(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111333
(43)【公開日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240808BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/69
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024103250
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2020179924の分割
【原出願日】2020-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】芝宮 正和
(72)【発明者】
【氏名】柴田 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 祐樹
(57)【要約】
【課題】ユーザに付与すべき複数の景品を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに付与するタイプの抽選ゲームのプレイを促進することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、複数の選手カード54からユーザに付与すべき二以上の景品として基礎カード群G1を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともにユーザに付与するタイプの抽選ゲームを提供する。また、ゲームシステム1は、基礎カード群G1が特典条件を満たす場合に、特典が付加された特典付きカード群G2に基礎カード群G1を変更する。この変更は、例えば基礎カード群G1の一部を元の選手カード54よりも一つ価値の高い選手カード54に変更(置換)することにより実現される。そして、ゲームシステム1は、一回のプレイにおける抽選ゲームの結果として基礎カード群G1に替えて特典付きカード群G2をユーザに付与する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置、及び前記プレイ行為に応じてゲームを提供するための出力装置に接続され、複数の景品から前記ユーザに付与すべき二以上の景品として基礎景品群を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに前記ユーザに付与するタイプの抽選ゲームを、前記ゲームとして前記プレイ行為に応じて前記出力装置を介して前記ユーザに提供するゲームシステムであって、
前記基礎景品群が特典条件を満たす場合に、前記基礎景品群に特典が付加された特典付き景品群に前記基礎景品群を変更する景品変更手段と、
前記一回のプレイにおける前記抽選ゲームの結果として前記基礎景品群に替えて前記特典付き景品群を前記ユーザに付与する景品付与手段と、
を備える、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置、及びそのプレイ行為に応じてゲームを提供するための出力装置に接続され、複数の景品からユーザに付与すべき二以上の景品として基礎景品群を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともにそのユーザに付与するタイプの抽選ゲームをプレイ行為に応じて出力装置を介してユーザに提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置、及びそのプレイ行為に応じてゲームを提供するための出力装置に接続され、複数の景品からユーザに付与すべき二以上の景品として基礎景品群を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともにそのユーザに付与するタイプの抽選ゲームをプレイ行為に応じて出力装置を介してユーザに提供するゲームシステムが存在する。このような景品として、キャラクタ(ゲーム媒体)を利用するゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲームシステムでは、1回の通常ガチャ(通常媒体抽選)の要求により1体のキャラクタが決定される。また、同種のゲームとして、1回のプレイとして同種の通常ガチャを一度に複数回要求するプレイを許容する抽選ゲームも存在する。一回の抽選、及び複数回の抽選のいずれの抽選も所定の対価の消費(徴収)と引換に実行される場合が多いが、一般的に複数回の抽選には複数回分の対価(1回の対価×複数回)が当然要求される。一方で、このような抽選ゲームは特定のキャラクタ(景品)の獲得を目的に実行される場合も多い。このような場合、特定のキャラクタが獲得されてしまうとプレイの動機が失われ、抽選ゲームがプレイされなくなってしまう可能性が高い。このため、一度に複数回の抽選が要求される場合においてその途中で目的のキャラクタが獲得されるとそれ以降の抽選は無駄な抽選(対価の浪費)と捉えられてしまう可能性が高い。結果的に、効率の面から1回の抽選を目的のキャラクタが獲得できるまで継続するというプレイスタイルのユーザも多い。
【0005】
特許文献1のゲームシステムでは、1回の抽選において連続して同じキャラクタがユーザに付与された場合に特別ガチャの機会を付与するための追加抽選の権利が付与されているが、これは上述のような1回の抽選を多数実行するプレイスタイルが考慮されていると考えられる。抽選ゲームにおいて同じキャラクタが重複的に付与されるケースはデメリットと考えられる場合も多いが、特許文献1のゲームシステムでは追加抽選を利用してこのデメリットが低減されている。結果として、特許文献1のゲームシステムが予定している1回の抽選が多数実行される場合も含め、通常ガチャのプレイ自体は促進されるかもしれない。しかし、必ずしも1回の抽選よりも複数回の抽選を促進するものではない。一方で、複数回の抽選を一度に要求するタイプのプレイ、換言すれば複数回の抽選を通じて付与すべき複数の景品を決定し、それらを一度に付与するタイプのプレイは、1回の抽選が継続的に要求されるタイプのプレイに比べて、プレイが途中でやめられてしまうことがなく、複数の景品を決定するための複数回の抽選が確実に実行される。結果として、それに対応する対価等の面から、このタイプのプレイの方が好ましい場合も多い。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザに付与すべき複数の景品を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに付与するタイプの抽選ゲームのプレイを促進することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置、及び前記プレイ行為に応じてゲームを提供するための出力装置に接続され、複数の景品から前記ユーザに付与すべき二以上の景品として基礎景品群を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに前記ユーザに付与するタイプの抽選ゲームを、前記ゲームとして前記プレイ行為に応じて前記出力装置を介して前記ユーザに提供するゲームシステムであって、前記基礎景品群が特典条件を満たす場合に、前記基礎景品群に特典が付加された特典付き景品群に前記基礎景品群を変更する景品変更手段と、前記一回のプレイにおける前記抽選ゲームの結果として前記基礎景品群に替えて前記特典付き景品群を前記ユーザに付与する景品付与手段と、を備えるものである。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力装置及び前記出力装置に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置、及び前記プレイ行為に応じてゲームを提供するための出力装置に接続され、複数の景品から前記ユーザに付与すべき二以上の景品として基礎景品群を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに前記ユーザに付与するタイプの抽選ゲームを、前記ゲームとして前記プレイ行為に応じて前記出力装置を介して前記ユーザに提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記基礎景品群が特典条件を満たす場合に、前記基礎景品群に特典が付加された特典付き景品群に前記基礎景品群を変更する景品変更手順と、前記一回のプレイにおける前記抽選ゲームの結果として前記基礎景品群に替えて前記特典付き景品群を前記ユーザに付与する景品付与手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図2】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図4】一回のプレイにおいて複数回の抽選が実行される場合における特典条件、及 び特典の詳細を説明するための説明図。
