IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 信武商事株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-足用サポーター 図1
  • 特開-足用サポーター 図2
  • 特開-足用サポーター 図3
  • 特開-足用サポーター 図4
  • 特開-足用サポーター 図5
  • 特開-足用サポーター 図6
  • 特開-足用サポーター 図7
  • 特開-足用サポーター 図8
  • 特開-足用サポーター 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111424
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】足用サポーター
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/06 20060101AFI20240809BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20240809BHJP
   A41B 11/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A41D13/06
A61F13/06 G
A41B11/00 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015930
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】518411648
【氏名又は名称】信武商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】林 宗學
【テーマコード(参考)】
3B011
3B018
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA14
3B011AB08
3B011AB18
3B011AC17
3B018AA03
3B018AB04
3B018AB07
3B018AB08
3B018AC01
3B018BA00
3B018CA01
3B018CA03
3B211AA14
3B211AB08
3B211AB18
3B211AC17
(57)【要約】
【課題】爪先側に荷重が繰り返し掛かっても痛みが生ずるのを防ぐことが可能な足用サポーターを提供する。
【解決手段】本発明の足用サポーターA1は、装着時に足裏部位に位置する足裏被覆部と、前記足裏被覆部の左右両側縁につながり、甲部位に位置する足背被覆部2と、足背被覆部2および前記足裏被覆部それぞれの前方につながり、親指を覆う第1の指被覆部31と、足背被覆部2および前記足裏被覆部それぞれの前方につながり、少なくとも親指の隣の指を覆う第2の指被覆部32と、足背被覆部2の左右後方につながり、足首部位に掛ける後方掛止部4と、を備え、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32それぞれの内側付け根の股部33には、切り欠き34が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着時に足裏部位に位置する足裏被覆部と、前記足裏被覆部の左右両側縁につながり、甲部位に位置する足背被覆部と、前記足背被覆部および前記足裏被覆部それぞれの前方につながり、親指を覆う第1の指被覆部と、前記足背被覆部および前記足裏被覆部それぞれの前方につながり、少なくとも親指の隣の指を覆う第2の指被覆部と、前記足背被覆部の左右後方につながり、足首部位に掛ける後方掛止部と、を備え、
前記第1の指被覆部および前記第2の指被覆部それぞれの内側付け根の股部には、切り欠きが形成されている、足用サポーター。
【請求項2】
前記足背被覆部は、互いに分離した第1部および第2部を含み、
前記第1部は、前記第1の指被覆部につながり、
前記第2部は、前記第2の指被覆部につながり、
前記第1部および前記第2部は、左右方向の内側が互いに重なり、
前記第1部および前記第2部の左右方向において重なる部分の長さを調整可能な第1の長さ調整手段をさらに備える、請求項1に記載の足用サポーター。
【請求項3】
前記後方掛止部は、伸縮性素材を含んで構成されており、
前記後方掛止部の長さを調整可能な第2の長さ調整手段をさらに備える、請求項2に記載の足用サポーター。
【請求項4】
前記第1の長さ調整手段および前記第2の長さ調整手段は、それぞれ面ファスナーによって構成されている、請求項3に記載の足用サポーター。
【請求項5】
前記第1部の外表面には、前記面ファスナーを構成するループが形成されており、
