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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111405
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20240809BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B41J2/165 201
B41J2/165 101
B41J2/165 301
B41J2/01 401
B41J2/165 211
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015874
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】関 賢司
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA20
2C056EC22
2C056EC23
2C056EC33
2C056EC57
2C056FA10
2C056HA29
2C056JA01
2C056JA02
2C056JA04
2C056JA13
2C056JA17
2C056JA18
2C056JB02
2C056JB04
2C056JC13
2C056KB35
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】作業者によるインク除去の負担の軽減を図る。
【解決手段】
本発明に係るインクジェットプリンタ10は、ノズル面45を備えるインクヘッド40と、ワイパー61と、キャップ71と、凸部80aを有する吸収体80と、を備えている。ワイパー61がノズル面45をワイピングすると、ノズル面45にインクKが残る。キャップ71がインクヘッド40に装着されると、ノズル面45に残ったインクKに凸部80aが接触するため、インクKが吸収体80に吸収される。このことにより、作業者が手作業によりインクKを除去する頻度を低下させることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するノズルが形成されたノズル面を有するインクヘッドと、
前記ノズル面を拭うワイパーと、
前記ワイパーと前記インクヘッドとを第1方向に相対移動させる移動機構と、
前記インクヘッドの下方に配置され、前記インクヘッドに装着可能なキャップと、
前記キャップの内部に配置された吸収体と、
前記ノズル面に対して前記キャップを装着させ、または前記ノズル面から前記キャップを離隔させるキャッピングユニットと、を備え、
前記吸収体は、前記第1方向において、前記ノズル面の前記ノズルが形成されている範囲より外側の位置から上方に延びる凸部を備えている、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記凸部の上端の位置は、前記キャップの上端の位置と同じである、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記吸収体は、前記凸部に挟まれた凹部を備え、
前記凹部の前記第1方向の長さは、前記インクヘッドにおいて前記ノズルが形成されている範囲の前記第1方向の長さよりも長い、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記ワイパーの前記第1方向に対して平面視において直交する方向である第2方向の長さは、前記吸収体の前記第2方向の長さよりも短い、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記移動機構と前記キャッピングユニットとを制御する制御装置を備え、
前記吸収体は、前記凸部に挟まれた凹部を備え、
前記インクヘッドは、
前記ノズル面のうち前記ノズルが形成されている範囲に対して前記第1方向の一方に設けられた第1部分と、
前記ノズル面のうち前記ノズルが形成されている範囲に対して前記第1方向の他方に設けられた第2部分と、を有し、
前記制御装置は、前記ワイパーが前記第1部分から前記第2部分に向かうように、前記ワイパーと前記インクヘッドとを相対移動させることによりワイピングを行うワイピング制御部を備え、
前記第1部分と前記第2部分との前記第1方向の間隔は、前記吸収体の前記第1方向の長さよりも短く、かつ前記凹部の前記第1方向の長さよりも長い、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記キャッピングユニットは、前記キャップに接続された吸引ポンプを備え、
前記制御装置は、
前記ワイピングの後、前記キャップを前記インクヘッドに装着してから前記インクヘッドから離隔する、キャッピング制御部と、
