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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111278
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 60/00 20060101AFI20240808BHJP
   B65G 57/03 20060101ALI20240808BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240808BHJP
   B65G 1/04 20060101ALN20240808BHJP
【FI】
B65G60/00 A
B65G57/03 G
B65G1/00 501C
B65G1/04 521
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024101151
(22)【出願日】2024-06-24
(62)【分割の表示】P 2020054600の分割
【原出願日】2020-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】渡部 伸二
(72)【発明者】
【氏名】柴田 裕輔
(57)【要約】
【課題】本開示は、フレキシブルに構成可能な自動倉庫システムを提供することを目的の一つとしている。
【解決手段】
ある態様の自動倉庫システム100は、荷を積んだ荷載パレット12を載置可能な第1載置部34および第2載置部36と、第1載置部34に載置された荷載パレット12から荷を取り出して第2載置部36に移動して別の荷載パレットを作成するピッキング装置32と、自律的に移動方向を変えながら移動可能で、ピッキング装置32の下部を移動して第1載置部34に荷載パレット12を移送する搬送車18と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を積んだ荷載パレットを載置可能な第1載置部および第2載置部と、
前記第1載置部に載置された荷載パレットから荷を取り出して前記第2載置部に移動して別の荷載パレットを作成するピッキング装置と、
自律的に移動方向を変えながら移動可能で、前記ピッキング装置の下部を移動して前記第1載置部に前記荷載パレットを移送する搬送車と、
を備える自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パレットに段積みされている物品を層単位で取出すピッキング装置が記載されている。このピッキング装置は、荷取出位置に位置付けられた単品種パレットの物品を層単位で把持して荷積付位置に位置付けられた複数の出荷パレットのそれぞれに移載する把持装置と、この把持装置を出荷パレットに対し昇降可能にする荷移載装置とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-187618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動倉庫システムでは、単一種類の荷を複数積んだ単載パレットから、仕向け先の要求に応じて複数種類の荷を混載した混載パレットを作成するプロセスがある。このプロセスは、単載パレットの荷を所定の単位(以下、「ケース」という)に分けることと、分けたケースを保管することと、仕向け先の要求に応じて、分けて保管されたケースを集めて混載パレットを作成すること(以下、「ピッキング」という)とを含む。
【0005】
特許文献1に記載のピッキング装置では、設備が大がかりになりフレキシブルな構成が難しい。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、フレキシブルに構成可能な自動倉庫システムを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の自動倉庫システムは、自動倉庫システムは、荷を積んだ荷載パレットを載置可能な第1載置部および第2載置部と、第1載置部に載置された荷載パレットから荷を取り出して第2載置部に移動して別の荷載パレットを作成するピッキング装置と、自律的に移動方向を変えながら移動可能で、ピッキング装置の下部を移動して第1載置部に荷載パレットを移送する搬送車と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フレキシブルに構成可能な自動倉庫システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る自動倉庫の一例を概略的に示す平面図である。
図2】複数の荷が積層された状態の集合体の一例を示す斜視図である。
図3図1の搬送車の一例を概略的に示す正面図である。
図4図3の搬送車を示す側面図である。
図5図1のピッキング装置を示す平面図である。
図6図5のピッキング装置を示す側面図である。
図7図5のピッキング装置の取出ユニットを示す底面図である。
図8図1の第1台車の一例を概略的に示す正面図である。
図9図1の第2台車の一例を概略的に示す正面図である。
図10図1の自動倉庫の第1動作の一例を説明する説明図である。
