(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111466
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】管内移動ロボット
(51)【国際特許分類】
F16L 55/32 20060101AFI20240809BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20240809BHJP
B61B 13/10 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
F16L55/32
G02B23/24 A
B61B13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015986
(22)【出願日】2023-02-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (刊行物1) 「長距離管内移動ロボットにおける走行負荷低減機構の提案」大学院研究年報理工学研究科編52,中央大学大学院研究年報編集委員会(令和4年9月1日発行) (刊行物2) 「Distributed Deployment With Multiple Moving Robots for Long Distance Complex Pipe Inspection」IEEE Robotics and Automation Letters(Volume:7,Issue:4,October 2022),Page(s):11252-11259,(IEEEロボティクスとオートメーションレター)Page(s):11252-11259,2022年7月18日発行 米国電気電子学会
(71)【出願人】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 太郎
(72)【発明者】
【氏名】内山 航輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 広都
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 文臣
(72)【発明者】
【氏名】澤橋 龍之介
【テーマコード(参考)】
2H040
【Fターム(参考)】
2H040AA02
2H040DA01
2H040DA41
(57)【要約】
【課題】空気供給管や電線等に生じる摩擦を軽減し、管内における移動体の長距離の移動を可能とする管内移動ロボットを提供する。
【解決手段】配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を推進可能に構成され、進行方向前方に配置される前方移動体と、配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を推進可能に構成され、進行方向後方に配置され、前方移動体から延長する配線を利用して前記前方移動体に連結される後方移動体と、前方移動体の進行状態を検出する検出手段と、前記前方移動体及び前記後方移動体の配管内における推進動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記検出手段により検出された進行状態に基づいて前記前方移動体の推進動作の停止又は開始を制御する構成とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を推進可能に構成され、進行方向前方に配置される前方移動体と、
配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を推進可能に構成され、進行方向後方に配置され、前方移動体から延長する配線を利用して前記前方移動体に連結される後方移動体と、
前方移動体の進行状態を検出する検出手段と、
前記前方移動体及び前記後方移動体の配管内における推進動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記検出手段により検出された進行状態に基づいて前記前方移動体の推進動作の停止又は開始を制御する管内移動ロボット。
【請求項2】
前記検出手段は、前記配線の張力を検出する請求項1に記載の管内移動ロボット。
【請求項3】
前記検出手段は、前記前方移動体から前記前方移動体までの距離を検出する請求項1に記載の管内移動ロボット。
【請求項4】
前記制御装置は、前記前方移動体の推進動作を停止するときに、前記前方移動体が配管に対して固定されるように制御する請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載の管内移動ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管内移動ロボットに関し、特に、検査対象とされる管内を移動可能に構成された移動体に、管外からエネルギーを配線により供給して移動体を推進駆動する管内移動ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場では、複雑に張り巡らされた細径の配管が流体の長距離輸送に用いられている。これらの配管は、長期間にわたり利用すると内壁に腐食が発生し、流体の品質低下を招く虞があるため定期的な検査が必要とされる。配管内の検査では、押し込み式の内視鏡が使用されることが多く、先端に設けられたカメラの配線を作業者が掴み、管奥へと押し込むことで配管内の視認検査がなされている。しかし、先端のカメラが管奥へと進むにつれて配線と管内壁との摩擦が大きくなり、作業者によって配線を押し込む力が内視鏡の先端まで伝達されず、先端のカメラが不動となるため、長距離にわたる配管の検査を困難にしている。
そこで、押し込み式の内視鏡に代わる検査手法の一つとして、例えば、先頭に内視鏡のカメラに相当する探査ユニットを備え、配管内を自走可能に構成された管状移動体(以下単に移動体という)を備えた管体内探査装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体は、複数の伸縮ユニットをユニット連結体で交互に連結し、伸縮ユニットを所定の順序で軸方向に伸縮させることにより配管内で推進力を生じさせて、先端にとりつけられた探査ユニットを管奥へと移動させるように構成されている。
しかしながら、伸縮ユニットは、空気圧を利用して伸縮するように構成されているため、管状移動体が配管内を移動する場合には各伸縮ユニットに管外から空気を供給するための空気供給管と、探査ユニットへの電力の供給や画像を出力するための電線を牽引しながら配管内を移動することになる。このとき、空気供給管や電線は、配管の内壁との間で摩擦を生じさせ、管状移動体の進行の負荷となる。その摩擦は、管状移動体が配管の奥に行くほど大きくなり、最終的に管状移動体の進行を妨げる程の負荷となる虞がある。
空気供給管や電線と配管との間で生じる摩擦は、配管における直管部分の内壁に空気供給管や電線が擦れて生じるものと、空気供給管や電線が曲管部分の内壁に押し付けられて生じるものとの2つが主たる要因とされる。
直管部分の摩擦は、長距離の場合、配管の長さ当たりに作用する摩擦力が一定と見なすことができる。また、曲管部分の摩擦は、検査距離の増加に伴い、空気供給管や電線に作用する張力が増加するため、それに従い摩擦力も増加する。長距離複雑管の検査時には、この曲管部分で生じる摩擦力が支配的となるため、曲管部分で生じた摩擦による張力の軽減が必要とされる。
