(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111045
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240808BHJP
【FI】
A63F13/69
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096089
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2020057858の分割
【原出願日】2020-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 祥宏
(57)【要約】
【課題】抽選回数に応じてユーザに希少度の高いゲーム媒体が供出されやすくし、ゲームの興趣性を向上できる、ゲームプログラム、ゲーム方法、および情報処理装置を提供する。
【解決手段】予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちからユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体を設定するステップと、ユーザに対応して特定している複数のゲーム媒体からユーザに付与するゲーム媒体を決定するステップとを実行させ、複数種類のゲーム媒体には、第1の属性と、第1の属性よりもユーザにとっての有利度合いが高い第2の属性とを含む複数の属性のいずれかが定められており、設定するステップは、第1の属性が定められているゲーム媒体が決定するステップによって決定されることにより、決定されたゲーム媒体を減じて、第2の属性が定められているゲーム媒体を加えてなる複数のゲーム媒体を、ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体として新たに設定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
ユーザに対応して、予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体を設定するステップと、
ユーザの操作に応じて、当該ユーザに対応して特定している複数のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与するゲーム媒体を決定するステップとを実行させ、
前記予め定められている複数種類のゲーム媒体の各々には、第1の属性と、当該第1の属性よりもユーザにとっての有利度合いが高い第2の属性とを含む複数の属性のうちのいずれかが定められており、
前記設定するステップは、ユーザに付与するゲーム媒体として前記第1の属性が定められているゲーム媒体が前記決定するステップによって決定されることにより、当該ユーザに対応して設定している複数のゲーム媒体から前記付与すると決定されたゲーム媒体を減じて、前記第2の属性が定められているゲーム媒体を加えてなる複数のゲーム媒体を、当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体として新たに設定する、ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームとしては、ユーザが所有するキャラクタカードなどのゲーム媒体を用いて進行するゲームが知られている。また、このようなゲーム媒体の提供方法としては、ゲーム上で行われる抽選で供出されたゲーム媒体をユーザに提供する、いわゆる「ガチャ」が知られている。該ガチャには、供出できるゲーム媒体の上限数が定められており、ゲーム媒体が供出されることに応じてゲーム媒体の仮想的な収容個数が減っていく、いわゆる「BOXガチャ」がある。また、BOXガチャにおいては、収容されているゲーム媒体に応じて、供出可能なゲーム媒体の名称、ゲーム媒体ごとの総数、現時点でのゲーム媒体の収容個数などを表示する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなゲームにおいては、ガチャによる抽選が行われることにより収容個数が減るものの、収容個数に対して希少度の高いゲーム媒体の個数が少なく入手は容易ではない。このため、ユーザは、希少度の高いゲーム媒体を入手するまでにガチャをやめてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、抽選回数に応じてユーザに希少度の高いゲーム媒体が供出されやすくし、ゲームの興趣性を向上できる、ゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムであって、ゲームプログラムは、プロセッサに、ユーザに対応して、予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちからユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体を設定するステップと、ユーザの操作に応じて、ユーザに対応して特定している複数のゲーム媒体のうちからユーザに付与するゲーム媒体を決定するステップとを実行させ、予め定められている複数種類のゲーム媒体の各々には、第1の属性と、第1の属性よりもユーザにとっての有利度合いが高い第2の属性とを含む複数の属性のうちのいずれかが定められており、設定するステップは、ユーザに付与するゲーム媒体として第1の属性が定められているゲーム媒体が決定するステップによって決定されることにより、ユーザに対応して設定している複数のゲーム媒体から付与すると決定されたゲーム媒体を減じて、第2の属性が定められているゲーム媒体を加えてなる複数のゲーム媒体を、ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体として新たに設定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、ユーザに付与するゲーム媒体が決定されることにより、以降において第2の属性が定められているゲーム媒体が付与するゲーム媒体として決定される割合を高めることができ、ゲームの興趣性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】ユーザ端末およびサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】デッキ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】抽選処理全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】デッキ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】抽選処理全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0010】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0011】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0012】
