(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111223
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】流体サンプルを採取するための装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240808BHJP
C12M 1/26 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12M1/26
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024100023
(22)【出願日】2024-06-20
(62)【分割の表示】P 2022081208の分割
【原出願日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】202210024877.9
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】63/300,811
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521107987
【氏名又は名称】浙江東方基因生物制品股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Orient Gene Biotech Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】方 剣秋
(57)【要約】
【課題】流体サンプルを採取するための装置、特に快速診断分野における尿、唾液などの液体サンプルを採取する装置を提供する。
【解決手段】多孔質吸水性薄膜で包まれた端部を含む、サンプルを採取するための装置であって、棒状素子を含み、前記端部は前記棒状素子の一部であり、前記端部は多孔質吸水性薄膜で被覆されているため、吸水性を有する。また、該装置は、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜を接着することによって構成された吸水性端部を含み、好ましくは、第2多孔質吸水性薄膜及び第1多孔質吸水性薄膜はスポンジ薄膜である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質吸水性薄膜で包まれた端部を含む、サンプルを採取するための装置。
【請求項2】
棒状素子を含み、前記端部は前記棒状素子の一部であり、前記端部は多孔質吸水性薄膜で被覆されているため、吸水性を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記多孔質吸水性薄膜は、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜とを含み、前記第1多孔質吸水性薄膜と前記第2多孔質吸水性薄膜とが一緒に接着されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1多孔質吸水性薄膜と前記第2多孔質吸水性薄膜との接着により、前記第1多孔質吸水性薄膜と前記第2多孔質吸水性薄膜との間に接ぎ目が形成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1多孔質吸水性薄膜と前記第2多孔質吸水性薄膜とは、ホットプレスの方法によって一緒に接着されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1多孔質吸水性薄膜および前記第2多孔質吸水性薄膜のうちの1つまたは2つは、加熱されると溶融の特性を持つか、または、加熱されると溶着する特性を持つ、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記加熱の温度は100~250℃、120~200℃、または160~180℃である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1多孔質吸水性薄膜および前記第2多孔質吸水性薄膜の材料は、人造繊維、綿と絹の天然材料、綿と絹の混合材料、スポンジ材料、スポンジと綿の混合材料、またはスポンジと木綿糸の混合材料から選択される、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記スポンジは、多孔質吸水性スポンジまたは発泡性スポンジである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記端部は、前記多孔質吸水性薄膜が加熱されると溶着することによって形成された継ぎ目を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記多孔質吸水性薄膜の厚さは0.01mm以上である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記厚さは、0.05mm以上、0.1mm以上、0.2mm以上、または0.1mm~5mmの間である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記端部は、頂部、および、頂部から遠く離れた領域または頂部に対応する領域を有し、ここで、頂部から遠く離れた前記領域は凹み領域を含み、前記凹み領域を溶融させると、棒状物に接着された領域が形成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記接着された領域と継ぎ目は、前記端部の同じ側に位置する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記端部の頂部から遠く離れた領域は収縮領域であり、その直径は前記頂部の直径より小さい、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記端部には上端が設けられており、前記上端には前記上端から外向きに延びる多孔質薄膜スリーブが設けられており、前記多孔質薄膜スリーブは、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜との接着より形成される、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2022年1月10日に出願された中国特許出願第202210024877.9号、2022年1月19日に出願された米国特許出願第63/300,811号に基づきそれらの優先権を主張し、明細書、図面及び特許請求の範囲を含むそれらの内容は全体的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、流体サンプルを採取するための装置、特に快速診断分野における尿、唾液などの液体サンプルを採取する装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
以下の背景技術の紹介は、いくつかの背景常識の紹介に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0004】
周知のように、臨床診断分析分野において、通常、人体組織の生物学的サンプルを採取するための吸収性材料は棒のテール部(端部とも呼ばれる)に適用し、化学又は綿などの天然繊維などの巻き付けられた繊維材料は、採取と試験に十分な量のサンプルを迅速に吸収するために必要な親水性を持つ。棒の端部に沿って繊維を接着剤で確実に接着する。
【0005】
通常、特に採取したサンプルから微生物を培養する方法でサンプルを検出する場合、吸収性材料は、サンプルの保管及び/又は実験室への輸送中に適切に保存するために、サンプル採取の直後に培地を含む試験管に浸す必要がある。
【0006】
一般的に、棒の端部は、プラスチックなどの一定の硬度のある材料で構成され、例えば、プレス成型によって製造されるため、ばりがあり、端部が十分に保護されない場合、サンプルを採取する必要がある一部の患者では、吸収性材料が巻き付いた棒を器官(口腔、鼻腔、眼、直腸、尿道、膣)に挿入するのは難しい。
【0007】
従って、平らにする上記棒の端部に巻き付けられた親水性繊維材料は、所望の量のサンプルを吸収するのに十分な材料を有するだけでなく(通常、必要な量は100マイクロリットル)、十分な厚さ及び円形でなければならず、このようにして、切断箇所の端面の縁部を保護でき、患者に他の損傷を与えたり、サンプル採取過程中に患者に不安を感じさせたりせず、且つ製造コストは高いため、ハイスループット製造を実現することは難しい。
【0008】
上記の理由のため、繊維材料は棒の端部に円形に巻き付けられ、端部の典型的な形状は、繊維材料が円筒形の端部に向かって巻き付いた方向に徐々に厚くなることができるように、円形アーチ又は類似する形状であり、このようにして、切断箇所の端部の円周でちょうど最大の厚さに達するため、最高の保護が得られる。この形状の繊維材料は、上記の切断された円筒形の端面によって引き起こされた危険から患者を保護する一方で、多くの欠点にもつながる。主な欠点の1つは上記繊維材料の厚さであり、繊維の親水性のため、採取したサンプルが繊維材料中に浸み込む。実用的な考慮事項に基づき、サンプルを分析する必要がある場合、吸収性材料が巻き付けられた棒の端部をシンプルにクランプし、且つ培地を含有するペトリ皿(petridish)などに沿ってわずかにスライドするため、繊維材料は十分な液体で濡れ、実際の操作過程において、通常、サンプルを皿に分散し(塗る)、この操作を注意深く繰り返しても、同じ量のサンプル(例えば、100ml)が放出されることはできないのは、サンプルの一部が既に端部の繊維材料に浸み込み、これらのサンプルを繊維材料の表面に押圧することができず、更にスライド押圧過程において放出することができないからである。別の問題は、従来の吸収性材料のかさばる繊維材料に起因し、特に尿道又は眼に使用される場合、この問題はより深刻である。
【0009】
例えば、以下の特許出願に記載の植毛スワブ(flocked swab):US 8,114,027、US 8,317,728、US 8,979,784、US 9,011,358、US 9,173,779、US 10,327,741、AU 2004226798、JP 4579902,ZL 200610099310.9。従来の植毛綿棒は、従来の巻き付けタイプのサンプリングの問題を回避できるが、製造コストが高く、製造には専門の静電装置が必要であり、同時に製造効率は高くない。また、使用過程中、いくつかの欠陥もあり、例えば、いくつかの特別な部位のサンプリングはあまり友好的ではなく、人々を特に不快に感じさせる。また、製造過程中、棒状物の表面に接着剤を塗布する必要があり、次に表面に静電接着するため、プロセスは複雑であり、また、実際の使用中、接着するのは短繊維であるので、はげ落ちるという現象は発生する可能性があり、このようにして、一部のサンプルの採取では、特に数回の処理が必要な場合、繊維がはげ落ちることをもたらし、これらのはげ落ちた繊維は、サンプルの後続の処理に影響を与え、更に検出結果にも影響を与える。
【0010】
従って、別の採取装置を提供する必要があり、従来の製品のいくつかの欠陥及び不足を克服する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は上記問題を解決することである。本発明は、サンプリング装置を提供し、臨床診断分析サンプルを採取するための装置は、1層以上の吸水性薄膜で包まれた端部を含む。
【0012】
いくつかの態様では、該サンプリング装置は、棒状素子を含み、1層以上の吸水性薄膜で包まれた端部は棒状素子に被覆されるため、該端部は吸水性を持つ。前記棒状物の端部は非吸水性で、例えば、プラスチック、合金などの非吸水性材質、例えば、PVC、PPPなどのプラスチックである。本明細書で使用される用語「包む」は、多孔質吸水性薄膜又は2枚の薄膜が棒状物の端部を取り囲んでカバーし、外から棒状物の表面を見えないことを指し、棒状物の端部の表面に薄膜を直接被覆することを指してもよく(
図2A)(接着剤あり又は接着剤なし)、棒状物から一定の距離離れることを指してもよい(
図2C)。
【0013】
いくつかの形態では、1層以上の吸水性薄膜は、第1吸水性薄膜と、第2吸水性薄膜とを含み、該第1吸水性薄膜と第2吸水性薄膜は、棒状物の端部の表面に接着されるため、包まれた端部を形成し、形成された端部は吸水性を持つ。いくつかの形態では、前記棒状物の表面は接ぎ目を有する。
【0014】
いくつかの形態では、前記第1薄膜材料と第2薄膜材料はホットプレスの方法によって接着される。いくつかの形態では、前記第1層の吸水性薄膜と第2層の吸水性薄膜の材料は同じである。いくつかの形態では、第1薄膜と第2層薄膜の材料は異なってもよい。いくつかの形態では、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜のうちの1つ又は2つは、加熱溶融の特性を持ち、又は熱せられると融着する特性を持つ。又は高温溶融の特性を持ち、前記高温は摂氏100~250度、又は摂氏120~200度、又は摂氏160~180度である。いくつかの形態では、これらの多孔質薄膜の構成材質は、高温溶融した後、接着の特性を持つ。
【0015】
いくつかの形態では、前記第1薄膜及び第2薄膜の材料は、人造繊維、及び綿と絹の天然材料、又は綿と絹の混合材料、又はスポンジ材料、又はスポンジと綿の混合材料、又はスポンジと木綿糸の混合材料から選択される。いくつかの形態では、前記スポンジは吸水性スポンジである。いくつかの形態では、前記スポンジの溶融温度は500以下であり、いくつかの形態では、前記溶融温度は摂氏180~250度の間である。いくつかの形態では、前記吸水端部は、多孔質薄膜が熱せられると融着することによって形成された継ぎ目を含む。前記継ぎ目は吸水端部に位置し、いくつかの態様では、前記継ぎ目は吸水端部の両側及び/又は頂部に位置する。
