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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111347
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】耐火断熱性建物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/80 20060101AFI20240809BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20240809BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
E04B1/80 100Q
E04B1/76 500F
E04B1/94 L
E04B1/94 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015773
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】523041207
【氏名又は名称】田仲 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】田仲 稔
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001DE01
2E001FA04
2E001GA12
2E001GA42
2E001HA32
2E001HB02
2E001HD03
(57)【要約】
【課題】冷凍・冷蔵倉庫に関し、断熱性能を飛躍的に向上させる技術を開示する。
【解決手段】在荷空間を覆う外壁は、外壁下地材17,18を挟んで内外に配置された内側パネル11の群と外側パネル16の群とを備えている。内外のパネル11,16は、それぞれ金属製の表面板36,41と裏面板37,42とで断熱材38,43を挟んだサンドイッチ構造になっている。壁空間は外側パネル16によって外断熱されているため、断熱性能を格段に向上させて省エネに貢献できる。外側パネル16の面板41,42は金属板製であるため、防湿シートは不要でそれだけ施工は容易になる。外壁空間を各階ごとに耐火遮熱材50で区切ると、断熱性能と耐火性能とを更に向上できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火断熱性の外壁を備えた建物であって、
前記外壁は、型鋼で構成された外壁下地材と、前記外壁下地材の内側に配置された内側パネルの群と、前記外壁下地材の外側に配置された外側パネルの群とを有しており、前記内側パネルと外側パネルとは、金属板製の表面板と裏面板とで断熱材を挟んだ積層構造になっている、
耐火断熱性建物。
【請求項2】
コンクリート又は鉄骨若しくは両方で構成された躯体を備えて、前記躯体の外側に、前記外壁下地材を介して前記外側パネルが配置されている、
請求項1に記載した耐火断熱性建物。
【請求項3】
前記躯体は複数階のコンクリート製床スラブを備えており、
前記内側パネルは上下に隣り合った前記床スラブの端部間に配置されている一方、
前記外側パネルは、前記外壁下地材を介して前記床スラブの外側に配置されており、
前記床スラブと外側パネルとの間の空間に耐火遮熱材を配置している、
請求項2に記載した耐火断熱性建物。
【請求項4】
前記外壁下地材は前記躯体から外向きに突設されたジョイントブラケットに固定されている一方、
前記内側パネルに、前記ジョイントブラケットの挿通を許容する逃がし部が形成されており、前記逃がし部は発泡性断熱材又は吹き付け式断熱材で塞がれている、
請求項3に記載した耐火断熱性建物。
【請求項5】
前記外側パネルは長方形に形成されており、横長姿勢で多段かつ複数の縦列に配置されている一方、
前記外壁下地材は、隣り合った外側パネルの縦列の端部が重なる第1縦胴縁と、各外側パネルの一端と他端との間に位置した第2縦胴縁とで構成されており、
前記第1縦胴縁は角形鋼管製で、前記第2縦胴縁は溝型鋼製である、
請求項1又は2記載した耐火断熱性建物。
【請求項6】
複数階の床スラブを有するコンクリート製の躯体と、上下の前記床スラブの端部間に配置された断熱性内側パネルの群と、前記床スラブの外側に胴縁を介して配置された外側パネルの群とを備えており、
前記床スラブと外側パネルとの間の空間に耐火遮熱材を配置している、
耐火断熱性建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、冷凍倉庫や冷蔵倉庫のような耐火断熱性建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷凍倉庫や冷蔵倉庫は、躯体をコンクリート製にしている構造や、躯体を鉄骨で構成してフロアにコンクリートパネルを敷設している構造があるが、いずれにしても、外壁は耐火性(耐熱性、遮熱性)と断熱性とが要求されている。そこで、外壁を耐火・断熱構造に構成している。そして、冷凍倉庫や冷蔵倉庫の外壁は、一般に、H型鋼や角形鋼管のような鉄骨(型鋼)より成る下地材を備えており、下地材の外面に耐火性の外壁材を固定して、下地材の内側に断熱層を配置していることが多い。
