(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111382
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】枝管ライニング材及び枝管ライニング工法
(51)【国際特許分類】
B29C 63/34 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
B29C63/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015833
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】592057385
【氏名又は名称】株式会社湘南合成樹脂製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100075292
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴司
(72)【発明者】
【氏名】池 翰相
(72)【発明者】
【氏名】幕内 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】神山 和大
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AA04
4F211AA11
4F211AA24
4F211AA29
4F211AA39
4F211AA41
4F211AA44
4F211AD16
4F211AG03
4F211AG08
4F211AG21
4F211AH43
4F211AR06
4F211AR07
4F211SA14
4F211SC03
4F211SD04
4F211SH24
4F211SJ11
4F211SN04
4F211SP15
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、また短時間で枝管ライニング材の鍔を本管内周面に固着させる。
【解決手段】枝管ライニング材1の鍔2上に光硬化性樹脂層5が設けられる。鍔は光硬化性樹脂層を硬化できる光線を透過可能なプラスチックからできている。鍔が搭載される作業ロボットのヘッドカラー15には、光硬化性樹脂層を硬化できる光線を発光するLED20が複数配置される。光硬化性樹脂層は下方からLEDにより照射されて硬化し、鍔が本管に密着して固着される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本管と交差する枝管の内周面をライニングするための枝管ライニング材であって、
本管の枝管開口部周縁に密着され、密着面に光硬化性樹脂層が設けられた鍔と、
前記鍔に一端が結合されて枝管内に挿入される柔軟な管状樹脂吸収材と、を備え、
前記鍔が、光硬化性樹脂層が硬化して枝管開口部周縁に固着されるように、該光硬化性樹脂層を硬化できる光線を透過可能なプラスチックからできていることを特徴とする枝管ライニング材。
【請求項2】
前記光硬化性樹脂層は、液状の光硬化性樹脂を鍔に塗布するか、又は光硬化性樹脂シートを鍔に貼付することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の枝管ライニング材。
【請求項3】
前記枝管ライニング材は、その鍔が本管内を走行する作業ロボットに搭載されて枝管開口部周縁に移動され、作業ロボットの鍔搭載面上に、光硬化性樹脂層を硬化できる光線を発光する光源が配置されることを特徴とする請求項1に記載の枝管ライニング材。
【請求項4】
前記光源は、作業ロボットの鍔搭載面上に鍔の円周方向に等間隔に並ぶように複数設けられることを特徴とする請求項3に記載の枝管ライニング材。
【請求項5】
前記光源は、作業ロボットの鍔搭載面上に鍔の径方向に複数設けられることを特徴とする請求項4に記載の枝管ライニング材。
【請求項6】
前記光源は、紫外線を含む光線を発光するLEDから構成されることを特徴とする請求項3に記載の枝管ライニング材。
【請求項7】
一端に鍔が形成された枝管ライニング材を用いて本管から分岐する枝管をライニングする枝管ライニング工法であって、
鍔面上に光硬化性樹脂層が設けられた枝管ライニング材を用意する工程と、
枝管ライニング材を、本管の枝管開口部に移動させ、鍔面上の光硬化性樹脂層を枝管開口部周縁に密着させる工程と、
鍔の下方から紫外線を含む光線を鍔に向けて照射し、鍔面上の光硬化性樹脂層を硬化させる工程と、
枝管ライニング材を枝管内に挿入して枝管内をライニングする工程と、
を備え、
前記鍔が、光硬化性樹脂層が硬化して枝管開口部周縁に固着されるように、光硬化性樹脂層を硬化できる光線を透過可能なプラスチックからできていることを特徴とする枝管ライニング工法。
【請求項8】
前記枝管ライニング材は、その鍔が本管内を走行する作業ロボットに搭載されて枝管開口部周縁に移動され、作業ロボットの鍔搭載面上に、光硬化性樹脂層を硬化できる光線を発光する光源が配置されることを特徴とする請求項7に記載の枝管ライニング工法。