【0016】
いくつかの形態では、前記棒状素子は、親水性繊維材料のない棒であり、前記薄膜材料は前記棒の端部に被覆され、薄膜材料は多孔質吸水性材料を有する。
【0017】
いくつかの形態では、前記薄膜材料は毛管吸水性材料を含む。
【0018】
いくつかの形態では、前記多孔質薄膜材料の厚さは0.1ミリメートル以上であり、いくつかの形態では、吸水性材料はスポンジ質の材料である。前記スポンジ材料は、発泡処理されたスポンジ薄膜である。前記多孔質吸水性材料のスポンジ薄膜の厚さは、0.05ミリメートル以上、又は0.1ミリメートル以上、又は0.2ミリメートル以上、又は0.1~5ミリメートルである。
【0019】
いくつかの形態では、吸収可能な液体の体積を量るように設置され得、いくつかの態様では、前記吸水性端部は、0.1~1ミリリットルの液体、又は0.1~800マイクロリットル、又は1~200マイクロリットル、又は20~200マイクロリットルの液体を吸収することができる。これらの水量は、端部の面積、吸水性薄膜の厚さ、吸水性薄膜の多孔質性によって決まり、更に吸水性材質自身の毛管作用の能力の大きさを含み、これらは調整可能である。
【0020】
いくつかの形態では、凹み領域は、吸水性材料を棒状物の表面に接着するための領域であり、このような接着は、接着剤による接着であってもよく、該領域の多孔質薄膜が熱せられると溶融することによって棒状物の表面に接着されるものであってもよい。いくつかの形態では、前記吸水性端部は、頂部及び頂部から遠く離れた領域又は頂部に対応する領域を有し、ここで、頂部から遠く離れた前記領域は凹み領域を含み、前記凹み領域を溶融させると、棒状物に接着された領域を形成する。いくつかの形態では、前記凹み領域は吸水端部の両側、又は吸水端部の末端の両側若しくは片側に配置される。いくつかの形態では、前記凹み接着領域と継ぎ目は、端部の同じ側に位置する。いくつかの形態では、前記吸水端部の遠く離れた領域は収縮領域であり、その直径は頂部領域の直径より小さい。いくつかの形態では、前記遠位端は頂部領域に対して収縮しており、全体的に体積が減少するように見える。
【0021】
いくつかの形態では、棒状物の端部は頂端を有し、頂端において外向きに延びる多孔質薄膜スリーブがあり、該多孔質薄膜スリーブは頂端に直接被覆されるものではなく、外に延びるものであり、
図2Cの構造を参照する。接着した後に端部に包まれた多孔質薄膜全体の縦方向の長さは、裏側の棒状物の端部の縦方向の長さより大きく、及び/又は多孔質薄膜の接着で形成されたスリーブの横方向の幅は、棒状物の端部の横方向の幅より大きく、このように形成された多孔質薄膜はより柔らかく、使用中より安全である。いくつかの形態では、多孔質薄膜の縦方
向の末端は接着部又は固定構造を有し、多孔質薄膜を棒状物の縦方向の末端に固定する。
【0022】
生物学的サンプルを採取及び搬送するためのツールボックスは、処理液を持つ試験管と、液体サンプルを採取するための前述の装置とを含む。
【0023】
本発明の第2態様によれば、親水性繊維材料のない棒、第1多孔質吸水性薄膜及び第2多孔質吸水性薄膜を提供し、棒の端部を第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜との間に位置させるステップと、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜に前記棒の端部を包ませるために、吸水可能な端部を形成するステップとを含む、サンプルを採取するための装置の製造方法が提供される。
【0024】
いくつかの形態では、棒の端部に接着剤を塗布することにより、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜は前記端部を包み、吸水可能な端部を形成し、前記多孔質薄膜は接着剤によって端部の外面に接着される。
【0025】
いくつかの形態では、前記第1多孔質吸水性薄膜の長さは、前記端部の周長又は周長の半分より大きく、第2多孔質吸水性薄膜の長さは、前記端部の周長又は周長の半分より大きく、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜に前記端部を包ませる場合、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜との境界箇所の過剰な多孔質薄膜を切断する。いくつかの形態では、前記ホットプレスの方法で第1薄膜と第2薄膜の縁部を接着し、同時にホットプレスの方法で過剰な多孔質薄膜を切断する。このホットプレスは、接着と切断の役割を果たすことができる。
【0026】
いくつかの形態では、前記第1薄膜及び第2薄膜は、スポンジ材料で構成された多孔質吸水性薄膜である。
【0027】
いくつかの形態では、前記接着は、ホットプレスの方法で第1薄膜と第2薄膜の縁部を接着するものである。いくつかの形態では、前記接着は、接着剤によって接着するものである。いくつかの形態では、前記第1薄膜及び第2薄膜は吸水性スポンジである。いくつかの形態では、前記吸水性スポンジは発泡スポンジである。いくつかの形態では、第1薄膜及び第2薄膜の厚さは0.1~0.5ミリメートルである。
【0028】
本発明の第3様態によれば、多孔質吸水性薄膜及び棒状物の端部を収容するための金型キャビティを含む金型を備える、本発明の吸水によってサンプルを採取するためのものを生産製造するための設備が提供される。
【0029】
いくつかの形態では、前記金型キャビティは、棒状物を収容するためのキャビティと、金型キャビティになって囲むための壁とを含み、更に壁に位置する縁を更に含む。いくつかの形態では、前記金型キャビティは、縦方向の開口部と側面開口部とを有し、前記縦方向の開口部は前記壁における縁で囲まれる。縦方向の開口部は、前記棒状物の端部及び多孔質吸水性薄膜を収容するために使用される。
【0030】
いくつかの形態では、前記金型キャビティは突起部を含み、該突起部は端部における多孔質薄膜を押圧するために使用されるため、多孔質薄膜は棒状物の端部の表面に固定することができる。
【0031】
いくつかの形態では、前記金型は上型と下型と、又は第1金型と第2金型とを含み、前記第1金型及び第2金型はそれぞれ第1金型キャビティと、第2金型キャビティとを含み、このような金型キャビティの設計により、第1金型及び第2金型を閉じ又は組み合わせる場合、前記金型キャビティが棒状物の端部を実質的に包むことができる。いくつかの形態では、前記第1金型キャビティは、棒状物の端部の一部を収容でき、第2金型キャビティは、棒状物の端部の残りの部分を収容できる。棒状物の端部は、第1端部と、第2端部とを含み、第1端部と第2端部は前記端部全体を構成する。いくつかの形態では、第1金型キャビティは、第1多孔質薄膜を収容でき、棒状物の第1端部は金型キャビティ中に収容される場合、前記第1多孔質薄膜は棒状物の第1端部の外面に被覆される。いくつかの形態では、第2金型キャビティは、第2多孔質薄膜を収容でき、棒状物の第2端部は金型キャビティ中に収容される場合、前記第2多孔質薄膜は棒状物の第2端部の外面に被覆される。
【0032】
いくつかの形態では、突起した押圧素子はそれぞれ前記第1金型キャビティと第2金型キャビティに設置され、第1金型キャビティと第2金型キャビティを合わせ又は組み合わせる場合、前記突起部は、棒状物の端部の外面に被覆された多孔質吸水性薄膜を向かい合って押圧することができる。いくつかの形態では、前記凹凸押圧は加熱することができ、加熱によって多孔質吸水性薄膜が溶融できる。
【0033】
いくつかの形態では、前記突起部は、金型キャビティの側面開口部の近くに設置される。いくつかの形態では、前記側面開口部の直径は、棒状物の端部の頂部領域の直径より小さい。
【0034】
いくつかの形態では、複数の前記金型キャビティは金型に間隔を置いて配置され、前記金型キャビティの縁は金型キャビティの間の離間領域より高い。いくつかの形態では、前記縁は、多孔質薄膜を切断する機能を持つ。いくつかの形態では、前記第1金型の金型キャビティの縁及び前記第2金型の金型キャビティの縁は、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜を押圧する場合、接合箇所で2つの薄膜を切断することを実現できる。いくつかの形態では、前記縁はある程度まで加熱することができ、加熱により、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜は、縁が接触する領域で溶融し、第1薄膜と第2薄膜との接着を実現する。いくつかの形態では、前記壁の縁が接触する領域の幅は、0.1~2ミリメートルである。
【0035】
本発明の第4態様によれば、設備でできた前記吸水性採取装置の生産方法が提供される。該方法は、第1金型キャビティを含む第1金型と、第2金型キャビティを含む第2金型とを提供するステップと、第1多孔質薄膜に第2金型を被覆させ、棒状物の端部を第1多孔質薄膜の上に位置させ、第2多孔質薄膜を第1金型キャビティと棒状物の端部との間に位置させるステップと、第1金型キャビティと第2金型キャビティを合わせ又は組み合わせ、棒状物を第1金型キャビティと第2金型キャビティで囲まれた空間内に位置させ、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜に棒状物の外面を被覆させるステップとを含む。
【0036】
いくつかの形態では、前記金型キャビティは、金型キャビティになって囲むための壁と、壁に位置する縁とを含み、前記縁は金型キャビティの開口部を形成する。第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜を第1金型キャビティと第2金型キャビティとの間に位置させ、第1多孔質薄膜を第2多孔質薄膜の上に位置させる。棒状物の端部を第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜との間に位置させる。第1金型キャビティと第2金型キャビティを組み合わせ又は閉じることにより、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜は棒状物の外面を被覆し、且つ端部全体を包む。
【0037】
いくつかの形態では、第1金型キャビティの縁と第2金型キャビティの縁が揃い、且つ第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜との境界箇所を押さえ付け、縁によって過剰な多孔質薄膜を切断する。いくつかの形態では、縁が接触する領域を縁によって溶融し、そのため、第1薄膜と第2薄膜を接着する。
【0038】
いくつかの形態では、棒状物の端部に応じて分けられると、前記縁は、左右縁及び頂部の縁を有し、前記左右縁は、棒状物の頂部の左右両側に配置された過剰な薄膜を切断し又は溶融して接着するが、頂部の縁は、頂部を包む過剰な多孔質薄膜を切断し又は溶融して接着する。
【0039】
いくつかの形態では、過剰な廃棄物(切断し又は溶融して接着した後に落ちた過剰な薄膜)は、金型キャビティと金型キャビティとの間の離間領域に配置される。
【発明の効果】
【0040】
上記構造を用い、別のサンプルを採取するための装置を提供し、この装置は、生産製造コストが低く、プロセスがシンプルであるが、液体採取性能が維持でき、従来の植毛採取装置の欠陥のいくつかを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1A】本発明の1つの具体的な実施形態における流体サンプル採取の概略構造斜視図である。
【
図1B】本発明の他の1つの具体的な実施形態における流体サンプル採取の概略構造斜視図である。
【
図2A】本発明の
図1の部分Aの拡大構造図(正視)である。
【
図2B】本発明の
図1の部分Aの拡大構造図(斜視)である。
【
図2C】本発明の
図1Bの部分Bの拡大構造図(斜視)である。
【
図2D】本発明の
図1Bの部分Bの拡大構造図(正視)である。
【
図2E】本発明の他の1つの具体的な実施形態における採取装置の構造斜視図である。
【
図3A】本発明の1つの具体的な実施形態における流体採取の構造断面図である(
図1Aに示す構造)。
【
図3B】本発明の1つの具体的な実施形態における流体採取の構造断面図である(
図1Bに示す構造)。
【
図3C】一実施形態における1層の多孔質吸水性材料の構造断面図である。
【
図3D】一実施形態における1層の多孔質吸水性材料の上面図である。
【
図4】本発明の1つの具体的な実施形態において、本発明の一形態におけるサンプル採取装置を製造する設備の概略構造斜視図及び製造フロー図である。
【
図5】製造設備の上型と下型の具体的な構造概略図である。
【
図6】本発明の1つの具体的な実施形態において、本発明の一形態におけるサンプル採取装置を製造する設備及び製造過程のステップ1の概略構造斜視図である。
【
図7】本発明の1つの具体的な実施形態において、本発明の一形態におけるサンプル採取装置を製造する設備及び製造過程のステップ2の概略構造斜視図である。
【
図8】本発明の1つの具体的な実施形態において、本発明の一形態におけるサンプル採取装置を製造する設備及び製造過程のステップ3の概略構造斜視図である。
【
図9】本発明の1つの具体的な実施形態において、本発明の一形態におけるサンプル採取装置を製造する設備及び製造過程のステップ4の概略構造斜視図である。
【
図10A】製造プロセスにおける上型と下型の横断面概略図(ステップ1)である。
【
図10B】製造プロセスにおける上型と下型の横断面概略図(ステップ2)である。
【
図10C】製造プロセスにおける上型と下型の横断面概略図(ステップ3)である。
【
