(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011121
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】シート加工ジョブ生成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 45/00 20060101AFI20240118BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240118BHJP
B26D 11/00 20060101ALN20240118BHJP
【FI】
B65H45/00
G03G15/00 431
B26D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112864
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】金岡 弘道
(72)【発明者】
【氏名】中出 裕也
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AB27
2H072GA01
3F108AB01
3F108BB01
3F108BB05
3F108BB11
3F108BB14
3F108BB30
(57)【要約】
【課題】折り方が同じ加工処理を用紙に施す場合でも、成果物のサイズが異なると、加工位置ごとに個別に設定する必要がある。
【解決手段】シートに面付設定された成果物に形成された筋付け加工に沿って前記成果物を折り畳むための第1筋付け位置情報を含む折り方のパターンを記憶する記憶手段と、前記パターンを表示するパターン表示手段800と、前記パターン表示手段に表示された前記パターンから一のパターンを選択するパターン選択手段と、前記成果物のサイズ情報の入力を受け付ける成果物サイズ受付手段220と、前記パターン選択手段によって選択された前記パターンに含まれる前記第1筋付け位置情報と、前記成果物サイズ受付手段が受け付けた前記サイズ情報とに基づいて、第2筋付け位置情報を設定し、前記第2筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する筋付け位置設定手段とを備えた、シート加工ジョブ生成装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに面付設定された成果物に形成された筋付け加工に沿って前記成果物を折り畳むための第1筋付け位置情報を含む折り方のパターンを記憶する記憶手段と、
前記パターンを表示するパターン表示手段と、
前記パターン表示手段に表示された前記パターンから一のパターンを選択するパターン選択手段と、
前記成果物のサイズ情報の入力を受け付ける成果物サイズ受付手段と、
前記パターン選択手段によって選択された前記パターンに含まれる前記第1筋付け位置情報と、前記成果物サイズ受付手段が受け付けた前記サイズ情報とに基づいて、第2筋付け位置情報を設定し、前記第2筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する筋付け位置設定手段と
を備えたシート加工ジョブ生成装置。
【請求項2】
調整値の入力を受け付ける調整値受付手段を備え、
前記筋付け位置設定手段は、前記第2筋付け位置情報と、前記調整値受付手段が受け付けた調整値とに基づいて第3筋付け位置情報を設定し、前記第3筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する
請求項1記載のシート加工ジョブ生成装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶される前記パターンには、前記成果物の表面における凸状または凹状のうちのいずれの筋付け加工かを示す筋付方向情報が含まれている
請求項1記載のシート加工ジョブ生成装置。
【請求項4】
前記筋付方向情報を示す筋付方向パターンを表示可能な筋付方向表示手段と、
前記筋付方向表示手段に表示された前記筋付方向パターンから一の筋付方向パターンを選択可能な筋付方向選択手段と、
前記筋付方向選択手段によって選択された前記筋付方向パターンに応じて、前記成果物に施す筋付方向を設定する筋付方向設定手段と、
を備えた請求項3記載のシート加工ジョブ生成装置。
【請求項5】
前記筋付け位置設定手段により設定された筋付け位置を示す筋付け加工線と、前記サイズ情報に基づいて生成された前記成果物の外形線を示す成果物外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、請求項1~4記載の加工ジョブ生成装置。
【請求項6】
前記筋付け位置設定手段により前記成果物に設定された筋付け位置と前記シートにおける前記成果物の面付設定情報とに基づいて設定される前記シートに対する筋付け位置を示す筋付け加工線と、前記シートの外形線を示すシート外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、請求項1~4記載の加工ジョブ生成装置。
【請求項7】
前記筋付け位置設定手段により設定された筋付け位置と同じ位置に、折畳加工を設定するための指示を受け付ける折畳設定受付手段と、
前記折畳設定受付手段が受け付けた指示を受けて、前記筋付け位置設定手段により設定された前記筋付け位置と同じ位置に前記成果物を折り畳む折畳位置を設定する折畳位置設定手段を備えた
請求項1~4記載のシート加工ジョブ生成装置。
【請求項8】
前記折畳位置設定手段により前記成果物に設定された折畳位置を示す折畳加工線と、前記サイズ情報に基づいて生成された前記成果物の外形線を示す成果物外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、請求項7記載の加工ジョブ生成装置。
【請求項9】
前記シートにおける前記成果物の面付設定情報と前記折畳位置設定手段により前記成果物に設定された折畳位置とに基づいて設定される前記シートに対する折畳位置を示す折畳加工線と、前記シートの外形線を示すシート外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、請求項7に記載の加工ジョブ生成装置。
【請求項10】
前記筋付け位置設定手段により設定された前記筋付け位置と、前記折畳位置設定手段により設定された前記折畳位置のいずれか一方の位置を変更する変更手段と、
前記変更手段により、前記筋付け位置または前記折畳位置のいずれか一方の位置が前記成果物の異なる位置に変更されるのに伴って、他方の位置を一方の位置に合致させる連携手段を備えた、
請求項7記載のシート加工ジョブ生成装置。
【請求項11】
前記筋付け位置設定手段により設定された前記筋付け位置とは別の、前記成果物に対する加工の加工位置情報と加工種類情報を含む加工情報を受け付ける加工設定受付手段と、
前記加工設定受付手段が受け付けた前記加工情報に基づいて、前記成果物に対する加工位置と加工種類を設定する加工設定手段とを備えた、請求項1記載のシート加工ジョブ生成装置。
【請求項12】
前記加工設定受付手段が受け付けた前記加工位置情報に対応する加工位置を示す加工線と、前記サイズ情報に基づいて生成された前記成果物の外形線を示す成果物外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、請求項11記載の加工ジョブ生成装置。
【請求項13】
前記シートにおける前記成果物の面付設定情報と前記加工設定受付手段が受け付けた前記加工位置情報とに基づいて設定される前記シートにおける加工位置を示す加工線と、前記シートの外形線を示すシート外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、請求項11に記載の加工ジョブ生成装置。
【請求項14】
コンピュータに、
シートに面付設定された成果物に形成された筋付け加工に沿って前記成果物を折り畳むための第1筋付け位置情報を含む折り方のパターンを記憶する記憶処理と、
前記パターンを表示するパターン表示処理と、
前記パターン表示処理に表示された前記パターンから一のパターンの選択を受け付けるパターン選択受付処理と、
前記成果物のサイズ情報の入力を受け付ける成果物サイズ受付処理と、
前記パターン選択受付処理が受け付けた前記パターンに含まれる前記第1筋付け位置情報と、前記成果物サイズ受付処理が受け付けた前記サイズ情報とに基づいて、第2筋付け位置情報を設定し、前記第2筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する筋付け位置設定処理と
を実行させるシート加工ジョブ生成プログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
調整値の入力を受け付ける調整値受付処理と、
前記第2筋付け位置情報と、前記調整値受付処理が受け付けた調整値とに基づいて第3筋付け位置情報を設定し、前記第3筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する前記筋付け位置設定処理と
