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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111509
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】乗客コンベヤシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 27/00 20060101AFI20240809BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240809BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B66B27/00 Z
G06Q10/20
B66B31/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016060
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 竜平
【テーマコード(参考)】
3F321
5L049
【Fターム(参考)】
3F321AA02
3F321EA11
3F321FA03
3F321FB03
3F321HA03
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】乗客コンベヤの保守点検が行われる際に、保守点検の対象である乗客コンベヤが有している制御盤に記憶されている動作情報を作業者がより確実に用いることができる乗客コンベヤシステムを得る。
【解決手段】この乗客コンベヤシステムは、複数の乗客コンベヤ1と、報知装置3と、を備え、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれは、安全装置102と、安全装置102の動作情報が記憶される制御盤103と、を有し、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれの制御盤103は、保守点検が行われる際に用いられる保守点検用端末装置2との間で行われる無線通信によって、制御盤103に記憶されている動作情報を保守点検用端末装置2に入力するようになっており、報知装置3は、複数の乗客コンベヤ1のうちで保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を有する乗客コンベヤ1である接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の乗客コンベヤと、
報知装置と、
を備え、
前記複数の乗客コンベヤのそれぞれは、安全装置と、前記安全装置の動作情報が記憶される制御盤と、を有し、
前記複数の乗客コンベヤのそれぞれの前記制御盤は、保守点検が行われる際に用いられる保守点検用端末装置との間で行われる無線通信によって、前記制御盤に記憶されている前記動作情報を前記保守点検用端末装置に入力するようになっており、
前記報知装置は、前記複数の乗客コンベヤのうちで前記保守点検用端末装置との間で無線通信が行われている前記制御盤を有する乗客コンベヤである接続先乗客コンベヤを作業者に報知する乗客コンベヤシステム。
【請求項2】
前記報知装置は、前記複数の乗客コンベヤのそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の音発生装置を有し、
前記複数の音発生装置のうちで前記接続先乗客コンベヤに設けられている音発生装置が音を発生させることによって、前記報知装置が前記接続先乗客コンベヤを作業者に報知する請求項1に記載の乗客コンベヤシステム。
【請求項3】
前記報知装置は、前記複数の乗客コンベヤのそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の発光装置を有し、
前記複数の発光装置のうちで前記接続先乗客コンベヤに設けられている発光装置が光を発することによって、前記報知装置が前記接続先乗客コンベヤを作業者に報知する請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤシステム。
【請求項4】
前記複数の発光装置のそれぞれは、照明装置を含んでおり、
前記複数の発光装置のうちで前記接続先乗客コンベヤに設けられている発光装置の前記照明装置が点滅することによって、前記報知装置が前記接続先乗客コンベヤを作業者に報知する請求項3に記載の乗客コンベヤシステム。
【請求項5】
前記複数の乗客コンベヤのそれぞれの設置位置を示す情報が記憶されている情報センタと、
前記保守点検用端末装置との間で無線通信が行われている前記制御盤から前記接続先乗客コンベヤを特定する情報が入力され、入力された前記接続先乗客コンベヤを特定する情報を前記情報センタに送信する監視機器と、
を備え、
前記情報センタは、前記監視機器から前記情報センタに送信された前記接続先乗客コンベヤを特定する情報に基づいて、前記接続先乗客コンベヤの設置位置を示す情報を前記報知装置に送信し、
前記報知装置は、表示装置を有しており、
