(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111430
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B60T 7/12 20060101AFI20240809BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B60T7/12 B
B60T13/74 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015937
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大翔
(72)【発明者】
【氏名】渡部 智明
(72)【発明者】
【氏名】増田 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】三宅 浩喜
【テーマコード(参考)】
3D048
3D246
【Fターム(参考)】
3D048BB35
3D048CC49
3D048HH18
3D048HH66
3D048QQ11
3D048RR01
3D048RR21
3D048RR31
3D048RR35
3D246BA08
3D246DA02
3D246EA05
3D246GB15
3D246GB30
3D246GC16
3D246HA02A
3D246HA08A
3D246HA57A
3D246HA64A
3D246JB11
3D246LA13Z
3D246LA15Z
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適切なタイミングでオートパーキング機能によってブレーキを掛けてホールド状態とし、安全性を向上できる作業車両を提供する。
【解決手段】走行輪3及び作業機4を備えた作業車両であって、電動シリンダ72の伸縮により前記走行輪を制動可能なブレーキ機構と、前記電動シリンダの伸縮を制御する制御装置と、操縦席への着座を検知し、検知結果を前記制御装置に送信する着座検知センサSW3を備え、前記制御装置は、前記電動シリンダの制御によって、オートブレーキ入条件が満たされると、前記走行輪を制動したまま維持するオートブレーキ状態とするように構成され、オートブレーキ解除条件が満たされると、前記オートブレーキ状態による前記走行輪の制動を解除するように構成され、前記オートブレーキ入条件として、着座検知センサが検知状態から、非検知状態となったことを条件に含むよう構成されたことを特徴とする作業車両。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行輪及び作業機を備えた作業車両であって、
電動シリンダの伸縮により前記走行輪を制動可能なブレーキ機構と、前記電動シリンダの伸縮を制御する制御装置と、操縦席への着座を検知し、検知結果を前記制御装置に送信する着座検知センサを備え、
前記制御装置は、前記電動シリンダの制御によって、オートブレーキ入条件が満たされると、前記走行輪を制動したまま維持するオートブレーキ状態とするように構成され、また、
オートブレーキ解除条件が満たされると、前記オートブレーキ状態による前記走行輪の制動を解除するように構成され、
前記オートブレーキ入条件として、着座検知センサが検知状態から、非検知状態となったことを条件に含み、
前記オートブレーキ解除条件として、着座検知センサが検知状態となったことを条件に含むよう構成されたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記制御装置は、一定時間、着座検知センサが非検知状態となったとき、前記走行輪を回転する走行用モータと、前記作業機を駆動する作業機用モータとを停止した後、前記オートブレーキ状態とするよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
走行輪及び作業機を備えた作業車両であって、
電動シリンダの伸縮により前記走行輪を制動可能なブレーキ機構と、前記電動シリンダの伸縮を制御する制御装置と、操縦席への着座を検知し、検知結果を前記制御装置に送信する着座検知センサを備え、
前記制御装置は、前記電動シリンダの制御によって、オートブレーキ入条件が満たされると、前記走行輪を制動したまま維持するオートブレーキ状態とするように構成され、また、
オートブレーキ解除条件が満たされると、前記オートブレーキ状態による前記走行輪の制動を解除するように構成され、
前記制御装置には、さらに、前記走行輪を回転する走行用モータを駆動するキースイッチと、バッテリーを充電する車載充電器の充電を開始する充電スイッチと、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサと、前記走行輪の回転数を検出する走行輪回転数検出センサと、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサとが接続されて各種情報を送信可能に構成されており、
前記オートブレーキ入り条件は、前記キースイッチが走行用モータを駆動可能な操作位置にあり、前記作業車両が停車状態であり、前記アクセルペダルが一定時間開放されたことを条件とすることを特徴とする作業車両。