【0003】
断熱層の形成手段として、発泡ウレタン樹脂を現場で吹き付ける方法や、角形の板状に形成された多数枚の発泡樹脂パネルを重ね合わせていく方法があるが、前者は、例えば等厚の断熱層を形成するのに熟練を要する問題があり、後者は、施工に手間が掛かるという問題がある。
【0004】
他方、特許文献1には、断熱パネルを表裏の金属板で断熱材を挟んだサンドイッチ構造にすることが開示されている。冷凍・冷蔵倉庫において、断熱層として特許文献1のようなサンドイッチ構造の断熱パネルを使用すると、断熱パネルの外面は金属板で構成されているため、倉庫の内部で発生した火災に対する耐火性・耐熱性にも優れているといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-95806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冷凍・冷蔵倉庫では、外壁の外表面を構成する外装材として金属板や金属波板などが使用されているが、金属板や金属波板は、ある程度の耐火性能は備えているものの断熱性は備えていないため、外壁全体としてみた場合、断熱性が十分でないと解される。すなわち、冷熱の外部への放散抑制効果が十分とは云い難い。窯業系やセメント系の外装パネルも同様である。
【0007】
また、金属波板等の外装材と下地(胴縁)との間には隙間が空くため、両者の間に防湿シートを介在させねばならず、この作業にも手間が掛かることになる。外装材としてコンクリートパネル(プレストレストコンクリートパネル)や窯業系パネルを使用した場合も、防湿シートが必要なるため施工に手間が掛かっていた。
【0008】
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、断熱性が高くて施工の手間も軽減できる外壁の構造を開示せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は上位概念を成すもので、
「耐火断熱性の外壁を備えた建物であって、
前記外壁は、型鋼で構成された外壁下地材と、前記外壁下地材の内側に配置された内側パネルの群と、前記外壁下地材の外側に配置された外側パネルの群とを有しており、前記内側パネルと外側パネルとは、金属板製の表面板と裏面板とで断熱材を挟んだ積層構造になっている」
という構成になっている。
【0010】
本願発明において、内側パネルを構成する断熱材と外側パネルを構成する断念材とは同じ素材を使用してもよいし、異なる素材を使用してもよい。断熱材には、発泡ウレタン樹脂のような有機系とロックウールのような無機系とがあるが、本願発明ではいずれの素材も使用できる。異なる素材を積層して使用することも可能である。
【0011】
請求項2の発明は請求項1の展開例であり、
「コンクリート又は鉄骨若しくは両方で構成された躯体を備えて、前記躯体の外側に、前記外壁下地材を介して前記外側パネルが配置されている」
という構成になっている。
【0012】
請求項3の発明は請求項2の展開例であり、
「前記躯体は複数階のコンクリート製床スラブを備えており、
前記内側パネルは上下に隣り合った前記床スラブの端部間に配置されている一方、
前記外側パネルは、前記外壁下地材を介して前記床スラブの外側に配置されており、
前記床スラブと外側パネルとの間の空間に耐火遮熱材を配置している」
という構成になっている。
【0013】
耐火遮熱材は、セラミックファイバーのような無機質の耐火遮熱材よりなるシート状のものが好適である。耐火遮熱材を発泡ウレタンフォームのような断熱性発泡剤で上下から覆うことも可能である。
【0014】
請求項4の発明は請求項3の展開例であり、
「前記外壁下地材は前記躯体から外向きに突設されたジョイントブラケットに固定されている一方、
前記内側パネルに、前記ジョイントブラケットの挿通を許容する逃がし部が形成されており、前記逃がし部は発泡性断熱材又は吹き付け式断熱材で塞がれている」
という構成になっている。この場合は、躯体は鉄骨材も含んでいる。従って、ジョイントジョイントブラケットは、コンクリート製支柱から突設したり、鉄骨材から突設したりしてもよい。
【0015】
請求項4の逃がし部としては、切欠きと貫通穴とが有り得る。ジョイントブラケットが隣り合ったパネルの接続部に位置している場合は、パネルには逃がし部としての切欠きが形成される。切欠きは1枚のみの内側パネルに形成する場合と、複数枚の内側パネルに跨がって形成される場合とがあり得る。
【0016】
請求項5の発明は請求項1又は2の展開例であり、
「前記外側パネルは長方形に形成されており、横長姿勢で多段かつ複数の縦列に配置されている一方、
前記外壁下地材は、隣り合った外側パネルの縦列の端部が重なる第1縦胴縁と、各外側パネルの一端と他端との間に位置した第2縦胴縁とで構成されており、
