(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011115
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240118BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240118BHJP
【FI】
H02J7/00 U
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112851
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】椎山 拓己
(72)【発明者】
【氏名】曽根 崇史
【テーマコード(参考)】
5G503
5L049
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA05
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA05
5L049CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者は、端末装置に送信された勧誘情報に基づき、補充装置の場所に可搬型エネルギ蓄積器を持ち込むを可能とする情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システム10において、サーバ28(情報処理装置)は、先ず、補充装置37でのバッテリ20への充電を勧めるための勧誘情報を、サーバ28から複数の使用者端末24に送信する。次に、補充装置37と複数のバッテリ20とを接続し、補充装置37から複数のバッテリ20への充電を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記可搬型エネルギ蓄積器は、補充装置に接続されたときに、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充が可能であり、
前記情報処理装置は、前記補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を前記端末装置に送信する送信部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記補充装置での前記エネルギ又は前記エネルギ源の充填特性を取得する第1取得部と、
前記充填特性に基づいて、前記勧誘情報を生成する勧誘情報生成部と、
をさらに備える、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理装置において、
複数の前記可搬型エネルギ蓄積器が前記補充装置に対して並列に接続可能であり、
前記情報処理装置は、
前記補充装置に接続された複数の前記可搬型エネルギ蓄積器に対する前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充可能量を取得する第2取得部と、
前記充填特性と前記補充可能量とに基づいて、前記補充装置から複数の前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を許可するかどうかを判定する判定部と、
前記判定部が複数の前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を許可したときに、前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を指示するための指示情報を生成する指示情報生成部と、
をさらに備え、
前記送信部は、前記指示情報を前記補充装置に送信する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の情報処理装置において、
前記判定部は、前記補充可能量が閾値以上であるときに、前記補充装置から複数の前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を許可する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の情報処理装置において、
前記補充装置は、外部供給源に接続され、
前記外部供給源は、複数の前記可搬型エネルギ蓄積器に前記エネルギ又は前記エネルギ源を補充する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項5記載の情報処理装置において、
前記外部供給源は、移動体である、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記勧誘情報は、前記補充装置の位置情報を含む、情報処理装置。
【請求項8】
請求項7記載の情報処理装置において、
前記勧誘情報は、前記端末装置の位置から前記補充装置の位置までの経路情報を含む、情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記補充装置は、前記可搬型エネルギ蓄積器が接続される接続部と、前記接続部を介して前記可搬型エネルギ蓄積器に前記エネルギ又は前記エネルギ源を補充する補充部とを有する、情報処理装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記送信部は、前記補充装置の使用者、所有者又は管理者が使用する他の端末装置に前記勧誘情報を送信する、情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記可搬型エネルギ蓄積器は、電力を蓄積する可搬型電力蓄積器であり、
前記補充装置は、前記可搬型電力蓄積器への前記電力の補充が可能な充電装置である、情報処理装置。
【請求項12】
可搬型エネルギ蓄積器と、前記可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記可搬型エネルギ蓄積器は、補充装置に接続されたときに、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充が可能であり、
