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特開2024-111477蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111477
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240809BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240809BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20240809BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240809BHJP
   H01G 11/82 20130101ALI20240809BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20240809BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/052
H01M10/058
H01M50/103
H01M50/15
H01G11/82
H01G11/84
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016001
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 陽三
(72)【発明者】
【氏名】藤村 哲史
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5E078AA01
5E078AB01
5E078HA21
5E078HA22
5H011CC06
5H011DD12
5H028AA07
5H028BB04
5H028BB15
5H028CC24
5H028HH09
5H029AJ05
5H029AJ14
5H029BJ02
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029CJ28
5H029DJ02
5H029HJ12
5H029HJ15
(57)【要約】
【課題】蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる蓄電デバイス等を提供すること。
【解決手段】蓄電デバイス1は、ケース10が、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなす有底角筒状の本体部材21と第1主壁部11をなす矩形状の蓋部材31とを有し、第1主壁部11と第2主壁部12とで電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮してなる。蓄電デバイス1は、電極積層部50eの圧縮量Cと電極積層部50eに掛かる面圧Pとの関係を示すグラフGF1において、点(c1,p1)における接線TL1の傾きが、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線VLの傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
上記ケース内に収容された電極体と、を備え、
上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、
上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなる
蓄電デバイスであって、
上記ケースは、
上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、
上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり蓋周縁部が接合された矩形状の蓋部材と、を有し、
上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなり、
上記蓄電デバイスは、
上記電極体が上記ケース内に収容された状態における、上記電極積層部の圧縮量CをC=c1、上記電極積層部に掛かる面圧PをP=p1としたとき、
横軸を上記圧縮量C、縦軸を上記面圧Pとする、上記圧縮量Cと上記面圧Pとの関係を示すグラフにおいて、点(c1,p1)における接線の傾きが、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線の傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する
蓄電デバイス。
【請求項2】
ケースと、
上記ケース内に収容された電極体と、を備え、
上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、
上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなり、
上記ケースは、
上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、
