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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011112
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】打撃工具
(51)【国際特許分類】
   B25D 17/24 20060101AFI20240118BHJP
   B25D 17/04 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B25D17/24
B25D17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112847
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 一
(72)【発明者】
【氏名】古澤 正規
【テーマコード(参考)】
2D058
【Fターム(参考)】
2D058AA16
2D058CA05
2D058CB06
2D058DA14
2D058DA15
(57)【要約】
【課題】打撃工具の防振構造に関する改善を提供する。
【解決手段】打撃工具は、モータと、駆動機構と、工具本体と、アウタハウジングと、ガイド部と、ハンドルとを備える。駆動機構は、モータの駆動に応じて、少なくとも、先端工具を、駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成されている。工具本体は、モータと、駆動機構とを収容する。アウタハウジングは、工具本体の少なくとも一部を覆うように、工具本体に弾性的に連結されており、工具本体に対して駆動軸に実質的に平行な第1方向に摺動可能である。ガイド部は、工具本体に対するアウタハウジングの摺動をガイドするように構成されている。ハンドルは、第1方向と交差する第2方向に延在する把持部を含む。ハンドルは、少なくともアウタハウジングに弾性的に連結されており、アウタハウジングに対して、第1方向、及び、第1方向と交差する少なくとも1つの方向に移動可能である。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータに動作可能に連結され、前記モータの駆動に応じて、少なくとも、先端工具を、駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成された駆動機構と、
前記モータと、前記駆動機構とを収容する工具本体と、
前記工具本体の少なくとも一部を覆うように、前記工具本体に弾性的に連結され、前記工具本体に対して前記駆動軸に実質的に平行な第1方向に摺動可能なアウタハウジングと、
前記工具本体に対する前記アウタハウジングの摺動をガイドするように構成されたガイド部と、
前記第1方向と交差する第2方向に延在する把持部を含むハンドルであって、少なくとも前記アウタハウジングに弾性的に連結され、前記アウタハウジングに対して、前記第1方向、及び、前記第1方向と交差する少なくとも1つの方向に移動可能なハンドルとを備えた打撃工具。
【請求項2】
請求項1に記載の打撃工具であって、
前記アウタハウジングは、前記工具本体に対して前記第1方向と交差する少なくとも1つの方向にも移動可能であることを特徴とする打撃工具。
【請求項3】
請求項2に記載の打撃工具であって、
前記工具本体と前記アウタハウジングとは、第1弾性部材によって、前記第1方向に相対移動可能に連結され、且つ、第1弾性部材とは別個の第2弾性部材によって、前記第1方向と交差する少なくとも1つの方向に相対移動可能に連結されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項4】
請求項3に記載の打撃工具であって、
前記第1弾性部材は、機械バネであって、
前記第2弾性部材は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂であることを特徴とする打撃工具。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記アウタハウジングと前記ハンドルとは、第3弾性部材によって、前記第1方向に相対移動可能に連結され、且つ、前記第3弾性部材とは別個の第4弾性部材によって、前記第1方向と交差する少なくとも1つの方向に相対移動可能に連結されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項6】
請求項5に記載の打撃工具であって、
前記第3弾性部材は、機械バネであって、
前記第4弾性部材は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂であることを特徴とする打撃工具。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の打撃工具であって、
前記アウタハウジングと前記ハンドルとは、前記第4弾性部材によって、前記第2方向に相対移動可能に連結されており、
前記第4弾性部材は、支持部材に支持されており、
前記支持部材は、前記ハンドルが前記アウタハウジングに対して前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向に移動するのを規制するように構成されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記ハンドルは、前記第2方向において、前記把持部の前記駆動軸に近い方の端に接続する第1端部と、前記駆動軸から遠い方の端に接続する第2端部とを含み、
前記第1端部と前記第2端部の各々は、前記第1方向に移動可能に前記工具本体又は前記アウタハウジングに弾性的に連結されており、
前記第1端部と前記第2端部の少なくとも一方は、前記アウタハウジングに弾性的に連結されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項9】
請求項8に記載の打撃工具であって、
前記第1端部は、前記アウタハウジングに弾性的に連結され、
前記第2端部は、前記工具本体に弾性的に連結されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の打撃工具であって、
前記第1端部及び前記第2端部は、夫々、機械バネによって、前記工具本体又は前記アウタハウジングに弾性的に連結されており、
前記第1端部の前記機械バネの初期荷重は、前記第2端部の前記機械バネの初期荷重よりも大きいことを特徴とする打撃工具。
【請求項11】
請求項8又は9に記載の打撃工具であって、
前記第1端部及び前記第2端部の各々は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂によって、前記第1方向と、前記第2方向と、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向とに移動可能に前記工具本体又は前記アウタハウジングに弾性的に連結されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項12】
請求項6又は11に記載の打撃工具であって、
前記ゴム又は前記弾性を有する合成樹脂は、環状であって、前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向に延びるシャフトの周囲に配置されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項13】
請求項8又は9に記載の打撃工具であって、
前記第1端部は、機械バネによって前記工具本体又は前記アウタハウジングに弾性的に連結されており、
前記第2端部は、前記工具本体又は前記アウタハウジングに対して前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向に延びる軸周りに回動可能であることを特徴とする打撃工具。
【請求項14】
モータと、
前記モータに動作可能に連結され、前記モータの駆動に応じて、少なくとも、先端工具を、駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成された駆動機構と、
前記モータと、前記駆動機構とを収容する工具本体と、
前記工具本体の少なくとも一部を覆うように、前記工具本体に弾性的に連結され、前記工具本体に対して前記駆動軸に実質的に平行な第1方向に摺動可能なアウタハウジングと、
前記工具本体に対する前記アウタハウジングの摺動をガイドするように構成されたガイド部と、
前記第1方向と交差する第2方向に延在する把持部と、前記把持部の一端に接続する第1端部と、前記把持部の他端に接続する第2端部とを含むハンドルであって、
前記ハンドルの前記第1端部と前記第2端部の各々は、前記工具本体又は前記アウタハウジングに対して少なくとも前記第1方向に移動可能に、前記工具本体又は前記アウタハウジングに弾性的に連結されており、
前記第1端部と前記第2端部の少なくとも一方は、前記アウタハウジングに弾性的に連結されていることを特徴とする打撃工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、先端工具を打撃して直線状に駆動するように構成された打撃工具に関する。
【背景技術】
【0002】
打撃工具は、先端工具を打撃し、駆動軸に沿って直線状に駆動することで、被加工材に対する加工作業(例えば、ハツリ作業)を遂行する。このため、打撃工具には、加工作業時に大きな振動が生じる。そこで、打撃工具の工具本体からハンドルへの振動伝達を抑制する防振対策が知られている。例えば、特許文献1に開示されている打撃工具は、工具本体に第1弾性部材を介して連結された外郭ハウジングと、外郭ハウジングに第2弾性部材を介して連結されたハンドルとを備えている。外郭ハウジングは、工具本体に対して先端工具の長軸方向と交差する方向に移動可能であり、ハンドルは、外郭ハウジングに対して先端工具の長軸方向に移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-247239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の打撃工具は、先端工具の長軸方向及び長軸方向と交差する方向の振動に対応可能である。しかしながら、この打撃工具には、更なる改良の余地がある。
