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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111395
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】洗浄剤物品
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20240809BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20240809BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20240809BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20240809BHJP
   C11D 3/12 20060101ALI20240809BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D1/66
C11D1/02
C11D1/22
C11D3/12
C11D17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015855
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(74)【代理人】
【識別番号】100203242
【弁理士】
【氏名又は名称】河戸 春樹
(72)【発明者】
【氏名】福田 雅弥
(72)【発明者】
【氏名】小島 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】上野 渉
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AC08
4H003AE05
4H003BA18
4H003DA01
4H003DB02
4H003EA12
4H003EA16
4H003EA25
4H003EA27
4H003EB30
4H003EB36
4H003EC02
4H003FA04
4H003FA40
4H003FA41
(57)【要約】
【課題】洗浄性及び洗浄剤組成物の流動性を向上し、洗浄剤組成物の溶け残りを抑制する。
【解決手段】下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を含有し、(d)成分は(b)成分の被覆層を有し、(b)成分の被覆層の厚さは0.1μm以上50μm以下である洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える、洗浄剤物品。
(a)成分:ノニオン界面活性剤
(b)成分:アニオン界面活性剤
(c)成分:吸油担体
(d)成分:アルカリ剤
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を含有し、(d)成分は(b)成分の被覆層を有し、(b)成分の被覆層の厚さは0.1μm以上50μm以下である洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を有する、洗浄剤物品。
(a)成分:ノニオン界面活性剤
(b)成分:アニオン界面活性剤
(c)成分:吸油担体
(d)成分:アルカリ剤
【請求項2】
洗浄剤組成物中、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比(a)/(b)が、0.1以上10以下である、請求項1に記載の洗浄剤物品。
【請求項3】
洗浄剤組成物中、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(a)/(c)が、0.1以上10以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤物品。
【請求項4】
洗浄剤組成物中、(b)成分の含有量と(d)成分の含有量の質量比(b)/(d)が、0.01以上5以下である、請求項1~3の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項5】
前記(b)成分の被覆層は、(d)成分に(b)成分の酸前駆体を噴霧してなる、請求項1~4の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項6】
(b)成分は、(b1)アルキルベンゼンスルホン酸及び/又はその塩〔以下、(b1)成分という〕と、(b2)脂肪酸及び/又はその塩〔以下、(b2)成分という〕と、を含む、請求項1~5の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項7】
(b1)成分の含有量と(b2)成分の含有量の質量比(b1)/(b2)が、0.01以上10以下である、請求項6に記載の洗浄剤物品。
【請求項8】
(c)成分は、水不溶性吸油担体である、請求項1~7の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項9】
(c)成分は、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、結晶性アルミノケイ酸塩、非晶質アルミノケイ酸塩及び粘土鉱物から選択される1種以上である、請求項1~8の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項10】
(a)成分が、(c)成分に担持されてなる、請求項1~9の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項11】
(d)成分は、平均一次粒子径が10μm以上1000μm以下の粉末である、請求項1~10の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項12】
(d)成分が、水溶性吸油担体である、請求項1~11の何れか1項に記載の洗浄剤物品。
【請求項13】
繊維製品用である、請求項1~12の何れか1項に記載の洗浄剤物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性フィルムで洗浄剤組成物を包装してなる洗浄剤物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の簡便嗜好の高まりから、より使いやすい洗浄剤組成物が求められている。洗浄剤組成物の使用性を高める観点から、例えば、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品が開示されている。
【0003】
特許文献1には、洗浄剤組成物を、所定のポリビニルアルコール系フィルムで分包包装してなる分包包装洗剤が開示されている。
特許文献2には、(a)非イオン界面活性剤、(b)多孔性吸油担体、(c)結晶性アルミノケイ酸塩を所定の条件で含有する洗浄剤組成物を、膜厚が10~150μmの水溶性フィルムにて分包包装してなる分包包装洗剤が開示されている。
特許文献3には、粉末の洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤組成物包装体であって、洗浄剤組成物において、アルカリ成分(A)が洗浄剤組成物全体の70~99.9質量%含有され、ノニオン性界面活性剤(B)が洗浄剤組成物全体の0.1~10質量%含有されており、アルカリ成分(A)の80質量%以上がアルカリ金属のケイ酸塩である洗浄剤組成物包装体が開示されている。
特許文献4には、(a)α-オレフィンスルホン酸カリウム、(b)アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、(c)アルキレンオキシド平均付加モル数10~30の非イオン界面活性剤及び(d)アルミノケイ酸塩を所定の条件で含有する粒状の洗剤組成物であって、平均粒径が200~550μm、粒径177μm未満の粒子の比率が10重量%以下である粒状洗剤組成物が開示されている。そして、この粒状洗剤組成物と分包材料とを組み合わせて分包包装洗剤を得ることが開示されている。
特許文献5には、(A)水不溶性無機塩を含むベース顆粒群1、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及びアルカリ性ビルダーを含有する洗剤粒子群が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-116598号公報
【特許文献2】特開平5-214398号公報
【特許文献3】特開2019-52252号公報
【特許文献4】特開2001-262194号公報
【特許文献5】国際公開第99/29830号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
固体の洗浄剤組成物は、効率的に洗浄を行う観点では好ましいものの、溶け残りが生じることで、仕上がり性を損なうおそれがある。また、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装する際の作業性の観点から、洗浄剤組成物の流動性の向上が求められている。
