(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111083
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】印刷システム、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240808BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240808BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G06F3/12 325
G06F3/12 304
G06F3/12 326
G06F3/12 331
H04N1/00 127B
B41J29/38 202
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024097156
(22)【出願日】2024-06-17
(62)【分割の表示】P 2020095994の分割
【原出願日】2020-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】小方 善貴
(57)【要約】
【課題】 プリンタドライバがインストールされるとき、不都合の解消に伴う手間を省略することができる。
【解決手段】 印刷システム(10)は、画像形成装置(12)および情報処理装置(14)を含む。また、画像形成装置には、自機で実現できる印刷条件の設定値を示すカスタムデータを記憶させておく。情報処理装置は、CPU(60)を含み、CPUによって、画像形成装置に記憶されるカスタムデータが情報処理装置に取得され、当該カスタムデータに従ってプリンタドライバにおける標準印刷条件が設定される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置および情報処理装置を備える、印刷システムであって、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置と通信する第1通信部、および
カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する第1記憶部を備え、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置と通信する第2通信部、
前記画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、
前記インストール部で前記プリンタドライバがインストールされるとき、前記設定値を取得する取得先である前記画像形成装置を選択する選択画面を表示する第1表示部、
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合に、選択された前記画像形成装置から前記設定値を取得するデータ取得部、
前記データ取得部で取得された前記設定値を記憶する第2記憶部、および
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合には、前記第2記憶部に記憶された前記設定値に従って、前記プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部を備える、印刷システム。
【請求項2】
画像形成装置および情報処理装置を備える、印刷システムであって、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置と通信する第1通信部、および
カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する第1記憶部を備え、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置と通信する第2通信部、
前記画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、
前記インストール部で前記プリンタドライバがインストールされるとき、前記設定値を取得する取得先である前記画像形成装置を選択する選択画面を表示する第1表示部、
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合に、選択された前記画像形成装置から前記設定値を取得するデータ取得部、および
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合には、前記データ取得部で取得した設定値に従って、前記プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定し、前記選択画面で前記画像形成装置の選択がされなかった場合には、予め定められたオリジナル値に従って、前記プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部を備える、印刷システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、カスタムデータが入力されたとき、前記カスタムデータが示すカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第1判断部を備え、
前記第1判断部によって前記カスタム値が自装置で実現できるカスタム値であることが判断されれば、前記第1記憶部は、当該カスタム値を前記設定値として記憶し、さらに
前記第1判断部によって前記カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更する変更部を備え、前記第1記憶部は、変更したカスタム値を前記設定値として前記第1記憶部に記憶する、請求項1または2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、オプション装置の取り外しを検出した場合に、前記カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第2判断部をさらに備え、
前記第1記憶部は、前記第2判断部によって前記カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更し、変更したカスタム値を前記設定値として記憶する、請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、ユーザ操作に応じてカスタム値を設定する設定画面を表示する第2表示部をさらに備え、
前記第1記憶部は、前記設定画面で設定されたカスタム値を前記設定値として記憶する、請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項6】
画像形成装置および情報処理装置を備える、印刷システムにおける制御方法であって、
前記画像形成装置では、
前記情報処理装置と通信する第1通信ステップ、および
カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する第1記憶ステップを含み、
前記情報処理装置では、
前記画像形成装置と通信する第2通信ステップ、
前記画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストールステップ、
前記インストールステップで前記プリンタドライバがインストールされるとき、前記設定値を取得する取得先である前記画像形成装置を選択する選択画面を表示する第1表示ステップ、
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合に、選択された前記画像形成装置から前記設定値を取得するデータ取得ステップ、
前記データ取得ステップで取得された前記設定値を記憶する第2記憶ステップ、および
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合には、前記第2記憶ステップで記憶された前記設定値に従って、前記プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定ステップを含む、印刷システムにおける制御方法。
【請求項7】
前記画像形成装置では、カスタムデータが入力されたとき、前記カスタムデータが示すカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第1判断ステップをさらに含み、
前記第1判断ステップによって前記カスタム値が自装置で実現できるカスタム値であることが判断されれば、前記第1記憶ステップで当該カスタム値を前記設定値として記憶し、さらに
前記第1判断ステップによって前記カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更する変更ステップを含み、前記第1記憶ステップでは、変更したカスタム値を前記設定値として記憶する、請求項6記載の印刷システムにおける制御方法。
【請求項8】
前記画像形成装置では、オプション装置の取り外しを検出した場合に、前記カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第2判断ステップをさらに含み、
前記第1記憶ステップでは、前記第2判断ステップによって前記カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更し、変更したカスタム値を前記設定値として記憶する、請求項6または7記載の印刷システムにおける制御方法。
【請求項9】
前記画像形成装置は、ユーザ操作に応じてカスタム値を設定する設定画面を表示する第2表示ステップをさらに備え、
