(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111319
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20240808BHJP
B66B 11/02 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B66B3/00 U
B66B11/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024102255
(22)【出願日】2024-06-25
(62)【分割の表示】P 2023073858の分割
【原出願日】2019-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】502250178
【氏名又は名称】ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003889
【氏名又は名称】弁理士法人酒井総合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】澤田 聡志
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 和隆
(57)【要約】
【課題】カゴ内の設けられた情報処理装置を介して、カゴの中でも端末装置による外部との通信ができるようにすること。
【解決手段】カゴ内に設けられた情報処理装置110が、エレベーターの外部の通信ネットワークを介して通信をおこなう第1の通信部501と、カゴ内において、無線通信機能を備えた端末装置と通信ネットワークを介さずに無線通信をおこなう第2の通信部507と、第1の通信部501による外部との通信を可能とするとともに、第2の通信部507による端末装置との通信を可能とする制御をおこなう制御部500を備えることによって、スマートフォンなどの携帯端末による無線通信がつながりにくいカゴの中でも、情報処理装置110を介して外部と通信を確実におこなうことができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのカゴに取り付けられる情報処理装置であって、
前記エレベーターの外部の通信ネットワークを介して通信をおこなう第1の通信部と、 前記カゴ内において、無線通信機能を備えた端末装置と前記通信ネットワークを介さずに無線通信をおこなう第2の通信部と、
前記第1の通信部による外部との通信を可能とするとともに、前記第2の通信部による前記端末装置との通信を可能とする制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターに設置される情報処理装置および当該情報処理装置が実行する情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターのカゴ内で広告をおこなう各種の技術があった。また、従来、エレベーターのカゴ内で広告を表示するとともに、防犯性を高めるようにした技術があった。具体的には、従来、たとえば、エレベーターのカゴ内に設置されたコンピュータに、エレベーターの乗員に対して画像を表示する第1の処理と、第1の処理によって表示される画像を見ている乗員を撮影する第2の処理と、第2の処理によって撮影された情報を記憶する第3の処理と、を実行させることにより、エレベーターの乗員に対して情報を提供するとともに、エレベーター内で発生するおそれがある犯罪行為などを抑止し、エレベーター内の防犯に寄与するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エレベーターにおいては、建築基準法施行令第129条の10第3項第三号に基づきインターホンの設置が義務づけられているものの、大規模な地震発生に起因して閉じ込めが発生した場合は、インターホンの回線が混雑して、閉じ込められた利用者がエレベーター管理会社のオペレーターと通話して状況を確認することができず、運転再開や利用者の救出のための対応が遅れてしまうおそれがあるという問題があった。
【0005】
エレベーターのカゴは金属製であることが多く、カゴ内には、スマートフォンなどの端末装置の通信に供される電波が入りにくい。出入り口から離れた奥まった位置にエレベーターが設置されている建物の場合、通信に供される電波は、一層カゴ内に入りにくい。
【0006】
このため、従来のエレベーターでは、利用者がカゴ内に閉じ込められると、当該利用者が携行するスマートフォンなどの端末装置を用いた外部との通信が難しくなってしまう。また、従来のエレベーターでは、たとえば、震度4以上の地震の発生や台風の上陸などの大規模な災害に起因して、屋外に設置された基地局の損壊と、カゴ内における利用者の閉じ込めとが併発すると、当該利用者が携行するスマートフォンなどの端末装置を用いた外部との通信が一層難しくなってしまう。
【0007】
大規模な災害の発生に起因してエレベーターが運転停止した場合、エレベーターの運転再開には、エレベーターを管理・メンテナンスする管理者による所定の操作が必要となる。すなわち、エレベーターに対して管理者が所定の操作をおこなうまで、エレベーターの運転再開ができない。
【0008】
このため、カゴ内において閉じ込めが発生しているエレベーターがある場合、閉じ込めが発生しているエレベーターの存在をエレベーターの管理者に迅速に把握させ、優先的に運転再開のための対応をおこなう必要がある。一方で、カゴ内に閉じ込められた利用者は、外部との通信が難しい状況にあり、さらに、通信インフラの損壊が発生している場合は外部との通信が一層難しくなるため、自身の状況を外部に伝えることが難しい。
【0009】
閉じ込められた利用者の救出が遅れると、利用者の不安を増長したり、高齢者や持病のある利用者であれば健康状態の悪化が懸念される。加えて、大規模な災害の発生により広範囲にわたる停電をともなう場合、管理者が運転再開のための対応をすべきエレベーターの台数が膨大な数になるため、閉じ込めが発生しているエレベーターの存在を管理者に把握させることができなければ、閉じ込められた利用者の救出が一層遅れてしまうことが懸念される。
【0010】
また、上述した特許文献1に記載された技術を含む従来技術は、悪戯や犯罪などのトラブルを抑止する効果や、実際にトラブルが生じた際の証拠としての利用価値があるものの、上記と同様に、利用者が携行するスマートフォンなどの端末装置の通信状態がカゴ内においては不安定になるため、緊急時や非常時における外部との通信に課題がある。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、利用者の安全や安心の確保を支援し、利用者の利便性の向上を図ることができる情報処理装置および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる情報処理装置は、エレベーターのカゴに取り付けられる情報処理装置であって、前記エレベーターの外部の通信ネットワークを介して通信をおこなう第1の通信部と、前記カゴ内において、無線通信機能を備えた端末装置と前記通信ネットワークを介さずに無線通信をおこなう第2の通信部と、前記第1の通信部による外部との通信を可能とするとともに、前記第2の通信部による前記端末装置との通信を可能とする制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる情報処理装置は、エレベーターのカゴに取り付けられる情報処理装置であって、前記エレベーターの運行異常を検出する検出部と、前記エレベーターの外部の通信ネットワークを介して通信をおこなう第1の通信部と、無線通信機能を備えた端末装置と前記通信ネットワークを介さずに無線通信をおこなう第2の通信部と、前記第2の通信部による前記端末装置との通信状態を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、前記検出部によって前記エレベーターの運行異常が検出された場合、前記第2の通信部による前記端末装置との通信を可能とすることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる情報処理装置は、上記の発明において、前記制御部が、前記検出部によって前記エレベーターの運行異常が検出されてから、当該エレベーターの通常運行が開始されるまでの間、前記第2の通信部による前記端末装置との通信を可能とすることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる情報処理装置は、上記の発明において、前記カゴ内に設けられた表示画面と、前記検出部によって前記エレベーターの運行異常が検出された場合、前記第2の通信部による前記端末装置との通信を可能とするパスワードを、前記表示画面に表示する表示制御部と、を備え、前記制御部が、前記表示制御部によって前記表示画面に表示されたパスワードが設定された前記端末装置との通信を可能とすることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる情報処理装置は、上記の発明において、前記表示制御部が、前記検出部によって前記エレベーターの運行異常が検出された場合、前回表示したパスワードとは異なるパスワードを、前記表示画面に表示し、前記制御部が、前記表示制御部によって前記表示画面に表示された最新のパスワードが設定された前記端末装置との通信を可能とすることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる情報処理装置は、上記の発明において、前記表示制御部が、前記検出部によって前記エレベーターの運行異常が検出されていない場合、前記表示画面に広告を表示することを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる情報処理装置は、上記の発明において、前記制御部が、災害に起因する前記エレベーターの運行異常が検出された場合、前記第2の通信部による前記端
末装置との通信を可能とすることを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかる情報処理装置は、上記の発明において、前記無線通信は、無線LAN(Local Area Network)規格にしたがった無線通信であることを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかる情報処理プログラムは、エレベーターの外部の通信ネットワークを介して通信をおこなう第1の通信部と、無線通信機能を備えた端末装置と前記通信ネットワークを介さずに無線通信をおこなう第2の通信部と、を備えたコンピュータ装置に、前記エレベーターの運行異常を検出し、前記エレベーターの運行異常が検出された場合、前記第2の通信部による前記端末装置との通信を可能とする、処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明にかかる情報処理装置および情報処理プログラムによれば、利用者の安全や安心の確保を支援し、利用者の利便性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、情報処理装置の設置環境を示す説明図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置の設置の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置の外観の一例を示す説明図である。
