(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111460
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】容器残留物検出処理システム
(51)【国際特許分類】
B07C 5/342 20060101AFI20240809BHJP
B65G 57/30 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B07C5/342
B65G57/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015979
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 恭矢
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 拓哉
【テーマコード(参考)】
3F029
3F079
【Fターム(参考)】
3F029BA01
3F029CB03
3F029CB15
3F079AD11
3F079CB29
3F079CB33
3F079CC06
3F079DA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】折り畳み容器を自動で折り畳み、集積するシステムにおいて、折り畳み前の容器内の残留物によって物流上のトラブルを生じたり、折り畳み機構あるいは折り畳み容器が破損することを防止する折り畳み容器残留物検出処理システムを提供する。
【解決手段】折り畳み容器残留物検出処理システム1であって、折り畳み容器をシステム内に供給するための容器供給部200と、容器供給部から供給された容器の内部の残留物を検知する容器残留物検知部300と、検知部で残留物が検知された該容器を排除する容器排除部400と、残留物が検知されなかった該容器を折り畳む容器折り畳み部102と、このシステムの各部を制御するシステム制御部500とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-折り畳み容器をシステム内に供給するための容器供給部と、
-容器供給部から供給された前記折り畳み容器の内部の残留物を検知する容器残留物検知部と、
-前記検知部で残留物が検知された該容器を排除する容器排除部と、
-前記検知部で残留物が検知されなかった該容器を折り畳む容器折り畳み部と、
-このシステムの各部を制御するシステム制御部と
を有する折り畳み容器残留物検出処理システム。
【請求項2】
更に、折り畳まれた前記折り畳み容器を段積みする容器段積み部を有することを特徴とする請求項1に記載の折り畳み容器残留物検出処理システム。
【請求項3】
更に、段積みされた前記折り畳み容器を搭載するパレット部を有することを特徴とする請求項2に記載の折り畳み容器残留物検出処理システム。
【請求項4】
更に、前記残留物が検知されなかった前記容器を前記折り畳み部で折り畳む前及び/または折り畳んだ後に、該容器を洗浄する洗浄機構部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み容器残留物検出処理システム。
【請求項5】
-容器をシステム内に供給するための容器供給部と、
-前記容器供給部から供給された前記容器の内部の残留物を検知する容器残留物検知部と、
-前記検知部で残留物が検知された該容器を排除する容器排除部と、
-このシステムの各部を制御するシステム制御部と
を有する容器残留物検出処理システム。
【請求項6】
更に、前記残留物が検知されなかった該容器を洗浄する洗浄機構部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の容器残留物検出処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流分野で用いられる主に樹脂製の折り畳み容器(折り畳み式のコンテナで「オリコン」とも称す)を処理するシステム、特に、折り畳み容器を自動で折り畳み、集積する際に、折り畳み前の容器内の残留物によって物流上のトラブルを生じたり、折り畳み機構あるいは折り畳み容器が破損することを防止する折り畳み容器残留物検出処理システムに関する。
【0002】
また、オリコンのような折り畳み容器に限定せず、物流に用いられる再利用される容器に関し、再利用前の容器内の残留物によって同様のトラブルが生じることを防止する容器残留物検出処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