図11図1の自動倉庫の第3動作の一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0013】
[実施形態]
図1を参照して実施形態に係る自動倉庫システム100の全体構成を説明する。図1は、実施形態に係る自動倉庫システム100の一例を概略的に示す平面図である。説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX軸方向、X軸方向に直交する水平な方向をY軸方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ軸方向とするXYZ直交座標系を定める。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。なお、X軸方向を「行方向」といい、Y軸方向を「列方向」といい、Z軸方向を「上下方向」ということがある。このような方向の表記は自動倉庫システム100の構成を制限するものではなく、自動倉庫システム100は、用途に応じて任意の構成で使用されうる。
【0014】
図1に示すように、自動倉庫システム100は、保管棚22と、ピッキングエリア30と、出庫エリア38と、制御部50とを備える。保管棚22には、第1台車14および第2台車16が配置される。ピッキングエリア30には、搬送車18と、ピッキング装置32と、第1載置部34と、第2載置部36とが設けられる。出庫エリア38には、出庫部40が設けられる。図1の例では、搬送車18の走行を容易にする観点から、後述する保管棚22の搬出部23、第1載置部34、第2載置部36および出庫部40は、同じフロアFrに配置されている。
【0015】
保管棚22は、複数の荷10を保管できる。第1載置部34および第2載置部36は、それぞれ複数の荷10を積んだ荷載パレットを載置できる。ピッキング装置32は、第1載置部34に載置された荷載パレット12から荷10を取り出して第2載置部36に移動して別の荷載パレット12を作成する。搬送車18は、自律的に移動方向を変えながら移動可能で、ピッキング装置32の下部を移動して第1載置部34に荷載パレット12を移送する。荷10および荷載パレット12については後述する。
【0016】
制御部50は、MPU(Micro Processing Unit)などを含んで構成される。制御部50は、荷10をピッキングするためにピッキング装置32の動作を制御する。また、制御部50は、ユーザからの操作結果に基づき、荷載パレット12を移送するために、第1台車14、第2台車16および搬送車18の動作を制御する。
【0017】
図2は、複数の荷が積層された状態の集合体を示す斜視図である。本明細書では、1以上の物品が段ボール等のケースに収容されたものを荷10という。空荷のパレットを単に「パレット12j」という。一のパレット12j上に荷10が単数または複数載置されたものを「荷載パレット12」という。荷載パレット12はパレット12jとパレット12j上の荷10とを合わせたものを指している。荷載パレット12は、積層された複数の層から構成されてもよく、各層は複数の荷10を含んでもよい。図2の例では、荷載パレット12は、3つの層のそれぞれに8つの荷10を含んでいる。荷載パレット12は、自動倉庫システム100において、入庫、保管、出庫される最小単位であってもよい。荷10はピッキングを行うときに取り扱いされる最小単位であってもよい。
【0018】
図3図4を参照して搬送車18を説明する。図3は、搬送車18の一例を概略的に示す正面図である。図4は、搬送車18の側面図である。搬送車18は、制御部50の指令に基づいて荷を搬送する搬送手段である。搬送車18は、目的位置と自車位置とに基づいて車輪の回転および舵角を制御して、目的位置に到達するよう自律走行可能な無人搬送車(AGV:Automated guided vehicle)として機能する。搬送車18の走行ルートは、予め設定された走行ルートと、自律的に決定した走行ルートとを含んでもよい。
【0019】
搬送車18は、荷載パレット12(以下、空荷のパレット12jを含む。)を載置する載置台部18cと、載置台部18cを昇降させるリフト機構18dとを備える。搬送車18は、モータ(不図示)によって複数の車輪18fを駆動し、荷載パレット12を搭載した状態で走行する。搬送車18は、リフト機構18dによって載置台部18c上の荷載パレット12を昇降させる。図3図4において、上昇状態の載置台部18cを破線で示し、降下状態の載置台部18cを実線で示す。
【0020】
搬送車18は、搬送元にて荷載パレット12を持上げて保持する。搬送車18は、搬送元から搬送先まで走行ルートを自律走行して荷載パレット12を搬送する。搬送車18は、搬送先に荷載パレット12を降ろす。搬送元および搬送先は、保管棚22、第1載置部34、第2載置部36、出庫部40などを含むが、これに限定されない。
【0021】
搬送車18の自律走行には、公知の種々の誘導方式を採用できる。本実施形態の搬送車18は、床に埋め込まれた誘導電線18gからの微弱な誘導電流に基づいて誘導される。搬送車18は、衝突防止のために近接センサや超音波距離計等のセンサによる安全装置を備えている。