前記情報センタから前記報知装置に送信された前記接続先乗客コンベヤの設置位置を示す情報を前記表示装置が表示することによって、前記報知装置が前記接続先乗客コンベヤを作業者に報知する請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗客コンベヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の乗客コンベヤと、保守点検用端末装置と、を備えている乗客コンベヤシステムが知られている。複数の乗客コンベヤのそれぞれは、安全装置と、安全装置の動作情報が記憶される制御盤と、を有している。保守点検用端末装置は、複数の乗客コンベヤのそれぞれの保守点検が行われる際に作業者によって用いられる。それぞれの制御盤は、保守点検用端末装置との間で行われる無線通信によって、制御盤に記憶されている動作情報を保守点検用端末装置に入力する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-43861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、保守点検用端末装置との間で無線通信が行われている制御盤が、複数の乗客コンベヤのうちで保守点検の対象である乗客コンベヤが有している制御盤であるか否かの判断を作業者が行うことが難しい。これにより、保守点検の対象ではない乗客コンベヤが有する制御盤から保守点検用端末装置に入力された動作情報を用いて、作業者が乗客コンベヤの保守点検を行ってしまう可能性があるという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、乗客コンベヤの保守点検が行われる際に、保守点検の対象である乗客コンベヤが有している制御盤に記憶されている動作情報を作業者がより確実に用いることができる乗客コンベヤシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗客コンベヤシステムは、複数の乗客コンベヤと、報知装置と、を備え、複数の乗客コンベヤのそれぞれは、安全装置と、安全装置の動作情報が記憶される制御盤と、を有し、複数の乗客コンベヤのそれぞれの制御盤は、保守点検が行われる際に用いられる保守点検用端末装置との間で行われる無線通信によって、制御盤に記憶されている動作情報を保守点検用端末装置に入力するようになっており、報知装置は、複数の乗客コンベヤのうちで保守点検用端末装置との間で無線通信が行われている制御盤を有する乗客コンベヤである接続先乗客コンベヤを作業者に報知する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る乗客コンベヤシステムによれば、乗客コンベヤの保守点検が行われる際に、保守点検の対象である乗客コンベヤが有している制御盤に記憶されている動作情報を作業者がより確実に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムを示すブロック図である。
図2図1の複数の乗客コンベヤを示す正面図である。
図3図1の複数の乗客コンベヤを示す側面図である。
図4】実施の形態2に係る乗客コンベヤシステムを示すブロック図である。
図5図4の照明装置の手摺下照明装置を示す斜視図である。
図6図4の照明装置の欄干パネル照明装置を示す斜視図である。
図7】実施の形態3に係る乗客コンベヤシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムを示すブロック図である。実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムは、複数の乗客コンベヤ1と、保守点検用端末装置2と、報知装置3と、を備えている。乗客コンベヤ1としては、例えば、エスカレーター、動く歩道が挙げられる。
【0010】
図2は、図1の複数の乗客コンベヤ1を示す正面図である。図3は、図1の複数の乗客コンベヤ1を示す側面図である。実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムでは、乗客コンベヤ1の数は、4つになっている。4つの乗客コンベヤ1には、1階と2階との間で上昇運転を行う1つの乗客コンベヤ1Aと、2階と3階との間で上昇運転を行う1つの乗客コンベヤ1Bと、が含まれている。また、4個の乗客コンベヤ1には、3階と2階との間で下降運転を行う1つの乗客コンベヤ1Cと、2階と1階との間で下降運転を行う1つの乗客コンベヤ1Dと、が含まれている。なお、乗客コンベヤ1の数は、4つに限らず、複数であればよい。
【0011】
複数の乗客コンベヤ1のそれぞれは、乗客コンベヤ本体101と、安全装置102と、制御盤103と、を有している。それぞれの乗客コンベヤ1において、乗客コンベヤ本体101、安全装置102および制御盤103が互いに対応している。
【0012】
それぞれの乗客コンベヤ本体101には、例えば、モータ、駆動スプロケット、従動スプロケット、踏段チェーン、踏段、移動手摺が含まれている。
【0013】
それぞれの安全装置102は、対応する乗客コンベヤ本体101に設けられている。それぞれの安全装置102は、対応する乗客コンベヤ本体101の動作に基づいて動作する。それぞれの安全装置102には、例えば、スカートガード安全装置、コム安全装置、非常停止ボタンが含まれている。
【0014】
それぞれの制御盤103には、対応する安全装置102から安全装置102の動作情報が入力される。それぞれの制御盤103は、制御部104と、記憶部105と、通信部106と、を有している。
【0015】
安全装置102から制御盤103に入力された安全装置102の動作情報は、制御部104および記憶部105のそれぞれに入力される。制御部104は、制御部104に入力された安全装置102の動作情報に基づいて、対応する乗客コンベヤ本体101を制御する。記憶部105には、安全装置102の動作情報が記憶される。
【0016】
保守点検用端末装置2は、保守点検が行われる際に作業者に用いられる。保守点検用端末装置2には、乗客コンベヤ1を保守点検するためのアプリケーションがインストールされている。
