IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マキタの特許一覧

<>
  • 特開-保冷庫 図1
  • 特開-保冷庫 図2
  • 特開-保冷庫 図3
  • 特開-保冷庫 図4
  • 特開-保冷庫 図5
  • 特開-保冷庫 図6
  • 特開-保冷庫 図7
  • 特開-保冷庫 図8
  • 特開-保冷庫 図9
  • 特開-保冷庫 図10
  • 特開-保冷庫 図11
  • 特開-保冷庫 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111295
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】保冷庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20240808BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240808BHJP
   F25D 19/00 20060101ALI20240808BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F25D11/00 101G
F25D23/00 307
F25D23/00 301D
F25D19/00 530Z
F25D19/00 540Z
F25D29/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024101413
(22)【出願日】2024-06-24
(62)【分割の表示】P 2020070386の分割
【原出願日】2020-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 篤
(57)【要約】
【課題】バッテリを容易に着脱すること。
【解決手段】保冷庫は、保冷室を有する本体容器を備える。保冷庫は、本体容器に設けられる蒸発器と、本体容器の側方に配置される圧縮器及び凝縮器と、本体容器の側方において圧縮器及び凝縮器よりも上方に配置され、電動工具用バッテリが装着されるバッテリ装着部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保冷室を有する本体容器を備える保冷庫であって、
前記本体容器に設けられる蒸発器と、
前記本体容器の側方に配置される圧縮器及び凝縮器と、
前記本体容器の側方において前記圧縮器及び前記凝縮器よりも上方に配置され、バッテリが装着されるバッテリ装着部と、
前記保冷室の側方に配置され、前記バッテリ装着部が収容されるバッテリ室と、
前記バッテリ室の下方に配置され、前記圧縮器及び前記凝縮器が収容される機械室と、
操作パネルと、を備える、
保冷庫。
【請求項2】
前記バッテリ室は、前記保冷室の後方に配置され、
前記操作パネルは、前記バッテリ室の左方に配置される、
請求項1に記載の保冷庫。
【請求項3】
前記バッテリ室は、前記保冷室の後方に配置され、
前記バッテリ室の上部の開口を開閉するバッテリ室カバーを備え、
前記操作パネルは、前記バッテリ室カバーの左方に配置される、
請求項1に記載の保冷庫。
【請求項4】
前記バッテリ室を有するバッテリ容器が内側に配置される後ハウジングを備え、
前記操作パネルは、前記後ハウジングの左面の上方に配置される、
請求項3に記載の保冷庫。
【請求項5】
前記バッテリ室カバーと前記後ハウジングとを連結するヒンジ機構を備え、
前記ヒンジ機構は、前記バッテリ室カバーの右端部と前記後ハウジングの右面の上部とを連結する、
請求項4に記載の保冷庫。
【請求項6】
前記操作パネルは、電源ボタンと、前記電源ボタンの操作状態を表示する表示装置とを有する、
請求項1に記載の保冷庫。
【請求項7】
前記操作パネルは、保冷モードと保温モードとを切り換えるために操作されるモード切換ボタンと、前記モード切換ボタンの操作状態を表示する表示装置とを有する、
請求項1に記載の保冷庫。
【請求項8】
前記操作パネルは、本体容器の目標温度を設定するために操作される温度設定ボタンと、前記温度設定ボタンの操作状態を表示する表示装置とを有する、
請求項1に記載の保冷庫。
【請求項9】
上下方向において、前記圧縮器と前記凝縮器とは異なる位置に配置されることを特徴とする、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の保冷庫。
【請求項10】
前記機械室において、前記圧縮器は、前記凝縮器よりも下方に配置されることを特徴とする、
請求項9に記載の保冷庫。
【請求項11】
前記機械室に空気を流入させる吸気ファンと、
コントローラと、を備え、
前記機械室において、前記圧縮器は、前記吸気ファン及び前記コントローラよりも下方に配置されることを特徴とする、
請求項10に記載の保冷庫。
【請求項12】
前記吸気ファンは、前記凝縮器及び前記コントローラのそれぞれに空気を供給することを特徴とする、
請求項11に記載の保冷庫。
【請求項13】
前記機械室の空気を流出させる排気ファンを備え、
前記機械室において、前記圧縮器は、前記排気ファンよりも下方に配置されることを特徴とする、
請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の保冷庫。
【請求項14】
前記保冷室の開口を開閉する保冷室カバーを備えることを特徴とする、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の保冷庫。
【請求項15】
前記保冷室の開口は、前記保冷室の上部に設けられることを特徴とする、
請求項14に記載の保冷庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保冷庫に関する。
【背景技術】
【0002】
