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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111131
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】収納体
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A45C11/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098382
(22)【出願日】2024-06-18
(62)【分割の表示】P 2020199930の分割
【原出願日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2019218598
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514295389
【氏名又は名称】安仁屋 恵麻
(72)【発明者】
【氏名】安仁屋 恵麻
(57)【要約】
【課題】収納物を収納体から出し入れする際に手間を要さず、収納物が周囲の物と直接触れないようにできる、収納体を提供する。
【解決手段】 収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に開孔が設けられ、頂の開口部を形成する辺と底の開口部を形成する辺とを結ぶ線に沿って、この筒状体のシートが切り開かれた状態に形成され、開かれた切れ目部分は、収納物の取出口として用いられる。
なお、筒状体の、頂の開口部近傍に設けられた開孔には、収納物を吊り下げた状態で収める際に必要な挿通部材等を、挿通することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に、収納物を吊り下げた状態で収める際に必要な部材を挿通することができる開孔が、一又は複数個、設けられ、
前記筒状体に、前記頂の開口部を形成する辺と底の開口部を形成する辺とを結ぶ線に沿って切れ目が形成され、
前記筒状体の切れ目部分は、前記収納物の取出口として用いられる、ことを特徴とし、
前記収納体の内部に、一又は複数個の挿通部材を備えた前記収納物、が収められている状態において、
前記挿通部材が、前記収納体の前記開孔に、前記収納体の内部から外部に向けて挿通されることにより、
前記挿通部材が前記収納体の前記開孔から前記収納体の内側には脱落するが、
前記収納物を構成する一部分が、前記収納体の前記開孔に、前記収納体の内側から引っ掛かることによって、
前記挿通部材が前記収納体の前記開孔から前記収納体の外側には脱落しない仕組み。
【請求項2】
前記収納物が拭き布であることを特徴とする、請求項1に記載の仕組み。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収納体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、収納体として、取付具付きであると共に、頂面がハンカチの出し入れ口として開口され、底面が閉鎖された、筒状の通気面にて形成されていて、縦寸法は、内部に収納されたハンカチの上部が頂面の開口部より外部露出する寸法に設定されており、内部に収納されたハンカチが、上部を手で摘まむことによって、頂面の開口部から容易に取出し可能となっている、ことを特徴とする携帯用ハンカチ入れが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
これにより、トイレなどでのハンカチの使用に際し、直ちにハンカチを頂面の開口部から取り出して手を拭ける、という利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-131195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述の従来例の携帯用ハンカチ入れは、頂面のみが開口していて底面が閉口している為、ハンカチの出し入れは、頂面からのみ行うことができる。この携帯用ハンカチ入れは、ハンカチの上部を手で摘まむことによって、内部に収めてあるハンカチを、容易に取り出すことができる。
しかし、この携帯用ハンカチ入れには、外部露出させたハンカチの上部が周囲のものと直接触れてしまうなどの問題がある。
【0006】
本発明の収納体は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、拭き布を収納体から出し入れする際に手間を要さず、拭き布が周囲の物と直接触れないようにできる、収納体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成する為に、本発明の収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に開孔が設けられ、頂の開口部を形成する辺と底の開口部を形成する辺とを結ぶ線に沿って、この筒状体が切り開かれた状態に形成され、開かれた切れ目部分は、拭き布の取出口として用いられる。
なお、筒状体の、頂の開口部近傍に設けられた開孔には、拭き布を吊り下げた状態で収める際に必要な挿通部材などを、挿通することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の収納体では、拭き布を外部に出す際は、収納体を、拭き布の取出口から手で開くことにより、内部に収めてある拭き布を、拭き布の取出口や、収納体の頂の開口部や、収納体の底の開口部から、外部に出すことができる。
