(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011139
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】端末装置、サーバ、情報システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20240118BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G06F8/65
G07F9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112899
(22)【出願日】2022-07-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】森 新
(72)【発明者】
【氏名】井上 尊之
【テーマコード(参考)】
3E044
5B376
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DB20
5B376AB08
5B376AB14
5B376AB25
5B376AB43
5B376CA05
5B376CA16
5B376CA17
5B376CA19
5B376CA39
5B376CA42
5B376CA74
5B376CA76
5B376FA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容易に自動販売機のソフトウェアを更新する端末装置、サーバ、情報システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバ、1以上の端末装置、1以上の可搬性記録媒体及び1以上の自動販売機を有する情報システムにおいて、端末装置1は、自動販売機を識別する自販機識別子を取得する識別子取得部131と、識別子取得部131が取得した自販機識別子をサーバに送信する識別子送信部141と、識別子送信部141が自販機識別子をサーバに送信したことに応じて、サーバから自販機識別子で識別される自動販売機のソフトウェアを受信するソフトウェア受信部151と、ソフトウェア受信部151が受信したソフトウェアを、可搬性記録媒体に書き込むソフトウェア書込部133とを具備し、可搬性記録媒体が挿入された自動販売機のソフトウェアが、可搬性記録媒体に書き込まえたソフトウェアにより更新される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機を識別する自販機識別子を取得する識別子取得部と、
前記識別子取得部が取得した前記自販機識別子をサーバに送信する識別子送信部と、
前記識別子送信部が前記自販機識別子を前記サーバに送信したことに応じて、当該サーバから前記自販機識別子で識別される前記自動販売機のソフトウェアを受信するソフトウェア受信部と、
前記ソフトウェア受信部が受信した前記ソフトウェアを、可搬性記録媒体に書き込むソフトウェア書込部とを具備する端末装置であり、
前記可搬性記録媒体が挿入された前記自動販売機のソフトウェアが、前記可搬性記録媒体に書き込まえた前記ソフトウェアにより更新される、端末装置。
【請求項2】
前記自動販売機のソフトウェアの更新が完了した後、前記自販機識別子に対応付けて、ソフトウェアの更新が完了した旨の完了情報を前記サーバに送信する完了報告部をさらに具備する請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
通信機能を有する前記可搬性記録媒体から前記ソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信する完了受信部をさらに具備し、
前記完了報告部は、
前記完了受信部が前記更新が完了した旨の情報を受信した場合に、前記完了情報を前記サーバに送信する請求項2記載の端末装置。
【請求項4】
前記識別子取得部は、
前記可搬性記録媒体から前記自販機識別子を受信する請求項1から請求項3いずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記識別子取得部は、
前記自動販売機に前記可搬性記録媒体が挿入されたことをトリガーとして、前記自販機識別子を取得する請求項1から請求項4いずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記自動販売機のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断する必要性判断部をさらに具備し、
前記ソフトウェア書込部は、
前記必要性判断部が前記自動販売機のソフトウェアの更新が必要であると判断した場合のみ、前記ソフトウェアを前記可搬性記録媒体に書き込む請求項1から請求項5いずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
1以上の各自販機識別子に対応付けて、自販機識別子で識別される自動販売機のソフトウェアのバージョンを特定するバージョン情報を格納するバージョン管理部と、
端末装置から自販機識別子を受信するサーバ受信部と、
前記サーバ受信部が受信した前記自販機識別子と対になるバージョン情報を、前記バージョン管理部から取得し、当該バージョン情報を用いて、前記自販機識別子で識別される自動販売機のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断し、判断結果を取得するサーバ判断部と、
前記サーバ判断部が取得した判断結果を前記端末装置に送信するサーバ送信部とを具備するサーバ。
【請求項8】
請求項1から請求項6いずれか一項に記載の端末装置、サーバ、および可搬性記録媒体を具備する情報システム。
【請求項9】
1以上の自動販売機をさらに具備する請求項8記載の情報システム。
【請求項10】
識別子取得部と、識別子送信部と、ソフトウェア受信部と、ソフトウェア書込部とにより実現される端末装置における情報処理方法であって、
前記識別子取得部が、自動販売機を識別する自販機識別子を取得する識別子取得ステップと、
前記識別子送信部が、前記識別子取得ステップで取得された前記自販機識別子をサーバに送信する識別子送信ステップと、
前記ソフトウェア受信部が、前記識別子送信ステップで前記自販機識別子を前記サーバに送信したことに応じて、当該サーバから前記自販機識別子で識別される前記自動販売機のソフトウェアを受信するソフトウェア受信ステップと、
前記ソフトウェア書込部が、前記ソフトウェア受信ステップで受信された前記ソフトウェアを、可搬性記録媒体に書き込むソフトウェア書込ステップとを具備する情報処理方法であり、
前記可搬性記録媒体が挿入された前記自動販売機のソフトウェアが、前記可搬性記録媒体に書き込まえた前記ソフトウェアにより更新される、情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
自動販売機を識別する自販機識別子を取得する識別子取得部と、
前記識別子取得部が取得した前記自販機識別子をサーバに送信する識別子送信部と、