保冷庫に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような保冷庫が知られている。特許文献1において、圧縮器及び凝縮器は、機械室に配置される。圧縮器及び凝縮器の電源であるバッテリは、バッテリ室に設置される。バッテリ室は、機械室の下に設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3207350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保冷庫の電源としてバッテリが使用される場合、バッテリを容易に着脱できることが要望される。
【0005】
本開示は、バッテリを容易に着脱することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、保冷室を有する本体容器を備える保冷庫であって、前記本体容器に設けられる蒸発器と、前記本体容器の側方に配置される圧縮器及び凝縮器と、前記本体容器の側方において前記圧縮器及び前記凝縮器よりも上方に配置され、電動工具用バッテリが装着されるバッテリ装着部と、を備えることを特徴とする、保冷庫が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、バッテリを容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る保冷庫を示す後方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る保冷庫を示す前方からの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る保冷庫を左方から見た図である。
図4図4は、実施形態に係る保冷庫を示す後方からの斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る保冷庫を上方から見た図である。
図6図6は、実施形態に係る電動工具用バッテリを示す斜視図である。
図7図7は、実施形態に係る電動工具用バッテリ及びバッテリ装着部を示す斜視図である。
図8図8は、実施形態に係る保冷庫を左方から見た一部破断図である。
図9図9は、実施形態に係る保冷庫を後方から見た一部破断図である。
図10図10は、実施形態に係る保冷庫を右方から見た一部破断図である。
図11図11は、実施形態に係る傾斜センサを説明するための図である。
図12図12は、実施形態に係るプッシュスイッチを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、保冷庫1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
[保冷庫]
図1は、実施形態に係る保冷庫1を示す後方からの斜視図である。図2は、実施形態に係る保冷庫1を示す前方からの斜視図である。図3は、実施形態に係る保冷庫1を左方から見た図である。
【0012】
保冷庫1は、物品を冷たいまま保つ保冷機能を有する。実施形態において、保冷庫1は、物品を温かいまま保つ保温機能も有する。すなわち、実施形態において、保冷庫1は、保冷温庫として機能する。
【0013】
図1図2、及び図3に示すように、保冷庫1は、ハウジング2と、保冷室カバー3と、バッテリ室カバー4と、キャスタ5と、ハンドル6と、キャリーハンドル7とを備える。
【0014】
ハウジング2は、保冷庫1の外装部材である。ハウジング2は、前面2Aと、後面2Bと、左面2Cと、右面2Dと、下面2Eとを有する。ハウジング2の上部に開口が設けられる。下面2Eに脚部50が設けられる。脚部50は、下面2Eから下方に突出する。脚部50は、4つ設けられる。
【0015】
実施形態において、ハウジング2は、前ハウジング21と、後ハウジング22と、フレームハウジング23とを含む。後ハウジング22は、前ハウジング21の後方に配置される。前ハウジング21の後端部と後ハウジング22の前端部とが接続される。フレームハウジング23は、前ハウジング21の上端部及び後ハウジング22の上端部に接続される。前面2A、左面2Cの前部、右面2Dの前部、及び下面2Eの前部は、前ハウジング21に配置される。後面2B、左面2Cの後部、右面2Dの後部、及び下面2Eの後部は、後ハウジング22に配置される。
【0016】
保冷室カバー3は、ハウジング2の開口の一部を覆う。実施形態において、保冷室カバー3は、ハウジング2の開口の前部を覆う。保冷室カバー3は、ヒンジ機構8を介してハウジング2に連結される。実施形態において、ヒンジ機構8は、保冷室カバー3の右端部と前ハウジング21の右面2Dの上部とを連結する。ヒンジ機構8の回動軸AXは、前後方向に延伸する。保冷室カバー3は、ヒンジ機構8の回動軸AXを中心に回動可能である。保冷室カバー3の右端部は、保冷室カバー3の左端部が回動軸AXの周囲を旋回するように、ヒンジ機構8に接続される。
【0017】
バッテリ室カバー4は、ハウジング2の開口の一部を覆う。バッテリ室カバー4は、保冷室カバー3よりも後方に配置される。実施形態において、バッテリ室カバー4は、ハウジング2の開口の後部を覆う。バッテリ室カバー4は、ヒンジ機構9を介してハウジング2に連結される。実施形態において、ヒンジ機構9は、バッテリ室カバー4の右端部と後ハウジング22の右面2Dの上部とを連結する。ヒンジ機構9の回動軸BXは、前後方向に延伸する。バッテリ室カバー4は、ヒンジ機構9の回動軸BXを中心に回動可能である。バッテリ室カバー4の右端部は、バッテリ室カバー4の左端部が回動軸BXの周囲を旋回するように、ヒンジ機構9に接続される。
【0018】
実施形態において、ヒンジ機構8の回動軸AXとヒンジ機構9の回動軸BXとは、実質的に一致する。保冷室カバー3の回動方向とバッテリ室カバー4の回動方向とは、実質的に同一である。
【0019】
キャスタ5は、車輪又はコロを含む。キャスタ5は、ハウジング2の後部且つ下部に配置される。キャスタ5は、ハウジング2に回転可能に支持される。キャスタ5の回転軸CXは、左右方向に延伸する。
【0020】
