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特開2024-111475蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111475
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240809BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 50/483 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240809BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20240809BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20240809BHJP
   H01G 11/82 20130101ALI20240809BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20240809BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/474
H01M50/483
H01M50/103
H01M50/119
H01M50/55 101
H01M50/627
H01M10/052
H01M10/058
H01M10/0566
H01G11/82
H01G11/84
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015998
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 陽三
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H021
5H023
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AB01
5E078AB13
5E078HA05
5E078HA22
5H011AA01
5H011AA09
5H011CC06
5H021AA02
5H021EE21
5H021EE29
5H023AA03
5H023CC01
5H028AA07
5H028AA08
5H028BB04
5H028CC08
5H028CC24
5H028CC26
5H028EE01
5H029AJ14
5H029BJ02
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029DJ02
5H029DJ04
5H029EJ01
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA04
5H043DA08
(57)【要約】
【課題】蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる蓄電デバイス等を提供すること。
【解決手段】蓄電デバイス1は、直方体箱状のケース10と、ケース10内に収容された電極体50とを備え、ケース10は、第2主壁部12及び4つの側壁部13,14,15,16をなし、矩形状の開口部21cを有する有底角筒状の本体部材21と、第1主壁部11をなし、本体部材21の開口部21cの開口周縁部21fに全周にわたり蓋周縁部31fが接合された矩形状の蓋部材31とを有し、ケース10の第1主壁部11と第2主壁部12とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮してなる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
上記ケース内に収容された電極体と、を備え、
上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、
上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなる
蓄電デバイスであって、
上記ケースは、
上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、
上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり蓋周縁部が接合された矩形状の蓋部材と、を有し、
上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる
蓄電デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電デバイスであって、
前記ケースの前記第1主壁部と前記電極体の前記電極積層部との間、及び、上記ケースの前記第2主壁部と上記電極体の上記電極積層部との間の少なくともいずれかに、前記ケース厚み方向に弾性変形して、上記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性介在部材を備える
蓄電デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の蓄電デバイスであって、
前記弾性介在部材は、アルミニウムまたはステンレスからなる
蓄電デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の蓄電デバイスであって、
前記ケースの前記第1主壁部及び前記第2主壁部の少なくともいずれかは、
前記ケース厚み方向に弾性変形して、前記電極体の前記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性変形部を有する
蓄電デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の蓄電デバイスであって、
前記弾性変形部を有する前記ケースは、アルミニウムまたはステンレスからなる
蓄電デバイス。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の蓄電デバイスであって、
前記ケース内で前記電極体に接続し、上記ケースを貫通して上記ケース外まで延びる電極端子を備え、
上記電極端子は、上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに固設されてなる
蓄電デバイス。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の蓄電デバイスであって、
前記ケース内に収容された電解液を備え、
上記ケースの内外を連通し、上記電解液を上記ケース内に注液するための注液孔が、上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに設けられてなる
蓄電デバイス。
【請求項8】
ケースと、
上記ケース内に収容された電極体と、を備え、
上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、
上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなり、
上記ケースは、
上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、
上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり蓋周縁部が接合された矩形状の蓋部材と、を有し、
上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる
蓄電デバイスの製造方法であって、
