(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111341
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】ガスオーブン
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
F24C3/12 C
F24C3/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015761
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】谷 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 大和
(57)【要約】
【課題】ファンの異常を適切に検知しつつ誤検知を低減できるガスオーブンを提供する。
【解決手段】ガスオーブンの操作部には給気口と排気口が設けられ、操作部内には電装基板、冷却ファン、温度センサが設けられる。温度センサは電装基板の基板温度を検出する。冷却ファンは給気口を介して操作部内に外部空気を取り込み排気口から排出する。制御部のCPUはガスバーナの燃焼中にて、基板温度が規制温度以上か判断する(S18)。基板温度が規制温度Q以上の場合(S18:YES)、ガスバーナを消火する(S28)。この構成において、規制温度は第1温度よりも低く、第2温度よりも高く設定される。第1温度は電装基板の耐熱温度に相当する。第2温度は給気口の一部を閉塞した状態でガスバーナを燃焼させ且つ冷却ファンを正常に稼働させたときに温度センサによって検出される最高温度に相当する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナで加熱された高温空気によって被加熱物を加熱調理する焼成庫と、
前記焼成庫の前側に設けられた開口部を開閉するオーブン扉と、
前記オーブン扉の上側に設けられ、ハーネスを介して制御部と電気的に接続する操作部と、
前記操作部に設けられ、外部から内部に空気を取り込む給気口と、
前記操作部に設けられ、前記給気口から取り込まれて前記内部を流れた前記空気を前記外部に排出する排気口と、
前記操作部の前記内部に設けられ、前記ハーネスと接続する電装基板と、
前記操作部の前記内部に設けられた温度センサと、
前記操作部の前記内部に設けられ、作動することにより前記給気口を介して前記外部から前記内部に前記空気を取り込むファンと
を備え、
前記制御部は、
前記バーナの燃焼中において、前記温度センサの検出温度が規制温度以上か判断する判断部と、
前記判断部が前記検出温度は前記規制温度以上と判断した場合、前記バーナを消火させる消火部と
を備え、
前記規制温度は、前記電装基板の耐熱温度である第1温度よりも低く、前記給気口の一部を閉塞した状態で前記バーナを燃焼させ且つ前記ファンを正常に稼働させたときに前記温度センサによって検出される最高温度である第2温度よりも高く設定されたこと
を特徴とするガスオーブン。
【請求項2】
前記判断部は、部前記焼成庫による前記加熱調理が開始してから規定時間に到達するまでは、前記検出温度が前記規制温度以上か判断しないこと
を特徴とする請求項1に記載のガスオーブン。
【請求項3】
前記規定時間は、前記焼成庫による前記加熱調理が終了し、余熱により前記温度センサが到達し得る最高温度である第3温度の時点で、前記給気口の一部が閉塞した状態で前記ファンの稼働を開始してから前記温度センサの前記検出温度が前記規制温度以下になるまでの時間に設定されたこと
を特徴とする請求項2に記載のガスオーブン。
【請求項4】
前記判断部が、前記検出温度が前記規制温度以上と判断した場合に、異常を報知する報知部を備えたこと
を特徴とする請求項1又は2に記載のガスオーブン。
【請求項5】
前記報知部はアラーム音を出力して異常を報知すること
を特徴とする請求項4に記載のガスオーブン。
【請求項6】
表示部を備え、
前記報知部は前記表示部に警告を表示して異常を報知すること
を特徴とする請求項4に記載のガスオーブン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスオーブンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板等の電装部品付近の温度が異常温度になったことを検知してバーナを消火させるオーブンが知られている(例えば特許文献1参照)。このオーブンでは、電装部品をファンで冷却し、温度センサで異常温度を検知することでファンの故障を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電装部品の冷却効率を高める為にファンを電装部品の上流側に配置すると、長期間の使用により給気口の一部が油汚れや埃等で詰まることがある。