(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111040
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】電子レシートシステム、レシート処理装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/06 20060101AFI20240808BHJP
G06Q 30/0201 20230101ALI20240808BHJP
【FI】
G07G1/06 Z
G06Q30/0201
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095919
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2021010115の分割
【原出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 康博
(72)【発明者】
【氏名】小川 徹
(57)【要約】
【課題】取引レシート以外にも非取引レシートを電子化する。
【解決手段】レシート処理装置は、判別部と、電子化部と、送信部とを備える。判別部は、レシート生成部で生成されたレシートデータが、商取引の内容を表す取引レシートのレシートデータであるのか、商取引以外の内容を表す非取引レシートのレシートデータであるのかを判別する。電子化部は、レシートデータが取引レシートのレシートデータである場合には、第1の区分情報を付してレシートデータを電子化し、レシートデータが非取引レシートのレシートデータである場合には、第1の区分情報とは異なる第2の区分情報を付して前記レシートデータを電子化する。送信部は、電子化部で電子化されたレシートデータをサーバへと送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシート生成部で生成されたレシートデータが、商取引の内容を表す取引レシートのレシートデータであるのか、商取引以外の内容を表す非取引レシートのレシートデータであるのかを判別する判別部と、
前記レシートデータが前記取引レシートのレシートデータである場合には、第1の区分情報を付して前記レシートデータを電子化し、前記レシートデータが前記非取引レシートのレシートデータである場合には、前記第1の区分情報とは異なる第2の区分情報を付して前記レシートデータを電子化する電子化部と、
前記電子化部で電子化された前記レシートデータをサーバへと送信する送信部と、
を具備するレシート処理装置。
【請求項2】
電子レシートを要求するデータを入力する入力部と、
レシートデータを印刷デバイスに出力する出力部と、
前記レシート生成部で生成されたレシートデータに対して、前記入力部を介して前記電子レシートを要求するデータが入力されている場合には、前記判別部で判別されたレシートデータを前記電子化部へと与え、前記電子レシートを要求するデータが入力されていない場合には、前記判別部で判別されたレシートデータを前記出力部へと与える切替部と、をさらに具備する請求項1記載のレシート処理装置。
【請求項3】
前記非取引レシートは、電子マネーのチャージ情報を記録するチャージレシート、または、商品の予約内容を記録する予約レシートである、請求項1又は2記載のレシート処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のレシート処理装置と、
前記レシート処理装置で電子化されたレシートデータを受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記レシートデータに付されている区分情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記区分情報が前記第1の区分情報の場合には、前記レシートデータを前記取引レシートのレシートデータとして処理し、前記第2の区分情報の場合には、前記レシートデータを前記非取引レシートのレシートデータとして処理する処理部と、を具備するサーバと、
を含む電子レシートシステム。
【請求項5】
前記サーバは、
前記処理部において前記取引レシート又は前記非取引レシートのレシートデータとして処理されたレシートデータを、レシート要求元の端末に提供する提供部、
をさらに具備する、請求項4記載の電子レシートシステム。
【請求項6】
レシート生成部で生成されたレシートデータを処理するレシート処理装置のコンピュータに、
前記レシートデータが、商取引の内容を表す取引レシートのレシートデータであるのか、商取引以外の内容を表す非取引レシートのレシートデータであるのかを判別する機能、 前記レシートデータが前記取引レシートのレシートデータである場合には、第1の区分情報を付して前記レシートデータを電子化し、前記レシートデータが前記非取引レシートのレシートデータである場合には、前記第1の区分情報とは異なる第2の区分情報を付して前記レシートデータを電子化する機能、及び、
前記電子化された前記レシートデータをサーバへと送信する機能、
を実現させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子レシートシステム及びこのシステムに用いられるレシート処理装置並びにその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レシートを電子化して、買物客等のサービス利用者が携帯端末等で閲覧可能とする電子レシートサービスが知られている。従来の電子レシートサービスで提供されるレシートデータは、POS(Point Of Sales)端末等の会計機で決済された商取引の内容を表す取引レシートである。
【0003】
レシートには、取引レシート以外に、商取引以外の内容を表す非取引レシートが存在する。例えば、電子マネーをチャージした際にそのチャージ金額等を記録したチャージレシート、商品を予約した際に予約内容を記録した予約レシート、等が非取引レシートに該当する。従来、この種の非取引レシートは、電子化の対象外となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、取引レシート以外にも非取引レシートを電子化する技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、レシート処理装置は、判別部と、電子化部と、送信部とを備える。判別部は、レシート生成部で生成されたレシートデータが、商取引の内容を表す取引レシートのレシートデータであるのか、商取引以外の内容を表す非取引レシートのレシートデータであるのかを判別する。電子化部は、レシートデータが取引レシートのレシートデータである場合には、第1の区分情報を付してレシートデータを電子化し、レシートデータが非取引レシートのレシートデータである場合には、第1の区分情報とは異なる第2の区分情報を付して前記レシートデータを電子化する。送信部は、電子化部で電子化されたレシートデータをサーバへと送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る電子レシートシステムの概略構成図。
【
図2】POS端末の要部回路構成を示すブロック図。
【
図3】POS端末の主要な機能構成を示すブロック図。
【