【0005】
上述の状況に鑑み、本開示は、打撃工具の防振構造に関する改善を提供することを、非限定的な1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の非限定的な1つの態様によれば、モータと、駆動機構と、工具本体と、アウタハウジングと、ガイド部と、ハンドルとを備えた打撃工具が提供される。駆動機構は、モータに動作可能に連結され、モータの駆動に応じて、少なくとも、先端工具を、駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成されている。工具本体は、モータと、駆動機構とを収容する。アウタハウジングは、工具本体の少なくとも一部を覆うように、工具本体に弾性的に連結されており、工具本体に対して駆動軸に実質的に平行な第1方向に摺動可能である。ガイド部は、工具本体に対するアウタハウジングの摺動をガイドするように構成されている。ハンドルは、第1方向と交差する第2方向に延在する把持部を含む。ハンドルは、少なくともアウタハウジングに弾性的に連結されており、アウタハウジングに対して、第1方向、及び、第1方向と交差する少なくとも1つの方向に移動可能である。
【0007】
本態様の打撃工具は、工具本体と、アウタハウジングと、ハンドルとを備える。先端工具が駆動軸に沿って駆動されるときには、駆動軸に実質的に平行な第1方向に最も大きく支配的な振動が発生する。工具本体とアウタハウジングとは、第1方向に摺動可能に、弾性的に連結されている。よって、第1方向の振動が、工具本体からアウタハウジングへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。また、ハンドルとアウタハウジングとは、第1方向に移動可能に、弾性的に連結されている。よって、工具本体からアウタハウジングに第1方向の振動が伝達されても、ハンドルにその振動が伝達されるのを抑制することができる。これにより、工具本体の第1方向の振動がハンドルへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。更に、ハンドルとアウタハウジングとは、第1方向と交差する少なくとも1つの方向にも移動可能に、弾性的に連結されている。よって、工具本体からアウタハウジングに、第1方向と交差する方向の振動が伝達された場合でも、その振動がハンドルに伝達されるのを抑制することができる。
【0008】
本開示の非限定的な別の1つの態様によれば、モータと、駆動機構と、工具本体と、アウタハウジングと、ガイド部と、ハンドルとを備えた打撃工具が提供される。駆動機構は、モータに動作可能に連結され、モータの駆動に応じて、少なくとも、先端工具を、駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成されている。工具本体は、モータと、駆動機構とを収容する。アウタハウジングは、工具本体の少なくとも一部を覆うように、工具本体に弾性的に連結され、工具本体に対して駆動軸に実質的に平行な第1方向に摺動可能である。ガイド部は、工具本体に対するアウタハウジングの摺動をガイドするように構成されている。ハンドルは、第1方向と交差する第2方向に延在する把持部と、把持部の一端に接続する第1端部と、把持部の他端に接続する第2端部とを含む。ハンドルの第1端部と第2端部の各々は、工具本体又はアウタハウジングに対して少なくとも第1方向に移動可能に、工具本体又はアウタハウジングに弾性的に連結されている。第1端部と第2端部の少なくとも一方は、アウタハウジングに弾性的に連結されている。
【0009】
本態様の打撃工具は、工具本体と、アウタハウジングと、ハンドルとを備える。先端工具が駆動軸に沿って駆動されるときには、駆動軸に実質的に平行な第1方向に最も大きく支配的な振動が発生する。工具本体とアウタハウジングとは、第1方向に摺動可能に、弾性的に連結されている。よって、第1方向の振動が、工具本体からアウタハウジングへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。また、ハンドルの第1端部及び第2端部は、両方とも、工具本体又はアウタハウジングに対して第1方向に移動可能に弾性的に連結されているため、工具本体から直接、又は、アウタハウジング経由で、ハンドルに第1方向の振動が伝達されるのを更に効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るハンマドリルの断面図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4図2のIV-IV線における断面図である。
図5図1のV-V線における断面図である。
図6図5の部分拡大図である。
図7図1のVII-VII線における断面図である。
図8】第2実施形態に係るハンマドリルの部分断面図である。
図9図8のIX-IX線における断面図である。
図10図8のX-X線における断面図である。
図11】第3実施形態に係るハンマドリルの部分断面図である。
図12図11のXII-XII線における断面図である。
図13図11のXIII-XIII線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の非限定的な一実施形態において、アウタハウジングは、工具本体に対して第1方向と交差する少なくとも1つの方向にも移動可能であってもよい。この実施形態によれば、工具本体からアウタハウジングに第1方向と交差する方向の振動が伝達されるのを抑制することができるため、防振効果が向上する。
【0012】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、工具本体とアウタハウジングとは、第1弾性部材によって、第1方向に相対移動可能に連結され、且つ、第1弾性部材とは別個の第2弾性部材によって、第1方向と交差する少なくとも1つの方向に相対移動可能に連結されていてもよい。この実施形態によれば、別個の第1弾性部材と第2弾性部材とを利用して、複数方向の振動に対応可能な工具本体とアウタハウジングとの合理的な連結構造を実現することができる。
【0013】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1弾性部材は、機械バネであってもよい。第2弾性部材は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂であってもよい。なお、弾性を有する合成樹脂として、例えば、エラストマ、合成樹脂発泡体(例えば、ウレタン発泡体)が挙げられる。この実施形態によれば、第1方向の最も大きく支配的な振動には、一方向の防振に適した機械バネで対応し、第1方向ほど大きくない他の方向の振動には、形状等の自由度が高いゴム又は弾性を有する合成樹脂で対応することができる。
【0014】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、アウタハウジングとハンドルとは、第3弾性部材によって、第1方向に相対移動可能に連結され、且つ、第3弾性部材とは別の第4弾性部材によって、第1方向と交差する少なくとも1つの方向に相対移動可能に連結されていてもよい。この実施形態によれば、別個の第3弾性部材と第4弾性部材とを利用して、複数方向の振動に対応可能なアウタハウジングとハンドルとの合理的な連結構造を実現することができる。
【0015】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第3弾性部材は、機械バネであってもよい。第4弾性部材は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂であってもよい。なお、弾性を有する合成樹脂として、例えば、エラストマ、合成樹脂発泡体(例えば、ウレタン発泡体)が挙げられる。この実施形態によれば、第1方向の最も大きく支配的な振動には、一方向の防振に適した機械バネで対応し、第1方向ほど大きくない他の方向の振動には、形状等の自由度が高いゴム又は弾性を有する合成樹脂で対応することができる。
【0016】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、アウタハウジングとハンドルとは、第4弾性部材によって、第2方向に相対移動可能に連結されていてもよい。第4弾性部材は、支持部材に支持されていてもよい。支持部材は、ハンドルがアウタハウジングに対して第1方向と第2方向とに直交する第3方向に移動するのを規制するように構成されていてもよい。先端工具の駆動時には、第1方向の振動よりは小さいものの、第2方向にも比較的大きな振動が生じうる。一方、第1方向と第2方向に直交する第3方向の振動は比較的小さい。この実施形態によれば、第2方向の振動がハンドルに伝達されるのを効果的に抑制しつつ、ハンドルの第3方向の無用な相対移動を抑制することができる。
【0017】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、ハンドルは、第2方向において、把持部の駆動軸に近い方の端に接続する第1端部と、駆動軸から遠い方の端に接続する第2端部とを含んでもよい。第1端部と第2端部の各々は、第1方向に移動可能に工具本体又はアウタハウジングに弾性的に連結されていてもよい。第1端部と第2端部の少なくとも一方は、アウタハウジングに弾性的に連結されていてもよい。この実施形態によれば、ハンドルの第1端部及び第2端部の両方が、第1方向に移動可能であるため、最も大きく支配的な第1方向の振動がハンドルに伝達されるのを効果的に抑制することができる。