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15に代えて、または、加えて、ユーザ端末100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
【0013】
また、
図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
【0014】
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
【0015】
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
【0016】
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台のユーザ端末100でマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
【0017】
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
【0018】
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
【0019】
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラムおよびデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0020】
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0021】
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0022】
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、または、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0023】
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
【0024】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0025】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0026】
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0027】
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、ユーザ端末100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、ユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
【0028】
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0029】
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0030】
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0031】
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0032】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0033】
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0034】
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
【0035】
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
【0036】
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0037】
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)~(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
【0038】
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手をユーザ端末100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、または、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(またはドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリックまたはタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
【0039】
<ゲーム概要>
ゲームシステム1は、ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能なゲーム媒体をユーザに付与するシステムであって、仮想筐体であるデッキに収容されている(関連付けられている)複数のゲーム媒体のうちからユーザに付与するゲーム媒体を決定し、決定したゲーム媒体の希少度に基づいてデッキに収容されている複数のゲーム媒体を更新又は初期化するシステムである。
【0040】
ユーザに付与するゲーム媒体の決定は、デッキに収容されているゲーム媒体の個数に基づいて選択される処理であればよく、例えば、抽選によって選択する処理が挙げられる。以下、本実施形態では、ゲーム媒体を決定する処理を抽選である形態(以下、抽選処理)について説明する。また、決定されたゲーム媒体はユーザに付与されることになり、ゲームプレイに利用できる。なお、ゲーム媒体等について、ユーザに関連付けてメモリに記憶させることを、ユーザに付与する、という。
【0041】
抽選処理によってユーザに付与されるゲーム媒体は、例えば、ゲームにおいて利用可能なキャラクタ、キャラクタに関連付けて用いられるオブジェクト等があげられる。キャラクタに関連付けて用いられるオブジェクトとしては、例えば、キャラクタに関連付けて利用される、武器・防具等のアイテム、特殊な攻撃、回復、キャラクタ等のオブジェクトの状態を変化させるスキル等であってもよい。
【0042】