【
図4A】
図4Aは、情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4B】
図4Bは、遠隔監視サーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、表示画面における表示態様を示す説明図である。
【
図7】
図7は、情報処理装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図8】
図8は、情報処理装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置および情報処理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
(情報処理装置の設置環境)
まず、情報処理装置の設置環境について説明する。
図1は、情報処理装置の設置環境を示す説明図である。
図1に示すように、情報処理装置110は、遠隔監視サーバ120によって遠隔監視されるエレベーター130に設けられている。
【0024】
遠隔監視サーバ120は、遠隔地に設置されたエレベーター130の運行状態を監視する。遠隔監視サーバ120は、たとえば、インターネットなどのネットワーク101を介して、エレベーター130から出力される発報信号を受信することにより、当該エレベーター130における運行異常の発生を検知する。また、遠隔監視サーバ120は、たとえば、エレベーター130に診断動作を実行させたり、当該診断動作の結果を取得したり、エレベーター130の運行履歴を取得したりする。遠隔監視サーバ120は、たとえば、汎用的なサーバコンピュータ装置によって実現することができる。
【0025】
情報処理装置110は、たとえば、タブレット型端末装置によって実現することができる。タブレット型端末装置は、エレベーター専用品ではなく、市販品によって実現してもよい。
【0026】
情報処理装置110は、エレベーター130のカゴ(乗りかご)131内に設置されており、ネットワーク101を介して、外部装置との間で無線または有線による通信をおこなう通信機能を備えている。情報処理装置110は、ネットワーク101を介して、遠隔監視サーバ120と接続されていてもよい。
【0027】
エレベーター130は、複数階建てのビル内などに設置され、建物における各階床を、鉛直方向に沿って貫通する昇降路を備えている。カゴ131は、昇降路内において上下動可能に設けられており、人や物品を搭載する。カゴ131は、1つの昇降路に1つずつ設けられている。
【0028】
昇降路には、カゴ131の昇降動作にかかわる駆動機構132が設けられている。駆動機構132は、たとえば、昇降路における上部に設けることができ、巻上機132a、ロープ132b、カウンタウエイト132cなどによって構成されている。また、駆動機構132は、さらに、電磁ブレーキや調速機を備えている(いずれも図示を省略する)。
【0029】
駆動機構132のうち、巻上機132aなどの構成部は、商用電源から供給される電源によって駆動される。エレベーター130は、商用電源を供給するケーブルのほか、停電時などの非常時に、カゴ131を停止階に移動させたり、照明や空調を駆動する非常用のバッテリを備えている。
【0030】
カゴ131には、操作盤133が設けられている。操作盤133は、各種の操作ボタンを含む操作ボタン群や、カゴ131が位置する階床などを表示する表示器などを備えている(
図2を参照)。また、操作盤133は、マイクおよびスピーカー(いずれも
図4Aを参照)を備えており、インターフォンの機能を実現する。操作盤133は、操作盤133用の制御基板を備えている。
【0031】
昇降路における各階床に対応した位置(乗り場)134には、扉134aが設けられている。乗り場134に設けられた扉134aは、インターロックなどと称される装置で施錠されている。エレベーター130が停止階に到着した状態で、カゴ131に設けられたモーター(図示を省略する)を駆動すると、カゴ131の扉131aの駆動機構部分とインターロックとがかみ合ってインターロックによる施錠が解放され、扉131aおよび扉134aが連動して開閉する。
【0032】
各乗り場134には、それぞれ、操作盤135が設置されている。操作盤135は、それぞれ、乗り場呼びボタンや、カゴ131が位置する階床などを表示する表示器などを備えている。各乗り場134に設けられた操作盤135は、それぞれ、操作盤135用の制御基板を備えている。
【0033】
エレベーター130は、エレベーター130が備える各部を駆動制御する制御基板136を備えている。制御基板136は、たとえば、巻上機132aを駆動制御し、カゴ131を昇降させる。また、制御基板136は、たとえば、操作盤133用の制御基板や操作盤135用の制御基板と接続されており、操作盤133用の制御基板や操作盤135用の制御基板との間で信号の送受信をおこなう。
【0034】
制御基板136は、ネットワーク101を介して、遠隔監視サーバ120と接続されている。制御基板136は、エレベーター130において運行異常が発生した場合に、遠隔
監視サーバ120に対して、当該運行異常の発生を報知する発報信号を出力する。具体的に、制御基板136は、たとえば、火災発生や、所定震度以上(たとえば、震度4以上)の震度の地震発生を検知した場合に、発報信号を出力する。また、具体的に、制御基板136は、たとえば、エレベーター130の利用者がカゴ131内に閉じ込められたことを検出した場合に、発報信号を出力する。発報信号は、発報信号の出力元となるエレベーター130を識別するID番号や、発報原因に関する情報を含んでいる。
【0035】
遠隔監視サーバ120は、制御基板136との間で無線または有線による通信をおこなうことにより、制御基板136を介して、エレベーター130の動作を監視したり、遠隔制御したりすることができる。具体的に、遠隔監視サーバ120は、たとえば、上述したように、エレベーター130(制御基板136)から出力される発報信号を受信してエレベーター130における運行異常の発生を検知したり、エレベーター130に診断動作を実行させたり、当該診断動作の結果を取得したり、エレベーター130の運行履歴を取得したりすることができる。遠隔監視サーバ120は、エレベーター130とともに、当該エレベーター130の運行状態を監視するエレベーターの遠隔監視システムを構成する。
【0036】
遠隔監視サーバ120と制御基板136との通信は、遠隔監視サーバ120と制御基板136との通信を中継する監視装置(図示を省略する)を介しておこなってもよい。監視装置を設けることにより、設置時に遠隔監視サーバ120との通信機能を備えていないエレベーター130であっても、当該エレベーター130の遠隔地から、当該エレベーター130の動作を監視したり、遠隔制御したりすることができる。この場合、遠隔監視サーバ120と情報処理装置110との通信を、監視装置が中継してもよい。
【0037】
ネットワーク101には、さらに、広告管理サーバ140や広告主の端末装置150が接続されている。広告管理サーバ140は、エレベーター130の利用者に対する広告に関する広告情報などを記憶するデータベースを備えている。広告情報は、広告管理サーバ140に記憶されているものに限らず、たとえば、広告主の端末装置150に記憶されていてもよい。
【0038】
広告情報に基づく広告は、たとえば、情報処理装置110が備える表示画面(
図2や
図3を参照)に表示することができる。広告主の端末装置150は、たとえば、汎用的なサーバコンピュータ装置によって実現することができる。広告主の端末装置150は、汎用的なパーソナルコンピュータやスマートフォンなどのように、ネットワーク101に接続可能な端末装置であってもよい。
【0039】
(情報処理装置110の設置の一例)
つぎに、情報処理装置110の設置の一例について説明する。
図2は、情報処理装置110の設置の一例を示す説明図である。
図2においては、エレベーター130のカゴ131内の様子を示している。
図2に示すように、操作盤133は、カゴ131の内面であって、カゴ131に対して利用者が出入りする出入り口部分の扉131aと同じ面に設けられている。操作盤133の操作ボタン群133aは、たとえば、行先階ボタン、扉開閉ボタン、非常ボタンなどを含む。表示器133bは、カゴ131が位置する階床などを表示する。
【0040】
情報処理装置110は、それぞれ、筐体201を備えている。筐体201の一面側には、表示画面202およびレンズ203が設けられている。表示画面202が設けられた状態の筐体201は、平板形状の外観をなす。表示画面202は、横方向に長い長方形状をなし、たとえば、エレベーター130の運行にかかる情報や広告などを表示する。
【0041】
表示画面202は、具体的には、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal
Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、7セグメントディスプレイなどによって実現される。レンズ203は、図示を省略する撮像素子とともに撮影装置(
図4における符号403を参照)を構成する。
【0042】
撮影装置は、レンズ203と撮像素子との間に1または複数のレンズや、当該複数のレンズ203のうちの少なくとも1つのレンズを光軸方向に沿って移動させる可動機構などを備えていてもよい。撮影装置は、具体的には、たとえば、コントラストAF(AutoFocus)や位相差AFなどのパッシブ方式により焦点を合わせるAFユニットによって実現される。撮影装置は、カゴ131内における、あらかじめ設定された撮影範囲を撮影する。
【0043】
エレベーター130の利用者は、カゴ131に乗り込む際には扉131aに対向する面(背面)を向いているが、カゴ131内にいる際およびカゴ131から降りる際には、扉131aが設けられた面(正面)を向く。このため、正面に情報処理装置110を設けることで、利用者が情報処理装置110に対面する機会を確実につくることができる。利用者と情報処理装置110とを対面させることにより、手荷物などによって遮られることなく、利用者の顔を撮影することができる。
【0044】