前記第1縦胴縁は角形鋼管製で、前記第2縦胴縁は溝型鋼製である」
という構成になっている。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1と同様に上位概念を成すもので、
「複数階の床スラブを有するコンクリート製の躯体と、上下の前記床スラブの端部間に配置された断熱性内側パネルの群と、前記床スラブの外側に胴縁を介して配置された外側パネルの群とを備えており、
前記床スラブと外側パネルとの間の空間に耐火遮熱材を配置している」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0018】
本願請求項1の発明は、外壁の外面を構成する外側パネルは表面板と裏面板とで断熱材を挟んだサンドイッチ構造になっているため、耐火性・耐熱性に優れつつ外壁全体として断熱性を格段に向上できる。従って、冷凍倉庫や冷蔵倉庫に適用すると、冷凍機の消費電力を節約してランニングコストを大幅に低減できる。外側パネルも内側パネルも工場で製造してこれを躯体や外壁下地材にビスで固定できるため、施工を能率良く行える。
【0019】
また、内側パネルと外側パネルとの間は壁空間になっていてここに型鋼製の外壁下地材が配置されているが、外壁下地材が配置されている壁空間は内外のパネルで断熱されているため、結露を防止又は著しく抑制できる。
【0020】
更に、外側パネル及び内側パネルを構成する表面板及び裏面板は完全な防湿性であるため、防湿シートの貼り付けは不要であり、それだけ施工の手間を軽減できるのみならず、雨水や外部の湿気の侵入を外側パネルによって阻止できるため、結露防止効果を更に向上できる利点もある。
【0021】
本願発明において、内側パネルは外側パネルとの間に配置された外壁下地材を建物の骨組みに兼用することも可能であるが、大型の冷凍・冷蔵倉庫は躯体をコンクリート及び鉄骨で構成していることが多い。従って、請求項2の構成は現実性に優れていて価値が高い。
【0022】
冷凍・冷蔵倉庫は複数階の構造になっていることが多く、この場合、躯体がコンクリート造りになっていることが多い。コンクリート製躯体の場合、コンクリート製の壁を備えていることもあるが、床スラブと柱とをコンクリート製として、壁は別構造とすることも行われている。すなわち、コンクリート製の躯体を、各階の空間が外周に開放されたオープン方式に構成することも行われている。
【0023】
請求項3の発明はこのタイプの躯体を有する耐火断熱性建物に適用したものであり、躯体と外側パネルとの間の外壁空間が各床スラブの外側に配置された耐火遮蔽層によって各階ごとに仕切られているため、平常時においては外壁空間での熱の対流を防止して断熱性能を向上できる一方、火災に際しては、火炎や熱が外壁空間の全体に広がることを防止して耐火性・耐熱性を向上できる。既述のように、耐火遮熱材を発泡材等の断熱材で覆うと、断熱性能を更に向上できて好適である。
【0024】
外側パネル群が固定される下地は何らかの手段で固定(姿勢保持)されている必要があるが、請求項4のように、ジョイントブラケットを介して躯体に固定すると、高い支持強度を有して好適である。そして、ジョイントブラケットを内側パネルに貫通させると、躯体の外周部を内側パネルで覆いつつ外壁下地材を安定的に保持できるが、内側パネルに設けた逃がし部は断熱材で塞がれているため、断熱性の低下を防止できる。
【0025】
内側パネルも外側パネルも1枚の面積はできるだけ大きいのが好ましいが、施工に際しての取り扱いの容易性も必要である。そこで、パネルは長方形に形成されていることが多い。外側パネルを長方形に形成した場合、縦長姿勢で配置する場合と横長姿勢で配置する場合とが有り得るが、横長姿勢で配置すると、上段の外側パネルの下端縁が下段の外側パネルの上端縁に重なるように配置することにより、雨水に対するシール性(遮水性)を確実化できる。
【0026】
そして、第1縦胴縁には2列の外側パネル群が重なっているため、外側パネルの端部が密着した状態に保持されると共に、目地部材もしっかりと保持される必要があり、従って、捩れに強い支持強度が要求されるが、請求項5では第1縦胴縁は角形鋼管製であるため、高い支持強度を発揮して、多段に配置された外側パネルの端部が密着した状態に保持される。従って、高い遮水性を確保できると共に目地部材もしっかりと保持できる。
【0027】
他方、第2縦胴縁は各外側パネルの一端と他端との間の中間部が重なっているため、型鋼製であってもビスでしっかりと固定できる。従って、コストを抑制できる。
【0028】
請求項6の発明は請求項3と類似しており、床スラブの外側に耐火遮熱材を配置した点を特徴にしているが、請求項3と同様に、躯体と外側パネルとの間の外壁空間が耐火遮蔽層によって各階ごとに仕切られているため、平常時においては外壁空間での熱の対流を防止して断熱性能を向上できる一方、火災に際しては、火炎や熱が外壁空間の全体に広がることを防止して耐火性・耐熱性を向上できる。請求項6においても、耐火遮熱材を発泡材等の断熱材で覆うと、断熱性能を更に向上できて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態の1階部分を中心にした縦断側面図である。