物流の分野においては、特に生協などの個人宅配向けビジネスが良く知られているが、これら宅配向けにスナック菓子や缶詰などの常温品を配送する場合に折り畳み容器を使用する場合があり、牛乳やアイスクリームのような冷蔵品、冷凍品など温度管理が必要な物品を配送する場合には、発泡スチロール製のケース(「シッパー」とも呼ばれる)を利用する場合が多い。
【0004】
また、折り畳み容器は物流センター内での物品の集約作業の通い箱として用いられる場合も多い。すなわちこれらの容器は物品を保管・運送するための容器として多用途に使用しており、折り畳み容器の場合、使用しないときには折り畳んで容量を減じてコンパクトに保管・集積をしている。
【0005】
これらの容器は物流センター内で通い箱として用いられる場合はもちろん、客先に配送されるものも原則として再利用されるものであり、そのため、特に客先への集約作業に用いる前に容器内を清潔に保つため、ごみやビニール袋などの残置物がないか確認をしたうえで洗浄機にかけられ、折り畳み容器(オリコン)の場合は専用の折り畳み機械で折りたたまれて保管される。
【0006】
特許文献1には、折り畳み容器を自動的に折り畳み、一定量段積みし、更に段積みされた折り畳み容器を隣接するコンベヤ上に送り出す、スタッククローザーと称する折り畳み容器を自動的に折りたたむ装置の技術思想が開示されている。
【0007】
これによれば、折り畳み容器を折り畳み、集積し、送り出す一連の作業が自動化され、労力の削減に寄与するとの効果を奏している。
【0008】
しかしながら、この装置に送り込まれる折り畳み容器の中に残留物があるかどうか、残留物があった場合に、それを自動的に検知できるかどうかについては、何ら言及がないため、残留物があった場合の物流上のトラブル、折り畳み機構あるいは折り畳み容器の破損などの発生を防止することは困難であるという問題点がある。
【0009】
特に、トラブルの例としては、折り畳み容器内に残留物が存在したままスタッククローザーで折り畳まれ、保管されると、残留物が商品だった場合は商品の紛失となったり、商品が固いものの場合は容器を破損する場合もある。また、客先の玄関先に配送留置中に落ち葉のようなゴミが混入したり、ビニール袋などの残留物が残ったまま物流センターに戻され再利用されると、不衛生であり、後の利用者に不快感や混乱を与えることになる。
【0010】
そこで、折り畳み容器を自動の折り畳み装置に供給する前には、作業員が折り畳み容器の内部を目視にてチェックし、残留物がないことを確認したうえで、自動の折り畳み装置に供給することが通例である。
【0011】
しかしながら、作業員の目視確認では、作業員が見落として完全には残留物を発見・除去できない場合もあり、その際の装置や容器の損傷、それらの解消に要する装置停止時間などの損失が極めて大きいため、それらに対応できる自動化システムが望まれている。
【0012】
なお、オリコンのような折り畳み容器に限定せず、発泡スチロール製のシッパーのような他の容器についても残留物による物流上のトラブルの恐れはあり、それによる物理的・経済的な損失は大きいため、それらに対応できる自動化システムが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、上記問題を解決するために、本発明は、折り畳み容器を自動で折り畳み、集積するシステムであって、折り畳み前の容器内の残留物によって物流上のトラブルを生じたり、折り畳み機構あるいは折り畳み容器が破損することを防止する折り畳み容器残留物検出処理システムを提供することを課題とした。
【0015】
併せて、本発明は、折り畳み容器に限定せず、物流に用いられる再利用される容器に関し、再利用前の容器内の残留物によって同様のトラブルが生じることを防止する容器残留物検出処理システムを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる課題を解決するため、本発明の第1の態様は、折り畳み容器残留物検出処理システムであって、
-折り畳み容器をシステム内に供給するための容器供給部と、
-容器供給部から供給された前記折り畳み容器の内部の残留物を検知する容器残留物検知部と、
-前記検知部で残留物が検知された該容器を排除する容器排除部と、
-前記検知部で残留物が検知されなかった該容器を折り畳む容器折り畳み部と、
-このシステムの各部を制御するシステム制御部と
を有することを特徴とする。
【0017】
ここで、容器残留物検知部としては、レーザセンサが好適である。レーザセンサは、容器の上方からレーザー光を照射して計測した距離を基に異物(残留物)があるかどうかを検知するものであり、mm単位で設定が可能なため、透明のビニール袋、紙(折り目がついているもの)、輪ゴム、商品、段ボールの切れ端などを検知することができる。
【0018】
なお、レーザセンサは折り畳み容器の内部に満遍なくレーザ光が当たるように2個以上設けることが望ましい。
【0019】