【0009】
また、拭き布を収納体の内部に収める際は、収納体を、拭き布の取出口から手で開くことにより、外部に出されている拭き布を、拭き布の取出口や、収納体の頂の開口部や、収納体の底の開口部から、内部に収めることができる。
【0010】
これにより、拭き布を収納体から出し入れする際に手間を要さず、拭き布の迅速な使用が可能になるとともに、収納した拭き布が周囲の物と直接触れないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(A)は、第1の収納体の側面図であり、(B)は、第1の収納体の内部に拭き布を収めた状態を示す正面図であり、(C)と(D)は、第1の収納体の外部に拭き布を出した状態を示す正面図である。また、(E)は、拭き布が備えている取付手段についての説明図である。
図2】(A)は、第2の収納体の側面図であり、(B)は、第2の収納体の内部に拭き布を収めた状態を示す正面図であり、(C)と(D)は、第2の収納体の外部に拭き布を出した状態を示す正面図である。
図3】(A)は、第3の収納体の内部に拭き布を収めた状態を示す側面図であり、(B)は、第3の収納体の外部に拭き布を出した状態を示す側面図である。
図4】(A)、(B)及び(C)は、第4の収納体の正面図であり、第4の収納体への挿通部材の装備例を示す。
図5】(A)、(B)及び(C)は、第5の収納体の側面図であり、(B)と(C)は、第5の収納体への、拭き布が備えている略輪状部分の取付例を示す。
図6】(A)と(B)は、第5の収納体の他の構成例の側面図であり、(B)は、第5の収納体への、拭き布が備えている略紐状部分の取付例を示す。
図7】(A)、(B)及び(C)は、第5の収納体の他の構成例の側面図であり、(B)と(C)は、第5の収納体への、拭き布が備えている略鉤状部分の取付例を示す。
図8】(A)は、他の構成例1の収納体の内部に拭き布を収めた状態を示す正面図であり、(B)と(C)は、拭き布の、他の構成例1の収納体の外部への出し方の例を示す、正面図である。
図9】(A)は、他の構成例2の収納体の、拭き布の取出口が閉じている状態を示す側面図であり、(B)は、他の構成例2の収納体の、拭き布の取出口が開いている状態を示す側面図である。
図10】他の構成例3の収納体の例を示す正面図である。
図11】(A)と(B)は、他の構成例4の収納体の例を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、本発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の構成の範囲を逸脱せずに本発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0013】
(第1の収納体)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る収納体(以下、第1の収納体と称する)について説明する。図1(A)は、第1の収納体の側面図であり、図1(B)は、第1の収納体の内部に拭き布50を収めた状態を示す正面図であり、図1(C)と図1(D)は共に、第1の収納体の外部に拭き布50を出した状態を示す正面図であるが、図1(C)は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cと拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとの間が、開かれた状態を示し、図1(D)は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cと拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとの間が、閉じられた状態を示している。
拭き布50を使用する際には、図1(B)から図1(C)の状態を経て、図1(D)の状態に遷移するように、拭き布50を、拭き布の取出口や収納体の頂の開口部から、第1の収納体の外部に出すものとする。
【0014】
第1の収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に開孔20が設けられ、頂の開口部を形成する辺10aと底の開口部を形成する辺10bとを結ぶ線で、この筒状体が切り開かれた状態に形成され、開かれた切れ目部分の辺は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10c、拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとされ、この切れ目部分が拭き布の取出口として用いられる。
さらに、頂の開口部近傍に設けられた開孔20に、挿通部材30が挿通する状態に備えられ、この挿通部材30に、一又は複数個の、拭き布50を保持させる為の収納物保持用クリップ40が、摺動可能に取り付けられて構成される。
ここで、開孔20に挿通する状態に備えられた挿通部材30の両端は、繋げられた状態、すなわち輪状態になっている。挿通部材30は、例えば繋げられていない状態で開孔20に挿通された後、結着、接着、部品を介した連結、嵌め込み、などにより輪状に繋げられて構成される。
【0015】
ここで、挿通部材30が伸縮性を備えていると、収納体の、拭き布の取出口や底の開口部より中に指を入れて、拭き布50を下方に向けて引っ張ることで、収納体の底の開口部からも、第1の収納体の外部に拭き布50を出すことができる。
この挿通部材30の伸縮性は、例えばゴムなど伸縮性のある素材を使うことによって実現させても良いし、留め具を使った長さ調節の仕組みによって実現させても良いし、結び方による長さ調節の仕組みによって実現させても良い。