図11A】製造プロセスにおける上型と下型の縦断面概略図(ステップ1)である。
【
図11B】製造プロセスにおける上型と下型の縦断面概略図(ステップ2)である。
【
図11C】製造プロセスにおける上型と下型の縦断面概略図(ステップ3)である。
【
図12】本発明の1つの具体的な実施形態を製造する金型の拡大概略図(上型)である。
【
図13】上型と対応する下型のA-A’の構造断面図である。
【
図14】上型と対応する下型のB-B’の構造断面図である。
【
図15】従来技術では、静電吸着によって単繊維接着を完了するという原理の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明による構造又はそれらが使用する技術的用語を更に説明し、特に明記しない限り、当技術分野で一般的に使用される一般的な用語に従って理解及び解釈する。
【0043】
検出
【0044】
「検出」は、ある物質又は材料の有無について化学検査をし、又はある物質又は材料の有無を試験することを指し、例えば、化学物質、有機化合物、無機化合物、新陳代謝産物、薬物又は薬物代謝物、有機組織又は有機組織の代謝物、核酸、タンパク質又はポリマを含むが、それらに限定されない。また、「検出」は、物質又は材料の量を試験すること指す。更に、「化学検査」は、免疫検出、化学検出、酵素検出などを指す。
【0045】
サンプル
【0046】
本発明に記載のサンプル又は試料は、生物学的液体(例えば、症例の液体又は臨床サンプル)を含む。「サンプル」は、任意の液体サンプル又は流体サンプルであり得、排泄物、生物学的組織、食品サンプルなど、固体又は半固体のサンプルから採取できる。任意の適切な方法で固体又は半固体のサンプルを液体サンプルに変換することができ、それは、例えば、混合、スタンプ粉砕、浸軟、培養、溶解、又は適切な溶液(例えば、リン酸塩溶液又は他の緩衝液)に酵素分解作用で固体サンプルを消化することである。「生物学的サンプル」は、動物、植物及び食品サンプルを含み、例えば、ヒト又は動物の尿、唾液、痰、鼻水、鼻分泌物、血液及びその成分、脊髄液、膣分泌物、精子、糞便、汗、分泌物、組織、臓器、腫瘍、組織及び臓器培養物、細胞培養物及び媒体を含む。好ましくは、生物学的サンプルは、尿、唾液、痰、鼻分泌物である。「食品サンプル」は、食品加工用の物質、完成品、チーズ、酒、牛乳及び飲み水を含む。「植物サンプル」は、任意の植物、植物組織、植物細胞培養物及び媒体を含む。「環境サンプル」は、環境から採取されるもの(例えば、湖や他の水体からの液体サンプル、汚水サンプル、土壌サンプル、地下水、海水及び廃液サンプル)である。「環境サンプル」は、汚水又は他の廃水を含み得る。
【0047】
本発明の適切な採取装置を利用して以上の任意のサンプル又は試料を採取でき、これらのサンプルは、興味のある分析対象物質を含み、検出素子又は試験素子により、これらの分析対象物質は検出され得る。好ましくは、本発明の採取装置を利用して唾液、尿、鼻粘液、喉の痰、汗などを採取する。これらのサンプルを採取した後、これらのサンプル又は試料には分析対象物質が含まれるかどうかを引き続いて検出するために、サンプルを保管又は輸送することができる。本発明の採取装置100又は10を利用し、液体又は液体サンプルが多孔質吸収材料によって吸収され得る限り、最初は固体であろうと液体であろうと、上記の任意形態のサンプルを採取することができる。
【0048】
試験素子
【0049】
いわゆる「試験素子」は、サンプル又は試料には興味のある分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための素子を指し、この検出は、免疫学、化学、電気学、光学、分子、核酸、物理学などの任意の技術的原理を基とすることができる。試験素子は、ラテラルフローの検出用試験紙を選択でき、それは数種の分析対象物質を検出できる。もちろん、他の適切な試験素子も本発明で使用することができる。本発明の採取装置で採取されたサンプルは、直接又は処理液によって処理することができ、次に、試験素子を使用し、サンプルには分析対象物質が含まれるかどうかを検出することができる。
【0050】
各種の試験素子を組み合わせて本発明で使用することができる。1つの形態は、試験紙又はラテラルフロー用試験紙である。サンプル中の分析対象物(例えば、違法薬物又は病状を示す代謝物)を分析するための検出用試験紙は、免疫測定又は化学分析などの各種の形態であり得る。検出用試験紙は、非競合モード又は競合モードで分析できる。一般的に、検出用試験紙は、サンプル添加領域を備えた吸水性材料、試薬領域及び試験領域を含む。流体又は液体サンプルをサンプル添加領域に添加し、毛管作用で試薬領域に流れ込む。試薬領域において、分析対象物質がある場合、サンプルは試薬に結合する。次に、サンプルは、試験領域に流れ込む。分析対象物に特異的に結合する分子などの他の試薬は、検出領域に固定化される。これらの試薬は、サンプル中の分析対象物(存在する場合)と反応して該領域の分析対象物に結合するか、試薬領域の試薬の1つに結合する。検出シグナルを表示するためのマーカーは、試薬領域又は別のマーカー領域に存在する。
【0051】
典型的な非競合分析モードでは、サンプルには分析対象物が含まれる場合、シグナルを生成し、分析対象物が含まれない場合、シグナルを生成しない。競合モードでは、サンプルには分析対象物が含まれない場合、シグナルを生成し、分析物が含まれる場合、シグナルを生成しない。
【0052】
試験素子は、検出用試験紙であってもよく、吸水性又は非吸水性材料を選択することができる。検出用試験紙は、液体サンプルを輸送するための数種の材料を含み得る。そのうち1種の検出用試験紙の材料は、別の種類の材料に被覆することができ、例えば、濾紙はニトロセルロースフィルター膜に被覆することができる。検出用試験紙の1つの領域は、1種以上の材料を選択することができ、他の1つの領域は、他の異なる1種以上の材料を選択することができる。検出用試験紙をつまむ強度を向上させるために、検出用試験紙をある支持物又は硬い表面に粘着させることができる。
【0053】
シグナル生成システムによって分析対象物を検出し、例えば、本分析対象物と特異反応が発生する1種以上の酵素、前述するように特異的結合物質を検出用試験紙に固定化する方法を利用し、1種以上のシグナル生成システムの合わせ物を検出用試験紙の分析対象物の検出領域に固定化する。シグナルを生成する物質は、サンプル添加領域、試薬領域、若しくは検出領域、又は検出用試験紙全体にあることができ、該物質は、検出用試験紙の1種以上の材料に十分に流れ込むことができる。シグナル物質を含有する溶液を試験紙の表面に添加し、又は試験紙の1種以上の材料をシグナル物質を含有する溶液に浸す。シグナル物質を含有する溶液が添加された試験紙を乾燥させる。
【0054】
検出用試験紙の各領域は、サンプル添加領域、試薬領域、検出領域、制御領域、サンプル不純化の検査領域、液体サンプル吸収領域という順序に応じて並べられる。制御領域は、検出領域の後に位置する。全ての領域は、1種の材料のみを使用する1つの試験紙に配置されてもよい。異なる領域は異なる材料を使用してもよい。各領域は液体サンプルに直接接触することができ、又は異なる領域は液体サンプルの流れ方向に応じて並べられ、各領域の末端と他の1つの領域の前端を接続し且つ重ねる。使用した材料は、濾紙、ガラス繊維、ニトロセルロースフィルター膜など、吸水性に優れた材料であってもよい。検出用試験紙は他の形態を使用することができる。
【0055】
一般的に、通常の試薬ストリップは、ニトロセルロースフィルター膜の試薬ストリップであり、即ち、検出領域はニトロセルロースフィルター膜(NC)を含み、ニトロセルロースフィルター膜に特異的結合分子を固定化することによって検出結果を示し、また、セルロースアセテート膜又はナイロン膜などであってもよい。例えば、以下の特許出願は試薬ストリップ又は試薬ストリップを備えた装置を説明する。US 4857453、US 5073484、US 5119831、US 5185127、US 5275785、US 5416000、US 5504013、US 5602040、US 5622871、US 5654162、US 5656503、US 5686315、US 5766961、US 5770460、US 5916815、US 5976895、US 6248598、US 6140136、US 6187269、US 6187598、US 6228660、US 6235241、US 6306642、US 6352862、US 6372515、US 6379620及びUS 6403383。以上の特許出願によって開示された試験ストリップ及び試験ストリップを備えた同様の装置は、サンプル中の分析対象物質の検出などの分析対象物質の検出を行うために、いずれも本発明の試験素子に適用できる。
【0056】
本発明が使用した検出用試薬ストリップは、通常のラテラルフロー用試薬ストリップ(Lateral flow test strip)であってもよく、これらの検出用試薬ストリップの具体的な構造及び検出原理は、従来技術の当業者によく知られている。通常の検出用試薬ストリップは、サンプル採取領域又はサンプル添加領域、マーカー領域、検出領域及び吸水領域を含み、サンプル採取領域は、サンプル受取パッドを含み、マーカー領域はマーカーパッドを含み、吸水領域は吸水パッドを含み、ここで、検出領域は、免疫試薬や酵素化学試薬など、分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための必要な化学物質を含む。一般的に、通常の検出用試薬ストリップは、ニトロセルロースフィルター膜の試薬ストリップであり、即ち、検出領域はニトロセルロースフィルター膜と、ニトロセルロースフィルター膜に特異的結合分子を固定化することによって検出結果を示す領域とを含み、また、セルロースアセテート膜又はナイロン膜などであってもよく、もちろん、検出領域の下流は検出結果制御領域を更に含み、通常、制御領域及び検出領域に現れた横線は、検出線又は制御線である。このような検出用試薬ストリップは、従来の試薬ストリップであり、もちろん、毛管作用を利用して検出する別の種類の試薬ストリップであってもよい。また、一般的な検出用試薬ストリップには、固定化された抗体や他の試薬などの乾燥した化学試薬成分を有し、液体があれば、液体は毛管作用で試薬ストリップに沿って流れ、その流れで、乾燥した試薬成分が液体に溶解し、従って、該領域における乾燥した試薬の反応を次の領域で処理し、必要な検出を行う。液体の流れは主に毛管作用で行われる。ここでは、それらはいずれも、本発明の検出装置に適用でき、又は液体サンプルと接触するための検出キャビティに配置され、又は検出キャビティに入った液体サンプル中の分析対象物質の有無又はその量を検出するために使用される。
【0057】
上記の試験ストリップ又はラテラルフロー用試験ストリップ自体を使用して液体サンプルに接触させ、液体サンプルには分析物が含まれるかどうかを試験することを除いて、
【0058】
本発明の試験素子自体は、サンプル中の分析対象物質を検出するための検出装置として使用することができるので、ここでの検出装置自体は、試験素子と同等である。例えば、流体サンプルと処理液を混合した後、試験素子で直接検出する。以下の具体的な説明では、受取装置が流体サンプルを処理する場合、試験素子は検出に独立して使用できる。
【0059】
分析対象物質
【0060】
本発明による分析対象物質の例は、いくつかの小分子物質を含み、これらの小分子は、違法薬物(例えば、薬物乱用)を含む。「薬物乱用(DOA)」は、非医療目的での薬物の使用を指す(通常、神経を麻痺させるように作用する)。これらの薬物の乱用は、身体的及び精神的な損傷、強迫的な使用、依存症、及び/又は死につながる可能性がある。薬物乱用の例は、コカイン、アンフェタミンAMP(例えば、黒美人、白いアンフェタミン錠剤、右旋性アンフェタミン、デキストロアンフェタミン錠剤、Beans)、メタンフェタミンMET(crank、ヒロポン、crystal、speed)、バルビツール酸塩BAR(例えば、Valium、Roche Pharmaceuticals、Nutley、New Jersey)、鎮静薬(睡眠薬として利用される)、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、抑制剤(downers、goofballs、barbs、blue devils、yellow jackets、メタカロン)、三環系抗うつ薬(TCA、即ち、イミプラミン、アミトリプチリン、ドクサピン)、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンMDMA、フェンサイクリジン(PCP)、テトラヒドロカンナビノール(THC、pot、dope、hash、weedなど)、アヘン剤(即ち、モルヒネMOP、又はアヘン、コカインCOC、ヘロイン、オキシコドン)、抗不安薬及び鎮静催眠薬を含み、抗不安薬は、主に不安、緊張、恐怖を軽減し、感情を安定させ、催眠及び鎮静効果を果たす薬物で、ベンゾジアゼピンBZO(benzodiazepines)、非定型BZ系薬、融合ジアゼピンNB23C系薬、ベンゾジアゼピン系薬、BZ受容体のリガンド系薬、開環BZ系薬、ジフェニルメタン誘導体、ピペラジンカルボキシレート系薬、ピペリジンカルボキシレート系薬、キナゾリノン系薬、チアジン及びチアゾール誘導体、他のヘテロ環系薬、イミダゾール系の鎮静・鎮痛剤(例えば、オキシコドンOXY、メタドンMTD)、プロピレングリコール誘導体(ウレタン系薬)、脂肪族化合物、アントラセン誘導体を含む。本発明の検出装置は、三環系抗うつ薬(イミプラミン又は類似物)及びアセトアミノフェンなど、医療用途に属するが服用しやすい薬物の過剰摂取の検出にも使用できる。これらの薬物は、人体に吸収された後、代謝されて小分子物質になり、これらの小分子物質は、血液、尿、唾液、汗などの体液に含まれ、又は一部の体液に上記小分子物質が含まれる。