前記第2部において前記第1部寄りの端部には、前記面ファスナーを構成するフックを有する第1ファスナー部が設けられており、
前記後方掛止部は、前記第1部の後方につながる第1帯状片と、前記第2部の後方につながり、且つ前記第1帯状片よりも長状の第2帯状片と、を含み、
前記第1帯状片の外表面には、前記面ファスナーを構成するループが形成されており、
前記第2帯状片の先端部には、前記面ファスナーを構成するフックを有する第2ファスナー部が設けられている、請求項4に記載の足用サポーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足用サポーターに関し、特に、剣道など運動する際に着用するのに適した足用サポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば剣道の練習の際には、足を強く踏み込む動作等を繰り返す。剣道においては、両足を前後に開いており、前側の足(一般的に右足)には足裏の踵側に大きな踏み込み荷重が掛かり、後側の足(一般的に左足)には爪先側に踏ん張ることによる荷重が掛かる。剣道の練習時における強い踏み込み動作等による衝撃や摩擦から足を保護するために、足に装着するサポーターが使用される。例えば、前側の足を保護するために踵側を覆うサポーターが使用され、後側の足を保護するために爪先側を覆う足袋型のサポーターが使用される。特許文献1には、剣道用の足袋に関する技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された剣道用の足袋の装着時には、爪先側はその全体が覆われる一方、踵部分と踝部分は覆われずに露出している。そして、後方側は足首の後側に引っ掛ける伸縮バンドが設けられている。このような構成により、足袋が足から離脱するのを防止しつつ、爪先側を保護することができる。しかしながら、爪先側の全体を覆う上記構成の剣道用の足袋では、爪先側に荷重が繰り返し掛かると、親指の付け根の指股部分に足袋の股部分が食い込み、痛みが生ずることがある。また、冬季等においては皮膚が傷付きやすく、激しい痛みが生ずることもあり、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭54-50625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情の下で考え出されたものであって、爪先側に荷重が繰り返し掛かっても痛みが生ずるのを防ぐことが可能な足用サポーターを提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される足用サポーターは、装着時に足裏部位に位置する足裏被覆部と、前記足裏被覆部の左右両側縁につながり、甲部位に位置する足背被覆部と、前記足背被覆部および前記足裏被覆部それぞれの前方につながり、親指を覆う第1の指被覆部と、前記足背被覆部および前記足裏被覆部それぞれの前方につながり、少なくとも親指の隣の指を覆う第2の指被覆部と、前記足背被覆部の左右後方につながり、足首部位に掛ける後方掛止部と、を備え、前記第1の指被覆部および前記第2の指被覆部それぞれの内側付け根の股部には、切り欠きが形成されている。
【0008】
好ましい実施の形態においては、前記足背被覆部は、互いに分離した第1部および第2部を含み、前記第1部は、前記第1の指被覆部につながり、前記第2部は、前記第2の指被覆部につながり、前記第1部および前記第2部は、左右方向の内側が互いに重なり、前記第1部および前記第2部の左右方向において重なる部分の長さを調整可能な第1の長さ調整手段をさらに備える。
【0009】
好ましい実施の形態においては、前記後方掛止部は、伸縮性素材を含んで構成されており、前記後方掛止部の長さを調整可能な第2の長さ調整手段をさらに備える。
【0010】
好ましい実施の形態においては、前記第1の長さ調整手段および前記第2の長さ調整手段は、それぞれ面ファスナーによって構成されている。
【0011】
好ましい実施の形態においては、前記第1部の外表面には、前記面ファスナーを構成するループが形成されており、前記第2部において前記第1部寄りの端部には、前記面ファスナーを構成するフックを有する第1ファスナー部が設けられており、前記後方掛止部は、前記第1部の後方につながる第1帯状片と、前記第2部の後方につながり、且つ前記第1帯状片よりも長状の第2帯状片と、を含み、前記第1帯状片の外表面には、前記面ファスナーを構成するループが形成されており、前記第2帯状片の先端部には、前記面ファスナーを構成するフックを有する第2ファスナー部が設けられている。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る足袋用サポーターの一例を示す斜視図である。
