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特開2024-111026台紙なしラベル用紙、ラベル発行装置、自動値付け装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111026
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】台紙なしラベル用紙、ラベル発行装置、自動値付け装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20240808BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20240808BHJP
   B65C 1/04 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G09F3/00 P
G09F3/00 F
G09F3/10 A
G09F3/00 G
B65C1/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095317
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2020121935の分割
【原出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】阿曽 裕介
(57)【要約】
【課題】台紙なしラベルを発行するのに適した台紙なしラベル用紙を提供する。
【解決手段】枚葉状の台紙なしラベルLを切断可能に連設させた長尺の台紙なしラベル用紙Pであって、連設する台紙なしラベルL間には、台紙なしラベルLの連設箇所を検出するための間隙CTが設けられている。間隙CTは、台紙なしラベルLが連設する箇所ごとに、台紙なしラベル用紙Pの搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に、外側に向かって開放されている。連設する台紙なしラベルL間には、貫通部Pk又は薄厚部Phが形成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉状の台紙なしラベルを切断可能に連設させた長尺の台紙なしラベル用紙であって、
連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所を検出するための間隙が設けられている、
台紙なしラベル用紙。
【請求項2】
前記間隙は、前記台紙なしラベルが連設する箇所ごとに、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に、外側に向かって開放されている、
請求項1記載の台紙なしラベル用紙。
【請求項3】
連設する前記台紙なしラベル間に貫通部又は薄厚部が形成されている、
請求項1又は2に記載の台紙なしラベル用紙。
【請求項4】
連設する前記台紙なしラベルの角部であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向上流側の角部は、弧状に形成されている、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の台紙なしラベル用紙。
【請求項5】
連設する前記台紙なしラベルの角部であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向下流側の角部は、弧状に形成されている、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の台紙なしラベル用紙。
【請求項6】
前記台紙なしラベルは少なくとも基材層と粘着層を備え、当該粘着層が形成される面には、非粘着領域が設けられている、
請求項1乃至5いずれかの項に記載の台紙なしラベル用紙。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの項に記載の台紙なしラベル用紙から、前記台紙なしラベルを発行する、
ラベル発行装置。
【請求項8】
請求項1乃至6いずれかの項に記載の台紙なしラベル用紙から切断した前記台紙なしラベルを所定の対象物に貼付する、
自動値付け装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台紙なしラベル用紙、及び当該台紙なしラベル用紙から台紙なしラベルを発行可能なラベル発行装置と自動値付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムにより包装されたサンドイッチ、おにぎり等に貼付されるラベルにおいて、開封時に容易にラベルが裂けるように、ラベルの端部に切れ目(スリット)が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-38672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、切り目のあるラベルは、一般的に台紙付きラベルであり、詳細には、台紙からラベルを剥離させ、そのラベルを被貼付物に貼付したものである。ラベルを被貼付物に貼付後、台紙は破棄されるが、台紙の廃棄量が相当量になり、台紙レス化が望まれている。
そこで、本発明は、台紙なしラベルを発行するのに適した台紙なしラベル用紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る台紙なしラベル用紙は、枚葉状の台紙なしラベルを切断可能に連設させた長尺の台紙なしラベル用紙であって、連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所を検出するための間隙が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態に係る台紙なしラベル用紙の一例を示す平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る台紙なしラベル用紙を巻回させたラベルロール(台紙なしラベルロール)の一例を示す斜視図である。
図3】ラベル発行装置により発行された台紙なしラベル及び台紙なしラベルが貼付された包装体の一例を示す図であり、詳細には(a)は開封前の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図であり、(b)は開封途中の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図である。
図4】本発明の他の実施形態に係る台紙なしラベル用紙の一例を示す平面図である。
図5】ラベル発行装置により発行された台紙なしラベル及び台紙なしラベルが貼付された包装体の他の例を示す図であり、詳細には(a)は開封前の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図であり、(b)は開封途中の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る台紙なしラベル用紙の一例を示す平面図である。
図7】ラベル発行装置により発行された台紙なしラベル及び台紙なしラベルが貼付された包装体の他の例を示す図であり、詳細には(a)は開封前の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図であり、(b)は開封途中の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る台紙なしラベル用紙の一例を示す平面図である。
図9】ラベル発行装置により発行された台紙なしラベル及び台紙なしラベルが貼付された包装体の他の例を示す図であり、詳細には(a)は開封前の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図であり、(b)は開封途中の包装体及び台紙なしラベルの一例を示す図である。
図10】台紙なしラベル用紙を説明するための図であり、詳細には(a)は台紙なしラベル用紙のスリット(貫通部又は薄厚部)及び切断部による切断位置の例を示す図であり、(b)は搬送方向に細長の矩形状のスリットの一例を示す図であり、(c)は複数並設された小径の円形状のスリットの一例を示す図であり、(d)は波形状のスリットの一例を示す図である。
図11】台紙なしラベルのいくつかの例を示す図であり、詳細には(a)はラベルの搬送方向上流側の端部(上端部)にスリット(貫通部又は薄厚部)が位置するように、台紙なしラベル用紙を切断して生成された台紙なしラベルの一例を示す図であり、(b)はラベルの搬送方向下流側の端部(下端部)にスリット(貫通部又は薄厚部)が位置するように、台紙なしラベル用紙を切断して生成された台紙なしラベルの一例を示す図であり、(c)はラベルの搬送方向下流側及び上流側の端部(下端部及び上端部)にスリット(貫通部又は薄厚部)が位置するように、台紙なしラベル用紙を切断して生成された台紙なしラベルの一例を示す図である。