また、デッキに収容され得る複数種類のゲーム媒体には、各々、希少度が設定されている。希少度とは、ゲームにおけるゲーム媒体の希少性を数値で表した一種のゲームパラメータである。ゲーム媒体の希少度が高いほど、ゲームにおけるそのキャラクタの希少性(レア度)が高いことを意味するとともに、ゲームプレイに利用した場合にユーザの有利性を高める度合い(有利度合い)が高いことを意味する。本開示におけるゲーム媒体の希少度は、例えば、S、A、B、Cの何れかのランクが定められている。以下、S、A、B、Cランクの希少度を有するゲーム媒体を、それぞれ単に、S、A、B、Cランクのゲーム媒体(例えば、キャラクタ、防具、アイテム等)とも呼称する。本実施形態では、希少度の高さは、S>A>B>Cの関係となっている。ゲーム媒体の希少度が高いほど、レア度を高めるために、複数のゲーム媒体に含まれる個数は少ない。言い換えれば、ゲーム媒体の希少度が高いほど、そのゲーム媒体をユーザが取得できる可能性は低い。また、ゲーム媒体の希少度が高いほど、ゲ有利度合いが高いため、ゲームにおけるゲーム媒体の価値が高い。例えば、ゲーム媒体の希少度がより高いほど、ゲーム媒体の性能はより高いものとなる。
【0043】
ゲームシステム1によって実行されるゲーム(以下、本ゲーム)は、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲームであってよい。例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカーおよびホッケーなどのスポーツを題材としたゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ならびに、アクションゲームなどであってもよい。以下、一例として、本ゲームは、所定の達成条件が設定されたステージ単位でプレイ可能なパズルゲームであるものとして説明を行う。ゲーム内容の詳細については後述する。
【0044】
また、本ゲームは、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームであってもよい。例えば、単一のユーザによるシングルプレイゲーム、および、複数のユーザによるマルチプレイゲーム、また、マルチプレイゲームの中でも、複数のユーザが対戦する対戦ゲーム、および、複数のユーザが協力する協力プレイゲームなどであってもよい。
【0045】
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれは、図示しない、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成を含み得る。
【0046】
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
【0047】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有していてもよい。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
【0048】
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100が実行するゲームプログラムである。ゲームプログラム231は、サーバ200が実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラムを実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。また、記憶部220に格納されたゲーム情報132には、抽選処理において各キャラクタが選択される選択確率を規定した確率テーブルが含まれる。確率テーブルの詳細については後述する。
【0049】
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム231を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
【0050】
制御部210は、ゲームプログラム231の記述に応じて、抽選処理部211として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0051】
抽選実行部212は、ユーザ端末100からの要求に応じて、ユーザに付与するゲーム媒体を決定するための抽選を実行する。抽選実行部212は、抽選結果を、要求元のユーザ端末100に送信する。
【0052】
更新部213は、抽選結果から、後述するユーザ毎のデッキを管理するためのデッキ管理テーブル(デッキに収容されている複数のゲーム媒体)を更新して、記憶部220に記憶する。初期化処理部214は、抽選結果から、デッキ管理テーブルを初期化して、記憶部220に記憶する。ゲーム媒体付与部215は、ユーザ端末100からの要求に応じて、抽選実行部212により決定されたゲーム媒体をユーザに付与するための処理(当該ユーザが所有するゲーム媒体を更新、当該ゲーム媒体の情報を要求元のユーザ端末100に送信など)を行う。
【0053】
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームプログラム131およびユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。また、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
【0054】
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、抽選部115、判定部116、ゲーム媒体管理部117およびゲーム進行部118として機能する。
【0055】
なお、制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0056】
さらに、制御部110は、図示しない操作受付部、および、表示制御部などとしても機能する。操作受付部は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。例えば、操作受付部は、上述の入力操作の、入力部151における入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部は、例えば、タッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。表示制御部は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、制御部110の各部によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部は、制御部110の各部によって生成された映像を含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部は、グラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
【0057】
抽選部115は、ゲームにおいて利用可能なゲーム媒体を決定する為の抽選を、サーバ200に要求する。また、抽選部115は、サーバ200から抽選結果を取得する。例えば、抽選部115は、ユーザによって保有される消費アイテムと引き換えに、抽選をサーバ200に要求する。また、抽選部115は、ゲームにおいてその他の条件が満たされた場合に、抽選をサーバ200に要求してもよい。