ここでレーザセンサを用いることの利点は、厚み(高さ)のある残留物を検知する手段としては、カメラなどの画像センサに比べて、比較的安価であり、導入が容易であるという点である。
【0020】
但し、更に、底面にへばりついている紙類、容器の傷、水などの液体などのように厚み(高さ)が小さいか、厚みを有さないものの検知の場合は、カメラなどを用いた画像検知で行っても、レーザーと組み合わせてもよい。より精緻な検知が可能となる。
【0021】
次に、本発明の第2の態様は、第1の態様の折り畳み容器残留物検出処理システムであって、更に、折り畳まれた前記折り畳み容器を段積みする容器段積み部を有することを特徴としてもよい。
【0022】
このようにすると、折り畳まれて容積が減少した折り畳み容器を、更に段積みすることにより、省スペースでの保管が可能となる。
【0023】
次に、本発明の第3の態様は、第2の態様の折り畳み容器残留物検出処理システムであって、段積みされた前記折り畳み容器を搭載するパレット部を有することを特徴としてもよい。
【0024】
このようにすると、段積みされた折り畳み容器をパレットに搭載したので、パレットに載置した状態で、フォークリフトや無人搬送車(AVR、AMRなど)などで、物流施設内あるいは施設外の適切な場所まで輸送して保管することができる。
【0025】
次に、本発明の第4の態様は、第1の態様の折り畳み容器残留物検出処理システムであって、更に、前記残留物が検知されなかった前記容器を前記折り畳み部で折り畳む前及び/または折り畳んだ後に、該容器を洗浄する洗浄機構部を設けたことを特徴としてもよい。
【0026】
このようにすると、特に衛生面を重視する食品や薬剤などの配送においては、顧客や消費者の高い信頼を得ることができる。
【0027】
更に、本発明の第5の態様は、容器残留物検出処理システムであって、
-容器をシステム内に供給するための容器供給部と、
-前記容器供給部から供給された前記容器の内部の残留物を検知する容器残留物検知部と、
-前記検知部で残留物が検知された該容器を排除する容器排除部と、
-このシステムの各部を制御するシステム制御部と
を有することを特徴とする。
【0028】
このようにすれば、折り畳み容器に限定しない物流用の再利用される容器について、容器内に残留物があった場合にも、適切に検知し、その容器を自動で排除することができるため、物流トラブルの発生を防止することができる。
【0029】
なお、この態様における容器残留物検知部は、高さをほぼ有しないような液体などの残留物もあることから、現状のレーザセンサでは検知できない場合もあり、更に高度な検知能力を有する画像センサであることが望ましい。
【0030】
次に、本発明の第6の態様は、第5の態様の容器残留物検出処理システムであって、更に、前記残留物が検知されなかった前記容器を洗浄する洗浄機構部を設けたことを特徴としてもよい。
【0031】
このようにすると、特に衛生面を重視する食品や薬剤などの配送においては、顧客や消費者の高い信頼を得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、折り畳み容器を自動で折り畳み、集積するシステムにおいて、折り畳み前の容器内の残留物によって物流上のトラブルを生じたり、折り畳み機構あるいは折り畳み容器が破損することを防止する折り畳み容器残留物検出処理システムが実現できる。
【0033】
併せて、本発明によれば、折り畳み容器に限定せず、物流に用いられる再利用される容器に関し、再利用前の容器内の残留物によって同様のトラブルが生じることを防止する容器残留物検出処理システムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る容器残留物検出処理システムの平面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るシステムの折り畳み容器の斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るシステムの容器残留物検知部の斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るシステムの容器残留物検知部の斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るシステムの容器排除部の斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るシステムの容器折り畳み部などの正面図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係るシステムの容器折り畳み部などの平面図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係るシステムの容器折り畳み部の側面図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係るシステムの容器段積み部103の側面図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係るシステムの運用のフローチャートである。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る容器残留物検出処理システムの平面図である。