前記キャッピング制御部により前記インクヘッドから前記キャップが離隔した状態において、前記吸引ポンプを駆動する吸引制御部と、を備えている、請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクヘッドのノズル面に付着した硬化したインクの除去のために、ワイパーによるワイピングを実行するインクジェットプリンタが知られている。例えば、特許文献1には、ノズルが形成されたノズル面を有するインクヘッドと、ノズル面を拭うワイパーと、を備えたインクジェットプリンタが開示されている。係るインクジェットプリンタでは、ワイパーをノズル面に接触させた状態で移動させることにより、ワイパーがノズル面を拭う。このことにより、ノズル面に付着したインクを除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-051274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたインクジェットプリンタでは、ワイピングを実行するときにワイパーにインクが付着している可能性がある。したがって、ワイピングの実行に際して、インクヘッドとワイパーとが最初に接触する位置にインクが付着して残る可能性がある。また、ワイピング中は、ワイパーの移動に伴いインクヘッドに付着したインクがワイパーの先端に蓄積される。したがって、ワイパーがインクヘッドを拭った後、ワイパーをインクヘッドから離隔させる直前にワイパーとインクヘッドとが接触していた位置には、ワイパーの先端に蓄積されていたインクの一部が残る可能性がある。インクヘッドに残ったインクは、作業者が手作業でインクを除去する、所謂、マニュアルクリーニングを行う必要がある。上述のように、インクが残ると、作業者は、定期的にマニュアルクリーニングを行う必要があり、作業者にとって負担となる。
【0005】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者の手作業によるインク除去の負担の軽減を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインクジェットプリンタは、インクを吐出するノズルが形成されたノズル面を有するインクヘッドと、前記ノズル面を拭うワイパーと、前記ワイパーと前記インクヘッドとを第1方向に相対移動させる移動機構と、前記インクヘッドの下方に配置され、前記インクヘッドに装着可能なキャップと、前記キャップの内部に配置された吸収体と、前記ノズル面に対して前記キャップを装着させ、または前記ノズル面から前記キャップを離隔させるキャッピングユニットと、を備えている。前記吸収体は、前記第1方向において、前記ノズル面の前記ノズルが形成された領域より外側の位置から上方に延びる凸部を備えている。
【0007】
本発明のインクジェットプリンタによれば、前記キャップが前記インクヘッドに装着されたときに、前記吸収体の前記凸部が前記インクヘッドに接触する。前記インクヘッドには、ワイピングしたときに付着したインクが残っている可能性がある。したがって、前記吸収体の前記凸部を前記インクヘッドに付着したインクに接触させることにより、前記インクヘッドに残ったインクを吸収させることができる。前記インクヘッドへの前記キャップの装着と同時にインクヘッドにインクを吸収させることができるため、作業者が前記インクヘッドをマニュアルクリーニングする頻度を低下させることができる。このことにより、作業者によるインクの除去の負担が軽減される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者の手作業によるインク除去の負担の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。
図2】一実施形態に係るキャリッジおよびインクヘッドの底面の構成を示す模式図である。
図3】一実施形態に係るワイパーおよび吸収体の副走査方向の長さを示す図である。
図4図4(a)~(c)は、一実施形態に係るワイピング動作を示す図である。
図5】インクヘッドからキャップが離隔している状態を示す図である。
図6】インクヘッドにキャップが装着されている状態を示す図である。
図7】一実施形態に係るプリンタの制御装置のブロック図である。
図8】一実施形態に係るインク除去の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の正面図である。図2は、プリンタ10のキャリッジ17およびインクヘッド40の底面の構成を模式的に示す底面図である。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれプリンタ10の前、後、左、右、上、下を意味するものとする。図面中の符号Yは、主走査方向を示している。本実施形態では、主走査方向Yは、左右方向である。主走査方向Yは、第1方向の一例である。図面中の符号Zは、上下方向である。図2に示す符号Xは、副走査方向を示している。本実施形態では、副走査方向Xは、前後方向であり、平面視において主走査方向Yと交差(ここでは直交)する方向である。副走査方向Xは、第2方向の一例である。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0011】