を実行させる、請求項14記載のシート加工ジョブ生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート加工装置が実行するシート加工ジョブを生成するシート加工ジョブ生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シートに筋付けを形成したり、シートを折り畳んだりするシート加工装置が知られている。このシート加工装置を用いて、シートを加工処理するための条件を設定するシート加工ジョブでは、加工が施されるシートの端を基準として加工位置が指定される。
一方、オペレータにとっては、加工処理後の最終成果物のサイズは重要である。
このため、シート加工ジョブを作成するときは、オペレータが求める加工処理後の最終成果物の寸法から逆算して、このシート端部から加工処理位置までの距離を算出する必要がある。加工位置の設定が困難で、容易に加工ジョブを生成することができない場合がある。そこで、下記特許文献1には、加工処理後の最終成果物に対する各部の寸法を指定し、ジョブを生成可能な装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、折畳加工を行った成果物(最終成果物)の寸法から逆算する必要がない。しかし、用紙端部または折り位置を基準とした寸法に基づいて折り位置を算出しているため、折り方が同じ加工処理を用紙に施す場合であっても、成果物のサイズが異なると、別途各部の距離を算出し、設定する必要がある。例えば、用紙の一辺を三等分し、三つ折り処理する場合に、成果物の全長を変更すると、成果物端部から折り位置までの距離や、隣り合う折り位置間の距離を、個別に変更しなければならず、手間がかかる。
【0005】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、成果物のサイズが異なっていても、成果物における筋付け加工の位置である筋付け位置を、オペレータが容易に設定可能で、シート加工ジョブ生成にかかる時間を短くできるシート加工ジョブ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、シート加工ジョブ生成装置において、シートに面付設定された成果物に形成された筋付け加工に沿って前記成果物を折り畳むための第1筋付け位置情報を含む折り方のパターンを記憶する記憶手段と、前記パターンを表示するパターン表示手段と、前記パターン表示手段に表示された前記パターンから一のパターンを選択するパターン選択手段と、前記成果物のサイズ情報の入力を受け付ける成果物サイズ受付手段と、前記パターン選択手段によって選択された前記パターンに含まれる前記第1筋付け位置情報と、前記成果物サイズ受付手段が受け付けた前記サイズ情報とに基づいて、第2筋付け位置情報を設定し、前記第2筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する筋付け位置設定手段とを備えた、ことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載のシート加工ジョブ生成装置において、調整値の入力を受け付ける調整値受付手段を備え、前記筋付け位置設定手段は、前記第2筋付け位置情報と、前記調整値受付手段が受け付けた調整値とに基づいて第3筋付け位置情報を設定し、前記第3筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する、ことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1記載のシート加工ジョブ生成装置において前記記憶手段に記憶される前記パターンには、前記成果物の表面における凸状または凹状のうちのいずれの筋付け加工かを示す筋付方向情報が含まれている、ことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記筋付方向情報を示す筋付方向パターンを表示可能な筋付方向表示手段と、前記筋付方向表示手段に表示された前記筋付方向パターンから一の筋付方向パターンを選択可能な筋付方向選択手段と、前記筋付方向選択手段によって選択された前記筋付方向パターンに応じて、前記成果物に施す筋付方向を設定する筋付方向設定手段と、を備えた、ことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1~4記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記筋付け位置設定手段により設定された筋付け位置を示す筋付け加工線と、前記サイズ情報に基づいて生成された前記成果物の外形線を示す成果物外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1~4記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記筋付け位置設定手段により前記成果物に設定された筋付け位置と前記シートにおける前記成果物の面付設定情報とに基づいて設定される前記シートに対する筋付け位置を示す筋付け加工線と、前記シートの外形線を示すシート外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1~4記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記筋付け位置設定手段により設定された筋付け位置と同じ位置に、折畳加工を設定するための指示を受け付ける折畳設定受付手段と、前記折畳設定受付手段が受け付けた指示を受けて、前記筋付け位置設定手段により設定された前記筋付け位置と同じ位置に前記成果物を折り畳む折畳位置を設定する折畳位置設定手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記折畳位置設定手段により前記成果物に設定された折畳位置を示す折畳加工線と、前記サイズ情報に基づいて生成された前記成果物の外形線を示す成果物外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0014】
請求項9の発明は、請求項7記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記シートにおける前記成果物の面付設定情報と前記折畳位置設定手段により前記成果物に設定された折畳位置とに基づいて設定される前記シートに対する折畳位置を示す折畳加工線と、前記シートの外形線を示すシート外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0015】
請求項10の発明は、請求項7記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記筋付け位置設定手段により設定された前記筋付け位置と、前記折畳位置設定手段により設定された前記折畳位置のいずれか一方の位置を変更する変更手段と、前記変更手段により、前記筋付け位置または前記折畳位置のいずれか一方の位置が前記成果物の異なる位置に変更されるのに伴って、他方の位置を一方の位置に合致させる連携手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記筋付け位置設定手段により設定された前記筋付け位置とは別の、前記成果物に対する加工の加工位置情報と加工種類情報を含む加工情報を受け付ける加工設定受付手段と、前記加工設定受付手段が受け付けた前記加工情報に基づいて、前記成果物に対する加工位置と加工種類を設定する加工設定手段とを備えた、ことを特徴とする
【0017】
請求項12の発明は、請求項11記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記加工設定受付手段が受け付けた前記加工位置情報に対応する加工位置を示す加工線と、前記サイズ情報に基づいて生成された前記成果物の外形線を示す成果物外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、ことを特徴とする
【0018】
請求項13の発明は、請求項11記載のシート加工ジョブ生成装置において、前記シートにおける前記成果物の面付設定情報と前記加工設定受付手段が受け付けた前記加工位置情報とに基づいて設定される前記シートにおける加工位置を示す加工線と、前記シートの外形線を示すシート外形線とを同時に表示するプレビュー表示手段を備えた、ことを特徴とする
【0019】