図12】台紙なしラベル用紙の例を示す図であり、詳細には(a)はX字型のスリット(貫通部又は薄厚部)の一例を示す図であり、(b)は(a)に示す台紙なしラベル用紙の切断線とスリットの位置関係の一例を示す図であり、(c)は複数並設された小径の円形状のスリットと切断線の位置関係の一例を示す図である。
図13】台紙なしラベルの例を示す図であり、詳細には(a)は基材に貫通部が設けられた台紙なしラベルの一例を示す図であり、(b)は(a)のA-A線に沿った断面において印字層及び基材層に貫通部が設けられた台紙なしラベルの一例を示す図であり、(c)は印字層、基材層、剥離層及び粘着層に貫通部が設けられた台紙なしラベルの一例を示す図であり、(d)は薄厚部が設けられた台紙なしラベルの一例を示す図である。
図14】台紙なしラベルの例を示す図であり、詳細には、裏面の全面又は一部分に粘着層(粘着領域)が設けられている台紙なしラベルの一例を示す図であり、詳細には(a)は台紙なしラベルの表面側を示す図であり、(b)は台紙なしラベルの裏面の全面に粘着層(粘着領域)が設けられている例を示す図であり、(c)は台紙なしラベルの裏面にはスリットの近傍に非粘着領域が設けられ、それ以外の裏面の領域に粘着層(粘着領域)が設けられている台紙なしラベルの一例を示す図である。
図15】台紙なしラベル用紙を説明するための図であり、詳細には(a)は台紙なしラベル用紙の表面の一例を示す図であり、(b)は台紙なしラベル用紙の裏面及び裏面に設けられた印(ブラックマーク又はアイマークともいう)の一例を示す図であり、(c)は台紙なしラベル用紙の端(搬送方向に対して直交する方向(幅方向)の両端)付近にのみ設けられた印(ブラックマーク等)の一例を示す図である。
図16】台紙なしラベル用紙に設けられるスリット(貫通部又は薄厚部)と裏面に設けられた印のいくつかの例を示す図であり、詳細には(a)は搬送方向に所定間隔に設けられたスリットと、そのスリットよりも僅かに搬送方向下流側に設けられたライン状の印(ブラックマーク等)の一例を示す図であり、(b)は(a)に示すラベル用紙と比較して左右両端部付近にのみ印が設けられた台紙なしラベル用紙の一例を示す図であり、(c)は搬送方向に所定間隔に設けられたスリットと、そのスリットよりも僅かに搬送方向上流側に設けられたライン状の印(ブラックマーク等)の一例を示す図であり、(d)は(c)に示すラベル用紙と比較して左右両端部付近にのみ印が設けられた台紙なしラベル用紙の一例を示す図であり、(e)は搬送方向に所定間隔に設けられた複数のスリットと、そのスリット間の略中央部に設けられたライン状の印(ブラックマーク等)の一例を示す図であり、(f)は(e)に示すラベル用紙と比較して左右両端部付近にのみ印が設けられた台紙なしラベル用紙の一例を示す図である。
図17】ラベル発行装置の一例を示す概念図である。
図18】ラベル発行装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
図19】本発明の実施形態に係る台紙なしラベル用紙の間隙を検出する検出部の構成を示す概念図である。
図20】ラベル発行装置の選択手段の一例を示す図である。
図21】加工部(加工手段)を有するラベル発行装置の一例を示す図である。
図22】台紙なしラベル用紙にスリット(貫通部又は薄厚部)を形成する回転刃を有する加工部(加工手段)の一例を示す図である。
図23】台紙なしラベル用紙にスリット(貫通部又は薄厚部)を形成する往復動自在な刃を有する加工部(加工手段)の一例を示す図である。
図24】台紙なしラベル用紙を説明するための図であり、詳細には(a)は間隙やスリットが設けられていない台紙なしラベル用紙の一例を示す図であり、(b)は切断により上端部にスリットが設けられ、角部がカットされている台紙なしラベルを生成するための台紙なしラベル用紙の一例を示す図である。
図25】台紙なしラベル用紙を説明するための図であり、詳細には(a)は切断により上端部にスリットが設けられ、角部がカットされている台紙なしラベルを生成するための台紙なしラベル用紙の一例を示す図であり、(b)は切断により下端部にスリットが設けられ角部がカットされている台紙なしラベルを生成するための台紙なしラベル用紙の一例を示す図である。
図26】ラベル貼付装置により台紙なしラベルを被貼付物に貼付する工程を示す概念図である。
図27】台紙なしラベルの角部を押圧する押圧部を備えたラベル貼付装置の動作の一例を示す概念図である。
図28】押圧手段(押圧部)の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
●台紙なしラベル及び台紙なしラベル用紙の概要
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。また、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0008】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る台紙なしラベル用紙Pは、図2に示される枚葉状の台紙なしラベルLを切断可能に連設させた長尺の台紙なしラベル用紙である。この台紙なしラベル用紙Pは、図1において左右方向にのみ連続し、連設する台紙なしラベルL間には、台紙なしラベル用紙Pの切断箇所であると共に、隣り合う台紙なしラベルLが連設する連設箇所を検出するための間隙CTが設けられている。
なお、この台紙なしラベル用紙Pから切断して発行される枚葉状の台紙なしラベルLは、台紙レスラベル、ライナーレスラベルと称されることもある。
【0009】
この台紙なしラベル用紙Pは、図2に示されるように、ロール状に巻回されてラベルロールRを構成し、後述するラベル発行装置(100、100A)に装着される。ラベルロールRは、ラベル発行装置(100、100A)によって連設箇所で枚葉状に切断され、枚葉状に形成された台紙なしラベルLは図3に示されるように、おにぎり等の商品を包装する包装体200(被貼付物)に貼付される。
なお、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)で裂けやすい台紙なしラベルLは、上記した包装体200以外の物に貼付してもよい。
【0010】
台紙なしラベル用紙Pには、台紙なしラベル用紙Pの搬送方向(搬送方向ともいう)に所定の間隔Ld(台紙なしラベル用紙Pの長さ方向に所定の間隔)でスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が設けられている。貫通部Pk又は薄厚部Phは、台紙なしラベル用紙Pの幅方向に規定の間隔LPで複数並設されている。この幅方向は、搬送方向に対して直交する方向である。スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の数、形状、形成位置(間隔)等は、包装体200の開封形態に応じて適宜設定される。
【0011】
なお、図10及び図11を参照して後述するとおり、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)は、台紙なしラベル用紙Pの貫通部Pk又は薄厚部Phの切断位置を調整することにより、台紙なしラベルLの上端部や下端部、あるいは両方に形成できるほか、定位置で台紙なしラベル用紙Pをカットする場合でも、ラベル用紙Pに設ける貫通部Pk又は薄厚部Phの位置や形状を予め調整しておくことによって、台紙なしラベルLの上端部や下端部、あるいは両方に形成し、同様のデザインの台紙なしラベルLを発行できる。本実施形態では、このようなにスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の数、形状、形成位置(間隔)等を適宜のものとした台紙なしラベルLを発行できるが、台紙なしラベルLはこのような方法によらずに発行されるものであってもよく、その方法は特に限られることはない。
【0012】
●間隙CT
台紙なしラベル用紙Pにおいて連設する台紙なしラベルL間には、台紙なしラベルLの連設箇所を検出するための間隙CTが設けられている。後述するラベル発行装置(100、100A)は例えば、搬送される台紙なしラベル用紙Pの表面側と裏面側にそれぞれ設けた発光部と受光部からなるセンサ(後述する検出部9)により、間隙CTを検出し、これにより台紙なしラベル用紙Pの切断箇所たる連設箇所を検出することができる。
【0013】
この間隙CTは、台紙なしラベルLが連設する箇所ごとに、台紙なしラベル用紙Pの搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に、外側に向かって開放されている。
また、間隙CTは、台紙なしラベル用紙Pの幅方向の端部を切り欠いた形状からなるが、図1の例では、枚葉状の台紙なしラベルLの搬送方向下流側の角部が直角をなし、搬送方向上流側の角部は、間隙CTの幅が外側に向かって徐々に広がるよう、弧状に形成されている。
【0014】
なお、図1の例では、ラベル用紙Pの搬送方向に直交する向きの両端部に間隙CTを設けているが、これに限らず、一方の端部にのみ間隙CTを設け、当該一方の端部にのみ設けた間隙CTによって連設箇所を検出することもできる。