上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり蓋周縁部が接合された矩形状の蓋部材と、を有し、
上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなり、
上記蓄電デバイスは、
上記電極体が上記ケース内に収容された状態における、上記電極積層部の圧縮量CをC=c1、上記電極積層部に掛かる面圧PをP=p1としたとき、
横軸を上記圧縮量C、縦軸を上記面圧Pとする、上記圧縮量Cと上記面圧Pとの関係を示すグラフにおいて、点(c1,p1)における接線の傾きが、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線の傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する
蓄電デバイスの製造方法であって、
上記本体部材内に上記電極体を収容する収容工程と、
上記本体部材内に収容された上記電極体上に上記蓋部材を配置し、上記蓋部材がなす上記第1主壁部及び上記本体部材の上記第2主壁部に外部の力を掛けて、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する押圧圧縮工程と、
上記電極体を押圧し圧縮した状態で、上記蓋部材の上記蓋周縁部を上記本体部材の上記開口部の上記開口周縁部に全周にわたり接合し、上記ケースを形成する接合工程と、
上記接合工程の後、上記外部の力を解除する解除工程と、を備える
蓄電デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直方体箱状のケース内に電極体が収容された角形の蓄電デバイス、及び、この蓄電デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直方体箱状のケース内に電極体が収容された角形電池のうち、特に、車両等に搭載され、長期間にわたり使用される電池では、充放電サイクル特性を向上させるなどの理由から、一般に電池を、一対のエンドプレート及び複数の拘束バンドからなる電池外部の拘束部材を用いて外部拘束している。これにより、ケース内に収容された電極体の電極積層部を電極体厚み方向に押圧した状態としている。関連する従来技術として、例えば特許文献1が挙げられる(特許文献1の図1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-173893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、拘束部材を用いて電池を外部拘束すると、コスト高になる、体格が大きくなる、重量が増える、部品点数が増えるなどの課題がある。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなる蓄電デバイス、及び、蓄電デバイスの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、ケースと、上記ケース内に収容された電極体と、を備え、上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなる蓄電デバイスであって、上記ケースは、上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり蓋周縁部が接合された矩形状の蓋部材と、を有し、上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなり、上記蓄電デバイスは、上記電極体が上記ケース内に収容された状態における、上記電極積層部の圧縮量CをC=c1、上記電極積層部に掛かる面圧PをP=p1としたとき、横軸を上記圧縮量C、縦軸を上記面圧Pとする、上記圧縮量Cと上記面圧Pとの関係を示すグラフにおいて、点(c1,p1)における接線の傾きが、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線の傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する蓄電デバイスである。
【0007】
上述の蓄電デバイスは、ケースの第1主壁部と第2主壁部とで、電極体の電極積層部を電極体厚み方向に弾性的に圧縮している。即ち、この蓄電デバイスは、蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を弾性的に圧縮している自己圧縮型である。このため、蓄電デバイスの使用に際して別途、拘束部材を用いなくて済む、或いは、簡易な拘束部材による外部拘束で足りる。
更に上述の蓄電デバイスは、ケースが、第2主壁部及び4つの側壁部をなす本体部材に、第1主壁部をなす蓋部材を接合したものであるため、後述するように自己圧縮型の蓄電デバイスを容易に製造でき、安価な蓄電デバイスとすることができる。
【0008】
ところで、電極体には、電極体毎に電極積層部の厚みバラツキがある。このため、自己圧縮型の蓄電デバイスにおいては、蓄電デバイス毎に、電極積層部の圧縮量Cが異なり、電極積層部に掛かる面圧Pも異なる。電極積層部に掛かる面圧Pのバラツキが大きいと、蓄電デバイスの性能(充放電サイクル特性など)のバラツキも大きくなってしまう。
