(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111080
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20240808BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024097050
(22)【出願日】2024-06-14
(62)【分割の表示】P 2022102578の分割
【原出願日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2022007728
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】青木 聡志
(72)【発明者】
【氏名】戎子 さやか
(57)【要約】
【課題】メーカ又はサービス業者が商品又はサービスの提供を受ける顧客を効率良く把握できるようにすることを課題とする。
【解決手段】商品mの提供を行うメーカMにより発行されたメーカIDと顧客の個人情報とを対応付けて管理するメーカMのメーカサーバ50と、商品mを販売する店舗10に配設された店舗端末20と、顧客Aの個人情報と該顧客AのメーカIDとを対応付けて管理する管理サーバ60とを有し、店舗端末20が、顧客Aが商品mを購入する場合に、該顧客AのGIDを管理サーバ60から取得し、管理サーバ60が、顧客Aが購入した商品mの情報、顧客AのメーカID及び顧客AのGIDを対応付けた登録者DB64aを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を取得するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムであって、
前記ビーコン受信機は、前記第1の識別情報を前記POS端末に送信し、
前記POS端末は、前記第1の識別情報と前記POSデータを送信し、
前記管理サーバは、前記POS端末が送信した前記第1の識別情報と前記POSデータを受信する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ビーコン受信機は、前記ビーコン波の受信時刻を取得して、前記第1の識別情報とともに前記POS端末に送信し、
前記POS端末は、前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻のPOSデータを送信し、
前記管理サーバは、前記POS端末が送信した前記第1の識別情報と前記POSデータを受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、
前記第1の識別情報と第2の識別情報とを紐付けて管理し、
受信した前記第1の識別情報に対応する前記第2の識別情報を特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を取得するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムで実行される情報処理方法であって、
前記ビーコン受信機が、前記第1の識別情報を前記POS端末に送信する第1工程と、
前記POS端末が、前記第1の識別情報と前記POSデータを送信する第2工程と、
前記管理サーバが、前記POS端末が送信した前記第1の識別情報と前記POSデータを受信する第3工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムであって、
前記ビーコン受信機は、前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を送信し、
前記POS端末は、前記POSデータを送信し、
前記管理サーバは、前記ビーコン受信機が送信した前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報および前記POS端末が送信した前記POSデータを受信し、前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
前記管理サーバは、
前記第1の識別情報と第2の識別情報とを紐付けて管理し、
受信した前記第1の識別情報に対応する前記第2の識別情報を特定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムで実行される情報処理方法であって、
前記ビーコン受信機が、前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を送信する第3工程と、
前記POS端末が、前記POSデータを送信する第4工程と、
前記管理サーバが、前記ビーコン受信機が送信した前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報および前記POS端末が送信した前記POSデータを受信し、前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理する第5工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
POSデータを生成するPOS端末及び顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と通信可能に接続され、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバであって、
前記ビーコン受信機から送信された前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を受信する第1の受信手段と、
前記POS端末から送信された前記POSデータを受信する第2の受信手段と、
前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理する管理手段と
を備えたことを特徴とする管理サーバ。
【請求項9】
POSデータを生成するPOS端末及び顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と通信可能に接続され、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバにおいて実行される情報処理プログラムであって、
前記ビーコン受信機から送信された前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を受信する第1の受信手順と、
前記POS端末から送信された前記POSデータを受信する第2の受信手順と、
前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理する管理手順と
をコンピュータにより実行することを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSデータに含まれる顧客IDと該顧客である会員の会員情報(端末情報)を効率良く紐付けて管理することができる情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メーカは、自社で製造した商品がどのような顧客に売れているかを確認したい場合が多い。例えば、自社で製造した商品が20代女性に多数購入されているという事実を把握することができれば、新たな商品開発に活かすことができる。
【0003】
このため、店舗が、顧客を一意に識別する顧客IDと、商品の販売実績を示すPOS(Point Of Sales)データとを紐付けたID-POSデータを収集して、メーカ等に提供する場合がある。また、データプラットフォームを運営・提供する事業者(いわゆる「データプラットフォーマー」)が、店舗からID-POSデータを収集して、メーカ等に提供する場合もある。
【0004】
また、特許文献1には、顧客による商品の購入実績又はサービスの利用実績に基づいて、企業情報及び個人情報を統合して統合情報を生成するとともに、統合情報の出力を管理する情報管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、メーカは、店舗又はデータプラットフォーマーからID-POSデータを取得したとしても、このID-POSデータに含まれる顧客IDが誰であるかが分からない。このため、メーカは、顧客が商品のリピーターであったとしても該顧客に直接アプローチすることができない。特に、商品を繰り返し購入するリピーターの多くは、メーカが提供するアプリを介してメーカの会員として登録されている場合が多いものの、ID-POSデータに含まれる顧客IDと会員情報(端末情報)の紐づけがされていないため、メーカは会員が商品を購入した事実を把握することもできない。