上記本体部材内に上記電極体を収容する収容工程と、
上記本体部材内に収容された上記電極体上に上記蓋部材を配置し、上記蓋部材がなす上記第1主壁部及び上記本体部材の上記第2主壁部に外部の力を掛けて、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する押圧圧縮工程と、
上記電極体を押圧し圧縮した状態で、上記蓋部材の蓋周縁部を上記本体部材の上記開口部の上記開口周縁部に全周にわたり接合し、上記ケースを形成する接合工程と、
上記接合工程の後、上記外部の力を解除する解除工程と、を備える
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
上記蓄電デバイスは、
前記ケースの前記第1主壁部と前記電極体の前記電極積層部との間、及び、上記ケースの前記第2主壁部と上記電極体の上記電極積層部との間の少なくともいずれかに、前記ケース厚み方向に弾性変形して、上記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性介在部材を備え、
前記収容工程は、
前記本体部材内に、上記電極体及び上記弾性介在部材を、上記電極体の上記電極積層部に上記弾性介在部材を重ねて収容し、
前記押圧圧縮工程は、
上記電極体の上記電極積層部及び上記弾性介在部材をそれぞれ上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記弾性介在部材は、アルミニウムまたはステンレスからなる
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項11】
請求項8に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記ケースの前記第1主壁部及び前記第2主壁部の少なくともいずれかは、
前記ケース厚み方向に弾性変形して、前記電極体の前記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性変形部を有し、
前記押圧圧縮工程は、
上記弾性変形部を上記ケース厚み方向に弾性変形させつつ、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記弾性変形部を有する前記ケースは、アルミニウムまたはステンレスからなる
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項13】
請求項8~請求項12のいずれか一項に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
上記蓄電デバイスは、
前記ケース内で前記電極体に接続し、上記ケースを貫通して上記ケース外まで延びる電極端子を備え、
上記電極端子は、
上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに固設されてなり、
前記収容工程は、
予め上記電極端子を上記側壁部に固設した上記本体部材内に、上記電極体を収容し、上記電極端子と上記電極体とを接続する
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項14】
請求項8~請求項12のいずれか一項に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
上記蓄電デバイスは、
前記ケース内に収容された電解液を備え、
上記ケースの内外を連通し、上記電解液を上記ケース内に注液するための注液孔が、上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに設けられてなり、
前記解除工程の後、上記注液孔を通じて上記ケース内に上記電解液を注液する注液工程を備え、
上記注液工程は、
上記蓄電デバイスを、上記注液孔が設けられた上記側壁部を上側に向けた姿勢にして行う
蓄電デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直方体箱状のケース内に電極体が収容された角形の蓄電デバイス、及び、この蓄電デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直方体箱状のケース内に電極体が収容された角形電池のうち、特に、車両等に搭載され、長期間にわたり使用される電池では、充放電サイクル特性を向上させるなどの理由から、一般に電池を、一対のエンドプレート及び複数の拘束バンドからなる電池外部の拘束部材を用いて外部拘束している。これにより、ケース内に収容された電極体の電極積層部を電極体厚み方向に押圧した状態としている。関連する従来技術として、例えば特許文献1が挙げられる(特許文献1の図1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-173893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、拘束部材を用いて電池を外部拘束すると、コスト高になる、体格が大きくなる、重量が増える、部品点数が増えるなどの課題がある。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる蓄電デバイス、及び、蓄電デバイスの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、ケースと、上記ケース内に収容された電極体と、を備え、上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなる蓄電デバイスであって、上記ケースは、上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり接合された矩形状の蓋部材と、を有し、上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる蓄電デバイスである。
【0007】
上述の蓄電デバイスは、ケースの第1主壁部と第2主壁部とで、電極体の電極積層部を電極体厚み方向に弾性的に圧縮している。即ち、この蓄電デバイスは、蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を弾性的に圧縮している自己圧縮型である。このため、蓄電デバイスの使用に際して別途、拘束部材を用いなくて済む、或いは、簡易な拘束部材による外部拘束で足りる。
更に上述の蓄電デバイスは、ケースが、第2主壁部及び4つの側壁部をなす本体部材に、第1主壁部をなす蓋部材を接合したものであるため、後述するように自己圧縮型の蓄電デバイスを容易に製造でき、安価な蓄電デバイスとすることができる。
【0008】
なお、「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタ、全固体電池などが挙げられる。
上述の蓄電デバイスにおいて、ケースの第1主壁部と電極体の電極積層部との間や、ケースの第2主壁部と電極体の電極積層部との間に、金属製や樹脂製の、平板や波板などからなる介在部材が介在していてもよい。
【0009】
(2)更に(1)に記載の蓄電デバイスであって、前記ケースの前記第1主壁部と前記電極体の前記電極積層部との間、及び、上記ケースの前記第2主壁部と上記電極体の上記電極積層部との間の少なくともいずれかに、前記ケース厚み方向に弾性変形して、上記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性介在部材を備える蓄電デバイスとすると良い。
【0010】