【請求項4】
走行輪及び作業機を備えた作業車両であって、
電動シリンダの伸縮により前記走行輪を制動可能なブレーキ機構と、前記電動シリンダの伸縮を制御する制御装置と、操縦席への着座を検知し、検知結果を前記制御装置に送信する着座検知センサを備え、
前記制御装置は、前記電動シリンダの制御によって、オートブレーキ入条件が満たされると、前記走行輪を制動したまま維持するオートブレーキ状態とするように構成され、また、
オートブレーキ解除条件が満たされると、前記オートブレーキ状態による前記走行輪の制動を解除するように構成され、
前記制御装置には、さらに、前記走行輪を回転する走行用モータを駆動するキースイッチと、バッテリーを充電する車載充電器の充電を開始する充電スイッチと、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサと、前記走行輪の回転数を検出する走行輪回転数検出センサと、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサとが接続されて各種情報を送信可能に構成されており、
前記オートブレーキ解除条件は、前記キースイッチが走行用モータを駆動可能な操作位置にあり、前記車載充電器から充電信号がなく、前記着座検知センサSが着座を検知しており、前記アクセルペダルが不感帯以上踏み込まれていることを条件とするよう構成されたことを特徴とする作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芝刈取り等の作業を行う作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記特許文献1のように、作業車両において、作業者のブレーキペダルの操作によらず、車輪に制動力を付与し、ブレーキを掛けてホールド状態とするオートパーキング機能を備えた作業車両が知られている。
【0003】
また、例えば、下記特許文献2に記載のように、電動アクチュエータの制御により、車輪に制動力を付与するオートパーキング機能を備え、ブレーキのホールド状態から、所定条件を満たした場合に、自動でホールド状態を解除する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-102978号公報
【特許文献2】国際公開第2018/025290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、作業車両による作業走行中においては、例えば、草刈り機によって集草した雑草の廃棄や作業者の休憩など、走行を一時停止する機会が多い。したがって、そのような場合に、適切なタイミングでオートパーキング機能によってブレーキをホールド状態とすることが好ましく、安全性の観点から改善の余地が存在していた。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題を解消し、適切なタイミングでオートパーキング機能によってブレーキを掛けてホールド状態とし、安全性を向上できる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、第1の発明は、
走行輪及び作業機を備えた作業車両であって、
電動シリンダの伸縮により前記走行輪を制動可能なブレーキ機構と、前記電動シリンダの伸縮を制御する制御装置と、操縦席への着座を検知し、検知結果を前記制御装置に送信する着座検知センサを備え、
前記制御装置は、前記電動シリンダの制御によって、オートブレーキ入条件が満たされると、前記走行輪を制動したまま維持するオートブレーキ状態とするように構成され、また、
オートブレーキ解除条件が満たされると、前記オートブレーキ状態による前記走行輪の制動を解除するように構成され、
前記オートブレーキ入条件として、着座検知センサが検知状態から、非検知状態となったことを条件に含み、
前記オートブレーキ解除条件として、着座検知センサが検知状態となったことを条件に含むよう構成されたことを特徴とする作業車両を提供する。
【0008】
上記第1の発明によれば、作業者の着座の状況に応じて、オートブレーキの入切を制御できるため、安全性を向上できる。また、離席時のブレーキかけ忘れが防止され、また、坂道で離席しても作業車両のずり下がりが防止される。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記制御装置は、一定時間、着座検知センサが非検知状態となったとき、前記走行輪を回転する走行用モータと、前記作業機を駆動する作業機用モータとを停止した後、前記オートブレーキ状態とするよう構成されたことを特徴とする。
【0010】
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、走行用モータ、作業機用モータを自動停止させることで、より安全にオートブレーキ状態に移行できる。
【0011】
第3の発明は、
走行輪及び作業機を備えた作業車両であって、
電動シリンダの伸縮により前記走行輪を制動可能なブレーキ機構と、前記電動シリンダの伸縮を制御する制御装置と、操縦席への着座を検知し、検知結果を前記制御装置に送信する着座検知センサを備え、