図2図1に示した足用サポーターの平面図である。
図3図1に示した足用サポーターの側面図である。
図4図1に示した足用サポーターの底面図である。
図5図2のV-V線に沿う断面図である。
図6】本発明に係る足用サポーターの他の例を示す平面図である。
図7】本発明に係る足用サポーターの他の例を示す平面図である。
図8】本発明のバリエーションに係る足用サポーターの一例を示す平面図である。
図9】本発明のバリエーションに係る足用サポーターの他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1図5は、本発明に係る足用サポーターの一例を示している。本実施形態の足用サポーターA1は、足裏被覆部1、足背被覆部2、第1の指被覆部31、第2の指被覆部32および後方掛止部4を備え、例えば剣道など運動をする際に足に装着して使用するのに適する。足用サポーターA1は、剣道において後側の足に装着するものであり、図示した例では、左足に装着するように構成されている。また、足用サポーターA1の説明においては、図2に示した平面図において、紙面上方側を「前方」と呼び、紙面下方側を「後方」と呼ぶ。また、紙面左側・右側を「左右」と呼ぶ。
【0016】
図4に示された足裏被覆部1は、足用サポーターA1の装着時に足裏部位を覆う部分である。足裏被覆部1は、足裏の後方側の踵部位は覆わずに露出させるように構成されている。足裏被覆部1を構成する生地の素材は特に限定されず、足裏被覆部1は、例えば伸縮性を有する素材によって構成されている。
【0017】
足裏被覆部1において前方寄りの部分には、高摩擦部11が設けられている。高摩擦部11は、床面等との間に生ずる摩擦力が足裏被覆部1の表面よりも大きい素材からなる。高摩擦部11は、足裏被覆部1の適所に縫合により取り付けられている。図4において、高摩擦部11にハッチングを付している。
【0018】
図4に示すように、本実施形態では、足裏被覆部1には凹部12が形成されている。凹部12は、足裏被覆部1の後方側において、左右方向(図4の紙面左右方向)における中央に向かうにつれて前方に位置するように凹んだ形状とされている。図示した例では、凹部12は略V字形状とされている。
【0019】
足背被覆部2は、足用サポーターA1の装着時に足背部位(いわゆる足の甲)を覆う部分である。足背被覆部2は、足裏被覆部1の左右両側縁につながっている。本実施形態においては、足背被覆部2は、第1部21および第2部22を含んで構成されている。第1部21および第2部22は、互いに分離している。第1部21は、右側(図2の平面視では紙面右側)に配置されている。第1部21の右側の端部はなだらかに折り返した形状であり、その側方の端縁と足裏被覆部1の右側の端縁とは、例えば縫製により接合されている。図4の底面図においては、紙面左側に第1部21と足裏被覆部1の縫合線が表れている。第2部22は、左側(図2の紙面左側)に配置されている。第2部22の左側の端部はなだらかに折り返した形状であり、その側方の端縁と足裏被覆部1の左側の端縁とは、例えば縫製により接合されている。図4の底面図においては、紙面右側に第2部22と足裏被覆部1の縫合線が表れている。足背被覆部2(第1部21および第2部22)を構成する生地の素材は特に限定されず、第1部21および第2部22はそれぞれ、例えば伸縮性を有する素材によって構成されている。
【0020】
図2および図5に示すように、第1部21および第2部22は、平面視において左右方向の内側の一部が互いに重なっている。本実施形態において、第1部21の外側を向く面である外表面21aの全域には、面ファスナーのループが形成されている。また、第2部22の外側を向く面である外表面22aの全域にも面ファスナーのループが形成されている。
【0021】
図1図2等に示すように、第2部22の第1部21寄りの端部には、第1ファスナー部221が設けられている。第1ファスナー部221の内側を向く面には、面ファスナーのフックが形成されている。図示した例では、第1ファスナー部221は、縫合により第2部22の適所に取り付けられている。この第1ファスナー部221は、第1部21(外表面21aに面ファスナーのループが形成)の適宜位置に着脱可能に貼り合わせることができる。このような構成により、第1部21および第2部22の左右方向において重なる部分の長さを調整することが可能とされている。第1部21の外表面21aに形成されたループと、第1ファスナー部221のフックとは、1組の面ファスナーを構成しており、当該面ファスナーは本発明の「第1の長さ調整手段」の一例に相当する。
【0022】