【
図7】景品付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0012】
ゲーム機3として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置(例えば後述のユーザ端末装置4を含む)が利用されてよいが、
図1の例では商業用(業務用)のゲーム機が利用されている。商業用のゲーム機は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム機である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがあり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。
【0013】
ゲーム機3は、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム、或いはタイミングゲーム等の適宜のゲームを提供してよいが、一例としてシミュレーションゲームを提供する。また、ゲーム機3は、適宜にシミュレーションゲームを提供してよいが、一例としてカードゲーム形式でシュミレーションゲームを提供する。このため、ゲーム機3は、各種のカードをプレイに使用するカードゲーム機として構成される。同様に、ゲーム機3は、各種のシュミレーションゲームを提供してよいが、例えば各選手(キャラクタ)への指示や育成等を通じて監督としての役割をシミュレーションする野球ゲームを提供する。具体的には、この野球ゲームは、各選手に対応するカード(以下、選手カード)を利用し、各選手カードに対応する選手をゲーム中に再現しつつ、育成するゲームとして構成される。
【0014】
また、ゲーム機は、野球ゲームの一部として、或いは野球ゲームとは別のゲームとして、適宜に抽選ゲームを提供する。つまり、ゲーム機は、野球ゲームに付随するゲームとして、或いは野球ゲームとは別の独立したゲームとして抽選ゲームも提供する。例えば抽選ゲームは、所定のプレイ料金(対価)の消費と引換に野球ゲームがプレイされた場合にその一部として(例えばプレイの最後等において)追加的な対価の消費不要にプレイされてもよい。この場合、抽選ゲームは無償のゲームと把握されてもよいし、その対価が野球ゲームのプレイ料金が含んでいると把握されてもよい。あるいは、野球ゲームとは別のゲームとして、抽選ゲームには野球ゲーム用のプレイ料金の消費とは別の対価の消費が要求されてもよい。この場合において、その対価は抽選ゲームのプレイのための対価として機能してもよいし、景品付与のための対価として機能してもよい。つまり、抽選ゲームのプレイのために所定の対価が別途要求されてもよいし、抽選ゲーム(無償でも有償でもよい)によって付与対象として決定された景品を取得するために所定の対価が別途要求されてもよい。同様に、抽選ゲームは景品の残数等の各種条件に応じて設定される期間限定のイベントとして提供されてもよいし、残数等なく常時提供されてもよい。あるいは、常時提供される場合でも、景品の変更等の目的のために景品毎に適宜の残数等が設定されてもよい。さらに、抽選ゲームの景品として、各種の景品が利用されてよく、野球ゲームと関連していても、関連していなくてもよい。抽選ゲームの詳細は後述する。
【0015】
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0016】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0017】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3にゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
【0018】
次に、
図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0019】
記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、ユーザに野球ゲーム等(以下、抽選ゲームが野球ゲームの一部として機能する場合を含め、抽選ゲーム及び野球ゲームを代表してゲームと呼ぶ場合がある)を含む各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部23には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、ゲーム用の各種のデータを含み得るが、このようなデータとして
図2の例ではプレイデータ25及び抽選データ26が示されている。
【0020】
プレイデータ25は、ゲームのプレイに関する各種実績をユーザ毎に管理するためのデータである。プレイデータ25は、そのような各種実績を次回以降に引き継ぐために使用される。抽選データ26は、抽選ゲーム用の各種景品を管理するためのデータである。抽選データ26では、例えば景品の種類、当選数、残数、当選率といった各景品に関連する各種情報が管理される。プレイデータ25、及び抽選データ26の詳細は後述する。なお、サーバ用データSDは、例えばその他にもユーザID等の各種IDを管理するIDデータ、或いは野球ゲームに登場する各選手(キャラクタ)のパラメータを管理するためのパラメータデータ等をゲーム用のデータとして適宜に含んでいてよい。
【0021】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、サービス提供部24が設けられる。サービス提供部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0022】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム提供部33が設けられる。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の処理、或いはゲーム機用サービスの享受に必要な各種の処理(ゲームの進行に必要な処理を含む)を実行する。このような処理には、抽選ゲームを提供するための処理が含まれる。例えば、ゲーム提供部33は、このような処理として景品付与処理を実行する。景品付与処理の手順の詳細は後述する。
【0023】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、
図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPG2に従ってユーザにゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、ゲーム用の各種のデータを適宜に含んでいてよいが、
図2の例ではプレイデータ25、及び抽選データ26が示されている。プレイデータ25、及び抽選データ26は、必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。なお、ゲームデータGDは、例えばその他にもゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータ、上述のIDデータ、或いはパラメータデータ等の各種のデータをゲーム用のデータとして適宜に含んでいてよい。
【0024】
また、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、このような出力装置として
図2の例ではモニタMO、及びプリンタ38が設けられている。モニタ11は、ゲームを提供するためのゲーム画面を表示する周知の表示装置である。プリンタ38は、制御ユニット31からの出力信号に基づいて、画像、各種コード等の記号、或いは文字等を印刷するための周知の出力装置である。ゲーム機3は、このようなプリンタ38を介して印刷によりカード39を生成(排出)するように構成されている。これらのモニタMO、及びプリンタ38の両方等が適宜に本発明の出力装置として機能してもよいが、一例としてモニタMOが本発明の出力装置として機能する。
【0025】
一方、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な入力装置として、
