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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111431
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】無線システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20240809BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240809BHJP
【FI】
H04W28/16
H04W64/00 171
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015938
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】佐野 章史
(72)【発明者】
【氏名】林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】水堀 知幸
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE24
5K067FF03
(57)【要約】
【課題】 移動局の位置情報を利用して基地局のグルーピングを変更し、移動局の通話を継続できる無線システムを提供する。
【解決手段】 指令設備10と、回線制御装置20と、複数の基地局40と有し、基地局40の無線エリア内の移動局50と指令設備10との通話を実現するもので、指令設備10が、回線制御装置20を介して複数の基地局40に接続し、複数の基地局40をグルーピングしており、回線制御装置20から基地局40の通信状態の情報を取得すると共に移動局50の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて複数の基地局40のグルーピングを変更する無線システムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指令設備と、回線制御装置と、複数の基地局とを有し、前記基地局の無線エリア内の移動局と前記指令設備との通話を実現する無線システムであって、
前記指令設備は、
前記回線制御装置を介して前記複数の基地局に接続し、
前記複数の基地局をグルーピングしており、
前記回線制御装置から前記基地局の通信状態の情報を取得すると共に前記移動局の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて前記複数の基地局のグルーピングを変更することを特徴とする無線システム。
【請求項2】
前記指令設備は、グルーピングを変更した基地局において移動局との通話が一定時間行われていない場合に、変更したグルーピングを元の状態に戻すことを特徴とする請求項1記載の無線システム。
【請求項3】
前記回線制御装置は、基地局からの移動局の位置情報を受信して指令設備に送信し、前記基地局の通信状態の情報を前記指令設備に送信し、前記指令設備でグルーピングされた基地局に通話のための送信指示を送信することを特徴とする請求項1又は2記載の無線システム。
【請求項4】
前記基地局は、自局の通信状態を定期的に前記回線制御装置に送信し、移動局からの位置情報を受信して前記回線制御装置に送信し、グルーピングされた基地局であれば、前記回線制御装置からの送信指示を受信して、前記移動局に通話のための信号を送信することを特徴とする請求項3記載の無線システム。
【請求項5】
前記移動局は、GPSを利用して位置情報を取得し、無線エリア内の基地局に当該位置情報を送信し、前記基地局からの通話のための信号を受信して通話を行うことを特徴とする請求項4記載の無線システム。
【請求項6】
複数の基地局で同一のタイミングで同一の周波数信号を送出して前記基地局を跨いで移動する移動局の通話切れを回避する無線システムであって、
前記複数の基地局が接続する回線制御装置と、前記回線制御装置に接続する指令設備とを有し、
前記移動局が、前記基地局と前記回線制御装置を介して前記指令設備と通話するものであり、GPSを利用して位置情報を取得し、前記基地局に当該位置情報を送信し、前記基地局からの通話のための信号を受信して前記指令設備との通話を行い、
前記複数の基地局が、複数の無線エリアを形成し、自局の通信状態を定期的に前記回線制御装置に送信し、前記移動局からの位置情報を受信して前記回線制御装置に送信し、前記回線制御装置からの通話のための送信指示を受信して、前記移動局に通話のための信号を送信し、
前記回線制御装置が、前記基地局からの前記移動局の位置情報を受信して前記指令設備に送信し、前記基地局の通信状態の情報を前記指令設備に送信し、前記指令設備でグルーピングされた基地局に通話のための送信指示を送信し、