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、POSデータに含まれる顧客IDと該顧客である会員の会員情報(端末情報)を効率良く対応付けて管理することができる情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を取得するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムであって、前記ビーコン受信機は、前記第1の識別情報を前記POS端末に送信し、前記POS端末は、前記第1の識別情報と前記POSデータを送信し、前記管理サーバは、前記POS端末が送信した前記第1の識別情報と前記POSデータを受信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記ビーコン受信機は、前記ビーコン波の受信時刻を取得して、前記第1の識別情報とともに前記POS端末に送信し、前記POS端末は、前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻のPOSデータを送信し、前記管理サーバは、前記POS端末が送信した前記第1の識別情報と前記POSデータを受信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記管理サーバは、前記管理サーバは、前記第1の識別情報と第2の識別情報とを紐付けて管理し、受信した前記第1の識別情報に対応する前記第2の識別情報を特定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を取得するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムで実行される情報処理方法であって、前記ビーコン受信機が、前記第1の識別情報を前記POS端末に送信する第1工程と、前記POS端末が、前記第1の識別情報と前記POSデータを送信する第2工程と、前記管理サーバが、前記POS端末が送信した前記第1の識別情報と前記POSデータを受信する第3工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムであって、前記ビーコン受信機は、前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を送信し、前記POS端末は、前記POSデータを送信し、前記管理サーバは、前記ビーコン受信機が送信した前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報および前記POS端末が送信した前記POSデータを受信し、前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記管理サーバは、前記第1の識別情報と第2の識別情報とを紐付けて管理し、受信した前記第1の識別情報に対応する前記第2の識別情報を特定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、POSデータを生成するPOS端末と、顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバとを備える情報処理システムで実行される情報処理方法であって、前記ビーコン受信機が、前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を送信する第3工程と、前記POS端末が、前記POSデータを送信する第4工程と、前記管理サーバが、前記ビーコン受信機が送信した前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報および前記POS端末が送信した前記POSデータを受信し、前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理する第5工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、POSデータを生成するPOS端末及び顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と通信可能に接続され、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバであって、前記ビーコン受信機から送信された前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を受信する第1の受信手段と、前記POS端末から送信された前記POSデータを受信する第2の受信手段と、前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理する管理手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、POSデータを生成するPOS端末及び顧客が保有する顧客端末の第1の識別情報を含むビーコン波を受信するビーコン受信機と通信可能に接続され、前記POSデータと前記第1の識別情報を紐付けて記憶する管理サーバにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記ビーコン受信機から送信された前記ビーコン波の受信時刻と前記第1の識別情報を受信する第1の受信手順と、前記POS端末から送信された前記POSデータを受信する第2の受信手順と、前記ビーコン受信機から受信した前記第1の識別情報と、当該第1の識別情報に対応する前記ビーコン波の受信時刻に近い決済時刻の前記POSデータとを紐付けて管理する管理手順とをコンピュータにより実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、POSデータに含まれる顧客IDと該顧客である会員の会員情報(端末情報)を効率良く紐付けて管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した情報処理システムの概要(メーカID登録時)を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した情報処理システムの概要(メーカID未登録時)を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した店舗端末の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した顧客データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図1に示したPOS端末の構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、
図1に示した顧客端末の構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、
図1に示したメーカサーバの構成を示す機能ブロック図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係る情報処理システムの処理手順を示すシーケンス図である。
【
図14】
図14は、飲食分野のコード化の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、飲食分野のコード化の他の例を示す図である。
【
図17】
図17は、顧客端末に表示される画面例を示す図である。
【
図18】
図18は、変形例の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では、メーカ(以下、「メーカ」と言う)が製造した商品を顧客が購入する場合について説明することとする。また、かかる商品には、商品を一意に識別するコードが付されているものとする。例えば、国際規格のEAN(European Article Number)を、日本国内の流通における共通コードとして規格化したJAN(Japanese Article Number)コードを含むバーコードが付されているものとする。
【0020】
<情報処理システムのシステム構成>
まず、本実施形態の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図1に示す情報処理システムは、店舗端末20と、POS端末30と、顧客端末40と、メーカサーバ50と、管理サーバ60とがネットワークNに接続された構成となる。
図1に示すように、店舗は複数あり、店舗10-1には店舗端末20-1~20-qと、これらの店舗端末と対をなすPOS端末30-1~30-qとが設けられている。また、店舗10-pには、店舗端末20-1~20-rと、これらの店舗端末と対をなすPOS端末30-1~30-rとが設けられている。同様に、他の店舗にも複数の店舗端末と、これらの店舗端末と対をなす複数のPOS端末が設けられている。p、q、rはいずれも正数であり、これらは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。以下、「店舗10」は、店舗10-1~10-pのいずれかを示すこともあれば、店舗端末10-1~10-qの総称を示すこともある。また、「店舗端末20」は、店舗端末20-1~20-qのいずれかを示すこともあれば、店舗端末20-1~20-qの総称を示すこともある。「POS端末30」についても同様である。
【0021】
店舗端末20は、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ディスカウントストア、量販店のような小売・流通業、レストラン等の飲食業の店舗10に配設されたPC又はタブレット等の端末装置であり、POS端末30及び管理サーバ60と通信可能である。この店舗端末20には、管理サーバ60に対して顔認証を依頼する店舗端末用アプリがインストールされる。
【0022】
POS端末30は、小売業等の店舗10に配設され、商品の販売・支払いが行われるその場(販売時点)で、その商品に関する情報(商品名、価格、販売時刻等)を単品単位で収集・記録する端末装置である。POS端末30は、店舗端末20、管理サーバ60、及びストアコントローラ(不図示)と通信可能である。
【0023】
実際には、POS端末30及びこれらを統括するストアコントローラによってPOSシステムが構成され、POS端末30は店舗10で取り扱う商品に関する情報をストアコントローラ内の商品データベース(不図示)から取得し、ストアコントローラはPOS端末30からのデータを解析することにより商品の在庫等を管理する。ここでは、説明を簡略化するため、POSシステムがPOS端末30によって構成され、POSシステムが備える機能はPOS端末30に備わっているものとする。
【0024】
なお、POS端末30、ストアコントローラが備える機能の一部は、複数の店舗10を束ねる本部のサーバ(不図示)に備えられてもよい。本部サーバは、本部内にハードウェアとして設置されてもよいし、ウェブサーバやクラウドサーバとして実現されていてもよい(以下、他のサーバについても同様)。
【0025】
顧客端末40は、顧客Aが所持するスマートフォン又はタブレット等の携帯端末であり、メールの送受信及びHTTPサーバへのアクセスが可能な端末装置である。この顧客端末40には、管理サーバ60が提供する顧客端末用アプリがインストールされる。顧客端末用アプリは、管理サーバ60を運営するデータプラットフォーマー等が顧客向けに提供するスマホアプリであり、後述する顔認証機能のほか、顧客へのメッセージ配信やキャンペーン告知などの機能を備えている。顧客端末用アプリは、アプリをダウンロードして端末にインストールするアプリ(いわゆる「ネイティブアプリ」)でもよいし、ダウンロードは不要でウェブブラウザで動くアプリ(いわゆる「ウェブアプリ」)でもよい。以下、顧客端末用アプリはネイティブアプリであるとして説明するが、顧客端末用アプリがウェブアプリの場合と比べて実質的な相違が生じることはない。また、顧客端末用アプリは、店舗10の本部が顧客向けに提供し、一部の機能(例えば顔認証機能)をデータプラットフォーマー等が提供してもよい。