前記制御装置は、前記電動シリンダの制御によって、オートブレーキ入条件が満たされると、前記走行輪を制動したまま維持するオートブレーキ状態とするように構成され、また、
オートブレーキ解除条件が満たされると、前記オートブレーキ状態による前記走行輪の制動を解除するように構成され、
前記制御装置には、さらに、前記走行輪を回転する走行用モータを駆動するキースイッチと、バッテリーを充電する車載充電器の充電を開始する充電スイッチと、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサと、前記走行輪の回転数を検出する走行輪回転数検出センサと、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサとが接続されて各種情報を送信可能に構成されており、
前記オートブレーキ入り条件は、前記キースイッチが走行用モータを駆動可能な操作位置にあり、前記作業車両が停車状態であり、前記アクセルペダルが一定時間開放されたことを条件とすることを特徴とする作業車両を提供する。
【0012】
上記第3の発明によれば、アクセルペダルが一定時間開放されたことを条件としたことで、作業者の操作によらず、アクセルペダルが一定時間開放されると、作業車両の停止時において、自動でブレーキが掛かりホールド状態とすることができるため、安全性を向上できる。
【0013】
第4の発明は、
走行輪及び作業機を備えた作業車両であって、
電動シリンダの伸縮により前記走行輪を制動可能なブレーキ機構と、前記電動シリンダの伸縮を制御する制御装置と、操縦席への着座を検知し、検知結果を前記制御装置に送信する着座検知センサを備え、
前記制御装置は、前記電動シリンダの制御によって、オートブレーキ入条件が満たされると、前記走行輪を制動したまま維持するオートブレーキ状態とするように構成され、また、
オートブレーキ解除条件が満たされると、前記オートブレーキ状態による前記走行輪の制動を解除するように構成され、
前記制御装置には、さらに、前記走行輪を回転する走行用モータを駆動するキースイッチと、バッテリーを充電する車載充電器の充電を開始する充電スイッチと、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサと、前記走行輪の回転数を検出する走行輪回転数検出センサと、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサとが接続されて各種情報を送信可能に構成されており、
前記オートブレーキ解除条件は、前記キースイッチが走行用モータを駆動可能な操作位置にあり、前記車載充電器から充電信号がなく、前記着座検知センサが着座を検知しており、前記アクセルペダルが不感帯以上踏み込まれていることを条件とするよう構成されたことを特徴とする作業車両を提供する。
【0014】
上記第4の発明によれば、作業者の操作によらず、オートブレーキ状態を自動で解除でき、解除し忘れによるブレーキの引きずりも防止できる。また、車載充電器から充電信号がある場合は、解除されないことで安全性を向上できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、適切なタイミングでオートパーキング機能によってブレーキを掛けてホールド状態とし、安全性を向上できる作業車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】ボンネットカバーを開放姿勢にした作業車両の左側面図である。
【
図3】作業車両の一部を破断した要部の斜視図である。
【
図7】後輪用の電動機と作業機用の電動機の左側面図である。
【
図8】ステアリングホイール周辺の要部斜視図である。
【
図11】走行輪の制動を司るブレーキ機構の要部左側面図である。
【
図14】制御装置であるコントローラの制御ブロック図である。
【
図15】コントローラのオートブレーキ入条件を示す一覧表である。
【
図16】コントローラのオートブレーキ解除条件を示す一覧表である。
【
図17】充電モードにおけるコントローラの制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<1.作業車両の基本構成>
まず、本発明の実施形態に係る作業車両の基本構成について説明する。
図1に示すように、乗用芝刈り機等の作業車両の走行車体1の前部に左右一対の前輪2が設けられ、走行車体1の後部に左右一対の後輪3が設けられ、走行車体1の下側における前輪2と後輪3の間に芝等を刈取る作業機4が設けられている。また、走行車体1の上側の前部にボンネット部5が設けられ、ボンネット部5の後側には作業者が搭乗する操縦部6が設けられ、操縦部6の後側には作業者を保護する安全フレーム(ロプス)7が設けられ、安全フレーム7の下部には作業機4で刈取られた芝等を貯留する集草容器8が設けられている。
【0018】
図2,3に示すように、ボンネット部5には、走行輪である後輪3を駆動する走行用モータ30と作業機4を駆動する作業機用モータ40に供給する電力を蓄電するバッテリー50が設けられ、該バッテリー50はボンネットカバー5Aで覆われている。なお、ボンネットカバー5Aは、走行車体1の前部に設けられた左右方向に延在する支軸(図示省略)に支持されている。これにより、ボンネット部5に形成される空間を有効に活用することができ、また、作業車両の前後方向の重量バランスの相違を抑制することができる。