これに対し、上述の蓄電デバイスは、電極体の圧縮量Cと面圧Pとの関係を示すグラフにおいて、点(c1,p1)における接線の傾きが、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線の傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する。即ち、点(c1,p1)において、圧縮量Cの微小変化ΔCによって生じる面圧Pの微小変化ΔPの比(ΔP/ΔC:接線の傾き)が、仮想直線の傾きp1/c1以下であることから、この蓄電デバイスでは、蓄電デバイス毎に圧縮量Cにバラツキが生じても、電極積層部に掛かる面圧Pのバラツキを小さくすることができる。このため、蓄電デバイスの性能(充放電サイクル特性など)のバラツキを小さくすることができる。
【0009】
なお、「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタ、全固体電池などが挙げられる。
また上述の蓄電デバイスにおいて、ケースの第1主壁部と電極体の電極積層部との間や、ケースの第2主壁部と電極体の電極積層部との間に、金属製や樹脂製の、平板や波板などからなる介在部材が介在していてもよい。
【0010】
(2)また他の態様は、ケースと、上記ケース内に収容された電極体と、を備え、上記ケースは、直方体箱状で、矩形状の第1主壁部、上記第1主壁部に対向する矩形状の第2主壁部、及び、上記第1主壁部と上記第2主壁部との間を結び、ケース厚み方向に延びる矩形状の4つの側壁部を有し、上記電極体は、電極板を含み、上記電極板が電極体厚み方向に積層された直方体状の電極積層部を有し、上記電極体厚み方向が上記ケース厚み方向に平行な姿勢で上記ケース内に収容されてなり、上記ケースは、上記第2主壁部及び4つの上記側壁部をなし、4つの上記側壁部で構成された矩形状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、上記第1主壁部をなし、上記本体部材の上記開口部の開口周縁部に全周にわたり蓋周縁部が接合された矩形状の蓋部材と、を有し、上記ケースの上記第1主壁部と上記第2主壁部とで、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に弾性的に圧縮してなり、上記蓄電デバイスは、上記電極体が上記ケース内に収容された状態における、上記電極積層部の圧縮量CをC=c1、上記電極積層部に掛かる面圧PをP=p1としたとき、横軸を上記圧縮量C、縦軸を上記面圧Pとする、上記圧縮量Cと上記面圧Pとの関係を示すグラフにおいて、点(c1,p1)における接線の傾きが、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線の傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する蓄電デバイスの製造方法であって、上記本体部材内に上記電極体を収容する収容工程と、上記本体部材内に収容された上記電極体上に上記蓋部材を配置し、上記蓋部材がなす上記第1主壁部及び上記本体部材の上記第2主壁部に外部の力を掛けて、上記電極体の上記電極積層部を上記電極体厚み方向に押圧し圧縮する押圧圧縮工程と、上記電極体を押圧し圧縮した状態で、上記蓋部材の上記蓋周縁部を上記本体部材の上記開口部の上記開口周縁部に全周にわたり接合し、上記ケースを形成する接合工程と、上記接合工程の後、上記外部の力を解除する解除工程と、を備える蓄電デバイスの製造方法である。
【0011】
従来の角形電池では、ケースの第1主壁部、第2主壁部及び3つの側壁部をなす有底角筒状の本体部材と、1つの側壁部をなす蓋部材とにより、ケースを構成している。このような形態の電池では、自己圧縮型の電池を製造するのが難しい。本体部材の第1主壁部と第2主壁部との間隙は、組立後の電池において電極体を押圧し圧縮するべく、電極体の厚み、或いは前述の介在部材がある電池では、電極体及び介在部材を合わせた厚みよりも狭くするため、本体部材内に電極体等を挿入するのが難しいからである。
【0012】
これに対し、上述の蓄電デバイスの製造方法では、収容工程で、まず第2主壁部及び4つの側壁部をなす有底角筒状の本体部材内に、電極体を収容するので、容易に本体部材内に電極体を収容できる。そしてその後、上述の押圧圧縮工程、接合工程及び解除工程を行うことにより、蓄電デバイス自身によって電極体の電極積層部を弾性的に圧縮した自己圧縮型の蓄電デバイスを、容易に製造できる。
【0013】
なお、「接合工程」において蓋部材を本体部材に接合する手法としては、例えば、レーザ溶接等の溶接による接合や、加締めによる接合などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る電池の斜視図である。
図2】実施形態に係る電池の分解斜視図である。
図3】実施形態に係る電池のケース幅方向及びケース厚み方向に沿う、図1及び図4におけるA-A矢視断面図である。
図4】実施形態に係る電池のうち、ケースの第1主壁部(第2主壁部)の厚み方向内側から見た平面図である。
図5】実施形態に係る電極体の斜視図である。
図6】比較形態に係る電池及び実施形態に係る電池について、電極体の圧縮量Cと電極体に掛かる面圧Pとの関係を示すグラフである。
図7】実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。