【0061】
例えば、本発明で検出された分析対象物は、クレアチニン、ビリルビン、亜硝酸塩、タンパク質(非特異的)、ホルモン(例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、プロゲステロン、卵胞成熟ホルモンなど)、血液、白血球、糖、重金属又は毒素、細菌物質(例えば、特異的細菌に対するタンパク質及び糖質など、大腸菌0157:H7、ブドウ状球菌、サルモネラ菌、クロストリジウム属、カンピロバクター属、L.monocytogenes、ビブリオ属、又はセレウス菌)、及び尿サンプル中のpHや比重などの生理学的特性に関連する物質及びいくつかのウイルスを含むが、それらに限定されない。
【0062】
ウイルスは、アストロウイルス、ブニヤウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、マーレーバレー脳炎ウイルス、チクングニヤウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、出血熱ウイルス、コクサッキーウイルスA1~24、コクサッキーウイルスB1~6、デング熱ウイルス1~4、デュベンヘイジ(Duvenhage)ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、エボラウイルス、エコーウイルス1~24、腸内ウイルス1~71、腸内コロナウイルス、ハンタウイルス、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、Eウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1及び2、呼吸器コロナウイルス、ロタウイルス、Tリンパ球ウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、フニン(Junin)ウイルス、ラッサウイルス、モルビリウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ノーウォークウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、パラインフルエンザウイルス1~4、ポリオウイルス1~3、狂犬病ウイルス、呼吸器シンシチウムウイルス、鼻ウイルス1~113、ロシオ(Rocio)ウイルス、風疹ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、黄熱ウイルス、ジカウイルスを含むが、それらに限定されない。
【0063】
流体サンプルは、核酸又は核酸断片を含み、ここで、核酸は遺伝情報を有する任意のRNA又はDNAであり得る。本明細書で使用される場合、用語「核酸」は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含む)、及びプリン若しくはピリミジン塩基又は修飾プリン若しくは修飾ピリミジン塩基(脱塩基部位を含む)のN-グリコシドである他のタイプのポリヌクレオチドのうち1種以上を含む。本明細書で使用される用語「核酸」は、通常、リボヌクレオシド又はデオキシリボヌクレオシドの共有結合ポリマを更に含み、前記共有結合は、通常、サブユニット間のホスホジエステル結合を介して行われるが、場合によっては、チオリン酸エステル、メチルホスホネートなどを介して行われる。「核酸」は、一本鎖及び二本鎖DNA並びに一本鎖及び二本鎖RNAを含む。例示的な核酸は、gDNA、hnRNA、mRNA、rRNA、tRNA、マイクロRNA(miRNA)、短い干渉RNA(siRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、小分子RNA(stRNA)など、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0064】
検出装置
【0065】
検出装置は、サンプルには分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための装置を指す。それは、免疫、質量分析、電子、核酸増幅の方法であってもよく、サンプル中の分析対象物質を検出できる任意の検出設備、化学検査設備、分析設備は、本発明の採取装置によって採取されたサンプル中の分析対象物質の試験のために使用されてもよい。免疫検出は、ラテラルフロー用試験ストリップ又は他の方法を使用して実行でき、例えば、試験素子を備えた装置は、技術に記載の装置を実現でき、例えば、US 4857453、US 5073484、US 5119831、US 5185127、US 5275785、US 5416000、US 5504013、US 5602040、US 5622871、US 5654162、US 5656503、US 5686315、US 5766961、US 5770460、US 5916815、US 5976895、US 6248598、US 6140136、US 6187269、US 6187598、US 6228660、US 6235241、US 6306642、US 6352862、US 6372515、US 6379620、及びUS 6403383という特許出願に記載の試薬ストリップ又は試薬ストリップを備えた装置はいずれもサンプル中の分析対象物質を検出するために使用され得る。核酸検出は、PCR増幅反応であってもよく、例えば、PCR産物は、配列及びゲノムの変化を決定するためのシーケンシング分析、又は標的配列の機能分析のための分子クローニングによく使用される。PCR方法は、異なる測定目的のために変更される。各種のPCRの実例は、逆転写PCR、定量PCR(qPCR)、デジタルPCR(dPCR)、マルチプレックスPCR、ネステッドPCR、対立遺伝子特異的PCR、非対称PCR、等温核酸増幅技術である。
【0066】
多孔質吸水性薄膜
【0067】
本明細書の多孔質吸水性は、多くの微小アパーチャを有するため、毛管作用により、液体サンプル、又は液体と固体との混合サンプル、又は溶液に溶解したそれらのサンプルを吸収することを指す。本明細書の多孔質は、毛管作用を有するアパーチャであってもよく、大きなアパーチャが小さなアパーチャを含み、これらの小さなアパーチャが毛管作用を有してもよい。多孔質材料は、濾紙、ナイロン膜、ニトロセルロースフィルター膜などの既存の市販材料の購入によって入手されてもよく、ガラス繊維、綿、絹などであってもよく、又は化学繊維若しくは繊維であってもよく、上記任意の材料の混合物であってもよく、又は上記1種以上の材料に対して物理的処理若しくは化学的処理を行うことによって取得されてもよい。例えば、濾紙加工過程において、綿又はガラス繊維などの他の短繊維を混ぜ込み、混合した基礎材料を支持し、次に接着又は他のプロセスによって薄シート30(
図3C)を成形し、これらの薄シートは、多孔質又は毛管作用を有し、液体サンプルを吸収するために使用され得る。本発明の本質は、多孔質薄膜又はシートを使用して棒状物の端部を被覆し、その結果、端部が吸水性を有するようにすることである。これは、フィラメントを巻き付け、及び端部の繊維を静電吸着するという従来の方法と本質的に異なる。以下、詳細に説明する。
【0068】
いくつかの形態では、加工の便宜上、多孔質吸水性薄膜の形態の場合、薄膜を固体の棒状物に巻き付けることができ、円錐形の吸収ヘッドを形成し、それによって液体サンプルを吸収しやすい。これらの液体サンプルは、液体形態になって製造されるサンプルであってもよく、半固体形態のサンプルであってもよく、多孔質薄膜によって吸収され得るか、吸収ヘッドに付着し得るサンプルは、サンプル又は液体サンプルと見なされる。
【0069】
吸収性を備えた薄シートの場合、該剛性棒状物に接着剤を塗布し、次に接着剤によって吸収性薄シートを棒状物に接着し、吸収ヘッドを形成する。一般的に、棒状物の吸収ヘッドは、非吸収性であり、多孔質吸水性薄膜で被覆された後に吸水性を備えるのは、薄膜が吸水性を備えるからである。この方法は、静電によって繊維又は植毛を吸着する従来の方法とは本質的に異なり、この方法も、固体棒状物に1つ以上のフィラメントを巻き付ける従来の方法とは本質的に異なる。例えば、加工過程において、一定の長さを有する多孔質吸収性薄膜を提供でき、その厚さは0.1~5ミリメートルであり、その長さは、棒状物に巻き付けられたヘッドの周長によって決まり、5ミリメートルであってもよく、1センチメートルなどであってもよく、もちろん、1回に2本以上の棒状物の端部を包みたい場合、多孔質薄膜は1メートル又は2メートルであってもよく、その幅は棒状物の端部を包む材料の長さによって決まり、1センチメートルであってもよく、2~5センチメートルなどであってもよい。該多孔質吸収薄膜はシート状であり、これらのシート状薄膜は多くの小孔又は毛細孔を備え、これらの小孔又は毛細孔は液体サンプルを吸着するために使用される。
図2A~2Bに示すように、多孔質吸水性薄膜を棒102の一端に被覆する場合、シートの両端が接触する箇所、接合部品と同様の接合部104があり、全体が薄シート101であり、なお、薄シートは合計で両端を有し、端部を包む場合、完全に包むために、両端には常に継ぎ目があり、この継ぎ目は継ぎ目のような線の形態である。2枚の薄膜を使用して端部107を包む場合、端部は2枚の薄膜で囲まれ、
図2Bに示すように、薄膜1081と薄膜1082で囲まれ、もちろん、2枚の薄膜で囲まれる場合、2つの接合部があり、従って、2つの接ぎ目104、109があり、それらの接ぎ目は端部の両側に分布する。頂部にも接ぎ目105があるため、棒状物の端部全体を包むことができる。好ましくは、多孔質薄膜で被覆し又は包むため、生産及び製造は容易であり、もちろん、1枚の薄膜で包む場合であってもよいが、製造が複雑であり、効率が高くない。
【0070】
図2A、2B及び3Aは包み方法の1つであり、薄膜は基本的に棒状物の表面に被覆され、外観から見ると、棒状物の端部に1層の多孔質薄膜が被覆されるものであり、棒状物の端部の形状に応じて該形状の表面に層を追加し、追加した層は多孔質薄膜の厚さであると考えられ、外から全体を見ると、端部の形状を直接判断できる。場合によっては、多孔質吸水性薄膜が端部の表面を直接完全に被覆する必要がなく、この形態は多様であり、例えば、頂部からいくつかの多孔質吸水性薄膜が外向きに延びることができ、例えば、
図2Cに示すように、棒状物の端部に多孔質薄膜が包まれるが、端部20の一部の多孔質薄膜は端部の頂端20に被覆されるものではなく、過剰な一部の薄膜12は頂端に延び、その利点は、サンプル採取の場合、特に器官中に入れて採取する場合、前端の柔軟性を確保でき、剛性の端部のために器官が損傷を受けるものではなく、端部12が緩衝効果を有することである。
図2Cに示すように、他の部分の多孔質薄膜11は全て端部の表面を被覆する必要がないが、棒状物の外に緩く被覆され、これらの多孔質薄膜はまた、2枚の薄膜が採取ヘッド全体になって囲むものである。その利点は、これらを使用して鼻腔や口腔などの児童の器官からサンプルを採取する場合、多孔質吸水性薄膜で被覆された棒状物は細く、且つ緩い薄膜で包まれるため、児童の口腔又は鼻腔は損傷を受けることではない。なお、児童(2~5歳)又は乳児(0.6~2歳)の口腔若しくは鼻腔に入れる必要がある場合、児童は協力できない可能性があり、
図2Cに示すようなサイズの採取装置を使用し、柔軟な多孔質薄膜が棒状物への保護により、多孔質薄膜で囲まれた内部空間が棒状物の直径又は周長より大きい、又ははるか大きいため、剛性の棒状物が人体を傷つけることを最大限に防止できる。このような設計で、多孔質吸水性スリーブが落ちることを防止するために、吸収ヘッドには接着部17があり、必要なのは、接着部を介して多孔質薄膜を棒状物に接着し、それが落ちることを防止するである。なお、この場合、棒状物の表面に接着剤を塗布する必要がない。接着部は接着剤又は加熱溶融の方法によって実現でき、対称の接着部18、17であってもよく、複数の接着部の接着であってもよく、その位置は、頂端ではなく、吸収端の末端であってもよい。いくつかの形態では、多孔質吸水性端部の末端は収縮領域13を有し、該収縮領域は、棒状物の外に被覆された多孔質薄膜が落ちることを防止する役割を果たす。外観から見ると、
図2C及び2Dにおける吸水性端部の形状は扁平であり、もちろん、他の任意の適切な形状もよい。例えば、
図2Eは、棒状物の形状であり、該棒状物2は、大きくなった端部1を有し、該端部は本発明の多孔質吸水性薄膜を含み、棒状物及び大きくなった端部は「首又は頚」のように設計され、本発明の多孔質薄膜で包まれる場合、その自身の制限のため、端部を包む薄膜が落ちることを防止でき、この場合、接着部又は融着を使用する必要がない。
【0071】
いくつかの形態では、液体サンプルなどのこれらの吸収されたサンプルを直接押圧して吸水性薄膜から放出することができ、これらの放出されたサンプルは、サンプルには興味のある分析対称物が含まれるかどうかを検出するために直接使用される。又は、液体サンプルを備えたこれらの多孔質薄膜を処理液中に浸し、吸水性薄膜におけるサンプルを処理液に溶出させる。本明細書の処理液は、検出効果全体を改善できる任意の液体であってもよく、例えば、多孔質薄膜に吸着されたサンプルに対して溶解、溶出、若しくは不純物の除去を行うことができ、又は該処理液は、有機塩若しくは無機塩の成分を含むため、分析対象物質(あれば)を再融合又は分裂することができ、次に、断片及び具体的な構造など、検出システムの適切な具体的なの成分を取得する。例えば、ウイルスサンプルを検出する場合、ウイルスをサンプルから溶解して放出し、処理液によって抗原又はウイルス断片に分裂し、次に液体に伴って検出装置に入り、化学検査をし、これらの検出装置は、ラテラルフローの免疫検出装置などの任意の装置であってもよく、PCR装置などの核酸増幅装置であってもよく、更に免疫蛍光などの任意の適切な検出装置中に検出することができる。もちろん、処理液は、いくつかのpH調整試薬又はいくつかの緩衝試薬など、全体的な検出効果を改善するためのいくつかの試薬を含み得、これらの試薬により、サンプル中の興味のある分析対象物質を検出装置でより確実に検出できる。