【0019】
操縦部6の後部には、操縦席60が設けられ、操縦席60の前方にはステアリングホイール62が設けられている。ステアリングホイール62は上下方向に延在するステアリングシャフト63の上部に支持され、ステアリングシャフト63はステアリングポスト11に支持されている。
【0020】
操縦席60の左側の左フェンダ64Lには、作業機4によって刈取られた刈草を集草容器8に搬送するシュータ46に残った刈草を集草容器8に強制搬送するクリーナ(図示省略)を操作するクリーナレバー65と、クリーナレバー65の後側にバッテリー50の充電時に使用する充電用ケーブル95を収納する収納ケース90が設けられている。これにより、バッテリー50の充電量が所定以下になった場合には、作業車両を充電ステーションに移動することなく、作業車両を近くの倉庫等に移動して、倉庫等に備えられた家庭用コンセントと、所謂、OBC(On Board Charger)である車載充電器73cを充電用ケーブル95で接続してバッテリー50を充電することができる。なお、車載充電器73cの入力電圧は交流電圧100~240Vに対応して形成されている。また、操縦席60の右側のフェンダ64Rには、作業機4の昇降を操作する昇降レバー66が設けられている。
【0021】
操縦部6のフロア67のステアリングポスト11の左側には、ブレーキペダル68が設けられ、右側には、前進用と後進用のアクセルペダル69が設けられている。
【0022】
操縦部6の操縦席60の下側には、バッテリー・マネジメント・システム(BMS)を司り、バッテリーの制御を行う電装部品61(以下、BMS制御装置61という。)が設けられている。これにより、操縦席60の下側に形成される空間を有効に活用することができる。また、操縦席60の下部には、操縦席60が受ける荷重を検知することで、作業者の着座を検知できる着座検知センサ(シートスイッチ)SW3が設けられている。
【0023】
安全フレーム7は、上下方向に延在する左支柱部7Lと、上下方向に延在する右支柱部7Rと、左支柱部7Lと右支柱部7Rの上部を連結する逆U字形状の連結部7Aから形成されている。
【0024】
図4~7に示すように、BMS制御装置61の下側には後輪3を駆動する3相交流電圧波形で操作される同期電動機や誘導電動機等の電動機である走行用モータ30が設けられている。走行用モータ30の左右方向に延在して形成された出力軸30Aは、出力軸30Aから伝動される出力回転を減速して出力トルクを大きくしたり回転方向を逆さにするギアボックス31の上部に連結されている。なお、走行用モータ30は左右方向の中央よりも左後輪3Lに偏移した位置に設けられている。
【0025】
ギアボックス31で増減速された出力回転は、ギアボックス31の下部に設けられ差動歯車等で形成されたディファレンシャルギア32を介して左右方向に延在するドライブシャフト33に伝動される。ドライブシャフト33に伝動された出力回転は、ドライブシャフト33の両端部に支持された左後輪3Lと右後輪3Rに伝動される。
【0026】
走行用モータ30の下側には、作業機4を駆動する3相交流電圧波形で操作される同期電動機や誘導電動機等の電動機である作業機用モータ40が設けられている。作業機用モータ40の前後方向に延在して形成された出力軸40Aは、前後方向に延在して設けられた自在継手41の後部に連結されている。
【0027】
また、出力軸40Aは、ドライブシャフト33の上側に、ドライブシャフト33と直交して設けられている。これにより、走行用モータ30の下側に形成された空間を有効に活用することができる。また、作業機用モータ40と作業機4の間の伝動経路を短くすることができるので作業機用モータ40の出力回転を作業機4に効率良く伝動することができる。なお、作業機用モータ40は左右方向の中央よりも左後輪3Lに偏移した位置に設けられている。
【0028】
自在継手41の前部は、自在継手41から伝動される出力回転を減速して出力トルクを大きくするギアボックス42に連結されている。ギアボックス42に伝動された出力回転は、ギアボックス42の上下方向に延在して形成された出力軸を介して作業機4の左排出通路45Lに設けられた左刈刃(図示省略)に伝動される。
【0029】
ギアボックス42の右部には、左右方向に延在する連結部材43が連結され、連結部材43の右部はギアボックス44に連結されている。ギアボックス44に伝動された出力回転は、ギアボックス44の上下方向に延在して形成された出力軸を介して作業機4の右排出通路45Rに設けられた右刈刃(図示省略)に伝動される。
【0030】
なお、ギアボックス42の出力軸とギアボックス44の出力軸の出力回転の回転速度は同一速度であり、回転方向は逆方向、すなわち、平面視において、ギアボックス42出力軸は時計方向に回転し、ギアボックス44の出力軸は反時計方向に回転する。
【0031】
走行用モータ30の回転速度は、ステアリングホイール62の左側に設けられた、動力設定装置であるスロットルレバー47をして増減速させることができる。スロットルレバー47を中立姿勢にした場合には、走行用モータ30の出力回転の出力回転はゼロになる。スロットルレバー47を中立姿勢から前側傾斜姿勢にした場合には、前側傾斜姿勢の傾斜角度の大きさに応じて走行用モータ30の出力回転は増減速される。また、変速レバーを中立姿勢から後側傾斜姿勢にした場合には、後側傾斜姿勢の傾斜角度の大きさに応じて走行用モータ30の出力回転は増減速されて走行用モータ30の出力回転の回転方向は逆回転となる。
