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  • 特開-格子体 図1
  • 特開-格子体 図2
  • 特開-格子体 図3
  • 特開-格子体 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111442
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】格子体
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
E04H17/14 102Z
E04H17/14 103Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015955
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 駿
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 勝也
(72)【発明者】
【氏名】大垣 麻斗香
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142DD04
2E142DD13
2E142DD23
2E142HH03
2E142JJ06
2E142MM04
(57)【要約】
【課題】 安価に剣先の意匠を変更できる格子体の提供。
【解決手段】 格子1,1,…と、格子1,1,…の上端部に取付けられる剣先2とを備え、格子1は、他方側面にねじ挿通孔3を有し、剣先2は、前後方向の一方側から見た意匠と他方側から見た意匠が異なるものであって、格子1の内部に挿入される取付部4a,4bを有し、取付部4a,4bには一方側と他方側にそれぞれねじ孔5が形成してあり、剣先2を前後反転自在に取付部4a,4bを格子1内に挿入し、格子1のねじ挿通孔3に挿通したねじ6を他方側に位置する取付部4a又は4bのねじ孔5に螺入して剣先2を格子1に固定してある。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子と、格子の上端部に取付けられる剣先とを備え、格子は、他方側面にねじ挿通孔を有し、剣先は、前後方向の一方側から見た意匠と他方側から見た意匠が異なるものであって、格子の内部に挿入される取付部を有し、取付部には一方側と他方側にそれぞれねじ孔が形成してあり、剣先を前後反転自在に取付部を格子内に挿入し、格子のねじ挿通孔に挿通したねじを他方側に位置する取付部のねじ孔に螺入して剣先を格子に固定してあることを特徴とする格子体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェンスや門扉等に用いられる格子体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フェンスや門扉に用いられる格子体としてアルミ鋳物製のものがあり、防犯性を高めるために各格子の上端部に剣先を設けることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。かかる格子体は、安価に剣先の意匠を変更することができなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】三協立山株式会社 三協アルミ社発行のカタログ「パブリックエクステリア総合カタログ」(カタログNo.STX1552A KY.21.11-455)、2021年11月、p.704-709
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、安価に剣先の意匠を変更できる格子体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による格子体は、格子と、格子の上端部に取付けられる剣先とを備え、格子は、他方側面にねじ挿通孔を有し、剣先は、前後方向の一方側から見た意匠と他方側から見た意匠が異なるものであって、格子の内部に挿入される取付部を有し、取付部には一方側と他方側にそれぞれねじ孔が形成してあり、剣先を前後反転自在に取付部を格子内に挿入し、格子のねじ挿通孔に挿通したねじを他方側に位置する取付部のねじ孔に螺入して剣先を格子に固定してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による格子体は、格子と、格子の上端部に取付けられる剣先とを備え、格子は、他方側面にねじ挿通孔を有し、剣先は、前後方向の一方側から見た意匠と他方側から見た意匠が異なるものであって、格子の内部に挿入される取付部を有し、取付部には一方側と他方側にそれぞれねじ孔が形成してあり、剣先を前後反転自在に取付部を格子内に挿入し、格子のねじ挿通孔に挿通したねじを他方側に位置する取付部のねじ孔に螺入して剣先を格子に固定してあるので、安価に剣先の意匠を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)は第1実施形態の格子体の格子の上部を拡大して示す正面図、(b)は同側面図である。
図2】(a)は本発明の格子体の第1実施形態を示す正面図、(b)は同側面図である。