【0072】
いくつかの形態では、大規模な工場生産をより効果的に行うために、一般的に、2枚の薄膜を成形することによって実現する。2枚の多孔質吸水性薄膜を成形する場合、2枚の薄膜が棒状物の端部を完全に被覆し、棒状物の端部を完全に包むために、
図3Aに示すように、多孔質吸水性薄膜101は一定の厚さを有し、且つ棒の端部107を完全に包む。このような方式で液体サンプルを採取する場合、特に鼻腔、口腔、又は喉などの人体の器官に入れてサンプルを採取する場合、1層の多孔質吸水性薄膜は、端部107を完全に包み、且つ一定の厚さを有し、人々をより快適で安全に感じさせることができる。いくつかの形態では、該多孔質吸水性薄膜は一定の柔軟性又は弾性を有し、器官に入れてサンプルを採取する場合、柔軟性又は弾性を有するため、唾液、喉の痰、又は鼻腔の液体などのサンプルを吸収するだけでなく、柔軟性若しくは弾性、又は圧縮可能性を有し、体をより適応性と快適さを感じさせ、又は耐容性を低下させる。
【0073】
いくつかの形態では、前記採取装置は棒状体を含み、棒状体のヘッド又は端部は2枚の多孔質薄膜で囲まれ、前記多孔質薄膜は棒状体のヘッドに被覆される。いくつかの形態では、2枚の多孔質薄膜は継ぎ目又は縫い目を有し、2枚の薄膜を接続することができる。例えば、
図2A~2Bに示すように、棒状体102は端部107を有し、端部において、第1多孔質薄膜1082及び第2多孔質薄膜1081は継ぎ目104を介して接続される。本明細書の継ぎ目又は縫い目により、工業用機械又は手動で2枚の薄膜に棒状体102の端部を包ませる。本明細書の継ぎ目又は縫い目は、ヘッドの継ぎ目又は縫い目105を含み、端部の側面の縫い目又は継ぎ目104、109を更に含み、2枚の多孔質薄膜は完全な多孔質吸水性材料を形成する。本明細書の「縫う」は、2層の吸水性薄膜を接続する方法の1つを指し、ミシンが衣服を縫うことと同じであり、この方法も本発明の接続方法に適用する。いくつかの好ましい形態では、接着の方法はより適切、より便利である。接着剤、熱可塑性密封などの任意の方法で、2枚の薄膜を接着し、接着剤で接着することは、縫う必要のある境界に接着剤を塗布し、次に、2枚の薄膜を接着することであり、接着過程において、棒状物の端部は2枚の多孔質吸水性薄膜の間に位置し、上薄膜と下薄膜は棒状物を包み、次に、その両端が接触する箇所は接着剤を有するため、それらを接続し、継ぎ目104及び105、及び継ぎ目104に対して対称な継ぎ目109を形成する。いくつかの形態では、完全な多孔質吸水性薄膜が棒状物の端部から落ちることを防止するために、方法の1つは、端部の外面に1層の接着剤を塗布し、又は端部107の外面には接着剤を有するため、多孔質吸水性薄膜が端部を包み、継ぎ目又は縫い目を形成する場合、接着剤で薄膜の内面を棒状物の端部の外面に接着し、完全な採取ヘッドを形成することであり、ここで、2枚の薄膜は繋ぎ目を有し、繋ぎ目は継手線のようである。方法の他の1つでは、棒状物の端部の外面に接着剤を塗布しないのは、接着剤を塗布した後、有毒物質が含まれる可能性があり、このような吸収ヘッドを人体の器官内に入れてサンプルを採取する場合、接着剤が人体を傷つけ、また、接着剤を塗布した後、長期間保管すると、接着剤の酸化によって接着機能を失い、多孔質吸水性薄膜が落ちる可能性があるからである。
【0074】
いくつかの形態では、接着剤で接着することを回避するために、吸収ヘッドは薄膜を棒状物の表面に固定するための固定構造を有し、多孔質吸水性薄膜が落ちることを回避する。いくつかの形態では、固定構造は、例えば、棒状物102において、吸水端部の頂部1091に対向する遠く離れた部111に位置する縮小した領域であり、該領域は成形の方法によって収縮され、該収縮された部位は棒状物の表面を被覆し、吸収材料全体又は多孔質吸水性薄膜が落ちることを回避することができる。いわゆる「収縮」は更なる部分であり、本明細書では、薄膜で被覆された他の部分より小さく又は薄く、一般的に、多孔質吸水性薄膜は一定の厚さを有し、剛性の棒状物の表面に被覆される場合、他の部分118は基本的に通常の状態での柔らかい状態を維持し又は柔軟性を有し、収縮された部位において、該箇所の薄膜は引き張り状態を維持し、このように、引き張りの方法により、収縮された部分111が棒状物の表面に密着し、固有の摩擦力により、それが落ちることを防止できる。もちろん、固定構造は、弾性リングなどであり、例えば、1つの弾性リング(図示せず)を追加し、多孔質吸水性薄膜が棒状物を被覆する場合、収縮部に弾性リングを嵌め、収縮部位の多孔質薄膜は弾性リングを介して棒状物の表面に固定され、そのため、多孔質薄膜全体は棒状物から落ちることを防止できる。上記棒状物は、均一で滑らかな外面を備えた形態であり、それはまた、最も安価で最も経済的な形態であり、本明細書の情況は、多孔質薄膜が被覆された棒状物の直径と収縮部位の直径が同じであることである。もちろん、固定構造は更に以下のとおりであってもよい。棒状物にいくつかのデザインが作成され、例えば、棒状物に固定された突起構造が設置される場合、これらの突起構造は収縮された位置111に設置され、2枚の薄膜1082、1081は棒状物を被覆する場合、収縮部位は突起部(図示せず)を有し、該突起部は、柔軟な薄膜を貫通して固定し、薄膜全体が棒状物から落ちることを防止できる。更に、いくつかの形態では、多孔質吸水性薄膜で包まれた端部107の最大直径は収縮部位の直径より大きく、収縮部位は首又は頚部のデザインに相当し、多孔質薄膜が端部107を被覆する場合、頚部111の位置も被覆し、このように、棒状物の形状により、棒状物の表面を被覆した多孔質薄膜が落ちることを回避でき、本明細書の「収縮又は頚部」は固定構造に相当する。他のいくつかの形態では、該固定構造は、ホットプレス溶接部であり、ホットプレスヘッドによって多孔質吸水性材料を圧縮して溶融し、溶融した後に形成された接着剤のようなものは棒状物の表面に接着され、多孔質吸水性薄膜が落ちることを防止できる。そのため、いくつかの形態では、多孔質吸水性薄膜は、多孔質スポンジ薄膜であり、この多孔質スポンジ薄膜の溶融点は150~200度であり、生産過程において、上薄膜30と下薄膜31は棒状物の端部201を包む場合、ホットプレスの方法により、スポンジの接着部位108又は112が溶融し、溶融したスポンジは接着性を有し、ついでに棒状物の表面に接着され、固定の作用を果たし、これらの2つの接着部位108、112又はホットプレスされた箇所のみは棒状物の表面に接着され、他の箇所は棒状物の表面を被覆するだけであり、このように、接着剤を棒状物の表面に被覆することを回避し、ホットプレスのように、端部は凹みに類似する箇所を有し、該凹みはホットプレスによって溶融した接着部位である。別の観点から見ると、接着剤を塗布すれば、加工プロセスが増加し、生産コストも向上する。
【0075】
多孔質スポンジ薄膜
【0076】
そのため、いくつかの形態では、前記多孔質薄膜は多孔質スポンジである。一般的に、本明細書の多孔質スポンジは、発泡によって取得され、発泡プロセスは、従来のプロセスに応じて多孔のサイズを制御することであり、これらの多孔質スポンジは以下の利点を有する。一方で、多孔のサイズをよく制御できるため、スポンジの単位体積あたりの多孔の数又は密度を制御でき、その一方で、スポンジは弾性及び柔軟性を有し、液体を吸収する場合、液体を十分に吸収でき、人体の器官内に直接入れ、不快感を与えることなく直接サンプリングすることができ、人体を傷つけることではなく、上記のように、サンプルを吸収するための装置として使用される場合、接着剤を使用しないため、更なる有害物質がなく、より安全であり、なお、1層以上のスポンジであるため、通常、破片が落ちることがなく、それは従来の植毛綿棒より大きな利点がある。例えば、
図19に示すように、従来技術では、静電吸着によって植毛綿棒を生産する場合、短繊維150を用い、長さが1~5ミリメートルの繊維は、電界の作用下で配向して順序付けられ、静電の方法によって棒状物の表面152に吸着され、植毛繊維153を表面に安定して接着するために、まず、棒状物の表面に接着剤を塗布する必要があり、次に安定して接着することができる。本発明のサンプル吸収装置の生産又は製造方法は
図19に示す従来の方法と実質的に異なり、使用過程において、従来の植毛綿棒における短繊維は棒状物の表面から落ちる可能性があり、この場合、人体を傷つけ、特にこれらの繊維に敏感な人々にとって、植毛綿棒を口腔、又は喉、又は鼻腔に直接入れる場合、サンプリング過程において、繊維が落ちると、人々は不快に感じたり、呼吸が困難になったりする可能性がある(特に喘息患者などの繊維に敏感な人々)。別の欠陥は、これらの落ちた繊維が後続の検出過程又は検出結果に直接影響を与えることである。植毛綿棒を使用してサンプリングした後、液体中に挿入して処理を行い、一般的に、植毛綿棒を押圧する必要があり、次に、処理液を試験装置中に添加し、液体には落ちた繊維があるため、ラテラルフロー用試験紙を使用して検出する場合、「破線」の現象は、T線(検出線)でよく見られ、「破線」の現象はラテラルイムノアッセイ用試験紙の重要な品質指標であるため、結果の確実性に直接影響を与えることが分かり、また、詳細な実験では、異なる程度の「破線」の現象が20~35%あることが分かる。逆に、スポンジ綿棒(本発明)を使用する場合、1層の多孔質スポンジが棒状物の表面を被覆するため、繊維が落ちることではなく、「破線」の現象の発生を低下させ、約5~10%になる。本明細書の「破線」は、検出線領域において、蓄積したマーカーが均一でなく、マーカーが蓄積しない箇所もあるが、背景と同じ色(白色)が出るため、外観から見ると、T線が不完全に見えることを指す。他の後続のサンプル処理を行うと、機器の管路を塞ぐ可能性があり、いくつかの微小通路が検出に使用される場合、これらの微小通路は幅がミクロンスケールであることが多く、これらの落ちた繊維が通路を塞ぐ。
【0077】
また、スポンジを多孔質吸収性材料として使用する場合、加工と生産は容易である。スポンジ自身は溶融温度を有し、一般的に、摂氏100~180度、又は摂氏200度であるため、この温度で、スポンジは溶融し、従って、本発明の採取装置における2枚のスポンジの接合部位は継ぎ目104、105、109を有し、これらの継ぎ目は、2枚のスポンジが接触し、加熱溶融して接着することによって形成されたものである。本明細書の継ぎ目は実際には融合と接着の痕跡である。一般的に、融着は、金型によって完了し、後文でその方法を詳細に説明する。
【0078】
本明細書の多孔質スポンジの入手方法はたくさんあり、例えば、直接の商業的購入であってもよく、発泡技術によって本発明に必要なスポンジを製造してもよく、又はカスタマイズされた方法で入手してもよい。本明細書の発泡は実際には多孔質吸水性スポンジを生産する方法であり、よく使用されたスポンジは、木材セルロース繊維又は発泡プラスチックポリマから作られる。また、海綿動物から作られた天然スポンジもあり、大部分の天然スポンジは、体の洗浄や絵画に使用される。また、3種の他の材料で作られた合成スポンジもあり、それらは、低密度ポリエーテル(非吸水性スポンジ)、ポリエチレンアルコール(高吸水性材料、明らかな孔なし)及びポリエステルである。発泡プロセスも従来技術であり、例えば、発泡樹脂、発泡助剤及びバインター樹脂(完成品を接着性にするため)を混合し、発泡加工を行い、80部のエチレン酢酸ビニル(EVA)、20部のAPAO PT 3385、20部のアゾジカルボンアミド、19部のCaCO、0.6部のジクミルパーオキサイドを混合し、金型に置いて発泡し、且つ機械力で独立気泡を破壊することにより、発泡スポンジを得ることができる。その密度(d)は一般的に0.028g/cmであり、25%の圧縮硬度は、1.9KPaである。発泡と同様に、同じ材料は異なる製造プロセスによって異なるものを製造することができる。発泡プロセスを実施する方法はまた、中国特許出願第CN110774604B号に記載の方法を参照することができ、該特許出願の明細書の任意の技術は、発泡スポンジを製造するための本発明の具体的な実施形態として使用することができる。発泡スポンジの生産プロセスは、中国特許出願第CN107553920A号に記載の任意の技術的解決手段を参照して実行することもでき、該特許出願は具体的に発泡スポンジの孔開け方法を開示し、本特許出願に開示された方法によって生産された発泡スポンジはまた、本発明の多孔質吸水性スポンジでサンプリング装置又はサンプリングスポンジ綿棒を製造するために使用することができる。
【0079】
工業生産で使用されたスポンジには、発泡スポンジ、軟質ポリウレタンフォーム、ゴムスポンジ、形状記憶フォームなど、様々な種類がある。一般的に、発泡スポンジを本発明の多孔質吸水性材料として使用する。発泡スポンジは、発酵パンのようにポリエーテルで発泡して成形される。機械設備で発泡させることも、手動に木の板で囲んで発泡させることもでき、発泡したスポンジは四角いパンのようなもので、スライサーを使って薄切り工程を経て、必要に応じて厚さをカットし、発泡スポンジの剛軟度も調整できる。一般的に、シートクッション用スポンジは25~28kg/立方メートルであり、他のものの密度は20~22kg/立方メートルである。スポンジの剛軟度は密度に直接関係するが、異なる添加剤の配合にも関係するため、業界は高弾性、灰超、黒灰超、軟質に分ける。製品を設計及び使用する際には、形状や構造の違いに応じて合理的かつ科学的な取り合わせを行う必要があり、一般的に、上部、中部、下部という3つの部位は、弾性と密度の異なるスポンジを取り合わせる。スポンジは、耐火スポンジ材料(難燃性スポンジ)を含み、実際にはスポンジを発泡させる前、配合材料に塩素や臭素などの耐火剤を添加し、スポンジが燃える場合、消火用の濃い煙を生成し、難燃性の役割を果たすことができる。