【請求項9】
前記光源は、作業ロボットの鍔搭載面上に鍔の円周方向に等間隔に並ぶように複数設けられることを特徴とする請求項8に記載の枝管ライニング工法。
【請求項10】
前記光源は、作業ロボットの鍔搭載面上に鍔の径方向に複数設けられることを特徴とする請求項9に記載の枝管ライニング工法。
【請求項11】
前記光源は、紫外線を含む光線を発光するLEDから構成されることを特徴とする請求項8に記載の枝管ライニング工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本管から分岐する枝管のライニングに供される枝管ライニング材とこれを用いた枝管ライニング工法に関する。
【背景技術】
【0002】
本管から分岐する枝管に対して枝管ライニング材を用いて枝管をライニングする工法が知られている。同工法では、枝管ライニング材の一端に形成された鍔を、本管の枝管開口部の周縁に密着させてから枝管ライニング材を枝管内に反転挿入し、枝管ライニング材を枝管の内周面に押圧したまま枝管ライニング材に含浸された硬化性樹脂を硬化させて枝管をライニングしている。
【0003】
特許文献1には、熱硬化性樹脂で作製された鍔の枝管開口部側の面あるいはその面に形成された溝に熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂からなる接着剤が塗布され、この接着剤により鍔を本管の内周面に接着させて枝管を本管と一体化させる枝管ライニング工法が記載されている。
【0004】
特許文献2には、熱可塑性樹脂で作製された鍔の枝管開口部側の面に接着剤が塗布され、この接着剤により鍔を本管の内周面に接着させて枝管を本管と一体化させる枝管ライニング工法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-38393号公報
【特許文献2】特開2011-156689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された枝管ライニング工法では、枝管ライニング材を枝管内に反転挿入し、枝管の内周面に押し付けた状態で蒸気を噴出させ、その熱で枝管ライニング材に含浸された熱可塑性樹脂を硬化させるとともに、鍔に塗布された熱硬化性接着剤を硬化させている。このため、特許文献1の枝管ライニング工法では、鍔に塗布された熱硬化性接着剤に伝達される熱量が少なく、熱硬化性接着剤の硬化時間が長くなる、という問題があった。特許文献1には、鍔に塗布される樹脂は、光硬化性樹脂でもよい、と記載されていが、光硬化性樹脂をどのように硬化させるかは、記載されていない。
【0007】
特許文献2に記載された枝管ライニング工法では、浮き袋の形をしたリング状の鍔押圧具を介して鍔が本管内周面に押圧され、この鍔押圧具内に温水を供給して鍔に塗布された熱硬化性接着剤を硬化させている。この枝管ライニング工法では、鍔が熱可塑性樹脂で作製されているので、温水の温度をあまり高くすることができないとともに、鍔を本管内周面に押圧するために、鍔押圧具などの補助具が必要になる、という問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、簡単な構成で、また短時間、高効率で枝管ライニング材の鍔を本管内周面に固着させることが可能な枝管ライニング材とこれを用いた枝管ライニング工法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(請求項1)は、本管と交差する枝管の内周面をライニングするための枝管ライニング材であって、
本管の枝管開口部周縁に密着され、密着面に光硬化性樹脂層が設けられた鍔と、
前記鍔に一端が結合されて枝管内に挿入される柔軟な管状樹脂吸収材と、を備え、
前記鍔が、光硬化性樹脂層が硬化して枝管開口部周縁に固着されるように、該光硬化性樹脂層を硬化できる光線を透過可能なプラスチックからできていることを特徴とする。
【0010】
本発明(請求項7)は、一端に鍔が形成された枝管ライニング材を用いて本管から分岐する枝管をライニングする枝管ライニング工法であって、
鍔面上に光硬化性樹脂層が設けられた枝管ライニング材を用意する工程と、
枝管ライニング材を、本管の枝管開口部に移動させ、鍔面上の光硬化性樹脂層を枝管開口部周縁に密着させる工程と、
鍔の下方から紫外線を含む光線を鍔に向けて照射し、鍔面上の光硬化性樹脂層を硬化させる工程と、
枝管ライニング材を枝管内に挿入して枝管内をライニングする工程と、
を備え、
前記鍔が、光硬化性樹脂層が硬化して枝管開口部周縁に固着されるように、光硬化性樹脂層を硬化できる光線を透過可能なプラスチックからできていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、枝管ライニング材の鍔が、硬化性樹脂層を硬化できる光線を透過可能なプラスチックからできていて、鍔の下方から光硬化性樹脂層を照射することができるので、、照射方法が簡単になるとともに、枝管ライニングの一連の流れの中で光硬化性樹脂を硬化させることができ、作業工程並びに作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る枝管ライニング材の側面図である。