【0026】
メーカサーバ50は、商品を製造するメーカが有するサーバ装置であり、キャンペーン(以下、「CP」と略記する。)用のランディングページを直接又は管理サーバ60を介して顧客Aに対して提供する。メーカサーバ50は、顧客がメーカに会員登録したならば、メーカIDを発行して、顧客の個人情報(氏名、住所等)とともに管理する。
【0027】
管理サーバ60は、顧客端末用アプリに登録した顧客に関する情報を管理しており、自装置が管理する顧客の識別情報(以下、「GID」と言う)と、メーカサーバ50において管理される該顧客のメーカIDとを紐付けて管理するサーバ装置である。管理サーバ60は、店舗端末20、POS端末30、顧客端末40及びメーカサーバ50と通信可能に接続される。
【0028】
また、顧客端末用アプリは、顔認証機能を備えている。顔認証機能は、顧客端末用アプリの起動やログイン、メッセージや告知の開封、店舗10における商品代金の支払いなどで用いられる。管理サーバ60は、顔認証に必要な顧客に関する情報(顧客の顔画像など)を管理するとともに、店舗10に配設される店舗端末20に店舗端末用アプリを提供する。この店舗端末用アプリは、顔認証による支払いを所望する顧客を受け付ける機能などを備えている。
【0029】
<情報処理システムの概要>
図2及び
図3は、
図1に示した情報処理システムの概要を示す図である。ここでは、顧客Aが、あらかじめメーカMにより運営されるメーカサーバ50に会員登録されているものとする。また、顧客Aは、あらかじめ情報処理システムに対して登録要求を行い、管理サーバ60から提供された顧客端末用アプリが顧客端末40にインストールされる。かかる顧客の登録を行う際に、管理サーバ60により顧客Aを一意に特定するGIDが付与され、このGIDに対応付けて顧客Aの個人情報及び顔画像が登録されているものとする。
【0030】
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理システムでは、メーカMにより製造された商品mを顧客が店舗10にて購入する場合に、POS端末30が商品mに付されたバーコードを読み取るとともに(S1)、店舗端末20のカメラ22により顧客の顔画像を撮像し(S2)、店舗端末用アプリを介して顔画像を管理サーバ60に送信する(S3)。
【0031】
管理サーバ60は、顧客Aの顔画像を受信したならば、この顔画像に対応する顧客AのGIDを特定し(S4)、このGIDに対応する顧客データ(GID、氏名及びクレジットカード情報を含む)を店舗端末20に送信する(S5)。店舗端末20は、顧客データをPOS端末30に転送する(S6)。
【0032】
なお、ここでは説明を簡略化するため、顧客データにクレジットカード情報が含まれるものとして説明しているが、実際には、クレジットカード番号などの機密性の高い情報は高セキュリティの別のサーバ(クレジットカード会社が運営する決済サーバ等)に格納され、クレジット決済処理に関する情報(決済可否の問合せや問合せ結果など)が決済サーバ等と管理サーバ60との間で送受信されることになる。
【0033】
そして、POS端末30は、顧客のクレジットカード情報に基づいて商品mの決済処理を行う(S7)。このように、POS端末30は、顧客Aの顔画像を用いて取得したクレジットカード情報に基づいて商品mの決済処理を行う。なお、POS端末30は、決済処理を終えたならば、顧客AのGID及び顧客Aが購入した商品mに関するPOSデータ(以下、単に「ID-POSデータ」と言う)を管理サーバに送信する(S8)。
【0034】
管理サーバ60は、POS端末30からID-POSデータを受信したならば、このPOSデータに含まれる商品mが情報提供を所望するメーカ(以下、「特定メーカ」と言う)の商品であるか否かを判定する(S9)。ここでは、メーカMが特定メーカの一つであるため、商品mは特定メーカの商品となる。
【0035】
管理サーバ60は、GIDと紐付けられたメーカMのメーカIDが登録されている場合には、GIDからメーカMのメーカIDを特定し(S13)、GIDに対応するPOSデータ及び特定されたメーカIDがメーカMのメーカサーバ50に対して送信される(S14)。これにより、メーカMでは、顧客Aが商品mを購入した事実を把握することができる。
【0036】
これに対して、管理サーバ60は、GIDに対応するメーカMのメーカIDが事前に登録されていない場合には、GIDからメーカMのメーカIDを特定できない。その結果、顧客Aはメーカサーバ50に登録されているにも関わらず、この顧客Aが商品mを購入した事実を把握することができない。
【0037】
このため、本実施形態に係る情報処理システムでは、
図3に示す要領でGIDとメーカIDの紐付け処理を行う。以下では、GIDとメーカIDの紐付け処理について説明する。ここでは、管理サーバ60が、登録者DB64aにおいて顧客Aのメールアドレスを管理しているものとする。
【0038】
図3に示した(S1)~(S9)の処理は、
図2のものと同様となる。
図3に示すように、管理サーバ60は、GIDに対応するメーカMのメーカIDが事前に登録されていない場合には、顧客端末40に対してCP告知を行う(S10)。具体的には、顧客端末用アプリを介して顧客AのメールアドレスにCP告知メールを送信する。
【0039】
顧客Aが顧客端末40の顧客端末用アプリを起動したならば、顔認証機能が作動して、顧客端末用アプリは顧客Aの顔画像に対応するGIDを取得する。その後、顧客AがCP告知メールに含まれるランディングページのURLをクリックしたならば、管理サーバ60が運営するランディングページにアクセスされる。なお、顧客端末用アプリの起動からCP告知メールの開封まで所定の時間を超える場合などには、CP告知メールの開封時にも顔認証機能を作動させてもよい。
【0040】
一般的に、ランディングページは、顧客のアクションを誘導することに特化したページを意味する。ここで、ランディングページは、メーカの提供する素材(メーカのブランドロゴやログインフォームなど)を含み、顧客にログインフォームへの入力を誘導することにより、ID連携を実現するために作成されたページである。顧客のGIDは、ランディングページのクッキーにそのまま埋め込まれたり、セッションIDとして管理されたりするので、ランディングページでは、GIDとログインフォームに入力された内容とが対応付けられている。ログインフォームへの入力後、メーカサーバ50が運営する会員ページ等にページが遷移する。
【0041】
その後、顧客Aは、このランディングページに対して、メーカIDを入力し、データの利用許諾に同意してCP応募を行ったならば(S11)、顧客端末用アプリから管理サーバ60にGID及びメーカIDが対応付けて送信され、管理サーバ60は、GIDとメーカIDを対応付けたデータ(以下、「連携データ」と言う)を入手する。このため、管理サーバ60は、この連携データに含まれるメーカIDをGIDの登録者に対応付けて登録者DB64aに登録する(S12)。そして、POS端末30から受信したID-POSデータに含まれる顧客AのGIDからメーカIDを特定し(S13)、GIDに対応するPOSデータ及び特定されたメーカIDをメーカサーバ50に通知する(S14)。
【0042】
なお、ここで、「データの利用許諾」とは、GID及びメーカIDを対応付け、GIDに対応するPOSデータをメーカIDとともにメーカ等の第三者に送ること、及び、第三者がPOSデータ及びメーカIDをマーケティング等に活用することの許諾を求めることを言うが、メーカ等の意向に応じて許諾の内容は適宜変更してもよい。
【0043】
上記一連の処理を行うことにより、管理サーバ60は、GIDに対応するメーカMのメーカIDが事前に登録されていない場合であっても、GIDに対応するメーカIDを登録者DB64aに登録することができる。このため、次回以降は、顧客AがメーカMの商品を購入した場合に、
図2に示した手順でメーカMのメーカサーバ50に対してPOSデータ及びメーカIDを送信することができる。その結果、メーカMは、顧客Aが自社商品を購入した事実を把握することが可能となる。
【0044】
このように、本実施形態によれば、商品mの提供を行うメーカMにより発行されたメーカIDと顧客の個人情報とを対応付けて管理するメーカMのメーカサーバ50と、商品mを販売する店舗10に配設された店舗端末20と、顧客Aの個人情報と該顧客AのメーカIDとを対応付けて管理する管理サーバ60とを有し、店舗端末20が、顧客Aが商品mを購入する場合に、該顧客AのGIDを管理サーバ60から取得し、管理サーバ60が、顧客Aが購入した商品mの情報、顧客AのメーカID及び顧客AのGIDを対応付けた登録者DB64aを有するよう構成したので、メーカMが商品mを購入する顧客Aについて効率良く把握することができる。
【0045】
なお、ここでは説明の便宜、顧客Aの顔画像そのものを管理サーバ60の登録者DB64aに登録する場合を説明したが、顧客Aの顔画像の特徴量を登録するよう構成することもできる。また、ここでは顧客Aが商品mを購入する場合を説明したが、サービスの提供を受ける場合に適用することもできる。
【0046】
また、管理サーバ60は、顧客Aの顔画像と、該顧客Aの顔画像に基づいて生成されたGIDとを対応付けて管理しておき、店舗端末20が、顧客Aが商品mを購入する場合に、該顧客Aの顔画像を撮像して管理サーバ60に送信し、この顔画像に対応するGIDを管理サーバ60から受信する。なお、顧客Aの顔画像ではなく、指紋、掌紋などの各種生体情報を用いることもできる。さらには、顧客Aが任意に設定した、顧客を一意に識別可能なID及びパスワードを対応付けて管理サーバ60で管理しておき、IDをGIDとして用いてもよい。つまり、顧客端末用アプリの認証機能は、顧客の一部(顔や指、掌など)の画像を求める生体認証の代わりに、パスワードなどの入力を促す知識認証によって実現されてもよい。
【0047】