【0016】
しかし、必ずしも挿通部材30が伸縮性を備えていなくとも、拭き布50を収納体の底の開口部から外部に出すことができる場合もある。それは、大きなサイズの拭き布50を、折り畳むなどして小さくした状態で収納体に収めた場合である。
こうした場合は、収納体の、拭き布の取出口や底の開口部より中に指を入れて、拭き布50を下方に向けて引っ張ることで、小さく収まっていた拭き布50が大きく広がり、収納体の底の開口部から拭き布50がはみ出た状態となり、はみ出た部分をさらに下方に向けて引っ張ることで、収納体の底の開口部から拭き布50を外部に出すことができるからである。
【0017】
この収納体では、内部に拭き布50を収めると、拭き布50の一端が、収納体の頂の開口部近傍に吊り下げられた状態で維持される為、収納体の底が開口部であるにも関わらず、収納した拭き布50が落下しない。
【0018】
この収納体の使用者は、好みで、拭き布50を収納物保持用クリップ40から取り外した状態でも使用することができる。
【0019】
挿通部材30に、収納物保持用クリップ40が複数個取り付けられている場合、少なくとも一個の収納物保持用クリップ40が、収納体の外部に出された状態になっていて、この外部に出された収納物保持用クリップ40が、拭き布50を保持させる目的ではなく、収納体自体を鞄や腰ベルトなどに対して取り付ける目的で使われても良い。
【0020】
挿通部材30に、収納物保持用クリップ40が複数個取り付けられている場合、少なくとも二個の収納物保持用クリップ40が、収納体の内部に入れられた状態になっていて、この収納体の内部に入れられた各々の収納物保持用クリップ40に、別々の拭き布50を保持させることによって、収納体の内部に複数枚の拭き布50を収めても良い。
【0021】
開孔20は、挿通部材30などを挿通することができる開孔であって、打ち抜かれて出来たか、折り曲げた紐を取り付けることで出来たか、など製法は問わない。従って、開孔20には、どちらの製法によって出来た開孔も含まれる。
【0022】
この収納体において、挿通部材30の役割は、拭き布50を収納体から出し入れする際に、拭き布50を落下させることなく、かつ、拭き布50を外部や内部に向けて滑らかに動かせるように、補助することである。
【0023】
挿通部材30が、収納体を鞄や腰ベルトなどに対して取り付ける為の、取付部材としての役割を兼ねるように構成することがある。この場合、挿通部材30の一又は複数箇所が開閉可能な形状(例えば、カラビナのような形状)になっていると、収納体を容易に鞄や腰ベルトなどに対して取り付けることができるようになり、便利である。
また、挿通部材30が、収納体の持ち手としての役割を兼ねるように構成することもある。この場合、挿通部材30を、手に持つ他、肩に掛ける、肩から体に対して斜め掛けする、首に掛ける、など様々な持ち方に適した長さに形成できるものとする。
【0024】
挿通部材30には、金属、樹脂、ナイロン、ポリエステル、綿、革、など任意好適な素材を用いることができる。
【0025】
この収納体のシート10を、次のような手順を経て形成することもできる。
まず、略方形状のシート10を用意し、このシート10の任意の一辺が辺10aとして定められ、辺10aに対向する一辺が辺10bとして定められ、辺10aに沿った領域に開孔20が設けられ、このシート10が、辺10aを天に辺10bを地にした状態で水平方向に巻かれることで、辺10aによって頂の開口部が形成され、辺10bによって底の開口部が形成される。
なお、シート10の形状は、必ずしも略方形状に限定されない。円形や楕円形やハート形、など任意好適な形状のものを用いることができる。
【0026】
この収納体は、頂および底が開口された筒状体を切り開いた状態に形成されるが、ここで、筒状体は、例えば、頂の開口部や底の開口部が筒状体の内側に向けて窄まった形状、頂の開口部や底の開口部が筒状体の外側に向けて広がった形状、あるいは、収納体の内部に収めた拭き布50にフィットする形状、など円筒や角筒に限らず、任意好適な形状のものを用いることができる。
底の開口部が筒状体の外側に向けて広がった形状になっていると、収納体を、机上などに安定した状態で立てて置くこともできるようになる。
【0027】
収納体のシート10が、拭き布の取出口を手で開かれた状態から手を離された時に、自然に取出口が閉じた状態になる、復元性を備えていると、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cや第二の辺10dの近傍に、留め具が備わっていなくとも、拭き布の取出口が不意に開いて拭き布50が収納体の外部に飛び出してしまうこと、を防げる。
【0028】
収納体のシート10には、シリコン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、プラスチック、ビニール、など樹脂の他、綿、麻、竹、極細化学繊維、ナイロン、ポリエステル、などで作られた布や、皮革、など任意好適な素材を用いることができる。
また、スチールなどの金属を収納体のシート10に内蔵などして用いることもある。
【0029】
収納体のシート10が抗菌性を有するものであると、収納体を、より衛生的な状態に保つことができる。例えば、収納体のシート10には、シート10の素材中に抗菌性物質が練り込まれる、シート10の面に抗菌性物質が塗布される、シート10の面に抗菌性物質がコーティングされる、などの方法によって抗菌処理を施された、樹脂、皮革、布、など任意好適なものを用いることができる。
