるようにハの字に構成し、回動する上側フード部前部311にはアンテナステー部材800のような直進アンテナステー部を避ける溝を設けることにより、上側フード部前部311を開いていった際に、ある程度の角度で最初に上側フード部前部311の直進アンテナステー干渉を回避するために設けた溝部内側側面がハの字に狭まっていくアンテナステー部材800の間に挟まり、それ以上開かずに止まるように構成する態様が考えられる。
【0048】
本発明における実施の形態の田植え機のフード開閉部の合わせの説明図(その一から三)である図9(a)から9(c)において示されているように、アッパフロントフードとして機能する上側フード部前部311がロワーフードである前側フード部320に前からかぶさるように合わさると、前後がずれやすく、上側フード部前部311が左手側および右手側のフードである左側フード部330および右側フード部340の上に重なるように合わさると、上下がずれやすい。上側フード部前部311を固定するために、三箇所に設けられた前後方向の長孔を有する長孔構造440により、フード前後位置を調節可能に構成する。ランプとフードをランプおよびフードのためのステーに固定し、これらを一体で回動させる部材を設けることにより、板部材430の上側プレートおよび下側プレートの内、マグネット固定部1007のマグネットにくっつく相手の下側プレートを二箇所に設けられた上下方向の長孔を利用して上下方向において調節可能に構成する。
【0049】
二本の湾曲アーム部材410は、車体100の左側および右側へそれぞれ設けられた部材である。馬蹄部材420は、上側フード部前部311が取付けられている部材である。板部材430は、車体100と脱着可能に係止する、馬蹄部材420の底部へ突設された部材である。閉じられた場合の上側フード部前部311の位置は、板部材430の長さを変更することにより、車体100を基準として上下方向において調節可能である。二本の湾曲アーム部材410の長手方向は、車体前後方向である。二本の湾曲アーム部材410の後端部は、車体100へ回動可能にそれぞれ取付けられている。馬蹄部材420の両方の端部は、二本の湾曲アーム部材410の前端部へそれぞれ取付けられている。閉じられた場合の上側フード部前部311の位置は、上側フード部前部311を馬蹄部材420へ取付けるための長孔構造440を利用することにより、車体100を基準として車体前後方向において調節可能である。
【0050】
フード上面前方部フードとも呼ばれるアッパフロントフードとして機能する上側フード部前部311が回動開閉する構成において、閉じている上側フード部前部311は、フード前面部フードとも呼ばれるロワーフードである前側フード部320に前からかぶさるように合わさるとともに、フード左右面部フードである左側フード部330および右側フード部340の上に重なるように合わさる。ここで、上側フード部前部311は、フード等を回動させるランプおよびフードの部材ステーに固定するための前後方向の長孔を有する長孔構造440により、フード前後位置をステーに対し調節可能に構成する。そして、ランプおよびフードのステー前方部に設けたマグネット固定部1007のマグネットにくっつく相手のプレートを上下方向において調節可能に構成する。上側フード部前部311の前後位置を単独で調節可能にすることで、前側フード部320との前後位置を合わせることが出来るようになる。また、マグネット固定部1007のマグネット固定プレートを上下方向において調節可能にすることで、閉じられた上側フード部前部311の上下位置を調節することが出来るようになり、左側フード部330および右側フード部340との重なる隙間を合わせることが出来るようになる。これらにより、回動可能なフードを閉じた際の合わせをそろえることが可能になり、見栄えが良くなる。
【0051】
このように、閉じている上側フード部前部311はフード前面部ロワーフードである前側フード部320に前からかぶさるようにし、左手側および右手側のフード左右面部フードである左側フード部330および右側フード部340の上に重なるように合わさり、アッパフロントフードとして機能する上側フード部前部311は、フード等を回動させるランプおよびフードの部材ステーに固定するための前後方向の長孔を有する長孔構造440により、フード前後位置を上述された部材ステーに対し調節可能に構成し、ランプおよびフードのステー前方部に設けたマグネット固定部1007のマグネットにくっつく相手のプレートを上下方向において調節可能に構成する態様が考えられる。
【0052】
