(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111249
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】固定プラットフォーム用のコラム及び脚部ロック組立体
(51)【国際特許分類】
F41A 27/24 20060101AFI20240808BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20240808BHJP
【FI】
F41A27/24
G03B17/56 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024100594
(22)【出願日】2024-06-21
(62)【分割の表示】P 2021555321の分割
【原出願日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】62/817,876
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ アレック
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン デイヴィッド エム
(57)【要約】
【課題】固定プラットフォームの複数要素の中央コラムと共に使用するためのロック機構、これらの構成要素の偶発的な緩み又は脱落を防ぐために固定プラットフォームの伸縮脚部と共に使用するロック機構を提供する。
【解決手段】本開示は、ロック組立体、固定プラットフォームの中央コラム用のロック組立体又は脚部用のロック組立体に関する。ロック組立体は、中空内部を有する第1のコラム部分と、この第1のコラム部分の端部内に固定され、ねじ付きチャネルを有するインサートと、インサートの内側キャビティと滑動可能で且つ回転不能に係合され、チャネルを有する第2のコラム部分と、第2のコラム部分のチャネルを通過し、インサートのねじ付きチャネルと係合する締付けロッドと、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック組立体であって、
第1のコラム部分であって、この第1のコラム部分の長さに沿って略円形の断面を有する中空内部を有する、第1のコラム部分と、
前記第1のコラム部分の端部内に固定されたインサートであって、前記第1のコラム部分内に含まれる中実の第1の端部と、前記中実の端部を通過するねじ付きチャネルと、内側キャビティと、前記内側キャビティに開いており、非円形断面を有する第2の端部と、を有するインサートと;
本体と第1の端部とを有する第2のコラム部分であって、前記第1の端部が前記インサートの内側キャビティの断面に対応する非円形断面を有し、前記第1の端部が、前記インサートの内側キャビティと滑動可能で且つ回転不能に係合され、前記第2のコラム部分が、前記第1の端部を通るチャネルを更に有し、前記チャネルが、前記インサートの前記ねじ付きチャネルと同軸である第2のコラム部分と、
ねじ付き端部を有する締結ロッドであって、前記第2のコラム部分の前記チャネルを通過し、前記インサートのねじ付きチャネルと係合する締付けロッドと、
を備える、ロック組立体。
【請求項2】
前記締付けロッドは、前記ねじ付き端部に隣接する締付けリングを更に含み、前記締付けリングは、前記第2のコラム部分のチャネルの外形寸法よりも大きい外形寸法を有する、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項3】
前記インサートの内側キャビティの非円形断面が、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項4】
前記第2のコラム部分の前記第1の端部の非円形断面が、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される、請求項3に記載のロック組立体。
【請求項5】
前記インサートの内側キャビティの非円形断面が正方形である、請求項4に記載のロック組立体。
【請求項6】
前記第2のコラム部分の前記第1の端部の非円形断面が正方形である、請求項5に記載のロック組立体。
【請求項7】
前記第1のコラム部分は、前記第2のコラム部分の本体の外径と同じ外径を有する、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項8】
中央コラムを備え、前記中央コラムが請求項1に記載のロック組立体を含む、固定プラットフォーム。
【請求項9】
前記固定プラットフォームが三脚である、請求項8に記載の固定プラットフォーム。
【請求項10】
ロック組立体であって、
第1の円筒セクションに固定されたロックリングであって、前記第1の円筒セクションが、第2の円筒セクションに挿入可能であり、第2の縁部にて座面を有する、ロックリングと、
第1の端部にて第2の円筒セクションに固定され、第2の端部にて前記ロックリングに対して滑動可能である、第1の回転ストップと、
前記第1の回転ストップの第1の端部とねじ係合した第1の端部と、座面を有するロックウェッジに固定された第2の端部とを有するロックナットと、
を備え、
第1の方向への前記ロックナットの回転運動により、前記ロックウェッジの座面が前記ロックリングの座面と係合するようになり、第2の方向への前記ロックナットの回転運動により、前記ロックウェッジの座面が前記ロックリングの座面と係合解除されるようになる、ロック組立体。
【請求項11】
前記ロックリングが、第2の座面を含む第1の縁部を有し、前記第1の回転ストップが、前記ロックリングの前記第2の座面に対応する座面を有する、請求項10に記載のロック組立体。
【請求項12】
前記第1の方向への前記ロックナットの回転運動により、前記ロックリングの前記第2の座面が前記第1の回転ストップの前記座面と係合するようになり、前記第2の方向への前記ロックナットの回転運動により、前記ロックリングの前記第2の座面が、前記第1の回転ストップの前記座面と係合解除されるようになる、請求項11に記載のロック組立体。
【請求項13】
前記ロックリング、前記第1の回転ストップ、前記ロックナット及び前記ロックウェッジは、略円筒形であり、互いに並びに前記第1及び第2の円筒セクションと同軸である、請求項10に記載のロック組立体。
【請求項14】
前記第1の回転ストップが第2の座面を有し、前記ロックナットが第1の座面を有し、前記第1の回転ストップの前記第2の座面及び前記ロックナットの前記第1の座面が互いに対向しており、前記第1の方向への前記ロックナットの回転運動は、前記第1の回転ストップの前記第2の座面と前記ロックナットの前記第1の座面との係合によって制限される、請求項10に記載のロック組立体。
【請求項15】
前記第1の回転ストップに固定された第2の回転ストップを更に含み、前記ロックナットが、前記第2の回転ストップに対して滑動可能である、請求項10に記載のロック組立体。
【請求項16】
前記第2の回転ストップが第1の座面を有し、前記ロックナットが第2の座面を有し、前記第2の回転ストップの第1の座面及び前記ロックナットの第2の座面が互いに対向しており、前記第2の方向への前記ロックナットの回転運動が、前記第2の回転ストップの第1の座面と前記ロックナットの第2の座面との係合によって制限される、請求項15に記載のロック組立体。
【請求項17】
前記第1の回転ストップの前記第1の端部及び前記ロックナットの前記第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが、0.5mmから1.5mmである、請求項10に記載のロック組立体。
【請求項18】