本発明は、水溶性フィルムで洗浄剤組成物を包装してなる洗浄剤物品において、洗浄性及び洗浄剤組成物の流動性に優れ、洗浄剤組成物の溶け残りが抑制された洗浄剤物品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を含有し、(d)成分は(b)成分の被覆層を有し、(b)成分の被覆層の厚さは0.1μm以上50μm以下である洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える、洗浄剤物品に関する。
(a)成分:ノニオン界面活性剤
(b)成分:アニオン界面活性剤
(c)成分:吸油担体
(d)成分:アルカリ剤
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、水溶性フィルムで洗浄剤組成物を包装してなる洗浄剤物品において、洗浄性及び洗浄剤組成物の流動性に優れ、洗浄剤組成物の溶け残りが抑制された洗浄剤物品が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の洗浄剤物品が、洗浄性及び洗浄剤組成物の流動性に優れ、洗浄剤組成物の溶け残りが抑制される機構は定かではないが、以下のように推察される。
本発明の洗浄剤物品は、(a)成分のノニオン界面活性剤と、(b)成分のアニオン界面活性剤及び(d)成分のアルカリ剤を併用することで、洗浄性が向上すると推察される。
また、例えば、冷水に(d)成分が溶解する際、(d)成分の発熱により(d)成分の溶解が促進されるものの、冷水により冷やされることで塊状の溶け残りが生じやすくなる。本発明の洗浄剤物品は、(d)成分が(b)成分の被覆層を有することで、(d)成分が水に溶解するときの発熱が抑制されて、(d)成分の一次粒子の溶解遅延が生じる。これにより、(d)成分を含む洗浄剤組成物の粒子同士の合一に伴う塊の発生、及び該組成物の溶け残りが抑制されたものと推察される。また、(d)成分が(b)成分の被覆層を有することで、前記組成物の粒子同士の合一に伴う塊が生じた場合においても、その塊が容易に分散しやすくなるものと推察される。
更に、(a)成分~(d)成分を組み合わせることで、粉末洗浄剤組成物の流動性も担保できたものと推察される。
なお、本発明の洗浄剤物品は、上記の作用機構に限定されるものではない。
【0009】
[洗浄剤物品]
本発明の洗浄剤物品は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を含有する洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える。
(a)成分:ノニオン界面活性剤
(b)成分:アニオン界面活性剤
(c)成分:吸油担体
(d)成分:アルカリ剤
【0010】
<(a)成分>
(a)成分は、ノニオン界面活性剤である。(a)成分は、洗浄力の観点から、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド(グリコシド型ノニオン界面活性剤)、ソルビタン系ノニオン界面活性剤、長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した化合物、脂肪酸モノグリセライド、及び蔗糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0011】
(a)成分のノニオン界面活性剤としては、(a1)アルキレンオキシ基を含み、アルキレンオキシ基の平均付加モル数が1以上30以下である、ノニオン界面活性剤(以下、(a1)成分という)が好ましい。
(a1)成分のアルキレンオキシ基は、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基から選ばれる1種以上の基が好ましい。炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基が好ましい。
(a1)成分のアルキレンオキシ基の平均付加モル数は、洗浄性の観点から、1以上、好ましくは6以上、より好ましくは10以上、そして、30以下、好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。
【0012】
(a1)成分は、下記一般式(a1)で表されるノニオン界面活性剤が好ましい。
1a(CO)O-(A1aO)-R2a (a1)
〔式中、R1aは炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R2aは水素原子又はメチル基である。COはカルボニル基であり、mは0又は1の数である。A1aO基はエチレンオキシ基を含む炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基である。nは平均付加モル数であって、1以上30以下の数である。〕
【0013】
一般式(a1)中、R1aの炭素数は、洗浄性の観点から、8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。
1aは、脂肪族炭化水素基であり、好ましくはアルキル基及びアルケニル基から選ばれる基である。R1aは、より好ましくは炭素数が上記範囲のアルキル基である。
【0014】
一般式(a1)中、A1aO基は、エチレンオキシ基を含む炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくはエチレンオキシ基を含む炭素数2以上3以下のアルキレンオキシ基であり、より好ましくはエチレンオキシ基である。A1aO基は、エチレンオキシ基と他のアルキレンオキシ基、例えばプロピレンオキシ基とを含むアルキレンオキシ基でもよい。他のアルキレンオキシ基は、プロピレンオキシ基が好ましい。A1aO基が、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。
【0015】
一般式(a1)中、nは、A1aO基の平均付加モル数であって、1以上30以下の数である。一般式(a1)中、nは、洗浄性の観点から、1以上、好ましくは6以上、より好ましくは10以上、そして、30以下、好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。
一般式(a1)中、mは、洗浄性の観点から0が好ましい。
一般式(a1)中、R2aは、洗浄性の観点から、水素原子が好ましい。
【0016】
(a1)成分以外のアルキレンオキシ基を有さないノニオン界面活性剤の具体例としては、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド及びグリセリルモノエーテルから選ばれる1種以上が挙げられる。
【0017】
<(b)成分>
(b)成分は、アニオン界面活性剤である。(b)成分は、洗浄力の観点から、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、スルホ脂肪酸エステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる1種以上が好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる1種以上がより好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる1種以上が更に好ましい。
なお、(b)成分が塩の場合、(b)成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩等の有機塩が挙げられる。(b)成分の塩は、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩から選ばれる無機塩であり、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩である。
【0018】
(b)成分としては、下記一般式(b1)で表される化合物〔以下、(b1)成分という〕、一般式(b2)で表される化合物〔以下、(b2)成分という〕、一般式(b3)で表される化合物〔以下、(b3)成分という〕及び一般式(b4)で表される化合物〔以下、(b4)成分という〕から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(b)成分は、洗浄力と溶解性の観点から、下記一般式(b1)で表される化合物から選ばれる1種以上が好ましく、溶解性の観点から、下記一般式(b2)成分から選ばれる1種以上が好ましい。
また、(b)成分は、洗浄力と溶解性の観点から、下記一般式(b1)で表される化合物から選ばれる1種以上と、下記一般式(b2)成分から選ばれる1種以上と、を含むことが好ましい。
1b-B-SOM (b1)
〔式(b1)中、R1bは炭素数8以上18以下のアルキル基を示し、Bはベンゼン環を示し、Bの炭素原子と結合するR1bの炭素原子が第2級炭素原子であり、Mは陽イオンを示す。Bに結合するR1bに対して、スルホン酸基はオルト位、メタ位又はパラ位に結合している。〕
2b-COOM (b2)
〔式(b2)中、R2bは炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオンを示す。〕
3b-O-(AO)-SOM (b3)
