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特開2024-11152プリント配線板の製造方法および製造装置
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  • 特開-プリント配線板の製造方法および製造装置 図1
  • 特開-プリント配線板の製造方法および製造装置 図2
  • 特開-プリント配線板の製造方法および製造装置 図3
  • 特開-プリント配線板の製造方法および製造装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011152
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】プリント配線板の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/26 20060101AFI20240118BHJP
   H05K 3/10 20060101ALI20240118BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H05K3/26 B
H05K3/10 E
H05K3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112922
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小椋 啓司
(72)【発明者】
【氏名】岡部 浩二
(72)【発明者】
【氏名】辻井 貴典
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA07
5E343BB24
5E343BB67
5E343DD32
5E343DD43
5E343DD76
5E343FF23
5E343GG06
5E343GG11
(57)【要約】
【課題】貫通孔の配置密度に偏りがあった場合でも、均一な厚さの導体回路を形成する。
【解決手段】本発明のプリント配線板の製造方法は、複数の貫通孔を有するプリント配線板の製造方法であって、基板の両表面に形成した導体膜であって、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜に対し、サブトラクティブ工法で導体回路を形成するに際し、導体膜の厚さ分布を測定し、基板表面上において導体膜が薄い領域と厚い領域とを特定することと、導体膜の導体回路を形成すべき箇所にレジストパターンを形成することと、基板表面にエッチング液を均一に噴射して、基板表面上の導体膜に対し均一に第1回目のエッチングをすることと、第1回目のエッチングをしたのち、基板表面上の導体膜の厚い領域のみに再度エッチング液を噴射して、基板表面上の導体膜の厚い領域のみに対しさらに第2回目のエッチングをすることと、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔を有するプリント配線板の製造方法であって、
基板の両表面に形成した導体膜であって、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜に対し、サブトラクティブ工法で導体回路を形成するに際し、
導体膜の厚さ分布を測定し、基板表面上において導体膜が薄い領域と厚い領域とを特定することと、
導体膜の導体回路を形成すべき箇所にレジストパターンを形成することと、
基板表面にエッチング液を均一に噴射して、基板表面上の導体膜に対し均一に第1回目のエッチングをすることと、
第1回目のエッチングをしたのち、基板表面上の導体膜の厚い領域のみに再度エッチング液を噴射して、基板表面上の導体膜の厚い領域のみに対しさらに第2回目のエッチングをすることと、
レジストパターンを剥離することと、を含む。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記第1回目のエッチングおよび前記第2回目のエッチングは、
前記基板を搬送する搬送装置と、搬送装置の上に設けられたエッチング液を基板に噴射するための第1のノズルと、搬送装置の出口付近に設けられた固定ノズルと、からなるエッチングチャンバーを用い、
搬送装置により基板が移動する間、基板表面に前記第1のノズルからエッチング液を均一に噴射して第1回目のエッチングを行うことと、
第1回目のエッチングが終わり順次搬送されてくる基板に対し、基板表面上の導体膜が厚い領域が、前記固定ノズルの設置個所を通過している間のみ、前記固定ノズルからエッチング液を噴射して第2回目のエッチングを行うことと、を含む。
【請求項3】
複数の貫通孔を有するプリント配線板の製造方法であって、
基板の両表面に形成した導体膜であって、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜に対し、サブトラクティブ工法で導体回路を形成するに際し、
導体膜の厚さ分布を測定し、基板表面上において導体膜が薄い領域と厚い領域とを特定することと、
導体膜の導体回路を形成すべき箇所にレジストパターンを形成することと、
導体膜が薄い領域のレジストパターン上にマスクを配置することと、
導体回路を形成すべきでない箇所において、導体膜が厚い領域の導体厚さが、導体膜が薄い領域の導体厚さとほぼ同じ厚さとなるように、第1回目のエッチングをすることと、
マスクを剥離して、基板上の導体膜全体に対し、第2回目のエッチングをすることと、