前記情報処理装置は、前記補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を前記端末装置に送信する送信部を備える、情報処理システム。
【請求項13】
可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と、情報処理装置とが通信可能であるときの情報処理方法であって、
補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を、前記情報処理装置から前記端末装置に送信する第1ステップと、
前記勧誘情報に基づき、前記補充装置と前記可搬型エネルギ蓄積器とを接続し、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器に前記エネルギ又は前記エネルギ源を補充する第2ステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項14】
請求項13記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
請求項14記載のプログラムを記憶する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報処理システムが開示されている。情報処理システムは、バッテリが搭載された電動車両と、サーバと、配達者が所持する通信装置とを有する。電動車両は、バッテリの交換が必要と判定したときに、交換用のバッテリの配達をサーバに要求する。サーバは、配達者の通信装置にバッテリの配達を指示する。配達者は、通信装置から報知される指示内容に基づき、交換用のバッテリを電動車両に配達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電動車両から回収したバッテリ(可搬型エネルギ蓄積器)は、保管場所で充電される。保管場所では、災害時等でも、バッテリへの充電が可能である。しかしながら、回収されるバッテリの個数が少ないときには、発電設備(補充装置)は、定格に対して非常に低い負荷で各バッテリを充電する。この結果、発電設備を十分に活用することができない。また、負荷が低い状態で発電設備を運転する場合、負荷の減少に対応して発電設備を長時間運転することが考えられる。しかしながら、運転時間を長くしても、所望のエネルギ量をバッテリに充電することは難しい。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と通信可能な情報処理装置であって、前記可搬型エネルギ蓄積器は、補充装置に接続されたときに、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充が可能であり、前記情報処理装置は、前記補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を前記端末装置に送信する送信部を備える。
【0007】
本発明の第2の態様は、可搬型エネルギ蓄積器と、前記可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置とを有する情報処理システムであって、前記可搬型エネルギ蓄積器は、補充装置に接続されたときに、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充が可能であり、前記情報処理装置は、前記補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を前記端末装置に送信する送信部を備える。
【0008】
本発明の第3の態様は、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と、情報処理装置とが通信可能であるときの情報処理方法であって、前記情報処理方法は、補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を、前記情報処理装置から前記端末装置に送信する第1ステップと、前記勧誘情報に基づき、前記補充装置と前記可搬型エネルギ蓄積器とを接続し、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器に前記エネルギ又は前記エネルギ源を補充する第2ステップと、を有する。
【0009】
本発明の第4の態様は、第3の態様の情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0010】
本発明の第5の態様は、第4の態様のプログラムを記憶する記憶媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者は、端末装置に送信された勧誘情報に基づき、補充装置の場所に可搬型エネルギ蓄積器を持ち込む。これにより、災害時等でも、補充装置から可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を補充することが可能となる。また、複数の可搬型エネルギ蓄積器が集まったときに、補充装置からエネルギ量を最大限に取り出し、各可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を補充する。これにより、補充装置を最大限に活用することができる。
【0012】
さらに、エネルギ又はエネルギ源の補充が完了すれば、使用者、所有者又は管理者は、可搬型エネルギ蓄積器を持ち帰って利用することができる。従って、可搬型エネルギ蓄積器の送電網が不要となる。換言すれば、複数の可搬型エネルギ蓄積器を持ち込んでエネルギ又はエネルギ源を補充し、補充後の複数の可搬型エネルギ蓄積器を持ち帰ることで、擬似的な送電網を構築することができる。
【0013】
また、補充装置の場所で可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を予め補充しておけば、補充済みの可搬型エネルギ蓄積器を使用者、所有者又は管理者に提供することができる。これにより、補充装置の場所に人が密集することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図2は、情報処理システムのブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態のフローチャートである。