図2の例ではリーダ36、及びタッチパネルTPが設けられている。リーダ36は、ユーザが所持するカード39から情報を取得するための周知の装置である。リーダ36として、ICチップ等の電子的記録媒体に記録された情報を各種の近距離無線通信規格を通じて受信するための受信機等の各種の装置がカード39への情報の記録方法に応じて適宜に利用されてよいが、一例としてカメラが利用される。同様に、カード39には、ICチップ等の適宜の方法で情報が記録されてよいが、一例として所定の規則に従って生成されたコード(パターン)を介して記録される。カメラは、そのようなコードを介して(それを読み取ることにより)そのコードに含まれる情報を取得するリーダ36である。
【0026】
例えば、カード39として選手カードがリーダ36を介して読み取られる場合、そのようなカード39には各選手を定義するパラメータを特定するための各種の情報が記録される。このような情報として、カード39にはパラメータの情報自体、或いはそのようなパラメータを特定するための各種の間接的情報等の適宜の情報が記録され得るが、一例としてカード39毎にユニークなカードIDの情報(間接的情報の一例)が記録される。そして、各選手のパラメータは、カードID毎に各選手のパラメータを管理するパラメータデータによって特定される。カード39がユーザIDの情報を記録するIDカード等の場合も同様である。リーダ36(カメラ)は、このようなカード39の情報の取得(読み取り)に使用される。
【0027】
次に、
図3及び
図4を参照して、抽選ゲームの詳細について説明する。抽選ゲームは音声等の適宜の手法により実現されてよいが、一例として抽選画面を通じて提供される。つまり、抽選画面を表示するモニタMOが抽選ゲームを提供するための出力装置として使用される。抽選画面は、抽選ゲームのプレイの機会をユーザに付与するためのゲーム画面の一種である。抽選ゲームは、このような抽選画面を通じて上述のように適宜に提供されてよい。例えば、抽選ゲームは野球ゲーム用のプレイ料金の支払いに伴い野球ゲームの一部として提供されてもよいし、野球ゲームとは別のゲームとして別の対価の消費と引換に提供されてもよい。以下では、プレイ料金とは別の対価(抽選ゲーム用のプレイ料金)の支払いと引換に表示される抽選画面を通じて、野球ゲームで使用される各選手(あるいは選手カード)を各景品として利用する抽選ゲームが期間限定(残数限定)のイベントとして提供される場合について説明する。
【0028】
図3は、抽選画面の一例を模式的に示す図である。
図3に示すように、抽選画面50は、指示入力領域51、景品提示領域52、及び参考情報領域53を含んでいる。指示入力領域51は、抽選(抽選ゲームのプレイ)の実行を指示する操作を入力するための領域である。指示入力領域51には、抽選の指示に関連する適宜の選択肢、或いは各種の情報が表示されてよいが、
図3の例では実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bが表示されている。実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bは、いずれもユーザのタッチ操作が実行されるべき範囲を示している。具体的には、実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bは、抽選の実行が指示される場合、及び抽選の中止が指示される場合に、それぞれ選択(タッチ操作)される選択肢(範囲)である。つまり、実行選択肢51Aの選択(そこへのタッチ操作)に伴い実際に抽選が、中止選択肢51Bの選択に伴い抽選(あるいは抽選ゲーム)の中止が、それぞれ実行される。実行選択肢51A、及び中止選択肢51Bにも適宜の情報が表示されてよいが、一例として抽選実行を意図する“チャレンジする”、及び抽選中止を意図する“しない”の情報が表示されている。この例において、実行選択肢51Aへのタッチ操作が本発明のプレイ行為として機能する。
【0029】
景品提示領域52は、抽選によって獲得され得る景品に関する情報を表示するための領域である。景品提示領域52には、景品に関する適宜の情報が表示されてよいが、抽選の回数を示す回数情報(“5回抽選!”)、及びカード画像54が表示されている。抽選ゲームでは適宜の数の抽選が実行されてよい。例えば、一回分の抽選の対価と引換に一回の抽選が一回のプレイとして提供されてもよいし、複数回分の抽選の対価と引換に複数回の抽選が一回のプレイとして提供されてもよい(あるいは、景品の付与と引換に対価が消費される場合にはその引換対象の景品を決定するための一回、或いは複数回の抽選が一回のプレイとして機能してもよい)。つまり、一回のプレイにおいてユーザに付与すべき景品(一つ或いは二つ等の適宜に数であってよい)を一回の抽選によって決定するとともにユーザに付与するタイプのゲームとしてプレイされてもよいし、ユーザに付与すべき二以上の景品を複数の抽選(各抽選によって一つずつ景品が抽選されてもよいし、二つ等の適宜の数ずつ景品が抽選されてもよい)によって決定するとともにユーザに付与するタイプのゲームとしてプレイされてもよい。
【0030】
また、抽選回数の数も適宜に決定されてよいが、一例として一つずつ景品を決定する抽選の抽選回数がユーザの選択に応じて決定される。さらに、抽選回数を決定するためのユーザの選択も適宜に実行されてよく、例えば任意の抽選回数がユーザによって入力(要求)されてもよいが、一例として1回、5回、10回といった抽選回数を示す選択肢(この選択肢に対応する抽選回数の単位、つまり選択肢を通じて一度に要求される抽選回数が一回のプレイとして機能してもよい)を提供する回数選択画面(不図示)が抽選画面の前に別途表示され、その回数選択画面におけるそれらの選択肢への選択を通じて決定される。この場合、ユーザには、選択肢(抽選回数)に応じた対価が要求され、その対価の支払いと引換に抽選画面50が提示される。
【0031】
一方、カード画像54は、各種選手カードを示す画像である。カード画像54(以下、選手カード54と呼ぶ場合がある)は、各選手のパラメータ等の適宜の情報を含み得るが、
図3の例では選手画像CIを含んでいる。また、このようなカード画像54として、各景品に対応する選手カード(選手、或いはキャラクタ)の画像のみが表示されてもよいが、一例として景品の選手カード(以下、景品選手カードと呼ぶ場合がある)と、その選手カードと同様の選手に対応する通常の選手カード(以下、通常選手カードと呼ぶ場合がある)とにそれぞれ対応する二つのカード画像54が景品毎に表示される。つまり、景品提示領域52には、景品選手カード(景品)と通常選手カードとが対比され、その価値が把握されやすいように、景品選手カードに対応するカード画像54(以下、景品選手カード54と呼ぶ場合がある)及びそれと同様の選手の通常選手カードに対応するカード画像54(以下、通常選手カード54と呼ぶ場合がある)の両方が景品毎に表示される。
【0032】
具体的には、
図3の例では、通常選手カード54として第1通常選手カード54A及び第2通常選手カード54Dの二つ(いずれもリボンのない選手画像CI)が、景品選手カード54として第1景品選手カード54B及び第2景品選手カード54Cの二つ(いずれもリボンのある選手画像CI)が、それぞれ表示されている。第1通常選手カード54A及び第2通常選手カード54Dは、第1景品選手カード54B及び第2景品選手カード54Cにそれぞれ対応する通常選手カード54として機能している。つまり、景品として第1景品選手カード54B及び第2景品選手カード54Cにそれぞれ対応する二種類の景品選手カード54(キャラクタ)が用意されている。
【0033】
第1景品選手カード54Bは、第1通常選手カード54Aと同じ選手に対応するものの、各種パラメータが第1通常選手カード54Aよりも有利に設定されていたり珍しい選手画像CI(例えばリボン付き)が表示されたりしている。結果として、第1景品選手カード54Bは、第1通常選手カード54Aよりも価値が高く、入手確率(ユーザが入手できる確率)も第1通常選手カード54Aより低く設定される。第2景品選手カード54Cと第2通常選手カード54Dとの関係も同様である。一方、第1景品選手カード54Bと第2景品選手カード54Cとの間の価値は同程度でもよいが、一例として第2景品選手カード54Cの価値の方が高く設定される。例えば、第2景品選手カード54Cには、第1景品選手カード54Bより各種パラメータの程度が高く設定されたり入手確率が低く設定されたりする。同様に、抽選ゲームには外れ(付与対象なし)が設定されていてもよいが、一例として景品提示領域52に提示される四枚の選手カード54のいずれかが一回の抽選において必ず抽選される(例えば外れの場合に通常選手カード54が付与されてもよい)。つまり、抽選ゲームには互いに価値の相違する四枚の選手カード54が景品として用意され、それらのいずれかが抽選毎に決定される。この例において、四枚の選手カード54が本発明の複数の景品として機能する。
