(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111517
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】包装用箱及びトレー
(51)【国際特許分類】
B65D 5/491 20060101AFI20240809BHJP
B65D 5/20 20060101ALI20240809BHJP
B65D 77/26 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B65D5/491
B65D5/20 Z
B65D77/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016072
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】522038499
【氏名又は名称】株式会社M&S
(74)【代理人】
【識別番号】100181881
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 俊一
(72)【発明者】
【氏名】水野 博昭
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB13
3E060AB18
3E060BA06
3E060BC04
3E060CC14
3E060CC17
3E060CC21
3E060CC34
3E060CC44
3E060DA30
3E060EA06
3E067AA11
3E067AC04
3E067BA05C
3E067BA10B
3E067BA14B
3E067BB01B
3E067BB01C
3E067BC02B
3E067BC06C
3E067EB27
3E067EC32
3E067EC38
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】 個包装商品を整列させた状態で隙間なく装填でき、装填後も個々の姿勢及び配置を整然と維持できる個包装商品用包装用箱の提供。
【解決手段】 個包装商品cが整列状態で装填される箱本体aと、その内空部に仕切区画dを列設するトレーbからなり、箱本体aはトレーbの全仕切区画dの全域を同時に取り込み得る下開口部を備え、トレーbは個包装商品cを保持する上下二重に折られた上下皿板14,15を備え、上皿板14は一方向へ開いて表側へ脱出する上仕切片17が列設され、下皿板15は他方向へ開いて裏側へ脱出し上仕切片17と重なり合う下仕切片19が上仕切片17と等間隔で列設され、前記上仕切片17若しくは下仕切片19のいずれか又は双方の幅が、前記箱本体aの内空部の高さを超える個包装商品用包装用箱。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個包装商品を個別に収めるための仕切区画が複数列設されたトレーと、前記トレーと共に当該トレーに搭載された複数の個包装商品が収容される箱本体とからなり、
前記箱本体は、前記トレーの全仕切区画の全域を同時に取り込み得る下開口部を備え、
前記トレーは、前記個包装商品を保持する上下二重に折り重ねられた上皿板及び下皿板を備え、
前記上皿板は、左右いずれか一方向へ開いて表側へ脱出する上仕切片が列設され、
前記下皿板は、前記上仕切板の反対方向へ開いて裏側へ脱出し、前記上仕切片と重なり合う下仕切片が当該上仕切片と等間隔で列設され、
前記上仕切片若しくは下仕切片のいずれか又は双方の幅が、前記箱本体の内空部の高さを超えることを特徴とする包装用箱。
【請求項2】
前記トレーは、前記上仕切片と下仕切片とが重なり合うことにより充填前の形態として予備傾斜が与えられた仕切を備えることを特徴とする請求項1に記載の包装用箱。
【請求項3】
前記仕切の予備傾斜は、重なり合う上仕切片と下仕切片のすべてについて下仕切片の幅を上仕切片の幅より短くした構成、上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部との間にそれらを上下に離す空隙が設けられた構成、又は上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部とが上下に重なる構成により与えられていることを特徴とする請求項2に記載の包装用箱。
【請求項4】
前記箱本体は、下開きとなりトレーの外縁を下開口部の内側へ誘導するフラップを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の包装用箱。
【請求項5】
個包装商品を個別に収めるための仕切区画が複数列設されたトレーであって、
前記個包装商品を保持する上下二重に折り重ねられた上皿板及び下皿板を備え、
前記上皿板は、左右いずれか一方向へ開いて表側へ脱出する上仕切片が列設され、
前記下皿板は、前記上仕切板の反対方向へ開いて裏側へ脱出し、前記上仕切片と重なり合う下仕切片が当該上仕切片と等間隔で列設され、
前記仕切は、前記上仕切片と下仕切片とが重なり合うことにより充填前の形態として予備傾斜が与えられていることを特徴とするトレー。
【請求項6】