【
図5】
図5は、補充装置の出力電力と運転時間との関係を示すグラフである。
【
図6】
図6は、補充装置の出力電力と変換効率との関係を示すグラフである。
【
図7】
図7は、比較例での充電方法を示す回路図である。
【
図8】
図8は、実施例での充電方法を示す回路図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の第1変形例を示す一部構成図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の第2変形例を示す一部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成図である。情報処理システム10は、複数の電力装置14(補充部)と、電力供給源16(外部供給源)と、インバータ18と、複数のバッテリ20(可搬型エネルギ蓄積器、可搬型電力蓄積器)と、運用者端末22(他の端末装置)と、複数の使用者端末24(端末装置)と、サーバ28(情報処理装置、コンピュータ)とを有する。
【0016】
電力供給源16、インバータ18及び複数の電力装置14は、バッテリ20の充電場所34(補充装置の位置)に配置されている。電力供給源16は、インバータ18を介して、複数の電力装置14と電気的に接続されている。複数の電力装置14は、インバータ18に対して、並列に接続されている。
【0017】
電力供給源16は、電力(エネルギ)を出力する。電力供給源16は、例えば、バス等の移動体36である。電力供給源16は、移動体36に搭載された発電機又は燃料電池等の駆動源が駆動することにより、直流電力(エネルギ)を出力する。インバータ18は、電力供給源16から出力される直流電力を交流電力に変換する。
【0018】
複数の電力装置14は、充電装置(充電器)である。複数の電力装置14は、移動可能である。複数の電力装置14の各々には、バッテリ20が着脱可能に装着される。複数の電力装置14の各々は、インバータ18から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をバッテリ20に充電する。従って、インバータ18及び複数の電力装置14は、複数のバッテリ20に電力(エネルギ)を蓄積(補充)するための補充装置37(充電装置)を構成する。
【0019】
複数の使用者端末24の各々は、バッテリ20の使用者、所有者又は管理者が使用する端末である。以下の説明では、使用者、所有者又は管理者を利用者39ともいう。利用者39は、使用者端末24とバッテリ20とを所有している。利用者39は、バッテリ20の使用場所42において、バッテリ20から供給される電力によって負荷(不図示)が作動することで、該負荷を利用する。なお、使用場所42は、バッテリ20、使用者端末24及び負荷がある場所(位置)である。利用者39は、バッテリ20を充電場所34まで持ち運ぶことも可能である。あるいは、利用者39は、複数の電力装置14のうち、いずれかの電力装置14で充電されたバッテリ20を、使用場所42に持ち運ぶことも可能である。
【0020】
運用者端末22は、情報処理システム10の運用者が使用する端末である。運用者は、充電場所34等の管理を行う。
【0021】
サーバ28は、情報処理システム10を統括的に制御する。サーバ28は、通信ネットワーク44を介して、運用者端末22、複数の使用者端末24、及び、複数の電力装置14との間で無線接続されている。以下の説明では、サーバ28が1台のコンピュータ(物理サーバ)である場合について説明する。なお、サーバ28は、複数のコンピュータから構成されるクラウドサーバでもよい。
【0022】
図2は、情報処理システム10のブロック図である。複数の使用者端末24は、同じ構成を有する。
図2では、複数の使用者端末24のうち、いずれか1つの使用者端末24を図示している。また、複数の電力装置14は、同じ構成を有する。
図2では、複数の電力装置14のうち、いずれか1つの電力装置14を図示している。
【0023】
電力装置14は、送受信部58、検知部60、制御部62、表示部64及びバッテリ20を有する。送受信部58は、サーバ28との間で無線通信による信号又は情報の送受信を行う。検知部60は、電力装置14及びバッテリ20に関する各種の情報を検知する。検知部60は、例えば、バッテリ20のSOC、インバータ18から電力装置14への入力電力、電力装置14の位置情報等を検知する。従って、検知部60は、電力装置14に備わる各種のセンサである。電力装置14は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の測位システムを備えることで、現在位置を定期的に取得することができる。制御部62は、プロセッサであり、電力装置14の全体を統括的に制御する。表示部64は、制御部62からの制御に基づき、各種の表示内容を表示する。
【0024】
運用者端末22及び複数の使用者端末24は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の無線通信が可能な端末装置である。運用者端末22は、送受信部70、入力部72、制御部74、表示部76及びメモリ78を有する。複数の使用者端末24の各々は、送受信部80、入力部82、制御部84、表示部86及びメモリ88を有する。
【0025】
送受信部70、80は、サーバ28との間で無線通信による信号又は情報の送受信を行う。入力部72、82は、運用者又は複数の利用者39(
図1参照)が操作するタッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスである。制御部74、84は、プロセッサであり、メモリ78、88に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。制御部74、84は、運用者端末22又は複数の使用者端末24の全体を統括的に制御する。表示部76、86は、制御部74、84からの制御に基づき、各種の表示内容を表示する。