【0030】
収納体のシート10が難透液性を持っていると、拭き布50に吸収された液体が収納体の外部にまで滲み出しにくくなり、この収納体を物や衣服などと密着した状態で携帯する状況において、物や衣服などが拭き布50に吸収された液体によって汚されるリスクが低くなる。
ただし、拭き布50から下方に液体が滴り落ちる心配がある場合には、この収納体の取付位置などに、配慮が必要である。
【0031】
内部に収めた拭き布50を、周囲から遮って隠した状態にする為には、収納体のシート10が不透明または不透明に近いものである、ことが好ましい。
【0032】
収納体が透光性を有するシート10で形成されていると、収納体に太陽などの光が当たる状況下において、収納体の底の開口部からの内部通気性が高まって、液体を吸収した状態の拭き布50が、より乾きやすくなることが期待できる。
これは、収納体の内気が、収納体のシート10を透過した太陽などの光によって温められることで収納体の外気よりも高温になると、収納体の内部で空気の上昇気流が発生し、収納体の底の開口部から外気を内部に引き入れながら収納体の頂の開口部から内気を外部に逃す現象が起きることによる。
【0033】
収納体のシート10が透光性を有さずとも、収納体の内部で空気の上昇気流を発生させられるようにする為に、収納体のシート10として、収納体の内気を温めることができるような、発熱性や集熱性などの機能を有する特殊シートを用いても良い。
あるいは、収納体の内部に、発熱性を有する、例えば、吸湿発熱繊維で織られた拭き布50などを収める方法を用いても良いし、棒状や球状などの発熱体を、拭き布50と共に収納体の内部に収める方法を用いても良いし、板状などの発熱体を、収納体の底の開口部より下に設置する方法を用いても良い。
これらのような方法によって、必ずしも収納体のシート10が透光性を有さずとも、収納体の内部で空気の上昇気流を発生させられるようになり、収納体の底の開口部からの内部通気性を高めることができる。
【0034】
収納体のシート10に、一又は複数個の空気孔が設けてあると、空気孔が無い場合と比較して、収納体の側面からの内部通気性が高まり、液体を吸収した状態の拭き布50が、より乾きやすくなる効果を期待できる。
ただし、収納体の内部に収納された拭き布50が、収納体内部に発生した上昇気流によって乾きやすくなる効果を期待する場合には、収納体のシート10に空気孔は無い方が好ましい。
なぜなら、空気孔が有ることによって、収納体の内気が空気孔から収納体の外部に逃げてしまい、収納体の内気が、収納体の内部に上昇気流が発生する温度にまで十分に上がりきらず、収納体内部に上昇気流が発生しづらくなるからである。
【0035】
収納体のシート10の、拭き布の取出口部分は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cと拭き布の取出口を形成する第二の辺10dのうち、どちらか一方が別の一方よりも手前側にくる状態に、前後に重なった状態になっていても良いし、重なった状態になっていなくても良い。
【0036】
この収納体の使用者が右利きであっても左利きであっても、この収納体を違和感なく使用できるようにする為に、次のような工夫を施すことがある。
収納体の頂の開口部近傍だけでなく、収納体の底の開口部近傍にも開孔20を設けることによって、収納体の天地の向きを逆さまにし、さらに、挿通部材30も頂になった側の開孔20に挿通し直すことによって、収納体を、天地の向きを入れ替えた状態でも使用できるようにする。
このように構成することで、収納体のシート10の、拭き布の取出口部分が、前後に重なっている状態において、その重なりの向きが、収納体の天地の向きを逆さまにすることで入れ替わり、この収納体の使用者が、右利きであっても左利きであっても、拭き布の取出口を手で開く作業を、違和感なく行えるようになる。
なお、収納体のシート10の、拭き布の取出口部分の重なりの向きを入れ替える方法は他にもあり、拭き布の取出口を手で開き、シート10の重なった部分を、手で前後に入れ替えても良い。
いずれの方法を選択するかは、収納体のデザインや形状などにも依る。
【0037】
拭き布50が、挿通部材30に取り付け可能な略輪状部分50a、略紐状部分50b、略鉤状部分50c、などの取付手段を備えていれば、この収納体の挿通部材30に収納物保持用クリップ40が一個も取り付けられていなくとも、挿通部材30に直接、拭き布50を取り付けて、拭き布50を収納体に収めることができる。
【0038】
拭き布50が挿通部材30に取り付け可能な取付手段を何も備えておらず、かつ、この収納体の挿通部材30に収納物保持用クリップ40が一個も取り付けられていなくとも、拭き布50を収納体に収めることができる場合がある。
それは、拭き布50を挿通部材30に対して渡し掛けた状態で収納することが可能な場合である。渡し掛けた状態で収納することが可能か否かは、挿通部材30の開孔20への挿通方法、挿通部材30の材質や形状、拭き布50の材質や形状、などによる。
例えば、挿通部材30の開孔20への挿通方法の一例として、挿通部材30が複数本、開孔20に挿通されている場合が挙げられる。挿通部材30が、複数本、挿通されていると、拭き布50を各々の挿通部材30に対して渡し掛けることによって、特に、挿通部材30や拭き布50が滑りにくい材質などでなくとも、拭き布50が挿通部材30から滑り落ちにくくなる。
【0039】
ここでは、拭き布50には、手などを拭く為に用いる、ハンカチ、ミニタオル、マイクロファイバー、不織布、紙製タオル、などの他、器具、器械、機械、ボール、床、棚、などを拭く為に用いる、雑巾、布切れ、なども含むものとする。