また、情報処理装置110を天井204の近くに設けることにより、利用者は、手荷物などによって遮られることなく、表示画面202を容易に見ることができるようになる。これにより、表示画面202に表示した広告に高い広告効果を発揮させることができる。また、情報処理装置110を天井204の近くに設けることにより、カゴ131内の利用者は、表示画面202を見るために顔を上げた姿勢をとる。これにより、利用者の表情を確実に撮影することができる。
【0045】
さらに、情報処理装置110を天井204の近くに設けることにより、利用者は、通常の状態で手を伸ばしても情報処理装置110に容易に触れることができない。したがって、利用者により、不用意に情報処理装置110に触れられたり、不正操作されたり、壊されたりすることを防止することができる。
【0046】
また、情報処理装置110は、
図2に示すような正面の壁(内壁)に代えて、背面や側面の壁(内壁)に設けるようにしてもよい。情報処理装置110をカゴ131の背面の壁に設けることによって、利用者は、カゴ131内に入ってくる際にも、情報処理装置110を見ることができる。さらに、情報処理装置110は、カゴ131の正面と背面とにそれぞれ設けてもよい。これにより、利用者は、カゴ131内に入る際、および、カゴ131内から出る際に、情報処理装置110を見ることができる。情報処理装置110を背面あるいは側壁面のいずれに設ける場合も、情報処理装置110は、天井204に近い上側の位置に設けることが好ましい。
【0047】
なお、情報処理装置110は、カゴ131内のどの位置に設置してもよく、カゴ131の広さ(定員数)、カゴ131の高さ、カゴ131の形状(床が正方形あるいは長方形など)、エレベーター130の種類(シースルー型、壁面に鏡の有り無し)、外扉の種類(窓の有り無し)などを勘案した最適な位置に設置することができる。
【0048】
情報処理装置110は、エレベーター130の設置後に、後付けすることができる。また、情報処理装置110は、設置後に、自由にその設置位置を変更できるようにしてもよい。情報処理装置110は、たとえば、カゴ131の内壁面へのネジ止めにより設置することができる。情報処理装置110を内壁面にネジ止めすることにより、落下を確実に防止することができる。ネジ止めは、内壁面に限らず、ステーなどを介してカゴ131の天井204に施してもよい。情報処理装置110は、ネジ止め以外の方法(たとえばマグネ
ットや粘着テープなどを使用するなど)によって設置してもよい。
【0049】
情報処理装置110を後付けする場合は、情報処理装置110に、コンセントプラグ205を設けるようにしてもよい。また、カゴ131には、コンセントプラグ205の挿入を受け付けるプラグソケット206が設けられていてもよい。プラグソケット206は、コンセントプラグ205が挿入されることによって当該コンセントプラグ205とともに配線用差込接続器を構成する。具体的には、たとえば、日本において汎用的に用いられているAタイプのプラグソケットを用いることができる。
【0050】
プラグソケット206は、Aタイプに限るものではない。具体的には、たとえば、インドやインドネシアなどにおいて広く用いられているB3タイプやCタイプのプラグソケットを用いてもよく、香港などにおいて広く用いられているBFタイプのプラグソケットを用いてもよい。
【0051】
あるいは、プラグソケット206は、韓国などにおいて広く用いられているSEタイプのプラグソケットを用いてもよく、台湾などにおいて広く用いられているOタイプのプラグソケットを用いてもよい。中国など、複数タイプのプラグソケットが普及している国や地域においては、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、B3タイプ、BFタイプ、SEタイプ、Oタイプなど様々なタイプの中から、エレベーター130を設置する地域に応じた任意のタイプのプラグソケットを用いることが好ましい。
【0052】
プラグソケット206は、カゴ131の外側であってカゴ131の天井204の上に設けられたカゴ上ボックスが収容する基板の電気回路に電気的に接続されている。カゴ上ボックスが収容する基板の電気回路は、商用電源や上記の非常用のバッテリに接続されている。カゴ上ボックスには、バッテリが搭載されていてもよく、この場合、プラグソケット206は、カゴ上ボックスに搭載されたバッテリにも接続されていてもよい。
【0053】
これにより、プラグソケット206を介して、当該プラグソケット206に接続された電気機器に給電することができる。プラグソケット206は、カゴ上ボックスが収容する基板の電気回路の端子に直接結線されているものに限らず、当該端子に接続された電力線に接続されていてもよい。このような電力線にプラグソケット206を接続する場合、当該電力線に分岐用のコネクタを設け、当該コネクタにプラグソケット206を接続することができる。
【0054】
上述した特許文献1に記載された従来の技術は、バッテリ駆動を回避するためにカゴに孔を空けなくてはならず、作業が煩雑であって時間がかかって作業者の負担が大きくなったり、カゴ内の美観を損ねたり、エレベーター130の利用者の利便性が低下してしまうという問題があるが、この実施の形態では、カゴ131内にプラグソケット206を設けることにより、これらの問題をすべて解消することができる。
【0055】
また、カゴ131に孔を空けると、情報処理装置の撤去後に、この孔が露出した状態となって美観を損ねてしまうという不具合がある一方で、この不具合を回避するために孔を塞ぐ補修作業をおこなうと、作業が煩雑となって時間がかかり、工事のためにエレベーターを利用できない期間が長くなって、エレベーター130の利用者の利便性が低下してしまうという問題がある。
【0056】
図2に示すように、プラグソケット206がカゴ131内に露出している場合、当該プラグソケット206は、カゴ131内の高い位置に配置することが好ましい。
図2においては、カゴ131の側面における上側や、カゴ131の天井面にプラグソケット206が設けられた例を示している。このように、カゴ131内に露出したプラグソケット206
をカゴ131内の高い位置に配置することにより、雨天時に傘や衣服から飛んだ水滴が付着することを防止でき、また、盗電や子供などによる悪戯をしにくくすることができる。
【0057】
プラグソケット206は、1つのカゴ131に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ131に複数個設けられていてもよい。1つのカゴ131に複数のプラグソケット206を設ける場合、当該複数のプラグソケット206を並べて配置してもよく、複数箇所に分散して配置してもよい。プラグソケット206は、たとえば、当該プラグソケット206がカゴ131の内壁面(天井面)と同一面内に位置するように配置するとよい。
【0058】
また、カゴ131には、プラグソケット206に代えて、図示を省略する、接栓座を設けるようにしてもよい。接栓座は、図示を省略するカゴ上ボックスが収容する電気回路から供給される電源を、当該接栓座に接続された情報処理装置110に対して供給する機能を備える。具体的には、たとえば、電源供給用の配線を備えたレセクタブルを用いることによって、接栓座に接続された電気機器に対して電源を供給することができる。なお、レセクタブルは、電源供給用の配線に加えて、信号伝送用の配線を備えていてもよい。
【0059】
接栓座を実現するレセクタブルは、当該レセクタブルに接続されている情報処理装置110の動作中に抜き差しすることができるホットプラグによって実現することが好ましい。接栓座を実現するレセクタブルは、さらに、図示を省略する制御回路を介して情報処理装置110への給電をおこなうようにしてもよい。
【0060】
また、接栓座は、たとえば、USBコネクタによって実現してもよい。接栓座を実現するレセクタブルとしてのUSBコネクタは、たとえば、USB Type-Aコネクタ、Micro USBコネクタ、Micro USB Type-Bコネクタ、USB Type-Cコネクタなど公知の各種のUSBコネクタのレセクタブルによって実現することができる。
【0061】
また、接栓座を実現するレセクタブルは、USBインタフェースのコネクタ(レセクタブル)に限るものではなく、たとえば、IEEE 1394コネクタ、PS/2コネクタ、D-Subコネクタ、DINコネクタ、同軸コネクタ、その他公知の各種の通信用のコネクタによって実現されるものであってもよい。
【0062】
接栓座を実現するレセクタブルは、1つのカゴ131に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ131に複数設けられていてもよい。1つのカゴ131に複数の接栓座を実現するレセクタブルを設ける場合、通信I/Fのコネクタは1種類であってもよく、複数種類であってもよい。
【0063】
接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ131の内壁面と同一面内に位置するように配置することができる。また、接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ131の内壁面よりもカゴ131の内側に飛び出していてもよく、カゴ131の内壁面から凹んだ位置に配置してもよい。
【0064】
(情報処理装置110の外観)
つぎに、情報処理装置110の外観について説明する。
図3は、情報処理装置110の外観の一例を示す説明図である。
図3に示すように、情報処理装置110の表示画面202は、横方向に長い長方形をなす。
【0065】
表示画面202は、防犯カメラ映像表示領域302、管理情報表示領域303、各種情報表示領域304、広告表示領域(広告エリア)305などのように複数(この実施の形態においては4つ)の領域から構成されるものであってもよい。このように、4つの領域
に区切って表示することによって、各種情報を効率よく利用者に伝えることができる。
【0066】
表示画面202の左下側の長方形の広告表示領域305を囲むように、上側から右側にかけて、防犯カメラ映像表示領域302、管理情報表示領域303、各種情報表示領域304が逆「L」字状に設けられている。防犯カメラ映像表示領域302は、左側に設けられ、それに続いて、管理情報表示領域303が横長に設けられる。防犯カメラ映像表示領域302には、表示画面202の下側に配置されたレンズ203を備えた撮影装置によって撮影された映像をリアルタイムで表示するようにしてもよい。
【0067】
また、この管理情報表示領域303では、長いメッセージである場合は、右側から左側に流れるようにメッセージが表示される。管理情報表示領域303を表示画面202の上側に設けたのは、表示画面202の上側は、利用者にとっては視認しやすく、それ故に、比較的重要な管理情報を確実に利用者に伝えることができる。
【0068】
また、右側の側面には、縦長に各種情報表示領域304が設けられており、