前記仕切の予備傾斜は、重なり合う上仕切片と下仕切片のすべてについて下仕切片の幅を上仕切片の幅より短くした構成、上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部との間にそれらを上下に離す空隙が設けられた構成、又は上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部とが上下に重なる構成により与えられていることを特徴とする請求項5に記載のトレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル状商品等が封入されたチューブ商品や、粉末商品や固形商品等にスティック状又は方形状等の軟包装が施された商品(以下、これらを「軟包装商品」とし、前記チューブ商品を含めて「個包装商品」と総称する。)を、向きが揃い且つ安定した整列状態で装填することに便宜な個包装商品用の包装用箱及びトレーに関する。
【背景技術】
【0002】
個包装商品は、一般的にビン容器の様な単純な円筒状ではなく、一般的に、側部や端部がヒートシールや巻き潰し等をもって封止されているため、商品の向きを正しく揃えて維持出来なければ装填状態が乱れ開封の際に見苦しい配置状態を露呈し、商品として劣悪な印象を与えることとなる。また、包装用箱の内部において個包装商品の配置が乱れ個々の向きや位置関係の変動が生じれば、個包装商品相互の干渉によって個々の外観を損傷する虞もある。
この様な状況を回避し、包装用箱の限られた容積の下で個包装商品を個々整然と収容するためには、個包装商品が個々定められた向きで収まるに足る固有の定型空間が必要となる。
【0003】
例えば、軟膏などが入れられたチューブ商品は、一般的に、箱詰後移送時における揺動、移動又は加圧等によって変形し易く、復元性が期待できない容器も有るため、包装用箱の内部に商品相互の干渉を回避し商品の変形や損傷を回避するための仕切材が設けられている(例えば、下記特許文献1又は2参照。)。
一方、軟包装商品は、一般的に、箱詰後移送時における揺動、移動又は加圧等によって変形し易いものの、復元性が期待できるため仕切材が必要とされない場合も少なくない。
いずれにしても、開封の瞬間に至るまで商品の印象を良好に維持するためには、複数の個包装商品をその整列を維持したまま装填し、且つ箱詰後においてもその整列状態を開封時まで維持するための工夫が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭59-41211号公報
【特許文献2】実開平6-14023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の技術は、いずれも仕切又はトレーとしての機能を有する部材の提供に止まり、複数の個包装商品の供給、整列及び包装箱への装填と言う過程を経て包装用箱の内部へ整然と梱包することに寄与する作用効果を具体的に得るには至らないという問題がある。
また、移送時に仕切の姿勢が変動し個々の個包装商品間に余剰空間が生じると、商品間のズレが生じ、殊に、形態の復元性が期待できないチューブ商品にあっては、商品形態の劣化を招来すると言う問題もある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、複数の個包装商品を整列させた状態で隙間なく装填することができ、装填後にあっても個々の個包装商品の姿勢及び配置を整然と維持できる包装用箱の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく為された本発明による包装用箱は、個包装商品を個別に収めるための仕切区画が複数列設されたトレーと、前記トレーと共に当該トレーに搭載された複数の個包装商品が収容される箱本体とからなり、前記箱本体は、前記トレーの全仕切区画の全域を同時に取り込み得る下開口部を備え、前記トレーは、前記個包装商品を保持する上下二重に折り重ねられた上皿板及び下皿板を備え、前記上皿板は、左右いずれか一方向へ開いて表側へ脱出する上仕切片が列設され、前記下皿板は、前記上仕切板の反対方向へ開いて裏側へ脱出し、前記上仕切片と重なり合う下仕切片が当該上仕切片と等間隔で列設され、前記上仕切片若しくは下仕切片のいずれか又は双方の幅が、前記箱本体の内空部の高さを超えることを特徴とする。
【0008】
前記上皿板又は下皿板における端縁から延出し各仕切空間においてそこへ搭載された個包装商品の前後の動き(配置)を規制する規制板を設けることができる。
前記トレーは、前記上仕切片と下仕切片とが重なり合うことにより充填前の形態として予備傾斜が与えられた仕切を備えることが望ましい。
前記仕切の予備傾斜は、重なり合う上仕切片と下仕切片のすべてについて下仕切片の幅を上仕切片の幅より短くした構成、上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部との間にそれらを上下に離す空隙が設けられた構成、又は上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部とが上下に重なる構成により与えることができる。また、これらの構成は、仕切の予備傾斜を際立たせるため、又は上皿板、下皿板又は脚部で生じる弾性を調整するために、複数併用されていても良い。
前記箱本体は、例えば前記下開口部を形作る囲い板の端縁に続いて、下開きとなりトレーの外縁を当該下開口部の内側へ誘導するフラップを備える構成を採ることができる。