【0018】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1端部は、アウタハウジングに弾性的に連結されていてもよい。第2端部は、工具本体に弾性的に連結されていてもよい。この実施形態によれば、ハンドルのうち、駆動軸により近い第1端部は、第1方向に相対的に移動可能に、アウタハウジングを介して工具本体に弾性的に連結される。よって、最も大きく支配的な第1方向の振動が第1端部に伝達されるのを効果的に抑制することができる。
【0019】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1端部及び第2端部は、夫々、機械バネによって、工具本体又はアウタハウジングに弾性的に連結されていてもよい。第1端部の機械バネの初期荷重は、第2端部の機械バネの初期荷重よりも大きくてもよい。打撃工具による加工作業は、先端工具を被加工材に押し付けた状態で行われる。この実施形態によれば、駆動軸により近い第1端部に対応する機械バネの初期荷重をより大きくすることで、先端工具の被加工材に対する押付けを安定させることができる。
【0020】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1端部及び第2端部の各々は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂によって、第1方向と、第2方向と、第1方向及び第2方向に直交する第3方向とに移動可能に工具本体又はアウタハウジングに弾性的に連結されていてもよい。この実施形態によれば、ハンドルの第1端部及び第2端部の両方が、第1方向、第2方向、第3方向に移動可能であるため、様々な方向の振動に対応可能な打撃工具が実現される。
【0021】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、ゴム又は弾性を有する合成樹脂は、環状であって、第3方向に延びるシャフトの周囲に配置されていてもよい。この実施形態によれば、簡易な構成により、第1端部及び第2端部の各々を、工具本体又はアウタハウジングに対して第3方向に交差する方向に移動可能することができる。
【0022】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1端部は、機械バネによって工具本体又はアウタハウジングに弾性的に連結されていてもよい。第2端部は、工具本体又はアウタハウジングに対して第1方向と第2方向とに直交する第3方向に延びる軸周りに回動可能であってもよい。この実施形態によれば、駆動軸からより遠い第2端部を工具本体又はアウタハウジングに対して回動させつつ、機械バネにより、最も大きく支配的な第1方向の振動が第1端部に伝達されるのを効果的に低減することができる。
【0023】
以下、図面を参照して、本開示の非限定的且つ代表的な第1~第3実施形態について具体的に説明する。なお、第2、第3実施形態の説明では、第1実施形態と実質的に同一の構成には、第1実施形態と同一符号を付して図示及び説明を適宜省略又は簡略化し、主に、第1実施形態と異なる特徴について説明する。
【0024】
<第1実施形態>
図1図7を参照して、本開示の第1実施形態に係るハンマドリル1Aについて具体的に説明する。ハンマドリル1Aは、打撃工具の一例であって、取り外し可能に装着された先端工具91を駆動軸DXに沿って直線状に往復動させる動作(以下、打撃動作という)を行うように構成されている。また、ハンマドリル1Aは、先端工具91を駆動軸DX周りに回転駆動する動作(以下、回転動作という)も行うことが可能である。
【0025】
まず、ハンマドリル1Aの概略構成について説明する。
【0026】
図1に示すように、ハンマドリル1Aは、モータ2と、モータ2によって駆動され、先端工具91を駆動する駆動機構3と、モータ2と駆動機構3とを収容する工具本体5Aと備えている。
【0027】
本実施形態では、モータ2は、モータシャフト25の回転軸RXが駆動軸DXと交差する(詳細には、直交する)方向に延在するように配置されている。工具本体5Aは、駆動機構3を収容し、駆動軸DXに沿って延在する駆動機構収容部51と、モータ2を収容するモータ収容部57とが、実質的にL字状に連結されることで形成されている。駆動軸DXの延在方向における駆動機構収容部51の一端部内には、ツールホルダ36が配置されている。先端工具91は、ツールホルダ36に対して駆動軸DXに沿って移動可能、且つ、駆動軸DX周りに回転不能に、ツールホルダ36によって保持される。
【0028】
また、ハンマドリル1Aは、アウタハウジング6Aと、ハンドル7Aとを備えている。アウタハウジング6Aは、工具本体5Aのうち駆動機構収容部51を覆うように、駆動軸DXに沿って延在する。工具本体5Aのうち、モータ収容部57は、アウタハウジング6Aに覆われることなく外部に露出している。アウタハウジング6Aは、工具本体5Aに弾性的に連結されており、工具本体5Aに対して移動可能である。ハンドル7Aは、全体としてはU字状に形成されている。ハンドル7Aの一端部は、アウタハウジング6Aに弾性的に連結され、ハンドル7Aの他端部は、工具本体5A(モータ収容部57)に弾性的に連結されている。ハンドル7Aは、工具本体5A及びアウタハウジング6Aに対して移動可能である。なお、本実施形態でいう「弾性的に連結されている」とは、「少なくとも1つの弾性部材を介して連結されている」と同義である。
【0029】
ハンドル7Aは、長尺の把持部71を含む。把持部71は、駆動軸DXの延在方向において、工具本体5A及びアウタハウジング6Aに対して先端工具91とは逆側に配置され、駆動軸DXに交差する方向に延びている。本実施形態では、把持部71の延在方向は、モータ2の回転軸RXの延在方向と実質的に平行である。把持部71の長軸方向の一端部には、使用者によって押圧操作されるスイッチレバー711が設けられている。スイッチレバー711が押圧操作されると、モータ2の駆動が開始され、駆動機構3によって先端工具91が駆動され、加工作業(例えば、ハツリ作業、穴あけ作業)が遂行される。
【0030】
以下、ハンマドリル1Aの詳細構成について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、駆動軸DXの延在方向(以下、単に駆動軸方向ともいう)をハンマドリル1Aの前後方向と規定する。前後方向において、ツールホルダ36が配置されている側をハンマドリル1Aの前側と規定し、把持部71が配置されている側を後側と規定する。また、把持部71の長軸方向(回転軸RXの延在方向でもある)を、ハンマドリル1Aの上下方向と規定する。上下方向において、スイッチレバー711が配置されている側を上側と規定し、反対側を下側と規定する。更に、前後方向及び上下方向に直交する方向を、左右方向と規定する。
【0031】
まず、工具本体5Aとその内部に配置される要素(構成)について説明する。
【0032】
図1に示すように、工具本体5Aは、駆動機構収容部51と、駆動機構収容部51に連結されたモータ収容部57とを含む。
【0033】
駆動機構収容部51の前半部分は概ね円筒状に形成されており、バレル部52とも称される。駆動機構収容部51の後半部分は、概ね矩形状の中空体として形成されており、クランクハウジング53とも称される。バレル部52とクランクハウジング53とは、ネジ(図示略)によって前後方向に互いに連結固定されて一体化され、駆動機構収容部51を構成している。
【0034】
駆動機構収容部51には、駆動機構3が収容されている。駆動機構3は、モータ2(モータシャフト25)に動作可能に連結されており、モータ2の動力によって駆動される。本実施形態の駆動機構3は、打撃動作用の打撃機構30と、回転動作用の回転伝達機構35とを含む。なお、これらの機構の構成は周知であるため、以下に簡単に説明する。
【0035】
打撃機構30は、運動変換機構と、打撃要素とを含む。運動変換機構は、モータ2に動作可能に連結されており、モータシャフト25の回転運動を直線運動に変換して打撃要素に伝達するように構成されている。本実施形態では、運動変換機構には、クランクシャフトとピストンとを含む、周知の構成を有するクランク機構が採用されている。打撃要素は、直線状に移動して先端工具91を打撃することで、先端工具91を駆動軸DXに沿って直線状に駆動するように構成されている。本実施形態では、打撃要素は、ストライカと、インパクトボルトとを含む。モータ2が駆動されると、ピストンは、駆動機構収容部51内に配置されたシリンダ内を、駆動軸DXに沿って前後方向に往復摺動する。ピストンの往復動に応じて、空気バネの作用で打撃要素が駆動され、先端工具91がインパクトボルトに間欠的に打撃される。
【0036】
回転伝達機構35は、モータ2に動作可能に連結されており、モータシャフト25の回転動力を、ツールホルダ36に伝達するように構成されている。本実施形態の回転伝達機構35は、周知の構成を有するギヤ減速機構であって、モータ2の回転動力は、適宜減速された上でツールホルダ36に伝達される。モータ2が駆動されると、回転伝達機構35によって、ツールホルダ36、ひいてはツールホルダ36に保持された先端工具91が、駆動軸DX周りに回転駆動される。
【0037】
なお、本実施形態のハンマドリル1Aは、打撃動作のみが行われるモードと、打撃動作と回転動作が同時に行われるモードの何れか一方で選択的に動作することができる。モードの切り替えのための構成については、いかなる公知の構成が採用されてもよい。よって、かかる構成についての説明は省略する。
【0038】
更に、図2に示すように、本実施形態では、駆動機構収容部51は、工具本体5Aに生じる振動を吸収するための2つの動吸振器37を備えている。2つの動吸振器37は、駆動軸DXを含み、左右方向に直交する仮想的な平面Pに対して対称に配置されている。なお、平面Pは、ハンマドリル1Aの左右方向の実質的な中心を通る平面である。また、平面Pは、駆動軸DX及び回転軸RXを含む平面でもある。