前記第1記憶ステップでは、前記設定画面で設定されたカスタム値を前記設定値として記憶する、請求項6ないし8のいずれかに記載の印刷システムにおける制御方法。
【請求項10】
カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する画像形成装置と通信可能に接続される、情報処理装置であって、
前記画像形成装置と通信する通信部、
前記画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、
前記インストール部で前記プリンタドライバがインストールされるとき、前記設定値を取得する取得先である前記画像形成装置を選択する選択画面を表示する表示部、
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合に、選択された前記画像形成装置から前記設定値を取得するデータ取得部、
前記データ取得部で取得された前記設定値を記憶する記憶部、および
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合には、前記記憶部に記憶された前記設定値に従って、前記プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部を備える、情報処理装置。
【請求項11】
カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する画像形成装置と通信可能に接続される、情報処理装置の制御プログラムであって、
前記情報処理装置のコンピュータを
前記画像形成装置と通信する通信部、
前記画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、
前記インストール部で前記プリンタドライバがインストールされるとき、前記設定値を取得する取得先である前記画像形成装置を選択する選択画面を表示する表示部、
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合に、選択された前記画像形成装置から前記設定値を取得するデータ取得部、
前記データ取得部で取得された前記設定値を記憶する記憶部、および
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合には、前記記憶部に記憶された前記設定値に従って、前記プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部として機能させる、情報処理装置の制御プログラム。
【請求項12】
カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する画像形成装置と通信可能に接続される、情報処理装置の制御方法であって、
前記画像形成装置と通信する通信ステップ、
前記画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストールステップ、
前記インストールステップで前記プリンタドライバがインストールされるとき、前記設定値を取得する取得先である前記画像形成装置を選択する選択画面を表示する表示ステップ、
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合に、選択された前記画像形成装置から前記設定値を取得するデータ取得ステップ、
前記データ取得ステップで取得された前記設定値を記憶する記憶ステップ、および
前記選択画面で前記画像形成装置が選択された場合には、前記記憶ステップで記憶された前記設定値に従って、前記プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定ステップを含む、情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は印刷システム、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法に関し、特にたとえば、プリンタドライバをインストールすることができる印刷システム、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。この特許文献1に開示されている技術では、クライアントPCにプリンタドライバがインストールされる際に、クライアントPCが有するカスタマイズツールで予め生成された印刷条件の設定パターンを示すカスタマイズデータをクライアントPCのレジストリに記憶させておき、このカスタマイズデータによってユーザがよく使用する印刷条件が予め設定されたGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を介してユーザ操作を受け付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術では、カスタマイズツールによって、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値が自由に設定される。したがって、情報処理装置にインストールされるプリンタドライバにおいて、標準印刷条件が自由に設定される。しかしながら、標準印刷条件が画像形成装置で実現できない印刷物の特徴に対応することがある。この標準印刷条件に基づいて画像が印刷されると、エラーが生じたり、ユーザの意図とは異なる印刷条件に基づいて印刷物が排出されたり、ユーザにとって不都合が生じる。したがって、不都合を解消する手間が生じる。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、印刷システム、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、プリンタドライバがインストールされるとき、不都合の解消するための手間を省略することができる、印刷システム、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の実施例は、画像形成装置および情報処理装置を備える、印刷システムであって、画像形成装置は、情報処理装置と通信する第1通信部、およびカスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する第1記憶部を備え、情報処理装置は、画像形成装置と通信する第2通信部、画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、インストール部でプリンタドライバがインストールされるとき、設定値を取得する取得先である画像形成装置を選択する選択画面を表示する第1表示部、選択画面で画像形成装置が選択された場合に、選択された画像形成装置から設定値を取得するデータ取得部、データ取得部で取得された設定値を記憶する第2記憶部、および選択画面で画像形成装置が選択された場合には、第2記憶部に記憶された設定値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部を備える、印刷システムである。
【0008】
第2の実施例は、画像形成装置および情報処理装置を備える、印刷システムであって、画像形成装置は、情報処理装置と通信する第1通信部、およびスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する第1記憶部を備え、情報処理装置は、画像形成装置と通信する第2通信部、画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、インストール部でプリンタドライバがインストールされるとき、設定値を取得する取得先である画像形成装置を選択する選択画面を表示する第1表示部、選択画面で画像形成装置が選択された場合に、選択された画像形成装置から設定値を取得するデータ取得部、および選択画面で画像形成装置が選択された場合には、データ取得部で取得した設定値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定し、選択画面で画像形成装置の選択がされなかった場合には、予め定められたオリジナル値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部を備える、印刷システムである。
【0009】
第3の実施例は、第1または第2の実施例に従属する印刷システムであって、画像形成装置は、カスタムデータが入力されたとき、カスタムデータが示すカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第1判断部を備え、第1判断部によってカスタム値が自装置で実現できるカスタム値であることが判断されれば、第1記憶部は、当該カスタム値を設定値として記憶し、さらに第1判断部によってカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更する変更部を備え、第1記憶部は、変更したカスタム値を設定値として第1記憶部に記憶する。
【0010】
第4の実施例は、第1ないし第3の実施例のいずれかに従属する印刷システムてあって、 画像形成装置は、オプション装置の取り外しを検出した場合に、カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第2判断部をさらに備え、第1記憶部は、第2判断部によってカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更し、変更したカスタム値を設定値として記憶する。
【0011】
第5の実施例は、第1ないし第4の実施例のいずれかに従属する印刷システムであって、画像形成装置は、ユーザ操作に応じてカスタム値を設定する設定画面を表示する第2表示部をさらに備え、第1記憶部は、設定画面で設定されたカスタム値を設定値として記憶する。
【0012】