【0058】
判定部116は、ゲームの進行に必要な各種の判定処理を実行する。判定部116は、例えば、抽選処理の実行を指示するユーザ操作がなされたか否かを判定する。
【0059】
ゲーム媒体管理117は、ユーザが利用可能なキャラクタ等の各種のゲーム媒体を管理する。ゲーム媒体管理部117は、例えば、抽選などにより付与されたゲーム媒体((ユーザ所有のゲーム媒体)を表す情報を記憶部120に記憶させることによって、当該ゲーム媒体をゲームにおいてユーザが利用可能となる。
【0060】
ゲーム進行部118は、ゲームの実行に係る各種処理を行う。例えば、ゲーム進行部118は、操作受付部111が受け付けた入力操作の入力位置の座標と操作の種類とから示されるユーザの指示内容を解釈し、当該解釈に基づいて、ゲームを進行させる処理を行う。
【0061】
なお、
図2に示すサーバ200およびユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0062】
<デッキ管理テーブル>
次に、
図3を用いて、デッキ管理テーブルの一例について説明する。デッキ管理テーブルは、ユーザ毎に設けられているデッキを管理するためのテーブルであって、デッキ毎に収容されている(関連付けられている)複数のゲーム媒体を特定するためのテーブルである。デッキ管理テーブルは、サーバ200のユーザ情報133において記憶・管理されている。デッキ管理テーブルには、
図3(A)に示すように、「ユーザID」、「デッキID」、「ゲーム媒体の個数」、「ランク」、「収容個数」を特定可能な情報が記憶されている。
【0063】
「ユーザID」は、ユーザを特定するための識別コードであり、ユーザ毎に付与されている。ユーザIDは、
図3(A)においては「a、b、c、・・」のようにアルファベット一文字で例示しているが、例えば、「U0001」のようにアルファベットと数字の組み合わせなどから構成されているものとする。「デッキID」は、デッキを特定するための識別コードであり、デッキ毎に付与されている。
図3(A)においては、デッキIDは、ユーザIDと同様に簡略化して例示しているが、例えば、「D0001」のようにアルファベットと数字を組み合わせなどから構成されているものとする。
図3では、1ユーザに1つのデッキが割り当てられている例を示している。
図3(A)に示した例では、ユーザID「a」に対して、デッキID「デッキa」が記憶されている。なお、デッキは、1ユーザに対して1つ割り当てられているものに限らず、複数割り当てられているものであってもよく、この場合はユーザからの抽選要求の種類に応じて対応するデッキを用いて抽選を行うようにしてもよい。
【0064】
デッキには、各々、収容されているゲーム媒体の個数が関連付けられている。ゲーム媒体には、各々、上述の希少度を示す「ランク」と、ゲーム媒体に対応付けられている「名称」が設定されている。
図3(A)では、複数種類のゲーム媒体各々の名称を「ア」~「ン」などのカタカナで例示している。このうち、例えば「ア」~「オ」などがSランクのゲーム媒体として定められており、「カ」~「コ」などがAランクのゲーム媒体として定められており、「サ」~「ソ」などがBランクのゲーム媒体として定められており、「タ」~「ン」などがCランクのゲーム媒体として定められている。初期のデッキ(1度も抽選されていないデッキ)には、複数種類のゲーム媒体のうちから、Sランクが1個、Aランクが10個、Bランクが30個、Cランクが59個、総数で100個となるように抽選などで決定されたゲーム媒体が関連付けられる。「収容個数」は、デッキに収容されている規定の数のゲーム媒体の総数を示す。このため、例えば、Sランクのゲーム媒体が当選する確率は、1/100となり、Aランクのゲーム媒体が当選する確率は、10/100となる。
【0065】
図3(A)のユーザaに対応するデッキaでは、Sランクとしてゲーム媒体「ア」が1個、Aランクとしてゲーム媒体「カ」「キ」各々が1個と、その他(「ク」など
図3等では「…」で示す)のゲーム媒体が8個、Bランクとしてゲーム媒体「サ」が2個、「シ」が1個とその他(「ス」など
図3等では「…」で示す)のゲーム媒体が27個、Cランクとしては、ゲーム媒体「タ」が3個とその他(「チ」など
図3等では「…」で示す)が56個が関連付けられている。また、ユーザbに対応するデッキbでは、Sランクとしてゲーム媒体「イ」が1個、Aランクとしてゲーム媒体「カ」が2個と、その他のゲーム媒体が8個、Bランクとしてゲーム媒体「サ」が1個とその他のゲーム媒体が29個、Cランクとしては、ゲーム媒体「タ」が2個とその他が57個が関連付けられている。その他のユーザに対応するデッキについても同様(ユーザcやユーザd参照)に、Sランクが1個、Aランクが10個、Bランクが30個、Cランクが59個、総数で100個となるように抽選などで決定されたゲーム媒体が関連付けられている。
【0066】
図3では、収容個数が100に設定されているが、特にこれに限られるものではなく、実施形態に応じて、1以上100未満であってもよいし、100を超えてもよい。また、本実施形態では、デッキに収容されているゲーム媒体の種類は、ユーザごとに異なっているが、デッキ内容を同じにして各ユーザに割り当ててもよい。
【0067】
本実施形態においては、抽選処理によりSランク以外のランクのゲーム媒体に決定された場合には、決定されたゲーム媒体を減じ、Sランクから抽選で決定したゲーム媒体を追加したデッキに更新され、Sランクのゲーム媒体に決定された場合には、当該デッキが初期化される。なお、決定されたゲーム媒体を減じるのではなく、決定されたゲーム媒体と同ランクのゲーム媒体の何れかを減じるようにしてもよいし、またこのときに、ゲーム媒体の内容をシャッフルしてもよい。ゲーム媒体の内容をシャッフルする例については、後述で説明する。次に、抽選処理フローを参照して、抽選処理が行われた際におけるデッキの更新・初期化について説明する。
【0068】
<抽選処理フロー>
図4を参照して、本開示の一実施形態における抽選処理の流れについて説明する。
図4は、抽選処理によって決定されたゲーム媒体のランクに基づいてユーザに対応するデッキを更新、または、初期化する処理の概要を示すフローチャート図である。
図4に示す抽選処理フローは、ユーザからの抽選要求(抽選要求情報(ユーザID等を含む)を受信したとき)に応じて、サーバ200側において実行される。
【0069】
ステップS01において、抽選要求元のユーザに対応するデッキを特定する。制御部210は、記憶部220のユーザ情報133に記憶されているデッキ管理テーブルの情報から、当該ユーザに対応するデッキを特定する。ユーザaからの抽選要求があったときには、
図3(A)のユーザaに対応するデッキaが特定される。
【0070】
ステップS02において、当該ユーザに対応する(特定された)デッキに含まれる複数のゲーム媒体から決定されたゲーム媒体をユーザに付与する。抽選実行部212は、当該ユーザに対応するデッキに収容されている複数のゲーム媒体からランダム抽選などによりゲーム媒体を決定する。ゲーム媒体付与部215は、決定されたゲーム媒体をユーザに付与する。