【0040】
この収納体には、拭き布以外の収納物も、収めることができる。
ここで収納物とは、例えば、おしゃぶり、歯固め、掃除用ブラシ、モップ、傘、コート、折り畳み式バッグ、などを含む生活用品全般、野菜、果物、などを含む生鮮食品全般、鍵、携帯電話、スマートフォン、防犯ブザー、笛、などを含むセキュリティー商品全般、ハサミ、カッター、ペン、などを含む文房具全般、ぬいぐるみ、チャーム、メガネ、サングラス、などを含む雑貨品全般、歯ブラシ、マスク、マスクケース、ウイルス除去用品、除菌用品、などを含む衛生用品全般、ポリ袋、ビニール袋、紙製タオル、ティッシュペーパー、などを含む消耗品全般、である。
これらを収納体の内部に収めた場合であっても、内部に拭き布を収めた場合と同様の効果、すなわち、周囲の物と直接触れないようにできる効果、などを期待できる。
また、内部に拭き布を収める場合と同様に、挿通部材30に収納物保持用クリップ40が一個も取り付けられていない場合であっても、挿通部材30に直接、収納物を取り付ける、あるいは収納物を渡し掛ける、などすれば、収納物を収納体の内部に収めることができる。
【0041】
この収納体に、ポリエチレン製袋、ポリプロピレン製袋、塩化ビニール製袋、など一般的に使い捨て用とされる袋を収めても良い。
こうした使い捨て用袋の中には、複数枚が重ねられた状態で、袋の上部に袋を吊り下げた状態で収める際に必要な開孔が設けられていて、吊り下げられた状態で袋が下方に向けて引っ張られると、袋が開孔部分から千切れて、引っ張られた袋が取れる仕組みになっているものがある。
また、袋の上部に開孔だけでなく切り取り線も設けてあり、吊り下げられた状態で袋が下方に向けて引っ張られると、袋が切り取り線から上下に分断されて、引っ張られた袋が取れる仕組みになっているものもある。
こうした仕組みを備えた使い捨て用袋が収納体に収められた状態において、収納体の開かれた切れ目部分や収納体の底の開口部より中に指を入れて、袋を下方に向けて引っ張ると、複数枚が重ねられた状態になっている使い捨て用袋のうち必要な枚数だけを、収納体の外部に出すことができる。
なお、この場合の収納物が、必ずしも使い捨て用袋ではなく、例えば紙製タオルなど、一般的に使い捨て用とされる他の物であっても、同じことが言える。
【0042】
この収納体に、携帯時に結露の発生が気になる収納物全般を収めても良い。結露が服や鞄などに付着することを防げるようになると共に、収納体のシート10による断熱効果によって、収納物に結露自体が発生しづらくなることも期待できる。
【0043】
この収納体に、静電気の帯電が気になる収納物全般を収めても良い。収納物が帯電によって服や鞄などに纏わりつくことを防げるようになると共に、収納体のシート10による収納物の隔離効果によって、収納物が帯電しづらくなることも期待できる。収納体のシート10に、帯電防止作用や静電気除去作用などが備わっていると、なお良い。
【0044】
収納体のシート10に、保冷作用または保温作用、あるいは、この両方の作用が備わっていると、収納物を適温状態で収納することができる。
収納体のシート10が、アルミ、ステンレス、などの素材から作られた機能性シートであっても良いし、高吸水性ポリマーなどが封入されたものであっても良い。
【0045】
(第2の収納体)
図2を参照して、本発明の第2の実施形態に係る収納体(以下、第2の収納体と称する)について説明する。図2(A)は、第2の収納体の側面図であり、図2(B)は、第2の収納体の内部に拭き布50を収めた状態を示す正面図であり、図2(C)と図2(D)は、共に第2の収納体の外部に拭き布50を出した状態を示す正面図であるが、図2(C)は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cと拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとの間が、開かれた状態になっていて、図2(D)は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cと拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとの間が、閉じられた状態になっている。
拭き布50を使用する際には、図2(B)から図2(C)の状態を経て、図2(D)の状態に遷移するように、拭き布50を、拭き布の取出口や収納体の頂の開口部から、第2の収納体の外部に出すものとする。
なお、第1の収納体と同様に構成される部分については、重複する説明を省略することがある。
【0046】
第2の収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に開孔20が設けられ、頂の開口部を形成する辺10aと底の開口部を形成する辺10bとを結ぶ線で、この筒状体が切り開かれた状態に形成され、開かれた切れ目部分の辺は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10c、拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとされ、拭き布の取出口として定められる。
さらに、頂の開口部近傍に設けられた開孔20には、挿通部材30が挿通する状態に備えられ、この挿通部材30に、一又は複数個の、拭き布50を保持させる為の収納物保持用クリップ40が、摺動可能に取り付けられて構成される。
ここで、第2の収納体において、第1の収納体と異なる点は、開孔20に挿通する状態に備えられた挿通部材30の両端が、繋がっていない状態で、さらに、開孔20より収納体の内側に出ている挿通部材30の端が硬質で、下方に向けて凸となる湾曲部を持つ鉤状を成している点である。