図4】センタサーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図5】第1の電子レシートデータの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図6】第2の電子レシートデータの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図7】POS端末のプロセッサが制御プログラムに従い実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図8】センタサーバのプロセッサが制御プログラムに従い実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図9】センタサーバのプロセッサが制御プログラムに従い実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図10】レシート一覧画像におけるトップ画面の一例を示す模式図。
【
図11】レシート一覧画像におけるレシート選択画面の一例を示す模式図。
【
図12】レシート一覧画像におけるレシート選択画面の一例を示す模式図。
【
図13】予約レシートに対するレシート詳細画像の一例を示す模式図。
【
図14】予約レシートに対するレシート詳細画像の一例を示す模式図。
【
図15】予約レシートに対するレシート詳細画像の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態は、POS(Point Of Sales)端末で決済された商取引の内容を表す取引レシート以外に、商取引以外の内容を表す非取引レシートとしてチャージレシートと予約レシートを電子化する電子レシートシステムを例示する。
【0009】
[電子レシートシステムの説明]
図1は、本実施形態に係る電子レシートシステム10の概略構成図である。電子レシートシステム10は、各加盟店Sにそれぞれ設けられるPOS端末20と、電子レシートセンタCに設けられるセンタサーバ30と、通信ネットワーク40と、を含む。加盟店Sは、電子レシートシステム10を利用するために加盟店登録をした店舗である。電子レシートセンタCは、電子レシートシステム10を運営する運営体によって管理されるコンピュータセンタである。通信ネットワーク40は、例えばインターネットである。各加盟店SのPOS端末20と電子レシートセンタCのセンタサーバ30とは、それぞれルータ等の通信機器を介して通信ネットワーク40に接続されている。
【0010】
電子レシートサービスを利用するサービス利用者(以下では、単に利用者と称する)が電子レシートシステム10を利用するためには、情報端末50が必要である。情報端末50は、無線LAN(Local Area Network)又はモバイル通信の技術を利用して無線通信が可能な携帯型の電子機器である。通信ネットワーク40には、無線LAN又はモバイル通信に対応したアクセスポイント60が多数接続されている。情報端末50は、いずれかのアクセスポイント60を介してセンタサーバ30と無線通信を行う。このような情報端末50としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話等が適用可能である。
【0011】
利用者は、情報端末50に専用のアプリケーションプログラムをインストールし、電子レシート会員として登録する。会員登録を行うことにより、その利用者に対して固有の会員IDが発行される。会員IDが発行された後は、アプリケーションプログラムを起動することで、当該会員IDを表すバーコードが情報端末50の表示デバイスに表示される。そこで利用者は、例えば、加盟店Sで買物を行いその決済を会計担当の店員に申し出る際に、表示デバイスに表示された会員IDのバーコードを提示する。店員は、POS端末20に備えられたバーコード読取用のスキャナ208を用いて会員IDのバーコードを読み取る。
【0012】
POS端末20は、スキャナ208で会員IDのバーコードが読み取られた場合、レシートを紙レシートではなく電子レシートとして発行する商取引であると認識する。そしてPOS端末20は、その商取引の内容を表す取引レシートを電子化した電子レシートデータを、バーコードから取得した会員IDとともにセンタサーバ30へと送信する。
【0013】
センタサーバ30は、各POS端末20から受信した電子レシートデータを、会員IDと関連付けて記憶する。その後、情報端末50から会員IDを含む電子レシートデータの閲覧コマンドを受信すると、センタサーバ30は、その会員IDで関連付けられた電子レシートデータをコマンド送信元の情報端末50へと送信する。電子レシートデータを受信した情報端末50では、その電子レシートデータに基づき表示デバイスにレシート画像が表示される。かくして利用者は、加盟店での決済時には受け取らなかったレシートを、電子レシートとして受け取ることができる。
【0014】
本実施形態の電子レシートシステム10は、上述した取引レシートの電子化だけでなく、チャージレシート、予約レシート等の非取引レシートの電子化にも対応する。チャージレシートは、POS端末20を利用して電子マネーをチャージした際に、チャージ金額、チャージ後残高等の電子マネーのチャージに関する情報を記録した非取引レシートである。予約レシートは、POS端末20を利用して商品の購入を予約した際に、商品名、予約日、受取予定日、予約者の氏名及び連絡先等の商品予約に関する情報を記録した非取引レシートである。
【0015】
[POS端末の説明]
図2は、POS端末20の要部回路構成を示すブロック図である。POS端末20は、プロセッサ201、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、時計204、通信インターフェース205、キーボード206、ディスプレイ207、スキャナ208、プリンタ209、リーダ・ライタ210及びシステムバス211を備える。そしてPOS端末20は、システムバス211に、プロセッサ201、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、時計204、通信インターフェース205、キーボード206、ディスプレイ207、スキャナ208、プリンタ209及びリーダ・ライタ210を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくしてPOS端末20は、プロセッサ201、メインメモリ202及び補助記憶デバイス203と、これらを接続するシステムバス211とによってコンピュータを構成する。
【0016】
プロセッサ201は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等に従って、POS端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ201は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0017】
メインメモリ202は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等のプログラムを記憶する。またメインメモリ202は、プロセッサ201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ202は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ201によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0018】