前記ロックナット及びロックウェッジに固定されたグリップを更に含む、請求項10に記載のロック組立体。
【請求項19】
請求項10に記載のロック組立体を含む少なくとも1つの伸縮脚部を備える固定プラットフォーム。
【請求項20】
第2のロック組立体を更に備え、
前記第2のロック組立体が、
第1のコラム部分の長さに沿って略円形の断面を有する中空内部を有する前記第1のコラム部分と、
前記第1のコラム部分の端部内に固定されたインサートであって、前記第1のコラム部分内に含まれる中実である第1の端部と、前記中実の端部を通過するねじ付きチャネルと、内側キャビティと、前記内側キャビティに開いた第2の端部とを有し、前記内側キャビティが非円形断面を有する、インサートと;
本体と第1の端部とを有する第2のコラム部分であって、前記第1の端部が、前記インサートの内側キャビティの断面に対応する非円形断面を有し、前記第1の端部は、前記インサートの内側キャビティと滑動可能であるが回転不能に係合され、前記第2のコラム部分が更に、前記第1の端部を通るチャネルを有し、前記チャネルは、前記インサートのねじ付きチャネルと同軸である、第2のコラム部分と、
ねじ付き端部を有する締結ロッドであって、前記締結ロッドが前記第2のコラム部分のチャネルを通過し、前記インサートのねじ付きチャネルと係合する締付けロッドと、
を含む、請求項19に記載の固定プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年3月13日に出願された米国仮出願第62/817,876号の本出願であり、これに対する優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、ロック組立体に関する。一実施形態では、本開示は、固定プラットフォームの中央コラム用のロック組立体に関する。別の実施形態では、本開示は、固定プラットフォームの脚部用のロック組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
ロングライフル、ARプラットフォームライフル、ショットガン又は同様のロング銃器を使用する場合、射撃時、特に標的の射撃時には、銃器の端部を支持するために二脚や三脚もしくは他の固定プラットフォームを使用するのが一般的である。固定プラットフォームは、銃器を支持して安定したベースを提供し、単にサポートなしで銃器を保持するよりも精度を向上させる。安定したベースを提供するために、固定プラットフォームは、中央コラムに存在することができる中央銃器マウントから斜め下向きに延びる2又は3以上の脚部を含む。中央コラム及び/又は脚部は、多くの場合2又は3以上の要素に入り、コラム及び/又は脚部の長さを調整できるようにし、及び必要でないときには要素を後方に置いたままにすることにより、ユーザは固定プラットフォームの重量を減らすことができる。
【0004】
複数の部品が中央のコラムのものであるか、脚部が接続されている場合、接続が緊密で安定していることが重要である。しかしながら、現在の接続は、必要な安定性を提供していない。複数要素の中央コラムは、一般に要素を共にねじ止めすることによって結合される。使用時には、ユーザは、中央コラムの上部を軸方向に回転させ(例えば、照準を合わせるため)、意図せずにねじが緩められることになる。同様に、伸縮脚部の現在のツイストロック設計では、ロックが外れる量が制限されていない。その結果、ツイストロックが正しい方向に転回されない(又は十分に転回されない)場合には、脚部が圧壊する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、固定プラットフォームの複数要素の中央コラムと共に使用するためのロック機構、並びにこれらの構成要素の偶発的な緩み又は脱落を防ぐために固定プラットフォームの伸縮脚部と共に使用するロック機構を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、本開示は、ロック組立体を提供する。一実施形態では、ロック組立体は、2つのコラム部分を共に固定する。
【0007】
一実施形態では、ロック組立体は、第1のコラム部分であって、第1のコラム部分の長さに沿って略円形の断面を有する中空内部を有する第1のコラム部分と、第1のコラム部分の端部内に固定されたインサートであって、第1のコラム部分内に含まれる中実である第1の端部と、中実の端部を通過するねじ付きチャネルと、内側キャビティと、内側キャビティに開いて、非円形断面を有する第2の端部と、を有するインサートと、本体と第1の端部とを有する第2のコラム部分であって、第1の端部は、インサートの内側キャビティの断面に対応する非円形断面を有し、第1の端部が、インサートの内側キャビティと滑動可能で且つ回転不能に係合され、第2のコラム部分が、第1の端部を通るチャネルを更に有し、チャネルは、インサートのねじ付きチャネルと同軸である、第2のコラム部分と、ねじ付き端部を有する締結ロッドであって、第2のコラム部分のチャネルを通過し、インサートのねじ付きチャネルと係合する、締結ロッドとを備える。
【0008】
別の実施形態では、締結ロッドは、ねじ付き端部に隣接する締付けリングを更に含み、締付けリングは、第2のコラム部分のチャネルの外形寸法よりも大きい外形寸法を有する。別の実施形態では、インサートの内側キャビティの非円形断面は、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される。別の実施形態では、第2のコラム部分の第1の端部の非円形断面は、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される。別の実施形態では、インサートの内側キャビティの非円形断面は正方形である。別の実施形態では、第2のコラム部分の第1の端部の非円形断面は正方形である。別の実施形態では、第1のコラム部分は、第2のコラム部分の本体の外径と同じ外径を有する。
【0009】
別の実施形態では、本開示は、ロック組立体を含む固定プラットフォームを提供する。別の実施形態では、固定プラットフォームは中央コラムを含み、中央コラムはロック組立体を含む。一実施形態では、固定プラットフォームは三脚である。
【0010】
一実施形態では、本開示は、更なるロック組立体を提供する。一実施形態では、更なるロック組立体は、2つの伸縮円筒部分を共に固定する。
【0011】
一実施形態では、ロック組立体は、第1の円筒セクションに固定されたロックリングであって、第1の円筒セクションが、第2の円筒セクションに挿入可能であり、第2の縁部に座面を有する、ロックリングと、第1の端部にて第2の円筒セクションに固定され、第2の端部にてロックリングに対して滑動可能である、第1の回転ストップと、回転ストップの第1の端部とねじ係合した第1の端部と、座面を有するロックウェッジに固定された第2の端部とを有するロックナットと、第1の方向へのロックナットの回転運動により、ロックウェッジの座面がロックリングの座面に係合するようになり、第2の方向へのロックナットの回転運動により、ロックウェッジの座面がロックリングの座面と係合解除されるようになる。
【0012】
一実施形態では、ロック組立体は、第1の円筒セクションに固定されたロックリングであって、第1の円筒セクションが、第2の円筒セクションに挿入可能であり、第2の縁部に座面を有する、ロックリングと、第1の端部にて第2の円筒セクションに固定され、第2の端部にてロックリングに対して滑動可能である、第1の回転ストップと、回転ストップの第1の端部とねじ係合した第1の端部と、座面を有するロックウェッジに固定された第2の端部とを有するロックナットと、第1の方向へのロックナットの回転運動により、ロックウェッジの座面がロックリングの座面に係合するようになり、第2の方向へのロックナットの回転運動により、ロックウェッジの座面がロックリングの座面と係合解除されるようになる。