請求項14の発明は、コンピュータに、シートに面付設定された成果物に形成された筋付け加工に沿って前記成果物を折り畳むための第1筋付け位置情報を含む折り方のパターンを記憶する記憶処理と、前記パターンを表示するパターン表示処理と、前記パターン表示手段に表示された前記パターンから一のパターンの選択を受け付けるパターン選択受付処理と、前記成果物のサイズ情報の入力を受け付ける成果物サイズ受付処理と、前記パターン選択手段によって選択された前記パターンに含まれる前記第1筋付け位置情報と、前記成果物サイズ受付処理が受け付けた前記サイズ情報とに基づいて、第2筋付け位置情報を設定し、前記第2筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する筋付け位置設定処理とを実行させるシート加工ジョブ生成プログラム、であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項15の発明は、請求項14記載のシート加工ジョブ生成プログラムにおいて、コンピュータに、調整値の入力を受け付ける調整値受付処理と、前記第2筋付け位置情報と、前記調整値受付処理が受け付けた調整値とに基づいて第3筋付け位置情報を設定し、前記第3筋付け位置情報を前記成果物に施す筋付け位置として設定する前記筋付け位置設定処理とを実行させる、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、成果物サイズの情報が入力されたときに、設定されていた筋付け位置ごとの変更作業が不要となることから、シート加工ジョブの生成にかかる時間を短くできる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、調整値が入力されたときに設定されていた筋付け位置ごとの変更作業が不要となることから、調整値の入力するときのシート加工ジョブの生成にかかる時間を短くできる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、折り方のパターンに対応したデータに、筋付けの向きに関する情報を含めることで、折りの向きに適した筋付けの向きが設定でき、折り目に沿ってシートからトナー着色剤が剥がれる不具合の無いきれいな折り目が得られる。
【0024】
請求項4の発明によれば、筋付けの向きを設定可能にすることで、成果物に対して最適な筋付けの向きを設定でき、折り目に沿ってシートからトナー着色剤が剥がれる不具合の無いきれいな折り目が得られる。
【0025】
請求項5の発明によれば、サイズ情報に基づいて生成された成果物の外形線を示す成果物外形線と、筋付け位置を示す筋付け加工線を、同時に表示することで、成果物における筋付け位置を容易に確認できる。
【0026】
請求項6の発明によれば、シートの外形線を示すシート外形線と、シートに対する筋付け位置を示す筋付け加工線を、同時に表示することで、シートにおける筋付け位置を容易に確認できる。
【0027】
請求項7の発明によれば、設定された筋付け加工位置と同じ位置にシートを折り畳むときの折り目の位置である折畳位置を設定するとき、各筋付け位置と同じ位置に個別に折畳位置を設定する作業が不要になり、短時間で折畳位置を設定することができ、シート加工ジョブの生成にかかる時間を短くできる。
【0028】
請求項8の発明によれば、サイズ情報に基づいて生成された成果物の外形線を示す成果物外形線と、折畳位置を示す折畳加工線を、同時に表示することで、成果物における折畳位置を容易に確認できる。
【0029】
請求項9の発明によれば、シートの外形線を示すシート外形線と、シートに対する折畳位置を示す折畳加工線を、同時に表示することで、シートにおける折畳位置を容易に確認できる。
【0030】
請求項10の発明によれば、同じ位置に設定された筋付け位置と折畳位置のうち、一方(例えば、筋付け位置)を変更すると、他方(例えば、折畳位置)を自動的に変更する。このため、同じ位置に設定された2つの加工のうち、一方の位置を変更するだけで、2つの加工位置の設定を変更することができ、シート加工ジョブの生成にかかる時間を短くできる。
【0031】
請求項11の発明によれば、折り方のパターンに含まれる筋付け位置情報には含まれていない任意の種類の加工を、任意の位置に設定することができることから、シート加工の自由度が上がる。
【0032】
請求項12の発明によれば、サイズ情報に基づいて生成された成果物の外形線を示す成果物外形線と、成果物における加工位置を示す加工線を、同時に表示することで、成果物における加工位置を容易に確認できる。
【0033】
請求項13の発明によれば、シートの外形線を示すシート外形線と、シートにおける加工位置を示す加工線を、同時に表示することで、シートにおける加工位置を容易に確認できる。
【0034】
請求項14記載の発明によれば、成果物サイズの情報が入力されたときに、設定されていた筋付け位置ごとの変更作業が不要となることから、シート加工ジョブの生成にかかる時間を短くできる。
【0035】
請求項15記載の発明によれば、調整値が入力されたときに設定されていた筋付け位置ごとの変更作業が不要となることから、調整値の入力するときのシート加工ジョブの生成にかかる時間を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本実施形態にかかるシート加工ジョブ生成装置のブロック図である。
【
図2A】1面付けを設定したシートのプレビュー画面を示す図である。
【
図2B】9面付けを設定したシートのプレビュー画面を示す図である。
【
図2C】シート全面に、1面付けを設定したシートのプレビュー画面を示す図である。
【
図3】本実施形態にかかる折り方を示すパターンを表示した表示画面の図である。
【
図4】本実施形態にかかる折り方を示すパターンを選択した後の表示画面の図である。
【
図5】本実施例にかかるプレビュー画面を示した図である。
【
図6】本実施例にかかる成果物サイズ情報を入力したあとの表示画面の図である。
【
図7】本実施例にかかる成果物サイズ情報を入力したあとのプレビュー画面を示した図である。
【
図8A】本実施例にかかる、サイズ情報を入力し、シートに1面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図8B】本実施例にかかる、サイズ情報を入力し、シートに9面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図9】本実施例にかかる調整値を入力したあとの表示画面の図である。
【
図10】本実施例にかかる調整値を入力したあとのプレビュー画面の図である。
【
図11A】本実施例にかかる調整値を入力し、シートに1面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図11B】本実施例にかかる調整値を入力し、シートに9面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図12】本実施例にかかる筋付け加工の向き情報を表示した表示画面の図である。
【
図13】本実施例にかかる筋付け加工の向きを選択した後の表示画面の図である。
【
図14】本実施例にかかる筋付け加工の向きを選択した後のプレビュー画面を示した図である。
【
図15】本実施例にかかる折り追加のチェックボックスにチェックマークを入れた後の表示画面を示した図である。
【
図16】本実施例にかかる折り追加のチェックボックスにチェックマークを入れた後のプレビュー画面を示した図である。
【
図17A】本実施例にかかる折り追加のチェックボックスにチェックマークを入れ、シートに1面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図17B】本実施例にかかる折り追加のチェックボックスにチェックマークを入れ、シートに9面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図18】本実施例にかかる加工種類(凸筋付け加工と凹筋付け加工)と、それぞれの加工の位置を個別に設定した場合のディスプレイとプレビュー画面を示した図である。
【
図19A】本実施例にかかる加工種類(凸筋付け加工と凹筋付け加工)と、それぞれの加工の位置を個別に設定された成果物をシートに1面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図19B】本実施例にかかる加工種類(凸筋付け加工と凹筋付け加工)と、それぞれの加工の位置を個別に設定された成果物をシートに9面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図20】本実施例にかかる加工種類(凸筋付け加工と凹筋付け加工とミシン目加工)と、それぞれの加工の位置を個別に設定した場合のディスプレイとプレビュー画面を示した図である。
【
図21A】本実施例にかかる加工種類(凸筋付け加工と凹筋付け加工とミシン目加工)と、それぞれの加工の位置を個別に設定された成果物をシートに1面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図21B】本実施例にかかる加工種類(凸筋付け加工と凹筋付け加工とミシン目加工)と、それぞれの加工の位置を個別に設定された成果物をシートに9面付けした場合のプレビュー画面を示した図である。
【
図22A】本実施例におけるシート加工ジョブ生成プログラムの動作を示すフローチャートである。
【
図22B】本実施例におけるシート加工ジョブ生成プログラムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明の実施形態のシート加工ジョブ生成装置の構成を示すブロック図である。
記憶手段70は、シートに面付設定された成果物に形成された筋付け加工に沿って成果物を折り畳むための第1筋付け位置情報を含む折り方のパターンを記憶するものであり、例えば、HDD、SSDのほか、USBメモリのような携帯記憶媒体も含まれる。また、シート加工ジョブ生成装置10の外部に配置し、ネットワークを通じてデータの保存、読み出しをする記憶手段も記憶手段70に含まれる。
また、記憶手段70に記憶されるパターンには、成果物の表面における凸状または凹状のうちのいずれの筋付け加工かを示す筋付方向情報が含めることも可能である。