前記識別子送信部が前記自販機識別子を前記サーバに送信したことに応じて、当該サーバから前記自販機識別子で識別される前記自動販売機のソフトウェアを受信するソフトウェア受信部と、
前記ソフトウェア受信部が受信した前記ソフトウェアを、可搬性記録媒体に書き込むソフトウェア書込部として機能させるためのプログラムであって、
前記可搬性記録媒体が挿入された前記自動販売機のソフトウェアが、前記可搬性記録媒体に書き込まえた前記ソフトウェアにより更新される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機のソフトウェアの更新を支援する端末装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、USBメモリ等の記憶媒体に適用可能で、十分な安全性を確保しながら情報の書き換え、あるいは書き込みを行うことができる自動販売機の制御システムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、自動販売機のソフトウェアの更新が煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の端末装置は、自動販売機を識別する自販機識別子を取得する識別子取得部と、識別子取得部が取得した自販機識別子をサーバに送信する識別子送信部と、識別子送信部が自販機識別子をサーバに送信したことに応じて、サーバから自販機識別子で識別される自動販売機のソフトウェアを受信するソフトウェア受信部と、ソフトウェア受信部が受信したソフトウェアを、可搬性記録媒体に書き込むソフトウェア書込部とを具備する端末装置であり、可搬性記録媒体が挿入された自動販売機のソフトウェアが、可搬性記録媒体に書き込まえたソフトウェアにより更新される、端末装置である。
【0006】
かかる構成により、容易に自動販売機のソフトウェアを更新できる。
【0007】
また、本第二の発明の端末装置は、第一の発明に対して、自動販売機のソフトウェアの更新が完了した後、自販機識別子に対応付けて、ソフトウェアの更新が完了した旨の完了情報をサーバに送信する完了報告部をさらに具備する端末装置である。
【0008】
かかる構成により、サーバでの自動販売機のソフトウェアのバージョン管理を支援できる。
【0009】
また、本第三の発明の端末装置は、第二の発明に対して、通信機能を有する可搬性記録媒体からソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信する完了受信部をさらに具備し、完了報告部は、完了受信部が更新が完了した旨の情報を受信した場合に、完了情報をサーバに送信する端末装置である。
【0010】
かかる構成により、サーバでの自動販売機のソフトウェアのバージョン管理を容易に支援できる。
【0011】
また、本第四の発明の端末装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、識別子取得部は、可搬性記録媒体から自販機識別子を受信する端末装置である。
【0012】
かかる構成により、作業者が自販機識別子を入力せずに、容易に自動販売機のソフトウェアを更新できる。
【0013】
また、本第五の発明の端末装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、識別子取得部は、自動販売機に可搬性記録媒体が挿入されたことをトリガーとして、自販機識別子を取得する端末装置である。
【0014】
かかる構成により、さらに容易に自動販売機のソフトウェアを更新できる。
【0015】
また、本第六の発明の端末装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、自動販売機のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断する必要性判断部をさらに具備し、ソフトウェア書込部は、必要性判断部が自動販売機のソフトウェアの更新が必要であると判断した場合のみ、ソフトウェアを可搬性記録媒体に書き込む端末装置である。
【0016】
かかる構成により、ソフトウェアの更新が必要な自動販売機のソフトウェアのみを更新できる。
【0017】
また、本第七の発明のサーバは、1以上の各自販機識別子に対応付けて、自販機識別子で識別される自動販売機のソフトウェアのバージョンを特定するバージョン情報を格納するバージョン管理部と、端末装置から自販機識別子を受信するサーバ受信部と、サーバ受信部が受信した自販機識別子と対になるバージョン情報を、バージョン管理部から取得し、バージョン情報を用いて、自販機識別子で識別される自動販売機のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断し、判断結果を取得するサーバ判断部と、サーバ判断部が取得した判断結果を端末装置に送信するサーバ送信部とを具備するサーバである。
【0018】
かかる構成により、ソフトウェアの更新が必要か否かの判断が容易にできる。
【0019】
また、本第八の発明の情報システムは、第一から第六いずれか1つの発明の端末装置、サーバ、および可搬性記録媒体を具備する情報システムである。
【0020】
かかる構成により、容易に自動販売機のソフトウェアを更新できる環境を提供できる。
【0021】
また、本第九の発明の情報システムは、第八の発明に対して、1以上の自動販売機をさらに具備する情報システムである。
【0022】
かかる構成により、容易に自動販売機のソフトウェアを更新できる環境を提供できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による端末装置によれば、容易に自動販売機のソフトウェアを更新できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
【
図3】同情報システムAを構成する端末装置1のブロック図
【
図4】同端末装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図5】同ソフトウェア取得処理の例について説明するフローチャート
【
図6】同サーバ2の動作例について説明するフローチャート
【
図7】同可搬性記録媒体3の動作例について説明するフローチャート
【
図10】同情報システムAの具体的な動作例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、端末装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態において、自販機識別子を送信し、当該自販機識別子に対応するソフトウェアをサーバから受信し、当該ソフトウェアを、自動販売機に挿入された可搬性記録媒体に書き込む端末装置であり、自動販売機のソフトウェアの更新を支援する端末装置を含む情報システムについて説明する。なお、ここでのソフトウェアは、例えば、自動販売機4にインストールされるファームウェア、OS等であるが、自動販売機4にインストールされるソフトウェアであれば良く、その種類は問わない。また、ソフトウェアの更新とは、通常、ソフトウェアのバージョンアップであるが、ソフトウェアが変更されれば良い。