【0013】
別の実施形態では、ロック組立体は、第1の回転ストップに固定された第2の回転ストップを更に含み、ロックナットは、第2の回転ストップに対して滑動可能である。別の実施形態では、第2の回転ストップは第1の面を有し、ロックナットは第2の座面を有し、第2の回転ストップの第1の座面及びロックナットの第2の座面が互いに対向しており、第2の方向へのロックナットの回転運動は、第2の回転ストップの第1の座面とロックナットの第2の座面との係合によって制限される。
【0014】
別の実施形態では、第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部は、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチは、0.5mmから1.5mmである。一実施形態では、ねじピッチは少なくとも0.5mmである。別の実施形態では、ねじピッチは1.5mm以下である。一実施形態では、ねじピッチは、0.5mmから1.25mm又は0.5mmから1.0mm又は0.5mmから0.75mmである。更に別の実施形態では、ねじピッチは、0.6mmから1.5mm又は0.7mmから1.5mm又は0.8から1.5mm又は0.9mmから1.5mm又は1.0mmから1.5mm又は1.25mmから1.5mmである。
【0015】
別の実施形態では、ロック組立体は、ロックナット及びロックウェッジに固定されたグリップを更に含む。
【0016】
別の実施形態では、本開示は、更なるロック組立体を含む固定プラットフォームを提供する。別の実施形態では、固定プラットフォームは、少なくとも1つの伸縮脚部を含み、少なくとも1つの伸縮脚部は、ロック組立体を備える。一実施形態では、固定プラットフォームは三脚である。
【0017】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の一方又は両方のロック組立体、又は本明細書に記載の一方又は両方のロック組立体の何れかの組み合わせを含む固定プラットフォームを提供する。
【0018】
他の実施形態は、本明細書で提供される詳細な説明と共に図面なされる考察により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の実施形態による、三脚である例示的な固定プラットフォームを示す図である。
【
図2】本開示の実施形態による、固定プラットフォームの中央コラム用のロック組立体の断面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図2のロック組立体の更なる断面図である。
【
図4】本開示の実施形態による、固定プラットフォームの調節可能な脚部のためのロック組立体の断面図である。
【
図5】本開示の実施形態による、セクションストップを備えた内側脚セクションの一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、本明細書で開示される組立体、装置、及び方法について、本開示の実施形態が示される添付図面を参照して以下でより完全に説明する。しかしながら、本明細書で開示される装置及び方法は、多くの異なる形態で具現化することができ、また本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全なものとなりまた当業者に対して本発明の技術的範囲を十分に伝えることになるようにするために提示するものである。
【0021】
特徴及び/又は機能のセットが、二脚、三脚、及び固定プラットフォームの他の並び替えなどの固定プラットフォームの状況内で容易に適合できることが当業者には理解されるであろう。更に、本明細書に記載される様々な特徴及び/又は能力は、射撃、撮影、測量、及び観察光学機器、銃器、照準器、カメラ、及び他のこのような装置を固定するために安定した固定プラットフォームが望まれる他の分野を含む、様々な産業に展開できることが、当業者には理解されるであろう。
【0022】
同様の参照番号が、全体を通して同様の要素を指す。本明細書では、第1、第2、その他の用語を使用して、様々な要素、構成要素、領域、及び/又はセクションを記述することができるが、これらの要素、構成要素、領域及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、及び/又はセクションを別の要素、コンポーネント、領域、及び/又はセクションから区別するためにのみ使用される。従って、第1の要素、構成要素、領域又はセクションは、本開示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域又はセクションと呼ぶことができる。
【0023】
本開示における数値範囲は近似値であり、従って、特に明記しない限り、範囲外の値を含むことができる。数値範囲は、下限値と上限値の間に少なくとも2単位の間隔がある場合、下限値と上限値(特に明記されていない限り)を含めて全ての値を1単位刻みで含む。一例として、例えば、距離、速さ、速度、その他などの組成、物理、又は他の特性が10から100である場合、10、11、12などの全ての個々の値及び10~44、55~70、97~100などの部分範囲が明示的に列挙されることが意図される。1未満の値を含む範囲又は1より大きい小数(1.1、1.5など)を含む範囲では、1単位とは、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01、又は0.1と見なされる。10未満の1桁の数字(1~5など)を含む範囲の場合、通常、1単位は0.1と見なされる。これらは、具体的に意図されたものの単なる例であり、列挙された最小値と最大値との間の数値の全ての実施可能な組み合わせは、本開示において明示的に述べられていると見なされるべきである。この開示の範囲内で、とりわけ、装置のユーザから標的までの距離についての数値範囲が提供される。
【0024】
「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間用語及び同様のものは、説明を容易にするために、ある要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を記述するために本明細書で使用することができる。空間的に相対な用語は、図に示されている方向に加えて、使用又は動作中の装置の様々な方向を包含することを意図していることは理解されるであろう。例えば、図において装置が反転された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「真下」として記載されている要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配置される。従って、「下方」という例示的な用語は、上下の方向の両方を包含することができる。装置は、別の方向に向けられ(90°又は他の方向に回転され)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、これに応じて解釈される。