【
図2a】枝管ライニング材の鍔を示す上面図である。
【
図2b】
図2aのX-X’線に沿った鍔の断面図である。
【
図3】光硬化性樹脂シートを設けた枝管ライニング材の鍔を示す上面図である。
【
図4】枝管ライニング材の鍔を搭載する作業ロボットのヘッドカラーを示す斜視図である。
【
図5】ヘッドカラーに配置されるLEDの接続例を示す回路図である。
【
図6】枝管ライニング材を枝管開口部周縁に位置決めする状態を示す説明図である。
【
図7】枝管ライニング材の鍔を枝管開口部周縁に密着させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【実施例0014】
図1に示す枝管ライニング材1は、不織布から成る柔軟な可撓性の管状樹脂吸収材3を有し、その一端は外方へ折り返されてフランジ状の鍔2の上面に結合される。管状樹脂吸収材3には未硬化の液状の硬化性樹脂が含浸されており、その外周面には気密性のあるプラスチックフィルム3aがコーティングされている。
【0015】
管状樹脂吸収材3を構成する不織布の材質としてはポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ビニロン等が選定され、これに含浸される硬化性樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。硬化性樹脂として、光硬化性樹脂を用いることもできる。又、プラスチックフィルム3aの材質としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエチレン/ナイロン共重合体、塩化ビニル等が選定される。
【0016】
管状樹脂吸収材3の一端が結合される鍔2は後述の本管30(
図6)の内周面にほぼ等しい曲率で円弧状に湾曲する曲面を構成しており、その外径は後述の枝管31(
図6)の内径よりも大きく設定されている。
【0017】
枝管ライニング材1は、後述するように、その鍔2が本管の枝管開口部周縁に密着されて管状樹脂吸収材3が枝管内に反転挿入される。その鍔2の枝管開口部側の面(
図1で上側の面)上で枝管側端部、つまり管状樹脂吸収材3が取り付けられる側には、
図2a、
図2bに示すように、リング状のパッキン4が取り付けられる。パッキン4は、自己融着型のゴム系ないしスポンジ系の弾性体からなる密封部材で、その上部の外径は本管の枝管開口部の内径とほぼ同じとなっている。
【0018】
鍔2の上面でパッキン4を除く部分には、光硬化性樹脂層5が設けられる。光硬化性樹脂層5は、光(紫外線)の照射により発生するラジカルやカチオンを開始種として、ビニル基、アクリロイル基やエポキシ基など重合能を有するオリゴマー、モノマー間の反応により架橋構造が形成される樹脂からなる樹脂層で、液状の光硬化性樹脂を用いる場合には、刷毛などにより鍔2の上面に塗布されて光硬化性樹脂層5が形成される。
【0019】
塗布された液状の光硬化性樹脂が鍔2の上面から流れ出す恐れがある場合には、パッキン4と同じ材質のリング状のパッキン(不図示)を、鍔2の外周面上に設け、光硬化性樹脂が鍔2から流れ落ちるのを防止するようにする。
【0020】
光硬化性樹脂層5は、
図3に示したように、外径d1が鍔2の外径に対応し、内径d2がパッキン4の外径に対応するリング状の光硬化性樹脂シート7により構成することもできる。光硬化性樹脂シート7は、必要に応じて切り目7aを設けることによりしわができないようにして、両面接着テープ(不図示)などで鍔2の上面に仮に貼り付けられる。
【0021】
なお、液状の光硬化性樹脂の塗布は、好ましくは枝管ライニング施工現場で行われるが、光硬化性樹脂シート7を鍔2に貼付する工程は、工場内で行って施工現場に運び込むこともできる。
【0022】
鍔2は、光硬化性樹脂を硬化させることができる光線、例えば波長が250-450nmの紫外線を含む光線を透過できる熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂などのプラスチックから形成される。例えば、塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂を用いる場合には、着色剤添加を省略することにより、波長が250-450nmの紫外線を含む光線を透過できる透明あるいは半透明な鍔を作製することができる。
【0023】
図4には、後述する作業ロボット12に取り付けられるヘッドカラー15が図示されている。ヘッドカラー15は、鍔の下面とほぼ同じ曲率で湾曲した湾曲部15aと、枝管開口部とほぼ同じ大きさの開口部15bと、開口部15bから下方に延びる円柱部15cと、作業ロボットの油圧シリンダに連結される連結部15dを有する。
【0024】