ハンドル6は、保冷庫1の使用者に握られる。ハンドル6は、一対設けられる。一方のハンドル6は、前面2Aの上部に固定される。一方のハンドル6は、前面2Aから前方に突出する。他方のハンドル6は、後面2Bの上部に固定される。他方のハンドル6は、後面2Bから後方に突出する。保冷庫1の使用者は、一対のハンドル6を握って、保冷庫1を持ち上げることができる。
【0021】
キャリーハンドル7は、保冷庫1の使用者に握られる。キャリーハンドル7は、一対のアーム部7Aと、一方のアーム部7Aの先端部と他方のアーム部7Aの先端部とを繋ぐハンドル部7Bと、一方のアーム部7Aの中間部と他方のアーム部7Aの中間部とを繋ぐ連結部7Cとを有する。キャリーハンドル7は、ヒンジ機構10を介してハウジング2に連結される。実施形態において、ヒンジ機構10は、前面2Aの上部に固定されたハンドル6に設けられる。ヒンジ機構10の回動軸DXは、左右方向に延伸する。キャリーハンドル7は、ヒンジ機構10の回動軸DXを中心に回動可能である。アーム部7Aの基端部は、ハンドル部7Bが回動軸DXの周囲を旋回するように、ヒンジ機構10に接続される。
【0022】
図3に示すように、キャリーハンドル7は、回動することにより、収納位置Paと使用位置Pbとに配置される。収納位置Paは、ハンドル部7Bがヒンジ機構10よりも下方に配置され、アーム部7Aがハウジング2の前面2Aと対向する位置である。使用位置Pbは、アーム部7Aがハウジング2の前面2Aから離れ、ハンドル部7Bがヒンジ機構10よりも上方に配置される位置である。保冷庫1の使用者は、キャリーハンドル7を使用位置Pbに移動して、ハンドル部7Bを握った状態で、歩行することができる。保冷庫1の使用者は、キャスタ5が地面に接触し、脚部50が地面から離れるように、ハンドル部7Bを握った状態で、歩行することができる。これにより、キャスタ5が回転し、保冷庫1の使用者は、保冷庫1を簡単に移動させることができる。
【0023】
なお、後面2Bの下部且つ右部に、商用電源と接続可能なACアダプタ51が設けられる。ACアダプタ51は、カバー52で覆われる。左面2Cの前部に栓抜き53が設けられる。
【0024】
図4は、実施形態に係る保冷庫1を示す後方からの斜視図である。図5は、実施形態に係る保冷庫1を上方から見た図である。図4及び図5のそれぞれは、保冷室カバー3及びバッテリ室カバー4のそれぞれを右方に回動させた状態を示す。
【0025】
図4及び図5に示すように、保冷庫1は、保冷室11を有する本体容器12と、バッテリ室13を有するバッテリ容器14と備える。バッテリ容器14は、本体容器12の側方に配置される。実施形態において、バッテリ容器14は、本体容器12の後方に配置される。本体容器12は、前ハウジング21の内側に配置される。バッテリ容器14は、後ハウジング22の内側に配置される。
【0026】
本体容器12は、第1内側面12Aと、第2内側面12Bと、第3内側面12Cと、第4内側面12Dと、底面12Eとを有する。
【0027】
第1内側面12Aは、後方を向く。第2内側面12Bは、左方を向く。第3内側面12Cは、前方を向く。第4内側面12Dは、右方を向く。底面12Eは、上方を向く。第1内側面12Aと第3内側面12Cとは、対向する。第2内側面12Bと第4内側面12Dとは、対向する。底面12Eは、第1内側面12Aの下端部、第2内側面12Bの下端部、第3内側面12Cの下端部、及び第4内側面12Dの下端部のそれぞれと接続される。
【0028】
第1内側面12A、第2内側面12B、第3内側面12C、第4内側面12D、及び底面12Eのうち、第2内側面12Bが、ヒンジ機構8に最も近い位置に配置される。第3内側面12Cが、バッテリ室13に最も近い位置に配置される。
【0029】
保冷室11は、第1内側面12Aと第2内側面12Bと第3内側面12Cと第4内側面12Dと底面12Eとにより規定される。保冷室11の上部に開口15が設けられる。
【0030】
上述のように、実施形態において、保冷庫1は、保冷温庫として機能する。保冷室11は、保冷温室として機能する。保冷対象の物品又は保温対象の物品が、保冷室11に収容される。
【0031】
バッテリ容器14は、第1内側面14Aと、第2内側面14Bと、第3内側面14Cと、第4内側面14Dと、底面14Eとを有する。
【0032】
第1内側面14Aは、後方を向く。第2内側面14Bは、左方を向く。第3内側面14Cは、前方を向く。第4内側面14Dは、右方を向く。底面14Eは、上方を向く。第1内側面14Aと第3内側面14Cとは、対向する。第2内側面14Bと第4内側面14Dとは、対向する。底面14Eは、第1内側面14Aの下端部、第2内側面14Bの下端部、第3内側面14Cの下端部、及び第4内側面14Dの下端部のそれぞれと接続される。
【0033】
第1内側面14A、第2内側面14B、第3内側面14C、第4内側面14D、及び底面14Eのうち、第2内側面14Bが、ヒンジ機構9に最も近い位置に配置される。第1内側面12Aが、保冷室11に最も近い位置に配置される。
【0034】
バッテリ室13は、第1内側面14Aと第2内側面14Bと第3内側面14Cと第4内側面14Dと底面14Eとにより規定される。バッテリ室13の上部に開口16が設けられる。
【0035】
フレームハウジング23は、第1開口23Aと、第1開口23Aよりも後方に設けられる第2開口23Bとを有する。保冷室11の開口15は、第1開口23Aの内側に配置される。保冷室11の開口15と第1開口23Aとは繋がる。バッテリ室13の開口16は、第2開口23Bの内側に配置される。
【0036】
電動工具用バッテリ17が装着されるバッテリ装着部18が、バッテリ室13に収容される。
【0037】
バッテリ装着部18は、バッテリ室13の第1内側面14Aに配置される。バッテリ装着部18は、複数配置される。実施形態において、バッテリ装着部18は、2つ設けられる。2つのバッテリ装着部18は、第1内側面14Aにおいて、左右方向に配置される。
【0038】