【0071】
ステップS03において、決定されたゲーム媒体がSランクであるか否かを判定する。制御部210は、決定されたゲーム媒体のランクを判定する。決定されたゲーム媒体のランクがSランクと判定されなかったときは、ステップS04に移行する。一方、決定されたゲーム媒体のランクがSランクと判定されたときは、ステップS05に進む。
【0072】
ステップS04において、決定されたゲーム媒体に基づいて、デッキを更新する。更新部213は、決定されたゲーム媒体をデッキから削除し、ランダムで決定したSランクのゲーム媒体を補充したデッキに更新する。
【0073】
ステップS05において、決定されたゲーム媒体に基づいて、デッキを初期化する。初期化処理部214は、決定されたゲーム媒体がSランクであったときは、当該デッキを初期化する。これにより、初期のデッキに更新される。初期のデッキとは、前述したように、Sランクが1個、Aランクが10個、Bランクが30個、Cランクが59個、総数で100個となるように抽選などで決定されたゲーム媒体が関連付けられたデッキである。
【0074】
ステップS06において、デッキ内容をユーザに報知するための処理を行う。ゲーム進行部118は、デッキ内容(例えば、付与されたゲーム媒体、抽選後におけるデッキ内に収容されている各ランクのゲーム媒体の個数、デッキ内の収容個数、各ランクのゲーム媒体の当選確率など)をユーザ端末において表示させるための情報を出力する。これにより、付与されたゲーム媒体とともに、抽選後のデッキ内容をユーザに報知することにより、ユーザが、現在のデッキにおけるSランクのゲーム媒体の個数を知ることができ、以降の抽選で当選し得る確率(Sランクのゲーム媒体の個数/収容個数)を特定することができる。ランクのゲーム媒体が増加しているときには、抽選するユーザの意欲が向上する。
【0075】
以上のように、本発明の実施形態によれば、各ユーザに対して、所定数のゲーム媒体を収容するデッキが個別に割り当てられている。そして、各ユーザからの抽選操作に基づいて、当該デッキに収容されているゲーム媒体の中からユーザに付与するゲーム媒体が抽選で決定されてユーザに付与される(
図4のステップS01)。決定されたゲーム媒体がSランクでないときは、当該ゲーム媒体が当該ユーザに割り当てられたデッキから削除され、代わりにSランクのゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体が補充されたデッキに更新される(
図4のステップS04)。本実施形態では、Sランクのゲーム媒体が決定されるまで(
図4のステップS03でYESとなるまで)、上記処理が繰り返される。そして、Sランクのゲーム媒体が決定された場合は、当該デッキを初期化する。つまり、Sランク以外のゲーム媒体が決定されるほどSランクのゲーム媒体をユーザに取得しやすくなるように、デッキが更新される。また、更新されたデッキ内容は、ユーザに開示されるので、ユーザは、Sランクのゲーム媒体の個数が増え、取得しやすくなったことを認識することができる。
【0076】
図3(B)は、
図3(A)に示す状態においてユーザaが抽選処理を一回行った後のデッキ管理テーブルの一例を示す図である。
図3(B)では、抽選処理によって
図3(A)のユーザaに対応するデッキaに関連付けられているゲーム媒体のうちから、Aランクの「カ」が決定された場合を例示している。ユーザaに対応するデッキaおいて抽選処理が行われた結果、Aランクの「カ」が決定されると、ユーザaに対応するデッキaにおけるAランクの「カ」をデッキaから削除するとともに、Sランクから抽選で決定されたゲーム媒体(ここでは、「イ」)を追加したデッキに更新する(
図4のステップS04)。
図3(B)のグレー部分に示すように、デッキ管理テーブルにおいては、Aランクの「カ」の個数が「1」から「0」に更新され、Sランクの「イ」の個数が「0」から「1」に更新される。本実施形態では、抽選結果にかかわらず、抽選前後で収容個数は変化しない。その結果、デッキaの収容個数は変わらないが、デッキaに含まれるSランクのゲーム媒体の個数が2になることにより、ユーザは、Sランクのゲーム媒体に当選し易くなる。具体的に、Sランクのゲーム媒体が当選する確率は、2/100となる。
【0077】
図3(C)は、
図3(B)に示す状態においてユーザaが抽選処理を一回行った後のデッキ管理テーブルの一例を示す図である。
図3(C)では、抽選処理によって
図3(B)のユーザaに対応するデッキaに関連付けられているゲーム媒体のうちから、Bランクの「サ」が決定された場合を例示している。ユーザaに対応するデッキaおいて抽選処理が行われた結果、Bランクの「サ」が決定されると、決定(当選)されたBランクの「サ」をデッキから一つ削除するとともに、Sランクから抽選で決定されたゲーム媒体(ここでは、「ウ」)を一つ追加したデッキに更新する(
図4のステップS04)。
図3(C)のグレー部分に示すように、デッキ管理テーブルにおいては、Bランクの「サ」の個数が「2」から「1」に更新され、Sランクの「ウ」の個数が「0」から「1」に更新される。その結果、デッキaの収容個数は変わらないが、デッキaに含まれるSランクのゲーム媒体の個数が3になることにより、ユーザは、さらにSランクのゲーム媒体に当選し易くなる。具体的に、Sランクのゲーム媒体が当選する確率は、3/100となる。以降においても、Sランク以外のランクのゲーム媒体が付与される毎に、Sランクのゲーム媒体の収容個数が増えて、その結果、Sランクのゲーム媒体の当選確率が向上する。
【0078】
図3(D)は、
図3(C)に示す状態においてユーザaが抽選処理を一回行った後のデッキ管理テーブルの一例を示す図である。
図3(D)では、抽選処理によって
図3(C)のユーザaに対応するデッキaに関連付けられているゲーム媒体のうちから、Sランクの「イ」が決定された場合を例示している。ユーザaに対応するデッキaおいて抽選処理が行われた結果、Sランクの「ア」が決定されると、デッキaは、初期化される(
図4のステップS05)。その結果、デッキaに含まれるランクSのゲーム媒体の個数は、初期に戻る。デッキ管理テーブルにおけるデッキaについては、Sランクが1個、Aランクが10個、Bランクが30個、Cランクが59個、総数で100個となるように複数のゲーム媒体が抽選などにより設定されて初期の状態となる。なお、他のユーザについても同様に、他のユーザからの抽選要求に応じて、当該ユーザに対応するデッキ(例えば、ユーザbであればデッキb)に基づいて付与するゲーム媒体を決定するとともに、当該ゲーム媒体のランクに応じて当該ユーザに対応するデッキが更新される(ステップS04、S05)。
【0079】
このように、ユーザにSランクのゲーム媒体が付与されるまで、抽選が行われるたびにデッキ内におけるSランクのゲーム媒体の個数が増加されたデッキに更新される。そのため、ユーザは、抽選でSランク以外のゲーム媒体が付与されるたびに、次回以降の抽選でSランクのゲーム媒体が取得しやすくなる。
【0080】
<実施形態1の効果>
実施形態1によれば、Sランクのゲーム媒体が決定されなかった場合に、