上述の蓄電デバイスでは、ケースの第1主壁部と電極体の電極積層部との間及びケースの第2主壁部と電極体の電極積層部との間の少なくともいずれかに、上述の弾性介在部材が介在しており、ケースと弾性介在部材の弾性変形によって電極積層部を押圧している。弾性介在部材の弾性係数は、ケースの弾性係数に比べて、容易に設計変更できるため、弾性介在部材を加えることで、より適切な押圧力で電極積層部を押圧した蓄電デバイスとすることができる。
なお、「弾性介在部材」の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、チタンなど金属や、ゴム、プラスチックなどが挙げられる。
【0011】
(3)更に(2)に記載の蓄電デバイスであって、前記弾性介在部材は、アルミニウムまたはステンレスからなる蓄電デバイスとすると良い。
【0012】
上述の蓄電デバイスでは、弾性介在部材がアルミニウムまたはステンレスからなるため、適切な押圧力で電極体の電極積層部を押圧した蓄電デバイスとすることができる。
【0013】
(4)更に(1)に記載の蓄電デバイスであって、前記ケースの前記第1主壁部及び前記第2主壁部の少なくともいずれかは、前記ケース厚み方向に弾性変形して、前記電極体の前記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性変形部を有する蓄電デバイスとすると良い。
【0014】
上述の蓄電デバイスでは、ケースの第1主壁部及び第2主壁部の少なくともいずれかが上述の弾性変形部を有しているため、より適切な押圧力で電極積層部を押圧した蓄電デバイスとすることができる。
なお、「弾性変形部を有するケース」の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、チタンなど金属や、プラスチックなどが挙げられる。
【0015】
(5)更に(4)に記載の蓄電デバイスであって、前記弾性変形部を有する前記ケースは、アルミニウムまたはステンレスからなる蓄電デバイスとすると良い。
【0016】
上述の蓄電デバイスでは、弾性変形部を有するケースがアルミニウムまたはステンレスからなるため、適切な押圧力で電極体の電極積層部を押圧した蓄電デバイスとすることができる。
【0017】
(6)更に(1)~(5)のいずれかに記載の蓄電デバイスであって、前記ケース内で前記電極体に接続し、上記ケースを貫通して上記ケース外まで延びる電極端子を備え、上記電極端子は、上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに固設されてなる蓄電デバイスとすると良い。
【0018】
複数の蓄電デバイスをケース厚み方向に重ねて蓄電モジュールを形成する場合、隣り合う蓄電デバイスの第1主壁部と第2主壁部とが対向する、或いは、隣り合う蓄電デバイスの第1主壁部同士や第2主壁部同士が対向する。このため、ケースの第1主壁部または第2主壁部に電極端子を固設した蓄電デバイスでは、隣り合う蓄電デバイスの電極端子同士を接続するのが難しくなる。
これに対し、上述の蓄電デバイスでは、電極端子を、第1主壁部や第2主壁部ではなく、側壁部に固設している。このため、複数の蓄電デバイスをケース厚み方向に重ねて蓄電モジュールを形成する場合に、隣り合う蓄電デバイスの電極端子同士を、バスバ等を用いて容易に接続することができる。
【0019】
(7)更に(1)~(6)のいずれかに記載の蓄電デバイスであって、前記ケース内に収容された電解液を備え、上記ケースの内外を連通し、上記電解液を上記ケース内に注液するための注液孔が、上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに設けられてなる蓄電デバイスとすると良い。
【0020】
電解液の注液孔をケースの第1主壁部または第2主壁部に設けた蓄電デバイスでは、ケースの側壁部のいずれかを上側に向けた姿勢に蓄電デバイスを置くと、第1主壁部または第2主壁部に設けた注液孔は、水平方向を向く。このため、電解液の注液が難しくなる。
これに対し、上述の蓄電デバイスでは、注液孔をケースの側壁部に設けている。このため、蓄電デバイスを、注液孔を設けた側壁部を上側に向けた姿勢にして、電解液の注液を行う際に、容易に注液を行うことができる。
【0021】
(8)また他の態様は、ケースと、上記ケース内に収容された電極体と、を備え、上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなり、上記ケースは、上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり接合された矩形状の蓋部材と、を有し、上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる蓄電デバイスの製造方法であって、上記本体部材内に上記電極体を収容する収容工程と、上記本体部材内に収容された上記電極体上に上記蓋部材を配置し、上記蓋部材がなす上記第1主壁部及び上記本体部材の上記第2主壁部に外部の力を掛けて、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する押圧圧縮工程と、上記電極体を押圧し圧縮した状態で、上記蓋部材の蓋周縁部を上記本体部材の上記開口部の上記開口周縁部に全周にわたり接合し、上記ケースを形成する接合工程と、上記接合工程の後、上記外部の力を解除する解除工程と、を備える蓄電デバイスの製造方法である。
【0022】
従来の角形電池では、ケースの第1主壁部、第2主壁部及び3つの側壁部をなす有底角筒状の本体部材と、1つの側壁部をなす蓋部材とにより、ケースを構成している。このような形態の電池では、自己圧縮型の電池を製造するのが難しい。本体部材の第1主壁部と第2主壁部との間隙は、組立後の電池において電極体の電極積層部を押圧し圧縮するべく、電極体の厚み、或いは前述の介在部材がある電池では、電極体及び介在部材を合わせた厚みよりも狭くするため、本体部材内に電極体等を挿入するのが難しいからである。
【0023】
これに対し、上述の蓄電デバイスの製造方法では、収容工程S1で、まず第2主壁部及び4つの側壁部をなす有底角筒状の本体部材内に、電極体を収容するので、容易に本体部材内に電極体を収容できる。そしてその後、上述の押圧圧縮工程、接合工程及び解除工程を行うことにより、蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を弾性的に圧縮した自己圧縮型の蓄電デバイスを、容易に製造できる。
【0024】
なお、「接合工程」において蓋部材を本体部材に接合する手法としては、例えば、レーザ溶接等の溶接による接合や、加締めによる接合などが挙げられる。
【0025】
(9)更に(8)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、上記蓄電デバイスは、前記ケースの前記第1主壁部と前記電極体の前記電極積層部との間、及び、上記ケースの前記第2主壁部と上記電極体の上記電極積層部との間の少なくともいずれかに、前記ケース厚み方向に弾性変形して、上記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性介在部材を備え、前記収容工程は、前記本体部材内に、上記電極体及び上記弾性介在部材を、上記電極体の上記電極積層部に上記弾性介在部材を重ねて収容し、前記押圧圧縮工程は、上記電極体の上記電極積層部及び上記弾性介在部材をそれぞれ上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
【0026】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、上述の弾性介在部材を用いて蓄電デバイスを製造するので、より適切な押圧力で電極体の電極積層部を押圧した蓄電デバイスを製造できる。
【0027】