【0032】
左排出通路45Lと右排出通路45Rの搬出口は、刈取られた芝等を集草容器8に搬送するシュータ46の搬入口に連結されている。シュータ46の搬出口は集草容器8の搬入口に連結されている。
【0033】
平面視において、シュータ46の前部は自在継手41の右側に設けられ、シュータ46の後部はギアボックス31の右側に設けられ、背面視において、シュータ46と集草容器8は、ギアボックス31と右後輪3Rの間に設けられている。これにより、自在継手41とギアボックス31の右側に形成される空間に大きなシュータ46を設けることができ、作業機4で刈取った芝等を効率良く集草容器8に搬送することができる。
【0034】
側面視において、シュータ46の上壁は後上がり傾斜に形成され、シュータ46の後部はBMS制御装置61の下側を下方に向かって延在して設けられている。これにより、シュータ46の後部を大きくしてシュータ46の内部での芝等の詰まりを防止することができる。
【0035】
図8は、ステアリングホイール62周辺の要部斜視図である。
図8に示されるように、ステアリングホイール62前方には、液晶表示装置110が設けられており、各種情報が表示可能となっている。また、ステアリングホイール62左方には、キースイッチSW1、充電スイッチSW2が設けられている。
【0036】
図9,10に示すように、走行車体1は、前輪2と後輪3を支持する走行車体本体10と、ステアリングシャフト63を支持するステアリングポスト11から形成されている。
【0037】
走行車体本体10には、前後方向に延在する左前後フレーム10Lと右前後フレーム10Rが形成され、ステアリングポスト11の下部には、前方に延出する左連結部11Lと右連結部11Rが形成されている。
【0038】
左前後フレーム10Lに左連結部11Lがボルト等の締結手段によって固定され、右前後フレーム10Rに右連結部11Rボルト等の締結手段によって固定されて一体となり走行車体1を形成している。
【0039】
左前後フレーム10Lの前部には左支持部材12Lが設けられ、左支持部材12Lの連結部は左上がり傾斜に形成されている。また、右前後フレーム10Rの前部には右支持部材12Rが設けられ、右支持部材12Rの連結部は右上がり傾斜に形成されている。なお、左支持部材12Lと右支持部材12Rはチャンネル鋼材で形成されている。
【0040】
左連結部11Lの前部には左支持部材13Lが設けられ、左支持部材13Lの連結部は左上がり傾斜に形成されている。また、右連結部11Rの前部には右支持部材13Rが設けられ、右支持部材12Rの連結部は右上がり傾斜に形成されている。なお、左支持部材13Lと右支持部材13Rはチャンネル鋼材で形成されている。
【0041】
ステアリングポスト11の下部には、左右方向に所定の間隔を隔てて前側に突出すると突出部14が形成され、突出部14の先端にはゴム部材等から形成された緩衝部材15が設けられている。
【0042】
左前後フレーム10Lの後部には上方に延在する左上下フレーム20Lが設けられ、右前後フレーム10Rの後部には上方に延在する右上下フレーム20Rが設けられ、左上下フレーム20Lと右上下フレーム20Rの上部は左右方向に延在する左右フレーム21に連結されている。
【0043】
左右フレーム21の左部には安全フレーム7の左支柱部7Lの下部が支持される左連結部22Lが設けられ、左右フレーム21の右部には安全フレーム7の右支柱部7Rの下部が支持される右連結部22Rが設けられている。
【0044】
<2.ブレーキ機構の構成>
図11は、走行輪(後輪3)の制動を司るブレーキ機構BKの要部左側面図であり、
図12は、同上の要部平面図である。また、
図13は、ブレーキ機構BK周辺の要部斜視図である。
図11、
図12に示されるように、ギアボックス31からの出力による後輪3の回動を制動するブレーキ70は、前後方向を長手とし、ブレーキペダル68の操作に応じて、前後に進退可能に構成された前後進退ロッド71と連結されている。この前後進退ロッド71の前後進退による引っ張り操作と連動してブレーキ70の作動及び非作動が切り替わるよう構成されている。
【0045】
また、この前後進退ロッド71には、電動シリンダ72が連結されており、該電動シリンダ71が伸縮すると、ブレーキペダル68の操作によらず、前後進退ロッド71が前後に進退されるよう構成されている。この電動シリンダ72の伸縮は、制御装置であるコントローラ77によって制御される。
【0046】
より詳細には、作業者がブレーキペダル68を踏み込むと、ブレーキペダル68が左右方向に延在する支軸68Aを中心として紙面反時計回りに回転し、前後進退ロッド71を前側に移動させる。その結果、これにより、ブレーキ70が作動し、後輪3が制動される。すなわち、ブレーキ70が掛かった状態となる。
【0047】