【0035】
以下、図面を参照し、本発明の第1の実施形態にかかる折り畳み容器残留物検出処理システムについて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0036】
<構成>
図1は本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1の平面図である。折り畳み容器残留物検出処理システム1は、折り畳み容器111を供給する(送り込む)容器供給部200、折り畳み容器の内部の残留物ZBを検知する容器残留物検知部300、この検知部で残留物ZBが検知された容器111RJを排除する容器排除部400、残留物ZBが検知されなかった容器111を折り畳む容器折り畳み部102、このシステムの各部を制御するシステム制御部500とを有する。
【0037】
更に、折り畳まれた容器11を段積みする容器段積み部103、段積みされた折り畳み容器111を搭載するパレット搭載部600を有する。
【0038】
更に、残留物が検知されなかった容器を、折り畳み部で折りたたむ前に洗浄する洗浄機構部(図示せず)を有していてもよい。
【0039】
洗浄機構部は、水流を用いて容器の内部及び外部を洗浄するものが実用化されており、更に、脱水・乾燥などの機能を有しているものもある。
【0040】
洗浄機構部は、折り畳み部の前に設けられ、ラインに組み込まれて人手を介さずに自動で洗浄作業がなされることが好適であり、容器内部まで十分な洗浄が可能である。
【0041】
但し、状況によっては全自動ではなく、人手による補助作業を要する場合があってもよく、また、効率を重視するなどの理由から、折り畳み部の後に設けてもよい。
【0042】
図2は本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1に用いられる折り畳み容器111の一例を示す斜視図である。
図2(a)が広げた状態、
図2(b)が折り畳み途中で、短手方向の側板1111が跳ね上げられ、長手方向の側板1112が上下方向に折り畳まれつつある状態、
図2(c)が完全に折り畳まれた状態を示している。
【0043】
なお、折り畳まれた状態では、折り畳み容器111は上下方向に隙間なく積重ねられる構造となっている。
【0044】
容器供給部200はローラコンベヤで構成され、作業員が折り畳み容器111を広げた状態でコンベヤに載置する。載置された容器111はコンベヤの動作により、容器残留物検知部300へ送り込まれる。
なお、折り畳み容器111を
【0045】
図3は本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1の容器残留物検知部300の一例の斜視図である。
【0046】
容器残留物検知部300は、折り畳み容器111を搬送する容器残留物検知部コンベヤ301、容器残留物検知部コンベヤ301の上部で水平方向に延伸するセンサ保持部302、センサ保持部302に保持され、上部から折り畳み容器111の内部を検知する2個の残留物検知センサ303aを有している。
【0047】
残留物検知センサ303aは、距離設定型の反射式のレーザセンサであり、スポットビームのものが簡便であり、広い範囲を検知できるように2個を使用している。
【0048】
具体的には、折り畳み容器111をコンベヤ301で移動中に、折り畳み容器111の上方からレーザー光を照射して計測した距離を基に異物(残留物ZB)があるかどうかを検知するものであり、折り畳み容器111の長手方向に沿って連続的に検知が可能で、検知精度はmm単位で設定が可能なため、透明のビニール袋、紙(折り目がついているもの)、輪ゴム、商品、段ボールの切れ端などを検知することができる。
【0049】
図4は本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1の容器残留物検知部300の別の例の斜視図である。更に確実に残留物ZBを検知するには、 ラインビームの残留物検知センサ303bを用いてもよい。これによると折り畳み容器111の床面全域を漏れなく検知することが可能である。
【0050】
なお、残留物検知センサ303の個数については、上記の例に限定せず、1個、あるいは3個以上であってもよい。また、検出方法についても、今後実用化される方法も含め、どのような方法であってもよい。