【0027】
また、本実施の形態において、自動販売機におけるソフトウェアの更新が完了した旨の情報を、当該自動販売機の自販機識別子に対応付けて、サーバに送信する端末装置を含む情報システムについて説明する。
【0028】
また、本実施の形態において、可搬性記録媒体からソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信する端末装置を含む情報システムについて説明する。
【0029】
また、本実施の形態において、通信可能な可搬性記録媒体から自販機識別子を受信し、当該自販機識別子をサーバに送信する端末装置を含む情報システムについて説明する。
【0030】
また、本実施の形態において、自動販売機への可搬性記録媒体の挿入をトリガーとして、処理が開始される情報システムについて説明する。
【0031】
また、本実施の形態において、ソフトウェアの更新が必要か否かを判断し、必要な場合のみ、ソフトウェアを可搬性記録媒体に書き込む端末装置を含む情報システムについて説明する。
【0032】
さらに、本実施の形態において、1または2以上の端末装置、サーバ、1または2以上の可搬性記録媒体、および1または2以上の自動販売機を有する情報システムについて説明する。
【0033】
なお、本実施の形態において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0034】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、1または2以上の端末装置1、サーバ2、1または2以上の可搬性記録媒体3、および1または2以上の自動販売機4を備える。情報システムAにおいて、例えば、2以上の各ユーザが、端末装置1と可搬性記録媒体3とのセットを保持している。
図1の端末装置1と可搬性記録媒体3とのセットの破線の枠は、一のユーザが保持しているセットを示す。
【0035】
端末装置1は、ユーザが使用する端末であり、通常、携帯端末である。ユーザとは、自動販売機のソフトウェアの更新のための作業を行う者である。つまり、ユーザは、通常、いわゆる作業者である。端末装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末であるが、いわゆるパーソナルコンピュータ等でも良く、問わない。端末装置1は、ユーザが持ちは込み可能な端末であることは好適である。
【0036】
サーバ2は、自動販売機4にインストールされるソフトウェアを格納している装置である。また、サーバ2は、例えば、端末装置1の各自動販売機4の中のソフトウェアのバージョンを管理する。サーバ2は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等であり、その種類は問わない。
【0037】
可搬性記録媒体3は、各自動販売機4の更新されるソフトウェアを格納し得る。可搬性記録媒体3は、持ち運び可能な記録媒体である。可搬性記録媒体3は、ここでは、通信機能を有する。可搬性記録媒体3の通信機能は、近距離無線通信手段により実現されることは好適である。近距離無線通信手段は、BLE(Bluetooth Low Energy)であることは好適であるが、WiFi等でも良く、通信手段は問わない。可搬性記録媒体3は、自動販売機4に差し込み可能な媒体である。可搬性記録媒体3は、例えば、USBメモリであるが、SDカード、HDD等の他の種類の記録媒体でも良い。可搬性記録媒体3は、自動販売機4に差し込まれることにより、通電されることは好適である。
【0038】
自動販売機4は、商品を販売するための機器である。自動販売機4で販売される商品は、例えば、お茶、水、ジュース、ビール等の飲料であるが、その種類は問わない。
【0039】
1以上の各端末装置1とサーバ2とは、インターネット等により、通信可能である。
【0040】
1以上の各端末装置1と可搬性記録媒体3とは、通信可能である。端末装置1と可搬性記録媒体3とは、近距離無線通信手段により通信可能であることは好適である。端末装置1と可搬性記録媒体3とは、例えば、BLEにより通信可能であることは好適である。なお、端末装置1と可搬性記録媒体3とは、例えば、WiFi等の他の通信手段により通信可能でも良い。端末装置1と可搬性記録媒体3との間の通信手段は問わない。
【0041】
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。
図3は、情報システムAを構成する端末装置1のブロック図である。
【0042】
端末装置1は、端末格納部11、端末受付部12、端末処理部13、端末送信部14、端末受信部15、および端末出力部16を備える。端末処理部13は、識別子取得部131、必要性判断部132、およびソフトウェア書込部133を備える。端末送信部14は、識別子送信部141、および完了報告部142を備える。端末受信部15は、ソフトウェア受信部151、および完了受信部152を備える。
【0043】
サーバ2は、サーバ格納部21、サーバ受信部22、サーバ処理部23、およびサーバ送信部24を備える。サーバ格納部21は、バージョン管理部211を備える。サーバ処理部23は、サーバ判断部231を備える。
【0044】
端末装置1を構成する端末格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、ソフトウェア、記録媒体識別子、ユーザ識別子、自動販売機4のソフトウェアの最新のバージョン情報、各種の画面情報である。
【0045】
端末格納部11に格納されるソフトウェアは、自動販売機4にインストールされるソフトウェアであり、更新するためのソフトウェアであり、例えば、最新バージョンのソフトウェアである。
【0046】
記録媒体識別子とは、端末装置1とペアになる可搬性記録媒体3を識別する情報である。記録媒体識別子は、例えば、可搬性記録媒体3のID、可搬性記録媒体3の名称である。
【0047】
ユーザ識別子とは、ユーザを識別する情報である。ユーザ識別子は、例えば、ユーザID、ユーザの氏名、メールアドレス、電話番号である。
【0048】
端末受付部12は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、自販機識別子である。自販機識別子とは、自動販売機4を識別する情報である。自販機識別子は、例えば、自動販売機4のID、自動販売機4の種類(例えば、機種)を識別する情報である。自動販売機4のIDは、例えば、SFNOである。SFNOとは、自動販売機4に表出しているIDである。
【0049】
各種の指示や情報の入力手段は、テンキーやタッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0050】
端末処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、識別子取得部131、必要性判断部132、ソフトウェア書込部133が行う処理である。
【0051】
端末処理部13は、認証処理を行う。つまり、端末処理部13は、端末格納部11の記録媒体識別子を取得し、当該記録媒体識別子と、受信された応答に含まれる記録媒体識別子とが認証条件(例えば、一致すること)を満たすか否かを判断する。