【0009】
上記課題を解決すべく為された本発明によるトレーは、個包装商品を個別に収めるための仕切区画が複数列設されたトレーであって、前記個包装商品を保持する上下二重に折り重ねられた上皿板及び下皿板を備え、前記上皿板は、左右いずれか一方向へ開いて表側へ脱出する上仕切片が列設され、前記下皿板は、前記上仕切板の反対方向へ開いて裏側へ脱出し、前記上仕切片と重なり合う下仕切片が当該上仕切片と等間隔で列設され、前記仕切は、前記上仕切片と下仕切片とが重なり合うことにより充填前の形態として予備傾斜が与えられていることを特徴とする。
前記上皿板又は下皿板における端縁から延出し各仕切空間においてそこへ搭載された個包装商品の前後の動き(配置)を規制する規制板を設けることができる。
前記仕切の予備傾斜は、重なり合う上仕切片と下仕切片のすべてについて下仕切片の幅を上仕切片の幅より短くした構成、上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部との間にそれらを上下に離す空隙が設けられた構成、又は上仕切片の支承部と当該上仕切片と重なり合う下仕切片の支承部とが上下に重なる構成により与えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による個包装商品用包装用箱によれば、トレーは、前記個包装商品を保持する上下二重に折り重ねられた上皿板及び下皿板を備え、上皿板は、左右一方へ開いて表側へ脱出する上仕切片が複数列設され、下皿板は、左右他方へ開いて裏側へ脱出し、上仕切片と重なり合う下仕切片が当該上仕切片と等間隔で複数列設された構成を採用することによって、左右相反する方向へ開いて脱出した上下仕切片各々の復元力が重なり合った各々の起立を維持し、個包装商品をトレーの仕切区画に装填する際の便宜となる。
【0011】
また、上仕切片又は上仕切片の脱出長が、前記箱本体の内空部の高さを超える構成を採ることによって、個包装商品が搭載されたトレー(全仕切区画)が箱本体の下開口部から上向きに進入する際に各仕切片の傾倒が促され、更に、上位に配置された上仕切片の復元力が下仕切片の復元力を凌駕する構成や下仕切片の復元力を規制する構成等、各仕切に予備傾斜を与える構成が採られることによって、箱本体に装填される前の全仕切に意図通りの傾斜が与えられ、箱本体へトレーが装填された後には確実に傾倒方向が揃い、各仕切区画に搭載された個包装商品が当該仕切に倣う同じ向き同じ姿勢で、箱本体の上下内面及び隣接する仕切片に保持されることとなる。
【0012】
前記構成に加え、トレーの上皿板又は下皿板が、箱本体の内空部において、素材の弾性や復元力を奏することができる構成採ることによって、支持片の挟持力を適正に調整し、同時に個包装商品の移動を抑制することができる。
この様に、前記箱本体は、トレーの全仕切区画の全域を同時に取り込み得る下開口部を備える構成を備えることにより、また更に、下開口部にトレーの外縁をそれぞれ誘導するフラップを備える構成を備えることにより、箱本体へのトレー及び個包装商品の装填の便宜を図りつつも箱本体の容積(大きさ:平面積及び高さ)を必要最小限に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明によるトレーの組立行程の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明による包装用箱のトレーの充填準備行程の一例を示す斜視図である。
【
図3】本発明による包装用箱の箱本体のブランクシート及び凸成形型の構成の一例を示す斜視図である。
【
図4】本発明による包装用箱の箱本体組立行程の一例を示す斜視図である。
【
図5】本発明による包装用箱の封緘行程の一例を示す斜視図である。
【
図6】本発明による包装用箱の封緘行程の一例を示す斜視図である。
【
図7】本発明による包装用箱のトレーの商品搭載行程及び商品充填行程の一例を示すA-A矢視断面図である。
【
図8】本発明による包装用箱の商品充填行程の一例を示す斜視図である。
【
図9】本発明によるトレーの組立行程の一例を示す斜視図である。
【
図10】本発明によるトレーの一例を示すB-B矢視要部断面図である。
【
図11】本発明によるトレーの一例を示す(A):脚部近傍の断面図、(B):C-C矢視断面図、(C):A-A矢視断面図である。
【
図12】本発明によるトレーのブランクシートの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による包装用箱及びトレーを実施するための形態を、図面に基づき詳細に説明する。
図に示す例は、箱本体aに個包装商品cを搭載したトレーbを当該箱本体aの下開口部から装填させる手法(以下、「ボトムローディング」と記す。)を採用するものである。
この例は、個包装商品cを個別に収めるための仕切区画dが等間隔で複数列設されたトレー(
図1又は
図9参照。)bと、前記トレーbと共に当該トレーbに搭載された複数の個包装商品cを収容する箱本体(
図2参照。)aとからなる。
前記トレーbは、当該トレーb及び箱本体aの内空部を、等間隔で水平に(下開口部の反対側を封じる板面を水平面と仮定したもの)配置された複数の仕切に副って複数の仕切区画dに区画し、各仕切区画dに各々収められた個包装商品cを、当該仕切区画dに副った整列状態で箱本体aの内空部に安定保持する。