本発明における実施の形態の田植え機の斜め配置エアクリーナーによる風の分散の説明図(その一および二)である図10(a)および10(b)において示されているように、エアクリーナー装置600およびヒューズボックス1001が配置されている。矢印で示された風の流れが存在し、右から左へ流れる熱風がエアクリーナー装置600のエアクリーナーに当たっても、前後に斜めに風を分散させてスムーズに熱気を流す。
【0053】
フロントエンジン上方にて右から左への熱風の流れがある中で、エアクリーナー装置600のエアクリーナーを斜めに配置し、ヒューズボックス1001をエアクリーナー左側に並べて配置する。エアクリーナー装置600を斜めに配置することで、右から左へ流れる熱風がエアクリーナー装置600に当たっても、前後に斜めに風を分散させ、そこに熱気を留まらせることのないスムーズな空気の流れを作ることが出来、ボンネット内のエンジンルームの冷却効率が向上する。また、ヒューズボックス1001をエアクリーナー装置600の影となるエアクリーナー左側に並べて配置することで、エアクリーナー装置600が熱風を前後に分散させてヒューズボックス1001に直接熱風が当たらなくなり、電装品を保護する役割も果たす。さらに、エアクリーナー装置600を斜めに配置することで、ボンネット前方左右に斜めに設けられるヘッドライトの間に収まるように出来る限り前方にエアクリーナー装置600を配置することが出来、下方のエンジンオイル給油口の真上にエアクリーナー装置600を配置しなくて済むため、メンテナンス性が向上する。
【0054】
本発明における実施の形態の田植え機の風の妨げにならないリザーブタンク配置の説明図(その一および二)である図11(a)および11(b)において示されているように、エンジン冷却水リザーブタンク540が配置されている。矢印で示された風の流れが存在し、エンジン冷却水リザーブタンク540の目盛りがエンジンフード300のネット部301より外から見える。
【0055】
エンジンフード300には、エンジンフード300により覆われたエンジン冷却水リザーブタンク540の冷却水目盛り視認のためのネット部301が設けられている。
【0056】
フロントエンジン上方及び前後にて右から左への熱風の流れがある中で、エンジン冷却水リザーブタンク540をエンジン210の左側方に配置する。そして、エンジン左側方及びそこに配置したエンジン冷却水リザーブタンク540の左側方はネット部301になるように構成する。右から左へ流れる風は、エンジン210に当たったところでエンジン210の前後及び上方に分散し流れていく。そのため、エンジン210の左側方には風の流れが無いことより、エンジン冷却水リザーブタンク540をエンジン210の左側方に配置することで面積のあるエンジン冷却水リザーブタンク540が熱風の流れを妨げない配置となり、ボンネット内のエンジンルームの冷却効率が向上する。また、そこに配置したエンジン冷却水リザーブタンク540の左側方がネット部301のネットとなっていて外から中がある程度見えれば、エンジン冷却水リザーブタンク540の目盛りがそこから見え、常に冷却水の量を確認することが出来るようにもなり、メンテナンス性も向上する。
【0057】
このように、フロントエンジンであるエンジン210の上方にて右から左への熱風の流れを形成し、エアクリーナー装置600を斜めに配置し、電装品ヒューズボックスであるヒューズボックス1001をエアクリーナー左側に並べて配置し、エンジン冷却水リザーブタンク540をエンジン210の左側方に配置し、エンジン210の左側方及びエンジン冷却水リザーブタンク540の左側方はエンジンフード300のネット部301になるように構成する態様が考えられる。
【0058】
エアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成について説明する。
【0059】
エアクリーナー吸気温度が高くてエンジン出力低下が惹起されやすいにもかかわらず、フロントエンジン田植機だと居住性を良くするためエンジンルームをコンパクトにすることが求められるため、エンジンルーム内が高熱となることがあり、吸気温度を下げることがしばしば難しい。
【0060】
本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その一および二)である図12(a)および12(b)において示されているように、外装スリット部としてのスリット部302、および当該箇所が点線の楕円で囲まれている電動ファンを利用するファン装置700が配置されている。
【0061】