【0025】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連の列挙された項目のうちの1又は2以上の項目の何れか及び全ての組み合わせを含む。例えば、「A及び/又はB」などの語句で使用される場合、「及び/又は」という語句は、AとBの両方、A又はB、A(単独)、及びB(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B及び/又はC」などの語句で使用される「及び/又は」という用語は、以下の実施形態「A、B及びC」、「A、B、又はC」、「A又はC」、「A又はB」、「B又はC」、「A及びC」、「A及びB」、「B及びC」、A(単独)、B(単独)、及びC(単独)の各々を包含することを意図している。
【0026】
要素又は層が別の要素又は層の「上にある」、「接続される」、又は「結合される」と言及される場合、他の要素又は層上に直接あるか、接続又は結合することができることは理解されるであろう。或いは、介在要素又は層が存在することができる。対照的に、要素又は層が、別の要素又は層に「直接上にある」、「直接接続される」又は「直接結合される」と言及される場合、介在する要素又は層は存在しない。
【0027】
本明細書で使用される場合、「座面」は、2つの物体間の接触領域である。
【0028】
本明細書で使用される場合、「ユーザ」及び「射手」という用語は、互換的に、射撃を行う操作者、又は射撃を行う操作者と協力して射撃を観察する個人の何れかを指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「観察光学機器」は、ユーザ、射手又は観測手が標的を選択、識別、及び/又は監視するために使用される装置又は組立体を指す。観察光学機器は、標的の視覚的観察、或いは、例えば赤外線(IR)、紫外線(UV)、レーダー、熱、マイクロ波、又は磁気イメージング、X線、ガンマ線、同位体及び粒子放射線を含む放射線、暗視、超音波、パルス音、ソナー、地震振動、磁気共鳴を含む振動レセプタ、重力レセプタ、電波を含む放送周波数、テレビジョン及びセルラレセプタ、或いは標的の他の像に依存することができる。観察光学機器によってユーザ/射手/観測手に提示される標的の像は、変更されていない場合があり、或いは、例えば、拡大、増幅、減算、重畳、フィルタリング、安定化、テンプレートマッチング、又は他の手段によって強化することができる。観察光学機器によって選択、識別及び/又は監視される標的は、射手の視線内にあるか、又は射手の視界に対して接線方向にあることができる。他の実施形態では、観察光学機器が標的の合焦像を提示している間、射手の視線が遮られる可能性がある。観察光学機器によって取得された標的の像は、例えば、アナログ又はデジタルであり、例えば、ビデオ、物理的なケーブル又はワイヤー、IR、電波、セルラー接続、レーザーパルス、光802.1lb、又は例えばhtml、SML、SOAP、X.25、SNAなどのプロトコルを使用した他のワイヤレス伝送、Bluetooth(商標)、シリアル、USB又は他の適切な画像配信方法によって、1又は複数の射手及び観測手のネットワーク内で共有され、保存され、アーカイブされ、又は伝送することができる。「観察光学機器」という用語は、「光学照準器」と同義的に使用される。
【0030】
本明細書で使用される場合、「銃器」は、携帯銃であり、多くの場合に爆発力の作用によって駆動される1又は2以上の発射体を発射する銃身付きの武器である。本書で使用する場合、用語「銃器」は、拳銃、長銃、ライフル銃、散弾銃、カービン銃、自動兵器、半自動兵器、機関銃、軽機関銃、自動ライフル銃、及びアサルトライフルを含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「固定プラットフォーム」は、観察光学機器及び/又は銃器を支持するのに使用される構造又は装置である。
【0032】
図1は、図示の実施形態では3本の脚部310に接続された中央コラム305を備えた三脚である例示的な固定プラットフォーム300を示している。中央コラム305は、中央コラム305の長さを延長するために接続された2つのセクションを有する。同様に、脚部310テレスコープは、脚部310の長さを変更する。
【0033】
図2は、第1のコラムセクション10と第2のコラムセクション20の接続を示すロック組立体100の断面図である。図示の実施形態において、第1のコラムセクション10は上側コラムセクションであり、第2のコラムセクション20は下側コラムセクションである。図示の1つの代表的な実施形態では、第1のコラムセクション10の内径は略円形である。第1のコラムの内径は、他の適切な形状及び幾何学的形状を有することができる。
【0034】
インサート30は、第1のコラムセクション10に固定される。インサート30は、第1のコラムセクション10の内径を低減する。図示の実施形態では、インサート30は、円形の断面を有する略円筒形である。インサート30の外径は、インサート30を第1のコラムセクション10に滑動させることができるように、第1のコラムセクション10の内径よりも僅かに小さい。インサート30の下部から半径方向に延びる終端フランジ36は、インサート30が第1のコラムセクション10に過度に挿入されるのを防ぐ。ねじ孔32は、インサート30の上面を貫通して延びる。
【0035】
一実施形態では、インサート30は、第1のコラムセクション10の内側に恒久的に固定されている。この恒久的な接続は、例えば、接着剤、エポキシ及び同様のものなどの接着手段、嵌合及び/又はインターロック構造などの機械的接続、又はこれらと他の手段の組み合わせを含む、多くの手法で達成することができる。更なる実施形態では、インサート30は、第1のコラムセクション10の内側に取り外し可能に固定されている。
【0036】
図示の実施形態では、第1のコラムセクション10の内面は、ガイド突起12を含み、インサート30の外面は、対応するチャネル38を含む。インサート30を第1のコラムセクション10に滑動させるときには、ガイド突起12及びチャネル38は整列されなければならない。これにより、第1コラムセクション10とインサート30の組み立てが容易になる。更に、突起12とチャネル38との係合により、第1のコラムセクション10内のインサート30の回転を防止する。
【0037】
インサート30の外面は、円形断面を有する略円筒形であるが、インサート30の内側キャビティ34は、非円形である。すなわち、インサート30の内側キャビティ34は、円形断面を有していない。図示の実施形態では、内側キャビティ34は正方形である(正方形の断面を有する)。しかしながら、更なる実施形態では、内側キャビティ34は、限定ではないが、正方形、矩形、楕円形、三角形、星形、台形、又は何れかの多角形を含む、何れかの非円形幾何形状を有することができる。
【0038】
インサート30の内側キャビティ34の幾何学的形状は、第2のコラムセクション20の雄端部22の外部幾何学的形状と一致する。第2のコラムセクション20の雄端部22は、第2のコラム部分20の本体27から外向きに(及び上向きに、図示の方向に)延びる。第2のコラム部分は、円形断面を有し、第1のコラムセクション10とほぼ等しい外径を有する略円筒形である。
【0039】
雄端部22の外側幾何学的形状は、インセット30の内側キャビティ34の形状に対応する何らかの非円形幾何学的形状である。図示の特定の実施形態では、当該幾何学的形状は正方形であるが、上記で詳述したように、限定ではないが、正方形、矩形、楕円形、三角形、星形、台形、又は何れかの多角形を含む、何れかの非円形の幾何学的形状が許容可能である。チャネル26は、雄端部22を通過し、インサート30の内側キャビティ34に開口している。チャネル26及びチャネル32は同軸に整列されているが、チャネル32とは異なり、チャネル26の内部はねじ付きではない。
【0040】
雄端部22はまた、図示の実施形態では、雄端部22において円形凹部であるシェルフ25を含む。
【0041】