第1の指被覆部31は、親指を覆う部分であり、概ね袋状とされている。第1の指被覆部31は、足裏被覆部1および足背被覆部2それぞれの前方につながる。具体的には、第1の指被覆部31は、足裏被覆部1の右側前方、および足背被覆部2における第1部21の前方につながっている。図示した例では、当該第1の指被覆部31は、足裏被覆部1の右側前方端から一連に延びる下側部分と、第1部21の前方端から一連に延びる上側部分とにより構成される。当該下側部分とおよび上側部分の周縁どうしが適宜縫合されることで、概略袋状の第1の指被覆部31が形成されている。
【0023】
第2の指被覆部32は、少なくとも親指の隣の指(第2趾)を覆う部分であり、概ね袋状とされている。本実施形態において、第2の指被覆部32は、親指以外の4本の指を覆うように構成されている。第2の指被覆部32は、足裏被覆部1および足背被覆部2それぞれの前方につながる。具体的には、第2の指被覆部32は、足裏被覆部1の左側前方、および足背被覆部2における第2部22の前方につながっている。図示した例では、当該第2の指被覆部32は、足裏被覆部1の左側前方端から一連に延びる下側部分と、第2部22の前方端から一連に延びる上側部分とにより構成される。当該下側部分とおよび上側部分の周縁どうしが適宜縫合されることで、概略袋状の第2の指被覆部32が形成されている。
【0024】
上記構成により、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32はそれぞれ、足裏被覆部1および足背被覆部2それぞれの前方につながり、且つ二股状に分かれている。第1の指被覆部31および第2の指被覆部32を構成する生地の素材は特に限定されず、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32はそれぞれ、例えば伸縮性を有する素材によって構成されている。
【0025】
図2図4図5等に示すように、本実施形態においては、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32それぞれの内側付け根の股部33には、切り欠き34が形成されている。切り欠き34は、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32に跨るように股部33を切除した形状とすることにより、形成されている。この切り欠き34が形成されることによって、足用サポーターA1の装着時において、第1趾(親指)と第2趾との間の指股部分は、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32に覆われずに露出する。
【0026】
図4に示すように、本実施形態においては、第1の指被覆部31の下側部分(足裏側)には、高摩擦部311が設けられている。高摩擦部311は、床面等との間に生ずる摩擦力が第1の指被覆部31の表面よりも大きい素材からなる。高摩擦部311は、第1の指被覆部31の適所に縫合により取り付けられている。図4において、高摩擦部311にハッチングを付している。
【0027】
また、第2の指被覆部32の下側部分(足裏側)には、高摩擦部321が設けられている。高摩擦部321は、床面等との間に生ずる摩擦力が第2の指被覆部32の表面よりも大きい素材からなる。高摩擦部321は、第2の指被覆部32の適所に縫合により取り付けられている。図4において、高摩擦部321にハッチングを付している。
【0028】
後方掛止部4は、足用サポーターA1の装着時に足首部に掛け止める部分である。図1図2等に示すように、後方掛止部4は、足背被覆部2の左右後方につながっている。後方掛止部4は、足背被覆部2の左右後方端との間でループ形状を形成している。
【0029】
本実施形態においては、後方掛止部4は、第1帯状片41および第2部22を含んで構成されている。第1帯状片41は、足背被覆部2における第1部21の後方につながっている。図示した例では、当該第1帯状片41は、第1部21の後方端から一連に延びている。第2帯状片42は、足背被覆部2における第2部22の後方につながっており、第1帯状片41よりも長状である。図示した例では、当該第2帯状片42は、第2部22の後方端から一連に延びている。後方掛止部4(第1帯状片41および第2帯状片42)を構成する生地の素材は特に限定されず、第1帯状片41および第2帯状片42はそれぞれ、例えば伸縮性を有する素材によって構成されている。
【0030】
本実施形態において、第1帯状片41の外側を向く面である外表面41aの全域には、面ファスナーのループが形成されている。また、第2帯状片42の外側を向く面である外表面42aの全域にも面ファスナーのループが形成されている。
【0031】