また、コントローラ77により電動シリンダ72が縮むよう制御されると(収縮状態)、前後進退ロッド71は前側に移動される。これにより、ブレーキ70が作動し、後輪3が制動される。その結果、電動シリンダ71の短縮状態が維持されることにより、ブレーキ70が掛かった状態でホールド状態とすることができる。逆に、コントローラ77により電動シリンダ71が伸びるよう制御されると(伸長状態)、前後進退ロッド71は後側に移動される。これにより、ブレーキ70の作動が解除される。その結果、後輪3の制動が解除され、ホールド状態が解除される。
【0048】
図12に示されるように、電動シリンダ72の後部は、左右方向に延在する連結部材73を介して前後進退ロッド71と連結されている。電動シリンダ72の後部は、連結部材73の左部に形成された円柱状のピン73Aに回転自在に固定されている。
【0049】
電動シリンダ72のピストン側の前部は、着脱装置74の左右方向に延在する円柱状のピン74Cを介して、走行車体1の上面に立設された固定部材77に連結されている。なお、電動シリンダ72の前部は、ピン74Cに回転自在に固定されている。
【0050】
図13に示されるように、着脱装置74は、走行車体1の上面に立設される支持プレート74Aと、支持プレート74Aの左面から左方に延在する略コの字状の支持本体74Bと、支持本体74Bの内部に設けられた左右方向に延在するピン74Cと、ピン74Cの左部に設けられたハンドル74Dから形成されており、該ハンドル74Dの操作により、走行車体1に電動シリンダ72が着脱可能となっている。
【0051】
<3.制御装置の構成>
図14は、制御装置であるコントローラ77の制御ブロック図である。
コントローラ77は、所謂、VCU(ビークル・コントロール・ユニット)であり、電子制御機器ECU(Electronic Control Unit)を備えて、各種の制御が可能となっている。
【0052】
コントローラ77の入力側には、キースイッチSW1、充電スイッチSW2、着座検知センサSW3、ブレーキペダルセンサs1、走行輪回転数検出センサs2、アクセルペダルセンサs3が接続され、これらの検知情報を取得可能となっている。
【0053】
また、コントローラ77は、走行用MDU(30m)、作業機用MDU(40m)、電動シリンダ72、車載充電器73c、BMS制御装置61と接続され、接続されたこれらの機器と各種情報の送受が可能となっている。
【0054】
キースイッチSW1は、回動操作により、OFF位置、ACC位置、ON位置の3つの操作位置に切り換えが可能となっている。キースイッチSW1がOFF位置のとき、コントローラ77には、最低限の機能維持に必要な電流が供給される。このとき、コントローラ77のCPU等の情報処理装置は動作を維持しており、キースイッチSW1の操作位置の判別や、必要最低限の処理を行うよう構成されている。なお、このとき、走行用モータ30、作業機用モータ40には、駆動に必要な電源供給がなされていない状態となっている。
【0055】
キースイッチSW1がACC位置のとき、コントローラ77に通常の作動に必要な電源供給がなされ、液晶表示装置110等は起動した状態となる。一方で、走行用モータ30、作業機用モータ40には、駆動に必要な電源供給がなされていない状態となっているため、例えば、アクセルペダル69を踏み込んでも、後輪3は回転せず、作業車両は、発進しない。
【0056】
キースイッチSW1がON位置のとき、走行用モータ30、作業機用モータ40には、駆動に必要な電源供給がなされ、作業車両は、後輪3及び作業機4が駆動可能な状態であり、作業走行が可能な状態となっている。
【0057】
充電スイッチSW2は、オンオフ操作が可能なモーメンタリスイッチとして構成されており、オン状態のとき、外部電源からバッテリー50への充電が可能となっている。充電スイッチSW2がオン操作されると、コントローラ77は、後述する充電モードを実行する。
【0058】
また、コントローラ77は、着座検知センサSW3により操縦席60への着座を、ブレーキペダルセンサs1によりブレーキペダル68の踏み込み量を、走行輪回転数検出センサs2により、走行輪である後輪3の回転数を、アクセルペダルセンサs3によりアクセルペダル69の踏み込み量に関する情報をそれぞれ取得可能となっている。これらのセンサは、作業車両の適宜の位置に設けられている。
【0059】
走行用MDU30mは、インバータ制御装置であり、走行用モータ30の回転数を制御するインバータ機能とこれを制御する簡易cpu(インバータ用のリレー回路)を備えている。なお、MDUとは、モータードライブユニットの略である。走行用MDU40mは、インバータの回転数制御で走行用モータ30のオンオフを制御するとともに、インバータの回転がオフになると、走行用モータ30が有する簡易ブレーキの作動信号を出力する機能も果たす。また、MDU信号用リレーのオンオフにより、走行用MDU30mのインバータの簡易cpuの電源が入切される仕組みとなっている。
【0060】
作業機用MDU40mは、走行用MDU30mと同様に、インバータ制御装置であり、作業機用モータ40の回転数を制御するインバータ機能とこれを制御する簡易cpu(インバータ用のリレー回路)を備えている。作業機用MDU40mは、インバータの回転数制御で作業機用モータ40のオンオフを制御するとともに、インバータの回転がオフになると、作業機用モータ40が有する簡易ブレーキの作動信号を出力する機能も果たす。また、MDU信号用リレーL1のオンオフにより、作業機用MDU40mのインバータの簡易cpuの電源が入切される仕組みとなっている。