【0034】
参考情報領域53は、抽選ゲームに関連する各種の参考情報を表示するための領域である。このような参考情報として適宜の情報が利用されてよいが、
図3の例では景品の残数の情報が利用されている。つまり、参考情報領域53には、参考情報として第1景品選手カード54B及び第2景品選手カード54Cにそれぞれ対応する二種類の景品選手カード54の残数の情報が表示されている。具体的には、参考情報領域53は、二種類の景品選手カード54にそれぞれ対応する第1景品選手カード54B及び第2景品選手カード54Cが表示される。そして、それらの下には、それぞれの残数を示す数値情報(いずれも同じ残数を示す“1111”)が表示される。抽選ゲームが残数限定のイベントとして提供される場合、このように参考情報領域53には景品の残数の情報が提示される。一例として、このような抽選画面50を通じて抽選ゲームは提供される。
【0035】
抽選ゲームでは、上述のように適宜の数の抽選が実行されてよいが、一回のプレイにおいて複数回の抽選が実行される場合には特典が付与される可能性がある。つまり、抽選ゲームは、ユーザが複数の選手カード54をそれぞれ決定するための複数回(例えば
図3の例の5回等)の抽選を実行(選択)する場合に一つの選手カード54を決定するための一回の抽選を実行(選択)する場合には付与されない特典を特典条件に基づいて付与するように構成される。特典条件として、複数回の抽選をプレイしたプレイ回数の累積数、連続数、或いはプレイに投じた対価の額等の適宜の条件が利用されてよいが、一例として一回のプレイにおける複数回の抽選の抽選結果が利用される。具体的には、複数回の抽選においてそれらの抽選結果が特典条件を満たす場合にユーザには特典が付与される。
【0036】
また、特典条件として、例えば特定の選手カードが抽選された場合に満たされる条件、所定の選手カードの組み合わせが抽選された場合に満たされる条件、同じ属性(例えば守備、野手、投手、チーム等の適宜の属性でよい)の選手カードが重複した場合に満たされる条件、或いは同じ選手カードが重複した(例えば
図3の例の第1通常選手カード54Aが二枚抽選された)場合に満たされる条件が採用されてよい。あるいは、例えば同じ選手に対応する異なる選手カードが存在する(同じ選手に対応するものの、画像やパラメータ等の異なる選手カード。このような選手カードは、例えばシーズン等の適宜の時期毎等の適宜の条件で発行されてよい。)ときにおいて、そのような同じ選手の選手カードが重複した場合に満たされる条件等が特典条件として採用されてもよい。このように適宜の条件が特典条件として採用されてよいが、一例として同程度の価値の選手カード(例えば
図3の例の第1通常選手カード54A及び第2通常選手カード54D)が複数枚抽選された場合に満たされる条件が採用される。つまり、特典条件は、抽選ゲームの一回のプレイとして実行される複数回の抽選において同程度の価値の選手カードが重複的に抽選された(つまり、例えば
図3の例の第1通常選手カード54A及び第2通常選手カード54Dが一枚ずつ抽選された)場合に満たされる。
【0037】
同様に、特典条件が満たされた場合の特典として、選手カードとは別の特別な景品等が適宜に利用されてよいが、例えば重複した選手カードとは別の選手カードが利用される。このような別の選手カードとして、重複した選手カードと同様の価値の更に別の選手カード(景品外の選手カードでもよいし、重複した選手カードの選手と別の選手でも同じ選手に対応する異なる選手カードでもよい)等の適宜の選手カードが利用されてよいが、例えば重複した選手カードよりも価値の高い選手カード(以下、特典選手カードと呼ぶ場合がある)が利用される。また、例えば同じ選手に対応する選手カードの重複によりその同じ選手の重複した選手カードよりも価値の高い選手カード等、重複した選手カードよりも価値の高い適宜の選手カードが特典として利用されてよいが、一例として同じ選手に限定されず、重複した選手カードよりも価値の高い適宜の選手カード(一つ上、或いは二つ上、等の適宜に価値の高い選手カード)が特典として利用される。具体的には、例えば、
図3の例であれば、第2通常選手カード54Dの重複に伴い、それよりも一つ価値の高い第1景品選手カード54Bの景品選手カード54が特典として付与される。さらに、特典選手カードは、追加的に(重複した選手カードとは別に)付与されてもよいし、重複した選手カードの一部(例えばそれらの一枚、或いは二枚等の適宜の数)の変化により付与されてもよいが、一例として重複した選手カードの一枚が特典選手カードに変化することにより付与される。以下では、一例として、このような特典条件、及び特典が利用される場合について説明する。
【0038】
図4は、一回のプレイにおいて複数回の抽選が実行される場合における特典条件、及び特典の詳細を説明するための説明図である。
図4の例は、
図3の例において一回のプレイとして5回の抽選が実行された場合における抽選結果と実際に付与される選手カード54との関係を示している。また、
図3の例では四枚の選手カード54が景品として利用されているが、
図4の例ではそれらが価値の高い順にノーマル系の選手カード54N(以下、N系選手カード54Nと呼ぶ場合がある)、レア系の選手カード54R(以下、R系選手カード54Rと呼ぶ場合がある)、及びスーパーレア系の選手カード54S(以下、SR系選手カード54Sと呼ぶ場合がある)として示されている。例えば、
図3の例の第1通常選手カード54A及び第2通常選手カード54DがN系選手カード54Nとして、第1景品選手カード54BがR系選手カード54Rとして、第2景品選手カード54CがSR系選手カード54Sとして、それぞれ機能する。
【0039】
図4に示すように、例えば5回の抽選結果としてそれらの抽選結果にそれぞれ対応する五枚の選手カード群G1(以下、基礎カード群G1と呼ぶ場合がある)が決定され、その基礎カード群G1に同じ価値の選手カード54(例えば
図3の例の第1通常選手カード54A)が重複的に二枚含まれる場合には、特典条件が満たされ、それらの重複の一枚が特典として一つ上の価値の選手カード54(例えば
図3の例の第1景品選手カード54B)に変更される。さらに、その5回の抽選結果として同じ価値の選手カード54が重複的に三枚抽選された場合には、再度特典条件が満たされ、それらの三枚のうちの一枚が特典として二つ上の価値の選手カード54(例えば
図3の例の第2景品選手カード54C)に変更される。結果として、基礎カード群G1は、当初の抽選結果から二枚の選手カード54が置換され、当初の選手カード54とは組み合わせの異なる別の五枚の選手カード群G2(以下、特典付きカード群G2と呼ぶ場合がある)に変更される。そして、本来(特典条件が満たされない場合)、抽選結果に対応する基礎カード群G1が付与対象として付与されるべきところ、実際にはその特典付きカード群G2が付与対象として基礎カード群G1に替えてユーザに付与される。
【0040】
具体的には、
図4の例では1回目~5回目までの抽選結果にそれぞれ対応するN系選手カード54N、N系選手カード54N、R系選手カード54R、R系選手カード54R、及びN系選手カード54Nの5枚の選手カード54が順に付与候補として抽選で決定されている。この場合、まず1回目及び2回目の抽選結果においてN系選手カード54Nが重複する。このため、これらのN系選手カード54N(抽選結果)が特典条件を満たし、その特典として二枚のうちの一枚のN系選手カード54Nがそれよりも一つ価値の高いR系選手カード54Rに変更(置換)される。この場合において、二枚のN系選手カード54Nのうち、いずれがR系選手カード54Rに変更されてもよいが、一例として後の抽選結果(2回目の抽選結果)に対応するN系選手カード54NがR系選手カード54Rに変更される。
【0041】
また、
図4の例では3回目及び4回目の抽選結果においてR系選手カード54Rが重複している。特典条件の対象は、一番価値の低い選手カード54(例えばN系選手カード54N)等の一部(特定)の選手カード54に限定されてもよいし、全選手カード54が特典条件の対象であってもよい(この場合、最上位の価値を持つ選手カード54が特典条件を満たした場合には例えば選手カード54とは別の特典が付与されてもよい)。つまり、特典条件の対象は適宜に設定されてよいが、一例として最上位の価値を持つ選手カード54(例えばSR系選手カード54S)以外の選手カード54が特典条件の対象として設定される。このため、3回目及び4回目の抽選結果にそれぞれ対応する二枚のR系選手カード54Rのうち、一方(一例として4回目の抽選結果)がそれよりも一つ価値の高いSR系選手カード54Sに変更(置換)される。