【0026】
サーバ28は、送受信部100(送信部)、制御部102、表示部104及びメモリ106(記憶媒体)を有する。送受信部100は、運用者端末22、複数の使用者端末24及び複数の電力装置14との間で無線通信による信号又は情報の送受信を行う。制御部102は、プロセッサであり、メモリ106に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、取得部110(第1取得部、第2取得部)、判定部112及び通知処理部113(勧誘情報生成部、指示情報生成部)の機能を実現する。取得部110、判定部112及び通知処理部113の詳細については、後述する。また、制御部102は、サーバ28の全体を統括的に制御する。表示部104は、制御部102からの制御に基づき、各種の表示内容を表示する。
【0027】
図3は、電力装置14の斜視図である。電力装置14は、充電機能と給電機能とを兼ね備える電力装置である。本実施形態では、上記のように、電力装置14を充電装置として利用している。
【0028】
電力装置14は、直方体状の筐体122を備える。筐体122の内部には、収容室124が備えられている。収容室124内には、バッテリ20が収容される。収容室124は、開口126を介して、上方に開口している。筐体122の上部には、開口126を覆うカバー128が備えられている。カバー128には、開ボタン130が備えられている。ユーザ(運用者、利用者39(
図1参照))が開ボタン130を押すと、カバー128が開く。カバー128が開いているときに、ユーザは、収容室124に対してバッテリ20を挿抜可能である。
【0029】
バッテリ20の上面には、取手部132が設けられている。ユーザは、取手部132を持つことで、バッテリ20を持ち運ぶことができる。バッテリ20の底面には、接続端子134が設けられている。バッテリ20の接続端子134は、例えば、雌型端子である。収容室124の底部には、接続端子136(接続部)が設けられている。収容室124の接続端子136は、例えば、雄型端子である。ユーザがバッテリ20を収容室124に挿入したときに、バッテリ20の接続端子134と収容室124の接続端子136とが嵌合する。これにより、バッテリ20と電力装置14とが電気的に接続される。また、ユーザがバッテリ20を収容室124から取り出したときに、バッテリ20の接続端子134は、収容室124の接続端子136から離間する。これにより、バッテリ20と電力装置14とは、電気的に非接続状態となる。
【0030】
カバー128には、バッテリ20の残量を表示するインジケータ138が備わる。インジケータ138は、
図2の表示部64に対応する。
【0031】
筐体122の上面のうちの1辺には、取手部140が設けられている。筐体122の底面のうち、互いに向かい合う2辺には、取手部142、144が設けられている。上側の取手部140と下側の2つの取手部142、144とは、互いに平行に延びている。ユーザは、3つの取手部140、142、144のうち、2つの取手部を把持することで、電力装置14を持ち運ぶことができる。
【0032】
筐体122の上面のうち、カバー128と取手部140との間の部分には、下方に窪む凹部146が形成されている。凹部146は、カバー128から離れる程、斜めに傾斜している。従って、取手部140と凹部146との間には、隙間が形成されている。凹部146には、USB端子148と交流出力端子150とが備えられている。USB端子148は、外部に直流電力を出力するための端子である。交流出力端子150は、外部に交流電力を出力するための端子である。
【0033】
筐体122の側面のうち、取手部142の近傍には、交流入力端子152と直流入力端子154とが備えられている。交流入力端子152は、外部から交流電力を入力するための端子である。すなわち、交流入力端子152は、ケーブル(不図示)を介してインバータ18(
図1参照)と電気的に接続される。直流入力端子154は、外部から直流電力を入力するための端子である。
【0034】
情報処理システム10(
図1参照)は、例えば、地震等の災害の被災地において、複数の利用者39が使用する複数のバッテリ20の充電処理に適用される。具体的には、被災地に充電場所34を設け、複数の利用者39に対して、充電場所34までバッテリ20を持ち込むように要請する。充電場所34では、持ち込まれた複数のバッテリ20を充電する。複数の利用者39は、充電済みの複数のバッテリ20を使用場所42まで持ち帰る。
【0035】
図4は、この適用例での情報処理システム10(
図1参照)の動作を示すフローチャートである。
【0036】
図4のステップS1において、運用者は、災害の被災地等に充電場所34(
図1参照)を設定する。具体的には、運用者は、電力供給源16、インバータ18及び複数の電力装置14を被災地に持ち込む。運用者は、電力供給源16に対してインバータ18を電気的に接続する。運用者は、インバータ18に対して、複数の電力装置14を電気的に並列に接続する。これにより、被災地に充電場所34が設けられ、補充装置37が構成される。
【0037】
次に、運用者は、運用者端末22の入力部72(
図2参照)を操作し、充電場所34に設けられた電力供給源16及び補充装置37の情報を入力する。具体的には、運用者は、電力供給源16、インバータ18及び複数の電力装置14の仕様に関わる情報を入力する。入力された各情報は、メモリ78に保存される。運用者端末22の制御部74は、入力された各情報を読み出し、読み出した各情報に基づき、発電設備としての電力供給源16及び補充装置37の特性(充填特性)を算出する。算出した発電設備の特性は、メモリ78に保存される。
【0038】
図5及び
図6は、発電設備の特性を示す。
図5は、発電設備の出力電力と運転時間との関係を示す特性である。
図6は、発電設備の出力電力と変換効率との関係を示す特性である。
【0039】
図5の特性では、発電設備の出力電力(インバータ18の出力電力)が大きくなる程、発電設備の運転時間は短くなる。また、
図5の特性では、発電設備の出力電力が小さくなる程、発電設備の運転時間は長くなる。さらに、
図5の特性は、発電設備に接続される負荷(複数のバッテリ20)の大きさに応じて変化する。具体的には、