エンジンフード300には、エンジンフード300により覆われたファン装置700の吸気または排気のためのスリット部302が設けられている。ファン装置700の少なくとも一部は、スリット部302と車体正面視において重なっている。
【0062】
エンジンルーム外装部には外気を吸入または排出するために複数のスリットを有するスリット部302が設けられており、正面視でファン装置700の電動ファンがスリットの一部とラップするように配置されたフロントエンジン構成が考えられる。エンジンルームの高熱を効率よくエンジンルーム外に吸入または排出する効果が期待される。
【0063】
本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その三)である図12(c)において示されているように、仕切り板としての遮熱板910、およびファン装置700の電動ファンが配置されている。第一のパターンの電動ファン吸気方向は、矢印で示されている。
【0064】
エンジンルームとコラム1005の間に仕切り板としての遮熱板910を設け、上述された電動ファンは仕切り板に支持させる。第一のパターンの電動ファンの吸気または排出方向は図12(c)において示されている通りとする。この構成により、コラム側の主変速レバーガイド溝921のようなレバーのガイド溝より外気を吸入することでコラム側の空間を更に低温に保つ効果が期待できる。そして、エンジンルームの熱はスリット部302の外装スリットより外に逃がす効果がある。
【0065】
本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その四)である図13(a)において示されているように、仕切り板としての遮熱板910、ファン装置700の電動ファン、およびエアクリーナー吸気ホース610が配置されている。
【0066】
エアクリーナー吸気ホース610は遮熱板910に設けた孔を貫通させ、吸気口をコラム1005の側に配置する。上述された電動ファン構成によりエアクリーナー吸気温度を低くすることができる。
【0067】
本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第一のエアクリーナー構成の説明図(その五および六)である図13(b)および13(c)において示されているように、HSTレバーガイド溝としての主変速レバーガイド溝921が配置されている。そのような配置は、遮熱板910より飛び出るように行われている。
【0068】
エアクリーナー吸気ホース610のエアクリーナー吸気口は主変速レバーガイド溝921近傍に配置する。エンジンルームからコラムルームに回り込んだ熱風を吸う量を減らす効果が期待できる。ファン装置700の電動ファンにより吸入力もアップさせる。
【0069】
ファン装置700の電動ファンの吸気または排出向きは逆方向でも良い。この場合、外装に設けたスリット部302のスリットより吸気し、主変速レバーガイド溝921より排出する第二のパターンの電動ファンの吸気または排出方向が採用される。有人監視のロボット田植機等は、主変速レバーガイド溝921より熱風が出ても問題がないため、エンジンルーム熱風の排出効率向上が期待できる。
【0070】
上述された電動ファンは正逆転機構を有するものでも良い。
【0071】
寒冷地のエンジン始動時等は電動ファンが一時回らない制御が入っていても良い。始動時のエンジン性能を向上させる。
【0072】
エアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第二のエアクリーナー構成について説明する。
【0073】
本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第二のエアクリーナー構成の説明図(その一)である図14(a)において示されているように、エンジンフード300の外装、ラジエーター装置500のラジエーター、ラジエーターファンシュラウド530、エアクリーナー吸気ホース610、および仕切り板としての遮熱板910が配置されている。
【0074】
エアクリーナー吸気ホース610のようなエアクリーナーホースを遮熱板910に設けた孔を貫通させ、さらにラジエーターファンシュラウド530に設けた孔を貫通させ、吸気口をラジエーター装置500のラジエーター背面に配置する。たとえば、外装に組み付けたネット部301のネットより外気を吸うため吸気温度を下げることができる。エアクリーナー吸気ホース610のようなエンジンルーム内のエアクリーナーホースを短く取ることでホースが熱風にさらされる距離を短くすることで、吸気温度を低減する効果が期待できる。
【0075】