【0022】
図1図5図6を参照してピッキング装置32、第1載置部34および第2載置部36を説明する。図5は、ピッキング装置32を示す平面図である。図6は、ピッキング装置32を示す側面図である。これらの図では、一部の柱や梁などの記載を省略している。ピッキング装置32は、ピッキングを行うためのピッキングエリア30に設けられる。本実施形態では、ピッキングエリア30は、保管棚22の近傍に設けられている。ピッキングエリア30は、保管棚22の後述する搬出部23と同じフロアに配置されている。
【0023】
第1載置部34および第2載置部36は、ピッキングエリア30に設けられ、平面視でピッキング装置32と重なるように配置される。第1載置部34には、主に、単一種類の荷を複数積んだ荷載パレット12(以下、「単載パレット12S」という)が載置される。第2載置部36には、主に、複数種類の荷を混載した荷載パレット12(以下、「混載パレット12M」という)が載置される。ピッキング装置32は、ピッキング前の単載パレット12Sから荷10を取り出して混載パレット12Mへ移載し、ピッキング後の混載パレット12Mを作成する。第1載置部34および第2載置部36の配置に限定はないが、図1の例では、第1載置部34および第2載置部36における搬送車18の走行方向(以下、「進入方向」という)に沿って隣接して配置されている。第1載置部34および第2載置部36は連設されてもよい。
【0024】
第1載置部34および第2載置部36の構成に限定はないが、本実施形態の載置部は、搬送車18が進入するための進入路を挟んで配置される複数の置台を有する。図1の例では、第1載置部34は、搬送車18の車幅方向に離隔して配置される2つの置台34pを有し、第2載置部36は、搬送車18の車幅方向に離隔して配置される2つの置台36pを有する。
【0025】
搬送車18の進入、退出を円滑にする観点から、置台34pおよび置台36pは、以下のように構成される。2つの置台34pの間隔および2つの置台36pの間隔は、搬送車18の車幅に所定のマージンを加えた幅に設定される。置台34p、36pの高さは、降下状態の載置台部18cよりも高く、上昇状態の載置台部18cよりも低く設定される。置台34p、36pの前後長(進入方向の長さ)は、搬送車18の車長に所定のマージンを加えた長さに設定される。
【0026】
本実施形態のピッキング装置は、第1載置部34の上方から荷10を取り出し、第2載置部36の上方から第2載置部36へ当該荷を積み入れる。図1の例では、ピッキング装置32は、いわゆるガントリ型のクレーン機構を含んでいる。ピッキング装置32は、一対の縦梁32eと、横桁32kと、クレーン台車32dと、吊下げ部32jと、取出ユニット32hとを備える。一対の縦梁32eは、ピッキングエリア30の上部空間においてY軸方向両側に離隔して設けられる。縦梁32eの両端は、縦柱32gの上端に支持される。
【0027】
横桁32kは、Y軸方向に延びるレール状の構造体で、一対の縦梁32eの間に架け渡される。横桁32kは、縦梁32e上をX軸方向に自走可能に構成される。横桁32kは、クレーンガータと称されることがある。クレーン台車32dは、横桁32k上をY軸方向に自走可能な台車である。クレーン台車32dは、トロリ台車と称されることがある。吊下げ部32jは、取出ユニット32hをクレーン台車32dに吊下げるとともにZ軸方向に上下動させることができる。また、吊下げ部32jは、取出ユニット32hを水平に回転させることができる。取出ユニット32hは、吊下げ部32jの先端に設けられ、荷10を持上げ可能に構成される。
【0028】
ピッキング装置32は、取出ユニット32hを水平方向(X軸方向、Y軸方向)に自在に移動可能に支持している。また、ピッキング装置32は、取出ユニット32hを上下方向(Z軸方向)に移動可能に支持している。
【0029】
取出ユニット32hを説明する。図7は、取出ユニット32hを示す底面図である。取出ユニット32hは、底面視で略矩形形状を有する。取出ユニット32hの底面には、複数の吸着部32sがX軸方向およびY軸方向にマトリックス状に配置される。複数の吸着部32sは、それぞれが空気を吸入することによって吸着力を発生させる。吸着部32sは、吸着力の大きさを調整可能である。なお、吸着部32sは、それぞれが複数の区画に分割されていてもよい。
【0030】
吸着部32sは、荷10を吸着可能な吸着力を発生するオン状態と、吸着力を実質的に発生しないオフ状態とを切替可能に構成される。なお、オフ状態は完全な不発生状態だけでなく、荷10を吸着できない程度の小さな吸着力を発生する状態を含む。取出ユニット32hは、複数の吸着部32sの吸着力を調整して、一層すべての荷10を吸着・保持できる。また、取出ユニット32hは、吸着力の発生領域を調整して、一層の荷10のうち1または複数の荷10を選択して吸着・保持できる。
【0031】
取出ユニット32hは、吸着部32sに代えて、あるいは吸着部32sに加えて、荷10を水平方向から挟んで挟持する挟持機構(不図示)を有してもよい。
【0032】