また、図1の例では、間隙CTは外側に向かって開放されているが、これに限らず、端部が閉じていてもよく、少なくとも、台紙なしラベル用紙Pの幅方向において、台紙なしラベル用紙Pの表面から裏面にかけて貫通する部分を設ければ、当該貫通する部分は、連設箇所を検出するための間隙CTを構成することができる。ただし、間隙CTとスリットの関係では、搬送方向において、間隙CTの長さよりもスリットの長さが長いほうが好適である。即ち、間隙CTはデザイン上、できる限り小さく加工されるため、スリットは間隙CTと同じ長さ又はそれ以上の長さであったほうが、包装体200と共に当該包装体200に貼付された台紙なしラベルLをカットするときにカットしやすい。
【0015】
また、間隙CTの幅と長さ、即ち、連設する台紙なしラベルL間の距離、台紙なしラベル用紙Pの幅方向における距離は特に限定されないが、当該間隙CTを検出するセンサ(後述する検出部9)による検出精度、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を形成する幅などによって適宜に決定される。
また、間隙CTの形状を規定すると共に台紙なしラベルLの角部を規定する弧の形状は、台紙なしラベルLを貼付する包装体200(被貼付物)の形状に即して決定することができる。
【0016】
図3は、台紙なしラベル用紙Pを連設箇所で切断した台紙なしラベルL及び台紙なしラベルLが貼付された包装体200の一例を示している。
台紙なしラベルLが貼付される被貼付物である包装体200は、図3(a)に示す例では、上部に摘み部201が設けられており、摘み部201を引っ張った場合、図3(b)に示すように、切断容易方向(例えば上から下方向へ)へ容易に包装体200を切断することができる。つまり、包装体200は包装容易軸を有する。台紙なしラベルLは包装体200(被貼付物)の切断予定線207上に貼付されている。
台紙なしラベルLには、切断開始側である上端部に複数のスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が幅方向(図3の左右方向)に所定の間隔で並設されており、摘み部201をさらに引っ張ると、容易に台紙なしラベルLが裂けるように構成されている。
【0017】
また、例えば、摘み部201が引っ張られると、先ず包装体200の裏側の上部から下部へ開封された後、包装体200の表側の下部から上部へ開封されるように包装体200が構成されている場合、包装体200の表面に貼付された台紙なしラベルLの下端部に、複数のスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が幅方向(図3の左右方向)に所定の間隔で並設されていることが好ましい。
また、包装体200の開封形態に応じて、適宜、台紙なしラベルLの上端部又は下端部、あるいは両方にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を設ける。
【0018】
図3において、包装体200は三角形状に形成された米飯(おにぎり)であり、台紙なしラベルLは包装体200の一側面に貼付されている。枚葉状の台紙なしラベルLの四隅のうち、幅方向に向き合う一対の角部は、包装体200が呈する三角形状に応じて、角丸を形成するように弧状に切り欠かれている。これにより台紙なしラベルLの図示上方の角部は、包装体200の三角形状をなす一側面からはみ出すことなく、台紙なしラベルLは包装体200の当該一側面に収まっている。その結果、台紙なしラベルLの角部が被貼付物以外の他の商品やコンテナ、おにぎり等の商品を成型する成型ユニット等に貼り付いて不具合を起こすこともない。また、台紙なしラベルLは、図示上方の一対の角部が弧状に切り欠かれていることによって、包装体200の一側面に収まりつつ、図示上下方向に印字領域を広くとることができ、その結果、印字内容の情報量も多くできる。また、弧状に形成されている部分からは台紙なしラベルLが剥がれにくい。
【0019】
●他の実施例に係る台紙なしラベル用紙P及び台紙なしラベルLの形状
本発明の実施において、台紙なしラベル用紙P及び台紙なしラベルLの間隙CTの形状は、図1及び図2に限られることはなく、図4乃至図9の例に示される形状を採用することもできる。
図4は、枚葉状の台紙なしラベルLの搬送方向上流側及び下流側の角部のいずれも、間隙CTの幅が外側に向かって徐々に広がるよう、弧状に形成されている。即ち、この例では、台紙なしラベル用紙Pから切り離された台紙なしラベルLは、図5に示されるように、その四隅のいずれもが弧状に切り欠かれた形状をなしている。このように四隅がいずれも弧状に形成されているため、台紙なしラベルLはどの角部においても包装体200からは剥がれにくい。
【0020】
図6の例に示される台紙なしラベル用紙P及び台紙なしラベルLは、図4と同様、枚葉状の台紙なしラベルLの搬送方向上流側及び下流側の角部のいずれも、間隙CTの幅が外側に向かって徐々に広がるよう、弧状に形成されている。一方、図7に示されるように、台紙なしラベルLの搬送方向上流側と搬送方向下流側の端部に形成されている弧の曲率半径は異なっており、搬送方向上流側の弧の曲率半径のほうが下流側のそれよりも大きい。
この例によれば、図4及び図5の例と同様、台紙なしラベルLはどの角部においても包装体200から剥がれにくく、それと同時に印字領域を図4及び図5の例よりも広く取ることができ、台紙なしラベルLに印刷可能な情報量が比較的大きい。
【0021】
図8の例に示される台紙なしラベル用紙P及び台紙なしラベルLは、枚葉状の台紙なしラベルLの搬送方向上流側及び下流側の端部のいずれも直角形状をなし、台紙なしラベルLは全体として、比較的小さいサイズで矩形状に構成される。このような例によっても、連設する台紙なしラベルLの間に間隙CTが形成される限り、連設箇所を確実に検出することができる。
また、図9に示されるように、印字領域の面積は狭められるが、全体の面積を調整することで、包装体200の一側面からはみ出すことなく、当該一側面に貼付することができる。
【0022】
このほか、台紙なしラベルLは、角部を弧状に形成するのに替えて、直線状に切り落とした形状とすることもできる。
また、台紙なしラベルLの搬送方向下流側の角部のみ、間隙CTの幅が外側に向かって徐々に広がるよう、弧状に形成することもできる。
また、上述した台紙なしラベルL及びその間隙CTの形状は、上記した範囲で適宜に組み合わせたり、適用したりすることができる。
なお、以下の説明及び各図においては説明の便宜のため、台紙なしラベルLの角部の形状が直角形状の場合を示しているものがあるが、特段の言及がない限り、上述した各種の台紙なしラベルLについても同様に適用される。
【0023】
●スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)
図1図2に示すように、台紙なしラベル用紙Pの連設する台紙なしラベルL間には、スリットとしての複数の貫通部Pk又は薄厚部Phが幅方向に並設されている。このスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)は、図1に示されるように、台紙なしラベル用紙Pの幅方向において向き合う一対の間隙CT間、全体に形成されている。これにより、図3に示されるように、台紙なしラベルLを包装体200に貼付した際、貼付位置や切断予定線207の位置によらず、切断予定線207上にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が位置するようになっている。
【0024】
台紙なしラベル用紙Pのスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)と切断箇所(切断位置)は、図10(a)に示すように、所定の切断手段による切断のタイミングによって決定される。本実施形態では、台紙なしラベル用紙Pの面内で、搬送方向に対して直交する方向に切断する。なお、切断方向は適宜設定することができる。
詳細には、図10(a)に示すように、貫通部Pk又は薄厚部Phの中央位置である切断位置C1で台紙なしラベル用紙Pを切断する場合、図11(c)に示すように、台紙なしラベルLの上端部及び下端部にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が形成される。
【0025】
また、図10(a)に示すように、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の搬送方向上流側の端部位置である切断位置C2で台紙なしラベル用紙Pを切断する場合、図11(a)に示すように、台紙なしラベルLの上端部にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が形成される。
【0026】
また、図10(a)に示すように、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の搬送方向下流側の端部位置である切断位置C3で台紙なしラベル用紙Pを切断する場合、図11(b)に示すように、台紙なしラベルLの下端部にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が形成される。
【0027】