パターン表示手段80は、折り方のパターンを表示するものであり、例えば、パターンを示すアイコンを表示するシート加工ジョブ生成装置10と接続したディスプレイ800やシート加工装置の表示部がある。
パターン選択手段20は、パターン表示手段80に表示されたパターンから一のパターンを選択するものであり、例えば、マウスやキーボード、タッチパネル、または、外部装置からの信号を受信する装置がある。
成果物サイズ受付手段22は、成果物のサイズ情報の入力を受け付けるものであり、例えば、マウスやキーボード、タッチパネルがある。また、外部装置からの信号を受信する装置も含まれる。
調整値受付手段23は、成果物における調整位置の長さを変更するための調整値の入力を受け付けるものであり、例えば、マウスやキーボード、タッチパネル、または、外部装置からの信号を受信する装置がある。本実施例においては、調整値入力欄231が調整受付手段23に該当する。
筋付け位置設定手段21は、パターン選択手段20によって選択されたパターンに含まれる第1筋付け位置情報と成果物サイズ受付手段22が受け付けたサイズ情報とに基づいて第2筋付け位置情報を設定し、第2筋付け位置情報を成果物における筋付け位置として設定するものであり、例えば、プロセッサ100である。
またに、筋付け位置設定手段21は、第2筋付け位置情報と、調整値受付手段23が受け付けた調整値とに基づいて第3筋付け位置情報を設定し、第3筋付け位置情報を成果物における筋付け位置として設定することも行う。
筋付方向表示手段81は、成果物の表面における凸状または凹状のうちのいずれの筋付け加工であるか、を示す筋付方向情報を示す筋付方向パターン400を表示するものであり、例えばシート加工ジョブ生成装置10と接続したディスプレイ800やシート加工装置の表示部がある。
筋付方向選択手段40は、筋付方向表示手段81に表示された筋付方向パターン400から一の筋付方向パターンを選択可能であり、例えば、筋付方向パターン400を示すアイコン400A~400D、スイッチやボタン、プルダウンメニューなどがある。これらに対しては、オペレータによるマウスやキーボード、タッチパネルの操作、または、外部装置からの信号により、筋付方向選択手段40に、選択結果を送信する。
筋付方向設定手段41は、筋付方向選択手段40によって選択された筋付方向パターンに応じて、成果物1100に施す筋付方向を設定するものであり、例えば、プロセッサ100である。
折畳設定受付手段30は、筋付け位置設定手段21により設定された筋付け位置と同じ位置に、折畳加工を設定するための指示を受け付けるものであり、例えば、スイッチやボタン、プルダウンメニューのほか、
図4の折り追加チェックボックス300がある。これらに対しては、オペレータによるマウスやキーボード、タッチパネルの操作、または、外部装置からの信号により、折畳設定受付手段30に指示が送られる。
折畳位置設定手段31は、折畳設定受付手段30が折畳加工を設定するための指示を受け付けると、筋付け位置設定手段21が設定した筋付け位置と同じ位置に、シートを折り畳むときの折り目の位置である折畳位置を設定するものであり、例えば、プロセッサ100がある。
変更手段50は、筋付け位置設定手段21により設定された筋付け位置と、折畳位置設定手段31により設定された折畳位置のいずれか一方の位置を変更するものであり、例えば、オペレータによるマウスやキーボード、タッチパネルの操作、または、外部装置からの信号により、筋付け位置または折畳位置の変更を行う。
連携手段51は、変更手段50により、成果物における筋付け位置または折畳位置のいずれか一方の位置が成果物の異なる位置に変更されるのに伴って、他方の位置を変更させるものであり、例えば、プロセッサ100である。
加工設定受付手段60は、パターンに含まれる第1筋付け位置情報とは別に、成果物を加工する加工位置と加工種類を受け付けるものであり、例えば、マウスやキーボード、タッチパネル、または、外部装置からの信号を受信する装置である。本実施例においては、加工入力欄600が加工設定受付手段60該当する。
加工設定手段61は、加工設定受付手段60が受け付けた加工位置に応じた成果物1100の位置に、加工設定受付手段60が受け付けた加工種類による加工を設定するものであり、例えば、プロセッサ100である。
プレビュー手段82は、成果物の外形線またはシートの外形線と、筋付け加工線、折畳加工線、加工線を表示するものであり、例えば、シート加工ジョブ生成装置10と接続したディスプレイ800やシート加工装置の表示部がある。また、ディスプレイ800に表示されるプレビュー画面801もプレビュー手段82の一例である。
【0038】
第1筋付け位置情報とは、パターンに含まれている、成果物1100の筋付け位置についての情報である。第2筋付け位置情報は、第1筋付け位置情報と成果物サイズを示すサイズ情報に基づいて設定される情報である。第3筋付け位置情報は、第2筋付け位置情報と調整値に基づいて設定される情報である。
【0039】
パターン選択手段20、成果物サイズ受付手段22、調整値受付手段23、折畳設定受付手段30、筋付方向選択手段40、変更手段50、加工設定受付手段60は、いずれも、マウスやキーボード、タッチパネル、または、外部装置からの信号を受信する装置であるが、上記手段は同一の装置であっても構わないし、手段ごとに個別に配置しても構わない。また、
図1では、上記手段は、シート加工ジョブ生成装置10に内蔵されているが、装置の外部に配置されていても構わない。
【0040】
筋付け位置設定手段21、折畳位置設定手段31、筋付方向設定手段41、連携手段51、加工設定手段61は、例えばプロセッサ100であるが、一つのプロセッサが、一つの手段だけを担ってもよく、一つのプロセッサが複数の手段を担うものでもよい。
【0041】
パターン表示手段80、筋付方向表示手段81、プレビュー手段82は、例えばシート加工ジョブ生成装置10と接続したディスプレイ800やシート加工装置の表示部であるが、一つのディスプレイまたは表示部が、一つの手段だけを担ってもよく、一つのディスプレイまたは表示部が複数の手段を担うものでもよい。
【0042】
ここで、シート1000と成果物1100との関係について説明する。
図2A、2B、2Cには、異なる3種類の加工ジョブが設定されたシート1000A、1000B、1000Cがそれぞれ示される。各シート1000A、1000B、1000C内に斜線部で示す範囲が成果物1100である。
また、シート1000A、1000B、1000Cの外形線であるシート外形線を1600A、1600B、1600Cとして示している。
図2A~
図2Cにおいて、各成果物1100A、1100B、1100Cには、一点鎖線で示す筋付け加工線1300A,1300B、1300Cが、いずれも2本ずつ設定されている。この筋付け加工線1300A,1300B、1300Cは、各シート1000A、1000B、1000Cがシート加工装置によって加工処理される際に、シート搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿って設定されている。
また、成果物1100A、1100B、1100Cの外形線である成果物外形線を1200A、1200B、1200Cとして示している。
【0043】
また、
図2A、
図2Bに示すシート1000A,1000Bには、破線で示すシート搬送方向Fに沿った切断加工線1400A、1400B 及び幅方向Wに沿った切断加工線1500A、1500Bが設定されている。
図2Aのシート1000Aの切断加工線1400A、1500Aは、シート搬送方向F及び幅方向Wのいずれも中央部近傍に2本ずつ設定されている。これより、
図2Aでは、1枚のシート1000Aから1つの成果物1100A切り出される。
一方、
図2Bのシート1000Bの切断加工線1400B、1500Bはシート搬送方向F及び幅方向Wのいずれも6本ずつ設定されている。
図2Bでは、1枚のシート1000Bに縦及び横に3つずつ、合計9つの成果物1100Bが切り出される。
【0044】
これらのシート1000A,1000Bは、シート加工装置(図示せず)によって、切断加工線1400A、1400B、1500A、1500Bで切断されることによって、該シート1000A,1000Bから成果物1100A、1100Bが切り出される。この切断加工処理は、それぞれスリッターやカッター等の図示しない切断刃を用いて行われる。
【0045】
シート加工装置では、例えば、シート搬送方向Fに沿った切断を行うスリッターが筋付け加工部の上流側に、幅方向Wに沿った切断を行うカッターが筋付け加工部の下流側に設置することができる。この場合、シート1000A,1000Bは、シート搬送方向Fに沿って切断された後、筋付け加工処理され、さらに、幅方向Wに沿って切断されることとなる。
【0046】
これに替えて、シート搬送方向F及び幅方向Wに沿ってそれぞれ切断を行う切断刃が、いずれもシート加工装置の筋付け処理部より上流側に設置されてもよい。この場合、シート1000A,1000Bが切断加工線1400A、1400Bで切断され、各成果物1100A、1100Bのサイズとされたのちに、筋付け処理される。
【0047】
また、シート搬送方向F及び幅方向Wに沿ってそれぞれ切断を行う切断刃が、いずれもシート加工装置の筋付け処理部より下流側に設置されてもよい。この場合、シート1000A,1000Bは、筋付け処理された後に、切断され、各成果物1100A,1100Bのサイズとされる。さらに、幅方向Wに沿った切断を行う切断刃の下流側に筋付け加工部が設置され、この筋付け加工部より下流側にシート搬送方向Fに沿った切断を行う切断刃が設置されてもよい。