この場合、ファンに異常が無くても温度センサが検出する温度が異常温度に達してしまい、その結果、バーナが頻繁に消火されて使い勝手を損なうという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、ファンの異常を適切に検知しつつ誤検知を低減できるガスオーブンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のガスオーブンは、バーナで加熱された高温空気によって被加熱物を加熱調理する焼成庫と、前記焼成庫の前側に設けられた開口部を開閉するオーブン扉と、前記オーブン扉の上側に設けられ、ハーネスを介して制御部と電気的に接続する操作部と、前記操作部に設けられ、外部から内部に空気を取り込む給気口と、前記操作部に設けられ、前記給気口から取り込まれて前記内部を流れた前記空気を前記外部に排出する排気口と、前記操作部の前記内部に設けられ、前記ハーネスと接続する電装基板と、前記操作部の前記内部に設けられた温度センサと、前記操作部の前記内部に設けられ、作動することにより前記給気口を介して前記外部から前記内部に前記空気を取り込むファンとを備え、前記制御部は、前記バーナの燃焼中において、前記温度センサの検出温度が規制温度以上か判断する判断部と、前記判断部が前記検出温度は前記規制温度以上と判断した場合、前記バーナを消火させる消火部とを備え、前記規制温度は、前記電装基板の耐熱温度である第1温度よりも低く、前記給気口の一部を閉塞した状態で前記バーナを燃焼させ且つ前記ファンを正常に稼働させたときに前記温度センサによって検出される最高温度である第2温度よりも高く設定されたことを特徴とする。
【0007】
請求項2のガスオーブンの前記判断部は、前記焼成庫による前記加熱調理が開始してから規定時間に到達するまでは、前記検出温度が前記規制温度以上か判断しなくてもよい。
【0008】
請求項3のガスオーブンの前記規定時間は、前記焼成庫による前記加熱調理が終了し、余熱により前記温度センサが到達し得る最高温度である第3温度の時点で、前記給気口の一部が閉塞した状態で前記ファンの稼働を開始してから前記温度センサの前記検出温度が前記規制温度以下になるまでの時間に設定されてもよい。
【0009】
請求項4のガスオーブンは、前記判断部が、前記検出温度が前記規制温度以上と判断した場合に、異常を報知する報知部を備えてもよい。
【0010】
請求項5のガスオーブンの前記報知部はアラーム音を出力して異常を報知してもよい。
【0011】
請求項6のガスオーブンは、表示部を備え、前記報知部は前記表示部に警告を表示して異常を報知してもよい。
【発明の効果】
【0012】
請求項1のガスオーブンによれば、バーナが燃焼中であるにも関わらずファンが故障して停止すると、電装基板の温度が高くなって故障する可能性がある。本態様では電装基板の耐熱温度を第1温度と規定する。バーナを消火する基準となる規制温度を第1温度よりも低く設定することで、ガスオーブンは電装基板が故障する前にファンの異常を検知してバーナを消火できる。他方で、例えばガスオーブンの長期間の使用により、操作パネルの給気口に埃や油汚れの異物が付着して給気口の一部が塞がれることがある。この状態でファンが正常に稼働しても、給気口から操作パネルの内部に取り込まれる空気量が減少するため、加熱調理中において電装基板の温度は通常時より高くなる。このときの電装基板の温度を第2温度と規定する。そして、上記の規制温度を第1温度よりも低く且つ第2温度よりも高く設定することで、長期間の使用が原因で頻繁に異常と判断されてバーナが消火されることがない使い勝手のよい製品を提供できる。
【0013】
請求項2のガスオーブンによれば、加熱調理が終わってバーナを消火した後、ガスオーブンが余熱で高温状態となる場合がある。ガスオーブンの温度が十分に下がりきらない状態で再度加熱調理を開始した場合、温度センサが検出する温度が余熱により規制温度を超えてしまう可能性がある。そこで、本態様のガスオーブンは加熱調理が開始してから規定時間に到達するまでは、検出温度が規制温度以上か判断しない。これにより、余熱が原因で加熱調理が開始された直後から頻繁に異常と判断されてバーナが消火されることがない使い勝手のよい製品を提供できる。
【0014】
請求項3のガスオーブンによれば、規定時間をこのように設定することで、長期間の使用時においても余熱が原因で異常を誤検知することを低減できる。そして、加熱調理が終了してから規定時間が経過すれば異常を正常に検知してバーナを消火させることができるので、安全且つ使い勝手のよい製品を提供できる。
【0015】
請求項4のガスオーブンによれば、温度センサの検出温度が規制温度以上の場合はユーザに異常を報知するので、ユーザは異常に対して速やかに対処できる。
【0016】
請求項5のガスオーブンによれば、アラーム音を出力して異常を報知するので、ユーザに適切に知らせることができる。
【0017】
請求項6のガスオーブンによれば、表示部に警告を表示して異常を報知するので、ユーザに適切に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】オーブン扉6を開いた状態のガスオーブン1の斜視図である。
【
図3】操作部10を取り外した状態のガスオーブン1の斜視図である。
【
図6】ガスオーブン1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】状態A~Cにおける基板温度の時間変化を示すグラフである。