保冷室カバー3は、保冷室11の開口15を開閉する。保冷室カバー3の左端部がフレームハウジング23から離れるように保冷室カバー3が回動すると、保冷室11の開口15が開放される。保冷室カバー3の左端部がフレームハウジング23に近付くように保冷室カバー3が回動すると、保冷室11の開口15が閉鎖される。保冷室カバー3にラッチ機構3Lが設けられる。保冷室カバー3が保冷室11の開口15を閉鎖した状態で、ラッチ機構3Lは、保冷室カバー3の左端部に設けられる。ラッチ機構3Lにより、保冷室11の開口15を閉鎖した保冷室カバー3とフレームハウジング23とが固定される。
【0039】
実施形態において、保冷室カバー3は、断熱材を含む。保冷室カバー3の内面にシール部材3Cが設けられる。シール部材3Cは、リング状のゴムである。保冷室カバー3が保冷室11の開口15を閉鎖したとき、シール部材3Cがフレームハウジング23の上面に接触する。シール部材3Cとフレームハウジング23の上面とが接触することにより、保冷室11は密閉される。
【0040】
バッテリ室カバー4は、バッテリ室13の開口16を開閉する。バッテリ室カバー4の左端部がフレームハウジング23から離れるようにバッテリ室カバー4が回動すると、バッテリ室13の開口16が開放される。バッテリ室カバー4の左端部がフレームハウジング23に近付くようにバッテリ室カバー4が回動すると、バッテリ室13の開口16が閉鎖される。バッテリ室カバー4にラッチ機構4Lが設けられる。バッテリ室カバー4がバッテリ室13の開口16を閉鎖した状態で、ラッチ機構4Lは、バッテリ室カバー4の左端部に設けられる。ラッチ機構4Lにより、バッテリ室13の開口16を閉鎖したバッテリ室カバー4とフレームハウジング23とが固定される。
【0041】
図1及び図2に示すように、実施形態において、バッテリ室カバー4の表面に凹部4Rが設けられる。凹部4Rは、2つ設けられる。保冷庫1の使用者は、凹部4Rにカップを置くことができる。
【0042】
[電動工具用バッテリ及びバッテリ室]
図6は、実施形態に係る電動工具用バッテリ17を示す斜視図である。図7は、実施形態に係る電動工具用バッテリ17及びバッテリ装着部18を示す斜視図である。
【0043】
電動工具用バッテリ17は、保冷庫1に電力を供給する。電動工具用バッテリ17は、保冷庫1の電源として機能する。電動工具用バッテリ17は、二次電池を含む。実施形態において、電動工具用バッテリ17は、充電式のリチウムイオン電池を含む。
【0044】
電動工具用バッテリ17は、バッテリ装着部18に装着されることにより、保冷庫1に電力を供給することができる。
【0045】
電動工具用バッテリ17は、バッテリ装着部18の装着面181に対向可能な装着面171を有するハウジング172と、装着面171に設けられた一対のスライド部173と、ハウジング172に移動可能に支持される突起部174と、突起部174を操作するための解除ボタン175とを有する。
【0046】
ハウジング172は、内部空間を有する。ハウジング172の内部空間にバッテリセルが収容される。バッテリセルは、充電式のリチウムイオン電池である。
【0047】
スライド部173は、上下方向に延伸する。バッテリ装着部18は、電動工具用バッテリ17を上下方向にガイドするガイド部182を有する。スライド部173は、バッテリ装着部18のガイド部182にガイドされる。
【0048】
突起部174は、装着面171から突出する。突起部174は、ばねにより移動可能に支持される。突起部174は、ばねの弾性力により、装着面171から突出する。突起部174は、バッテリ装着部18に設けられているロック孔183に挿入可能である。突起部174がロック孔183に挿入されることにより、バッテリ装着部18と電動工具用バッテリ17とが固定される。
【0049】
解除ボタン175は、バッテリ装着部18と電動工具用バッテリ17との固定を解除するために操作される。
【0050】
電動工具用バッテリ17をバッテリ装着部18に装着するとき、保冷庫1の使用者は、スライド部173とバッテリ装着部18のガイド部182とを接触させた後、バッテリ装着部18に対して電動工具用バッテリ17を下方にスライドさせる。電動工具用バッテリ17は、ガイド部182にガイドされながら下方に移動する。突起部174がバッテリ装着部18のロック孔183に挿入されることにより、電動工具用バッテリ17は、バッテリ装着部18に固定される。これにより、電動工具用バッテリ17がバッテリ装着部18に装着される。
【0051】
電動工具用バッテリ17は、一対の電源端子176を有する。電源端子176は、一対のスライド部173の間に配置される。一方の電源端子176は、正の電源端子である。他方の電源端子176は、負の電源端子である。電動工具用バッテリ17の電源端子176とバッテリ装着部18の電源端子184とが接続されることにより、電動工具用バッテリ17から保冷庫1に電力が供給される。
【0052】
電動工具用バッテリ17をバッテリ装着部18から外すとき、保冷庫1の使用者は、解除ボタン175を操作する。解除ボタン175が操作されることにより、突起部174がロック孔183から抜去される。突起部174がロック孔183から抜去されることにより、バッテリ装着部18と電動工具用バッテリ17との固定が解除される。バッテリ装着部18と電動工具用バッテリ17との固定が解除された後、電動工具用バッテリ17が上方にスライドされることにより、電動工具用バッテリ17は、バッテリ装着部18から外される。
【0053】
このように、電動工具用バッテリ17は、上下方向にスライドして、バッテリ装着部18に着脱される。電動工具用バッテリ17をバッテリ装着部18に着脱する場合、バッテリ室13の開口16が開放されるように、バッテリ室カバー4が回動される。
【0054】
上述のように、バッテリ室13は、第1内側面14Aと第2内側面14Bと第3内側面14Cと第4内側面14Dと底面14Eとにより規定される。図7に示すように、底面14Eは、第1底面141と、第1底面141よりも上方に配置される第2底面142とを含む。第1底面141は、第2底面142よりも前方に配置される。第1底面141と第2底面142との間に段差が形成される。第1底面141の後端部と第2底面142の前端部とは、段差面14Fを介して接続される。段差面14Fは、前方を向く。