【0061】
BMS制御装置61は、バッテリー50を制御する機能を果たす制御装置であり、特に、バッテリー制御用回路(図示せず)内のリレーをオンオフ制御することにより、バッテリー50による電力供給を制御する。
【0062】
コントローラ77は、電動シリンダ72に対し、収縮を命令する収縮信号、伸長を命令する伸長信号を送信して電動シリンダ72の伸縮を制御可能に構成されており、また、電動シリンダ72の伸縮の状態を示すフィードバック信号を取得可能となっている。
【0063】
<4.オートパーキング機能の制御例(オートブレーキ入条件)>
上記のように構成されたコントローラ77は、所定条件により、電動シリンダ72を伸縮制御して、自動で走行輪である後輪3を制動または制動を解除するオートパーキング機能を備えている。
【0064】
図15は、コントローラ77のオートブレーキ入条件を示す一覧表である。
コントローラ77は、電動シリンダ72を伸長制御し、自動で後輪3を制動する条件(以下、「オートブレーキ入条件」という。)として、
図15に一覧で示される条件が設定されている。すなわち、作業車両は、
図15に示される条件A~Eのいずれかが満たされたとき、自動でブレーキを掛けてホールド状態(オートブレーキ状態)となるよう構成されている。なお、このとき、ブレーキペダル68は、踏み込み位置で固定されている。また、オートブレーキ状態においては、その旨が、液晶表示装置110にて、アイコン点灯など手段によって報知される。
【0065】
(1)条件A
キースイッチSW1をオフ操作(OFF位置に操作)した際、作業車両が停車状態(すなわち、走行輪回転数検出センサs2が走行輪の回転を検出していない状態をいう。あるいは、検出値10rpm以下で停車とみなしてもよい。)であることを条件とする。係る構成により、作業車両の電源を切る(つまり、キースイッチSW1をオフ操作する)と、自動で走行輪が制動されるため、駐車時のブレーキかけ忘れを防止し、安全性を向上できる。
【0066】
(2)条件B
キースイッチSW1をON位置からACC位置に操作した際、作業車両が停車状態であることを条件とする。係る構成により、キースイッチSW1がACC位置にあるとき、作業車両の電源は投入されているが、走行及び作業機4の駆動はできない状態であるため、自動で走行輪が制動することで、停車位置を保持でき、安全性を向上できる。
【0067】
(3)条件C
キースイッチSW1がON位置またはACC位置にあり、作業車両が停車状態であり、オートブレーキが解除状態(電動シリンダ72を伸長制御されておらず、後輪3が制動されていない状態をいう。)で、ブレーキペダル68が一定時間(例えば、1秒)踏み込まれたことを条件とする。係る構成により、ブレーキペダル68の操作で、自動でブレーキをホールド状態とすることができるため、迅速かつ簡便な操作によって利便性を向上できる。なお、キースイッチSW1がACC位置を備えないよう構成する場合、キースイッチSW1がON位置にあることを条件とできる。
【0068】
(4)条件D
キースイッチSW1がON位置またはACC位置にあり、作業車両が停車状態であり、オートブレーキが解除状態(電動シリンダ72を伸長制御されておらず、後輪3が制動されていない状態をいう。)で、アクセルペダル69が一定時間(例えば、1秒)開放されたことを条件とする。係る構成により、作業者の操作によらず、アクセルペダル69が一定時間開放されると、作業車両の停止時において、自動でブレーキが掛かりホールド状態とすることができるため、安全性を向上できる。なお、キースイッチSW1がACC位置を備えないよう構成する場合、キースイッチSW1がON位置にあることを条件とできる。
【0069】
(5)条件E
キースイッチSW1がON位置またはACC位置にあり、作業車両が停車状態であり、オートブレーキが解除状態で、作業車両が異常停止状態(図示しない異常検知センサが異常を検知している状態)であることを条件とする。係る構成によれば、異常時に、自動でブレーキが掛かりホールド状態とすることができるため、安全性を向上できる。なお、キースイッチSW1がACC位置を備えないよう構成する場合、キースイッチSW1がON位置にあることを条件とできる。
【0070】
(6)着座検知センサSW3の検知結果によるオートブレーキ入条件
コントローラ77は、作業者が操縦席60から離れたとき、すなわち、着座検知センサSW3が検知状態から、非検知状態となったときに、自動でオートブレーキ状態とするように構成することもできる。これにより、離席時のブレーキかけ忘れが防止され、また、坂道で離席しても作業車両のずり下がりが防止されるため、安全性を向上できる。このとき、コントローラ77は、離席を着座検知センサSW3によって検出すると、一定時間(例えば、数秒間連続で)離席している場合は、走行用モータ30、作業機用モータ40を停止させ、走行モータ30が停止したタイミングでオートブレーキ状態とすることが安全上より好ましい。走行用モータ30、作業機用モータ40を自動停止させることで、より安全にオートブレーキ状態に移行できる。さらに、PTOスイッチ(図示せず)をOFFに戻して再びONにしない限り、作業機用モータ40が再起動しない構成とすることで、安全性をより向上できる。
【0071】