【0052】
識別子取得部131は、自動販売機4を識別する自販機識別子を取得する。識別子取得部131は、例えば、可搬性記録媒体3から自販機識別子を受信する。識別子取得部131は、例えば、端末受付部12が受け付けた自販機識別子を取得する。
【0053】
識別子取得部131は、例えば、自動販売機4に可搬性記録媒体3が挿入されたことをトリガーとして、自販機識別子を取得する。識別子取得部131は、例えば、自動販売機4に可搬性記録媒体3が挿入されたことをトリガーとして、可搬性記録媒体3が自動販売機4から取得した当該自動販売機4の自販機識別子を、当該可搬性記録媒体3から受信する。識別子取得部131は、例えば、自動販売機4に可搬性記録媒体3が挿入されたことをトリガーとして、自販機識別子を受け付ける画面を出力する。
【0054】
必要性判断部132は、自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断する。
【0055】
必要性判断部132は、例えば、端末受信部15がサーバ2から受信した判断結果を用いて、自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断する。なお、判断結果は、自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であるか否かの判断結果である。
【0056】
必要性判断部132は、例えば、自動販売機4のソフトウェアのバージョン情報を取得し、当該バージョン情報が、端末格納部11に格納されているソフトウェアの最新のバージョン情報と異なる場合に、自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であると判断する。なお、端末格納部11のソフトウェアの最新のバージョン情報とは、自動販売機4のソフトウェアの最新のバージョン情報である。なお、バージョン情報とは、ソフトウェアのバージョンを特定する情報である。
【0057】
ソフトウェア書込部133は、ソフトウェア受信部151が受信したソフトウェアを、可搬性記録媒体3に書き込む。ソフトウェア書込部133は、通常、通信手段を用いて、ソフトウェア受信部151が受信したソフトウェアを、可搬性記録媒体3に書き込む。通信手段は、近距離無線通信手段であることは好適である。近距離無線通信手段は、BLEであることは好適である。
【0058】
ソフトウェア書込部133は、必要性判断部132が自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であると判断した場合のみ、ソフトウェアを可搬性記録媒体3に書き込むことは好適である。
【0059】
端末送信部14は、各種の情報を送信する。各種の情報は、例えば、通信要求、自販機識別子、最新ソフト取得指示、完了報告情報である。
【0060】
端末送信部14は、例えば、通信要求を送信する。端末送信部14は、通信要求を、例えば、特定の可搬性記録媒体3に送信するが、通信要求を不特定多数の相手先に送信(ブロードキャスト)しても良い。通信要求とは、通信を行うことの要求である。通信要求は、可搬性記録媒体3とペアリングを成立させるための要求である。
【0061】
自販機識別子は、ソフトウェアを更新される対象の自動販売機4の識別子である。完了情報とは、ソフトウェアの更新が完了した旨の情報である。最新ソフト取得指示は、最新バージョンのソフトウェアの取得の指示である。最新ソフト取得指示は、例えば、自販機識別子を有する。最新ソフト取得指示は、例えば、最新のソフトウェアのバージョン情報を有する。
【0062】
識別子送信部141は、識別子取得部131が取得した自販機識別子をサーバ2に送信する。
【0063】
完了報告部142は、自動販売機4のソフトウェアの更新が完了した後、当該自動販売機4の自販機識別子に対応付けて、ソフトウェアの更新が完了した旨の完了情報をサーバ2に送信する。
【0064】
完了報告部142は、自動販売機4におけるソフトウェアの更新が完了した旨の情報を完了受信部152が受信した場合に、完了情報をサーバ2に送信することは好適である。
【0065】
端末受信部15は、各種の情報を受信する。各種の情報は、例えば、応答、ソフトウェア、ソフトウェアの更新が完了した旨の情報である。
【0066】
端末受信部15は、例えば、応答を可搬性記録媒体3から受信する。通信要求の送信に応じて、端末受信部15は、当該通信要求を受信した可搬性記録媒体3から応答を受信する。応答は、例えば、記録媒体識別子を有する。応答は、例えば、自販機識別子を有する。応答は、例えば、自動販売機4のソフトウェアのバージョン情報を有する。
【0067】
ソフトウェア受信部151は、サーバ2から自動販売機4のソフトウェアを受信する。ソフトウェア受信部151は、例えば、識別子送信部141が自販機識別子をサーバ2に送信したことに応じて、サーバ2から自販機識別子で識別される自動販売機4のソフトウェアを受信する。かかるソフトウェアは、通常、最新のバージョンのソフトウェアである。
【0068】
完了受信部152は、通信機能を有する可搬性記録媒体3からソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信する。
【0069】
端末出力部16は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、各種のエラー情報、ソフトウェアの更新が不要である旨の情報である。
【0070】
サーバ2を構成するサーバ格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、1または2以上のソフトウェア、1または2以上の各自販機識別子に対応付けられたバージョン情報、1または2以上の各自販機識別子に対応付けられた自販機情報、機種識別子ごと、または自販機識別子ごとの最新のソフトウェアのバージョン情報である。
【0071】
1または2以上の各ソフトウェアは、自動販売機4にインストールされるべき最新のバージョンのソフトウェアである。サーバ格納部21に2以上のソフトウェアが存在する場合、通常、2以上の各ソフトウェアは、自動販売機4の機種識別子に対応付いている。
【0072】
自販機識別子に対応付けられたバージョン情報は、当該自販機識別子で識別される自動販売機4にインストールされているソフトウェアのバージョン情報である。
【0073】
自販機情報とは、自動販売機4に関する情報である。自販機情報は、例えば、最新のバージョン情報、機種識別子を含む。
【0074】
バージョン管理部211には、1または2以上の各自販機識別子に対応付けられたバージョン情報が格納される。ここでのバージョン情報は、対になる自販機識別子で識別される自動販売機4に、現在、インストールされているソフトウェアのバージョン情報である。
【0075】
サーバ受信部22は、各種の情報や指示を受信する。各種の情報や指示は、例えば、自販機識別子、最新ソフト取得指示である。
【0076】
最新ソフト取得指示とは、最新のソフトウェアを取得する指示である。最新ソフト取得指示は、例えば、ソフトウェアを特定する情報を含む。ソフトウェアを特定する情報は、例えば、機種識別子、または自販機識別子である。