図3に示すような天気予報や、交通情報、ニュースなど、エレベーター130の利用者に通知したい各種情報を表示する。各種情報表示領域304では、多くの情報を表示する場合は、下側から上側へ流れるように表示するようにしてもよい。具体的には、たとえば、各地域の天気予報を表示する場合は、新しい地域の情報は、順次下から表示され、古い地域の情報は上側へ移動してから、消去するようにしてもよい。また、その逆に、上側から、下側へ流れるように表示してもよい。また、左右どちらかへ流れるように表示してもよい。このように、各種情報表示領域304では、表示する情報の内容によって、表示形態を変えることができる。
【0069】
管理情報表示領域303と各種情報表示領域304との境には、明確な区切りはなくてもよい。これにより、表示する状況に応じて、管理情報表示領域303を右側に長くしたり、また、各種情報表示領域304を上側に長くしたりすることができる。また、表示する情報によっては、管理情報表示領域303と、各種情報表示領域304とを、一続きとして、使用することもできる。
【0070】
このように、表示画面202をレイアウトすることで、広告を表示しながら、それ以外の情報も同時に、利用者に伝えることができる。表示画面202は、通常は、
図3に示すようなレイアウトであるが、状況によって、このレイアウトを変更してもよい。たとえば、エレベーター130の故障などの緊急事態が生じた場合は、広告エリアを消去して、必要な情報を表示するようにしてもよい。また、広告の表示演出として、表示画面202の全面を広告表示としてもよい。
【0071】
(情報処理装置110のハードウエア構成)
つぎに、情報処理装置110のハードウエア構成について説明する。
図4Aは、情報処理装置110のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図4Aに示すように、情報処理装置110は、CPU401と、メモリ402と、撮影装置(カメラ)403と、第1の通信インタフェース(I/F)404と、表示画面(ディスプレイ)202と、第2の通信I/F405と、スピーカー406と、マイク407と、加速度センサ408と、照度センサ409と、電源制御ユニット410と、を備えている。各構成部202、401~410は、バス400によって接続されている。
【0072】
CPU401は、メモリ402に記憶されたプログラムを実行することによって、情報処理装置110の装置全体の制御をつかさどる。メモリ402は、この発明にかかる情報処理プログラムを含む、CPU401が実行する各種のプログラムを記憶することができる。また、メモリ402は、広告情報を含む各種情報を記憶することができる。
【0073】
メモリ402は、ハードディスクメモリのほか、ICメモリ、SSD(Solid State Drive)などであってもよい。また、メモリ402は、情報処理装置110に対して、情報処理装置110に設けられたカードスロットを介して着脱可能なメモリカードであってもよい。メモリカードは、たとえば、SD(Secure Digital)メモリカードなどのICカードによってその機能を実現することができる。メモリカードは、外付けハードディスク、USBメモリ、SSDなどによって、その機能を実現するようにしてもよい。
【0074】
撮影装置403は、撮像素子を備え、撮像素子がレンズ203を通して受光した光を電気信号に変換することによって、画像情報(撮影データ)を取得する。撮影装置403は、静止画を撮影するものであってもよく、動画を撮影するものであってもよい。動画は、所定時間間隔で撮影された静止画を連続して再生するものを含む。画像情報は、所定の動画・音声データの圧縮方式の標準規格(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group)など)によって圧縮されたものであってもよい。
【0075】
第1の通信I/F404は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク101と情報処理装置110とを接続するインタフェースであって、エレベーターの外部のネットワーク101と情報処理装置110の内部とのインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
【0076】
第1の通信I/F404は、たとえば、携帯電話回線(たとえばLTE(Long Term Evolution)、PHS(Personal Handy-phone System))によって実現することができる。また、第1の通信I/F404は、たとえば、Wi-Fi(登録商標)による無線インタフェースであってもよい。
【0077】
第2の通信I/F405は、無線通信機能を備えた端末装置411と情報処理装置110とを接続するインタフェースであって、当該端末装置411と情報処理装置110の内部とのインタフェースをつかさどり、当該端末装置411からのデータの入力および当該端末装置411へのデータの出力を制御する。第2の通信インタフェース405は、たとえば、無線LAN規格にしたがった通信機能を備えた端末装置411と情報処理装置110との間における、ネットワーク101を介さない無線通信をつかさどる。
【0078】
第2の通信I/F405は、具体的には、たとえば、Wi-Fi(Wireless Fidelity)などと称される、IEEE 802.11などの無線LANの標準規格にしたがって通信をおこなう無線LANアクセスポイント(無線LAN親機)によって実現することができる。
【0079】
第1の通信I/F404がネットワーク101に接続されているため、第2の通信I/F405の機能により情報処理装置110と通信をおこなう端末装置411は、情報処理装置110を介してエレベーター130の外部と通信をおこなうことができる。第2の通信I/F405は、モバイルWi-Fiルーターなどによって実現してもよい。これにより、第1の通信I/F404を介することなく、端末装置411がエレベーター130の外部と通信をおこなうことができる。
【0080】
第2の通信I/F405による端末装置411との通信機能は、CPU401の制御によって、有効状態にしたり無効状態にしたりすることができる。具体的には、たとえば、メモリ402に記憶された所定のプログラムをCPU401が実行することによって、第2の通信I/F405による端末装置411との通信機能を有効状態にしたり無効状態にしたりすることができる。また、具体的には、たとえば、CPU401と第2の通信I/
F405とをリレー(図示を省略する)を介して接続し、当該リレーを介して第2の通信I/F405のON/OFFを切り替えるようにしてもよい。
【0081】
第2の通信I/F405は、所定のパスワードの入力がおこなわれた端末装置411に限定して、無線通信をおこなうようにしてもよい。所定のパスワードは、情報処理装置110に設定されたSSID(Service Set Identifier)に対して、あらかじめ設定される。所定のパスワードは、定期的あるいは第2の通信I/F405の機能を無効状態から有効状態に切り替える都度、あらたに設定されるものであってもよい。
【0082】
第2の通信I/F405は、エレベーター130の通常運行時においては、Wi-Fiなどの無線LANにおけるアクセスポイント(無線LANアクセスポイント)の識別名である、SSIDの定期的なブロードキャストをおこなわないことが好ましい。具体的には、第2の通信I/F405が定期的に発信するビーコンに、SSIDの情報を含めないようにすることが好ましい。この場合、第2の通信I/F405は、エレベーター130の運行異常が発生した場合など、特定の状況においてSSIDをブロードキャストする。第2の通信I/F405は、たとえば、Bluetooth(登録商標)、PHS、LTEなどの携帯電話回線など、公知の各種の無線通信のインタフェースであってもよい。
【0083】
表示画面202は、液晶表示器、有機ELディスプレイ、電光掲示板、7セグメントディスプレイなどによって実現される。表示画面202は、エレベーター130の運行にかかる情報や広告のほか、第2の通信I/F405と端末装置411との通信に用いるパスワードを表示する。
【0084】
スピーカー406は、音声信号である電気信号によって振動板を振動させて音を発生させる。また、スピーカー406は、音声信号を出力する出力端子であってもよく、当該出力端子に外部スピーカーを接続して、音を発生させるようにしてもよい。スピーカー406は、たとえば、広告情報に含まれる音声や、エレベーター130の運行異常が発生した際の避難用の音声ガイダンスなどを出力する。
【0085】
マイク407は、カゴ131内の音声を集音する。加速度センサ408は、カゴ131の振動を検出する。加速度センサ408は、たとえば、加速度センサなどによって実現することができる。照度センサ409は、カゴ131内の照度(明るさ)を検出する。照度センサ409は、たとえば、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いて実現することができる。
【0086】
電源制御ユニット410は、たとえば、コンセントプラグ205などを介して供給を受けたAC電源の電圧を調整する電圧調整部(電源ICなど)によって実現することができる。電源制御ユニット410は、具体的には、たとえば、コンセントプラグ205、当該コンセントプラグ205に接続されたケーブル、および、コンセントプラグ205を介して供給を受けたAC電源から所定の直流電力を取り出す変圧回路、整流回路、安定化回路などによって構成されるACアダプターによって実現することができる。ACアダプターの機能は、情報処理装置110の筐体201内に、あるいは、筐体201と一体に設けられていてもよい。
【0087】
また、情報処理装置110は、リチウム電池などのバッテリー(蓄電池)を、さらに備えていてもよい。すなわち、電源制御ユニット410には、蓄電池が含まれていてもよい、あるいは、電源制御ユニット410は、蓄電池を接続する接続端子を備えていてもよい。これにより、蓄電池を容易に交換することができる。このように、電源制御ユニット410は、コンセントプラグ205を介して供給された、あるいは、蓄電池から供給された
電源を、情報処理装置110の各部へ供給する。
【0088】
その他、図示は省略するが、情報処理装置110は、メモリカードI/F、入出力デバイス、電源制御部、GPS受信機などを備えていてもよい。メモリカードI/Fは、カードスロットを介して情報処理装置110と接続されるインタフェースである。メモリカードI/Fは、メモリカードと内部のインタフェースをつかさどり、メモリカードからのデータの入力およびメモリカードへのデータの出力を制御する。
【0089】
入出力デバイスは、たとえば、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーまたはボタンによって実現することができる。また、入出力デバイスは、マイク、ディスプレイ(タッチパネル)、他の情報処理装置を接続可能な接続端子などによって実現されるものであってもよい。電源制御部は、外部からの電源の供給を受けるコンセントプラグおよびケーブルと、供給を受けた電源の電圧を調整する、情報処理装置110の内部に備えられた電圧調整部を含む。また、情報処理装置110は、リチウム電池などのバッテリーを備えていてもよい。