〔式(b3)中、R3bは炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基であり、nは0以上20以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
4b-CH(SOM)COOR5b (b4)
〔式(b4)中、R4bは炭素数8以上18以下のアルキル基を示し、R5bは、水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、Mは陽イオンを示す。〕
【0019】
一般式(b1)中、R1bは、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは11以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下のアルキル基である。
一般式(b1)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
【0020】
(b1)成分としては、アルキル基の炭素数が11以上14以下のp-アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が11以上14以下のp-アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩がより好ましい。すなわち、(b1)成分は、一般式(b1)中、R1bが炭素数11以上14以下のアルキル基、Mがナトリウムである化合物が好ましい。
【0021】
一般式(b2)中、R2bは、炭素数8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下のアルキル基又はアルケニル基である。R2bは、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有するものであってよく、飽和の直鎖を有するものがより好ましい。
一般式(b2)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、より好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、更に好ましくはナトリウムである。
【0022】
(b2)成分としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上が好ましく、より好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上である。
(b2)成分は、一般式(b2)中、R2bが炭素数11以上17以下のアルキル基、Mが陽イオンである化合物が好ましく、Mが水素又はナトリウムである化合物から選ばれる1種以上がより好ましい。
【0023】
一般式(b3)中、R3bは、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下の脂肪族炭化水素である。R3bは、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素であり、好ましくは直鎖の脂肪族炭化水素であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。
【0024】
一般式(b3)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基である。AO基が、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であっても良い。AO基は、洗浄性向上の観点から、エチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。
【0025】
一般式(b3)中、nは、AO基の平均付加モル数であって、0以上20以下の数である。nは、洗浄性向上の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは4以下である。
【0026】
一般式(b3)中、AO基がプロピレンオキシ基を含む場合、プロピレンオキシ基の平均付加モル数は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、そして、好ましくは0以上である。一般式(b3)中、プロピレンオキシ基の平均付加モル数は、0であってもよい。
一般式(b3)中、AO基がエチレンオキシ基を含む場合、エチレンオキシ基の平均付加モル数は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは2以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。
【0027】
一般式(b3)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウムは、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
【0028】
一般式(b4)中、R4bは、好ましくは炭素数8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下のアルキル基である。
一般式(b4)中、R5bは、好ましくは炭素数1以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは4以下のアルキル基である。
【0029】
一般式(b4)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウムは、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
【0030】
(b4)成分としては、一般式(b4)中、R4b炭素数が11以上14以下のアルキル基、R5bがメチル基であるα-スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩が好ましい。
【0031】
<(c)成分>
(c)成分は、吸油担体である。(c)成分としては、その種類は特に限定はされないが、界面活性剤を保持することで、該洗浄剤物品の水への溶解性が向上する観点から、吸油能が120mL/100g以上のものが好ましく、180mL/100g以上のものがより好ましい。その上限値は特に限定はされない。洗浄剤組成物中に複数種類の吸油担体を含む場合は、該洗浄剤物品の水への溶解性が向上する観点から、吸油能が120mL/100g以上の吸油担体を含む吸油担体が好ましく、吸油能が180mL/100g以上の吸油担体を含む吸油担体がより好ましい。また、洗浄剤組成物中に複数種類の吸油担体を含む場合は、該洗浄剤物品の水への溶解性が向上する観点から、吸油担体中の吸油能が120mL/100g以上、更には180mL/100g以上である吸油担体の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってよい。なお、吸油担体の吸油能は、JIS K 5101-13-2に基づいて測定することができる。
本発明においては、上記観点から、吸油担体として、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、結晶性アルミノケイ酸塩、非晶質アルミノケイ酸塩及び粘土鉱物から選ばれる1種以上が好ましく、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、非晶質アルミノケイ酸塩及び粘土鉱物から選ばれる1種以上がより好ましく、非晶質シリカ及びケイ酸カルシウムから選ばれる1種以上が更に好ましい。
(c)成分は、水不溶性担体が好ましい。(c)成分について、「水不溶性」とは、20℃の水100gに0.1g以上溶解しないことをいう。
【0032】
(c)成分の平均一次粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは100μm以下である。(c)成分の平均一次粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子分布測定装置により測定されたものである。この平均一次粒子径は、体積基準による累積粒度分布のD50(メジアン径)である。
【0033】
(c)成分としては、具体的には、特開平9-132794号公報、特開平7-10526号公報、特開平6-227811号公報、特開平8-119622号公報などに記載されている非晶質アルミノシリケート(吸油能:285mL/100g)等を挙げることができる。
更に具体的には、(c)成分のケイ酸カルシウムとして、フローライトR((株)トクヤマ製、吸油能:400~500mL/100g)、(c)成分の非晶質シリカとして、トクシールNR((株)トクヤマ製、吸油能:210~270mL/100g)、サイロピュア(富士シリシア化学(株)社製、吸油能:240~280mL/100g)、(c)成分の非晶質アルミノケイ酸塩として、TIXOREX25(韓仏化学社製、220~270mL/100g)、等の吸油担体を用いることができる。
【0034】