図1に示すように、プリンタ10は、記録媒体5に印刷を行う。記録媒体5は、例えば、長尺に形成され、ロール状に巻かれて用いられる。なお、記録媒体5は、シート状のものであってもよい。記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。例えば、記録媒体5には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステルなどの樹脂材料から形成されたシート、台紙と台紙上に積層されかつ接着剤が塗布された剥離紙とからなるシール材等が含まれる。
【0012】
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体11と、プラテン13と、搬送機構20と、ガイドレール15と、キャリッジ17と、ヘッド移動機構30と、インクヘッド40と、インク供給ユニット50と、ワイピングユニット60と、キャッピングユニット70と、吸収体80(図5参照)と、操作パネル90と、制御装置100とを備えている。
【0013】
プリンタ本体11は、主走査方向Yに延びたケーシング11Aを有している。プリンタ本体11は、脚12によって支持されている。脚12は、プリンタ本体11の下面に設けられ、当該下面から下方に延びている。
【0014】
プラテン13は、記録媒体5への印刷の際、記録媒体5を支持する部材である。プラテン13は、主走査方向Yに延びている。プラテン13には、記録媒体5が載置される。
【0015】
プラテン13に支持された記録媒体5は、搬送機構20によって副走査方向Xに搬送される。なお、搬送機構20の構成は、特に限定されない。本実施形態では、搬送機構20は、ピンチローラ21と、グリットローラ22と、フィードモータ23とを備えている。ピンチローラ21は、プラテン13の上方かつガイドレール15よりも下方に設けられ、記録媒体5を上から押さえ付けるものである。ピンチローラ21は、平面視においてキャリッジ17よりも後方に配置されている。グリットローラ22は、プラテン13に設けられ、外周形状が円柱状の部材である。グリットローラ22は、その上面部を露出させた状態でプラテン13に埋設されている。グリットローラ22は、ピンチローラ21と対向している。グリットローラ22には、フィードモータ23が接続されている。ピンチローラ21とグリットローラ22との間に記録媒体5が挟まれた状態で、フィードモータ23が駆動すると、グリットローラ22が回転する。このことにより、プラテン13上の記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。フィードモータ23は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御される。
【0016】
ガイドレール15は、プラテン13の上方に配置されている。ガイドレール15は、プラテン13と平行に配置され、主走査方向Yに延びている。ガイドレール15には、キャリッジ17が係合している。キャリッジ17は、ガイドレール15に摺動可能に設けられ、主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0017】
ヘッド移動機構30は、プラテン13に支持された記録媒体5に対して、キャリッジ17およびインクヘッド40を主走査方向Yに相対的に移動させる機構である。ここでは、ヘッド移動機構30は、キャリッジ17およびインクヘッド40を主走査方向Yに移動させる。なお、ヘッド移動機構30の構成は特に限定されない。ヘッド移動機構30は、本発明における移動機構の一例である。ヘッド移動機構30がキャリッジ17を移動させることにより、ワイパー61がインクヘッド40に対して相対的に移動する。
【0018】
本実施形態では、図1に示すように、ヘッド移動機構30は、左右のプーリ31a、31bと、ベルト32と、スキャンモータ33とを備えている。左のプーリ31aは、ガイドレール15の左端部の周囲に設けられている。右のプーリ31bは、ガイドレール15の右端部の周囲に設けられている。ベルト32は、無端状のベルトであり、左右のプーリ31a、31bに巻き掛けられている。ベルト32には、キャリッジ17が固定されている。右のプーリ31bには、スキャンモータ33が接続されている。
【0019】
ここでは、スキャンモータ33が駆動することにより、右のプーリ31bが回転し、ベルト32が走行する。このことにより、キャリッジ17およびインクヘッド40は、ガイドレール15に沿って主走査方向Yに移動する。スキャンモータ33は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御される。
【0020】
インクヘッド40はキャリッジ17に設けられている。インクヘッド40は、その底面を露出するように、キャリッジ17に支持されている。インクヘッド40の数は特に限定されない。本実施形態では、インクヘッド40の数は4つである。4つのインクヘッド40は、主走査方向Yに並んで配置されている。
【0021】