【0051】
また、底面にへばりついている紙類、容器の傷、水などの液体などのように厚み(高さ)が小さいか、厚みを有さないものの検知の場合は、カメラなどを用いた画像検知を行ってもよい。より精緻な検知が可能となる。
【0052】
図5は本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1の容器排除部400の斜視図である。容器排除部400は残留物ZBが検知された折り畳み容器111RJを排除するもので、容器排除部直進ローラコンベヤ401と、そのコンベヤのローラの間から直角方向に搬送可能な分岐ローラ402と排除側ローラコンベヤ403とを有し、排除(分岐)が必要な場合には分岐ローラ402を突出して、直角方向の排除側ローラコンベヤ403へと折り畳み容器111RJを分岐する。
【0053】
なお、容器排除部400は、上記の構造には限定されず、直角方向または斜め方向に分岐できる機構であれば、コンベヤとの組み合わせで、例えばローラコンベヤとスライドシューによるもの、幅狭ベルトと仕分けホイールによるもの、幅広ベルトとクロスベルトによるもの、などどのようなものであってもよい。
【0054】
次に、容器折り畳み部102と容器段積み部103について説明する。
図6は本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1の容器折り畳み部102と容器段積み部103の正面図、
図7は容器折り畳み部102と容器段積み部103の平面図、
図8は容器折り畳み部102の側面図、
図9は容器段積み部103の側面図である。
【0055】
基台101上に容器折り畳み部102と容器段積み部103とが基台101の上に設けられている。
【0056】
容器折り畳み部102は、組み立てられた折り畳み容器111が十分入る大きさの長方形枠体104の上部に水平に設けた前後枠112において、前後の前後枠112を連結するような形状で回転軸113を左右に設け、該回転軸113の中央部に平面形が門型状で側面形が鎌形状の折り込み片105を固定し、かつ、前後枠112にシリンダー114を固定し、シリンダー114より突出入するロッド115の先端を回転軸113に固定したレバー116にアーム117を介して枢着し、ロッド115の出入によりレバー116を180度近くに回動させることができるようにし、かつ、前後枠112に設けたシリンダー114のロッド115は互いに反対方向に出入し、鎌形状の折り込み片105を左右から長方形枠体104内に出入できるようにしたものである。
【0057】
基台101と前後枠112の中間で水平な支板118を前後に各々一枚ずつ固定し、支板118の中央にシリンダー106を水平かつ支板118に直角に取付け、シリンダー106のロッド119を長方形枠体104内に出入自在に設け、シリンダー106の左右にシリンダー106と平行にガイドピン120を摺動自在に設けると共に、ガイドピン120とロッド119の先端に押し板121を設けるものである。
【0058】
容器段積み部103は、折り畳まれた折り畳み容器111が十数段段積みでき、かつ送り出すことができる大きさの長方形枠体107の下部の中央にシリンダー122を固定し、シリンダー122のロッド123に水平な枠体124を固定し、該枠体124の四隅に情報に向けて押し上げ棒125を垂直に固定し、基台101状に設けたローラコンベヤ110の間に出入自在に位置させて押し上げ部材108を形成する。
【0059】
また、前後の押し上げ棒125の上端を横パイプ125aで連結しておくものである。
【0060】
長方形枠体107の前後面で左右の縦枠間の中間に水平に支板126を取付け、支板126の中央下方向に向けシリンダー127を設け、シリンダー127のロッド127aの下端に上下動板128を取付けると共に、上下動板128の左右にボス129を設け、該ボス129の縦孔にガイド棒130を挿通し、ガイド棒130の上下端を枠体107の左右の縦枠の中間の上下に取付けたアングル材131に固定するものである。
【0061】
次に上下動板128の中央に直角にしてシリンダー131を取付け、シリンダー131のロッド131aを枠体107に出入自在にすると共にロッド131aの先端に押圧板132を取付けロッド131aを伸ばした時、押圧板132が折り畳まれた最下部の折り畳み容器111を前後面より挟着するようにしたものである。
【0062】
ガイド棒133はシリンダー131の左右にシリンダー131と平行に設けられ、内端は押圧板132に取付けられて押圧板132が平行を保つようにされているものである。
【0063】
システム制御部500は、このシステムを制御するもので、汎用のサーバまたはPCが好適であり、CPU、記憶部、入出力部、表示部、通信インターフェースなどを備えており、このシステムの各部(容器供給部200、容器残留物検知部300、容器排除部400、容器折り畳み部102、容器段積み部103など)と通信が可能で、動作の指示が可能になっている。