【0015】
箱本体aは、厚紙からなる一連のブランクシートを折り曲げ、且つ糊付けにより保形することで形作られる。
箱本体aのブランクシートは、その中央部に長方形の天板1が配置され、当該天板1の四辺から、それぞれ同じ深さ寸法の長方形状の前板2、左板3、後板4及び右板5からなる側板が囲い板として延設され、後板4の端縁から長方形状の底封鎖板6が延設されている(
図3(A)参照。)。
このブランクシートの構成は、紙のロスを最も少なくできる構成のひとつである。
【0016】
左板3は、その前側縁から延出し前記前板2の裏側へ挿し入れられる左前支持片7と、その端縁から延出し前記底封鎖板6の裏側へ挿し入れられる左底支持片11を備える。
右板5は、その前側縁から延出し前記前板2の裏側へ挿し入れられる右前支持片8と、その端縁から延出し前記底封鎖板6の裏側へ挿し入れられる右底支持片12を備える。
後板4は、その左右側縁から延出し前記左板3及び右板5の裏側へ挿し入れられる左側支持片9及び右側支持片10を備える。
底封鎖板6は、その端縁から延出し前記前板2の裏側へ挿し入れられる前側支持片13を備える。
左右前支持片7,8と左右側支持片9,10は、箱本体aの側板を筒状に保形する糊代として用いることができ、左右底支持片11,12と、前側支持片13は、箱本体aの下開口部を底封鎖板6で封じた状態に保形する糊代として用いることができ、いずれも先窄まりの台形状に設定されている。
【0017】
トレーbは、上皿板14、下皿板15及び規制板16が平行に配置された厚紙からなる一連のブランクシートを折り曲げ、必要に応じて糊付け等で保形することで形作られる(
図1参照。)。
図1の例では、上皿板14と、下皿板15と、規制板16は、直線的な境界線を介して連結されているが、上皿板14と下皿板15とを折り重ねた際に両者の間に一定の空隙を設ける目的で(
図10(C)参照。)、上皿板14と下皿板15との間に一定幅の間板41を平行に介在させた構成を採ることができる。
また、前記規制板16に続いてその端縁から押え板34を延設し、規制板16と押え板34を平行に配置した構成を採ることができる(
図9(A)又は
図12参照。)。
【0018】
上皿板14は、左右一方(この例では、
図1(B)における左。)へ開いて表側へ脱出する略同じ形状の外縁を持った上仕切片17が複数平行に一列配置されている。上皿板14の各上仕切片17は、断続的に配置された同じ弓状の切込みに囲まれ、当該切込みの両端を結ぶ部位(弓の弦に相当する部位)が切断される事無く残されて各上仕切片17の開閉の支承部18となる。
下皿板15は、上皿板(上仕切片17を含む。)14を180度回転させた略回転対称形状の部材であって、左右他方(この例では、
図1(B)における右。)へ開いて表側へ脱出する略同じ形状の外縁を持った下仕切片19が複数平行に一列配置されている。下皿板15の各下仕切片19は、断続的に配置された同じ弓状の切込みに囲まれ、当該切込みの両端を結ぶ部位(弓の弦に相当する部位)が切断される事無く残されて各下仕切片19の開閉の支承部20となる。
上仕切片17及び下仕切片19は、それらの支承部18,20の反対側に隣接する上下仕切片17,19の支承部18,20の中央部に、上仕切片17及び下仕切片19の先端部を食い込ませる切込みを設けることによって、各々の脱出長を仕切区間の幅よりも広くすることができる。
【0019】
また、等間隔で列設された各上仕切片17と各下仕切片19の支承部18,20は、上皿板14と下皿板15が両者の境界線で折り重ねられることで(又は前記間板41を介在して折り重ねられることで)双方の一部又は全部が重なり合う位置関係となっている(
図1(C)参照。)。
上仕切片17又は下仕切片19の脱出長は、少なくとも一方が前記箱本体aの内空部の高さを超える長さ(幅)であって(
図7(A)(B)(C)参照。)、且つ各仕切区画dへ傾斜する仕切片17,19にあっては、箱本体aに装填することで同様に傾斜した隣り合う仕切でその間の仕切空間dに存在する個包装商品cを保持(支持、挟持又は抱持等)できる長さに設定され、干渉空間へ傾斜する仕切片17,19にあっては、箱本体aの左板3又は右板5の内面と個包装商品cとの間の干渉空間を維持できる長さに設定されている(
図7(D)右端部参照。)。
【0020】
規制板16は、個包装商品cの端部の前後移動(配置)を規制するに十分な高さを持った長方形状の部材であって、下皿板15と直線的な境界線を介して連結されている。
この例では、更に、上皿板14及び規制板16の境界部に、下方へ開いてブランクシートの表側(下皿板15の下方)へ脱出し、当該下皿板15の裏面を箱本体aの内面(底封鎖板6)から離隔させる脚部21,22を下皿板15との境界線に沿って備える。
各脚部21,22は、下皿板15との境界線を両端とする弓状の切込みに囲まれて上皿板14側及び規制板16側に配置されている(
図1又は
図9参照。)。
尚、
図9で示される例の押え板34は、規制板16の規制機能に個包装商品cの保護と加圧による個包装商品cの端部の移動防止を目的とした弾性部材としての機能を与える台形状の部材であって、規制板16と直線的な境界線を介して連結されている。
【0021】