また、図10(a)に示すように、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の近傍で搬送方向上流側又は下流側に設定された距離だけ離れた位置である、切断位置C4,又は切断位置C5で台紙なしラベル用紙Pを切断する場合、台紙なしラベルLの上端部又は下端部から設定された距離だけ離れた位置にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が形成される(不図示)。なお、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)と印字領域が重複する場合、その旨を画面に警告表示をしたり、エラー音、音声メッセージ等で報知を行ったりしてもよい。
【0028】
また、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の種類(形状等)は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、図10(b)に示すように、搬送方向に細長の矩形状のスリットであってもよいし、図10(c)に示すように、複数並設された小径の円形状のスリットであってもよいし、図10(d)に示すように波形状のスリットであってもよい。
【0029】
スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の種類(形状等)はさらに、図12(a),図12(b)に示すように、X字型のスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)であってもよい。例えば、図12(b)に示す切断位置C1で台紙なしラベル用紙Pを切断することにより、端部にV字形状のスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を有する台紙なしラベルLを生成することができる。
【0030】
また、図12(c)は、複数並設された小径の円形状のスリットと切断線の位置関係の一例を示す図であり、切断位置C1で台紙なしラベル用紙Pを切断することにより、端部に半円形状及び円形状のスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を有する台紙なしラベルLを生成することができる。
【0031】
なお、スリットの形成方法は特に限定されず、例えば、規定の間隔に並設された複数刃やピンなどの加工手段を表面側から裏面側へ完全にあるいは一定の深さまで貫通させて、貫通部Pk又は薄厚部Phを形成することができる。
【0032】
●積層構造
図13は、台紙なしラベルLの積層構造を示しており、台紙なしラベルLは表面側から順に積層した印字層PP、基材層PZ、剥離層PL、粘着層PNによって構成される。
【0033】
例えば、印字層PPから基材層PZにかけて貫通部Pkが設けられた台紙なしラベル用紙Pを、所定の切断手段により貫通部Pkの位置で切断した場合、図13(a),図13(b)に示すように、印字層PPから基材層PZにスリット(貫通部Pk)を有する台紙なしラベルLが生成される。
【0034】
また、印字層PPから基材層PZ、剥離層PL、及び粘着層PNにかけて貫通部Pkが形成されている台紙なしラベル用紙Pを、貫通部Pkの位置で切断した場合、図13(c)に示すように、印字層PP、基材層PZ、剥離層PL、及び粘着層PNにスリット(貫通部Pk)を有する台紙なしラベルLが生成される。
【0035】
また、印字層PPを貫通して基材層PZに薄厚部Phが形成されている台紙なしラベル用紙Pを、薄厚部Phの位置で切断した場合、図13(d)に示すように、印字層PP及び基材層PZにスリット(薄厚部Ph)を有する台紙なしラベルLが生成される。
【0036】
なお、このような積層構造を有する台紙なしラベルLは例えば、印字層PPと基材層PZを積層させたものに、貫通部Pkまたは薄厚部Phを形成した後、その裏面に剥離層PLと粘着層PNを形成することで作成することができる。また、この実施形態に限らず、例えば、基材層PZの裏面に剥離層PLと粘着層PNを形成した後、貫通部Pkまたは薄厚部Phを形成することで、台紙なしラベル用紙Pを作成してもよい。
【0037】
●粘着層の設け方
図1図3図9の例によって示した台紙なしラベル用紙Pを切断して得られた枚葉状の台紙なしラベルLは、その一面側に粘着層PN(粘着領域)が設けられ、当該粘着層PNによって包装体200に貼付される。図14は、台紙なしラベルLに対する粘着層PNの設け方を示している。また、以下の説明では、台紙なしラベルLの表面が印字面(Pa)を構成し、裏面が包装体200に貼付される貼付面(Pb)を構成するものとする。
【0038】
図14(a)は台紙なしラベルLの表面側を示す図であり、表面側には適宜の内容が印字される。
図14(b)は台紙なしラベルLの裏面の一例を示しており、全面に粘着層PNが設けられている。
図14(c)は台紙なしラベルLの裏面の他の一例を示しており、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の近傍に搬送方向に沿って非粘着領域が設けられ、それ以外の裏面の領域に粘着層PNが設けられている。スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の近傍に搬送方向に沿って非粘着領域を設けることで、包装体200を容易に開封することができる。
【0039】
なお、本実施形態における非粘着領域は、粘着性を有しない層であってもよいほか、上述した粘着層に比して粘着性の度合いの弱い弱粘着層であってもよい。
【0040】
●印Pm(アイマーク)
なお、上述した本発明の実施形態においては、間隙CTによって切断箇所ともなる連設箇所を検出するものとしたが、台紙なしラベル用紙Pに切断箇所を検出するためのアイマークをさらに設けることもできる。
例えば図15(a)に示す台紙なしラベル用紙Pには、図15(b)に示すように、印Pm(ブラックマーク又はアイマークともいう)が設けられている。この印Pmは、後述するラベル発行装置が台紙なしラベル用紙Pのスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の位置を検出するために所定の位置に設けられている。つまり、印Pmは、ラベル用紙Pの切断する位置を検出するためのものである。
【0041】
また、図15(b)に示す例では、印Pmは、台紙なしラベル用紙Pのスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の裏面位置に設けられている。なお、上述した実施形態では、印Pm(アイマーク)は裏面に設けられていたが、表面に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
【0042】
また、図15(c)に示す例では、台紙なしラベル用紙Pの端(幅方向の両端)付近にのみ設けられている。なお、台紙なしラベル用紙Pには、左右の一方の端部付近にのみ印Pmが設けられていてもよい。
【0043】
また、台紙なしラベル用紙Pに設けられる印Pmは上記実施形態に限られるものではない。
図16は台紙なしラベル用紙Pに設けられるスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)と裏面側に設けられた印Pmのいくつかの例を示す図である。なお、図16では、スリットの位置を示し、各貫通部Pk又は薄厚部Phそれぞれの詳細な位置を省略している。
【0044】
図16(a)は搬送方向に所定間隔に設けられたスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)と、そのスリットよりも僅かに搬送方向下流側に設けられたライン状の印Pm(ブラックマーク等)の一例を示す図であり、図16(b)は図16(a)に示す台紙なしラベル用紙Pと比較して、左右両端部付近にのみ印Pmが設けられた台紙なしラベル用紙Pの一例を示す図である。
【0045】
図16(c)は搬送方向に所定間隔に設けられたスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)と、そのスリットよりも僅かに搬送方向上流側に設けられたライン状の印Pm(ブラックマーク等)の一例を示す図であり、図16(d)は図16(c)に示す台紙なしラベル用紙Pと比較して、左右両端部付近にのみ印Pmが設けられた台紙なしラベル用紙Pの一例を示す図である。
【0046】
図16(e)は搬送方向に所定間隔に設けられた複数のスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)と、そのスリット間の略中央部に設けられたライン状の印Pm(ブラックマーク等)の一例を示す図であり、図16(f)は図16(e)に示す台紙なしラベル用紙Pと比較して、左右両端部付近にのみ印Pmが設けられた台紙なしラベル用紙Pの一例を示す図である。
【0047】
●ラベル発行装置100
図17に示すように、本発明の実施形態に係るラベル発行装置100(プリンタ)は、台紙なしラベル用紙Pの搬送方向に対して直交する方向(台紙なしラベル用紙Pの幅方向)に、台紙なしラベル用紙Pを切断し、台紙なしラベルLを発行する。