【0080】
使用方法
【0081】
本発明のサンプル採取装置、例えば、
図1A~1B又は
図2A~2Eに示す採取装置を使用し、採取装置の吸収ヘッドA又は118はサンプルを吸収し、多孔質スポンジは多孔質薄膜を有するため、多孔質薄膜は、毛管作用又は他の物理的作用によって液体又は液固混合物を吸着又は吸収することができる。本明細書のサンプルは、前述の定義のとおりのサンプルなどの任意のサンプルであってもよく、これらのサンプルは、前述の定義のとおりの分析対象物質をむ。いくつかの形態では、
図1Bに示す採取装置を使用してサンプルを採取することができ、採取が完了したら、採取ヘッドBを容器に挿入して保存でき、保存過程において、輸送又は転送することができ、例えば、化学検査のために専門の実験室に輸送することができ、採取場所は道路脇やベッド脇などの場所であってもよい。輸送を容易にするために、採取装置は破壊点10を有し、採取が完了した後、破壊点21を破壊し、採取ヘッドを容器内に保持する。いくつかの形態では、本発明の採取装置を使用し、唾液、痰、又は鼻腔内の粘液若しくは分泌物など、口腔、喉、鼻腔からの分泌物を採取することができ、これらの分泌物は、薬物小分子、ウイルス粒子、細菌又は真菌など、興味のある分析対象物質を含み得る。採取が完了した後、採取ヘッド、即ち多孔質吸着薄膜で包まれた棒状物の一端を容器中に挿入し、該容器は事前に処理液を入れることができ、これらの処理液は、多孔質吸着薄膜に吸収された分泌物を溶出、溶解、希釈したり、ウイルス、細菌、真菌などを分裂したりすることができる。処理が完了した後、処理液を次の検出工程に移し、例えば、再処理又は濾過を行い、又は、例えば、ラテラルフロー用試験ストリップ、核酸増幅試薬、酵素免疫測定法(ELISA)、質量分析法、液体クロマトグラフ質量分析計、ガスクロマトグラフ質量分析計など、検出可能な試薬使用し、再び直接検出する。
【0082】
製造設備及び製造方法
【0083】
いくつかの形態では、本発明は、本発明を製造するための設備を提供し、本発明の設備を使用すると、本発明の採取装置、特に継ぎ目又は縫い目を備えた採取装置を自動的に迅速に製造することができる。いくつかの形態では、本発明の設備は上型50(又は第1金型)と、下型60(第2金型)とを含み、前記上型は、一部の棒状物を収容できる上型キャビティ501を含み、下型は、一部の棒状物を収容できる下型キャビティ601を含み、2つの金型キャビティを下向きに組み合わせ又は閉じた後、前記上型キャビティ501と下型キャビティ601は実質的に棒状物を包み又は密封して取り囲むため、棒状物の端部は2つの金型キャビティによって形成された空間内に収容される。いくつかの形態では、前記上型キャビティと下型キャビティのそれぞれは、キャビティ501と、キャビティを取り囲む壁906、1106(
図13)とを含む。キャビティを取り囲む壁の形状は、棒の形状に応じて任意に調整でき、棒状物が円筒形の場合、上型キャビティと下型キャビティは半円形であるため、それらを合わせ又は閉じる場合、横断面が円形の棒状物を包むことができ、例えば、
図10A~10Cに示される。
図10A~10Cは、棒状物の横断面概略図(円形の棒状物)であり、製造におけるステップ1から切断又は融着までの過程を示す。なお、棒状物は、他の任意の形状、例えば、横断面が長方形、正四方形、菱形、楕円形、不規則な円形、又は他の形状である場合、上型キャビティ、下型キャビティ及び壁の形状を変更する必要がある。本明細書に記載の上型キャビティ、下型キャビティの「包み」は、実質的に全密封に被覆することであってもよく、被覆した後、キャビティの壁及び棒状物の表面には細小の孔があることであってもよく、それは、例えば、0.1~0.3ミリメートルの距離であり、それについて、後文で説明する。なぜなら、上キャビティと棒状物との間に第1多孔質吸着薄膜30を置き、上型と下型を合わせる場合、金型と棒状物との間の協力により、多孔質吸着薄膜が棒状物の外面を緊密に被覆できることが期待され、
図10Bに示すように、このように、棒状物の外面に1層以上の多孔質吸着薄膜が被覆される。
【0084】
前述のとおり、一般的に、多孔質吸着薄膜は、柔軟性、又は一定の弾性、又は一定の抗引張の性能を有するため、金型の金型キャビティと棒状物との協力により、薄膜は棒状物の表面を緊密に被覆することができる。同様に、下型キャビティに第2多孔質吸着薄膜31を設置することができ、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜のサイズ及び材質は同じで、柔軟性、又は一定の弾性、又は一定の抗引張の性能を有するため、上型キャビティと下型キャビティを合わせる場合、形成された金型キャビティには棒状物及び上下の2層の薄膜が含まれ、金型キャビティにより、2層の薄膜は形状が変更されるため、棒状物の外面を囲む(
図10B)。
【0085】
いくつかの形態では、金型キャビティ501の壁906の縁部は開口部523を有し、金型キャビティの横断面が半円形の場合、金型キャビティの壁は、対向する2つの壁の縁部502、503を有し、該縁部は、鋭い刃口の形態で、横方向の厚さが0.1~2mmなどの厚さを有し、同様に、上型キャビティ601の壁に対向する2つの壁の縁部604、605を設置する。
図11A~11Cから分かるように、いわゆる縁部において、金型キャビティの壁全体の縁部は鋭い刃口の形態であり、その目的は、金型キャビティ内に棒状物の表面を被覆する多孔質薄膜を縁部で切断又は融着することができることである。もちろん、接着剤を塗布する場合、切断するだけで済み、加熱溶融する必要がなく、接着剤を塗布する必要がない場合、融着が必要である。従って、いくつかの多孔質薄膜について、溶融温度が高い場合、溶融の必要がなく、また、棒状物の表面に接着剤を塗布し、多孔質薄膜は、
図10A~10B、11A-11Cの方法に応じて加工過程を行う場合、金型キャビティの壁の縁の切断機能が必要であり、接着剤を塗布するため、このような加工過程で多孔質薄膜が落ちることを防止できる。同様に、事前に接着剤を棒状物の表面、例えば、107の外面に塗布する必要がない場合、棒状物の表面に被覆された薄膜が落ちることを防止するために、この場合、2枚の薄膜が被覆する必要のある場合、それらの薄膜を接着し、接着が期待される場合、最も簡単な方法は、金型キャビティの壁の縁の温度を多孔質薄膜が溶融する温度まで上昇させ、薄膜が熱せられると溶融する場合、溶融した液体物質が接着剤のような機能を有し、金型キャビティの縁が接触する箇所で2枚の多孔質薄膜を接着することであり、その薄膜は例えば、多孔質ゴム、発泡したスポンジなどの多孔質スポンジである。なお、第1多孔質薄膜30及び第2多孔質薄膜31の材質は、同じであっても異なっていてもよく、融着が期待される場合、1枚の薄膜が加熱溶融しやすい限り、2つの異なる材質の薄膜を接着することができる。
【0086】
上型と下型を合わせる場合、上型50の上型キャビティの縁502は下型キャビティ601の縁605と接触し又は合わせ、金型キャビティの縁の係合により、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜を縁箇所で一緒に押圧し又は押し付けることができる(
図10Bの右側)。同様に、上型キャビティ501の縁503は下型キャビティ601の縁604と接触し又は合わせ、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜を縁箇所で一緒に押圧又は押付するようにし(
図10Bの左側)、このように、第1多孔質薄膜30及び第2多孔質薄膜31は、棒状物の左側及び右側で一緒に縫い付けられ又は接着される。
図10Bに示すように、第1薄膜30及び第2薄膜31は、金型キャビティの縁によって切断されない又は融着されていない場合、棒状物の端部107を包み、しかし、過剰な部分を有する薄膜706、705(左側)、棒状物(1081、1082)を被覆する薄膜、並びに右側703の部分は、上型キャビティと下型キャビティの縁の接触によって切断され、その切断は、金型の圧力で切断することであってもよく、加熱溶融の方法で接着しながら切断することであってもよい。
【0087】
いくつかの形態では、棒状物の表面に、水性又は油性接着剤などのバインダー剤を塗布する場合、2つの縁部は接触し、縁502、503はカッタの機能を有することに相当し、上下の二対の縁502、503、605、604はそれぞれ第1膜及び第2膜を押圧し、縁部は、刃口の形態であり、又は切断の機能を有し、押圧箇所又は刃口箇所から切断でき、過剰な廃棄物について、第1薄膜及び第2薄膜の廃棄物705、706は、1つの廃棄物72として合わせることができ、703は、第1薄膜及び第2薄膜の過剰な廃棄物でもあり、全体として廃棄物73と見なされ、左側と右側のこれらの廃棄物は直接捨てることができる。このように、吸収ヘッドの左側と右側には切れ目を有し、即ち、上多孔質薄膜と下多孔質薄膜が棒状物の表面に左右に接合する箇所には繋ぎ目を有し、本明細書の繋ぎ目は継ぎ目と呼ばれ、接ぎ目とも考えられ、従って、外観から見ると、吸収ヘッドの左側と右側にはそれぞれ線104、109があるように見える(
図2B)。
【0088】
同様に、
図11A及び11Bを参照すると、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜が棒状物の頂端1091を包む場合、金型キャビティの頂端の壁の縁512と下型キャビティの頂端の壁の縁512も接触し、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜を押圧し、棒状物の頂端1091の領域を被覆し、頂端に接着剤などのバインダー剤が塗布されると、縁が相互に押圧する場合、押圧隙間803を形成し、縁の圧力によって切断が完了し、切断された廃棄物710を捨て、そのため、吸収ヘッドの頂端には切れ目803が残り、それも頂端の2枚の多孔質薄膜の接合箇所に残った繋ぎ目105である(
図3A、
図2B)。
【0089】
本明細書に記載の「線」の意味の1つは境界の意味であるのは、2枚の多孔質薄膜が棒状物全体の外面107及びヘッド1091を被覆する場合、接合箇所があり、上型キャビティと下型キャビティの成形及び過剰な廃棄物への切断により、境界のような接合箇所を形成するので、線に似ているように見えるからである。本明細書の線は、吸収ヘッド(
図2B)の104、105、109に示す位置)を縦方向に取り囲み、且つ連続的な線である。もちろん、線の出現は、加工方法が異なるからである。金型が1つしかなく、且つ金型キャビティが1つしかなく、金型キャビティは棒状物全体を収容でき、棒状物を横方向に金型キャビティに入れると、多孔質薄膜が金型キャビティに入るように駆動し、金型キャビティの壁の縁を合わせることによってそれらを切断し、吸収ヘッドの片側には切れ目がある可能性があり、片側には境界があるが、他側には境界がない可能性があり、しかし、このような加工方法は複雑である。他の1つの意味は継ぎ目であり、即ち、上型キャビティと下型キャビティの縁は第1薄膜及び第2薄膜を押圧する場合(押圧の線の痕跡)、加熱し、金型キャビティの壁の縁の加熱溶融によって第1薄膜と第2薄膜を接着し、そのため、線の形態を形成し、この場合、棒状物の表面に接着剤を塗布することができるが、接着剤を塗布しなくてもよい。例えば、
図12に関連して
図13及び14に示すように、上型と下型は金属製の鋳型であり、外部加熱の方法によって金属を加熱し、又は金型キャビティの縁全体503、502箇所に加熱管522、521を埋設し(例えば、
図13に示す514箇所に加熱管を埋設する)、上型キャビティと下型キャビティを閉じる場合、上型キャビティの壁の縁と下型キャビティの壁の縁全体の加熱温度を一定の範囲又は恒温に制御し、上型の縁と下型の縁が第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜を押圧する場合、該温度が薄膜の溶融点に達し、薄膜が溶融し、例えば、多孔質スポンジの場合、温度が摂氏150~180度であり、押圧と高温のため、押圧箇所701、7001、803でスポンジが溶融し、溶融したスポンジが相互に接着され、押圧又は溶融の同時に、他の廃棄物を切断する機能を有し、そのため、上下の多孔質薄膜を接着する。
図12に示すように、前記金型キャビティの壁は中空の構造512、519を有し、壁、特に縁を加熱するために、その中央に加熱管路を事前に敷設する。A-A及びB-Bの横断面から分かるように、縁502、502の下には、加熱管路を敷設するための中空の空間514があり、縁と金型キャビティの壁は一定の高温を有するため、熱せられると溶融しやすい多孔質薄膜に接触する場合、2枚の多孔質薄膜が溶融して接着される。同様に、下型キャビティ601はまた、上型キャビティに対応する壁と縁604、605を有し、その壁も中空の構造であり、例えば、
図13及び
図14に示すように、加熱管路622を敷設するための空間有するため、縁又は金型キャビティの壁は一定の高温を有する。
【0090】
いくつかの形態では、金型キャビティの壁の縁は、それぞれ延びた辺504、505を有し、これは、2つの金型キャビティの間の接続面であり、
図12に示すように、1回に複数の棒状物を加工する場合、2つの離間面503、504は、多孔質薄膜の過剰な廃棄物を押し付けると同時に、加熱管を敷設するために使用され得、そのため、各金型キャビティ又は金型キャビティの壁の縁の温度を一定の高温に維持でき、従って、薄膜を確実で正確に押し付け及び溶融することは容易である。
図12に関連して