【
図8】状態D、Eにおける基板温度の時間変化を示すグラフである。
【
図9】最高温度Hの状態から加熱調理を開始したときの基板温度の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に記載される装置構成及び処理などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。本実施形態では、図中に示す前後、左右、上下の向きを使用して説明する。また、各図の縮尺は必ずしも相互には一致しておらず、図示する対象に応じて適宜拡大又は縮小している。
【0020】
図1~
図3を参照し、ガスオーブン1の構成について説明する。
図1に示すガスオーブン1は、図示しないキッチンカウンタに組み込まれるビルトイン式であり、例えばキッチンカウンタに組み込まれたビルトインコンロの下方に設置される。ガスオーブン1は、本体部2、焼成庫5(
図2参照)、オーブン扉6、排気筒9、操作部10等を備える。本体部2は金属製の箱体である。
図2に示すように、本体部2の前面には大きな矩形状の開口部2Aが設けられる。開口部2Aの内側には矩形枠部17が固定される。矩形枠部17の中央には矩形状の開口部17Aが設けられる。焼成庫5は本体部2の内側で且つ矩形枠部17の後方に設けられる。焼成庫5の内側には被調理物が収容される。焼成庫5の前面には矩形状の開口部5Aが設けられる。開口部5Aは、開口部2A,17Aの後方に位置する。開口部2A,17A,5Aは前後方向に相互に連通する。
【0021】
オーブン扉6は、矩形枠部17の下部前側にて下端側を軸として縦開きに開閉可能に設けられる(
図2参照)。オーブン扉6の前面上部には取手6Aが設けられる。オーブン扉6は閉状態で矩形枠部17の開口部17Aを介して、焼成庫5の開口部5Aを閉塞する。本体部2の内側において、焼成庫5の下方には燃焼装置(図示略)と送風ファン13(
図6参照)が設けられる。燃焼装置はガスバーナ(図示略)、イグナイタ71(
図6参照)、フレームロッド11(
図6参照)、電磁弁12(
図6参照)等を備える。イグナイタ71は駆動することにより点火電極(図示略)においてスパーク放電を発生し、ガスバーナの炎孔から噴出されるガスに点火する。フレームロッド11は炎孔に形成される火炎により加熱されて熱起電力を発生する。電磁弁12はガスバーナのガス配管に設けられ、ガス供給のON、OFFを行う為の電磁弁である。
【0022】
燃焼装置によって加熱された高温空気は送風ファン13により焼成庫5内に流入する。これにより焼成庫5の庫内温度が上昇して被調理物の加熱調理が行われる。排気筒9は焼成庫5の後部から本体部2の上面後部に設けられた開口部(図示略)を介して上方に延び、ビルトインコンロの排気部(図示略)と連結する。排気筒9は焼成庫5内と連通し、焼成庫5内から流出する高温空気をビルトインコンロの排気部内に流入させる。これにより焼成庫5内から流出する高温空気は、排気筒9とビルトインコンロの排気部を介して外部に排出される。
【0023】
操作部10は正面視左右方向に延びる略矩形状に形成され、本体部2の前面上部に設けられた取付板部7(
図3参照)にネジ止め固定される。ガスオーブン1を正面から見たとき、操作部10はオーブン扉6の上側に配置される(
図1参照)。操作部10の前面には、ユーザの各種操作を受け付ける操作パネル26が設けられる。
【0024】
図4,
図5を参照し、操作部10の構造について説明する。
図4に示すように、操作部10は前ケース20と後ケース30を備え、それらを前後方向に互いに組み合わせて固定することにより形成される(
図3参照)。操作部10の内側には、後述する3枚の電装基板51~53、冷却ファン55、圧電ブザー56、温度センサ57等が収容される。
【0025】
前ケース20の構造について説明する。
図4に示すように、前ケース20は、正面視左右方向に延び且つ後方に向けて開口する略直方体の箱状に形成される。前ケース20の材質は樹脂である。前ケース20は、前壁部21、右壁部22、左壁部23、上壁部24、下壁部25を備える。
【0026】
前壁部21は正面視左右方向に延びる略矩形状に形成される。前壁部21の前面には操作パネル26が設けられる。操作パネル26には電源ボタン61を含む各種ボタンや表示部62,63が設けられる。電源ボタン61は後述の電源スイッチ511が相対する位置に設けられる。表示部62,63は後述の表示器521,531に相対する位置に設けられる。表示部62,63は例えば7セグのスリットであり、表示器521,531と共に表示部を構成する。操作パネル26の右端側には給気口28が設けられる。給気口28は後述の冷却ファン55に相対する位置に設けられ、複数の横長のスリットが上下方向に並んで構成される。右壁部22は前壁部21の右端部から後方に突出する。右壁部22には上下一対の固定穴221,222が設けられる。左壁部23は前壁部21の左端部から後方に突出する。左壁部23には上下一対の固定穴231,232(
図5参照)が設けられる。上壁部24は前壁部21の上端部から後方に突出する。下壁部25は前壁部21の下端部から後方に突出する。
【0027】
後ケース30の構造について説明する。