【0048】
これに対し、
図2Cに示すシート1000Cには、シート搬送方向F及び幅方向Wのいずれの切断加工線も設定されていない。この場合、シート1000Cと成果物1100Cとは同じ大きさとなる。本実施形態の成果物には、シート1000A,1000Bから切り出された成果物1100A,1100Bと、シート1000Cと同じ大きさの成果物1100Cの双方が含まれる。
【0049】
本発明は、シート加工ジョブ生成装置が生成する、成果物1100に対する加工についてのデータ(すなわち、シート加工ジョブ)に関するものであるが、本発明における成果物1100とは、
図2Aや
図2Bのようにシート1000A、1000Bから切り出される成果物1100A、1100Bだけでなく、
図2Cのようにシート1000Cと切り離されない成果物1100Cも含まれる。
また、最終的にはシート1000A、1000Bから切り離されるものの、シート1000A、1000Bから切り出される前段階の成果物1100A、1100Bも含まれる。
【0050】
図2A、
図2B、
図2Cでは、シートを1000A、1000B、1000Cとして示し、成果物を1100A、1100B、1100Cとして示し、成果物外形線を1200A、1200B、1200Cとして示し、筋付け加工線を1300A、1300B、1300Cとして示し、シート搬送方向Fに沿った切断加工線を1400A、1400Bとして示し、幅方向Wに沿った切断加工線1500A、1500Bとして示し、シート外形線を1600A、1600B、1600Cとして示していた。
図3以降においては、シートを1000として示し、成果物を1100として示し、成果物外形線を1200として示し、筋付け加工線を1300として示し、シート搬送方向Fに沿った切断加工線を1400として示し、幅方向Wに沿った切断加工線1500として示し、シート外形線を1600として示す。
また、後述する折畳加工線を2000、凸状筋付け加工線を3000、凹状筋付け加工線を3100、ミシン目加工線を3200、同じ位置に筋付け位置と折畳位置が設定された加工線を4000、4100として示す。
【0051】
(第1の実施形態)
図3は、折り型を示すアイコン200を示したディスプレイ800の例である。ここでは、折り方を示すアイコン200として、200A~200Eの5パターンを表示している。
最も左のアイコン200Aは、成果物1100の表面に筋付けを1つ施し、山折りに折り畳むことを示しています。
左から2番目のアイコン200Bは、「C折り」の折り方を示す。C折りでは、成果物1100に筋付けを2つ施す。成果物1100における筋付けを施した箇所よりもシート端側の2つの部分の少なくとも一部が重なるように、筋付けを施した2か所を折り畳む。
中央のアイコン200Cは、「Z折り」の折り方を示す。Z折りでは、成果物1100の表面に筋付けを2つ施す。筋付けを施した2箇所のうち、一方を山折りに折り畳み、他方を谷折りに折り畳む。
右から2番目のアイコン200Dは、成果物1100の表面に筋付けを2つ施す。成果物1100における筋付けを施した箇所よりも成果物端側の2つの部分が重ならないように、筋付けを施した2か所をともに折り畳む。
最も右側のパターン200Eは、筋付けも折り畳みも行わないパターンを示している。
また、
図3では、折り方のパターンは5パターン示したが、折り方のパターンの数は1~4パターンでもよく、また、6パターン以上でもよい。
【0052】
オペレータは、実施する折り方のパターンを示すアイコンをクリックすることで、パターンを選択する。
図4では、選択したアイコン200Cに斜線を施して、Z折りのパターンを選択したことを示している。この選択が、パターン選択手段20による選択に該当する。
プロセッサ100は、選択されたアイコン200Cに対応するデータを記憶手段70から読み出し、読み出したデータに含まれる筋付け位置情報である第1筋付け位置情報を成果物1100に施す筋付け位置として設定する。
また、Z折りのアイコン200Cが選択されると、プレビュー手段82である、アイコン200Cを表示している同じ画面、または、切り替えた画面に、
図5のようなプレビュー画面801を表示する。
プレビュー画面801では、筋付けが行われる前の成果物1100の外形線を示す成果物外形線1200と、筋付け位置を示す2本の筋付け加工線1300を一点鎖線で示す。
図5は、成果物1100がA4用紙サイズであるとし、成果物1100の縦方向の一辺2300を三等分し、Z型に三つ折り処理する場合を示す。これは、例えば、
図2Cに示す成果物1100のように、A4サイズのシート1000が裁断処理されることなく、これと同じ大きさの成果物1100として得られる場合が挙げられる。または、A3サイズのシート1000が長手方向中央部で長手方向に直交する幅方向に沿って裁断されることによってもこのサイズの成果物1100を得ることができる。
成果物1100の縦方向の一辺2300の長さは297.0mm、横方向の一辺2400の長さは210.0mmとなっている。縦方向に並んだ2ヶ所の筋付け加工線1300のうち、成果物前端縁2100と上側の筋付け加工線1300の間の長さ、上側の筋付け加工線1300と下側の筋付け加工線1300の間の長さは、ともに99.0mmとなる。
【0053】
また、Z折りのアイコン200Cが選択されると、アイコン200が表示されている画面と同じ画面、または、自動的に切り替えた画面に、Z折りで折られた成果物の断面
図230と、成果物のサイズ情報を入力する成果物サイズ入力欄220、成果物における調整可能な位置の調整値を入力する調整値入力欄231が表示される。
図4では、Z折りを示すアイコン200Cが選択された場合のディスプレイ800に、断面
図230における調整位置230Aと230Bと、調整位置230Aに対応する調整値を入力する調整値入力欄231A、調整位置230Bに対応する調整値を入力する調整値入力欄231Bを表示している。
調整値入力欄231Aと231Bは、パターン選択手段によって選択されたZ折りのパターンに含まれる筋付け位置を調整するための調整値の入力を受け付ける。
成果物1100が2つの筋付け加工に沿ってZ折りに折り畳まれると、上側の第1折片(成果物前端縁2100と上側の筋付け加工線1300の間の部分)、中央の第2折片(上側の筋付け加工線1300と下側の筋付け加工線1300の間の部分)、及び下側の第3折片(下側の筋付け加工線1300と成果物後端縁2200)が上下に重ねられる。調整位置230Aは、第1折片の
図4における左端縁と第2折片の左端縁とをどれだけずらせるかの値を入力することで筋付け加工位置を調整するためのものである。オペレータは、調整位置230Aについて、調整値入力欄231Aを用いて調整値を入力することで、成果物1100の筋付け位置を調整できる。
調整位置230Bは、第2折片の同図における右端縁と第3折片の右端縁とがずれることで、第2折片が第3折片からはみ出す長さを調整するための値である。オペレータは、調整位置230Bについて、調整値入力欄231Bを用いて入力することで、成果物1100の筋付け位置を調整できる。
ここで、Z折りを選択した場合の調整位置は、例えば、成果物前端縁または後端縁のいずれかから2つの筋付け加工までのそれぞれの長さのように成果物の他の個所を示してもよく、また、調整位置の数が1つであっても構わない。
また、別の折り方のパターンを選択した場合は、断面
図230の図は選択したパターンに基づいた断面図が表示され、調整位置の位置・数(すなわち、調整値入力欄の数)も選択したパターンに応じたものが表示される。
【0054】
成果物のサイズであるサイズ情報が異なる値に変更されると、プロセッサ100は、折り方を示すパターンのうち選択したパターン(ここでは、アイコン200Cを選択したとする)に対応するデータに含まれる第1筋付け位置情報と、異なる値として入力されたサイズ情報とに基づいて第2筋付け位置情報を設定し、新たに設定した第2筋付け位置情報を筋付け位置として設定する。
具体的には、
図4のように折り方を示すパターンとしてZ折りを示すアイコン200Cを選択し、サイズ情報が297.0mmとなっている状態で、
図6のようにサイズ情報を210.0mmに変更した場合、プロセッサ100は、アイコン200Cに対応するデータに含まれる第1筋付け位置情報と入力されたサイズ情報210.0mmとに基づいて第2筋付け位置情報を設定し、新たに設定した第2筋付け位置情報を筋付け位置として設定する。
その結果、
図5のようにサイズ情報が297.0mmのときは、縦方向に並んだ2つの筋付け加工線1300のうち、シート搬送方向Fに沿った第1折片の長さ、シート搬送方向Fに沿った第2折片の間の長さが、ともに99.0mmであったのが、サイズ情報を210.0mmに変更することにより、
図7のように縦方向に並んだ2つの筋付け加工線1300のうち、シート搬送方向Fに沿った第1折片の長さ、シート搬送方向Fに沿った第2折片の間の長さが、ともに70.0mmに設定される。
図7は、成果物のサイズ情報である成果物1100の縦方向の一辺2300の長さを210.0mmに変更した場合の、成果物1100の外形線を示す成果物外形線1200と、プロセッサ100が設定した筋付け位置を示す筋付け加工線1300を表示したディスプレイ800のプレビュー画面801の例である。