このラベル発行装置100は、ラベルロールRを保持するロール保持部40、ガイドローラー70、印字ヘッド61等の印字部6、搬送部7としてのプラテンローラー71、カッタ等の切断部8などを有する。ラベルロールRは、台紙なしラベル用紙Pがロール状に巻回されて形成されている。
【0048】
詳細には、ラベル発行装置100は、本体部100B内に、着脱自在に且つ回転自在に保持されたロール状の媒体(本実施形態では、台紙なしラベル用紙Pをロール状に巻回したラベルロールR)が配置されている。
このラベルロールRから引き出された台紙なしラベル用紙Pは、一方の面(図17に示す下側の面)に粘着層PNが形成され、当該一方の面は貼付面Pbを構成している。他方の面(図17に示す上側の面)には、印字部6により印字される印字層PPが形成され、当該他方の面は印字面Paを構成している。この印字層PPによって構成される印字面Paは粘着性を有しない。
【0049】
本実施形態では、台紙なしラベル用紙Pは、印字面Paがガイドローラー70に当接しながら、印字部6の印字ヘッド61(サーマルヘッド等)とプラテンローラー71の間に案内される。
【0050】
印字部6は、例えばサーマルヘッド等の印字ヘッド61やインクジェット式印字装置、レーザー光印字装置等であり、プラテンローラー71と対向する位置に配設されている。台紙なしラベル用紙Pが搬送された状態で、印字部6の印字ヘッド61は、プラテンローラー71と印字部6の印字ヘッド61とにより挟持された台紙なしラベル用紙Pの印字面(Pa)に印字を行う。なお、スリットの領域を印字不可領域として商品ファイルやフォーマットファイルに事前に設定するようにしてもよい。つまり、ラベル発行装置100は、台紙なしラベル用紙Pのスリットには印字せず、スリット以外の領域に印字を行う。
【0051】
印字部6よりも台紙なしラベル用紙Pの搬送方向下流側には、カッタ等の切断部8が配設されている。詳細には、切断部8は、図17に示すように、印字部6の印字ヘッド61よりも搬送方向下流側に、所定距離Wだけ離れた位置に配置されている。
切断部8は、固定刃81及び可動刃82を有し、台紙なしラベル用紙Pを切断する。台紙なしラベル用紙Pが切断されることにより、台紙なしラベルLが発行される。
【0052】
図18は本発明の実施形態に係るラベル発行装置100の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
ラベル発行装置100は、図18に示すように制御部1(CPU)、記憶部2(RAM、ROM等)、操作部3、表示部4、通信部5、印字部6、搬送部7、切断部8、検出部9等を有する。ラベル発行装置100の各構成要素は通信線等により電気的に接続されている。
【0053】
制御部1は、記憶部2などに記憶されたプログラム(制御プログラム)を実行して、ラベル発行装置100の各構成要素を統括して制御する。つまり、制御部1は、プログラム(制御プログラム)を実行して、本発明に係る機能をコンピュータとしてのラベル発行装置100に実現する。
【0054】
記憶部2は、制御プログラムや、制御用データ等を記憶する。記憶部2は、例えば、RAMやROMなどの記憶装置により構成されている。
また、記憶部2は、一時的にデータを呼び出して処理する為のワークエリアを有し、その中に印字データをドットデータに展開するドット展開エリア、ラベルフォーマットファイルから1つの印字フォーマットデータを呼び出して記憶する呼出フォーマットエリア、商品データ(商品情報)を呼び出して記憶する呼出商品エリア等がある。
【0055】
また、本実施形態では、記憶部2には、ラベル印字のフォーマットを設定するラベルフォーマットファイル、ラベル印字用の各種商品データを設定する商品ファイル等を記憶しており、電源オフ時も商品ファイルやフォーマットファイルを保持するようにバッテリでバックアップしている。
また、記憶部2には、例えば、台紙なしラベルLが貼付される被貼付物である包装体200に対応して、台紙なしラベルLのスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の位置や種類、個数等のスリット情報(貫通部情報または薄厚部情報ともいう)が関連付けられて記憶されている。
このスリット情報は、操作部3(入力手段)により設定されてもよいし、通信部5を介してホストコンピュータ等のコンピュータから受信してもよい。
【0056】
操作部3は、ラベル発行装置100の操作を行うための入力装置である。例えば、操作部3としては、表示部4と一体に構成するタッチパネルを採用してもよい。
表示部4は、各種のメニュー画面やデータを表示するディスプレイである。表示部4は、制御部1の制御により、ラベル発行装置100に関する表示を行う。
【0057】
通信部5は、制御部1の制御により、ホストコンピュータ(コンピュータ)等とデータ通信を行う。
【0058】
印字部6は、制御部1の制御により、ロール保持部40にセットしたラベルロールR(ロール紙)から引き出された台紙なしラベル用紙Pに、例えば、商品ファイルから選択した商品の商品情報等を印字するように構成されている。印字部6の印字ヘッド61として例えばサーマルヘッドを採用した場合、台紙なしラベル用紙Pとしては感熱紙を採用する。
印字部6は、詳細には、ラベルロールRの台紙なしラベル用紙Pを、サーマルヘッド(印字ヘッド61)とステッピングモータ等のモータで駆動するプラテンローラー71との間で挟んで台紙なしラベル用紙Pを引き出すと共に、台紙なしラベル用紙Pの印字面Paを加熱して印字する。なお、印字部6は、インクを台紙なしラベル用紙Pに塗布することにより印字を行ってもよい。また、印字部6はレーザー光などの光を台紙なしラベル用紙Pに照射することにより印字を行ってもよい。
【0059】
切断部8は、制御部1の指令に基づいて、印字部6よりも搬送方向下流位置に配置されたカッタ等を駆動して、印字後の台紙なしラベル用紙Pを切断し、枚葉状の台紙なしラベルLを発行する。切断部8は、例えば、固定刃81、可動刃82を有する。
【0060】
検出部9(検出手段)は、例えば、図17に示すように、印字部6よりもラベル用紙搬送方向上流側に配置され、台紙なしラベル用紙Pに搬送方向に所定の間隔で設けられた間隙CTを検出し、検出結果を示す信号を制御部1に出力する。
この検出部9は例えば、図19に示されるように、台紙なしラベル用紙Pの表面側と裏面側それぞれに設けられた発光部91と受光部92によって実現され、台紙なしラベル用紙Pに形成されている間隙CTの位置に合わせて設けられている。発光部91から受光部92に向けて照射される光が、搬送される台紙なしラベル用紙Pによって遮られた状態から、間隙CTを介して受光部92によって感知される状態に至ると、間隙CTが検出されたものとして検出結果を示す信号が制御部1に出力される。
【0061】
なお、図19の例にかかわらず、発光部91と受光部92は、どちらが台紙なしラベル用紙Pの印字面Pa側あるいは貼付面Pb側にあってもよい。また、図19の例では、台紙なしラベル用紙Pの幅方向の両端に間隙CTが設けられている場合を示しており、両端の間隙CTを検出すべく、二対の発光部91と受光部92を設けているが、これに限らず、一方の間隙CTのみを検出可能に一対の発光部91と受光部92を設けても良い。また、図19の例に関わらず、検出部9は、台紙なしラベル用紙Pの間隙CTの位置に対応して設けられる。
【0062】
また、台紙なしラベル用紙Pに上述した印Pmを設ける場合には、間隙CTを検出するための検出部9のほか、当該印Pmを検出するための検出部を別途、設け、印Pmの検出結果を示す信号を制御部1に出力する。
【0063】
制御部1は、検出部9による間隙CTの検出結果に応じて、切断部8により切断する箇所を制御する。詳細には、例えば、制御部1は、台紙なしラベル用紙Pの切断箇所を貫通部Pk又は薄厚部Phが設けられた領域内で制御する。
【0064】
なお、台紙なしラベル用紙Pに上述した印Pmを設ける場合には、制御部1は、当該印Pmを検出するために別途設けた検出部による検出結果に応じて、切断部8により切断する箇所を制御することもできる。
また、被貼付物によっては、台紙なしラベル用紙Pの切断箇所は、貫通部Pk又は薄厚部Phが設けられた領域外であってもよい。
【0065】
図20はラベル発行装置100の選択手段の一例を示す図である。
ラベル発行装置100は切断部8の切断箇所を選択する選択手段(操作部3のボタンB31,B32,B33等)を有する。
詳細には、例えば図20に示すように、表示部4の設定画面には、切断部8の切断箇所を選択する選択手段として、操作部3により操作可能なボタンB31,B32,B33等が操作可能に表示される。
【0066】
具体的には、図20に示す例では、画面の略中央部に、ラベルイメージLIが表示されている。そのラベルイメージLIは、例えば、印字内容として、商品名(商品コード等)、消費期限、価格、原材料名、製造者名、製造場所等の印字情報が設定可能である。