【0077】
サーバ処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、サーバ判断部231が行う処理である。
【0078】
サーバ処理部23は、例えば、受信された自販機識別子と対になる自販機情報をサーバ格納部21から取得する。
【0079】
サーバ判断部231は、サーバ受信部22が受信した自販機識別子と対になるバージョン情報を、バージョン管理部211から取得する。次に、サーバ判断部231は、当該バージョン情報を用いて、受信された自販機識別子で識別される自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断し、判断結果を取得する。なお、サーバ判断部231は、取得したバージョン情報が、保持している最新のバージョンのバージョン情報と異なる場合(通常、ソフトウェアが古い場合)、受信された自販機識別子で識別される自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であると判断し、「必要」を示す判断結果を取得する。なお、判断結果は、例えば、「必要(例えば、「1」)」または「不要(例えば、「0」)」である。なお、端末装置1において、自動販売機4のソフトウェアの更新が必要であるか否かを判断する場合、サーバ判断部231は、不要である。つまり、かかる判断は、端末装置1が行っても良いし、サーバ2が行っても良い。
【0080】
サーバ送信部24は、各種の情報を端末装置1に送信する。各種の情報は、例えば、ソフトウェア、自販機情報である。
【0081】
可搬性記録媒体3は、自動販売機4に差し込まれ得る。可搬性記録媒体3は、例えば、自動販売機4に差し込まれることにより、通電される。可搬性記録媒体3は、例えば、自動販売機4に差し込まれた後に、当該自動販売機4から、当該自動販売機4にインストールされているソフトウェアのバージョン情報を取得する。可搬性記録媒体3は、例えば、取得した当該バージョン情報を端末装置1に送信する。可搬性記録媒体3は、例えば、通電された後、格納している記録媒体識別子を送信することは好適である。可搬性記録媒体3は、例えば、自動販売機4に差し込まれた後に、当該自動販売機4の自販機識別子を、当該自動販売機4から取得し、端末装置に送信する。
【0082】
なお、可搬性記録媒体3は、例えば、近距離無線通信手段により、情報を端末装置1に送信することは好適である。
【0083】
可搬性記録媒体3は、端末装置1からソフトウェアを受信し、蓄積する。そして、可搬性記録媒体3は、当該ソフトウェアを、接続されている自動販売機4にインストールする。
【0084】
端末格納部11、サーバ格納部21、およびバージョン管理部211は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0085】
端末格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が端末格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が端末格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が端末格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0086】
端末受付部12は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。端末受付部12は、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
【0087】
端末処理部13、識別子取得部131、必要性判断部132、ソフトウェア書込部133、サーバ処理部23、およびサーバ判断部231は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。端末処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。なお、ソフトウェア書込部133は、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
【0088】
端末送信部14、識別子送信部141、完了報告部142、およびサーバ送信部24は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0089】
端末受信部15、ソフトウェア受信部151、完了受信部152、およびサーバ受信部22は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0090】
次に、情報システムAの動作例について説明する。まず、端末装置1の動作例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
(ステップS401)端末送信部14は、通信要求を送信する。
【0092】
(ステップS402)端末受信部15は、通信要求を受信した可搬性記録媒体3から応答を受信したか否かを判断する。応答を受信した場合はステップS403に行き、受信しなかった場合はステップS402に戻る。
【0093】
(ステップS403)端末処理部13は、端末格納部11の記録媒体識別子を取得し、当該記録媒体識別子と、ステップS402で受信された応答に含まれる記録媒体識別子とが認証条件を満たすか否かを判断する。
【0094】
(ステップS404)ステップS403における認証処理の結果、認証条件を満たす(認証許可の)場合はステップS405に行き、認証条件を満たさない(認証不許可の)場合はステップS414に行く。
【0095】
(ステップS405)識別子取得部131は、自動販売機4を識別する自販機識別子を取得できたか否かを判断する。自販機識別子を取得できた場合はステップS406に行き、自販機識別子を取得できなかった場合はステップS405に戻る。
【0096】
なお、識別子取得部131は、例えば、可搬性記録媒体3から自販機識別子を受信しているか否かを判断する。また、識別子取得部131は、例えば、端末受付部12がユーザからの自販機識別子の入力を受け付けたか否かを判断する。なお、可搬性記録媒体3から自販機識別子を受信する場合、当該自販機識別子は、例えば、ステップS402で受信された応答に含まれている。
【0097】
(ステップS406)端末処理部13等は、ソフトウェア取得処理を行う。ソフトウェア取得処理とは、最新のソフトウェアの取得の処理である。ソフトウェア取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0098】
(ステップS407)端末処理部13は、ステップS406において、ソフトウェアを更新すると判断されていればステップS408に行き、ソフトウェアを更新しないと判断されていればステップS413に行く。
【0099】
(ステップS408)ソフトウェア書込部133は、ステップS406で取得されたソフトウェアを含むソフトウェアの更新指示を可搬性記録媒体3に送信する。