前記指令設備が、前記複数の基地局をグルーピングしており、前記回線制御装置から前記基地局の通信状態の情報を取得すると共に前記移動局の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて前記複数の基地局のグルーピングを変更し、当該グルーピングを変更した基地局において前記移動局の通話が一定時間行われていない場合に、前記変更したグルーピングを元の状態に戻すことを特徴とする無線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指令設備と移動局とで無線通信を行う無線システムに係り、特に、移動局の位置情報を利用して基地局のグルーピングを変更して移動局の通信を継続できる無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の無線システムは、基地局間の同期機能を具備し、複数の基地局から同一のタイミングで、同一周波数信号を送信する無線システムがあった。
具体的には、同一の周波数で複数の基地局をグルーピングして、当該グループの基地局のエリア内で移動局が移動して通話を行うようになっていた。つまり、移動局が当該グループに対応付けられていたものである。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2008-160889号公報「無線通信システムおよび無線通信システムのグループ変更方法」(特許文献1)がある。
特許文献1には、基地局とグループ分けされた複数の移動局からなる無線通信システムで、移動局のグループを変更する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-160889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の無線システムでは、複数の基地局をグルーピングした基地局の無線エリアの外に移動局が移動した場合に、移動局は通話から外れてしまうという問題点があった。
【0006】
そして、エリア外となった移動局の通話を継続させるには、既存の通話を一度切断し、新たなグループピングで再発呼して再び通話を形成しなければならず、通話によって行っていた業務を一時停止せざるを得ないものとなっていた。
【0007】
尚、特許文献1には、移動局の位置情報を利用して基地局のグルーピングを変更して移動する移動局の通話を継続する構成の記載がない。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、移動局の位置情報を利用して基地局のグルーピングを変更して移動局の通話を継続できる無線システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、指令設備と、回線制御装置と、複数の基地局とを有し、基地局の無線エリア内の移動局と指令設備との通話を実現する無線システムであって、指令設備が、回線制御装置を介して複数の基地局に接続し、複数の基地局をグルーピングしており、回線制御装置から基地局の通信状態の情報を取得すると共に移動局の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて複数の基地局のグルーピングを変更することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記無線システムにおいて、指令設備が、グルーピングを変更した基地局において移動局との通話が一定時間行われていない場合に、変更したグルーピングを元の状態に戻すことを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記無線システムにおいて、回線制御装置が、基地局からの移動局の位置情報を受信して指令設備に送信し、基地局の通信状態の情報を指令設備に送信し、指令設備でグルーピングされた基地局に通話のための送信指示を送信することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記無線システムにおいて、基地局が、自局の通信状態を定期的に回線制御装置に送信し、移動局からの位置情報を受信して回線制御装置に送信し、グルーピングされた基地局であれば、回線制御装置からの送信指示を受信して、移動局に通話のための信号を送信することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記無線システムにおいて、移動局が、GPSを利用して位置情報を取得し、無線エリア内の基地局に当該位置情報を送信し、基地局からの通話のための信号を受信して通話を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明は、複数の基地局で同一のタイミングで同一の周波数信号を送出して基地局を跨いで移動する移動局の通話切れを回避する無線システムであって、複数の基地局が接続する回線制御装置と、回線制御装置に接続する指令設備とを有し、移動局が、基地局と回線制御装置を介して指令設備と通話するものであり、GPSを利用して位置情報を取得し、基地局に当該位置情報を送信し、基地局からの通話のための信号を受信して指令設備との通話を行い、複数の基地局が、複数の無線エリアを形成し、自局の通信状態を定期的に回