補助記憶デバイス203は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス203として使用される。補助記憶デバイス203は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で使用するデータ、又はプロセッサ201での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス203は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0019】
時計204は、POS端末20の時刻情報源として機能する。プロセッサ201は、時計204によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を計時する。
【0020】
通信インターフェース205は、LAN(Local Area Network)を介して店舗内のストアサーバ等とデータ通信を行う。また通信インターフェース205は、LANに接続されたルータを介して通信ネットワーク40に接続しており、所定の通信プロトコルに従い、通信ネットワーク40を介してセンタサーバ30とデータ通信を行う。
【0021】
キーボード206は、テンキー、小計キー、締めキー、チャージキー、予約キー等のように、POS端末20として必要な種々のキーが配設され、操作者による各種指示の入力を受け付ける。因みに、締めキーは、商取引の決済業務を宣言するためのキーである。チャージキーは、電子マネーのチャージ業務を宣言するためのキーである。予約キーは、商品の購入予約業務を宣言するためのキーである。キーボード206は、POS端末20の入力デバイスとして機能する。なお、キーボード206に代えて、あるいはキーボード206と組み合わせてタッチパネルを入力デバイスとして適用することも可能である。操作者は、典型的には、会計担当の店員である。しかし、買物客が自ら操作者となる場合もあり得る。
【0022】
ディスプレイ207は、操作者に対して各種の情報を通知するための各種画面を表示する。ディスプレイ207は、POS端末20の表示デバイスとして機能する。ディスプレイ207は1つに限定されるものではない。例えば店員用と買物客用の2つのディスプレイ207をPOS端末20が備えていてもよい。
【0023】
スキャナ208は、バーコードを光学的にスキャンして読み取る。スキャナ208は、POS端末20の入力デバイスとして機能する。各商品には、その商品固有の商品コードを表わしたバーコードが付されている。スキャナ208は、各商品に付されたバーコードを読み取ることができる。また、前述したように、情報端末50の表示デバイスに会員IDを示す会員IDのバーコードが表示されている場合、スキャナ208は、このバーコードを読み取ることができる。なお、スキャナ208は、バーコード以外のコードシンボル、例えば二次元データコードを読み取るものであってもよい。
【0024】
プリンタ209は、レシート用紙に対してレシート画像をプリントし、紙レシートを発行する。プリンタ209は、レシート用紙以外の用紙、例えばジャーナル用紙にデータを印字してもよい。プリンタ209は、POS端末20の印刷デバイスとして機能する。
【0025】
リーダ・ライタ210は、電子マネー媒体に対し、電子マネーを引き去る機能と、電子マネーをチャージする機能とを有する。電子マネー媒体は、例えばICカード、スマートフォン等である。
【0026】
図3は、POS端末20の主要な機能構成を示すブロック図である。POS端末20は、POS業務処理部220としての機能と、レシート生成部230としての機能と、レシート処理部240としての機能を有する。これらの機能は、プロセッサ201が、メインメモリ202又は補助記憶デバイス203にインストールされた制御プログラムに従い情報処理を行うことで実現される。POS端末20は、レシート処理部240としての機能を有することで、レシート処理装置となり得る。
【0027】
なお、制御プログラムをメインメモリ202又は補助記憶デバイス203にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいは通信ネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ202又は補助記憶デバイス203にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0028】
POS業務処理部220は、商取引の決済業務221、電子マネーのチャージ業務222及び商品の購入予約業務223等、POS端末20で実行可能な種々の業務を処理する機能である。決済業務221は、スキャナ208、キーボード206等の入力デバイスを介して登録された商品の代金を、現金、クレジットカード、電子マネー等の支払方法で決済する業務である。チャージ業務222は、電子マネー媒体に電子マネーをチャージする業務である。購入予約業務223は、対象商品の予約を受け付け、予約に必要な情報を登録する業務である。
【0029】
レシート生成部230は、POS業務処理部220によって処理された業務に係るレシートを生成する機能である。すなわちレシート生成部230は、決済業務に対しては取引レシートを生成し、チャージ業務に対してはチャージレシートを生成し、購入予約業務に対しては予約レシートを生成する。レシート生成部230で生成されるレシートのデータは、プリンタ209によりレシート用紙に印刷するための非構造化形式のデータである。
【0030】
レシート処理部240は、入力部241、判別部242、切替部243、出力部244、電子化部245及び通信部246としての機能を有する。
【0031】
入力部241は、電子レシートサービスを利用する利用者固有の会員IDを示すバーコードをスキャニングしたスキャナ208から出力されるデータを、電子レシートを要求するデータとして入力する。入力部241は、スキャナ208から入力されたデータ、すなわち会員IDを切替部243に与える。
【0032】
判別部242は、レシート生成部230で生成されたレシートデータが、商取引の内容を表す取引レシート(第1レシート)のデータであるのか、商取引以外の内容を表す非取引レシート(第2レシート)のデータであるのかを判別する。判別部242は、判別結果を切替部243に与える。
【0033】
切替部243は、入力部241を介して電子レシートを要求するデータ、すなわち会員IDが入力されている場合には、判別部242で判別されたレシートデータを電子化部245へと与える。切替部243は、会員IDが入力されていない場合には、判別部242で判別されたレシートデータを出力部244へと与える。
【0034】
出力部244は、レシートデータをプリンタ209に出力する。これにより、レシートデータに基づくレシートがレシート用紙に印刷されて、紙レシートとして発行される。
【0035】