図2】(A)は実施形態の最上階部分を中心にした縦断側面図、(B)は実施形態の中間層の縦断側面図である。
図3】内側パネルの配置状態を外側から見た概略図である。
図4】外側パネルの配置を外側から見た概略図である。
図5】(A)は模式的な一部平断面図、(B)は(A)の部分拡大図、(C)は(B)の部分拡大図、(D)は(C)のD-D視断面図である。
図6図5(A)の部分拡大図である。
図7】(A)は図5(A)の部分拡大部(部分的な平断面図)、(B)は図2(B)の部分拡大図(部分的な縦断側面図)である。
図8】(A)は図5(C)の VIIIA-VIIIA視内面図、(B)(C)は(A)と同じ方向から見た別例図、(D)は施工途中の状態を示す平断面図である。
図9】(A)は図6の部分拡大図、(B)は図6のIXB-IXB 視断面図、(C)は(B)と同じ箇所の別例図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、冷凍・冷蔵倉庫(以下、単に「倉庫」という)に適用している。
【0031】
(1).実施形態の基本構造
本実施形態の倉庫は鉄筋コンクリート及び鉄骨より成る躯体を有する多層階構造であり、図1に示すように、複数の免震台1で支持されたコンクリート製の基礎床スラブ2と、2階以上の床を構成する複数段の中間床スラブ3とを有しており、これらの床スラブ2,3は、図5に示すコンクリート支柱4と一体に繋がっている。各床スラブ2,3は下向きに突出した梁部2a,3aを有しており、基礎床スラブ2は受け台5を介して免震台1で支持されている。
【0032】
図1のとおり、基礎床スラブ2には、地面GLよりも高い高さの外向き張り出し部2bが形成されており、外向き張り出し部2bの下方にコンクリート製基礎枠7の起立部7aが配置されている。基礎床スラブ2には断熱層6を介してコンクリート製基礎床8が載っており、コンクリート製の1階床スラブ8の外周部には起立部8aを設けている。1階床スラブ8も躯体の一部を構成している。
【0033】
図2に示すように、倉庫の屋根9は多層プレートで構成されている。また、屋根9はH型鋼より成る天梁材10で支持されている。屋根9は、水はけのために外側に向けて低くなるように傾斜させている。なお、屋根9は防水シート(図示せず)で覆われている。
【0034】
各フロアにおいてコンクリート製の部分は支柱4を除いて外側に開放されており、従って、実施形態では、コンクリート製の外壁は備えていない。各中間床スラブ3の外周部には土手状の起立部(巾木部)3bを設けている。中間床スラブ3の起立部3bと1階床スラブ8の起立部8aとは平面視で重なっている。中間床スラブ3の起立部3bは支柱4と連続している。起立部3bの外面は、支柱4の外面から僅かに外向きに突出している(同一面に設定してもよい。)。
【0035】
中間床スラブ3は、基礎床スラブ2と同様に、支柱4及び起立部3bの外側にはみ出た外向き張り出し部3cを有しており、上下に隣り合った外向き張り出し部2b,3cの間に内側パネル11の群が配置されている。内側パネル11は上下長手の長方形に形成されており、それぞれ床スラブ2,3の外向き張り出し部2b,3cの間に収まる高さ(長さ)に設定されている。従って、各階の箇所で、1段ずつの内側パネル11の群が水平方向に多列に配置されている。
【0036】
図5(A)に示すように、各階の内部空間の外側寄り部位には、H型鋼よりなる内部支柱12が配置されており、更に、図1図2に示すように、内部支柱12には水平姿勢の内部横梁13が1段又は複数段接続されている。内部支柱12は、床スラブ8,3の起立部8a,3bと梁部3aとに固定されている。他方、内部横梁13は、内部支柱12及びコンクリート支柱4に図示しないブラケットを介して固定されている。内部支柱12と内部横梁13は、屋内に配置された鉄骨構造体を構成している。従って、内部支柱12と内部横梁13は、コンクリート支柱4や床スラブ2,3と協働して躯体を構成している。
【0037】
倉庫のコーナー部には、コーナーの支柱4を外側から覆うようなコーナー部内側パネル14が配置されている。従って、各階の空間は、内側パネル11,14で満遍なく囲われている。図2に示すように、屋根部においては、内側パネル11の上端は屋根9の下面と略同じ高さになっており、内側パネル11の上方にはシール材15を充填している。
【0038】
(2).外側パネルの配置
例えば図5(A)(B)に示すように、中間床スラブ3の外側に、内側パネル11の群と協働して外壁を構成する外側パネル16が配置されている。図4に示すように、外側パネル16は横長長方形に形成されており、多段かつ多列に配置されている。
【0039】