図4のステップS04に示すように、決定されたゲーム媒体を減じ、Sランクから抽選で決定されたゲーム媒体を追加したデッキに更新する。本実施形態では、この処理をSランクのゲーム媒体が決定されるまで繰り返す。そのため、当該デッキにおけるSランクのゲーム媒体の個数は、Sランクのゲーム媒体が決定されるまで更新によって増加し続ける。これにより、Sランクのゲーム媒体の個数が増加したデッキをユーザに提供することができ、Sランクのゲーム媒体を取得できなかったユーザを救済することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、
図4のステップS05で示すように、Sランクのゲーム媒体が決定されると、ユーザに対応するデッキを初期化する。これにより、Sランクのゲーム媒体の希少度を適切な値に戻すことができ、ユーザの有利度合いを高め過ぎてしまうことを防止できる。
【0082】
本実施形態によれば、ステップS04で示すように、決定されたゲーム媒体がSランクではないときに、複数種類のゲーム媒体のうちのSランクのゲーム媒体の中からランダム抽選などにより決定されたゲーム媒体を追加する。これにより、新たに追加されるSランクのゲーム媒体をランダムに変化させることができ、いずれのゲーム媒体が追加されるかに対する注目度を向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、
図4のステップS03における判定対象となるゲーム媒体は、Sランクのゲーム媒体であって、複数種類のゲーム媒体のうちで、初期段階におけるデッキに含まれる個数が最も少なく、ゲームの進行において有利度合いが最も高いゲーム媒体である。このため、Sランク以外のAランク~Cランクのゲーム媒体のいずれかが付与するゲーム媒体として決定されたときには確実にSランクのゲーム媒体が追加されるため、抽選でAランクなどを追加する場合と比較して、ユーザの期待を損ねてしまうことを防止できる。
【0084】
〔実施形態2〕
次に、
図5および
図6を用いて、本発明の他の実施形態(実施形態2ともいう)について説明する。実施形態2に係るサーバ装置200は、デッキ管理テーブルの構成は、
図1および
図2に示された実施形態と実質的に同じ構成を有しているため、
図1および
図2に示された実施形態1と共通する部分については詳細な説明を省略する。
【0085】
次に、
図5を用いて、デッキ管理テーブルの一例について説明する。デッキ管理テーブルは、ユーザ毎に設けられているデッキを管理するためのテーブルであって、デッキ毎に収容されている(関連付けられている)複数のゲーム媒体を特定するためのテーブルである。デッキ管理テーブルは、サーバ200のユーザ情報133において記憶・管理されている。
図5(A)は、「初期設定数」が図示されていること以外は、
図3(A)と実質的に同一なので説明を省略する。「初期設定数」は、初期のデッキとしてランク毎の収納可能となる個数(初期のデッキにおける各ランクの個数)である。
【0086】
<抽選処理フロー>
図6を参照して、実施形態2における抽選処理の流れについて説明する。
図6は、抽選処理によって決定されたゲーム媒体のランクに基づいてユーザに対応するデッキを更新、または、初期化する処理の概要を示すフローチャート図である。本実施形態のステップS01~S03、S05およびS06は、上記の実施形態と共通しているので詳細な説明を省略する。
【0087】
ステップS04’において、決定されたゲーム媒体に基づいて、デッキを更新する。更新部213は、デッキに定められている各ランクの個数(各ランクの収容可能な収容可能個数)のうち、決定されたゲーム媒体と同じランクの個数を1減じた後の個数となるように、ランク毎のゲーム媒体を抽選で決定(シャッフル)し、新たにデッキに収容する(関連付ける)。これにより、実施形態2では、ユーザに付与されたゲーム媒体がSランクでない場合、付与されたゲーム媒体のランクの個数(収容可能個数)を1減らし、各ランクの個数(収容可能個数)となるようにランク毎のゲーム媒体を抽選で決定してデッキを更新する。実施形態2では、Sランクのゲーム媒体がユーザに付与されるまで、ステップS04’の抽選毎に繰り返される。一方、Sランクのゲーム媒体が決定された場合は、デッキを初期化する(ステップS05)。したがって、各ユーザは、Sランク以外のゲーム媒体が決定されるほどデッキの個数が減少し、当該デッキにおけるSランクのゲーム媒体を取得しやすくなる。また、当該デッキは、更新されるごとに、ゲーム媒体の内容がシャッフルされるので、ユーザは、同じゲーム媒体を再取得できる可能性がある。同じゲーム媒体を取得したときには、これらを合成(消費)等することにより、当該ゲーム媒体のレベルを高めることや、当該ゲーム媒体の能力の上限値を増大(限界突破)させることができる点で有利となる。さらに、更新されたデッキ内容は、ユーザに開示されるので、ユーザは、Sランクのゲーム媒体の個数が増え、取得しやすくなったことを認識することができる。
【0088】
図5(B)は、
図5(A)に示す状態においてユーザaが抽選処理を一回行った後のデッキ管理テーブルの一例を示す図である。
図5(B)では、抽選によって
図5(A)のユーザaに対応するデッキaに関連付けられているゲーム媒体のうちから、Aランクの「カ」が決定された場合を例示している。ユーザaに対応するデッキaにおいて抽選処理が行われた結果、Aランクの「カ」が決定されると、ユーザaに対応するデッキaにおけるAランクの収容可能個数を「10」から「9」に減じるとともに、減じた後の各ランクの個数となるようにランク毎のゲーム媒体を抽選で決定(シャッフル)し、当該ゲーム媒体が収容されたデッキに更新する(
図6のステップS04’)。その結果、デッキaの収容個数が「100」から「99」に減少することにより、ユーザは、Sランクのゲーム媒体に当選し易くなり、ゲーム媒体をシャッフルさせるので以降の抽選においても同じゲーム媒体を取得可能となる。
【0089】
図5(C)は、
図5(B)に示す状態においてユーザaが抽選処理を一回行った後のデッキ管理テーブルの一例を示す図である。
図5(C)では、抽選によって
図5(B)のユーザaに対応するデッキaに関連付けられているゲーム媒体のうちから、Bランクの「シ」が決定された場合を例示している。ユーザaに対応するデッキaにおいて抽選処理が行われた結果、Bランクの「シ」が決定されると、ユーザaに対応するデッキaにおけるBランクの収容可能個数を「30」から「29」に減じるとともに、減じた後の各ランクの個数となるようにランク毎のゲーム媒体を抽選で決定(シャッフル)し、当該ゲーム媒体が収容されたデッキに更新する(
図6のステップS04’)。その結果、デッキaの収容個数が「99」から「98」に減少することにより、ユーザは、デッキaに含まれるSランクのゲーム媒体をさらに獲得しやすくなるとともに、ゲーム媒体をシャッフルさせるので以降の抽選においても同じゲーム媒体を取得可能となる。
【0090】
図5(D)は、
図5(C)に示す状態においてユーザaが抽選処理を一回行った後のデッキ管理テーブルの一例を示す図である。