【0042】
さらに、
図4の例では5回目の抽選でもN系選手カード54Nが付与候補として決定されている。この場合において、特典条件は、特典条件に基づく変更前の重複に基づいて判別されても、変更後(未変更のものを含む)の重複に基づいて判別されてもよい。また、変更後の重複に基づいて特典条件が判別される場合、既に特典条件の判別に考慮された選手カード54は以降において特典条件の判別対象から除外されてもよいし、以降でも特典条件の判別対象として考慮されてもよい。例えば2回目のN系選手カード54NのR系選手カード54Rへの変更において重複とカウントされた1回目のN系選手カード54Nは、以降においても重複とカウントされてもよいし、カウントされてなくてもよい。具体的には、5回目の抽選結果に対応するN系選手カード54Nは、変更前の重複数のカウントにおいて二枚目の重複とカウントされても、三枚目の重複とカウントされてもよい。換言すれば、重複数のカウントは特典条件が満たされる毎にゼロにリセットされてもよいし、されなくてもよい。同様に、例えば変更後の重複がカウントされる場合において、2回目の抽選結果に対応する変更後のR系選手カード54Rと3回目に抽選されたR系選手カード54R(未変更のもの)との重複により3回目に抽選されたR系選手カード54RがSR系選手カード54Sに変更される一方で、4回目のR系選手カード54R及び5回目のN系選手カード54Nはいずれも一枚目とカウントされてもよい。さらに、特典条件の重複は一定数毎に判別されてもよいし、累積的に判別されてもよい。累積的に判別される場合には、重複数に応じて(例えば累積数に応じて価値が高くなるように)特典の価値が変化してもよい。このように選手カード54の重複は特典条件において適宜にカウントされてよいが、一例として特典条件に基づく変化前の重複数が累積的にカウントされる。
【0043】
具体的には、変更前の抽選結果で見た場合、N系選手カード54Nは1回目、2回目、及び3回目の抽選結果において三枚重複している。この場合、N系選手カード54Nの三枚の重複に伴い、二枚の場合よりも価値の高いSR系選手カード54Sが特典として付加される。この特典の付加は、二枚の重複に伴い変化したR系選手カード54Rに生じてもよいし、三枚目のN系選手カード54Nに生じてもよい。つまり、三枚の重複に伴い、その累積数に応じたSR系選手カード54Sへの一つの変化が二枚目のN系選手カード54Nに生じてもよい(この場合、三枚目のN系選手カード54Nはそのまま残ってよい)し、二枚の重複によるR系選手カード54Rへの変化及び三枚の重複によるSR系選手カード54Sへの変化の二つの変化がそれぞれ二枚目及び三枚目のN系選手カード54Nに生じてもよい。
【0044】
上述のように、三枚の重複に伴う特典の付加は適宜に実現されてよいが、一例として、N系選手カード54Nの二枚の重複にともない、二枚目のN系選手カード54NがR系選手カード54Rに変更(置換)される一方で、三枚目の重複に伴い、三枚目のN系選手カード54NがSR系選手カード54Sに変更(置換)される。つまり、N系選手カード54Nの重複が所定数(二枚)を超えた場合には、R系選手カード54Rへの変化ではなく、それよりも更に一つ価値の高い(N系選手カード54Nから見ると二つ価値の高い)SR系選手カード54Sへの変化が特典として付加される。
【0045】
そして、ユーザには、これらの特典条件に基づく変更後の選手カード54が付与される。つまり、抽選結果に対応する基礎カード群G1(三枚のN系選手カード54N及び二枚のR系選手カード54R)ではなく、それに特典(適宜の選手カード54の置換)が付加された特典付きカード群G2が付与対象としてユーザに付与される。具体的には、一枚のN系選手カード54N、二枚のR系選手カード54R、及び二枚のSR系選手カード54Sが抽選結果に対応する付与対象として実際にユーザに付与される。結果として、5回の抽選結果に対応する付与対象は、抽選結果に対応する本来の五枚の選手カード54(基礎カード群G1)よりもかなり価値が高くなっている。一例として、抽選ゲームは、このように複数回の抽選が実行される場合、特典条件に基づく特典により一回だけの抽選が実行される場合よりも、それもその数が多くなればなるほど有利な結果を得る確率が高くなるように構成される。
【0046】
図4の例において抽選結果に対応する基礎カード群G1(三枚のN系選手カード54N及び二枚のR系選手カード54R)が本発明の基礎景品群(二以上の景品)として機能する。また、特典付きカード群G2(一枚のN系選手カード54N、二枚のR系選手カード54R、及び二枚のSR系選手カード54S)が本発明の特典付き景品群として機能する。さらに、N系選手カード54N、R系選手カード54R、及びSR系選手カード54Sが本発明の第1景品、第2景品、及び第3景品としてそれぞれ機能する。同様に、抽選結果に対応する二枚のR系選手カード54Rが本発明の複数の第2景品及び二以上の第2景品として機能する。一方、例えば特典条件が満たされた場合の特典として重複した選手カード54の置換ではなく、景品選手カード54が追加的に付加される場合、
図4の例では一枚のR系選手カード54R及び二枚のSR系選手カード54Sが特典として基礎カード群G1に追加的に付加される。この場合、基礎カード群G1及びそこに追加される三枚の景品選手カード54(一枚のR系選手カード54R及び二枚のSR系選手カード54S)が特典付きカード群G2として機能するが、このような特典付きカード群G2が同様に本発明の特典付き景品群として機能する。
【0047】
なお、抽選ゲームを通じて付与対象として決定された景品選手カード54は、プリンタ38を通じてカード39(物理的な景品)として印刷されて付与されてもよいし、プレイデータ25等の適宜のデータを通じて電子的な景品として付与されてもよい。また、電子的に景品選手カードが付与される場合であっても、事後において適宜にカード39として生成されてよい。また、ユーザに実際に付与される選手カード54は、ユーザの選択等に伴い複数の付与対象の一部だけであってもよい。
【0048】
次に、プレイデータ25、及び抽選データ26の詳細について説明する。
図5は、プレイデータ25の構成の一例を示す図である。
図5の例は、抽選ゲームに基づく選手カード54の付与がプレイに関する実績の一部としてプレイデータ25を通じて管理される場合のプレイデータ25を示している。
図5に示すように、プレイデータ25は、ゲームのプレイに関する実績をユーザ毎に管理するためのプレイレコード25Rを含んでいる。また、プレイレコード25Rは、このような管理を実現するために、ゲームの実績に関する各種の情報を含み得るが、
図5の例では“ユーザID”、“日時”、“カード”、“キャラクタ”、及び“パラメータ”の情報を含んでいる。
【0049】
“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザIDを示す情報である。“日時”は、ゲームをプレイした日時を示す情報である。“カード”は、各ユーザが所有する選手カード54を特定するための情報である。“カード”には、各選手カード54を特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、一例としてカードIDの情報が記述される。カードIDは、各選手カード54を識別するために選手カード54毎にユニークな情報である。例えば、抽選ゲームを通じて五枚の選手カード54が付与される場合、抽選ゲームの実績としてそこで付与された各選手カード54に対応するカードIDの情報が“カード”に記述される。
【0050】
“キャラクタ”は、各選手カード54の選手(キャラクタ)を特定するための情報である。“キャラクタ”には、各選手を特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、一例としてキャラクタIDの情報が記述される。キャラクタIDは、各キャラクタを識別するためにキャラクタ(選手)毎にユニークな情報である。キャラクタIDは選手の管理の都合等により適宜の範囲でユニークに付与されてよく、例えば同じ選手であってもレアリティ(価値)の相違する複数の種類が存在する場合、それらは別々のキャラクタとしてキャラクタIDが付与されてもよい。“パラメータ”は、各選手(選手カード54)のパラメータを示す情報である。“パラメータ”では適宜の各選手のパラメータが管理されてよいが、一例としてゲームのプレイを通じて変化した変化分のパラメータが“パラメータ”の情報として記述され、初期値(全ユーザに共通)は別途パラメータデータ等を通じて管理される。そして、各選手のパラメータは、パラメータデータ及びプレイデータ25の“パラメータ”の情報の組み合わせにより特定される。プレイレコード25Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0051】