締付けロッド40は、チャネル26及び32において受け取られる。締付けロッド40は、第1のコラム部分10及び第2のコラム部分20を共に保持するコネクタである。締付けロッドは、円形断面を有する略円筒形である。締付けロッド40の先端42は、ねじ付きチャネル32のねじ山パターンに対応するねじ山パターンでねじ付きにされている。チャネル26の内径は、締付けロッド40の外径よりも僅かに大きく、締付けロッド40をチャネル26に容易に挿入し、以下で説明するように、チャネル26内で自在に回転できることが理解されるであろう。
【0042】
締付けロッド40は、溝52との係合によって締付けロッド40に固定される締付けリング50を更に含む。締付けリング50は、締付けロッド40の直径を大きくし、シェルフ25と係合して、締付けロッド40が第2のコラム部分20の雄端部22から係合解除されるのを防止する。
【0043】
図2を見ると、締付けロッド40は、把持部分45の下端にて終端する。
【0044】
使用時には、固定プラットフォーム300が使用されるときに、第1のコラム部分10は常にユーザによって使用される。観察光学機器は、接続部材17に固定されており、接続部材17は、図示の実施形態では、ねじ付きコネクタであるが、他の実施形態では、観察光学機器は、あらゆる方法で第1のコラム部分10に固定することができる。ユーザが第2のコラム部分20を用いて中央コラムの長さを増大することを望む場合、第2のコラム部分20(より具体的には、締付けロッド40の雄端部22及びねじ付き端部42)は、インサート30及び第1のコラム部分に滑動される。雄端部22は、その外面の非円形幾何学的形状がキャビティ34の非円形幾何学的形状と整列するように配向されなければならない。適切に整列されると、把持部45を用いて締付けロッド40が捻られる。チャネル26内で自由に回転可能であるため、締付けロッド40の回転は、第2のコラム部分20の回転を引き起こさない。接続されると、第1のコラム部分10又は第2のコラム部分20の回転の試みは、雄部分22及びキャビティ34の非円形の幾何学的形状に起因して、2つのコラム部分を係合解除することはない。すなわち、雄部22の正方形状はキャビティ34の正方形状内で回転できないので、2つのコラム部分10、20が互いに独立して回転することができない。
【0045】
第1及び第2のコラム部分10、20を係合解除するために、ユーザは、把持部分45を使用して締付けロッド40を回転させなければならない。締付けロッド40のねじ端部42が、ねじ付きチャネル32か係合解除されると、締付けロッド40及び第2のコラム部分20は共に、インサート30及び第1のコラム部分10から係合解除することができる。
【0046】
既存の固定プラットフォームは、ロック組立体100を後付けすることができることは理解されるであろう。インサート30は、既存の第1のコラム部分10及び提供されるインサート30と互換性のある対応する第2のコラム部分20に適合するようなサイズにすることができる。
【0047】
図3は、大脚セクション120に伸縮し固定される小脚セクション110の接続を示す、ロック組立体200の断面図である。図示の実施形態では、小脚セクション110は、略円筒形であり、小脚セクション110の長さに沿ってほぼ均一である円形断面を有する。同様に、大脚セクション120は、略円筒形であり、大脚セクション120の長さに沿ってほぼ均一な円形断面を有する。小脚セクション110の外径は、大脚セクション120の内径よりも小さいので、小脚セクション110は、大脚セクション120内で滑動可能である。
【0048】
小脚セクション110は、その外径に固定されたセクションストップ160及びロックリング170を有する。
【0049】
セクションストップ160は、何れかの方法で小脚セクション110の外面に固定することができる。例えば、
図5に示されるように、小脚セクション110の外面は、セクションストップ160の内面上で雄位置決め部分161と係合する雌位置決め部分112を含む。限定ではないが、接着剤、エポキシ及び同様のものなどの接着手段、嵌合及び/又はインターロック構造などの機械的接続、又はこれらと他の手段の組み合わせを含む、代替及び/又は追加の固定手段を使用して、セクションストップ160を小脚部分110の外面に固定することができる。
図4及び5に示されるように、セクションストップ160は、小脚セクション110の外径の周りの連続シリンダーである。しかしながら、更なる実施形態では、セクションストップ160は、以下で更に詳細に説明するように、ロック組立体200の必要な部分と係合するのに十分な被覆があるという条件で、小脚セクション110の外面の周りで不連続となる可能性がある。
【0050】
ロックリング170はまた、小脚セクション110の外径の周りの連続シリンダーとして示されているが、以下で更に詳細に説明されるように、ロック組立体200の必要な部分と係合するのに十分な構造が存在する場合、他の実施形態においても不連続とすることができる。図示されるように、ロックリング170はまた、対角座面172、174を備えた、略台形断面を有する。
【0051】
同様に、回転ストップ130は、大脚セクション120の外径(外面)に固定される。セクションストップ160と同様に、回転ストップ130は、限定ではないが、接着剤、エポキシ及び同様のものなどの接着手段、嵌合及び/又はインターロック構造(例えば、ねじ山)などの機械的接続、又はこれらと他の手段の組み合わせを含む、何れかの適切な手段を使用して、大脚セクション120の外面に固定することができる。更に、図示の実施形態では、回転ストップ130は、略円筒形であり、大脚セクション120の外径の周りで連続している。しかしながら、更なる実施形態では、回転ストップ130は、以下で更に詳細に説明するように、ロック組立体200の必要な部分と係合するのに十分な被覆がある場合、大脚セクション120の外面の周りで不連続とすることができる。
【0052】
第1の回転ストップ130は、第1の回転ストップ130の残りの部分よりもほぼ厚い第1の(上部)部分132を有する。言い換えると、第1の部分132の外径は、第1の回転ストップ130の残りの部分の外径よりも大きい。第1の部分132は、第1の部分132の外径よりも小さい外径を有する中間部分134に急激に移行する。座面139は、第1の部分132から中間部分134への急激な移行から生じるものである。中間部分134の内面に沿った途中には突起135がある。突起135は、上側及び下側の2つの座面を有する。上側座面は、大脚セクション120の底面と係合して、大脚セクション120上で第1の回転ストップ130を固定できる距離を制限する。中間部分134は、再び第3の部分136に急激に移行して、これにより座面138を形成する。
【0053】
第1の回転ストップ130の外面には、ロックナット140が配置されている。図示の実施形態では、第1の回転ストップ130の外面の一部は、ねじ付きにされており、ロックナット140の内面の対応する部分は、ねじ付きにされている。ねじ山を係合させることにより、ロックナット140を第1の回転ストップ130に対して回転移動可能にしながら、ロックナット140を第1の回転ストップ130に固定する。しかしながら、更なる実施形態では、第1の回転ストップ130及びロックナット140は、2つの構成要素の互いに対する回転運動を可能にするあらゆる方法で、互いに固定することができる。
【0054】
セクションストップ160及び第1の回転ストップ130と同様に、ロックナット140は、略円筒形であり、第1の回転ストップ130の外径の周りで連続している。しかしながら、更なる実施形態では、ロックナット140は、以下で更に詳細に説明するように、ロック組立体200の必要な部分と係合するのに十分な被覆がある場合、第1の回転ストップ130の外面の周りで不連続とすることができる。