プレビュー画面801は、
図7のように一つの成果物1100の外形線である成果物外形線1200と、成果物1100における筋付け加工位置を示す筋付け加工線1300を表示するが、この他に、
図8Aのように成果物1100が中央に配置されたシート1000の外形線を示すシート外形線1600と、シートにおける筋付け加工位置を示す筋付け加工線1300、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよいし、
図8Bのように成果物1100が複数面付設定されたシート1000の外形線を示すシート外形線1600と、シートにおける筋付け加工位置を示す筋付け加工線1300、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよい。
【0055】
さらに、成果物の縦方向の一辺2300を三等分して折り畳む位置に筋付け位置を設定した場合の筋付け加工線1300と、成果物1100の前端縁2100及び後端縁2200を、それぞれ合わせるというパターンの折り方(すなわち、シート搬送方向Fに沿った第1折片、第2折片、第3折片、それぞれの長さが同じである折り方)から、成果物1100の前端縁2100または後端縁2200の少なくともいずれかと、2つの筋付け加工線1300とをずらすよう調整したいときがある。この場合、オペレータは、
図9に示すように、調整値入力欄231Aと231Bに数値を入力することで、筋付け位置を所望する位置へ変更することができる。
【0056】
ここで、成果物1100をZ折りした場合の成果物1100の前端縁2100がある方向を下流側、後端縁2200がある方向を上流側とする。
図6および
図7では、成果物を筋付け位置で折り畳んだ場合に、成果物の縦方向の一辺2300を三等分した位置に設定した2つの筋付け位置のうち一方の筋付け位置が成果物1100の前端縁2100と重なる位置に設定され、成果物の縦方向の一辺を三等分した位置に設定した2つの筋付け位置のうち他方の筋付け位置が成果物1100の後端縁2200と重なる位置に設定されていた(すなわち、シート搬送方向Fに沿った第1折片、第2折片、第3折片、それぞれの長さが同じである折り方)。つまり、
図6において、調整位置230Aの調整値を0(ゼロ)と設定し、調整位置230Bの調整値を0(ゼロ)と設定していた。
これに対し、
図9では、成果物1100を筋付け位置で折り畳んだ場合に、成果物1100の前端縁2100が、成果物1100の縦方向の一辺2300を三等分したときに成果物1100の前端縁2100と重なる位置にあった筋付け位置よりも上流側にずらす(すなわち、調整位置230Aの調整値を0よりも大きい値に設定する)ために、調整値入力欄231Aに調整値55.0mmを入力している。
さらに
図9では、成果物1100を筋付け位置で折り畳んだ場合に、成果物1100の後端縁2200が、成果物1100の縦方向の一辺2300を三等分したときに成果物1100の後端縁2200と重なる位置にあった筋付け位置よりも下流側にずらす(すなわち、調整位置230Bの調整値を0よりも大きい値に設定する)ために、調整値入力欄231Bに調整値50.0mmを入力している。
このように、調整位置230Aに対応する調整値を調整値入力欄231Aに、調整位置230Bに対応する調整値を調整値入力欄231Bに入力すると、プロセッサ100は、第2筋付け位置情報と調整値入力欄231Aおよび231Bに入力された調整値に基づいて筋付け位置を設定する。
図10は、成果物サイズ入力欄に210.0mm、調整値入力欄231Aに55.0mm、調整入力欄231Bに50.0mmをそれぞれ入力した場合の、成果物1100の外形線を示す成果物外形線1200と、プロセッサ100が設定した筋付け位置を示す筋付け位置加工線1300を表示したプレビュー画面801の例である。
プレビュー画面801は、
図10のように一つの成果物1100の外形線である成果物外形線1200と、成果物1100における筋付け加工位置を示す筋付け加工線1300を表示する他に、
図11Aのように成果物1100が中央に配置されたシート1000の外形線を示すシート外形線1600と、シートにおける筋付け加工位置を示す筋付け加工線1300、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよいし、
図11Bのように成果物1100が複数面付設定されたシート1000の外形線を示すシート外形線1600と、シートにおける筋付け加工位置を示す筋付け加工線1300、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよい。
【0057】
なお、
図9では、調整値入力欄231Aと231Bの両方に調整値を入力しているが、1つの調整値を入力するだけでも、プロセッサ100は、アイコン200Cに対応するデータに含まれる筋付け位置情報と、調整値入力欄に入力された調整値に基づいて筋付け位置を設定する。
【0058】
また、ディスプレイ800に表示している、折り方のパターン200A~200Eに対応するデータには、シートの表面における凸状または凹状のうちのいずれの筋付け加工であるか、を示す筋付方向の情報を含めることが可能である。
成果物1100の表面における凸状の筋付け加工とは、成果物1100に筋付け加工する際、搬送路を搬送される成果物1100の上面から上方に向けて凸状に突出するよう筋付け装置によって筋付け加工することである。この凸状の筋付け加工は、搬送路の上方に設置された下部に凹溝を有する凹型と、搬送路の下方に設置された上部に凸部を有する凸型との間で、成果物1100を挟持することで形成される。
一方、成果物1100の表面における凹状の筋付け加工とは、成果物1100に筋付け加工する際、搬送路を搬送される成果物1100の下面から下方に向けて凸状に突出するよう筋付け装置によって筋付け加工することである。この凹状の筋付け加工は、搬送路の下方に設置された上部に凹溝を有する凹型と、搬送路の上方に設置された下部に凸部を有する凸型との間で、成果物1100を挟持することで形成される。
このように、選択したパターンに対応するデータに筋付方向の情報が含まれている場合、折り方のパターンを選択し、筋付け位置が設定された時点で、筋ごとに筋付け方向も設定される。
【0059】
図12は、筋付け加工の向き情報がディスプレイ800に表示される例を示す。ディスプレイ800には、筋付方向のパターンを示すアイコン400が表示されており、ここでは筋付け位置が2ヶ所ある折り方のパターンにおける、4種類の筋付方向のパターンを示すアイコン400A~400Dを示している。
図12における右側を搬送方向上流側、左側を搬送方向下流側としたとき、上から1番目のアイコン400Aは、成果物1100の表面において、搬送方向上流側及び下流側の双方とも凸状の筋付け加工が施される筋付方向のパターンを示しており、上から2番目のアイコン400Bは、成果物1100の表面において、搬送方向上流側及び下流側の双方とも凹状の筋付け加工が施される筋付方向のパターンを示している。上から3番目のアイコン400Cは、成果物1100の表面において、搬送方向上流側が凸状の筋付け加工が施され、搬送方向下流側が凹状の筋付け加工が施される筋付方向のパターンを示しており、一番下のアイコン400Dは成果物1100の表面において、搬送方向上流側が凹状の筋付け加工が施され、搬送方向下流側が凸状の筋付け加工が施される筋付方向のパターンを示している。
【0060】
オペレータが、筋付方向のパターンを示すアイコン400A~400Dから実施する筋付方向のパターンを示すアイコンをクリックすることで、筋付方向パターンが選択される。筋付方向のパターンが選択されると、プロセッサ100は、各筋の筋付け方向を設定する。
図13は、上から3番目のアイコン400Cが選択された場合を示している。
また、アイコン400Cが選択されると、アイコン400Cを表示している同じ画面、または、切り替えた画面に、成果物1100における筋付け位置とともに、筋付方向を示す。
図14は、成果物1100における筋付け位置と筋付方向を示しているプレビュー画面801の一例である。
図14では、2本の筋付け加工線のうち、上側の筋付け加工線は、凹状筋付け加工線3100であり、一点鎖線で示している。また、下側の筋付け加工線は、凸状筋付け加工線3000であり、二点鎖線で示している。2本の筋付け加工線は、それぞれ一点鎖線、二点鎖線で示したが、例えば、色の異なる実線又は点線で表示しても構わないし、太さの異なる実線又は点線で表示しても構わない。
また、
図14に示しているように、凸状筋付け加工線3000の左横に凸状筋付けを示す凸状筋付けアイコン410を示し、凹状筋付け加工線3100の左横に凹状筋付けを示す凹状筋付けアイコン420を示してもよい。
図14では、成果物1100が縦横ともに210.0mmであるとし、成果物1100の縦方向の一辺2300を三等分し、Z型に三つ折り処理する場合を示す。成果物1100の縦方向の一辺2300の長さは210.0mm、横方向の一辺2400の長さは210.0mmとなっている。凸状筋付け加工線3000と凹状筋付け加工線3100の位置で折り畳まれることにより、成果物前端縁2100と凹状筋付け加工線3100の間の長さ、凹状筋付け加工線3100と凸状筋付け加工線3000の間の長さは、ともに70.0mmとなる。
【0061】