電子化部245は、レシートデータが取引レシートのデータである場合には、第1の区分情報を付して当該レシートデータを電子化する。レシートデータが非取引レシートのデータである場合には、第1の区分情報とは異なる第2の区分情報を付して当該レシートデータを電子化する。因みに、電子化とは、レシート用紙に印刷するための非構造化形式のレシートデータを、例えばCSV(Comma-Separated Values)形式、XML(Extensible Markup Language)形式またはJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)形式等の構造化形式のレシートデータに変換することである。
【0036】
第1の区分情報及び第2の区分情報は、特に限定されない。例えば、第1の区分情報を“10”とし、第2の区分情報を“11”及び“12”とする。要は、第1の区分情報が付されたレシートデータが取引レシートのデータであり、第2の区分情報が付されたレシートデータが非取引レシートのデータであることを、センタサーバ30が認識できる情報であればよい。
【0037】
通信部246は、電子化部245によって電子化されたレシートデータを、通信インターフェース205に接続される通信ネットワーク40を介してセンタサーバ30へと送信する。
【0038】
[センタサーバの説明]
図4は、センタサーバ30の要部回路構成を示すブロック図である。センタサーバ30は、プロセッサ301、メインメモリ302、補助記憶デバイス303、時計304、通信インターフェース305及びシステムバス306を備える。そしてセンタサーバ30は、システムバス306に、プロセッサ301、メインメモリ302、補助記憶デバイス303、時計304及び通信インターフェース305を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくしてセンタサーバ30は、プロセッサ301、メインメモリ302及び補助記憶デバイス303と、これらを接続するシステムバス306とによってコンピュータを構成する。
【0039】
プロセッサ301は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ301は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等に従って、センタサーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ301は、例えばCPUである。
【0040】
メインメモリ302は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ302は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ302は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等のプログラムを記憶する。またメインメモリ302は、プロセッサ301が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ302は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ301によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0041】
補助記憶デバイス303は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス303として使用される。補助記憶デバイス303は、プロセッサ301が各種の処理を行う上で使用するデータ、又はプロセッサ301での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス303は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0042】
時計304は、センタサーバ30の時刻情報源として機能する。プロセッサ301は、時計304によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を計時する。
【0043】
通信インターフェース305は、通信ネットワーク40に接続しており、所定の通信プロトコルに従い、通信ネットワーク40を介して外部機器とデータ通信を行う。外部機器は、例えば各加盟店SのPOS端末20である。外部機器は、利用者が携帯する情報端末50の場合もあり得る。
【0044】
かかる構成のセンタサーバ30は、補助記憶デバイス303において、会員ファイル310、第1ファイル311及び第2ファイル312を備える。会員ファイル310は、電子レシートサービスの利用者として会員登録された各利用者の会員IDを含む会員データを記憶する。第1ファイル311は、電子化された取引レシートのデータから生成される第1の電子レシートデータ3111(
図5を参照)を記憶する。第2ファイル312は、電子化された非取引レシートのデータから生成される第2の電子レシートデータ3121(
図6を参照)を記憶する。
【0045】
図5は、第1の電子レシートデータ3111の主要なデータ構造を示す模式図である。
図5に示すように、第1の電子レシートデータ3111は、インデックスデータDaと取引レシートデータDbとからなる。インデックスデータDaは、取引レシートデータDbの見出しとなるデータである。
【0046】
インデックスデータDaは、会員ID、店舗コード、店舗アイコン、レシート区分、発行日時、取引合計金額を含む。会員IDは、電子レシートサービスを利用する利用者の識別コードである。店舗コードは、電子レシートサービスを利用した店舗の識別コードである。店舗アイコンは、店舗コードで識別される店舗を表すアイコンである。レシート区分は、取引レシートを示す区分情報、すなわち第1の区分情報である。発行日時は、取引レシートの発行日時である。取引合計金額は、取引レシートに表される商取引の合計金額である。インデックスデータDaは、上述した項目に限定されない。他の項目が含まれていてもよいし、一部の項目が省略されていてもよい。
【0047】
取引レシートデータDbは、取引レシートに印刷されるデータを構造化形式で電子化したデータである。すなわち、商品名、価格、販売点数、販売金額、合計点数、合計金額、支払金額等が構造化形式で電子化されたデータである。取引レシートデータDbをダウンロードした情報端末50においては、当該取引レシートデータDbに基づく取引レシートの画像を表示デバイスに表示させることができる。
【0048】
このように第1ファイル311は、会員コードと関連付けて、当該会員コードで識別される利用者が電子レシートとして受け取ることを申し出た取引レシートのデータを第1の電子レシートデータ3111として順次記憶するための領域である。
【0049】
図6は、第2の電子レシートデータ3121の主要なデータ構造を示す模式図である。
図6に示すように、第2の電子レシートデータ3121は、インデックスデータDcと非取引レシートデータDdとからなる。インデックスデータDcは、非取引レシートデータDdの見出しとなるデータである。
【0050】
インデックスデータDcは、会員ID、店舗コード、店舗アイコン、レシート区分、種別アイコン、発行日時、種別対象金額を含む。会員ID、店舗コード及び店舗アイコンは、第1の電子レシートデータ3111と同様である。
【0051】