また、管理サーバ60は、店舗端末20から顔画像を受け付けた場合に、該顔画像に対応するGIDを特定し、特定したGIDを店舗端末20に通知する。また、店舗端末20は、ID-POSデータを管理サーバ60に対して通知し、管理サーバ60は、GIDに対応する顧客Aの所持する顧客端末40に対して商品mのCP告知メールを送信し、顧客端末40は、CPへの応募を顧客から受け付ける。CP応募に際して、顧客端末40から、少なくともGID及びメーカIDが対応付けられて管理サーバ60に送信される。
【0048】
また、顧客端末40は、管理サーバ60に対して、メーカID、GID、商品mに係る情報の利用許諾を含むCP応募を受け付ける。また、管理サーバ60は、メーカサーバ50に対してPOSデータ及びメーカIDを送信する。また、メーカサーバ50は、顧客Aが購入した商品mのPOSデータと、顧客Aの個人情報を匿名加工した情報とを対応付けて、メーカMの関連企業などへ情報提供することもできる。
【0049】
<上記システムの検討>
(1)システム運用上の課題
上記一連の処理を小売業、流通業、飲食業の各店舗が行うことも考えられるが、実際には、自社システムの改修が必要となるだけでなく、全てのメーカに自社システムを活用してもらうことは難しい。その一方で、一部のメーカにのみ活用してもらうとなると、一部のメーカに肩入れしているかのような誤解を招く。このため、各店舗が同様の処理を行うことは現実的ではない。
【0050】
(2)業界の構造上の課題
上記一連の処理をいわゆる共通ポイント事業者が行うことも考えられるが、共通ポイント事業者が行う場合であっても上記(1)と同様の問題がある。また、共通ポイント事業者は、特定のメーカの販売促進を伴う施策を講じることが多いため、競合先のメーカにはアプローチできない可能性が高い。
【0051】
また、すべての店舗が共通ポイントサービスを導入しているとは限らない。共通ポイント事業者が上記一連の処理を行うとなると、共通ポイントサービスを導入していない店舗に対しては新たに共通ポイントサービスを導入してもらうことが前提となり、現実的ではない。
【0052】
上記一連の処理をいわゆるキャッシュレス決済事業者が行うことも考えられるが、キャッシュレス決済事業者が行う場合であってもこれと同様の問題がある。つまり、すべての店舗がキャッシュレス決済サービスを導入しているとは限らない。加えて、現在、日本では、キャッシュレス決済が全決済に占める割合は現金決済に比べて低く、キャッシュレス決済サービスは濫立しており、キャッシュレス決済事業者のいずれかによる決済が全決済に占める割合はさらに低い。このため、キャッシュレス決済事業者が上記の一連の処理を行ったとしても、キャッシュレス決済事業者から連携可能な情報量は少なく、連携先となるメーカにとってのメリットも少ない。
【0053】
(3)データ処理上の課題
小売業、流通業、飲食業の各店舗で使うIDはそれぞれ異なる場合がある。例えば、チェーン店Xが用いるIDと、チェーン店Yが用いるIDは異なるものを使用しており、統一されたIDを使っている訳では無い。このため、名寄せを行う必要が生ずる。しかし、名寄せを行うには、氏名・住所・電話番号等の個人情報を手がかりにして同じ人物に関するデータをまとめることになり、現実的ではない。また、キャンペーン中であるか否かによって同じメーカの商品であっても異なるJANコードが付されるケースもある。このように、各種データを収集できたとしても、IDの名寄せやJANコードの解釈などのデータ処理に係る負担が大きい。データ処理負荷を超えて収益を上げようとすると、広い範囲や業種でデータを収集する必要があるが、これは上記(1)(2)の観点から難しい。
以上の諸点を考慮して、上記一連の処理を行うこととした。
【0054】
<店舗端末20の構成>
次に、
図1に示した店舗端末20の構成について説明する。
図4は、
図1に示した店舗端末20の構成を示す機能ブロック図である。店舗端末20は、小売業等の店舗10に配設されたPC、タブレット、売場連動サイネージ等の端末装置である。この店舗端末20は、顧客の顔を撮像した顔画像を管理サーバ60に送信する。そして、管理サーバ60から送信される顧客の顧客データを受信する。この店舗端末20には、管理サーバ60に対して顔認証を依頼する店舗端末用アプリがインストールされる。
【0055】
図4に示すように、店舗端末20は、表示操作部21と、カメラ22と、BT通信部23と、通信I/F部24と、記憶部25と、制御部26とを有する。表示操作部21は、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等からなる入出力デバイスである。
【0056】
カメラ22は、CCD(Charge Coupled Device)などの素子からなる撮像部であり、顧客の顔画像を撮像する。BT通信部23は、Bluetooth(登録商標)によりPOS端末30と近距離無線通信を行う通信部である。通信I/F部24は、ネットワークNを介して管理サーバ60との間で通信を行うインターフェース部である。
【0057】
記憶部25は、ハードディスク装置、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、顧客データ25aを記憶する。
図5は、
図4に示した顧客データ25aの一例を示す図である。同図に示すように、この顧客データ25aには、顧客のGID、氏名、クレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限)等が含まれる。同図では、GID「G001」の顧客の氏名が「○山一郎」、クレジットカード番号が「1234-5678-9012-3456」、有効期限が「12/25(2025年12月)」である状況を示している。
【0058】
制御部26は、店舗端末20の全体制御を行う制御部であり、撮像制御部26aと、顔画像送信部26bと、顧客データ受信部26cと、顧客データ転送部26dとを有する。実際には、撮像制御部26a、顔画像送信部26b、顧客データ受信部26c及び顧客データ転送部26dに対応する店舗端末用アプリを記憶部25などに記憶しておき、この店舗端末用アプリをメモリにロードして、CPUで実行することにより、撮像制御部26a、顔画像送信部26b、顧客データ受信部26c及び顧客データ転送部26dに対応するプロセスを実行させることになる。
【0059】
撮像制御部26aは、POS端末から撮像指示を受け付けた場合に、カメラ22に対して顧客の顔画像を撮像させるよう制御する制御部である。この際、顧客に対して音声データ等のガイダンスを行って撮像指示を行う。
【0060】
顔画像送信部26bは、カメラ22で撮像された顧客の顔画像を管理サーバ60に対して送信する処理部である。顧客データ受信部26cは、管理サーバ60から送信される顧客データを受信して記憶部25に顧客データ25aとして記憶する処理部である。顧客データ転送部26dは、POS端末30に対して顧客データを転送する処理部である。かかる顧客データを転送する理由は、POS端末30において商品の決済処理を行うためである。
【0061】
<POS端末30の構成>
次に、
図1に示したPOS端末30の構成について説明する。
図6は、
図1に示したPOS端末30の構成を示す機能ブロック図である。POS端末30は、小売業等の店舗10に配設され、商品の販売・支払いが行われるその場(販売時点)で、その商品に関する情報(商品名、価格、販売時刻等)を単品単位で収集・記録する端末装置である。商品に付されたバーコードを読み取ってJANコードを特定する。このJANコードにより、商品の商品種別、商品価格等を特定することができる。
【0062】
その後、店舗端末20に対して顧客の顔を撮像するよう指示を行う。そして、店舗端末20から顧客データを受信したならば、この顧客データに含まれるクレジットカード情報を用いて決済処理を行い、ID-POSデータを管理サーバ60に送信する。
【0063】
図6に示すように、POS端末30は、表示操作部31と、バーコードリーダ32と、BT通信部33と、通信I/F部34と、記憶部35と、制御部36とを有する。表示操作部31は、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等からなる入出力デバイスである。
【0064】
バーコードリーダ32は、商品に付されたバーコードを読み取る読取部である。かかるバーコードには商品のJANコードが含まれている。BT通信部33は、Bluetooth(登録商標)により店舗端末20と近距離無線通信を行う通信部である。通信I/F部34は、ネットワークNを介して管理サーバ60との間で通信を行うインターフェース部である。
【0065】
記憶部35は、ハードディスク装置、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、POSデータ35a、顧客データ35b及び商品データ35cを記憶する。POSデータ35aは顧客により購入された商品に関する情報(商品名、価格、販売時刻等)である。
【0066】
顧客データ35bは、店舗端末20から受信した顧客データであり、顧客のGID、氏名、クレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限)等が含まれる。商品データ35cは、店舗10に陳列された商品のJANコード、商品名、価格を対応付けたデータである。
【0067】
なお、本実施形態では、あらかじめ管理サーバ60に登録されたクレジットカードによる決済処理を行う場合を説明するが、現金決済、デビットカード決済、交通系ICカードによる決済処理などの各種決済を行うこともできる。
【0068】
制御部36は、POS端末30の全体制御を行う制御部であり、バーコード読取部36aと、顧客データ受信部36bと、決済処理部36cと、ID-POSデータ送信部36dとを有する。実際には、バーコード読取部36a、顧客データ受信部36b、決済処理部36c及びID-POSデータ送信部36dに対応する店舗端末用アプリを記憶部35などに記憶しておき、この店舗端末用アプリをメモリにロードして、CPUで実行することにより、バーコード読取部36a、顧客データ受信部36b、決済処理部36c及びID-POSデータ送信部36dに対応するプロセスを実行させることになる。
【0069】
バーコード読取部36aは、顧客が購入する商品に付されたバーコードを読み取り、バーコードに含まれるJANコード等を特定する処理部である。JANコード等が特定されたならば、商品データ35cを参照することにより、商品名及び価格を特定することができる。