箱本体aの組み立ては、凸成形型xを具備する組立手段によって行われ、
図4に示す様に、当該箱本体aのブランクシートの天板1の位置に、天板1と同形状の外縁を形作る凸成形型xを正確に密着させ、後板4及び左右側支持片9,10を凸成形型xの後側面及び左右側面に密着する様に直角に折り曲げる行程と、前記左右側支持片9,10に接着剤を塗布すると共に、左板3及び右板5を凸成形型xの左側面及び右側面並びに前記左右側支持片9,10に密着する様に直角に折り曲げて接着剤の固化を待つ行程を経る(以下、「本体組立行程」と記す。)。
尚、
図2乃至
図4に示す前記凸成形型xは、組み立て対象となる箱本体aの内空部の四隅と同じ形態を持つ四つの直方体ブロックを、当該ブロックの四隅が箱本体aの内空部の四隅と同様の形態となる様に配置されることによって、箱本体aの天板1、前板2、左板3、後板4及び右板5を、当該凸成形型xの天面、前側面、左側面、後側面及び右側面に相当する各ブロックの面で支持できる様に位置固定したものである。
【0022】
トレーbの組み立ては、
図1に示す様に、上皿板14のすべての上仕切片17を表側(上皿板14の下方)へ起立させると共に、脚部21を表側(下皿板15の下方)へ起立させる行程と、下皿板15のすべての下仕切片19を裏側(下皿板15の上方)へ起立させると共に、脚部22を表側(下皿板15の下方)へ起立させる行程と、当該トレーbのブランクシートの下皿板15の上に上皿板14を折り重ね、上皿板14の皿部23の裏面と下皿板15の皿部24の裏面とを接着する(接着しない行程を採用することができる。)と共に、起立した下仕切片19の表面と上仕切片17の裏面とを接着する行程(起立した下仕切片19の表面と上仕切片17の裏面とを接着することなく重ね合わせる行程を採用することができる。)と(
図1(C)参照。)、規制片16を下皿板15との境界線で裏側に起立させる行程を経る(以下、「トレー組立行程」と記す。)。
【0023】
一方、上皿板14と下皿板15とを折り重ねた際に両者の間に一定の空隙を設ける目的で(
図10(C)参照。)、上皿板14と下皿板15との間に一定幅の間板41を平行に介在させた構成を採る場合には、当該トレーbのブランクシートの下皿板15の上に空隙を介して上皿板14を折り重ねた後に、上皿板14の皿部23の裏面と下皿板15の皿部24の裏面とを接着することなく、起立した下仕切片19の表面と上仕切片17の裏面とを接着する行程(起立した下仕切片19の表面と上仕切片17の裏面とを接着することなく重ね合わせる行程を採用することができる。)と(
図1(C)参照。)、規制片16を下皿板15との境界線で裏側に起立させる行程を経る(以下、「トレー組立行程」と記す。)。
更に、ブランクシートが押え板34を具備する場合には、規制板16との境界線から仕切側(裏側)へ折り曲げて放置する。この際、ブランクシートの屈曲状態からの復元力により、押え板34と規制板16とでなす角(以下、「緩衝角」と言う。)が30度~45度程度となることが望ましい(
図9(C)破線参照。)。
【0024】
これらの行程により、上仕切片17及び下仕切片19からなる二層構造の仕切を等間隔で備え、当該仕切とは反対の下方に起立した前後二つの脚部21,22を備えるトレーbが形成される。
前記トレーbの各仕切は、接合され、又は重ね合わせられて起立した上仕切片17及び下仕切片19の復元力(平伏力)に副って皿部23,24に対して起立することとなる。
前記トレーbの仕切は、前記仕切片17の支承部18が下仕切片19の支承部20の上位に存在するため、前記上仕切片17と下仕切片19の脱出長が同じであっても、前記上仕切片17と下仕切片19の接合又は重ね合わせにより充填前の起立形態として一律の傾斜が与えられる。
即ち、下位に支承部20を持つ下仕切片19の開き角が上位に支承部18を持つ上仕切片17の開き角よりも大きくなるため、上下仕切片17,19からなる二層構造の仕切のすべてが同方向(下仕切片19側)へ僅かに傾斜して同様に起立することとなる(
図1(C)参照。)。
【0025】
図1に示すトレーbは、上記構成に加え、ボトムローディングにより箱本体aの内空部に進入後、更に上昇した際に、当該箱本体aの仕切と箱本体aの天板1との干渉により、当該仕切に対し予め定められた所定方向への傾斜が確実に促される構成を得たいとの要請に副うために、各仕切には、上仕切片17と下仕切片19の接合又は重ね合わせによる充填前の形態として、干渉による傾斜方向を一律とし、且つそれを高い確率で予定するための予備傾斜が与えられていることが望ましい。
【0026】
すべての仕切に予備傾斜を与える構成として、重なり合うすべての上仕切片17と下仕切片19について、下仕切片19の脱出長(幅)を上仕切片17の脱出長(幅)より一律に短くした(下仕切片19による上仕切片17の支点を下げた)構成(
図10(A)参照。)、上仕切片17及び下仕切片19が脱出した各領域の支承部18,20における上皿板14と下皿板15との間に空隙を設ける(上仕切片17の支承部18により下仕切片19を制止する)構成(
図10(B)(C)参照。)、又は下仕切片19の支承部20に上仕切片17の支承部18を一律に被せる(上仕切片17の支承部18により下仕切片19を直立状態より開いた姿勢で制止する)構成(
図10(C)参照。)等を、前記トレーbの構成に併せて採用することができる。