図2に示すように、インクヘッド40は、ノズル面45を有している。ノズル面45は、インクヘッド40の底面を構成している。各ノズル面45には、ノズル46が形成されている。ノズル46は、記録媒体5にインクを吐出する微細な穴である。インクヘッド40において、複数のノズル46は、副走査方向Xに並ぶノズル列を形成している。ここでは、主走査方向Yに隣り合う2列のノズル列が形成されている。ノズル46が形成する2つの列をそれぞれ第1ノズル列46a、第2ノズル列46bとする。ここでは、各インクヘッド40におけるノズル列の数は2列であるが、これに限定されない。ノズル列の数は、1列でもよく、3列以上でもよい。また、図2では、ノズル列を形成するノズル46の数は12個としているが、実際にはもっと多数(例えば200~300個程度)のノズル46が形成されている。第1ノズル列46aおよび第2ノズル列46bを形成するノズル46の数は限定されない。
【0022】
ノズル面45は、ノズル46が形成されたノズル形成領域45aと第1部分P1と第2部分P2とを含んでいる。本実施形態では、ノズル形成領域45aの左端の位置は、第1ノズル列46aを形成するノズル46の左端の位置であり、ノズル形成領域45aの右端の位置は、第2ノズル列46bを形成するノズル46の右端の位置である。ノズル形成領域45aの前端の位置は、ノズル46のうち、最も前方に位置するノズル46の前端の位置である。ノズル形成領域45aの後端の位置は、ノズル46のうち、最も後方に位置するノズル46の後端の位置である。第1部分P1は、ノズル面45のうちノズル形成領域45aの左方かつノズル面45の左端よりも右方に位置する。第1部分P1の前端および後端の位置は、ノズル形成領域45aの前端および後端の位置と同一である。第2部分P2は、ノズル形成領域45aよりも右方かつノズル面45の右端よりも左方に位置する。第2部分P2の前端および後端の位置は、ノズル形成領域45aの前端および後端の位置と同一である。詳細は後述するが、第1部分P1および第2部分P2は、ワイパー61によるワイピングの開始地点および終了地点である。図5に示すように、第1部分P1と第2部分P2との間隔L1は、キャップ71の主走査方向Yの長さL2よりも短い。また、図6に示すように、第1部分P1と第2部分P2との間隔L1は、後述する吸収体80の凹部80bの主走査方向Yの長さL3よりも長い。ノズル形成領域45a、第1部分P1および第2部分P2の副走査方向Xの長さは同一である。なお、第1部分P1と第2部分P2とは、互いに位置が逆であってもよい。
【0023】
図1に示すように、インク供給ユニット50は、インクヘッド40にインクを供給するユニットである。インク供給ユニット50は、インクカートリッジ51と、インク供給路52と、送液ポンプ(図示せず)と、を備えている。インクカートリッジ51には、それぞれインクが収容されている。インク供給路52は、インクカートリッジ51とインクヘッド40のノズル46とを接続している。1つのインクカートリッジ51につき、インク供給路52が1つ接続されている。なお、インク供給ユニット50は、インク供給路52を開閉するバルブや、インク供給路52を通るインクの圧力変動を緩和するダンパーを備えていてもよい。
【0024】
ワイピングユニット60は、インクヘッド40のノズル面45を払拭する。ワイピングユニット60は、インクヘッド40のノズル面45(図2参照)を払拭可能なワイパー61と、ワイパー61を支持して上下方向Zに移動させるワイパー支持装置62と、を備えている。本実施形態では、ワイピングユニット60は、プラテン13の右方に配置されている。ワイパー61は、副走査方向Xおよび上下方向Zに伸びる板状の部材である。図3に示すように、本実施形態では、ワイパー61の副走査方向Xの長さW1は、吸収体80の副走査方向Xの長さW2よりも短い。図4(a)に示すように、ワイパー61は、ここでは、斜め上方に延びている。ただし、ワイパー61は、例えば、鉛直方向に延びていてもよい。ワイパー61は、可撓性を有する材料、例えば、ゴムにより形成されている。ただし、ワイパー61の材料は、特に限定されない。ワイパー61がノズル面45およびノズル46を払拭することにより、ノズル面45およびノズル46に付着したインクが除去される。
【0025】
ワイパー支持装置62は、ワイパー61を支持している。本実施形態では、ワイパー支持装置62は、ワイパー61を副走査方向Xおよび上下方向Zに移動可能に支持している。ワイパー61は、ノズル面45を払拭しないときには、インクヘッド40よりも前方または後方に退避されていてもよい。ワイパー支持装置62は、ワイパー昇降モータ62a(図7参照)を備えている。ワイパー昇降モータ62aには、例えば、ボールネジ(図示せず)が接続されており、ワイパー昇降モータ62aが駆動すると、ワイパー61が昇降する。ワイパー昇降モータ62aは、制御装置100(図7参照)に電気的に接続され、制御装置100によって制御される。ワイパー支持装置62は、ノズル面45を払拭可能な位置(図4(b)に図示した位置)と、ノズル面45よりも下方の位置(図4(c)に図示した位置)とにワイパー61を移動させる。図4(b)に示すように、ワイピングを行うとき、ワイパー61の上端がノズル面45に押し付けられ、ワイパー61が撓む。ただし、ワイパー支持装置62の構成はこれに限定されない。
【0026】