【0039】
各動吸振器37は、ウェイト371と、ウェイト371の両側に配置された2つのバネ372と、ウェイト371とバネ372とを収容する収容部373とを備えている。ウェイト371及びバネ372は、ウェイト371が、バネ372の付勢力を受けつつ摺動可能な状態で、駆動機構収容部51(クランクハウジング53)と一体化された収容部373の内部に配置されている。動吸振器37は、打撃動作に伴って生じる前後方向の振動を効果的に吸収することができる。
【0040】
図1に示すように、モータ収容部57は、上側が開放された有底の筒状に形成されている。駆動機構収容部51と、モータ収容部57とは、駆動機構収容部51の下端部がモータ収容部57の上端部内に配置された状態で、ネジで連結固定されて一体化され、工具本体5Aを構成している。
【0041】
モータ収容部57には、モータ2が収容されている。本実施形態のモータ2は、ブラシモータである。モータ2は、電源コード29を介して外部の交流電源から供給された電力により駆動される。モータ2は、ステータ21と、ロータ23と、ロータ23と一体的に回転するように構成されたモータシャフト25とを備える。モータシャフト25は、上下方向に延在している。モータシャフト25の上端部と下端部とは、夫々、工具本体5Aに支持された軸受251、252によって回転可能に支持されている。
【0042】
モータシャフト25の下端部には、ファン27が固定されている。なお、本実施形態では、ファン27は、軸受252よりも下方でモータシャフト25に固定され、モータ収容部57の最下端部内に配置されている。ファン27は、モータ2の駆動に応じてモータシャフト25と一体的に回転し、モータ2の冷却用の空気流を生成するように構成されている。
【0043】
以下、アウタハウジング6Aについて説明する。
【0044】
図1に示すように、アウタハウジング6Aは、工具本体5Aの駆動機構収容部51を覆うように構成されている。より詳細には、アウタハウジング6Aの前半部分は、筒状に形成されており、駆動機構収容部51の前半部分(バレル部52)を覆っている。また、アウタハウジング6Aの後半部分は、下端が開放された矩形箱状に形成されており、駆動機構収容部51の後半部分(クランクハウジング53)を覆っている。アウタハウジング6Aの後半部分の周壁部61の下端部は、モータ収容部57の周壁部571に対応するように構成されている。
【0045】
以下、工具本体5Aとアウタハウジング6Aとの連結構造について説明する。
【0046】
本実施形態では、工具本体5Aとアウタハウジング6Aとは、駆動軸DXに実質的に平行に(つまり、前後方向に)互いに摺動可能に、弾性的に連結されている。また、工具本体5Aとアウタハウジング6Aとは、駆動軸DXに交差する方向にも相対移動可能に、弾性的に連結されている。本実施形態では、図1図3及び図4に示すように、工具本体5Aとアウタハウジング6Aの間には、2つのバネ81Aと、2つの弾性部材82Aと、Oリング83とが介在している。
【0047】
本実施形態では、バネ81Aには、機械バネの一例である圧縮コイルバネが採用されている。バネ81Aは、駆動機構収容部51(クランクハウジング53)の後端部と、アウタハウジング6Aの後端部との間に、圧縮状態で配置されている。より詳細には、バネ81Aの前端部は、動吸振器37の収容部373の後端部に設けられたバネ受け374(突起)に嵌め込まれ、支持されている。バネ81Aの後端部は、アウタハウジング6Aの後壁部611の内面に設けられたバネ受け612(突起)に嵌め込まれ、支持されている。バネ81Aは、工具本体5Aとアウタハウジング6Aとを、前後方向において互いから離れるように(夫々を前方と後方とに)付勢し、これらの前後方向の相対移動を許容する。なお、本実施形態では、2つのバネ81Aは、上記平面Pの両側に対称状に配置されている。
【0048】
本実施形態の弾性部材82Aは、ウレタン発泡体で形成されている。駆動機構収容部51(クランクハウジング53)の後壁部511には、ネジ423が固定され、後方に延びている。弾性部材82Aは、円筒状であって、ネジ423の軸部の周囲に嵌め込まれ、保持されている。また、弾性部材82Aには、有底円筒状のカバー421が被せられている。カバー421は、金属製であって、弾性部材82Aの外周面を覆っている。弾性部材82Aは、ネジ423の軸と交差する方向(つまり、ネジ423の径方向、駆動軸DXと交差する方向、前後方向以外の全方向)において、ネジ423の軸部とカバー421の間に介在する。弾性部材82Aは、ネジ423が、カバー421に対してネジ423の軸と交差するあらゆる方向に移動することを許容する。
【0049】
Oリング83は、ゴム製の環状部材である。Oリング83は、駆動機構収容部51のバレル部52の外周部に形成された環状溝に装着されており、バレル部52の径方向において、バレル部52とアウタハウジング6Aの前半部分(筒壁部)の間に介在する。Oリング83は、バレル部52が、アウタハウジング6Aに対してあらゆる方向に移動することを許容する。
【0050】
また、本実施形態では、工具本体5Aとアウタハウジング6Aは、前後方向に相対的に摺動可能に構成されている。
【0051】
具体的には、図1及び図4に示すように、工具本体5Aのうち、モータ収容部57の周壁部571の上端面411と、アウタハウジング6Aの周壁部61の下端面415とは、互いに当接した状態で摺動可能な摺動面である。本実施形態では、上端面411と下端面415とは、工具本体5Aとアウタハウジング6Aとの前後方向の相対的な摺動をガイドする第1ガイド部41を構成する。
【0052】
また、図3及び図4に示すように、アウタハウジング6Aの後壁部611には、2つの円筒状のガイド筒425が設けられている。2つのガイド筒425は、2つの弾性部材82Aに対応するように、平面Pの両側に対称状に配置されている。ガイド筒425は、後壁部611の内面から前方に突出している。ガイド筒425は、カバー421の外径と概ね等しい内径を有する。このため、カバー421は、ガイド筒425内を前後方向に摺動可能である。カバー421とガイド筒425とは、工具本体5Aとアウタハウジング6Aの前後方向の相対的な摺動をガイドする第2ガイド部42を構成する。
【0053】
以上に説明したように、工具本体5Aとアウタハウジング6Aとは、バネ81Aの弾性力が作用する状態で、第1ガイド部41及び第2ガイド部42にガイドされつつ、前後方向に相対的に摺動可能である。更に、工具本体5Aとアウタハウジング6Aとは、弾性部材82A及びOリング83の弾性力が作用する状態で、駆動軸DXと交差する方向(例えば、上下方向、左右方向)にも相対移動可能である。これにより、前後方向の振動、及び、駆動軸DXと交差する方向の振動が、工具本体5Aからアウタハウジング6Aへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。
【0054】
以下、ハンドル7Aとその内部に配置される要素(構成)について説明する。
【0055】
図4に示すように、本実施形態のハンドル7Aは、把持部71と、上側連結部73Aと、下側連結部76Aとを含む。上側連結部73Aは、把持部71の上端に接続し、把持部71の前方に若干突出している。上側連結部73Aは、アウタハウジング6Aに弾性的に連結されている。下側連結部76Aは、把持部71の下端に接続し、把持部71の前方に若干突出している。下側連結部76Aは、工具本体5Aに弾性的に連結されている。
【0056】
ハンドル7Aの把持部71の上端部には、長尺のスイッチレバー711が配置されている。スイッチレバー711は、下端部において把持部71に支持され、概ね前後方向に回動可能である。スイッチレバー711は、前方に付勢されており、使用者の押圧操作に応じて後方に回動する。把持部71内には、スイッチ713が収容されている。スイッチ713は、常時にはオフで維持されており、スイッチレバー711が押圧されるのに応じてオンとされる。スイッチ713は、図示しない電線によってモータ2に接続されており、モータ2は、スイッチ713がオン状態の間、駆動される。
【0057】
以下、ハンドル7Aと、アウタハウジング6A及び工具本体5Aとの連結構造について説明する。
【0058】
まず、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aとの連結構造について説明する。本実施形態では、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aとは、駆動軸DXと実質的に平行に(つまり、前後方向に)相対移動可能に、弾性的に連結されている。また、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aとは、駆動軸DXと交差する方向にも相対移動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図3図4及び図6に示すように、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aの間には、2つのバネ84Aと、2つの弾性部材85Aとが介在している。
【0059】
本実施形態では、バネ84Aには、機械バネの一例である圧縮コイルバネが採用されている。バネ84Aは、アウタハウジング6Aの周壁部61の後壁部611と、ハンドル7Aの上側連結部73Aとの間に、圧縮状態で配置されている。より詳細には、バネ84Aの前端部は、後壁部611の後面に設けられたバネ受け614に嵌め込まれ、支持されている。バネ84Aの後端部は、上側連結部73Aの前面に設けられたバネ受け731に嵌め込まれ、支持されている。バネ84Aは、アウタハウジング6Aと上側連結部73A(ハンドル7A)とを、前後方向において互いから離れるように(夫々を前方と後方とに)付勢し、これらの前後方向の相対移動を許容する。なお、本実施形態では、2つのバネ84Aは、上記平面Pの両側に対称状に配置されている。