本発明は、上記課題を解決するため、空気供給管や電線等に生じる摩擦を軽減し、管内における移動体の長距離の移動を可能とする管内移動ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための管内移動ロボットの構成として、配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を推進可能に構成され、進行方向前方に配置される前方移動体と、配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を推進可能に構成され、進行方向後方に配置され、前方移動体から延長する配線を利用して前記前方移動体に連結される後方移動体と、前方移動体の進行状態を検出する検出手段と、前記前方移動体及び前記後方移動体の配管内における推進動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記検出手段により検出された進行状態に基づいて前記前方移動体の推進動作の停止又は開始を制御する構成とした。
本構成によれば、移動が停止した前方移動体に後方移動体を近づけることができるので、前方移動体の有線に生じた張力を緩めることができ、前方移動体の長距離の移動を可能とすることができる。
また、管内移動ロボットの他の構成として、前記検出手段は、前記配線の張力を検出するように構成したり、前記前方移動体から前記前方移動体までの距離を検出するように構成したりしても良い。
また、管内移動ロボットの他の構成として、前記制御装置は、前記前方移動体の推進動作を停止するときに、前記前方移動体が配管に対して固定されるように制御することにより、前方移動体が勾配を有する配管を移動しているときに前方移動体の落下を防ぎ、前方移動体が落下したときの前方移動体や後方移動体の破損を防ぐことができる。
また、管内移動ロボットの他の構成として、前記後方移動体は、進行方向前端で前記有線に固定されることにより、センサによる張力の計測精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態に係る管内移動ロボットの概略構成図である。
【
図3】膨縮ユニットの軸方向に沿った断面図である。
【
図14】移動体の動作を制御するフローチャートである。
【0007】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[管内移動ロボットの構成]
以下、本発明の実施形態について、各図に基づき説明する。
図1は、配管z内を移動する管内移動ロボット1の概略構成図である。
図1に示すように、管内移動ロボット1は、配管z内を移動可能に構成された移動体2と、配管z内における移動体2の動作を制御する制御装置100とを備えた構成とされる。
【0009】
本実施形態に係る管内移動ロボット1は、複数の移動体2を備えて構成される。なお、本実施形態では移動体2の数を2つとして説明するがその数量は限定されない。
各移動体2は、独立して配管z内を移動可能に構成される。以下、移動体2について説明する。
【0010】
図2は、移動体2の構成図である。
移動体2は、複数の膨縮ユニット(把持部)20と、複数の連結ユニット(連結部)40と、バルブユニット50とを備えた構成とされる。本実施形態では、移動体2は、膨縮ユニット20と連結ユニット40とが交互に連結されるように、7つの膨縮ユニット20が6つの連結ユニット40で連結され、最後尾の膨縮ユニット20にバルブユニット50が図外の連結手段により連結されている。
【0011】
即ち、移動体2は、進行方向前側から数えて1番目の膨縮ユニット20が前端側連結ユニット40を介して連結され、前側から数えて1番目の膨縮ユニット20と前側から数えて2番目の膨縮ユニット20とが連結ユニット40を介して連結され、以後同様に、前側の膨縮ユニット20と後側の膨縮ユニット20とが連結ユニット40を介して順次連結され、最後尾にバルブユニット50が連結されている。
【0012】
なお、以下の説明において膨縮ユニット20の位置について必要とされる場合には、
図1中矢印で示す進行方向前側から後側に向かって順に、膨縮ユニット20A、膨縮ユニット20B、膨縮ユニット20C、膨縮ユニット20D、膨縮ユニット20E、膨縮ユニット20F、膨縮ユニット20G等という場合がある。
また、以下の説明では、矢印に沿う方向を移動体2の進行方向とし、この進行方向を前側、逆を後側として前後方向を特定する。
【0013】
なお、移動体2を構成する連結される膨縮ユニット20や連結ユニット40の数量は上記に限定されず、適宜変更しても良い。
【0014】
[膨縮ユニットの構成]
図3は、膨縮ユニット20の一構成例を示す軸方向断面図である。膨縮ユニット20は、内筒21と、内筒21とともに二重管を形成するように内筒21の外周を囲むように配設される外筒22と、内筒21及び外筒22の端部に設けられる一対の端部部材23;23とを備える。
【0015】
内筒21は、軸方向に沿って伸縮可能な蛇腹構造を有する断面円形の筒体である。本実施形態の蛇腹構造は、螺旋状の蛇腹構造を有するものとして説明するが、これに限定されない。内筒21を構成する素材には、例えば、軸線の曲がりを許容し、内周側や外周側からの圧力により変形しにくい可撓性を有する素材で構成されることが好ましい。内筒21は、各端部が端部部材23に設けられた内筒固定部28に取り付けられる。
【0016】
図4は、
図3中のA1-A1矢視における外筒22の断面図である。なお、外筒22の厚みについて誇張して示してある。同図に示すように、外筒22は、弾性体より形成される円筒状の筒本体22Aと、当該筒本体22Aの内部において密に内挿された複数の繊維22Bとから構成される。筒本体22Aの材質としては、シリコーンゴム等の合成ゴム、或いは天然ラテックスゴム等の天然ゴム等の気密性及び伸縮性を有する弾性素材が好適である。
【0017】
繊維22Bは、一端側から他端側まで連続するように、軸線に沿って延長するように外筒22の壁厚内に配置され、本実施例では層状に複数積層して密に内挿される。なお、繊維22Bは、積層せずに単層であっても良い。繊維22Bは、筒本体22Aの軸方向に沿って延在するものとして示すが、軸方向に対して交差するように設けても良い。
【0018】
この外筒22は、各端部が端部部材23に設けられる外筒固定部29に取り付けられる。また、前述の一端側から他端側まで連続するようにとは、一本の繊維22Bが外筒22の一端側から他端側に到達する状態や、外筒22の軸方向長さよりも短い複数の繊維が、軸方向に連続的に分布することで一端側から他端側まで到達する状態を意図する。
【0019】
繊維22Bの素材には、軸方向への伸縮変化の小さい素材が好適である。例えば、繊維22Bの素材には、例えば、アラミド繊維、炭素(カーボン)繊維、ガラス繊維、ナイロン、ポリアミド系繊維やポリオレフィン系繊維、金属繊維等の被伸長性を有するものを適宜選択して用いることができる。
また、繊維22Bには、筒本体22Aとの密着性を考慮して、適当なプライマー処理、又は、表面酸化処理等を行うと良い。
【0020】