【0070】
顧客データ受信部36bは、店舗端末20から送信された顧客データを受信して記憶部35に顧客データ35bとして記憶する処理部である。決済処理部36cは、顧客データ35bに含まれるクレジットカード情報を用いて商品の決済を行う処理部である。なお、商品の商品名及び価格は、商品データ35c及びJANコードに基づいて特定される。決済処理を完了したならば、POSデータ35aとして記憶部35に記憶する。
【0071】
ID-POSデータ送信部36dは、顧客のGID及び顧客が購入した商品のPOSデータ(ID-POSデータ)を管理サーバ60に送信する処理部である。管理サーバ60は、このID-POSデータを受信することにより、店舗10内でどの顧客がどの商品を購入したのかを特定することができる。
【0072】
<顧客端末40の構成>
次に、
図1に示した顧客端末40の構成について説明する。
図7は、
図1に示した顧客端末40の構成を示す機能ブロック図である。顧客端末40は、顧客が所持するスマートフォン又はタブレット等の携帯端末であり、メールの送受信及びHTTPサーバへのアクセスが可能な端末装置である。この顧客端末40には、情報処理システムに加入する顧客に対して管理サーバ60が提供する顧客端末用アプリがインストールされる。
【0073】
顧客が顧客端末40の顧客端末用アプリを起動すると、顔認証機能が作動して、顧客端末用アプリは顧客Aの顔画像に対応するGIDを取得する。そして、顧客は、管理サーバ60からのCP告知メールを確認する。CP告知メールの本文には、例えば「この度は、M社の商品mを購入して頂き、誠にありがとうございました。ただいま、抽選で100名様にプレゼントをするキャンペーンを実施中です。是非、この機会にご応募下さい。」等のメッセージ、ランディングページのURLが含まれる。
【0074】
顧客が、ランディングページのURLをクリックしたならば、管理サーバ60が運営するランディングページにアクセス可能となる。その後、顧客がランディングページにメーカIDの入力及びデータの利用許諾の同意を行ったならば、管理サーバ60に対してGID及びメーカIDの連携データが通知される。
【0075】
図7に示すように、顧客端末40は、表示操作部41と、カメラ42と、通信I/F部43と、記憶部44と、制御部45とを有する。表示操作部41は、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等からなる入出力デバイスである。
【0076】
カメラ42は、CCDなどの素子からなる撮像部であり、顧客の顔画像を撮像する。通信I/F部43は、ネットワークNを介して管理サーバ60等との間で通信を行うインターフェース部である。記憶部44は、ハードディスク装置、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。
【0077】
制御部36は、顧客端末40の全体制御を行う制御部であり、登録処理部45aと、撮像制御部45bと、メーラー45cと、ブラウザ45dとを有する。実際には、登録処理部45a及び撮像制御部45bに対応する顧客端末用アプリと、メーラー45c及びブラウザ45dに対応するプログラムを記憶部44などに記憶しておき、この顧客端末用アプリをメモリにロードして、CPUで実行することにより、登録処理部45a、撮像制御部45b、メーラー45c及びブラウザ45dに対応するプロセスを実行させることになる。
【0078】
登録処理部45aは、情報処理システムに顧客が登録を行う場合の登録処理を行う処理部であり、顧客端末用アプリを管理サーバ60又は他のサーバからダウンロードして実行されることにより、登録処理部45aが形成される。この登録処理部45aにより顧客が登録要求を行うと、該顧客を一意に識別するGIDが発行され、個人情報(氏名、住所、メールアドレス等)、クレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限)、顔画像等が管理サーバ60に登録される。
【0079】
撮像制御部45bは、顧客の登録を行う場合にカメラ42により該顧客の顔画像を撮像させるよう制御する制御部である。メーラー45cは、管理サーバ60からのCP告知メール等を受信するメーラーである。なお、かかるメーラー45cは、WEB上の各種メールを送受信することもできる。
【0080】
ブラウザ45dは、WEB上の各種ページにアクセスするためのブラウザであり、CP告知メールに含まれるURLがクリックされたならば、このブラウザ45dが起動し、該当するランディングページにアクセス可能となる。かかるランディングページ上でメーカID、データの利用許諾が入力され、CP応募がなされたならば、連携データが管理サーバ60に対して通知される。
【0081】
<メーカサーバ50の構成>
次に、
図1に示したメーカサーバ50の構成について説明する。
図8は、
図1に示したメーカサーバ50の構成を示す機能ブロック図である。メーカサーバ50は、商品を製造するメーカが有する端末装置であり、ランディングページの作成に必要な素材(または、ランディングページそのもの)を管理サーバ60(正確には、管理サーバ60の運営者)に対して提供する。顧客Aがランディングページに入力した各種情報は、管理サーバ60を介してメーカサーバ50に送信される。メーカサーバ50は、顧客AがメーカMに会員登録したならば、メーカIDを発行して、顧客Aの個人情報(氏名、住所等)とともに管理する。管理サーバ60からPOSデータ及びメーカIDを受信したならば、メーカIDに該当する顧客がPOSデータの自社商品を購入したものと判定する。
【0082】
図8に示すように、メーカサーバ50は、入力部51と、表示部52と、通信I/F部53と、記憶部54と、制御部55とを有する。入力部51は、キーボード及びマウス等の入力デバイスであり、表示部52は、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)、ディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部53は、ネットワークを介して顧客端末40及び管理サーバ60と通信するための通信インターフェース部である。
【0083】
記憶部54は、ハードディスク装置、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、顧客DB54aを記憶する。なお、この顧客DB54aを管理するデータベース管理部(DBMS)が設けられるが、この点は既存技術であり本実施形態の特徴部分でもないため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0084】
顧客DB54aは、メーカサーバ50に登録される顧客に関する情報を有するデータベースである。
図9は、
図8に示した顧客DB54aの一例を示す図である。ここでは、顧客を一意に識別するメーカIDごとに、顧客の氏名、住所、性別、年齢、購入商品等が管理された状況を示している。
【0085】
同図には、メーカID「A123」の顧客は、氏名が「○山一郎」であり、住所は「○○市AB町1-1」であり、性別が「男」であり、年齢が「35才」である状況を示している。また、メーカID「A124」の顧客は、氏名が「△谷二郎」であり、住所は「○○市EF町3-3」であり、性別が「男」であり、年齢が「42才」である状況を示している。管理サーバ60からID-POSデータを受信すると、メーカIDをたどることにより、どの顧客がどの商品を購入したのかを把握することができる。
【0086】
制御部55は、メーカサーバ50の全体制御を行う制御部であり、顧客管理部55aを有する。実際には、顧客管理部55aに対応するプログラムを記憶部54などに記憶しておき、このプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、顧客管理部55aに対応するプロセスを実行させることになる。顧客管理部55aは、メーカに登録した顧客を顧客DB54aにより管理する管理部である。
【0087】
<管理サーバ60の構成>
次に、
図1に示した管理サーバ60の構成について説明する。
図10は、
図1に示した管理サーバ60の構成を示す機能ブロック図である。管理サーバ60は、自装置が管理する顧客Aの識別情報(以下、「GID」と言う)と、メーカサーバ50において管理される該顧客AのメーカIDとを紐付けて管理するサーバ装置である。管理サーバ60は、情報処理システムに加入する店舗に対して顔認証機能を有する店舗端末用アプリを提供するとともに、情報処理システムを利用する顧客に対して顧客端末用アプリを提供する。
【0088】
管理サーバ60は、店舗端末20から顧客の顔画像を受信したならば、登録者DB64aを用いて顔画像からGIDを特定し、該GIDを含む顧客データを店舗端末20に送信する。ここで、顔画像からGIDを特定する場合には、店舗端末20から送信された顔画像と登録者DB64aに登録された各登録者の顔画像とを照合処理し、例えば両顔画像の相互相関係数が最も高い登録者であると判定し、この登録者のGIDを特定することができる。また、顔画像に対して一方向性関数を適用して直接GIDを算定することもできる。
【0089】
図10に示すように、管理サーバ60は、入力部61と、表示部62と、通信I/F部63と、記憶部64と、制御部65とを有する。入力部61は、キーボード及びマウス等の入力デバイスであり、表示部62は、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)、ディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部63は、ネットワークを介して店舗端末20、POS端末30、顧客端末40及びメーカサーバ50と通信するための通信インターフェース部である。
【0090】
記憶部64は、ハードディスク装置、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、登録者DB64aを記憶する。なお、この登録者DB64aを管理するデータベース管理部(DBMS)が設けられるが、この点は既存技術であり本実施形態の特徴部分でもないため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0091】