【0060】
アウタハウジング6Aのバネ受け614は、後壁部611から後方に突出する筒状部であって、前後方向にバネ受け614を貫通するガイド孔431を有する。ガイド孔431は、互いに平行な2つの平行面と、2つの湾曲面とで規定されている。つまり、ガイド孔431は、ダブルD形状の断面を有する孔である。ガイド孔431の2つの平行面は、左右方向に実質的に直交している。2つの湾曲面の一方は、2つの平行面の上端を接続し、湾曲面の他方は、2つの平行面の下端を接続している。
【0061】
ハンドル7Aのバネ受け731は、上側連結部73Aから前方に突出する突起である。バネ受け731の中央部からは、ガイドシャフト432が前方に突出している。ガイドシャフト432とバネ受け731には、前後方向に延在するネジ穴433が形成されている。
【0062】
ガイドシャフト432は、バネ受け614のガイド孔431に挿入可能に構成されている。より詳細には、ガイドシャフト432の外周面は、互いに平行な2つの平行面と、2つの湾曲面とを含む。つまり、ガイドシャフト432は、ダブルD形状の断面を有するシャフトである。ガイドシャフト432の左右方向の幅(平行面間の距離)は、ガイド孔431の左右方向の幅(平行面間の距離)と概ね等しい。一方、上下方向において、ガイドシャフト432の上下方向の高さ(湾曲面間の距離)は、ガイド孔431の上下方向の高さ(湾曲面間の距離)の距離よりも大きく設定されている。つまり、ガイド孔431には、上下方向のクリアランスが設けられている。
【0063】
上側連結部73Aとアウタハウジング6Aとは、バネ受け731とバネ受け614にバネ84Aが支持され、ガイドシャフト432がガイド孔431に挿入された状態で、後壁部611の内側からネジ穴433に締め付けられたネジ435によって連結されている。なお、図3では、バネ受け614及びネジ435の一部が図示されていないが、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aの連結構造は、図7に図示される下側連結部76Aとアウタハウジング6Aの連結構造と実質的に同一である。
【0064】
以上のような構成により、ガイドシャフト432は、左右方向の移動のみが規制された状態で、ガイド孔431内を、前後方向及び上下方向(ガイドシャフト432の軸が駆動軸DXに対して上下方向に傾く場合を含む)に摺動可能である。ガイド孔431とガイドシャフト432とは、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aの相対移動をガイドする第3ガイド部43を構成する。
【0065】
弾性部材85Aは、ウレタン発泡体で形成されている。図3図4及び図6に示すように、弾性部材85Aは、ハンドル7Aに固定されたガイド部材74に支持されている。ガイド部材74は、ハンドル7Aの上側連結部73Aにネジ749で固定され、平面Pに沿って、上側連結部73Aから前方へ延びている。なお、本実施形態のガイド部材74は、左右方向の厚みを有する板状部材である。ガイド部材74の前端部441からは、2つのシャフト部742が、夫々、左方及び右方へ突出している。なお、シャフト部742は、左右方向において、平面Pの両側に対称状に配置されている。また、シャフト部742は、上下方向において、第3ガイド部43と概ね同じ位置に配置されている。
【0066】
弾性部材85Aは、円筒状であって、シャフト部742の周囲に嵌め込まれ、保持されている。よって、2つの弾性部材85Aは、平面Pの両側に対称状に配置されている。また、弾性部材85Aには、有底円筒状のカバー442が被せられている。カバー442は、金属製であって、弾性部材85Aの外周面を覆っている。弾性部材85Aは、シャフト部742の軸と交差する全方向(つまり、シャフト部742の径方向、左右方向と交差する方向、左右方向以外の全方向)において、シャフト部742とカバー442の間に介在する。弾性部材85Aはシャフト部742が、カバー442に対してシャフト部742の軸と交差するあらゆる方向に移動することを許容する。
【0067】
なお、弾性部材85A及びカバー442は、夫々、上述の弾性部材82A及びカバー421と実質的に同一の部材であると、製造コストを抑えることができる点で好ましい。但し、弾性部材85A及びカバー442の構成(例えば、形状、材質)は、求められる防振特性に応じて、弾性部材82A及びカバー421とは異なっていてもよい。
【0068】
一方、アウタハウジング6Aの後壁部611には、ガイド通路445が規定されている。ガイド通路445は、後壁部611を貫通する通路であって、ガイド部材74の前端部441と、シャフト部742に支持された弾性部材85A及びカバー442を、アウタハウジング6Aに対して前後方向に移動可能に収容する。より詳細には、ガイド通路445は、ガイド部材74の前端部441が配置される第1部分446と、カバー442が配置される2つの第2部分447とを含む。
【0069】
第1部分446の左右方向の幅は、前端部441の左右方向の厚みに概ね等しい。一方、第1部分446の上下方向の高さは、前端部441の上下方向の高さよりも大きく設定されている。つまり、第1部分446には、上下方向のクリアランスが設けられている。第2部分447の左右方向の幅は、カバー442の左右方向の厚みに概ね等しい。また、第2部分447の上下方向の高さも、カバー442の上下方向の高さと概ね等しい。つまり、第2部分447には、上下方向のクリアランスは設けられていない。
【0070】
以上のような構成により、ガイド部材74は、左右方向の移動が規制された状態で、ガイド通路445内を移動可能である。より詳細には、ガイド部材74の前端部441は、左右方向の移動が規制された状態で、第1部分446内を前後方向及び上下方向(ネジ749の軸が駆動軸DXに対して上下方向に傾く場合を含む)に摺動可能である。また、弾性部材85Aを介してシャフト部742に嵌め込まれたカバー442は、左右方向及び上下方向の移動が規制された状態で、第2部分447内を前後方向に摺動可能である。一方、弾性部材85Aは、シャフト部742(ガイド部材74)が、第2部分447内を前後方向及び上下方向に移動するのを可能とする。ガイド通路445と、ガイド部材74(前端部441)と、カバー442とは、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aの相対移動をガイドする第4ガイド部44を構成する。
【0071】
以上に説明したように、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aとは、バネ84Aの弾性力が作用する状態で、第3ガイド部43及び第4ガイド部44にガイドされつつ、前後方向に相対的に摺動可能である。更に、上側連結部73Aとアウタハウジング6Aとは、弾性部材85Aの弾性力が作用する状態で、左右方向以外の方向に相対移動可能である。よって、工具本体5Aからアウタハウジング6Aに前後方向の振動、及び、左右方向以外の方向(例えば、上下方向)の振動が伝達されても、ハンドル7Aにその振動が伝達されるのを抑制することができる。これにより、工具本体5Aの様々な方向の振動がハンドル7Aへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。
【0072】
以下、下側連結部76Aと工具本体5Aとの連結構造について説明する。本実施形態では、下側連結部76Aと工具本体5Aとは、駆動軸DXに実質的に平行に(つまり、前後方向に)相対移動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図4及び図7に示すように、下側連結部76Aと工具本体5Aの間には、2つのバネ86Aが介在している。2つのバネ86Aは、上記平面Pの両側に対称状に配置されている。
【0073】
本実施形態では、バネ86Aには、機械バネの一例である圧縮コイルバネが採用されている。バネ86Aは、工具本体5Aのモータ収容部57の後壁部572と、ハンドル7Aの下側連結部76Aとの間に、圧縮状態で配置されている。より詳細には、バネ86Aの前端部は、後壁部572の後面に設けられたバネ受け573に嵌め込まれ、支持されている。バネ86Aの後端部は、下側連結部76Aの前面に設けられたバネ受け761に嵌め込まれ、支持されている。バネ86Aは、工具本体5Aと下側連結部76A(ハンドル7A)とを、前後方向において互いから離れるように(夫々を前方と後方とに)付勢し、これらの前後方向の相対移動を許容する。
【0074】
工具本体5Aのバネ受け573は、上述のアウタハウジング6Aのバネ受け614と実質的に同一の構成を有する。また、下側連結部76Aのバネ受け761は、上述の上側連結部73Aのバネ受け731と実質的に同一の構成を有する。よって、簡単に説明すると、図4図5及び図7に示すように、バネ受け573は、後壁部572から後方に突出する筒状部であって、ダブルD形状の断面を有するガイド孔451を有する。バネ受け761は、下側連結部76Aから前方に突出する突起であって、ダブルD形状の断面を有するガイドシャフト452を有する。ガイド孔451には、上下方向のクリアランスが設けられている。下側連結部76Aと工具本体5Aとは、バネ受け761とバネ受け573にバネ86Aが支持され、ガイドシャフト452がガイド孔451に挿入された状態で、後壁部572の内側からネジ穴454に締め付けられたネジ455によって連結されている。
【0075】
以上のような構成により、ガイドシャフト452は、左右方向の移動のみが規制された状態で、ガイド孔451内を、前後方向及び上下方向(ガイドシャフト452の軸が駆動軸DXに対して上下方向に傾く場合を含む)に摺動可能である。ガイド孔451とガイドシャフト452とは、下側連結部76Aと工具本体5Aの相対移動をガイドする第5ガイド部45を構成する。
【0076】