図1を参照して、保管棚22を説明する。保管棚22は、複数の荷10を保管可能な棚部である。保管棚22の構成は、複数の荷10を収容、保管可能であれば、特に限定されない。保管棚22は、X軸方向およびY軸方向に沿って配置された複数の保管部24を含む。各保管部24は、荷10を保管可能に構成されている。特に、保管棚22は、単載パレット12S、混載パレット12Mおよび空荷のパレット12jを各保管部24に保管できる。
【0033】
本実施形態は、上下に層状に配置されたN段(Nは、1以上の整数で、例えば3)の保管棚22を含んでいる。図1は、フロアFrに最も近い第1段の保管棚22を示している。第2段以上において、第N段の保管棚22は第N-1段の保管棚22の上に配置される。各段の保管棚22は、互いに同様の構成を備えてもよい。特に、各段の保管棚22には、それぞれ1台以上の第1台車14および第2台車のセットが設けられている。また、荷10を搭載した状態または空荷の第1台車14を複数段の保管棚22の間で昇降させる昇降手段(不図示)が設けられてもよい。
【0034】
保管棚22には、第1台車14の走行路としての第1レール26と、第2台車16の走行路としての第2レール28とが設けられる。第1レール26は、保管棚22においてY軸方向に延設される。第1台車14は、各保管部24の下部を走行可能な搬送手段である。第2レール28は、保管棚22に隣接してX軸方向に延設される。
【0035】
図8を参照して、第1台車14を説明する。図8は、第1台車14の一例を概略的に示す正面図である。第1台車14は、モータ(不図示)によって複数の車輪14fを駆動し、荷載パレット12を搭載した状態で第1レール26をY軸方向に走行する。第1台車14は、リフト機構14dによって載置台部14c上の荷載パレット12を昇降させる。図8において、上昇状態の載置台部14cを破線で示し、降下状態の載置台部14cを実線で示す。第1台車14は、荷載パレット12を保管部24に降ろすことができる。第1台車14は、荷載パレット12を保管部24から持上げて支持することができる。第1台車14は、第2台車16に乗降できる。
【0036】
図9を参照して、第2台車16を説明する。図9は、第2台車16の一例を概略的に示す正面図であり、第1台車14を搭載した状態を示している。第2台車16は、モータ(不図示)によって複数の車輪16fを駆動し、第2レール28をX軸方向に走行する搬送手段である。第2台車16は、荷載パレット12を搭載した状態または空荷の第1台車14を移送できる。
【0037】
保管棚22は、搬入部(不図示)に搬入された荷10を第1台車14と第2台車16とにより所定の保管部24に移送して保管する。保管棚22は、所定の保管部24に保管された荷10を第1台車14と第2台車16とにより搬出部23に移送して搬出する。
【0038】
図1に示すように、保管棚22は、荷載パレット12を搬出するための出口として搬出部23を有する。搬出部23は、第1台車14と搬送車18とが進入可能に構成される。搬出部23には、第1台車14を進入させるための第1レール26が設けられる。つまり、第1台車14は、搬出部23に進入して荷載パレット12を降ろして退出する。次に、搬送車18は、搬出部23に進入して荷載パレット12を保持して退出する。その逆も可能である。つまり、搬出部23は、第1台車14と搬送車18との間で荷載パレット12を載せ替える載せ替え部として機能する。これらから、搬出部23は、保管棚22の出入口であるといえる。
【0039】
搬出部23の構成に限定はないが、本実施形態の搬出部23は、搬送車18が進入するための進入路を挟んで配置される複数の置台を有する。図1の例では搬出部23は、搬送車18の車幅方向に離隔して配置される2つの置台23pを有する。
【0040】
搬送車18の進入、退出を円滑にする観点から、2つの置台23pの間隔は、搬送車18の車幅に所定のマージンを加えた幅に設定され、置台23pの高さは、降下状態の載置台部18cよりも高く、上昇状態の載置台部18cよりも低く設定される。置台23pの前後長(進入方向の長さ)は、搬送車18の車長に所定のマージンを加えた長さに設定される。
【0041】
図1を参照して、出庫部40を説明する。出庫部40は、ピッキングされた混載パレット12Mを仕向先に出庫するための置台である。出庫部40の構成に限定はないが、本実施形態の出庫部40は、搬送車18が進入するための進入路を挟んで配置される複数の置台を有する。図1の例では出庫部40は、搬送車18の車幅方向に離隔して配置される2つの置台40pを有する。2つの置台40pは、第1載置部34の2つの置台34pと同様に構成できる。
【0042】
以上のように構成された自動倉庫システム100の動作を説明する。この動作において、搬送車18は、誘導電線18gの誘導電流を検知しながら誘導電線18gに沿って目的地まで自律走行する。また、搬送車18は、目的の置台に接近したら、置台を検知するセンサの検知結果を用いて、置台に対する自車位置を修正し、置台との適切な隙間を確保して走行する。置台を検知するセンサとしては、レーザセンサや画像センサなどが挙げられる。また、搬送車18は、動作が完了したら、所定の待機位置に移動して待機する。
【0043】
(第1動作)