【0055】
ロックナット140は、第2の部分144に急激に移行する第1の部分141を有する。第1の部分141は、第2の部分144よりも大きな厚みを有し、第2の部分144の内径が第1の部分141の内径よりも大きく、座面142をもたらす。
【0056】
図4に示す実施形態では、第1の部分141の内面は、第1の回転ストップ130の外面、特に第1の回転ストップ130の第1及び第2の部分132、134とねじ係合している。第2の回転ストップ150は、第1の回転ストップ130の第3の部分136とねじ係合している。
【0057】
第2の回転ストップ150は、略円筒形であり、第1の回転ストップ130の第3の部分136の外径の周りで連続している。しかしながら、更なる実施形態では、第2の回転ストップ150は、以下で更に詳細に説明するように、ロック組立体200の必要な部分と係合するのに十分な被覆がある場合、不連続とすることができる。
【0058】
図7に示されるように、第2の回転ストップ150は、ロックナット140の第2の部分144と第1の回転ストップ130の第3の部分136との間に配置される。従って、第2の回転ストップ150は、その第2の部分159よりも第1の部分157にて内径が大きい、ほぼ一貫した外径を有する。第1の部分157、159と第2の部分157と159との間の移行は急激であり、その結果、座面138と係合して、第1の回転ストップ130に沿って第2の回転ストップ150が移動できる距離を制限する座面154をもたらすことになる。第2の回転ストップ150の上面152は、ロックナット140の座面142に隣接しているが完全には接触していないように示されている。
【0059】
小脚セクション110がセクションストップ160及びロックリング170と適切に組み立てられ、大脚セクション120が第1の回転ストップ130、ロックナット140、及び第2の回転ストップ150と適切に組み立てられると、小脚部セクション組立体(110、160、170)は、ロックリング170の座面174がその下側座面にて突起135と係合するまで、大脚セクション120内に滑動する。所定の位置にあるときには、セクションストップ160は、大脚セクション120の内面に隣接して滑動可能であり、第1の回転ストップ130の第3の部分136の内面は、ロックリング170の外面に隣接して滑動可能である。
【0060】
小脚セクション組立体(110、160、170)が大脚セクション組立体(120、130、140、150)から係合解除されるのを防ぐために、ロックウェッジ180は、その第2の部分144にてロックナット140の内径にねじ止めされている。
図6に示されるように、ロックウェッジ180は、ロックリング170の座面172に当接する座面182と、ロックナット140の底面147に当接する座面187とを有する。
【0061】
グリップ190は、組立体200を保護するため、並びに以下により完全に説明されるようにユーザが組立体を操作することを可能にするために、ロック組立体200全体にわたって固定される。
図4に示されるように、グリップ190は、略円筒形であり、固定されるロック組立体200の部分に共形となるように設計された外面及び内面の幾何学的形状を有する。具体的には、グリップ190は、ロックナット140の上側セクション148の輪郭に係合するように特別に設計された上側部分192を有する。グリップ190の滑らかな内面194は、ロックナット140の外面に接触している。グリップ190の底部196は、ロックウェッジ180の下面に接触している。グリップの上側部分192及び下側部分196は、それぞれ大脚セクション120及び小脚セクション110に向かって内向きに突出して、ロック組立体200を完全に取り囲む。
【0062】
グリップ190は、限定ではないが、接着剤、エポキシ及び同様のものなどの接着手段、嵌合及び/又はインターロック構造(例えば、ねじ山)などの機械的接続、又はこれらと他の手段の組み合わせを含む、何れかの適切な手段を使用して、ロックナット140の外面に恒久的又は取り外し可能に固定することができる。更に、図示の実施形態では、グリップ190は、略円筒形であり、ロック組立体200の外径の周りで連続している。しかしながら、更なる実施形態では、グリップ190は、以下で更に詳細に説明するように、ロック組立体200の必要な部分と係合するのに十分な被覆がある場合、ロック組立体200の外側の周りで不連続とすることができる。
【0063】
図4に示す実施形態では、大脚セクション120は、三脚などの固定プラットフォームの上部に固定された脚セクションである。小脚セクション110は、大脚セクション120の内側から外側に伸びて、脚の全長を増大させる(例えば、三脚の高さを増大)。小脚セクション110及びセクションストップ160は互いに固定されており、つまり、ロック組立体200の動作中に、小脚セクション110とセクションストップ160は、相対移動するように設計されておらず、むしろ組立体として共に移動するように設計されている。同様に、大脚セクション120、第1の回転ストップ130、及び第2の回転ストップ150は、2つの構成要素が相対移動するのではなく、組立体として移動するように、互いに固着されている。グリップ190、ロックナット140、ロックウェッジ180も互いに固着されており、3つの部品が組立体として共に移動する。一実施形態では、ロックリング170は、組立体の他の構成要素によって所定位置に固定又は保持される。一実施形態では、ロックリング170は、組立体の他の構成要素によってカプセル化されている。一実施形態では、ロックリング170は、組立体のあらゆる要素又は構成要素に恒久的には取り付けられていない。
【0064】
ロックウェッジ180は、ロックリング170に対して滑動可能である。ロックナット140は、第1の回転ストップ130とねじ(可動)接続されており、つまり、グリップ190/ロックナット140/ロックウェッジ180組立体が回転すると、グリップ190/ロックナット140/ロックウェッジ180組立体が第1の回転ストップ130に対して上下の移動を生じるようになる。第2の回転ストップ150は第1の回転ストップ130に固着されているので、ロックナット140は、第2の回転ストップ150に対して滑動可能である。
【0065】
小脚セクション110と大脚セクション120を共に固定又はロックすると(すなわち、小脚セクション110が大脚セクション120に対して所望の位置にあるとき)、ユーザは、グリップ190をロック方向に転回又は回転させる。図示の実施形態では、当該方向は反時計回りである。グリップ190の回転(例えば、図示の実施形態では反時計回り方向)は、グリップ190/ロックナット140/ロックウェッジ180組立体を上方に移動させる。この上方の移動は、ロックナット140のねじ山が第1の回転ストップ130のねじ山と係合することによって引き起こされる。グリップ190/ロックナット140/ロックウェッジ180組立体が上方に移動すると、ロックウェッジ180の座面182がロックリング170の座面172を上方に押し上げる。この移動は、本質的に、ロックウェッジ180と第1の回転ストップ130との間のロックリング170を圧縮する。座面172、182及び座面174の角度、並びに突起134の下側座面により、
図6に更に詳細に示されるように、ロックリング170が小脚セクション110に対して内向きに押し付けられるようになる。ロックナット140の上方への移動は、
図8に示すように、ロックナット140の座面140と第1の回転ストップ130の座面139との接触により防止される。
【0066】