上記いずれかの構成を採用すれば、両仕切片17の支承部18が下仕切片19の支承部20の上位に存在することが相俟って、個包装商品cを搭載する前のすべての仕切の傾斜方向等(予備傾斜)を一律とし、且つ高い確実で予定することができる。
【0027】
前記トレーbは、緩衝機能を高めるべく、上記構成に加えて、上皿板14、下皿板15若しくは規制板16のいずれかの切込みに囲まれた部分が開いて脱出し下皿板15を箱本体aの内面から離隔させる脚部21,22を備える構成(
図1又は
図9参照。)、若しくは前記脚部40を隣接する板14,15,16に連続して(折り曲げられることなく)備える構成(
図12参照。)、上皿板14の切込みに囲まれた部分が一方向へ開いて脱出した上脚片37、及び下皿板15の切込みに囲まれた部分が逆方向へ開いて脱出した下脚片38を備え向かい合う上脚片37と下脚片38が接合され、又は重ね合わせられた脚部39を備える構成(
図11(A)参照。)、又は前記上皿板14又は下皿板15が箱本体aの内空部において弓状に湾曲した形態で内装される奥行き若しくは幅を備える構成(
図11(B)(C)参照。)を採ることができる。
尚、前記脚部40を隣接する板14,15,16に連続して備える構成としては、例えば、前記下皿板15に、左右いずれかへ開いて表側へ脱出し当該下皿板15の表面を箱本体aの内面から離隔させる脚部40を前記規制板16に連続して備える構成(
図12参照。)が挙げられる。
【0028】
包装用箱の組立行程は、前記本体組立行程及びトレー組立行程に加えて、充填準備行程(
図2参照。)と、商品搭載行程(
図7参照。)と、商品充填行程(
図8参照。)と、封緘行程(
図5及び
図6参照。)を経る。
【0029】
充填準備行程は、箱本体aについては、凸成形型xに装着されたままの箱本体aを凹成形型yの保持領域に装着する行程(
図2(A)参照。)と、保持領域の開口部を下へ向ける(
図2(B)参照。)と共に、左右底支持片11,12及び底封鎖板6を当該箱本体aの下開口部の外側へ開く行程(
図8(A)参照。)と(トレーbの四辺及び当該トレーbからはみ出して搭載された個包装商品cからなるトレーbの外縁を当該箱本体aの下開口部の内側へ確実に誘導するフラップとして、左右底支持片11,12及び底封鎖板6(封鎖板)を下開きに支持する構成を採ることが望ましい。)、前記トレーbに、個々の個包装商品cを各々仕切区画dに分けて同じ向き及び姿勢で搭載する行程(
図7(B)及び
図8参照。)を経る。
尚、前記フラップとして用いる部位は、前記左右底支持片11,12及び底封鎖板6等の封鎖板に限定されるものではなく、トレーbの外縁を当該箱本体aの下開口部の内側へ確実に誘導できる限りにおいて、前板2、左板3、後板4又は右板5等の他の部位をフラップとして用いても良い。
【0030】
凹成形型yは、箱本体aの四側面2,3,4,5の四隅を夫々L字状に囲う様にブロックを配置した構成を備えると共に、前板2の支持態様を折り曲げ前の展開状態及び折り曲げ後の垂下状態に変更させることが出来る構成を備えたものであり、充填準備行程においては、前板2の支持態様を折り曲げ前の展開状態に維持することができる(
図8(A)参照。)。
【0031】
この例で用いられる凹成形型yは、四側板2,3,4,5の下端と同位に配置される直線状の平坦な誘導面(下面)、及び当該誘導面から箱本体aの四側板2,3,4,5の全高に亘って直角に起立する内支持面(内面)を備える左前ブロック25、右前ブロック26、左側ブロック27及び右側ブロック28と、四側板2,3,4,5の下端と同位に配置されるL字状の平坦な誘導面(下面)、及び当該誘導面から箱本体aの四側板2,3,4,5の全高に亘って直角に起立し、且つ直交する二つの平坦な内支持面(内面)を備えるL字状の左後隅ブロック29及び右後隅ブロック30を備える。
前記左前ブロック25、右前ブロック26、左側ブロック27及び右側ブロック28と、左後隅ブロック29及び右後隅ブロック30は、箱本体aの四側面2,3,4,5の四隅を囲う様に配置される。
前記左前ブロック25及び右前ブロック26は、内支持面の上端に設けられた軸承部(図示省略)を共有し、両者の内支持面が一体となって内向き及び下向きへ変更出来る様に旋回させる開閉手段を備える。
【0032】
商品搭載行程は、トレーbに搭載テーブルeを装着して行う(
図7(A)参照。)。
搭載テーブルeは、トレーbの皿部23,24を下支えする支持台e1と、上仕切片17及び下仕切片19の配置に副って配置されたパンチe2を備える。パンチe2は、上仕切片17及び下仕切片19を脱出させる切込みに囲まれた上下脱出孔35、36の交差領域の形態と同じ外縁を備える。
各パンチe2は、脱出した上仕切17片及び下仕切片19を所定の傾斜で(例えば、略直角に)起立させる支え面fを支承部18,20側の側面に備えると共に、当該仕切に沿って前後に進入する場合における個包装商品cの端縁の引っ掛かりを回避するために、前方又は後方に向けた流線形状の逃がし面gをパンチe2の端面(上面)及び前記支え面f以外の側面(前側面又は後側面)に備える。
各パンチe2は、上下脱出孔35、36に進入し予備傾斜を解消させ、又は減少させる機能を果たす(
図1,
図7及び
図10参照。)。