レシート区分は、非取引レシートを示す区分情報、すなわち第2の区分情報である。第2の区分情報は、第1の区分情報とは異なる。第2の区分情報には、チャージレシートを示すチャージ区分情報と、予約レシートを示す予約区分情報とがある。前述したように、第2の区分情報を“11”及び“12”とした場合、チャージ区分情報を“11”とし、予約区分情報を“12”とする場合が想定される。
【0052】
種別アイコンは、非取引レシートの種類を識別可能なアイコンである。したがって、本実施形態においては、種別アイコンとしては、チャージレシートを表すチャージアイコン、又は、予約レシートを表す予約アイコンとがある。つまり、レシート区分がチャージ区分情報の場合、種別アイコンはチャージアイコンとなる。レシート区分が予約区分情報の場合、種別アイコンは予約アイコンとなる。
【0053】
発行日時は、非取引レシートの発行日時である。種別対象金額は、非取引レシートに表される金額である。チャージレシートの場合、種別対象金額はチャージ金額となる。予約レシートの場合、種別対象金額は予約商品の金額となる。インデックスデータDcは、上述した項目に限定されない。他の項目が含まれていてもよいし、一部の項目が省略されていてもよい。
【0054】
非取引レシートデータDdは、非取引レシートに印刷されるデータを構造化形式で電子化したデータである。チャージレシートの場合、チャージ金額、チャージ後残高が構造化形式で電子化されたデータである。予約レシートの場合、商品名、予約日時、受取予定日、予約者の氏名及び連絡先等が構造化形式で電子化されたデータである。非取引レシートデータDdをダウンロードした情報端末50においては、当該非取引レシートデータDdに基づく非取引レシートの画像を表示デバイスに表示させることができる。
【0055】
このように第2ファイル312は、会員コードと関連付けて、当該会員コードで識別される利用者が電子レシートとして受け取ることを申し出た非取引レシートのデータを第2の電子レシートデータ3121として順次記憶するための領域である。
【0056】
図4の説明に戻る。
センタサーバ30は、プロセッサ301が、受信部321、取得部322、処理部323、収集部324、編集部325及び提供部326として機能するように構成されている。これらの機能は、プロセッサ301が、メインメモリ302及び補助記憶デバイス303にインストールされた制御プログラムに従い情報処理を行うことで実現される。
【0057】
なお、制御プログラムをメインメモリ302又は補助記憶デバイス303にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいは通信ネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ302又は補助記憶デバイス303にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0058】
受信部321は、POS端末20のレシート処理部240で電子化されたレシートデータを、通信インターフェース305を介して受信する機能である。
【0059】
取得部322は、受信部321で受信したレシートデータに付されている区分情報、すなわち第1の区分情報又は第2の区分情報を取得する機能である。
【0060】
処理部323は、取得部322で取得した区分情報が第1の区分情報の場合には、受信部321で受信したレシートデータを取引レシートのレシートデータとして処理する機能である。具体的には、処理部323は、レシートデータを基に第1の電子レシートデータ3111を生成し、第1ファイル311に保存する。また処理部323は、取得部322で取得した区分情報が第2の区分情報の場合には、受信部321で受信したレシートデータを非取引レシートのレシートデータとして処理する機能でもある。具体的には、処理部323は、レシートデータを基に第2の電子レシートデータ3121を生成し、第2ファイル312に保存する。
【0061】
収集部324は、利用者の情報端末50からダウンロードが要求された電子レシートデータを第1ファイル311又は第2ファイル312から収集する機能である。収集部324は、情報端末50からの収集要求コマンドに含まれる会員IDで第1ファイル311を検索する。そして収集部324は、当該会員IDを含む第1の電子レシートデータ3111を第1ファイル311から収集する。また収集部324は、同会員IDで第2ファイル312を検索する。そして収集部324は、当該会員IDを含む第2の電子レシートデータ3121を第2ファイル312から収集する。
【0062】
編集部325は、収集部324で収集した電子レシートデータを基に、情報端末50で電子レシートを閲覧するための画像を編集し、ダウンロード要求元の情報端末50へと送信する機能である。
【0063】
提供部326は、利用者の情報端末50から閲覧が要求された電子レシートの画像を、要求元の情報端末50に提供する機能である。例えば利用者の情報端末50から取引レシートの閲覧が要求された場合、提供部326は、当該取引レシートに係る第1の電子レシートデータ3111の取引レシートデータDbを閲覧要求元の情報端末へと送信する。例えば利用者の情報端末50から非取引レシートの閲覧が要求された場合、提供部326は、当該非取引レシートに係る第2の電子レシートデータ3121の非取引レシートデータDdを閲覧要求元の情報端末へと送信する。
【0064】
[POS端末20の動作説明]
図7は、POS端末20のプロセッサ201が制御プログラムに従い実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ201は、ACT1としてPOS業務処理部220の機能によりPOS業務を実行する。そしてプロセッサ201は、ACT2としてレシートの発行タイミングになるのを待ち受ける。例えば商取引の決済業務221を実行している場合、プロセッサ201は、取引レシートの発行タイミングを待ち受ける。例えば電子マネーのチャージ業務222を実行している場合、プロセッサ201は、チャージレシートの発行タイミングを待ち受ける。例えば商品の購入予約業務223を実行している場合、プロセッサ201は、予約レシートの発行タイミングを待ち受ける。
【0065】
レシートの発行タイミングになると、プロセッサ201は、ACT2においてYESと判定し、ACT3へと進む。プロセッサ201は、ACT3としてレシート生成部230の機能によりレシートデータを生成する。例えば発行タイミングとなったレシートが取引レシートの場合、プロセッサ201は取引レシートのレシートデータを生成する。例えば発行タイミングとなったレシートがチャージレシートの場合、プロセッサ201はチャージレシートのレシートデータを生成する。例えば発行タイミングとなったレシートが予約レシートの場合、プロセッサ201は予約レシートのレシートデータを生成する。
【0066】
レシートデータが生成されると、プロセッサ201は、ACT4としてそのレシートの種類を判別する。そしてプロセッサ201は、ACT5としてその種類に応じた種別コードをレシートデータに割り当てる。例えば取引レシートのデータが生成された場合、プロセッサ201は種別コード“0”を設定する。例えばチャージレシートのデータが生成された場合、プロセッサ201は種別コード“1”を生成する。例えば予約レシートのデータが生成された場合、プロセッサ201は種別コード“2”を生成する。