図1に示すように、キャッピングユニット70は、ワイピングユニット60の右方に配置されている。キャッピングユニット70は、キャップ71と、キャップ移動装置72と、吸引ポンプ73と、キャップ71と吸引ポンプ73とを接続するチューブ74と、を備えている。本実施形態では、キャッピングユニット70は、キャップ71および吸引ポンプ73をそれぞれ4つずつ備えている。ただし、キャップ71、キャップ移動装置72および吸引ポンプ73の数は、4つに限定されない。図5および図6に示すように、キャッピングユニット70は、キャップ71を各インクヘッド40に装着させるユニットである。キャップ71は、通常、印刷やノズル46およびノズル面45のクリーニングが完了するとインクヘッド40に装着されるものである。
【0027】
本実施形態では、1つのキャップ71は、1つのインクヘッド40に装着されるように構成されている。キャップ71は、主走査方向Yおよび副走査方向X(図2参照)に延び、上方に開口した形状を有している。図3に示すように、キャップ71は、平面視において略矩形状に形成されている。図5に示すように、キャップ71は、リップ部71aを備えている。リップ部71aは、キャップ71の上端部を構成している。図6に示すように、リップ部71aは、キャップ71がインクヘッド40に装着されたとき、ノズル面45に接触する部分である。リップ部71aは、第1部分P1よりも左方および第2部分P2よりも右方においてノズル面45に接触する。リップ部71aは、上端に向かうにしたがって、先細る形状を有している。キャップ71の底面には、チューブ74が接続された吸引口71bが設けられている。吸引口71bは、キャップ71の底面を上下方向Zに貫通している。キャップ71は、例えば、弾性を有するゴムによって形成されている。
【0028】
キャップ移動装置72は、キャップ71をインクヘッド40に装着し、またはキャップ71をインクヘッド40から離隔させる装置である。詳しくは、キャップ移動装置72は、リップ部71aがノズル面45に接触し、または、ノズル面45から離隔するように、キャップ71を移動させる。本実施形態では、キャップ移動装置72は、キャップ昇降モータ72a(図7参照)を備えている。キャップ昇降モータ72aには、例えば、ボールネジ(図示せず)が接続されており、キャップ昇降モータ72aが駆動すると、キャップ71が昇降する。キャップ71が昇降することにより、ノズル面45に対してキャップ71を装着させたり、離隔させたりすることができる。キャップ昇降モータ72aは、制御装置100(図7参照)に電気的に接続され、制御装置100によって制御される。ただし、キャップ移動装置72の構成は特に限定されない。
【0029】
吸引ポンプ73は、キャップ71の内部を減圧するポンプである。吸引ポンプ73は、キャップ71の内部および吸収体80に吸収されているインクを吸引する。吸引ポンプ73は、例えば、チューブポンプである。ただし、吸引ポンプ73の種類は特に限定されない。吸引ポンプ73の一端は、キャップ71の吸引口71bに接続され、他端は、廃液タンク200(図1参照)に接続されている。したがって、吸引ポンプ73により吸引されたインクKは、廃液タンク200に廃棄される。吸引ポンプ73は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御される。
【0030】
吸収体80は、インクKを吸収する部材である。吸収体80は、キャップ71の内側に配置されている。吸収体80は、例えば、多孔質の樹脂スポンジにより形成されている。ただし、吸収体80の材料は、インクKを吸収可能な材料である限りにおいて特に限定されない。吸収体80は、凸部80aと凹部80bとを備えている。凹部80bは、吸収体80のうち、主走査方向Yにおいて凸部80aに挟まれた部分である。
【0031】
凸部80aは、吸収体80のうち、ノズル形成領域45aよりも右方および左方の位置から上方に延びている部分である。本実施形態では、凸部80aは、吸収体80の主走査方向Yの両端部において上方に延びている。凸部80aの上端は、平面状に形成されている。凸部80aの上端の位置は、キャップ71の上端の位置と同じである。詳しくは、凸部80aの上端の位置は、キャップ71のリップ部71aの上端の位置と同じである。図6に示すように、凸部80aは、キャップ71がインクヘッド40に装着されたとき、ノズル面45の第1部分P1および第2部分P2に接触する。凸部80aが第1部分P1および第2部分P2に接触すると、キャップ71がインクヘッド40に装着される前に第1部分P1および第2部分P2に付着していたインクKは、凸部80aに吸収される。
【0032】
凹部80bは、その上端の位置が凸部80aの上端よりも低く形成されている。本実施形態において、凹部80bの主走査方向Yの長さL3は、ノズル形成領域45aの主走査方向Yの長さL4よりも長い。したがって、図6に示すように、キャップ71がインクヘッド40に装着されたとき、凹部80bはノズル46に接触しない。
【0033】
図1に示すように、プリンタ本体11の右端部には、操作パネル90が設けられている。操作パネル90には、機器状態を表示する表示画面91と、ユーザによって操作される入力キー92などが設けられている。
【0034】