【0017】
保守点検用端末装置2は、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれにおける制御盤103の通信部106との間で別々に無線通信を行う。図1では、保守点検用端末装置2が乗客コンベヤ1Aの制御盤103の通信部106との間で無線通信が行われる様子が示されている。保守点検用端末装置2と制御盤103の通信部106との間で行われる無線通信によって、制御盤103の記憶部105に記憶されている安全装置102の動作情報が保守点検用端末装置2に入力されるようになっている。
【0018】
複数の乗客コンベヤ1のうちで保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を有する乗客コンベヤ1を接続先乗客コンベヤ1Eとする。
【0019】
報知装置3は、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の音発生装置301を有している。それぞれの音発生装置301には、対応する乗客コンベヤ1における制御盤103の通信部106が接続されている。
【0020】
それぞれの音発生装置301は、対応する乗客コンベヤ1に取り付けられている。したがって、複数の音発生装置301のうちの1つの音発生装置301が音を発生させることによって、複数の乗客コンベヤ1のうちで対応する乗客コンベヤ1が作業者に報知される。なお、それぞれの音発生装置301は、音を発生させることによって対応する乗客コンベヤ1が作業者に報知される構成であれば、対応する乗客コンベヤ1から離れて設けられてもよい。
【0021】
通信部106が保守点検用端末装置2との間で無線通信を行う場合に、無線通信を行う通信部106は、対応する音発生装置301に音を発生させる。音発生装置301が発生させる音としては、例えば、ブザー音が挙げられる。
【0022】
音発生装置301が音を発生させることによって、報知装置3は、接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。言い換えれば、複数の音発生装置301のうちで接続先乗客コンベヤ1Eに対応して設けられている音発生装置301は、音を発生させることによって接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。
【0023】
次に、実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムの動作について説明する。まず、保守点検用端末装置2を所持している作業者が保守点検の対象である乗客コンベヤ1の設置位置に到着する。
【0024】
その後、作業者が保守点検用端末装置2を操作して、複数の乗客コンベヤ1のうちで1つの乗客コンベヤ1を選択する。これにより、選択された1つの乗客コンベヤ1の制御盤103と保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われる。
【0025】
乗客コンベヤ1の制御盤103と保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われることによって、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を有する乗客コンベヤ1に設けられている音発生装置301が音を発生させる。これにより、報知装置3は、複数の乗客コンベヤ1のうちで保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を有する乗客コンベヤ1である接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。
【0026】
保守点検の対象である乗客コンベヤ1と接続先乗客コンベヤ1Eとが互いに一致していない場合には、作業者は、複数の乗客コンベヤ1のうちで保守点検用端末装置2との間で無線通信を行っていない1つの乗客コンベヤ1を新たに選択する。これにより、新たに選択された1つの乗客コンベヤ1の制御盤103と保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われる。作業者による乗客コンベヤ1の選択は、保守点検の対象である乗客コンベヤ1と接続先乗客コンベヤ1Eとが互いに一致するまで行われる。
【0027】
一方、保守点検の対象である乗客コンベヤ1と接続先乗客コンベヤ1Eとが互いに一致している場合には、作業者は、無線通信が行われている制御盤103の記憶部105から安全装置102の動作情報を保守点検用端末装置2に入力させる。
【0028】
その後、保守点検用端末装置2に入力された安全装置102の動作情報を用いて、作業者は、保守点検の対象である乗客コンベヤ1の保守点検を行う。乗客コンベヤ1の保守点検が終了することによって、乗客コンベヤシステムの動作が終了する。
【0029】