トレーbは、搭載テーブルeが装着されると、当該トレーbの各仕切が支え面fに沿って同様に起立し(例えば、直立又は同じ傾斜での起立)各仕切区画dの形態が均一となる(
図7(A)参照。)。そのため、個包装商品cの搭載について、当該個包装商品cの存否、向き、姿勢及び形態に関する歩留まりを高めることができる。
【0033】
商品充填行程は、充填準備行程を経た箱本体aの下開口部に面した位置(充填位置)において、個包装商品cが搭載され、且つ前記搭載テーブルeが外されすべての仕切に組立当初の予備傾斜が戻ったトレー(
図7(C)参照。以下、「満トレー」と記す。)bを、充填リフト(図示省略)に載せて、トレーbの上皿板14及び下皿板15が所定の充填位に至り、トレーb上の個包装商品cが箱本体aの内空部に収容されるまで差し上げる行程である(
図8及び特願2022-117623参照。)。
その際、満トレーbは、規制板16が箱本体aの下開口部から外れない様に、規制板16が下皿板15から略直角に起立する様に成形された上で(例えば、
図9(C)参照。)充填リフトの昇降テーブルに保持される。
尚、前記充填リフトは、箱本体aに個包装商品cを搭載したトレーbを、定位置に支持された当該箱本体aの下開口部へ向けて差し上げることによって装填させる機能を持った装置である(図示省略)。
ここで、前記所定の充填位は、例えば、トレーbの上皿板14及び下皿板15が下開口部を封じる高さ、又はトレーbの上皿板14及び下皿板15の最下位が箱本体aの四側板2,3,4,5の最下位(開口位)と一致する高さ等である。
【0034】
満トレーbの各仕切は、箱本体aの内空部において天板1の裏面に当接した後、充填時の昇降テーブルの上昇に伴う当該天板1との干渉により傾倒を与えられつつ、前記所定の充填位に至るまで加圧し続けられる。
その結果、商品充填後における個包装商品cは、箱本体a及びトレーbにより、上下方向及び左右方向からその移動が規制され、支持、挟持又は抱持されることとなる。
同時に、充填時の昇降テーブルの上昇に伴う左右底支持片11,12及び底封鎖板6(封鎖板)等フラップとの干渉により、箱本体aの下開口部の範囲から外れた個包装商品cが当該下開口部の内側へ誘導され、すべての個包装商品cが規制板16に沿って等しく揃えられることとなる。
規制板16に続いて抑え板34を具備する場合には、前記当該下開口部を経て内空部へ誘導された個包装商品cが押え板34を加圧し、規制板16と押え板34が成す緩衝角を押し縮める様に作用する。その結果、商品充填後における個包装商品cは、箱本体aの前後方向において安定挟持されることとなる。
【0035】
封緘行程は、前記凹成形型yで商品充填行程を経た箱本体aを保持し、当該箱本体aへの満トレーbの装填状態を維持した上で、封緘手段を稼動させることにより行われる。
封緘手段は、凹成形型yを中心に置いて前後左右に配置され、当該凹成形型yの充填位において移動し、支持位置と退避位置とを進退する。
封緘手段は、凹成形型yを挟む左右に支持され当該凹成形型yに保持された箱本体aの下開口部に面した支持位置と当該下開口部に面した領域から離脱した退避位置との間を進退する左支持部材31及び右支持部材32と、同凹成形型yの後方に支持され当該凹成形型yに保持された箱本体aの下開口部に面した支持位置と当該下開口部に面した領域から離脱した退避位置との間を進退する後支持部材(図示省略)と、当該凹成形型yの保持領域の前面の下方に支持され当該保持領域の前面に沿う前支持位において移動し当該保持領域の前面に面した支持位置(充填位)と当該前面から外れ支持位置から離れた退避位置との間を進退する前支持部材33を備える。
【0036】
左支持部材31、右支持部材32、前支持部材33及び後支持部材は、箱本体aに充填する個包装商品cの形態に応じて交換することができる。
例えば、接着剤を塗布するための開放領域や、当該箱本体aへの満トレーbの装填状態を維持した上で昇降テーブルを充填位から退避させるための開放領域等、一定の目的が与えられた領域を開放するための間隙を設けつつ2以上の支持爪を間欠的に並べたフォーク状若しくは櫛歯状又は枠状の支持部材(
図8参照。)や、箱本体aの印刷面に損傷を与える事無く効率的に加圧するためのローラーを備えた支持部材等が挙げられる。
図2、
図5又は
図6に示す例は、左右支持部材31,32及び前支持部材33にあっては、櫛歯状の支持部材31,32,33を採用し、図示しない後支持部材にあっては、加圧ローラーを具備した支持部材を採用する。
【0037】
封緘行程は、凹成形型yに装着された箱本体aに満トレーbを装填する商品充填行程が行われた後に、当該満トレーbを箱本体aの天面へ向けて加圧しつつ当該箱本体aの下開口部を封じる行程である(
図5乃至
図7(D)参照。)。
この様に、ボトムローディングを採り箱本体aの天板1へ向けた満トレーbへの加圧が伴う封緘行程を経ることによって、箱本体aの内空部に装填した後における個々の個包装商品c周囲の余剰空間(個包装商品c個々の揺動又は移動を許容する空間)が仕切や皿部や脚部の弾性を活かしつつ圧縮され、整列状態の維持及び個包装商品cの外形保護に寄与する。
【0038】