図4,
図5に示すように、後ケース30は、前ケース20と同様に正面視左右方向に長い略矩形状に形成され、前ケース20の後方に向けて開口する内側領域と同等の大きさを有する。後ケース30の材質も樹脂である。
図4に示すように、後ケース30の前面には、左側から順に、電装基板51,52,53、及び冷却ファン55が取り付けられる。電装基板51~53には各種電装部品が設けられる。電装基板51には、電源スイッチ511、圧電ブザー56等が設けられる。圧電ブザー56はアラーム音を出力する。電装基板52には7セグの表示器521が設けられる。電装基板53には7セグの表示器531、及び温度センサ57等が設けられる。温度センサ57は電装基板53の基板温度を検出する。冷却ファン55は例えば軸流ファンであり、給気口28を介して外部空気を操作部10内に取り込む。
【0028】
図5に示すように、後ケース30の後面において、上端部と右端部を除く領域には、膨出部32が設けられる。膨出部32は背面視左右方向に長い略矩形状に形成され、後ケース30の後面から後方に向かって箱状に膨出する。膨出部32は、後壁321、上壁322、右壁323、左壁324(
図4参照)、下壁325を備え、前方に向かって開口する。後壁321は背面視左右方向に長い略矩形状に形成される。後壁321は、排気口37、2つの取付爪35,36を備える。排気口37は後壁321の左端側、即ち冷却ファン55(
図4参照)とは反対側に設けられ、複数の横長のスリットが格子状に並ぶことによって構成される。取付爪35,36は、後壁321の後面の下端部において左右方向に間隔を空けて設けられる。上壁322は後壁321の上端部から前方に突出する。右壁323は後壁321の右端部から前方に突出する。左壁324は後壁321の左端部から前方に突出する。下壁325は後壁321の後端部から前方に突出する。
【0029】
後ケース30の後面において、膨出部32の上側には上側部301が設けられ、右側には右側部302が設けられる。上側部301は、膨出部32の上壁322の前端部から上方に突出し、背面視左右方向に延びる略矩形状に形成される。右側部302は、膨出部32の右壁323の前端部から右方に突出し、背面視上下方向に延びる略矩形状に形成される。上側部301の右端部と右側部302の上端部は相互に直交して接続する。
【0030】
上側部301及び右側部302の夫々の後面は、膨出部32の後壁321の後面よりも前側に窪んで形成される。これにより、操作部10の後面において、前ケース20の上壁部24の下面と、上側部301の後面と、上壁322の上面とに挟まれる内側には、配設溝41が形成される。さらに、前ケース20の右壁部22の左面(内面)と、右側部302の後面と、右壁323の右面とに挟まれる内側には、配設溝42が形成される。上側部301の後面の左側には段部33が設けられる。段部33は後方に向けて箱状に突出する。上側部301の上端部には右側から順に、開口溝311,312が設けられる。段部33の上端部には、開口溝313が設けられる。膨出部32の左壁324の前端部には、開口溝314が設けられる。開口溝311~313は背面視横長のスリット状に形成される。開口溝314は左側面視縦長のスリット状に形成される。
【0031】
配設溝41,42の内側には、4本のハーネス65~68が取り付けられる。なお、ハーネス65~68は複数の配線を1本の束にしたものであるが、束ねる配線の数は自由であり、ハーネスの本数も自由である。ハーネス65は配設溝41と42が接続する角部に沿わせて配設溝41と42の内側に取り付けられる。ハーネス65の一端部は開口溝311を介して電装基板53に接続され、他端部は配設溝42の内側から後方に引き出される。ハーネス66は配設溝41のうち右側部分の内側に沿って取り付けられる。ハーネス66の一端部は開口溝311を介して電装基板53に接続され、他端部は開口溝312を介して電装基板52に接続される。ハーネス67は配設溝41のうち左側部分の内側に沿って取り付けられる。ハーネス67の一端部は開口溝312を介して電装基板52に接続され、他端部は開口溝313を介して電装基板51に接続される。ハーネス68の一端部は開口溝314を介して電装基板51に接続され、他端部は後方に引き出される。
【0032】
図3~
図5を参照し、操作部10の組み立て、及び取付板部7への固定方法について説明する。作業者は、ハーネス65~68が取り付けられた後ケース30を前ケース20の内側に後方から挿入して取り付け、操作部10を仮組みしてユニット化する(
図5参照)。次いで、
図3に示すように、ユニット化した操作部10を取付板部7に対して前方から取り付ける。このとき、操作部10の後ケース30の右端側から後方に引き出されたハーネス65(
図4,
図5参照)の他端部を、取付板部7の右端側に設けられた右側ハーネス用開口76(
図3参照)に前側から挿入し、本体部2の内側に引き出す。他方、後ケース30の左端側から後方に引き出されたハーネス68(
図5参照)の他端部を、取付板部7の左端側に設けられた左側ハーネス用開口77(
図3参照)に前側から挿入し、本体部2の内側に引き出す。
【0033】
次いで、後ケース30の後面に設けられた取付爪35,36(