このように構成することによって、収納物保持用クリップ40は、収納体の内部で、挿通部材30の鉤状部分に引っ掛けられた状態となり、拭き布50を、拭き布の取出口や頂の開口部から、収納体の外部に出すと、それと同時に収納物保持用クリップ40が挿通部材30から外れ、収納物保持用クリップ40で保持された拭き布50が収納体から完全に分離した状態になる。拭き布50を収納体から分離させた状態で使う方が便利であると考えられる場合などに、このような形状の挿通部材30を用いることがある。
【0047】
なお、開孔20より収納体の外側に出ている挿通部材30の端が硬質で、上方に向けて凸となる湾曲部を持つ鉤状を成していると、この鉤状部分を鞄やベルトなどに引っ掛けて取り付けることができるようになる。
開孔20より収納体の外側に出ている挿通部材30の端は、このような鉤状を成していても良いし、画鋲状、シール状、マグネット状、クリップ状、など他の形状を成していても良い。
例えば、開孔20より収納体の外側に出ている挿通部材30の端が、画鋲状、シール状、マグネット状、クリップ状、などになっていると、この収納体を、部屋の中の所定の場所などに固定して設置できるようになる。
【0048】
この収納体には、拭き布以外の収納物も収めることができる。第2の収納体において、挿通部材30に収納物保持用クリップ40が一個も取り付けられていない場合であっても、挿通部材30に直接、収納物を取り付ける、あるいは収納物を渡し掛ける、などすれば、収納物を収納体の内部に収めることができる。
【0049】
(第3の収納体)
図3を参照して、本発明の第3の実施形態に係る収納体(以下、第3の収納体と称する)について説明する。図3(A)は、第3の収納体の内部に拭き布50を収めた状態を示す側面図であり、図3(B)は、第3の収納体の外部に拭き布50を出した状態を示す側面図である。
拭き布50を使用する際には、図3(A)から図3(B)の状態に遷移するように、拭き布50を、拭き布の取出口や収納体の頂の開口部から、第3の収納体の外部に出すものとする。
なお、第1の収納体や第2の収納体と同様に構成される部分については、重複する説明を省略することがある。
【0050】
第3の収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に開孔20が設けられ、頂の開口部を形成する辺10aと底の開口部を形成する辺10bとを結ぶ線で、この筒状体が切り開かれた状態に形成され、開かれた切れ目部分の辺は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10c、拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとされ、拭き布の取出口として定められる。
さらに、開孔20には、挿通部材30が挿通する状態に備えられ、この挿通部材30に、一又は複数個の、拭き布50を保持させる為の収納物保持用クリップ40が、固定された状態に取り付けられて構成される。
【0051】
ここで、第3の収納体において、第1や第2の収納体と異なる点は、挿通部材30に、収納物保持用クリップ40が、摺動可能ではなく固定された状態に取り付けられる点である。拭き布50を、拭き布の取出口や収納体の頂の開口部から、収納体の外部や内部に向けて出し入れできるようにする為には、挿通部材30に固定された状態の収納物保持用クリップ40が収納体の外部や内部に向けて滑らかに動くように、挿通部材30自体を動かす必要がある。
図3において、挿通部材上における地点30aは、挿通部材30上の任意の一地点を示しており、挿通部材30に固定された状態の収納物保持用クリップ40が収納体の内部から外部に向けて動くようにする為には、例えば、地点30aが図3(A)から図3(B)の位置にまで移動するように、挿通部材30自体を動かせるようになっていなければならず、逆に、挿通部材30に固定された状態の収納物保持用クリップ40が収納体の外部から内部に向けて動くようにする為には、先程の地点30aが、図3(B)から図3(A)の位置にまで移動するように、挿通部材30自体を動かせるようになっていなければならない。
【0052】
この収納体には、拭き布以外の収納物も収めることができる。第3の収納体において、挿通部材30に収納物保持用クリップ40が一個も取り付けられていない場合であっても、挿通部材30に直接、収納物を取り付ける、あるいは収納物を渡し掛ける、などすれば、収納物を収納体の内部に収めることができる。
【0053】
(第4の収納体)
図4を参照して、本発明の第4の実施形態に係る収納体(以下、第4の収納体と称する)について説明する。図4(A)、(B)及び(C)は、第4の収納体の正面図であり、第4の収納体への挿通部材30の装備例を、それぞれ示している。
なお、第1~第3の収納体と同様に構成される部分については、重複する説明を省略することがある。
【0054】
第4の収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に開孔20が少なくとも2つ設けられ、頂の開口部を形成する辺10aと底の開口部を形成する辺10bとを結ぶ線で、この筒状体が切り開かれた状態に形成され、開かれた切れ目部分の辺は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10c、拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとされ、拭き布の取出口として定められる。