また、繊維22Bの形態は、フィラメント、ヤーン(スパン・ヤーン及びフィラメント・ヤーン)、ストランド等のいずれの形態でも用いることができ、さらに、撚りをかけずに収束させた無撚繊維、これらの繊維を複数本撚って作成した繊維を用いることも可能である。繊維の種類にもよるが、二種類以上の素材の異なる繊維や形態の異なる繊維を組み合わせても良い。
【0021】
筒本体22Aを形成する素材は、後述する気密室Sへの圧縮空気の給排によってその形状が変化し得る材質であれば如何なる材質であっても良い。また、筒本体22Aの厚さや繊維22Bの配置については、外筒22の空気排出時の伸長する力等を考慮して決められる。
【0022】
端部部材23は、例えば樹脂や硬質のゴム、金属等により円筒状に形成された円筒体であって、内筒21を固定する内筒固定部28と、外筒22を固定する外筒固定部29とを備える。内筒固定部28は、内筒21の外周を嵌着可能に端部部材23の内周面の一端側に設けられる。
【0023】
本実施形態では、内筒21が螺旋状の蛇腹構造を有するものとしたので、例えば、内筒固定部28は、内筒21の螺旋形状を利用し、内筒21の外周をねじ込み可能な螺旋溝として形成されている。以下、端部部材23において軸方向に内筒固定部28が設けられた側を内側といい、その逆側を外側という。
【0024】
例えば、内筒固定部28を形成する螺旋溝は、内筒21との気密性を考慮し、少なくとも内筒21の外周側において螺旋を描く山部の1ピッチ以上となるように形成すると良い。また、内筒固定部28は、例えば、内筒21の外周面と密着するように形成しておくことにより、内筒21との気密性をより確実なものとすることができる。このように、内筒21は、端部部材23;23と一体化されることにより、端部部材23;23の内周側の空間とともに軸方向に貫通する中空空間を膨縮ユニット20に形成する。
【0025】
外筒固定部29は、端部部材23の外周面に形成される。外筒固定部29は、内筒固定部28に固定された内筒21の端面よりも所定距離軸方向外側に位置し、端部部材23の外周を軸方向外側に行くにしたがって外径が漸次小径となるように、例えば球面状やテーパー状等に形成すると良い。
【0026】
外筒22は、端部が外筒固定部29を軸方向外側に過ぎるように外筒22を配置した状態において、端部部材23の軸方向外側からリング状のカシメ部材30を外筒22の外周面側に被せ、さらにカシメ部材30の外側から半円状に形成された一対の固定部材32で端部部材23の外周面に挟み込むように固定することで端部部材23に固定される。
【0027】
このように内筒21及び外筒22の端部を端部部材23;23に固定することにより、膨縮ユニット20には、内筒21の外周面と端部部材23の外周面及び外筒22の内周面によって囲まれた閉空間としての気密室Sが形成される。
【0028】
さらに、端部部材23には、連結ユニット40を固定するためのジョイント固定部34と、気密室Sへの空気の給排を可能にする給排孔36が設けられる。
【0029】
ジョイント固定部34は、例えば、端部部材23に外筒22を固定した状態において前述の固定部材32よりも軸方向外側に露出して設けられる。ジョイント固定部34は、例えば、端部部材23の肉厚方向(半径方向)に貫通するねじ孔として形成される。
【0030】
給排孔36は、内周側から内筒固定部28と外筒固定部29との間に形成された気密室Sに空気を給排可能に形成される。例えば、給排孔36は、端部部材23の内周面から端部部材23の内側の端面に貫通する貫通孔として形成される。この給排孔36には、気密室Sに空気を供給、気密室Sに供給した空気を排出するためのチューブ5が接続される。
【0031】
図5は、膨縮ユニット20の動作を示す図である。膨縮ユニット20は、気密室Sに空気を供給することにより、軸方向に長さがx1からx2へと収縮するとともに径方向に外径がd1からd2へと拡径する。また、気密室Sから空気を排出することにより軸方向の長さがx2からx1へと伸長するとともに径方向に外径がd2からd1へと収縮する。
【0032】
以下、配管zの内壁に接するように気密室Sに空気が供給された状態を膨張状態、気密室Sから空気が排出された状態を収縮状態という。膨縮ユニット20は、空気を供給し、膨張させることにより、外筒22の外周面と配管zの内壁とに摩擦を生じさせるアクチュエータとして機能する。
【0033】
[連結体の構成について]
図6は、連結ユニット40の一例を示す外観図である。
連結ユニット40は、膨縮ユニット20に取り付けられる一対の取付体41と、取付体41同士を結合する結合体42と、コイルばね44とを備え、ユニバーサルジョイントとして機能するように構成される。
【0034】
取付体41は、例えば、端部部材23の外周に嵌着可能な大きさに形成された円筒状の基部41Aと、基部41Aの一側側において直径方向に互いに対向し、基部41Aの軸方向に沿って延長するように同一の長さで突設された一対の突片41B;41Bを備える。
【0035】
結合体42は、取付体41の突片41B;41Bの内周面側を摺動可能な外径を有する環状部材として形成される。連結ユニット40は、一方の取付体41の突片41B;41Bと、他方の取付体41の突片41B;41Bとを対向させ、互いに90°捻じれた位置となるように結合体42を挟んで向かい合わせで取り付けられる。
【0036】
各取付体41は、例えば、各突片41Bの肉厚方向及び結合体42の肉厚方向に軸部材43を介して連結することで、各取付体41が結合体42に対してそれぞれ軸部材43を軸として回転可能に取り付けられる。このように、結合体42を介して取付体41を連結することにより、連結ユニット40の内周側に、一方の取付体41の端部から他方の取付体41の端部に連続する中空空間が形成されるとともに、多自由度の屈曲を可能とする各取付体41と結合体42の間に互いの干渉を防ぐ逃げ空間が形成される。
【0037】
図6(a),(b)に示すように、コイルばね44は、結合体42を介して連結された一方の取付体41及び他方の取付体41の内周側に設けられる。コイルばね44は、例えば、一方の取付体41の内周側から結合体42の内周を経て他方の取付体41の内周側に至る長さを有し、外径が結合体42の内径よりもやや小さい寸法とされる。
【0038】
コイルばね44は、例えば、端部が一方の取付体41や他方の取付体41の基部41Aの内周面から突出するように端部を支持する着座部(図外)を設けることで、取付体41;41と一体化され、取付体41;41の内周から脱落不能とされる。このように、連結ユニット40がコイルばね44を内包していることにより、一方の取付体41に対する他方の取付体41の屈曲を許容しつつコイルばね44の弾性(復元力)により一方の取付体41と他方の取付体41とを直線的に配置させることができる。
【0039】
また、各取付体41;41の基部41Aは、貫通孔46を備える。貫通孔46は、取付体41に膨縮ユニット20の端部部材23を挿入したときに、膨縮ユニット20に設けられたジョイント固定部34に重なるように設けられる。そして、貫通孔46に図外のボルトを挿入し、ジョイント固定部34にねじ込み、締め付けることで、膨縮ユニット20の端部部材23に取付体41が固定される。
【0040】
これにより、連結ユニット40を介して膨縮ユニット20;20同士が連結される。連結ユニット40により連結された膨縮ユニット20:20は、各軸線が一直線上に位置する直線状態や各軸線が交差する屈曲状態となることができる。
【0041】