また、(c)成分の結晶性アルミノケイ酸塩として、ゼオライトが挙げられる。具体的なゼオライトとして、A型、X型、P型ゼオライト等の結晶性アルミノケイ酸塩が挙げられる。結晶性アルミノケイ酸塩として好適なものは、A型ゼオライト(例えば、商品名「トヨビルダー」:東ソー(株)製、JIS K 5101法による吸油能:40mL/100g以上)が好ましい。その他に、P型(例えば、商品名「Doucil A24」、「ZSEO64」等;いずれもCrosfield社製;吸油能60~150mL/100g)、X型(例えば、商品名「WessalithXD」;Degussa社製;吸油能80~100mL/100g)、国際公開第98/42622号記載のハイブリッドゼオライトも好適なものとして挙げられる。
【0035】
また、(c)成分の粘土鉱物としては、ベントナイトが挙げられる。ベントナイトは、50~100meq/100gのイオン交換能力を有するものが好ましい。ベントナイトとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属モンモリロナイト、サポナイト又はヘクトライトからなる群から選択されるモンモリロン石群鉱物粘土(smectitic clay)、イライト、アタパルジャイト(attapulgite)及びカオリナイトから選ばれる1種以上が挙げられる。ベントナイトは、粉末状化、粒状化したものを用いることができる。例えば、特開2008-189719号公報の粘土鉱物の造粒物を参照することができる。
【0036】
<(d)成分>
(d)成分は、アルカリ剤である。(d)成分として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属ケイ酸塩及びトリポリリン酸塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが挙げられ、炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが挙げられる。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムが挙げられる。
トリポリリン酸塩としては、トリポリリン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0037】
(d)成分は、保存安定性の観点から、好ましくはアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤、より好ましくはアルカリ金属炭酸塩から選ばれる1種以上、更に好ましくは炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムから選ばれる1種以上、より更に好ましくは炭酸ナトリウムである。
【0038】
(d)成分の平均一次粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは10μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下である。(d)成分の平均一次粒子径は、ロータップ型ふるい振とう機により測定されたものである。具体的には、(d)成分の平均一次粒子径は、JIS Z 8801に規定する標準ふるいを用いてふるい分け、それぞれのふるい上に残った試料の質量を計測し、ふるい目のサイズによる質量分率から求める。
なお、(d)成分は、水溶性吸油担体であってよい。(d)成分は、界面活性剤を保持する観点から、吸油能が120mL/100g以上のものが好ましい。その上限値は特に限定はされない。なお、(d)成分の吸油能は、JIS K 5101-13-2に基づいて測定することができる。
また、(d)成分について、「水溶性」とは、20℃の水100gに0.1g以上溶解することをいう。
【0039】
(d)成分は、(b)成分の被覆層を有する。(b)成分の被覆層は、(d)成分に(b)成分の酸前駆体を噴霧してなるものであってよい。
(b)成分の被覆層の厚さは、溶解性の観点から、0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは3.5μm以上、より更に好ましくは4.5μm以上、そして、溶解性の観点から、50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
(b)成分の被覆層の厚さは、任意にサンプリングした(d)成分を、メス等の刃物を用いて切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、その厚さを算出する。
具体的には、任意にサンプリングした10個の(d)成分の切断面を、走査型電子顕微鏡で観察した画像(倍率:500倍)に基づいて、(d)成分粒子における(b)成分の被覆層の膜厚を算出し、その平均値により求める。
【0040】
<組成等>
本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下含有する。
【0041】
本発明の洗浄剤組成物は、(b)成分を、溶解性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下含有する。
なお、(b)成分の質量に関する規定は、ナトリウム塩に換算した値を用いるものとする。
【0042】
本発明の洗浄剤組成物は、(c)成分を、粉末流動性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、そして、粉末流動性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有する。
【0043】
本発明の洗浄剤組成物は、(d)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下含有する。
【0044】
本発明の洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比(a)/(b)は、溶解性の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは4以下である。
【0045】
本発明の洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(a)/(c)は、粉末流動性の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは4以下である。
【0046】
本発明の洗浄剤組成物において、(b)成分の含有量と(d)成分の含有量の質量比(b)/(d)は、溶解性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.5以下である。
【0047】
本発明の洗浄剤組成物が、(b1)成分と(b2)成分を含む場合、本発明の洗浄剤組成物において、(b1)成分の含有量と(b2)成分の含有量の質量比(b1)/(b2)は、溶解性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.5以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは1以下である。
【0048】
<(e)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、抗菌力の観点から、(e)成分として、任意に、(a)成分及び(b)成分以外の界面活性剤を含有することができる。
(e)成分としては、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0049】
カチオン界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ベンゼトニウム塩等が挙げられる。これらの塩としては、例えば、ハロゲン塩、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸塩が挙げられる。
【0050】
両性界面活性剤としては、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインを挙げることができる。これらにおいて、アルカノイル基は、例えばラウロイル又はミリスチロイルである。また、これらにおいて、アルキル基は、例えばラウリル基又はミリスチル基である。
【0051】
本発明の洗浄剤組成物が(e)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(e)成分を、抗菌力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下含有する。
また、本発明の洗浄剤組成物において、(e)成分として、カチオン界面活性剤を含有する場合、(e)成分であるカチオン界面活性剤の質量に関する規定は、塩化物に換算した値を用いるものとする。
【0052】
<(f)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(f)成分として、任意に、プロテアーゼ、リパーゼ及びアミラーゼから選ばれる1種以上の酵素を含むことができる。
プロテアーゼは、例えば、セリンプロテアーゼ(EC3.4.21)やメタロプロテアーゼ(EC3.4.17又はEC3.4.24)などが挙げられる。好適なプロテアーゼの例としては、サブチリシン(EC3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性セリンプロテアーゼがある。