図1図3等に示すように、第2帯状片42の先端部には、第2ファスナー部421が設けられている。第2ファスナー部421部の内側を向く面には、面ファスナーのフックが形成されている。図示した例では、第2ファスナー部421は、縫合により第2帯状片42の先端部に取り付けられている。この第2ファスナー部421は、第1帯状片41(外表面41aに面ファスナーのループが形成)の適宜位置に着脱可能に貼り合わせることができる。このような構成により、後方掛止部4(第1帯状片41および第2帯状片42)の長手方向の長さを調整することが可能とされている。第1帯状片41の外表面41aに形成されたループと、第2ファスナー部421のフックとは、1組の面ファスナーを構成しており、当該面ファスナーは本発明の「第2の長さ調整手段」の一例に相当する。
【0032】
本実施形態において図示した例では、足裏被覆部1、第1の指被覆部31の下側部分、および第2の指被覆部32の下側部分は、一連につながる同一素材により構成されている。同様に、足背被覆部2の第1部21、第1の指被覆部31の上側部分、および第1帯状片41は、一連につながる同一素材により構成されており、足背被覆部2の第2部22、第2の指被覆部32の上側部分、および第1帯状片41は、一連につながる同一素材により構成されている。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0034】
本実施形態の足用サポーターA1は、例えば剣道の練習を行う際に、後側の足(左足)に装着して使用される。足用サポーターA1は、足裏被覆部1、足背被覆部2、第1の指被覆部31、第2の指被覆部32および後方掛止部4を備える。足用サポーターA1において、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32はそれぞれ、足裏被覆部1および足背被覆部2それぞれの前方につながり、二股状に分かれている。第1の指被覆部31および第2の指被覆部32それぞれの内側付け根の股部33には、切り欠き34が形成されている。このような構成によれば、爪先側に荷重が掛かっても親指の付け根の指股部分への股部33の食い込みは生じない。したがって、足用サポーターA1の使用者においては、爪先側に荷重が繰り返し掛かっても痛みが生ずるのを防止することができる。
【0035】
本実施形態の足用サポーターA1においては、足背被覆部2は、互いに分離した第1部21および第2部22を含む。第1部21は第1の指被覆部31につながり、第2の指被覆部32は第2の指被覆部32につながる。第1部21および第2部22は、左右方向の内側が互いに重なり、第1部21および第2部22の左右方向において重なる部分の長さを調整可能な第1の長さ調整手段が設けられている。このような構成によれば、使用者の足のサイズに合うように足背被覆部2(第1部21および第2部22)の左右方向の長さを調整可能である。
【0036】
足首部位に掛け止めるための後方掛止部4は、伸縮性素材を含んで構成されており、後方掛止部4の長さを調整可能な第2の長さ調整手段が設けられている。このような構成によれば、使用者の足のサイズに応じて足用サポーターA1を適度にフィットさせることができる。
【0037】
足用サポーターA1において、足背被覆部2(第1部21および第2部22)における第1の長さ調整手段、および後方掛止部4における第2の長さ調整手段は、それぞれ面ファスナーによって構成される。このような構成によれば、足用サポーターA1の足への装着、および、足用サポーターA1を足から外す操作を容易に行うことができ、使い勝手に優れている。
【0038】
第2部22において第1部21寄りの端部には、第1の長さ調整手段の面ファスナーを構成する第1ファスナー部221が設けられている。また、第2帯状片42の先端部には、第2の長さ調整手段の面ファスナーを構成する第2ファスナー部421が設けられている。このような構成によれば、図2に示すように、足背被覆部2(第1部21および第2部22)に設けられた面ファスナー(第1の長さ調整手段)を締め付けると、第2部22には矢印N1で示す方向の引張力が作用する。また、後方掛止部4(第1帯状片41および第2帯状片42)に設けられた面ファスナー(第2の長さ調整手段)を締め付けると、第2帯状片42には矢印N2で示す方向の引張力が作用する。このような構成によれば、第2の指被覆部32(親指以外の4本の指を覆う部分)が前方にずれるのを抑制することができ、第2の指被覆部32のフィット感に優れている。
【0039】
足裏被覆部1は、足裏の後方側の踵部位を覆わずに露出させている。足裏被覆部1の後方側には、左右方向(図4の紙面左右方向)における中央に向かうにつれて前方に位置するように凹んだ略V字状の凹部12が形成されている。このような構成によれば、足用サポーターA1の装着時において、後方側に摺り足の動作を行った場合においても、足裏被覆部1の後方側が捲れ上がるのを防止することができ、フィット感に優れている。
【0040】