第1動作は移送動作である。図10を参照して、第1動作の一例を説明する。図10は、第1動作を説明する説明図である。第1動作は、制御部50からの指令(以下、単に「指令」という)に基づいて、搬送車18により、保管棚22に保管された単載パレット12Sを第1載置部34へ移送する移送動作である。
【0044】
(1)第1動作では、先ず、第1台車14および第2台車16によって、保管棚22の所定の保管部24に保管された単載パレット12Sを搬出部23に移送する。この過程で、第1台車14は、上昇した状態の載置台部14cに単載パレット12Sを載せて搬出部23に進入する(図10(a))。搬出部23に進入したら、第1台車14は、載置台部14cを下降させて単載パレット12Sを搬出部23の置台23pに降ろす。単載パレット12Sを降ろしたら、第1台車14は、搬出部23から退出して保管棚22内に移動する。
【0045】
(2)搬送車18は、載置台部18cを降下させた状態で搬出部23に向かって走行する(図10(b))。搬送車18は、搬出部23に進入したら、載置台部18cを上昇させて単載パレット12Sを持ち上げて搬出部23から退出する(図10(c))。
【0046】
(3)搬出部23から退出したら、搬送車18は、第1載置部34に向かって走行する(図10(d))。
【0047】
(4)搬送車18は、第1載置部34に進入したら、載置台部18cを下降させて単載パレット12Sを第1載置部34の置台34pに降ろす(図10(e))。単載パレット12Sを降ろしたら、搬送車18は、第1載置部34から退出する。
【0048】
(5)搬送車18は、出荷計画に応じてこの第1動作を繰り返し、別種類の荷10の単載パレット12Sを、別の第1載置部34に移送する。このように動作することにより、複数の第1載置部34には、互いに異なる種類の荷10が積載された単載パレット12Sが載置される。
【0049】
(第2動作)
第2動作は、ピッキング動作である。図6を参照して、ピッキング装置32の第2動作の一例を説明する。上述したように、第2動作は、出荷計画に対応する指令に基づいて、第1載置部34に載置された単載パレット12Sから荷10を取り出し、販売店などの仕向先に出荷するための混載パレット12Mを第2載置部36に作成する動作である。なお、図6では、第1種類の荷10-Aを破線ハッチングで示し、第2種類の荷10-Bを実線ハッチングで示し、第3種類の荷10-Cをハッチングなしの白抜きで示している。
【0050】
(1)搬送車18は、ピッキングエリア30の第2載置部36に、混載パレット12Mを作成するための空のパレット12jを置く。この過程で、搬送車18は、パレット12jを収容するパレット置き場(不図示)から、所定の第2載置部36に、パレット12jを移送する。
【0051】
(2)ピッキング装置32は、単載パレット12Sから所要数の第1種類の荷10-Aを取り出して、第2載置部36のパレット12jに載せる。
(3)また、ピッキング装置32は、別の単載パレット12Sから所要数の第2種類の荷10-Bを取り出し、パレット12jの第1種類の荷10-Aの上に載せる。
(4)また、ピッキング装置32は、さらに別の単載パレット12Sから所要数の第3種類の荷10-Cを取り出し、パレット12jの第2種類の荷10-Bの上に載せる。
(5)このように、ピッキング装置32は、出荷計画に対応する複数種類の荷10をパレット12jに積層して混載パレット12Mを作成する。
【0052】
(第3動作)
第3動作は、出庫準備動作である。図11を参照して、第3動作の一例を説明する。図11は、第3動作を説明する説明図である。第3動作は、指令に基づいて、搬送車18により、第2載置部36の混載パレット12Mを出庫部40へ移送する動作である。第3動作は、第1動作をした搬送車18によって実行されてもよいし、第1動作をした搬送車18とは別の搬送車18によって実行されてもよい。この例では、第3動作は、第1動作をした搬送車18によって実行される。つまり、一の搬送車18が、第1動作と第3動作とを実行する。
【0053】
(1)搬送車18は、載置台部18cを降下させた状態で、第2載置部36に向かって走行する(図11(a))。
(2)第2載置部36に進入したら、搬送車18は、載置台部18cを上昇させて混載パレット12Mを持ち上げて第2載置部36から退出し、出庫部40に向かって走行する(図11(b))。
【0054】
(3)搬送車18は、出庫部40に進入したら、載置台部18cを下降させて混載パレット12Mを出庫部40の置台40pに降ろす(図11(c))。混載パレット12Mを降ろしたら、搬送車18は、出庫部40から退出し、出荷計画に応じて第3動作を繰り返す。
【0055】
(4)出庫部40に降ろされた混載パレット12Mは、フォークリフトなどの搬送手段によってトラックに積み入れされ、仕向先に出荷される。
【0056】
このように、搬送車18によって混載パレット12Mを出庫部40へ移送することにより、ピッキングの終了タイミングがばらついた場合でも、ピッキングが終了した順番で搬送車18で移送でき、コンベアなどに比べて出庫の自由度が高い。
【0057】
(第4動作)
第4動作は、空パレットの回収動作である。第2動作により、第1載置部34には、ピッキング後の空のパレット12jが残る。第4動作は、指令に基づいて、搬送車18により、第1載置部34に残ったパレット12jを回収する動作である。