リパーゼは、例えば、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC3.1.1.3)、ホスホリパーゼA2(EC3.1.1.4)、リゾホスホリパーゼ(EC3.1.1.5)、モノグリセリドリパーゼ(EC3.1.1.23)、ガラクトリパーゼ(EC3.1.1.26)、ホスホリパーゼA1(EC3.1.1.32)、リポタンパク質リパーゼ(EC3.1.1.34)などが挙げられる。
アミラーゼは、例えば、α-アミラーゼ(EC3.2.1.1)、β-アミラーゼ(EC3.2.1.2)及び/又はグルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)などが挙げられる。好適なアミラーゼの例としては中性又はアルカリ性α-アミラーゼがあり、細菌や真菌などの微生物起源のものが好ましい。
【0053】
本発明の洗浄剤組成物が(f)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(f)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有する。
【0054】
<(g)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(g)成分として、任意に、無機硫酸塩及び無機ハロゲン化合物から選ばれる1種以上の化合物を含有することができる。(g)成分は、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムから選ばれる化合物が挙げられる。(g)成分は、水和物であっても無水物であっても良い。
【0055】
本発明の洗浄剤組成物が(g)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(g)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下含有する。
【0056】
<(h)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(h)成分として、任意に、カルボン酸基又はその塩を有し、重量平均分子量が3,000以上のポリマーを含有することができる。
(h)成分としては、ポリアクリル酸又はその塩及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩から選ばれるポリマー(以下、(h1)成分という)が挙げられる。
ポリアクリル酸又はその塩としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等が挙げられ、好ましくはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムが挙げられる。
アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩としては、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩等が挙げられ、好ましくはアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩が挙げられる。アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのモル比は、アクリル酸のモル数/マレイン酸のモル数として、好ましくは1/99以上、より好ましくは10/90以上、そして、好ましくは99/1以下、より好ましくは90/10以下である。
【0057】
(h1)成分は、本発明の効果の発現を妨げない程度であれば、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーとしては、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられ、より具体的にはメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーの(h1)成分中のモル比は、(h1)成分中に、好ましくは0モル%以上、そして、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下であり、0モル%であることが更に好ましい。従って、本発明のポリアクリル酸又はその塩、及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩は、全構成モノマー中、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを、0モル%以上5モル%以下の範囲で含むポリマー又はコポリマーであってよい。
【0058】
(h)成分の重量平均分子量は、3,000以上、好ましくは3,500以上、より好ましくは4,000以上、更に好ましくは5,000以上、より更に好ましくは6,000以上、より更に好ましくは7,000以上、より更に好ましくは8,000以上、より更に好ましくは9,000以上、より更に好ましくは10,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下である。
この重量平均分子量は、下記の重量平均分子量の測定方法に従って測定することができる。
【0059】
<重量平均分子量の測定方法>
(h)成分の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定を行い、換算標準物質により重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
以下に、GPCの測定条件を示す。
・カラム:東ソー(株)製、商品名:TSK-GEL guard PWXL
東ソー(株)製、商品名:TSK-GEL G4000 PWXL
東ソー(株)製、商品名:TSK-GEL G2500 PWXL
・移動相:0.1mol/Lリン酸二水素カリウム及び0.1mol/Lリン酸二水素ナトリウムの水溶液/アセトニトリル=90/10(体積比)
・検出器:示差屈折率検出器
・カラム温度:40℃
・流速:1.0mL/min
・換算標準物質:ポリアクリル酸〔アメリカン・スタンダード・コーポレーション(AMERICANSTANDARDCORP)社製〕
・試料:固形分0.8gを含む重合体水溶液にイオン交換水を添加し、総液量が200mLとなるように調製し、この調製液から10μLを分取してカラムに注入する。
【0060】
本発明の洗浄剤組成物が(h)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(h)成分を、洗浄性及び安定性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有する。
【0061】
<(i)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(i)成分として、任意に、重量平均分子量が100以上100,000以下のポリアルキレングリコールを含有することができる。
(i)成分としては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上が挙げられる。
(i)成分の重量平均分子量は、100以上、好ましくは1,000以上、そして、100,000以下、好ましくは10,000以下、より好ましくは2,000以下である。
ここで重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めた値である。
【0062】
本発明の洗浄剤組成物が(i)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(i)成分を、安定性の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下含有する。
【0063】
本発明の洗浄剤組成物は、その他の成分として、衣料用洗剤の分野で公知の他の成分、例えば漂白剤(過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、有機溶剤、香料、着色剤、抗菌剤等(但し、(a)成分~(i)成分に該当するものは除く)を任意に含有することができる。
【0064】
本発明の洗浄剤組成物は、固体洗浄剤組成物であってよい。本発明の洗浄剤組成物は、粉末状、粒状、顆粒状であってよい。溶解性の観点から、本発明の洗浄剤組成物は、粉末状、粒状及び顆粒状から選ばれる1種以上の洗浄剤組成物であることが好ましい。また、本発明の洗浄剤組成物は、粉末洗浄剤組成物であってよい。
【0065】
本発明の洗浄剤組成物は、公知の方法で製造することができる。例えば、噴霧乾燥法、ドライ中和法、乾燥造粒法、ドライブレンド法、流動層乾燥法、薄膜乾燥法、押出し造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法、圧密造粒法、界面活性剤担持法又はこれらから選択して組み合わせた方法を適用して、製造することができる。
【0066】