グリップ190を反対方向(例えば、図示の実施形態では時計回り方向)に回転させると、ロック組立体200が緩む。グリップ190の時計回りの回転は、第1の回転ストップ130とのロックナット140のねじ係合によって、グリップ190/ロックナット140/ロックウェッジ180組立体の下方への動きを引き起こす。ロックナット140の下向きの移動は、
図7に示すように、ロックナット140の座面142と第2の回転ストップ150の座面152との間の接触によって制限される。グリップ190/ロックナット140/ロックウェッジ180組立体が下向きに移動すると、ロックウェッジ180は、ロックリング170に押し付けるのを中止し、従って、ロックリング170は、小脚セクション110を解放する(すなわち、ロックリング170、及び特に座面172、174が、それぞれ座面182及び突起134の下側座面を係合解除す)。小脚セクション110は、ロック組立体200内で再び滑動可能になる。
【0067】
図示の実施形態では、ロック組立体200は、グリップ190が組立体200の周りを合計で1/2回転するように特別に設計されている。詳細には、
図7に示されるように、座面142と座面152との間の距離202は、最大で0.5mmを有する。この0.5mmのギャップは、ロックナット140及び第1の回転ストップ130上の1mmのねじピッチと対になっている。ギャップが0.5mmの場合、ユーザは、グリップ190を半回転させることができ、これにより、グリップ190/ロックナット140/ロックウェッジ180組立体が0.5mm下向きに移動し、座面142、152が接触する。当業者は、ロックナット140及び第1の回転ストップ130の最大距離202及びねじピッチを調整して、所望のねじれ量を達成できることを理解することができる。つまり、ユーザが小脚部セクション110をロック/ロック解除するために全回転を望む場合、ねじピッチが1mmに保たれている場合に最大スペース高さ1.5mmが望ましい。
【0068】
座面130と座面149との間の
図8に示されるスペース204は、その距離202よりも大きい最大高さを有する。距離202よりも高い高さのスペースを提供することにより、ユーザは、ロック組立体200を1/2回転を超えて締めて、ロック組立体200をロック解除することができる。例えば、固定プラットフォームに取り付けられた観察光学機器の重量に応じて、ロック組立体200を異なる角度で締め付けることが望ましい場合がある。観察光学機器が重いほど、ロック組立体200をより緊密に締める必要がある。 本開示は、以下の各項によって更に説明される。
【0069】
1.ロック組立体であって、
第1のコラム部分と、
前記第1のコラム部分内に含まれる第1の端部と、第1の端部の少なくとも一部を通過するねじ付きチャネルと、内側キャビティと、前記内側キャビティに開いている第2の端部をと、有するインサートと、
本体と第1の端部とを有する第2のコラム部分であって、第1の端部は、インサートの内側キャビティの形状に対応する形状を有し、第1の端部は、インサートの内側キャビティと滑動可能で且つ回転不能に係合され、第2のコラム部分が更に、第1の端部を通るチャネルを有し、該チャネルは、インサートのねじ付きチャネルと同軸である、第2のコラム部分と、
ねじ付き端部を有し、締結ロッドが第2のコラム部分のチャネルを通過して、インサートのねじ付きチャネルと係合する、締付けロッドと、
を備える、ロック組立体。
【0070】
2.第1のコラム部分が中空内部を有する、第1項に記載のロック組立体。
【0071】
3.第1のコラム部分が、第1のコラム部分の長さに沿って略円形の断面を有する、第1項~第2項の何れかに記載のロック組立体。
【0072】
4.インサートが、第1のコラム部分の端部内に固定されている、第1項~第3項の何れかに記載のロック組立体。
【0073】
5.インサートが、第1のコラム部分内に含まれる中実の第1の端部を有する、第1項~第4項の何れかに記載のロック組立体。
【0074】
6.締結ロッドが更に、ねじ付き端部に隣接する締付けリングを含み、締付けリングが、第2のコラム部分のチャネルの外形寸法よりも大きい外形寸法を有する、第1項~第5項の何れかに記載のロック組立体。
【0075】
インサートの内側キャビティが、非円形断面を有する、第1項~第6項の何れかに記載のロック組立体。
【0076】
8.インサートの内側キャビティの形状が、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される、第1項~第7項の何れかに記載のロック組立体。
【0077】
9.第2のコラム部分の第1の端部が非円形断面を有する、第1項~第8項の何れかに記載のロック組立体。
【0078】
10.第2のコラム部分の第1の端部の形状が、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される、第1項~第9項の何れかに記載のロック組立体。
【0079】
11.インサートの内側キャビティの非円形断面が正方形である、第1項~第10項の何れかに記載のロック組立体。
【0080】
12.第2のコラム部分の第1の端部の非円形断面が正方形である、第1項~第11項の何れかのロック組立体。
【0081】
13.第1のコラム部分が、第2のコラム部分の本体の外径と同じ外径を有する、第1項~第12項の何れかに記載のロック組立体。
【0082】
14.中央コラムを備える固定プラットフォームであって、中央コラムが、第1項~第13項の何れかに記載のロック組立体を含む、固定プラットフォーム。
【0083】
15.固定プラットフォームが三脚である、請求項8に記載の固定プラットフォーム。
【0084】
16.ロック組立体であって、
第1の円筒セクションに固定されたロックリングであって、第1の円筒セクションが、第2の円筒セクションに挿入可能であり、第2の縁部にて座面を有する、ロックリングと、
第1の端部にて第2の円筒セクションに固定され、第2の端部にてロックリングに対して滑動可能である、第1の回転ストップと、
第1の回転ストップの第1の端部とねじ係合した第1の端部と、座面を有するロックウェッジに固定された第2の端部とを有するロックナットと、
を備え、第1の方向へのロックナットの回転運動により、ロックウェッジの座面がロックリングの座面と係合するようになり、第2の方向へのロックナットの回転運動により、ロックウェッジの座面がロックリングの座面と係合解除されるようになる。
【0085】
17.ロックリングが、第2の座面を含む第1の縁部を有し、第1の回転ストップが、ロックリングの第2の座面に対応する座面を有する、第16項に記載のロック組立体。
【0086】
18.第1方向へのロックナットの回転運動により、ロックリングの第2の座面が第1の回転ストップの座面と係合するようになり、第2の方向へのロックナットの回転運動により、ロックリングの第2の座面が第1の回転ストップの座面と係合解除されるようになる、第1項~第17項の何れかに記載のロック組立体。
【0087】
19.ロックリング、第1の回転ストップ、ロックナット、及びロックウェッジが略円筒形であり、互いに並びに第1及び第2の円筒セクションと同軸である、第1項~第18項の何れかに記載のロック組立体。
【0088】
20.第1の回転ストップが第2の座面を有し、ロックナットが第1の座面を有し、第1の回転ストップの第2の座面及びロックナットの第1の座面が互いに対向しており、第1の方向へのロックナットの回転運動は、第1の回転ストップの第2の座面とロックナットの第1の座面との係合によって制限される、第1項~第19項の何れかに記載のロック組立体。
【0089】
21.第1の回転ストップに固定された第2の回転ストップを更に含み、ロックナットが第2の回転ストップに対して滑動可能である、第1項~第20項の何れかに記載のロック組立体。