封緘行程は、左右支持部材31,32を支持位置へ進めることで箱本体aの左右底支持片11,12を箱本体aの下開口部の左右縁部を覗く位置へ押し進めて水平に支持する行程と、左右底支持片11,12の表面に接着剤を塗布する行程(接着剤を塗布しない行程を採用することができる。)と、後支持部材を支持位置へ進めることで底封鎖板6を下開口部の全域を覗く位置へ推し進めて水平に維持する(トレーbの皿部23,24、仕切片17,19及び脚部21,22、39,40の弾性で生じる外向きの反発力に抗する)行程と、成形部材(図示せず。)により左前支持片7及び右前支持片8を凹成形型yの凹部前方を封じる位置へ推し進めて直角に曲げ成形を行う行程と、左前支持片7及び右前支持片8の表面に接着剤を塗布する行程(接着剤を塗布しない行程を採用することができる。)と、前支持部材33を支持位置(前支持位)へ上昇させることで前側支持片13を凹成形型yの保持領域前方を封じる位置へ推し進めて鉛直方向へ起立する様に維持する行程(これにより、個包装商品cの前後方向の配置を整えることができる。
図6(B)参照。)と、前側支持片13の表面に接着剤を塗布する行程と、凹成形型yの左前ブロック25及び右前ブロック26を両者の内支持面が一体となって内向きとなる様に旋回させることで前板2を前側支持片13の表面に接する位置へ推し進めて鉛直方向へ垂下する様に支持し、その支持状態を接着剤が固化するまで維持する行程を経て完了する(
図6(C)(D)参照。)。
【0039】
この様に、満トレーbを箱本体aの下開口部から装填するボトムローディングを採れば、仕切の弾性を活かして、箱本体aに内装された個包装商品cの各々に対し比較的平均的に適正な支持力、挟持力又は抱持力を与えることができる。
また、個包装商品cを装填する際に、当該個包装商品c上に説明書等の書類を容易に載置でき、且つそのまま装填することができるため、書類の整列状態をも併せて略不動の状態に維持することができる。
商品充填行程から封緘行程に至る時間をカメラで監視し、特に、個包装商品c及び書類を装填する直前の配置の乱れを検出できる様にすることもできる。
【0040】
ボトムローディングによれば、上記構成に加えて、更に、上皿板14、下皿板15若しくは規制板16のいずれかの切込みに囲まれた部分が一方向へ開いて脱出し当該下皿板15の表面を箱本体aの底封鎖板6の内面から離隔させる脚部21,22を備える構成(
図1又は
図9参照。)、若しくはその脚部40を隣接する板14,15,16に連続して備える構成(
図12参照。)、前記上皿板14の切込みに囲まれた部分が左右一方向へ開いて裏側へ脱出した上脚片37を備え、前記下皿板15の切込みに囲まれた部分が左右他方向(逆方向)へ開いて表側へ脱出した下脚片38を上脚片37と略同じ位置に備え、向かい合う上脚片37と下脚片38が接合され、又は重ね合わせられた脚部39を形作る構成(
図11(A)参照。)、又は前記上皿板14又は下皿板15のいずれか若しくは双方が、箱本体aの内空部において弓状に湾曲した形態で内装される奥行き(
図11(B)参照。)若しくは幅(
図11(C)参照。)を備える構成のいずれかを採ったとしても、箱本体aへのトレーbの装填に支障が生じることも無く、トレーbの皿部23,24、仕切片17,19、脚部21,22,39,40の弾性を活かして、箱本体aに内装された個包装商品cの各々に対し比較的平均的に適正な挟持力を与えることができる。
【0041】
尚、下開口部は、トレーbの全仕切区画dの全域を同時に取り込み得る間口が確保されている限り箱本体aの底面側の開口部に限るものではなく、箱本体aの形態又は個包装商品cの形態に応じて、天面側又は側面側の開口部を下へ向けて下開口部とし、ボトムローディングを行うことができる。
その際、箱本体aの閉じられた底板を上へ向けてボトムローディングを行う場合には、箱本体aのブランクシートは、その中央部に長方形の底板を配置し、当該底板の四辺から、それぞれ同じ深さ寸法の長方形状の側板(囲い板)を延設し、当該側板又は当該側板の端縁から延びた封鎖板を、トレーbの外縁をそれぞれ当該下開口部の内側へ誘導するフラップとできる構成を採り、箱本体aの閉じられた一側板を上へ向けてボトムローディングを行う場合には、箱本体aのブランクシートは、その中央部に長方形の一側板を配置し、当該側板の四辺から、それぞれ同じ幅寸法又は奥行き寸法の長方形状の側板、天板及び底板(囲い板)を延設し、当該側板、天板及び底板、又はそれらの端縁から延びた封鎖板を、トレーbの外縁をそれぞれ当該下開口部の内側へ誘導するフラップとできる構成を採ることができる。
【符号の説明】
【0042】
a 箱本体,b トレー,c 個包装商品,d 仕切区画,
e 搭載テーブル,e1 支持台,e2 パンチ,
f 支え面,g 逃がし面,
x 凸成形型,y 凹成形型,
1 天板,2 前板,3 左板,4 後板,5 右板,6 底封鎖板,
7 左前支持片,8 右前支持片,9 左側支持片,10 右側支持片,
11 左底支持片,12 右底支持片,13 前側支持片,
14 上皿板,15 下皿板,16 規制板,
17 上仕切片,18 支承部,19 下仕切片,20 支承部,
21 脚部,22 脚部,23 皿部,24 皿部,
25 左前ブロック,26 右前ブロック,
27 左側ブロック,28 右側ブロック,
29 左後隅ブロック,30 右後隅ブロック,
31 左支持部材,32 右支持部材,33 前支持部材,
34 押え板,35 脱出孔,36 脱出孔,
37 上脚片,38 下脚片,39 脚部,40 脚部,41 間板,