レジストパターンを剥離することと、を含む。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記両表面に導体膜を形成した基板の形成は、
両面銅貼積層板にドリルで貫通孔を形成することと、
貫通孔の内部および両面銅貼積層板にスルーホールめっきを行うことと、
貫通孔を樹脂で充填することと、
樹脂の両端を研磨することと、
基板の両面に蓋めっき膜を形成することと、を含む。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記両表面に導体膜を形成した基板の形成は、
両面銅貼積層板にレーザーで貫通孔を形成することと、
貫通孔の内部全体および両面銅貼積層板の表面にスルーホールめっきを行うことと、を含む。
【請求項6】
請求項2に記載のプリント配線板の製造方法に用いるエッチングチャンバーを備える製造装置であって、前記エッチングチャンバーが、前記基板を搬送する搬送装置と、搬送装置の上に設けられたエッチング液を基板に噴射するための第1のノズルと、搬送装置の出口付近に設けられた固定ノズルと、を備え、前記第1回目のエッチングを前記第1のノズルからエッチング液を噴射して行うとともに、前記第2回目のエッチングを前記固定ノズルからエッチング液を噴射して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の貫通孔を有するプリント配線板の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の貫通孔を有するプリント配線板において、貫通孔配置の高密度化が求められている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-72454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図4(a)~(d)は、それぞれ、従来の複数の貫通孔を有するプリント配線板の製造方法を示す図である。まず、絶縁基板51とその両表面に形成された銅箔52とからなる両面銅張積層板53にドリルで貫通孔54を形成し、銅箔52上と貫通孔54の内部に電解めっき膜59と55を形成する(図4(a))。次に、貫通孔54の内部に形成された電解めっき膜55の空洞内に充填樹脂56を充填し、貫通孔54からはみ出した充填樹脂56を研磨して除去する(図4(b))。次に、充填樹脂56が充填された貫通孔54を塞ぐように、蓋めっき膜57を形成する(図4(c))。さらに、蓋めっき膜57に対し、例えばサブトラクティブ工法を適用して、導体回路58を形成している(図4(d))。
【0005】
上述したプリント配線板の製造方法で製造したプリント配線板においては、貫通孔の密度に偏りがあると、電解めっきによる蓋めっき57の形成時に、貫通孔密度が高い箇所では蓋めっき膜57の膜厚が薄く、貫通孔密度が低い箇所では蓋めっき膜57の膜厚が厚くなる。そのため、プリント配線板の表面において、蓋めっき膜57の膜厚に差が生じる問題がある。蓋めっき膜57の膜厚の差が大きいと、蓋めっき膜57に対して行うサブトラクティブ工法での配線形成の工程能力が低下したり、配線形成そのものの障壁となったりすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリント配線板の製造方法は、複数の貫通孔を有するプリント配線板の製造方法であって、基板の両表面に形成した導体膜であって、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜に対し、サブトラクティブ工法で導体回路を形成するに際し、導体膜の厚さ分布を測定し、基板表面上において導体膜が薄い領域と厚い領域とを特定することと、導体膜の導体回路を形成すべき箇所にレジストパターンを形成することと、基板表面にエッチング液を均一に噴射して、基板表面上の導体膜に対し均一に第1回目のエッチングをすることと、第1回目のエッチングをしたのち、基板表面上の導体膜の厚い領域のみに再度エッチング液を噴射して、基板表面上の導体膜の厚い領域のみに対しさらに第2回目のエッチングをすることと、レジストパターンを剥離することと、を含む。
【0007】
本発明のプリント配線板の製造装置は、上述したプリント配線板の製造方法に用いるエッチングチャンバーを備える製造装置であって、前記エッチングチャンバーが、前記基板を搬送する搬送装置と、搬送装置の上に設けられたエッチング液を基板に噴射するための第1のノズルと、搬送装置の出口付近に設けられた固定ノズルと、を備え、前記第1回目のエッチングを前記第1のノズルからエッチング液を噴射して行うとともに、前記第2回目のエッチングを前記固定ノズルからエッチング液を噴射して行う。
【0008】
また、本発明のプリント配線板の製造方法は、複数の貫通孔を有するプリント配線板の製造方法であって、基板の両表面に形成した導体膜であって、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜に対し、サブトラクティブ工法で導体回路を形成するに際し、導体膜の厚さ分布を測定し、基板表面上において導体膜が薄い領域と厚い領域とを特定することと、導体膜の導体回路を形成すべき箇所にレジストパターンを形成することと、導体厚が薄い領域のレジストパターン上にマスクを配置することと、導体回路を形成すべきでない箇所において、導体膜が厚い領域の導体厚さが、導体膜が薄い領域の導体厚さとほぼ同じ厚さとなるように、第1回目のエッチングをすることと、マスクを剥離して、基板上の導体膜全体に対し、第2回目のエッチングをすることと、レジストパターンを剥離することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)~(e)は、それぞれ、本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態において、サブトラクティブ工法による導体回路の形成方法を説明するための図である。