【0055】
バッテリ室13は、第1空間131と、第2空間132とを含む。第1空間131は、第2空間132よりも前方に配置される。第1空間131は、第1内側面14Aと、第2内側面14Bの前部と、段差面14Fと、第4内側面14Dの前部と、第1底面141とにより規定される。第2空間132は、第2内側面14Bの後部と、第3内側面14Cと、第4内側面14Dの後部と、第2底面142とにより規定される。第1空間131の深さは、第2空間132の深さよりも深い。
【0056】
バッテリ装着部18及び電動工具用バッテリ17は、第1空間131に配置される。
【0057】
図4図5、及び図7に示すように、バッテリ室13に出力端子19が収容される。出力端子19は、バッテリ室13の第2内側面14Bに配置される。実施形態において、出力端子19は、第2空間132の第2内側面14Bに配置される。出力端子19は、1つ設けられる。
【0058】
実施形態において、出力端子19は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)端子である。出力端子19は、電動工具用バッテリ17からの電力を出力することができる。例えば携帯端末のような電子機器が充電池を有する場合、保冷庫1は、電子機器の充電池を充電することができる。電子機器と出力端子19とがUSBケーブルを介して接続されることにより、電子機器の充電池は、出力端子19を介して電動工具用バッテリ17から出力された電力により充電される。
【0059】
バッテリ室13の底面14Eに孔20が設けられる。バッテリ室13において、バッテリ装着部18及び出力端子19のそれぞれは、孔20よりも上方に配置される。実施形態において、孔20は、第1底面141の右端部に設けられる。例えばバッテリ室13に水が浸入した場合、バッテリ室13の水は、孔20から排出される。孔20により、バッテリ装着部18及び出力端子19のそれぞれに水が残留することが抑制される。
【0060】
[冷却装置]
図8は、実施形態に係る保冷庫1を左方から見た一部破断図である。図9は、実施形態に係る保冷庫1を後方から見た一部破断図である。図10は、実施形態に係る保冷庫1を右方から見た一部破断図である。
【0061】
保冷庫1は、本体容器12を冷却する冷却装置30を備える。冷却装置30は、圧縮器31と、凝縮器32と、膨張弁(不図示)と、蒸発器33とを有する。圧縮器31と、凝縮器32と、膨張弁(不図示)と、蒸発器33とにより、冷媒の循環システムが形成される。
【0062】
圧縮器31は、気体冷媒を圧縮する。圧縮器31は、圧縮器用コントローラ31Cにより制御される。圧縮器31により圧縮された高温高圧の気体冷媒は、凝縮器32に供給される。凝縮器32は、圧縮器31からの気体冷媒を冷却及び凝縮して、液体冷媒を生成する。凝縮器32において生成された液体冷媒は、膨張弁に供給される。膨張弁は、液体冷媒を減圧させ、液体冷媒の沸点を低下させる。膨張弁を通過することにより圧力が低下した液体冷媒は、蒸発器33に供給される。蒸発器33は、膨張弁からの液体冷媒を気化させ、気化熱により本体容器12を冷却する。蒸発器33を通過した気体冷媒は、圧縮器31に戻される。
【0063】
蒸発器33は、本体容器12に設けられる。蒸発器33は、本体容器12の周囲に配置されるパイプを含む。蒸発器33は、本体容器12を巻くように配置される。蒸発器33は、本体容器12の外面に接触する。
【0064】
圧縮器31及び凝縮器32は、本体容器12の側方に配置される。実施形態において、圧縮器31及び凝縮器32は、本体容器12の後方に配置される。
【0065】
バッテリ装着部18は、本体容器12の側方(後方)において、圧縮器31及び凝縮器32よりも上方に配置される。
【0066】
バッテリ容器14の下方に、圧縮器31及び凝縮器32が収容される機械室40が設けられる。機械室40は、後ハウジング22により規定される。
【0067】
すなわち、実施形態において、バッテリ室13の下方に機械室40が配置される。バッテリ室13は、バッテリ装着部18及び電動工具用バッテリ17を収容する。機械室40は、圧縮器31及び凝縮器32を収容する。
【0068】
上下方向において、圧縮器31と凝縮器32とは異なる位置に配置される。機械室40において、圧縮器31は、凝縮器32よりも下方に配置される。左右方向において、凝縮器32は、機械室40の中心よりも左方に配置される。左右方向において、圧縮器31の一部は、機械室40の中心に配置される。
【0069】
また、冷却装置30は、吸気ファン34と、排気ファン35と、コントローラ36とを有する。
【0070】
吸気ファン34、排気ファン35、及びコントローラ36のそれぞれは、機械室40に収容される。機械室40において、圧縮器31は、吸気ファン34、排気ファン35、及びコントローラ36よりも下方に配置される。上下方向において、吸気ファン34の位置と、凝縮器32の少なくとも一部の位置と、排気ファン35の少なくとも一部の位置と、コントローラ36の少なくとも一部の位置とは、一致する。実施形態において、排気ファン35の回転軸FXは、吸気ファン34の回転軸EXよりも下方に配置される。
【0071】
吸気ファン34は、回転軸EXを中心に回転する。回転軸EXは、左右方向に延伸する。吸気ファン34は、機械室40の左部に配置される。吸気ファン34は、ハウジング2の外部空間の空気を機械室40に流入させるように回転する。吸気ファン34に吸気モータ(不図示)が連結される。吸気モータが発生する回転力により、吸気ファン34が回転する。図1等に示すように、後ハウジング22の左部に吸気口24が設けられる。吸気ファン34が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口24を介して、機械室40に流入する。
【0072】