また、そのラベルイメージLIの近傍には、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の位置を選択するために、詳細には、スリットを台紙なしラベルLの上端に設定する際に操作される上端設定ボタンB31、スリットを台紙なしラベルLの下端に設定する際に操作される下端設定ボタンB32、上端及び下端の両方にスリットを設定する際に操作される両方設定ボタンB33等が操作可能に設けられている。
また、図20に示す例では、表示部4の設定画面には、上端及び下端のスリットの数、スリットの長さ(搬送方向の長さ)、スリットの間隔(幅方向の間隔)が設定可能に表示されている。
また、設定画面には、スリットの種類を設定するためのスリット種類設定部B34が設けられている。
【0067】
●ラベル発行装置100A
図21は本発明の他の実施形態に係るラベル発行装置100Aを示す。
このラベル発行装置100Aは、図1に示した本発明の実施形態に係るラベル発行装置100と比較して、加工部50(加工手段)等を有する。加工部50は、制御部1による制御により、台紙なしラベル用紙Pに貫通部Pk又は薄厚部Phを形成する。
【0068】
図21図22に示す例では、加工部50は、印字部6の印字ヘッド61(サーマルヘッド等)よりも搬送方向上流側に配置されている。詳細には、加工部50は、刃付きローラ51、溝付きローラ52等を有する。
【0069】
刃付きローラ51は、台紙なしラベル用紙Pに貫通部Pk又は薄厚部Phを形成するための刃51cを有する。
溝付きローラ52は、刃付きローラ51の刃に対応した位置に溝52dが形成されたローラであり、刃付きローラ51に対向して配置されている。
刃付きローラ51と溝付きローラ52が、台紙なしラベル用紙Pを挟持した状態で、台紙なしラベル用紙Pを搬送方向に搬送するようにそれぞれ回転しつつ、刃付きローラ51の刃により、台紙なしラベル用紙Pに貫通部Pkまたは薄厚部Phを形成することができ
る。
【0070】
また、刃付きローラ51の直径の大きさ、刃51cの周方向の間隔や、刃51cの数、刃と刃の間の間隔等を適宜調整することで、台紙なしラベル用紙Pに貫通部Pk又は薄厚部Phを所定のパターンで形成することができる。
【0071】
また、加工部50(加工手段)としては、図23に示すように、往復動自在な刃55aを備えた可動部55と、刃55aに対応した位置に形成された溝部56aを有する固定部56とを有してもよい。なお、固定部56が上下動する構造であってもよい。
ラベル発行装置100Aが、図23に示す加工部50を有する場合、制御部1は、台紙なしラベル用紙Pの搬送速度と、可動部55の上下動のタイミングを制御することにより、台紙なしラベル用紙Pの所定の位置に、所定のパターンの貫通部Pk又は薄厚部Phを容易に形成することができる。
【0072】
つまり、間隙CTは、長尺の台紙なしラベル用紙Pに予め形成されていてもよいし、間隙CTなしの台紙なしラベル用紙Pをラベル発行装置100Aにセットし、ラベル発行装置100Aに設けた間隙生成機構(不図示)により、間隙CTを形成してもよい。
間隙生成機構としては、例えば打抜き機構などを挙げることができる。
また、貫通部Pk又は薄厚部Phは、長尺の台紙なしラベル用紙Pに予め形成されていてもよいし、貫通部Pk又は薄厚部Phなしの台紙なしラベル用紙Pをラベル発行装置100Aにセットし、ラベル発行装置100Aに設けた形成手段により、貫通部Pk又は薄厚部Phを形成してもよい。
【0073】
そして、ラベル発行装置100Aは、印字後、図24(b)に示す間隙CTやスリットを有する台紙なしラベル用紙Pを、切断部8により切断位置C1で切断することにより、上端及び下端にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を備える台紙なしラベルLを発行することができる。
つまり、図24(b)に示す例では、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)の中央部を切断するように切断位置C1(切断線)が設定されており、その位置で台紙なしラベル用紙Pを切断することにより、図24(b)に示すように、上端部及び下端部にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を有する台紙なしラベルLとなる。
【0074】
また、図25(a)に示す台紙なしラベル用紙Pには、切断位置C1(切断線)よりも搬送方向下流側に貫通部Pk又は薄厚部Phが形成されており、切断位置C1(切断線)で台紙なしラベル用紙Pを切断することにより、上端にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を有する台紙なしラベルLを生成することができる。
【0075】
また、図25(b)に示す台紙なしラベル用紙Pには、切断位置C1(切断線)よりも搬送方向上流側に貫通部Pk又は薄厚部Phが形成されており、切断位置C1(切断線)で台紙なしラベル用紙Pを切断することにより、下端にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を有する台紙なしラベルLを生成することができる。
【0076】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るラベル発行装置100は、ラベル搬送方向に等間隔に貫通部Pk又は薄厚部Phが設けられた長尺の台紙なしラベル用紙Pを搬送する搬送手段(搬送部7、プラテンローラー71等)と、台紙なしラベル用紙Pに印字する印字手段(印字部6、印字ヘッド61)と、台紙なしラベル用紙Pを所定の位置で切断する切断手段(切断部8)とを有する。
ラベル発行装置100は、切断手段(切断部8)が、ラベル用紙Pに設けられた、貫通部Pk又は薄厚部Ph、あるいは、貫通部Pk又は薄厚部Phの近傍で、台紙なしラベル用紙Pを切断して、台紙なしラベルLを発行する。
【0077】
すなわち、簡単な構成で、被貼付物(包装体200等)の切断時や開封時などに、切断容易な台紙なしラベルLを発行するラベル発行装置100を提供することができる。
また、本発明に係るラベル発行装置100は、上述したようにスリット付きの台紙なしラベルLを発行するので、例えば台紙付きラベルを包装体200に貼付する場合と比較して、台紙の廃棄等が無くなり、つまり台紙の廃棄量をゼロとすることができる。
また、貫通部Pk又は薄厚部Phは、台紙なしラベル用紙Pの面内でラベル搬送方向に対して直交する方向(つまり台紙なしラベル用紙Pの幅方向)に複数設けられており、台紙なしラベルLを裂けやすい構造となっている。
【0078】
また、本発明の実施形態に係るラベル発行装置100は、台紙なしラベル用紙Pに搬送方向に台紙なしラベルLの連設箇所ごとに設けられた間隙CTを検出する検出手段(検出部9)による間隙CTの検出結果に応じて、切断手段(切断部8)を制御する制御手段(制御部1)等を有する。
つまり、搬送部7により、台紙なしラベル用紙Pが搬送方向に搬送され、検出手段(検出部9)により、間隙CTが検出されると、制御部1は、その間隙CTを基準として、貫通部Pk又は薄厚部Ph、あるいは貫通部Pk又は薄厚部Phの近傍位置の切断位置を特定し、その切断位置で、切断部8により台紙なしラベル用紙Pを切断する制御を行う。
すなわち、簡単な構成により、台紙なしラベル用紙Pの切断位置で、詳細には、貫通部Pk又は薄厚部Ph、あるいは貫通部Pk又は薄厚部Phの近傍の所定位置(切断位置)で高精度に切断することができ、貫通部Pkや薄厚部Phが高精度に規定位置に設けられた台紙なしラベルLを生成することができる。
【0079】
なお、台紙なしラベル用紙Pに搬送方向に所定の間隔で印Pmを設ける場合には、当該印Pmを検出する検出手段、検出手段による印Pmの検出結果に応じて、切断手段(切断部8)を制御する制御手段(制御部1)等を有する。
つまり、搬送部7により、台紙なしラベル用紙Pが搬送方向に搬送され、検出手段により、印Pmが検出されると、制御部1は、その印Pmを基準として、貫通部Pk又は薄厚部Ph、あるいは貫通部Pk又は薄厚部Phの近傍位置の切断位置を特定し、その切断位置で、切断部8により台紙なしラベル用紙Pを切断する制御を行う。この制御は、上述した間隙CTの検出に基づく制御を補完する制御して実行されてもよい。
【0080】
また、本発明の実施形態に係るラベル発行装置100は、被貼付物の情報を入力する入力手段(操作部3、又は通信部5、あるいは記憶部2等)を有する。制御手段(制御部1)は、入力手段で入力された被貼付物の情報に応じて、切断手段により切断する箇所を貫通部Pk又は薄厚部Phが設けられた領域内で制御する。
詳細には、例えば、商品としてのおにぎりの包装体200に貼付される台紙なしラベルLは、例えば、商品に貼付された状態でラベルLの下辺(下端部)、又は上辺(上端部)、あるいは両方に、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が配置されるように規定される。
具体的には、包装体200の開封用の摘み部201が引っ張られた場合、包装体200が切断予定線207に沿って切断され、切断予定線207上に貼付された台紙なしラベルLが、開封用の摘み部201側の切断が開始される辺(端部)である、下辺又は上辺に、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が設けられる。