さらに、頂の開口部近傍に設けられた少なくとも2つの開孔20に、挿通部材30が挿通する状態に備えられ、この挿通部材30に、一又は複数個の、拭き布50を保持させる為の収納物保持用クリップ40が、摺動可能または固定された状態に取り付けられて構成される。
ここで、開孔20に挿通する状態に備えられた挿通部材30の両端は、繋げられた状態になっていても繋げられた状態になっていなくても、どちらでも良い。
第4の収納体において、第1~第3の収納体と異なる点は、頂の開口部近傍に、挿通部材30を挿通させることができる開孔20が、少なくとも2つある点である。
【0055】
第4の収納体では、取り付けられた複数個の収納物保持用クリップ40各々に、別々の拭き布50を保持させることで、収納体の内部に複数枚の拭き布50を収めることができる。
【0056】
第4の収納体では、例えば図4(A)のように、2つの開孔20に挿通部材30が通してある場合において、開孔と開孔とを結ぶ架空の線が、収納体の頂の開口部を上方から見たときの開口部の中心付近を通るように、2つの開孔の位置を決定すると、収納物を収納体に収めた時に、収納物が収納体の中央付近にバランス良く吊るされた状態になるように構成できる。
もし挿通部材30を挿通させることができる開孔20が1つしかなければ、収納体に収めた収納物は、収納体の中央付近よりも開孔部側に寄った位置に吊るされることとなるが、開孔部が複数個ある場合には、開孔部の位置によって、収納物が収納体の中で吊るされる位置を調節することができる。
【0057】
この収納体には、拭き布以外の収納物も収めることができる。第4の収納体において、挿通部材30に収納物保持用クリップ40が一個も取り付けられていない場合であっても、挿通部材30に直接、収納物を取り付ける、あるいは収納物を渡し掛ける、などすれば、収納物を収納体の内部に収めることができる。
【0058】
(第5の収納体)
ここまでは、収納体に設けられた開孔20に、挿通する状態に挿通部材30が備わっている例を説明してきたが、これに限定されない。以下、収納体に設けられた開孔20に、挿通部材30が備わっていない例を説明する。
図5を参照して、本発明の第5の実施形態に係る収納体(以下、第5の収納体と称する)について説明する。図5(A)、(B)及び(C)は、第5の収納体の側面図であり、図5(B)と図5(C)は、第5の収納体への、略輪状部分50aを備えている拭き布50の取付例を示している。
次に、図6を参照して、第5の収納体の他の構成例について説明する。図6(A)と図6(B)は、第5の収納体の他の構成例の側面図であり、図6(B)は、第5の収納体の他の構成例への、略紐状部分50bを備えている拭き布50の取付例を示している。
次に、図7を参照して、第5の収納体の他の構成例について説明する。図7(A)、(B)及び(C)は、第5の収納体の他の構成例の側面図であり、図7(B)と図7(C)は、第5の収納体の他の構成例への、略鉤状部分50cを備えている拭き布50の取付例を示している。
なお、第1~第4の収納体と同様に構成される部分については、重複する説明を省略することがある。
【0059】
第5の収納体は、頂および底が開口された筒状体の、頂の開口部近傍に開孔20が設けられ、頂の開口部を形成する辺10aと底の開口部を形成する辺10bとを結ぶ線で、この筒状体が切り開かれた状態に形成され、開かれた切れ目部分の辺は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10c、拭き布の取出口を形成する第二の辺10dとされ、拭き布の取出口として定められる。
第5の収納体においては、頂の開口部近傍に設けられた開孔20に、挿通部材30を備えない。第5の収納体は、拭き布50自体が、略輪状部分50a(図5)、略紐状部分50b(図6)、略鉤状部分50c(図7)、など取付手段を備えていることを、この収納体に収めるうえでの前提条件とし、収納体に拭き布50を収める際には、開孔20に直接、拭き布50の取付手段を挿通する状態に取り付けて、拭き布50を収納体の内部に収めるものとする。
【0060】
この収納体には、拭き布以外の収納物も収めることができる。第5の収納体において、開孔20に直接、収納物を取り付けるなどすれば、収納物を収納体の内部に収めることができる。
【0061】
(収納体の他の構成例1)
これまで、挿通部材30が伸縮性を備えていると、収納体の、拭き布の取出口や底の開口部より中に指を入れて、拭き布50を下方に向けて引っ張ることで、収納体の底の開口部からも拭き布50を収納体の外部に引き出すことができるようになると説明をしたが、この、挿通部材30の伸縮性による効果を、自動巻取り式紐保持部60という部材を使っても、同様に達成することができる。
この場合は、第1~4の収納体の挿通部材30上に、あるいは第5の収納体の開孔20に、自動巻取り式紐保持部60を取り付けて構成する。
図8(B)は、この構成例の収納体の、拭き布の取出口から拭き布50を出す方法を示した説明図であり、拭き布50を、図8(A)から図8(B)の状態に遷移するように、収納体の外部に出す様子を示している。
また、図8(C)は、この構成例の収納体の底の開口部から拭き布50を出す方法を示した説明図であり、拭き布50を、図8(A)から図8(C)の状態に遷移するように、収納体の外部に出す様子を示している。
ここで、この自動巻取り式紐保持部60には、紐60aを介して、拭き布50を保持させる為の収納物保持用クリップ40が取り付けられ、紐60aの伸長方向に力が掛けられた状態では、自動巻取り式紐保持部60と収納物保持用クリップ40とが離間し、紐60aの伸長方向の力が掛けられない状態では、自動巻取り式紐保持部60と収納物保持用クリップ40とが接近する構造になっている。ここで、説明した自動巻取り式紐保持部60には、リールキーホルダーという名称で市販されている物などが該当する。