制御装置100は、印刷に関する制御およびインクヘッド40のクリーニングの制御などを行う装置である。制御装置100の構成は特に限定されない。制御装置100は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されない。制御装置100は、例えばI/Fと、CPUと、ROMと、RAMと、を備えている。制御装置100は、プリンタ本体11の内部に設けられている。ただし、制御装置100は、プリンタ本体11の外部に設置されたコンピュータなどで実現されてもよい。この場合、制御装置100は、有線または無線を介してプリンタ10の制御基板(図示せず)と通信可能に接続されている。図7は、制御装置100のブロック図である。図7に示すように、制御装置100は、ワイピング制御部101と、キャッピング制御部102と、吸引制御部103と、を備えている。なお、上述した制御装置100の各部101~103は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。例えば制御装置100の各部101~103は、1つまたは複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
【0035】
ワイピング制御部101は、ワイパー61によりインクヘッド40をワイピングするワイピング処理を行う。ワイピング制御部101は、図4(a)に示すように、ワイパー支持装置62のワイパー昇降モータ62a(図7参照)を制御し、ワイパー61を第1部分P1の下方から上方に移動させる。ワイパー61が第1部分P1に当接すると、ワイピング制御部101は、図4(b)に示すように、ワイパー61が第2部分P2に当接するまでキャリッジ17を左方に移動させる。このとき、ノズル面45がワイパー61によりワイピングされる。さらに、ワイパー61が第2部分P2から離隔するように、ワイパー支持装置62のワイパー昇降モータ62aを制御し、ワイパー61を下方に移動させる。ワイパー61を移動させる位置およびキャリッジ17を移動させる位置は、例えば、座標により指示される。
【0036】
図7に示すキャッピング制御部102は、図5および図6に示すように、キャップ71をインクヘッド40に脱着させるキャッピング処理を行う。キャップ71をインクヘッド40に装着させるとき、キャッピング制御部102は、キャップ移動装置72を制御する。キャッピング制御部102は、キャップ71の真上にインクヘッド40が配置されるように、ヘッド移動機構30(図1参照)を制御する。その後、キャッピング制御部102は、キャップ71を上昇させるようにキャップ移動装置72のキャップ昇降モータ72a(図7参照)を駆動させる。このことにより、キャップ71がインクヘッド40に装着される。また、キャッピング制御部102は、キャップ71を下降させるように、キャップ移動装置72のキャップ昇降モータ72aを駆動させ、キャップ71を下降させる。このことにより、キャップ71がインクヘッド40から離隔される。
【0037】
図7に示す吸引制御部103は、キャップ71がインクヘッド40から離隔された状態にて吸引ポンプ73を駆動する空吸引処理を行う。キャップ71がインクヘッド40から離隔した状態(図5に図示した状態)にて吸引制御部103が吸引ポンプ73を駆動することにより、キャップ71の内部にあるインクKおよび吸収体80に吸収されているインクKが、吸引口71bおよびチューブ74を通って吸引される。吸引されたインクKは、プリンタ10が備える廃液タンク200(図1参照)に流される。
【0038】
以上、プリンタ10の構成について説明した。次に、ワイピング時にインクヘッド40に付着したインクKを除去するプロセスについて説明する。図8は、ワイピング時にインクヘッド40に付着したインクKを除去するプロセスを示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートが開始される前に、キャップ71がインクヘッド40に装着された状態にて吸引ポンプ73を駆動させ、ノズル46の内部の詰まりを除去する、所謂、吸引動作(主吸引動作)がおこなわれていてもよい。
【0039】
ステップS101において、ワイピング制御部101は、スキャンモータ33を制御し、キャリッジ17を移動させる。ワイピング制御部101は、図4(a)に示すように、ワイパー61の真上にノズル面45の第1部分P1が配置されるように、キャリッジ17を移動させる。このとき、ノズル面45には、インクの吐出やフラッシングにより、インクKが付着している。また、ワイパー61の上端には、前回のワイピング時に付着したインクKが残っている。
【0040】
ステップS102において、ワイピング制御部101は、ワイパー昇降モータ62a(図7参照)を制御し、ワイパー61を上昇させ、ワイパー61の上端をインクヘッド40の第1部分P1に当接させる。ワイパー61を上昇させる移動量は、予め決まっていてもよく、都度設定されるものであってもよい。このとき、ワイパー61がわずかに撓むまで、ワイパー61を上昇させることが望ましい。このとき、ワイパー61の上端に付着していたインクKが第1部分P1に付着する。
【0041】