図8】実施形態に係る電池の製造方法に関し、収容工程において、本体部材内に電極体を収容した様子を示す説明図である。
図9】実施形態に係る電池の製造方法に関し、押圧圧縮工程において、外部の力を掛けて、電極体を電極体厚み方向に押圧する様子を示す説明図である。
図10】実施形態に係る電池の製造方法に関し、接合工程において、蓋部材の蓋周縁部を本体部材の開口周縁部にレーザ溶接する様子を示す説明図である。
図11】比較形態に係る電池の図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態に係る電池(蓄電デバイス)1の斜視図を、図2に電池1の分解斜視図を、図3に電池1の断面図を示す。更に図4に電池1のうち、第1主壁部11(第2主壁部12)の厚み方向内側CH3から見た平面図を示す。また図5に電極体50の斜視図を示す。なお、以下では、ケース高さ方向AH、ケース幅方向BH、ケース厚み方向CH、電極体軸線方向DH、電極体幅方向EH及び電極体厚み方向FHを、図1図5に示す方向と定めて説明する。この電池1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角形(直方体状)で密閉型のリチウムイオン二次電池である。
【0016】
電池1は、ケース10と、ケース10内に収容された扁平状捲回型の電極体50と、ケース10にそれぞれ支持された正極端子60及び負極端子70等から構成されている。電極体50は、ケース10内で、絶縁フィルムからなる袋状の図示しない絶縁ホルダに覆われている。またケース10内には、電解液3が収容されており、その一部は電極体50内に含浸され、残りはケース10の下壁部である第2側壁部14上に溜まっている。
【0017】
このうちケース10は、金属(本実施形態ではアルミニウム)からなる。このケース10は、直方体箱状であり、各々矩形状をなす第1主壁部11、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16(第1側壁部13、第2側壁部14、第3側壁部15及び第4側壁部16)を有する。
第1主壁部11及び第2主壁部12は、側壁部13~16よりも面積が広い。第1主壁部11及び第2主壁部12は互いに対向しており、第1主壁部11がケース厚み方向CHの一方側CH1(図1及び図2中、右手前側、図3中、上側)、第2主壁部12はケース厚み方向CHの他方側CH2(図1及び図2中、左奥側、図3中、下側)に位置する。
【0018】
一方、側壁部13~16は、第1主壁部11と第2主壁部12との間を結んで、ケース厚み方向CHにそれぞれ延びている。第1側壁部13と第2側壁部14は互いに対向しており、第1側壁部13がケース高さ方向AHの上側AH1、第2側壁部14がケース高さ方向AHの下側AH2に位置する。また第3側壁部15と第4側壁部16は互いに対向しており、第3側壁部15がケース幅方向BHの一方側BH1、第4側壁部16がケース幅方向BHの他方側BH2に位置する。
【0019】
ケース10の上壁部でもある第1側壁部13には、ケース10の内圧が開弁圧を超えたときに破断して開弁する安全弁17が設けられている。また第1側壁部13には、ケース10の内外を連通する注液孔13kが設けられており、アルミニウムからなる円板状の封止部材18で気密に封止されている。
更に第1側壁部13のうち、ケース幅方向BHの一方側BH1の端部近傍には、正極端子60が固設されている。具体的には、正極端子60は、アルミニウムからなる複数の金属部材を加締め接続してなり、複数の樹脂部材からなる樹脂部65を介して、第1側壁部13と絶縁された状態で第1側壁部13に固設されている。この正極端子60は、ケース10内で、電極体50の正極集電部50cに接続し導通する一方、第1側壁部13を貫通して電池外部まで延びている。
【0020】
また第1側壁部13のうち、ケース幅方向BHの他方側BH2の端部近傍には、負極端子70が固設されている。具体的には、負極端子70は、銅からなる複数の金属部材を加締め接続してなり、複数の樹脂部材からなる樹脂部75を介して、第1側壁部13と絶縁された状態で第1側壁部13に固設されている。この負極端子70は、ケース10内で、電極体50の負極集電部50dに接続し導通する一方、第1側壁部13を貫通して電池外部まで延びている。
【0021】
ケース10の第1主壁部11は、第1主壁部11の周囲部11sを除く、第1主壁部11の中央部分に平面視矩形状の押圧凸部11eを有する。この押圧凸部11eは、その全体がケース厚み方向CHの厚み方向内側CH3に向けて(電極体50の電極積層部50eに向けて)突出しており、ケース10の第1主壁部11及び第2主壁部12による弾性的な圧縮により、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
またケース10の第2主壁部12は、第2主壁部の周囲部12sを除く、第2主壁部12の中央部分に平面視矩形状の押圧凸部12eを有する。この押圧凸部12eは、その全体がケース厚み方向CHの厚み方向内側CH3に向けて(電極体50の電極積層部50eに向けて)突出しており、ケース10の第1主壁部11及び第2主壁部12による弾性的な圧縮により、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧している。