以上説明したように、実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムは、複数の乗客コンベヤ1と、報知装置3と、を備えている。複数の乗客コンベヤ1のそれぞれは、安全装置102と、安全装置102の動作情報が記憶される制御盤103と、を有している。複数の乗客コンベヤ1のそれぞれの制御盤103は、保守点検が行われる際に用いられる保守点検用端末装置2との間で行われる無線通信によって、制御盤103に記憶されている動作情報を保守点検用端末装置2に入力するようになっている。報知装置3は、複数の乗客コンベヤ1のうちで保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を有する乗客コンベヤ1である接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。この構成によれば、保守点検用端末装置2が制御盤103との間で無線通信を行う場合に、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。これにより、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103が、複数の乗客コンベヤ1のうちで保守点検の対象である乗客コンベヤ1が有している制御盤103であるか否かの判断を作業者が容易に行うことができる。その結果、乗客コンベヤ1の保守点検が行われる際に、保守点検の対象である乗客コンベヤ1が有している制御盤103に記憶されている安全装置102の動作情報を作業者がより確実に用いることができる。
【0030】
また、報知装置3は、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の音発生装置301を有している。複数の音発生装置301のうちで接続先乗客コンベヤ1Eに設けられている音発生装置301が音を発生させることによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。この構成によれば、音発生装置301が音を発生させることによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。これにより、音を発生させている音発生装置301の設置位置を作業者が目視することによって、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を作業者が特定することができる。
【0031】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る乗客コンベヤシステムを示すブロック図である。実施の形態2に係る乗客コンベヤシステムでは、報知装置3は、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の発光装置302を有している。複数の発光装置302のうちで接続先乗客コンベヤ1Eに設けられている発光装置302が光を発することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。
【0032】
複数の発光装置302のそれぞれは、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の照明装置303を含んでいる。照明装置303としては、例えば、手摺下照明装置、欄干パネル照明装置が挙げられる。
【0033】
図5は、図4の照明装置303の手摺下照明装置を示す斜視図である。図6は、図4の照明装置303の欄干パネル照明装置を示す斜視図である。複数の照明装置303のうちの何れか1つの照明装置303が点滅することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤを作業者に報知する。なお、それぞれの発光装置302の点灯方法は、光を発することによって対応する乗客コンベヤ1が作業者に報知される構成であれば、点滅に限らず、その他の点灯方法であってもよい。
【0034】
実施の形態2に係る乗客コンベヤシステムにおけるその他の構成は、実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムの構成と同様である。なお、実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムの構成と同様に、報知装置3が複数の音発生装置301を有している構成であってもよい。
【0035】
以上説明したように、実施の形態2に係る乗客コンベヤシステムでは、報知装置3は、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の発光装置302を有している。複数の発光装置302のうちで接続先乗客コンベヤ1Eに設けられている発光装置302が光を発することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。この構成によれば、発光装置302が光を発することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。これにより、光を発している発光装置302の設置位置を作業者が目視することによって、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を作業者が特定することができる。
【0036】
また、複数の発光装置302のそれぞれは、照明装置303を含んでいる。複数の発光装置302のうちで接続先乗客コンベヤ1Eに設けられている発光装置302の照明装置303が点滅することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。この構成によれば、照明装置303が点滅することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。これにより、点滅している照明装置303の設置位置を作業者が目視することによって、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を作業者が特定することができる。また、照明装置303が点滅することを作業者が目視することによって、作業者が照明装置303の点灯の点検を行うことができる。
【0037】
実施の形態3.