なお、上述のようにプレイデータ25では各種の実績が適宜に管理されてよく、
図5の例が示す情報以外の情報が適宜に管理されてもよい。あるいは、
図5の例の情報の管理が適宜に省略されてもよい。例えば、ユーザID及びキャラクタIDによって各選手カード54に対応するパラメータの特定が可能な場合は“カード”の情報が省略されてもよい。同様に、ゲームのプレイに基づく変化分がパラメータデータ等の別のデータを介して管理される場合、“パラメータ”の情報が省略されてもよい。あるいは、例えばカードIDに対応するキャラクタID等、適宜の対応関係が別のデータとして把握される場合、そのようなキャラクタID等の別のデータで管理される適宜の情報はプレイデータ25の一部として把握されなくてもよい。換言すれば、プレイデータ25は、このようなキャラクタID等の情報を直接含んでいなくてもよい。
【0052】
図6は、抽選データ26の構成の一例を示す図である。
図6の例は、抽選ゲームが期間限定(景品の残数がゼロになった場合に終了する)のイベントとして提供される場合の抽選データ26を示している。この場合、
図6に示すように、抽選データ26は、景品の残数をその景品を付与する抽選ゲーム毎(期間限定のイベント毎)に管理する抽選レコード26Rを含んでいる。また、抽選レコード26Rは、このような管理を実現するために、“抽選ID”、“景品”、“残数”、“当選数”、及び“当選率”の情報を含んでいる。
【0053】
“抽選ID”は、イベントとして提供される各抽選ゲームを識別するために抽選ゲーム(イベント)毎にユニークな抽選IDを示す情報である。“景品”は、抽選ゲームの景品を特定するための情報である。“景品”には抽選ゲーム用の景品を特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、例えば抽選ゲーム用に複数種類の景品が用意される場合、景品毎にユニークな景品IDの情報が記述される。具体的には、例えば第1景品選手カード54B及び第2景品選手カード54Cが景品として利用される場合、これらの二種類に選手カード54(景品)の選手にそれぞれ対応する二つのカードIDを示す情報が“景品”に記述される。
【0054】
“残数”、及び“当選数”は、景品(複数種類存在する場合は種類毎)の残数、及び当選数(当選実績)をそれぞれ示す情報である。“残数”の情報には、特典条件に基づく特典としての付与が反映されなくてもよい(換言すれば特典として第1景品選手カード54B等が付与されてもその残数は減少せずに、それらが抽選に基づいて付与された場合にのみ減少してもよい)が、一例として反映される。つまり、特典条件に基づく特典として第1景品選手カード54等が付与された場合でも、その残数は減少する。同様に、“当選率”は景品(複数種類存在する場合は種類毎)の当選率(当選する確率。この情報はレアリティを示す情報として機能してもよい)を示す情報である。“当選率”には、特典条件に基づく変化が考慮された確率(特典条件に基づく出現数も考慮され、その出現数に応じて抽選ゲームにおける当選確率が調整されるべき目標の出現率)の情報が記述されてもよいが、一例として抽選ゲームにおける抽選において当選する確率(換言すれば特典条件に基づく変化により付与される数が除外された出現率)の情報が記述される。抽選レコード26Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0055】
なお、抽選データ26は、これらに限定されず、抽選ゲームの特性等の各種の条件に応じて適宜の情報を含んでいてよい。あるいは、これらの情報は適宜に省略されてもよい。例えば、抽選ゲームがイベントではなく、野球ゲームの一部等として常時提供される場合、換言すれば一つの抽選ゲームだけが提供される場合、“抽選ID”の情報は省略されてもよい。同様に、例えば景品に残数が設定されない場合、“残数”の情報は省略されてもよい。あるいは、プレイデータ25と同様に、例えば景品に対応する残数等、適宜の対応関係が別のデータとして把握される場合、そのような別のデータで管理される適宜の情報は抽選データ26の一部として把握されなくてもよい。換言すれば、抽選データ26は、このような別のデータで管理される情報を直接含んでいなくてもよい。
【0056】
次に、
図7を参照して、景品付与処理の手順の詳細について説明する。景品付与処理は、抽選ゲームを実現するための処理である。具体的には、景品付与処理は、一回のプレイにおいて複数回の抽選が実行される場合に特典条件に基づく特典の付与を実現しつつ、その抽選結果に対応する景品をユーザに付与するための処理である。また、抽選結果は、複数回の抽選の全部が終了したときに全部が一度に提示されても、抽選毎に一つずつ提示されてもよい。また、抽選結果は、特典条件に基づく変更後のものが提示されてもよいし、変更前のものが提示され、そこから特典条件に基づく変更が付与されてもよい。このように抽選結果は、適宜に提示されてよいが、
図7の例は抽選毎に抽選結果が一つずつ提示され、そこから特典条件に基づく変更が随時(例えば同程度の選手カード54の重複が生じたときに)付与される場合を示している。
【0057】
図7の例の場合、ゲーム提供部33は、一回のプレイとして複数回の抽選の実行が指示される(例えば複数の抽選回数が選択され、
図3の例の“チャレンジする”が選択される)毎に
図7の景品付与処理を開始し、まず一つの景品(選手カード54)を決定するための抽選を実行する(ステップS101)。ゲーム提供部33は、特典条件に基づく変化が当選率に考慮される場合には、特典条件に基づく変化により付与した景品の数(例えば抽選データ26等の適宜のデータで管理されてよい)を参照のうえ、適切な当選確率に調整し、ステップS101の抽選を実行してよい。
【0058】
続いてゲーム提供部33は、ステップS101の抽選結果を取得し(ステップS102)、例えばモニタMO等を通じて適宜にその抽選結果をユーザに提示する(ステップS103)。次にゲーム提供部33は、その抽選結果が特典条件を満たすか否か判別する(ステップS104)。具体的には、複数回の抽選結果に重複する同程度の選手カード54が存在しているか否か判別する。また、この判別は、既に特典条件に基づく変更が付与されている場合であっても、その付与前の選手カード54に基づいて実行される。
【0059】
特典条件が満たされる場合、つまり複数回の抽選結果に重複する同程度の選手カード54が存在している場合、ゲーム提供部33は抽選結果を変更する(ステップS105)。具体的には、例えば、同程度の選手カード54(SR系選手カード54Sを除く)が二枚重複している場合、それらのうち最新の抽選結果に対応する選手カード54をそれよりも一つ上の価値の選手カード54に変更する。あるいは、選手カード54が三枚重複している場合、それらのうち最新の抽選結果に対応する選手カード54をそれよりも二つ上の価値の選手カード54に変更する。この場合において、R系選手カード54Rが三枚重複しているときには、二枚ともSR系選手カード54Sに変更されてもよいし、いずれか一方が別の景品に変更されてもよい。
【0060】
一方、ステップS104において特典条件が満たされない場合(換言すれば複数回の抽選結果に重複する同程度の選手カード54が存在しない場合)、或いはステップS105において抽選結果を変更した後に、ゲーム提供部33は終了条件が満たされるか否か判別する(ステップS106)。終了条件は、一例として今回の抽選対象として選択された複数回の抽選の全抽選が終了した場合に満たされる。このため、ゲーム提供部33は、ステップS106において今回の抽選が複数回の最後の抽選に該当するか否か判別する。今回が最後の抽選に該当しない場合、つまり終了条件が満たされない場合、ゲーム提供部33はステップS101に戻り、以降の処理を再度実行する。
【0061】
一方、今回が最後の抽選に該当する場合、つまり終了条件が満たされる場合、ゲーム提供部33は今回の抽選ゲームに対応する景品を実際にユーザに付与する(ステップS107)。具体的には、抽選結果に対応する基礎カード群G1(変更、換言すれば特典が付加されていないもの)、或いは特典条件に基づいて変更された(特典が付加された)後の特典付きカード群G2を基礎カード群G1に替えて景品としてユーザに付与する。この付与は上述のとおり適宜に実現されてよいが、一例としてプレイデータ25への付与により実現される。このため、ゲーム提供部33は、今回の付与結果に対応する選手カード54をユーザが所持するようにプレイデータ25を更新することにより、この付与を実現する。そして、この付与の後、ゲーム提供部33は今回の景品付与処理を終了する。