排気ファン35は、回転軸FXを中心に回転する。回転軸FXは、左右方向に延伸する。排気ファン35は、機械室40の右部に配置される。排気ファン35は、機械室40の空気をハウジング2の外部空間に流出させるように回転する。排気ファン35に排気モータ(不図示)が連結される。排気モータが発生する回転力により、排気ファン35が回転する。図2等に示すように、後ハウジング22の右部に排気口25が設けられる。排気ファン35が回転することにより、機械室40の空気が、排気口25を介して、ハウジング2の外部空間に流出する。
【0073】
コントローラ36は、保冷庫1を制御する。コントローラ36は、少なくとも冷却装置30を制御する。コントローラ36は、複数の電子部品が実装された基板を含む。基板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、トランジスタ、及び抵抗が例示される。
【0074】
左右方向において、吸気ファン34は、凝縮器32よりも左方に配置される。左右方向において、吸気ファン34は、吸気口24と凝縮器32との間に配置される。吸気ファン34は、凝縮器32と対向する。
【0075】
左右方向において、凝縮器32は、コントローラ36よりも左方に配置される。左右方向において、排気ファン35は、コントローラ36よりも右方に配置される。左右方向において、排気ファン35は、コントローラ36と排気口25との間に配置される。
【0076】
吸気ファン34は、凝縮器32及びコントローラ36のそれぞれに空気を供給する。吸気ファン34により凝縮器32に空気が供給されることにより、凝縮器32の気体冷媒が冷却され、液体冷媒に変化する。吸気ファン34によりコントローラ36に空気が供給されることにより、コントローラ36が冷却される。
【0077】
上述のように、実施形態において、保冷庫1は、保冷機能及び保温機能も有する。本体容器12の周囲に電熱線(不図示)が配置される。電熱線が発生する熱により、本体容器12に収容された物品が保温される。
【0078】
[操作パネル]
図1及び図3等に示すように、保冷庫1は、操作パネル70を有する。操作パネル70は、バッテリ室カバー4の左方且つ後ハウジング22の左面2Cの上方に配置される。操作パネル70は、電源ボタン71と、モード切換ボタン72と、温度設定ボタン73と、表示装置74とを有する。保冷庫1の使用者は、電源ボタン71、モード切換ボタン72、及び温度設定ボタン73を操作することができる。電源ボタン71が操作されることにより、電動工具用バッテリ17から保冷庫1に電力が供給され、保冷庫1が起動する。モード切換ボタン72が操作されることにより、保冷モードと保温モードとが切り換えられる。温度設定ボタン73が操作されることにより、本体容器12の目標温度が設定される。表示装置74は、例えば発光ダイオードのような発光部を含む。表示装置74は、電源ボタン71の操作状態、モード切換ボタン72の操作状態、及び温度設定ボタン73の操作状態を表示する。また、表示装置74は、電動工具用バッテリ17のバッテリ残量を表示する。
【0079】
[使用方法]
次に、実施形態に係る保冷庫1の使用方法について説明する。電動工具用バッテリ17をバッテリ装着部18に装着する場合、保冷庫1の使用者は、バッテリ室13の開口16が開放されるように、バッテリ室カバー4を回動させる。保冷庫1の使用者は、開口16が開放されている状態で、バッテリ装着部18に対して電動工具用バッテリ17を下方にスライドさせる。これにより、電動工具用バッテリ17がバッテリ装着部18に装着される。電動工具用バッテリ17がバッテリ装着部18に装着された状態で、電源ボタン71が操作されることにより、電動工具用バッテリ17から保冷庫1に電力が供給され、保冷庫1が起動する。保冷モードになるようにモード切換ボタン72が操作されることにより、冷却装置30が駆動する。保冷室11に収容されている物品は、保冷される。
【0080】
保冷庫1の使用者は、電子機器の充電池を充電する場合、電子機器と出力端子19とをUSBケーブルを介して接続する。これにより、電子機器の充電池は、出力端子19を介して電動工具用バッテリ17から出力された電力により充電される。
【0081】
図11は、実施形態に係る傾斜センサ80を説明するための図である。図11に示すように、保冷庫1は、水平面に対する冷却装置30の傾斜角度を検出する傾斜センサ80を備える。傾斜センサ80は、例えばコントローラ36に配置される。傾斜センサ80として、ジャイロセンサが例示される。冷却装置30は、ハウジング2に支持される。傾斜センサ80は、水平面に対するハウジング2の傾斜角度を検出することにより、水平面に対する冷却装置30の傾斜角度を検出する。
【0082】
コントローラ36は、傾斜センサ80の検出データに基づいて、冷却装置30の傾斜角度が予め定められている角度閾値を上回ったと判定した場合、電動工具用バッテリ17から冷却装置30に対する電力の供給を遮断する。冷却装置30に対する電力の供給が遮断されることにより、冷却装置30の駆動が停止する。なお、冷却装置30の傾斜角度が角度閾値を上回っても、電動工具用バッテリ17からコントローラ36及び操作パネル70等に対する電力の供給は継続される。
【0083】
冷却装置30の傾斜角度が角度閾値以下になった時点から予め定められている規定時間が経過した場合、コントローラ36は、電動工具用バッテリ17から冷却装置30に対する電力の供給を再開させる。冷却装置30に対する電力の供給が再開されることにより、冷却装置30が再起動する。
【0084】
上述のように、保冷庫1を移動させる場合、保冷庫1の使用者は、使用位置Pbに移動されたキャリーハンドル7のハンドル部7Bを握って、脚部50が地面から離れキャスタ5が地面に接触するように保冷庫1を傾斜させる。保冷庫1の使用者は、保冷庫1を傾斜させた状態で歩行することにより、保冷庫1を移動させることができる。また、保冷庫1の使用者は、一対のハンドル6を握って、保冷庫1を持ち上げることができる。
【0085】