登録者DB64aは、管理サーバ60に登録される登録者に関する情報を有するデータベースである。
図11は、
図10に示した登録者DB64aの一例を示す図である。ここでは、登録者を一意に識別するGIDごとに、登録者の氏名、住所、メールアドレス、クレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限)、顔画像、メーカID等が管理された状況を示している。
【0092】
同図には、GID「G001」の登録者は、氏名が「○山一郎」であり、住所は「○○市AB町1-1」であり、メールアドレスが「123@abc.com」であり、クレジットカード番号が「1234-5678-9012-3456」、有効期限が「12/25(2025年12月)」であり、顔画像のファイルが「abc.jpg」であり、メーカIDが「A123」である状況を示している。
【0093】
また、GID「G002」の登録者は、氏名が「×川花子」であり、住所は「××区CD町2-2」であり、メールアドレスが「456@def.com」であり、クレジットカード番号が「9876-5432-1098-7654」、有効期限が「11/24(2024年11月)」であり、顔画像のファイルが「def.jpg」であり、メーカIDが「B246」である状況を示している。かかるメーカIDが登録済みである場合には
図2で説明した処理を行い、メーカIDが未登録である場合には
図3で説明した処理を行うことになる。
【0094】
制御部65は、管理サーバ60の全体制御を行う制御部であり、登録者管理部65aと、商品判定部65bと、CP告知処理部65cと、メーカID登録部65dと、POSデータ送信部65eとを有する。実際には、登録者管理部65a、商品判定部65b、CP告知処理部65c、メーカID登録部65d及びメーカID/POSデータ送信部65eに対応するプログラムを記憶部64などに記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、登録者管理部65a、商品判定部65b、CP告知処理部65c、メーカID登録部65d及びPOSデータ送信部65eに対応するプロセスを実行させることになる。
【0095】
登録者管理部65aは、管理サーバ60に登録される登録者を登録者DB64aにより管理する管理部である。具体的には、顧客端末40にインストールされた顧客端末用アプリを通じて、登録要求を行う顧客を一意に識別するGIDを発行し、個人情報、クレジットカード情報及び顔画像等を対応付けて管理する。
【0096】
商品判定部65bは、POS端末30から受信したID-POSデータのPOSデータに含まれる商品が特定メーカの商品であるか否かを判定する処理部である。商品を製造するメーカが情報処理システムに加盟するメーカである場合には、該メーカのメーカサーバ50にPOSデータ及びメーカIDを送信し、商品を製造するメーカが情報処理システムに加盟していないメーカである場合には、該メーカのメーカサーバ50にPOSデータ及びメーカIDを送信しない。
【0097】
CP告知処理部65cは、商品を製造するメーカが該商品の情報を必要とし、かつ、登録者DB64aのGIDに対応する行にメーカIDが登録されていない場合に、顧客が所持する顧客端末40の顧客端末用アプリを利用してCP告知メールを送信する処理部である。このCP告知メールの宛先アドレスは、登録者DB64aのGIDに対応する行に登録されたメールアドレスとなる。また、CP告知メールには、メーカサーバ50のランディングページのURLが記載されており、このURLを選択したならば、メーカID等を入力する入力枠が表示される。
【0098】
メーカID登録部65dは、顧客端末用アプリの起動にともない顔認証機能が作動することにより顔画像に対応するGIDが特定されると、登録者DB64aのうち当該GIDに対応する行に、顧客が入力したメーカIDを登録する処理部である。これにより、次回以降の処理時に、GIDからメーカIDを特定することができる。
【0099】
POSデータ送信部65eは、GIDに対応するPOSデータ及び特定したメーカIDをメーカサーバ50に対して送信する処理部である。
【0100】
<情報処理システムの処理手順>
次に、本実施形態に係る情報処理システムの処理手順について説明する。
図12は、本実施形態に係る情報処理システムの処理手順を示すシーケンス図である。同図に示すように、POS端末30は、顧客が購入する商品に付されたバーコードをバーコードリーダ32により読み取ったならば(ステップS101)、店舗端末20に対して撮像指示を行う。
【0101】
店舗端末20は、かかる撮像指示を受け付けたならば、カメラ22により顧客の顔画像を撮像し(ステップS102)、撮像した顔画像を管理サーバ60に送信する(ステップS103)。管理サーバ60は、顧客の顔画像を受信したならば、顔画像からGIDを特定する(ステップS104)。例えば、店舗端末20から送信された顔画像と登録者DB64aに登録された各登録者の顔画像とを照合処理し、両顔画像の相互相関係数が最も高い登録者であると判定し、この登録者のGIDを特定することができる。
【0102】
その後、管理サーバ60は、顧客のGID、氏名、クレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限)を含む顧客データを店舗端末20に対して送信し(ステップS105)、店舗端末20は、管理サーバ60から受信した顧客データをPOS端末30に転送する(ステップS106)。
【0103】
POS端末30は、顧客データを受信したならば、該顧客データに含まれるクレジットカード情報を用いて商品の決済処理を行い(ステップS107)、ID-POSデータを管理サーバ60に対して送信する(ステップS108)。なお、決済処理完了後すみやかにID-POSデータが送信されてもよいし(逐次処理)、レジ締めの際にまとめてID-POSデータが送信されてもよい(バッチ処理)。
【0104】
管理サーバ60は、GIDに対応するメーカIDが登録者DB64aに登録されていない場合には(ステップS109;No)、後述するID連携処理を行う(ステップS110)。これに対して、GIDに対応するメーカIDが登録者DB64aに登録済みである場合には(ステップS109;Yes)、メーカサーバ50に対してメーカID/POSデータを送信して(ステップS111)、上記一連の処理を終了する。
【0105】
次に、
図12に示したID連携処理手順について説明する。
図13は、
図12のS110に示したID連携処理を示すシーケンス図である。同図に示すように、管理サーバ60は、ID-POSデータに含まれる商品が特定メーカの商品であるか否かを判定し(ステップS201)、特定メーカの商品でない場合には(ステップS201;No)、処理を終了する。
【0106】
これに対して、特定メーカの商品である場合には(ステップS201;Yes)、顧客端末40に対してCP告知メールを送信する(ステップS202)。顧客端末40が、かかるCP告知メールを受信した場合に、CP告知メールに含まれるメーカサーバ50のランディングページのURLを選択したならば、メーカID等を入力する入力枠が表示される。
【0107】
そして、顧客がランディングページ上でメーカID及びデータの利用許諾を入力して(ステップS203)、CPに応募したならば(ステップS204)、ランディングページから抽出されたGID及びメーカIDを含む連携データが管理サーバ60に通知される。
【0108】
管理サーバ60は、GIDに対応するPOSデータ及びGIDから特定したメーカIDをメーカサーバ50に送信し(ステップS205)、メーカIDを登録者DB64aの該当するGIDの行に登録し(ステップS206)、上記一連の処理を終了する。メーカサーバ50は、POSデータ及びメーカIDを受信したならば、顧客DB54aにメーカIDとPOSデータを登録して(ステップS207)、処理を終了する。
【0109】
上述してきたように、本実施形態では、商品の提供を行うメーカにより発行されたメーカIDと顧客の個人情報とを対応付けて管理するメーカのメーカサーバ50と、商品を販売する店舗10に配設された店舗端末20と、顧客の個人情報と該顧客のGIDとを対応付けて管理する管理サーバ60とを有し、店舗端末20が、顧客が商品を購入する場合に、該顧客のGIDを管理サーバ60から取得し、管理サーバ60が、顧客が購入した商品の情報、顧客のメーカID及び顧客のGIDを対応付けた登録者DB64aを有するよう構成したので、メーカが商品を購入する顧客について効率良く把握することができる。
【0110】
また、本実施形態では、説明の便宜、顧客の顔画像そのものを管理サーバ60の登録者DB64aに登録する場合を説明したが、顧客の顔画像の特徴量を登録するよう構成することもできる。また、上記の実施形態では、顧客が商品を購入する場合を説明したが、顧客がサービスの提供を受ける場合に適用することもできる。
【0111】
また、本実施形態では、管理サーバ60は、顧客の顔画像と、該顧客の顔画像に基づいて生成されたGIDとを対応付けて管理しておき、店舗端末20が、顧客が商品を購入する場合に、該顧客の顔画像を撮像して管理サーバ60に送信し、この顔画像に対応するGIDを管理サーバ60から受信する。なお、顧客の顔画像ではなく、指紋、掌紋などの各種生体情報を用いることもできる。さらには、顧客Aが任意に設定した、顧客を一意に識別可能なID及びパスワードを対応付けて管理サーバ60で管理しておき、IDをGIDとして用いてもよい。つまり、顧客端末用アプリの認証機能は、顧客の一部(顔や指、掌など)の画像を求める生体認証の代わりに、パスワードなどの入力を促す知識認証によって実現されてもよい。
【0112】