膨縮ユニット20及び連結ユニット40のそれぞれが軸方向に貫通する中空空間を有することにより、膨縮ユニット20及び連結ユニット40を連結して構成された移動体2は、全体として管状をなし、先端から後端まで連続する一つの連続中空空間が形成される。
【0042】
連続中空空間は、例えば、膨縮ユニット20に個別に接続されるチューブ5の延長経路として利用される。
【0043】
[支持手段]
図7は、移動体2に取り付けられた支持手段の平面図である。
図2に示すように、支持手段15は、例えば、各膨縮ユニット20の前側及び後側に設けられる。
図7に示すように、各膨縮ユニット20により構成される移動体2全体を配管zの中心線側に配置するためのセンタリング手段として機能する。
【0044】
図7に示すように、支持手段15は、例えば、膨縮ユニット20の両端に設けられる端部部材23;23の外周、又は、膨縮ユニット20の両端に連結される連結ユニット40の外周に嵌着可能なリング状のベース部材15Aに、該ベース部材15Aの円周方向に複数の繊維15Bが放射状に延長するように構成される。
【0045】
図7に示すように、放射状に設けられる複数の繊維15Bは、例えば、繊維15Bの先端が配管zの内壁に達する長さ、かつ、膨縮ユニット20の配管zの中心線近傍への配置状態が維持されるような剛性を有するものが好ましい。また、ベース部材15Aの外周に設けられる複数の繊維15Bは、例えば、移動体2が前進したときに、前方の空気が後方に逃げられる程度の繊維15Bの隙間、若しくは密度を有するようにすると良い。
【0046】
なお、支持手段15は、繊維15Bを用いたものに限定されないが、好ましくは、移動体2を構成する膨縮ユニット20や連結ユニット40が配管zの中心線近傍への配置状態を維持することができ、さらに移動時の摩擦が小さいものとすると良い。
【0047】
[バルブユニット]
図8は、バルブユニットの組み立て断面図である。
バルブユニット50は、移動体2の一部として移動体2の最後尾に設けられる(
図1参照)。バルブユニット50は、連結された膨縮ユニット20に圧縮空気を所定の順序で供給、供給した圧縮空気を排出可能に構成される。
【0048】
本実施形態に係るバルブユニット50は、配管z外に設けられたコンプレッサー等の空気供給手段から圧縮空気が供給される給気部52と、給気部52に供給された圧縮空気の分配や排出を制御する流路切替弁54と、分配シリンダ56と、モーター58とを備えた構成とされる。
【0049】
給気部52は、円筒状に形成された格納ケース60の一端側に固定される。給気部52は、格納ケース60の一端側を閉塞可能に形成された円板状の蓋体62に、圧縮空気の給気路61を形成する流路ブロック64を一体化して構成されている。
【0050】
蓋体62は、中心に板厚方向に貫通する円孔63が形成されている。円孔63には、後述の流路切替弁54の先端部が貫通し、流路切替弁54の先端を支持する。
【0051】
流路ブロック64は、平板状の板状部65と、蓋体62から露出可能に板状部65の一方の面から突出して形成された突出部66とを備えた構成とされている。
流路ブロック64は、突出部66が形成された面を蓋体62に対向させ、密着した状態でボルト等の固定手段により固定される。
【0052】
突出部66は、例えば、蓋体62が格納ケース60の一端側に取り付けられたときに蓋体62の内壁側(蓋体62の中心からオフセットされた位置)から露出するように蓋体62の設けられた貫通孔や切り欠きなどを介して蓋体62の逆側の外面側から露出可能に設けられている。
【0053】
板状部65は、蓋体62に取り付けられた状態で、蓋体62の内面側の中心部分を覆うように形成される。板状部65には、流路ブロック64が蓋体62に固定された状態で、蓋体62の設けられた円孔63の中心と同軸に板厚方向に貫通する円孔67が形成されている。
【0054】
円孔67は、該円孔67の内周面に円周方向に沿って一周に渡り窪む溝68を備えている。
【0055】
流路ブロック64の内部には、一端が蓋体62から露出する突出部66に開口し、他端が溝68に開口する前述の給気路61が形成される。蓋体62側に開口する給気路61には、後述の制御装置100から供給される圧縮空気が流通するチューブ6の端部を接続するための継手69が設けられている。
【0056】
図9は、流路切替弁の外観図及び断面図である。
図8,
図9に示すように、流路切替弁54は、バルブ軸70と、制御カム72とを備えた構成とされる。
図9に示すように、バルブ軸70は、本体部70Aとキャップ70Bとを一体にして構成されている。本体部70Aは、一端側から軸方向に沿って他端側に向けて延長する中空部73と、他端側から軸方向に沿って一端側に向けて延長する中空部75とを備える。中空部73及び中空部75は、隔壁71を介して個別の空間として区画される。中空部73は、キャップ70Bを本体部70Aの一端側の端部に取り付けることで閉鎖されている。
【0057】
バルブ軸70は、外観視において一端側から他端側に向けて階段状に外径が小さくなるように形成された円柱状の軸体であって、最も外径が小さい側から先端支持部74、給気流入部76、ギア装着部78、給排制御部80とを備えた構成とされる。先端支持部74、給気流入部76、ギア装着部78、給排制御部80は、それぞれ同軸上に位置する円柱状に形成される。
【0058】
先端支持部74は、蓋体62に設けられた円孔63に挿入可能かつ、蓋体62に対して回転可能な寸法で形成される。
【0059】
給気流入部76は、先端支持部74が蓋体62の円孔63に挿入されたときに、流路ブロック64の板状部65に設けられた円孔67に挿入され、流路ブロック64に対して回転可能な寸法で形成される。また、給気流入部76には、該給気流入部76が円孔67に挿入されたときに、円孔67に形成された溝68に対応する位置に、軸方向と直交方向に貫通する円孔77が設けられている。
【0060】
ギア装着部78は、バルブ軸70を該バルブ軸70の軸線周りに回転させるための制御カム72が装着可能に形成される。
【0061】
給排制御部80は、給気ポート82と、排気ポート84とを備える。給気ポート82及び排気ポート84は、軸方向に位置ずれして配置される。本実施形態では、給気ポート82が一端側、排気ポート84が他端側に配置される。また、本実施形態では、給気ポート82が2つ、排気ポート84が5つ設けられている。
【0062】
図9に示すように、2つの給気ポート82と5つの排気ポート84とは、軸方向に位置ずれしているものの、軸方向視したときに円周方向に均等な間隔で設けられている。
【0063】
各給気ポート82は、一端がバルブ軸70の表面に開口し、他端側が中空部82に連通するように半径方向に延長して設けられる。
また、各排気ポート84は、一端がバルブ軸70の表面に開口し、他端側が中空部84に連通するように半径方向に延長して設けられる。
【0064】
なお、給気ポート82及び排気ポート84の数量は、移動体2を構成する膨縮ユニット20の数量及び移動体2の推進動作に応じて設定される。
【0065】
図10は、制御カム72の平面図である。
制御カム72は、平板円環状とされ、バルブ軸70を貫通させてバルブ軸70に固定される。制御カム72は、一面側に放射状に延長する複数の溝86を備える。
溝86は、給気ポート82と排気ポート84に対して所定の位置関係となるようにバルブ軸70に取り付けられる。制御カム72は、モーター58の回転により駆動される。