第6の実施例は、画像形成装置および情報処理装置を備える、印刷システムにおける制御方法であって、画像形成装置では、情報処理装置と通信する第1通信ステップ、およびカスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する第1記憶ステップを含み、情報処理装置では、画像形成装置と通信する第2通信ステップ、画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストールステップ、インストールステップでプリンタドライバがインストールされるとき、設定値を取得する取得先である画像形成装置を選択する選択画面を表示する第1表示ステップ、選択画面で画像形成装置が選択された場合に、選択された画像形成装置から設定値を取得するデータ取得ステップ、データ取得ステップで取得された設定値を記憶する第2記憶ステップ、および選択画面で画像形成装置が選択された場合には、第2記憶ステップで記憶された設定値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定ステップを含む、印刷システムにおける制御方法である。
【0013】
第7の実施例は、第6の実施例に従属する印刷システムにおける制御方法であって、画像形成装置では、カスタムデータが入力されたとき、カスタムデータが示すカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第1判断ステップをさらに含み、第1判断ステップによってカスタム値が自装置で実現できるカスタム値であることが判断されれば、第1記憶ステップで当該カスタム値を設定値として記憶し、さらに第1判断ステップによってカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更する変更ステップを含み、第1記憶ステップでは、変更したカスタム値を設定値として記憶する。
【0014】
第8の実施例は、第6または第7の実施例に従属する印刷システムにおける制御方法であって、画像形成装置では、オプション装置の取り外しを検出した場合に、カスタム値が自装置で実現できないカスタム値であるかどうかを判断する第2判断ステップをさらに含み、第1記憶ステップでは、第2判断ステップによってカスタム値が自装置で実現できないカスタム値であることが判断されれば、当該カスタム値を自装置で実現できるカスタム値に変更し、変更したカスタム値を設定値として記憶する。
【0015】
第9の実施例は、第6ないし第8の実施例のいずれかに従属する印刷システムにおける制御方法であって、画像形成装置は、ユーザ操作に応じてカスタム値を設定する設定画面を表示する第2表示ステップをさらに備え、第1記憶ステップでは、設定画面で設定されたカスタム値を設定値として記憶する。
【0016】
第10の実施例は、カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する画像形成装置と通信可能に接続される、情報処理装置であって、画像形成装置と通信する通信部、画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、インストール部でプリンタドライバがインストールされるとき、設定値を取得する取得先である画像形成装置を選択する選択画面を表示する表示部、選択画面で画像形成装置が選択された場合に、選択された画像形成装置から設定値を取得するデータ取得部、
データ取得部で取得された設定値を記憶する記憶部、および選択画面で画像形成装置が選択された場合には、記憶部に記憶された設定値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部を備える、情報処理装置である。
【0017】
第11の実施例は、カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する画像形成装置と通信可能に接続される、情報処理装置の制御プログラムであって、報処理装置のコンピュータを画像形成装置と通信する通信部、画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストール部、インストール部でプリンタドライバがインストールされるとき、設定値を取得する取得先である画像形成装置を選択する選択画面を表示する表示部、選択画面で画像形成装置が選択された場合に、選択された画像形成装置から設定値を取得するデータ取得部、データ取得部で取得された設定値を記憶する記憶部、および選択画面で画像形成装置が選択された場合には、記憶部に記憶された設定値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定部として機能させる、情報処理装置の制御プログラムである。
【0018】
第12の実施例は、カスタムデータが示すカスタム値を印刷条件の設定値として記憶する画像形成装置と通信可能に接続される、情報処理装置の制御方法であって、 画像形成装置と通信する通信ステップ、画像形成装置を制御するためのプリンタドライバをインストールするインストールステップ、インストールステップでプリンタドライバがインストールされるとき、設定値を取得する取得先である画像形成装置を選択する選択画面を表示する表示ステップ、選択画面で画像形成装置が選択された場合に、選択された画像形成装置から設定値を取得するデータ取得ステップ、データ取得ステップで取得された設定値を記憶する記憶ステップ、および選択画面で画像形成装置が選択された場合には、記憶ステップで記憶された設定値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値を設定する設定ステップを含む、情報処理装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、プリンタドライバがインストールされるとき、不都合の解消に伴う手間を省略することができる。
【0020】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は印刷システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は情報処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は情報処理装置のディスプレイに表示される条件設定画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5はカスタムデータと画像形成装置との関係を示す図である。
【
図6】
図6は情報処理装置のディスプレイに表示される取得先選択画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は画像形成装置のRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【
図8】
図8は情報処理装置のRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【
図9】
図9は画像形成装置のCPUの記憶処理の一例を示すフロー図である。
【
図10】
図10は画像形成装置のCPUの装置対応処理の一例を示すフロー図である。
【
図11】
図11は情報処理装置のCPUの条件設定処理の一例を示すフロー図である。
【
図12】
図12は第2実施例の画像形成装置のディスプレイに表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は第2実施例の画像形成装置のディスプレイに表示されるカスタム画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は第2実施例の画像形成装置のディスプレイに表示される取得画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は第2実施例の画像形成装置のRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【
図16】
図16は第2実施例の画像形成装置のCPUの生成処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施例]
図1は、第1実施例の印刷システム10の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、印刷システム10は、画像形成装置12および複数の情報処理装置14を含む。
【0023】
画像形成装置12は、複写機能(コピー機能)、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機であるが、印刷装置(プリンタ)等の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0024】
情報処理装置14は、デスクトップPC、ノート(ラップトップ)PCおよびタブレットPC等である。
【0025】
画像形成装置12および複数の情報処理装置14は、インターネットで構成されるネットワーク16を介して接続される。なお、ネットワーク16は、電話網(公衆電話網または携帯電話通信網)およびインターネットで構成されてもよい。また、画像形成装置12および情報処理装置14が直接接続されてもよい。
【0026】
図2は、
図1に示す画像形成装置12の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置12は、CPU20を含む。CPU20は、バス22を介して、RAM24、記憶部26、表示制御回路28、タッチパネル制御回路30、画像読取部36、画像形成部38、通信部40、検出部42および搬送部44に接続される。