(10)更に(9)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記弾性介在部材は、アルミニウムまたはステンレスからなる蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
【0028】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、アルミニウムまたはステンレスからなる弾性介在部材を用いるので、適切な押圧力で電極体の電極積層部を押圧した蓄電デバイスを製造できる。
【0029】
(11)更に(8)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記ケースの前記第1主壁部及び前記第2主壁部の少なくともいずれかは、前記ケース厚み方向に弾性変形して、前記電極体の前記電極積層部を前記電極体厚み方向に押圧する弾性変形部を有し、前記押圧圧縮工程は、上記弾性変形部を上記ケース厚み方向に弾性変形させつつ、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
【0030】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、ケースの第1主壁部及び第2主壁部の少なくともいずれかが上述の弾性変形部を有するので、より適切な押圧力で電極体の電極積層部を押圧した蓄電デバイスを製造できる。
【0031】
(12)更に(11)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記弾性変形部を有する前記ケースは、アルミニウムまたはステンレスからなる蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
【0032】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、アルミニウムまたはステンレスからなる、弾性変形部を有するケースを用いるので、適切な押圧力で電極体の電極積層部を押圧した蓄電デバイスを製造できる。
【0033】
(13)更に(8)~(12)のいずれかに記載の蓄電デバイスの製造方法であって、上記蓄電デバイスは、前記ケース内で前記電極体に接続し、上記ケースを貫通して上記ケース外まで延びる電極端子を備え、上記電極端子は、上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに固設されてなり、前記収容工程は、予め上記電極端子を上記側壁部に固設した上記本体部材内に、上記電極体を収容し、上記電極端子と上記電極体とを接続する蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
【0034】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、収容工程において、予め電極端子を側壁部に固設した本体部材内に、電極体を収容し、電極端子と電極体とを接続するので、電極体の本体部材内への収容、及び、電極端子と電極体との接続を、容易に行うことができる。
【0035】
(14)更に(8)~(13)のいずれかに記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
上記蓄電デバイスは、前記ケース内に収容された電解液を備え、上記ケースの内外を連通し、上記電解液を上記ケース内に注液するための注液孔が、上記ケースのうち前記側壁部のいずれかに設けられてなり、前記解除工程の後、上記注液孔を通じて上記ケース内に上記電解液を注液する注液工程を備え、上記注液工程は、上記蓄電デバイスを、上記注液孔が設けられた上記側壁部を上側に向けた姿勢にして行う蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
【0036】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、注液孔をケースの側壁部に設けているため、注液工程において、蓄電デバイスを、注液孔を設けた側壁部を上側に向けた姿勢にして、電解液の注液を行う際に、容易に注液を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】実施形態1に係る電池の斜視図である。
図2】実施形態1に係る電池の分解斜視図である。
図3】実施形態1に係る電池のケース幅方向及びケース厚み方向に沿う、図1におけるA-A矢視断面図である。
図4】実施形態1に係る電極体の斜視図である。
図5】実施形態1に係る電池の製造方法のフローチャートである。
図6】実施形態1に係る電池の製造方法に関し、収容工程において、本体部材内に電極体及び弾性介在部材を収容した様子を示す説明図である。
図7】実施形態1に係る電池の製造方法に関し、押圧圧縮工程において、外部の力を掛けて、電極体の電極積層部を電極体厚み方向に押圧する様子を示す説明図である。
図8】実施形態1に係る電池の製造方法に関し、接合工程において、蓋部材の蓋周縁部を本体部材の開口周縁部にレーザ溶接する様子を示す説明図である。
図9】実施形態2に係る電池のケース幅方向及びケース厚み方向に沿う、図3に対応する断面図である。
図10】実施形態3に係る電池のケース幅方向及びケース厚み方向に沿う、図3に対応する断面図である。
図11】実施形態4に係る電池のケース幅方向及びケース厚み方向に沿う、図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態1に係る電池(蓄電デバイス)1の斜視図を、図2に電池1の分解斜視図を、図3に電池1の断面図を示す。また図4に電極体50の斜視図を示す。なお、以下では、ケース高さ方向AH、ケース幅方向BH及びケース厚み方向CHを、図1図3に示す方向と定める共に、電極体軸線方向DH、電極体幅方向EH及び電極体厚み方向FHを、図1図4に示す方向と定めて説明する。この電池1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角形(直方体状)で密閉型のリチウムイオン二次電池である。
【0039】
電池1は、ケース10と、ケース10内に収容された扁平状捲回型の電極体50と、ケース10にそれぞれ支持された正極端子(電極端子)60及び負極端子(電極端子)70等から構成されている。電極体50は、ケース10内で、絶縁フィルムからなる袋状の図示しない絶縁ホルダに覆われている。またケース10内には、電極体50に重なって弾性介在部材40が収容されている(図2及び図3参照、図1では不図示)。更にケース10内には、電解液3が収容されており、その一部は電極体50内に含浸され、残りはケース10の下壁部である第2側壁部14上に溜まっている。
【0040】
このうちケース10は、金属(本実施形態1ではアルミニウム)からなる。なお、ケース10は、ステンレスにより形成してもよい。このケース10は、直方体箱状であり、各々矩形板状をなす第1主壁部11、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16(第1側壁部13、第2側壁部14、第3側壁部15及び第4側壁部16)を有する。
第1主壁部11及び第2主壁部12は、側壁部13~16よりも面積が広い。第1主壁部11及び第2主壁部12は互いに対向しており、第1主壁部11がケース厚み方向CHの一方側CH1(図1及び図2中、右手前側、図3中、上側)、第2主壁部12はケース厚み方向CHの他方側CH2(図1及び図2中、左奥側、図3中、下側)に位置する。
【0041】