【0090】
GPS受信機は、3つないし5つのGPS衛星からの電波を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求めるために、GPS衛星からの電波を受信してGPS測位データを出力する。GPS受信機により、情報処理装置110の現在位置を把握することができる。
【0091】
(遠隔監視サーバ120のハードウエア構成の一例)
つぎに、遠隔監視サーバ120のハードウエア構成について説明する。
図4Bは、遠隔監視サーバ120のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図4Bに示すように、遠隔監視サーバ120は、CPU421と、メモリ422と、通信I/F423と、を備えている。各構成部421~423は、バス420によって接続されている。
【0092】
CPU421は、メモリ422に記憶されたプログラムを実行することによって、遠隔監視サーバ120の装置全体の制御をつかさどる。メモリ422は、CPU421が実行するプログラムや、広告管理データベースを含む各種情報を記憶している。メモリ422は、たとえば、ハードディスクメモリ、SSD、ICメモリなどによって実現することができる。
【0093】
通信I/F423は、通信回線を通じて遠隔監視サーバ120とネットワーク101とを接続するインタフェースであって、ネットワーク101と遠隔監視サーバ120の内部とのインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
【0094】
(情報処理装置110の機能的構成)
図5は、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5において、情報処理装置110の機能は、制御部500と、第1の通信部501と、記憶部502と、表示制御部503と、音声出力制御部504と、撮影部505と、運行異常検出部(検出部)506と、第2の通信部507と、によって実現することができる。
【0095】
制御部500は、情報処理装置110の全体を制御する。制御部500は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したCPU401が、メモリ402などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
【0096】
第1の通信部501は、エレベーター130の外部の通信ネットワークを介して通信をおこなう。第1の通信部501は、具体的には、たとえば、
図4Aに示した第1の通信I
/F404などによってその機能を実現することができ、ネットワーク101を介して通信をおこなう。
【0097】
第1の通信部501は、たとえば、エレベーター130の利用者に対する広告に関する広告情報を取得する。第1の通信部501は、広告配信サーバ140や広告主の端末装置150から、ネットワーク101を介して、広告情報を取得することができる。また、第1の通信部501は、エレベーター130の利用者が携行するスマートフォンなどの情報端末装置から広告情報を取得するようにしてもよい。
【0098】
記憶部502は、第1の通信部501によって取得された広告情報を記憶する。記憶部502は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したメモリ402などによってその機能を実現することができる。記憶部502は、第1の通信部501によって取得された広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、第1の通信部501によって取得された広告情報について、制御部500によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
【0099】
図4Aに示した第1の通信I/F404が、USBインタフェースによって実現される場合、記憶部502は、当該第1の通信I/F404を介して接続されたUSBメモリや外部装置などから取得した広告情報を記憶してもよい。この場合も、記憶部502は、USBメモリや外部装置などから取得した広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、USBメモリや外部装置などから取得した広告情報について、制御部500によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
【0100】
記憶部502は、たとえば、情報処理装置110またはエレベーター130の管理者と、広告主との間に成立した契約に基づいて定められる契約期間の間、広告情報を記憶する。契約期間が経過した広告情報は、記憶部502から消去する。契約期間が経過した広告情報の消去は、たとえば、管理者の操作を介することなく制御部500が適宜おこなってもよく、管理者の操作に応じておこなってもよい。
【0101】
表示制御部503は、第1の通信部501によって取得され、記憶部502に記憶された広告情報に基づいて、表示画面202に広告を表示する。表示制御部503は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したCPU401が、メモリ402などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
【0102】
表示制御部503は、記憶部502に記憶された広告情報に基づいて表示画面202に広告を表示してもよく、また、記憶部502に記憶され制御部500によって加工された後の広告情報に基づいて表示画面202に広告を表示してもよい。広告情報は、画像情報や文字情報を含む。広告情報は、音声情報を含んでいてもよい。
【0103】
広告情報は、特典に関する特典情報を含んでいてもよい。特典に関する特典情報とは、たとえば、エレベーター130の利用者のみが提供を受けられ、それ以外の人は提供を受けられない利点など(特典)を示す情報によって実現することができる。特典は、具体的には、たとえば、広告主が提供する商品やサービスに対する割引や特別待遇や、商品またはサービスに対する割引クーポンとすることができる。
【0104】
特典情報には、広告を表示したエレベーター130、当該エレベーター130が設置された建物(マンションやオフィスビル)および当該建物が存在する地域(住所による区分あるいは距離による区分によって特定された地域など)の少なくともいずれか1つを特定する情報が含まれていてもよい。
【0105】
ここで、エレベーター130を特定する情報は、具体的には、たとえば、住所や電話番号などであってもよく、また、エレベーター管理会社が各エレベーター130を管理する際に各エレベーター130にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。また、エレベーター130が設置された建物を特定する情報は、具体的には、たとえば、当該エレベーター130が設置されている建物名、住所、電話番号などであってもよく、また、エレベーター管理会社が各エレベーター130を管理する際に各建物にそれぞれ付与しているID番号などであってもよい。
【0106】
エレベーター130が設置された建物が存在する地域を特定する情報は、具体的には、当該建物の住所の単位(○○町一丁目など)や、当該建物の所在地の緯度経度情報から、その所在地を中心としたエリア(半径○○m以内など)、あるいは、当該建物の所在地から最寄りの交通機関(地下鉄駅など)を中心としたエリアなどであってもよい。
【0107】
制御部500は、情報処理装置110(のメモリ402)が記憶する、情報処理装置110が備える当該エレベーター130に関する情報、エレベーター130が設置された建物を特定する情報、エレベーター130が設置された建物が存在する地域を特定する情報の少なくともいずれか1つを取得して、特典情報に含めることができる。
【0108】
特典情報には、特典の提供を受ける条件に関する情報が含まれていてもよい。また、特典情報には、当該特典情報を含む広告を表示するまたは表示した日時に関する情報が含まれていてもよい。制御部500は、この特典の提供を受ける条件に関する情報または広告を表示するまたは表示した日時に関する情報を特典情報に含めるようにしてもよい。制御部500は、情報処理装置110(のCPU401)が備える時計から日時情報を取得して、特典情報を含む広告を表示するまたは表示した日時に関する情報を特典情報に含めることができる。
【0109】
特典情報に、当該エレベーター130に関する情報、エレベーター130が設置された建物を特定する情報、エレベーター130が設置された建物が存在する地域を特定する情報の少なくともいずれかに関する情報や、日時に関する情報が含まれていることによって、当該特典情報を用いて特典の提供を申し出た利用者がエレベーター130のカゴ131内で広告を見た日時を容易に特定することができ、その後のマーケティング情報として活用することができる。
【0110】
また、特典情報に、特典の提供を受ける条件に関する情報が含まれていることによって、特典の提供を受ける者であってエレベーター130の利用者が受けられる特典の内容を正確に把握でき、より確実に、当該特典を利用することができるようになる。
【0111】
特典情報は、スマートフォンなどのような、カメラを備えた携帯型の端末装置411が取得可能な情報であってもよい。具体的には、たとえば、特典情報は、2次元コードにより表示される情報であってもよい。表示画面202に表示された2次元コードは、たとえば、端末装置411のカメラによって撮影され、端末装置411が備えるアプリケーションにより、その2次元コードに記録されている情報を取得することができる。
【0112】
音声出力制御部504は、音声を出力する。具体的に、音声出力制御部504は、たとえば、
図4Aに示したCPU401によりスピーカー406を制御することによって、その機能を実現することができる。音声出力制御部504は、広告情報に含まれる音声情報に基づいて、スピーカー406を介して音声を出力する。音声出力制御部504は、情報処理装置110ごとの設定に応じて、音声情報を含む広告情報に基づく広告を表示する場合であっても、音声を出力しないようにしてもよい。具体的には、夜間などのように、管理者などによって設定された特定の時間においては、音声を出力しないようにしてもよい
。
【0113】
撮影部505は、カゴ131内を撮影する。撮影部505は、具体的には、たとえば、
図4Aに示した撮影装置403などによって、その機能を実現することができる。撮影部505による撮影によって生成された画像情報は、遠隔監視サーバ120に送信してもよく、記憶部502によって記憶してもよい。
【0114】