図2】(a)~(d)は、それぞれ、本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態を実施する際の、本発明のプリント配線板の製造装置の一実施形態を説明するための図である。
図3】(a)~(f)は、それぞれ、本発明のプリント配線板の製造方法の第2の実施形態において、サブトラクティブ工法による導体回路の形成方法を説明するための図である。
図4】(a)~(d)は、それぞれ、従来のプリント配線板の製造方法の一実施形態における各工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1(a)~(e)を用いて、本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態を説明し、図2(a)~(d)を用いて、本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態を実施する、本発明のプリント配線板の製造装置の一実施形態を説明し、図3(a)~(f)を用いて、本発明のプリント配線板の製造方法の第2の実施形態を説明する。上述した各実施形態において、各部材の寸法や形状については、本発明の特徴をより良く理解できるようにするために、実際のものとは異なる寸法および形状で記載している。
【0011】
<本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態について>
図1(a)~(e)は、それぞれ、本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態において、サブトラクティブ工法による導体回路の形成方法を説明するための図である。以下、図1(a)~(e)を参照して、本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態であって、基板の両表面に形成した、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜に対し、サブトラクティブ工法で導体回路を形成する方法を説明する。
【0012】
まず、図1(a)に示すように、複数の貫通孔(ここでは図示せず)を有する基板1の両表面に形成した、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜2に対し、導体膜2の厚さ分布を測定し、導体膜2が薄い領域2-1と厚い領域2-2とを特定する。ここで、導体膜2の厚さ分布の測定は、従来から公知のいずれの方法をも用いることができる。一例として、複数のセンサーを導体膜2上に配置して、導体膜2の厚さ分布を測定することができる。
【0013】
次に、図1(b)に示すように、導体膜2の導体回路を形成すべき箇所にレジストパターン3を形成する。ここで、レジストパターン3の形成は、従来から公知のいずれの方法をも用いることができる。一例として、DFR(ドライフィルムレジスト)を用いて形成することができる。その後、図1(b)に示すように、基板表面にエッチング液を均一に噴射して、基板表面上の導体膜2に対し均一に第1回目のエッチングをする。その結果、図1(c)に示すように、第1回目のエッチングを行うことで、導体膜2の薄い領域2-1では導体膜2が除去され、導体膜2の厚い領域2-2では導体膜2が残存する。
【0014】
次に、第1回目のエッチングをしたのち、図1(c)に示すように、基板表面上の導体膜2の厚い領域2-2のみに再度エッチング液を噴射して、基板表面上の導体膜2の厚い領域2-2のみに対しさらに第2回目のエッチングをする。その結果、図1(d)に示すように、第2回目のエッチングにより、第1回目のエッチングで残存していた厚い領域2-2の導体膜2は除去されるとともに、レジストパターン3の下の導体膜2は、先端に行くほど幅が小さくなる。最後に、図1(e)に示すように、レジストパターン3を剥離することで、導体膜2に対し導体回路5を形成することができる。
【0015】
上述した図1(a)~(e)に従う本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態によれば、2回のエッチングをすることにより、導体膜2の厚さが均一でなくても、配線形成の工程能力の低下なく、サブトラクティブ工法による導体回路の形成をすることができる。
【0016】
<本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態を実施する、本発明のプリント配線板の製造装置の一実施形態について>
図2(a)~(d)は、それぞれ、本発明のプリント配線板の製造方法の第1の実施形態を実施する際の、本発明のプリント配線板の製造装置の一実施形態を説明するための図である。以下、図2(a)~(d)を参照して、本発明のプリント配線板の製造装置の一実施形態を説明する。
【0017】
図2(a)~(d)に示す本発明のプリント配線板の製造装置の一実施形態は、基板1を搬送する搬送装置11と、搬送装置11の上に設けられたエッチング液を基板に噴射するための複数の第1のノズル12と、搬送装置11の出口付近に設けられた固定ノズル13と、を備えるエッチングチャンバー10を備えている。なお、本例では、基板1として、図1(a)~(e)に示すように、中央部に導体膜2が薄い領域2-1を有し、その両端部に導体膜2が厚い領域2-2を有する、基板1を用いることとする。