【0022】
ケース10は、矩形状の開口部21cを有する有底角筒状の本体部材21と、矩形状の蓋部材31とから構成されている。このうち本体部材21は、前述の第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなし、本体部材21の開口部21cは、4つの側壁部13~16で構成されている。一方、蓋部材31は、前述の第1主壁部11をなし、本体部材21の開口部21cを閉塞している。具体的には、蓋部材31の蓋周縁部31fが全周にわたり本体部材21の開口部21cの開口周縁部21fに接合(溶接)されている。
【0023】
次に電極体50について説明する(図1図3及び図5参照)。この電極体50は、帯状の正極板(電極板)51と帯状の負極板(電極板)54とを、帯状で樹脂製の多孔質膜からなる一対のセパレータ57を介して互いに重ね、捲回軸線DXの周りに円筒状に捲回した後、扁平状にプレスしたものである。即ち、電極体50は、電極体幅方向EHの両端部にそれぞれ位置する一対の電極R部50rと、これらの間に位置する電極積層部50eとを有する。電極R部50rは、正極板51、負極板54及びセパレータ57が半円筒状に屈曲しつつ重なった半円柱状の部位である。一方、電極積層部50eは、正極板51、負極板54及びセパレータ57が平板状に電極体厚み方向FHに積層された直方体状の部位である。更に電極体50は、捲回軸線DXに沿う電極体軸線方向DHの一方側DH1の端部に、後述する正極集電部50cを、電極体軸線方向DHの他方側DH2の端部に、後述する負極集電部50dを有する。
【0024】
電極体50は、電極体軸線方向DHがケース幅方向BHに平行で、電極体幅方向EHがケース高さ方向AHに平行で、電極体厚み方向FHがケース厚み方向CHに平行な姿勢で、ケース10内に収容されている。また電極体50は、電極体厚み方向FH(ケース厚み方向CH)に圧縮された状態で、ケース10内に収容されている。即ち、電池1は、自己圧縮型の電池であり、ケース10が弾性変形し、ケース10の第1主壁部11と第2主壁部12とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。
【0025】
正極板51は、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔52を有する。この正極集電箔52の両主面上には、それぞれリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質粒子を含む正極活物質層53が帯状に形成されている。正極板51のうち、幅方向の片方の端部は、正極集電箔52上に正極活物質層53が存在せず、正極集電箔52が露出している。この正極集電箔52の露出部は、電極体50において、電極積層部50eから電極体軸線方向DHの一方側DH1に渦巻き状をなして突出し、前述の正極集電部50cを形成している。正極集電部50cは、正極端子60と接続している。
【0026】
負極板54は、帯状の銅箔からなる負極集電箔55を有する。この負極集電箔55の両主面上には、それぞれリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質粒子を含む負極活物質層56が帯状に形成されている。負極板54のうち、幅方向の片方の端部は、負極集電箔55上に負極活物質層56が存在せず、負極集電箔55が露出している。この負極集電箔55の露出部は、電極体50において、電極積層部50eから電極体軸線方向DHの他方側DH2に渦巻き状をなして突出し、前述の負極集電部50dを形成している。負極集電部50dは、負極端子70と接続している。
【0027】
ここで、比較形態に係る電池900と本実施形態に係る電池1の弾性特性について説明する。まず比較形態の電池900について説明する(図11参照)。この電池900は、実施形態と同様の電極体50を備えるが、ケース910の形態が実施形態のケース10とは異なる。具体的には、比較形態のケース910のうち、4つの側壁部(第1側壁部(不図示)、第2側壁部(不図示)、第3側壁部915及び第4側壁部916)は、実施形態のケース10の4つの側壁部(第1側壁部13、第2側壁部14、第3側壁部15及び第4側壁部16)と同様である。一方、比較形態のケース910の第1主壁部911は、実施形態1の押圧凸部11eのような凸部を有さず、平板状である。またケース910の第2主壁部912も、実施形態1の押圧凸部12eのような凸部を有さず、平板状である。この比較形態の電池900も、自己圧縮型の電池であり、ケース910が弾性変形し、ケース910の第1主壁部911と第2主壁部912とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。
【0028】
次に比較形態の電池900及び本実施形態の電池1のそれぞれについて、電極体50の電極積層部50eの圧縮量Cと電極積層部50eに掛かる面圧Pとの関係を調査した。その結果を図6に示す。電極体50がケース910またはケース10内に収容された状態における、即ち、完成された電池900または電池1における、電極体50の電極積層部50eの圧縮量C(mm)をC=c1、電極積層部50eに掛かっている面圧P(MPa)をP=p1とする。