図10A及び11Aから分かるように、延びた辺は実際には延びた面であり、金型キャビティは長さ方向A-A’に応じて並べられ、これらの面は複数の同じ金型キャビティの離間面であってもよい。なお、スポンジのような材料が高温で溶融すると、2枚の多孔質スポンジは溶融した後に接着され、押圧しない又は溶融しない場合に対して、押圧点又は押圧面は、溶融した後、痕跡を有し、これらの痕跡は線のように見える。
【0091】
いくつかの形態では、棒状物の表面に接着剤を塗布する必要がない場合、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜を加熱して融合させても、それらは棒状物の表面から落ちる可能性がある。多孔質吸水性薄膜を棒状物により確実に固定するため、前記設備は固定構造を更に含み、該固定構造が薄膜を押圧し又は溶融することにより、薄膜と棒状物を共に接着する。いくつかの形態では、金型キャビティ501は突起部528を含み、該突起部は多孔質薄膜を押圧し、多孔質薄膜を棒状物の表面に接着する。接着剤をできるだけ使用しないために、加工過程において、上型キャビティと下型キャビティを閉じる場合、対向する突起部528、628は同時に棒状物の表面に被覆された多孔質薄膜を押圧する。多孔質薄膜の溶融点が低く、例えば、溶融点の温度が摂氏150~250度であり、例えば、スポンジの溶融温度が摂氏180度である場合、金型キャビティ内に埋設された加熱管521、621は突起部528、628を加熱し、突起部に接着する多孔質薄膜を溶融し、溶融した後の流体は棒状物の表面に接触すると、接着の役割を果たし、そのため、多孔質薄膜を棒状物に固定し、薄膜が落ちるリスクを軽減し、また、更なる接着剤塗布ステップを省くため、使用中、接着剤が人体への傷害、又は接着剤が検出結果への悪影響を軽減する。採取装置は加工の痕跡を有し、例えば、
図2A、
図2B、
図3A、
図3Bに示すように、採取装置のヘッドには凹み箇所108、112があり、これらは加工過程において押圧又は接着のために使用された凹所であり、これらは、加熱して溶融するための接着部であり、溶融部とも呼ばれ、そのため、棒状物のヘッド107の表面全体に接着剤を塗布する必要がない。いくつかの形態では、
図11~13に関連して
図12に示すように、金型キャビティ501は、規則的な半円筒形ではないが、側面の開口部箇所では小さくなる形態であり、例えば、突起部528(上型50)と下型の突起部628の近く、即ち吸収ヘッド1091から遠く離れた末端では、金型キャビティの遠位端又は吸収ヘッドの頂端に対して、金型キャビティの直径が小さくなり、このような設計の目的は、加工過程において、多孔質薄膜に、棒状物の表面の対応する領域でわずかに圧縮される過程を持たせることであり、特定の吸収ヘッド(
図2B)から分かるように、それは比較的小さくなった領域111を有する。生産中、この領域は、同じ厚さの多孔質吸水性薄膜を使用するが、いくつかの比較的圧縮された領域を有し、金型キャビティ内の棒状物の直径の大きさは均一であり、この目的は、主な吸収ヘッド112の多孔質薄膜は棒状物の表面から落ちることを回避することであり、金型は押圧ブロック513及び630の協力によって押圧を行うのは、多孔質薄膜が弾性を有し、加圧ブロックの近くの温度が上昇するが、該温度が多孔質薄膜を溶融するのに十分なほど高くなく、しかし、いくつかのプラスチック、多孔質プラスチック薄膜、多孔質スポンジ薄膜が熱せられると収縮するため、薄膜が棒状物の表面をより緊密にと被覆することができるからである。棒状物全体に接着剤を塗布しない場合、前述のとおり、突起ブロックの押圧又は突起ブロックへの加熱により、多孔質薄膜が溶融し、棒状物の表面に接着されるため、また、小さくなった領域111に加えて、棒状物のヘッド107に被覆された多孔質薄膜が落ちないことを確保する。
【0092】
以上の説明は、単一の吸収装置又は採取装置を製造することができ、もちろん、1回に複数の吸収装置を加工したい場合、金型で複数の金型キャビティを繰り返し開け、また、金型キャビティを間隔を置いて並べ、そのため、複数の金型キャビティを備えた金型は1回に複数の吸収装置を加工することができる。例えば、
図4~9は、2つの採取装置を加工するフロー及び過程概略図である。
図4に示すように、それは、上型50と下型60とを有し、上型は、2つの金型キャビティ501、502を有し、金型キャビティのそれぞれは壁を有し、金型キャビティの壁のそれぞれは縁502(
図13)を有し、該縁は、刃口に類似する形態、0.1~1ミリメートルなどの厚さを有し、多孔質薄膜を押圧することができ、又は加熱溶融することもできる。2つの金型を合わせる場合、2つの金型は一定の間隔を有し、金型キャビティの壁、特に縁を加熱するために、金型キャビティの壁の内部に加熱導線が埋設され、また、金属製の鋳型の場合、優れた熱伝導性を有する。下型60に2つの金型キャビティ601、602が対応して設置され、上型キャビティと下型キャビティを正確に位置決めし、及び金型キャビティの縁がずれないように係合して揃うために、金型に位置決め溝を設置し、例えば、上型に凸状溝5501を設置するが、下型に凹状溝6601を設置し、上型キャビティと下型キャビティが係合される場合、凸状溝と凹状溝の協力により、上型と下型をより正確に位置決めする。もちろん、複数のこのようなデザイン又は構造を追加することにより、より正確に位置決めすることができる。いくつかの形態では、加工の便宜上、一般的に、多孔質薄膜で被覆された棒状物の一部を金型キャビティ内に置くが、位置決めによって被覆の必要がない部分を固定する。例えば、
図4に示すように、位置決め構造40が提供され、位置決め構造に複数の位置決め溝が開けられ、その結果、加工中の移動を回避するために、棒状物を位置決め溝408中に配置することができる。そのため、位置決め溝は、第1位置決め溝セグメント403、第2位置決め溝セグメント405、及び第3位置決め溝セグメント402という複数のセグメントを有し、第1位置決め溝セグメント及び第2位置決め溝セグメントは縦方向に設置され、第3位置決め溝セグメントは横方向に設置され、第1位置決め溝セグメントは第2位置決め溝セグメントより深く、
図5に示すように、安全のために、棒状物20を手動で位置決め溝中に入れる場合、金型キャビティの近くの位置決め溝は深く、操作者の手が金型の間に触れたり届いたりしにくいため、操作者を傷つける可能性が低くなる。一般的に、操作中、まず、下型キャビティ60の表面に第1多孔質薄膜31を敷設し、次に、棒状物の組み合わせ又は複数の棒状物を位置決め溝中に置き(
図7)、続いて、複数の棒状物を接続するための接続ロッド203を横方向の位置決め溝402中に置き、縦方向の棒状物204を縦方向の位置決め溝中に置き、多孔質薄膜で包む必要のある棒状物201の端部107を金型キャビティ中に置き、また、第1多孔質薄膜を下型キャビティに被覆するが、位置決め溝の位置決めのため、棒状物を金型キャビティの中央位置に正確に位置決めすることができ(
図7)、次に、棒状物上に第2多孔質薄膜30を置き、続いて、上型と下型を合わせて加圧し、成形が完了し(
図8)、完了した後、上型と下型を分け、切断された廃棄物70を除去し、多孔質薄膜を棒状物の表面に被覆することが完了し、
図1~
図3に示す採取装置を形成する。包みが完了すると、廃棄物を除去し、次に、包まれた採取装置を金型キャビティから取り出し、最後に、これらを1つずつ分解し、個別包装する。上型と下型の協力により、1回に2つ以上の採取装置を生産することができ、それは例えば、3、5、8、10、20、30、40個である。
【0093】
類似する金型を使用して
図1Bの採取装置を生産製造する場合、より細い棒状物を提供することができ、突起ブロック528の位置はより高く、金型の底面からより遠く離れ、また、位置決め溝によって位置決めできるが、棒状物の端部で金型キャビティをいっぱいにすることではなく、例えば、金型キャビティは
図12の縦方向の長さがA-Aの長さを有するが、棒状物の端部の長さは縦方向の金型キャビティ501の半分、四分の三、五分の三であり、他の加工方法は変わらない場合、端部から一部の多孔質薄膜12が延び、棒状物に対してこの部分の多孔質薄膜は過剰であるため、金型キャビティの頂端の縁が多孔質薄膜を溶融することによって2枚の薄膜を共に接着することができる。同様に、棒状物の外周には延びた多孔質薄膜があることが期待され、棒の端部の横方向の直径は金型キャビティ501の方向B-Bの幅より小さく、それは例えば、金型キャビティの幅の半分、四分の三、五分の三であり、この場合、同じ方法で接着すると、より細い棒状物の端部に、流体サンプルを吸収するための、緩い多孔質薄膜(
図2C)スリーブを形成する。
【0094】
本発明の以下の実施形態も本発明の一部である。
【0095】
1.臨床診断分析サンプルを採取するための装置であって、1層以上の吸水性薄膜で包まれた端部を含む、装置。
【0096】
2.該装置は、棒状素子を含み、前記端部は棒状素子の一部であり、1層以上の吸水性薄膜で包まれた端部は棒状素子に被覆されるため、該包まれた端部は吸水性を持つ、請求項1に記載の装置。
【0097】
3.1層以上の前記吸水性薄膜は、第1吸水性薄膜と、第2吸水性薄膜とを含み、該第1吸水性薄膜と第2吸水性薄膜は、前記棒状素子の端部の表面に接着されるため、包まれた端部を形成する、請求項1に記載の装置。
【0098】
4.前記棒状物の端部の表面は、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜で形成された接ぎ目を有する、請求項3に記載の装置。
【0099】
5.前記第1薄膜材料と第2薄膜材料はホットプレスの方法によって接着される、請求項3に記載の装置。
【0100】
6.前記第1層の吸水性薄膜と第2層の吸水性薄膜の材料は同じである、請求項3に記載の装置。
【0101】
7.第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜のうちの1つ又は2つは、加熱溶融の特性を持ち、又は熱せられると融着する特性を持つ、請求項3に記載の装置。
【0102】
8.前記加熱温度は摂氏100~250度、又は摂氏120~200度、又は摂氏160~180度である、請求項3に記載の装置。
【0103】
9.前記第1薄膜及び第2薄膜の材料は、人造繊維、及び綿と絹の天然材料、又は綿と絹の混合材料、又はスポンジ材料、又はスポンジと綿の混合材料、又はスポンジと木綿糸の混合材料から選択される、請求項3に記載の装置。
【0104】
10.前記スポンジは、多孔質吸水性スポンジ又は発泡スポンジである、請求項9に記載の装置。
【0105】
11.前記吸水端部は、多孔質薄膜が熱せられると融着することによって形成された継ぎ目を含む、請求項9に記載の装置。
【0106】
12.前記継ぎ目は吸水端部に位置し、又は前記継ぎ目は吸水端部の両側及び/若しくは頂部に位置する、請求項11に記載の装置。
【0107】
13.前記多孔質吸水性薄膜の厚さは0.01ミリメートル以上である、請求項11に記載の装置。
【0108】
14.吸水性材料はスポンジ質の材料である、請求項13に記載の装置。
【0109】
15.厚さは、0.05ミリメートル以上、又は0.1ミリメートル以上、又は0.2ミリメートル以上、又は0.1~5ミリメートルの間である、請求項13に記載の装置。
【0110】
16.前記吸水性端部は、0.1~1ミリリットルの液体、又は0.1~800マイクロリットル、又は1~200マイクロリットル、又は20~200マイクロリットルの液体を吸収することができる、請求項1に記載の装置。
【0111】
17.いくつかの態様では、前記吸水性端部は、頂部及び頂部から遠く離れた領域又は頂部に対応する領域を有し、ここで、頂部から遠く離れた前記領域は凹み領域を含み、前記凹み領域を溶融させると、棒状物に接着された領域を形成する、請求項1に記載の装置。
【0112】
18.前記凹み領域は、吸水端部の両側に配置される、請求項17に記載の装置。
【0113】
19.前記凹み接着領域と継ぎ目は、端部の同じ側に位置する、請求項17に記載の装置。
【0114】
20.前記吸水端部の遠く離れた領域は収縮領域であり、その直径は頂部領域の直径より小さい、請求項17に記載の装置。
【0115】
21.生物学的サンプルを採取及び搬送するためのツールボックスであって、処理液を持つ試験管と、前述の請求項1~20のいずれか一項に記載の液体サンプルを採取するための装置とを含むことを特徴とする、ツールボックス。
【0116】
22.サンプルを採取するための装置の製造方法であって、親水性繊維材料のない棒、第1多孔質吸水性薄膜及び第2多孔質吸水性薄膜を提供し、棒の端部を第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜との間に位置させるステップと、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜に前記棒の端部を包ませるために、吸水可能な端部を形成するステップとを含む、方法。
【0117】
23.棒の端部に接着剤を塗布することにより、第1多孔質吸水性薄膜と第2多孔質吸水性薄膜は前記端部を包み、前記多孔質薄膜は接着剤によって端部の外面に接着される、請求項22に記載の方法。
【0118】
24.前記第1多孔質吸水性薄膜の長さは、前記端部の周長又は周長の半分より大きく、第2多孔質吸水性薄膜の長さは、前記端部の周長又は周長の半分より大きく、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜に前記端部を包ませる場合、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜との境界箇所の過剰な多孔質薄膜を切断する、請求項22に記載の方法。
【0119】
25.前記ホットプレスの方法で第1薄膜と第2薄膜の縁部を接着し、及び/又は同時にホットプレスの方法で過剰な多孔質薄膜を切断する、請求項22に記載の方法。
【0120】