【0066】
モーター58は、電線7を利用して配管zの外部に設けた制御装置100と接続され、制御装置100から供給する電力により回転が制御される。
モーター58は、制御カム72に回転力を伝達するための回転体87を備えた構成とされる。回転体87は、ピン88は、制御カム72に設けられた溝86への入出、及び溝86に沿った移動が可能に形成された柱状のピン88を備える。
【0067】
ピン88は、モーター58の出力軸58Aの延長方向と平行に延長し、出力軸58Aの回転中心から半径方向に所定距離離れるように回転体87に設けられる。即ち、ピン88は、出力軸58Aとともに回転体87が回転したときに、出力軸58Aの回転中心軸周りを公転するように配置される。
【0068】
モーター58は、該モーター58の回転により公転するピン88が、制御カム72の溝86に入出可能な位置に設けられる。詳細には、モーター58の回転により公転するピン88が、1つの溝86の半径方向中心側から該溝86に進入し、溝86に沿って移動しつつ制御カム72を回転させた後に該溝86から離脱し、該溝86に進入を開始した位置まで公転したときに、該溝86に隣接する溝86に進入するように、モーター58の位置及びピン88が公転する距離が設定される。
【0069】
このようにモーター58と制御カム72との関係を設定することにより、モーター58の連続した回転が制御カム72を間欠的に回転させることになる。
【0070】
図11は、分配シリンダの平面図及び軸方向並びに径方向断面図である。
分配シリンダ56は、格納ケース60の他端部を閉塞するように設けられる。分配シリンダ56は、厚肉の円筒状に形成され、内周90をバルブ軸70の給排制御部80が貫通可能に構成されている。分配シリンダ56の内周90の内径は、バルブ軸70の外周面との間に所定の隙間を有するように寸法が設定される。ここで言う所定の隙間とは、内周面90aに対してバルブ軸70の回転を許容するとともにバルブ軸70が回転したときの軸ブレが最小となるように設定すると良い。
【0071】
分配シリンダ56には、バルブ軸70の給気ポート82及び排気ポート84に対応する給気ポート92及び排気ポート94を備える。
給気ポート92及び排気ポート94は、分配シリンダ56の内周90にバルブ軸70を挿入し、回転させたときにバルブ軸70の給気ポート82が給気ポート92に、排気ポート84に排気ポート94が一致可能な軸方向における位置に設けられる。
【0072】
給気ポート92及び排気ポート94は、膨縮ユニット20の数量に対応してそれぞれ7つ設けられている。7つの給気ポート92は、内周90の円周方向に均等な間隔で、7つの排気ポート94は内周90の円周方向に均等な間隔で設けられている。
7つの給気ポート92及び7つの排気ポート94は、軸方向に並ぶように配置される。
【0073】
7つの給気ポート92及び7つの排気ポート94は、一端側が内周90に開口し、内周90の半径方向に放射状に広がるように延長する。給気ポート92及び排気ポート94の他端は、分配シリンダ56の厚肉部分を、分配シリンダ56の他端側の端面から一端側に向けて軸方向に延長して設けられた円孔91に開口する。円孔91は、軸方向に並ぶ給気ポート92及び排気ポート94を対として各対に連通するように7つ設けられる。各円孔91は、肉厚部分において終端するように形成される。
【0074】
分配シリンダ56の他端側の端面に開口する複数の円孔91の開口部には、一端が膨縮ユニット20に設けられた給排孔36に接続されたチューブ5の他端を接続するための継手93が設けられる(
図8参照)。なお、以下の説明では、分配シリンダ56の他端側の端面に開口する複数の円孔91の開口部をチューブ接続ポート91Aという。
【0075】
バルブユニット50の一端側は、モーター58に接続される電線7や、給気部52に接続されたチューブ6の接続部分を覆うためのカバー59が取り付けられる。
【0076】
図12は、バルブユニット50の作用を示す図である。詳細には、
図12(a)~
図12(f)の左図は、バルブユニット50における分配シリンダ56の給排状態を示し、右図は、流路切替弁54の制御カム72の溝86と、モーター58により回転するピン88との関係を示している。なお、左図におけるA,B,~,Gは、分配シリンダ56と個別のチューブ5を介して接続される膨縮ユニット20A~20Gの英字符号部のみで示したものである。
【0077】
また、
図12(a)~(f)の左図における分配シリンダ56のチューブ接続ポート91Aへの着色は、各膨縮ユニット20に対応する分配シリンダ56の給気ポート92に対する流路切替弁54の給気ポート82の関係、分配シリンダ56の排気ポート94に対する流路切替弁54の排気ポート84の関係が給気(黒)、排気(白)、閉鎖(グレー)の状態にあるかを示したものである。
【0078】
以下、バルブユニット50の作用について説明する。なお、バルブユニット50は、
図12(a)に示すように、分配シリンダ56の給気ポート92及び排気ポート94に対して流路切替弁54の給気ポート82及び排気ポート84が一致した状態にあるものとして説明する。即ち、バルブユニット50に圧縮空気が供給されている場合、給気ポート82に一致した給気ポート92に対応する膨縮ユニット20は膨張状態とされる。
【0079】
図12(a)に示すように、モーター58の回転により公転状態にあるピン88が制御カム72の溝86に係合していないときには、流路切替弁54は、回転せずに停止状態が維持される。
【0080】
図12(b)に示すように、モーター58の駆動により回転体87が回転し、ピン88が公転することで、制御カム72の溝86の半径方向内側端部に進入すると流路切替弁54の回転が開始される。
【0081】
図12(c)に示すように、ピン88がさらに公転して溝86に沿って流路切替弁54を回転しつつ半径方向外側に移動すると、各膨縮ユニット20A~20Gに対応する給気ポート92及び排気ポート94に対する給気ポート82及び排気ポート84の関係は以下のようになる。
膨縮ユニット20Aに対応する給気ポート92では一部が閉鎖されることで給気ポート82との重なりが減少し、排気ポート94では閉鎖された状態が維持され、膨縮ユニット20Aへの給気が絞られる。
膨縮ユニット20Bに対応する給気ポート92では一部が閉鎖されることで給気ポート82との重なりが減少し、排気ポート94では閉鎖された状態が維持され、膨縮ユニット20Bへの給気が絞られる。
膨縮ユニット20C乃至20Gの各々に対応する給気ポート92では閉鎖された状態が維持され、排気ポート94では一部が閉鎖されることで排気ポート84の重なりが減少し、膨縮ユニット20C乃至20Gからの排気が絞られる。
【0082】
図12(d)に示すように、ピン88がさらに公転して溝86の最も半径方向外側に移動すると各膨縮ユニット20A~20Gに対応する給気ポート92及び排気ポート94に対する給気ポート82及び排気ポート84の関係は以下のようになる。
膨縮ユニット20Aに対応する給気ポート92及び排気ポート94では、給気ポート82及び排気ポート84の両方が重なり、膨縮ユニット20Aへの給気が排気に移行している状態とされる。
膨縮ユニット20Bに対応する給気ポート92及び排気ポート94では2つの給気ポート82が重なり、膨縮ユニット20Bへの給気が継続されている状態とされる。