図5に示す破線の特性は、理想的な発電設備の特性である。これに対して、発電設備に接続される負荷が小さくなると、発電設備の特性は、破線の特性から実線の特性に変化する。すなわち、同じ運転時間で比較すると、負荷が小さくなる程、発電設備の出力電力が小さくなる。つまり、負荷が小さくなる程、発電設備の損失が大きくなる。
【0040】
図6の特性では、発電設備の出力電力に応じて発電設備の変換効率(インバータ18の変換効率)が変化する。具体的には、発電設備の出力電力が大きい程、変換効率は向上する。すなわち、発電設備の出力電圧が大きくなる程、発電設備の損失は小さくなる。
【0041】
そこで、ステップS1において、運用者端末22(
図2参照)は、メモリ78に保存された発電設備の特性及び各情報を、通信ネットワーク44を介して、サーバ28に送信する。
【0042】
また、複数の電力装置14の各々において、検知部60は、電力装置14の位置情報等を定期的に検知(取得)している。送受信部58は、検知部60が検知した位置情報を、通信ネットワーク44を介して、サーバ28に送信する。
【0043】
ステップS2において、サーバ28の送受信部100は、運用者端末22及び複数の電力装置14からの各情報を受信する。受信した各情報は、メモリ106に保存される。
【0044】
ステップS3(第1ステップ)において、サーバ28の通知処理部113は、補充装置37でのバッテリ20への充電を勧めるための勧誘情報を生成する。この場合、通知処理部113は、充電場所34の位置情報を勧誘情報に含めてもよい。なお、複数の電力装置14は、充電場所34に配置されているので、複数の電力装置14の位置情報を充電場所34の位置情報とみなしてもよい。送受信部100は、生成された勧誘情報を、通信ネットワーク44を介して複数の使用者端末24に送信する。
【0045】
ステップS4において、複数の使用者端末24の各々において、送受信部80が勧誘情報を受信したときに、表示部86は、勧誘情報を表示する。利用者39は、表示部86に表示された勧誘情報を確認することで、充電場所34でバッテリ20の充電が可能であることを認識することができる。
【0046】
ステップS5において、複数の利用者39の各々は、バッテリ20を持って使用場所42から充電場所34に向かう。
【0047】
ステップS6(第2ステップ)において、複数の利用者39は、バッテリ20を持って充電場所34に到着する。運用者又は利用者39は、電力装置14にバッテリ20を装着する。
【0048】
電力装置14にバッテリ20が装着されたときに、バッテリ20の接続端子134と収容室124の接続端子136とが嵌合する。検知部52は、バッテリ20の接続端子134と収容室124の接続端子136との接続情報、バッテリ20のSOC等を定期的に検知(取得)する。
【0049】
ステップS7において、送受信部50は、検知部52が検知した接続情報及びSOC等を、通信ネットワーク44を介して、サーバ28に定期的に送信する。サーバ28は、複数の電力装置14からの情報を受信し、メモリ106に保存する。
【0050】
ステップS8において、取得部110は、メモリ106に保存された複数の電力装置14の情報と発電設備の特性とを読み出す。判定部112は、読み出した各情報に基づき、補充装置37での複数のバッテリ20に対する充電を開始するかどうかを判定する。
【0051】
具体的には、取得部110は、発電設備の特性に基づき、インバータ18の定格出力(出力電力の定格値)を特定する。また、取得部110は、複数の電力装置14の情報に基づき、複数のバッテリ20の容量の合計値を算出する。さらに、取得部110は、複数のバッテリ20への充電量の合計値(補充可能量)を算出する。
【0052】
判定部112は、インバータ18の定格出力と、複数のバッテリ20の容量の合計値と、複数のバッテリ20への充電量の合計値とに基づき、複数のバッテリ20に対する充電を開始するかどうかを判定する。より詳しくは、判定部112は、充電量の合計値に応じたインバータ18の出力電力が、所定の閾値以上であるかどうかを判定する。
【0053】
図6に示すように、発電設備の出力電力がP1の場合、変換効率はη1である。従って、出力電力P1で複数のバッテリ20を充電すると、補充装置37は、変換効率が低い状態で複数のバッテリ20を充電するので、損失が大きくなる。
【0054】
これに対して、発電設備の出力電力がP2の場合、変換効率はη2である(η1<η2)。出力電力P2で複数のバッテリ20を充電すると、補充装置37は、変換効率が高い状態で複数のバッテリ20を充電する。これにより、補充装置37の損失を低減することができる。
【0055】
上記の閾値は、補充装置37の損失が低減されるような変換効率に応じた出力電力の値である。従って、インバータ18に並列に接続される複数のバッテリ20の数が増える程、インバータ18に接続される負荷が大きくなる。これにより、発電設備(インバータ18)の出力電力が大きくなり、補充装置37の損失を減らすことができる。つまり、本実施形態では、複数のバッテリ20の数と発電設備の出力電力とを制御して、発電設備の負荷を調整することにより、発電設備の損失を低減させる。
【0056】
そこで、ステップS8において、判定部112は、複数のバッテリ20の充電量の合計値に応じた発電設備の出力電力が閾値未満であれば、複数のバッテリ20に対する充電を不許可とする(ステップS8:NO)。また、判定部112は、発電設備の出力電力が閾値以上であれば、複数のバッテリ20に対する充電を許可する(ステップS8:YES)。
【0057】
ステップS9において、通知処理部113は、ステップS8での肯定的な判定結果を受けて、複数のバッテリ20への充電を指示するための指示情報を生成する。送受信部100は、通信ネットワーク44を介して、電力装置14に指示情報を送信する。
【0058】
ステップS10(第2ステップ)において、複数の電力装置14の各々は、サーバ28からの指示情報に基づき、バッテリ20への充電を開始する。
【0059】
ステップS11において、複数の電力装置14の各々において、制御部62は、検知部60が検知したバッテリ20のSOCに基づき、バッテリ20への充電が完了したかどうかを判定する。