【0018】
まず、図2(a)に示すように、搬送装置11により基板1が移動する間、基板表面に第1のノズル12からエッチング液を均一に噴射して第1回目のエッチングを行う。次に、図2(b)に示すように、先端の導体膜2が厚い領域2-2が固定ノズル13の位置に到達すると、固定ノズル13から先端の導体膜2が厚い領域2-2に対しエッチング液を噴射して、第2回目のエッチングを行う。次に、図2(c)に示すように、導体膜2が薄い領域2-1が固定ノズル13の位置にあるときは、固定ノズル13からのエッチング液の噴射を止める。次に、図2(d)に示すように、後端の導体膜2が厚い領域2-2が固定ノズル13の位置に到達すると、固定ノズル13から後端の導体膜2が厚い領域2-2に対しエッチング液を噴射して、第2回目のエッチングを行う。
【0019】
上述した図2(a)~(d)に従って第1回目のエッチングと第2回目のエッチングとを行うことで、搬送装置11により基板1が移動する間、基板表面に第1のノズル12からエッチング液を均一に噴射して第1回目のエッチングを行うことができる。また、第1回目のエッチングが終わり順次搬送されてくる基板1に対し、基板表面上の導体膜2が厚い領域2-2が、固定ノズル13の設置個所を通過している間のみ、固定ノズル13からエッチング液を噴射して第2回目のエッチングを行うことができる。
【0020】
なお、図2(a)~(d)に示す例では、基板1の上面の導体膜2に対してのみ、第1回目のエッチングおよび第2回目のエッチングを行っている。そのため、この場合は、基板1の下面の導体膜2に対しては、上面に対する第1回目のエッチングおよび第2回目のエッチングを終えたのち、同じ工程で第1回目のエッチングおよび第2回目のエッチングを行う。この点で、基板1の下面にも、図2(a)~(d)と同様に第1のノズル12と固定ノズル13とを設け、基板1の両面の導体膜2に対し、同時に、第1回目のエッチングおよび第2回目のエッチングを行うこともできる。
【0021】
<本発明のプリント配線板の製造方法の第2の実施形態について>
図3(a)~(f)は、それぞれ、本発明のプリント配線板の製造方法の第2の実施形態において、サブトラクティブ工法による導体回路の形成方法を説明するための図である
。以下、図3(a)~(f)を参照して、本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態であって、基板の両表面に形成した、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜に対し、サブトラクティブ工法で導体回路を形成する方法を説明する。
【0022】
まず、図3(a)に示すように、複数の貫通孔(ここでは図示せず)を有する基板1の両表面に形成した、貫通孔の配置密度により異なる厚みを有する導体膜2に対し、導体膜2の厚さ分布を測定し、導体膜2が薄い領域2-1と厚い領域2-2とを特定する。ここで、導体膜2の厚さ分布の測定は、従来から公知のいずれの方法をも用いることができる。一例として、複数のセンサーを導体膜2上に配置して、導体膜2の厚さ分布を測定することができる。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、導体膜2の導体回路を形成すべき箇所にレジストパターン3を形成する。ここで、レジストパターン3の形成は、従来から公知のいずれの方法をも用いることができる。一例として、DFR(ドライフィルムレジスト)を用いて形成することができる。
【0024】
次に、図3(c)に示すように、導体厚が薄い領域2-1のレジストパターン3上にマスク4を配置する。ここで、レジストパターン3上へのマスク4の配置は、従来から公知のいずれの方法をも用いることができる。一例として、マスク4の形成を、レジストフィルムを用いて行うことができる。そして、図3(c)に示すようにマスク4を配置した状態で第1回目のエッチングを行う。第1回目のエッチングにより、導体回路を形成すべきでない箇所において、導体膜2が厚い領域2-2の導体厚さが、導体膜2が薄い領域2-1の導体厚さと同じ厚さとなるようにする。ここで、第1回目のエッチングの方法は、従来から公知のいずれの方法をも用いることができる。
【0025】
次に、図3(d)に示すように、マスク4を剥離して、基板1上の導体膜2の全体に対し、第2回目のエッチングを行う。第2回目のエッチングにより、図3(e)に示すように、導体回路を形成すべきでない箇所において、導体膜2が除去されるとともに、レジスト3の下の導体膜2は、先端に行くほど幅が小さくなる。ここで、第2回目のエッチングの方法は、従来から公知のいずれの方法をも用いることができる。そして、図3(f)に示すように、レジストパターン3を剥離することで、導体膜2に対し導体回路5を形成することができる。
【0026】
上述した図3(a)~(f)に従う本発明のプリント配線板の製造方法の第2の実施形態によれば、2回のエッチングをすることにより、導体膜2の厚さが均一でなくても、配線形成の工程能力の低下なく、サブトラクティブ工法による導体回路5の形成をすることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 基板
2 導体膜
2-1 導体膜が薄い領域
2-2 導体膜が厚い領域
3 レジストパターン
4 マスク
5 導体回路
10 エッチングチャンバー
11 搬送装置
12 第1のノズル
13 固定ノズル

図1
図2
図3
図4