【0064】
なお、システム制御部500は、物流施設全体の制御をおこなうWMSなどに含まれていてもよく、あるいは、クラウドコンピューティングとして外部の資源を用いるようにしてもよい。
【0065】
<運用・動作>
次に本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1の運用及び動作について説明する。
図10は本発明の第1の実施形態に係る折り畳み容器残留物検出処理システム1の運用のフローチャートである。
【0066】
まず、作業員が、再利用する折り畳み容器111を容器供給部200のコンベヤ上に載置し、容器供給部200がセンサなど(図示せず)によって載置された折り畳み容器111を検出する。(ステップ S101)
【0067】
なお、折り畳み容器111については、作業員によって載置されるほかに、上流のコンベヤなどから自動的に送り込まれてもよい。
【0068】
容器供給部200が、コンベヤを動作して載置された折り畳み容器111を容器残留物検知部300へと送り込む。(S102)
【0069】
容器残留物検知部300が、折り畳み容器111の内部を検知する。(S103)その結果、内部に残留物があるかどうかを判断する。(S104)
【0070】
容器排除部400が残留物のある折り畳み容器111RJを分岐する。(S201)なお、分岐された折り畳み容器111RJは作業員によってコンベヤから取り除かれ、その後は残留物を除去して再利用されるか、あるいは、再利用不可として処分されることになる。
【0071】
容器排除部400が、残留物のない折り畳み容器111を通過させ、容器折り畳み部102に送り込む。(S301)
【0072】
容器折り畳み部102が、折り畳み容器111を折り畳む。(S302)
容器折り畳み部102の具体的な動作は次のようになっている。
【0073】
折り畳み容器111がコンベヤにて容器折り畳み部102に送られて来るとシリンダー114が作動してロッド115を伸ばし折り込み片105が回動して折り畳み容器111の左右板を上部を支店にして内部方向に回動し折り畳み容器111の前後板の中間の枢着部を過ぎて上昇するとシリンダー106が作動してロッド119を伸ばし折り畳み容器111の前後板の中間の枢着部を押し板121で内部方向に折り込む。
【0074】
そしてそのあとは折り畳み容器111の上部重量で自動的に折り畳み容器111の上部枠が下降して折り畳み容器111が折り畳まれると同時にシリンダー114、シリンダー106が作動して各々のロッド115、ロッド119を元位置に戻し、折り畳まれた折り畳み容器111は容器折り畳み部102より送り出され容器段積み部103に送られる。
【0075】
次に、容器段積み部103が折り畳み容器111を段積みする。(S303)
容器段積み部103の具体的動作は次のようになっている。
【0076】
容器段積み部103の前部入口側に設けたシリンダー134の作動でロッド134aが下方向に延び、ロッド134aの下端に設けたアングル材より成るストッパ135で停止されている。
【0077】
この間にシリンダー131が作動してロッド131aを伸ばし折り畳まれて積重ねられている最下部の折り畳み容器111を押圧板132で前後から挟持する。
【0078】
同時にシリンダー127が作動してロッド127aをシリンダー127内に引き上げるのでロッドの下端の上下動板128が引き上げられ、これと同時にシリンダー122が作動してロッド123を伸ばし、ロッド123の上端に設けた枠体124に取付けた押し上げ棒125で折り畳み容器111を上方に押し上げてシリンダー127の作動を助成する。
【0079】
折り畳まれた一段分の折り畳み容器111が十分入る高さになったとき、シリンダー122は作動してロッド123をシリンダー122内に引き戻し押し上げ棒125をコンベヤの上面より下げるとシリンダー134が作動してロッド134aを引き上げる。
【0080】
すると、ストッパ135が折り畳み容器111よりはずれるので折り畳み容器111は容器段積み部103内に送り込まれて一定位置にて停止すると同時にシリンダー127とシリンダー131が作動して上下動板128を下げると共に押圧板132を折り畳み容器111より離すので上部の折り畳み容器111は送り込まれてきた折り畳み容器111上に重合する。
【0081】
これを順次くり返し一定高さが容器段積み部103内で重合されるとモータ136が作動してコンベヤ137が回動して段積みされた数段の折り畳み容器111aがコンベヤ137に隣接して設けられているパレット搭載部600(図示せず)のパレット138上に送り出され保管場所まで送られる。(S304)
【0082】