膨縮ユニット20Cに対応する給気ポート92及び排気ポート94では給気ポート82及び排気ポート84の両方が重なり、膨縮ユニット20Cからの排気が給気に移行している状態とされる。
膨縮ユニット20D~20Gの各々に対応する給気ポート92及び排気ポート94では2つの排気ポート84が重なり、膨縮ユニット20D~20Gからの排気が継続されている状態とされる。
【0083】
次に、
図12(e)に示すように、ピン88がさらに公転して溝86の最も半径方向外側に移動した位置から半径方向内側に向けて移動すると各膨縮ユニット20A~20Gの各々に対応する給気ポート92及び排気ポート94に対する給気ポート82及び排気ポート84の関係は以下のようになる。
膨縮ユニット20Aに対応する給気ポート92は閉鎖され、排気ポート94では排気ポート84の重なりが広がり、膨縮ユニット20Aへの給気が排気に移行している状態から完全な排気状態とされる。
膨縮ユニット20Bに対応する給気ポート92では1つの給気ポートの重なりが広がり、排気ポート94は閉鎖され、膨縮ユニット20Bへの給気が継続されている状態とされる。
膨縮ユニット20Cに対応する給気ポート92では給気ポート82の重なりが広がり、排気ポート94は閉鎖され、膨縮ユニット20Cからの排気が給気に移行している状態から完全な給気状態とされる。
膨縮ユニット20D~20Gの各々に対応する給気ポート92及び排気ポート94では2つの排気ポート84の重なりから1つの排気ポート84の重なりへと移行し、膨縮ユニット20D~20Gからの排気が継続されている状態とされる。
【0084】
次に、
図12(f)に示すように、ピン88がさらに公転して溝86の最も半径方向内側に移動して溝86から離脱する位置まで移動すると各膨縮ユニット20A~20Gの各々に対応する給気ポート92及び排気ポート94に対する給気ポート82及び排気ポート84の関係は以下のようになる。
膨縮ユニット20Aに対応する給気ポート92は閉鎖が維持され、排気ポート94では排気ポート84が完全に重なり、膨縮ユニット20Aは完全な排気状態とされる。
膨縮ユニット20Bに対応する給気ポート92では給気ポート82が重なり、排気ポート94は閉鎖が維持され、膨縮ユニット20Bへの給気が継続されている状態とされる。
膨縮ユニット20Cに対応する給気ポート92では給気ポート82が重なり、排気ポート94は閉鎖状態が維持され、膨縮ユニット20Cへの給気が維持されている状態とされる。
膨縮ユニット20D~20Gの各々に対応する給気ポート92及び排気ポート94では排気ポート84が重なり、膨縮ユニット20D~20Gからの排気が継続されている状態とされる。
【0085】
したがって、移動体2は、
図12(a)~(f)に示すようにピン88が1回公転することにより、
図13(a)から
図13(b)に示すように膨張する膨縮ユニット20の位置を移動させることができる。
そして、移動体2は、ピン88が1回公転する毎に、
図13(b)から
図13(c)、
図13(c)から
図13(d)、
図13(d)から
図13(e)、
図13(e)から
図13(f)、
図13(f)から
図13(g)に示すように順次、膨張状態とされる膨縮ユニット20が進行方向後方へと移動することにより推進することができる。
【0086】
即ち、移動体2は、チューブ6を介して各膨縮ユニット20を駆動(膨張・収縮)するための圧縮空気(空気エネルギー)や、電線7を介して各膨縮ユニット20に圧縮空気(空気エネルギー)を分配するためにバルブユニット50を駆動する電気エネルギーを配管z外から供給することにより、配管z内を推進可能に構成されている。
また、移動体2は、推進動作に必要とされるチューブ6や電線7等の配線を牽引しながら配管z内を推進することになる。以下の説明では、チューブ6や電線7を纏めて配線8又は牽引物という場合がある。
【0087】
前述のように構成された移動体2は、
図1に示すように、前方移動体2A、後方移動体2Bとして配管z内に連結して配置される。前方移動体2Aの先端にカメラや照明などを搭載することで、管内移動ロボット1を管内検査装置として構成することができる。
前方移動体2Aから延長する配線8は、後方移動体2Bの連続中空空間を貫通して制御装置100へと延長するように設けられる。
【0088】
前方移動体2A及び後方移動体2Bは、例えば、所定距離離間して連結される。前方移動体2A及び後方移動体2Bは、例えば、前方移動体2Aから延長して後方移動体2Bの連続中空空間を貫通する配線8を利用して連結される。即ち、前方移動体2Aから延長する配線8を後方移動体2Bのいずれかに固定することで前方移動体2Aと後方移動体2Bとが連結される。
【0089】
前方移動体2Aから延長する配線8が後方移動体2Bに固定される場所は、例えば、後方移動体2Bを構成する膨縮ユニット20の端部部材23や、連結ユニット40などを利用することができる。
なお、前方移動体2Aから延長する配線8が後方移動体2Bに固定される場所は、膨縮ユニット20の端部部材23や、連結ユニット40などのいずれであっても良いが、好ましくは、後方移動体2Aにおいて進行方向先頭に位置する膨縮ユニット20Aの前側の端部部材23に固定すると良い。
【0090】
[制御装置について]
図1に示すように、制御装置100は、各移動体2の前進や後退、停止等の動作制御するための装置であって、配管zの外部に設けられる。
制御装置100は、例えば、流体給排部110と、駆動制御部160とを備えた構成とされ、前方移動体2A及び後方移動体2Bの推進動作を制御する。
【0091】
[流体給排部]
本実施形態に係る流体給排部110は、膨縮ユニット20への圧縮空気の供給、停止を制御可能に構成されている。
流体給排部110は、例えば、コンプレッサー112、レギュレータ114、供給弁116等を備えた構成とされる。
コンプレッサー112は、膨縮ユニット20に供給する空気を圧縮空気として生成する。圧縮空気は、少なくとも膨縮ユニット20の外筒22を膨張させたときに、外筒22の外周面が配管zの内壁に密接可能な圧力よりも高く設定される。
【0092】
レギュレータ114は、コンプレッサー112と接続され、コンプレッサー112により生成された圧縮空気を所定の圧力に減圧して一定圧の圧縮空気として出力する。
【0093】
本実施形態では、供給弁116は、前方移動体2A用の供給弁116Aと、後方移動体2B用の供給弁116Bとの2つが設けられる。各供給弁116A;116Bは、レギュレータ114と接続され、レギュレータ114から流入する圧縮空気の各移動体2への供給、停止を制御する。
【0094】
供給弁116A;116Bは、例えば、電気的な信号に基づいて開閉する弁を有し、弁を開くことで圧縮空気を各移動体2側へと供給し、弁を閉じることで圧縮空気の供給を停止する。なお、供給弁116A;116Bは、信号が入力されない状態では弁を閉じた状態とし、信号が入力されることで弁を開き、信号の入力が停止されると弁を閉じるものとして説明する。
【0095】
供給弁116A;116Bは、駆動制御部160と電気的に接続され、駆動制御部160から入力される信号に基づいて弁を開閉する。
【0096】
駆動制御部160は、流体給排部110と、各移動体2に設けられたバルブユニット50のモーター58と電気的に接続される。即ち、駆動制御部160は、流体給排部110の供給弁116A;116Bに個別に信号を出力する。また、駆動制御部160は、配管z内に配置された各移動体2A;2Bに設けられたバルブユニット50のモーター58と個別に延長する電線7により接続され、各モーター58に個別に電力の供給や停止を制御する。