運行異常検出部506は、エレベーター130の運行異常を検出する。運行異常検出部506は、具体的には、たとえば、
図4Aに示したCPU401が、撮影部505によって撮影された画像情報や、
図4Aに示したマイク407、加速度センサ408、照度センサ409などから出力される信号に基づいて、メモリ402などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
【0115】
具体的に、運行異常検出部506は、たとえば、加速度センサ408によって検出した、カゴ131にかかる加速度に基づいて、カゴ131が階床間で停止したことを検出する。また、具体的に、運行異常検出部506は、たとえば、加速度センサ408によって検出したカゴ131の振動が、振動の大きさの判断にかかる所定の閾値以上である場合に、エレベーターの運行異常を検出する。振動の大きさの判断にかかる所定の閾値は、たとえば、震度4以上の地震に相当する振動の大きさを示す値とすることができる。
【0116】
また、具体的に、運行異常検出部506は、たとえば、マイク407を介して集音したカゴ131内の音声が、音量判断にかかる所定の閾値以上である場合に、エレベーターの運行異常を検出する。音量判断にかかる所定の閾値は、たとえば、悲鳴や怒鳴り声などのように、通常の会話の域を超える音の強さ(大きさ)を示す値とすることができる。あるいは、音量判断にかかる所定の閾値は、たとえば、カゴ131内で利用者が倒れたり意図的にカゴ131を叩いたりした場合の衝撃音などのように、通常のエレベーターの利用では発生しえない音の強さ(大きさ)を示す値としてもよい。
【0117】
また、具体的に、運行異常検出部506は、たとえば、照度センサ409によって検出したカゴ131内の照度(明るさ)が、照度の大きさの判断にかかる所定の閾値以上である場合に、エレベーター130の運行異常を検出する。照度の大きさの判断にかかる所定の閾値は、たとえば、エレベーター130の管理者などが任意に設定することができる。
【0118】
運行異常検出部506は、照度センサ409によって検出したカゴ131内の照度(明るさ)に基づき、所定時間あたりに、カゴ131内の照度が当該閾値を下回った回数が所定の回数を超えた場合に、エレベーター130の運行異常を検出してもよい。これにより、カゴ131内の照明が、寿命が近づくなどに起因して点滅している運行異常を検出することができる。
【0119】
また、具体的に、運行異常検出部506は、たとえば、照度センサ409による検出結果と、加速度センサ408による検出結果と、を組み合わせて、エレベーター130の運行異常を検出してもよい。具体的に、カゴ131内の照度が閾値を下回った状態で、加速度センサの検出結果に基づきカゴ131が所定の回数動作したことを検出した場合に、エレベーター130の運行異常を検出することができる。すなわち、カゴ131内の照度が閾値を下回った状態で、カゴ131が所定の回数動作した場合は、照明切れ、あるいは、電源が給電されていない運行異常が発生していることを検出することができる。
【0120】
また、運行異常検出部506は、撮影部505による撮影によって生成された画像情報、すなわち、撮影部505によって撮影された画像に基づいて、エレベーター130の運行異常を検出してもよい。具体的に、運行異常検出部506は、たとえば、カゴ131内
に入ってから出るまでの間、ほぼ一定の姿勢でいる利用者の画像(通常の画像)に対して、利用者の動きが極端に大きい画像が検出された場合、エレベーター130の運行異常を検出する。このような異常な画像内容が検出される原因としては、たとえば、カゴ131内で体調を悪くした利用者が倒れたりうずくまったりしている、カゴ131内で利用者が喧嘩あるいは破壊行為をしている、などを想定することができる。
【0121】
第2の通信I/F405による通信がパスワードの設定を必要とする場合、上記の表示制御部503は、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出されたときに、第2の通信部507による端末装置411との通信を可能とするパスワードを、表示画面202に表示するようにしてもよい。表示制御部503は、たとえば、エレベーター130の運行異常が検出されている間のみ、パスワードを表示するようにしてもよい。
【0122】
また、表示制御部503は、たとえば、カゴ131が階床間で停止するなど、エレベーター130の利用者の移動が制限される運行異常が検出されている間のみ、パスワードを表示するようにしてもよい。あるいは、表示制御部503は、たとえば、通信インフラ設備の損壊が想定される大規模な地震に起因した、エレベーター130の運行異常が検出されている間のみ、パスワードを表示するようにしてもよい。端末装置411は、表示画面202に表示されたパスワードが設定されることによって、第2の通信部507を介した情報処理装置110との通信が可能になる。
【0123】
表示制御部503は、運行異常検出部506によってエレベーターの運行異常が検出されたすべての場合に、利用者が携行するスマートフォンなどの端末装置410と情報処理装置110との通信に要するパスワードを、表示画面202に表示するようにしてもよい(
図6(c)を参照)。
【0124】
さらに、表示制御部503は、運行異常検出部506によってエレベーターの運行異常が検出された場合、パスワードとともに、表示画面202に、第2の通信部507による端末装置411との通信が可能であることを案内する案内情報を表示するようにしてもよい。具体的には、たとえば、『画面に表示されているパスワードを入力してください。本機をアクセスポイントとして外部と通信ができます。』などの案内情報を表示することができる(
図6(c)を参照)。案内情報は、『ただ今、本機をアクセスポイントとして利用できます。』のような案内をおこない、情報処理装置110をアクセスポイントとして利用できる間だけ表示してもよい。
【0125】
案内情報を表示画面202に表示することにより、聴覚に障害をもつ利用者に対しても健常者に対しても、情報処理装置110がアクセスポイントとして利用できることを、利用者に確実に案内することができる。これにより、すべての利用者に対して情報処理装置110がアクセスポイントとして利用できる環境を確保することができる。そして、これによって、利用者を安心させることができ、利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0126】
第2の通信I/F405による通信に際して、端末装置411に対するパスワードの設定が不要である場合、表示制御部503は、第2の通信部507による端末装置411との通信が可能であることを案内する案内情のみを、表示画面202に表示するようにしてもよい。
【0127】
表示制御部503は、さらに、『ただ今、緊急停止しております。安全確認が完了次第、運行を再開いたします。今しばらくお待ちください。』などの、ガイダンスメッセージを含む案内情報を表示画面202に表示するようにしてもよい。これにより、利用者に対して、エレベーター130の状況を確実に案内することができるので、たとえば、地震な
どに起因して複数台のエレベーター130が一斉に停止した場合に、オペレーターに対応の負担が集中することを抑制できる。
【0128】
加えて、表示制御部503は、運行異常検出部506によって検出された運行異常に基づいて、表示画面202に表示している広告の表示を停止してもよい。また、表示制御部503は、運行異常検出部506によって検出された運行異常に基づいて、表示画面202に表示している広告に代えて、あらかじめ定められた情報を表示してもよい。
【0129】
あらかじめ定められた情報は、たとえば、上記のような案内情報であってもよく、あるいは、カゴ131から降りた後の避難経路を示すマップ画像や文字などであってもよい。また、あらかじめ定められた情報は、たとえば、上記ガイダンスを読み上げる、エレベーター管理会社のオペレーターの画像や音声であってもよい。
【0130】
上記の音声出力制御部504は、運行異常検出部506によってエレベーターの運行異常が検出された場合、情報処理装置110がアクセスポイントとして利用できることを案内する音声ガイダンスを出力してもよい。音声出力制御部504は、たとえば、「音声のする方向に向かって手を振ってください。オペレーターと通話できます。」などの音声ガイダンスを出力する。これにより、視覚に障害をもつ利用者に対しても、情報処理装置110がアクセスポイントとして利用できることを案内することができる。
【0131】
第2の通信部507は、無線通信機能を備えた端末装置411と、ネットワーク101を介さずに、無線通信をおこなう。第2の通信部507は、具体的には、たとえば、
図4Aに示した第2の通信I/F405などによって、その機能を実現することができる。第2の通信部507は、たとえば、Wi-Fiによる無線通信と、Bluetoothによる無線通信と、のように複数種類の無線通信に対応したものであってもよい。
【0132】
上記の制御部500は、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出された場合、第2の通信部507による端末装置411との通信を可能とすることができる。具体的に、制御部500は、エレベーター130が通常運行している場合は第2の通信部507の機能を無効状態にし、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出された場合に第2の通信部507による通信機能を有効状態にする。
【0133】
また、制御部500は、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出されてから、当該エレベーター130の通常運行が開始されるまでの間に限定して、第2の通信部507による端末装置411との通信機能を有効状態としてもよい。あるいは、制御部500は、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出されてから、当該エレベーター130の通常運行が開始されるまでの間に限定して、第2の通信部507による端末装置411との通信機能を有効状態としてもよい。
【0134】
(表示画面202における表示態様)
つぎに、表示画面202における表示態様について説明する。
図6は、表示画面202における表示態様を示す説明図である。エレベーターが通常運行している場合、情報処理装置110は、
図6(a)に示すように、表示画面202の広告表示領域(広告エリア)305に、エレベーター130の利用者600に対する広告601を表示する。具体的に、たとえば、『○○マンション モデルルーム公開 ×月×日10:00より』、『ご来場・ご成約キャンペーン 実施しております』などの文字ガイダンスや、広告対象のマンションのイメージモデルの画像などを含む広告601を表示する。
【0135】
広告601の表示中に、