【0029】
電極体50には、電極体50毎に電極積層部50eの厚みバラツキがある。このため、電池900毎に、電極積層部50eの圧縮量Cが異なり、電極積層部50eに掛かる面圧Pも異なる。また電池1毎に、電極積層部50eの圧縮量Cが異なり、電極積層部50eに掛かる面圧Pも異なる。なお、比較形態の電池900においても、実施形態の電池1においても、圧縮量c1の平均値はc1=1.0mm、面圧p1の平均値はp1=7.0MPaとなっている。
【0030】
まず比較形態の電池900では、図6中に太線の破線でグラフGF2を示すように、電極積層部50eの圧縮量Cが大きくなるほど、電極積層部50eに掛かる面圧Pが大きくなる。具体的には、圧縮量Cが大きくなるに連れて、面圧Pの上昇量が大きくなる(圧縮量Cの微小変化ΔCによって生じる面圧Pの微小変化ΔPが大きくなる)。従って、比較形態の電池900では、点(c1,p1)における接線TL2の傾きは、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線VLの傾き(p1/c1)よりも大きい。このような電池900では、電池900毎に電極積層部50eの圧縮量Cのバラツキが生じると、電極積層部50eに掛かる面圧Pのバラツキが大きくなる。このため、電池900の充放電サイクル特性などの性能のバラツキも大きくなる。
【0031】
これに対し、本実施形態の電池1では、図6中に太線の実線でグラフGF1を示すように、電極積層部50eの圧縮量Cが大きくなるほど、電極積層部50eに掛かる面圧Pは大きくなる。但し、本実施形態では、比較形態とは異なり、圧縮量Cが大きくなるに連れて、面圧Pの上昇量が小さくなる(圧縮量Cの微小変化ΔCによって生じる面圧Pの微小変化ΔPが小さくなる)。従って、本実施形態の電池1では、点(c1,p1)における接線TL1の傾きは、前述の仮想直線VLの傾き(p1/c1)よりも小さい。このような電池1では、電池1毎に電極積層部50eの圧縮量Cのバラツキが生じても、電極積層部50eに掛かる面圧Pのバラツキが小さくなる。このため、電池1の充放電サイクル特性などの性能のバラツキも小さくなる。
【0032】
このように本実施形態の電池1は、電極積層部50eの圧縮量Cと面圧Pとの関係を示すグラフGF1において、点(c1,p1)における接線TL1の傾きが、原点(0,0)と(c1,p1)とを結ぶ仮想直線VLの傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する。電池1の弾性特性は、ケース10の材質や厚み、押圧凸部11e,12eの形態や大きさ、電極体50の形態や大きさなどによって異なるものであるが、電池1の設計時に弾性特性を予測するのは難しい。このため、本発明に係る弾性特性と有する電池を得るには、設計の異なる複数のサンプル電池を実際に作製し、電極積層部50eの圧縮量Cと面圧Pとの関係を調査するのと良い。
【0033】
以上で説明したように、本実施形態の電池1は、ケース10の第1主壁部11と第2主壁部12とで、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに弾性的に圧縮している。即ち、この電池1は、電池1自身によって電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮している自己圧縮型である。このため、電池1の使用に際して別途、拘束部材を用いなくて済む、或いは、簡易な拘束部材による外部拘束で足りる。
更に電池1は、ケース10が、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなす本体部材21に、第1主壁部11をなす蓋部材31を接合したものであるため、後述するように自己圧縮型の電池1を容易に製造でき、安価な電池1とすることができる。
【0034】
また電池1は、電極体50の圧縮量Cと面圧Pとの関係を示すグラフGF1において、点(c1,p1)における接線TL1の傾きが、仮想直線の傾き(p1/c1)以下となる弾性特性を有する。即ち、点(c1,p1)において、圧縮量Cの微小変化ΔCによって生じる面圧Pの微小変化ΔPの比(ΔP/ΔC:接線の傾き)が、仮想直線の傾きp1/c1以下であることから、この電池1では、電池1毎に圧縮量Cにバラツキが生じても、電極積層部50eに掛かる面圧Pのバラツキを小さくすることができる。このため、電池1の充放電サイクル特性などの性能のバラツキを小さくすることができる。
【0035】
次いで、上記電池1の製造方法について説明する(図7図10参照)。予め、正極端子60及び負極端子70を固設した本体部材21と、蓋部材31とを用意しておく。また各々帯状をなす正極板51、負極板54及び一対のセパレータ57を、捲回軸線DXの周りに円筒状に捲回した後、扁平状にプレスして、電極体50を形成する。更にこの電極体50を袋状の絶縁ホルダ(不図示)で包んでおく。
【0036】