本発明の洗浄剤組成物の嵩密度は、製造方法によっても異なるが、好ましくは0.2g/cm以上、より好ましくは0.3g/cm以上、更に好ましくは0.35g/cm以上、そして、好ましくは1g/cm以下、より好ましくは0.95g/cm以下、更に好ましくは0.9g/cm以下である。
【0067】
本発明の洗浄剤組成物が粉末洗浄剤組成物である場合、本発明の洗浄剤組成物の平均粒子径は、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上、更に好ましくは200μm以上、そして、好ましくは800μm以下、より好ましくは750μm以下、更に好ましくは700μm以下である。
この平均粒子径は、ロータップ型ふるい振とう機により求める。具体的には、前記の平均粒子径は、JIS Z 8801に規定する標準ふるいを用いてふるい分け、それぞれのふるい上に残った試料の質量を計測し、ふるい目のサイズによる質量分率から求める。
【0068】
<洗浄剤組成物の製造方法>
本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及びその他任意成分を混合して、製造することができる。
本発明の洗浄剤組成物における、(a)成分~(d)成分及びその他の任意成分の配合量は、本発明の洗浄剤組成物における好ましい含有量を配合量に置き換えて適用することができる。
【0069】
本発明の洗浄剤組成物は、例えば、下記工程1~3で製造することができる。なお、本発明の洗浄剤組成物の製造方法は、当該方法に限定されるものではない。
工程1:(c)成分に(a)成分を含浸させる工程
工程2:(d)成分に(b)成分の被覆層を形成する工程
工程3:(a)成分を含浸させた(c)成分と、(b)成分の被覆層を有する(d)成分と、その他成分を混合する工程
【0070】
工程1では、(c)成分に(a)成分を混合して、(c)成分に(a)成分を含浸させることができる。なお、工程1では、(c)成分を含む担持顆粒を製造し、該担持顆粒に(a)成分を含浸させてもよい。
【0071】
工程2では、(d)成分に(b)成分の被覆層を形成する。例えば、(d)成分に(b)成分の酸前駆体を噴霧することで、(d)成分に(b)成分の被覆層を形成することができる。
本発明で用いることのできる(b)成分の酸前駆体としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸、アルキル又はアルケニル硫酸、α-オレフィンスルホン酸、α-スルホン化脂肪酸、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸、脂肪酸等が挙げられる。
(b)成分の酸前駆体の使用量としては、(d)成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、そして、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、より更に好ましくは30質量部以下である。
【0072】
本発明の洗浄剤組成物の製造方法では、(b1)成分と(b2)成分とを配合することで、混合機内における粉末洗浄剤組成物の付着量が低減し、粉末洗浄剤組成物を安定生産でき、水溶性フィルムへの粉末洗浄剤組成物への包装も容易となる。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法において、(b1)成分の配合量と(b2)成分の配合量の質量比(b1)/(b2)は、溶解性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.5以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは1以下である。
【0073】
<洗浄剤物品>
本発明の洗浄剤物品は、本発明の洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える。
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品であってよい。
【0074】
本発明において水溶性フィルムにおける「水溶性」とは、1リットルのガラスビーカーに500gの30℃のイオン交換水を入れ、直径が8cmのテフロン(登録商標)製の撹拌子を入れ、その中に評価対象のフィルム1gを投入し、100rpmで30分間撹拌した後に、見かけ上、不溶物が見られないものをいう。
また、水溶性フィルムの厚さは、誤飲防止、溶解性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは50μm以上、そして、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
【0075】
水溶性フィルムは、好ましくはポリマーを含んで構成される。水溶性フィルムは、当該技術分野において既知の方法、例えば、ポリマーの注型成形、吹込み成形、押出成形、射出成形などによって得ることができる。水溶性フィルムを製造するためのポリマーの非限定例として、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、(変性)セルロース、(変性)セルロース-エーテル又は-エステル又は-アミド、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸及びその塩、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、ポリアミノ酸つまりペプチド、ポリアクリルアミドなどのポリアミド、デンプン及びゼラチンなどの多糖、キサンタン及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムが挙げられる。ビニルアルコールコポリマーは、ビニルアルコールと他のモノマー、例えばエチレン、アクリル酸とのコポリマーである。好ましくは、水溶性フィルムは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む。より好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれるポリマーを含む。更に好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、例えば、株式会社アイセロから入手可能なソルブロンを含む。水溶性フィルムを製造するのに好適なポリマーは、例えば、米国特許第6995126号に記載されている。
【0076】
本発明の洗浄剤物品において、本発明の洗浄剤組成物と接触する水溶性フィルムの総面積は、製品安定性をより高める観点から、好ましくは2cm以上、より好ましくは5cm以上、更に好ましくは7cm以上、より更に好ましくは15cm以上、そして、同じ観点から、好ましくは100cm以下、より好ましくは70cm以下、更に好ましくは60cm以下、より更に好ましくは45cm以下である。
【0077】
本発明の洗浄剤物品は、当該技術分野において既知の任意の好適なプロセス、例えば既知の洗剤パウチの作製プロセスによって作製できる。パウチの作製プロセス例は、米国特許第6,995,126号、同第7,127,874号、同第8,156,713号、同第7,386,971号、同第7,439,215号、及び米国特許出願公開第2009/199877号に記載されている。
【0078】
本発明の洗浄剤物品は、1個あたりの内容物の量が、好ましくは5g以上、より好ましくは8g以上、更に好ましくは10g以上、そして、好ましくは50g以下、より好ましくは30g以下、更に好ましくは25g以下である。
【0079】
本発明の洗浄剤物品の1個あたりの好ましい形状、大きさは、例えば四辺形の形状であり、1辺の長さが、好ましくは1cm以上5cm以下、そして、厚みが好ましくは1cm以上5cm以下、より好ましくは1cm以上4cm以下である。また、本発明の洗浄剤物品の1個あたりの質量は、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上、更に好ましくは15g以上、そして、好ましくは50g以下、より好ましくは40g以下、更に好ましくは30g以下である。
【0080】
また、本発明の洗浄剤物品の1個あたりの別の好ましい形状、大きさは、例えば直方体の形状であり、縦の長さが、好ましくは5cm以上20cm以下、より好ましくは7cm以上15cm以下、横の長さが、好ましくは0.5cm以上4cm以下、より好ましくは1cm以上2cm以下、そして、厚みが好ましくは0.5cm以上5cm以下、より好ましくは1cm以上2cm以下である。また、本発明の洗浄剤物品の1個あたりの質量は、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上、そして、好ましくは50g以下、より好ましくは40g以下、更に好ましくは30g以下、より更に好ましくは20g以下である。
【0081】
本発明の洗浄剤物品は、繊維製品用、食器などの硬質表面用、自動食器洗浄機用として好適に用いることができ、繊維製品用として用いるのが好ましい。
【0082】