図6(b)に示すように、階床間でカゴ131が急停止するな
どの運行異常を情報処理装置110が検出した場合、表示画面202は、たとえば、
図6(c)に示すように、情報処理装置110と端末装置411との通信を確立するために当該端末装置411に設定するパスワード602を、表示画面202に表示する。
【0136】
パスワード602は、たとえば、表示画面202の広告表示領域(広告エリア)305に表示する。また、パスワード602は、たとえば、広告表示領域(広告エリア)305における広告601の表示を停止し、当該広告601に切り替えて表示してもよい。広告表示領域(広告エリア)305には、パスワード602に加えて、
図6(c)に示すように、『画面に表示されているパスワードを入力してください。本機をアクセスポイントとして外部と通信ができます。』などの案内情報603を表示してもよい。
【0137】
パスワード602や案内情報603は、広告表示領域(広告エリア)305のみに表示するものに限らず、領域を区切らずに、全面に表示してもよい。これにより、利用者600に対して、案内情報603のみを視認させることができるため、案内情報603が案内する内容を、利用者600に対してより確実に伝達することができる。
【0138】
広告表示領域(広告エリア)305にパスワード602や案内情報603を表示することにより、広告601の表示が停止される。このように、階床間においてカゴ131が急停止するなどの運行異常が検出されるような非常事態に広告601の表示を停止することにより、非常事態に状況にそぐわない広告601が表示され続けることによって、カゴ131内の乗員を不快にすることを回避できる。また、カゴ131内の乗員を不快にすることによって、広告主の企業イメージが低下することを回避できる。
【0139】
情報処理装置110が運行異常を検出した場合、検出した運行異常の種類によっては、パスワード602を表示せず、広告601に代えて、あらかじめ定められた情報を表示してもよい。具体的には、たとえば、台風による昇降路内への浸水を検出した場合、広告601に代えて、たとえば、『浸水による停電を想定し、エレベーターは最寄りの階に停止します。扉が開きましたら速やかにエレベーターから降りて、安全な場所に避難してください。』などの案内情報603を表示画面202に表示してもよい。なお、昇降路内への浸水は、たとえば、公知の浸水検知センサを用いて検知することができる。
【0140】
このような情報は、たとえば、エレベーター130が階床間で停止して利用者600がカゴ131内に閉じ込められるなどの運行異常以外の、少なくともあらかじめ定められた階床にカゴ131を停止させることが可能な状況において表示することがこのましい。をこれにより、オペレーターとの通話を待機するために利用者600の避難が遅れることを回避できる。
【0141】
案内情報603は、運行異常の発生にともなって、利用者600に案内される情報であって、想定される運行異常ごとに設定されていてもよく、運行異常が発生する都度、エレベーター管理会社から取得する、または、受信(配信)されるものであってもよい。想定される運行異常ごとにあらかじめ設定された案内情報603は、たとえば、情報処理装置110のメモリ402が記憶する。このように、検出された運行異常に応じた案内情報603を表示画面202に表示することにより、状況に応じた適切な対応を利用者600に促すことができる。
【0142】
また、案内情報603は、たとえば、想定される運行異常が階床と階床との間でのカゴ131の停止であれば、『ただ今、サービスマンが向かっております。ご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちください。』などのガイダンスメッセージによって実現することができる。また、たとえば、具体的に想定されない運行異常に対する案内情報603は、乗員に冷静になるように促すガイダンスメッセージによって実現してもよい。
【0143】
案内情報603は、ガイダンスメッセージ(文字)に限らず、エレベーターを管理する管理部門のオペレーターの画像によって実現してもよい。オペレーターの画像は、静止画であっても動画であってもよい。オペレーターの画像は、あらかじめ撮像(録画)されたものであってもよく、リアルタイムで撮像されるものであってもよい。
【0144】
また、オペレーターの画像は、広告601に代えて表示してもよく、あるいは、広告601に代えて該当するガイダンスメッセージを表示した後に、当該ガイダンスメッセージに代えて、表示画面202に表示してもよい。また、案内情報は、文字によって示されるガイダンスメッセージと、画像によって示されるガイダンスメッセージと、の両方を含む者であってもよい。さらに、案内情報603は、上記のように、音声ガイダンスを含むものであってもよい。
【0145】
また、表示画面202には、大規模な地震が発生した場合など、輻輳の発生が懸念される場合、通信がつながりにくい場合は、時間をおいてから再度通信を試みるように促すガイダンスメッセージを表示してもよい。これにより、利用者600の端末装置411の省電力化を図ることができる。また、これにより、スマートフォンの扱いに慣れていない利用者600が、通信を活用した救助要請を諦めてしまうことを回避し、利用者600の安全確保に寄与することができる。
【0146】
輻輳が発生している場合あるいは輻輳の発生が想定される場合、災害の規模やエレベーター協会が決めた復旧の優先順位などに基づき、第2の通信部507による通信状態を段階的に切り替えるようにしてもよい。具体的には、たとえば、復旧の優先順位が低いエレベーター130に設置された情報処理装置110ほど、第2の通信部507による通信機能を優先して有効状態とする。これにより、復旧の優先順位が低いために復旧が遅れるであろうエレベーター130に閉じ込められた利用者600に対しては、せめて通信環境は優先的に確保することができる。
【0147】
また、具体的には、たとえば、復旧の優先順位が高いエレベーター130に設置された情報処理装置110ほど、第2の通信部507による通信機能を優先して有効状態とするようにしてもよい。復旧の優先順位が高いということは、病院やサービス付き高齢者住宅などのように、災害弱者が多いことが想定されるため、復旧の優先順位が高い施設のエレベーター130における通信環境を早期に整えることによって、災害弱者の被害拡大を抑えることができる。
【0148】
(情報処理装置110の処理手順)
つぎに、情報処理装置110が実行する処理手順について説明する。
図7および
図8は、情報処理装置110が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0149】
図7のフローチャートにおいて、情報処理装置110は、ネットワーク101を介して、広告情報を受信したか否かを判断する(ステップS701)。そして、広告情報を受信するのを待って(ステップS701:No)、受信した場合(ステップS701:Yes)、受信した広告情報を、たとえばメモリ402に記憶する(ステップS702)。
【0150】
つぎに、広告開始時期になったか否かを判断する(ステップS703)。広告開始時期になったか否かの判断は、受信した広告情報に含まれる開始時期に関する情報に基づいておこなうことができる。また、他の広告情報との優先順位(この優先順位に関する情報も、広告情報に含まれていてもよい)に基づいて判断してもよい。
【0151】
ステップS703において、広告開始時期になるのを待ち(ステップS703:No)
、広告開始時期になった場合(ステップS703:Yes)、記憶部502に記憶されている広告情報に基づいて、表示画面202に広告を表示して(ステップS704)、一連の処理を終了する。
【0152】
ステップS704においては、あらかじめ設定された広告表示時間(たとえば、30秒)の間、表示画面202に広告601を表示する。広告表示時間は、たとえば、情報処理装置110またはエレベーターの管理者と、広告主との間の契約に基づいて設定される。同一の時間枠に、複数の広告主との契約が成立している場合、当該時間枠において該当する複数の広告を順次繰り返して表示する。広告が動画である場合、広告表示時間は、たとえば、当該動画の再生時間としてもよい。
【0153】
図8のフローチャートに示す処理は、表示画面202に広告601を表示している際におこなう。
図8のフローチャートにおいて、情報処理装置110は、エレベーターの運行異常を検出したか否かを判断する(ステップS801)。そして、エレベーターの運行異常を検出するのを待って(ステップS801:No)、当該運行異常を検出した場合(ステップS801:Yes)、表示画面202における広告601の表示を停止する(ステップS802)。
【0154】
つぎに、カゴ131が運転を停止したか否かを判断する(ステップS803)。ステップS803において、カゴ131が運転を停止した場合(ステップS803:Yes)、表示画面202にパスワード602や案内情報602を表示し(ステップS804)、第2の通信I/F405による通信機能を有効状態に切り替える(ステップS805)。
【0155】
ステップS804においては、たとえば、表示画面202における広告表示領域305に、パスワード602や案内情報602を表示する。あるいは、ステップS804においては、たとえば、表示画面202の全面に、パスワード602や案内情報602を表示してもよい。
【0156】
また、ステップS804においては、表示画面202におけるパスワード602や案内情報602の表示に加えて、「画面に表示されているパスワードを入力してください。本機をアクセスポイントとして外部と通信ができます。」などの音声を、スピーカー406から出力してもよい。これにより、表示画面202に表示されたパスワード602や案内情報602に気づかない利用者600などに対しても、情報処理装置110を介してエレベーター130の外部と通信ができることを確実に案内することができる。
【0157】
そして、エレベーター130が通常運行に復帰するまで(ステップS806:No)、第2の通信I/F405による通信機能を有効状態にして、リクエストのあった端末装置411と通信をおこなう。具体的には、たとえば、第2の通信I/F405による通信機能を有効状態にしている間は、端末装置411からのリクエストに応じて外部装置にリクエストを出力し、当該リクエストに応じて外部装置から受信したレスポンスを、該当する端末装置411に出力する。これにより、利用者600は、端末装置411は、平時には通信が難しいエレベーター130においても、確実に外部と通信をおこなうことができる。
【0158】
ステップS806において、エレベーター130が通常運行に復帰した場合(ステップS806:Yes)、広告601の表示を再開して(ステップS807)、一連の処理を終了する。なお、ステップS803において、カゴ131が運転を停止していない場合(ステップS803:No)、ステップS806に移行して、エレベーター130の通常運行への復帰を待機する。なお、カゴ131が運転を停止したか否かにかかわらず、エレベーターの運行異常を検出した場合は、表示画面202にパスワード602や案内情報60