【0060】
バッテリ20が満充電となった場合、制御部62は、バッテリ20への充電が完了したと判定する(ステップS11:YES)。制御部62は、インジケータ138(表示部64)にバッテリ20が満充電となったことを表示する。運用者又は利用者39は、インジケータ138の表示内容を確認することで、バッテリ20の充電が完了したことを認識することができる。
【0061】
ステップS12において、運用者又は利用者39は、電力装置14から充電済みのバッテリ20を取り出す。利用者39は、取り出したバッテリ20を使用場所42まで持ち帰る。
【0062】
図4のステップS10を含む充電場所34(
図1参照)での複数のバッテリ20の充電について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
【0063】
図7は、比較例での充電方法を図示した回路図である。
図8は、本実施形態での充電方法を図示した回路図である。
図7及び
図8では、電力供給源16としての移動体36が、バスである場合を図示している。
【0064】
インバータ18は、インターフェース155と、複数のDC/DCコンバータ157と、複数のDC/ACコンバータ159とを有する。インターフェース155は、ケーブル(不図示)を介して、電力供給源16と電気的に接続されている。複数のDC/DCコンバータ157は、インターフェース155に対して電気的に並列に接続されている。複数のDC/ACコンバータ159は、いずれか1つのDC/DCコンバータ157に対して電気的に並列に接続されている。なお、
図7及び
図8では、1つのDC/DCコンバータ157について、複数のDC/ACコンバータ159が接続されている場合を図示している。
【0065】
インターフェース155は、電力供給源16から供給された直流電力を、複数のDC/DCコンバータ157に出力する。複数のDC/DCコンバータ157の各々は、インターフェース155からの直流電圧を、異なる電圧値の直流電圧に変換する。複数のDC/ACコンバータ159の各々は、DC/DCコンバータ157から入力される直流電力を、交流電力に変換する。
【0066】
図7の比較例では、1つのDC/ACコンバータ159の出力側に給電器161が電気的に接続されている。給電器161は、バッテリ20を有しない電力装置である。すなわち、比較例において、補充装置37を構成するインバータ18には、1つの負荷しか接続されていない。補充装置37は、変換効率が低い状態で給電器161に電力を供給する。この結果、補充装置37の損失が大きくなる。
【0067】
これに対して、
図8の実施例では、3つのDC/ACコンバータ159のうち、1つのDC/ACコンバータ159に対して、3つの給電器161が電気的に並列に接続されている。また、残りのDC/ACコンバータ159の各々には、3つの電力装置14が電気的に並列に接続されている。従って、実施例では、比較例よりも補充装置37に接続される負荷が大きくなる。これにより、補充装置37は、変換効率が高い状態で複数の電力装置14及び複数の給電器161に電力を供給することができる。この結果、補充装置37の損失を低減することができる。
【0068】
図9は、本実施形態の第1変形例の一部構成図である。第1変形例では、電力装置164(補充部)が充電に関わる機能のみ有する場合を図示している。この場合、インバータ18と電力装置164とによって補充装置37が構成される。第1変形例では、電力装置164の上面に凹部170が形成されている。バッテリ20は、底部を凹部170に挿し込むことで、電力装置164に装着される。凹部170の底部には、雄型の接続端子136が設けられている。バッテリ20が凹部170に挿し込まれたときに、バッテリ20の接続端子134と凹部170の接続端子136とが嵌合する。これにより、バッテリ20と電力装置164とが電気的に接続される。第1変形例でも、複数の電力装置164を用いて、電力供給源16から複数のバッテリ20への充電が可能である。なお、電力装置164は、上記の電力装置14(
図2参照)の送受信部58、検知部60、制御部62及び表示部64を有してもよい。
【0069】
図10は、本実施形態の第2変形例の一部構成図である。第2変形例では、電力装置172(補充部)が多数のバッテリ20を収容可能である。この場合、インバータ18と電力装置172とによって補充装置37が構成される。具体的には、電力装置172の側面(正面)には、複数の収容室174が形成されている。複数の収容室174は、バッテリ20を収容可能な凹部である。
図10では、合計で9個の収容室174が電力装置172の側面に形成されている。複数の収容室174の各々の底部には、バッテリ20の接続端子134(
図3参照)と接続可能な雄型の接続端子(不図示)が設けられている。複数の接続端子は、複数の接続端子136であればよい。第2変形例では、1台の電力装置172を用いて、電力供給源16から多数のバッテリ20への充電が可能である。また、電力装置172は、上記の電力装置14(
図2参照)の送受信部58、検知部60、制御部62及び表示部64を有してもよい。
【0070】
なお、本実施形態では、
図4に破線で示すように、複数の使用者端末24(
図1参照)の各々は、自己の使用者端末24の位置情報をサーバ28に送信してもよい。サーバ28で受信された位置情報は、メモリ106(
図2参照)に保存される。取得部110は、メモリ106に保存されている複数の使用者端末24の位置情報と複数の電力装置14の位置情報(充電場所34の位置情報)とに基づき、使用場所42から充電場所34までの経路情報を容易に作成することができる。通知処理部113は、取得部110で作成された経路情報を含めて通知情報を生成する。これにより、利用者39は、通知情報に含まれる経路情報を確認することで、使用場所42から充電場所34まで容易に移動することができる。
【0071】
また、本実施形態では、
図4に一点鎖線で示すように、サーバ28(
図1参照)から運用者端末22に勧誘情報を送信してもよい。これにより、運用者端末22の表示部76(