図5参照)を、取付板部7に設けられた係止穴78,79(
図3参照)に対して前側から係止させる。これにより取付板部7に対して後ケース30が位置決めされる。このとき、前ケース20の右壁部22と左壁部23の夫々は、取付板部7の右延設部72と左延設部73(
図3参照)の夫々の外側に配置する。右延設部72及び左延設部73の夫々には上下一対の固定穴(図示略)が設けられる。この状態で、作業者は、操作部10の右方から2本のネジ14(
図4,
図5参照)を、前ケース20の右壁部22の固定穴221,222を介して、取付板部7の右延設部72の一対の固定穴に締結する。他方、操作部10の左方から2本のネジ15(
図4,
図5参照)を、前ケース20の左壁部23の固定穴231,232を介して、取付板部7の左延設部73の一対の固定穴に締結する。これにより操作部10が組み立てられた状態で取付板部7に固定される。この状態では、膨出部32の後壁321の後面と取付板部7の前面との間には所定の隙間が形成される。
【0034】
作業者は、取付板部7の右側ハーネス用開口76を介して本体部2の内側に引き出されたハーネス65の他端部を、本体部2内に設けられた制御部80(
図6参照)に直接又は間接的に接続する。また、取付板部7の左側ハーネス用開口77を介して本体部2の内側に引き出されたハーネス68の他端部も、本体部2内に設けられた制御部80に直接又は間接的に接続する。このようにして、操作部10の組み立て、及び取付板部7への固定作業が完了する。
【0035】
図4,
図5を参照し、冷却ファン55の駆動により操作部10内を通過する外部空気の流れについて説明する。ガスバーナに点火されて加熱調理が開始すると、冷却ファン55が駆動する。冷却ファン55の駆動により、操作パネル26周囲の外部空気が給気口28を介して操作部10内に流入する(
図4,
図5中に示すF1の流れ参照)。操作部10内に流入した外部空気は、操作部10の右側から左側に向かって流れ(
図5中に示すF2の流れ参照)、電装基板51~53を冷却する。操作部10の左端側まで流れた外部空気は、後ケース30の後面左端側に設けられた排気口37から操作部10の外側に排出される(
図5中に示すF3の流れ参照)。
【0036】
図6を参照し、ガスオーブン1の電気的構成について説明する。ガスオーブン1は、制御部80、電源回路90、イグナイタ回路91、炎検知回路92、電磁弁回路93、表示・操作回路94、センサ入力回路95、ブザー駆動回路96、送風ファン駆動回路97、冷却ファン駆動回路98等を備える。各種回路90~98は制御部80と電気的に接続する。
【0037】
制御部80は、CPU81、ROM82、RAM83、EEPROM84、タイマカウンタ85を備える。CPU81はガスオーブン1の動作を制御する。ROM82は制御プログラムを含む各種プログラム等を記憶する。制御プログラムは後述の制御処理(
図10参照)を実行するプログラムである。RAM83は各種情報を一時的に記憶する。EEPROM84は各種情報を記憶する。タイマカウンタ85は一定周期で出力されたパルスを計数する。
【0038】
電源回路90は、電源(AC)100から供給される交流(例えば100V)を直流(例えば5V)に降圧して整流し、各種回路に電力を供給する。イグナイタ回路91はCPU81からの制御信号に基づき、イグナイタ71を駆動する。炎検知回路92は、フレームロッド11からの検出値(熱起電力に対応する信号)を制御部80に入力する。電磁弁回路93はCPU81からの制御信号に基づき、燃料装置の電磁弁12を開閉する。表示・操作回路94は、操作パネル26における各種操作を受け付けて制御部80に入力すると共に、CPU81からの制御信号に基づき操作パネル26の表示部62,63における各種表示を行う。センサ入力回路95は温度センサ57からの検出信号を制御部80に入力する。ブザー駆動回路96はCPU81からの制御信号に基づき、圧電ブザー56を駆動する。送風ファン駆動回路97はCPU81からの制御信号に基づき、送風ファン13を駆動する。冷却ファン駆動回路98はCPU81からの制御信号に基づき、冷却ファン55を駆動する。
【0039】
図7~
図9を参照し、規制温度Qについて説明する。後述の制御処理(
図10参照)において、加熱調理中に操作部10内に設けた温度センサ57の検出温度(基板温度)が規制温度Qに到達した場合、CPU81は冷却ファン55の異常と判断してガスバーナを消火する。この規制温度Qは、加熱調理中で冷却ファン55が正常であっても、操作部10の給気口28が埃等の異物で塞がれて風量が少ない状態における基板温度よりも高く、電装基板51~53の耐熱温度よりも低い温度に設定される。
【0040】
規制温度Qの設定方法について説明する。