そして、各外側パネル16は、図5(A)(B)や図6に示すように、その左右端部は、隣り合った合った列の外側パネル16の端部に重なった第1縦胴縁17に固定されて、左右端部の間の部位は第2縦長胴縁18に固定されている。第1縦胴縁17は角形鋼管より成っており、第2縦長胴縁18はC型チャンネル材より成っている。
【0040】
第1縦胴縁17及び第2縦長胴縁18は、それぞれ中間床スラブ3の外側に配置されている。また、図5(B)や図6に示すように、第1縦胴縁17は、H型鋼より成る中間支柱19に固定されており、第2縦長胴縁18の群は、隣り合った中間支柱19の間に装架した中間横梁材20に固定されている。中間支柱19は、各階において床スラブ3,2の外向き張り出し部3c,2bの間に配置されている。本実施形態では、縦胴縁17,18と中間支柱19及び中間横梁材20は、請求項に記載した外壁下地材を構成している。
【0041】
図2に示すように、中間横梁材20はH型鋼を使用しており、その両端はブラケット(図示ぜ)を介して第1縦胴縁17に固定されている。また、一端と他端との間の中途部は、内部横張13にブラケット(図示せず)を介して固定されている。
【0042】
図5(B)(C)及び図6に示すように、中間支柱19は内側パネル11の外側でかつ床スラブ2,3の外向き張り出し部3c,2bの間に配置されており、コンクリート支柱4及び中間支柱12から突設したジョイントブラケット21に固定されている。
【0043】
ジョイントブラケット21は、H型鋼を所定長さに切断してその両端に端板22を溶接したものであり、図5(C)に示すように、コンクリート支柱4に対してはアンカーボルト23及びナット24で固定されており、図6に示すように、内部支柱12に対しては、ボルト25及びナット26で固定されている。いずれにおいても、中間支柱19に対しては、ジョイントブラケット21の他方の端板22が樹脂パッキン材28を介してボルト29及びナット30で固定されている。
【0044】
ジョイントブラケット21は内側パネル11を貫通している。そこで、内側パネル11のうちジョイントブラケット21が配置されている箇所には、ジョイントブラケット21の通過を許容するための逃がし部が形成されている。この場合、コンクリート支柱4の箇所では、ジョイントブラケット21は上下左右4枚の内側パネル11の突き合わさっている箇所に位置しているため、図3図5(D)及び図9(A)に示すように、互いに隣り合った4枚の内側パネル11に、逃がし部としての切欠き31を形成している。
【0045】
他方、中間支柱12の箇所では、図2図3図7(A)に示すように、1枚の内側パネル11に、逃がし部として四角形の貫通穴32を形成している。
【0046】
ジョイントブラケット21の位置と内側パネル11の配置との関係により、図8(B)に示すように、互いに隣り合った4枚の内側パネル11のうち下段の2枚の内側パネル11に切欠き31を形成することも可能であるし、図8(C)に示すように、上下に隣り合った2枚の内側パネル11に切欠き31が形成される場合もある。図示していないが、1枚の内側パネル11の上端部のみ又は下端部のみに切欠き31が形成される場合も有り得る。
【0047】
図8(D)に示すように、切欠き31や貫通穴32は、中間支柱19の固定作業が終わってから、ウレタンフォーム等の有機系断熱材33で塞がれる。敢えて述べるまでもないが、有機系断熱材32は、発泡樹脂をノズル33から噴出させる(現場発泡させる)ことによって形成されている。有機系断熱材33に代えて、ロックウールを吹き付けることも可能である。
【0048】
なお、図8(D)では樹脂パッキン28が内側パネル11の外側に露出しているが、図7(A)では、樹脂パッキン28は内側パネル11の内部に隠れている。いずれの態様も採用可能である。図5(A)に示すように、倉庫のコーナー部では、L型のコーナー外側パネル34を使用している。
【0049】
(3).内側パネルの構造・固定
図6に示すように、内側パネル11(及びコーナー内側パネル14)は、金属製(鋼板製)の表面板36と裏面板37との間に断熱材38を配置した積層構造(サンドイッチ構造)になっている。断熱材38はロックウールのような無機材も使用できるし、発泡ウレタンのような有機系のものも使用できる。内側パネル11は、冷熱の漏洩を的確に防止するために例えば200mm前後の厚さに設定されている。なお、パネル11,16の厚さは、要求される断熱性能に応じて任意に設定できる。
【0050】
表面板36及び裏面板37は相対向するように開口したトレー状の形態を成しており、断熱材38は表面板37及び裏面板38に接着されている。また、内側パネル11は、一方の長手側縁にサイド突条39を形成して他方の長手側縁にサイド溝条40を形成しており、水平方向(左右方向)に隣り合った内側パネル11は互いに嵌合している。
【0051】
図1,2に大まかに示すように、内側パネル11は床スラブ3,8の起立部3b,8aの外面に重なるように配置されているが、床スラブ3,8の起立部3b,8aは、内側パネル11を配置してから打設されている。そこで、図7(B)に示すように、内側パネル11の下端は、床スラブ3,8における外向き張り出し部3c,8bにアンカービスなどで固定された下レール11aに上から嵌め込まれて、内側パネル11の上端部は、床スラブ3における外向き張り出し部3cにアンカービスなどで固定された内外の上レール11b,11dで挟み保持されている。