足用サポーターA1は、高摩擦部11、高摩擦部311および高摩擦部321を備える。高摩擦部11は、足裏被覆部1の前方寄りの部分に設けられている。高摩擦部311は、第1の指被覆部31の下側部分(足裏側)に設けられている。高摩擦部321は、第2の指被覆部32の下側部分(足裏側)に設けられている。これら高摩擦部11,311,321は、床面等との間に生ずる摩擦力が足裏被覆部1、第1の指被覆部31、第2の指被覆部32よりも大きい素材からなる。このような構成によれば、床面等との間に適度なグリップ力を保つことができる。また、図4に示すように、高摩擦部11,311,321は、互いに分離した3つの部位に固定されている。このような構成によれば、足裏被覆部1、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32の生地が過度に寄るのを防ぐことができ、足用サポーターA1の装着時において、スムーズに足を動かすことができる。
【0041】
図6および図7は、本発明に係る足用サポーターの他の例を示している。なお、図6以降においては、上記実施形態と同一または類似の要素には同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0042】
図6に示した足用サポーターA2においては、後方掛止部4の構成が上記の足用サポーターA1と異なっている。足用サポーターA2において、後方掛止部4は、足背被覆部2(第1部21および第2部22)の左右後方端に一連につながる単一の帯状部によって構成されている。足用サポーターA2は、本発明の第2の長さ調整手段を備えていない。
【0043】
足用サポーターA2においても、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32それぞれの内側付け根の股部33には、切り欠き34が形成されている。このような構成によれば、爪先側に荷重が掛かっても親指の付け根の指股部分への股部33の食い込みは生じない。したがって、足用サポーターA2の使用者においては、爪先側に荷重が繰り返し掛かっても痛みが生ずるのを防止することができる。その他にも、足用サポーターA2は、上記実施形態の足用サポーターA1と同様の構成の範囲において、足用サポーターA1と同様の作用効果を奏する。
【0044】
図7に示した足用サポーターA3においては、上記の足用サポーターA2と比べて、足背被覆部2の構成が異なっている。足用サポーターA3において、足背被覆部2が左右において分離されておらず、一連につながる単一素材によって構成されている。足用サポーターA3は、本発明の第1の長さ調整手段を備えていない。
【0045】
足用サポーターA3においても、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32それぞれの内側付け根の股部33には、切り欠き34が形成されている。このような構成によれば、爪先側に荷重が掛かっても親指の付け根の指股部分への股部33の食い込みは生じない。したがって、足用サポーターA3の使用者においては、爪先側に荷重が繰り返し掛かっても痛みが生ずるのを防止することができる。その他にも、足用サポーターA3は、上記実施形態の足用サポーターA1と同様の構成の範囲において、足用サポーターA1と同様の作用効果を奏する。
【0046】
図8および図9は、本発明のバリエーションに係る足用サポーターを示している。図8に示した足用サポーターA4において、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32それぞれの内側付け根の股部33には切り欠き34が形成されておらず、かかる点において上記実施形態の足用サポーターA1と異なっている。このように切り欠き34を有さない足用サポーターA4の装着時においては、第1趾(親指)と第2趾との間の指股部分は、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32に覆われる。
【0047】
本実施形態の足用サポーターA4においては、足背被覆部2は、互いに分離した第1部21および第2部22を含む。第1部21は第1の指被覆部31につながり、第2の指被覆部32は第2の指被覆部32につながる。第1部21および第2部22は、左右方向の内側が互いに重なり、第1部21および第2部22の左右方向において重なる部分の長さを調整可能な第1の長さ調整手段が設けられている。このような構成によれば、使用者の足のサイズに合うように足背被覆部2(第1部21および第2部22)の左右方向の長さを調整可能である。
【0048】
足首部位に掛け止めるための後方掛止部4は、伸縮性素材を含んで構成されており、後方掛止部4の長さを調整可能な第2の長さ調整手段が設けられている。このような構成によれば、使用者の足のサイズに応じて足用サポーターA4を適度にフィットさせることができる。