一方、側壁部13~16は、第1主壁部11と第2主壁部12との間を結んで、ケース厚み方向CHにそれぞれ延びている。第1側壁部13と第2側壁部14は互いに対向しており、第1側壁部13がケース高さ方向AHの上側AH1、第2側壁部14がケース高さ方向AHの下側AH2に位置する。また第3側壁部15と第4側壁部16は互いに対向しており、第3側壁部15がケース幅方向BHの一方側BH1、第4側壁部16がケース幅方向BHの他方側BH2に位置する。
【0042】
ケース10の上壁部でもある第1側壁部13には、ケース10の内圧が開弁圧を超えたときに破断して開弁する安全弁17が設けられている。また第1側壁部13には、ケース10の内外を連通する注液孔13kが設けられており、アルミニウムからなる円板状の封止部材18で気密に封止されている。なお、注液孔13kは、後述するように、電池1の製造過程で電解液3をケース10内に注液する際に用いられる。
【0043】
更に第1側壁部13のうち、ケース幅方向BHの一方側BH1の端部近傍には、正極端子60が固設されている。具体的には、正極端子60は、アルミニウムからなる複数の金属部材を加締め接続してなり、複数の樹脂部材からなる樹脂部65を介して、第1側壁部13と絶縁された状態で第1側壁部13に固設されている。この正極端子60は、ケース10内で、電極体50の正極集電部50cに接続し導通する一方、第1側壁部13を貫通してケース10外まで延びている。
【0044】
また第1側壁部13のうち、ケース幅方向BHの他方側BH2の端部近傍には、負極端子70が固設されている。具体的には、負極端子70は、銅からなる複数の金属部材を加締め接続してなり、複数の樹脂部材からなる樹脂部75を介して、第1側壁部13と絶縁された状態で第1側壁部13に固設されている。この負極端子70は、ケース10内で、電極体50の負極集電部50dに接続し導通する一方、第1側壁部13を貫通してケース10外まで延びている。
【0045】
ケース10は、矩形状の開口部21cを有する有底角筒状の本体部材21と、矩形板状の蓋部材31とから構成されている。このうち本体部材21は、前述の第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなし、本体部材21の開口部21cは、4つの側壁部13~16で構成されている。一方、蓋部材31は、前述の第1主壁部11をなし、本体部材21の開口部21cを閉塞している。具体的には、蓋部材31の蓋周縁部31fが全周にわたり本体部材21の開口部21cの開口周縁部21fに接合(溶接)されている。
【0046】
次に電極体50について説明する(図1図4参照)。この電極体50は、帯状の正極板(電極板)51と帯状の負極板(電極板)54とを、帯状で樹脂製の多孔質膜からなる一対のセパレータ57を介して互いに重ね、捲回軸線DXの周りに円筒状に捲回した後、扁平状にプレスしたものである。即ち、電極体50は、電極体幅方向EHの両端部にそれぞれ位置する一対の電極R部50rと、これらの間に位置する電極積層部50eとを有する。電極R部50rは、正極板51、負極板54及びセパレータ57が半円筒状に屈曲しつつ重なった部位である。一方、電極積層部50eは、正極板51、負極板54及びセパレータ57が平板状に電極体厚み方向FHに積層された直方体状の部位である。更に電極体50は、捲回軸線DXに沿う電極体軸線方向DHの一方側DH1の端部に、後述する正極集電部50cを、電極体軸線方向DHの他方側DH2の端部に、後述する負極集電部50dを有する。
【0047】
この電極体50は、電極体軸線方向DHがケース幅方向BHに平行で、電極体幅方向EHがケース高さ方向AHに平行で、電極体厚み方向FHがケース厚み方向CHに平行な姿勢で、ケース10内に収容されている。また電極体50は、電極積層部50eが電極体厚み方向FH(ケース厚み方向CH)に圧縮された状態で、ケース10内に収容されている。即ち、電池1は、自己圧縮型の電池であり、ケース10が弾性変形し、ケース10の第1主壁部11と第2主壁部12とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。
【0048】
正極板51は、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔52を有する。この正極集電箔52の両主面上には、それぞれリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質粒子を含む正極活物質層53が帯状に形成されている。正極板51のうち、幅方向の片方の端部は、正極集電箔52上に正極活物質層53が存在せず、正極集電箔52が露出している。この正極集電箔52の露出部は、電極体50において、電極積層部50eから電極体軸線方向DHの一方側DH1に渦巻き状をなして突出し、前述の正極集電部50cを形成している。正極集電部50cは、正極端子60と接続している。
【0049】
負極板54は、帯状の銅箔からなる負極集電箔55を有する。この負極集電箔55の両主面上には、それぞれリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質粒子を含む負極活物質層56が帯状に形成されている。負極板54のうち、幅方向の片方の端部は、負極集電箔55上に負極活物質層56が存在せず、負極集電箔55が露出している。この負極集電箔55の露出部は、電極体50において、電極積層部50eから電極体軸線方向DHの他方側DH2に渦巻き状をなして突出し、前述の負極集電部50dを形成している。負極集電部50dは、負極端子70と接続している。
【0050】
次に弾性介在部材40について説明する(図2及び図3参照)。弾性介在部材40は、ケース10の第1主壁部11と電極体50の電極積層部50eとの間に介在している。この弾性介在部材40は、金属(本実施形態1ではアルミニウム)からなる。なお、弾性介在部材40は、ステンレスにより形成してもよい。弾性介在部材40は、波型の板であり、平面視矩形状である。即ち、弾性介在部材40は、ケース厚み方向CHの内側CH3に向けて(電極積層部50eに向けて)突出すると共に、ケース高さ方向AHに延びる複数の半円筒状の内側半円筒部40aと、ケース厚み方向CHの外側CH4に向けて(第1主壁部11に向けて)突出すると共に、ケース高さ方向AHに延びる複数の半円筒状の外側半円筒部40bとが、交互にケース幅方向BHに繋がった形態を有する。この弾性介在部材40は、ケース厚み方向CHに弾性変形して、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
【0051】
本実施形態1の電池1は、前述のように、ケース10の第1主壁部11と第2主壁部12とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。即ち、この電池1は、電池1自身によって電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮している自己圧縮型である。このため、電池1の使用に際して別途、拘束部材を用いなくて済む、或いは、簡易な拘束部材による外部拘束で足りる。
更に電池1は、ケース10が、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなす本体部材21に、第1主壁部11をなす蓋部材31を接合したものであるため、後述するように自己圧縮型の電池1を容易に製造でき、安価な電池1とすることができる。
【0052】
更に本実施形態1では、ケース10の第1主壁部11と電極体50の電極積層部50eとの間に、弾性介在部材40が介在しており、ケース10と弾性介在部材40の弾性変形によって電極積層部50eを押圧している。弾性介在部材40は、波型の板であり、板厚やピッチを変更するなどにより、その弾性係数を容易に設計変更できる。このため、弾性介在部材40を配置することで、より適切な押圧力で電極積層部50eを押圧した電池1とすることができる。更に弾性介在部材40は、アルミニウムからなるため、適切な押圧力で電極積層部50eを押圧した電池1とすることができる。