【0052】
この場合、内側バネル11の上方に空間が空くが、この空間には、ロックウールやセラミックファイバー等の無機断熱材からなるシール材11cが充填されている。下レール11aはコ字形に表示しているが、内外のアングル材を向かい合わせに配置してもよい。内外の上レール11b,11dはいずれもアングル材を使用している。
【0053】
図示の例の場合は、施工は、下レール11aと内側の上レール11bとをスラブ3,8に固定する、内側バネル11を建物の外側から下レール11aに嵌め入れる、内側バネル11の上方の空間にシール材11cを充填する、外側の上レール11dを固定する、床パネル3,8の起立部3b,8aを打設する、という手順で行われる。
【0054】
下レール11aを内外のアングル材で構成して、内側のアングル材をその下片が外向きとなる姿勢に固定してから内側パネル11をセットし、次いで、上下の外側アングル材を床パネル3に固定して内側パネル11を外向き移動不能に保持する、という工法・構造も採用可能である。この場合は、内側パネル11の上端面を内側の上レール11bに密接させ得るため、シール材11cは必ずしも必要ない。下レール11a及び(/又は)上レール11b,11dにドリルビス等で固定可能である。
【0055】
上下のレール11a,11b,11dを使用せずに、内側パネル11の上下両端に、表裏両側に突出した水平片を溶接等で設けて、水平片を床スラブ2,3の外向き張り出し部3c,2bにビスで固定することも可能である。この場合も、内側パネル11と床スラブ2,3の外向き張り出し部3c,2bとの間に、セラミックファイバーのような圧縮変形する無機耐熱シール材を介在させることが可能である。
【0056】
内側パネル11は、その中途高さ部位を内部横張13に直接に又はブラケットを介してビスで固定することも可能である。ビスはドリルビスが好適であるが、内部横張13はその性質上かなり厚いので、ドリルビスを使用する場合は、内部横張13に例えば1mm前後の厚さのブラケットを固定して、このブラケットに固定するのが好ましい。既述のように、内側パネル11が上下のレール11a,11b,11dなどで位置決めされている場合は、上下中途部を内側横梁13に固定することは必ずしも必要ない。
(4).外側パネルとこれに関連した構造
図9に示すように、外側パネル16(及びコーナー外側パネル34)は、内側パネル11と同様に表面板41と裏面板42とで断熱材43を挟んだ積層構造(サンドイッチ構造)であり、表面板41と裏面板42とは外周板を有してトレー状(箱状)に形成されていて、互いに嵌まっている。断熱材43は、ロックウールのような無機材を使用している。
【0057】
外側パネル16の構造は図9で表示している。図9(A)に示すように、外側パネル16の左右側面には、表面板41を折り曲げた外向き片41a,41bが形成されており、隣り合った外側パネル16の外向き片41a,41bを重ね合わせて、ドリルビス46で第1縦胴縁17に固定している。従って、一対の外向き片41a,1bは板厚分だけ厚さ方向にずれている。
【0058】
外向き片41a,41bは、外側パネル16の厚さの中心よりも屋外側にずれて配置されており、ワッシャー54を介してドリルビス46で押さえられている。また、ワッシャー54の外側には溝が開口しているが、溝は樹脂系のコーキング材(目地材)55で塞がれている。
【0059】
図9(B)(C)に示すように、外側パネル16の下端面に、表面板41と裏面板42とを利用して、外側下向き突起55と内側外向き突起56と中間下向き突起57とを曲げ形成しており、外側下向き突起55と中間下向き突起57との間に外側下向き開口溝58が形成され、内側下向き突起56と中間下向き突起57との間に内側下向き開口溝58が形成されている。外側下向き突起55の突出寸法(上下幅)は、内側下向き突起56の突出寸法よりも大きくなっている(数倍以上になっている。)。
【0060】
他方、外側パネル16の上端面には、表面板41と裏面板42とを利用して、外側上向き突起60と内側上向き突起61と中間上向き開口溝62とが形成されており、上下に隣り合った外側パネル16は、外側下向き開口溝58と外側上向き突起60とが嵌まり合い、中間下向き突起57と中間上向き開口溝62とが嵌まり合い、内側下向き開口溝59と内側上向き突起61とが嵌まり合っている。
【0061】
外側上向き突起60は屋内側(裏面側)に段落ちして、内側上向き突起61は屋外側(表面側)に落ちしている。そして、上向き突起60と,61がドリルビス46で第2縦長胴縁18に固定されている。外側上向き突起60には、ドリルビス46の頭が入り込む逃がし凹所60aを形成している。なお、逃がし凹所60aは外側上向き突起60の全長にわたって形成してもよいし、第2縦長胴縁18の箇所ごとに形成してもよい。前者は、加工が容易であると共に、第2縦長胴縁18の配置位置に関係なく固定できる利点がある。