【0100】
(ステップS409)完了受信部152は、可搬性記録媒体3からソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信したか否かを判断する。ソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信した場合はステップS410に行き、ソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信しなかった場合はステップS411に行く。
【0101】
(ステップS410)端末処理部13は、自販機識別子を含む完了情報を構成する。完了報告部142は、当該完了情報をサーバ2に送信する。処理を終了する。
【0102】
(ステップS411)端末処理部13は、ソフトウェアの更新指示を可搬性記録媒体3に送信してから、所定時間以上、経過したか否か(タイムアウトか否か)を判断する。タイムアウトであればステップS412に行き、タイムアウトでなければステップS409に戻る。
【0103】
(ステップS412)端末出力部16は、エラー出力する。処理を終了する。なお、ここでのエラー出力とは、更新すべきソフトウェアがサーバ2から受信できない旨のエラーの出力である。
【0104】
(ステップS413)端末出力部16は、ソフトウェアの更新が不要である旨を出力する。処理を終了する。
【0105】
(ステップS414)端末出力部16は、エラー出力する。処理を終了する。なお、ここでのエラー出力とは、更新すべきソフトウェアがサーバ2から受信できない旨のエラーの出力である。
【0106】
次に、ステップS406のソフトウェア取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0107】
(ステップS501)識別子送信部141は、取得されている自販機識別子をサーバ2に送信する。
【0108】
(ステップS502)端末受信部15は、自販機識別子の送信に応じて、サーバ2から自販機情報を受信したか否かを判断する。自販機情報を受信した場合はステップS503に行き、自販機情報を受信しなかった場合はステップS502に戻る。
【0109】
(ステップS503)必要性判断部132は、自動販売機4の現在のソフトウェアのバージョン情報を取得する。なお、当該バージョン情報は、例えば、受信された応答に含まれている。
【0110】
(ステップS504)必要性判断部132は、ステップS503で取得したバージョン情報が、最新のバージョンのバージョン情報であるか否かを判断する。最新のバージョンのバージョン情報であればステップS508に行き、最新のバージョンのバージョン情報でなければステップS505に行く。ステップS503で取得したバージョン情報が最新のバージョンのバージョン情報であることは、ソフトウェアの更新の必要性がないことである。最新のバージョンのバージョン情報でないことは、ソフトウェアの更新の必要性があることである。
【0111】
(ステップS505)端末処理部13は、最新ソフト取得指示を構成する。次に、端末送信部14は、当該最新ソフト取得指示をサーバ2に送信する。なお、最新ソフト取得指示は、例えば、自販機識別子または機種識別子を有する。なお、機種識別子は、受信されている自販機情報に含まれる。
【0112】
(ステップS506)最新ソフト取得指示の送信に応じて、ソフトウェア受信部151は、サーバ2から、更新に使用するソフトウェアを受信したか否かを判断する。ソフトウェアを受信した場合はステップS507に行き、ソフトウェアを受信しなかった場合はステップS506に戻る。
【0113】
(ステップS507)端末処理部13は、ソフトウェアの更新必要の旨の情報を取得する。上位処理にリターンする。
【0114】
(ステップS508)端末処理部13は、ソフトウェアの更新不要の旨の情報を取得する。上位処理にリターンする。
【0115】
なお、
図5のフローチャートにおいて、ステップS501で識別子送信部141が取得されている自販機識別子をサーバ2に送信したことに応じて、ソフトウェア受信部151は、サーバ2から、更新に使用するソフトウェアを受信しても良い。
【0116】
次に、サーバ2の動作例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0117】
(ステップS601)サーバ受信部22は、端末装置1から自販機識別子を受信したか否かを判断する。自販機識別子を受信した場合はステップS602に行き、自販機識別子を受信しなかった場合はステップS604に行く。
【0118】
(ステップS602)サーバ処理部23は、ステップS601で受信された自販機識別子に対応する自販機情報をサーバ格納部21から取得する。
【0119】
(ステップS603)サーバ送信部24は、当該自販機情報を、自販機識別子を送信してきた端末装置1に送信する。ステップS601に戻る。
【0120】
(ステップS604)サーバ受信部22は、端末装置1から最新ソフト取得指示を受信したか否かを判断する。最新ソフト取得指示を受信した場合はステップS605に行き、最新ソフト取得指示を受信しなかった場合はステップS601に戻る。
【0121】
(ステップS605)サーバ処理部23は、ステップS604で受信された最新ソフト取得指示に含まれる自販機識別子または機種識別子に対応する最新のソフトウェアをサーバ格納部21から取得する。
【0122】
(ステップS606)サーバ送信部24は、当該最新のソフトウェアを、最新ソフト取得指示を送信してきた端末装置1に送信する。ステップS601に戻る。
【0123】
なお、
図6のフローチャートにおいて、ステップS601でサーバ受信部22が端末装置1から自販機識別子を受信した後、サーバ判断部231は、当該自販機識別子と対になるバージョン情報をバージョン管理部211から取得し、当該バージョン情報が最新であるか否かの判断結果を取得し、当該判断結果を端末装置1に送信しても良い。なお、最新のバージョン情報は、サーバ格納部21に格納されている、とする。
【0124】
また、
図6のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0125】
次に、可搬性記録媒体3の動作例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0126】
(ステップS701)可搬性記録媒体3は、端末装置1から通信要求を受信したか否かを判断する。通信要求を受信した場合はステップS702に行き、通信要求を受信しなかった場合はステップS704に行く。
【0127】
(ステップS702)可搬性記録媒体3は、端末装置1に送信する応答を構成するための情報を取得する。可搬性記録媒体3は、例えば、格納している記録媒体識別子を取得する。可搬性記録媒体3は、例えば、接続されている自動販売機4から自販機識別子を取得する。可搬性記録媒体3は、例えば、接続されている自動販売機4からソフトウェアのバージョン情報を取得する。可搬性記録媒体3は、例えば、接続されている自動販売機4から自販機情報を取得する。
【0128】