【0067】
プロセッサ201は、ACT6として判別部242の機能により電子レシートサービスの利用者に対して発行されるレシートであるか否かを確認する。プロセッサ201は、入力部241の機能により電子レシートを要求するデータが入力されているか否かを確認する。電子レシートを要求するデータが入力されていない場合、ACT3においてレシートデータが生成されたレシートは、利用者以外の消費者に対して発行されるレシートである。この場合、プロセッサ201は、ACT6においてNOと判定し、ACT7へと進む。プロセッサ201は、ACT7として切替部243の機能によりレシートデータを出力部244へと出力する。プロセッサ201は、ACT8として出力部244の機能によりレシートデータをプリンタ209に出力して、印刷を指令する。
【0068】
かくして、POS端末20においては、プリンタ209が動作してレシートデータがレシート用紙に印刷される。その結果、紙媒体による取引レシート、チャージレシート、予約レシート等が発行される。
【0069】
一方、電子レシートを要求するデータが入力されている場合には、ACT3においてレシートデータが生成されたレシートは、電子レシートサービスの利用者に対して発行されるレシートである。この場合、プロセッサ201は、ACT6においてYESと判定し、ACT9へと進む。プロセッサ201は、ACT9として切替部243の機能によりレシートデータを電子化部245へと出力する。
【0070】
プロセッサ201は、ACT10乃至ACT12として電子化部245の機能を実行する。すなわちプロセッサ201は、ACT10としてレシートデータに割り当てられている種別コードを識別する。プロセッサ201は、ACT11としてその種別コードで識別されるレシート区分をレシートデータに付加する。具体的にはプロセッサ201は、種別コードが“0”、すなわち取引レシートのレシートデータに対しては、第1の区分情報、例えば“10”を付加する。種別コードが“1”、すなわちチャージレシートのレシートデータに対しては、第2の区分情報であるチャージ区分情報、例えば“11”を付加する。種別コードが“2”、すなわち予約レシートのレシートデータに対しては、第2の区分情報である予約区分情報、例えば“12”を付加する。プロセッサ201は、ACT12としてレシート区分が付加されたレシートデータを電子化する。
【0071】
プロセッサ201は、ACT13として通信部246の機能により、電子化されたレシートデータをセンタサーバ30に宛てて送信する。これにより、電子化されたレシートデータは、通信インターフェース205から通信ネットワーク40を介してセンタサーバ30へと送信される。
【0072】
このように、電子レシートシステム10のPOS端末20によれば、レシート処理部240の各機能により、取引レシートのみならず、チャージレシート、予約レシートなどの非取引レシートについても電子化し、センタサーバ30へと送信することができる。
【0073】
[センタサーバの電子レシート受信時における動作説明]
図8は、センタサーバ30のプロセッサ301が制御プログラムに従い実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ301は、ACT21として受信部321の機能によりレシートデータの受信を待ち受けている。通信インターフェース305を介していずれかの加盟店SのPOS端末20から送信されたレシートデータを受信すると、プロセッサ301は、ACT21においてYESと判定し、ACT22へと進む。プロセッサ301は、ACT22として取得部322の機能によりレシートデータに付加されているレシート区分を取得する。そしてプロセッサ301は、ACT23乃至ACT30として処理部323の機能を実行する。
【0074】
すなわちプロセッサ301は、ACT23としてレシート区分が取引レシートを示す第1の区分情報であるか否かを確認する。レシート区分が第1の区分情報である場合、プロセッサ301は、ACT23においてYESと判定し、ACT24へと進む。プロセッサ301は、ACT24としてレシートデータに含まれる店舗コードと関連付けて設定されている店舗アイコンを取得する。センタサーバ30は、各加盟店Sの店舗コードと関連付けて固有の店舗アイコンが設定されたアイコンテーブルを備えている。アイコンテーブルは、センタサーバ30がアクセス可能な他のサーバが備えていてもよい。
【0075】
プロセッサ301は、ACT25としてレシートデータから第1の電子レシートデータ3111のインデックスデータDaを構成する項目のデータを検出する。そしてプロセッサ301は、ACT26としてインデックスデータDaと取引レシートデータDbとからなる第1の電子レシートデータ3111を生成し、第1ファイル311に保存する。
【0076】
一方、レシート区分が第2の区分情報である場合には、プロセッサ301は、ACT23においてNOと判定し、ACT27へと進む。プロセッサ301は、ACT27としてレシートデータに含まれる店舗コードと関連付けて設定されている店舗アイコンを取得する。またプロセッサ301は、ACT28としてレシートデータに含まれるレシート区分と関連付けて設定されている種別アイコンを取得する。センタサーバ30は、チャージ区分情報、予約区分情報等のレシート区分と関連付けて、チャージアイコン、予約アイコン等の固有の種別アイコンが設定されたアイコンテーブルを備えている。アイコンテーブルは、センタサーバ30がアクセス可能な他のサーバが備えていてもよい。
【0077】
プロセッサ301は、ACT29としてレシートデータから第2の電子レシートデータ3121のインデックスデータDcを構成する項目のデータを検出する。そしてプロセッサ301は、ACT30としてインデックスデータDcと非取引レシートデータDdとからなる第2の電子レシートデータ3121を生成し、第2ファイル312に保存する。
【0078】
以上で、プロセッサ301は、POS端末20からレシートデータを受信したときの情報処理を終了する。
【0079】
このようにセンタサーバ30は、各加盟店SのPOS端末20から送信される取引レシートに係る第1の電子レシートデータ3111を保存するだけでなく、チャージレシート、予約レシート等の非取引レシートに係る第2の電子レシートデータ3121も保存することができる。しかもセンタサーバ30は、第1の電子レシートデータ3111を第1ファイル311で保存し、第2の電子レシートデータ3121を第2ファイル312で保存する。したがって、センタサーバ30は、取引レシートに係る第1の電子レシートデータ3111と非取引レシートに係る第2の電子レシートデータ3121とを区別して保存することができる。その結果、例えば第2ファイル312に保存された電子レシートデータを分析することで、非取引レシートとしてどのようなレシートが電子化されているのか等を容易に分析することができる。
【0080】
[センタサーバの電子レシート要求受時における動作説明]
図9は、センタサーバ30のプロセッサ301が制御プログラムに従い実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ301は、ACT41として電子レシートの要求コマンドを待ち受けている。電子レシートの要求コマンドは、利用者が情報端末50にインストールされた専用のアプリケーションプログラムを起動し、そのホーム画面から電子レシートの要求操作を行うと、情報端末50からセンタサーバ30に充てて無線送信される。