図7は、ガスオーブン1の3つの状態A~Cにおける基板温度の時間変化をグラフで示したものである。縦軸は基板温度、横軸はガスオーブン1の動作時間(分)を示す。動作時間とは、燃焼装置が作動して加熱調理を行った時間である。状態Aは通常使用時であって、冷却ファン55が正常に作動し、給気口28が塞がれていない正常な状態で使用し続けた状態である。状態Bは冷却ファン55が作動しない状態で使用し続けた状態である。状態Cは冷却ファン55が正常に作動し、給気口28の一部が塞がれた状態で使用し続けた状態である。なお、状態AとCは、冷却ファン55の作動で操作部10内に流入する外部空気の温度の影響を避ける為、室温が高い状態とした。また、電装基板51~53の耐熱温度P1は90℃とした。なお本実施形態では、圧電ブザー56の耐熱温度が85℃であり、その圧電ブザー56が85℃に達した時に温度センサ57が検知する温度が90℃となったので、耐熱温度P1を90℃に設定した。つまり、電装基板51~53に設けられた電装部品の耐熱温度を「電装基板の耐熱温度」としてもよい。また、給気口28の一部が塞がれた状態として、例えば耐用年数相当の埃が詰まった状態を想定するとよい。本実施形態では、3枚重ねた不織布で給気口28の総面積を全て覆うことにより、耐用年数相当の埃が詰まった状態を再現したが、別の方法で再現してもよい。
【0041】
図7に示すように、状態Aを見ると、基板温度は動作開始時の38℃付近から緩やかに上昇し、30分後には55℃付近に到達し、その後は58℃付近に推移した。これは冷却ファン55の送風により、操作部10内を外部空気が良好に流れ、電装基板51~53が適切に冷却されたと推測される。状態Bを見ると、基板温度は動作開始時の26℃付近から急速に上昇し、30分後には68℃に到達し、52分後には耐熱温度P1(90℃)に到達した。状態Bでは冷却ファン55が作動していないため、電装基板51~53が冷却されず、その結果、検知温度が上昇し続けたと推測される。状態Cを見ると、基板温度は動作開始時の42℃付近から小刻みに上下に変動しながら緩やかに上昇し、30分後には57℃付近に到達し、その後60℃付近に推移した。状態Cでは、給気口28の一部が塞がれていたことから操作部10内の風量が弱く、その結果、状態Aよりも全体的に2~3℃高くなった。なお、状態Cの最高温度P2は60℃であった。
【0042】
状態A~Cの上記結果を踏まえると、規制温度Qは、最高温度P2(60℃)と耐熱温度P1(90℃)の範囲内で設定するのがよい。但し、基板温度が耐熱温度P1側に近づけば近づくほど電装基板51~53が高熱の影響を受けるため、本実施形態では状態Cの最高温度P2側に近い70℃を規制温度Qに設定した。
【0043】
図8,
図9を参照し、規定時間tについて説明する。例えば前回の加熱調理が終了してガスバーナが消火された後、ガスオーブン1は焼成庫5の余熱で高温状態となっているため、冷却運転を行う。冷却運転とは、ガスバーナが消火した状態で、送風ファン13と冷却ファン55を引き続き作動させる動作を意味する。なお、ユーザは電源ボタン61(
図4参照)を押してガスオーブン1の電源をオフすることで、冷却運転を強制的に停止できる。
【0044】
ところで、冷却運転が不十分な状態で電源がオフされて、その後再度加熱調理を開始しようとした場合、焼成庫5の余熱の影響で、温度センサ57が検出する基板温度が規制温度Qを超える可能性がある。また、加熱調理後にオーブン扉6を開けて放置した状態でも同様の現象が起きる可能性がある。この場合に仮に冷却ファン55が異常と判断してしまうと、異常の誤検知であって使い勝手がよくない。そこで、本実施形態では、後述の制御処理(
図10参照)において、加熱調理が開始してから、誤検知が起きる可能性が低くなる規定時間tが経過するまでは、基板温度が規制温度Qに到達したか否かを判断しない。
【0045】
規定時間tの設定方法について説明する。
図8は、2つの状態D、Eにおける基板温度の時間変化をグラフで示したものである。状態D、Eは、加熱調理後の余熱の影響を受け易い状態である。縦軸は基板温度、横軸は加熱調理が終了してからの経過時間(分)を示す。状態Dは、状態Cで最高温度P2が検出されたときにガスバーナを消火して加熱調理を終了してからオーブン扉6を開けたままとし、さらに冷却ファン55を停止した状態である。状態Eは、状態Cで最高温度P2が検出されたときにガスバーナを消火して加熱調理を終了してからオーブン扉6は閉めたままとし、さらに冷却ファン55を停止した状態である。なお、規制温度Qは70℃に設定した。これは、ユーザがガスオーブン1の電源をオフして冷却運転を強制的に停止した状態を想定したものである。
【0046】
図8に示すように、状態Dを見ると、加熱調理終了後から時間の経過に伴い焼成庫5からの余熱の影響で基板温度は勢いよく上昇した。オーブン扉6が開いた状態であるから、電装基板51~53は焼成庫5内の余熱の影響を強く受けたものと推測される。基板温度は加熱調理終了後から8分後に最高温度H(87℃)に到達し、8分後~16分後まではそのまま87℃付近で推移した。16分経過後は時間の経過基板温度は緩やかに低下した。他方、状態Eを見ると、オーブン扉6は閉じた状態であるから、状態Dに比べて焼成庫5内の余熱の影響は小さい。よって、加熱調理終了後からの温度上昇は状態Dに比べて緩やかであり、最高温度は80℃であった。
【0047】
図9は、状態Dで最高温度H(87℃)が計測された時点から加熱調理を再度開始した際の基板温度の時間変化をグラフで示したものである。縦軸は基板温度(℃)、横軸は加熱調理開始からの動作時間(分)を示す。規制温度Qは70℃である。なお、加熱調理は上記の状態Cと同じ状態で行った。即ち冷却ファン55が正常に作動し、且つ給気口28の一部が塞がれた状態である。