【0053】
また本実施形態1では、正極端子60及び負極端子70を、ケース10の第1主壁部11や第2主壁部12ではなく、第1側壁部13に固設している。このため、複数の電池1をケース厚み方向CHに重ねて電池モジュールを形成する場合に、隣り合う電池1の正極端子60及び負極端子70を、バスバ等を用いて容易に接続することができる。
また本実施形態1では、注液孔13kをケース10の第1側壁部13に設けている。このため、電池1を、後述するように、第1側壁部13を上側AH1に、第2側壁部14を下側AH2に向けた姿勢にして、電解液3の注液を行う際に、容易に注液を行うことができる。
【0054】
次いで、上記電池1の製造方法について説明する(図5図8参照)。予め、正極端子60及び負極端子70を固設した本体部材21と、蓋部材31とを用意しておく。また各々帯状をなす正極板51、負極板54及び一対のセパレータ57を、捲回軸線DXの周りに円筒状に捲回した後、扁平状にプレスして、電極体50を形成する。更に電極体50を袋状の絶縁ホルダ(不図示)で包んでおく。
【0055】
そして「収容工程S1」(図5参照)において、予め正極端子60及び負極端子70を第1側壁部13に固設した本体部材21内に、絶縁ホルダで包んだ電極体50と、弾性介在部材40とを、電極体50に弾性介在部材40を重ねて収容する(図6参照)。具体的には、押圧装置500の平坦な載置台510の上に、本体部材21を、その第2主壁部12の全体が載置台510に当接する姿勢で載置する。その後、本体部材21内に電極体50を、電極体軸線方向DHがケース幅方向BHに平行で、電極体幅方向EHがケース高さ方向AHに平行で、電極体厚み方向FHがケース厚み方向CHに平行な姿勢で収容する。また電極体50の電極積層部50eの上に弾性介在部材40に重ねる。その後、電極体50の正極集電部50cと本体部材21に固設された正極端子60とを、レーザ溶接により接続する。また電極体50の負極集電部50dと本体部材21に固設された負極端子70を、レーザ溶接により接続する。
【0056】
次に「押圧圧縮工程S2」(図5参照)において、本体部材21内に収容された電極体50及び弾性介在部材40の上に蓋部材31を配置し、蓋部材31がなす第1主壁部11及び本体部材21の第2主壁部12に外部の力Faを掛けて、電極体50の電極積層部50e及び弾性介在部材40をそれぞれ電極体厚み方向FHに押圧し圧縮する(図7参照)。具体的には、押圧装置500の押圧部520を蓋部材31がなす第1主壁部11に当接させ、押圧部520と載置台510との間に蓋部材31及び本体部材21を挟んで、第1主壁部11及び第2主壁部12に外部の力Faを掛ける。そして、電極体50の電極積層部50e及び弾性介在部材40をそれぞれ電極体厚み方向FHに押圧し圧縮して、蓋部材31の蓋周縁部31fを全周にわたり本体部材21の開口部21cの開口周縁部21fに当接させる(図8参照)。
【0057】
次に「接合工程S3」(図5参照)において、押圧装置500により電極体50及び弾性介在部材40を押圧し圧縮した状態で、蓋部材31の蓋周縁部31fを本体部材21の開口周縁部21fに全周にわたり接合し、ケース10を形成する(図8参照)。本実施形態1では、蓋周縁部31f及び開口周縁部21fにレーザ光LBを照射して、レーザ溶接を行うことで、蓋周縁部31fと開口周縁部21fを全周にわたり接合する。
【0058】
次に「解除工程S4」(図5参照)において、前述の外部の力Faを解除する。即ち、押圧装置500の押圧部520を蓋部材31から遠ざけて、外部の力Faを解除する。その際、接合工程S3で既にケース10が形成されているため、圧縮された電極積層部50e及び弾性介在部材40は、元の状態(厚み)には戻らない。外部の力Faを解除した後は、ケース10の第1主壁部11と第2主壁部12とで、電極積層部50eを弾性的に圧縮した状態となる。
【0059】
次に「注液工程S5」において、電解液3を注液孔13kを通じてケース10内に注液し、電解液3を電極体50内に含浸させる。具体的には、電池1を、注液孔13kが設けられた第1側壁部13を上側AH1に、第2側壁部14を下側AH2に向けた姿勢に置く(図1参照)。そして、注液装置(不図示)の注液ノズルを、上側AH1から電池1の注液孔13k内に挿入し、所定量の電解液3をケース10内に注液する。その後、所定時間にわたり電解液3を電極体50内に含浸させる。
【0060】
次に「封止工程S6」において、注液孔13kを外部から封止部材18で覆い、封止部材18をケース10にレーザ溶接して、封止部材18とケース10との間を気密に封止する。
次に「初充電・エージング工程S7」において、この電池1に充電装置(不図示)を接続して、電池1に初充電を行う。その後、初充電した電池1を所定時間にわたり静置して、電池1をエージングする。かくして、電池1が完成する。
【0061】
ここで、従来の角形電池では、ケース10の第1主壁部11、第2主壁部12及び3つの側壁部(第2側壁部14、第3側壁部15及び第4側壁部16)をなす有底角筒状の本体部材と、第1側壁部13をなす蓋部材とにより、ケース10を構成している。このような形態の電池では、自己圧縮型の電池を製造するのが難しい。本体部材の第1主壁部11と第2主壁部12との間隙は、組立後の電池において電極体50の電極積層部50eを押圧し圧縮するべく、電極体50及び弾性介在部材40を合わせた厚みよりも狭くするため、本体部材内に電極体50及び弾性介在部材40を挿入するのが難しいからである。
【0062】
これに対し、上述の電池1の製造方法では、収容工程S1で、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなす有底角筒状の本体部材21内に、電極体50及び弾性介在部材40を収容するので(図6参照)、容易に本体部材21内に電極体50及び弾性介在部材40を収容できる。そしてその後、押圧圧縮工程S2、接合工程S3及び解除工程S4を行うことにより、電池1自身によって電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮した自己圧縮型の電池1を、容易に製造できる。
更に本実施形態1では、弾性介在部材40を用いて電池1を製造するので、より適切な押圧力で電極体50の電極積層部50eを押圧した電池1を製造できる。更に、アルミニウムからなる弾性介在部材40を用いるので、適切な押圧力で電極積層部50eを押圧した電池1を製造できる。
【0063】
また本実施形態1では、収容工程S1において、予め正極端子60及び負極端子70を第1側壁部13に固設した本体部材21内に、電極体50を収容し、正極端子60及び負極端子70と電極体50とを接続するので、電極体50の本体部材21内への収容、及び、正極端子60及び負極端子70と電極体50との接続を、容易に行うことができる。
また本実施形態1では、注液孔13kをケース10の第1側壁部13に設けているため、注液工程S5において、電池1を、第1側壁部13を上側AH1に、第2側壁部14を下側AH2に向けた姿勢にして、電解液3の注液を行う際に、容易に注液を行うことができる。
【0064】
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する(図9参照)。なお、実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。実施形態1の電池1では、ケース10の第1主壁部11と電極体50の電極積層部50eとの間に、弾性介在部材40を配置した。これに対し、本実施形態2の電池(蓄電デバイス)100では、ケース110の第1主壁部111と電極体50の電極積層部50eとの間や、ケース110の第2主壁部12と電極体50の電極積層部50eとの間に、弾性介在部材を配置しない。更に実施形態1のケース10の第1主壁部11(蓋部材31)は平板状であったのに対し、本実施形態2のケース110の第1主壁部111(蓋部材131)は、平板状ではなく、弾性変形部111eを有する形態である点も異なる。