ステップS103において、ワイピング制御部101は、スキャンモータ33(図1参照)を制御し、図4(b)に示すように、ワイパー61の上端がノズル面45の第2部分P2に移動するまでキャリッジ17を移動させる。本実施形態では、キャリッジ17を左方に移動させる。このとき、ワイパー61は、ノズル面45に付着しているインクKを拭いながら、第2部分P2に到達する。なお、ステップS102において、第1部分P1に付着したインクKの一部は、インクヘッド40の移動に伴い、ワイパー61の上端から離れ、第1部分P1に残る。
【0042】
ステップS104において、ワイピング制御部101は、図4(c)に示すように、ワイパー昇降モータ62a(図7参照)を制御し、ワイパー61を下降させ、ワイパー61の上端をノズル面45の第2部分P2から離隔させる。ワイパー61を下降させる移動量は、予め決まっていてもよく、都度設定されるものであってもよい。ワイパー61が第2部分P2から離隔されるとき、ワイパー61の上端には、ステップS103において拭ったインクKが付着している。しかし、ステップS103において拭ったインクKの一部は、ワイパー61が第2部分P2から離隔されるときに第2部分P2に残る。なお、ここではステップS101~ステップS104にて、1つのインクヘッド40をワイピングしているが、さらに他のインクヘッド40に対してもステップS101~ステップS104と同様にしてワイピングを実行してもよい。また、ワイパー61を副走査方向Xに移動させ、副走査方向Xの異なる位置にてステップS101~S104によるワイピングをさらに実行してもよい。
【0043】
ステップS105において、キャッピング制御部102は、スキャンモータ33を制御し、インクヘッド40の真下にキャップ71を配置させる。このとき、図5に示すように、吸収体80の凸部80aの真上には、第1部分P1および第2部分P2が配置される。第1部分P1には、ステップS102において付着したインクKが残っており、第2部分P2には、ステップS104において付着したインクKが残っている。
【0044】
ステップS106において、キャッピング制御部102は、図6に示すように、キャップ昇降モータ72a(図7参照)を制御し、キャップ71を上昇させる。キャップ71が上昇することにより、キャップ71のリップ部71aがノズル面45に当接する。このとき、吸収体80の凸部80aは、第1部分P1および第2部分P2に接触する。このことにより、第1部分P1および第2部分P2に付着していたインクKは、吸収体80に吸収される。
【0045】
なお、ステップS106の実行後において、キャップ71をノズル面45から離隔させた後、吸引制御部103が、吸引ポンプ73を駆動する吸引動作(空吸引動作)を行ってもよい。このことにより、吸収体80に吸収されていたインクKが吸引口71bおよびチューブ74を介して廃液タンク200に流される。ステップS107は、省略されてもよい。
【0046】
以上のように、本実施形態のプリンタ10によると、ワイパー61がノズル面45をワイピングしても、図4(a)、図4(b)および図4(c)に示すように、インクKの一部がインクヘッド40に残ることがある。しかし、キャップ71の内部に配置された吸収体80の両端部の凸部80aは、上方に延びている。したがって、キャップ71をインクヘッド40に装着させたときに、インクヘッド40のノズル面45に付着していたインクKが凸部80aに吸収される。本実施形態では、キャップ71をインクヘッド40に装着させることにより、残ったインクKを吸収体80に吸収させることができる。したがって、作業者がインクヘッド40をマニュアルクリーニングする必要がなくなり、または、マニュアルクリーニングの頻度を低減することができる。このことにより、作業者の手作業によるインク除去の負担の軽減を図ることができる。なお、キャップ71は、従来から、印刷やクリーニングが完了すると、インクヘッド40に装着されるものである。したがって、従来のキャップの装着の動作に対してプリンタ10の動作が増えることなく、インクヘッド40に付着したインクを除去することができる。
【0047】
本実施形態のプリンタ10によると、吸収体80の凸部80aの上端の位置は、キャップ71のリップ部71aの上端と同じ位置となっている。このことにより、キャップ71がインクヘッド40に装着されたとき、凸部80aが第1部分P1および第2部分P2に必ず接触する。したがって、第1部分P1および第2部分P2に付着しているインクKを吸収体80により確実に吸収することができる。
【0048】
本実施形態のプリンタ10によると、吸収体80の凹部80bの主走査方向Yの長さL3は、ノズル形成領域45aの主走査方向Yの長さL4よりも長い。したがって、キャップ71がインクヘッド40に装着されたとき、凹部80bは、ノズル46に接触しない。吸収体80がノズル46に接触すると、ノズル46から吸収体80にインクKが吸収される。ここで、ノズル46は、インク供給路52に接続されている。したがって、ノズル46に吸収体80が接触すると、インク供給路52の内部のインクKもノズル46を通じて吸収体80に吸収され、インクKを無駄に消費することになる。しかしながら、本実施形態によれば、凹部80bが上記のように形成されていることにより、インクKの無駄な消費を防止することができる。