【0090】
22.第2の回転ストップが第1の座面を有し、ロックナットが第2の座面を有し、第2の回転ストップの第1の座面及びロックナットの第2の座面が互いに対向しており、第2の方向へのロックナットの回転運動が、第2の回転ストップの第1の座面とロックナットの第2の座面との係合によって制限される、第1項~第21項の何れかに記載のロック組立体。
【0091】
23.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが0.5mmから1.5mmである、第1項~第22項の何れかに記載のロック組立体。
【0092】
24.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部がそれに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが少なくとも0.5mmである、第1項~第23項の何れかに記載のロック組立体。
【0093】
25.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが1.5mm以下である、第1項~第24項の何れかに記載のロック組立体。
【0094】
26.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが0.5mmから0.75mmである、第1項~第25項の何れかに記載のロック組立体。
【0095】
27.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが0.5mmから1.0mmである、第1項~第26項の何れかに記載のロック組立体。
【0096】
28.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが0.5mmから1.25mmである、第1項~第27項の何れかに記載のロック組立体。
【0097】
29.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが0.75mmから1.25mmである、第1項~第28項の何れかに記載のロック組立体。
【0098】
30.第1の回転ストップの第1の端部及びロックナットの第1の端部が、それに応じてねじ付きにされ、ねじピッチが1.0mmから1.25mmである、第1項~第29の何れかに記載のロック組立体。
【0099】
31.ロックナット及びロックウェッジに固定されたグリップを更に含む、第1項~第30項の何れかに記載のロック組立体。
【0100】
32.第1項~第31項の何れかに記載のロック組立体を含む少なくとも1つの伸縮脚部を備えた固定プラットフォーム。
【0101】
33.第2のロック組立体を更に備え、
第2のロック組立体は、
第1のコラム部分の長さに沿って略円形の断面を有する中空内部を有する第1のコラム部分と、
第1のコラム部分の端部内に固定されたインサートであって、第1のコラム部分内に含まれる中実である第1の端部と、中実の端部を通過するねじ付きチャネルと、内側キャビティと、内側キャビティに開いた第2の端部と、を有し、内側キャビティが非円形断面を有する、インサートと、
本体と第1の端部とを有する第2のコラム部分であって、第1の端部が、インサートの内側キャビティの断面に対応する非円形断面を有し、第1の端部が、インサートの内側キャビティと滑動可能であるが回転不能に係合され、第2のコラム部分が更に、第1の端部を通るチャネルを有し、チャネルは、インサートのねじ付きチャネルと同軸である、第2のコラム部分と、
ねじ付き端部を有する締結ロッドであって、締結ロッドが第2のコラム部分のチャネルを通過し、インサートのねじ付きチャネルと係合する締付けロッドと、
を含む、第32項に記載の固定プラットフォーム。
【0102】
本発明の記載された構造、組立体、装置及び方法の様々な修正及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。当業者は、本発明を様々な材料から様々な異なる方法で構築可能であることを容易に認識するであろう。本発明について、特定の好ましい実施形態に関連して説明してきたが、本発明はこのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。好ましい実施形態について詳細に説明し、添付図面に示されているが、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な更なる修正が可能であることは明らかである。実際に、射撃技術又は関連分野の当業者には明らかである、本発明を実施するための記載された様式の様々な修正は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
300 固定プラットフォーム
305 中央コラム
310 脚部
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック組立体であって、
内面と、第1のコラム部分の長さに沿って略円形の断面を有する中空内部と、前記内面上のガイド突起と、を有する第1のコラム部分と、
前記ガイド突起に対応するチャネルを備えた外面を有するインサートであって、前記第1のコラム部分内に含まれる中実の第1の端部と、前記中実の端部を通過するねじ付きチャネルと、内側キャビティと、前記内側キャビティに開いており、前記内側キャビティが非円形断面を有する第2の端部と、を有するインサートと、
本体と第1の端部とを有する第2のコラム部分であって、前記第1の端部が前記インサートの前記内側キャビティの断面に対応する非円形断面を有し、前記第1の端部が、前記インサートの前記内側キャビティと滑動可能で且つ回転不能に係合され、前記第2のコラム部分が、前記第1の端部を通るチャネルを更に有し、前記チャネルが、前記インサートの前記ねじ付きチャネルと同軸である第2のコラム部分と、
ねじ付き端部を有する締結ロッドであって、前記第2のコラム部分の前記チャネルを通過し、前記インサートのねじ付きチャネルと係合する締付けロッドと、
を備える、ロック組立体。
【請求項2】
前記締付けロッドは、前記ねじ付き端部に隣接する締付けリングを更に含み、前記締付けリングは、前記第2のコラム部分のチャネルの外形寸法よりも大きい外形寸法を有する、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項3】
前記インサートの前記内側キャビティの非円形断面が、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項4】
前記第2のコラム部分の前記第1の端部の非円形断面が、正方形、矩形、三角形、及び多角形から選択される、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項5】
前記インサートの前記内側キャビティの非円形断面が正方形である、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項6】
前記第2のコラム部分の前記第1の端部の非円形断面が正方形である、請求項5に記載のロック組立体。
【請求項7】
前記第1のコラム部分は、前記第2のコラム部分の本体の外径と同じ外径を有する、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項8】
中央コラムを備え、前記中央コラムが請求項1に記載のロック組立体を含む、固定プラットフォーム。
【請求項9】
前記固定プラットフォームが三脚である、請求項8に記載の固定プラットフォーム。