【0027】
また、画像形成装置12は、ディスプレイ32およびタッチパネル34を備え、表示制御回路28は、ディスプレイ32に接続され、タッチパネル制御回路30は、タッチパネル34に接続される。
【0028】
CPU20は、画像形成装置12の全体的な制御を司る。RAM24は、CPU20のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0029】
記憶部26は、画像形成装置12の主記憶装置であって、HDDおよびEPPROMのような不揮発性メモリが用いられる。また、記憶部26が、RAM24を含むように構成されてもよい。記憶部26には、CPU20が画像形成装置12の各部位の動作を制御するための制御プログラムについてのデータ、各種の画面についての画像(表示画像)のデータおよび制御プログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。
【0030】
表示制御回路28は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU20の指示の下、GPU20は、RAM24に記憶された画像生成データ404b(
図7参照)を用いてディスプレイ32に種々の画面を表示するための表示画像をVRAMに生成し、生成した表示画像をディスプレイ32に出力する。ディスプレイ32としては、たとえばLCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。このことは、後述するディスプレイ72(
図3参照)についても同様である。
【0031】
タッチパネル制御回路30は、タッチパネル34に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル34のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(ユーザ操作)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU20に出力する。
【0032】
タッチパネル34は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。タッチパネル34としては、静電容量方式のタッチパネルが用いられ、ディスプレイ32の表示面上にタッチパネル34が設けられる。ただし、ディスプレイ32およびタッチパネル34が一体的に形成されたタッチパネルディスプレイが用いられてもよい。
【0033】
画像読取部36は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部36は、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像が生成されることで、読取画像の入力を行う。また、ラインセンサにはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
【0034】
画像形成部38は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置等を備え、記録媒体上に乾式電子写真方式を用いて画像を形成する。記録媒体へ形成するための画像(出力画像)には、入力画像が用いられる。また、入力画像は、読取画像、外部の情報処理装置等から送られた画像(受信画像)を含む。さらに、記録媒体には、紙からなる記録用紙だけに限定されず、OHPフィルムなどの紙以外のシートも用いられる。
【0035】
また、画像形成部38は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、4つの感光体ドラムと、4つの帯電装置と、4つの現像装置と、4つの中間転写ローラと、4つのクリーニング装置などを備えてもよい。また、この場合、感光体ドラムと、帯電装置と、現像装置と、中間転写ローラと、クリーニング装置を含む画像形成ステーションが構成され、カラー画像の印刷が可能となる。
【0036】
通信部40は、通信モジュールないしネットワーク16に有線または無線で接続するための通信回路を含み、CPU20の指示により、ネットワーク16を介して通信を行う。一例として、通信部40は、Ethernet(登録商標)等の通信規格に準拠した有線通信方式およびIEEE802.11等の通信規格に準拠した無線通信方式等に従ってデータの送受信を行う。
【0037】
また、通信部40は、不図示の外部記憶媒体としての各種のメディアが装着可能な不図示の外部記憶媒体装着部を有し、この外部記憶媒体装着部に装着された当該メディアとの間でデータの送受信を行う。ここで言うメディアとしては、SD(Secure Digital)メモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの半導体メディア、ならびに、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などのディスクメディアがある。
【0038】
検出部42は、画像形成装置12へのオプション装置の取り付けおよび画像形成装置12からのオプション装置の取り外しを検出するため回路等を含む。
【0039】
上記オプション装置とは、印刷物に加工を施すための装置である。たとえば、印刷物に孔を開けるためのパンチユニット、印刷物をステープルで綴じるためのステープルユニット、印刷物を折るための紙折りユニット等が挙げられる。
【0040】
また、オプション装置の取り外しおよび取り付けの検出は、オプション装置との通信の有無に基づいて判断される。なお、光センサおよび距離センサ等のセンサの検出結果に基づいて、オプション装置の取り外しおよび取り付けが検出されてもよい。なお、オプション装置の取り外しおよび取り付けの検出方法は、周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0041】
搬送部44は、図示しない給紙カセットおよび手差しトレイに載置された用紙を画像形成部38が含む転写装置および定着装置等を経由させて、排紙トレイまで搬送するための搬送路および搬送ローラ等などを含む。
【0042】
また、搬送部44は、転写装置および定着装置等の用紙搬送方向の上流側において、片面印刷が行われた用紙を搬送経路に戻すための搬送路等を含んでもよい。この場合、用紙の両面に印刷が可能となる。
【0043】
図3は、
図1に示す情報処理装置14の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置14は、CPU60を含む。CPU60は、バス62を介して、RAM64、記憶部66、表示制御回路68、操作部制御回路70および通信部76に接続される。
【0044】
また、情報処理装置14は、ディスプレイ72および操作部74を備え、表示制御回路68は、ディスプレイ72に接続され、操作部制御回路70は、操作部74に接続される。
【0045】
CPU60は、情報処理装置14の全体的な制御を司る。RAM64は、CPU60のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0046】
記憶部66は、情報処理装置14の主記憶装置であって、HDDおよびEPPROMのような不揮発性メモリが用いられる。また、記憶部66が、RAM64を含むように構成されてもよい。記憶部66には、CPU60が情報処理装置14の各部位の動作を制御するための制御プログラムについてのデータ、各種の画面についての画像(表示画像)のデータ、制御プログラムの実行に必要なデータおよびプリンタドライバ等が適宜記憶される。
【0047】
表示制御回路68は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU60の指示の下、GPUは、RAM64に記憶された画像生成データ504b(
図8参照)を用いてディスプレイ72に種々の画面を表示するための表示画像をVRAMに生成し、生成した表示画像をディスプレイ72に出力する。
【0048】
操作部制御回路70は、操作部74への入力操作(ユーザ操作)に応じた信号ないし操作データをCPU60に出力する。
【0049】
また、操作部74としては、たとえば、マウス、キーボードおよびタッチパネルなどが用いられる。なお、操作部74としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルは、ディスプレイ72の表示面上に設けられる。また、ディスプレイ72および操作部74を一体型にした、タッチパネルディスプレイが用いられてもよい。
【0050】
また、通信部76は、通信部40と同様に、CPU60の指示により、ネットワーク16を介して通信を行う。また、特にたとえば、通信部76は、CPU60の指示により、印刷画像データの送信を行う。
【0051】
なお、
図2に示す画像形成装置12および
図3に示す情報処理装置14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0052】
上述したような印刷システム10では、情報処理装置14および画像形成装置12が接続され、所定の操作を受け付けたとき、プリンタドライバが情報処理装置14にインストールされる。
【0053】
なお、プリンタドライバは、画像形成装置12のデバイスドライバである。したがって、画像形成装置12は、プリンタドライバで制御可能な画像形成装置12と言える。
【0054】
さらに、情報処理装置14にインストールされるプリンタドライバでは、標準の印刷条件(標準印刷条件)が設定される。なお、印刷条件とは、印刷時の画像形成装置12の動作に反映される条件のことである。印刷物の特徴は、印刷時の画像形成装置12の動作に応じて変化する。したがって、印刷条件に応じて、印刷物の特徴が変化する。すなわち、印刷条件は、印刷物の特徴に対応する。