また、GIDは、各種生体情報ではなく、顧客端末40に対応付けることもできる。POS端末30の近傍にビーコン受信機(不図示)を配設しておき、ビーコン受信機は、顧客の事前同意のもと、顧客端末40との間でビーコン波を送受信することにより、ビーコン波に含まれる顧客端末40の識別情報を取得して、POS端末30に送信する。POS端末30は、ビーコン受信機を介して顧客端末40から取得した識別情報及びこれに対応するPOSデータを管理サーバ60に対して送信する。一方、顧客端末40は、顧客端末40の識別情報(顧客端末40の初期設定情報から生成してもよいし、顧客端末用アプリの登録時に生成してもよい)をメモリに記憶しており、ビーコン受信機から要求があった場合には顧客端末40の識別情報を返す。また、顧客端末40では、顧客の事前同意のもと、顧客端末用アプリの所定の機能を使用する際、顧客端末40の識別情報が利用される。例えば、顧客端末用アプリにて、顧客がCP告知メール中のURLのリンクをクリックしてランディングページを開くと、顧客端末40の識別情報がクッキーに埋め込まれたり、セッションIDとして管理されたりする。
【0113】
なお、ビーコン受信機はPOS端末30の近傍のみならず、店舗の各所に配設してもよい。この場合、ビーコン受信機は、顧客端末40の識別情報だけではなくビーコン受信時刻もビーコン波から収集してPOS端末30に送信し、POS端末30は、決済時刻と近いタイミングでビーコンを受信した顧客端末40の識別情報及びこれに対応するPOSデータを管理サーバ60に対して送信する。
【0114】
ビーコン発信機は、顧客端末40との間でビーコン波を送受信することにより、顧客端末用アプリに付されたアプリIDを取得して、GIDの代わりにアプリID及びGIDの組合せを利用してもよい。顧客端末40では、顧客端末用アプリをインストールした際にアプリIDが生成されてメモリに記憶される。なお、アプリID及びGIDの組合せに代えて、アプリID及び顧客端末40の識別情報の組合せを利用してもよい。
【0115】
また、本実施形態では、管理サーバ60は、店舗端末20から顔画像を受け付けた場合に、該顔画像に対応するGIDを特定し、特定したGIDを店舗端末20に通知する。また、店舗端末20は、ID-POSデータを管理サーバ60に対して通知し、管理サーバ60は、GIDに対応する顧客の所持する顧客端末40に対して商品のCP告知メールを送信し、顧客端末40は、CPへの応募を顧客から受け付ける。CP応募に際して、顧客端末40から、少なくともGID及びメーカIDが対応付けて管理サーバ60に送信される。また、顧客端末40は、管理サーバ60に対して、メーカID、GID、商品mに係る情報の利用許諾を含むCP応募を受け付ける。また、管理サーバ60は、メーカサーバ50に対してPOSデータ及びメーカIDを送信する。
【0116】
また、メーカサーバ50は、顧客が購入した商品のPOSデータと、顧客の個人情報を匿名加工した情報とを対応付けて、メーカの関連企業などへ情報提供するよう構成することもできる。
【0117】
なお、上記の実施形態では、顧客によるCP応募に伴う利益の提供についての説明を省略したが、メーカから顧客に対する商品の郵送、メーカサーバ50から顧客端末40へのポイントの付与など各種の利益を提供することができる。また、メーカが管理サーバ60から商品に関する情報を受けた頻度に応じて、メーカが情報処理システムの運営者に対して費用を支払うよう構成することもできる。
【0118】
また、上記の実施形態では、顧客AがメーカMの商品mを購入した場合に、商品mに係るCPを顧客Aに告知することとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。顧客AがメーカMの商品mを購入した時点で、必ずしも、商品mに係るCPが開催中であったり、商品mに係るCPが近々開催されたりするとは限らない。顧客Aの商品購入とCP開催のタイミングが合うまで、顧客AのメーカID及びGIDの連携が促されないという事態は、メーカMとしては避けたいはずで、メーカMはいち早く顧客AのID連携が実現してほしいはずである。また、メーカMは、商品mの顧客Aだけについてではなく、広く関連する商品の顧客Aについて知りたいはずである。以下、顧客のID連携をいち早く実現するとともに、広く関連する商品の顧客について知るためのCP告知例を説明する。
【0119】
<CP告知例1>
管理サーバ60の運営会社は、メーカ各社からID連携の依頼を受けたことにともない、メーカ各社から、CP情報として、CP対象商品に関する情報(CP対象商品のコード及び商品カテゴリ、並びにCP対象商品を製造するメーカのコードなど)及びCP開催スケジュール(CPが開催される日付及び店舗など)を受け取り、管理サーバ60に予め格納するものとする。管理サーバ60は、メーカ各社のCP情報を用いてCP告知メールを生成し、顧客Aの顧客端末40に対して送信する。
【0120】
例えば、顧客AがメーカMとは異なるメーカのビールを購入し、メーカMのビールに係るCPが開催中である(または、近々開催される予定である)場合、管理サーバ60は、メーカMのビールに係るCPを顧客Aに告知する。
【0121】
このように、管理サーバ60は、顧客AがCP対象商品を購入しなかったがCP対象とカテゴリが同じで異なるメーカの商品を購入した場合、CPを顧客Aに告知する。
【0122】
<CP告知例2>
例えば、顧客AがメーカMのワインを購入し、メーカMとは異なるメーカのチーズに係るCPが開催中である(または、近々開催される予定である)場合、管理サーバ60は、チーズに係るCPを顧客Aに告知する。
【0123】
このように、管理サーバ60は、顧客AがCP対象商品を購入しなかったがCP対象商品と関連する商品を購入した場合(いわゆる「合わせ買い」をした場合)、CPを顧客Aに告知する。
【0124】
<CP告知例3>
CP告知を通じて顧客AのメーカID及びGIDが対応付けられる前から、管理サーバ60は、顧客Aがアプリを使って店舗で買い物するたび、店舗端末20を介して顧客AのID-POSデータを取得している。つまり、管理サーバ60は、顧客Aの購入履歴を取得している。また、上述のCP告知例1及び2と同様、管理サーバ60には、メーカ各社のCP情報が予め格納されているものとする。
【0125】
管理サーバ60は、メーカ各社のCP情報及び取得済みの顧客の購入履歴を用いてCP告知メールを生成し、顧客Aの顧客端末40に対して送信する。
【0126】
例えば、顧客AがメーカMのビールを購入したが、このビールに係るCPが開催中でない(または、近々開催される予定がない)場合、管理サーバ60は、顧客Aの購入履歴を参照して購入傾向を分析する。そして、「顧客Aはアルコール飲料を頻繁に購入している」ことが判明した場合、管理サーバ60は、ハイボールのCPを顧客Aに告知する。
【0127】
このように、管理サーバ60は、購入商品に係るCPのスケジュールに応じて、顧客の購入傾向を分析し、CP対象商品と何らかの共通点があれば、CPを顧客Aに告知する。「CP対象商品との何らかの共通点」として、例えば、CP対象商品と同じカテゴリの商品が頻繁に購入されている、CP対象商品と同じ商品特性の商品が頻繁に購入されている、CP対象商品と同じメーカの商品が頻繁に購入されている、CP対象商品と関連する商品が頻繁に購入されている、がある。
【0128】
なお、ここでは、顧客Aの購入履歴を参照して購入傾向を分析したが、購入傾向を分析する際に参照するのは顧客Aだけに限らない。例えば、顧客Aと似た属性を備える別の顧客の購入履歴や、顧客Aと似た属性を備える複数の顧客からなる顧客群の購入履歴を参照してもよい。
【0129】
ここまで、CP告知を通じて顧客AのメーカID及びGIDを対応付ける処理を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0130】
<ID連携後の処理>
顧客AのメーカID及びGIDが対応付けられた後も、管理サーバ60は、顧客Aがアプリを使って店舗で買い物するたび、店舗端末20を介して顧客AのID-POSデータを取得している。顧客Aの同意のもと、いったんメーカID及びGIDが対応付けられたら、管理サーバ60は、顧客Aが当該メーカの商品を購入したか否かを問わず、店舗端末20を介して取得したID-POSデータに対応するメーカID及びPOSデータをメーカサーバ50に送信する。このように、いったんIDが連携されたら、メーカは、自社商品が購入されていなくとも、顧客のPOSデータを収集できるので、顧客の購買行動をより精緻に分析することができる。
【0131】
<変形例>
ところで、上記実施形態では、商品にJANコードを付与した場合について説明したが、飲食分野で提供される商品(飲食店で提供される料理のほか、小売店内で加工して提供される精肉や鮮魚、総菜など)をコード化する場合には、店舗毎にオリジナルのコードが付されることが多い。このため、本変形例では、管理サーバ60が飲食分野のコード化を行う一例について説明する。
【0132】
POSレジや券売機に登録される情報(メニュー分類やメニュー名)だけではなく、情報提供先のニーズに応じて、外部サイト等から収集した情報も用いて料理をコード化することができる。収集する情報としては、以下の情報が挙げられる。以下、料理をコード化する場合に収集する情報を挙げているが、料理以外の精肉や鮮魚、総菜などについても同様である。
【0133】
なお、精肉や鮮魚、総菜などにおいては、パッケージのラベルを撮影しておき、撮影画像から、ラベルに表示されている原産地や原材料などの情報を収集してもよい。また、ラベリングシステムや発注システムなど、店で稼働している他のシステムと連動させて原産地や原材料などの情報を収集してもよい。
(1)エリア
店舗が所在するエリアを示す情報を収集することができる。例えば、店舗紹介サイトの「エリア一覧」などから収集することができる。
(2)店舗ジャンル
店舗が提供する料理のジャンルを示す情報を収集することができる。例えば、店舗紹介サイトの「料理カテゴリ」などから収集することができる。
【0134】
(3)原材料
料理の原材料を示す情報を収集することができる。料理店における原材料表示は義務化されていないが、飲食チェーン店のサイトで表示される原材料表示から収集することができる。
(4)原産地
原材料の原産地を示す情報を収集することができる。原材料と同様に、原産地表示は義務化されていないが、飲食チェーン店のサイトで表示される原材料表示から収集することができる。
(5)口コミのキーワード出現回数
料理紹介サイトから、同じキーワードが出現した口コミの回数を収集することができる。かかる口コミには、店舗に関する口コミ、料理全般に関する口コミ、特定の料理に関する口コミの3種類があるが、このうち特定の料理に関する口コミで出現したキーワードの回数をカウントする。具体的には、特定の料理名の近傍に出てきたキーワードをカウントすることになる。