【0081】
また、例えば、サンドイッチやおにぎりの包装体200に貼付される台紙なしラベルLは、包装体200の開封用摘み部が引っ張られた場合、包装体200が切断予定線207に沿って切断され、切断予定線207上に貼付された台紙なしラベルLが、開封用摘み部側の切断が開始される辺(端部)である上辺に、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が設けられる。
つまり、被貼付物(商品)によって、台紙なしラベルLのスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)等の位置が規定されており、詳細には、切断が開始される、台紙なしラベルLの端部側に、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が設けられる。
すなわち、制御手段(制御部1)は、入力手段で入力された被貼付物の情報に応じて、切断手段により切断する箇所を貫通部Pk又は薄厚部Phが設けられた領域内で制御することで、台紙なしラベルLの上端部又は下端部、あるいはその両方に、スリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)を容易に形成することができる。
【0082】
また、本発明の実施形態に係るラベル発行装置100は、切断手段(切断部8)の切断箇所を選択する選択手段(操作部3のボタンB31,B32,B33等)を有する。
制御部1は、選択手段による選択の結果に応じて、切断手段による台紙なしラベル用紙Pの切断箇所を制御する。
すなわち、簡単な構成で、台紙なしラベル用紙Pの切断位置を設定することができ、つまり、所定の位置(上辺、下辺、又はその近傍位置等)にスリット(貫通部Pk又は薄厚部Ph)が形成された台紙なしラベルLを発行するラベル発行装置100を提供することができる。
【0083】
また、本発明の実施形態に係るラベル発行装置100Aは、長尺の台紙なしラベル用紙(貫通部Pkや薄厚部Phが形成されていない)を搬送方向に搬送する搬送手段(搬送部7、プラテンローラー71)、当該台紙なしラベル用紙の所定の箇所に貫通部Pk又は薄厚部Phを形成する加工手段(加工部50)、台紙なしラベル用紙Pに印字する印字手段(印字部6、印字ヘッド61)、台紙なしラベル用紙Pを切断する切断手段(切断部8)等を有する。ラベル発行装置100Aは、切断手段(切断部8)が、台紙なしラベル用紙Pに形成された貫通部Pk又は薄厚部Ph、あるいは貫通部Pk又は薄厚部Phの近傍で、台紙なしラベル用紙Pを切断することで、台紙なしラベルLを発行する。
すなわち、簡単な構成で、スリット(貫通部Pkや薄厚部Ph)が形成されていない、台紙なしラベル用紙から、スリット(貫通部Pkや薄厚部Ph)が形成された台紙なしラベルLを生成するラベル発行装置100Aを提供することができる。
【0084】
なお、ラベル発行装置100又はラベル発行装置100Aに、間隙CTが設けられていない台紙なしラベル用紙Pに間隙CTを設けるためのカッターユニットを設けることもできる。この場合には少なくとも、台紙なしラベル用紙Pを連設箇所で切断する前工程で、間隙CTを形成することのできる位置に間隙CTの形状に即したカッターユニットを設ける。
【0085】
図26は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置を模式的に示す。このラベル貼付装置は、上記ラベル発行装置100又はラベル発行装置100Aを有し、被貼付物(包装体200等)に上記ラベル発行装置で発行された台紙なしラベルLを貼付する。なお、ラベル貼付装置は、所定の対象商品に対し、値段を表示した台紙なしラベルLを貼付する装置として自動値付け装置とも称される。
詳細には、ラベル貼付装置は、貼付手段として、台紙なしラベルLを吸引する1つ又は複数の吸引孔を有するラベル貼付部120(ラベル貼付手段ともいう)を有する。ラベル発行装置100又はラベル発行装置100Aによって発行された枚葉状の台紙なしラベルLは、ラベル貼付部120によって吸引保持されると共に、被貼付物(包装体200等)の側面に押し付けられる。これにより、被貼付物(包装体200等)に台紙なしラベルLが貼付される。
【0086】
また、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置は、上記ラベル発行装置100又はラベル発行装置100Aを有し、被貼付物(包装体200等)に上記ラベル発行装置で発行された台紙なしラベルLを貼付する場合、その台紙なしラベルLの接着層のうち被貼付物への非接着部分ができないように、その台紙なしラベルLを被貼付物に押圧する押圧手段122を有してもよい。
つまり、ラベル貼付装置は、台紙なしラベルLのうち、被貼付物の貼付面の縁からはみ出る部分を被貼付物の側面に押圧する手段(押圧手段122)を有する。
【0087】
詳細には、例えば、図27に示すように、ラベル貼付装置は、貼付手段として、台紙なしラベルLを吸引する1つ又は複数の吸引孔を有するラベル貼付部120(ラベル貼付手段ともいう)と、台紙なしラベルLのうち、被貼付物(包装体200)の貼付面の縁からはみ出る部分を被貼付物(包装体200)の側面に押圧する押圧手段122(押圧部ともいう)を有する。
図27に示す例では、台紙なしラベルLの2つの角部LKが、被貼付物(包装体200)の貼付面の縁からはみ出る部分であり、その角部LKを押圧手段122が押圧する。
また、図27に示すように、型300には、被貼付物(包装体200)を着脱自在に嵌合可能な保持孔301が形成されており、その保持孔301には、切欠部301hが形成されている。この切欠部301hは、被貼付物(包装体200)の縁からはみ出る、台紙なしラベルLの角部LKに対応した位置に設けられている。
つまり、型300は、押圧手段122により台紙なしラベルLの角部LKを押圧することで、被貼付物(包装体200)の側面に角部LKを容易に貼付可能な構造となっている。
また、型300の保持孔301内に配置された被貼付物(包装体200)に対して、ラベル貼付部120により台紙なしラベルLを貼付した後、押圧手段122により台紙なしラベルLの角部LKを押圧して被貼付物(包装体200)の側面に貼付してもよいし、ラベル貼付部120と押圧手段122が同時に降下して、被貼付物(包装体200)に台紙なしラベルLを貼付してもよい。また、ラベル貼付部120により台紙なしラベルLを保持し、且つ、押圧手段122の押圧により角部LKを僅かに下方に向けて湾曲した状態で、ラベル貼付部120と押圧手段122が同時に降下して被貼付物(包装体200)に台紙なしラベルLを貼付してもよい。
【0088】
また、図28に示すラベル貼付装置は、型300の保持孔301内に配置された被貼付物(包装体200)の上面に台紙なしラベルLが貼付された状態で、押圧手段122が被貼付物(包装体200)の貼付面の縁からはみ出る部分(台紙なしラベルLの角部LK等)を被貼付物(包装体200)の側面に押圧する。
すなわち、簡単な構造で、被貼付物(包装体200)の貼付面の縁からはみ出る部分(台紙なしラベルLの角部LK等)を被貼付物(包装体200)の側面に押圧することができる。
尚、図27及び図28に示す型300は、例えばおにぎり成型包装機に備えられたおにぎり成型用の保持孔301を備えたものであり、図27はおにぎり成型包装機に設けられたラベル貼付装置のラベル貼付部120の一例を示したものであり、図28はおにぎり成型包装機の押圧部120Aの一例を示したものである。
【0089】
なお、これらの例にかかわらず、図27図28に示したおにぎり成型包装機はラベル貼付装置の一部を構成するものでなくてもよい。例えば、台紙なしラベル用紙Pから台紙なしラベルLを発行し、当該台紙なしラベルLを所定の対象物に貼付する自動ラベラをおにぎり成型包装機に接続し、当該おにぎり成型包装機により成型包装されたおにぎりに台紙なしラベルLを貼付すものであってもよい。即ち、台紙なしラベル用紙Pから台紙なしラベルLを発行するラベル発行装置の物理的あるいは概念的な構成は様々に観念でき、各種の機能を備えた装置と一体をなすものであってもよいし、当該各種の機能を備えた装置に接続し、当該装置に台紙なしラベルLを発行する機能を提供するものであってもよい。また、台紙なしラベル用紙Pから台紙なしラベルLを発行する基本的な機能を有する装置である限り、そのような装置は、ラベル発行装置、ラベル貼付装置、自動ラベラ、自動値付け装置といった装置の名称、あるいはその他の付加的な機能の有無によらず、本発明の範囲に属する装置である。
また、台紙なしラベルLの貼付対象はおにぎり以外の商品又は物品、例えばサンドイッチなどであってもよく、この場合にはサンドイッチを包装するサンドイッチ包装機に接続する自動ラベラ、あるいはサンドイッチ包装機を備えるラベル貼付装置により、包装されたサンドイッチに台紙なしラベルLが貼付される。
【0090】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
●実施形態総括
【0091】
本発明は、台紙なしラベル用紙に関する。
【0092】