なお、本実施形態では、バネ86Aは、アウタハウジング6Aと上側連結部73Aとの間に介在するバネ84Aと実質的に同一仕様を有する。つまり、バネ84A及びバネ86Aは、同一材料により形成された同一形状の圧縮コイルバネであって、同一のバネ定数を有する。但し、バネ84Aとバネ86Aとでは、アウタハウジング6Aと上側連結部73Aへの取付け状態が異なっている。より詳細には、バネ84A及びバネ86Aのうち、駆動軸DXにより近いバネ84Aの方が、バネ86Aよりも大きな初期荷重(取付荷重ともいう)が付与された状態で取り付けられている(図4参照)。なお、「初期荷重が付与された状態」とは、静的な状態で弾性部材に圧縮方向に荷重が加えられ弾性部材が圧縮された状態をいう。
【0077】
ハンマドリル1Aによる加工作業は、先端工具91を被加工材に押し付けた状態で行われる。よって、駆動軸DXにより近い上側連結部73Aとアウタハウジング6Aとを連結するバネ84Aの初期荷重をより大きくする(付勢力を強くする)ことで、先端工具91の被加工材に対する押付けを安定させることができる。また、モータ収容部57と下側連結部76Aとを連結するバネ86Aの初期荷重をより小さくする(付勢力を弱くする)ことで、防振効果を高めることができる。このように、本実施形態では、上述のようなバネ84A、86Aの初期荷重の設定により、防振の最適化が図られている。
【0078】
なお、別の実施形態では、バネ86Aとして、バネ84Aよりも小さいバネ定数を有するバネが採用され、バネ84Aとバネ86Aとの取付け状態は実質的に同一であってもよい。この場合も、上述のように、バネ84A、86Aの初期荷重が設定された場合と同じ効果を得ることができる。
【0079】
更に、図1図4及び図5に示すように、下側連結部76Aには、ガイド部材77が固定されている。ガイド部材77は、下側連結部76Aにネジ773で固定され、平面Pに沿って、下側連結部76Aから前方へ延びている。ガイド部材77は、上側連結部73Aに固定されたガイド部材74と同様、左右方向の厚みを有する板状部材である。但し、ガイド部材77は、シャフト部を備えていない。
【0080】
一方、工具本体5Aのモータ収容部57の後壁部572には、ガイド通路465が設けられている。ガイド通路465は、後壁部572を貫通する通路であって、ガイド部材77の前端部461を、工具本体5Aに対して前後方向に移動可能に収容する。ガイド通路465の左右方向の幅は、前端部461の左右方向の厚みに概ね等しい。ガイド通路465の上下方向の高さは、前端部461の上下方向の高さよりも大きく設定されている。つまり、ガイド通路465には、上下方向のクリアランスが設けられている。
【0081】
以上のような構成により、ガイド部材77は、左右方向及び上下方向の移動が規制された状態で、ガイド通路465内を前後方向及び上下方向(ネジ773の軸が駆動軸DXに対して上下方向に傾く場合を含む)に摺動可能である。ガイド通路465と、ガイド部材77(前端部461)とは、下側連結部76Aと工具本体5Aの相対移動をガイドする第6ガイド部46を構成する。
【0082】
以上に説明したように、下側連結部76Aと工具本体5Aとは、バネ86Aの弾性力が作用する状態で、第5ガイド部45及び第6ガイド部46にガイドされつつ、前後方向に相対的に摺動可能である。よって、前後方向の振動が、工具本体5Aからハンドル7Aへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。なお、本実施形態では、下側連結部76Aと工具本体5Aとの間に弾性部材が介在していないが、別の実施形態では、上側連結部73Aと同様、弾性部材が配置されていてもよい。
【0083】
また、本実施形態において、上側連結部73Aとアウタハウジング6A、及び、下側連結部76Aと工具本体5Aとは、左右方向には弾性的に連結されていない。これは、ハンマドリル1Aのような打撃工具では、左右方向の振動は比較的小さいことに鑑みたものである。上述のように、本実施形態では、アウタハウジング6Aが工具本体5Aに対して左右方向に移動可能に弾性的に連結されているため、アウタハウジング6Aの左右方向の振動は低減されている。よって、ハンドル7Aに関しては、アウタハウジング6A及び工具本体5Aに対する左右方向の移動を規制することで、操作性の向上が図られている。
【0084】
また、本実施形態では、前後方向の最も大きく支配的な振動対策には、一方向の防振に適した圧縮コイルバネであるバネ81A、84A、86Aが採用されている。一方、前後方向ほど大きくない他の方向の振動対策には、形状等の自由度が高いウレタン発泡体製の弾性部材82A、85Aが採用されている。このような弾性部材の設計により、様々な方向の振動の特性に応じた防振の最適化が図られている。
【0085】
<第2実施形態>
以下、図8図10を参照して、第2実施形態に係るハンマドリル1Bについて説明する。ハンマドリル1Bは、工具本体5Bとアウタハウジング6Bとの連結構造、及び、ハンドル7Bと、アウタハウジング6B及び工具本体5Bとの連結構造において、第1実施形態のハンマドリル1Aとは異なる。一方、これらの連結構造以外については、ハンマドリル1Bは、ハンマドリル1Aと実質的に同一の構成(形状が若干異なる場合を含む)を有する。
【0086】
まず、工具本体5Bとアウタハウジング6Bとの連結構造について説明する。
【0087】
本実施形態では、工具本体5Bとアウタハウジング6Bとは、駆動軸DXに実質的に平行に(つまり、前後方向に)互いに摺動可能に、弾性的に連結されている。また、工具本体5Bとアウタハウジング6Bとは、駆動軸DXに交差する方向にも相対移動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図8及び図9に示すように、ハンマドリル1Bは、第1実施形態と同じく、バネ81Aと、Oリング83(図1参照)と、第1ガイド部41(図4参照)とを備えている。一方、ハンマドリル1Bは、弾性部材82Aと、第2ガイド部42は備えていない。
【0088】
以下、ハンドル7Bと、アウタハウジング6B及び工具本体5Bとの連結構造について説明する。
【0089】
まず、上側連結部73Bとアウタハウジング6Bとの連結構造について説明する。本実施形態では、上側連結部73Bとアウタハウジング6Bとは、前後方向、上下方向、及び左右方向を含む全方向に相対移動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図9に示すように、上側連結部73Bとアウタハウジング6Bの間には、2つの弾性部材85Bが介在している。
【0090】
弾性部材85Bは、ウレタン発泡体で形成されている。弾性部材85Bは、アウタハウジング6Bに設けられたシャフト部633に支持されている。シャフト部633は、アウタハウジング6Bの後端部の左右の側部63から、夫々、左方及び右方へ突出している。なお、シャフト部633は、左右方向において、平面Pの両側に対称状に配置されている。弾性部材85Bは、円筒状であって、シャフト部633の周囲に嵌め込まれ、保持されている。よって、2つの弾性部材85Bは、平面Pの両側に対称状に配置されている。
【0091】
一方、上側連結部73Bには、左右一対の延出部733が設けられている。延出部733は、アウタハウジング6Bの後端部の左右の側部63を覆うように、前方に突出している。弾性部材85Bは、延出部733の内面に形成された凹部734に嵌め込まれ、アウタハウジング6Bの後端部の側部63と、上側連結部73Bの延出部733との間に、圧縮状態で介在する。なお、アウタハウジング6Bと、上側連結部73Bとは、全方向において離間状態で保持されている。シャフト部633は、弾性部材85Bを弾性変形させつつ、凹部734内を、シャフト部633の軸方向(左右方向)にも、シャフト部633の軸に交差するあらゆる方向(例えば、前後方向、上下方向)にも移動可能である。
【0092】
次に、下側連結部76Bと工具本体5Bとの連結構造について説明する。本実施形態では、下側連結部76Bと工具本体5Bとは、前後方向、上下方向、及び左右方向を含む全方向に相対移動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図10に示すように、下側連結部76Bと工具本体5Bの間には、2つの弾性部材88Bが介在している。
【0093】
弾性部材88Bは、ウレタン発泡体で形成されている。弾性部材88Bは、工具本体5Bに設けられたシャフト部576に支持されている。より詳細には、工具本体5Bのモータ収容部57には、左右一対の延出部575が設けられている。延出部575は、後壁部572から後方に突出し、下側連結部76Bの前端部内に挿入されている。シャフト部576は、延出部575から、夫々、左方及び右方へ突出している。なお、シャフト部576は、左右方向において、平面Pの両側に対称状に配置されている。弾性部材88Bは、円筒状であって、シャフト部576の周囲に嵌め込まれ、保持されている。よって、2つの弾性部材88Bは、平面Pの両側に対称状に配置されている。
【0094】
一方、下側連結部76Bの前端部の左右の側部765の内面には、凹部766が形成されている。弾性部材88Bは、凹部766に嵌め込まれ、下側連結部76Bの前端部の側部765と、工具本体5Bの延出部575との間に、圧縮状態で介在する。なお、工具本体5Bと、下側連結部76Bとは、全方向において離間状態で保持されている。シャフト部576は、弾性部材88Bを弾性変形させつつ、凹部766内を、シャフト部576の軸方向(左右方向)にも、シャフト部576の軸に交差するあらゆる方向(例えば、前後方向、上下方向)にも移動可能である。また、下側連結部76Bは、シャフト部576の軸(実質的に左右方向に延びる軸)周りに回動可能である。
【0095】
なお、弾性部材88Bは、上述の弾性部材85Bと実質的に同一の部材であると、製造コストを抑えることができる。一方、駆動軸DXにより近い弾性部材85Bの弾性定数を、弾性部材88Bの弾性定数よりも大きくすることで、防振の最適化を図ることも可能である。
【0096】