【0055】
また、印刷条件は、印刷に関連する(印刷時の画像形成装置12の動作に関連する)設定項目(以下、単に「設定項目」という。)を複数含む。そして、各設定項目の設定値によって、画像形成装置12の動作が決まる。つまり、各設定項目の設定値によって、印刷物の特徴が決まる。
【0056】
プリンタドライバでは、各設定項目の設定値には、標準の設定値(標準値)が設定される。各設定項目の標準値は、印刷条件の標準値ということもできる。なお、ユーザが印刷指示を行う際には、各設定項目の設定値を、標準値から任意に変更することができる。
【0057】
また、設定項目には、たとえば、カラーモード、片面印刷/両面印刷、用紙のサイズ、パンチ、ステープル、紙折りが挙げられる。
【0058】
カラーモードは、画像の色、すなわち用紙に印刷される画像の色に関係する設定項目である。カラーモードには、たとえば、“白黒(モノクロ)”および“カラー”を設定することができる。
【0059】
カラーモードが“白黒”に設定される場合は、白黒画像が用紙に印刷される。また、カラーモードが“カラー”に設定される場合は、カラー画像が用紙に印刷される。
【0060】
片面印刷/両面印刷は、画像が印刷される用紙の面に関係する設定項目である。片面印刷/両面印刷は、たとえば、“片面印刷”および“両面印刷”に設定することができる。
【0061】
片面印刷/両面印刷が“片面印刷”に設定される場合は、画像が用紙の片面に印刷される。また、片面印刷/両面印刷が“両面印刷”に設定される場合は、画像が用紙の両面に印刷される。
【0062】
用紙のサイズは、画像が印刷される用紙のサイズに関係する設定項目である。用紙のサイズには、たとえば、“A4”、“A3”、“B5”等に設定することができる。
【0063】
用紙のサイズが“A4”に設定される場合は、A4サイズの用紙画像が印刷される。他のサイズに設定される場合も同様である。
【0064】
パンチは、印刷物に施すパンチ加工の有無に関係する設定項目である。パンチは、たとえば、“加工なし”および“加工あり”に設定することができる。パンチが“加工なし”に設定される場合は、印刷物にパンチ加工が施されない。パンチが“加工あり”に設定される場合は、印刷物の所定の位置にパンチ加工が施される。
【0065】
ステープルは、印刷物に施すステープル加工の有無に関係する設定項目である。ステープルは、たとえば、“加工なし”、“加工あり(1か所綴じ)”、“加工あり(2か所綴じ)”に設定することができる。ステープルが“加工なし”に設定される場合は、印刷物にステープル加工が施されない。ステープルが“加工あり(1か所綴じ)”に設定される場合は、印刷物の所定の位置にステープル加工が施される。ステープルが“加工あり(2か所綴じ)”に設定される場合は、印刷物の所定の2か所にステープル加工が施される。
【0066】
紙折りは、印刷物に施す紙折り加工の有無に関係する設定項目である。紙折りは、たとえば、“加工なし”、“加工あり(2つ折り)”、“加工あり(3つ折り)”に設定することができる。紙折りが“加工なし”に設定される場合は、印刷物に紙折り加工が施されない。紙折りが“加工あり“(2つ折り)”に設定される場合は、印刷物の長手方向における用紙の長さが2等分される位置で、印刷物に折り加工が施される。紙折りが“加工あり“(3つ折り)”に設定される場合は、印刷物の長手方向における長さが3等分される位置で、印刷物に折り加工が施される。
【0067】
なお、実際には設定内容に対応する設定値が設定される。たとえば、カラーモードには、“白黒(モノクロ)”に対応する設定値および“カラー”に対応する設定値を設定することができる。
【0068】
標準印刷条件の設定には、開発者によって予め定められた設定値(オリジナル値)を示すオリジナルデータが用いられる。以下、オリジナルデータに従って標準印刷条件が設定されるまでの一連の処理を説明する。
【0069】
オリジナルデータおよびプリンタドライバ等は、データ形式の所定のファイルに格納される。情報処理装置14が所定の操作を受け付けると、オリジナルデータおよびプリンタドライバ等が展開される。
【0070】
また、オリジナルデータおよびプリンタドライバ等が展開されたことに応じて、プリンタドライバのインストールが開始され、オリジナルデータが情報処理装置14に記憶される。
【0071】
さらに、プリンタドライバのインストールが完了すると、オリジナルデータに従って、プリンタドライバにおける標準印刷条件が設定される。
【0072】
つまり、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値がオリジナル値に従って設定される。具体的には、各設定項目の標準値がオリジナル値に従って設定される。
【0073】
たとえば、第1実施例では、プリンタドライバにおける標準印刷条件が設定された後に、情報処理装置14が所定の操作を受け付けたことに応じて、プリンタドライバに対応する操作画面がディスプレイ72に表示される。
【0074】
ここでの操作画面は、印刷条件を設定するための条件設定画面100(
図4参照)である。ただし、ディスプレイ72に表示される条件設定画面100は、標準印刷条件に対応した条件設定画面100が表示される。
【0075】
図4は、条件設定画面100の一例である。
図4に示す例では、たとえば、カラーモードの標準値が“モノクロ”に対応する設定値に相当する。
【0076】
また、標準印刷条件の設定には、オリジナルデータの代わりにカスタムデータが用いることも可能である。なお、カスタムデータは、カスタマイズツールで任意に定められた設定値(カスタム値)示すデータである。
【0077】
ただし、カスタムデータを用いて標準印刷条件を設定するには、プリンタドライバがインストールされるときに、オリジナルデータに加えて、カスタムデータを情報処理装置14に記憶させておく必要がある。
【0078】
オリジナルデータおよびカスタムデータが情報処理装置14に記憶され、プリンタドライバのインストールが完了すると、カスタムデータに従って、プリンタドライバにおける標準印刷条件が設定される。
【0079】
しかしながら、カスタマイズツールでは、カスタム値を自由に設定できるため、標準印刷条件が、画像形成装置12で実現できない印刷物の特徴に対応することがある。
【0080】
また、標準印刷条件が画像形成装置12で実現できない印刷物の特徴に対応するとき、標準印刷条件に基づいて画像が印刷されると、ユーザにとって不都合が生じる。
【0081】
たとえば、エラーが生じる。また、ユーザの意図する印刷条件と異なる印刷条件に基づいて印刷物が排出される。
【0082】
なお、印刷条件は印刷物の特徴に対応することから、画像形成装置12で実現できない印刷物の特徴に対応する標準印刷条件は、画像形成装置12で実現できない標準印刷条件とも言える。
【0083】
また、画像形成装置12で実現できる印刷物の特徴に対応する標準印刷条件は、画像形成装置12で実現できる標準印刷条件とも言える。
【0084】
さらに、標準印刷条件は、カスタム値に従って自由に設定される。つまり、カスタム値についても、画像形成装置12で実現できるカスタム値および画像形成装置12で実現できないカスタム値のどちらか一方に分類できる。
【0085】
本実施例では、このような不都合を回避すべく、画像形成装置12で実現できるカスタム値に従って、プリンタドライバにおける印刷条件の標準値、つまり、標準印刷条件を設定するようにした。
【0086】
まず、印刷システム10では、予め、画像形成装置12にカスタムデータを記憶させておく。
【0087】
ただし、カスタムデータが示すカスタム値は、画像形成装置12で実現できるカスタム値である。
【0088】
つまり、本実施例では、或る画像形成装置12に記憶されたカスタム値に従って設定された標準印刷条件は、当該画像形成装置12で実現できる標準印刷条件である。
【0089】
さらに、画像形成装置12では、通信部40を介して画像形成装置12にカスタムデータが外部から入力されると、画像形成装置12にカスタムデータが記憶される。
【0090】
たとえば、カスタムデータが記憶されたメディアが画像形成装置12に接続されたことに応じて、画像形成装置12にメディアに記憶されたカスタムデータが入力される。
【0091】
ただし、画像形成装置12に入力されるカスタムデータが、画像形成装置12で実現できないカスタム値を示すとき、画像形成装置12で実現できないカスタム値が画像形成装置12で実現できるカスタムに変更された後に画像形成装置12に記憶される。なお、カスタム値が画像形成装置12で実現できるカスタム値を示すとき、カスタム値は変更されない。
【0092】
図5は、カスタムデータと画像形成装置12との関係を示す図である。なお、カスタムデータAは、画像形成装置12に記憶される前のカスタムデータであり、カスタムデータBは、画像形成装置12に記憶された後のカスタムデータである。
【0093】
また、画像形成装置Aは、カラー画像の印刷およびモノクロ画像の印刷が可能な画像形成装置12であり、画像形成装置Bは、モノクロ画像の印刷が可能な画像形成装置12である。
【0094】
図5に示すように、たとえば、“カラー”に対応するカスタム値を示すカスタムデータが画像形成装置Aおよび画像形成装置Bに入力される。
【0095】
画像形成装置Aは、カラー画像の印刷およびモノクロ画像の印刷が可能な画像形成装置12であることから、画像形成装置Aに入力されたカスタムデータは、カスタム値が変更されることなく画像形成装置Aに記憶される。
【0096】
一方、画像形成装置Bは、モノクロ画像の印刷が可能な画像形成装置12であることから、画像形成装置Bに入力されたカスタムデータは、カスタム値が変更された後に、画像形成装置Bに記憶される。具体的には、“カラー”に対応するカスタム値が“モノクロ”に対応するカスタム値に変更される。