フィルムにより包装されたサンドイッチ、おにぎり等に貼付されるラベルにおいて、開封時に容易にラベルが裂けるように、ラベルの端部に切れ目(スリット)が設けられているものが知られている(例えば、実開平5-38672号公報)。
【0093】
しかしながら、切り目のあるラベルは、一般的に台紙付きラベルであり、詳細には、台紙からラベルを剥離させ、そのラベルを被貼付物に貼付したものである。ラベルを被貼付物に貼付後、台紙は破棄されるが、台紙の廃棄量が相当量になり、台紙レス化が望まれている。
また、おにぎりやサンドイッチなど包装材の上に貼付されたラベルは開封時にラベルをカットするためのスリットが備えているが、台紙なしラベル用紙から台紙なしラベルを切断する時にスリットを加工することができないので、当該商品には台紙なしラベルは不向きであった。
そこで、本発明は、台紙なしラベルを発行するのに適した台紙なしラベル用紙を提供することを目的とする。
【0094】
上記目的を達成するため、本発明に係る台紙なしラベル用紙は、枚葉状の台紙なしラベルを切断可能に連設させた長尺の台紙なしラベル用紙であって、連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所を検出するための間隙が設けられている。
【0095】
また、前記間隙は、前記台紙なしラベルが連設する箇所ごとに、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に、外側に向かって開放されているものとしてもよい。
【0096】
また、連設する前記台紙なしラベル間に貫通部又は薄厚部が形成されているものとしてもよい。
【0097】
また、連設する前記台紙なしラベルの角部であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向上流側の角部は、弧状に形成されているものとしてもよい。
【0098】
また、連設する前記台紙なしラベルの角部であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向下流側の角部は、弧状に形成されているものとしてもよい。
【0099】
また、前記台紙なしラベルは少なくとも基材層と粘着層を備え、当該粘着層が形成される面には、非粘着領域が設けられているものとしてもよい。
【0100】
本発明の別の観点に係るラベル発行装置は、前記台紙なしラベル用紙から、前記台紙なしラベルを発行する。
【0101】
本発明のさらに別の観点に係る自動値付け装置は、前記台紙なしラベル用紙から切断した前記台紙なしラベルを所定の対象物に貼付する。
【0102】
以上の本発明の実施形態に係る台紙なしラベル用紙によれば、間隙によって精度よく台紙なラベルの切断箇所たる連設箇所を精度よく検出し、台紙なしラベルを適切に発行することができる。
また、台紙の廃棄を伴わないため、環境面でも好適である。
また、台紙なしラベル用紙から発行される台紙なしラベルにスリットが設けられている場合には、包装体を開封するタイプの商品にも好適である。
また、台紙なしラベル用紙から発行される台紙なしラベルは、角部が弧状に切り欠かれた形状をなすので、被貼付物に貼付した際には、当該箇所から剥がれにくい。
また、粘着層が形成される面に非粘着領域が設けられているため、当該非粘着領域を利用して、貼付された台紙なしラベルを被貼付物から剥がしやすい。
【符号の説明】
【0103】
1 :制御部
2 :記憶部
3 :操作部
4 :表示部
5 :通信部
6 :印字部
7 :搬送部
8 :切断部
9 :検出部
40 :ロール保持部
50 :加工部
51 :刃付きローラ
51c :刃
52 :溝付きローラ
52d :溝
55 :可動部
55a :刃
56 :固定部
56a :溝部
61 :印字ヘッド
70 :ガイドローラー
71 :プラテンローラー
81 :固定刃
82 :可動刃
91 :発光部
92 :受光部
100 :ラベル発行装置
100A :ラベル発行装置
100B :本体部
120 :ラベル貼付部
120A :押圧部
122 :押圧手段
200 :包装体
201 :摘み部
207 :切断予定線
300 :型
301 :保持孔
301h :切欠部
CT :間隙
L :台紙なしラベル
P :台紙なしラベル用紙
PL :剥離層
PN :粘着層
PP :印字層
PZ :基材層
Pa :印字面
Pb :貼付面
Ph :薄厚部
Pk :貫通部
Pm :印
R :ラベルロール

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2024-07-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉状の台紙なしラベルを切断可能に連設させ連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所を検出するための間隙が設けられている長尺の台紙なしラベル用紙により該台紙なしラベルを発行するラベル発行装置であって、
連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所ごとに搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に外側に向かって開放された間隙であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向上流側の角部と搬送方向下流側の角部が弧状に形成され、搬送方向上流側の角部と前記搬送方向下流側の角部の前記弧の曲率半径がそれぞれ異なる間隙を検出する検出手段と
搬送方向上流側の前記間隙と搬送方向下流側の前記間隙の間に、所定の情報を取得して印字する印字手段と、
前記検出手段が前記間隙間を検出することで、前記長尺の台紙なしラベル用紙を切断する切断手段と、を備える、
ラベル発行装置。
【請求項2】
枚葉状の台紙なしラベルを切断可能に連設させ、連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所を検出するための間隙が設けられている長尺の台紙なしラベル用紙により該台紙なしラベルを発行するラベル発行装置であって、
連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所ごとに搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に外側に向かって開放された間隙であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向下流側の角部は直角を成し、前記台紙なしラベルの搬送方向下流側の角部は、間隙の幅が外側に向かって徐々に広がるよう弧状に形成されている間隙を検出する検出手段と
搬送方向上流側の前記間隙と搬送方向下流側の前記間隙の間に所定の情報を取得して印字する印字手段と、
前記検出手段が前記間隙間を検出することで、前記長尺の台紙なしラベル用紙を切断する切断手段と、を備える、
ラベル発行装置。
【請求項3】
枚葉状の台紙なしラベルを切断可能に連設させ、連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所を検出するための間隙が設けられている長尺の台紙なしラベル用紙により該台紙なしラベルを発行するラベル発行装置であって、
連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所ごとに搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に外側に向かって開放された間隙であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向上流側の角部は直線状に切り落とした形状とし、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向上流側の角部は直角である間隙を検出する検出手段と、
搬送方向上流側の前記間隙と搬送方向下流側の前記間隙の間に所定の情報を取得して印字する印字手段と、
前記検出手段が前記間隙間を検出することで、前記長尺の台紙なしラベル用紙を切断する切断手段と、を備える、
ラベル発行装置。
【請求項4】
枚葉状の台紙なしラベルを切断可能に連設させ、連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所を検出するための間隙が設けられている長尺の台紙なしラベル用紙により該台紙なしラベルを発行するラベル発行装置であって、
連設する前記台紙なしラベル間には、前記台紙なしラベルの連設箇所ごとに搬送方向に直交する向きの端部に設けられると共に外側に向かって開放された間隙であって、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向上流側の角部は直線状に切り落とした形状とし、前記台紙なしラベル用紙の搬送方向上流側の角部は弧状に形成された間隙を検出する検出手段と、
搬送方向上流側の前記間隙と搬送方向下流側の前記間隙の間に所定の情報を取得して印字する印字手段と、
前記検出手段が前記間隙間を検出することで、前記長尺の台紙なしラベル用紙を切断する切断手段と、を備える、
ラベル発行装置。