【0058】
第4動作では、搬送車18は、載置台部18cを降下させた状態で、第1載置部34に進入し、パレット12jを持ち上げ、第1載置部34を退出し、所定のパレット置き場に向かって走行し、パレット12jをパレット置き場に降ろす。
【0059】
パレット置き場として、専用の収容部を設けてもよいが、本実施形態では保管棚22の一部を使用している。この場合、搬送車18は、パレット12jを保管棚22に移送する。例えば、パレット12jを搬出部23に移送し、第1台車14に載せ替えて、第1台車14と第2台車16とにより所定の保管部24に移送する。
【0060】
また、第4動作では、搬送車18は、第1載置部34のパレット12jを、第3動作により空になった第2載置部36に移送してもよい。
【0061】
(第5動作)
第5動作は、中間パレットの回収動作である。第2動作により、第1載置部34には、一部の荷10が取り出されて残りの荷10が積層された単載パレット12S(以下、「中間パレット」という)が残る。例えば、当面の出荷計画にて、中間パレットの荷10は不要であり、第1載置部34に他の種類の荷10の単載パレット12Sを置きたいときに、第5動作により、第1載置部34を空けることができる。第5動作は、指令に基づいて、搬送車18により、第1載置部34に残った中間パレットを回収する動作である。
【0062】
第5動作では、搬送車18は、載置台部18cを降下させた状態で、第1載置部34に進入し、中間パレットを持ち上げ、第1載置部34を退出し、所定の中間パレット置き場に向かって走行し、パレット12jを中間パレット置き場に降ろす。
【0063】
中間パレット置き場として、専用の収容部を設けてもよいが、本実施形態では保管棚22の一部を使用している。この場合、搬送車18は、中間パレットjを保管棚22に移送する。例えば、中間パレットjを搬出部23に移送し、第1台車14に載せ替えて、第1台車14と第2台車16とにより所定の保管部24に移送する。
【0064】
なお、第5動作では、搬送車18は、中間パレットに代えて、荷10が取り出される前の単載パレット12Sを保管棚22に移送するようにしてもよい。
【0065】
また、第5動作によれば、例えば、需要の少ない単載パレット12Sについては、必要な分だけ荷10を取り出して、残りはいったん第1載置部34から退避させて、需要の多い単載パレット12Sを第1載置部34に搬入することができる。
【0066】
(第6動作)
第6動作は、混載パレット12Mの回収動作である。第2載置部36または出庫部40の混載パレット12Mを一時的に回収したい場合がある。例えば、出荷計画が変更になったときに、第6動作により、第2載置部36または出庫部40を空けることができる。第6動作は、指令に基づいて、搬送車18により、第2載置部36または出庫部40の混載パレット12Mを回収する動作である。
【0067】
第6動作では、搬送車18は、載置台部18cを降下させた状態で、第2載置部36または出庫部40に進入し、混載パレット12Mを持ち上げ、第2載置部36または出庫部40を退出し、所定の混載パレット12Mの置き場に向かって走行し、パレット12jを混載パレット12Mの置き場に降ろす。
【0068】
(第7動作)
第7動作は、指令に基づいて、搬送車18により、入庫部(不図示)の荷載パレット12を保管棚22に搬入する動作である。例えば、フォークリフトなどの搬送手段によって荷載パレット12をトラックから入庫部に降ろし、搬送車18によって、入庫部の荷載パレット12を搬出部23に移送し、荷載パレット12を第1台車14に載せ替え、第1台車14と第2台車16とにより荷載パレット12を所定の保管部24に移送する。
【0069】
混載パレット12Mの置き場として、専用の収容部を設けてもよいが、本実施形態では保管棚22の一部を使用している。この場合、搬送車18は、混載パレット12Mを保管棚22に移送する。例えば、混載パレット12Mを搬出部23に移送し、第1台車14に載せ替えて、第1台車14と第2台車16とにより所定の保管部24に移送する。なお、混載パレット12Mは、完成後のものに加えて完成前のものが含まれる。
【0070】
以上が、第1~第7動作の説明である。この動作例は、あくまでも一例であって、種々の変形が可能である。
【0071】
それぞれの動作のために、別々の搬送車18を備えてもよい。また、搬送車18は、複数の動作を時分割で実行してもよい。倉庫の規模や荷扱い量に応じて1または複数の搬送車18を備えることができる。
【0072】
上述したように、本実施形態は、保管棚22と第1載置部34との間の第1経路と、第1載置部34と第2載置部36との間の第2経路と、第2載置部36と出庫エリア38との間の第3経路と、出庫エリア38と保管棚との間の第4経路と、を有する。単一の搬送車18によって、第1経路、第2経路、第3経路および第4経路のうちの1つのにおける荷載パレットの移送を行うようにしてもよいし、単一の搬送車18によって、これらの4つの経路のうち少なくとも2つの経路における荷載パレットの移送を行うようにしてもよいし、複数の搬送車18によって、これらの4つの経路における荷載パレットの移送を分担して行うようにしてもよい。倉庫の規模や稼働状況に応じて柔軟に構成できる。