【0065】
具体的には、本実施形態2の第1主壁部111は、その周囲部111sを除く、平面視矩形状(ケース厚み方向CHに見て矩形状)の中央部が、ケース厚み方向CHに弾性変形する弾性変形部111eとなっている。この弾性変形部111eは、第1主壁部111の周囲部111sよりもケース厚み方向CHの内側CH3に向けて(電極積層部50eに向けて)突出すると共に、ケース高さ方向AH(図9中、紙面に直交する方向)に延びる複数の半円筒状の半円筒部111eaが、ケース幅方向BHに繋がった形態を有する。弾性変形部111eは、ケース厚み方向CHに弾性変形して、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
【0066】
本実施形態2の電池100は、電極体50の電極積層部50eが電極体厚み方向FHに圧縮された状態でケース110内に収容されている。具体的には、ケース110のうち、主に第1主壁部111の弾性変形部111eがケース厚み方向CHに弾性変形することにより、ケース110の第1主壁部111と第2主壁部12とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。
【0067】
このように本実施形態2の電池100も、電池100自身によって電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮している自己圧縮型であるため、電池100の使用に際して別途、拘束部材を用いなくて済む、或いは、簡易な拘束部材による外部拘束で足りる。またケース110が、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなす本体部材21に、第1主壁部111をなす蓋部材131を接合したものであるため、自己圧縮型の電池100を容易に製造でき、安価な電池100とすることができる。
更に本実施形態2では、ケース110の第1主壁部111が、ケース厚み方向CHに弾性変形する弾性変形部111eを有しているため、より適切な押圧力で電極体50の電極積層部50eを押圧した電池100とすることができる。更に、弾性変形部111eを有するケース110は、アルミニウムからなるため、適切な押圧力で電極積層部50eを押圧した電池100とすることができる。
【0068】
次に本実施形態2の電池100の製造方法について説明する。まず収容工程S1において、正極端子60及び負極端子70を固設した本体部材21内に、絶縁ホルダで包んだ電極体50を収容する。本実施形態2では、弾性介在部材は配置しない。その後、実施形態1と同様に、電極体50の正極集電部50c及び負極集電部50dと、本体部材21に固設された正極端子60及び負極端子70とを、それぞれレーザ溶接する。
【0069】
次に押圧圧縮工程S2において、本体部材21内に収容された電極体50の上に蓋部材131を配置し、蓋部材131がなす第1主壁部111及び本体部材21の第2主壁部12に外部の力Faを掛けて、第1主壁部111の弾性変形部111eをケース厚み方向CHに弾性変形させつつ、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧し圧縮する。そして、蓋部材131の蓋周縁部131fを全周にわたり本体部材21の開口周縁部21fに当接させる。この工程は、実施形態1と同様の押圧装置500(図7参照)を用いて行う。
【0070】
次に接合工程S3において、実施形態1と同様に、蓋部材131の蓋周縁部131fを本体部材21の開口周縁部21fに全周にわたりレーザ溶接して、ケース110を形成する。その後は、実施形態1と同様に、解除工程S4、注液工程S5、封止工程S6及び初充電・エージング工程S7を行って、電池100を完成させる。
【0071】
本実施形態2の電池100の製造方法では、収容工程S1で、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなす有底角筒状の本体部材21内に、電極体50を収容するので、容易に本体部材21内に電極体50を収容できる。そしてその後、押圧圧縮工程S2、接合工程S3及び解除工程S4を行うことにより、自己圧縮型の電池100を容易に製造できる。
更に本実施形態2では、ケース110の第1主壁部111が、ケース厚み方向CHに弾性変形する弾性変形部111eを有するので、より適切な押圧力で電極体50の電極積層部50eを押圧した電池100を製造できる。更に、アルミニウムからなる、弾性変形部111eを有するケース110を用いるので、適切な押圧力で電極積層部50eを押圧した電池100を製造できる。
その他、実施形態1と同様な部分は、実施形態1と同様な作用効果を奏する。
【0072】
(実施形態3)
次いで、第3の実施形態について説明する(図10参照)。なお、実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態3の電池(蓄電デバイス)200では、ケース210の第1主壁部211(蓋部材231)に弾性変形部211eを設けるが、この弾性変形部211eの形態が実施形態2の弾性変形部111eとは異なる。更に本実施形態3では、ケース210の第2主壁部212にも弾性変形部212eを設ける点が、実施形態1,2とは異なる。
【0073】
具体的には、本実施形態3の第1主壁部211は、その周囲部211sを除く、平面視矩形状の中央部が、ケース厚み方向CHに弾性変形する弾性変形部211eとなっている。この弾性変形部211eは、第1主壁部211の周囲部211sよりもケース厚み方向CHの内側CH3に向けて(電極積層部50eに向けて)突出すると共に、ケース高さ方向AH(図10中、紙面に直交する方向)に延びる複数の断面コ字状の凸条部211eaが、所定の間隙をあけてケース幅方向BHにストライプ状に繋がった形態を有する。弾性変形部211eは、ケース厚み方向CHに弾性変形して、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
【0074】
また第2主壁部212も、その周囲部212sを除く、平面視矩形状の中央部が、ケース厚み方向CHに弾性変形する弾性変形部212eとなっている。この弾性変形部212eは、第2主壁部212の周囲部212sよりもケース厚み方向CHの内側CH3に向けて(電極積層部50eに向けて)突出すると共に、ケース高さ方向AHに延びる複数の断面コ字状の凸条部212eaが、所定の間隙をあけてケース幅方向BHにストライプ状に繋がった形態を有する。弾性変形部212eは、ケース厚み方向CHに弾性変形して、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
【0075】
本実施形態3の電池200も、電極体50の電極積層部50eが電極体厚み方向FHに圧縮された状態でケース210内に収容されている。具体的には、ケース210のうち、主に第1主壁部211の弾性変形部211eと第2主壁部212の弾性変形部212eがそれぞれケース厚み方向CHに弾性変形することにより、ケース210の第1主壁部211と第2主壁部212とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。
【0076】