本発明の洗浄剤物品で繊維製品を洗浄する場合、洗浄する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維(ロックファイバー)、鉱滓繊維(スラッグファイバー)、金属繊維(金糸、銀糸、スチール繊維)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(木綿、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
繊維は、仕上がり性の観点から、繊維は木綿繊維を含む繊維であることが好ましい。繊維中の木綿繊維の含有量は、繊維の仕上がり性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってよい。
【0083】
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、Yシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。
【0084】
<繊維製品の洗浄方法>
本発明は、本発明の洗浄剤物品と水とを混合した洗浄液(以下、本発明の洗浄液という)で、繊維製品を洗浄する、繊維製品の洗浄方法を提供する。
本発明の繊維製品の洗浄方法では、本発明の洗浄剤物品及び本発明の洗浄剤組成物で記載した態様を適用することができる。
本発明の繊維製品の洗浄方法では、予め洗浄槽に本発明の洗浄剤物品と水を投入、混合して本発明の洗浄液を調製してから、被洗浄物である繊維製品を投入して、繊維製品を洗浄する方法でもよいが、本発明の効果を享受する観点から、洗浄槽に本発明の洗浄剤物品と水と繊維製品を投入し、本発明の洗浄剤物品を水に溶かしながら本発明の洗浄液を調製するのと同時に繊維製品を洗浄する方法が好ましい。
【0085】
本発明の洗浄液において、本発明の洗浄剤物品と水とを混合する際の水の量は、水1Lに対して、本発明の洗浄剤物品に含まれる本発明の洗浄剤組成物の総量が、環境配慮及び洗浄性の観点から、好ましくは0.01g以上、より好ましくは0.1g以上、更に好ましくは0.3g以上、そして、好ましくは10g以下、より好ましくは1g以下、更に好ましくは0.5g以下の濃度となるように調製する。
【0086】
また、繊維製品の洗浄方法に用いる水、例えば洗浄液の調製に用いる水、すすぎに用いる水などの水は、硬度を有する水が好ましい。水の硬度は、洗浄力の観点から、ドイツ硬度で、好ましくは1°dH以上、より好ましくは2°dH以上、そして、好ましくは20°dH以下、より好ましくは15°dH以下、更に好ましくは10°dH以下、更により好ましくは5°dH以下である。
ここで、本明細書におけるドイツ硬度(°dH)とは、水中におけるカルシウム及びマグネシウムの濃度を、CaCO換算濃度で1mg/L(ppm)=約0.056°dH(1°dH=17.8ppm)で表したものを指す。このドイツ硬度のためのカルシウム及びマグネシウムの濃度は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を使用したキレート滴定法で求められる。本明細書における水のドイツ硬度の具体的な測定方法を下記に示す。
【0087】
<水のドイツ硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/L EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/L水溶液(滴定用溶液、0.01M EDTA-Na2、シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mLに溶解し、イオン交換水で全量を1000mLとした溶液)
〔硬度の測定〕
(1)試料となる水20mLをホールピペットでコニカルビーカーに採取する。
(2)硬度測定用アンモニア緩衝液2mL添加する。
(3)Universal BT指示薬を0.5mL添加する。添加後の溶液が赤紫色であることを確認する。
(4)コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/L EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とする。
(5)全硬度は下記の算出式で求める。
硬度(°dH)=T×0.01×F×56.0774×100/A
T:0.01mol/L EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/L EDTA・2Na溶液のファクター
【0088】
本発明の洗浄液は、(a)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは20ppm以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、更に好ましくは100ppm以下含有する。
【0089】
本発明の洗浄液は、(b)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは5ppm以上、更に好ましくは10ppm以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは300ppm以下、より好ましくは150ppm以下、更に好ましくは50ppm以下含有する。
【0090】
本発明の洗浄液は、(c)成分を、溶解性の観点から、好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは5ppm以上、更に好ましくは10ppm以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは300ppm以下、より好ましくは150ppm以下、更に好ましくは50ppm以下含有する。
【0091】
本発明の洗浄液は、(d)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは50ppm以上、そして、溶解性の観点から、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは200ppm以下含有する。
【0092】
本発明の洗浄液は、(e)成分を含有する場合、(e)成分を、抗菌力の観点から、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは1ppm以上、更に好ましくは5ppm以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは20ppm以下含有する。
【0093】
本発明の洗浄液は、(f)成分を含有する場合、(f)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上、更に好ましくは1ppm以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは20ppm以下含有する。
【0094】
本発明の洗浄液は、(g)成分を含有する場合、(g)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは100ppm以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下含有する。
【0095】
本発明の洗浄液は、(h)成分を含有する場合、(h)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは1ppm以上、更に好ましくは2ppm以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下含有する。
【0096】
近年、洗濯機が大型化し、繊維製品の質量(kg)と洗浄液の水量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち洗浄液の水量(リットル)/繊維製品の質量(kg)(以下、この比を浴比とする場合もある)の値が小さくなる傾向にある。家庭用洗濯機を用いた場合に浴比が小さくなると、洗浄時の撹拌により繊維製品同士の擦れが大きくなり、繊維製品の仕上がり性が損なわれる場合がある。浴比は、洗浄性の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、そして、洗濯効率の観点から、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは30以下である。
【0097】
本発明の繊維製品の洗浄方法は、ローラー等で繊維を送りながら、精錬に使用する液に浸漬する方法、回転式洗浄方法に適している。回転式洗浄方法とは、回転機器に固定されていない繊維製品が洗浄液と共に、回転軸の周りに回転する洗浄方法を意味する。回転式洗浄方法は回転式洗濯機により実施できる。従って、本発明では、繊維製品をよりきれいに仕上げる点で、繊維製品の洗浄を、回転式洗濯機を用いて行うことが好ましい。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。
【実施例0098】
<配合成分>
実施例及び比較例では、以下の成分を用いた。
〔(a)成分〕
・エマルゲン 110L:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基の炭素数12、オキシエチレンの平均付加モル数10)、花王(株)製