【0062】
図7の手順により、一回のプレイとして複数回の抽選を行う抽選ゲームが提供される場合に、その抽選ゲームに特典条件に基づく特典が付加される。具体的には、複数回の抽選において同程度の選手カード54が二枚重複した場合にはその重複した選手カード54の一枚がそれよりも一つ上の価値の選手カード54に変更される。さらに、同程度の選手カード54が三枚重複した場合にはその重複した選手カード54の一枚がそれよりも二つ上の価値の選手カード54に変更される。つまり、複数回の抽選が一回のプレイとして実行される場合、一回のプレイとして一回の抽選しか実行されない場合に比べて、特典条件に基づいて有利な特典が付加される。
【0063】
以上に説明したように、この形態によれば、一回のプレイとして複数回の抽選が実行される場合には一回の抽選が実行される場合にはない特典が付与される。具体的には、一回のプレイにおいて複数回の抽選によって決定及び付与される対象の基礎カード群G1が同程度の価値の選手カード54を複数枚(重複的に)含む(特典条件を満たす)場合、それらの選手カード54の一部が一つ価値の高い選手カード54に変更される。そして、当初抽選で決定された基礎カード群G1に替わって、その変更後の価値の高い選手カード54を含む特典付きカード群G2が実際にユーザに付与される。つまり、抽選結果に対応する基礎カード群G1が特典条件を満たした場合には、選手カード54の一部のランクアップという特典が付与される。このため、このような特典を利用して、抽選結果に対応する基礎カード群G1を複数回の抽選で決定するプレイ、すなわちユーザに付与すべき基礎カード群G1を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに付与するタイプの抽選ゲームのプレイを、一回のプレイにおいて一回の抽選だけが実行されるタイプのプレイに比べて促進することができる。
【0064】
また、例えば同程度の選手カード54の重複(換言すれば特典条件)は、一定数毎に判断され、毎回同様の特典が付与されてもよいし、累積的に判断され、累積数に応じて特典の価値が高くなってもよいが、前者の場合、後者に比べて、複数回の抽選が実行されるプレイの優位性が過度に上昇してしまうことを抑制することができる。一方、後者の場合、例えばN系選手カード54Nの二枚の重複によりR系選手カード54Rが、三枚の重複によりSR系選手カード54Sが、それぞれ特典として付与されるといった具合に重複数が増えるほど特典の価値が高くなるため、より多くの抽選回数のプレイを促進することができる。
【0065】
同様に、例えば既に特典条件の判別に基づく変化後の選手カード54(例えば
図4の例において2回目の抽選結果が変更されたR系選手カード54R)は以降において特典条件の判別の対象から除外されてもよい(例えば変化後の選手カード54によって特典条件が判別される場合、4回目の抽選結果に対応するR系選手カード54は三枚目とカウントされるが、変更前の選手カード54によって判断される場合には2回目の抽選結果はN系選手カード54Nと判断され、R系選手カード54Rのカウントから除外される。このため、
図4の例では4回目の抽選結果に対応するR系選手カード54は二枚目とカウントされている。)し、除外されなくてもよいが、前者の場合、後者に比べて、特典の過剰な(連鎖的な)付与を抑制することができる。この場合もやはり、複数回の抽選が実行されるプレイの優位性が過度に上昇してしまうことを抑制することができる。一方、後者の場合、特典の連鎖を演出することができる。これにより、複数回の抽選が実行されるプレイの優位性を高め、その利用をより促進することができる。
【0066】
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、
図7の手順を実行することにより本発明の景品変更手段、及び景品付与手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33が
図7のステップS105を実行することにより本発明の景品変更手段として機能する。また、ゲーム提供部33が
図7のステップS107を実行することにより本発明の景品付与手段として機能する。
【0067】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、同程度の選手カード54の重複(特典条件の具備)に伴い、無条件に特典が付与されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、特典条件の具備の後に、適宜の別の条件が介在し、そのような別の条件が満たされた場合に実際に特典が付与されてもよい。例えば、特典条件の具備に伴い別途適宜のミニゲームが提供され、そのミニゲームの結果に応じて特典が付与されてもよい(この場合、ミニゲームのプレイが特典と判断されてもよい)。例えば、このようなミニゲームとして、シューティングゲーム、アクションゲーム、音楽ゲーム等の適宜のゲームが利用されてよいが、例えば抽選ゲームが利用される場合にはその抽選ゲームの抽選結果に応じて特典が決定されてよい。この場合において、上述のようにその特典は同種の選手カード54であっても別種の景品であってもよいが、例えば同種の選手カード54の場合でも、特典(変更対象)は価値の高い選手カード54に限定されない。例えば、抽選結果次第では重複した選手カード54よりも価値の低い選手カード54が変更対象として決定されてもよい。
【0068】
また、上述の形態では、ゲーム機としてアーケートゲーム機が利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。ゲーム機として、据え置き型のいわゆる家庭用ゲーム装置や上述のとおりユーザ端末装置4等が利用されてもよい。また、ゲーム機3はこれらのユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。さらに、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。センターサーバ2の役割の全部をゲーム装置が実行する場合にはゲーム装置(ゲーム機3)単体が本発明のゲームステムとして機能してよい。あるいは、反対に上述のゲーム機3の役割の全部あるいは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。具体的には、例えば、
図7の例における抽選の実行(ステップS101の処理)、特典条件の判別(ステップS104の処理)、及び抽選結果の変更(ステップS105の処理)をセンターサーバ2が実行してもよい。この場合、センターサーバ2は、抽選結果及び変更結果をゲーム機3に通知し、ゲーム機3はその情報に基づいて適宜の変更演出だけをユーザに提示してもよい。このような場合、センターサーバ2単体(複数サーバ装置によって構成される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0069】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0070】
本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(TP)、及び前記プレイ行為に応じてゲームを提供するための出力装置(MO)に接続され、複数の景品(54)から前記ユーザに付与すべき二以上の景品として基礎景品群(G1)を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに前記ユーザに付与するタイプの抽選ゲームを、前記ゲームとして前記プレイ行為に応じて前記出力装置を介して前記ユーザに提供するゲームシステム(1)であって、前記基礎景品群が特典条件を満たす場合に、前記基礎景品群に特典が付加された特典付き景品群(G2)に前記基礎景品群を変更する景品変更手段(33)と、前記一回のプレイにおける前記抽選ゲームの結果として前記基礎景品群に替えて前記特典付き景品群を前記ユーザに付与する景品付与手段(33)と、を備えるものである。
【0071】