【0062】
施工に際して、外側パネル16は下段から順に積み上げられていく。すなわち、外側パネル16の上部をドリルビス46で第2縦長胴縁18に固定してから、次の外側パネル16を第2縦長胴縁18(及び第1縦胴縁17)に重ねた状態で下向きにずらすことより、上段の外側パネル16の下部を下段の外側パネル16の上部に嵌め込む、という作業を繰りえしていく。
【0063】
外側上向き突起60は、上段の外側下向き突起55の下端よりも少し下方において裏面側に段落ちしており、このため、外側パネル16の上部表面には、外側下向き突起55の下方に位置した横長凹所が形成されており、この横長凹所に樹脂系のコーキング材(目地材)63を充填している。図9(B)に示す例では、下向き開口溝58、59に弾性シール層64を設けている。
【0064】
図9(B)(C)から理解できるように、上下に隣り合った外側パネル16は厚さ方向の3カ所で互いに噛み合っているため、外側パネル16の上部をドリルビス46で固定しただけであっても、各外側パネル16をガタ付きのない状態に施工できる。また、上段の外側パネル16の外側下向き突起55が下段の外側パネル16の上部に外側から重なっているため雨水の侵入を阻止できるが、外側下向き突起55の突出寸法が内側下向き突起56の突出寸法よりも大きいため、施工に際して、下段の外側パネル16に対する上段の外側パネル16の落とし込みによる嵌め合わせを容易に行えつつ、雨水の侵入は的確に阻止できる。
【0065】
図7(B)に明瞭に示すように、中間床スラブ3における外向き張り出し部3cの外面と外側パネル16との間に、セラミックファイバー(耐火被覆材)の無機質の耐火遮熱材(耐火断熱材)50を配置している。耐火遮熱材50は、シート状のもので単層又は複数層に構成されており、中間床スラブ3の外向き張り出し部3cに固定されたL型のブラケット52の水平片51で支持されている。また、耐火遮熱材50は、隣り合った縦胴縁17,18の間ごとに配置されており、圧縮させた状態で中間床スラブ3の外向き張り出し部3cと外側パネル16との間に配置している。
【0066】
従って、耐火遮熱材50は、外向き張り出し部3cと外側パネル16とに密着している。また、第2縦長胴縁18と外向き張り出し部3cとの間の隙間にも回り込んでいる。従って、外向き張り出し部3cと外側パネル16との間の空間は、各階ごとに耐火遮熱材50で上下に仕切られている。従って、外壁空間は各フロアの箇所ごとに独立している。
【0067】
耐火遮熱材50を挟んだ上下両側の部位には、発泡ウレタン等の有機断熱材より成る断熱シール層53が吹き付けによって形成されている。断熱シール層53は、外向き張り出し部3cを覆いつつ、内側パネル11の外面も被覆しており、かつ、外側パネル16に密着している。また、断熱シール層53は、隣り合った第1縦胴縁17の間の空間にも一連に広がっている。施工に際しては、断熱シール層53を吹き付けてから、これを圧縮変形させた状態で外側パネル16を固定している。
【0068】
(5).実施形態の纏め
本実施形態の外壁は、次のような手順で組み立てられる。まず、各階において、躯体を構成するコンクリート支柱4や内部支柱12、内部横梁13にジョイントブラケット21を固定しておく。次いで、上下のレール11a,11b,11を使用して各階の空間に外側から内側パネル11及びコーナー外側パネル14を並べて固定していき、床パネル3,8の起立部3b,8aを打設していく。
【0069】
この場合、内側パネル11は、床スラブ2,3の外向き張り出し部2b,3cに固定することに加えて又はこれに代えて、内側パネル11を内部横梁13や図示しない内部胴縁(横長胴縁)にビスで固定することも可能である。内側パネル11を固定してから、ジョイントブラケット21の逃がしのために空いている切欠き31や貫通穴32の箇所にウレタンフォーム等の有機系断熱材33を吹き付けて、切欠き31や貫通穴32をシールする。
【0070】
次いで、内部支柱12に突設したジョイントブラケット21に中間支柱19を固定して、隣り合った中間支柱19に中間横梁20を固定すると共に、中間横梁材20は、内部横張13から突設したジョイントブラケット21にも固定する。このようにして、内側パネル11の群の外側に、中間支柱19と中間横梁20とで構成された中間骨組みを構築していく。
【0071】
次いで、中間支柱19に第1縦胴縁17を固定して、中間横梁20に第2縦長胴縁18の群を固定していき、次いで、隣り合った縦胴縁17,18の間に耐火遮熱材50を重ね配置して、ウレタンフォームを吹き付けて断熱シール層53を形成する。そして、縦胴縁17,18の群に外側パネル16及びコーナー外側パネル34の群を固定していく。
【0072】
本実施形態おいて、倉庫の外面は積層式で耐火断熱構造の外側パネル16,34の群で囲われているため、倉庫全体として極めて高い断熱性能を有するのみならず、壁空間の結露も防止できる。また、外側パネル16は遮水機能が高いため、防湿シートの張り付けは不要であり、それだけ作業の手間を軽減できる。