図9に示すように、基板温度は加熱調理開始から緩やかに下降し続け、加熱調理開始から4分後に規制温度Q(70℃)まで低下した。その後も基板温度は低下し続け、加熱調理開始から10分後には55℃付近まで低下した。このような基板温度の時間変化に基づき、本実施形態では、最高温度Hから規制温度Qまで低下するのに要した時間(4分)を規定時間tに設定した。このように、状態Cを利用して規定時間tを設定することにより、経年使用後でも余熱の影響による誤検知を防ぐことが可能となる。
【0048】
図10を参照し、制御処理について説明する。ユーザは焼成庫5内に被調理物を収容してオーブン扉6を閉める。ガスオーブン1の電源がオンの状態で、ユーザは操作パネル26で加熱温度等の動作条件を入力し、加熱調理開始の操作を行う。操作パネル26にて加熱調理開始の操作を受け付けると、CPU81はROM82から制御プログラムを読み出して本処理を実行する。
【0049】
CPU81は送風ファン13の運転を開始し(S11)、さらに冷却ファン55の運転を開始する(S12)。そしてイグナイタ71を駆動する(S13)。イグナイタ71が駆動すると点火電極がスパーク放電を発生し、ガスバーナに点火される。CPU81はフレームロッド11に発生する熱起電力に基づき、ガスバーナに点火されたか否か判断する(S14)。正常に点火された場合(S14:YES)、CPU81はタイマカウンタ85を0に初期化してスタートさせ、焼成庫5内の温度制御を実行する(S15)。CPU81は焼成庫5内の庫内温度センサ(図示略)が検出した庫内温度が操作パネル26で予め設定した設定温度となるように、燃焼装置の電磁弁12の開閉を制御する。
なお、正常に点火されなかった場合(S14:NO)、CPU81は操作パネル26の表示部62にエラー表示を行い(S25)、本処理を終了する。なお、エラー表示については、例えばエラーの種類に応じて予め定められたエラー番号を表示してもよい。
【0050】
CPU81はタイマカウンタ85の計数値に基づき、加熱調理が開始してから規定時間tが経過したか否か判断する(S16)。まだ規定時間tが経過していない場合(S16:NO)、CPU81は基板温度が規制温度Qに到達したか否かの判断を行わずに、操作パネル26で調理停止操作を受け付けたか否か判断する(S27)。調理停止操作を受け付けていない場合(S27:NO)、CPU81はS16に戻って規定時間tが経過するまで(S16:NO)、調理停止操作の有無を監視する(S27)。なお、調理停止操作を受け付けた場合(S27:YES)、CPU81はガスバーナを消火し(S20)、冷却運転を開始する(S21)。S21以降の処理については後述する。
【0051】
加熱調理が開始してから規定時間tが経過した場合(S16:YES)、加熱調理後の余熱による異常の誤検知の可能性は低減したので、CPU81は基板温度を検出し(S17)、その検出した基板温度が規制温度Q以上か否か判断する(S18)。基板温度が規制温度Q未満であった場合(S18:NO)、CPU81はガスバーナの調理停止操作を受け付けたか否か判断する(S19)。調理停止操作を受け付けるまでは(S19:NO)、CPU81はS17に戻って基板温度を監視しつつ加熱調理を継続する。
【0052】
調理停止操作を受け付けた場合(S19:YES)、CPU81はガスバーナを消火して(S20)加熱調理を終了すると共に冷却運転を開始する(S21)。送風ファン13と冷却ファン55が引き続き作動することで、焼成庫5内及び操作部10内の電装基板51~53が冷却される。CPU81は冷却運転が開始してから冷却時間が経過したか否か判断する(S22)。冷却時間が経過するまでは(S22:NO)、CPU81はS22に戻って冷却運転を継続する。冷却時間が経過した場合(S22:YES)、CPU81は送風ファン13及び冷却ファン55の作動を停止して冷却運転を終了し(S23)、本処理を終了する。
【0053】
ところで、加熱調理中において、基板温度が規制温度Q以上であった場合(S18:YES)、冷却ファン55が故障して停止している可能性がある。この状態で基板温度がさらに上昇すると電装基板51~53が熱損傷する虞がある。そこで、CPU81はガスバーナを強制的に消火する(S28)。これによりガスオーブン1は電装基板51~53の熱損傷を未然に防止できると共に、冷却ファン55の異常を適切に検知できる。このときCPU81は圧電ブザー56を駆動してアラームを出力(S29)すると共に、操作パネル26の表示部62にエラー表示を行う(S30)。これによりユーザは冷却ファン55の異常が原因でガスバーナが強制的に消火されたことを速やかに認識できる。その後、CPU81は冷却運転を開始し(S21)、冷却時間が経過したら(S22:YES)、冷却運転を終了して(S23)、本処理を終了する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のガスオーブン1は、焼成庫5、オーブン扉6、操作部10を備える。焼成庫5は、ガスバーナからの燃焼ガスによって被加熱物を加熱調理する。