〔(b)成分〕
(b1)成分
・LAS-Na:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ネオペレックスG-65、花王(株)製
(b2)成分
・脂肪酸:ルナックL-98、ラウリン酸、花王株式会社製
〔(c)成分〕
・トクシール:非晶質シリカ、トクシールNR、Оriental Silicas Corporation
・フローライト:ケイ酸カルシウム、フローライトR、富田製薬株式会社製
・ゼオライト:合成ゼオライト、A-4、粉末、75μm(200mesh)通過、富士フイルム和光純薬(株)製
〔(d)成分〕
・炭酸ナトリウム、富士フイルム和光純薬(株)製
〔(e)成分〕
・カチオン界面活性剤:アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、サニゾールB-50、花王株式会社製
〔(f)成分〕
・酵素:プロテアーゼ、Savinase 18T、Novozymes
〔(g)成分〕
・硫酸ナトリウム:富士フイルム和光純薬(株)製
・硫酸マグネシウム:富士フイルム和光純薬(株)製
〔(h)成分〕
・ポリアクリル酸:ポリアクリル酸ナトリウム、重量平均分子量1万、商品名 ポイズ536、花王(株)製
〔(i)成分〕
・ポリエチレングリコール:重量平均分子量6,000、富士フイルム和光純薬(株)製
【0099】
<洗浄剤組成物の調製>
1.実施例1~15
上記の配合成分を用いて下記の方法で表1に示す洗浄剤組成物を調製した。
表1に記載の配合量で(a)成分を(c)成分に混合し、(c)成分に(a)成分を吸着させた。また、60℃に調温した(b)成分の液体酸前駆体と(d)成分を混合して乾式中和反応を行った。そして、(a)成分を(c)成分に吸着させた粒子と(b)成分を(d)成分に混合して中和反応させた粒子を混合した。その後、表1に記載の各成分を表1に記載の配合組成となるように加えて撹拌し、粉末状の各種洗浄剤組成物を調製した。
2.比較例1~5
比較例1の洗浄剤組成物は、(c)成分と、前記方法で(b)成分を(d)成分に混合して中和反応させた粒子と、を混合し、その後、上記の1.と同様に表1に記載の各成分を加えて撹拌して調製した。
比較例2の洗浄剤組成物は、前記方法で(a)成分を(c)成分に吸着させた粒子と、(d)成分と、を混合し、その後、上記の1.と同様に表1に記載の各成分を加えて撹拌して調製した。
比較例3の洗浄剤組成物は、前記方法で(b)成分を(d)成分に混合して中和反応させた粒子に、(a)成分を添加、混合し、その後、上記の1.と同様に表1に記載の各成分を加えて撹拌して調製した。
比較例4、5の洗浄剤組成物は、前記方法で(a)成分を(c)成分に吸着させた粒子に、(b)成分のNa中和体(LAS-Na 65%水溶液、脂肪酸Na 25%水溶液)を添加、混合し、その後、上記の1.と同様に表1に記載の各成分を加えて撹拌して調製した。
【0100】
<洗浄剤物品の作製>
ポリビニルアルコールからなる水溶性フィルム(縦13cm、横2cm、厚さ76μm、M8685、Monosol(株)製)を2枚重ね、ヒートシーラー(富士インパルス(株)製)を用い、三辺をシーラーで融着させ、一辺だけ開口した袋を作製し、この袋に表1に記載の各洗浄剤組成物を13g入れた。その後、ヒートシールで、袋の開口した一辺を融着して閉じて、各洗浄剤組成物が水溶性フィルムに包装された洗浄剤物品を得た。洗浄剤組成物と接触している水溶性フィルムの総面積は、30cmであった。なお、本発明の洗浄剤物品は、上記した製造方法に限定されるものではない。
【0101】
<皮脂汚れ洗浄性評価>
1.人工汚染布の作製
次に、6cm×6cmの木綿/ポリエステルブロード混紡布(木綿/ポリエステル比=35/65、谷頭商店より購入)に、下記組成から成る人工汚垢を1枚当たり100mgになるようにグラビア塗工し、人工汚染布を作製した。
*人工汚垢
下記A、B、C、D、Eを含有する組成物を人工汚垢とした。それぞれの質量%は、最終組成の人工汚垢中の割合であり、合計が100質量%となるようにBの量を調節した。
A:調整油(人工汚垢中の質量%が、ラウリン酸0.44質量%、ミリスチン酸3.15質量%、ペンタデカン酸2.35質量%、パルチミチン酸6.31質量%、ヘプタデカン酸0.44質量%、ステアリン酸1.6質量%、オレイン酸7.91質量%、トリオレイン13.33質量%、パルミチン酸n-ヘキサデシル2.22質量%、スクアレン6.66質量%となる量で用いる)
B:塩化カルシウム(2水塩)105mgを秤量し、蒸留水に溶かして1,000mLとして得た硬水
C:卵白レシチン液晶物1.98質量%(蒸留水80mLにアルギニン塩酸塩11.37g、ヒスチジン4.20g、セリン2.44gを溶解し、濃塩酸でpHを5.0に調整した後、この溶液と卵白レシチンをミキサーで十分混ぜ合わせて得た卵白レシチン液晶物)
D:鹿沼赤土8.11質量%
E:カーボンブラック0.025質量%
【0102】
2.洗浄性評価
上記1.で作製した人工汚染布3枚を、ターゴトメーター(Ueshima製、MS-8212)にて、100rpmで10分間洗浄した。具体的な洗浄条件は、いずれも、表1に記載の水溶性フィルムで包装した洗浄剤物品1つを1Lのイオン交換水に溶解させ、洗剤水溶液を調製した。その後、この洗剤水溶液を30倍希釈し、30Lの洗浄液を調製した。この時、洗浄液は、ドイツ硬度2°dH、水温30℃になるよう調製した。人工汚染布3枚と洗浄液をターゴトメーターに投入し、人工汚染布の洗浄を100rpmで10分間行った。ドイツ硬度2°dHの水は、イオン交換水に、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを、Ca/Mg=6/4(質量比)の比率で混合し、ドイツ硬度が2°dHとなるように調製した。
洗浄後、市水(30℃)で1分間すすぐことを2回行った。すすいだ後、乾燥機(OT-20S、TOSEN社製)を用いてプレス乾燥した。
人工汚染布の原布、及び洗浄前後の人工汚染布の波長550nmにおける反射率を、分光色彩計(日本電色株式会社製、SE2000)にて測定し、下記(1)式に基づいて、洗浄率(%)を算出した。この洗浄率(%)により、洗浄剤物品の洗浄性を評価した。洗浄率(%)は、人工汚染布3枚の平均値である。結果を表1に示す。洗浄率が高いほど、洗浄剤物品の洗浄性が高いといえる。なお、人工汚染布の原布における反射率は、人工汚垢を塗工しない上記木綿/ポリエステルブロード紡績布における反射率である。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の人工汚染布の反射率-洗浄前の人工汚染布の反射率)/(原布の反射率-洗浄前の人工汚染布の反射率)] (1)
【0103】
<アルカリ剤におけるアニオン界面活性剤の被覆層の膜厚測定>
上記<洗浄剤組成物の調製>で記載した方法で調製された洗浄剤組成物から、任意に10個の(b)アニオン界面活性剤で被覆された(d)アルカリ剤粒子をサンプリングした。
サンプリングされたアルカリ剤粒子を壊さないように最大粒子径を含む面でメスで半分に切断し、その断面を走査電子顕微鏡(S-3000、日立製作所製、倍率500倍)で観察した。走査電子顕微鏡で得られた画像より、アルカリ剤におけるアニオン界面活性剤の被覆層、すなわち、(d)成分における(b)成分の被覆層の膜厚を算出した。表1に、10個の(d)成分で算出された(b)成分の被覆層の平均値を示す。
【0104】
<洗浄剤組成物の粉末流動性評価>
上記<洗浄剤組成物の調製>で記載した方法で調製された洗浄剤組成物を容積50cmの円筒型の容器にすりきり入れて、50cmの洗浄剤組成物を測りとった。
この洗浄剤組成物を底部に直径1cmの穴を有する円錐形状の容器(縦8.5cm、横8.5cm、高さ14cm)に流しこみ、流し込んだ時間を基準として、容器に流し込んだ洗浄剤組成物がすべて落ちるまでの時間(秒)を測定した。
この時間が短いほど、流動性に優れた洗浄剤組成物といえる。また、容器中に洗浄剤組成物が残り、この時間が測定できない場合は、表中「×」で示した。
【0105】
<溶解性評価>
表1の洗浄剤物品の溶解性を、洗浄後に溶け残った洗浄剤組成物の溶け残り残留物の直径に基づいて評価した。洗浄剤組成物の溶け残り残留物の直径は、下記の方法により測定した。
木綿シャツ(木綿100%、Gunze社製)1kgを、全自動洗濯機(NA-FR80H6、Panasonic社製)にて、水量20L、10分間洗浄した。具体的な洗浄条件は、いずれも、木綿シャツ1kgと、表1に記載の各洗浄剤組成物13gを水溶性フィルムで包装した洗浄剤物品を1つ全自動洗濯機に投入し、水を20L注入し、洗浄剤物品を水に溶かしながら洗浄液を調製するのと同時に木綿シャツの洗浄を10分間行った。浴比(水(kg)/木綿シャツ(kg))は、20とした。また、各洗浄液の水温は20℃であった。
洗浄後、市水(20℃)で3分間すすぐことを2回行った。すすいだ後、乾燥機(OT-20S、TOSEN社製)を用いてプレス乾燥した。
洗濯終了後、木綿シャツを目視で確認し、洗浄剤組成物の溶け残り残留物を回収した。回収した残留物の直径(mm)をノギスで測定し、その平均値を表1に示した。残留物の大きさが小さいほど、更には残留物が確認されないと、洗浄剤組成物及び洗浄剤物品の溶解性が優れているといえる。
【0106】
【表1】