<5.オートパーキング機能の制御例(オートブレーキ解除条件)>
図16は、コントローラ77のオートブレーキ解除条件を示す一覧表である。
ここで、オートブレーキ解除条件とは、オートブレーキ状態を自動で解除する条件を指し、コントローラ77は、作業車両は、
図16に示される条件F~Kのいずれかが満たされたとき、電動シリンダ72を収縮制御し、走行輪である後輪3の制動を解除する。
【0072】
(1)条件F
キースイッチSW1がON位置またはACC位置にあり、車載充電器73cから充電信号(充電中であることを示す信号)がなく、着座検知センサSW3が着座を検知しており、オートブレーキ状態であり、アクセルペダル69が不感帯以上踏み込まれていることを条件とする。係る構成によれば、作業者の操作によらず、オートブレーキ状態を自動で解除でき、解除し忘れによるブレーキの引きずりも防止できる。また、車載充電器73cから充電信号がある場合、解除されないことで安全性を向上できる。充電コードが刺さった状態で走行すると危険であるためである。さらに、着座検知センサSW3が着座を検知していることが条件となっているため、作業者が着座しているときに解除を許可することで安全性をさらに向上できる。また、アクセルペダル69が不感帯以上踏み込まれていることを条件としたことにより、走行用モータ30が回転し始めるタイミングで、オートブレーキ状態を解除することで、坂道発進時のずり落ちが好適に防止される。なお、このとき、アクセルペダル69として、前進ペダル、後進ペダルが存在するよう構成されている場合は、いずれかのペダル開度が、不感帯以上となったことを条件とすることが好ましい。なお、キースイッチSW1がACC位置を備えないよう構成する場合、キースイッチSW1がON位置にあることを条件とできる。
【0073】
(2)条件G~K
条件G~Kによって、キースイッチSW1がON位置またはACC位置にある、車載充電器73cから充電信号がない、着座検知センサSW3が着座を検知している、オートブレーキ状態である、アクセルペダル69が不感帯以上踏み込まれている、のいずれかの条件が偽である場合にも、オートブレーキ状態を解除することで、利便性が向上する。また、上述のように、着座検知センサSW3の検知結果(着座の有無)を、オートブレーキ入条件及びオートブレーキ解除条件における条件に含めることで、作業者の着座の状況に応じて、オートブレーキの入切を制御できるため、安全性を向上する上で好適である。なお、キースイッチSW1がACC位置を備えないよう構成する場合、キースイッチSW1がON位置にあることを条件とできる。
【0074】
<6.充電モードの制御例>
図17は、充電モードにおけるコントローラ77の制御を示すフローチャートである。
図17に示されるように、充電モードにおけるコントローラ77の制御は以下のように構成される。
【0075】
充電モードは、充電スイッチSW2の押圧操作により開始される。これにより、押圧操作がなされなければ、充電が開始されないため、安全性が向上する。充電スイッチSW2は、モーメンタリスイッチで構成され、スイッチの押し方で充電モードのコースを選択可能となっている。なお、図中の規定時間とは、例えば、3秒である。作業機4の電源がOFFのときに充電スイッチSW3が押されたら、コントローラ77内で充電モードフラグを立て、充電スイッチSW2の押圧が継続されていなくても充電モードを維持する構成とする。充電モード中は、充電スイッチランプ(図示せず)を点灯し、作業者が判別可能とする。充電モード中に、充電スイッチSW2が押圧されたら、充電モードフラグを消し、充電モードを終了する。
【0076】
充電モードは、満充電コースと、補充電コースを設け、充電スイッチSW2の押圧時間により、選択されたコースを判定する。補充電コースは、バッテリー50を満充電せず、規定のバッテリー残量までしか充電できない構成とする。すなわち、規定のバッテリー残量まで充電されたら、充電モードフラグを消して、充電モードを終了する。これにより、バッテリー50の劣化を防止できる。満充電コースでは、満充電までバッテリー50が充電されたら、充電モードフラグを消し、充電モードを終了させるよう構成する。また、補充電コースが選択された場合、作業者が、満充電コースと識別可能とするためにブザーを鳴らすよう構成する。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明した。本発明は、前記した実施形態にのみ限定されない。技術的思想の範囲内で、適宜変更であることは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0078】
1 走行車体
2 前輪
2L 左前輪
2R 右前輪
3 後輪
4 作業機
5 ボンネット部
6 操縦部
7 安全フレーム
7A 連結部
8 集草容器
10 走行車体本体
11 ステアリングポスト
12L 左支持部材
12R 右支持部材
13L 左支持部材
13R 右支持部材
26 上下保護フレーム
27 前後保護フレーム
28 仮想線(第3仮想線)
30 走行用モータ
40 作業機用モータ
50 バッテリー
57 支持部材
62 ステアリングホイール
63 ステアリングシャフト
70 ブレーキ
77 コントローラ
SW1 キースイッチ
SW2 充電スイッチ
SW3 着座検知センサ