これまで説明した動作の制御はシステム制御部500あるいは各部に分散配置された制御部によってなされ、図示するまたは図示しないセンサを用いて電気的に作業を継続していくものであって適宜にセンサにより折り畳み容器111を感知し電気回路を制御してオイル又はエアのポンプを作動してシリンダあるいはコンベヤ又はモータを作動させるように電気回路を組み合わせればよいものであり、この電気回路はいずれの回路構成を用いてもよいものである。
【0083】
モータ138aはコンベヤ139を作動するものであり、無端ベルト139a、無端ベルト140はコンベヤ110,コンベヤ139及びコンベヤ137を作動するものであり、モータ138a及びモータ136のプーリによって回動できるようにしたものである。
【0084】
このように、基台101上に容器折り畳み部102と容器段積み部103とを設け、容器折り畳み部102の長方形枠体104の上部左右に鎌形状の折り込み片105を回動自在に設け、長方形枠体204の前後面の中間にロッドを突出入するシリンダー106を設け、容器段積み部103の長方形枠体107の下部に押し上げ部材108を設けると共に右側出口部にストッパー109を上下動自在に取付け、かつ基台101上にコンテナ搬送用コンベヤ110を設けてなるので広げられて使用され空になったコンテナを自動的に折り畳み次々と段積みして一定高さに重合したら自動的に次工程、たとえばパレット部600や、コンベヤなどに送ることができるので作業員が一箱ずつコンテナを折り畳み重合していく手間を省くことができるなどの効果を有するものである。
【0085】
次に、本発明の第2の実施形態に係る容器残留物検出処理システム10を説明する。
なお、第1の実施形態と同一の部分は説明を省略する場合もある。
【0086】
<構成>
図11は本発明の第2の実施形態に係る容器残留物検出処理システム10の平面図である。容器残留物検出処理システムは、容器1110を供給する(送り込む)容器供給部2000、容器の内部の残留物を検知する容器残留物検知部3000、この検知部で残留物が検知された容器1110RJを排除する容器排除部4000、このシステムの各部を制御するシステム制御部5000とを有する。
【0087】
ここで対象となる容器は、発泡スチロール製の、宅配利用者への配送に繰り返し用いられる容器を想定しているが、それに限定せず、金属製、樹脂製、木製、段ボール製などで、折り畳むことができないものを含むものとする。
【0088】
また、この実施形態の場合の残留物は、厚みのあるものだけでなく、容器を再利用することが不適切な液状物やその痕跡を含むものとする。
【0089】
容器残留物検知部3000は、厚みのない物も検出するために、画像センサであることが好適であり、特に液状物の乾いた痕跡の場合には、色彩、形状(模様)、濃度などから、予め設定された基準に従って、残留物の有無を判定する。
【0090】
なお、これらの基準に関しては、AI技術を用いてもよい。すなわち、それまでに得られた多数の画像から排除すべきと判定する基準を策定し、それにより排除する容器を特定してもよい。
【0091】
但し、容器残留物検知部300のセンサは、画像センサに限定されるものではなく、それ以外でも、厚みが小さいか、厚みのない残留物を検知可能であれば、どのようなセンサであってもよい。
【0092】
容器排除部4000は第1の実施形態と同様で、残留物のある容器を別方向に分岐するものである。
【0093】
更に、残留物が検知されなかった容器を洗浄する洗浄機構部(図示せず)を有していてもよい。
【0094】
洗浄機構部は、水流を用いて容器の内部及び外部を洗浄するものが実用化されており、更に、脱水・乾燥などの機能を有しているものもある。
【0095】
洗浄機構部は、ラインに組み込まれて人手を介さずに自動で洗浄作業がなされることが好適であるが、状況によっては人手による補助作業を要する場合があってもよい。
【0096】
<運用・動作>
本発明の第2の実施形態に係る容器残留物検出処理システムの運用及び動作は、第1の実施形態の前半部分(容器排除まで)と同様であるので、記載を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明の容器残留物検出処理システムは、広く物流業界で用いることができ、安全性、利便性、顧客への適切なサービス提供などの点で優れており、産業上、大いに利用可能な発明である。
【符号の説明】
【0098】
1 折り畳み容器残留物検出処理システム
102 容器折り畳み部
103 容器段積み部
111 折り畳み容器
200 容器供給部
300 容器残留物検知部
400 容器排除部400
500 システム制御部
600 パレット搭載部
ZB 残留物
10 容器残留物検出処理システム
1110 容器
2000 容器供給部
3000 容器残留物検知部
4000 容器排除部
5000 システム制御部