図7は、実施の形態3に係る乗客コンベヤシステムを示すブロック図である。実施の形態3に係る乗客コンベヤシステムは、情報センタ4と、監視機器5と、をさらに備えている。
【0038】
情報センタ4には、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれの設置位置を示す情報が記憶されている。
【0039】
乗客コンベヤ本体101に異常が発生したことを示す情報が安全装置102の動作情報に含まれている場合に、監視機器5には、制御盤103の制御部104から乗客コンベヤ本体101に異常が発生したことを示す異常発生信号が入力される。異常発生信号には、異常が発生した乗客コンベヤ本体101を特定する情報が含まれている。
【0040】
監視機器5は、監視機器5に入力された異常発生信号を情報センタ4に送信する。言い換えれば、監視機器5は、乗客コンベヤ本体101に異常が発生した場合に、乗客コンベヤ本体101に異常が発生したことを情報センタ4に発報する。
【0041】
制御盤103の通信部106と保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている場合に、監視機器5には、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103の通信部106から接続先乗客コンベヤ1Eを特定する情報が入力される。
【0042】
監視機器5は、監視機器5に入力された接続先乗客コンベヤ1Eを特定する情報を情報センタ4に送信する。
【0043】
情報センタ4は、監視機器5から情報センタ4に送信された接続先乗客コンベヤ1Eを特定する情報に基づいて、接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報を報知装置3に送信する。情報センタ4から報知装置3への接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報の送信は、無線通信によって行われる。
【0044】
報知装置3は、表示装置304を有している。表示装置304としては、例えば、作業者が所持する携帯端末装置に設けられている表示装置、保守点検用端末装置2に設けられている表示装置が挙げられる。情報センタ4から報知装置3に送信された接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報を表示装置304が表示することによって、表示装置304が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。表示装置304が表示する接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報としては、例えば、複数の乗客コンベヤ1が設置されている建物の中における接続先乗客コンベヤ1Eが示された地図が挙げられる。
【0045】
実施の形態3に係る乗客コンベヤシステムにおけるその他の構成は、実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムの構成と同様である。なお、実施の形態1に係る乗客コンベヤシステムの構成と同様に、報知装置3が複数の音発生装置301を有している構成であってもよい。また、実施の形態2に係る乗客コンベヤシステムの構成と同様に、報知装置3が複数の発光装置302を有している構成であってもよい。
【0046】
以上説明したように、実施の形態3に係る乗客コンベヤシステムは、情報センタ4と、監視機器5と、を備えている。情報センタ4には、複数の乗客コンベヤ1のそれぞれの設置位置を示す情報が記憶されている。監視機器5には、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103から接続先乗客コンベヤ1Eを特定する情報が入力される。監視機器5は、監視機器5に入力された接続先乗客コンベヤ1Eを特定する情報を情報センタ4に送信する。情報センタ4は、監視機器5から情報センタ4に送信された接続先乗客コンベヤ1Eを特定する情報に基づいて、接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報を報知装置3に送信する。報知装置3は、表示装置304を有している。情報センタ4から報知装置3に送信された接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報を表示装置304が表示することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。この構成によれば、表示装置304が接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報を表示することによって、報知装置3が接続先乗客コンベヤ1Eを作業者に報知する。これにより、表示装置304が表示する接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報を作業者が目視することによって、保守点検用端末装置2との間で無線通信が行われている制御盤103を作業者が特定することができる。また、表示装置304が表示する接続先乗客コンベヤ1Eの設置位置を示す情報を作業者が目視することによって、監視機器5と情報センタ4との間の通信に異常がないことを作業者が確認することができる。これにより、監視機器5が情報センタ4へ乗客コンベヤ本体101に異常が発生したことを発報することについての点検を作業者が行うことができる。
【0047】
以上、好ましい各実施の形態に係る乗客コンベヤシステムについて説明したが、上述した各実施の形態に係る乗客コンベヤシステムに制限されることはない。特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した各実施の形態に係る乗客コンベヤシステムに種々の変形および変換を加えることができる。
【符号の説明】
【0048】
1、1A、1B、1C、1D 乗客コンベヤ、1E 接続先乗客コンベヤ、2 保守点検用端末装置、3 報知装置、4 情報センタ、5 監視機器、101 乗客コンベヤ本体、102 安全装置、103 制御盤、104 制御部、105 記憶部、106 通信部、301 音発生装置、302 発光装置、303 照明装置、304 表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7