26.前記第1薄膜及び第2薄膜は、スポンジ材料で構成された多孔質吸水性薄膜である、請求項22に記載の方法。
【0121】
27.前記第1薄膜及び第2薄膜は、吸水性多孔質スポンジである、請求項22に記載の方法。
【0122】
28.前記吸水性多孔質スポンジは発泡スポンジである、請求項22に記載の方法。
【0123】
29.第1薄膜及び/又は第2薄膜の厚さは0.1~5ミリメートルである、請求項22に記載の方法。
【0124】
30.サンプルを採取するためのものを生産製造するための設備であって、多孔質吸水性薄膜及び棒状物の端部を収容するための金型キャビティを含む金型を備える、設備。
【0125】
31.前記金型キャビティは、棒状物を収容するためのキャビティと、金型キャビティになって囲むための壁とを含み、更に壁に位置する縁を更に含む、請求項30に記載の設備。
【0126】
32.前記金型キャビティは、縦方向の開口部を有し、前記縦方向の開口部は前記壁における縁で囲まれる、請求項31に記載の設備。
【0127】
33.前記設備は、前記縁を定格温度に加熱するための加熱素子を更に含み、前記温度は多孔質膜を溶融することができる、請求項32に記載の設備。
【0128】
34.前記縦方向の開口部は、前記棒状物の端部及び多孔質吸水性薄膜を収容するために使用される、請求項32に記載の設備。
【0129】
35.前記金型キャビティは突起部を含み、該突起部は端部における多孔質薄膜を押圧するために使用されるため、多孔質薄膜は棒状物の端部の表面に固定することができる、請求項32に記載の設備。
【0130】
36.前記金型は上型と下型と、又は第1金型と第2金型とを含み、前記第1金型及び第2金型はそれぞれ第1金型キャビティと、第2金型キャビティとを含み、このような金型キャビティの設計により、第1金型及び第2金型を閉じ又は組み合わせる場合、前記金型キャビティが棒状物の端部を実質的に包むことができる、請求項32に記載の設備。
【0131】
37.前記第1金型キャビティは、棒状物の端部の一部を収容でき、第2金型キャビティは、棒状物の端部の残りの部分を収容でき、又は棒状物の端部は、第1端部と、第2端部とを含み、第1端部と第2端部は前記端部全体を構成する、請求項35に記載の設備。
【0132】
38.第1金型キャビティは、第1多孔質薄膜を収容でき、棒状物の第1端部は金型キャビティ中に収容される場合、前記第1多孔質薄膜は棒状物の第1端部の外面に被覆される、請求項36に記載の設備。
【0133】
39.第2金型キャビティは、第2多孔質薄膜を収容でき、棒状物の第2端部は金型キャビティ中に収容される場合、前記第2多孔質薄膜は棒状物の第2端部の外面に被覆される、請求項36に記載の設備。
【0134】
40.突起した押圧素子はそれぞれ前記第1金型キャビティと第2金型キャビティに設置され、第1金型キャビティと第2金型キャビティを合わせ又は組み合わせる場合、前記突起部は、棒状物の端部の外面に被覆された多孔質吸水性薄膜を向かい合って押圧することができる、請求項30に記載の設備。
【0135】
41.前記突起した押圧素子は加熱することができ、加熱によって多孔質吸水性薄膜が溶融できるため、薄膜を棒状物に接着することを実現する、請求項40に記載の設備。
【0136】
42.前記突起部は、金型キャビティの側面開口部の近くに設置される、請求項41に記載の設備。いくつかの形態では、前記側面開口部の直径は、棒状物の端部の頂部領域の直径より小さい。
【0137】
43.複数の金型キャビティは金型に間隔を置いて配置され、前記金型キャビティの縁は金型キャビティの間の離間領域より高い、請求項31に記載の設備。
【0138】
44.前記縁は、多孔質薄膜を切断する機能を持つ、請求項31に記載の設備。
【0139】
45.前記第1金型の金型キャビティの縁及び前記第2金型の金型キャビティの縁は、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜を押圧する場合、接合箇所で2つの薄膜を切断することを実現できる、請求項31に記載の設備。
【0140】
46.前記縁はある程度まで加熱することができ、加熱により、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜は、縁が接触する領域で溶融し、第1薄膜と第2薄膜との接着を実現する、請求項31に記載の設備。
【0141】
47.前記壁の縁が接触する領域の幅は、0.1~2ミリメートルである、請求項46に記載の設備。
【0142】
48.前記吸水性採取装置の生産方法であって、
第1金型キャビティを含む第1金型と、第2金型キャビティを含む第2金型とを提供するステップと、
第1多孔質薄膜に第2金型を被覆させ、棒状物の端部を第1多孔質薄膜の上に位置させ、第2多孔質薄膜を第1金型キャビティと棒状物の端部との間に位置させるステップと、
第1金型キャビティと第2金型キャビティを合わせ又は組み合わせ、棒状物を第1金型キャビティと第2金型キャビティで囲まれた空間内に位置させ、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜に棒状物の外面を被覆させるステップとを含む、方法。
【0143】
49.前記金型キャビティは、金型キャビティになって囲むための壁と、壁に位置する縁とを含み、前記縁は金型キャビティの開口部を形成する、請求項に記載の方法。
【0144】
50.第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜を第1金型キャビティと第2金型キャビティとの間に位置させ、第1多孔質薄膜を第2多孔質薄膜の上に位置させ、棒状物の端部を第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜との間に位置させる、請求項49に記載の方法。
【0145】
51.第1金型キャビティと第2金型キャビティを組み合わせ又は閉じることにより、第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜は棒状物の外面を被覆し、且つ端部全体を包む、請求項50に記載の方法。
【0146】
52.第1金型キャビティの縁と第2金型キャビティの縁が揃い、且つ第1多孔質薄膜と第2多孔質薄膜との境界箇所を押さえ付け、縁によって過剰な多孔質薄膜を切断する、請求項51に記載の方法。
【0147】
53.縁が接触する領域を縁によって溶融し、そのため、第1薄膜と第2薄膜を接着する、請求項52に記載の方法。
【0148】
54.棒状物の端部に応じて分けられると、前記縁は、左右縁及び頂部の縁を有し、前記左右縁は、棒状物の頂部の左右両側に配置された過剰な薄膜を切断し又は溶融して接着するが、頂部の縁は、頂部を包む過剰な多孔質薄膜を切断し又は溶融して接着する、請求項52に記載の方法。
【0149】
55.切断し又は溶融して接着した後に落ちた過剰な薄膜は、金型キャビティと金型キャビティとの間の離間領域に配置される、請求項54に記載の方法。
【0150】
本発明の明細書に記載の全ての特許出願及び出版物はいずれも、これらが本技術分野に開示の技術であり、本発明が使用できることを示す。各出版物が具体的に独立して参照して引用されると同様に、本明細書に引用された全ての特許出願及び出版物は同様に参考文献に挙げられる。ここで説明する本発明は、1つ以上の要素、1つ以上の制限がない場合に実現でき、この制限はここでは具体的には説明されない。例えば、本明細書の各実施例の用語「含む」、「実質的に・・・で構成される」及び「・・・で構成される」のそれぞれは、それらの3つのうち残りの2つの用語に置き換えることができる。本明細書において、いわゆる「1つ」は、「1」を意味するだけであるが、1つしか含まないことは除外されず、2つ以上を含むことも示すことができる。本明細書で使用される用語及び表現は、説明を目的としたものであり、限定するものではなく、また、本明細書で説明されるこれらの用語と解釈が同等の特徴を除外することを示す意図もなく、しかし、本発明及び特許請求の範囲内で、任意の適切な変更又は修正を行うことができることが分かっている。なお、本発明によって説明された実施例は、好ましい実施例及び特徴であるため、当業者は、本発明の説明の本質に従って、いくつかの修正及び変更を行うことができ、また、それらの修正及び変更はまた、本発明の範囲内であり、独立請求項及び従属請求項によって限定されると見なされる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを採取するための装置を生産製造する設備であって、
多孔質吸水性薄膜及び棒状物の端部を収容するための金型キャビティを含む金型を備え、
前記サンプルを採取するための装置は、棒状素子と、
前記棒状素子の一端の端部を緩く被覆し、前記端部から離れている末端が前記棒状素子に溶着された多孔質吸水性薄膜と、を含み、
前記棒状素子の一端の端部を緩く被覆する前記多孔質吸水性薄膜は、前記棒状素子の一端を囲む採取ヘッドを構成し、
前記採取ヘッドの前記多孔質吸水性薄膜で囲まれた内部空間は、前記棒状素子の直径または周長より大きく、
前記多孔質吸水性薄膜の前記末端の前記棒状素子に溶着された接着部は、前記採取ヘッドが被覆する前記棒状素子の前記端部から離れて位置する、
ことを特徴とする設備。
【請求項2】
前記金型キャビティは、棒状物を収容するためのキャビティと、金型キャビティになって囲むための壁とを含み、
壁に位置する縁を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記金型キャビティは、縦方向の開口部を有し、前記縦方向の開口部は、前記壁に位置する縁によって囲まれる、
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項4】
前記設備は、前記縁を定格温度に加熱するための加熱素子を更に含み、前記温度は多孔質膜を溶融することができる、
ことを特徴とする請求項3に記載の設備。
【請求項5】
前記縦方向の開口部は、前記棒状物の端部及び多孔質吸水性薄膜を収容するために使用される、
ことを特徴とする請求項3に記載の設備。
【請求項6】
前記金型キャビティは突起部を含み、前期突起部は端部における多孔質薄膜を押圧するために使用されるため、多孔質薄膜は棒状物の端部の表面に固定することができる、
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項7】
前記金型は上型と下型と、又は第1金型と第2金型とを含み、
前記第1金型及び第2金型はそれぞれ第1金型キャビティと、第2金型キャビティとを含み、
第1金型及び第2金型を閉じ又は組み合わせる場合、前記金型キャビティが棒状物の端部を実質的に包むことができる、
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項8】
前記第1金型キャビティは、棒状物の端部の一部を収容でき、
第2金型キャビティは、棒状物の端部の残りの部分を収容でき、又は棒状物の端部は、第1端部と、第2端部とを含み、第1端部と第2端部は前記端部の全体を構成する、
ことを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記第1金型キャビティは、第1多孔質薄膜を収容でき、棒状物の第1端部は金型キャビティ中に収容される場合、前記第1多孔質薄膜は棒状物の第1端部の外面に被覆される、
ことを特徴とする請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記第2金型キャビティは、第2多孔質薄膜を収容でき、
前記棒状物の第2端部は金型キャビティ中に収容される場合、前記第2多孔質薄膜は棒状物の第2端部の外面に被覆される、
ことを特徴とする請求項8に記載の設備。
【請求項11】
前記第1金型キャビティ及び前記第2金型キャビティには、それぞれ突起した押圧素子が設置され、
前記第1金型キャビティと前記第2金型キャビティとを組み合わせる場合、前記押圧素子は、棒状物の端部の外面に被覆された多孔質吸水性薄膜を向かい合って押圧することができる、
ことを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項12】
前記突起した押圧素子は、加熱されることができ、加熱によって多孔質吸水性薄膜が溶融し、薄膜を棒状物に接着する
ことを特徴とする請求項11に記載の設備。
【請求項13】
前記押圧素子は、金型キャビティの側面開口部の近くに設置され、
前記側面開口部の直径は、棒状物の端部の頂部領域の直径より小さい。
ことを特徴とする請求項12に記載の設備。
【請求項14】
複数の金型キャビティは金型に間隔を置いて配置され、前記金型キャビティの縁は金型キャビティの間の離間領域より高い、
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項15】
前記縁は、多孔質薄膜を切断する
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項16】
前記第1金型キャビティにおける縁及び前記第2金型キャビティにおける縁は、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜を押圧する場合、接合箇所で2つの薄膜を切断する、
ことを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項17】
前記縁は加熱されることができ、加熱により、第1多孔質薄膜及び第2多孔質薄膜は、縁が接触する領域で溶融し、第1薄膜と第2薄膜とを接着させる
ことを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項18】
前記壁の縁が接触する領域の幅は、0.1~2ミリメートルである、
ことを特徴とする請求項17に記載の設備。