【0097】
なお、画像形成装置12に記憶されているカスタムデータのうち、使用されるカスタムデータは、最新のカスタムデータである。また、使用されないカスタムデータは、画像形成装置12から適宜に削除されてもよい。
【0098】
さらにまた、本実施例の画像形成装置12では、オプション装置が画像形成装置12から取り外されてから、所定時間(たとえば、3分)経過すると、カスタムデータが示すカスタム値が画像形成装置12で実現できる(実現できない)カスタム値かどうか判断される。
【0099】
カスタムデータが画像形成装置12で実現できないカスタム値を示すとき、上述したようにカスタム値が変更される。また、カスタムデータが画像形成装置12に実現できるカスタム値を示すとき、カスタム値は変更されない。
【0100】
なお、メンテナンスおよびエラーの解消等に伴って、オプション装置が画像形成装置12から取り外されるのであれば、再度、オプション装置が画像形成装置12に取り付けられる可能性がある。
【0101】
たとえば、オプション装置が画像形成装置12から取り外された直後に、カスタム値が変更されてしまうと、オプション装置を画像形成装置12に取り付けた後に、カスタム値を変更前の状態に戻す手間が生じる。
【0102】
したがって、本実施例では、オプション装置が画像形成装置12から取り外されてから、所定時間(たとえば、3分)経過したとき、適宜にカスタム値を変更する。
【0103】
なお、オプション装置が画像形成装置12から取り外された直後に、カスタム値が変更されてもよい。ただし、所定時間(たとえば、3分)経過するまでに、取り外されたオプション装置が画像形成装置12に取り付けられると、カスタム値がオプション装置が取り外される前のカスタム値に変更される。次にカスタムデータに従って標準印刷条件が設定されるまでの一連の処理を説明する。
【0104】
情報処理装置14では、プリンタドライバのインストールが開始されるとき、カスタムデータの取得先が選択される。ただし、取得先には、プリンタドライバで制御可能な画像形成装置12が設定される。
【0105】
具体的には、情報処理装置14と通信可能に接続され、かつ、プリンタドライバからの指示に応じて動作する画像形成装置12が取得先に設定される。
【0106】
たとえば、プリンタドライバのインストールが開始されるとき、ディスプレイ72に、カスタムデータの取得先を選択するための画面である取得先選択画面120が表示される。
【0107】
図6は、取得先選択画面120の一例である。取得先選択画面120には、装置選択キー122およびキャンセルキー124が設けられる。
【0108】
装置選択キー122には、プリンタドライバで制御可能な画像形成装置12のうち、カスタムデータを記憶する画像形成装置12を選択するために設けられる。
【0109】
装置選択キー122には、所定の取得先からカスタムデータを取得する機能が割り当てられる。
【0110】
装置選択キー122が操作されると、情報処理装置14が操作された装置選択キー122に対応する取得先、つまり、画像形成装置12から情報処理装置14にカスタムデータが取得される。
【0111】
また、情報処理装置14に取得されたカスタムデータは、情報処理装置14に記憶される。したがって、カスタムデータに従って標準印刷条件が設定される。
【0112】
具体的には、カスタムデータの取得先の画像形成装置12には、カスタムデータを出力させる出力指示(出力コマンド)が送信される。
【0113】
画像形成装置12は、出力コマンドを受信したことに応じて、出力コマンドの送信元へカスタムデータを出力(送信)する。
【0114】
キャンセルキー124は、カスタムデータの取得をキャンセルするために設けられる。
【0115】
キャンセルキー124には、カスタムデータの取得先の選択を終了する機能が割り当てられる。
【0116】
キャンセルキー124が操作されると、カスタムデータの取得がキャンセルされる。したがって、オリジナルデータに従って、標準印刷条件が設定される。
【0117】
図7は、
図1に示した画像形成装置12のRAM24のメモリマップ400の一例を示す図である。
図7に示すように、RAM24は、プログラム記憶領域402およびデータ記憶領域404を含む。また、RAM24のプログラム記憶領域402には、情報処理プログラムの一例として、画像形成装置12の制御プログラムが記憶される。
【0118】
画像形成装置12の制御プログラムは、操作検出プログラム402a、画像生成プログラム402b、表示プログラム402c、通信プログラム402d、入力判断プログラム402e、検出プログラム402f、時間判断プログラム402g、カスタム値判断プログラム402h、カスタム値変更プログラム402iおよびデータ記憶プログラム402jを含む。
【0119】
操作検出プログラム402aは、画像形成装置12の各操作部への操作に対応する操作検出データを検出するためのプログラムである。たとえば、タッチパネル34がタッチされた場合には、CPU20は、操作検出プログラム402aに従って、タッチパネル34から出力されたタッチ座標データを後述する操作データ404aとして取得して、バッファに記憶する。また、画像形成装置12が備えるハードウェアのボタンないしキーが押圧または操作された場合には、CPU20は、操作検出プログラム402aに従って、ボタンないしキーの押圧または操作による操作データ404a取得して、バッファに記憶する。
【0120】
画像生成プログラム402bは、GPUを制御して、後述する画像生成データ404bを用いて、各種の画面を表示するための表示画像を生成するためのプログラムである。
【0121】
また、表示プログラム402cは、画像生成プログラム402bに従って生成された表示画像をディスプレイ32に出力するためのプログラムである。
【0122】
通信プログラム402dは、通信部40を制御し、外部の装置と通信するためのプログラムである。
【0123】
また、通信プログラム402dは、通信部40を制御し、メディアと通信するためのプログラムでもある。
【0124】
入力判断プログラム402eは、通信プログラム402dに従ってカスタムデータが自機(自装置)に入力されたかどうかを判断するためのプログラムである。
【0125】
検出プログラム402fは、検出部42を制御して、画像形成装置12からのオプション装置が取り外されたことを検出するためのプログラムである。
【0126】
また、検出プログラム402fは、画像形成装置12にオプション装置が取り付けられたことを検出するためのプログラムでもある。
【0127】
時間判断プログラム402gは、検出プログラム402fに従ってオプション装置の取り外しが検出されてから、所定時間が経過したかどうかを判断するためのプログラムである。
【0128】
カスタム値判断プログラム402hは、画像形成装置12にカスタムデータが入力されたことに応じて、設定値データ404dを参照し、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できるカスタム値かどうかを判断するためプログラムである。
【0129】
また、カスタム値判断プログラム402hは、画像形成装置12にカスタムデータが入力されたことに応じて、設定値データ404dを参照し、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できないカスタム値かどうかを判断するためプログラムでもある。
【0130】
さらに、カスタム値判断プログラム402hは、時間判断プログラム402gに従って、所定時間が経過したと判断されるとき、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できるカスタム値かどうかを判断するためプログラムでもある。
【0131】
さらにまた、カスタム値判断プログラム402hは、時間判断プログラム402gに従って、所定時間が経過したと判断されるとき、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できないカスタム値かどうかを判断するためプログラムでもある。
【0132】
カスタム値変更プログラム402iは、カスタム値判断プログラム402hに従って、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できないカスタム値と判断されるとき、設定値データ404dに基づいて、自機で実現できないカスタム値を自機で実現できるカスタム値に変更するためのプログラムである。
【0133】
データ記憶プログラム402jは、画像形成装置12にカスタムデータが入力され、カスタム値判断プログラム402hに従って、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できるカスタム値と判断されるとき、カスタムデータを記憶するためのプログラムである。
【0134】
また、データ記憶プログラム402jは、画像形成装置12にカスタムデータが入力され、カスタム値変更プログラム402iに従って、カスタムデータが示すカスタム値が変更されたとき、カスタムデータを記憶するためのプログラムである。
【0135】
図示は省略するが、プログラム記憶領域402には、画像形成装置12の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。
【0136】
データ記憶領域404には、操作データ404a、画像生成データ404b、カスタムデータ404cおよび設定値データ404dが記憶される。
【0137】
操作データ404aは、操作検出プログラム402aに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。なお、操作データ404aは、CPU20の処理に使用された後に削除される。