線制御装置に送信し、移動局からの位置情報を受信して回線制御装置に送信し、回線制御装置からの通話のための送信指示を受信して、移動局に通話のための信号を送信し、回線制御装置が、基地局からの移動局の位置情報を受信して指令設備に送信し、基地局の通信状態の情報を指令設備に送信し、指令設備でグルーピングされた基地局に通話のための送信指示を送信し、指令設備が、複数の基地局をグルーピングしており、回線制御装置から基地局の通信状態の情報を取得すると共に移動局の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて複数の基地局のグルーピングを変更し、当該グルーピングを変更した基地局において移動局の通話が一定時間行われていない場合に、変更したグルーピングを元の状態に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、指令設備が、回線制御装置を介して複数の基地局に接続し、複数の基地局をグルーピングしており、回線制御装置から基地局の通信状態の情報を取得すると共に移動局の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて複数の基地局のグルーピングを変更する無線システムとしているので、移動中の移動局の通話を継続できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本無線システムの構成概略図である。
図2】本無線システムの動作1を示す概略図である。
図3】本無線システムの動作2を示す概略図である。
図4】本無線システムの処理1のシーケンス図である。
図5】本無線システムの処理2のシーケンス図である。
図6】本無線システムの処理3のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る無線システム(本無線システム)は、指令設備と、回線制御装置と、複数の基地局とを有し、基地局の無線エリア内の移動局と指令設備との通話を実現するもので、指令設備が、回線制御装置を介して複数の基地局に接続し、複数の基地局をグルーピングしており、回線制御装置から基地局の通信状態の情報を取得すると共に移動局の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて複数の基地局のグルーピングを変更するものであり、これにより、移動中の移動局の通話を継続できるものである。
【0018】
[本無線システム:図1
本無線システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本無線システムの構成概略図である。
本無線システムは、図1に示すように、指令設備10と、回線制御装置20と、複数の基地局40と、移動局50とから構成されている。
【0019】
回線制御装置20に指令設備10と基地局40が有線で接続され、移動局50は基地局40に無線で接続するものである。
複数の基地局40は、離れて配置され、移動局50と通信できる無線エリア(エリア)を形成している。
移動局50は、図1では、1台しか描画していないが、実際は複数台存在している。
【0020】
[本無線システムの各部]
次に、本無線システムの各部について説明する。
[指令設備10]
指令設備10は、制御部と記憶部とを備えるコンピュータ装置であり、制御部が、運用前の事前準備として、ユーザによって各基地局40がカバーする無線エリアを認識させる。
【0021】
更に、指令設備10の制御部は、移動局50と通話を行うために複数の基地局40のグルーピングを行う。当該グルーピングされた複数の基地局によって形成される無線エリア内では、同じ周波数で同じタイミングで指令設備10と移動局50とが通信可能となり、通話を継続するものである。尚、グループ内に複数ではなく、1つの基地局40が含まれることもある。
指令設備10は、グルーピングされた基地局40と移動局50が通話できるよう、回線制御装置20に対して通信指示を送信する。
【0022】
グルーピングは、1つ又は隣接する複数の基地局40を1つのグループとし、複数のグループを形成することで、当該グループ内では移動局50が通話を切断することなく、通話を実現できるものとなっている。形成されたグループの基地局40は、指令設備10内の記憶部に登録され記憶される。
【0023】
同じグループ内では、移動局50に対して同じ周波数でグループ内の全ての基地局40が、回線接続して通話を実現できるよう通信制御を行っている。
尚、この場合、無線帯域が占有されることになるため、移動局50が存在しない無線エリアの基地局40まで通話対象のグループに含めるのは好ましくない。
【0024】
また、指令設備10は、移動局50の位置情報を基地局40、回線接続装置20を介して取得しており、当該位置情報から移動局50が通話可能となるグループを選択する。
更に、指令設備10は、基地局40からの通信状態の通知(状態通知)を、回線接続装置20を介して受信し、各基地局40の通信状態を管理している。状態通知とは、移動局50と通話中か否か、通信障害が発生していないかどうか等の通信状態を、基地局40が検知し、その通信状態の通知である。