図3】(a)は本発明の格子体の第2実施形態を示す正面図、(b)は同側面図である。
図4】(a)は第2実施形態の格子体の格子の上部を拡大して示す正面図、(b)は同側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1,2は、本発明の格子体7の第1実施形態を示している。本実施形態は、図2に示すように、道路と敷地の境界に設けられるフェンスに適用したものである。
【0009】
格子体7は、図2に示すように、上下の横桟8,8と、上下の横桟8,8の道路側の見付面に左右方向に一定の間隔をおいて架設した複数の格子1,1,…とで構成されている。各格子1の上端部には、剣先2が取付けてある。
この格子体7は、地面Gから間隔をおいて立設した柱9,9の道路側の見付面に上下の横桟8,8の敷地側の面を当接し、金具10で固定して取付けられている。
【0010】
格子1は、図1に示すように、アルミニウム合金の押出形材で矩形断面の中空状に形成されている。格子1は、上端部の敷地側面にねじ挿通孔3が形成してある。
【0011】
剣先2は、アルミニウム合金の鋳物で形成したものであり、図1に示すように、上方に向かうにつれて細くなった略四角錐状に形成され、四方の面11a,11b,11c,11dは外側に膨らむ湾曲面となっている。剣先2の道路側の面11aは、上下方向のほぼ中央部より下側が円弧面12でえぐり取られた形状となっている。これにより剣先2は、道路側から見た意匠と敷地側から見た意匠が異なっており、道路側から見た意匠の方がより尖った印象を与えるものとなっている。
剣先2の下面には、格子1の中空部13内に挿入される取付部4a,4bが道路側と敷地側に下方に突出して設けてある。道路側の取付部4aと敷地側の取付部4bとは、同一の形状のものが剣先2の見込方向の中心に対して対称に設けたものとなっている。
道路側と敷地側の取付部4a,4bには、それぞれ雌ねじ孔5が形成されている。各取付部4a,4bは、下方に向かうにつれて見込方向及び左右方向の幅が小さくなるように、道路側及び敷地側の見付面と左右の見込面とにテーパーが付けられており、道路側の取付部4aの道路側の面と敷地側の取付部4bの敷地側の面が格子1の内面に当接ないし近接している。
このように本剣先2は、下面に取付部4a,4bが道路側と敷地側に設けてあり、道路側と敷地側の取付部4a,4bに雌ねじ孔5がそれぞれ形成してあることで、格子1の上端部に前後反転自在に取付けできるようになっている。
【0012】
剣先2は、図1に示すように、取付部4a,4bを格子1の中空部13内に上方から挿入し、剣先2の下面を格子1の上端の小口に当接させた上で、格子1のねじ挿通孔3に敷地側から挿通したねじ6を敷地側の取付部4bの雌ねじ孔5に螺入して締め付けることで、格子1の上端部に固定して取付けられる。
【0013】
図3,4は、本発明の格子体7の第2実施形態を示している。本実施形態の格子体7は、第1実施形態とは剣先2を前後反転して取付けてある。すなわち剣先2は、図4に示すように、円弧面12でえぐり取られた形状の面11aを敷地側に向けて取付けてある。
このように本格子体7は、剣先2を前後反転して取付けるだけで、剣先2の道路側から見た意匠と敷地側から見た意匠を変更することができる。
【0014】
以上に述べたように本格子体7は、格子1,1,…と、格子1,1,…の上端部に取付けられる剣先2とを備え、格子1は、他方側面にねじ挿通孔3を有し、剣先2は、前後方向の一方側から見た意匠と他方側から見た意匠が異なるものであって、格子1の内部に挿入される取付部4a,4bを有し、取付部4a,4bには一方側と他方側にそれぞれねじ孔(雌ねじ孔)5が形成してあり、剣先2を前後反転自在に取付部4a,4bを格子1内に挿入し、格子1のねじ挿通孔3に挿通したねじ6を他方側に位置する取付部4a又は4bのねじ孔5に螺入して剣先2を格子1に固定してあるので、安価に剣先2の意匠を変更することができる。すなわち、同じ剣先2を前後反転して取付けるだけで剣先2の意匠を変更することができるので、コストをかけずに剣先2の意匠を変更することができる。
剣先2の取付部4a,4bは、下方に向かうにつれて見込方向又は/及び左右方向の幅が小さくなるようにテーパーが付けられているので、取付部4a,4bを格子体1の内部に容易に挿入することができ、剣先2の取付性が良い。
【0015】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。剣先の形状や材質は、適宜変更することができる。剣先の取付部は、必ずしも一方側と他方側に分離して形成されている必要はなく、例えば横断面コ字型ないしロ字形で一体で形成してあってもよい。取付部のねじ孔は、必ずしも雌ねじが切ってある孔(雌ねじ孔)でなくてもよく、例えば剣先が樹脂製の場合に、取付部にねじの外径よりも小さい孔だけを加工しておき、タッピングねじをその孔に螺入して剣先を固定することもできる。本発明は、フェンスに限らず、門扉等に適用することもできる。
【符号の説明】
【0016】
1 格子
2 剣先
3 ねじ挿通孔
4a,4b 取付部
5 雌ねじ孔(ねじ孔)
6 ねじ
7 格子体
図1
図2
図3
図4