【0138】
画像生成データ404bは、表示画像を生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャーデータ等を含むデータである。また、画像生成データ404bには、ソフトウェアキーに対応する画像データ等も含まれる。
【0139】
カスタムデータ404cは、自機に記憶されるカスタム値を示すデータである。設定値データ404dは、自機で実現できる設定値を示すデータである。
【0140】
図示は省略するが、データ記憶領域404には、情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されるとともに、情報処理プログラムの実行に必要なフラグおよびカウンタ(タイマ)も設けられる。
【0141】
図8は、
図1に示した情報処理装置14のRAM64のメモリマップ500の一例を示す図である。
図7に示すように、RAM64は、プログラム記憶領域502およびデータ記憶領域504を含む。また、RAM64のプログラム記憶領域502には、情報処理プログラムの一例として、情報処理装置14の制御プログラムが記憶される。
【0142】
情報処理装置14の制御プログラムは、操作検出プログラム502a、画像生成プログラム502b、表示プログラム502c、通信プログラム502d、インストールプログラム502e、取得先選択プログラム502f、選択判断プログラム502g、取得プログラム502h、記憶プログラム502i、設定プログラム502jおよびドライバプログラム502kを含む。
【0143】
操作検出プログラム502aは、情報処理装置14の各操作部への操作に対応する操作検出データを検出するためのプログラムである。たとえば、操作部74が操作された場合には、CPU60は、操作検出プログラム502aに従って、操作部74から出力されたタッチ座標データを後述する操作データ504aとして取得して、バッファに記憶する。また、操作部74以外のハードウェアのボタンないしキーが押圧または操作された場合には、CPU60は、操作検出プログラム502aに従って、ボタンないしキーの押圧または操作による操作データ504a取得して、バッファに記憶する。
【0144】
画像生成プログラム502bは、GPUを制御して、後述する画像生成データ504bを用いて、各種の画面を表示するための表示画像を生成するためのプログラムである。
【0145】
また、表示プログラム502cは、画像生成プログラム502bに従って生成された表示画像をディスプレイ72に出力するためのプログラムである。
【0146】
通信プログラム502dは、通信部76を制御し、外部の装置と通信するためのプログラムである。
【0147】
インストールプログラム502eは、プリンタドライバをインストールするためのプログラムである。
【0148】
取得先選択プログラム502fは、インストールプログラム502eに従って、プリンタドライバがインストールされるとき、ユーザ操作に応じて、カスタムデータの取得先を選択するためのプログラムである。
【0149】
選択判断プログラム502gは、取得先選択プログラム502fに従って、カスタムデータの取得先が選択されたかどうかを判断するためのプログラムである。
【0150】
取得プログラム502hは、選択判断プログラム502gに従って、カスタムデータの取得先が選択されるとき、当該取得先からカスタムデータを取得するためのプログラムである。
【0151】
記憶プログラム502iは、取得プログラム502hに従って、カスタムデータが取得されるとき、カスタムデータを記憶部66に記憶するためのプログラムである。
【0152】
また、記憶プログラム502iは、インストールプログラム502eに従って、プリンタドライバがインストールされるとき、オリジナルデータを記憶部66に記憶するためのプログラムを含む。
【0153】
設定プログラム502jは、記憶プログラム502iに従って、カスタムデータが記憶部66に記憶されるとき、当該カスタムデータに従って、プリンタドライバにおける標準印刷条件を設定するためのプログラムである。
【0154】
また、設定プログラム502jは、記憶プログラム502iに従って、オリジナルデータのみが記憶部66に記憶されるとき、当該オリジナルデータに従って、プリンタドライバにおける標準印刷条件を設定するためのプログラムを含む。
【0155】
ドライバプログラム502kは、プリンタドライバに相当するプログラムである。
【0156】
また、図示は省略するが、プログラム記憶領域502には、情報処理装置14の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。
【0157】
データ記憶領域504には、操作データ504a、画像生成データ504b、オリジナルデータ504cおよびカスタムデータ504dが記憶される。
【0158】
操作データ504aは、操作検出プログラム502aに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。なお、操作データ504aは、CPU60の処理に使用された後に削除される。
【0159】
画像生成データ504bは、表示画像を生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャーデータ等を含むデータである。また、画像生成データ404bには、ソフトウェアキーに対応する画像データ等も含まれる。
【0160】
オリジナルデータ504cは、オリジナル値を示すデータである。また、カスタムデータ504dは、画像形成装置12から取得されたカスタムデータである。したがって、カスタムデータ504dは、カスタムデータ404cに相当する。
【0161】
図示は省略するが、データ記憶領域504には、情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されるとともに、情報処理プログラムの実行に必要なフラグおよびカウンタ(タイマ)も設けられる。
【0162】
図9は、画像形成装置12のCPU20の記憶処理の一例を示すフロー図である。CPU20は、たとえば、主電源がオンにされたことに応じて記憶処理を開始する。
【0163】
ステップS1では、カスタムデータが自機に入力されたかどうかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり、カスタムデータが自機に入力されていないのであれば、ステップS1に戻る。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり、カスタムデータが自機に入力されたのであれば、ステップS3に進む。
【0164】
ステップS3では、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できないカスタム値かどうかを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまり、カスタム値が自機で実現できるカスタム値であれば、ステップS7に進む。ステップS3で“YES”であれば、つまり、カスタム値が自機で実現できないカスタム値であれば、ステップS5で、自機で実現できないカスタム値を自機で実現できるカスタム値に変更しステップS7に進む。
【0165】
ステップS7では、カスタムデータを記憶部26に記憶し、ステップS1に戻る。
【0166】
図10は、画像形成装置12のCPU20の装置対応処理の一例を示すフロー図である。CPU20は、たとえば、オプション装置の取り外しが検出されるとき装置対応処理を開始する。
【0167】
ステップS21では、オプション装置の取り外しが検出されてから所定時間が経過したかどうかを判断する。ステップS21で“NO”であれば、つまり、所定時間経過していないのであれば、ステップS21に戻る。一方、ステップS21で“YES”であれば、つまり、所定時間経過したのであれば、ステップS23に進む。
【0168】
ステップS23では、カスタムデータが示すカスタム値が自機で実現できないカスタム値かどうかを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり、カスタム値が自機で実現できるカスタム値であれば、装置対応処理を終了する。一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり、カスタム値が自機で実現できないカスタム値であれば、ステップS25で、自機で実現できないカスタム値を自機で実現できるカスタム値に変更し、装置対応処理を終了する。
【0169】
図11は、情報処理装置14のCPU60の条件設定処理の一例を示すフロー図である。CPU60は、たとえば、プリンタドライバのインストールが開始されたことに応じて、条件設定処理を開始する。
【0170】
ステップS41では、取得先選択画面120をディスプレイ72に表示し、ステップS43で、装置選択キー122が操作されたかどうかを判断する。ここでは、カスタムデータの取得先が選択されたかどうかを判断する。
【0171】
ステップS43で“NO”であれば、つまり、装置選択キー122が操作されていないのであれば、ステップS53に進む。一方、ステップS43で“YES”であれば、つまり、装置選択キー122が操作されたのであれば、ステップS45に進む。
【0172】
ステップS45では、カスタムデータを取得し、ステップS47でカスタムデータを記憶する。
【0173】
ステップS49では、オリジナルデータを記憶し、ステップS51で、カスタムデータに従って標準印刷条件を設定する。ステップS51で、標準印刷条件を設定すると、条件設定処理を終了する。
【0174】