例えば、冷却装置30が駆動しているときに、保冷庫1を移動させるために保冷庫1が傾斜したり、保冷庫1を持ち上げたために保冷庫1が傾斜したりした場合、冷却装置30に対する電力の供給が遮断され、冷却装置30の駆動が停止する。冷却装置30が駆動しているときに冷却装置30が傾斜すると、圧縮器31が故障する可能性がある。例えば、冷却装置30が駆動しているときに冷却装置30が傾斜すると、潤滑用オイル又は冷却用オイルが圧縮器31に吸引され、圧縮器31が故障する可能性がある。実施形態によれば、冷却装置30が駆動しているときに冷却装置30の傾斜角度が角度閾値を上回った場合、冷却装置30の駆動が停止される。角度閾値は、潤滑用オイル又は冷却用オイルが圧縮器31に吸引される可能性がある冷却装置30の傾斜角度に設定される。これにより、圧縮器31の故障が抑制される。
【0086】
例えば、保冷庫1の移動又は保冷庫1の持ち上げが終了し、保冷庫1が水平面と平行な設置面に設置された時点から規定時間が経過した場合、冷却装置30に対する電力の供給が再開され、冷却装置30が再起動する。規定時間は、保冷庫1が設置面に設置されてから潤滑用オイル又は冷却用オイルが圧縮器31から排出されるまでに要する時間に設定される。なお、規定時間は、圧縮器31のモータを保護するために必要な時間又は再起動によりモータに作用する負荷を軽減するために必要な時間に設定されてもよい。
【0087】
図12は、実施形態に係るプッシュスイッチ90を説明するための図である。保冷庫1は、図11を参照して説明した傾斜センサ80の代わりに、図12に示すようなプッシュスイッチ90を備えてもよい。プッシュスイッチ90は、ハウジング2の下面から下方に突出するように設けられる。脚部50が設置面に接触するように保冷庫1が設置面に設置された場合、プッシュスイッチ90が設置面に押される。コントローラ36は、プッシュスイッチ90が設置面に押されているとき、電動工具用バッテリ17から保冷庫1に電力を供給させる。
【0088】
保冷庫1を移動させるために保冷庫1が傾斜したり、保冷庫1が持ち上げられたりした場合、プッシュスイッチ90は、設置面から離れる。コントローラ36は、プッシュスイッチ90が設置面に押されていないとき、電動工具用バッテリ17から冷却装置30に対する電力の供給を遮断する。冷却装置30が駆動しているときに、保冷庫1が移動されたり持ち上げられたりした場合、冷却装置30の駆動が停止されることにより、圧縮器31の故障が抑制される。保冷庫1が設置面に設置され、プッシュスイッチ90が押された場合、冷却装置30は、再起動する。
【0089】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、保冷庫1は、保冷室11を有する本体容器12と、本体容器12に設けられる蒸発器33と、本体容器12の側方に配置される圧縮器31及び凝縮器32と、本体容器12の側方に配置されるバッテリ装着部18とを備える。本体容器12の側方において、バッテリ装着部18は、圧縮器31及び凝縮器32よりも上方に配置される。バッテリ装着部18が圧縮器31及び凝縮器32よりも上方に配置されるので、保冷庫1の使用者は、バッテリ装着部18に対する電動工具用バッテリ17の着脱を容易に実施することができる。
【0090】
バッテリ装着部18は、複数配置される。複数の電動工具用バッテリ17が、複数のバッテリ装着部18のそれぞれに装着される。これにより、保冷庫1は、電動工具用バッテリ17からの電力を長時間使用することができる。
【0091】
バッテリ装着部18は、電動工具用バッテリ17を上下方向にガイドするガイド部182を有する。電動工具用バッテリ17は、ガイド部182にガイドされるスライド部173を有する。電動工具用バッテリ17は、上下方向にスライドしてバッテリ装着部18に着脱される。保冷庫1の使用者は、電動工具用バッテリ17を上下方向にスライドさせることにより、バッテリ装着部18に対する電動工具用バッテリ17の着脱を容易に実施することができる。
【0092】
上下方向において、圧縮器31と凝縮器32とは異なる位置に配置される。これにより、保冷庫1の大型化が抑制される。
【0093】
保冷庫1は、圧縮器31及び凝縮器32が収容される機械室40を備える。圧縮器31及び凝縮器32が機械室40に収容されることにより、圧縮器31及び凝縮器32は、保護される。そのため、圧縮器31及び凝縮器32の劣化が抑制される。
【0094】
機械室40において、圧縮器31は、凝縮器32よりも下方に配置される。圧縮器31の重量は、凝縮器32の重量よりも大きい。そのため、圧縮器31が凝縮器32よりも下方に配置されることにより、保冷庫1の重心バランスが良好になる。
【0095】
保冷庫1は、機械室40に空気を流入させる吸気ファン34と、コントローラ36とを備える。機械室40において、圧縮器31は、吸気ファン34及びコントローラ36よりも下方に配置される。上下方向において、吸気ファン34と凝縮器32の少なくとも一部とコントローラ36の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。これにより、吸気ファン34により機械室40に流入した空気は、コントローラ36の周囲を流れる。したがって、コントローラ36が空気により冷却される。
【0096】
吸気ファン34は、凝縮器32及びコントローラ36のそれぞれに空気を供給する。これにより、凝縮器32の気体冷媒は、空気により冷却される。コントローラ36は、空気により冷却される。
【0097】
保冷庫1は、機械室40の空気を流出させる排気ファン35を備える。機械室40において、圧縮器31は、排気ファン35よりも下方に配置される。上下方向において、排気ファン35と凝縮器32の少なくとも一部とコントローラ36の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。これにより、凝縮器32を通過し、コントローラ36の周囲を流れた空気は、機械室40の外部空間に円滑に流出することができる。
【0098】