本発明における実施の形態の田植え機のエアクリーナー吸気温度低減に関するフロントエンジンの第二のエアクリーナー構成の説明図(その二)である図14(b)において示されているように、エアクリーナー吸気ホース610のエアクリーナー吸気口が配置されている。当該箇所が二つの四角形で覆われている外装の部分の高さを高くする。
【0076】
図14(b)において示された外装高さのみ高くする。走行風が、効率よくエアクリーナー吸気口より吸入される。
【0077】
このように、エンジン210のエンジンルーム外装部に外気を吸入または排出するために複数のスリットを有するスリット部302を設け、電動ファンであるファン装置700がスリット部302のスリットの一部と正面視でラップするように配置し、エンジンルームとコラム1005の間に設けられた仕切り板としての遮熱板910にファン装置700を支持させることにより、主変速レバーガイド溝921のようなコラム側レバーガイド溝より外気を吸入する態様が考えられる。
【0078】
(3)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
【0079】
オイルパンガード取付構成及びカバー付加効果について説明する。
【0080】
本発明における実施の形態の田植え機のオイルパンガード取付構成及びカバー付加効果の説明図(その一)である図15において示されているように、クランクプーリカバー2002、オイルパンガード2003、および下側のフライホイールカバー2004が配置されている。機体底面図において、フロント側と反対側であるリア側、および左手側は矢印で示されている。オイルパンガード2003は、丸印で示された四つの箇所でマウントゴムプレート2001に組み付ける。
【0081】
オイルパンガード2003をメインフレームのマウントゴムプレート2001に組付ける。メインフレームに組み付けることにより、マフラーの振動の影響を受けにくく、カバー類が揺れにくい、ビビりを少なくする構成とした。したがって、カバー類の厚みを過度に厚くすることがなく、軽量化を図る。また、オイルパンガード2003にものをぶつけた際も、エンジン210を損傷する恐れがない。
【0082】
本発明における実施の形態の田植え機のオイルパンガード取付構成及びカバー付加効果の説明図(その二から四)である図16(a)から16(c)において示されているように、オイルパン2005およびエンジンファン2006が配置されている。エンジンファン2006の風の向きは、矢印で示されている。
【0083】
クランクプーリカバー2002はエンジンファン2006の風を効率よくオイルパン2005に当てる位置に配置した。エンジン油温を下げ、エンジン性能を向上させる効果が期待できる。
【0084】
本発明における実施の形態の田植え機のロボット田植機フロントエンジンの伝動構成の説明図(その一および二)である図17(a)および17(b)において示されているように、エンジン210、メインフレーム3001、トランスミッション装置としてのHST装置3002、エンジンプーリー3003、中間プーリー3004、HSTプーリー3005、ラジエーターファン520、中間プーリーファン3004fおよびHSTプーリーファン3005fが配置されている。矢印で示された風向きの風の流れが存在する。フロントエンジンレイアウトでの伝動構成においては、エンジン210とHST装置3002との間の距離が長い為、ベルト張力を強める必要があり、エンジン210およびHST装置3002に負担がかかるので、たとえば、メインフレーム3001に中間プーリー3004を設けて、各プーリー毎に設けられたファンによりヒートバランスを向上させる。
【0085】
エンジン210をフロントにレイアウトし、トランスミッション装置としてのHST装置3002をミッドシップにレイアウトした田植機において、エンジン出力部とHSTとの距離が遠くてもエンジン過負荷およびHST過負荷を発生させることなく伝動を行える構成が考えられる。エンジン210およびHST装置3002の概中間地点となる地点に、メインフレーム3001からピンを伸ばして中間プーリー3004を設ける。エンジンプーリー3003と中間プーリー3004、中間プーリー3004とHSTプーリー3005のそれぞれにベルトをかけ動力を伝える。エンジン210とHST装置3002との距離が遠い場合、テンション荷重を大きくする必要がありプーリー過負荷が発生しやすいため、マウントゴム上に配置されているエンジン210はHST側に引かれやすくなり動力の安定伝達が行えないことがあるが、ベルトテンション力をかけすぎることがないので、安定した動力伝達が行える。
【0086】