以上より、本実施形態にかかるシート加工ジョブ生成装置10は、プロセッサ100が、折り方のパターンを示すアイコン200A~200Eから選択した一つのアイコン200Cに対応するデータに含まれる第1筋付け位置情報と成果物サイズ入力欄220に入力された成果物のサイズ情報に基づいて第2筋付け位置情報を設定し、この設定した第2筋付け位置情報を成果物1100に施す筋付け位置として、自動的に設定する。このため、成果物1100のサイズ情報を変更するたびに、オペレータが、筋付け位置を個別に変更する作業の手間が省け、シート加工ジョブ生成に要する時間を短くできる。
【0062】
また、調整値受付手段23である調整値入力欄231に少なくとも1つの調整値を入力されると、プロセッサ100が、第2筋付け位置情報と調整値に基づいて第3筋付け位置情報を設定し、この設定した第3筋付け位置情報を筋付け位置として、自動的に設定する。このため、調整値を入力するたびに、筋付け位置を個別に変更する作業の手間が省け、シート加工ジョブ生成に要する時間を短くできる。
【0063】
また、折り方のパターンに対応したデータに、筋付方向の情報を含めることで、折りの向きに適した筋付方向が設定可能である。これにより、折り目に沿ってシートからトナー着色剤が剥がれる不具合の発生を低減させることができ、きれいな折り目が得られる。
【0064】
また、筋付方向を任意に設定可能とすることにより、成果物に対してシートの厚さや種類に応じて最適な筋付方向を任意に選択し、設定することができる。これにより、折り目に沿ってシートからトナー着色剤が剥がれる不具合の発生を低減させることができ、きれいな折り目が得られる。
【0065】
(第2の実施形態)
図15は、
図4に示されている折り追加チェックボックス300にチェックマークを入れた状態のディスプレイ800を示したものである。オペレータが、折り追加チェックボックス300にチェックマークを入れると、プロセッサ100は、設定されている筋付け位置と同じ位置に、前記成果物を折り畳む折畳位置を設定する。
【0066】
筋付け位置と同じ位置に折畳位置が設定された場合のプレビュー画面801の例を
図16に示す。2本ある加工線4000、4100はともに、筋付け位置と折畳位置が同じ位置に設定された加工線である。加工線4000は、
図16において間隔の狭い点線で示しており、筋付方向の指定のない筋付け加工と、谷折りの折畳加工とが同じ位置に設定された加工線である。また、加工線4100は、
図16において間隔の広い点線で示しており、筋付方向の指定のない筋付け加工と山折りの折畳加工とが同じ位置に設定された加工線である。
図16では、2本の加工線4000、4100は、折り畳みの方向が異なることが分かるように、間隔の異なる点線で示しているが、それぞれ一点鎖線と二点鎖線で示してもよいし、色の異なる実線又は点線で表示してもよい。また、太さの異なる実線又は点線で表示しても構わない。また、
図16のように、加工線が筋付け加工と谷折りの折畳であることを示すアイコン4010、加工線が筋付け加工と山折りの折畳であることを示すアイコン4110を示してもよい。
プレビュー画面801は、
図16のように一つの成果物1100の外形線である成果物外形線1200と、成果物1100における加工位置を示す加工線4000、4100を表示するほかに、
図17Aのように成果物1100が中央に配置されたシート1000の外形線であるシート外形線1600と、そのシート1000における筋付け加工と谷折りの折畳加工が同じ位置に設定されている加工位置を示す加工線4000、シート1000における筋付け加工と山折りの折畳加工が同じ位置に設定されている加工位置を示す加工線4100、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよい。
また、
図17Bのように成果物1100が複数面付設定されたシート1000の外形線であるシート外形線1600と、そのシートにおける筋付け加工と谷折りの折畳加工が同じ位置に設定されている加工位置を示す加工線4000、シート1000における筋付け加工と山折りの折畳加工が同じ位置に設定されている加工位置を示す加工線4100、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよい。
【0067】
図16に示したような筋付け位置と折畳位置を同じ位置に設定した状態で、筋付け位置または折畳位置のいずれか一方を、成果物1100の異なる位置に変更した場合、プロセッサ100は、筋付け位置または折畳位置のうちの他方も同じ位置に変更する。
ここで、筋付け位置と折畳位置を同じ位置に設定した状態で、筋付け位置または折畳位置のいずれか一方を、成果物1100の異なる位置に変更するのが変更手段50であり、筋付け位置または折畳位置のうちの他方も同じ位置に変更するのが連携手段51である。
例えば、筋付け位置と折畳位置を同じ位置に設定した状態で、成果物サイズ入力欄220、または、調整値入力欄231Aまたは231Bのいずれかに数値入力する、または、既に入力した数値を変更することにより、プロセッサ100は、オペレータが選択した折りパターン200Cに対応するデータに含まれる筋付け位置情報(第1筋付け位置情報)と、成果物サイズ入力欄220、調整値入力欄231A、231Bのいずれかに入力された数値に基づいて、筋付け位置を成果物上の異なる位置に変更する。この時、プロセッサ100は、同じ位置に設定されていた折畳位置も筋付け位置と同じ位置に変更する。
【0068】
筋付け位置と折畳位置が同じ位置に設定された状態で、筋付け位置または折畳位置のいずれか一方を変更する他の方法としては、加工入力欄600へ入力することで筋付け位置および折畳位置のうちいずれか一方を変更した場合に、プロセッサ100は、筋付け位置や折畳位置のうちの他方を変更する、という方法もある。加工入力欄600に入力する方法については、後述する。
【0069】
以上より、本実施形態にかかるシート加工ジョブ生成装置10は、筋付け位置が設定されている状態で折り追加チェックボックス300にチェックマークが入力されると、設定されている筋付け位置と同じ位置に、自動的に折畳位置が設定される。設定されている筋付け位置が複数ある場合も同様に、設定されている複数個所の筋付け位置と同じ位置に、自動的にそれぞれ折畳位置が設定される。
このように、折り追加チェックボックス300にチェックマークを入れるだけで、折畳位置ごとに個別に設定することなく、筋付け位置と同じ位置に折畳位置が設定できるので、折畳位置の設定に要する時間を短くできることから、シート加工ジョブ生成に要する時間を短くできる。
【0070】
なお、設定されている筋付け位置と同じ位置に折畳位置を設定する方法は、折り追加チェックボックス300にチェックマークを入れる方法に限定しない。例えば、プレビュー画面801に表示されている筋付け加工線1300に近い位置や、後述する加工入力欄600に、折り追加チェックボックス300に代わる入力部を配置し、その入力部に筋付け位置と折畳位置を連携させるよう入力することで、筋付け位置と同じ位置に折畳位置を設定することもある。
この場合、一つの筋付け位置ごとに、個別に折畳位置を設定する・しない、を決めることが可能になる。以上のように、設定されている筋付け位置と同じ位置に折畳位置を設定することにより、筋付け位置と同じ位置に、個別に折畳位置を設定する必要がなくなり、シート加工ジョブ生成に要する時間を短くできる。
【0071】
また、筋付け位置と折畳位置のいずれか一方の位置を変更すると、プロセッサ100が、同じ位置に設定されていた他方の位置を自動的に変更するので、筋付け位置と折畳位置を個別に設定する作業が不要となり、同じ位置に設定された筋付け位置と折畳位置の両方の位置を変更するのに要する時間を短くできることから、シート加工ジョブ生成に要する時間を短くできる。
【0072】
(第3の実施形態)
図18は、成果物に対する加工の位置と加工種類を個別に設定する場合のディスプレイ800とプレビュー画面801の一例である。ディスプレイ800には、加工入力欄600とプレビュー画面801が表示されている。
加工入力欄600にシートに対する加工種類情報と加工位置情報を含む加工情報が入力されると、プロセッサ100は、加工入力欄600に入力された加工情報に基づいてシート加工ジョブを設定する。加工種類の入力は、キーボードなどから加工種類と加工位置を入力してもよいし、プルダウンメニューから加工種類選択するする方法でも構わない。
図18では、キーボードから入力した場合を示している。入力できる加工の種類は、凸筋付け加工、凹筋付け加工、山折り加工、谷折り加工、ミシン目加工、切断加工がある。
図18では、加工位置の基準となる成果物1100の前端縁2100から100.0mmの位置に凹状筋付け加工を示す凹状筋付け加工線3100を設定し、前端縁2100から200.0mmの位置に凸状筋付け加工を示す凸状筋付け加工線3000を設定した場合の加工入力欄600と、プレビュー画面801を示している。
図18では、凸状筋付け加工線3000を二点鎖線、凹状筋付け加工線3100を一点鎖線と、加工位置を示す線の種類を変えているが、線の種類はこれに限らず、加工種類によって識別できれば良く、例えば、線の太さで識別するのでもよい。また、プレビュー画面がカラー表示可能な場合は、加工種類によって加工線の色を変えてもよい。
プレビュー画面801は、