本実施形態3の電池200も、電池200自身によって電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮している自己圧縮型であるため、電池200の使用に際して別途、拘束部材を用いなくて済む、或いは、簡易な拘束部材による外部拘束で足りる。またケース210が、第2主壁部212及び4つの側壁部13~16をなす本体部材221に、第1主壁部211をなす蓋部材231を接合したものであるため、自己圧縮型の電池200を容易に製造でき、安価な電池200とすることができる。更にケース210の第1主壁部211が前述の弾性変形部211eを、第2主壁部212が前述の弾性変形部212eを有しているため、より適切な押圧力で電極体50の電極積層部50eを押圧した電池200とすることができる。
【0077】
なお、本実施形態3の電池200は、実施形態2の電池100と同様にして製造する。即ち、収容工程S1で本体部材221内に電極体50を収容し、押圧圧縮工程S2で、押圧装置500により外部の力Faを第1主壁部211及び第2主壁部212に掛けて、弾性変形部211e,212eをそれぞれケース厚み方向CHに弾性変形させつつ、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧し圧縮する。続いて接合工程S3で、蓋部材231の蓋周縁部231fを本体部材221の開口部221cの開口周縁部221fに全周にわたりレーザ溶接してケース210を形成する。その後、解除工程S4で外部の力Faを解除する。更に注液工程S5、封止工程S6及び初充電・エージング工程S7を行って、電池200を完成させる。
【0078】
本実施形態3でも、収容工程S1で、第2主壁部212及び4つの側壁部13~16をなす有底角筒状の本体部材221内に、電極体50を収容するので、容易に本体部材221内に電極体50を収容できる。そしてその後、押圧圧縮工程S2、接合工程S3及び解除工程S4を行うことにより、自己圧縮型の電池200を、容易に製造できる。更にケース210の第1主壁部211が前述の弾性変形部211eを、第2主壁部212が前述の弾性変形部212eを有するので、より適切な押圧力で電極体50の電極積層部50eを押圧した電池200を製造できる。
その他、実施形態1または2と同様な部分は、実施形態1または2と同様な作用効果を奏する。
【0079】
(実施形態4)
次いで、第4の実施形態について説明する(図11参照)。なお、実施形態1~3のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態4の電池(蓄電デバイス)300では、ケース310の第1主壁部311(蓋部材331)に弾性変形部311eを、第2主壁部312に弾性変形部312eをそれぞれ設けるが、これらの弾性変形部311e,312eの形態が実施形態2,3の各弾性変形部111e,211e,212eとは異なる。
【0080】
具体的には、本実施形態4の第1主壁部311は、その周囲部311sを除く、平面視矩形状の中央部が、ケース厚み方向CHに弾性変形する弾性変形部311eとなっている。この弾性変形部311eは、その全体がケース厚み方向CHの内側CH3に向けて(電極積層部50eに向けて)突出する平面視矩形状の凸部である。弾性変形部311eは、ケース厚み方向CHに弾性変形して、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
また第2主壁部312も、その周囲部312sを除く、平面視矩形状の中央部が、ケース厚み方向CHに弾性変形する弾性変形部312eとなっている。この弾性変形部312eも、その全体がケース厚み方向CHの内側CH3に向けて(電極積層部50eに向けて)突出する平面視矩形状の凸部である。弾性変形部312eは、ケース厚み方向CHに弾性変形して、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
【0081】
本実施形態4の電池300も、電極体50の電極積層部50eが電極体厚み方向FHに圧縮された状態でケース310内に収容されている。具体的には、ケース310のうち、主に第1主壁部311の弾性変形部311eと第2主壁部312の弾性変形部312eがそれぞれケース厚み方向CHに弾性変形することにより、ケース310の第1主壁部311と第2主壁部312とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。
【0082】
本実施形態4の電池300も、電池300自身によって電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮している自己圧縮型であるため、電池300の使用に際して別途、拘束部材を用いなくて済む、或いは、簡易な拘束部材による外部拘束で足りる。またケース310が、第2主壁部312及び4つの側壁部13~16をなす本体部材321に、第1主壁部311をなす蓋部材331を接合したものであるため、自己圧縮型の電池300を容易に製造でき、安価な電池300とすることができる。
【0083】
なお、本実施形態4の電池200は、実施形態2,3の電池100,200と同様にして製造する。即ち、収容工程S1で本体部材321内に電極体50を収容し、押圧圧縮工程S2で、押圧装置500により外部の力Faを第1主壁部311及び第2主壁部312に掛けて、弾性変形部311e,312eをそれぞれケース厚み方向CHに弾性変形させつつ、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧し圧縮する。続いて接合工程S3で、蓋部材331の蓋周縁部331fを本体部材321の開口部321cの開口周縁部321fに全周にわたりレーザ溶接してケース310を形成する。その後、解除工程S4で外部の力Faを解除する。更に注液工程S5、封止工程S6及び初充電・エージング工程S7を行って、電池300を完成させる。
【0084】
本実施形態4でも、収容工程S1で、第2主壁部312及び4つの側壁部13~16をなす有底角筒状の本体部材321内に、電極体50を収容するので、容易に本体部材321内に電極体50を収容できる。そしてその後、押圧圧縮工程S2、接合工程S3及び解除工程S4を行うことにより、自己圧縮型の電池300を、容易に製造できる。
その他、実施形態1~3のいずれかと同様な部分は、実施形態1~3のいずれかと同様な作用効果を奏する。
【0085】
以上において、本発明を実施形態1~4に即して説明したが、本発明は実施形態1~4に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば実施形態1~4では、電極体として、偏平状捲回型の電極体50を例示したが、これに限られない。電極体は、例えば、複数の矩形状の正極板(電極板)と複数の矩形状の負極板(電極板)とを、それぞれ矩形状のセパレータを介して積層した積層型の電極体でもよい。
【符号の説明】
【0086】
1,100,200,300 電池(蓄電デバイス)
10,110,210,310 ケース
11,111,211,311 第1主壁部
111e,211e,311e 弾性変形部
12,212,312 第2主壁部
212e,312e 弾性変形部
13 第1側壁部(上壁部)
14 第2側壁部(下壁部)
15 第3側壁部
16 第4側壁部
21,221,321 本体部材
21c,221c,321c 開口部
21f,221f,321f 開口周縁部
31,131,231,331 蓋部材
31f,131f,231f,331f 蓋周縁部
40 弾性介在部材
50 電極体
50e 電極積層部
51 正極板(電極板)
54 負極板(電極板)
CH ケース厚み方向
FH 電極体厚み方向
Fa 外部の力
S1 収容工程
S2 押圧圧縮工程
S3 接合工程
S4 解除工程
S5 注液工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11