図5(D)では、抽選によって
図5(C)のユーザaに対応するデッキaに関連付けられているゲーム媒体のうちから、Aランクの「ア」が決定された場合を例示している。ユーザaに対応するデッキaにおいて抽選処理が行われた結果、Aランクの「ア」が決定されると、デッキaは、初期化される(
図6のステップS05)。その結果、デッキaに含まれる収容個数および各ランクのゲーム媒体の個数は、初期に戻る。
【0091】
<実施形態2の効果>
実施形態2によれば、Sランクのゲーム媒体が決定されなかった場合に、
図6のステップS04’に示すように、決定されたゲーム媒体が属するランクの収容可能個数を1減じた後の個数となるように、ランク毎にゲーム媒体を決定して収容されたデッキに更新する。実施形態2では、この処理をSランクのゲーム媒体が決定されるまで繰り返す。そのため、収容個数に対するSランクのゲーム媒体が占める割合が高まることによりSランクの当選確率が高まる。また、当該デッキの抽選を最大100回行うことにより確実にSランクのゲーム媒体が付与されるため、ユーザに安心感を抱かせることができる。また、当該デッキは、更新ごとにゲーム媒体の内容がシャッフルされるので、同じゲーム媒体を取得できる可能性がある。これにより、ユーザは、確実にSランクのゲーム媒体の個数取得でき、また、ユーザは、当該デッキで同じゲーム媒体を取得させて当該ゲーム媒体自体の有利度合いを高めることができる。
【0092】
なお、ステップS04’においてシャッフルする際には、ステップS02において付与されたゲーム媒体と同じゲーム媒体が他のゲーム媒体よりも高い割合でデッキに収容されるようにしてもよい。これにより、Sランク以外のゲーム媒体が付与されたときには、以降の抽選において同じゲーム媒体が付与されて当該ゲーム媒体自体の有利度合いを高めることに対する期待感を抱かせることができる。
【0093】
<変形例>
以上説明した実施形態の変形例などを以下に列挙する。
【0094】
(1) 上記実施形態においては、
図4のステップS04に示すように、Sランクのゲーム媒体以外のゲーム媒体が決定されたときには、決定されたゲーム媒体を減じ、Sランクから抽選で決定されたゲーム媒体を追加する例について説明した。しかし、Aランクのゲーム媒体が決定されたときには、決定されたゲーム媒体を減らさずに、当該抽選前のデッキ管理テーブルの状態を維持してもよい。
【0095】
(2) 上記実施形態においては、ステップS03において第2の属性に対応するSランクのゲーム媒体がユーザに付与されることにより、ステップS05において当該ユーザに対応するデッキに収容される複数のゲーム媒体が初期化される例について説明した。しかし、ステップS05における初期化は、第2の属性に対応するSランクのゲーム媒体が所定数(例えば2個以上の値)付与されることを契機として行うようにし、Sランクのゲーム媒体が付与されるときであっても所定数付与されるまではステップS04あるいはS04’の処理を行うようにしてもよい。
【0096】
(3) 上記実施形態においては、ステップS03において第2の属性に対応するSランクのゲーム媒体がユーザに付与されていないときには、必ず、ステップS04またはステップS04’に移行してSランクのゲーム媒体の抽選確率を向上させるための処理を行う例について説明した。しかし、ステップS03において第2の属性に対応するSランクのゲーム媒体がユーザに付与されていないときであって所定条件が成立しているときにのみ、ステップS04またはステップS04’に移行してSランクのゲーム媒体の抽選確率を向上させるための処理を行い、ステップS03において第2の属性に対応するSランクのゲーム媒体がユーザに付与されていないときであって所定条件が成立していないときには、ステップS04またはステップS04’に移行させずにステップS06等へ移行するようにしてもよい。所定条件は、例えば、ステップS05における初期化処理が行われるまでにステップS04またはステップS04’が行われた回数が上限回数(例えば、10回)未満であることや、所定抽選(例えば、80%で当選するような抽選)で当選したことなどにより成立するものであってもよい。
【0097】
(4) 上記実施形態におけるステップS04では、ステップS02において決定されたゲーム媒体を減じる例について説明したが、これに限らず、決定されたゲーム媒体と同じランクのゲーム媒体のうちからランダム抽選により決定し当該ゲーム媒体を減じるようにしてもよい。また、上記実施形態におけるステップS04では、Sランクから抽選で決定されたゲーム媒体を追加する例について説明したが、これに限らず、Sランクのうち予め定められているゲーム媒体を追加するようにしてもよく、また、Sランクを追加するか否かの抽選を行い当該抽選において当選したときにのみSランクのゲーム媒体を追加するようにし、当選しなかったときには何らゲーム媒体を追加しないようにしてもよい。
【0098】
(5) 上記実施形態におけるステップS04’では、ステップS02において決定されたゲーム媒体と同じランクのゲーム媒体の個数を減じた数となるように、Sランク~Cランクまでのゲーム媒体すべてを新たに設定(シャッフル)する例について説明したが、これに限らず、決定されたゲーム媒体と同じランクのゲーム媒体の個数を減じた数となるように当該ランクのゲーム媒体のみを新たに設定し、他のランクのゲーム媒体については維持するようにしてもよく、また、Sランク以外のゲーム媒体を新たに設定しSランクのゲーム媒体のみ維持するようにしてもよい。
【0099】
(6) 上記実施形態においては、ユーザからの操作に応じて抽選が1回ずつ行われる例を示しているが、例えば操作に応じて所定回数連続して抽選(例えば10連ガチャ)を行うものにも適用できる。具体的には、所定回数連続して抽選を行う場合には、1回の抽選毎に
図4または
図6のステップS01~ステップS05の処理を繰り返して行い、所定回数の抽選が終了したときにステップS06の処理を行うようにしてもよい。
【0100】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、抽選実行部212)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、抽選部115、判定部116、オブジェクト管理部117およびゲーム進行部118)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0101】
後者の場合、制御部210または制御部110、もしくはその両方を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0102】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
【0104】