【0049】
本実施形態のプリンタ10によると、ワイパー61の副走査方向Xの長さW1は、吸収体80の副走査方向Xの長さW2よりも短い。ワイパー61の副走査方向Xの長さX1が、吸収体80の副走査方向Xの長さX2よりも長いと、吸収体80によりインクKを吸収してもインクヘッド40の副走査方向XにおいてインクKが残る虞がある。したがって、本実施形態のように、W1がW2よりも短いことにより、インクヘッド40の副走査方向XにおいてもインクKを吸収体80により除去することができる。
【0050】
本実施形態のプリンタ10によると、ワイピング制御部101は、ノズル面45の第1部分P1から第2部分P2に向かってワイピングを行う。第1部分P1と第2部分P2との間隔L1は、キャップ71の主走査方向Yの長さL2よりも短く、凹部80bの主走査方向Yの長さL3よりも長い。例えば、第1部分P1および/または第2部分P2がインクヘッド40の側部の位置である場合、第1部分P1および/または第2部分P2に付着したインクKを吸収体80に吸収させるためには、キャップ71および吸収体80が、インクヘッド40の側部まで覆うような形状である必要があり、キャップ71および吸収体80のサイズが比較的大きくなる。しかしながら、本実施形態のように、第1部分P1および第2部分P2がノズル面45に配置されていることにより、キャップ71および吸収体80は、ノズル面45に装着されればよく、キャップ71および吸収体80が比較的大きくなることを抑制することができる。
【0051】
本実施形態のプリンタ10によると、キャップ71には、吸引ポンプ73が接続されている。ワイピングが行われた後、キャッピング制御部102がインクヘッド40にキャップ71を装着し、その後、インクヘッド40からキャップ71を離隔させる。このとき、吸収体80には、インクKが吸収されている。インクヘッド40からキャップ71を離隔した状態において、吸引ポンプ73が駆動すると、吸収体80に吸収されたインクKが吸引される。ここで、吸収体80のインクKの吸収可能量には限界がある。したがって、吸収体80が吸収可能量までインクKを吸収した場合、作業者は吸収体80を交換する必要がある。しかしながら、本実施形態のように、吸引ポンプ73がキャップ71に接続され、空吸引処理を行うことにより、吸収体80に吸収されたインクKを吸引することができる。このことにより、吸収体80の交換頻度を少なくすることができる。
【0052】
以上、本発明における好適な一実施形態について説明した。しかし、本発明のインクジェットプリンタは、上述した実施形態に限定されない。
【0053】
上述した実施形態では、吸収体80の凸部80aの上端の位置とキャップ71のリップ部71aの上端の位置とは同じになっていたが、これに限定されない。吸収体80は、凸部80aの上端がリップ部71aの上端よりも高く形成されていてもよい。この場合、凸部80aは、リップ部71aよりも先にノズル面45に接触する。したがって、キャップ71がインクヘッド40に装着されるとき、凸部80aは下方へ圧縮されながら第1部分P1および第2部分P2に接触する。また、凸部80aの上端がリップ部71aの上端よりも低く形成されていてもよい。第1部分P1および第2部分P2に付着しているインクKは、わずかに上下方向Zの高さを有している。したがって、キャップ71がインクヘッド40に装着されたとき、凸部80aの上端が第1部分P1および第2部分P2に付着したインクKの下端部よりも高く、第1部分P1および第2部分P2よりも低い位置となるように吸収体80が形成されていてもよい。
【0054】
上述した実施形態では、ワイピングユニット60は、ワイパー61を支持し、上下方向Zに移動させるワイパー支持装置62を備えていたが、これに限定されない。ワイピングユニットは、ワイパー61の一端を支持し、ワイパー61を上下方向に回転させる回転軸を備えていてもよい。回転軸を回転させることにより、ワイパー61がインクヘッド40に当接する位置と、ワイパー61がインクヘッド40に当接しない位置と、においてワイパー61の上端の位置を変えることができる。
【0055】
ここで開示される技術は、様々なタイプのプリンタに適用することができる。上述した
実施形態で示したRoll-to-Rollタイプのプリンタの他、例えば、記録媒体を台の上に固定し、台を搬送し印刷する、所謂、フラットベッドタイプのプリンタにも同様に適用することができる。また、記録媒体を台の上に載置し、台に対してキャリッジを主走査方向Yおよび前後方向に移動させて印刷する、所謂、ガントリータイプのプリンタにも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 インクジェットプリンタ
30 ヘッド移動機構(移動機構)
40 インクヘッド
46 ノズル
47 ノズル面
61 ワイパー
70 キャッピングユニット
71 キャップ
80 吸収体
80a 凸部
K インク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8