【0135】
(6)レシピ
飲食店が料理のレシピをウェブ公開する場合があるため、かかるレシピの情報から原材料を示す情報や調味料を示す情報を収集することができる。
(7)その他
同義語を収録した有償または無償の辞書データを活用することができる。例えば、「ビーフ」と「牛肉」は同義語であるため、表記が異なる場合であっても、辞書データを参照することで実質的に同じものであるか否かを調べることができる。
【0136】
図14は、飲食分野のコード化の一例を示す図である。ここでは、X社向けの統一メニューコードを付与する例を示している。X社は、X1地区で新たにカレー店を開業しようとする場合に、このX1地区でどのようなカレーが人気であるかを知りたいとする。この場合、同じジャンルであるカレー屋だけではなく、他のジャンル(蕎麦屋や洋食屋)もカレーを取り扱う場合があり、他のジャンルも競合となり得る。
【0137】
ジャンルを問わず、どのような種類のカレーが売れているかを知りたい場合に、
図14に示すように、同じ原材料のカレーに統一メニューコードを付与して、統一メニューコードごとの売上げを算出してX社に提供することが考えられる。X社がさらに詳細に知りたい場合には、口コミのキーワードを活用することもできる。なお、X店が同じジャンルであるカレー屋を対象としてどのような種類のカレーが売れているのかを知りたい場合には、店舗ジャンルを絞り込むことが考えられる。
【0138】
図15は、飲食分野のコード化の他の例を示す図である。ここでは、食材輸入商社であるY社のY1氏が、新たに担当するY2地区において、どのようなスパイスの需要があるのかを知りたいとする。この場合、スパイスが使われる料理ごとに、スパイスの使用量の目安となるキーワードをあらかじめ登録しておき、このキーワードが口コミサイトで出現する回数をカウントする。特定の料理名から一定の距離(文字数)以内にあらかじめ設定したキーワードが存在するか否かを判定し、同程度の使用量である料理に統一メニューコードを付与し、統一メニューコードごとの売上げを算出してY1氏に提供するケースが考えられる。なお、ここでは多くの飲食店がレシピを公開していないため、レシピの代わりに口コミを用いているが、口コミの代わりにレシピを使用することもできる。また、料理の撮影画像から栄養量を推定する既存技術を用いることもできる。
【0139】
また、上記の管理サーバ60にて収集した各店舗の情報に基づいて、小売業、流通業で用いるコードを飲食分野に適用することもできる。例えば、あるスーパーで○○ビールを頻繁に購入する顧客が飲食店でビールをオーダーする場合に、このビールが○○ビールである可能性が高い。かかる顧客が所定数存在する場合には、飲食店で提供しているビールは○○ビールであると推定することができる。
【0140】
ここまで、変形例として、管理サーバ60が飲食分野のコード化を行う一例を説明してきたが、以下、飲食分野のコード化を実現するためのシステムを説明する。
【0141】
<変形例のシステム構成>
図16は、変形例のシステム構成を示す図である。
図16に示す情報処理システムは、店舗10-1~10-p内の機器と、顧客端末40と、管理サーバ60とがネットワークNに接続された構成となる。店舗10-1~10-p内の機器は
図1に示したものと同じであるため、詳細な説明は省略する。
図1と同様に、「店舗10」は、店舗10-1~10-pのいずれかを示すこともあれば、店舗端末10-1~10-qの総称を示すこともある。店舗10内で顧客が買い物をすることにより発生するPOSデータは、POS端末30から管理サーバ60に送信される。
【0142】
顧客端末40も
図1に示したものと基本的には同じであるが、
図1などを使って説明した実施形態における「顧客」が店舗の買い物客であるのに対し、この変形例における「顧客」は飲食メニューデータのコード化を所望するクライアントである点で異なる。顧客は、顧客端末40でウェブブラウザまたはアプリを操作して、飲食メニューデータのコード化基準を設定する。顧客端末40の操作内容は管理サーバ60に送信される。
【0143】
管理サーバ60は、顧客端末の操作内容に基づいて飲食メニューデータのコード化を行う。さらに、管理サーバ60は、POS端末30からPOSデータを逐次またはバッチで吸い上げている。管理サーバ60は、コード化された飲食メニューデータとPOSデータを照合して集計する。
【0144】
<コード化基準設定画面>
次に、顧客が飲食メニューデータのコード化基準を設定する際、顧客端末40に表示される画面について説明する。
【0145】
図17(a)は、コード化基準を設定するための画面(基準設定画面)70の一例を示す図である。同図に示すように、飲食メニューデータをコード化する際の基準となりうる項目がリスト表示されている。同図では、エリア、店舗ジャンル及びメニューがリスト表示されているが、リスト表示されるのはこれらに限らない。原材料、原産地、口コミキーワード、レシピなどをリスト表示してもよい。基準設定画面70において、顧客が、コード化の基準として設定したい項目を選択して、右端のボタンを押下することにより、項目の詳細を設定するための画面(詳細設定画面71)が別ウィンドウで表示される。
【0146】
図17(b)は、エリアの詳細設定画面71の一例を示す図である。ここでは、詳細設定画面71が基準設定画面70とは別のウィンドウで表示されるものとして説明したが、項目の詳細によっては、基準設定画面70内にプルダウン表示するなど、項目の詳細に応じたユーザインターフェースを採用してもよい。
【0147】
また、先に選択や入力された項目に応じて、次に選択や入力する項目に係る表示を変えてもよい。例えば、メニューで「カレー」が選択されたことを受けて、原材料に「牛肉」「たまねぎ」などをプルダウンリスト表示してもよい。
【0148】
基準設定画面70において、顧客は、顧客にとって必要な選択や入力を済ませて「基準を設定」ボタンを押下すると、顧客の操作に基づくコード化基準が設定される。顧客が「リセットする」ボタンを押下すると、これまでに選択した内容や入力した内容がリセットされる。
【0149】
<変形例のフローチャート>
次に、変形例の処理手順について説明する。
図18は、変形例の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、顧客端末40で操作がなされた場合(ステップ301;Yes)、管理サーバ60は操作内容に応じたデータを生成する(ステップ302)。具体的には、管理サーバ60は、
図17(a)の基準設定画面70で選択又は入力した項目に対応する情報を収集してマージすることで、マージデータを生成する。情報の収集先は上述したとおりで、例えば、メニュー分類やメニュー名はPOSレジや券売機から収集し、エリアや店舗ジャンルは店舗紹介サイトから収集する。管理サーバ60が生成するマージデータとしては、例えば、
図14の表から列「X社向け統一メニューコード」を除いた形式、及び、
図15の表から列「Y社向け統一メニューコード」を除いた形式がある。
【0150】
その後、管理サーバ60は、ステップ302で生成したマージデータに対して、同等とみなしてよいメニューに同じコードを割り振る(ステップ303)。管理サーバ60が割り振るコードとしては、例えば、
図14の表に含まれている列「X社向け統一メニューコード」、及び、
図15の表に含まれている列「Y社向け統一メニューコード」がある。
【0151】
管理サーバ60は、POS端末30から吸い上げているPOSデータのうち、ステップ303でコードが割り振られたマージデータ(コード化されたデータ)に対応するPOSデータを抽出し、コード化されたデータと照合して集計する(ステップ304)。
【0152】
不図示の集計画面において、顧客は、何を集計するのかを指定することができ、例えば、売上高や売上量を指定することができる。顧客が指定した指標に基づき、管理サーバ60は、コード化されたデータとPOSデータを照合して集計したら、集計結果を顧客端末40に送信する(ステップ305)。
【0153】
なお、ステップ302~304において、顧客の操作内容に基づきマージデータを生成してコード化した後にPOSデータと照合するものとして説明したが、顧客の操作内容に基づきPOSデータも収集し、マージデータの一部としてもよい。この場合、マージデータをPOSデータと照合することはしない。
【0154】
なお、上記の実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
以上のように、本発明に係る情報処理システム、管理サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラムは、POSデータに含まれる顧客IDと該顧客である会員の会員情報(端末情報)を効率良く紐付けて管理する場合に適している。
【符号の説明】
【0156】
A 顧客
M メーカ
m 商品
N ネットワーク
10,10-1~10-p 店舗
20,20-1~20-q,20-r 店舗端末
21 表示操作部
22 カメラ
23 BT通信部
24 通信I/F部
25 記憶部
25a 顧客データ
26 制御部
26a 撮像制御部
26b 顔画像送信部
26c 顧客データ受信部
26d 顧客データ転送部
30,30-1~30-q,30-r POS端末
31 表示操作部
32 バーコードリーダ
33 BT通信部
34 通信I/F部
35 記憶部
35a POSデータ
35b 顧客データ
36 制御部
36a バーコード読取部
36b 顧客データ受信部
36c 決済処理部
36d ID-POSデータ送信部
40 顧客端末
41 表示操作部
42 カメラ
43 通信I/F部
44 記憶部
45 制御部
45a 登録処理部
45b 撮像制御部
45c メーラー
45d ブラウザ
50 メーカサーバ
51 入力部
52 表示部
53 通信I/F部
54 記憶部
54a 顧客DB
55 制御部
55a 顧客管理部
60 管理サーバ
61 入力部
62 表示部
63 通信I/F部
64 記憶部
64a 登録者DB
65 制御部
65a 登録者管理部
65b 商品判定部
65c CP告知処理部
65d メーカID登録部
65e POSデータ送信部
70 基準設定画面
71 詳細設定画面