保冷庫1は、バッテリ装着部18が収容されるバッテリ室13を備える。バッテリ装着部18がバッテリ室13に収容されることにより、バッテリ装着部18は、保護される。そのため、バッテリ装着部18の劣化が抑制される。
【0099】
バッテリ装着部18は、バッテリ室13の第1内側面14Aに配置される。これにより、保冷庫1の使用者は、バッテリ装着部18に対する電動工具用バッテリ17の着脱を円滑に実施することができる。
【0100】
保冷庫1は、バッテリ室13の開口16を開閉するバッテリ室カバー4を備える。開口16がバッテリ室カバー4により閉鎖されることにより、バッテリ装着部18はバッテリ室カバー4により保護される。したがって、バッテリ装着部18の劣化が抑制される。バッテリ装着部18に対する電動工具用バッテリ17の着脱を実施する場合、開口16が開放されることにより、保冷庫1の使用者は、バッテリ装着部18に対する電動工具用バッテリ17の着脱を円滑に実施することができる。
【0101】
バッテリ室13の開口16は、バッテリ室13の上部に設けられる。保冷庫1の使用者は、バッテリ室カバー4による開口16の開閉動作を容易に実施することができる。
【0102】
保冷庫1は、バッテリ室13に収容される出力端子19を備える。出力端子19がバッテリ室13に収容されることにより、出力端子19は、保護される。そのため、出力端子19の劣化が抑制される。また、出力端子19は、保冷室11に配置されないので、出力端子19を使用する場合、保冷室11の開口15を開放しなくても済む。
【0103】
出力端子19は、電動工具用バッテリ17からの電力を出力する。これにより、保冷庫1は、電子機器が有する充電池を充電することができる。
【0104】
出力端子19は、バッテリ室13の第2内側面14Bに配置される。これにより、保冷庫1の使用者は、出力端子19に対する電子機器の着脱を円滑に実施することができる。また、出力端子19がバッテリ室13の底面14Eに配置されず、第2内側面14Bに配置されることにより、出力端子19に異物が侵入することが抑制される。また、バッテリ装着部18は、第1内側面14Aに配置され、出力端子19は、第1内側面14Aとは異なる第2内側面14Bに配置される。これにより、バッテリ装着部18に電動工具用バッテリ17が装着された状態で、出力端子19にUSBケーブルを接続することができる。
【0105】
バッテリ室13の底面14Eに孔20が設けられる。バッテリ室13において、バッテリ装着部18及び出力端子19のそれぞれは、孔20よりも上方に配置される。バッテリ室13に水が浸入した場合、バッテリ室13の水は、重力の作用により、孔20から排出される。また、バッテリ室13に浸入した水が、バッテリ装着部18又は出力端子19に付着しても、バッテリ装着部18又は出力端子19に付着した水は、重力の作用により、孔20から排出される。これにより、バッテリ装着部18及び出力端子19に水が残留することが抑制される。
【0106】
保冷庫1は、保冷室11の開口15を開閉する保冷室カバー3を備える。開口15が保冷室カバー3により閉鎖されることにより、保冷室11は保冷される。保冷庫1の使用者は、開口15を開放することにより、保冷室11に物品を搬入する作業又は保冷室11から物品を搬出する作業を円滑に実施することができる。
【0107】
保冷室11の開口15は、保冷室11の上部に設けられる。保冷庫1の使用者は、保冷室カバー3による開口15の開閉動作を容易に実施することができる。
【0108】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、出力端子19は、記憶データを出力してもよい。上述のように、コントローラ36は、不揮発性メモリ又は揮発性メモリを含むメモリを有する。メモリに記憶データが記憶されている場合、メモリの記憶データが出力端子19を介して出力されてもよい。例えば保冷庫1の稼働履歴データが記憶データとしてメモリに記憶されている場合、出力端子19及びUSBケーブルを介して、パーソナルコンピュータに稼働履歴データが出力されてもよい。保冷庫1の使用者又は保守者は、稼働履歴データに基づいて、保冷庫1をメンテナンスすることができる。
【符号の説明】
【0109】
1…保冷庫、2…ハウジング、2A…前面、2B…後面、2C…左面、2D…右面、2E…下面、3…保冷室カバー、3C…シール部材、3L…ラッチ機構、4…バッテリ室カバー、4L…ラッチ機構、4R…凹部、5…キャスタ、6…ハンドル、7…キャリーハンドル、7A…アーム部、7B…ハンドル部、7C…連結部、8…ヒンジ機構、9…ヒンジ機構、10…ヒンジ機構、11…保冷室、12…本体容器、12A…第1内側面、12B…第2内側面、12C…第3内側面、12D…第4内側面、12E…底面、13…バッテリ室、14…バッテリ容器、14A…第1内側面、14B…第2内側面、14C…第3内側面、14D…第4内側面、14E…底面、14F…段差面、15…開口、16…開口、17…電動工具用バッテリ、18…バッテリ装着部、19…出力端子、20…孔、21…前ハウジング、22…後ハウジング、23…フレームハウジング、23A…第1開口、23B…第2開口、24…吸気口、25…排気口、30…冷却装置、31…圧縮器、31C…圧縮器用コントローラ、32…凝縮器、33…蒸発器、34…吸気ファン、35…排気ファン、36…コントローラ、40…機械室、50…脚部、51…ACアダプタ、52…カバー、53…栓抜き、70…操作パネル、71…電源ボタン、72…モード切換ボタン、73…温度設定ボタン、74…表示装置、80…傾斜センサ、90…プッシュスイッチ、131…第1空間、132…第2空間、141…第1底面、142…第2底面、171…装着面、172…ハウジング、173…スライド部、174…突起部、175…解除ボタン、176…電源端子、181…装着面、182…ガイド部、183…ロック孔、184…電源端子、AX…回動軸、BX…回動軸、CX…回転軸、DX…回動軸、EX…回転軸、FX…回転軸、Pa…収納位置、Pb…使用位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12