【0097】
駆動制御部160は、例えば、流体給排部110を構成する供給弁116A;116Bへの信号の出力や信号の出力の停止を個別に制御可能、各移動体2に設けられたバルブユニット50のモーター58に電力の供給や停止を個別に制御可能に構成される。
【0098】
駆動制御部160は、例えば、演算処理手段としてのCPUや記憶手段としてのROM,RAM等のハードウェアを備えたコンピュータである。ここで言うコンピュータとは、その形態は問わず、PLC(Programmable Logic Controller)であっても良い。
【0099】
駆動制御部160は、前方移動体2A及び後方移動体2Bの配管z内における動作、例えば、推進動作や推進動作を停止する停止動作を制御可能とされている。
前方移動体2A及び後方移動体2Bの配管z内における動作(推進動作や停止動作)の制御は、例えば、前方移動体の推進状態を検出手段により検出することで可能とされる。
駆動制御部160は、検出手段により検出された進行状態に基づいて前方移動体の推進動作の停止や推進動作の開始を可能に構成されている。
【0100】
検出手段は、例えば、前方移動体2Aから後方移動体2Bの固定位置まで延長する牽引物の張力を計測するセンサ118が利用される。張力を計測するセンサ118は、例えば、ロードセル等を用いることができる。なお、センサ118は、ロードセルに限らず、牽引物の張力を計測可能なものであればどのようなものであっても良い。
【0101】
また、センサ118は、牽引物の張力を計測可能な位置であればいずれであっても良いが、好ましくは、前方移動体2Aに近い位置とすると良い。
本実施形態では、センサ118は、前方移動体2Aを構成するバルブユニット50の後端部に設け、牽引物の張力を計測するものとして説明する。センサ118は、制御装置100(駆動制御部160)と有線(図外の電線)により接続され、計測した張力を制御装置100(駆動制御部160)に出力する。なお、言うまでもないが、センサ118と制御装置100とを接続する電線も前方移動体2Aの牽引物に含まれる。
【0102】
駆動制御部160は、演算処理手段が記憶手段に記憶されたプログラムに従って処理を実行し、センサ118により計測され、入力される張力に基づいて前方移動体2A及び後方移動体2Bの推進動作を制御する。
【0103】
本実施形態では、駆動制御部160は、センサ118により計測された牽引物の張力が小さいときには前方移動体2A及び後方移動体2Bの両方に推進動作をさせ、センサ118により計測された牽引物の張力が大きいときには前方移動体2Aの推進動作を停止し、後方移動体2Bのみ推進動作をさせるように前方移動体2A及び後方移動体2Bの推進動作を制御可能に構成される。
【0104】
このような制御は、記憶手段にあらかじめ閾値を設定しておき、入力される張力と閾値とを比較し、張力が閾値以上となったときに、前方移動体2Aの推進動作を停止し、後方移動体2Bのみ推進動作をさせれば良い。
【0105】
図14は、前方移動体2A及び後方移動体2Bの推進動作を制御するためのフローチャートの一例である。
S101:前方移動体2A及び後方移動体2Bを配管z内に設けた後に、制御装置100を動作させる(駆動制御部160による制御を開始する)。
【0106】
S102:駆動制御部160は、供給弁116A;116Bに信号を出力し、前方移動体2A及び後方移動体2Bに圧縮空気を供給するとともに、前方移動体2Aのバルブユニット50に電力を供給する。
これにより、前方移動体2Aは推進動作を開始する。また、後方移動体2Bは、前述した本実施形態のバルブユニット50の構造により、圧縮空気が給気されたことで2つの膨縮ユニット20が膨張し、配管zの内壁を把持し、配管zに固定された状態とされる。
【0107】
S103:張力と閾値を比較。
S104:前方移動体2Aは推進動作により配管z内を奥へと移動し、センサ118から入力される張力が閾値を超えたときに、前方移動体2Aのバルブユニット50への電力の供給を停止するとともに、後方移動体2Bのバルブユニット50に電力を供給する。
これにより、前方移動体2Aは2つの膨縮ユニット20の膨張状態が維持され、配管zの内壁を把持して停止する。また、後方移動体2Bが推進動作を開始する。
【0108】
S105:後方移動体2Bが推進動作により配管z内を奥へと移動することにより、センサ118の計測対象の前方移動体2Aの牽引物にゆるみが生じ、センサ118から入力される張力が閾値以下となったときに、前方移動体2Aのバルブユニット50への電力の供給を開始し、後方移動体2Bのバルブユニット50に電力の供給を継続する。
これにより、前方移動体2A及び後方移動体2Bの両方が推進動作をして配管zの奥へと移動する。
【0109】
図15は、
図14に示すフローチャートによる前方移動体2A及び後方移動体2Bの制御概念図である。
このように前方移動体2Aにおける牽引物の張力をセンサ118による監視(S103)を継続することにより、センサ118により計測された牽引物の張力が小さいときには前方移動体2A及び後方移動体2Bの両方に推進動作をさせ(
図14(a)参照)、センサ118により計測された牽引物の張力が大きいときには前方移動体2Aの推進動作を停止させるとともに後方移動体2Bの推進動作を継続させ(
図14(b)参照)、そして前方移動体2Aにおける牽引物の張力が小さくなったときに、再び前方移動体2Aの推進動作を開始して後方移動体2Bとともに配管zの奥へと移動させる(
図14(c)参照)ように前方移動体2A及び後方移動体2Bの推進動作を制御することができる。
【0110】
張力の判定に用いる閾値は、例えば、実際にモデル実験などを実施することで設定することができる。
前方移動体2Aの牽引物に作用する張力は、牽引物の重さと、配管zの内壁との摩擦によるものである。
【0111】
したがって、移動対象とされる配管zに応じて閾値を変更することで、前方移動体2A及び後方移動体2Bを効率良く配管z内を移動させることができる。
このように、前方移動体2A及び後方移動体2Bの配管z内における推進動作を制御することにより、配管z内を1つの移動体2で移動させるときに比べて、配管zの奥へと移動させることができる。
【0112】
なお、上記実施形態では、張力と閾値の比較において張力が閾値を超える場合、張力が閾値以下としたが、「超える」,「以下」等の関係は、「以上」,「未満」等適宜変更すれば良い。
【0113】
また、前方移動体2Aの動作を制御するための閾値(張力に関する)は、1つに限定されず、例えば、前方移動体2Aの推進動作を停止させるための「停止閾値」と、前方移動体2Aの推進動作を開始(再開)させるための「開始閾値」の異なる値の閾値を設定しても良い。この場合、「停止閾値」>「開始閾値」の関係とし、張力が停止閾値以上となったときに前方移動体2Aの推進動作を停止させ、張力が開始閾値以下となったときに前方移動体2Aの推進動作を再開させれば良い。
【0114】
また、前方移動体2Aの推進動作を再開させる場合に、張力が開始閾値以下である条件に加え、張力が開始閾値以下となったときから所定時間経過するまでは推進動作を再開しないように前方移動体2Aの推進動作を制御することができる。
【0115】