図2参照)に勧誘情報が表示されたときに、運用者は、勧誘情報を確認することで、利用者39がバッテリ20を充電場所34に持ち込む可能性があることを容易に認識することができる。
【0072】
さらに、上記のように、サーバ28、運用者端末22、及び、複数の電力装置14が、通信ネットワーク44を介して、無線接続されている。そのため、サーバ28に代えて、運用者端末22、及び、複数の電力装置14のいずれかが、勧誘情報を生成し、生成した勧誘情報を複数の使用者端末24に送信してもよい。
【0073】
運用者端末22がサーバ28に代わって機能する場合、制御部74が取得部110、判定部112及び通知処理部113として機能する。複数の電力装置14がサーバ28に代わって機能する場合、制御部62が取得部110、判定部112及び通知処理部113として機能する。
【0074】
さらに、本実施形態では、取得部110の機能を実現する装置と、判定部112の機能を実現する装置と、通知処理部113の機能を実現する装置とを、互いに別個の装置とすることも可能である。あるいは、取得部110、判定部112及び通知処理部113のうち、2つの構成要素の機能を1つの装置で実現し、残り1つの構成要素の機能を他の装置で実現することも可能である。例えば、複数の電力装置14の各々の制御部62が取得部110として機能し、サーバ28の制御部102が判定部112及び通知処理部113として機能してもよい。あるいは、複数の電力装置14の各々の制御部62が取得部110及び判定部112として機能し、サーバ28の制御部102が通知処理部113として機能してもよい。この場合でも、複数の使用者端末24に勧誘情報を送信することができる。
【0075】
また、本実施形態では、電力供給源16は、外部から複数のバッテリ20を充電できる電力源であればよい。従って、電力供給源16は、移動体36以外の電力系統であってもよい。あるいは、電力供給源16は、燃料を燃焼させて発電するエンジン発電機であってもよい。
【0076】
また、上記の説明では、バッテリ20を充電する場合について説明した。本実施形態では、他のエネルギ又はエネルギ源を蓄積する可搬型エネルギ蓄積器に対して、他のエネルギ又はエネルギ源を補充してもよい。例えば、可搬型エネルギ蓄積器がエネルギ源としての水素を収容する水素カートリッジでもよい。この場合、電力装置14は、水素カートリッジを装着可能な電力装置となる。
【0077】
具体的には、電力装置14は、水素カートリッジと燃料電池とを有する。水素カートリッジは、電力装置14に装着される。水素カートリッジには、外部供給源から供給された水素が充填される。この場合、充電場所34では、電力装置14は、例えば、
図9に示す電力装置164のように、水素カートリッジを装着可能な補充部であればよい。これにより、水素カートリッジは、補充部に装着された状態で、外部供給源から水素を充填可能である。燃料電池は、水素カートリッジから供給された水素を利用して発電する。電力装置14は、燃料電池が発電した電力を外部に供給可能である。
【0078】
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
【0079】
本発明の第1の態様は、可搬型エネルギ蓄積器(20)の使用者、所有者又は管理者(39)が使用する端末装置(24)と通信可能な情報処理装置(28)であって、前記可搬型エネルギ蓄積器は、補充装置(37)に接続されたときに、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充が可能であり、前記情報処理装置は、前記補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を前記端末装置に送信する送信部を備える。
【0080】
本発明によれば、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者は、端末装置に送信された勧誘情報に基づき、補充装置の場所に可搬型エネルギ蓄積器を持ち込む。これにより、災害時等でも、補充装置から可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を補充することが可能となる。また、複数の可搬型エネルギ蓄積器が集まったときに、補充装置からエネルギ量を最大限に取り出し、各可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を補充する。これにより、補充装置を最大限に活用することができる。
【0081】
さらに、エネルギ又はエネルギ源の補充が完了すれば、使用者、所有者又は管理者は、可搬型エネルギ蓄積器を持ち帰って利用することができる。従って、可搬型エネルギ蓄積器の送電網が不要となる。換言すれば、複数の可搬型エネルギ蓄積器を持ち込んでエネルギ又はエネルギ源を補充し、補充後の複数の可搬型エネルギ蓄積器を持ち帰ることで、擬似的な送電網を構築することができる。
【0082】
また、補充装置の場所で可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を予め補充しておけば、補充済みの可搬型エネルギ蓄積器を使用者、所有者又は管理者に提供することができる。これにより、補充装置の場所に人が密集することを回避することができる。
【0083】
本発明の第1の態様において、前記情報処理装置は、前記補充装置での前記エネルギ又は前記エネルギ源の充填特性を取得する第1取得部(110)と、前記充填特性に基づいて、前記勧誘情報を生成する勧誘情報生成部(113)と、をさらに備える。
【0084】
これにより、精度の高い勧誘情報を生成することができる。また、災害時等において、充填特性に応じた必要量の可搬型エネルギ蓄積器を集めることが可能となる。
【0085】