以上に説明したように、本実施形態でも、工具本体5Bとアウタハウジング6Bとは、バネ81Aの弾性力が作用する状態で、第1ガイド部41にガイドされつつ、前後方向に相対的に摺動可能である。よって、前後方向の振動が、工具本体5Bからアウタハウジング6Bへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。更に、工具本体5Bとアウタハウジング6Bとは、Oリング83の弾性力が作用する状態で、駆動軸DXと交差する方向(例えば、上下方向、左右方向)にも相対移動可能である。よって、前後方向の振動、及び、駆動軸DXと交差する方向の振動が、工具本体5Bからアウタハウジング6Bへ伝達されるのを抑制することができる。
【0097】
また、上側連結部73Bとアウタハウジング6Bとは、弾性部材85Bの弾性力が作用する状態で、シャフト部633の軸方向(左右方向)にも、シャフト部633の軸に交差するあらゆる方向(例えば、前後方向、上下方向)にも移動可能である。よって、工具本体5Bからアウタハウジング6Bに前後方向の振動、及び、前後方向以外の方向の振動が伝達されても、ハンドル7Bにその振動が伝達されるのを抑制することができる。これにより、工具本体5Bの様々な方向の振動がハンドル7Bへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。
【0098】
同様に、下側連結部76Bと工具本体5Bとは、弾性部材88Bの弾性力が作用する状態で、シャフト部576の軸方向(左右方向)にも、シャフト部576の軸に交差するあらゆる方向(例えば、前後方向、上下方向)にも相対移動可能である。よって、工具本体5Bの様々な方向の振動がハンドル7Bへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。また、駆動軸DXからより遠い下側連結部76Bは、工具本体5Bに対して、シャフト部576の軸(実質的に左右方向に延びる軸)周りに回動可能である。よって、下側連結部76Bを工具本体5Bに対して回動させつつ、上側連結部73Bとアウタハウジング6Bとを、弾性部材85Bの弾性力が作用する状態で、最も大きな振動に対応する前後方向に相対移動させることができる。
【0099】
<第3実施形態>
以下、図11図13を参照して、第3実施形態に係るハンマドリル1Cについて説明する。ハンマドリル1Cは、工具本体5Cとアウタハウジング6Cとの連結構造、及び、ハンドル7Cと、アウタハウジング6C及び工具本体5Cとの連結構造において、第2実施形態のハンマドリル1Bとは異なる。一方、これらの連結構造以外については、ハンマドリル1Cは、ハンマドリル1Bと実質的に同一の構成(形状が若干異なる場合を含む)を有する。
【0100】
まず、工具本体5Cとアウタハウジング6Cとの連結構造について説明する。
【0101】
本実施形態では、工具本体5Cとアウタハウジング6Cとは、駆動軸DXに実質的に平行に(つまり、前後方向に)互いに摺動可能に、弾性的に連結されている。また、工具本体5Cとアウタハウジング6Cとは、駆動軸DXに交差する方向にも相対移動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図11及び図12に示すように、ハンマドリル1Cは、第2実施形態と同じく、バネ81Aと、Oリング83(図1参照)と、第1ガイド部41(図4参照)とを備えている。
【0102】
以下、ハンドル7Cと、アウタハウジング6C及び工具本体5Cとの連結構造について説明する。
【0103】
まず、上側連結部73Cとアウタハウジング6Cとの連結構造について説明する。本実施形態では、上側連結部73Cとアウタハウジング6Cとは、駆動軸DXに実質的に平行に(つまり、前後方向に)相対的に摺動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図11及び図12に示すように、上側連結部73Cとアウタハウジング6Cの間には、2つのバネ84Cが介在している。
【0104】
本実施形態では、バネ84Cには、機械バネの一例である圧縮コイルバネが採用されている。バネ84Cは、アウタハウジング6Cの後壁部611と、ハンドル7Cの上側連結部73Cとの間に、圧縮状態で配置されている。より詳細には、バネ84Cの前端部は、後壁部611の後面に設けられたバネ受け617(突起)に嵌め込まれ、支持されている。バネ84Cの後端部は、上側連結部73Cの前面に設けられたバネ受け737(突起)に嵌め込まれ、支持されている。バネ84Cは、アウタハウジング6Cと上側連結部73C(ハンドル7C)とを、前後方向において互いから離れるように(夫々を前方と後方とに)付勢し、これらの前後方向の相対移動を許容する。なお、本実施形態では、2つのバネ84Cは、上記平面Pの両側に対称状に配置されている。
【0105】
更に、ハンマドリル1Cには、アウタハウジング6Cに対する上側連結部73Cの前後方向の摺動をガイドするための第7ガイド部47が設けられている。より詳細には、第7ガイド部47は、アウタハウジング6Cに設けられたガイド孔471と、上側連結部73Cに設けられたガイドシャフト472とを含む。
【0106】
ガイド孔471は、アウタハウジング6Cの後壁部611を前後方向に貫通する孔である。ガイドシャフト472は、上側連結部73Cから前方に突出しており、ガイド孔471に挿入されている。ガイドシャフト472は、ガイド孔471に実質的に整合する断面形状を有する。ガイドシャフト472には、その軸方向に延在するネジ穴473が形成されている。上側連結部73Cと、アウタハウジング6Cとは、ガイドシャフト472がガイド孔471に挿入された状態で、後壁部611の内側からネジ穴473に締め付けられたネジ475によって連結されている。以上のような構成により、ガイドシャフト472は、ガイド孔471内を、前後方向にのみ摺動可能である。但し、別の実施形態では、第1実施形態のように、ガイド孔471に上下方向のクリアランスが設けられていてもよい。
【0107】
次に、下側連結部76Cと工具本体5Cとの連結構造について説明する。本実施形態では、下側連結部76Cと工具本体5Cとは、左右方向以外の全方向(例えば、前後方向、上下方向)に相対移動可能に、弾性的に連結されている。より詳細には、図13に示すように、下側連結部76Cと工具本体5Cの間には、2つの弾性部材88Cが介在している。
【0108】
弾性部材88Cは、ウレタン発泡体で形成されている。弾性部材88Cは、ハンドル7Cに設けられたシャフト部768に支持されている。シャフト部768は、下側連結部76Cの前端部の左右の側部767から、夫々、左方及び右方へ突出している。なお、シャフト部768は、左右方向において、平面Pの両側に対称状に配置されている。弾性部材88Cは、円筒状であって、シャフト部768の周囲に嵌め込まれ、保持されている。よって、2つの弾性部材88Cは、平面Pの両側に対称状に配置されている。
【0109】
一方、工具本体5Cのモータ収容部57には、左右一対の延出部577が設けられている。延出部577は、下側連結部76Cの側部767を部分的に覆うように、後壁部572から後方に突出している。弾性部材88Cは、延出部577の内面に形成された凹部578に嵌め込まれ、下側連結部76Cの前端部の側部767と、工具本体5Cの延出部577との間に、圧縮状態で介在する。なお、シャフト部768の先端は、延出部577に当接しており、これにより、下側連結部76Cと工具本体5Cとの左右方向の相対移動は規制されている。シャフト部768は、弾性部材88Cを弾性変形させつつ、凹部578内を、シャフト部768の軸(実質的に左右方向に延びる軸)に交差するあらゆる方向(例えば、前後方向、上下方向)に移動可能である。また、下側連結部76Cは、シャフト部768の軸周りに回動可能である。
【0110】
以上に説明したように、本実施形態でも、工具本体5Cとアウタハウジング6Cとは、バネ81Aの弾性力が作用する状態で、第1ガイド部41にガイドされつつ、前後方向に相対的に摺動可能である。よって、前後方向の振動が、工具本体5Cからアウタハウジング6Cへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。更に、工具本体5Cとアウタハウジング6Cとは、Oリング83の弾性力が作用する状態で、駆動軸DXと交差する方向(例えば、上下方向、左右方向)にも相対移動可能である。よって、前後方向の振動、及び、駆動軸DXと交差する方向の振動が、工具本体5Cからアウタハウジング6Cへ伝達されるのを抑制することができる。
【0111】
また、上側連結部73Cとアウタハウジング6Cとは、バネ84Cの弾性力が作用する状態で、前後方向に摺動可能である。一方、下側連結部76Cと工具本体5Cとは、弾性部材88Cの弾性力が作用する状態で、シャフト部768の軸に交差するあらゆる方向(例えば、前後方向、上下方向)に相対移動可能、且つ、軸周りに回動可能である。よって、下側連結部76Cを工具本体5Cに対して回動させつつ、上側連結部73Cとアウタハウジング6Cとを、バネ84Cの弾性力が作用する状態で、最も大きな振動に対応する前後方向に相対移動させることができる。また、工具本体5Cの様々な方向の振動が下側連結部76Cを介してハンドル7Cへ伝達されるのを効果的に抑制することができる。
【0112】
上記実施形態の各構成要素(特徴)と本開示又は発明の各構成要素(特徴)の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は、単なる一例であって、本開示又は本発明の各構成要素を限定するものではない。
【0113】