【0025】
そして、指令設備10は、本実施の形態の特徴であるグルーピングの変更(グループ再編)を制御する。グルーピング変更は、当初に設定されたデフォルトの基地局40のグループを変更することである。グルーピング変更の処理については後述する。
【0026】
[回線制御装置20]
回線制御装置20は、指令設備10と複数の基地局40との間で、通信制御を行うもので、指令設備10からの通信指示に基づき該当するグループ内の基地局40に移動局50への送信指示を送信する。
【0027】
また、回線制御装置20は、基地局40からの移動局50の位置情報を受信して指令設備10に送信し、基地局40からの状態通知を受信して指令設備10に送信する。指令設備10への状態通知は、全ての基地局40の状態をまとめて一つの情報として通知するのが好ましい。
更に、回線制御装置20は、グループ再編により特定のグループに追加された基地局40に移動局50への送信指示を送信する。グループ再編に伴う処理の詳細は後述する。
【0028】
[基地局40]
基地局40は、回線制御装置20からの送信指示を受信して移動局50に通話のための信号を送信し、指令設備10と移動局50との通話を実現する。
また、基地局40は、移動局50からの位置情報を受信し、その位置情報を回線制御装置20に送信する。
また、基地局40は、移動局50との通信状況、障害発生等を検知し、状態通知として回線制御装置20に送信する。
【0029】
[移動局50]
移動局50は、基地局40から通話のための信号を受信し、通話を行う。
また、移動局50は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)によって取得した位置情報を基地局40に送信する。
【0030】
[本無線システムでの動作:図2,3]
本無線システムにおける動作について図2,3を参照しながら説明する。図2は、本無線システムの動作1を示す概略図であり、図3は、本無線システムの動作2を示す概略図である。尚、図2は、グルーピング変更前の状態であり、図3は、グルーピング変更後の状態である。
また、図2,3は、説明を分かりやすくするための一例を示すものである。
【0031】
[本無線システムでの動作1:図2
まず、図2に示すように、基地局40(#1)と基地局40(#2)でグルーピングされたグループ30(#1)の無線エリア内に移動局50(#1)、移動局50(#2)、移動局50(#3)が存在している場合に、移動局50(#3)が無線エリアから外側に向けて移動しつつあることを移動局50(#3)の位置情報の時系列変化から移動速度、移動方向を算出する。
【0032】
そして、移動局50(#3)の移動方向、移動速度からグループ30(#1)の無線エリアから基地局40(#3)が含まれるグループ30(#2)の無線エリアに移行しようとしていることを検出する。
【0033】
[本無線システムでの動作2:図3
上記の状態で、図3に示すように、グループ30(#2)内の基地局40(#3)についてグループ30(#1)に組み込む処理を行う。
具体的には、指令設備10が、基地局40(#3)において通信障害が発生しておらず、通話中でないことを状態通知で確認し、基地局40(#3)に移動局50(#3)と通話を行うための信号を送信する。
【0034】
その後は、基地局40(#1)、基地局40(#2)、基地局40(#3)が、移動局50(#1)、移動局50(#2)、移動局50(#3)に対して通話を行うための信号の送信をほぼ同じタイミングで送信する。
これにより、基地局40(#3)は、グループ30(#1)に組み込まれた(グルーピング変更された)ことになる。
【0035】
ここで、グループ30(#1)に組み込むのは、グループ30(#2)に含まれる全ての基地局40を対象にしてもよいし、移動局50(#3)の移動先となる無線エリアを形成する基地局40(#3)のみを対象にしてもよい。
更に、移動局50(#3)が通話しなくなって一定時間を経過すると、変更されたグルーピングを変更前の状態(デフォルト)に戻すように制御している。
【0036】
[本無線システムの処理シーケンス:図4~6]
本無線システムの処理シーケンスについて図4~6を参照しながら説明する。図4は、本無線システムの処理1のシーケンス図であり、図5は、本無線システムの処理2のシーケンス図であり、図6は、本無線システムの処理3のシーケンス図である。
尚、図4~6は、縦方向が時間の経過を示しており、図4~6は連続して為される処理である。
【0037】
[本無線システムの処理1のシーケンス:図4
図4に示すように、ユーザが、指令設備10に各基地局40の無線エリアを予め入力して設定しておく(S1)。ここで、基地局40のグルーピングも行って登録しておく。
そして、ユーザは、通話を行うエリアのグループを選択して通話を行う操作を指令設備10に入力する(S2)。図4では、グルーピング#1を選択して通話操作を行っている。
以上のユーザの操作によって指令設備10が、回線制御装置20にグルーピング#1にて通信開始を指示する(S3)。