【0081】
プロセッサ301は、通信インターフェース305を介して利用者の情報端末50から送信される電子レシートの要求コマンドを受信すると、ACT41においてYESと判定し、ACT42へと進む。プロセッサ301は、ACT42乃至ACT45として収集部324の機能を実行する。
【0082】
すなわちプロセッサ301は、ACT42として要求コマンドから利用者の会員IDを取得する。そしてプロセッサ301は、ACT43として第1ファイル311を検索して、当該会員IDを含む第1の電子レシートデータ3111を収集する。またプロセッサ301は、ACT44として第2ファイル312を検索して、当該会員IDを含む第2の電子レシートデータ3121を収集する。
【0083】
プロセッサ301は、ACT45として編集部325の機能を実行する。すなわちプロセッサ301は、収集した第1の電子レシートデータ3111と第2の電子レシートデータ3121とを基に、レシート一覧画像を編集する。レシート一覧画像については後述する。
【0084】
プロセッサ301は、ACT46として提供部326の機能によりレシート一覧画像のデータを、要求コマンド送信元の情報端末50に宛てて送信するように通信インターフェース305を制御する。この制御により、レシート一覧画像のデータは、通信ネットワーク40を伝送され、アクセスポイント60から要求コマンド送信元の情報端末50に無線送信される。これにより、情報端末50においては、タッチパネル等の表示デバイスにレシート一覧画像のトップ画面SCa(
図10を参照)が表示される。
【0085】
図10は、トップ画面SCaの一例である。図示するようにトップ画面SCaには、月毎に支払総額とチャージ総額と予約有無の情報とが表示される。支払い総額は、発行日が同一月の第1の電子レシートデータ3111に含まれる取引合計金額の総額である。チャージ総額は、発行日が同一月の第2の電子レシートデータ3121のうちレシート区分がチャージレシートの区分である第2の電子レシートデータ3121に含まれるチャージ金額の総額である。予約有無の情報は、発行日が同一月の第2の電子レシートデータ3121のなかに、レシート区分が予約レシートの区分である第2の電子レシートデータ3121が存在する場合には「予約有り」、存在しない場合には「予約無し」となる。
【0086】
したがって利用者は、トップ画面SCaの情報から、月毎の支払総額またはチャージ総額を知ることができる。また利用者は、その月に予約した商品があるか否かを知ることができる。
【0087】
トップ画面SCaを確認した利用者は、電子レシートを確認したい月を選択する。そうすると、レシート一覧画像がトップ画面SCaからレシート選択画面SCbに切り替わる。
【0088】
図11は、トップ画面SCaで12月が選択された場合のレシート選択画面SCbの一例である。図示するように、レシート選択画面SCbには、12月の支払総額、チャージ総額及び予約有無の情報とともに、12月に発行された電子レシートのインデックス画像Pa,Pb,Pcの一覧が表示される。
【0089】
インデックス画像Paは、第1の電子レシートデータ3111のインデックスデータDaに基づく画像である。インデックス画像Paは、発行日と、店舗アイコンMaと、取引合計金額とを表す画像である。インデックス画像Pbは、予約レシートに係る第2の電子レシートデータ3121のインデックスデータDcに基づく画像である。インデックス画像Pbは、発行日と、予約アイコンMbと、店舗アイコンMaと、種別対象金額(予約商品の金額)とを表す画像である。インデックス画像Pcは、チャージレシートに係る第2の電子レシートデータ3121のインデックスデータDcに基づく画像である。インデックス画像Pcは、発行日と、チャージアイコンMcと、店舗アイコンMaと、種別対象金額(チャージ金額)とを表す画像である。
【0090】
したがって利用者は、レシート選択画面SCbの情報から、選択した月の電子レシートが、いつ、どの店舗から発行されたものであるのかを、取引レシートと非取引レシートとを区別して知ることができる。その上、非取引レシートについては、チャージレシートであるのか予約レシートであるのかも識別することができる。さらには、チャージレシートのインデックス画像Pcからはチャージ金額を容易に知ることができる。
【0091】
なお、インデックス画像Pa,Pb,Pcに含まれる情報は、
図11に示す情報に限定されない。利用者が、電子レシートを特定できる情報であればよい。
【0092】
レシート選択画面SCbは、プルダウンメニューWaのなかから店舗名を選択することで、同一店舗から発行された電子レシートのインデックス画像Pa,Pb,Pcに絞り込むことができる。また、レシート選択画面SCbは、プルダウンメニューWbのなかからレシートの種類を選択することで、同一種類の電子レシートのインデックス画像Pa,PbまたはPcに絞り込むことができる。
【0093】
図12は、プルダウンメニューWbのなかからチャージレシートを選択した場合のレシート選択画面SCcである。図示するように、レシート選択画面SCcには、チャージ総額と、月別のチャージ総額と、月毎のチャージレシートのインデックス画像Pcとが表示される。チャージ総額は、例えば1年分のチャージ金額の総額である。
【0094】
したがって、レシート選択画面SCcの情報から、利用者は、チャージ金額の総額及び月毎のチャージ金額の総額に加えて、いつ、どの店で、いくらチャージしたのかという詳細な情報を容易に知ることができる。
【0095】
図9の説明に戻る。
レシート一覧画像のデータを送信したセンタサーバ30のプロセッサ301は、ACT47として閲覧コマンドを受信したか否かを確認する。閲覧コマンドを受信していない場合、プロセッサ301は、ACT47においてNOと判定し、ACT48へと進む。プロセッサ301は、ACT48として終了コマンドを受信したか否かを確認する。終了コマンドを受信していない場合、プロセッサ301は、ACT48においてNOと判定し、ACT47へと戻る。このようにプロセッサ301は、ACT47及びACT48として閲覧コマンドを受信するか終了コマンドを受信するのを待ち受ける。
【0096】
レシート選択画面SCbまたはレシート選択画面SCcを確認した利用者は、電子レシートを閲覧したいインデックス画像Pa,Pb,Pcを選択する。そうすると、情報端末50からセンタサーバ30に宛てて閲覧コマンドが送信される。閲覧コマンドには、利用者によって選択されたインデックス画像Pa,Pb,Pcの情報が含まれる。
【0097】
プロセッサ301は、閲覧コマンドを受信すると、ACT47においてYESと判定し、ACT49へと進む。プロセッサ301は、ACT49として提供部326の機能によりレシートデータを提供する。
【0098】
具体的にはプロセッサ301は、要求コマンドに含まれるインデックス画像の情報から、第1の電子レシートデータ3111又は第2の電子レシートデータ3121を特定する。そして、第1の電子レシートデータ3111が特定された場合には、プロセッサ301は、その第1の電子レシートデータ3111に含まれる取引レシートデータDbを、要求コマンド送信元の情報端末50に宛てて送信する。第2の電子レシートデータ3121が特定された場合には、プロセッサ301は、その第2の電子レシートデータ3121に含まれる非取引レシートデータDdを、要求コマンド送信元の情報端末50に宛てて送信する。