【0073】
搬送車18を保管棚22を走行可能に構成し、搬送車18が第1台車14と同様に機能する構成としてもよい。この構成により、搬送車18の経路の設計(例えばレールの構造であって、その幅や受け部の構造)が共通であれば、同種類の搬送車18を用いることができる。この場合、保管棚22とピッキングエリア30を含むシステム全体で、複数の搬送車18を利用する場合に、搬送車18の配置を柔軟に運用できる。
【0074】
例えば、4台の搬送車18を運用するとき、あるときは、全ての搬送車18を保管棚22の中で利用したり、あるいは4台中の2台の搬送車18を保管棚22で利用し、残りの2台の搬送車18をピッキングエリア30で利用したり、また、ピッキングエリア30で利用されている搬送車18が不足する傾向があれば、保管棚22で利用されている搬送車18(例えば1台)を応援としてピッキングエリア30で利用したり、その逆の応援をしたりするなど、柔軟なシステム運用が可能となる。
【0075】
以上のように構成された本実施形態の自動倉庫システム100の特徴を説明する。本実施形態は、保管棚22、第1載置部34、第2載置部36、搬送車18およびピッキング装置32を備えるため、単載パレット12Sから荷10を取り出して混載パレット12Mを作成するピッキングを少ない工数で実現できる。
【0076】
また、本実施形態によれば、倉庫の規模や荷扱いの量に応じて、第1載置部34、第2載置部36およびピッキング装置32の規模を選択できるのため、自動倉庫システムをフレキシブルに構成できる。また、倉庫の規模や荷扱い量が変化したときに、搬送車18の数と動作形態を変更してフレキシブルに対応できる。また、倉庫の規模や荷扱いの量に応じて、クレーン機構の縦梁32eや横桁32kの延長、クレーン機構の可動体の増設、搬出部23の増設、第1載置部34の増設、第2載置部の増設などによりフレキシブルに対応できる。
【0077】
また、本実施形態によれば、単載パレット12Sから取り出した荷10をそのまま混載パレット12Mに積み入れる。このため、単載パレット12Sから取り出した荷10を複数のケースに分けて別スペースに保管し、別スペースに保管されたケースを混載パレット積載する方式と比べて、ケース保管用の別スペースを用いないので、スペース効率が向上する。また、荷10の取り出しと、混載パレット12Mへの積載とが一体的に行われるので、分離と積載とを別々に行う方式と比べて、生産性が向上し、設備コストを削減できる。
【0078】
また、本実施形態によれば、誘導電線18gを貼り替えることで容易に搬送車18の走行ルートを変更できる。
【0079】
また、本実施形態は、第2載置部36から混載パレット12Mを出庫エリア38へ移動させる別の搬送車を備えてもよい。この場合、倉庫のスループットを向上できる。
【0080】
また、本実施形態は、第1動作に用いた搬送車18により、第2載置部36から混載パレット12Mを出庫エリア38へ移動できる。この場合、設備投資を抑制できる。
【0081】
また、本実施形態は、搬送車18により、第1載置部34から空荷のパレット12jを搬出できる。この場合、空荷のパレット12jを搬出するための機構を省略できる。
【0082】
また、本実施形態は、搬送車18により、第2載置部36に空荷のパレット12jを搬入できる。この場合、空荷のパレット12jを搬入するための機構を省略できる。
【0083】
また、本実施形態は、搬送車18により、第1載置部34から単載パレット12Sまたは一部の荷10が取り出された状態の単載パレット12Sを保管棚22に移動できる。この場合、第1載置部34を有効に利用できる。
【0084】
また、本実施形態では、搬出部23、第1載置部34、第2載置部36および出庫部40は、搬送車18が進入するための進入路を挟んで配置される複数の置台を有する。この場合、搬出部23、第1載置部34、第2載置部36および出庫部40をシンプルに構成できる。
【0085】
また、本実施形態では、保管棚22の搬出部23、第1載置部34、第2載置部36および出庫部40は、同じフロアFrに配置されている。この場合、搬送車18の走行路の段差が小さくなるため、搬送車18は容易に走行できる。
【0086】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0087】
(変形例)
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0088】
実施形態の説明では、自動倉庫システム100が第1~第7動作を実行する例を示したが、これに限定されない。第1~第7動作のすべて実行することは必須ではなく、自動倉庫システム100は、第1および第2動作を実行するものであればよい。
【0089】
実施形態の説明では、保管棚22が、第1台車14および第2台車16を有する例を示したが、これに限定されない。例えば、保管棚22は、第1台車14と第2台車16の一方または双方を有しないものであってもよい。
【0090】