2を表示するようにしてもよい。
【0159】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110は、エレベーター130のカゴ131に取り付けられ、エレベーター130の運行異常を検出する運行異常検出部506と、エレベーター130の外部の通信ネットワーク(ネットワーク101)を介して通信をおこなう第1の通信部501と、無線通信機能を備えた端末装置411とネットワーク101を介さずに無線通信をおこなう第2の通信部507と、第2の通信部507による端末装置411との通信状態を制御する制御部500と、を備え、制御部500が、検出部によってエレベーター130の運行異常が検出された場合、第2の通信部507による端末装置411との通信を可能とすることを特徴としている。
【0160】
この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、エレベーター130の運行異常が発生した場合に、ネットワーク101に接続された情報処理装置110と端末装置411との無線通信を可能とすることにより、情報処理装置110を無線LANスポットなどのアクセスポイントとして利用して、エレベーター130の外部と通信をおこなうことができる。
【0161】
これにより、エレベーター130の利用者600がカゴ131内に閉じ込められる、いわゆる「閉じ込め」が発生した場合に、当該利用者600が、自身が携行する端末装置411を操作してエレベーター130の外部と通信をおこない、エレベーター130の管理者に利用者の閉じ込めが発生していることを把握させたり、エレベーター130の外部についての情報を収集したりすることができる。
【0162】
また、利用者600は、自身が携行する端末装置411を用いて通信をおこなうことにより、通信先を任意に選択することができ、利用者600の知人と連絡を取ったり、自身が信頼するサイトを選んで情報を収集したりすることができる。これにより、利用者600が、不正確な情報に振り回されたり、いたずらに不安を増長させたりすることなく、エレベーター130の運転再開を待つことができる。
【0163】
また、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、情報処理装置110と端末装置411との無線通信を、エレベーター130の運行異常が検出された場合に制限することにより、たとえば、エレベーター130の通常運行時に、不特定多数の端末装置411が情報処理装置110をアクセスポイントとして共有することによって不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティ上の問題が生じることを回避できる。これにより、端末装置411の利用者の情報セキュリティの低下を抑制することができる。
【0164】
このように、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、利用者600の安全や安心の確保を支援し、利用者600の利便性の向上を図ることができる。
【0165】
上記のように、エレベーター130は、非常用のバッテリを備えているため、地震などの大規模な自然災害により停電した場合にも、当該非常用のバッテリを利用して情報処理装置110を長時間にわたって安定して動作させることができる。これにより、エレベーター130に設置された情報処理装置110は、非常時においても確実に動作することができ、利用者600の安全や安心の確保を支援し、利用者600の利便性の向上を図ることができる。
【0166】
また、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110は、制御部500が、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出されてから、当該エレベーター130の通常運行が開始されるまでの間、第2の通信部507による端末装置411との通信を可能とすることを特徴としている。
【0167】
この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、情報処理装置110と端末装置411との無線通信を、エレベーター130の運行異常が検出されてから、当該エレベーター130の通常運行が開始されるまでの間に制限する、すなわち、情報処理装置110をアクセスポイントとして利用する期間を限定することにより、端末装置411の利用者600の情報セキュリティを保つことができる。
【0168】
また、エレベーター130の通常運行時における無線通信を制限することにより、無線通信を目的とするエレベーター130の利用を抑制することができる。これにより、エレベーター130が設置された建物に用のない者が不当に建物内に立ち入ることをなくして、利用者600の安全や安心を確保し、利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0169】
また、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110は、カゴ131内に設けられた表示画面202と、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出された場合、第2の通信部507による端末装置411との通信を可能とするパスワード602を、表示画面202に表示する表示制御部503と、を備え、制御部500が、表示制御部503によって表示画面202に表示されたパスワード602が設定された端末装置411との通信を可能とすることを特徴としている。
【0170】
この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、情報処理装置110と無線通信をおこなう端末装置411を、パスワード602が設定された端末装置411に制限することにより、実際にカゴ131内の表示画面202を見てパスワード602を設定した利用者600が携行する端末装置411に制限することができる。これにより、閉じ込めが発生した場合に、カゴ131内の利用者600が携行する端末装置411が情報処理装置110と通信できる環境を優先的に確保することができる。
【0171】
また、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110は、表示制御部503が、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出された場合、前回表示したパスワード602とは異なるパスワード602を、表示画面202に表示するようにしてもよく、制御部500が、表示制御部503によって表示画面202に表示された最新のパスワード602が設定された端末装置411との通信を可能とするようにしてもよい。
【0172】
このような情報処理装置110によれば、前回表示したパスワード602とは異なるパスワード602を表示することにより、不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティ上の問題が生じることを効果的に回避できる。これにより、端末装置411の利用者600の情報セキュリティの低下を抑制することができる。
【0173】
また、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110は、表示制御部503が、運行異常検出部506によってエレベーター130の運行異常が検出されていない場合、表示画面202に広告を表示することを特徴としている。
【0174】
この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、エレベーター130の運行異常が検出されていない間に表示画面202に広告を表示することにより、利用者600の安全や安心の確保を支援しつつ、表示画面202を有効に活用することができ、利用者600の一層の利便性の向上を図ることができる。
【0175】
また、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110は、制御部500が、災害に起因するエレベーター130の運行異常が検出された場合、第2の通信部507による端末装置411との通信を可能とすることを特徴としている。
【0176】
この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、たとえば、自然災害などのように広範囲に影響を及ぼす災害により、屋外に設置された基地局が損壊するなどに起因して通信環境が悪化した場合に、情報処理装置110を無線アクセスポイントとして広く開放することができる。
【0177】
これにより、カゴ131内に閉じ込められた利用者にかかわらず、多くの利用者が、自身が携行する端末装置411を操作してエレベーター130の外部と通信をおこなうことができ、より多くの利用者の安全や安心を確保し、利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0178】
また、この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110は、無線通信が、Wi-Fiなどの、無線LAN(Local Area Network)規格にしたがった無線通信であることを特徴としている。
【0179】
この発明にかかる実施の形態の情報処理装置110によれば、スマートフォンなど、利用者600が携行する端末装置411に広く適用されている通信規格にしたがった通信をおこなうことにより、エレベーター130の運行異常が検出された際に、多くの利用者600の通信を可能とすることができる。これにより、利用者600の安全や安心の確保を支援し、利用者600の利便性の向上を図ることができる。
【0180】
なお、この実施の形態で説明した情報処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、USBメモリ、SSDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0181】
以上のように、この発明にかかる情報処理装置および情報処理プログラムは、エレベーターに設置される情報処理装置および当該情報処理装置が実行する情報処理プログラムに有用であり、特に、緊急時や非常時における利用者の安全や安心の確保を支援する情報処理装置および情報処理プログラムに適している。
【符号の説明】
【0182】
110 情報処理装置
120 遠隔監視サーバ
130 エレベーター
131 カゴ
202 表示画面
500 制御部
501 第1の通信部
502 記憶部
503 表示制御部
504 音声出力制御部
505 撮影部
506 運行異常検出部
507 第2の通信部