(ステップS703)可搬性記録媒体3は、ステップS702で取得した情報を含む応答を構成し、当該応答を送信する。なお、可搬性記録媒体3は、通信要求を送信してきた端末装置1に送信しても良いし、ブロードキャストしても良い。
【0129】
(ステップS704)可搬性記録媒体3は、端末装置1から、ソフトウェア更新指示を受信したか否かを判断する。ソフトウェア更新指示を受信した場合はステップS705に行き、ソフトウェア更新指示を受信しなかった場合はステップS701に戻る。
【0130】
(ステップS705)可搬性記録媒体3は、ステップS704で受信されたソフトウェア更新指示に含まれるソフトウェアを、少なくとも一時蓄積する。
【0131】
(ステップS706)可搬性記録媒体3は、ステップS705で一時蓄積したソフトウェアを、接続されている自動販売機4にインストールする。ステップS701に戻る。
【0132】
なお、
図7のフローチャートにおいて、ステップS706において、ユーザからの指示の受け付けに応じて、ソフトウェアを自動販売機4にインストールしても良い。また、自動販売機4が、ユーザからの指示の受け付けに応じて、可搬性記録媒体3から蓄積されたソフトウェアをインストールしても良い。
【0133】
また、
図7のフローチャートにおいて、ソフトウェアのインストール後、可搬性記録媒体3は、当該ソフトウェアを削除することは好適である。
【0134】
さらに、
図7のフローチャートにおいて、自動販売機4から可搬性記録媒体3を抜いた場合、処理終了の割り込み等により処理は終了する。
【0135】
以下、本実施の形態における情報システムAの具体的な動作例について説明する。情報システムAの概念図は、
図1である。
【0136】
今、サーバ2のバージョン管理部211には、
図8に示すバージョン管理表が格納されている、とする。
【0137】
バージョン管理表とは、自動販売機4ごとのバージョン情報を管理する表である。バージョン管理表には、「ID」「自販機識別子」「機種識別子」「バージョン情報」を有する1以上のレコードが管理される。「ID」はレコードを識別する情報である。「機種識別子」は、「自販機識別子」で識別される自動販売機4の機種を特定する情報である。「バージョン情報」は、「自販機識別子」で識別される自動販売機4にインストールされているソフトウェアのバージョンを特定する情報である。
【0138】
また、作業者が保持する端末装置1の端末格納部11に、
図9に示す最新バージョン管理表が格納されている、とする。なお、サーバ格納部21に、
図9に示す最新バージョン管理表が格納されていても良い。
【0139】
最新バージョン管理表とは、自動販売機4の機種ごとの最新のバージョン情報を管理する表である。最新バージョン管理表は、自動販売機4ごとの機種識別子を管理する表である。
【0140】
なお、自動販売機4の機種ごとの最新のバージョン情報を管理する表と、自動販売機4ごとの機種識別子を管理する表とは、別の装置に存在しても良い。
【0141】
最新バージョン管理表には、「ID」「機種識別子」「最新バージョン情報」を有する1以上のレコードが管理される。「最新バージョン情報」は、「機種識別子」で識別される機種のソフトウェアの最新のバージョン情報である。
【0142】
さらに、サーバ格納部21には、「機種識別子」に対応付けて最新のバージョン情報で特定されるバージョンのソフトウェアが格納されている。
【0143】
かかる状況において、
図10を用いて、情報システムAの具体的な動作例について説明する。
【0144】
端末装置1と可搬性記録媒体3とを保持する作業者は、1または2以上の各自動販売機4のメンテナンスを行うとする。そして、作業者は、可搬性記録媒体3を一の自動販売機4に差し込んだ、とする(
図10の1001)。なお、ここでの可搬性記録媒体3は、端末装置1との無線通信により書き換えが可能なUSBメモリである、とする。また、可搬性記録媒体3には、当該可搬性記録媒体3の記録媒体識別子「P001」が記録されている、とする。また、端末装置1の端末格納部11にも、当該作業者が使用する可搬性記録媒体3の記録媒体識別子「P001」が格納されている、とする。
【0145】
すると、可搬性記録媒体3は、自動販売機4の電力を用いて、通電される(1002)。
【0146】
次に、作業者は、端末装置1に「通信要求」を入力する。次に、端末装置1の端末受付部12は、「通信要求」を受け付ける。次に、端末処理部13は、送信する通信要求を構成する。次に、端末送信部14は、当該通信要求を、BLE通信手段により送信する(1003)。
【0147】
次に、可搬性記録媒体3は、BLE通信手段により当該通信要求を受信する。次に、可搬性記録媒体3は、端末装置1に送信する応答を構成するための情報を取得する。つまり、ここでは、可搬性記録媒体3は、可搬性記録媒体3に格納されている記録媒体識別子「P001」を取得する。そして、可搬性記録媒体3は、当該記録媒体識別子「P001」を含む応答を構成し、当該応答を、BLE通信手段により送信する(1004)。
【0148】
次に、端末装置1の端末受信部15は、BLE通信手段により、記録媒体識別子「P001」を含む応答を受信する。
【0149】
次に、端末処理部13は、端末格納部11の記録媒体識別子「P001」を取得し、当該記録媒体識別子と、受信された応答に含まれる記録媒体識別子「P001」とが認証条件(ここでは一致すること)を満たす、と判断する。つまり、端末処理部13は、認証結果「認証許可」を得る(1005)。そして、端末装置1は、可搬性記録媒体3とのペアリングを成立させる、とする(1006)。
【0150】
次に、識別子取得部131は、自販機識別子(ここでは、例えば、「SFNO」)を入力させる画面を出力する。なお、かかる画面を構成するための画面情報は、端末格納部11に格納されている、とする。
【0151】
そして、当該作業者は、出力された画面の自販機識別子を入力するフィールドに、自販機識別子「V001」を入力し(1007)、画面上の送信ボタンを指示した、とする。
【0152】
次に、端末装置1の端末受付部12は、自販機識別子「V001」を受け付ける。次に、識別子取得部131は、メンテナンス対象の自動販売機4を識別する自販機識別子「V001」を取得する。
【0153】
次に、識別子送信部141は、自販機識別子「V001」をサーバ2に送信する(108)。
【0154】
次に、サーバ2のサーバ受信部22は、端末装置1から自販機識別子「V001」を受信する。
【0155】
次に、サーバ処理部23は、自販機識別子「V001」と対になる自販機情報(ここでは、機種識別子「M01」、バージョン情報「10.0」)をバージョン管理表(
図8)から取得する。次に、サーバ送信部24は、当該自販機情報(機種識別子「M01」、バージョン情報「10.0」)を、自販機識別子を送信してきた端末装置1に送信する。
【0156】
次に、端末受信部15は、自販機識別子の送信に応じて、サーバ2から自販機情報(機種識別子「M01」、バージョン情報「10.0」)を受信する(1009)。
【0157】
次に、必要性判断部132は、受信された自販機情報から自動販売機4の現在のソフトウェアのバージョン情報「10.0」を取得する。また、必要性判断部132は、受信された自販機情報が有する機種識別子「M01」と対になる最新バージョン情報「11.0」を、