本発明の第1の態様において、複数の前記可搬型エネルギ蓄積器が前記補充装置に対して並列に接続可能であり、前記情報処理装置は、前記補充装置に接続された複数の前記可搬型エネルギ蓄積器に対する前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充可能量を取得する第2取得部(110)と、前記充填特性と前記補充可能量とに基づいて、前記補充装置から複数の前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を許可するかどうかを判定する判定部(112)と、前記判定部が複数の前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を許可したときに、前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を指示するための指示情報を生成する指示情報生成部(113)と、をさらに備え、前記送信部は、前記指示情報を前記補充装置に送信する。
【0086】
これにより、複数の可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充を効率よく行うことができる。
【0087】
本発明の第1の態様において、前記判定部は、前記補充可能量が閾値以上であるときに、前記補充装置から複数の前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を許可する。
【0088】
これにより、損失が大きくなる状態でエネルギ又はエネルギ源の補充が行われることを確実に回避することができる。
【0089】
本発明の第1の態様において、前記補充装置は、外部供給源(16)に接続され、前記外部供給源は、複数の前記可搬型エネルギ蓄積器に前記エネルギ又は前記エネルギ源を補充する。
【0090】
これにより、可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を効率よく補充することができる。
【0091】
本発明の第1の態様において、前記外部供給源は、移動体(36)である。
【0092】
これにより、災害地等に外部供給源を移動させ、移動先で外部供給源から可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又はエネルギ源を供給することが可能となる。
【0093】
本発明の第1の態様において、前記勧誘情報は、前記補充装置の位置情報を含む。
【0094】
これにより、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者は、補充装置に可搬型エネルギ蓄積器を容易に且つ確実に持ち込むことができる。
【0095】
本発明の第1の態様において、前記勧誘情報は、前記端末装置の位置から前記補充装置の位置までの経路情報を含む。
【0096】
これにより、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者を補充装置の位置まで確実に案内することができる。
【0097】
本発明の第1の態様において、前記補充装置は、前記可搬型エネルギ蓄積器が接続される接続部(136)と、前記接続部を介して前記可搬型エネルギ蓄積器に前記エネルギ又は前記エネルギ源を補充する補充部(14、164、172)とを有する。
【0098】
これにより、補充装置から可搬型エネルギ蓄積器にエネルギ又は電力を確実に且つ効率よく補充することができる。
【0099】
本発明の第1の態様において、前記送信部は、前記補充装置の使用者、所有者又は管理者が使用する他の端末装置(22)に前記勧誘情報を送信する。
【0100】
これにより、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が該可搬型エネルギ蓄積器を補充装置に持ち込むことを、補充装置の使用者、所有者又は管理者に通知することができる。
【0101】
本発明の第1の態様において、前記可搬型エネルギ蓄積器は、電力を蓄積する可搬型電力蓄積器であり、前記補充装置は、前記可搬型電力蓄積器への前記電力の補充が可能な充電装置である。
【0102】
これにより、補充装置から可搬型エネルギ蓄積器への電力の補充が可能となる。
【0103】
本発明の第2の態様は、可搬型エネルギ蓄積器と、前記可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置とを有する情報処理システム(10)であって、前記可搬型エネルギ蓄積器は、補充装置に接続されたときに、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充が可能であり、前記情報処理装置は、前記補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器への前記エネルギ又は前記エネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を前記端末装置に送信する送信部を備える。
【0104】
本発明でも、第1の態様と同様の効果が得られる。
【0105】
本発明の第3の態様は、可搬型エネルギ蓄積器の使用者、所有者又は管理者が使用する端末装置と、情報処理装置とが通信可能であるときの情報処理方法であって、前記情報処理方法は、補充装置での前記可搬型エネルギ蓄積器へのエネルギ又はエネルギ源の補充を勧めるための勧誘情報を、前記情報処理装置から前記端末装置に送信する第1ステップと、前記勧誘情報に基づき、前記補充装置と前記可搬型エネルギ蓄積器とを接続し、前記補充装置から前記可搬型エネルギ蓄積器に前記エネルギ又は前記エネルギ源を補充する第2ステップと、を有する。
【0106】
本発明でも、第1の態様と同様の効果が得られる。
【0107】
本発明の第4の態様は、第3の態様の情報処理方法をコンピュータ(28)に実行させるプログラムである。
【0108】
本発明でも、第1の態様と同様の効果が得られる。
【0109】
本発明の第5の態様は、第4の態様のプログラムを記憶する記憶媒体(106)である。
【0110】
本発明でも、第1の態様と同様の効果が得られる。
【0111】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0112】
10…情報処理システム
20…バッテリ(可搬型エネルギ蓄積器)
24…使用者端末(端末装置)
28…サーバ(情報処理装置、コンピュータ)
37…補充装置
39…利用者(使用者、所有者又は管理者)
100…送受信部(送信部) 106…メモリ(記憶媒体)