【0099】
レシートデータを提供したプロセッサ301は、ACT50としてそのレシートデータが予約レシートのデータであるか否かを確認する。予約レシートのデータでない場合、プロセッサ301は、ACT50においてNOと判定し、ACT47へと戻る。すなわちプロセッサ301は、閲覧コマンドと終了コマンドの待ち受け状態に戻る。
【0100】
情報端末50に提供したレシートデータが予約レシートのデータである場合、プロセッサ301は、ACT50においてYESと判定し、ACT51へと進む。プロセッサ301は、ACT51として予約した商品の受け取りが指定されたか否かを確認する。予約した商品の受け取りが指定されなかった場合、プロセッサ301は、ACT51においてNOと判定し、ACT47へと戻る。すなわちプロセッサ301は、閲覧コマンドと終了コマンドの待ち受け状態に戻る。
【0101】
予約した商品の受け取りが指定された場合には、プロセッサ301は、ACT51においてYESと判定し、ACT52へと進む。プロセッサ301は、ACT52として予約レシートの非取引レシートデータDdを、商品受取り済みの非取引レシートデータに修正する。その後、プロセッサ301は、閲覧コマンドと終了コマンドの待ち受け状態に戻る。
【0102】
図13は、予約レシートREaの非取引レシートデータDdを受信した情報端末50の表示デバイスに表示されるレシート詳細画面SCdの一例である。レシート詳細画面SCdに表示される予約レシートREaは、予約した商品の引換票として使用することができる。
【0103】
すなわち、商品を予約した利用者は、受取日になると予約した店舗へ出向き、情報端末50に表示させた予約レシートREaを店員に見せる。店員または利用者は、予約レシートREaにタッチする。そうすると、
図14に示すように、予約レシートREaの上に受取完了ボタンBTが表示されるので、店員または利用者は、受取完了ボタンBTを入力する。そうすると、情報端末50からセンタサーバ30に宛てて予約した商品の受取完了が通知される。これにより、予約レシートREaの非取引レシートデータDdが、商品受取り済みの非取引レシートデータに修正される。そして、情報端末50の表示デバイスには、
図15に示すように、予約した商品が受け取り済みであることを示す予約レシートREbが表示される。
【0104】
このように、電子化された予約レシートREaは、予約した商品の受取票として利用することができる。
【0105】
情報端末50においてアプリケーションプログラムが終了すると、終了コマンドが送信される。閲覧コマンドと終了コマンドの待ち受け状態にあるセンタサーバ30のプロセッサ301は、終了コマンドを受信すると、ACT48においてYESと判定する。プロセッサ301は、
図9の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0106】
以上、詳述したように、レシート処理部240としての機能を有するPOS端末20によれば、取引レシートだけでなく、非取引レシートも電子化することができる。
【0107】
また、POS端末20によれば、電子レシートサービスの利用者が会員IDを提示した場合に限り、非取引レシートを電子化することができる。換言すれば、チャージレシート、予約レシートなどの非取引レシートについても電子レシートとして受け取りたい消費者は電子レシートサービスを積極的に利用するようになる。したがって、電子レシートサービスの普及を図ることができる。
【0108】
その上、予約レシートを電子化した場合には、その予約レシートを受取票として使用することができる。したがって、店舗にとっては、予約レシートとは別に受取票を予約者に発行する手間を簡略化できる。また、予約者にとっても商品を受け取るまで受取票を管理する手間がなくなる。
【0109】
[変形例]
POS端末20が有する機能は、POS業務処理部220、レシート生成部230及びレシート処理部240としての機能に限定されるものではない。また、レシート生成部230は、POS業務処理部220としての機能に含まれていてもよい。あるいはレシート生成部230は、レシート処理部240としての機能に含まれていてもよい。
【0110】
レシート処理部240としての機能は、POS端末20に接続された情報処理装置が備えてもよい。つまり、レシート処理装置をPOS端末とは別体の情報処理装置によって実現してもよい。
【0111】
レシート処理部240は、判別部242としての機能と、電子化部245としての機能と、通信部246としての機能とを有するものであってもよい。すなわち、レシート生成部230で生成された取引レシートまたは非取引レシートをすべて電子化するレシート処理装置であってもよい。
【0112】
第2の区分情報は、非取引レシートの種類に係らず共通としてもよい。その場合、レシート一覧画像のレシート選択画面SCb,SCcに表示される種別アイコンは、同一のアイコンとなる。かような実施形態であっても、非取引レシートを電子化できることに変わりはない。
【0113】
電子レシートを要求するデータは、電子レシートサービスの会員IDに限るものではない。例えば、電子レシートサービスと併用してポイントサービスを実施している場合、ポイントカードの会員IDと電子レシートサービスの会員IDとを連携する。そうすることにより、ポイントカードの会員IDを電子レシートを要求するデータとして利用することができる。
【0114】
例えば、第1の電子レシートデータ3111のインデックスデータDaに種別アイコンを追加する。そうすることにより、センタサーバ30は、第1の電子レシートデータ3111と第2の電子レシートデータ3121とを1つのデータファイルに保存することができる。
【0115】
非取引レシートは、チャージレシートと予約レシートに限定されない。例えば、家電製品などを購入した際に発行される保証書としてのレシートを電子化してもよい。そうすることにより、保証書を電子化してセンタサーバ30で管理できるので、紛失してしまうおそれはない。
【0116】
図10乃至
図15に示す画像はあくまでも一例である。同様な情報を利用者が得ることができるのであれば、その内容は特に限定されるものではない。
【0117】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10…電子レシートシステム、20…POS端末20…センタサーバ、40…通信ネットワーク、50…情報端末、60…アクセスポイント、201,301…プロセッサ、202,302…メインメモリ、203,303…補助記憶デバイス、204,304…時計、205,305…通信インターフェース、206…キーボード、207…ディスプレイ、208…スキャナ、209…プリンタ、210…リーダ・ライタ、211,306…システムバス、220…POS業務処理部220…レシート生成部、240…レシート処理部、241…入力部、242…判別部、243…切替部、244…出力部、245…電子化部、246…通信部、310…会員ファイル、311…第1ファイル、312…第2ファイル、321…受信部、322…取得部、323…処理部、324…収集部、325…編集部、326…提供部。