図9の最新バージョン管理表から取得する。そして、必要性判断部132は、自動販売機4の現在のソフトウェアのバージョン情報「10.0」と最新バージョン情報「11.0」とを比較し、自動販売機4の現在のソフトウェアが最新でない、と判断する(1010)。
【0158】
次に、端末処理部13は、機種識別子「M01」を有する最新ソフト取得指示を構成する。次に、端末送信部14は、当該最新ソフト取得指示をサーバ2に送信する(1011)。
【0159】
次に、サーバ2のサーバ受信部22は、端末装置1から最新ソフト取得指示を受信する。次に、サーバ処理部23は、受信された最新ソフト取得指示に含まれる機種識別子「M01」に対応する最新のソフトウェアをサーバ格納部21から取得する。次に、サーバ送信部24は、当該最新のソフトウェアを、最新ソフト取得指示を送信してきた端末装置1に送信する。
【0160】
次に、最新ソフト取得指示の送信に応じて、端末装置1のソフトウェア受信部151は、サーバ2から、更新に使用するソフトウェアを受信する(1012)。
【0161】
次に、ソフトウェア書込部133は、更新に使用するソフトウェアが受信された旨の情報、およびソフトウェアの更新指示を入力するための更新ボタンを含む画面を出力する。なお、かかる画面を構成するための画面情報は、端末格納部11に格納されている、とする。
【0162】
次に、作業者は、出力された更新ボタンを指示する(1013)。なお、更新ボタンの指示は、USB上書き指示である。
【0163】
次に、端末受付部12は、USB上書き指示を受け付ける。次に、ソフトウェア書込部133は、受信された最新のソフトウェアを含むソフトウェアの更新指示を可搬性記録媒体3に送信する(1014)。
【0164】
次に、可搬性記録媒体3は、端末装置1から、最新のソフトウェアを含むソフトウェア更新指示を受信する。次に、可搬性記録媒体3は、受信されたソフトウェア更新指示に含まれるソフトウェアを蓄積する(1014)。かかる蓄積は、既に格納されている旧バージョンのソフトウェアに最新のソフトウェアを上書きする処理である。かかる処理は、最新ソフトの上書きの処理である。
【0165】
次に、可搬性記録媒体3は、蓄積した最新のソフトウェアを、接続されている自動販売機4にインストールする。なお、作業者は、確認しながら、インストールを行う、とする。つまり、作業者は、可搬性記録媒体3から自動販売機4に蓄積された最新ソフトウェアを用いて、ソフトウェアの更新を行うために、自動販売機4に対して、プログラム更新実行の入力を行う、とする(1015)。
【0166】
そして、自動販売機4は、プログラムを最新のプログラムに更新する(1016)。なお、ここでのプログラムは、自動販売機4のファームウェアである、とする。
【0167】
次に、作業者は、自動販売機4のソフトウェアが最新のソフトウェアに更新されたことを確認し、当該確認した旨を端末装置1に入力する。
【0168】
次に、端末装置1の端末受付部12は、ソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受け付ける(1017)。なお、ここで、完了受信部152は、可搬性記録媒体3からソフトウェアの更新が完了した旨の情報を受信しても良い。
【0169】
次に、端末装置1は、可搬性記録媒体3とのペアリングを解除する(1018)。次に、端末処理部13は、自販機識別子「V001」とバージョン情報「11.0」とを含む完了情報を構成する。完了報告部142は、当該完了情報をサーバ2に送信する。
【0170】
次に、サーバ2のサーバ受信部22は、端末装置1から自販機識別子「V001」とバージョン情報「11.0」とを含む完了情報を受信する。
【0171】
次に、サーバ2のサーバ処理部23は、受信された完了情報を用いて、バージョン管理表(
図8)における自販機識別子「V001」と対になるバージョン情報を「11.0」に更新する。
【0172】
次に、作業者は、ソフトウェアを構成した自動販売機4から、可搬性記録媒体3を抜取る。
【0173】
以上により、自動販売機4のソフトウェアの最新の処理が完了する。
【0174】
以上、本実施の形態によれば、自動販売機4のソフトウェアを容易に更新できる環境を提供できる。
【0175】
また、本実施の形態によれば、サーバでの自動販売機のソフトウェアのバージョン管理を支援できる。
【0176】
また、本実施の形態によれば、作業者が自販機識別子を入力せずに、容易に自動販売機のソフトウェアを更新できる。
【0177】
また、本実施の形態によれば、ソフトウェアの更新が必要な自動販売機のソフトウェアのみを更新できる結果、作業時間の短縮が図られる。
【0178】
さらに、本実施の形態によれば、ソフトウェアの更新が必要か否かの判断が容易にできる。
【0179】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における端末装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、自動販売機を識別する自販機識別子を取得する識別子取得部と、前記識別子取得部が取得した前記自販機識別子をサーバに送信する識別子送信部と、前記識別子送信部が前記自販機識別子を前記サーバに送信したことに応じて、当該サーバから前記自販機識別子で識別される前記自動販売機のソフトウェアを受信するソフトウェア受信部と、前記ソフトウェア受信部が受信した前記ソフトウェアを、可搬性記録媒体に書き込むソフトウェア書込部として機能させるためのプログラムであって、前記可搬性記録媒体が挿入された前記自動販売機のソフトウェアが、前記可搬性記録媒体に書き込まえた前記ソフトウェアにより更新される、プログラムである。
【0180】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0181】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0182】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0183】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0184】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0185】
以上のように、本発明にかかる端末装置は、容易に自動販売機のソフトウェアを更新できるという効果を有し、端末装置等として有用である。
【符号の説明】
【0186】
A 情報システム
1 端末装置
2 サーバ
3 可搬性記録媒体
4 自動販売機
11 端末格納部
12 端末受付部
13 端末処理部
14 端末送信部
15 端末受信部
16 端末出力部
21 サーバ格納部
22 サーバ受信部
23 サーバ処理部
24 サーバ送信部
131 識別子取得部
132 必要性判断部
133 ソフトウェア書込部
141 識別子送信部
142 完了報告部
151 ソフトウェア受信部
152 完了受信部
211 バージョン管理部
231 サーバ判断部