そして「収容工程S1」(図7参照)において、正極端子60及び負極端子70を固設した本体部材21内に、絶縁ホルダで包んだ電極体50を収容する(図8参照)。具体的には、押圧装置500の平坦な載置台510の上に、本体部材21を、その第2主壁部12の全体が載置台510に当接する姿勢で載置する。その後、本体部材21内に、電極体50を電極体軸線方向DHがケース幅方向BHに平行で、電極体幅方向EHがケース高さ方向AHに平行で、電極体厚み方向FHがケース厚み方向CHに平行な姿勢で収容する。その後、電極体50の正極集電部50cと本体部材21に固設された正極端子60とを、レーザ溶接により接続する。また電極体50の負極集電部50dと本体部材21に固設された負極端子70を、レーザ溶接により接続する。
【0037】
次に「押圧圧縮工程S2」(図7参照)において、本体部材21内に収容された電極体50の上に蓋部材31を配置し、蓋部材31がなす第1主壁部11及び本体部材21の第2主壁部12に外部の力Faを掛けて、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧し圧縮する(図9参照)。具体的には、押圧装置500の押圧部520を蓋部材31がなす第1主壁部11に当接させ、押圧部520と載置台510との間に蓋部材31及び本体部材21を挟んで、第1主壁部11及び第2主壁部12に外部の力Faを掛ける。そして、電極体50の電極積層部50eを電極体厚み方向FHに押圧し圧縮して、蓋部材31の蓋周縁部31fを全周にわたり本体部材21の開口部21cの開口周縁部21fに当接させる(図10参照)。
【0038】
次に「接合工程S3」(図7参照)において、押圧装置500により電極体50を押圧し圧縮した状態で、蓋部材31の蓋周縁部31fを本体部材21の開口周縁部21fに全周にわたり接合し、ケース10を形成する(図10参照)。本実施形態では、蓋周縁部31f及び開口周縁部21fにレーザ光LBを照射して、レーザ溶接を行うことで、蓋周縁部31fと開口周縁部21fを全周にわたり接合する。
【0039】
次に「解除工程S4」(図7参照)において、前述の外部の力Faを解除する。即ち、押圧装置500の押圧部520を蓋部材31から遠ざけて、外部の力Faを解除する。その際、接合工程S3で既にケース10が形成されているため、圧縮された電極体50は、元の状態(厚み)には戻らない。外部の力Faを解除した後は、ケース10の第1主壁部11と第2主壁部12とで、電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮した状態となる。
【0040】
次に「注液・封止工程S5」において、電解液3を注液孔13kを通じてケース10内に注液し、電解液3を電極体50内に含浸させる。その後、注液孔13kを外部から封止部材18で覆い、封止部材18をケース10にレーザ溶接して、封止部材18とケース10との間を気密に封止する。
次に「初充電・エージング工程S6」において、この電池1に充電装置(不図示)を接続して、電池1に初充電を行う。その後、初充電した電池1を所定時間にわたり静置して、電池1をエージングする。かくして、電池1が完成する。
【0041】
ここで、従来の角形電池では、ケース10の第1主壁部11、第2主壁部12及び3つの側壁部(第2側壁部14、第3側壁部15及び第4側壁部16)をなす有底角筒状の本体部材と、第1側壁部13をなす蓋部材とにより、ケース10を構成している。このような形態の電池では、自己圧縮型の電池を製造するのが難しい。本体部材の第1主壁部11と第2主壁部12との間隙は、組立後の電池において電極体50を押圧し圧縮するべく、電極体50の厚みよりも狭くするため、本体部材内に電極体50を挿入するのが難しいからである。
【0042】
これに対し、上述の電池1の製造方法では、収容工程S1で、第2主壁部12及び4つの側壁部13~16をなす有底角筒状の本体部材21内に、電極体50を収容するので、容易に本体部材21内に電極体50を収容できる。そしてその後、押圧圧縮工程S2、接合工程S3及び解除工程S4を行うことにより、電池1自身によって電極体50の電極積層部50eを弾性的に圧縮した自己圧縮型の電池1を、容易に製造できる。
【0043】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば実施形態では、電極体として、偏平状捲回型の電極体50を例示したが、これに限られない。電極体は、例えば、複数の矩形状の正極板(電極板)と複数の矩形状の負極板(電極板)とを、それぞれ矩形状のセパレータを介して積層した積層型の電極体でもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 電池(蓄電デバイス)
10 ケース
11 第1主壁部
12 第2主壁部
13 第1側壁部(上壁部)
14 第2側壁部(下壁部)
15 第3側壁部
16 第4側壁部
21 本体部材
21c 開口部
21f 開口周縁部
31 蓋部材
31f 蓋周縁部
50 電極体
50e 電極積層部
51 正極板(電極板)
54 負極板(電極板)
57 セパレータ
CH ケース厚み方向
FH 電極体厚み方向
C (電極体の電極積層部の)圧縮量
c1 (電池における電極積層部の)圧縮量
P (電極体の電極積層部に掛かる)面圧
p1 (電池における電極積層部に掛かる)面圧
GF1 (実施形態の電池に係る)グラフ
TL1 (実施形態の電池に係る)接線
VL 仮想直線
Fa 外部の力
S1 収容工程
S2 押圧圧縮工程
S3 接合工程
S4 解除工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11