(項目1):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、ユーザに対応して、予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体を設定するステップ(ステップS01)と、ユーザの操作に応じて、当該ユーザに対応して特定している複数のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与するゲーム媒体を決定するステップ(ステップS02)とを実行させ、前記予め定められている複数種類のゲーム媒体の各々には、第1の属性と、当該第1の属性よりもユーザにとっての有利度合いが高い第2の属性とを含む複数の属性のうちのいずれかが定められており、前記設定するステップ(ステップS01)は、ユーザに付与するゲーム媒体として前記第1の属性が定められているゲーム媒体が前記決定するステップ(ステップS02)によって決定されることにより、当該ユーザに対応して設定している複数のゲーム媒体から前記付与すると決定されたゲーム媒体を減じて、前記第2の属性が定められているゲーム媒体を加えてなる複数のゲーム媒体を、当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体として新たに設定する(ステップS04)。
【0105】
(項目2):
(付記1)において、前記設定するステップは(ステップS01)、ユーザに付与するゲーム媒体として前記第2の属性が定められているゲーム媒体が前記決定するステップ(ステップS02)によって決定されることにより、当該ユーザに対応する複数のゲーム媒体を初期化設定する(ステップS05)。
【0106】
(項目3):
(付記1)または(付記2)において、前記設定するステップ(ステップS01)は、予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちの前記第2の属性が定められている複数のゲーム媒体から、付与可能とする複数のゲーム媒体に加えるゲーム媒体をランダムに決定する(ステップS04)。
【0107】
(項目4):
(付記1)から(付記3)のいずれかにおいて、前記第2の属性は、前記複数の属性のうちでユーザにとっての有利度合いが最も高い属性であり、前記第1の属性は、前記複数の属性のうちで前記第2の属性とは異なるすべての属性である。
【0108】
(項目5):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにおいて実行されるゲーム方法であって、前記ゲーム方法は、前記コンピュータが、
ユーザに対応して、予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体を設定するステップと、ユーザの操作に応じて、当該ユーザに対応して特定している複数のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与するゲーム媒体を決定するステップとを備え、前記予め定められている複数種類のゲーム媒体の各々には、第1の属性と、当該第1の属性よりもユーザにとっての有利度合いが高い第2の属性とを含む複数の属性のうちのいずれかが定められており、前記設定するステップは、ユーザに付与するゲーム媒体として前記第1の属性が定められているゲーム媒体が前記決定するステップによって決定されることにより、当該ユーザに対応して設定している複数のゲーム媒体から前記付与すると決定されたゲーム媒体を減じて、前記第2の属性が定められているゲーム媒体を加えてなる複数のゲーム媒体を、当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体として新たに設定する。
【0109】
(項目6):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、情報処理装置であって、ゲームプログラムを記憶する記憶部と、前記ゲームプログラムを実行することにより、前記情報処理装置の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、ユーザに対応して、予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体を設定するステップと、ユーザの操作に応じて、当該ユーザに対応して特定している複数のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与するゲーム媒体を決定するステップとを備え、前記予め定められている複数種類のゲーム媒体の各々には、第1の属性と、当該第1の属性よりもユーザにとっての有利度合いが高い第2の属性とを含む複数の属性のうちのいずれかが定められており、前記設定するステップは、ユーザに付与するゲーム媒体として前記第1の属性が定められているゲーム媒体が前記決定するステップによって決定されることにより、当該ユーザに対応して設定している複数のゲーム媒体から前記付与すると決定されたゲーム媒体を減じて、前記第2の属性が定められているゲーム媒体を加えてなる複数のゲーム媒体を、当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体として新たに設定する。
【0110】
(項目7):
本開示に示す別の一実施形態のある局面によれば、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、ユーザに対応して、予め定められている複数種類のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与可能とする複数のゲーム媒体を設定するステップ(ステップS01)と、ユーザの操作に応じて、当該ユーザに対応して特定している複数のゲーム媒体のうちから当該ユーザに付与するゲーム媒体を決定するステップ(ステップS02)とを実行させ、前記予め定められている複数種類のゲーム媒体の各々には、第1の属性と、当該第1の属性よりもユーザにとっての有利度合いが高い第2の属性とを含む複数の属性のうちのいずれかが定められており、前記設定するステップは、ユーザに付与するゲーム媒体として前記第1の属性が定められているゲーム媒体が前記決定するステップによって決定されることにより、当該ユーザに対応して設定している複数のゲーム媒体に定められている各属性の個数から前記第1の属性を減じた個数となるように複数のゲーム媒体を新たに設定する(ステップS04’)。
【符号の説明】
【0111】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、10,20 プロセッサ、11,21 メモリ、12,22 ストレージ、13,23 通信IF(操作部)、14,24 入出力IF(操作部)、15 タッチスクリーン(表示部、操作部)、17 カメラ(操作部)、18 測距センサ(操作部)、100 ユーザ端末(情報処理装置)、110,210 制御部、115 抽選部、116 判定部、117 オブジェクト管理部、118 ゲーム進行部、120,220 記憶部、131,231 ゲームプログラム、132 ゲーム情報、133 ユーザ情報、151 入力部(操作部)、152 表示部、200 サーバ、212 抽選実行部、213 更新部、214 初期化処理部、215 ゲーム媒体付与部、1010 物体、1020 コントローラ(操作部)、1030 記憶媒体