ステップS53では、キャンセルキー124が操作されたかどうかを判断する。ここでは、カスタムデータの取得がキャンセルされたかどうかを判断する。
【0175】
ステップS53で“NO”であれば、つまり、キャンセルキー124が操作されていないのであれば、ステップS41に戻る。一方、ステップS53で“YES”であれば、つまり、キャンセルキー124が操作されたのであれば、ステップS55に進む。
【0176】
ステップS55で、オリジナルデータを記憶し、ステップS57で、オリジナルデータに従って標準印刷条件を設定する。ステップS57で、標準印刷条件を設定すると、条件設定処理を終了する。
【0177】
第1実施例によれば、プリンタドライバがインストールされるとき、不都合の解消に伴う手間を省略することができる。
[第2実施例]
第2実施例では、画像形成装置12でカスタム値を設定できるように変更したこと以外は、第1実施例と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0178】
第2実施例の画像形成装置12では、たとえば、主電源がオンにされると、ディスプレイ32に画像形成装置12のメインメニューの画面であるホーム画面140が表示される。
【0179】
図12は、ホーム画面140の一例である。ホーム画面140には、複数の機能選択キー142および設定キー144が設けられる。
【0180】
複数の機能選択キー142は、画像形成装置12が有するコピー機能、ファクス機能およびスキャン機能を選択するために設けられる。
【0181】
複数の機能選択キー142には、コピー機能、ファクス機能およびスキャン機能のいずれかの機能に対応する操作画面をディスプレイ32に表示する機能が割り当てられる。
【0182】
所定の機能選択キー142が操作されると、操作された機能選択キー142に対応する機能の操作画面がディスプレイ32に表示される。
【0183】
設定キー144は、画像形成装置12の各種設定を行うために設けられる。設定キー144には、画像形成装置12の各種設定を行うための操作画面(設定画面)をディスプレイ32に表示する機能が割り当てられる。設定キー144が操作されると、設定画面がディスプレイ32に表示される。
【0184】
第2実施例では、設定画面として、カスタム値の設定を行うための画面であるカスタム画面160がディスプレイ32に表示される。
【0185】
図13は、カスタム画面160の一例である。カスタム画面160には、画像形成装置12を正面からみた概略
図162が表示される。
【0186】
また、カスタム画面160には、複数の項目キー164、終了キー166、取得キー168および決定キー170が設けられる。
【0187】
複数の項目キー164は、各設定項目のカスタム値を設定するために設けられる。
【0188】
複数の項目キー164のそれぞれには、所定の設定項目のカスタム値を設定する機能が割り当てられる。
【0189】
所定の項目キー164が操作されると、操作された項目キー164に対応するカスタム値が設定される。
【0190】
具体的には、図示しないプルダウンメニューがディスプレイ32に表示され、ユーザ操作に応じて、カスタム値が設定される。なお、複数の項目キー164のそれぞれには、カスタム値に対応する設定内容が表示される。
【0191】
ただし、カスタム画面160では、自機で実現できないカスタム値への設定ができないように制限される。たとえば、プルダウンメニューに、自機で実現できないカスタム値に対応する選択肢が表示されない。また、画像形成装置12で実現できないカスタム値に対応する選択肢への操作が無効にされる。
【0192】
終了キー166は、カスタム値の設定を終了するために設けられる。終了キー166には、ディスプレイ32に設定画面以外の操作画面を表示する機能が割り当てられる。
【0193】
終了キー166が操作されると、たとえば、ホーム画面140がディスプレイ32に表示される。
【0194】
取得キー168は、外部からカスタムデータを取得するために設けられる。取得キー168には、カスタムデータを外部から取得するための操作画面をディスプレイ32に表示する機能が割り当てられる。
【0195】
取得キー168が操作されると、取得画面180(
図14参照)がディスプレイ32に表示される。
【0196】
決定キー170は、カスタム値の設定を終了するために設けられる。決定キー170には、カスタムデータを生成する機能が割り当てられる。
【0197】
決定キー170が操作されると、設定されているカスタム値に従って、カスタムデータが生成され、画像形成装置12に記憶される。
【0198】
図14は、取得画面180の一例である。取得画面180は、カスタムデータを外部から取得するための画面である。
【0199】
取得画面180は、カスタムデータの取得先を示す表示領域182を含む。また、取得画面180には、参照キー184、戻るキー186および実行キー188が設けられる。
【0200】
参照キー184は、カスタムデータの取得先を参照するために設けられる。参照キー184には、カスタムデータの取得先の一覧をユーザに提示する機能が割り当てられる。
【0201】
参照キー184が操作されると、たとえば、図示しないポップアップ画面がディスプレイ32に表示される。
【0202】
ポップアップ画面には、カスタムデータの取得先とされる外部の装置(たとえば汎用のサーバ)の一覧が表示され、ユーザ操作に応じて、カスタムデータの取得先が選択される。
【0203】
また、カスタムデータの取得先が選択されると、ポップアップ画面は非表示にされ、表示領域182には、取得先を示す文字列が表示される。
【0204】
さらに、取得先としては、カスタムデータを記憶するメディアが設定されてもよい。
【0205】
戻るキー186は、1つ前の画面に戻るために設けられる。戻るキー186には、1つ前の画面をディスプレイ32に表示する機能が割り当てられる。
【0206】
戻るキー186が操作されると、ディスプレイ32には、カスタム画面160が表示される。
【0207】
実行キー188は、カスタムデータの取得を行うために設けられる。実行キー188には、所定の取得先からカスタムデータを取得する機能が割り当てあれる。
【0208】
実行キー188が操作されると、画像形成装置12にカスタムデータが入力される。
【0209】
また、画像形成装置12にカスタムデータが入力されると、上述したようにカスタムデータが画像形成装置12に記憶される。
【0210】
なお、カスタムデータの取得先が選択されていないのであれば、実行キー188への操作は、無効にされる。
【0211】
また、実行キー188が操作され、カスタムデータが画像形成装置12に取得されると、ホーム画面140がディスプレイ32に表示される。
【0212】
図15は、第2実施例の画像形成装置12のRAM24のメモリマップ400の一例を示す図である。
【0213】
第2実施例の画像形成装置12の制御プログラムは、新たにデータ生成プログラム402kを含む。
【0214】
データ生成プログラム402kは、操作検出プログラム402aに従って、所定のユーザ操作が検出されとき、カスタムデータを生成するためのプログラムである。
【0215】
図16は、画像形成装置12のCPU20の生成処理の一例を示すフロー図である。CPU20は、たとえば、カスタム画面160がディスプレイ32に表示されたことに応じて生成処理を開始する。
【0216】
ステップS71では、決定キー170が操作されたかどうかを判断する。ステップS71で“NO”であれば、つまり、決定キー170が操作されていないのであれば、ステップS77に進む。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまり、決定キー170が操作されたのであれば、ステップS73で、カスタムデータを生成する。ステップS75では、生成されたカスタムデータを記憶し、生成処理を終了する。
【0217】
ステップS77では、カスタム画面160以外の画面をディスプレイ32に表示するかどうかが判断される。ステップS77で“NO”であれば、つまり、カスタム画面160以外の画面をディスプレイ32に表示しないのであれば、ステップS71に戻る。一方、ステップS77で“YES”であれば、つまり、カスタム画面160以外の画面をディスプレイ32に表示するのであれば、生成処理を終了する。
【0218】
第2実施例では、カスタマイズツールがなくとも、画像形成装置12でカスタムデータを生成することができる。つまり、予めカスタマイズツールを用意する手間をなくすことができる。
【0219】
なお、画像形成装置12において、自機で実現できないカスタム値が、自機で実現できないカスタム値に変更されたことに応じて、設定項目の設定内容が変更された旨が通知されてもよい。たとえば、カラーモードのカスタム値が変更されたのであれば、カラーモードが“カラー”から“白黒(モノクロ)”に変更された旨が通知される。
【0220】
具体的には、ディスプレイ32に、設定内容が変更された旨を通知するためのメッセージが表示される。なお、通知方法は、特に限定されない。
【0221】
これによれば、ユーザに設定項目の設定内容が変更された旨を知らせることができる。
【0222】
なお、上述の各実施例は一例であり、実際の製品において、適宜変更可能である。さらにまた、上述の各実施例で示したフロー図は一例であり、同じ効果が得られる場合には、各ステップの順番は任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0223】
10 …印刷システム
12 …情報処理装置
14 …画像形成装置
16 …ネットワーク
20 …CPU
24 …RAM
26 …記憶部
40 …通信部
42 …検出部
60 …CPU
64 …RAM
66 …記憶部
76 …通信部