図18のように一つの成果物1100の外形線である成果物外形線1200と、成果物1100における凸状筋付け加工を示す凸状筋付け加工線3000と凹状筋付け加工を示す凹状筋付け加工線3100を表示する。この他に、プレビュー画面801には、
図19Aのように成果物1100が中央に配置されたシート1000の外形線であるシート外形線1600と、シートにおける筋付け加工位置を示す凸状筋付け加工線3000および凹状筋付け加工線3100と、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよいし、
図19Bのように成果物1100が複数面付設定されたシート1000の外形線であるシート外形線1600と、シートにおける筋付け加工位置を示す筋付け加工示す凸状筋付け加工線3000および凹状筋付け加工線3100と、シート搬送方向Fに沿った切断加工線1400、幅方向Wに沿った切断加工線1500を表示してもよい。
【0073】
図20は、
図18の状態に加えて、加工入力欄600に、ミシン目加工線3200の設定を入力したときの、加工入力欄600と、プレビュー画面801の一例である。
【0074】
図18、
図20では、筋付け位置や折畳位置が設定されていない成果物に対して、加工種類と加工位置を設定したが、
図4や
図6、
図9のように折り方のパターンの選択、または、折り方のパターンの選択と成果物のサイズ情報の入力、または、折り方のパターンの選択と成果物のサイズ情報の入力と調整値の入力により筋付け位置が設定されたあとに、加工入力欄600に加工種類と加工位置を入力することで、新たな加工種類と加工位置を設定することもできる。
また、折り方のパターンの選択により設定された複数の筋付け位置のうち、特定の筋付け位置に対して、加工入力欄600から加工種類または加工位置の変更を入力することで、加工種類または加工位置を変更することも可能である。
プレビュー画面801は、
図20のように一つの成果物1100の外形線を示す成果物外形線1200と、成果物1100における凸状筋付け加工を示す凸状筋付け加工線3000、凹状筋付け加工を示す凹状筋付け加工線3100、ミシン目加工線3200を表示する。この他に、プレビュー画面801には、
図21Aのように成果物1100が中央に配置されたシート1000の外形線を示すシート外形線1600と、そのシートにおける凸状筋付け加工を示す凸状筋付け加工線3000、凹状筋付け加工を示す凹状筋付け加工線3100、ミシン目加工線3200を表示してもよいし、
図21Bのように成果物1100が複数面付設定されたシート1000の外形線を示すシート外形線1600と、シートにおける凸状筋付け加工を示す凸状筋付け加工線3000、凹状筋付け加工を示す凹状筋付け加工線3100、ミシン目加工線3200を表示してもよい。
【0075】
以上より、本実施形態にかかるシート加工ジョブ生成装置10は、プロセッサ100が、折り方のパターン200に含まれる筋付け位置情報に加え、シートを加工処理する別の加工処理位置を設定することができ、折り方のパターンに含まれない種類と位置のシート加工が可能となり、シート加工の自由度が上がり、より多くの加工パターンを設定できる。
【0076】
図22Aおよび
図22Bを参照して、シート加工ジョブ生成プログラムにおける制御を説明する。
図22A、22Bは、シート加工ジョブ生成プログラムのフローチャートである。
ステップS100において制御を開始したのち、折り方を示すパターンに応じたデータを記憶処理する(ステップS101)。ここで記憶するデータには、第1の筋付け位置情報が含まれている。また、データには、成果物のサイズ情報が含まれていてもよい。
ステップS101の記憶処理は、ステップS102以降の制御を行う前であれば、いつでも構わないので、ステップS102を実行する直前でも構わないし、ステップS102を実行する前に、事前に記憶処理を済ませておいても構わない。
ステップS102では、記憶処理(ステップS101)した折り方を示すパターンを表示する。表示したパターンから、オペレータの操作または外部機器からの信号によってパターンの選択されたことを受け付ける(ステップS103)と、ステップS101で記憶処理したデータから、ステップS103において受け付けたパターンに対応するデータを読み出す(ステップS104)。ここで読み出したデータには、成果物における筋付け加工位置に関する情報である第1筋付け位置情報が含まれている。
記憶処理したデータから選択されたパターンに対応するデータを読み出した後に、成果物のサイズ情報を受け付ける(ステップS105)と、ステップS104において読み出したデータに含まれる第1筋付け位置情報と、ステップS105において受け付けた成果物のサイズ情報に基づいて、第2筋付け位置設定情報を設定する(ステップS106)。そして、第2筋付け位置情報を、成果物における筋付け加工の位置を示す筋付け位置として設定する(ステップS107)。
ステップS105において、成果物のサイズ情報が受け付けられなかった場合(すなわち、ステップS101の記憶処理において、パターンに応じたデータに成果物サイズが含まれており、さらに、成果物サイズの変更がなかった場合)、ステップS104において読み出したデータに含まれていた第1筋付け位置情報を成果物における筋付け加工の位置を示す筋付け位置として設定する(ステップS108)。
【0077】
図22Bでは、ステップS107またはステップS108のいずれかが実行された後の処理の内容を示す。
シート加工ジョブ生成プログラムは、第1筋付け位置情報が筋付け位置に設定(ステップS108)した後は、その設定を変更せず(ステップS114)、シート加工ジョブ生成プログラムを終了させる(ステップS115)。
【0078】
一方、ステップS107を実行し第2筋付け位置情報が設定された場合、成果物における所定部分のサイズを変更させるための調整値の入力を受け付ける(ステップS110)。
【0079】
ステップS110において、調整値の入力を受け付けると、入力された調整値と、第2筋付け位置情報とに基づいて、第3筋付け位置情報が設定され(ステップS111)、第3筋付け位置情報を成果物における筋付け加工の位置を示す筋付け位置として設定し(ステップS112)、シート加工ジョブ生成プログラムを終了させる(ステップS115)。
【0080】
ステップS110において、調整値の入力を受け付けなかった場合、第2筋付け位置情報を成果物における筋付け加工の位置を示す筋付け位置として設定したまま、設定を変更せず(ステップS113)、シート加工ジョブ生成プログラムを終了させる(ステップS115)。
【0081】
以上のように、シート加工ジョブ生成プログラムが、サイズ情報の入力の有無に応じて、自動的に、第1筋付け位置情報、第2筋付け位置情報のいずれかを成果物における筋付け加工の位置を示す筋付け位置に設定する。これにより、成果物のサイズ情報を入力するだけで、パターンに含まれる全ての筋付け位置が設定されることから、シート加工ジョブ生成にかかる時間を短くすることができる。
【0082】
また、シート加工ジョブ生成プログラムが、調整値の入力の有無に応じて、自動的に、第2筋付け位置情報、第3筋付け位置情報のいずれかを成果物における筋付け加工の位置を示す筋付け位置に設定する。これにより、調整値を入力するだけで、パターンに含まれる全ての筋付け位置が設定されることから、シート加工ジョブ生成にかかる時間を短くすることができる。
【符号の説明】
【0083】
10 シート加工ジョブ生成装置
20 パターン選択手段
21 筋付け位置設定手段
22 成果物サイズ受付手段
23 調整値受付手段
30 折畳設定受付手段
31 折畳位置設定手段
40 筋付方向選択手段
41 筋付方向設定手段
50 変更手段
51 連携手段
60 加工設定受付手段
61 加工設定手段
70 記憶手段
80 パターン表示手段
81 筋付方向表示手段
82 プレビュー手段
100 プロセッサ
110 入力装置
200 アイコン
200A パターンA
200B パターンB
200C パターンC
200D パターンD
200E パターンE
220 成果物サイズ入力欄
230 断面図
230A 調整位置A
230B 調整位置B
231 調整値入力欄
231A 調整値入力欄A
231B 調整値入力欄B
300 折り追加チェックボックス
600 加工種類・位置入力欄
400 筋付方向パターン
400A 筋付方向パターンA
400B 筋付方向パターンB
400C 筋付方向パターンC
400D 筋付方向パターンD
410 凸状筋付けアイコン
420 凹状筋付けアイコン
600 加工入力欄
800 ディスプレイ
801 プレビュー画面
1000、1000A、1000B、1000C シート
1100、1100A、1100B、1100C 成果物
1200 成果物外形線
1300、1300A、1300B、1300C 筋付け加工線
1400、1400A、1400B 搬送方向切断加工線
1500、1500A、1500B 幅方向切断加工線
1600 シート外形線
2000 折畳加工線
2100 前端縁
2200 後端縁
2300 縦方向の一辺
2400 横方向の一辺
3000 凸状筋付け加工線
3100 凹状筋付け加工線
3200 ミシン目加工線
4000 加工線(筋付けと谷折りが重なった加工線)
4010 筋付けと谷折りアイコン
4100 加工線(筋付けと山折りが重なった加工線)
4110 筋付けと山折りアイコン
F シート搬送方向
W 幅方向(シート搬送方向Fと直交する方向)