【0049】
足用サポーターA4において、足背被覆部2(第1部21および第2部22)における第1の長さ調整手段、および後方掛止部4における第2の長さ調整手段は、それぞれ面ファスナーによって構成される。このような構成によれば、足用サポーターA4の足への装着、および、足用サポーターA4を足から外す操作を容易に行うことができ、使い勝手に優れている。
【0050】
第2部22において第1部21寄りの端部には、第1の長さ調整手段の面ファスナーを構成する第1ファスナー部221が設けられている。また、第2帯状片42の先端部には、第2の長さ調整手段の面ファスナーを構成する第2ファスナー部421が設けられている。このような構成によれば、足背被覆部2(第1部21および第2部22)に設けられた面ファスナー(第1の長さ調整手段)を締め付けると、第2部22には、図8において矢印N3で示す方向の引張力が作用する。また、後方掛止部4(第1帯状片41および第2帯状片42)に設けられた面ファスナー(第2の長さ調整手段)を締め付けると、第2帯状片42には矢印N4で示す方向の引張力が作用する。このような構成によれば、第2の指被覆部32(親指以外の4本の指を覆う部分)が前方にずれるのを抑制することができ、第2の指被覆部32のフィット感に優れている。その他にも、足用サポーターA4は、上記実施形態の足用サポーターA1と同様の構成の範囲において、足用サポーターA1と同様の作用効果を奏する。
【0051】
図9に示した足用サポーターA5においては、上記の足用サポーターA4と比べて、後方掛止部4の構成が異なっている。足用サポーターA5において、後方掛止部4は、足背被覆部2(第1部21および第2部22)の左右後方端に一連につながる単一の帯状部によって構成されている。足用サポーターA5は、第2の長さ調整手段を備えていない。
【0052】
足用サポーターA5において、足背被覆部2は、互いに分離した第1部21および第2部22を含む。第1部21は第1の指被覆部31につながり、第2の指被覆部32は第2の指被覆部32につながる。第1部21および第2部22は、左右方向の内側が互いに重なり、第1部21および第2部22の左右方向において重なる部分の長さを調整可能な第1の長さ調整手段が設けられている。このような構成によれば、使用者の足のサイズに合うように足背被覆部2(第1部21および第2部22)の左右方向の長さを調整可能である。その他にも、足用サポーターA5は、上記実施形態の足用サポーターA1と同様の構成の範囲において、足用サポーターA1と同様の作用効果を奏する。
【0053】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る足用サポーターの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0054】
上記実施形態において、足用サポーターA1は、剣道において後側の足である左足に装着する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。剣道において後側の足が右足である場合、当該右足に装着する足用サポーターにおいては、第1部21および第2部22、第1の指被覆部31および第2の指被覆部32、ならびに第1帯状片41および第2帯状片42それぞれの左右の配置が左右対称となるように入れ替わる。
【0055】
また、上記実施形態では、足用サポーターA1の装着時において、足裏被覆部1は足裏の後方側の踵部位を覆わずに露出させる構成であったがこれに限定されず、例えば足裏被覆部が足裏全体を覆う構成としてもよい。
【0056】
上記実施形態において、第1の長さ調整および第2の長さ調整手段がそれぞれ面ファスナーによって構成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。第1の長さ調整手段および第2の長さ調整手段の具体的構成は種々変更可能であり、例えばスライド機構により構成することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
A1,A2,A3,A4,A5:足用サポーター
1 :足裏被覆部
11 :高摩擦部
12 :凹部
2 :足背被覆部
21 :第1部
22 :第2部
21a,22a:外表面
221 :第1ファスナー部
31 :第1の指被覆部
32 :第2の指被覆部
311,321:高摩擦部
33 :股部
34 :切り欠き
4 :後方掛止部
41 :第1帯状片
42 :第2帯状片
41a,42a:外表面
421 :第2ファスナー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9