実施形態の説明では、ピッキング装置32が、ガントリ型のクレーン機構によって天井側から支持される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ピッキング装置は多関節ロボットや別構成の支持手段によって支持されてもよい。また、ピッキング装置は側方の横壁に取付けられ、側方から支持される構成であってもよい。
【0091】
実施形態の説明では、ピッキング動作が同一種の荷10の集合体(単載パレット12S)から荷10を取り出して複数種の荷10の集合体(混載パレット12M)を作成する例を示したが、本発明はこれに限定されない。ピッキング動作は、複数種の荷10の集合体から荷10を取り出す動作を含んでもよいし、取り出した荷10によって同一種の荷10の集合体を作成するものであってもよい。また、ピッキングによって作成された同一種の荷10の集合体を出庫するようにしてもよい。
【0092】
実施形態の説明では、搬送車18が、フロアに設けられた電線の誘導電流に基づいて誘導される例を示したが、搬送車18は、これとは別の誘導方法を採用してもよい。搬送車18の誘導方法としては、床に描かれた線を用いる方法、レーザスキャナによる壁や棚などの施設形状を用いる方法、光と反射板を用いる方法、電波とRFID(Radio Frequency Identifier)を用いる方法、床に設けられた磁気テープの磁気信号を用いる方法、ビーコンの電波を用いる方法、これらを組み合わせた方法などが挙げられる。
【0093】
また、搬送車18は、自車位置を認識してその認識結果と記憶されたマップ情報とに基づいて目的位置まで自律走行するように構成されてもよい。搬送車18は、自車位置を認識するために種々の方法を搭載できる。例えば、搬送車18は、倉庫内に設けられた複数の反射板と、自車に搭載されたレーザースキャナとによって自車位置を認識してもよい。例えば、複数の反射板の位置は、自車のマップ上に記憶されてもよい。この場合、搬送車18は、少なくとも3つの反射板をレーザースキャナで認識し、マップ上に記憶されている反射板の位置情報を参照して三角測量の原理に基づいて自車位置を特定できる。
【0094】
また、搬送車18は、走行精度を向上するために自車位置情報を補正するように構成されてもよい。例えば、搬送車18は、画像センサにより、床、壁、設備などの画像を認識して、その認識結果に基づいて自車位置を補正してもよい。また、搬送車18は、車輪の回転を検知するエンコーダの検知結果から特定した車輪の回転量に基づいて自車位置を補正してもよい。また、搬送車18は、ジャイロなどの加速度センサの検知結果に基づいて自車位置を補正してもよい。
【0095】
実施形態の説明では、搬送車18が、第1台車14とは別に設けられる例を示したが、これに限定されない。一例として、保管棚22を走行する第1台車14がそのまま搬送車18として機能してもよい。例えば、保管棚22の最下層の第1レール26がピッキングエリア30の載置部のレールに接続されており、第1台車14が単載パレット12Sをピッキングエリア30に直接移動させてもよい。このレールの接続関係は、ピッキングエリア30のX軸方向に並んだ複数の載置部の数に対応して設けられてもよい。この場合、それぞれの保管棚22がピッキングエリア30の載置部に直接的にアクセス可能な連携システムを構築できる。
【0096】
また、ピッキングエリア30に、第2台車16と同様の機能を有し第1台車14を移送可能な別の搬送手段が設けられてもよい。この場合、複数の載置部のすべてに対応したレールを設けることなく、少なくとも1つのレールが保管棚22とピッキングエリア30との間に設けられれば、上述の連携システムを構築できる。また、この別の搬送手段と第1台車14とを利用して、複数の載置部のどこに単載パレットを搬入するか選択的に制御できる。また、上述の連携システムをコンパクトに構築する観点から、ピッキングエリア30と保管棚22とが隣接していることが好ましく、構造的に一体化していることがより好ましい。この場合、ピッキングエリア30と保管棚22との間の搬送経路を短くできる。
【0097】
実施形態の説明では、搬送車18がピッキング装置32の下部を移動して荷載パレット12を移送する例を示したが、これに限定されない。搬送車18はピッキング装置32の横を移動するように構成されてもよい。この場合、搬送車18の走行ルートを柔軟に設定できる。
【0098】
実施形態の説明では、第1載置部34の置台34pと、第2載置部36の置台36pとが互いに分離されている例を示したが、これに限定されない。置台34pと、置台36pとは連結されてもよいし、一体的に形成されてもよい。
【0099】
これらの各変形例は、実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0100】
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0101】
10 荷、 12 荷載パレット、 12M 混載パレット、 12S 単載パレット、 18 搬送車、 18g 誘導電線、 22 保管棚、 23 搬出部、 32 ピッキング装置、 34 第1載置部、 36 第2載置部、 40 出庫部、 50 制御部、 100 自動倉庫システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11