ヘッドカラー15の開口部15bの外縁には、リング溝15eが形成されており、このリング溝15e内に、光硬化性樹脂層5を硬化できる光線を発光する光源、例えば紫外線LED(以下、LED20と記す)が配置される。本実施例では、8個のLED20が、リング溝15e内に等間隔に配置される。配置されるLED20の個数あるいは密度は、鍔2の材質あるいはその大きさ、LEDの出力(照射強度)、要求される硬化時間などを考慮して定められる。
【0025】
各LED20は、
図5に示したように、リード線21を介して直列に接続され、コネクタ22に導かれて電源線23を介して外部電源、例えば3-5VのDC電源(不図示)に接続される。LED20からでる光線は、鍔2を透過してその上面に設けられた光硬化性樹脂層5に照射され、これより光硬化性樹脂層5を硬化させることができる。
【0026】
図6には、上述した枝管ライニング材1を用いて枝管をライニングする工程が図示されている。下水管等の本管30から小径の枝管31が分岐しており、本管30と枝管31の交差する部分に枝管開口部31aが形成される。本管30内には、作業ロボット12、圧力バッグ13、枝管ライニング材1等が引き込まれる。
【0027】
この実施例では、本管30は本管ライニング材30aによりすでにライニングが施されており、枝管ライニングは、いわゆるアフターライニングとして施工されるが、本発明は、まだライニングの施されていない本管に対しても適用できるものである。
【0028】
枝管ライニング材1は、鍔2がヘッドカラー15の湾曲部15aに搭載され、管状樹脂吸収材3の未反転部がヘッドカラー15の開口部15b、円柱部15cを通過して、圧力バッグ13内に収納される。
【0029】
ヘッドカラー15は、連結部15dを介して作業ロボット12の油圧シリンダ14に連結される。油圧シリンダ14は、本管30の管軸を中心に矢印方向aに回動するとともに、矢印b、c方向に上下動して、ヘッドカラー15並びにそれに取り付けられた枝管ライニング材1の鍔2もそれに応じた動きをする。
【0030】
ヘッドカラー15に配置された各LED20は、一点鎖線で示した電源線23を介して作業ロボット12内の電源(不図示)から給電される。作業ロボット12の上部にはモニター用のTVカメラ16が設置されている。作業ロボット12の前後には牽引ロープ17,18が取り付けられており、これにより、作業ロボット12,枝管ライニング材1などを本管30内で移動させることができる。
【0031】
管状樹脂吸収材3の端部には、連結具10を介して蒸気ホース11が取り付けられていて、圧力バッグ13には、蒸気ホース11を介して蒸気が供給される。また、圧力バッグ13には、パイプ25を介して圧縮空気が供給される。
【0032】
本管30が本管ライニング材30aを用いてライニングされている場合には、本管30の枝管開口部31aを塞いでいる本管ライニング材30aの部分を穿孔し、枝管開口部31aを開口させておく。
【0033】
作業ロボット12を、TVカメラ16によって本管30内をモニタリングしながら操作し、
図6に示すように、枝管ライニング材1の鍔2が本管30の穿孔された枝管開口部31aの周縁に向かうように位置決めする。
【0034】
このような状態で、
図7に示したように、油圧シリンダ14を作動させ、ヘッドカラー15を上方に移動させ、光硬化性樹脂層5を枝管開口部周縁の本管ライニング材30aに密着させる。その後、ヘッドカラー15に配置されたLED20を点灯させる。
【0035】
LED20からでる光線は、鍔2を透過して光硬化性樹脂層5を照射し、これにより光硬化性樹脂層5が硬化する。本管30の本管ライニング材30aは、その表面がPEフィルムまたは不飽和ポリエステル樹脂など光硬化性樹脂と接着性のあるプラスチックからなっているので、光硬化性樹脂層5は、鍔2と本管ライニング材30aの両方に接着性をもち、鍔2が光硬化性樹脂層5の硬化により本管30に強固に固定される。
【0036】
コンプレッサ(不図示)を駆動して圧縮空気をパイプ25を介して圧力バッグ13内に供給すると、管状樹脂吸収材3は枝管31内に反転、挿入される。 管状樹脂吸収材3が、所定の長さに渡って挿入された後、蒸気ホース11から蒸気を噴出させ、管状樹脂吸収材3に含浸されている熱硬化性樹脂を加温し硬化させ、枝管を所定長さに渡ってライニングする。
【0037】
以上の枝管ライニング工法では、枝管ライニング材1の鍔2に形成された光硬化性樹脂層5により鍔2が本管3の内面に強固に固定されるので、鍔2と本管30の一体化が可能になり、本管30と枝管31間の水密性が向上するとともに、外力による鍔2の本管30からの離脱を防止することができる。また、光硬化性樹脂層5を鍔2の下方から照射することができるので、枝管ライニングの一連の流れの中で光硬化性樹脂を硬化させることができ、作業工程並びに作業時間の短縮を図ることができる。
【0038】
なお、上述した実施例では、LED20は、一つのリング溝15e内に鍔の円周方向に複数設けるようにしたが、それに加えて複数のリング溝を同心に設け、LED20を同心に設けた他のリング溝内に周方向に複数設けて、各LEDを点灯させるようにしてもよい。