【0038】
そして、回線制御装置20は、グルーピング#1に登録されている基地局#1(40#1)と基地局#2(40#2)にのみ通話を行うための送信を指示する(S4,S5)。
基地局40#1と基地局40#2は、移動局50に通話のため信号を送信する(S6,S7)。これにより、指令設備10と移動局50との間で通話が実現される。
【0039】
[本無線システムの処理2のシーケンス:図5
図5に示すように、移動局50は、GPSからの位置情報を基地局40#1と基地局40#2に送信する(S8,S9)。
そして、基地局40#1と基地局40#2は、移動局50からの位置情報を回線制御装置20に送信する(S10,S11)。
【0040】
次に、回線制御装置20は、移動局50の位置情報を指令設備10に通知する(S12)。
指令設備10は、移動局50の移動に伴い基地局40の追加を判断する(S13)。当該判断は、移動局50の時系列の位置情報から移動局50の移動速度と移動方向を算出し、その算出された情報に基づいて移動先の無線エリアを特定する。具体的には、移動局50の移動方向と移動速度から移動先のエリアに近づいた場合に、基地局40を追加するものである。
【0041】
また、全ての基地局40が、通信状態を回線制御装置20に通知(状態通知)し(S14,S15,S16)、回線制御装置20が、指令設備10に各基地局40の通信状態を通知する(S17)。
【0042】
指令設備10は、回線制御装置20からの各基地局40の通信状態の通知を受けてグループに追加可能か否かを判断して、追加可能であれば回線制御装置20に追加を通知する(S18)。図5では、基地局40#3をグルーピング#1に追加するものである。
尚、追加可能か否かの判定基準は、追加する基地局40が通話していない状態で、その基地局40で通信障害が発生していない場合に、グループへの追加を行うものである。
【0043】
そして、回線制御装置20は、グルーピング#1に追加する基地局40#3に通話を行うための送信を指示する(S19)。基地局40#3は、移動局50に通話を行うための信号を送信する(S20)。
【0044】
[本無線システムの処理3のシーケンス:図6
次に、図6に示すように、移動局50は、GPSからの位置情報を基地局40#1、基地局40#2、基地局40#3に送信する(S21,S22,S23)。
そして、基地局40#1、基地局40#2、基地局40#3は、移動局50からの位置情報を回線制御装置20に送信する(S24,S25,S26)。
【0045】
次に、回線制御装置20は、移動局50の位置情報を指令設備10に通知する(S27)。
また、全ての基地局40が、通信状態を回線制御装置20に通知(状態通知)し(S28,S29,S30)、回線制御装置20が、指令設備10に各基地局40の通信状態を通知する(S31)。
【0046】
指令設備10は、グルーピング#1内での通話が一定時間(例えば、3~5分)以上為されていなかったか否かを判定し(S32)、一定時間以上通話がなければ、回線制御装置20にグルーピング#1の変更を解除する指示を送信する(S33)。
【0047】
回線制御装置20は、グルーピング#1の変更解除指示を受けて、デフォルトのグルーピングに戻す処理を行う(S34)。具体的には、デフォルトでは、グルーピング#1に基地局40#1と基地局40#2が登録されていたので、その2つの基地局40をグループ#1に含め、基地局40#3をグループ#1から除外して、基地局40#3をデフォルトのグループに戻すものである。
グループに戻す処理が終了すると、通話を開始する場合には、図4の通話操作に移行するものである。
【0048】
また、上記一定時間内でも、移動局50の移動状況によって再度グルーピング変更を行うことがある。
更に、上記一定時間をユーザがパラメータとして指令設備10に任意に設定・変更可能として時間調整を行うことができるようにするのが好ましい。
【0049】
上記の例では、グループ#1に基地局40を追加する処理を説明したが、グループ#1から通話が行われていない基地局40を除外するグルーピング変更を行うようにしてもよい。
【0050】
[実施の形態の効果]
本無線システムによれば、指令設備10と、回線制御装置20と、複数の基地局40とを有し、基地局40の無線エリア内の移動局50と指令設備10との通話を実現するもので、指令設備10が、回線制御装置20を介して複数の基地局40に接続し、複数の基地局40をグルーピングしており、回線制御装置20から基地局40の通信状態の情報を取得すると共に移動局50の位置情報を取得し、当該通信状態の情報と当該位置情報に基づいて複数の基地局40のグルーピングを変更するものとしているので、移動中の移動局50の通話を継続できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、移動局の位置情報を利用して基地局のグルーピングを変更して移動局の通話を継続できる無線システムに好適である。
【符号の説明】
【0052】
10…指令設備、 20…回線制御装置、 30…グルーピング、 40…基地局、 50…移動局
図1
図2
図3
図4
図5
図6