ラジエーターファン520、中間プーリーファン3004fおよびHSTプーリーファン3005fを動力を伝える各軸にそれぞれ設ける。ファン風方向を合わせることで、機体全体としての排熱を促す。高温のエンジン部分からの排熱が発生しやすく、排熱が機体内で循環しておりヒートバランスを悪化させることがあるが、エンジン210からの排熱がHST側に回りこむことを防止するので、トランスミッション装置やリヤケースなどを含めて、機体全体の排熱を促すことができる。
【0087】
本発明における実施の形態の田植え機のロボット田植機フロントエンジンの排熱利用の説明図(その一および二)である図18(a)および18(b)において示されているように、ラジエーターコア3006およびエンジンファン2006が配置されている。フロントエンジンレイアウトでの排熱利用においては、田植機の狭いエンジンルームの中で排熱を促し利用するために、たとえば、熱電対発電モジュールの高温側をエンジン210のエンジンヘッドカバーに取りつけるとともに、発電された電力でエンジン上部に設けられたエンジンファン2006のようなファンを回す。エンジン両サイドが通路となる為、スペースを確保しながらエンジン下方向へ排熱を促す事ができる。
【0088】
田植機は低速および高負荷作業を行うため、エンジン210のエンジンルーム内が高温になりがちであるが、エンジンルームは上側が覆われ、下方に解放されていることが多いので、エンジンヘッドカバー部分の高温側に熱電対発電モジュールを設けることで、発電する発電量に応じてファンを回す。そして、走行中か否かに応じ、風向きを変化させ、走行中はエンジン210の上方から下方に向け風を流し、停車状態では角度を付けることで排熱が戻ってこないようにする。エンジンルームが高温になりがちであるが、ヒートバランスの向上が期待され、充放電バランスが安定する。
【0089】
田植機は低速および高負荷作業を行うため、エンジン210のエンジンルーム内が高温になりがちであるが、エンジンルームは上側が覆われ、下方に解放されていることが多いので、エンジンヘッドの上方にラジエーター装置500のラジエーターを設け、ラジエーター装置500のラジエーターコア3006とエンジン210との中間にエンジンファン2006のようなファンを設け、エンジン側に風を当てることで排熱を促す。エンジンルームが高温になりがちであり、田植機の前方からは乗り降りが行われるが、サイドのスペースを空けることで、作業性が向上し、エンジン210の熱が上方に上がってくるのを防止する。
【0090】
田植機は低速および高負荷作業を行うため、エンジン210のエンジンルーム内が高温になりがちであるが、エンジンルームは上側が覆われ、下方に解放されていることが多いので、エンジンヘッドの上方にラジエーター装置500のラジエーターを設け、ラジエーター装置500のラジエーターコア3006とエンジン210との中間にエンジンファン2006のようなファンを設け、エンジン側に風を当てることで、排熱を促し、ファンは最低回転数を確保しながら、温度によって風量を変化させ、高温時は回転数を高くする。エンジンルームが高温になりがちであり、田植機の前方からは乗り降りが行われるが、サイドのスペースを空けることで、作業性が向上し、エンジン210の熱が上方に上がってくるのを防止する。
【0091】
本発明における実施の形態の田植え機の10条ローターの折りたたみジョイント部構成の説明図(その一)である図19において示されているように、延長部4001および爪クラッチ4002が配置されている。
【0092】
10条ローターの折りたたみ駆動ジョイント部を爪クラッチ4002で駆動する構成とし、両外側のローターに負荷が掛かった時、爪クラッチ4002がスライドして両外側の駆動が切れる構成とする。10条は全幅が広いので枕地植えで畔に干渉すると駆動シャフト等に負荷が掛かって破損する恐れがあるが、両外側のローターに負荷が掛かった時、爪クラッチ4002がスライドして両外側の駆動が切れるので、駆動シャフト、ローターシャフトの破損を防止できる。そして、折りたたみ部に爪クラッチ4002を設けているのでメンテナンスも容易に実施出来る。
【0093】
本発明における実施の形態の田植え機の10条ローターの折りたたみジョイント部構成の説明図(その二)である図20において示されているように、延長部4001、爪クラッチ4002および感知スイッチ4003が配置されている。
【0094】