また、上記実施形態では、センサ118を後方移動体2Bに設けるものとしたが、これに限定されない。センサ118は、前方移動体2A及び後方移動体2Bの間における配線8の張力が検出できるのであれば、その位置はいずれであっても良い。
【0116】
即ち、センサ118は、前方移動体2Aに設けられていても良く、前方移動体2A及び後方移動体2Bの間に延長する配線8の間(中間位置)に設けるようにしても良い。
【0117】
また、センサ118は、1つに限定されず、前方移動体2Aや後方移動体2B、中間位置等の複数箇所に設けるようにしても良い。例えば、配管zが複雑に屈曲している場合や、水平方向や鉛直方向に方向を変えながら延長している場合、配線8に掛かる張力は屈曲管で挟まれた区間毎に異なることが考えられる。このような場合には配線8の複数箇所にセンサ118を設けておくことにより、張力が最も大きくなる区間を優先的に検出することができ、前方移動体2Aが完全に進行不能となる前に前方移動体2Aの推進動作を停止させることができる。
【0118】
なお、前方移動体2Aの推進状態を検出するための検出手段は、張力を計測するセンサ118に限定されない。
【0119】
例えば、前方移動体2Aの推進状態は、前方移動体2Aと後方移動体2Bとの距離の変化に基づいて検出することもできる。
この場合、検出手段として、例えば、ワイヤー式距離センサを利用することができる。ワイヤー式距離センサは、スプールにワイヤーを巻き付け、巻き付けられたワイヤーを引き出したときにスプールが回転するように構成される。スプールの回転軸にはロータリーセンサの軸が連結され、ロータリーセンサの軸がスプールの回転に連動して回転することで、引き出されたワイヤーの長さを電気的に検出可能とされる。
また、スプールは、スプリング等の付勢手段により常にワイヤーを巻き取る方向にテンションが作用した状態とされ、引き出されたワイヤーに弛みを生じさせることなく、スプールから引き出されたワイヤーの長さや、スプールに巻き取られたワイヤーの長さが検出可能とされる。
【0120】
このようなワイヤー式距離センサを前方移動体2Aの推進状態の検出手段として用いる場合には、スプールに巻き付けられたワイヤーの先端側を前方移動体2A又は後方移動体2Bに固定し、スプール側を後方移動体2B又は前方移動体2Aに固定すれば良い。
【0121】
これにより、前方移動体2A及び後方移動体2Bの進行中に、後方移動体2Bが前方移動体2Aに対して近づく場合にはワイヤーがスプールに巻き取られ、後方移動体2Bが前方移動体2Aに近づいたことが検出され、後方移動体2Bが前方移動体2Aに対して離れる場合にはスプールからワイヤーが引き出され、後方移動体2Bが前方移動体2Aから離れていることが検出される。
【0122】
スプールに連結されたロータリーセンサは、駆動制御部160と電気的に接続されることにより、スプールから引き出されたワイヤーの長さやスプールに巻き取られたワイヤーの長さを信号として駆動制御部160に出力し、駆動制御部160において入力された信号を処理することで前方移動体2Aの推進状態を検出することができる。
【0123】
したがって、駆動制御部160は、ワイヤー式距離センサにより検出されるワイヤーの巻き取りや引き出しの長さの変化等に基づいて処理することで前方移動体2A及び後方移動体2Bの推進動作を制御することができる。
【0124】
ワイヤーの巻き取りや引き出しの長さの変化等とは、例えば、ワイヤーの巻き取りや引き出しにともない検出される長さの変化に加え、ワイヤーがスプールに巻き取られるときの時間変化(速さ)や、ワイヤーがスプールから引き出されるときの時間変化(速さ)等の意味を含む。
【0125】
例えば、ワイヤーの巻き取り長さや引き出し長さが、所定の範囲内で繰り返される場合には、前方移動体2A及び後方移動体2Bが配管z内を速度差なく進行しているものと想定できる。
【0126】
また、例えば、ワイヤーがスプールに巻き取られるときの速さが遅い場合には、前方移動体2Aが配管zにおける曲管部を進行し、後方移動体2Bが配管zにおける直管部を進行しているものと想定できる。
【0127】
また、例えば、ワイヤーがスプールに巻き取られるときの速さが速いときには、前方移動体2Aが配管z内で足踏み状態若しくは進行に支障が生じている状態にあり、後方移動体2Bが配管zにおける直管部を進行しているものと想定できる。
【0128】
また、例えば、ワイヤーがスプールから引き出されるときの速さが遅いときには、前方移動体2Aが配管zにおける直管部を進行し、後方移動体2Bが配管zにおける曲管部を進行しているものと想定できる。
【0129】
また、ワイヤーがスプールから引き出されるときの速さが速いときには、前方移動体2Aが配管zにおける直管部を進行し、後方移動体2Bが配管z内で足踏み状態若しくは進行に支障が生じている状態にあるものと想定できる。
【0130】
したがって、前述の想定に対応する閾値を駆動制御部160に設定しておくことで、前方移動体2Aの推進状態の検出することができ、前方移動体2A及び後方移動体2Bの推進動作が効率良くなるように制御することができる。
【0131】
なお、配管zを移動させる移動体2の数量を2以上とする場合には、進行方向の前後に隣接する移動体2について前述の制御を施せば良い。例えば、3つの移動体2を用いる場合、進行方向先頭にある移動体2を1番目の移動体2、1番目の移動体2から延長する牽引物に固定される移動体2を2番目の移動体2、2番目の移動体2から延長する牽引物に固定される移動体2を3番目の移動体2とした場合、1番目の移動体2が2番目の移動体2に対する前方移動体であり、2番目の移動体2が1番目の移動体2に対する後方移動体の関係にあり、2番目の移動体2が3番目の移動体2に対する前方移動体であり、3番目の移動体2が2番目の移動体2に対する後方移動体の関係となる。そこで、各移動体2の前後の関係毎に前述の制御を行うことで、より配管zの奥へと先頭の移動体2を移動させることができる。
【0132】
また、移動体2の数量は、あらかじめ決めておく必要はなく、検査に応じて順次移動体2を追加しても良い。この場合、制御装置100についても追加した移動体2の制御を可能に構成しておけば良い。
【0133】
なお、配管zを移動させる本実施形態では移動体2の数を2つとして説明するがその数量は限定されない。
【0134】
また、配線8は、移動体2の推進動作に必要とされるチューブ6や電線7等のエネルギーを供給するものと説明したが、これに限定されない。例えば、前述したように、移動体2の先端にカメラを設けるなどのように、移動体2を配管内の移動手段として利用し、他の機能を移動体2に付加したときに、その機能を動作させるために必要とされるもの(配線や管)であっても良い。
また、配線8は、各移動体2から配管外まで延長するとして説明したが、これに限定されない。配線8が配管外まで延長するとは、例えば、前述のように複数の移動体2を利用する場合、各移動体2から延長する配線8が配管外まで直接的に延長するだけでなく、後方に連結される移動体2の配線8を分岐して間接的に配管外まで延長することを意味する。
【符号の説明】
【0135】
1 管内移動ロボット、2 移動体、2A 前方移動体、2B 後方移動体、
5 チューブ、6 チューブ、7 電線、
20 膨縮ユニット、40 連結ユニット、50 バルブユニット、
100 制御装置、110 流体給排部、160 駆動制御部、z 配管。