本発明によれば、一回のプレイにおいて決定及び付与される対象の基礎景品群が特典条件を満たした場合に、その基礎景品群が特典付き景品群に変更され、基礎景品群に替わってその特典付き景品群がユーザに付与される。つまり、基礎景品群が特典条件を満たした場合には、ユーザに特典が付与される。このため、このような特典を利用して、基礎景品群を複数の抽選で決定するプレイ、すなわちユーザに付与すべき複数の景品を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに付与するタイプの抽選ゲームのプレイを促進することができる。なお、一回のプレイの用語は、今回のプレイ範囲において複数の抽選が実行される場合を意味し、過去の抽選等により既に付与済み(ユーザが取得或いは所有済み)の景品が特典条件の判別対象に含まれないことを意図するものである。このため、ユーザに実際に付与される前の付与候補として複数の景品を決定するための抽選が指示されるプレイを広く含む用語である。例えば、複数の抽選を指示する選択肢が選択される場合、或いは所定の対価に対応するプレイ範囲として複数の抽選が用意される場合を含む。また、複数の抽選により決定された複数の景品の付与(一部であってもよい)と引換に所定の対価が要求される場合も含む。さらに、例えば、この場合において各抽選は個別に指示されても、それらの抽選結果が付与候補として保留され、実際に付与するか否かは全体(実際に付与されるのは一部でもよい)として判断される場合にはそれらの複数の抽選は一回のプレイの範囲に含まれる。
【0072】
特典条件が満たされる場合の特典は、基礎景品群に適宜に付加されてよい。例えば、このような特典は、基礎景品群に追加的に付加されても、基礎景品群の一部の変更として付加されてもよい。同様に、このような特典として各種の特典が利用されてよい。例えば、特典は景品と同種であっても、別種(景品と関係があってもなくてもよい)であってもよい。具体的には、基礎景品群に特典として同種の景品(同じ景品の場合、複数種類の景品のうちの別の種類の景品の場合の両方を含む)が追加的に付加されてもよい。また、複数種類の景品に価値の相違する景品が含まれる場合には基礎景品群の一部が同価値の別の景品に変更されてもよいし、それよりも価値の高い景品に変更されてもよい。あるいは、複数種類の景品が存在する場合には、基礎景品群の一部が特典として別の種類の景品に変更されてもよい。同様に、例えば景品としてカードが利用される場合において、基礎景品群(カード群)にそれとは全く別種のぬいぐるみを取得する権利(電子的なぬいぐるみの場合はぬいぐるみ自体)が特典として付加されてもよい。あるいは、基礎景品群の一枚のカードがぬいぐるみを取得する権利に変更されてもよい。このように各種の特典が適宜に基礎景品群に付加されてよい。
【0073】
例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記複数の景品には、第1景品(54N)及び当該第1景品よりも価値の高い第2景品(54R)が含まれ、前記特典条件は、前記基礎景品群に複数の第1景品が含まれる場合に満たされ、前記景品変更手段は、前記第2景品が前記特典として機能するように、前記基礎景品群に前記第2景品が付加された景品群、或いは前記基礎景品群において前記複数の第1景品の一つが前記第2景品に置換された景品群を前記特典付き景品群として利用してもよい。また、この態様において、前記景品変更手段は、前記一つの第1景品を前記第2景品に変更することにより前記基礎景品群において前記一つの第1景品が前記第2景品に置換された前記特典付き景品群に前記基礎景品群を変更してもよい。
【0074】
同様に、特典は一種類であってもよいし、複数種類であてもよい。例えば、複数種類の特典として複数の価値にそれぞれ対応する複数の特典が用意されていてもよい。また、複数の特典が用意される場合において、これらは特典条件に基づいて適宜に付与されてよい。例えば、基礎景品群に複数の第1景品が含まれるときに特典条件が満たされる場合において、一定数の第1景品毎に特典条件が満たされ、その特典条件が満たされる毎に同じ特典が付与されてもよい。また、一定数の第1景品毎に異なる特典が付与されてもよい。あるいは、複数の第1景品の累積数に応じて特典の価値が変化してもよい。具体的には、例えば、複数の景品が第1景品及び第2景品を含む態様において、前記複数の景品は、前記第2景品よりも更に価値の高い第3景品(54S)を含み、前記景品変更手段は、前記複数の第1景品の数が所定数を超えた場合には、前記一つの第1景品を前記第2景品の代わりに前記第3景品に変更することにより前記基礎景品群において前記一つの第1景品が前記第3景品に置換された前記特典付き景品群に前記基礎景品群を変更してもよい。この場合、第1景品の重複数が増えるほど特典の価値が高くなるため、より多くの抽選回数のプレイを促進することができる。
【0075】
また、基礎景品群に複数の第1景品が含まれるときに特典条件が満たされる場合において、特典条件の対象は第1景品に限定されてもよいし、第2景品等の他の景品が重複した場合にも同様に特典条件が満たされてもよい。例えば、複数の景品が第1景品、第2景品、及び第3景品を含む態様において、前記景品変更手段は、前記特典付き景品群が複数の第2景品を含む場合に、当該複数の第2景品の一つを前記第3景品に変更することにより前記基礎景品群において前記一つの第2景品が前記第3景品に置換された前記特典付き景品群に前記基礎景品群を変更してもよい。
【0076】
基礎景品群に複数の第2景品が含まれるときにも特典条件が満たされる場合において、その第2景品に第1景品の重複に伴い変更されたものが含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。つまり、第2景品の重複において特典がカウントされてもよいし、除外されてもよい。例えば、基礎景品群に複数の第2景品が含まれるときにも特典条件が満たされる態様において、前記景品変更手段は、前記一つの第1景品から変更された前記第2景品を除いた後において前記複数の第2景品として前記特典付き景品群に二以上の第2景品が含まれる場合に、前記一つの第2景品を前記第3景品に変更してもよい。この場合、特典の過剰な(連鎖的な)付与を抑制することができる。
【0077】
基礎景品群は複数の抽選を通じて適宜に決定されてよい。例えば、複数の抽選の各抽選は、二以上の景品を決定するように実行されてもよいし、一つの景品を決定するように実行されてもよい。つまり、各抽選は複数の景品の単位で決定してもよいし、一つずつ決定してもよい。また、基礎景品群は、全てが決定された場合にその全てが同時にユーザに提示されてもよいし、各抽選の決定単位毎等の所定数毎に適宜にユーザに提示されてもよい。同様に、特典として基礎景品群の一つが変更される場合において、その変更は提示毎等の適宜の提示後に実行されてもよいし、変更後の特典付き景品群が付与対象として提示されてもよい。つまり、基礎景品群は提示されてもよいし、提示されなくてもよい。例えば、複数の景品が第1景品及び第2景品を含む態様において、前記基礎景品群の各景品は、抽選毎に各景品が決定されるように前記複数の抽選が前記二以上の景品にそれぞれ対応する場合に、抽選毎に前記出力装置を介して案内され、前記景品変更手段は、各抽選の結果として前記基礎景品群に前記複数の第1景品が生じたときに前記第2景品への変更が前記出力装置を介して案内されるように前記複数の第1景品のうち最新の抽選結果に対応する第1景品を前記一つの第1景品として前記第2景品に変更してもよい。
【0078】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記入力装置及び前記出力装置に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0079】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(TP)、及び前記プレイ行為に応じてゲームを提供するための出力装置(MO)に接続され、複数の景品(54)から前記ユーザに付与すべき二以上の景品として基礎景品群(G1)を一回のプレイにおいて複数の抽選によって決定するとともに前記ユーザに付与するタイプの抽選ゲームを、前記ゲームとして前記プレイ行為に応じて前記出力装置を介して前記ユーザに提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記基礎景品群が特典条件を満たす場合に、前記基礎景品群に特典が付加された特典付き景品群(G2)に前記基礎景品群を変更する景品変更手順と、前記一回のプレイにおける前記抽選ゲームの結果として前記基礎景品群に替えて前記特典付き景品群を前記ユーザに付与する景品付与手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機
5 ネットワーク
31 制御ユニット(コンピュータ)
33 ゲーム提供部(景品変更手段、景品付与手段)
54 選手カード(景品)
54N N系選手カード(第1景品)
54R R系選手カード(第2景品)
54S SR系選手カード(第3景品)
TP タッチパネル(入力装置)
MO モニタ(出力装置)
G1 基礎カード群(基礎景品群)
G2 特典付きカード群(特典付き景品群)
PG2 プログラム(コンピュータプログラム)