10条ローターの折りたたみ駆動ジョイント部を爪クラッチ4002で駆動する構成とし、両外側のローターに負荷が掛かった時、爪クラッチ4002がスライドして両外側の駆動が切れる構成とし、両外側のジョイント部横にローターを支える支点部を設け、支点部に爪クラッチ4002がスライドした時に感知する近接スイッチとして機能する感知スイッチ4003を設け、感知スイッチ4003が感知するとローター全体が収納位置になる制御とする。10条は全幅が広いので枕地植えで畔に干渉すると駆動シャフト等に負荷が掛かって破損する恐れがあるが、両外側のローターに負荷が掛かった時、爪クラッチ4002がスライドして両外側の駆動が切れ、ローター全体が収納位置に上昇するので、駆動シャフト、ローターシャフトおよびローターの破損を防止できる。
【0095】
本発明における実施の形態の田植え機の10条植付フレームの折りたたみ安全装置スイッチ配置の説明図である図21において示されているように、近接スイッチ5001を矢印で示された折りたたみ内部に配置する。
【0096】
10条植付フレームの折りたたみ内部に折りたたんだ時、植付部を不適切に作動させないために、感知近接スイッチとして機能する近接スイッチ5001を設ける。安全装置スイッチをフレーム外側に設けていると、泥等の影響を受けやすく誤感知または破損につながる恐れがあるが、植付フレームの折りたたみ内部に近接スイッチ5001を設けているので、外部からの影響を受けることなく、誤感知および破損を防止出来る。
【0097】
本発明における実施の形態の田植え機の施肥ダクト吸入ホース配置の説明図(その一から三)である図22(a)から22(c)において示されているように、電装品6001および吸入ダクト入口6002が配置されている。
【0098】
フロントエンジン仕様にて、施肥ダクトホースの配置を前後方向は、施肥機後方から、フロアステップ内のフロア部分から座席シートへの傾斜部分を通して吸入ダクト入口6002を前方の足元位置まで通した配置とする。左右位置は内付車輪より内側を通す配置とする。座席シート下には、コントローラー、リレー等の電装部品である電装品6001を配置する構成とする。吸入ダクト入口6002がいわゆる内付車輪にあるので、泥水等を吸い込みやすくてカバーが必要になりやすいが、吸入ダクト入口6002がステップ内にあって足元フロア位置より高い位置にあれば、圃場からの泥の影響を受けないで送風が確実に実施出来る。吸入ダクト入口6002と電装品6001が近いので、常に風の流れが出来て、電装品6001が湿気にくく錆等による腐食の不具合を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明における作業車両は、使い勝手を向上することができ、田植え機のような作業車両に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0100】
100 車体
210 エンジン
220 走行装置
221 前輪
222 後輪
230 操舵装置
240 苗植付け装置
241 苗植付け具
250 施肥装置
260 整地装置
261 ローター
262 フロート
300 エンジンフード
301 ネット部
302 スリット部
310 上側フード部
311 上側フード部前部
312 上側フード部後部
320 前側フード部
330 左側フード部
340 右側フード部
410 湾曲アーム部材
420 馬蹄部材
430 板部材
440 長孔構造
500 ラジエーター装置
510 ラジエーター本体
520 ラジエーターファン
530 ラジエーターファンシュラウド
530f シュラウドフラット部
540 エンジン冷却水リザーブタンク
600 エアクリーナー装置
610 エアクリーナー吸気ホース
700 ファン装置
800 アンテナステー部材
910 遮熱板
920 運転操作パネル
921 主変速レバーガイド溝
1001 ヒューズボックス
1002 エンジンオイルタンク
1003 オイルレベルゲージ
1004 ノブボルト
1005 コラム
1006 フロントステップ凸部
1007 マグネット固定部
2001 マウントゴムプレート
2002 クランクプーリカバー
2003 オイルパンガード
2004 フライホイールカバー
2005 オイルパン
2006 エンジンファン
3001 メインフレーム
3002 HST装置
3003 エンジンプーリー
3004 中間プーリー
3004f 中間プーリーファン
3005 HSTプーリー
3005f HSTプーリーファン
3006 ラジエーターコア
4001 延長部
4002 爪クラッチ
4003 感知スイッチ
5001 近接スイッチ
6001 電装品
6002 吸入ダクト入り口
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