オーブン扉6は焼成庫5の前側に設けられた開口部5Aを開閉する。操作部10はオーブン扉6の上側に設けられ、ハーネス65~68を介して制御部80と電気的に接続する。操作部10は、給気口28、排気口37、電装基板51~53、温度センサ57、冷却ファン55を備える。給気口28は外部から操作部10の内部に外部空気を取り込む。排気口37は給気口28から取り込まれて操作部10の内部を流れた外部空気を外部に排出する。電装基板51~53は操作部10の内部に設けられ、ハーネス65~68と接続する。温度センサ57は電装基板51に設けられ、基板温度を検出する。冷却ファン55は操作部10の内部に設けられ、給気口28を介して操作部10の内部に外部空気を取り込む。制御部80のCPU81はガスバーナの燃焼中において、温度センサ57が検出した基板温度が規制温度Q以上か判断する。CPU81は基板温度が規制温度Q以上と判断した場合、ガスバーナを消火させる。この構成で、規制温度Qは第1温度よりも低く、第2温度よりも高く設定される。第1温度は電装基板51~53の耐熱温度P1に相当する。第2温度は、給気口28の一部を閉塞した状態でガスバーナを燃焼させ且つ冷却ファン55を正常に稼働させたときに温度センサ57によって検出される最高温度P2に相当する。
【0055】
ガスバーナが燃焼中であるにも関わらず冷却ファン55が故障して停止すると、電装基板51~53の温度が高くなって故障する可能性がある。そこで、電装基板51~53の耐熱温度をP1と規定する。ガスバーナを消火させる基準となる規制温度Qを耐熱温度P1よりも低く設定することで、電装基板51~53が故障する前に冷却ファン55の異常を検知してガスバーナを消火させることができる。他方で、例えばガスオーブン1の長期間の使用により、操作部10の給気口28に埃や油汚れが付着して給気口28の一部が塞がれることがある。この状態で冷却ファン55が正常に稼働しても、給気口28から操作部10の内部に取り込まれる空気量が減少する。このため、加熱調理中において電装基板51~53の温度は通常時より高くなる。そこで、このときの電装基板51~53の最高温度をP2と規定する。そして、上記の規制温度Qを最高温度P2よりも高く設定することで、長期間の使用が原因で頻繁に異常と判断されてガスバーナが消火されることがない使い勝手のよい製品を提供できる。
【0056】
上記説明において、
図4に示す冷却ファン55は本発明の「ファン」の一例である。操作パネル26の表示部62は本発明の「表示部」の一例である。
図10のS18の処理を実行するCPU81は本発明の「判断部」の一例である。S28の処理を実行するCPU81は本発明の「消火部」の一例である。
図7中に示す耐熱温度P1は本発明の「第1温度」の一例であり、最高温度P2は本発明の「第2温度」の一例である。
図8,
図9中に示す最高温度Hは本発明の「第3温度」の一例である。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のガスオーブン1はビルトイン式のガスオーブンであるが、例えば卓上式のガスオーブンであってもよい。
【0058】
操作部10には給気口28と排気口37が設けられているが、夫々の位置は上記実施形態に限らず適宜変更してもよい。好ましくは、操作部10の長手方向において互いに離間する位置に設けるのがよい。また、操作部10内における冷却ファン55の位置についても適宜変更してもよい。また、操作部10内には、3枚の電装基板51~53が設けられているが、電装基板の枚数も適宜変更してもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、操作パネル26に設けられた表示部62,63は7セグ表示式であるが、例えば液晶画面やLED等で構成してもよい。また操作パネル26にタッチパネルを設けてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、規制温度Qを70℃に設定したが、耐熱温度P1(90℃)と最高温度P2(60℃)の範囲内であれば70℃以外の温度に設定してもよい。また、上記実施形態では、規定時間tを4分に設定したが、ガスオーブン1の機種、大きさ、構造等に応じて適宜変更してもよい。
【0061】
また、
図10の制御処理において、S28の処理でガスバーナを消火したとき、ユーザに冷却ファン55の異常を報知する為、圧電ブザー56を駆動してアラームを出力すると共に(S29)、表示部62においてエラー表示(S30)を行うが、何れか一方を省略してもよい。また、上記実施形態では圧電ブザー56を駆動して出力するブザー音をアラーム音の一例とするが、その他の方式で出力する音をアラーム音としてもよい。また、異常を報知する構成として、上記実施形態のアラーム音と表示以外に、例えばLED等の発光部を点灯又は点滅させて異常を報知してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 ガスオーブン
5 焼成庫
5A 開口部
6 オーブン扉
51~53 電装基板
28 給気口
37 排気口
57 温度センサ
55 冷却ファン
62 表示部
65~68 ハーネス
81 CPU
Q 規制温度
t 規定時間