ハンマドリル1A、1B、1Cの各々は、「打撃工具」の一例である。打撃機構30は、「駆動機構」の一例である。第1ガイド部41及び第2ガイド部42の各々は、「ガイド部」の一例である。バネ81Aは、「第1弾性部材」、「機械バネ」の一例である。弾性部材82A及びOリング83の各々は、「第2弾性部材」、「ゴム又は弾性を有する合成樹脂」の一例である。バネ84Aは、「第3弾性部材」の一例である。弾性部材85Aは、「第4弾性部材」の一例である。バネ81A、84A、86A、84Cの各々は、「機械バネ」の一例である。弾性部材82A、85A、85B、88B、88Cの各々は、「ゴム又は弾性を有する合成樹脂」の一例である。ガイド部材74は、「支持部材」の一例である。上側連結部73A、73B、73Cの各々は、「ハンドルの第1端部」の一例である。下側連結部76A、76B、76Cの各々は、「ハンドルの第2端部」の一例である。シャフト部742、633、576の各々は、「シャフト」の一例である。
【0114】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る打撃工具は、例示されたハンマドリル1A、1B、1Cに限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態に例示されるハンマドリル1A、1B、1C、及び各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
【0115】
本開示に係る打撃工具は、先端工具を直線状に駆動する打撃動作のみを行うように構成された電動ハンマ(いわゆるscraper, demolition hammer)であってもよい。この場合、駆動機構3では、回転伝達機構35は省略される。また、運動変換機構には、クランク機構に代えて、回転体の回転に応じて揺動する部材(例えば、swash bearing、wobble plate/bearing)を用いてピストンを往復動させるように構成された周知の機構が採用されてもよい。
【0116】
モータ2にはブラシレス直流モータが採用されてもよい。モータ2は、充電式のバッテリから供給される電力により駆動されてもよい。また、駆動軸DXに対するモータ2(回転軸RX)の配置は適宜変更されうる。例えば、モータ2の回転軸RXは、駆動軸DXに斜めに交差してもよいし、駆動軸DXと平行であってもよい。モータ2の配置変更に応じて、又は変更にかかわらず、工具本体5A、5B、5Cの構成は適宜変更されうる。
【0117】
アウタハウジング6A、6B、6Cは、工具本体5A、5B、5Cの少なくとも一部を覆い、工具本体5A、5B、5Cに対して前後方向に摺動可能に弾性的に連結されている限りにおいて、適宜、変更されうる。また、ハンドル7A、7B、7Cも、少なくともアウタハウジング6A、6B、6Cに対して弾性的に連結されている限りにおいて、適宜、変更されうる。
【0118】
例えば、アウタハウジング6A、6B、6Cは、工具本体5A、5B、5Cの全体を覆うとともに、工具本体5A、5B、5Cに摺動可能であってもよい。この変形例では、上側連結部73A、73B、73C、及び、下側連結部76A、76B、76Cが、両方とも、アウタハウジング6A、6B、6Cに連結されればよい。あるいは、別の変形例では、アウタハウジング6A、6B、6Cは、別個に形成された上側部分と下側部分を含んでもよい。上側部分は、駆動機構収容部51に対して前後方向に摺動可能に、駆動機構収容部51の少なくとも一部を覆う。下側部分は、モータ収容部57に対して前後方向に摺動可能に、モータ収容部57の少なくとも一部を覆う。この変形例では、上側連結部73A、73B、73Cは上側部分に連結され、下側連結部76A、76B、76Cは下側部分に連結されればよい。また、ハンドル7A、7B、7Cの2つの端部のうち一方のみがアウタハウジング6A、6B、6Cに連結され、他方は自由端であってもよい。
【0119】
工具本体5A、5B、5Cとアウタハウジング6A、6B、6Cとを、駆動軸DXと実質的に平行な方向(前後方向)に連結するバネ81Aの構成、数、及び/又は配置は、適宜変更されうる。例えば、バネ81Aに代えて、圧縮コイルバネとは異なる種類の機械バネ(例えば、捩りバネ、皿バネ)、又は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂が採用されてもよい。ハンドル7A、7Cとアウタハウジング6A、6Cとを連結するバネ84A、86A、84Cにも同様の変更が可能である。また、バネ84Aとバネ86Aとは、異なる仕様を有し、バネ84Aの方が、バネ86Aよりも大きな初期荷重(取付荷重ともいう)が付与された状態で取り付けられていてもよい。
【0120】
同様に、工具本体5A、5B、5Cとアウタハウジング6A、6B、6Cとを、駆動軸DXと交差する方向に連結する弾性部材82Aについても、その構成、数、及び/又は配置は、適宜変更されうる。例えば、弾性部材82Aは、ウレタン発泡体ではなく、ゴム又は弾性を有する他の合成樹脂(例えば、エラストマ、ウレタン以外の合成樹脂発泡体)で形成されていてもよい。弾性部材82Aに代えて、例えば、複数の弾性部材が、例えば、上下方向及び/又は左右方向において、工具本体5A、5B、5Cとアウタハウジング6A、6B、6Cと間に介在していてもよい。ハンドル7A、7B、7Cとアウタハウジング6A、6B、6Cとを連結する弾性部材85A、85B、88B、88Cや、Oリング83にも同様の変更が可能である。
【0121】
工具本体5A、5B、5Cとアウタハウジング6A、6B、6Cとの、駆動軸DXと実質的に平行な方向(前後方向)の摺動をガイドするための構成は、第1ガイド部41、第2ガイド部42に限られない。例えば、第3ガイド部43又は第7ガイド部47と同様のガイド部が、工具本体5A、5B、5Cとアウタハウジング6A、6B、6Cに設けられてもよい。また、カバー421、442は、摺動をスムーズにし、且つ、弾性部材82A、85Aの摩耗を抑制する点で好ましいが、省略されてもよい。
【0122】
本発明及び上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、実施形態及びその変形例の特徴、あるいは各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記ガイド部は、
前記工具本体に設けられた本体側ガイド部と、
前記アウタハウジングに設けられ、前記第1ガイド部に対して前記第1方向に摺動可能なアウタ側ガイド部とを備える。
モータ収容部57の周壁部571の上端面411と、アウタハウジング6Aの周壁部61の下端面415は、夫々、本態様における「本体側ガイド部」と「アウタ側ガイド部」の一例である。カバー421とガイド筒425は、本態様における「本体側ガイド部」と「アウタ側ガイド部」の別の一例である。
[態様2]
前記工具本体は、前記駆動軸に沿って前記第1方向に延在し、前記駆動機構を収容する駆動機構収容部と、前記駆動機構に連結されて前記第2方向に延在し、前記モータを収容するモータ収容部とを含み、
前記アウタハウジングは、前記駆動軸に沿って前記第1方向に延在し、前記駆動機構収容部を覆っており、
前記本体側ガイド部は、前記モータ収容部の周壁部の前記第2方向の一端に設けられ、
前記アウタ側ガイド部は、前記アウタハウジングの周壁部の前記第2方向の一端に設けられている。
[態様3]
前記第2弾性部材は、ゴム又は弾性を有する合成樹脂で形成された環状部材であって、前記第1方向に延びるシャフトの周囲に配置されており、
前記本体側ガイド部及びアウタ側ガイド部のうち一方は、前記第2弾性部材の外周面を覆うカバーであって、
前記本体側ガイド部及びアウタ側ガイド部のうち他方は、前記カバーを前記第1方向に摺動可能に収容する筒状部である。
[態様4]
前記打撃工具は、前記ハンドルが前記アウタハウジングに対して前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向に移動するのを規制するように構成された規制部を更に備える。
第3ガイド部43、第4ガイド部44、第7ガイド部47の各々は、本態様の「規制部」の一例である。
[態様5]
前記規制部は、前記ハンドルと前記アウタハウジングとの前記第1方向及び前記第2方向の相対的な摺動をガイドするように構成されている。
【符号の説明】
【0123】
1A、1B、1C:ハンマドリル、2:モータ、21:ステータ、23:ロータ、25:モータシャフト、251:軸受、252:軸受、27:ファン、29:電源コード、3:駆動機構、30:打撃機構、35:回転伝達機構、36:ツールホルダ、37:動吸振器、371:ウェイト、372:バネ、373:収容部、374:バネ受け、41:第1ガイド部、411:上端面、415:下端面、42:第2ガイド部、421:カバー、423:ネジ、425:ガイド筒、43:第3ガイド部、431:ガイド孔、432:ガイドシャフト、433:ネジ穴、435:ネジ、44:第4ガイド部、441:前端部、442:カバー、445:ガイド通路、446:第1部分、447:第2部分、45:第5ガイド部、451:ガイド孔、452:ガイドシャフト、454:ネジ穴、455:ネジ、46:第6ガイド部、461:前端部、465:ガイド通路、47:第7ガイド部、471:ガイド孔、472:ガイドシャフト、473:ネジ穴、475:ネジ、5A、5B、5C:工具本体、51:駆動機構収容部、511:後壁部、52:バレル部、53:クランクハウジング、57:モータ収容部、571:周壁部、572:後壁部、573:バネ受け、575:延出部、576:シャフト部、577:延出部、578:凹部、6A、6B、6C:アウタハウジング、61:周壁部、611:後壁部、612:バネ受け、614:バネ受け、617:バネ受け、63:側部、633:シャフト部、7A、7B、7C:ハンドル、71:把持部、711:スイッチレバー、713:スイッチ、73A、73B、73C:上側連結部、731:バネ受け、733:延出部、734:凹部、737:バネ受け、74:ガイド部材、742:シャフト部、749:ネジ、76A、76B、76C:下側連結部、761:バネ受け、765:側部、766:凹部、767:側部、768:シャフト部、77:ガイド部材、773:ネジ、81A、84A、84C、86A:バネ、82A:弾性部材、83:Oリング、85A、85B、88B、88C:弾性部材、91:先端工具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13