【0073】
また、内側パネル11,14は左右に重なりあっており、しかも、ジョイントブラケット21を逃がすための切欠き31や貫通穴32は断熱材32で塞がれているため、倉庫内部の冷熱が壁空間に逃げることはなくて、断熱性能や結露防止性能を更に向上できる。実施形態のように、ジョイントブラケット21がパッキン材28を介して中間支柱19に固定されていると、ジョイントブラケット21からの放熱を抑制できて好適である。
【0074】
本願発明では、屋内の冷気は内側パネル11に伝わるが、内側パネル11の外面は金属部材とは接触しておらず、また、金属製のジョイントブラケット21は樹脂パッキン28を介して中間支柱19に固定されているため、屋内の冷熱が外側パネル16に伝わることを著しく抑制できる。このため、建物の内外の熱伝達を著しく抑制して、高い断熱性能を確保できる。
【0075】
加えて、壁空間は耐火遮熱材50と断熱シール層53によって各階ごとに仕切られているため、通常時には壁空間の熱の対流を抑制して断熱性能を更に向上できる一方、火災時には、火炎の透過を防止して耐火性能・耐熱性能を向上できる。
【0076】
第1縦胴縁17として角形鋼管を使用すると、中間支柱19に対して強固に固定しつつ、一対の外側パネル16を強固に固定できる。他方、第2縦長胴縁18は外側パネル16を固定できれば足りるため、安価なC型鋼を採用してコストを抑制できる。
【0077】
実施形態のように、床スラブ8,3に起立部8a,3bを設けてその外側に内側パネル11を配置すると、火災に際して火炎が床面を通って内側パネル11の内外に透過することを防止できる。また、内側パネル11の上部はコンクリート製梁部3aの後ろに配置されているため、室内で火災が発生した場合に、天井面に沿って走った火炎が内側パネル11と外向き張り出し部3cとの間から外側に吹き抜けることを防止できる。なお、コンクリート製の梁部3aの背面と起立部8a,3bの背面とを同一面に構成すると、火災に際しての火炎の透過を更に防止できて好適である。
【0078】
実施形態では、外側パネル16は内側パネル11の1/3程度の厚さになっている。冷凍・冷蔵用の倉庫では、倉庫内から外部への放熱を防止することが重要であるため、実施形態のように内側パネル11を厚くすることは、断熱性能向上にとって有益である。
【0079】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、隣り合った耐火断熱パネルを重ね合わせたり噛み合わせたりする場合、様々な構造を採用できる。また、胴縁や横桟、耐火断熱パネルの面板に断熱性の塗料を塗布しておくことにより、放熱を抑制することも可能である。
【0080】
躯体は、コンクリートのみで構成することも可能である。他方、スタッカクレーン等の搬送機を備えた自動倉庫の場合は、倉庫全体が1つの格納空間になるため、躯体を鉄骨で構成して外壁で囲うタイプが多いと解される。本願発明は、平屋タイプの倉庫にも適用できる。また、本願発明は、多数のサーバを備えたデータセンターのような恒温建物にも適用できる。第1縦胴縁をH型鋼製とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本願発明は、冷凍・冷蔵倉庫等の建物に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 免震台
2 躯体を構成する基礎床スラブ
3 躯体を構成する中間床スラブ
3a 梁部
3b 起立部
3c 外向き張り出し部
4 躯体を構成するコンクリート製支柱
5 受け台
6 断熱層
7 コンクリート製起訴枠
8 躯体を構成する1階床スラブ
8a 起立部
9 屋根
10 天梁材
11 内側パネル
11a 下レール
11b,11d 上レール
11c シール材
12 躯体を構成する内部支柱(内部骨組み)
13 躯体を構成する内部横梁(内部骨組み)
14 コーナー内側パネル
15 シール材
16 外側パネル
17 外壁下地材を構成する第1縦胴縁
18 外壁下地材を構成する第2縦長胴縁
19 中間支柱
20 中間横梁
21 ジョイントブラケット
22 ジョイントブラケットの端板
23 アンカーボルト
24,26 ナット
25 ボルト
26 ナット
28 パッキン材
29 ボルト
30 ナット
31 逃がし部の一例としての切欠き
32 逃がし部の一例としての貫通穴
33 有機系断熱材
34 コーナー外側パネル
36 内側パネルの表面板
37 内側パネル裏面板
38 内側パネル断熱材
39 サイド突条
40 サイド溝条
41 外側パネルの表面板
42 外側パネルの裏面板
43 外側パネル断熱材
44 上部外向き段部
45 下部内向き段部
46 ドリルビス
47 サイド外向き段部
48 押さえ部材
49 目地材
50 耐火遮熱材
51 ブラケットの水平片
52 ブラケット
53 断熱シール層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9