このように収納体を構成することによって、収納物保持用クリップ40で保持された拭き布50を、拭き布の取出口や収納体の頂の開口部からだけでなく、収納体の底の開口部からも、外部に出すことができるようになる。
【0062】
この収納体には、拭き布以外の収納物も収めることができる。収納体の他の構成例1において、自動巻取り式紐保持部60の紐部分に、収納物保持用クリップ40が取り付けられていない場合であっても、自動巻取り式紐保持部60の紐部分に直接、収納物を取り付ける、あるいは収納物を渡し掛ける、などすれば、収納物を収納体の内部に収めることができる。
【0063】
(収納体の他の構成例2)
収納体のシート10に、硬質樹脂や皮革などといった硬い材質のものを用いる場合には、工夫が必要である。なぜなら、シート10が硬くてしならない場合、収納体を、拭き布の取出口から手で開こうとしても、拭き布50の出し入れをスムーズに行える状態にまで開かせることは、困難だからである。
これを解決するために、収納体のシート10を形成する段階で、頂の開口部を形成する辺10aと、底の開口部を形成する辺10bとを結ぶ線でシート10を曲げることができるように、シート10に一又は複数の折れ目または蝶番などを設けるうえ、拭き布の取出口を手で閉じた時にシート10が略筒状を成すように、シート10の形状を、必要に応じて、予め湾曲させた状態に形成する。
このような工夫を施すことによって、収納体のシート10に硬い材質のものを用いる場合であっても、拭き布の取出口を手で開閉することにより拭き布50の出し入れをスムーズに行える状態に、収納体を構成できる。
図9は、収納体のシート10の、頂の開口部を形成する辺10aと底の開口部を形成する辺10bとを結ぶ線上に、蝶番70を設けたうえ、シート10の形状を予め湾曲させた状態に形成した、構成例を示している。図9の例では、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cおよび拭き布の取出口を形成する第二の辺10dの位置に、嵌め込み部分80を設けてあり、拭き布の取出口が不意に開いて拭き布50が収納体の外部に飛び出してしまうこと、を防げるようになっている。
【0064】
(収納体の他の構成例3)
図10に示すように、収納体の、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cや拭き布の取出口を形成する第二の辺10dの近傍に、ホック、スナップ、フック、ボタン、マグネット、ファスナー、面ファスナー、紐、嵌め込み部材、などの留め具が備わっていると、拭き布の取出口が不意に開いて拭き布50が収納体の外部に飛び出してしまうこと、を防げる。
また、このような構成にすることによって、この収納体の使用者が、収納体のシート10の、拭き布の取出口部分の重なり具合を、留め具の留め位置によって微調整できるようにもなる。
図10は、拭き布の取出口を形成する第一の辺10cや拭き布の取出口を形成する第二の辺10dの近傍に、留め具としてホックが備わっている構成例を示している。
【0065】
(収納体の他の構成例4)
図11に示すように、収納体を、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などに取り付けられた状態で使うことができるようにする為に、収納体に、例えば、安全ピン、面ファスナー、ホック、ボタン、カラビナ、チェーン、ワイヤー、バンド付きクリップ、ストラップ、ナスカン、ベルト、などの着脱手段を備え、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などに対して容易に着脱ができるように構成することもある。
図11(A)は、収納体の、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などに接する側の部分に、ストラップ100を備えた構成例を示し、図11(B)は、収納体の、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などに接する側の部分に、安全ピン110を備えた構成例を示している。
【0066】
なお、収納体は、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などと一体化させて構成しても良い。最初から一体化させて構成しても良いし、後から、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などに、接着、圧着、縫着、などされても良い。
このように一体化した構成になっていると、収納体の携帯し忘れを防ぐことができ、また、鞄、衣服、エプロン、よだれ掛け、腰ベルト、などを洗濯する際に同時に収納体も洗濯され、便利である。
【符号の説明】
【0067】
10 収納体のシート
10a 頂の開口部を形成する辺
10b 底の開口部を形成する辺
10c 拭き布の取出口を形成する第一の辺
10d 拭き布の取出口を形成する第二の辺
20 開孔
30 挿通部材
30a 挿通部材上における地点
40 収納物保持用クリップ
50 拭き布
50a 略輪状部分
50b 略紐状部分
50c 略鉤状部分
60 自動巻取り式紐保持部
60a 紐
70 蝶番
80 嵌め込み部分
90 留め具
100 ストラップ
110 安全ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11